特表2021-505273(P2021-505273A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-505273個人積み立て型ジャックポットシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-505273(P2021-505273A)
(43)【公表日】2021年2月18日
(54)【発明の名称】個人積み立て型ジャックポットシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/80 20140101AFI20210122BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20210122BHJP
   A63F 13/71 20140101ALI20210122BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20210122BHJP
【FI】
   A63F13/80 F
   A63F13/79
   A63F13/71
   A63F13/35
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-531018(P2020-531018)
(86)(22)【出願日】2018年10月31日
(85)【翻訳文提出日】2020年7月21日
(86)【国際出願番号】GB2018053150
(87)【国際公開番号】WO2019110953
(87)【国際公開日】20190613
(31)【優先権主張番号】1720534.5
(32)【優先日】2017年12月8日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518350945
【氏名又は名称】ティーシーエス ジョン ハクスレー ヨーロッパ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCS JOHN HUXLEY EUROPE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】サンダース, アンドリュー マイケル
(57)【要約】
個人積み立て型ジャックポットシステムが、プレーヤ満足度の改善を目的として提供される。個人積み立て型ジャックポットシステムは、ユーザに固有の識別情報、及び賭け値を有する賭け情報を受け入れるように構成された入力要素を備える。システムは、動作可能期間中に乱数を生成及び出力するように構成された物理的乱数発生器と、識別情報、賭け情報及び乱数にアクセスし記憶するように構成されたメモリであり、識別情報に関連付けられた個人積み立て型ジャックポット値をさらに含むメモリと、個人積み立て型ジャックポット値を修正するように構成されたコントローラと、プロセッサとをさらに備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人積み立て型ジャックポットシステムであって、
入力要素であり、
ユーザに固有の識別情報、及び
賭け値を有する賭け情報を受け入れるように構成された入力要素と、
動作可能期間中に乱数を生成及び出力するように構成された物理的乱数発生器と、
前記識別情報、前記賭け情報及び前記乱数にアクセスし記憶するように構成されたメモリであり、前記識別情報に関連付けられた個人積み立て型ジャックポット値をさらに含むメモリと、
前記個人積み立て型ジャックポット値を修正するように構成されたコントローラと、
プロセッサであり、
前記識別情報を個人積み立て型ジャックポット値にリンクするステップ、
個人積み立て型ジャックポット積立て額を計算するステップであり、前記コントローラが、前記個人積み立て型ジャックポット値を前記個人積み立て型ジャックポット積立て額だけインクリメントするように構成されている、ステップ、
前記乱数に基づいて当たり条件を生成するステップ、及び
前記賭け情報を前記当たり条件と比較して、
前記賭け情報が前記当たり条件を満たす第1の結果で、前記第1の結果に従って前記コントローラがパーソナライズされた積み立て型ジャックポット値を低減するように構成されている、第1の結果、及び
前記賭け情報が前記当たり条件を満たさない第2の結果
のうちの1つを判別するステップを実行するように構成されたプロセッサとを備え、
それによって前記個人積み立て型ジャックポットシステムがパーソナライズされたゲーム体験を提供する、個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項2】
前記コントローラが、前記物理的乱数発生器と関連しない追加の結果に従って、前記個人積み立て型ジャックポット値を低減するようにさらに構成されている、請求項1に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項3】
