(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-509209(P2021-509209A)
(43)【公表日】2021年3月18日
(54)【発明の名称】医用画像内の病変の適応セグメント化
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20210219BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20210219BHJP
A61B 5/055 20060101ALI20210219BHJP
【FI】
G06T7/00 300F
A61B6/03 360J
A61B5/055 380
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-536203(P2020-536203)
(86)(22)【出願日】2018年11月27日
(85)【翻訳文提出日】2020年8月7日
(86)【国際出願番号】IB2018059333
(87)【国際公開番号】WO2019130131
(87)【国際公開日】20190704
(31)【優先権主張番号】15/854,822
(32)【優先日】2017年12月27日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
(74)【復代理人】
【識別番号】110000316
【氏名又は名称】特許業務法人ピー・エス・ディ
(74)【代理人】
【識別番号】100108501
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 剛史
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】ハザン、アロン
【テーマコード(参考)】
4C093
4C096
5L096
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093CA18
4C093FF17
4C093FF42
4C093FF50
4C096AB36
4C096DC20
4C096DC36
4C096DC40
5L096AA09
5L096BA06
5L096BA13
5L096EA02
5L096FA02
5L096FA06
5L096FA54
5L096FA60
5L096GA10
5L096HA09
5L096HA11
5L096JA11
(57)【要約】
デジタル医用画像及び2値画像マスクを受け取ることであって、2値画像マスクは、デジタル医用画像内の病変のセグメント化を示す、受け取ることと、病変の複数の層を計算することと、病変の複数の層の各々について層特徴を抽出することと、抽出された層特徴を病変分類器に送ることとを行うために、少なくとも1つのハードウェア・プロセッサを用いることを含む方法である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル医用画像及び2値画像マスクを受け取ることであって、前記2値画像マスクは、前記デジタル医用画像内の病変のセグメント化を示す、受け取ることと、
前記病変の複数の層を計算することと、
前記病変の前記複数の層の各々について、層特徴を抽出することと、
前記抽出された層特徴を病変分類器に送ることと、
を行うために、少なくとも1つのハードウェア・プロセッサを用いることを含む、方法。
【請求項2】
前記病変の前記複数の層は、前記2値画像マスクのモルフォロジ収縮の反復実行と、前記前の反復の前記2値画像マスクからの前記マスクの減算とによって計算される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モルフォロジ収縮に用いられるシードは、等方性、異方性、反復にわたって一定のサイズ、各反復についての異なるサイズ、病変の表面に関して一定のサイズ、病変の表面に関して異なるサイズ、病変のボリューム全体にわたる一定のサイズ、病変のボリューム全体にわたる異なるサイズ、及び原物の病変表面への距離に応じた可変サイズのものの少なくとも1つである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の層は、前記2値画像マスクの外側で計算される少なくとも1つの外部層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記デジタル医用画像は、2次元(2D)医用画像であり、前記複数の層は、前記病変のエッジに従う2D環状領域である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記デジタル医用画像は、3次元(3D)医用画像であり、前記複数の層は、前記病変の表面に従う3D殻状領域である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記病変の前記複数の層は、(i)前記デジタル医用画像の重心を計算すること、(ii)前記重心から前記2値画像マスクの前記エッジまで複数の光線を追跡すること、(iii)前記複数の光線の各々について等しい数の光線セグメントにマーク付けすること、(iv)前記複数の光線にわたって各光線セグメントの両端を通る層境界を描写することにより層を作成することによって計算される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
病変特徴抽出のためのコンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータ・プログラム製品は、プログラム・コードがそこに具体化された非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を含み、前記プログラム・コードは、
デジタル医用画像及び2値画像マスクを受け取ることであって、前記2値画像マスクは、前記デジタル医用画像内の病変のセグメント化を示す、受け取ることと、
前記病変の複数の層を計算することと、
前記病変の前記複数の層の各々について、層特徴を抽出することと、
前記抽出された層特徴を病変分類器に送ることと、
を行うために、少なくとも1つのハードウェア・プロセッサにより実行可能である、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項9】
前記病変の前記複数の層は、前記2値画像マスクのモルフォロジ収縮の反復実行と、前記前の反復の前記2値画像マスクからの前記マスクの減算とによって計算される、請求項8に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項10】
前記モルフォロジ収縮に用いられるシードは、等方性、異方性、反復にわたって一定のサイズ、各反復についての異なるサイズ、病変の表面に関して一定のサイズ、病変の表面に関して異なるサイズ、病変のボリューム全体にわたる一定のサイズ、病変のボリューム全体にわたる異なるサイズ、及び原物の病変表面への距離に応じた可変サイズのものの少なくとも1つである、請求項9に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項11】
前記複数の層は、前記2値画像マスクの外側で計算される少なくとも1つの外部層を含む、請求項8に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項12】
前記デジタル医用画像は、2次元(2D)医用画像であり、前記複数の層は、前記病変のエッジに従う2D環状領域である、請求項8に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項13】
前記デジタル医用画像は、3次元(3D)医用画像であり、前記複数の層は、前記病変の表面に従う3D殻状領域である、請求項8に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項14】
