【実施例】
【0080】
セリンプロテアーゼ:トリプシン、キモトリプシン、カルボキシペプチダーゼB及びアミノペプチダーゼM。セリンプロテアーゼはペプチド結合及びアミノ酸のタンパク質的分解を担っている。本実験は、異なる金属イオン及び還元剤の組み合わせの下で、セリンプロテアーゼの酸化的不活性化(oxidative inactivation)をテストした。
【0081】
酵素活性試験:特定波長下で紫外分光器を使用し、特定の基質中において異なる種類の酵素の酵素活性を測定した。この試験結果を陰性対照(negative control)とした。酵素活性の計算式は以下の通りである。
【数1】
【0082】
酵素阻害試験:各酵素の阻害剤の存在下でインキュベートを行い、この試験結果を陽性対照(positive control)とした。
【0083】
金属イオン及び還元剤の存在下におけるインキュベーション:96ウェルマイクロタイタープレートで、酵素、金属塩及び還元剤の組み合わせを酵素と一定時間インキュベートし、基質の存在下における酵素の酸化的不活性化をテストした。金属イオン及び還元剤の存在下における酵素の不活性化について、基質の存在下で陰性対照とした元の酵素活性と、阻害剤の存在下での陽性対照との比較を行った。
【0084】
pH測定:ハンナコンビネーションpH電極(Hanna combination pH electrode)を使用し、金属イオン及び還元剤の組み合わせにおいて酵素をインキュベートした後のpH値の変化を観察した。
【0085】
ザイモグラフィー:テストした酵素のザイモグラフィーを行った。ザイモグラフィーは電気泳動技術の1つで、酵素の基質のレパートリーに基づき加水分解酵素の検出を行うものであり、即ちアクリルアミドゲルを調製した場合、分析する層のゲル中に酵素の基質が組み込まれることで酵素による基質の消化を観察するというものである。
【0086】
キットによる分析:プロテアーゼ蛍光測定キット及びトリプシン活性測定キットを使用し、酵素の不活性化を検証した。
【0087】
材料:
【0088】
下記表1Aは異なる金属及び金属錯体(場合によって、1つ以上の還元剤を組み合わせることができる)のセリンプロテアーゼ活性に対する阻害効果を評価するための試験材料である。
【表1A】
【0089】
下記表1Bは異なる金属塩/金属錯体及び還元剤の組み合わせであり、セリンプロテアーゼに対する阻害効果を評価したものである。
【表1B】
【0090】
Nα−ベンゾイル−L−アルギニンエチルエステル(BAEE)を使用したトリプシン酵素活性の測定
【0091】
200単位/mLのトリプシンの冷たいHCl溶液と0.25mMのBAEE基質溶液をそれぞれ調製し、インキュベートした。上記の調製溶液を倒置攪拌して反応混合物を形成した。ブランク溶液(酵素なし)及び試験溶液(反応混合物)のA
253での吸光の増加を測定且つ記録した(1分間に最低4つのデータポイントを使用)。最大線形速度(maximum linear rate)を用いてブランク溶液及び試験溶液の両者のA
253/分を得た。
トリプシン3ml試験の計算式は以下の通りである。
【数2】
式中、dfは希釈係数であり、3は測定したトリプシンの総容積(ml)であり、0.1は酵素の総容積(ml)であり、0.808は253nm下におけるNα−ベンゾイル−L−アルギニンエチルエステル(BAEE)の吸光係数である。
【0092】
阻害剤の存在下におけるトリプシン不活性化の測定:トリプシン1mM/Lを特定(既知)の阻害剤(表1Aに記載)、及び金属塩/還元剤の組み合わせ(下記表2に記載)とそれぞれインキュベートした。阻害剤による不活性化を陽性対照とした。
【表2】
【0093】
金属イオンと還元剤の組合せの存在下でのトリプシンの酸化的不活性化(活性及びpH)の決定
【0094】
200μlの反応混合物について、約10μlのトリプシンを96ウェルマイクロタイタープレート中37℃でそれぞれの濃度で金属塩および還元剤の組み合わせ(表2のシリアル番号1から31に記載)と共に緩衝液中で(下記表3は、表2の通し番号1から31で提供されるものからの特定の組み合わせの利用に関する詳細を提供する。)5分、15分および30分インキュベートし、その後にそれぞれ90μlの基質(表1Aに記載)を加えた。酵素活性をマイクロプレートリーダーで分光光度的に測定し、そして元の活性アッセイと比較した。pHは、Hanna Combination pH電極(酵素との反応は3回行った)により測定した。下記表4は、評価中の金属塩/錯体と還元剤との組み合わせで処理した後、特定の期間が経過した後のトリプシンの酵素活性を示す。
【表3】
【表4】
【0095】
下記表5A〜5Cはトリプシンを異なる時間間隔(即ち5分間、15分間、30分間)で測定したpH値である。
【表5A】
【表5B】
【表5C】
【0096】
Ala−Ala−Phe−7−アミド−4−メチルクマリンを使用したキモトリプシンの酵素活性測定
【0097】
約2単位のキモトリプシンの冷たいHCl溶液、1.18mMの基質溶液、2Mの塩化カルシウム及び80mMのTris HCl緩衝液をそれぞれ調製した。3mLの緩衝液中に基質溶液及び塩化カルシウム溶液を添加し、約25℃下で混合物を倒置攪拌し、ブランク反応混合物及び試験反応混合物(表6)を調製した。さらに、ブランク反応混合物中にHCl溶液を添加し、試験反応混合物中に酵素溶液を添加し、すぐに倒置攪拌して、A
256での増加した吸光度を3〜5分間記録した。1分間超の間隔での少なくとも4つの吸光度の最大線形速度(maximum linear rate)を用いてブランク反応混合物及び試験反応混合物両方のA
256/分を得た。
【表6】
【数3】