前記追加の結果が偶然の事象により生じる、請求項2に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項4】
前記システムが追加のジャックポット値をさらに含む、請求項1、請求項2又は請求項3に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項5】
前記追加のジャックポット値が、団体積み立て型ジャックポット、リンクされた積み立て型ジャックポット、ミステリージャックポット、フラットジャックポット、独立型ジャックポット、単独型ジャックポット、固有積み立て型ジャックポット、広域積み立て型ジャックポット、の範囲から選択されたものである、請求項4に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項6】
前記個人積み立て型ジャックポット積立てが、前記賭け値に依存する値、前記賭け値に依存していない値、の範囲から選択された少なくとも1つに応じた値を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項7】
前記コントローラが、前記個人積み立て型ジャックポット値に応じた通貨を前記ユーザに送信するようにさらに構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項8】
前記通貨の送信が、前記第1の結果に従って、前記個人積み立て型ジャックポット値を低減する前に行われる、請求項7に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項9】
前記システムが、賭け情報を前記メモリに記憶するように構成された、及び前記記憶された賭け情報を前記識別情報に関連付けるようにさらに構成された、プレーヤ追跡要素をさらに備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項10】
前記第1の結果に従って、前記コントローラが前記パーソナライズされた積み立て型ジャックポット値を所定の最小値に低減する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項11】
前記入力要素が、賭け情報を入力するためのオプションを表示するように構成された表示画面を備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項12】
前記表示画面が、前記第1の結果に従ってジャックポットメッセージを表示するように構成されている、請求項11に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項13】
前記システムが、前記物理的乱数発生器を撮像するように、及び前記像を前記表示画面に供給するように構成された撮像要素をさらに備え、前記表示画面が前記像を表示するようにさらに構成されている、請求項11又は請求項12に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項14】
サーバをさらに備え、前記サーバが、プロセッサ、メモリ、コントローラから選択された少なくとも1つを備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項15】
前記サーバが無線イネーブルされる、請求項14に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項16】
前記個人積み立て型ジャックポット積立てが、賭け値、システムの所有者、の範囲から選択された少なくとも1つから得られた通貨を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項17】
前記物理的乱数発生器が、ルーレット盤、ダイスシェーカ、ダイススピナ、ナンバーホイール、マネーホイール、シックボー、トランプ、電子カードシュー、手動カードシュー、ビンゴ機、抽選機、の範囲から選択されたものである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項18】
前記メモリが、前記識別情報に関連付けられた期限を含み、前記期限が固定期間を規定し、前記コントローラが、この固定期間の後に前記個人積み立て型ジャックポット値を低減するように構成されている、請求項1〜17のいずれか一項に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項19】
前記期限が、最も最近の前記識別情報の入力から固定期間を規定する、請求項18に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項20】
前記入力要素が、ユーザからの要求によって起動されるように構成されたログアウト機能を備え、前記期限が、前記ログアウト機能の最も最近の起動から固定期間を規定する、請求項18に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項21】
