特表2021-503629(P2021-503629A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-503629(P2021-503629A)
(43)【公表日】2021年2月12日
(54)【発明の名称】バイオセンサを備えた眼鏡
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/12 20060101AFI20210115BHJP
   G02C 11/00 20060101ALI20210115BHJP
【FI】
   G02C5/12
   G02C11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-527041(P2020-527041)
(86)(22)【出願日】2018年10月24日
(85)【翻訳文提出日】2020年7月14日
(86)【国際出願番号】IB2018058300
(87)【国際公開番号】WO2019097329
(87)【国際公開日】20190523
(31)【優先権主張番号】102017000131114
(32)【優先日】2017年11月16日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】500064225
【氏名又は名称】サフィーロ・ソシエタ・アツィオナリア・ファブリカ・イタリアナ・ラボラツィオーネ・オッチアリ・エス・ピー・エー
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベリ,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】マネラ,ジョルジオ
(72)【発明者】
【氏名】ドナ,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】サンフェリーチ,アレッサンドロ
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006CA00
(57)【要約】
本発明は、ユーザの頭と接触して信号を検出するためのバイオセンサを備えた眼鏡に関する。該眼鏡は、対応するレンズ(4)を支持する前部フレーム(2)と、フレームに設けられた鼻用支持装置(8)と、を備え、鼻用支持装置は、非導電性材料から作製され且つフレーム(2)に取り外し可能に接続することができるマウント(9)を備え、マウント上には、互いに対向する第1の鼻用支持要素(10)および第2の鼻用支持要素(11)が設けられ、第1の鼻用支持要素(10)および第2の鼻用支持要素(11)には、導電性材料から形成され且つ対応する鼻の左右両側の領域と表面接触することができる第1の鼻用センサ(10a)および第2の鼻用センサ(11a)がそれぞれ組み込まれる。第1の鼻用支持要素および第2の鼻用支持要素の各々は、導電性材料から形成された支持体(13)にそれぞれ取り付けられ、支持体(13)は、導電性材料から形成され且つ支持体(13)と電気的に接触することができるねじ式要素(13a)によってマウント(9)にそれぞれ接続され、ねじ式要素(13a)の各々は、対応するセンサ(10a,11a)によって検出された電気信号を伝達するためにフレーム(2)内に設けられた電気回路(19)と電気的に接触することができ、回路(19)は、フレーム(2)とマウント(9)との間に介在し、これにより、対応するセンサと電気回路との間で電気的接触を閉じることができるねじ式要素(13a)を介して、電気信号がセンサ(10a,11a)から電気回路(19)にそれぞれ伝達される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの頭と接触して信号を検出するためのバイオセンサを備えた眼鏡であって、
対応するレンズ(4)を支持する前部フレーム(2)と、前記フレームに設けられた鼻用支持装置(8)と、を備え、
前記鼻用支持装置は、非導電性材料から作製され且つ前記フレーム(2)に取り外し可能に接続することができるマウント(9)を備え、