式中、3は反応混合物の容積(ml)である。dfは希釈係数である。83.4は256nmにおける基質のミリモル吸光係数である。0.10は試験試料の容積(ml)である。
【0098】
阻害剤の存在下におけるキモトリプシン不活性化の測定:キモトリプシン1mM/Lを特定の既知の阻害剤(上記表1に記載)、及び金属塩及び還元剤の組み合わせ(上記表2に記載)とそれぞれインキュベートした。阻害剤で不活性化したものを陽性対照とした。
【0099】
金属イオン及び還元剤の組み合わせの存在下におけるキモトリプシンの酸化的不活性化(活性及びpH)の測定
【0100】
200μlの反応混合物について、約10μlのキモトリプシンを96ウェルマイクロタイタープレート中37℃でそれぞれの濃度で金属塩および還元剤の組み合わせ(表2のシリアル番号1から31に記載)と共に緩衝液中で(下記表3は、表2の通し番号1から31で提供されるものからの特定の組み合わせの利用に関する詳細を提供する。)5分、15分および30分インキュベートし、その後にそれぞれ90μlの基質(表1Aに記載)を加えた。酵素活性をマイクロプレートリーダーで分光光度的に測定し、そして元の活性アッセイと比較した。pHは、Hanna Combination pH電極(酵素との反応は3回行った)により測定した。下記表7は、評価中の金属塩/錯体と還元剤との組み合わせで処理した後、特定の期間が経過した後のキモトリプシンの酵素活性を示す。
【表7】
【0101】
下記表8A〜8Cはキモトリプシンを異なる時間間隔(即ち5分間、15分間、30分間)で測定したpH値である。
【表8A】
【表8B】
【表8C】
【0102】
ヒプリルアルギニンを使用したカルボキシペプチダーゼBの酵素活性
【0103】
約4単位のカルボキシペプチダーゼBの冷たい脱イオン水溶液、及び塩化ナトリウム100nmを含む25nMのTris HCl緩衝液(pHは7.65)中の1mmヒプリルアルギニン溶液をそれぞれ約25℃で調製した。表9に従って、上記で調製された溶液を用いて、25℃下で3mLの反応混合物(試験及びブランク混合物)を調製した。
計算式:
【数4】
式中、3は反応混合物の容積(ml)である。dfは希釈係数である。0.36は波長254nmにおける基質のミリモル吸光係数である。0.10は分析した試験試料の容積(ml)である。
【表9】
【0104】
阻害剤の存在下におけるカルボキシペプチダーゼB不活性化の測定:カルボキシペプチダーゼB(1mM/L)を特定の既知の阻害剤(上記表1Aに記載)、及び金属塩/還元剤の組み合わせ(上記表2に記載)とそれぞれインキュベートした。阻害剤で不活性化したものを陽性対照とした。
【0105】
金属イオン及び還元剤の組み合わせの存在下におけるカルボキシペプチダーゼBの酸化的不活性化(活性及びpH)の測定
【0106】
200μlの反応混合物について、約10μlのカルボキシペプチダーゼを96ウェルマイクロタイタープレート中37℃でそれぞれの濃度で金属塩および還元剤の組み合わせ(表2のシリアル番号1から31に記載)と共に緩衝液中で(下記表3は、表2の通し番号1から31で提供されるものからの特定の組み合わせの利用に関する詳細を提供する。)5分、15分および30分インキュベートし、その後にそれぞれ90μlの基質(表1Aに記載)を加えた。酵素活性をマイクロプレートリーダーで分光光度的に測定し、そして元の活性アッセイと比較した。 pHは、Hanna Combination pH電極(酵素との反応は3回行った)により測定した。以下の表10は、評価中の金属塩/錯体および還元剤の組み合わせでの処理後の特定の期間経過後のカルボキシペプチダーゼの酵素活性を示す。
【表10】
【0107】
下記表11A〜11Cはカルボキシペプチダーゼを異なる時間間隔(即ち5分間、15分間、30分間)で測定したpH値である。
【表11A】
【表11B】
【表11C】
【0108】
L−ロイシン−P−ニトロアニリドを使用したアミノペプチダーゼMの酵素活性
【0109】
1mMのトリシン溶液(100mLの脱イオン水中で調製、試薬A)、及び50mMのL−ロイシン−P−ニトロアニリドの純メタノール溶液(試薬B)をそれぞれ調製した。約10mMのL−ロイシン−P−ニトロアニリド溶液(試薬C)を、0.1mLの試薬Bを4.9mLの試薬A中に添加して調製した。脱イオン水中200mMのトリシン緩衝液(試薬D)及び0.05%(w/v)のBSAが含まれた200mMのトリシン緩衝液、25℃でのpH8.0(試薬E)をそれぞれ調製した。試薬E中の0.04単位/mLのアミノペプチダーゼ(酵素溶液、試薬F)を調製した。試薬C、(Leu −NA、2.0ml)、試薬D(200mMトリシン緩衝液、1.0ml)および脱イオン水(7.0ml)をピペットでとり、容器内で旋回混合して反応カクテル(試薬G)を得た。試薬G、試薬E及び試薬Fをすぐに倒置攪拌し、表12の通り試験溶液及びブランク溶液を調製し、攪拌混合してから約5分間ΔA
405nmを記録した。且つ最大線形速度(maximum linear rate)を用いてブランク溶液及び試験溶液のA405/分を得た。
計算式:
【数5】
式中、1は測定溶液の総容積(ml)である。dfは希釈係数である。10.8はA405nmにおけるP−ニトロアニリドのミリモル吸光係数である。0.1は酵素の容積(ml)である。
【表12】
【0110】
阻害剤の存在下におけるアミノペプチダーゼ不活性化の測定:1mM/Lのアミノペプチダーゼを特定の既知の阻害剤(上記表1に記載)、及び金属塩/還元剤の組み合わせ(上記表2に記載)とそれぞれインキュベートした。阻害剤で不活性化したものを陽性対照とした。
【0111】
金属イオン及び還元剤の組み合わせの存在下におけるアミノペプチダーゼの酸化的不活性化(活性及びpH)の測定
【0112】