前記期限に達すると、前記コントローラが前記個人積み立て型ジャックポット値を所定の最小値に低減する、請求項18〜20のいずれか一項に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項22】
前記入力要素が、前記識別情報を入力するように構成された個人識別デバイスを備える、請求項1〜21のいずれか一項に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項23】
前記個人識別デバイスが、タッチ画面、数字パッド、電子チップリーダ、カードリーダ、指紋スキャナ、網膜スキャナ、音声認識デバイス、非接触型データ転送要素、の範囲から選択された少なくとも1つを備える、請求項22に記載の個人積み立て型ジャックポットシステム。
【請求項24】
個人積み立て型ジャックポットを提供する方法であって、
ユーザを識別し、個人積み立て型ジャックポット値を含むユーザ関連付け情報にアクセスするステップと、
物理的乱数発生器を動作させて乱数を生成するステップと、
前記物理的乱数発生器に基づく賭け情報を受け入れるステップであり、前記賭け情報が賭け値を含む、ステップと、
個人積み立て型ジャックポット積立て額を計算するステップと、
前記個人積み立て型ジャックポット値を前記個人積み立て型ジャックポット積立て額だけインクリメントするステップと、
当たり条件を決定するステップと、
前記賭け情報を前記当たり条件と比較するステップと、
前記賭け情報が前記当たり条件を満たす場合に、前記個人積み立て型ジャックポット値を低減するステップとを含む、方法。
【請求項25】
前記方法が、請求項1〜23のいずれか一項に記載のシステムを使用して実行される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
処理デバイス用のプログラムを含むコンピュータプログラム製品であって、前記プログラムが前記処理デバイスで実行されるときに請求項24又は請求項25のステップを実施するためのソフトウェアコード部分を備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項27】
前記コンピュータプログラム製品が、ソフトウェアコード部分が記憶されるコンピュータ可読媒体を備え、前記プログラムが前記処理デバイスの内部メモリに直接ロード可能である、請求項26に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、個人ジャックポットシステムに関し、詳細には、プレーヤ満足度の改善を目的として、物理的乱数発生器を備えるゲーム用個人ジャックポットシステムに関する。
【発明の背景】
【0002】
現在、物理的乱数発生器を備えるゲームのプレーヤは、団体積み立て型(communityprogressive、コミュニティプログレッシブ)ジャックポットなどの、他のプレーヤが当てるジャックポットに積立てできるだけであり、またそのジャックポットの資格があるにすぎない。このようなシステムは、団体積み立て型ジャックポットに積立てしたプレーヤと、別のプレーヤが自分達の積立てからの利益をジャックポットの当たりの形で得るのを見た(又は場合によっては見なかった)プレーヤとの不満に主として関連する、いくつかの制限を持つ。
【0003】
団体積み立て型ジャックポットは、プレーヤが、たとえば、より多くをジャックポット合計に積立てしてきたが故に、又はより長期間ゲームをしてきたが故に、実際の当選者よりもジャックポット賞金を受けるにふさわしいと認識する場合に不満の感覚をもたらし得る。
【0004】
このような場合には、現在のジャックポット値が突然リセットされ、それによってプレーヤが、当たっているジャックポットに関連付けられた当選者や何かのファンファーレを見ることができなければ、不満の度合いが増す。このことは特に、ジャックポット賞金がゲーム開催場所の別のところで他の誰かに当てられた場合に関連する。このような不測の事態は、行われている通常の賞金授与手順が何も示されずにジャックポット値がリセットされたならば、場合によって、プレーヤが不審に思うようになる原因となり得る。
【0005】
上記の場合の多くの結果がプレーヤの不満になる可能性があり、そのため、団体積み立て型ジャックポットの積立て機能のような設備を使用するゲームの興味が減ることになる可能性がある。健全でないプレーヤ満足度は、特定の技術の取り込みの減少につながる可能性があり、したがって、このようなシステムを使用している特定の開催場所の利益に悪影響を及ぼす。
【0006】
個人ジャックポットを提供する現在の方法は、たとえば、米国特許第6,776,715号に見ることができる。
【0007】