前記マウント上には、互いに対向する第1の鼻用支持要素(10)および第2の鼻用支持要素(11)が設けられ、前記第1の鼻用支持要素(10)および前記第2の鼻用支持要素(11)には、導電性材料から形成され且つ対応する鼻の左右両側の領域と表面接触することができる第1の鼻用センサ(10a)および第2の鼻用センサ(11a)がそれぞれ組み込まれ、
前記第1の鼻用支持要素(10)および前記第2の鼻用支持要素(11)の各々は、導電性材料から形成された支持体(13)にそれぞれ取り付けられ、前記支持体(13)は、導電性材料から形成され且つ前記支持体(13)と電気的に接触することができるねじ式要素(13a)によって前記マウント(9)にそれぞれ接続され、
前記ねじ式要素(13a)の各々は、対応する前記センサ(10a,11a)によって検出された電気信号を伝達するために前記フレーム(2)内に設けられた電気回路(19)と電気的に接触することができ、前記回路(19)は、前記フレーム(2)と前記マウント(9)との間に介在し、これにより、対応する前記センサと前記電気回路との間で電気的接触を閉じることができる前記ねじ式要素(13a)を介して、電気信号が前記センサ(10a,11a)から前記電気回路(19)にそれぞれ伝達されることを特徴とする、
眼鏡。
【請求項2】
前記支持体(13)の各々は、その端部(15)の領域において、前記マウント(9)に形成された凹部(17)に係合するための第1の貫通孔(16)を有し、前記凹部(17)において、前記マウントの第2の貫通孔(18)が横方向に交差し、対応する前記ねじ式要素(13a)は、前記第1の孔(16)および前記第2の孔(18)に係合することができ、前記第1の孔(16)および前記第2の孔(18)は、前記支持体(13)が前記マウント(9)に接続され且つ前記ねじ式要素(13a)が前記回路(19)と電気的に接触して前記支持部(15)が前記凹部(17)内で係合したときに、互いに同軸となるように配置される、
請求項1に記載の眼鏡。
【請求項3】
前記ねじ式要素(13a)の各々と、対応する前記支持体(13)との間の電気的接触は、前記第1の孔(16)の内面と、前記第1の孔に係合する前記ねじ式要素(13a)の外面との間で行われる、
請求項1または2に記載の眼鏡。
【請求項4】
前記第1の鼻用支持要素(10)および前記第2の鼻用支持要素(11)は、導電性ゴムまたはプラスチック材料から形成される、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の眼鏡。
【請求項5】
前記支持体(13)は、前記第1の鼻用支持要素(10)および前記第2の鼻用支持要素(11)にそれぞれ形成された管状凹部(14)に受容される、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼鏡。
【請求項6】
前記鼻用支持要素(10,11)は、導電性の硬質プラスチック材料から形成され、前記支持体(13)は、柔軟な金属材料から形成され、前記支持体の変形によって、前記支持要素の位置を記録することができる、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の眼鏡。
【請求項7】
前記マウント(9)の中央に取り付けられた第3のセンサ(12)を備え、
前記第3のセンサ(12)は、導電性材料から形成され、前記第1のセンサ(10a)および前記第2のセンサ(11a)から間隔をおいて配置され、鼻の付け根の領域において顔と表面接触する、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の眼鏡。
【請求項8】
前記第3のセンサ(12)は、導電性材料から形成された第3の支持体(20)上に設けられ、前記第3の支持体(20)は、導電性材料から形成された第3のねじ式要素(21;38)によって前記マウント(9)にそれぞれ接続され、前記第3のねじ式要素(21;38)は、前記第3の支持体と電気的に接触することができ、さらに、前記第3のねじ式要素(21;38)は、前記センサによって検出された電気信号を伝達するために前記フレームに設けられた前記電気回路(19)とも電気的に接触することができ、これにより、対応する前記第3のセンサ(12)と前記電気回路(19)との間の電気的接触を閉じることができる前記第3のねじ式要素(21;38)によって、前記電気信号が前記第3のセンサ(12)から前記電気回路(19)にそれぞれ伝達される、