200μlの反応混合物について、約10μlのアミノペプチダーゼを96ウェルマイクロタイタープレート中37℃でそれぞれの濃度で金属塩および還元剤の組み合わせ(表2のシリアル番号1から31に記載)と共に緩衝液中で(下記表3は、表2の通し番号1から31で提供されるものからの特定の組み合わせの利用に関する詳細を提供する。)5分、15分および30分インキュベートし、その後にそれぞれ90μlの基質(表1Aに記載)を加えた。酵素活性をマイクロプレートリーダーで分光光度的に測定し、そして元の活性アッセイと比較した。pHは、Hanna Combination pH電極(酵素との反応は3回行った)により測定した。下記表13に、評価中の金属塩/錯体と還元剤との組み合わせで処理後の特定期間経過後のアミノペプチダーゼの酵素活性を示す。
【表13】
【0113】
下記表14A〜14Cはアミノペプチダーゼを異なる時間間隔(即ち5分間、15分間、30分間)で測定したpH値である。
【表14A】
【表14B】
【表14C】
【0114】
実施した実験および上記の実験に基づいて、酵素活性の最高レベルの阻害(タンパク質分解)は、以下の還元剤および金属塩の組み合わせを利用することによって観察されたと結論付けることができた。アスコルビン酸ナトリウム−酸化バナジウム、ベンゾヒドロキサム酸−硫酸バナジウム、マンニトール−硫酸バナジウム、尿酸−グルコン酸マンガン、還元型グルタチオン−塩化クロム、及び還元型グルタチオン−酸化バナジウム。
【0115】
生物学的利用能試験
【0116】
胃部の酸性pH環境からプロテアーゼ分解に対して保護できるようにするため、腸溶性コーティングカプセルはペプチドを胃部環境から保護することができ、外側に存在するMIRA顆粒はタンパク質的分解酵素を不活性化させることができ、透過促進薬はペプチドの腸透過による上皮膜への吸収を促進/増加させることができる、カプセルインカプセルの製剤を調製した。
【0117】
カプセルインカプセルの剤形製剤の調製
【0118】
還元剤及び金属塩が含まれた顆粒の調製
【0119】
下記表15A〜15Fは、生物学的利用能を試験するために調製された、異なる還元剤及び金属塩が含まれた顆粒製剤(ここではMIRA顆粒と称する)を示す。
【表15A】
【表15B】
【表15C】
【表15D】
【表15E】
【表15F】
【0120】
MIRA顆粒の調製方法
【0121】
以下はMIRA顆粒の調製工程である。
【0122】
A)結合剤溶液の調製:75.0mgのHPMC E−5を25.0mLの脱イオン(D.I.)水に溶解することで、0.3% w/vのHPMC E−5溶液を調製した。B)粉末混合物の調製:すべての成分を適切な容器に一つ一つ入れ、ポリ袋を使用して十分に混合し、混合物の均一性を確保した。C)顆粒の調製:2.0mLの結合剤溶液を少しずつ滴下し、手作業で造粒して顆粒を調製した(粉末混合物2.5gmの造粒に2mLの結合剤を要した)。D)顆粒の乾燥:上記の顆粒を熱風炉内に入れ、40℃で12時間乾燥させた。(E)顆粒の篩い分け:ステンレス金網の40#メッシュを使用して乾燥させた顆粒を篩過し、篩過後の顆粒を適切なガラス容器に収集して室温下で保存した。(全造粒工程において、温度は23℃、湿度は39%RHであることに注意した)
【0123】
ペプチドが含まれた顆粒の調製
【0124】
下記表16A〜16Iは生物学的利用能を試験するために調製された異なるペプチドが含まれた顆粒製剤(ここではPA顆粒と称する)を示す。
【表16A】
【表16B】
【表16C】
【表16D】
【表16E】
【表16F】
【表16G】
【表16H】
【表16I】
【0125】
ペプチド顆粒の造粒方法
【0126】
A.結合剤溶液の調製:75.0mgのHPMC E−5を25mLの脱イオン(D.I.)水中に溶解することで、0.3%w/vのHPMC E−5溶液を調製した。B.粉末混合物の調製:液体賦形剤以外のすべての成分を正確に秤量し、ポリ袋を使用して5分間混合した。C.結合剤の添加:秤量した液体賦形剤及びペプチドを0.3%w/vのHPMC E−5結合剤溶液に添加た。得られた混合物を少しずつ滴下して湿式造粒を行った。D.顆粒の乾燥:造粒により調製した顆粒を真空デシケーターのシリカゲル床の上に置き、一晩乾燥させた。E.顆粒の篩い分け:ステンレス金網の40#メッシュを使用して乾燥させた顆粒を篩過し、篩過後の顆粒を適切なガラス容器に収集して室温下で保存した。(全造粒工程において、温度は22℃、湿度は35%RHであるよう注意した)
【0127】
カプセル充填
【0128】
MIRAおよびペプチド顆粒を、秤量天秤を使用して手動でカプセルに充填した。下記の表17Aおよび17Bは、それぞれラット研究およびイヌ研究用のカプセル充填に使用したカプセルのサイズを示す。
【表17A】
【表17B】
【0129】
カプセルの包装及び保存
【0130】
ポリ袋でカプセルを包装した後に、包装したカプセルを、湿度制御のためのシリカ袋を備えたHDPE(高密度ポリエチレン)容器内に移した。
【0131】
バッチ試験用プラセボ顆粒の調製
【0132】
カプセルからの顆粒の崩壊および放出を(視覚的に)理解するために、プラセボバッチをサンセットイエローおよび青色を用いて調製した。乾燥させた顆粒をカプセルサイズが3のカプセル中に充填し、且つ崩壊試験器(Electrolab)のガイドディスクを用いて崩壊時間を測定した。測定の結果、37±0.2℃の水及びリン酸緩衝液(pHは6.8)中での崩壊時間は3±1分であった。
【0133】
プラセボ顆粒の溶出試験(カプセルインカプセル)
【0134】
外側カプセル:カプセルサイズは0、黄色顆粒。
【0135】
内側カプセル:カプセルサイズは4、青色顆粒。
【0136】