したがって、団体積み立て型ジャックポットへの全般的な積立てを必要とする現在の物理的乱数発生器システムのプレーヤの、健全でない満足度を好ましく改善するシステムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、個人積み立て型(personal progressive、パーソナルプログレッシブ)ジャックポットシステムが提供され、このシステムは、識別情報、及び賭け値を有する賭け情報を受け入れるように構成された入力要素と;動作可能期間中に乱数を生成及び出力するように構成された物理的乱数発生器と;識別情報、賭け情報及び乱数にアクセスし記憶するように構成されたメモリであって、識別情報に関連付けられた個人積み立て型ジャックポット値をさらに含むメモリと;個人積み立て型ジャックポット値を修正するように構成されたコントローラと;プロセッサであって、
・識別情報を個人積み立て型ジャックポット値にリンクするステップ、
・個人積み立て型ジャックポット積立て額を決定するステップであり、コントローラが、個人積み立て型ジャックポット値を個人積み立て型ジャックポット積立て額だけインクリメントするように構成されている、ステップ、
・乱数に基づいて当たり条件を生成するステップ、及び
・賭け情報を当たり条件と比較して、
・・賭け情報が当たり条件を満たす第1の結果で、第1の結果に従ってコントローラが個別化(personalise、パーソナライズ)された積み立て型ジャックポット値を低減するように構成される、第1の結果、及び
・・賭け情報が当たり条件を満たさない第2の結果
のうちの1つを判別するステップ
を実行するように構成されたプロセッサと
を備え;それによって個人積み立て型ジャックポットシステムは、パーソナライズされたゲーム体験をもたらす。
【0009】
本発明の個人積み立て型ジャックポットシステムは、個々のプレーヤの個人積み立て型ジャックポット値を好ましくは提供する。個人積み立て型ジャックポット値は、固有の識別情報によってプレーヤに関連付けられ、そのため、多数のゲーム間で好ましくは転送することができ、地域の規則及び規制に応じて、多数のテーブル間及び多数のゲーム開催場所間で転送することができる。
【0010】
現在利用可能な技術からなる方法は、もっぱらビデオゲームに関連した用途に使用され、いくつかの制限を持つ。
【0011】
ユーザに固有の識別情報は、入力要素を介して入力され、メモリにある前記情報に関連付けられた、以前に記憶された個人積み立て型ジャックポット値に応じてシステムによって認識されるか、又は個人積み立て型ジャックポット値が生成され、識別情報に関連付けられる。システムは物理的乱数発生器を備え、この発生器によってプレーヤは、入力要素を介して賭け情報を提出することができる。
【0012】
コントローラは、好ましくは、物理的乱数発生器と関連しない追加の結果に従って、個人積み立て型ジャックポット値を低減するようにさらに構成されている。このような実施形態では、追加の結果は、好ましくは偶然の事象により生じる。
【0013】
最も好ましい実施形態では、個人積み立て型ジャックポットシステムは、サイド賭け値を含むサイド賭け情報を提出するためのオプションを好ましくは備える。このような実施形態では、サイド賭け値は、個人積み立て型ジャックポット積立ての決定に影響を及ぼし得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、システムは追加のジャックポット値をさらに含む。このような実施形態では、追加のジャックポット値は、好ましくは、団体積み立て型ジャックポット、リンクされた積み立て型ジャックポット、ミステリージャックポット、フラットジャックポット、独立型ジャックポット、単独型ジャックポット、固有積み立て型ジャックポット、広域積み立て型ジャックポット、の範囲から選択されたものである。
【0015】
このような実施形態では、追加のジャックポット値は、個人積み立て型ジャックポット値に関連付けられていないことがある。
【0016】
個人積み立て型ジャックポット積立ては、好ましくは、賭け値に依存する値、賭け値に依存していない値、の範囲から選択された少なくとも1つに応じた値を含む。
【0017】
プロセッサは、個人積み立て型ジャックポット積立て額を決定するように構成されており、コントローラは、個人積み立て型ジャックポット値を個人積み立て型ジャックポット積立て額だけインクリメントするように構成されている。賭け情報は賭け値を含み、この賭け値はプロセッサによって好ましくは使用されて、個人積み立て型ジャックポット積立てが計算又は決定される。好ましい実施形態では、プロセッサは、賭け値の歩合によって個人積み立て型ジャックポット積立て額を計算する。
【0018】
いくつかの実施形態では、プロセッサによって決定された個人積み立て型ジャックポット積立ては定額であり、賭け値と関連付けられていないことがある。
【0019】
本発明の第1の態様による個人積み立て型ジャックポットシステムの最も好ましい実施形態では、コントローラは、個人積み立て型ジャックポット値に応じた通貨を前記ユーザに送信するようにさらに構成されている。このような実施形態では、通貨の前記送信は、第1の結果に従って、個人積み立て型ジャックポット値を低減する前に行われる。
【0020】