請求項7に記載の眼鏡。
【請求項9】
前記第3のセンサ(12)の支持体(20)と前記マウント(9)は、導電性材料から形成された前記第3のねじ式要素(21;38)にそれぞれ係合するために同軸となるように配置される少なくとも第3の貫通孔(22;35)と第4の貫通孔(23)とをそれぞれ有する、
請求項8に記載の眼鏡。
【請求項10】
前記第3の支持体(20)は、前記第3のセンサ(12)の左右両側の端部に接続された少なくとも1対の延長片(34)を備え、前記延長片(34)は、柔軟な導電性金属材料から形成され、前記延長片(34)の各端部は、前記第3の孔(35)を有し、前記マウント(9)に形成された座部にそれぞれ少なくとも部分的に係合することができ、これにより、対応する前記ねじ式要素(21;38)が、同軸となるように配置された前記第3の孔および前記第4の孔に係合し、前記延長片(34)の変形によって、前記第3のセンサ(12)の位置を限定的な範囲で記録することができる、
請求項9に記載の眼鏡。
【請求項11】
前記延長片(34)の各々と、対応する前記ねじ式要素(21;38)との間の電気的接触は、前記第3の孔の内周面と前記第3の孔に係合する前記ねじ式要素の外面との間で行われる、
請求項10に記載の眼鏡。
【請求項12】
前記第3のセンサ(12)は、前記マウント(9)の一部の上に導電性ゴムをオーバーモールドすることで形成され、前記電気回路(19)と電気的に接触することができる、
請求項7に記載の眼鏡。
【請求項13】
前記マウント(9)は、1対の接続アーム(40)によって互いに接続されたマウント上部(9’)とマウント下部(9”)とを有し、前記上部は、前記マウントを前記フレームにねじ接続するための孔(9a)を有し、前記下部は、前記第1の鼻用センサおよび前記第2の鼻用センサが組み込まれた前記鼻用支持要素(10,11)の接続のための貫通孔を有し、前記第3のセンサ(12)は、その左右両側の端部が前記アーム(40)を囲むようにおよび前記フレームと前記マウントとの間に介在する前記電気回路(19)との電気的接触を確実にするように、前記マウント上に射出成形される、
請求項12に記載の眼鏡。
【請求項14】
前記電気回路(19)は、フレキシブルプリント基板として構成される、
請求項1〜13のいずれか1項に記載の眼鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主請求項1の前文に記載された特徴を有するバイオセンサを備えた眼鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、前部フレームおよび/または側方アームにバイオセンサが組み込まれた眼鏡に関する特定の技術分野からの発明である。「バイオセンサ」という用語は、センサがユーザの頭の特定の表面領域と局所的に接触することで、例えば脳の機能のような生体機能に相関する電気信号を検出することができるセンサを意味する。
【0003】
このようなセンサを眼鏡のフレームに使用することで、例えば脳波の変化(脳電図)、目の位置の変化(眼電図)、目の周りの筋肉の収縮(筋電図)および心機能の変化(心電図)を検出して、いくつかの生体機能の状態を監視することができる。
【0004】
ユーザの頭に局所的に接触するフレームに適切に組み込まれたセンサを介して容易に取得することができるこれらの機能の状態を知ることで、個人の精神的/身体的な状態の制御および監視に有利に介入して、その個人の健康および安全を脅かす状況を適宜修正またはいずれにしても通知することができる。例えば、仕事、スポーツまたはレクリエーション活動中に発生する可能性があるストレスやより一般的には疲労の状態を監視することが考慮される。
【0005】
バイオセンサを備えた眼鏡の一例が、本出願人によるイタリア国特許出願第102016000125471号に記載されている。
【0006】
上記特許出願に記載されている技術的解決策において、導電性ゴムから形成され、且つ特に鼻の上での支持領域およびその上方の鼻の付け根の領域で、顔面と表面接触するように設けられたセンサが、検出された電気信号をフレーム内に設けられた電気回路に伝達する。
【0007】
