(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-508918(P2021-508918A)
(43)【公表日】2021年3月11日
(54)【発明の名称】配線用遮断器のアークチャンバ
(51)【国際特許分類】
H01H 73/18 20060101AFI20210212BHJP
H01H 9/36 20060101ALI20210212BHJP
【FI】
H01H73/18 B
H01H9/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-535054(P2020-535054)
(86)(22)【出願日】2018年11月22日
(85)【翻訳文提出日】2020年6月23日
(86)【国際出願番号】KR2018014437
(87)【国際公開番号】WO2019132259
(87)【国際公開日】20190704
(31)【優先権主張番号】20-2017-0006745
(32)【優先日】2017年12月27日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100217940
【弁理士】
【氏名又は名称】三並 大悟
(72)【発明者】
【氏名】オ、キョンファン
(72)【発明者】
【氏名】オ、ギファン
【テーマコード(参考)】
5G027
5G030
【Fターム(参考)】
5G027AA28
5G027BC04
5G030DB08
(57)【要約】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、組立性を向上させて製品の一貫性を保障する配線用遮断器のアークチャンバを提供することを目的とする。本発明の一実施形態による配線用遮断器のアークチャンバは、可動接触子の運動軌跡の外側に所定の間隔で複数配列され、胴部及び前記胴部の一側に延設される脚部を含むグリッドと、前記脚部が圧入方式で嵌められる収容部を有する固定キャップとを含み、前記固定キャップの一側には、前記胴部の側面まで延びる結合部が備えられることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動接触子の運動軌跡の外側に所定の間隔で複数配列され、胴部及び前記胴部の一側に延設される脚部を含むグリッドと、
前記脚部が圧入方式で嵌められる収容部を有する固定キャップとを含み、
前記固定キャップの一側には、前記胴部の側面まで延びる結合部が備えられることを特徴とする配線用遮断器のアークチャンバ。
【請求項2】
前記胴部の両角部には、第1突起部が複数形成され、前記結合部の端部には、前記第1突起部が結合される固定凹部が複数形成されることを特徴とする請求項1に記載の配線用遮断器のアークチャンバ。
【請求項3】
前記胴部の両側面には、前記脚部に隣接する部分に第2突起部が複数形成され、前記結合部には、前記第2突起部が嵌合される固定孔が複数形成されることを特徴とする請求項1に記載の配線用遮断器のアークチャンバ。
【請求項4】
前記第2突起部には、前記脚部に向かって低くなる傾斜部が形成されることを特徴とする請求項3に記載の配線用遮断器のアークチャンバ。
【請求項5】
前記第2突起部には、前記胴部に接する両端部に干渉防止凹部が形成されることを特徴とする請求項3に記載の配線用遮断器のアークチャンバ。
【請求項6】
前記結合部の内側面において複数の前記第1突起部間に対応する位置には、前記グリッドが嵌められるように、隔壁がそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1に記載の配線用遮断器のアークチャンバ。
【請求項7】
前記固定キャップの内壁には、前記隔壁から延びる延長壁が形成されることを特徴とする請求項6に記載の配線用遮断器のアークチャンバ。
【請求項8】
前記延長壁の厚さは、前記隔壁の厚さより薄いことを特徴とする請求項7に記載の配線用遮断器のアークチャンバ。
【請求項9】
前記隔壁間には、前記脚部を加圧するリブが形成されることを特徴とする請求項6に記載の配線用遮断器のアークチャンバ。
【請求項10】
前記脚部の上面には、前記延長壁に接する半球状の突起が形成されることを特徴とする請求項7に記載の配線用遮断器のアークチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線用遮断器のアークチャンバに関し、より詳細には、アークチャンバの組立を容易にして揺動を防止する配線用遮断器のアークチャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、配線用遮断器(MCCB: Molded Case Circuit Breaker)は、電気的な過負荷状態や短絡事故時に自動で回路を遮断して回路及び負荷を保護する電気機器であり、電源側と負荷側とを接続するための端子部と、固定端子と可動端子とが機構的に接触できるように開閉を行う機構部と、電源側で過電流又は短絡電流を検知して機構部のトリップ動作を誘導するトリップ部と、異常電流遮断時に発生するアークを消弧するための消弧部とから主に構成される。
【0003】