37±0.5℃で、900mLの0.1N HCl溶液中(2時間)及びpH6.8のリン酸緩衝液中で、壊試験装置(Electrolab Mumbai)を使用して溶出試験を行った。
【0137】
外側の腸溶性コーティングカプセルは0.1N HCl溶液中で完全に保たれていた(即ち胃基質中で安定可能)が、pH6.8のリン酸緩衝液に入れてから3分後に崩壊が始まったのを視覚的に観察した。
【0138】
内側カプセルは8分で崩壊が始まり、且つ13分以内に完全に溶解した。同様の方法で、MIRA顆粒はアルカリ性リン酸緩衝液に暴露してから3分後に溶出が始まり、且つ13分以内にペプチドが完全に溶出された。
【0139】
カプセルの評価
【0140】
インスリングラルギン、酢酸オクトレオチド及びテリパラチドのラット試験測定−50mg/30mgの顆粒(1つのカプセル中から取り出した)を正確に秤量した後、移動相へ溶解した。分散液を5分間超音波処理した後に0.22μmのシリンジフィルターを使用して濾過し、且つHPLCに注入した。すべてのAPIの検量線は、USP2017で推奨されているそれぞれの移動相で複数の希釈液を使用してプロットした。アッセイを行い、薬物含有率を、検量線を用いて計算した。
【表18】
【0141】
インスリングラルギンカプセルの安定性試験
【表19】
【0142】
カプセル充填−モード:手作業充填;カプセルサイズ:2;顆粒充填重量:上記が示す各処方と同様。
【0143】
カプセル及び顆粒の保存−温度:25±3℃。湿度:35±5%RH。容器:カプセル用HDPE 60 cc /顆粒用ゴム栓付き透明ガラスバイアル。
【0144】
分析結果:式(HPLCデータから得られたy = 30.977x − 292.26)から、製剤中に存在するインスリングラルギンの含有量は、バッチIおよびバッチIIについてそれぞれ105.2%および115.8%であることがわかった。
【0145】
75日間の安定性試験:両バッチを25℃下で85日間保存した後に再び分析を行った。
【0146】
分析結果:式(HPLCデータから得られたy = 30.977x − 292.26)から、製剤中に存在するインスリングラルギンの含有量は、下記の表20から分かるように、バッチIおよびバッチIIについてそれぞれ97.25%および91.63%であることがわかった。
【表20】
【0147】
テリパラチド安定性試験
【表21】
【0148】
カプセル充填−モード:手作業充填;カプセルサイズ:2;顆粒充填重量:上記が示す各処方と同様。
【0149】
カプセル及び顆粒の保存−温度:25±3℃。湿度:35±5%RH。容器:カプセル用HDPE 60 cc /顆粒用ゴム栓付き透明ガラスバイアル
【0150】
分析結果:式(HPLCデータから得られたy = 18.924x − 22.539)から、配合物中に存在する酢酸テリパラチドの含有量は、バッチIおよびバッチIIについてそれぞれ98.02%および106%であることがわかった。
【0151】
75日間の安定性試験:2つのバッチを25℃下で75日間保存した後に再び分析を行った。
【0152】
式(HPLCデータから得られたy = 18.924x −22.539)から、配合物中に存在する酢酸テリパラチドの含有量は、バッチIおよびバッチIIについてそれぞれ92.88%および89.76%であることがわかった。
【表22】
【0153】
酢酸リュープロレリンのラット試験測定
【0154】
酢酸リュープロレリンHPLC検量線の作成−約112mg及び104mgの顆粒(100μgに相当)を精確に秤量し、且つ1mLの移動相を用いて希釈を行った;この分散液における酢酸リュープロレリンの理論濃度は100μg/mLであることが分かった。分散液を2分間ボルテックスした後、0.2μmのシリンジでフィルタリングした。20.0μLの濾過液をHPLCシステムに注射してペプチド含有量を測定した。分析結果:ペプチドについてのHPLCから得られた公式y=42.67x−76.447から、酢酸リュープロレリンの含有量%ペプチド量は、(A)酢酸リュープロレリン+ラブラソールALF顆粒(PA2):97.45%、及び(B)酢酸リュープロレリン+ラブラソールALF+ピペリン顆粒(PA2+3):105.11%であった。
【0155】
酢酸リュープロレリンカプセルの溶出試験
【0156】
分析結果に基づき、ラブラソールALF及び酢酸リュープロレリンが含まれた顆粒(PA2)製剤の溶解試験を行った。
【0157】
設定1:透析膜の使用−基質:pH6.80のリン酸塩緩衝液;容積:10mL;排出容積:400μl;攪拌速度:100RPM;充填顆粒:140mg(1つのカプセルに相当);透析膜規格:HIMEDIA LM395−30MT;ポアサイズ:25nm;平均平面幅:29.31mm;平均直径:17.5mm。
【表23】
【0158】
設定2:回転バスケットの使用(USP TYPE 1)−基質:pH6.80のリン酸緩衝液;容積:25mL;排出体積:400μl;攪拌速度:100RPM;充填顆粒:ゼラチンカプセルに140mg。
【表24】
【0159】
設定3:回転バスケットの使用(USP TYPE 1)
【0160】
基質:pH6.80のリン酸緩衝液;容積:30mL;排出容積:400μl;攪拌速度:500RPM;充填顆粒:ゼラチンカプセルに140mg。
【表25】
【0161】
設定4:回転バスケットの使用(USP TYPE 1)
【0162】
基質:pH6.80のリン酸緩衝液;容積:30mL;排出容積:400μl;攪拌速度:500RPM;充填顆粒:ヒプロメロースカプセル(サイズは0)に140mgを含む。
【表26】
【0163】
設定5:回転バスケットの使用(USP TYPE 1)
【0164】