これに関連して、上述したすべてのセンサは、それぞれの電気信号を、フレキシブルタイプのプリント回路として形成され且つ当該技術分野において「フレキシブルPCB」(フレキシブルプリント回路)という用語でも知られる電気回路に直接伝達するように設けられる。
【0008】
鼻の上での支持のための中央ブリッジの領域における局所的な回路の部分は、センサを把持し且つ前部フレームに取り外し可能に接続された中央マウントの下方の位置に配置される。このように、回路は、センサと前部フレームとの間に介在する。
【0009】
回路は、信号の適切な取得を確実にするために、鼻の付け根の上部領域から鼻用支持プレートの下部領域までの広範囲にわたって延在する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の主な目的は、バイオセンサを備えた眼鏡を提供することである。これらの眼鏡は、特にフレームの中央の鼻用支持部に設けられたセンサが取得した信号を、フレームに設けられた電気回路に伝達する際に生じる問題に関連した既知の技術的解決策を改善するように、構造的および機能的に構成される。これにより、関連する構成要素においてより簡素化された構造を得ることができ、同時に、適切な信頼性および優れた効率を確保することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的および以下に記載するその他の目的は、添付の特許請求の範囲に従って構築されたバイオセンサを備えた眼鏡から構成される本発明によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の特徴および利点は、添付の図面を参照して非限定的に例示するいくつかの好適な実施形態に関する以下の詳細な説明からより明確になるであろう。
図1】本発明による眼鏡の一例の斜視図である。
図2図1の眼鏡の詳細部を拡大して示す分解斜視図である。
図3】接続されていない状態の、図2の詳細部の1対の構成要素の側面図である。
図4】接続された状態の、図3の詳細部の構成要素の側面図である。
図5】組み立てられた状態の、図2の詳細部を拡大して示す部分断面側面図である。
図6】本発明の眼鏡のフレームに接続することができるプリント電気回路の模式図である。
図7図1の眼鏡の詳細部の別の部分斜視図である。
図8図7に対応し、図示された詳細部の変形例を示す図である。
図9】接続されていない状態の、図8の眼鏡の詳細部の斜視図である。
図9A図9の詳細部の側面図である。
図10図7に対応し、図示された詳細部の別の変形例に関連する図である。
図11】接続されていない状態の、図10の変形例の詳細部の斜視図である。
図12図11の詳細部の側面図である。
図13】組み立てられた状態の、図11の詳細部の別の変形例の斜視図である。
図14図13の詳細部の分解斜視図である。
図15図14の詳細部を拡大して示す部分斜視図である。
図16図7に対応し、図示された詳細部の別の変形例に関連する図である。
図17図16の詳細部の側面図である。
図18図16に対応し、図示された詳細部の別の変形例に関連する図である。
図19図18の詳細部の構成要素の斜視図である。
図20図18の詳細部の部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、図1図9を参照すると、参照符号1は、本発明に従って構築されたバイオセンサを備えた眼鏡の第1の実施形態を全体として示す。
【0014】
眼鏡は、対応するレンズ4をそれぞれ支持する1対のリム3を有する前部フレーム2を備える。リム3は、鼻の領域において延在するブリッジ5によって、中央で互いに接続される。参照符号6は、眼鏡の両側の側方アームを示す。側方アーム6は、フレーム2の左右両側にそれぞれ設けられた突起部7にヒンジ方式で連結される。
【0015】
眼鏡には、鼻の上での支持に適したフレームの中央領域に位置するバイオセンサが設けられる。また、眼鏡には、側方アームが支持されるユーザの頭の耳の後ろの領域において、センサがさらに設けられ得る。ただし、本発明は、バイオセンサを側方アームに提供することに関するものではない。
【0016】
本明細書における「バイオセンサ」という用語は、例えば脳波、心拍または他の生体パラメータを含む個人の生体機能に相関する電気信号を検出するように構成されたセンサを示すことに留意されたい。