図1は従来技術による配線用遮断器の縦断面図である。従来技術による配線用遮断器は、絶縁物からなる筐体(ケース)1の内部に、電源側から負荷側への回路を接離するために設けられる接点部を構成する固定接触子2a及び可動接触子2b、可動接触子2bを回動させる動力を供給する開閉機構部3、異常電流を検出する検出機構部4、事故電流遮断時に発生するアークを消弧するために設けられる消弧部(アークチャンバ)5などを含む。
【0004】
図2及び
図3はアークチャンバの詳細図である。
図2は斜視図であり、
図3は分解斜視図である。
【0005】
配線用遮断器の消弧部に主に用いられるアークチャンバは、金属板を用いた冷陰極型消弧室であり、V字状の凹部を有する鉄板からなるグリッド6をアーク発生経路に垂直な方向に適当な間隔で配置した構造を有する。事故電流発生時に接触子2a、2bが開離してアークが発生すると、アークはアークチャンバ5内でグリッド6へ移動する。アークはグリッド6により冷却されて各グリッド6間で短いアークに分割され、アーク電圧が高くなり、電流が小さくなる。また、消弧部を構成する絶縁板(図示せず)から発生する消弧性ガスにより筐体の内圧が上昇し、アークを高圧に圧縮して自由電子の放出を抑制することにより、急速にアークを消滅させて極間電圧を回復させる。
【0006】
このように、配線用遮断器において、異常電流発生時にトリップ動作を行い、それにより発生するアークを消弧して放出することは、事故電流を遮断して製品、負荷及び線路を保護する上で中核となり、遮断器の性能に直結するものである。このような性能の中核的な役割を果たす部品が消弧部のアークチャンバである。つまり、アークチャンバの組立状態、組立形状の維持や位置などが遮断器の性能に重大な影響を及ぼす。
【0007】
従来技術において、アークチャンバ5は、その構成として、可動接触子2bの回動軌跡の外側に所定の間隔で複数配列されるグリッド6と、グリッド6の両側に結合される一対の固定側板7と、グリッド6の脚部に結合されるキャップ8とを含む。
【0008】
従来技術においては、グリッド6に固定側板7を結合する方法として、グリッド6の側面に形成された突起6aを固定側板7の孔7aに嵌め、突起6aにコーキング作業を行うことにより、グリッド6に固定側板7を結合する方式を主に用いている。
【0009】
このとき、コーキング作業のために、グリッド6の両側面の突起6aを強い力で押圧して変形させる作業を行う。この作業は、一貫した工程で行うことが困難であり、効率が劣り、同じ品質を保障することが困難である。また、グリッド6の変形、破損、歪みなどの現象が発生し得る。コーキング作業に不良や漏れがあると、運送時や完成品組立時にグリッド6が離脱する現象が発生し得る。また、複数のコーキング作業は加工時間の増加、生産性の低下、グリッド6の間隔維持不良などの問題を生じさせ、かつ生産コストの上昇を招く。一方、メンテナンスができないということも問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、組立性を向上させて製品の一貫性を保障する配線用遮断器のアークチャンバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態による配線用遮断器のアークチャンバは、可動接触子の運動軌跡の外側に所定の間隔で複数配列され、胴部及び前記胴部の一側に延設される脚部を含むグリッドと、前記脚部が圧入方式で嵌められる収容部を有する固定キャップとを含み、前記固定キャップの一側には、前記胴部の側面まで延びる結合部が備えられることを特徴とする。
【0012】
ここで、前記胴部の両角部には、第1突起部が複数形成され、前記結合部の端部には、前記第1突起部が結合される固定凹部が複数形成されることを特徴とする。
【0013】
また、前記胴部の両側面には、前記脚部に隣接する部分に第2突起部が複数形成され、前記結合部には、前記第2突起部が嵌合される固定孔が複数形成されることを特徴とする。
【0014】
さらに、前記第2突起部には、前記脚部に向かって低くなる傾斜部が形成されることを特徴とする。
【0015】
さらに、前記第2突起部には、前記胴部に接する両端部に干渉防止凹部が形成されることを特徴とする。
【0016】
さらに、前記結合部の内側面において複数の前記第1突起部間に対応する位置には、前記グリッドが嵌められるように、隔壁がそれぞれ形成されることを特徴とする。
【0017】
さらに、前記固定キャップの内壁には、前記隔壁から延びる延長壁が形成されることを特徴とする。
【0018】
さらに、前記延長壁の厚さは、前記隔壁の厚さより薄いことを特徴とする。
【0019】
さらに、前記隔壁間には、前記脚部を加圧するリブが形成されることを特徴とする。
【0020】
さらに、前記脚部の上面には、前記延長壁に接する半球状の突起が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施形態による配線用遮断器のアークチャンバにおいては、固定キャップを圧入(嵌合)方式でグリッドに結合するので、組立が簡単かつ容易である。よって、複数のコーキング作業にかかっていた時間が短縮される。
【0022】