基質:pH6.80のリン酸緩衝液;容積:30mL;排出容積:500μl;攪拌速度:100RPM;充填顆粒:カプセルに調製せず、顆粒140mgを回転バスケット内に直接入れた。
【表27】
【0165】
設定6:マグネチックスターラーの使用
【0166】
基質:pH6.80のリン酸緩衝液;容積:30mL;排出容積:500μl;攪拌速度:200RPM;充填顆粒:ゼラチンカプセルに140mgを調製(カプセルサイズは2)。
【表28】
【0167】
設定7:マグネチックスターラーの使用
【0168】
基質:pH6.80のリン酸緩衝液;容積:30mL;排出容積:500μl;攪拌速度:200RPM;充填顆粒:ゼラチンカプセルに140mgを調製(カプセルサイズは2)。
【表29】
【0169】
表24〜29のデータによると、酢酸リュープロレリンは顆粒から溶出して透析膜を通過することがなかった点に注目できた(設定1)。設定2では回転バスケット(USP TYPE 1)を使用し、バスケットの回転が材料を基質中で移動/回転させるのに十分な回転力を生み出すことができなかったため、材料がゼラチンと共に沈降し、最終的には溶出に影響が出た。設定3ではバスケットのRPMを増加させて(100から500まで)行ったが、バスケットのrpmが増加してもCDR%は24.75%であった。設定4では回転バスケットのRPMを増加させさらにゼラチンカプセルの代わりにヒプロメロースカプセルを使用し、CDR%は29.97%であった;設定5ではカプセルを無くして回転バスケットで行い、CDR%は90%であり、材料(ゼラチン/ヒプロメロース)が粘度を増加させ、且つ顆粒からの酢酸リュープロレリンの溶出を遅延し得ることが証明できたことが確認された;設定6及び7では分析を通じて基質を良好に回転させるためマグネチックスターラーを使用して試験を行い、CDR%はそれぞれ108.8%及び102.6%であった;実験はすべて37℃の設定下で行ったが、温度が変化した場合にはカプセルの崩壊に影響する。25℃での崩壊時間は12分であり、37℃での崩壊時間は2分未満であった。
【0170】
HPLCを用いたリラグルチドナトリウムの測定
【0171】
試験1:手順:顆粒PA2(表16F)及び顆粒PA3+4(表16G)約10.0mgを10.0mLのHPLC希釈剤中で希釈した(D.I.水中10%ACN)。この分散液が有するリラグルチドナトリウムの理論濃度は74μg/mLであることが分かった。超音波浴を使用して分散液を5.0分間超音波処理した後、0.2μmのシリンジでフィルタリングし、20.0μLの濾過液をHPLCシステムに注射してペプチド含有量を測定した。分析結果:ペプチドに関するHPLCから得られた公式y=79.283x−571.72から、ラブラソールALFを有するリラグルチドナトリウム製剤(PA2)の含有量は44.4%であり、ピペリン及びソルトールHS15を有するリラグルチドナトリウム製剤(PA3+4)の含有量は25.4%であった。(a)2分間のボルテックスにおいて、ピペリン及びソルトールHS15を有するリラグルチドナトリウム製剤の分析結果は67.39%であった;(b)2分間のボルテックスにおいて、ラブラソールALFを有するリラグルチドナトリウム顆粒製剤の分析結果は80.43%であった;(c)5分間のボルテックスにおいて、ピペリン及びソルトールHS15を有するリラグルチドナトリウム製剤の分析結果は95.66%であった;(d)5分間のボルテックスにおいて、ラブラソールALFを有するリラグルチドナトリウムの顆粒の分析結果は96.99%であった。
【0172】
リラグルチド溶解試験
【0173】
基質:pH6.80のリン酸緩衝液;容積:30mL;排出容積:500μl;攪拌速度:200RPM;
【表30】
【表31】
【0174】
分析結果:リラグルチド顆粒PA及びPA3+4のCDR%はそれぞれ112.85%及び93.64%であった。50%を上回るリラグルチドナトリウムが5〜7分の間に溶出した。
【0175】
STZ誘発糖尿病ラット血漿中のグルコース及びインスリングラルギン含有量の定量分析
【0176】
STZ誘発糖尿病ラットの空腸中部にインスリングラルギン製剤を投与した後、その血漿中のグルコース及びインスリングラルギン含有量を定量した。
【0177】
試験製剤I:インスリングラルギン(Lantus
(R))−外観:予備充填用のペン型注射器(prefilled pen)中の注射溶液;濃度:100IU/ml;保存条件:2〜8℃;用量:0.2U/kg;投与経路:SC.。
【0178】
試験製剤II:インスリングラルギン製剤−顆粒MIRA1(表15Aの還元型グルタチオン/ピコリン酸クロム)+透過促進薬1(表1のPA1)(TRIS緩衝液中の経口液)−用量:1.7U/動物;投与経路:空腸中部。
【0179】
試験製剤III:インスリングラルギン製剤−PA2(表16Bの通り)及びMIRA2(表15Bのアスコルビン酸ナトリウム/酸化バナジウム)(緩衝液中の経口液)−用量:1.7U/動物;投与経路:空腸中部。
【0180】
試験結果:皮下注射及び空腸中部投薬のいずれにおいてもラットの死亡はなかった。臨床的症状は正常であった。サンプリング時点に関して、投薬中、採血時点は投与後0、20、40、60、120および150分であった。後眼窩洞穿刺から、約100μlの血液を予め充填されたNa−EDTAエッペンドルフに集めた。血液を5000rpm、5分間、4℃で遠心分離して血漿を得た。採血直後に血糖計を用いて測定した。
【表32】
【表33】
【0181】
ELISA試験
【0182】
試験材料:インスリングラルギンELISAキット(Invitron Ltd,Cat.No.MBS495369)。
【0183】