【0017】
したがって、上述したセンサは、皮膚と接触する電極として機能的に構成される。これにより、フレーム内に設けられた電気信号の伝導システムを介して、電気信号が検出され、検出された信号を処理するのに適した回路複合体を含む電子モジュールにその信号が伝達される。
【0018】
以下に明示的に記載されていないまたは表現されていない詳細または特定の特徴については、本出願人による先行技術であるイタリア国特許出願第102016000125471号の全内容が、参照により本明細書に組み込まれることを留意されたい。
【0019】
眼鏡には、マウント9を含む鼻用支持装置8が設けられる。マウント9は、前部フレーム2とは構造的に独立しており、フレーム自体に取り外し可能に接続することができる。
【0020】
マウント9には、互いに対向する第1および第2の鼻用支持要素10,11が設けられる。第1および第2の鼻用支持要素10,11の各々には、鼻の対応する左右両側の領域と表面接触することができる第1の鼻用センサ10aおよび第2の鼻用センサ11aがそれぞれ組み込まれる。
【0021】
参照符号12によって示される第3のセンサが、センサ10a,11aの上方でセンサから間隔をおいた位置でマウント9の中央部に設けられる。これにより、第3のセンサは、眼鏡が着用された状態において、鼻の付け根の領域で頭の「眉間」の少し下方で顔と表面接触することができる。
【0022】
センサ10a,11aおよび12は、例えば導電特性を有するエラストマ材料やゴムのような弾力性のある柔軟な導電性材料から有利に形成される。これにより、支持体との接触において快適さと適用性を確保できる一方で、電極の機能を実行してセンサによる信号をそれぞれ検出することができる。
【0023】
プレート状構成を有するマウント9は、非導電性材料から作製され、締め付けねじ9bに係合するための貫通孔9aを有する。締め付けねじ9bは、前部フレーム2の内側、すなわち眼鏡が着用された状態で顔の方に向けられた側で、マウントを前部フレーム2に締め付ける。
【0024】
フレーム2には、ブリッジ5の領域およびブリッジの下方で延在するリム部3の一部にわたって凹部2aが設けられる。図1に示すように、凹部2aは、対応する取り付け領域の表面の窪みとして形成され、マウント9と結合してマウント9を受容するような形状を有する。マウントは、孔9aを貫通する締め付けねじ9bによってフレーム内で固定される。
【0025】
各鼻用支持要素10,11は、導電性材料から形成され且つねじ式要素13aによってマウントに接続される支持体13上にそれぞれ取り付けられる。
【0026】
支持体13は、図1において軸線Xおよび軸線Yによって示される中央平面に関して鏡面対称の構造を有するため、以下では、支持体13の一方のみを詳細に説明する。
【0027】
各支持体13は、導電性を有し且つ対応する鼻用支持要素10,11の内部でその長さにわたって大部分が囲まれる棒状のコアの形態で作製される。
【0028】
図に明らかに示すように、対応するセンサが組み込まれた鼻用支持要素10,11の各々は、鼻の両側で快適な支持を提供する「鼻用プレート」として形成され、対応する棒状支持体13を受容して相対的に固定するための管状凹部14をそれぞれ有する。棒状支持体13は、対応する管状凹部14から突出する端部15の領域において、貫通孔16を有する。端部15は、マウント9に形成された凹部17と実質的に形状一致で接続して係合するように形成される。各凹部17において、プレート状マウント9の厚さ方向を貫通する貫通孔18が横方向に交差する。各孔18の内側には、対応するねじ式要素13aと螺合するように、ねじ山が設けられる。
【0029】
各ねじ式要素13aは、孔16および18にそれぞれ係合することができる。孔16および18は、支持体13がマウント9に接続されて支持部15が凹部18内で係合されたときに、互いに対して同軸となるように配置される。
【0030】
この接続に続いて、ねじ式要素13aは、ねじ頭の反対側の自由端によって、電気信号を伝達するためにフレーム内に設けられた電気回路19と電気的に接触することができる。
【0031】
有利には、電気回路19は、当該技術分野で「フレキシブルPCB」という用語でも知られるフレキシブルプリント基板として作製される。