また、グリッドの脚部が固定キャップの収容部に嵌められ、固定キャップの結合部がグリッドの胴部の側面に嵌められるので、結合力が十分に維持される。さらに、固定キャップの隔壁により、摩擦による結合力が各グリッドに与えられる。よって、グリッドの変形や離脱が発生しない。
【0023】
さらに、グリッドの間隔配置が一定に保持される。
【0024】
さらに、固定キャップからグリッドを取り外すことができるので、メンテナンスが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】従来技術による配線用遮断器の縦断面図である。
【
図2】従来技術による配線用遮断器に適用されるアークチャンバの詳細を示す斜視図である。
【
図3】従来技術による配線用遮断器に適用されるアークチャンバの詳細を示す分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態による配線用遮断器のアークチャンバの斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態による配線用遮断器のアークチャンバの分解斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態による配線用遮断器のアークチャンバの上面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による配線用遮断器のアークチャンバに適用される固定キャップの斜視図である。
【
図8】本発明の他の実施形態による配線用遮断器のアークチャンバに適用されるグリッドの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明するが、これは本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できる程度に詳細に説明するためのものであり、これにより本発明の技術的思想及び範囲が限定されるものではない。
【0027】
図4〜
図6に本発明の一実施形態による配線用遮断器のアークチャンバを示す。
図4〜
図6はそれぞれアークチャンバの斜視図、分解斜視図、上面図である。
図7は固定キャップの斜視図である。以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による配線用遮断器のアークチャンバについて詳細に説明する。
【0028】
本発明の一実施形態による配線用遮断器のアークチャンバは、固定接触子の上方に設けられ、前記固定接触子に接離する可動接触子を囲むように配置される配線用遮断器のアークチャンバにおいて、前記可動接触子の運動軌跡の外側に所定の間隔で複数配列され、胴部11及び脚部15を含むグリッド10と、脚部15に圧入方式で嵌められる固定キャップ20とを含み、固定キャップ20の一側には、胴部11の側面まで延びる結合部21が備えられることを特徴とする。
【0029】
本発明の実施形態が適用される配線用遮断器のアークチャンバにおいて、筐体、負荷又は電源に接続される固定接触子、前記固定接触子に接離するように前記筐体の内部に回動可能に設けられる可動接触子などの技術事項は、従来技術がそのまま適用される部分であるので、さらなる説明や図示を省略する。(背景技術の説明及び
図1を参照。)
【0030】
前記固定接触子と前記可動接触子とが分離されると、主回路の電流が遮断され、前記固定接触子と前記可動接触子とが接触すると、前記主回路に電流が流れる。遮断時には、前記固定接触子の固定接点から前記可動接触子の可動接点が分離され、電流の慣性(電流の流れが維持される性質)によりアークが発生する。すなわち、接触子間でアークが発生し、そのアークは、絶縁体である大気が電圧により絶縁破壊を起こしてプラズマ状態の導電体になる現象であり、電流の大きさに比例して大きくなる。このとき、アークは、中心温度が8,000〜12,000℃に達して爆発的な膨張圧力を有するので、接触子を溶融、消耗させて絶縁物を劣化、破壊させる特徴を有する。
【0031】
グリッド10は、強磁性を有する金属製の平板からなる。グリッド10は、複数設けられて所定の間隔で離隔設置される。すなわち、複数のグリッド10は、複数の空間を形成するように層を形成し、アーク発生時にアークがグリッド10間で分割されるようにする。グリッド10は、胴部11と、胴部11から延びる脚部15とを含む。
【0032】
胴部11は、長方形に形成されてもよい。胴部11の一側中央部には、「V」字状の凹部からなるアーク誘導部12が設けられる。アーク誘導部12の両側には、脚部15が設けられる。
【0033】
胴部11の両側には、第1突起部13及び第2突起部14が設けられる。第1突起部13及び第2突起部14は、固定キャップ20を結合するために設けられる。第1突起部13及び第2突起部14は、互いに離隔して設けられる。第1突起部13は、角部に設けられる。第2突起部14は、脚部15に隣接して設けられる。第1突起部13の方が第2突起部14より脚部15から遠い位置に設けられる。
【0034】
第1突起部13は、四角形の突起からなるようにしてもよい。
【0035】