システムは、賭け情報をメモリに記憶するように構成された、及び前記記憶された賭け情報を識別情報に関連付けるようにさらに構成された、プレーヤ追跡要素をさらに備える。
【0021】
第1の結果に従って、コントローラは、好ましくはパーソナライズされた積み立て型ジャックポット値を所定の最小値に低減する。所定の最小値は、好ましくはゼロの値である。
【0022】
所定の最小値は、好ましくは開始点であり、この開始点から個人積み立て型ジャックポット値が、第2の結果になる後続のゲームによって、第1の結果の起こり得る前に好ましくは構築され、この結果に従って、個人積み立て型ジャックポット値がプレーヤへ好ましくは送信され、記憶された個人積み立て型ジャックポット値が次に、コントローラによって好ましくはゼロの値に低減される。
【0023】
入力要素は、賭け情報を入力するためのオプションを表示するように構成された表示画面を好ましくは備える。表示画面は、第1の結果に従ってジャックポットメッセージを表示するように好ましくは構成されている。入力要素が表示画面を備える実施形態では、システムは、物理的乱数発生器を撮像するように、及び前記像を表示画面に供給するように構成された撮像要素を好ましくはさらに備え、表示画面は、像を表示するようにさらに構成されている。
【0024】
好ましい実施形態では、入力要素が物理的乱数発生器に対して遠隔で操作され、そのため、物理的乱数発生器の結果の視覚による確認が、入力要素内に備えられた表示画面によってプレーヤに好ましくはもたらされる。表示画面は、賭けオプションをプレーヤに好ましくは提示し、プレーヤは、この賭けオプションを好ましくは使用して賭け情報を入力要素に入力する。最も好ましい実施形態では、プレーヤには、物理的乱数発生器のビデオフィードが表示画面によって提供され、そのため、生成された乱数のリアルタイムフィードバックが好ましくは与えられる。表示画面を備える実施形態では、表示画面は、第1の結果に従って視覚メッセージをプレーヤに最も好ましくは提供する。
【0025】
システムはサーバを好ましくはさらに備え、このサーバは、プロセッサ、メモリ、コントローラから選択された少なくとも1つを備える。サーバを備える実施形態では、サーバは、好ましくは無線イネーブルされる。本発明の文脈では、無線イネーブルされるとは、無線で送信された通信情報及び/又はデータを送信及び/又は受信する能力を指す。
【0026】
サーバを使用すると、単一のシステムで多くの物理的乱数発生器及び入力要素を動作させることが好ましくは可能になり、そのため、それぞれが固有の識別情報及び固有の個人積み立て型ジャックポット値を持つ、任意の数のプレーヤに好ましくは対応することができる。サーバと入力要素と物理的乱数発生器の間の無線通信は、システムに適応性を好ましくはもたらして、より容易な機器の操作性を好ましくは可能にし、或いは入力要素及び物理的乱数発生器の追加又は除去を好ましくは可能にする。サーバを介して通信情報を渡すと、入力要素を操作するプレーヤに、物理的乱数発生器を選択する機能もまた好ましくは提供され、したがって、プレーするためのゲームも提供される。こうすることにより、賭け情報を提出すべきゲームをプレーヤが選択できるようにする利点が、入力要素を変更しなければならないことなく、好ましくはもたらされる。集中サーバを使用すると、異なるゲーム間の相互互換性の改善及びセキュリティの付加もまた好ましくは実現する。
【0027】
個人積み立て型ジャックポット積立ては、賭け値、システムの所有者、の範囲から選択された少なくとも1つから得られた通貨を好ましくは含む。
【0028】
最も好ましい実施形態によれば、個人積み立て型ジャックポット積立ては、プレーヤから入力される通貨によって一部だけ好ましくは提供され、個人積み立て型ジャックポット積立ての残りは、システムの所有者によってマーケティング資金などから好ましくは提供され、また、より多くのプレーヤをシステムに引き寄せるという意図が、プレーヤによって提供される通貨からの積立てだけを受け入れるジャックポットシステムよりも高いジャックポット値を約束する。
【0029】
物理的乱数発生器は、ルーレット盤、ダイスシェーカ、ダイススピナ、ナンバーホイール、マネーホイール、シックボー、トランプ、電子カードシュー、手動カードシュー、ビンゴ機、抽選機、の範囲から好ましくは選択されたものである。
【0030】
メモリは、識別情報に関連付けられた期限を含み、この期限は固定期間を規定し、コントローラは、この固定期間の後に個人積み立て型ジャックポット値を低減するように構成されている。期限は、最も最近の識別情報の入力から固定期間を規定することが好ましい。好ましい実施形態では、入力要素は、ユーザからの要求によって起動されるように構成されたログアウト機能を備える。入力要素がログアウト機能を備える実施形態では、期限は、ログアウト機能の最も最近の起動から固定期間を好ましくは規定する。
【0031】
期限に達すると、コントローラは、個人積み立て型ジャックポット値を所定の最小値に好ましくは低減する。所定の最小値は、好ましくはゼロの値である。
【0032】