原理:このグラルギンELISAはtwo−siteイムノアッセイであり、微量滴定プレートのウェルに固定されたモノクローナル抗体、及びホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)標識された可溶性抗体を用いて測定を行うものである。血漿試料をマイクロタイタープレートのウェル中で一緒にインキュベートし、洗浄した後にHRP共役抗体液を添加した。測定前に未結合のHRP共役抗体を洗浄除去してから二次インキュベートを行った。マイクロタイタープレートの各ウェル中に酵素基質を添加し、しばらくインキュベートしてからさらなる試薬を添加して反応を停止させた。各ウェルで発色した色の強度は、450nmの波長の透過光を記録するように設定されたマイクロタイタープレートリーダーで定量される(キットプロトコル:製造業者が推奨するカタログ番号MBS495369のプロトコルを用いた)。
【0184】
手順:使用前にすべてのキット内容及び試料を室温下で放置する。必要な数量のコーティングされたストリップをプレートホルダーに固定した。すぐに使用しないストリップはすべてシリカゲル乾燥剤を入れたポリエチレン製密封バッグに保存する。プレートホルダー上の残りのスペースがコーティングされていないストリップで埋まっていることを確認して、インキュベート時に熱が均一に伝わることを確保する。100μlの試料緩衝液を各ウェル中にピペッティングする。25μlの標準品又は試料をそれぞれのウェル中にピペッティングする。標準品及び試料の各試験は重複して行うことを推奨する。プレートホルダーのカバーを被せてから、室温(18〜22℃)下で2時間インキュベートする。プレートホルダーカバーを取り外し、自動プレートホルダー洗浄機を使用し、作動強度に冷却*したworking strength洗浄緩衝液(各サイクルで300μl)を組み合わせて洗浄サイクルを3回行う。working strength共役抗体100μlを各ウェル中にピペッティングする。プレートシーラーを被せてから、4℃(2〜8℃)で4時間インキュベートする。プレートシーラーを除去し、自動プレートホルダー洗浄機を使用し、冷却*したworking strength洗浄緩衝液で洗浄サイクルを3回行う。次に、100μlの基質溶液を各ウェル中に添加し、室温(18〜22℃)下の暗所で15分インキュベートする。100μlの停止液を各ウェル中に添加する。450nmに設定されたマイクロタイタープレートリーダーで、可能であれば、620 / 650nmのODで測定されたバックグラウンド減算を用いて、光透過率を測定する。
図1は、異なる製剤からのインスリングラルギン(mU/L)の濃度対時間のプロファイルを描いたグラフを示す。
【0185】
試験製剤インスリングラルギン−MIRA1(還元型グルタチオン/ピコリン酸クロム)+透過促進剤1(PA1)は9.25%の相対バイオアベイラビリティーを示し、試験製剤インスリングラルギン−PA2およびMIRA2(アスコルベートナトリウム/酸化バナジウム) )は28.86%の相対バイオアベイラビリティーを示すことがわかった。
【0186】
ELISAキットによるイヌ血漿中の酢酸リュープロレリン含有量の定量分析
【0187】
標準試験製剤:酢酸リュープロレリン:LUPRODEX;Depot)−濃度:バイアル毎に3.75mgの酢酸リュープロレリンを含有;製造日:2017年11月;有効期限:2020年10月;保存環境:室温(25℃未満)で保存し、冷凍しないこと;バイアル数:希釈剤付き1バイアル。
【0188】
試験製剤FB:MIRA5(表15E)+PA2(表16H)−外観:白色のカプセルキャップ及び白色のカプセルボディーを有するハードゼラチンカプセル;濃度:各カプセルは300mg、且つ1.25mgの酢酸リュープロレリンを含有;製造日:2018年4月21日;有効期限:提供なし;保存環境:室温(25℃未満)で保存;試験項目カプセル数:1容器70カプセル。
【0189】
試験製剤H:MIRA2(表15F)+PA2+3(表16I)−外観:白色のキャップ及び白色のカプセルボディーを有するハードゼラチンカプセル;濃度:各カプセルは300mg、且つ1.25mgの酢酸リュープロレリンを含有;製造日:2018年4月19日;有効期限:なし;保存環境:室温(25℃未満)で保存;試験項目カプセル数:1容器70カプセル。
【表34】
【0190】
投薬期間中、イヌ(イヌ科;犬種;ビーグル)は投薬の12時間前から投薬の4時間後の間夜間絶食した(水は許容した)。投薬の720時間後、イヌの有害事象の有無を観察した。各イヌの体重は投与前に測定し記録した。
【0191】
試料のサンプリング時間
【0192】
0時間、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、240時間、312時間、360時間、480時間及び720時間後(計15のサンプリング時間ポイント)に、皮下及び経口投与した各イヌの頚静脈から約2mLの血液試料をK2EDTAコーティングとラベリングされた試料採取管に採取した。
【0193】
ELISA試験条件
【0194】
試験材料:カタログ番号S −1174(Des−Gly10、D−Leu6、Pro−NHEt9)−LHRH(ロイプロリド)。キットプロトコル:使用されている製造元が推奨するプロトコル(カタログ番号S1174)
【0195】
試験結果:試験製剤FBが有する相対的生物学的利用能は56.53%であり、試験製剤Hが有する相対的生物学的利用能は16%であった。
【0196】
ELISAキットを使用したイヌ血漿中のリラグルチド含有量の定量
【0197】
試験製剤I:リラグルチド−外観:ペン型注射器(prefilled pen)中に予備充填された注射溶液;濃度:6mg/ml;製造日:2017年2月;有効期限:2019年7月;保存環境:2〜8℃;用量:イヌ毎に0.6mg;投与経路:SC