【0032】
回路19は、前部フレーム2の内側(眉毛アーチの領域の上で延在するレンズ把持リム3の上部に関する部分)に部分的に受容され、アームと突起部との間のヒンジ領域の内側に部分的に受容され、一方または両方の側方アームに設けられたハウジング(図示せず)の内側の位置まで延在する。
【0033】
フレームで回路19を受容するために、フレームの内側には、リム3および突起部7にそれぞれ形成された座部が設けられる。任意選択で、座部は、フレーム部にわたって延在する回路19を視界から隠すように、閉鎖差込部にそれぞれ接続される。
【0034】
図6は、左右両側の端部(アーム6と関連する)から延在する回路19の一例の、平面的な範囲における部分模式図である。回路19は、ねじ13aと電気的に接触する領域が集中する中央ブリッジ5に領域までレンズ把持リム3内で延在する。
【0035】
電気回路19が前部フレーム2とマウント9との間に介在するため、電気信号は、ねじ式要素13aのみを介してセンサ10a,11aから回路19にそれぞれ伝達される。これにより、対応するセンサと電気回路との間の電気的接触を閉じることができる。
【0036】
有利には、各ねじ式要素13aと対応する支持体13との間の電気的接触は、孔16の内周面と孔16に係合するねじ13のシャンクの外面との間で行われる。上述した構成によって、特に回路との電気的接触を閉じるねじ13aに対する固定が行われるプレートの領域だけで十分であるため、(鼻用プレートを介して伝達された電気信号を受信するのに適した)フレキシブルPCB回路を覆う必要がある前部フレームの範囲を削減することができる。このようにして、フレキシブルPCB回路に必要な表面範囲を減少させて、簡素化された構造を得ることができる。
【0037】
第3のセンサ12(「眉間用センサ」とも呼ぶ)は、(眼鏡が着用された状態で顔に向けて突出する)マウント9から間隔をおいた位置にある鼻用支持要素10,11の上でブリッジ状に延在する。これにより、鼻の付け根の領域との支持体の接触を確実にすることができる。さらに、センサ12は、その反対側の端部12a,12bにおいて支持体20にそれぞれ固定されるように結合される。また、支持体20は、マウント9に取り外し可能に接続される。
【0038】
導電性材料から作製された支持体20は、導電性材料から作製され且つ電気回路19と電気的に接触することができるねじ式要素21によって、マウント9に取り外し可能に接続される。
【0039】
より詳細には、支持体20およびマウント9は、相対的に同軸となるように配置され得る貫通孔22,23をそれぞれ有する。これにより、ねじ式要素21は、孔22,23に係合して、支持体20をマウント9にロックすることができ、同時に、センサ12と電気回路19との間の電気的接触を確実にすることができる。支持体20をマウント9にロックするために、マウントの孔23の内側には、ねじ式要素21のねじ付きシャンクと螺合してねじ付きシャンクを受容するように、ねじ山が設けられる。
【0040】
この場合も電気回路が前部フレーム2とマウント9との間に介在するため、ねじ式要素21のみを介して、センサ12によって電気信号が回路19にそれぞれ伝達される。これにより、対応するセンサと電気回路との間の電気的接触を閉じることができる。ねじ21と支持体20との間の電気的接触は、孔22の内周面とそれを貫通するねじのねじ付きシャンクとの表面接触によって生じる。
【0041】
図7は、センサ10a,11aおよび12の信号を受信するためのフレキシブルPCB回路19を有するカバーが配置された前部フレームの領域を、円(矢印Aで示す)で囲んで模式的に示している。(センサ10a,11aのための)1対のねじ13aと(センサ12のための)ねじ21とを互いに近接して配置することを可能にする簡素化された構造によって、その面積が大幅に減少され、結果として、フレキシブルPCB回路の範囲が減少される。
【0042】
図6を再び参照すると、フレキシブルPCB回路19において、鼻用支持装置のセンサ10a,11aおよび12の電気的接続のための中央領域31が画定される。そこから2つの導電線32および33が両側からそれぞれ延在する。線32は、一方の側方アームに沿って配置され(例えば、アームに受容される電力を供給するバッテリに向けられ)、線33は、他方のアームに沿って配置される(例えば、アームに受容される電子モジュールに向けられる)。