本発明のシステムは、「時限爆弾」機能を好ましくは備え、それにより、入力要素への識別情報の入力(たとえば、プレーヤログイン)、又は入力要素からプレーヤが出ること(たとえば、プレーヤログアウト)以後に所定の時間が経過すると、前記識別情報に関連付けられた個人積み立て型ジャックポット値が、好ましくはゼロの値の所定の値まで低減される。
【0033】
入力要素は、識別情報を入力するように構成された個人識別デバイスを好ましくは備える。個人識別デバイスは、タッチ画面、数字パッド、電子チップリーダ、カードリーダ、指紋スキャナ、網膜スキャナ、音声認識デバイス、非接触型データ転送要素、の範囲から選択された少なくとも1つを好ましくは備える。
【0034】
本発明の第2の態様によれば、個人積み立て型ジャックポットを提供する方法が提供され、この方法は、
・ユーザを識別し、個人積み立て型ジャックポット値を含むユーザ関連付け情報にアクセスするステップと、
・物理的乱数発生器を動作させて乱数を生成するステップと、
・物理的乱数発生器に基づく賭け情報を受け入れるステップであり、賭け情報が賭け値を含むステップと、
・個人積み立て型ジャックポット積立て額を計算するステップと、
・個人積み立て型ジャックポット値を個人積み立て型ジャックポット積立て額だけインクリメントするステップと、
・当たり条件を決定するステップと、
・賭け情報を当たり条件と比較するステップと、
・賭け情報が当たり条件を満たす場合に、個人積み立て型ジャックポット値を低減するステップと
を含む。
【0035】
本発明の第2の態様の方法は、本発明の第1の態様によるシステムを使用して好ましくは実行される。
【0036】
本発明の第3の態様によれば、処理デバイス用のプログラムを含むコンピュータプログラム製品であって、プログラムが処理デバイスで実行されるときに本発明の第2の態様による方法のステップを実施するためのソフトウェアコード部分を備える、コンピュータプログラム製品が提供される。
【0037】
コンピュータプログラム製品は、ソフトウェアコード部分が記憶されるコンピュータ可読媒体を備えることが好ましく、プログラムは処理デバイスの内部メモリに直接ロード可能である。
【0038】
処理デバイスは、本発明の第1の態様による個人積み立て型ジャックポットシステム内に備えられることが好ましい。
【詳細な説明】
【0039】
次に、特定の実施形態について、添付の図面を参照して、単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は、本発明の第1の態様による、個人積み立て型ジャックポットシステムの一実施形態を提示する概略図である。
図2図2は、本発明の第2の態様による、個人積み立て型ジャックポットを実現する方法の例示的ステップを提示するフローチャートである。
【0041】
図1を参照すると、物理的乱数発生器12を備える個人積み立て型ジャックポットシステム10が提示されており、この乱数発生器は、図示の例示的実施形態では、複数の賭けオプションを提供するルーレット盤の形を取る。ルーレット盤12は、1つの乱数がその間に選択される動作期間を有する。撮像要素14がルーレット盤12の実質的に上方に設置され、この撮像要素14は無線カメラの形を取る。無線カメラ14は、ルーレット盤12の平面視像を、ルーレット盤12の遠隔に位置している複数の入力要素16に供給し、前記入力要素16は、個人識別デバイス18と、タッチセンサである表示画面20とを備える。サーバ22が、ルーレット盤12及びタッチ画面デバイス16の遠隔に設置されており、前記ルーレット盤12及びタッチ画面デバイス16と無線通信している。サーバは、プロセッサ26及びコントローラ28とデジタル通信しているメモリ24を備え、コントローラ28はさらに、プロセッサ26とデジタル通信している。
【0042】
使用中、ユーザが個人識別デバイス18を作動させ、このデバイスは、図示の実施形態では、タッチ画面デバイス16に配置された非接触型カードリーダである。カードリーダ18は、個人識別カード(図示せず)を、カードリーダ18によって読み取られるべき前記カードに置かれた識別情報の十分に近傍内に置かれることによって作動する。タッチ画面デバイス16への識別情報の前記入力に続いて、前記識別情報は、サーバ22へ無線で送信され、メモリ24に記憶される。プロセッサ26は、識別情報詳細を確認し、前記識別情報詳細に関連付けられた時間制限機能がもし存在すれば、これを不能にする。プロセッサ26はさらに、識別情報と関連付けられているメモリ24に記憶された個人積み立て型ジャックポット値を確認する。
【0043】
表示画面は、無線カメラ14からサーバ22を介してアクセスされたルーレット盤12の像を表示するように構成される。ルーレット盤12の動作可能期間中、ユーザが、タッチ画面デバイス16のタッチセンサ表示画面20に表示されたルーレット盤12の使用できる賭けオプションから選択することによって、賭け情報を前記動作可能期間の賭け区間中に提示することができる。ルーレット盤12の動作可能期間はまた、「もう賭けられない」期間を含み、この間中は賭け情報をタッチ画面デバイス16に入力することができない。入力すると、賭け情報は無線でサーバ22へ送信され、ここで、賭け値を有する賭け情報は、メモリ24に記憶される。プロセッサ26は、個人積み立て型ジャックポット積立て額を計算し、この積立ては、図示の実施形態では賭け値の歩合である。