【0198】
試験製剤II(FA):MIRA5(表15E)+PA2(表16F)−用量:12mg(1カプセル)/イヌ;投与経路:経口。
【0199】
試験製剤III(G):MIRA5(表15E)+PA3+4(表16G)−用量:12mg(1カプセル)/イヌ;投与経路:経口。
【表35】
【0200】
皮下及び経口にリラグルチドを投与後、イヌの死亡はなかった。臨床的症状は正常であった。各イヌの体重は試験前に測定し記録した。投薬期間中、イヌ(イヌ科;犬種;ビーグル)は投薬の12時間前から投薬の4時間後の間夜間絶食した(水は許容した)。投与期間中、イヌの血液試料の収集時間ポイントは投薬してから0分、20分、30分、60分、120分、180分、240分及び480分後とし、頚静脈から2mLの血液試料をK2EDTAコーティングとラベリングされた試料採取管に採取した。グルコースは血液試料のサンプリング後すぐに血糖計で測定した。
【0201】
ELISA試験条件
【0202】
試験材料:ELISAキット(Krishgen BioSystems,Cat.No.KBI5020 Ver2.0)。
【0203】
キットプロトコル:製造会社推奨のプロトコルを使用した(Cat.No.KBI5020 Ver2.0)。(1)希釈した標準品、ブランク対照及び試料のウェルを定め、5つのウェルを標準品、1つのウェルをブランク対照用として準備する。50μLの標準品(読み取り試薬調製)、ブランク対照及び試料をそれぞれ適切なウェル中に添加する。すぐに50μLのリラグルチド−ビオチンを上述の各ウェル中にそれぞれ添加した。プレートを軽く振る(プレートシェーカーの使用が推奨される)。プレートカバーを被せた。37℃下で1時間インキュベートする。リラグルチド−ビオチンは混濁状を呈することがある。室温で放置した後、溶液が均一となるまでゆっくりと混合する。(2)マイクロプレート中の溶液を吸引してから、スプレーボトル、マルチチャンネルピペット、マニホールドディスペンサー及び自動洗浄機を使用し、350μLの1×洗浄液で各ウェルを洗浄し、1〜2分静置する。プレートを吸水紙に倒置して圧印し、残った液体を除去する。3回繰り返す。最後の洗浄後、液体を吸引又は注ぎ出す方法で残りの洗浄液をすべて除去し、マイクロプレートを吸水紙に倒置する。(3)各ウェル中に100μLのストレプトアビジンHRP試料を添加する。プレートシーラーを被せたのち37℃で30分インキュベートする。(4)手順(2)で行ったように吸引/洗浄手順を全5回繰り返す。(5)各ウェル中に90μLの基質溶液を添加する。新しいプレートシーラーでカバーする。37℃で10〜20分インキュベートする(30分を超えない)。光から保護する。基質溶液を添加することで溶液は青色に変化する。(6)各ウェル中に50μLの停止液を添加する。停止液を添加することで溶液は黄色に変化する。プレートの側面を叩いて混合液を混合させる。溶液の色変化が不均一であった場合は、マイクロプレートを軽く叩いて溶液の十分な混合を確保する。(7)マイクロプレート底部の水滴又は指紋を除去し、且つウェル内の液体表面に気泡がないことを確保する。マイクロプレートリーダーを用いて450nmで測定を行う。
【0204】
試験製剤FA(Mira5及びリラグルチド+ラブラソール)の相対的生物学的利用能は3.82%であり、試験製剤G(Mira5及びリラグルチド+ソルトールHS15+ピペリン)の相対的生物学的利用能は3.57%であることが分かった。
【0205】
ELISAによるラット血漿中のオクトレオチド含有量の定量分析
【0206】
試験製剤I:オクトレオチド−外観:注射溶液;濃度:0.1mg/ml;保存条件:2〜8℃;用量:10μg/kg;投与経路:SC
【0207】
試験製剤II:MIRA3(表15C)+PA1(表16C)を麻酔後のS.D.ラットの遠位小腸(回腸);用量:144μg/動物;投与経路:遠位小腸(回腸)注射。試験時、ラットは非絶食である。
【表36】
【0208】
皮下及び遠位小腸(回腸)にオクトレオチドを投与後、ラットの死亡はなかった。臨床的症状は正常であった。投与期間中、イヌの血液試料の収集時間ポイントは投薬してから0分、7分、15分、30分、45分、60分及び90分後とした。血液試料は後眼窩静脈叢穿刺により採取し、約100μlの血液をNa−EDTAを予備充填したエッペンドルフに収集した。血液試料を4℃、5000rpmで5分間遠心分離にかけて血漿を得た。
【0209】
ELISA試験
【0210】
試験器材:ELISAキット(PeninsulaLaboratories International,Inc,Cat.No.S−1341.0001)。
【0211】
キットプロトコル:製造会社が推奨するプロトコルを使用した(Cat.No.S−1341.0001)−イムノプレートの各ウェル中に抗血清25μl(EIA緩衝液中)を添加する。ブランクのウェルには25μlのEIA緩衝液を添加し;室温で1時間インキュベートを行う。;標準品又は試料(希釈剤中)をそれぞれ50μl添加する。添加前にプレートを洗浄してはならない。50μlの希釈剤をブランクのウェルに添加し;室温で2時間インキュベートする。短い予備インキュベートの場合、感度が低くなることがある;Bt−トレーサー(EIA緩衝液中)をリハイドレートし各ウェル中に25μl添加し;且つ4℃で一晩インキュベートする。良好な結果を得たい場合には、操作前にRTに戻しておく;イムノプレートの洗浄を300μl/ウェルのEIA緩衝液で5回繰り返す。1回目の洗浄/分注時には、ウェル間でのクロスコンタミネーションに十分注意する。各洗浄サイクルにおいて、手首を素早く軽く動かしながらプレートの内容物を空にしてから、プレートの上部をペーパータオル上で静かに吸い取って乾かす。