【0043】
中央領域31は、マウント9を受容するフレームの凹部2aとマウント9自体との間に介在する回路の一部である。電気的接触を確実にするために、導電性材料(例えば金)で覆われたそれぞれの領域が、1対のねじ13aと、ねじ21とそれぞれ直接接触するように設けられてもよい。図7に部分的にのみ示す導電性トラックは、有利には互いに絶縁処理されている電気信号を伝導するための回路に組み込まれる。
【0044】
マウント9を作製するために使用することができる材料に関しては、有利には、様々なタイプのプラスチック材料が上記の目的に適している。非限定的な一例として、ポリアミドに基づくプラスチック材料(「Grilamid(登録商標)TR90」として市販される材料を含む)、またはポリプロピレンに基づくプラスチック材料が挙げられる。
【0045】
また、前部およびアームの構築に関しては、有利には、マウント9の構築に使用可能な上述した材料と同じ材料を含む、様々なタイプのプラスチック材料を使用することができる。
【0046】
任意選択で、導電性エラストマ材料から形成されたバイオセンサの表面導電率を高めるために、例えば導電性のインクまたは塗料を含む導電性コーティングを使用することもできる。本発明に関するものではないが、アームの一方または両方に設けられたハウジングに関しては、異なる構成を有してもよい。
【0047】
一実施形態において、一方のアームのハウジングは、電子モジュールを受容し、他方のアームに設けられたハウジングは、電子モジュールおよびセンサに電力を供給するためのバッテリを受容する。好ましくは、バッテリは、充電可能且つ取り外し不可能なタイプのものである。代替的に、取り外し可能なタイプのものであってもよい。また、バッテリは、非充電式のものであってもよく、この場合、バッテリが切れた際に交換できるように、必ず取り外し可能なタイプにする必要がある。
【0048】
いずれの場合でも、他の構成を有することができる。対応するアームの一方または他方のハウジングが、電子モジュールやバッテリに加えてまたはそれらの代わりに、さらにセンサによって検出された信号を制御または送信するのに適した他の装置または構成要素を受容するために提供されてもよい。
【0049】
図8図9および図9Aを参照すると、センサ12の第1の変形例において、ブリッジ型センサが、マウント9に固定された支持体20の下方に配置される。その結果、マウント9の孔9aは、上側孔23と1対の下側孔18との間の位置に設けられる。
【0050】
図10図12に示すセンサ12の別の変形例において、センサをマウント9に固定するための1対のねじ21が提供される。ねじは、電気回路19に対して2つの異なる接点を形成する。これにより、ねじを介してセンサによって取得された信号を伝達するための全体的な電気的接触面が増加する。
【0051】
図13図15を参照すると、前述した実施形態の別の変形例において、センサ12の左右両側の端部が、導電性の延長片34にそれぞれ固定されるように接合される。延長片34は、支持体13をマウント9に接続するための上述した実施例で説明したのと同じ方法で、マウント9に固定されるように接合される。これに関連して、センサ12の端部から突出する各延長片34の一部は、貫通孔35を有し、マウント9に設けられた止まり座部36にそれぞれ少なくとも部分的に係合することができる。各凹部36において、貫通孔37がそれぞれ横方向に交差する。導電性材料から作製されたねじ38が、(座部36内の延長片34の係合によって)互いに同軸となるように配置された孔35および36に係合することができる。ねじ38は、センサ12をマウント9に固定するためおよび回路19との電気的接触を閉じるために提供される。
【0052】
延長片34を柔軟な金属材料から作製することで、延長片を所定の方向に(例えばセンサの上方または下方への傾斜を介して)変形させて、センサ12の位置を記録することができる。
【0053】
この場合、対応するねじ21のシャンクの外面と延長片34内にそれぞれ設けられた孔35の内面との間で電気的接触も行われる。
【0054】