【0044】
個人積み立て型ジャックポット積立ては、コントローラ28で使用されて、識別情報に関連付けられた個人積み立て型ジャックポット値がインクリメントされ、メモリ24に記憶される。ルーレット盤12の動作可能期間の終わりに乱数が生成され、サーバ22へ伝達される。プロセッサ26は、この乱数を使用して当たり条件を生成し、この当たり条件は次に、プロセッサ26によって賭け情報と比較される。
【0045】
賭け情報が当たり条件を満たす場合には第1の結果となり、コントローラ28は、個人積み立て型ジャックポット合計に等しい通貨のユーザ(図示せず)への送信を手配し、それに従ってコントローラ28は、個人積み立て型ジャックポット値をゼロに低減する。図示の実施形態では、第1の結果の間中、メッセージがタッチ画面デバイス16の表示画面を介してユーザに表示されて、個人積み立て型ジャックポットが当たったことをユーザに示す。
【0046】
賭け情報が当たり条件を満たさない場合、タッチ画面デバイス16の表示画面は、個人積み立て型ジャックポットに当たらなかったことを示すユーザへのメッセージを表示するように構成される。
【0047】
どの時点でもユーザがタッチ画面デバイス16から離れることにした場合、ユーザは「ログアウト」することを選ぶことができ、そうして個人積み立て型ジャックポット値がメモリに記憶され、所定の期限が識別情報に関連付けられる。同じ識別情報がシステムの入力要素に次に入力されるときより前に期限に達した場合には、前記識別情報に関連付けられた個人積み立て型ジャックポット値はゼロに低減される。
【0048】
本発明の第2の態様による方法が、図2のフローチャートから分かる。図示の方法の実施形態では、好ましくは、前に図1で説明及び図示された実施形態などの、本発明の第1の態様による個人積み立て型ジャックポットシステムを利用する。
【0049】
図示の方法は、
・ユーザを識別し、個人積み立て型ジャックポット値を含むユーザ関連付け情報にアクセスするステップ30、32と、
・物理的乱数発生器を動作させて乱数を生成するステップ34,44と、
・物理的乱数発生器に基づく賭け情報を受け入れるステップであり、賭け情報が賭け値を含むステップ36、38と、
・個人積み立て型ジャックポット積立て額を計算するステップ40と、
・個人積み立て型ジャックポット値を個人積み立て型ジャックポット積立て額だけインクリメントするステップ42と、
・当たり条件を決定するステップ46と、
・賭け情報を当たり条件と比較するステップ48と、
・賭け情報が当たり条件を満たす場合に、個人積み立て型ジャックポット値を低減するステップ50、52、54と
を含む。
【0050】
賭け情報が当たり条件を満たさない場合には第2の結果となり、個人積み立て型ジャックポット値が低減されない(56)。図示の実施形態による方法に従って、システムは、ユーザがログアウトすることを選択したかどうかによって(58)、ユーザが物理的乱数発生器の次の動作可能期間まで継続したいかどうかを検知する。ユーザがログアウトすることを選択したかどうかに応じて、方法は、継続して物理的乱数発生器を動作させて、乱数を生成するステップ34、又は待機し新たなユーザを識別するステップ30へ進むことができる。
【0051】
本発明の第3の態様は、処理デバイス用のプログラムを含むコンピュータプログラム製品であって、プログラムが処理デバイスで実行されるときに図示の実施形態の方法のステップを実施するためのソフトウェアコード部分を備える、コンピュータプログラム製品を備える。コンピュータプログラム製品は、ソフトウェアコード部分が記憶されるコンピュータ可読媒体を備え、そのプログラムは、処理デバイスの内部メモリに直接ロード可能である。図示の実施形態では、処理デバイスは、プロセッサ26及び内部メモリ24を備えるサーバ22である。
【0052】
上述の実施形態は例としてのみ示されていること、並びに様々な変更をこの実施形態に、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく加え得ることを理解されたい。たとえば、説明された実施形態では、本発明の機能を自動化システムに使用するのに対し、本開示の範囲内にとどまりながら、本発明の機能が手動で実行される実施形態が考えられる。たとえば、識別情報の自動入力が論述されるのに対し、識別情報が手入力される実施形態が利用可能である。コントローラはサーバの一部であると論述されるが、コントローラは本発明のシステムを運用する人であってもよい。期限機能は、「ログアウト」と「ログイン」事象の間の期間を規定すると論述される。諸実施形態では、「ログイン」と「ログアウト」事象の間の期間を規定する期限機能を提供することができる。
図1
図2
【国際調査報告】