第2突起部14は、三角形の突起からなるようにしてもよい。すなわち、第2突起部14には、傾斜部14aが形成される。傾斜部14aは、脚部15に向かって低くなるように形成される。第2突起部14に傾斜部14aが形成されるので、固定キャップ20をグリッド10に嵌める際に進入が容易になり、組立が容易になる。また、第2突起部14には、胴部11又は脚部15の側面に垂直な背後部14cが形成されるので、結合された固定キャップ20が離脱しなくなる。
【0036】
第2突起部14には、胴部11に接する両端部にそれぞれ干渉防止凹部14bが形成される。干渉防止凹部14bは、胴部11と第2突起部14の接面間で発生し得る干渉面(打抜作業後に発生し得る連結面)を除去し、グリッド10に固定キャップ20を結合する上で間隔が生じないように密着させる。
【0037】
脚部15は、胴部11の一側(アーク誘導部が形成される側)に形成される。脚部15は、アーク誘導部12の両側に延設される。脚部15は、対称となる一対で設けられる。脚部15の一部には結合凹部16が設けられる。
【0038】
固定キャップ20は、一側面が開放された箱状に形成される。すなわち、固定キャップ20は、収容空間を形成する収容部29を有する。固定キャップ20の開放された部分からグリッド10の脚部15が挿入されて収容部29に挿入結合される。固定キャップ20は、両側の脚部15をそれぞれ挿入できるように、対称となる一対で設けられる。
【0039】
固定キャップ20の一側から結合部21が延設される。結合部21は、胴部11の外側に配置されるように設けられる。結合部21には、第1突起部13が嵌められる固定凹部22と、第2突起部14が嵌められる固定孔23とが形成される。固定凹部22は、結合部21の端部に設けられ、第1突起部13の一部が嵌合される。固定孔23は、固定キャップ20がグリッド10に嵌められることにより嵌合固定されるようにする。
【0040】
固定凹部22及び固定孔23は、それぞれ複数形成される。固定凹部22及び固定孔23は、グリッド10の数と同じ数にしてもよい。それぞれの固定凹部22及び固定孔23の間隔に応じてグリッド10の配置間隔が設定される。それぞれの固定凹部22と固定孔23とは、同じ高さに形成されてもよい。
【0041】
脚部15が固定キャップ20の収容部29に嵌められ、結合部21が胴部11の側面に接して第1突起部13及び第2突起部14に結合されることにより、安定した結合が行われる。収容部29が脚部15を囲むと共に胴部11の側面の突起部13、14が結合部21に嵌められることにより、強固な結合が行われ、グリッド10が固定キャップ20から離脱しなくなる。
【0042】
結合部21の内側面には隔壁24が複数設けられ、隔壁24間にグリッド10が嵌められる。グリッド10が隣接する隔壁24間に結合されることにより、摩擦による結合力が増大する。隔壁24は、結合部21の端部から収容部29の内側壁まで形成される。
【0043】
固定キャップ20の内壁には、隔壁24から延びる延長壁25が形成される。延長壁25は、隔壁24より厚さが薄く形成されてもよい。こうすることにより、脚部15を収容部29の最も奥まで挿入することが容易になり、過度な摩擦力が加わっても挿入結合が妨げられなくなる。
【0044】
隔壁24と隔壁24間にはリブ26が設けられる。リブ26は、脚部15を加圧して摩擦による結合力を増大させる。
【0045】
固定キャップ20の上部には開放孔27が形成され、最も上段に配置されたグリッド10が露出する。
【0046】
固定キャップ20の上部には、グリッド10の結合凹部16に嵌められる結合突起28が突設される。
【0047】
図8に本発明の他の実施形態によるグリッドを示す。
【0048】
本実施形態のグリッドには、脚部15の上面に半球状の突起17が形成される。こうすることにより、固定キャップ20をグリッド10に嵌める際に、延長壁25が脚部15の半球状の突起17に接し、摩擦による結合力が増大する。
【0049】
本発明の一実施形態による配線用遮断器のアークチャンバにおいては、固定キャップを圧入(嵌合)方式でグリッドに結合するので、組立が簡単かつ容易である。よって、複数のコーキング作業にかかっていた時間が短縮される。
【0050】
また、グリッドの脚部が固定キャップの収容部に嵌められ、固定キャップの結合部がグリッドの胴部の側面に嵌められるので、結合力が十分に維持される。さらに、固定キャップの隔壁により、摩擦による結合力が各グリッドに与えられる。よって、グリッドの変形や離脱が発生しない。
【0051】
さらに、グリッドの間隔配置が一定に保持される。
【0052】
さらに、固定キャップからグリッドを取り外すことができるので、メンテナンスが可能である。
【0053】
前述した実施形態は本発明を実現する実施形態である。よって、本発明に開示されている実施形態は、本発明の技術思想を限定するものではなく、説明するためのものであり、それらの実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。すなわち、本発明の保護範囲は請求の範囲により解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるあらゆる技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【国際調査報告】