また、センサの一端から他端まで延在する単一の延長片34を有するマウントの上でブリッジ状に延在するセンサ12を提供することもできる。
【0055】
図16および図17に示す実施形態において、鼻用支持要素10,11は、前部フレームのリムからそれぞれ間隔をおいて配置されたセンサプレートとして作製され得る。これに関連して、支持体13は、糸状構造体(例えば金属ワイヤからなる)を有するように構成され得る。その一端には、鼻用支持体のためのセンサプレートが固定されるように接合される。その端部には、ワイヤ自体とセンサプレートとの間の接続を確実にするのに適した構造体が設けられてもよい。この構造体は、例えば、センサプレートの寸法よりも小さい寸法を有する円盤状またはプレート状の形状を有し、金属から形成され、ワイヤに溶接される。このようにして、有利には、センサプレートは、射出成形プロセス(「インサート成形」としても知られる)、すなわち円盤(または内部プレート)の周囲にプレートを共射出することによって、ワイヤに接続することができる。
【0056】
同様に、糸状構造体の反対側の端部には、支持体13を、マウント9に形成された対応する凹部17に安定して接続するのに適した構造体が設けられてもよい。この接続構造体(図示せず)は、例えば、導電性の金属材料から作製された金属ワイヤの直径よりも大きい幅を有し且つ金属ワイヤ自体の端部に溶接されるプレートから構成され得る。プレートには、マウント9の孔18と同軸でねじ13aが係合することができる(上述した実施例の支持体15に設けられた貫通孔16と同様の)貫通孔が設けられる。プレートは、マウント9に形成された凹部17と実質的に形状一致で接続して係合するように形成される。
【0057】
この変形例の構成により、鼻用支持体の各センサプレートの位置を記録することができる。さらに、柔軟な材料から形成された支持体13の変形能によって、着用の際のセンサ10a,11aの適応性を確実にすることができる。これにより、導電性ゴムを使用する代わりに、センサプレートを導電性の硬質プラスチック材料から作製することができる。
【0058】
図18図20に示す実施形態において、鼻用支持装置のセンサ12は、非導電性プラスチック材料から形成された支持マウント9の上に射出成形される導電性ゴムから形成された中央ブリッジを有する構造体として作製され得る。
【0059】
これに関連して、マウント9は、互いに間隔をおいて配置された1対の接続アーム40によって互いに接続された上部9’と下部9”とを有する。
【0060】
これらのアーム40は、ブリッジ状センサ12の両側の2つの端部12a,12bのための支持構造体を構成する。ブリッジ状センサは、2つの端部12a,12bがアーム40にそれぞれ相互接続して囲むように、射出成形される。
【0061】
マウント9には、導電性ゴムまたはプラスチック材料から形成され且つ上述した(例えば図16に示すような)実施形態の構造を有するように形成された1対の鼻用センサプレート10a,11aがさらに取り付けられる。したがって、各鼻用プレートを支持マウントに接続するために、コアまたは導電性の金属延長片が使用される。
【0062】
さらに、プレートは、電気信号を送信するために使用されるねじによって支持マウントに固定される。
【0063】
図20に示すように、フレキシブルPCBタイプの電気回路19は、(マウントの上に射出成形された)ブリッジ状センサ12と、センサプレートの延長片34に接続された導電性ねじ13aと電気的に接触する。
【0064】
有利には、この変形例は、プラスチック材料(非導電性)の上にゴム(導電性)をオーバーモールドすることで得られた場合、中央部/上部(ブリッジ状センサ)の簡素化された構造を組み合わせたものである。ここで、(柔軟な材料から形成された)導電性の延長片および導電性のねじを使用することで、記録可能な鼻用センサプレートを得ることができる場合がある。
【0065】
したがって、本発明は、上述した解決策に関して記載された利点を提供することで、上述した目的を達成する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図9A
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】