各ウェル中に300μlのEIA緩衝液を分注した後、マイクロプレートを少なくとも何秒間か軽く揺らす。洗浄手順は必要不可欠である。各ウェル中に100μlのストレプトアビジンHRPを添加する。SAHRP管を叩くか遠心分離にかけて底部のすべての液体成分を収集し、その内部の液体をEIA緩衝液中に1/200(60μl/12mL)に希釈し、ボルテックスする。ブランクを含む全ウェル中100μlを添加する。室温で1時間インキュベートする。イムノプレートを5回洗浄する(手順(7)参照)。TMB溶液を100μl/ウェル添加する。ブランクを含む全ウェル中に添加する。室温で(時間は通常30〜60分)インキュベートする。650nmにおいて青色の発生を読み取り、且つデータを用いて計算を行う。各ウェル中に100μlの2N HClを添加して反応を停止させる。10分以内に450nm下の吸光度を読み取る。
【0212】
試験製剤MIRA3(尿酸:バナジン酸ナトリウム)+PA1が有する生物学的利用能は0.41%であった。
【0213】
ELISAによるラット血漿中のテリパラチド含有量の定量
【0214】
試験製剤I:テリパラチド;外観:注射用溶液;濃度:600μg/2.4ml;保存条件:2〜8℃;用量:10μg/動物;投与経路:SC
【0215】
試験製剤II:MIRA4(表15D)及びPA1(表16D)を麻酔後のラットの遠位小腸(回腸)に240μg/動物の用量で投与した;用量:240μg/動物;投与経路:遠位小腸(回腸)。
【0216】
試験製剤III:MIRA1(表15A)及びPA3(表16E)を麻酔後のS.D.ラットの遠位小腸(回腸)に240μg/動物の用量で投与した;用量:240μg/動物;投与経路:遠位小腸(回腸)。
【表37】
【0217】
実験期間中、動物は非絶食である。皮下及び遠位小腸(回腸)にテリパラチドを投与後、ラットの死亡はなかった。臨床的症状は正常であった。投与期間中、イヌの血液試料の収集時間ポイントは投薬してから0分、7分、15分、30分、45分、60分及び90分後とした。血液試料は後眼窩静脈叢穿刺により採取し、約100μlの血液をNa−EDTAを予備充填したエッペンドルフに収集した。血液試料を4℃下において5000rpmで5分間遠心分離にかけてから血漿を得た。
【0218】
ELISA試験
【0219】
試験材料:ELISAキット(Immutopics Cat.No.60−3900.)
【0220】
キットプロトコル:製造会社が推奨するプロトコルを使用した(Cat.No.60−3900)−十分な数のストレプトアビジンコーティングを有するストリップをホルダーに入れ、副甲状腺ホルモン(PTH)標準品、コントロール及び未知の試料の試験を行う;150μlの標準品、コントロール及び試料をそれぞれ指定又はマッピングされたウェル中にピペッティングする。標準品及びコントロール試料は使用後すぐに冷凍する。1部のHRP抗体及び1部のビオチン化抗体からなるワーキング抗体希釈液50μlを各ウェル中にピペッティングし;プレートシーラーでカバーし、アルミ箔でカバーして遮光し;180〜200rpmに設定した水平ローターで、室温でプレートを3時間インキュベートする。アルミ箔及びプレートシーラーを取り除き、自動マイクロプレート洗浄機で各ウェル中の内容物を吸引する。350μLのワーキング洗浄用希釈液を分注しながら各ウェルの洗浄を5回繰り返し、各ウェル中の内容物を完全に吸引する。適切な吸引装置を用いることができる;200μlのELISA HRP基質を各ウェル中にピペッティングし;プレートシーラー及びアルミ箔でプレートを再びカバーする。180〜200rpmに設定した水平ローターで、室温で3時間インキュベートし;アルミ箔及びプレートシーラーを取り除く。5分以内にマイクロプレートリーダーで、0pg/mLの標準ウェルをブランクとして620nm(注着参照)の吸光度を読み取り;すぐに50μLのELISA停止液を各ウェル中にピペッティングする。水平ローターで1分間の混合を行い;10分以内に、マイクロプレートリーダーを使用し、200μLの基質及び50μLの停止溶液を試薬ブランクとして波長450nmの吸光度を読み取る;二重波長補正が可能な場合は、測定波長を450nmに、参照波長を手順#9で用いた吸光度に設定する。
【0221】
MIRA4(アスコルビン酸ナトリウム:グルコン酸マンガン)及びPA1の試験製剤が有する相対的生物学的利用能は0.89%であった。MIRA1(還元型グルタチオン/ピコリン酸クロム)及びPA3の試験製剤が有する生物学的利用能は0.89%であった。
【0222】
以上、本発明の様々な実施形態について説明を記したが、本発明の他の及びさらなる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなくなされ得る。本発明の範囲は特許請求の範囲によって決定される。本発明は、記載された実施形態、変形例または実施例に限定されず、当業者に利用可能な情報および知識と組み合わせたときに、当業者が本発明を製造および使用することを可能にするものも含まれる。
【0223】
本開示は、背景技術で報告されている組成物の関係する欠点を克服することができる医薬組成物を提供する。
【0224】
本開示は効果的にペプチドを送達するための医薬組成物を提供する。
【0225】
本開示は、経口でペプチドを送達するための医薬組成物を提供する。
【0226】
本開示は、経口摂取の際に、少なくとも部分的に、ペプチドをタンパク質的分解から保護する医薬組成物を提供する。
【0227】
本開示は、ペプチドの生物学的利用能を増加させる医薬組成物を提供する。
【0228】
本開示は、安全性を備えた医薬組成物を提供する。
【0229】
本開示は、費用対効果があり、調製容易で、保存期間が長い医薬組成物を提供する。