前記病変の前記複数の層は、(1)前記デジタル医用画像の重心を計算すること、(ii)前記重心から前記2値画像マスクの前記エッジまで複数の光線を追跡すること、(iii)前記複数の光線の各々について等しい数の光線セグメントにマーク付けすること、(iv)前記複数の光線にわたって各光線セグメントの両端を通る層境界を描写することにより層を作成することによって計算される、請求項8に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項15】
病変特徴抽出のためのシステムであって、
少なくとも1つのハードウェア・プロセッサと、
プログラム・コードがそこに具体化された非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体と、
を含み、前記プログラム・コードは、
i)デジタル医用画像及び2値画像マスクを受け取ることであって、前記2値画像マスクは前記デジタル医用画像内の病変のセグメント化を示す、受け取ることと、
ii)前記病変の複数の層を計算することと、
iii)前記病変の前記複数の層の各々について、層特徴を抽出することと、
iv)前記抽出された層特徴を病変分類器に送ることと、
を行うために、少なくとも1つのハードウェア・プロセッサにより実行可能である、システム。
【請求項16】
前記病変の前記複数の層は、前記2値画像マスクのモルフォロジ収縮の反復実行と、前記前の反復の前記2値画像マスクからの前記マスクの減算とによって計算される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記モルフォロジ収縮に用いられるシードは、等方性、異方性、反復にわたって一定のサイズ、各反復についての異なるサイズ、病変の表面に関して一定のサイズ、病変の表面に関して異なるサイズ、病変のボリューム全体にわたる一定のサイズ、病変のボリューム全体にわたる異なるサイズ、及び原物の病変表面への距離に応じた可変サイズのものの少なくとも1つである、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記デジタル医用画像は、2次元(2D)医用画像であり、前記複数の層は、前記病変のエッジに従う2D環状領域である、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記デジタル医用画像は、3次元(3D)医用画像であり、前記複数の層は、前記病変の表面に従う3D殻状領域である、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記病変の前記複数の層は、(i)前記デジタル医用画像の重心を計算すること、(ii)前記重心から前記2値画像マスクの前記エッジまで複数の光線を追跡すること、(iii)前記複数の光線の各々について等しい数の光線セグメントにマーク付けすること、(iv)前記複数の光線にわたって各光線セグメントの両端を通る層境界を描写することにより層を作成することによって計算される、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用イメージング(medical imaging)の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
医用イメージングは腫瘍のデジタル画像をキャプチャするために用いることができ、デジタル画像内の腫瘍オブジェクトは、1、255、−1等といった、腫瘍オブジェクトについての1つの値と、0、−1、255等といった、背景についての第2の値とを有する2値画像マスク(binary image mask)を定めもしくは計算し又はその両方をすることなどによって識別されるようにすることができる。識別された腫瘍画像(デジタル画像及びマスク)をさらに処理して、平均強度、相対強度、エントロピー、テクスチャ、もしくは同様のもの又はその組み合わせといった腫瘍の特徴を計算し、次にそれを用いて腫瘍を分類することができる。腫瘍の分類は、診断、予後診断、治療、もしくは同様のもの又はその組み合わせにとって重要である。
【0003】
機械学習技術を識別された腫瘍に適用することができ、そこで、訓練セットが、特徴抽出(feature extraction)のための抽出方法を発達させるために使用される。抽出方法は、患者の腫瘍画像から特徴を抽出するために使用される。例えば、腫瘍画像から特徴を抽出するために、コンピュータ・ビジョン・テクスチャ分析ツールが使用される。
【0004】
例えば、非特許文献1により記載されるように、腫瘍画像から特徴を抽出するために、勾配配向(oriented gradient)が使用される。例えば、非特許文献2に記載されるように、腫瘍画像から特徴を抽出するために、ウェーブレット・ベースのテクスチャが使用される。例えば、非特許文献3に記載されるように、腫瘍画像から特徴を抽出するために、グレー・レベル同時生起行列(grey level co-occurrence matrix)が使用される。例えば、非特許文献4に記載されるように、腫瘍画像から特徴を抽出するために、ディープ・ニューラル・ネットワークが使用される。
【0005】
関連技術の前述の例及びそれに関連する制限は、例示的であり排他的なものではないことを意図している。関連技術の他の制限は、明細書を読み、図を検討すると当業者には明らかになるであろう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Dalal他著、「Histograms of Oriented Gradients for Human Detection」、IEEE Computer Society Conference on Computer Vision and Pattern Recognitionの予稿集において発行、San Diego, CA, USA (DOI:10.1109/CVPR.2005.177)、2005年
【非特許文献2】Do他著、「Wavelet-based texture retrieval using generalized Gaussian density and Kullback-Leibler distance」、IEEE transactions on image processing発行、volume:11、Issue:2、ページ:146〜158 (DOI:10.1109/83.982822)、2002年
【非特許文献3】Haralick他著、「Textural Features for Image Classification」、IEEE Transactions on Systems, Man, and Cybernetics発行、Vol. SMC-3、ページ610〜621 (DOI:10.1109/TSMC.1973.4309314)、1973年
【非特許文献4】Krizhevsky他著、「Imagenet classification with deep convolutional neural networks」、the 25th International Conference on Neural Information Processing Systemsの予稿集において発行、Volume 1、ページ1097〜1105、2012年
【発明の概要】
【0007】
以下の実施形態及びその態様は、範囲を限定するのではなく、例示的であり例証であることが意図されるシステム、ツール及び方法と共に記載され、図示される。
【0008】
実施形態によると、デジタル医用画像及び2値画像マスクを受け取ることであって、2値画像マスクはデジタル医用画像内の病変のセグメント化を示す、受け取ることのために、少なくとも1つのハードウェア・プロセッサを用いることを含む、方法が提供される。ハードウェア・プロセッサは、病変の複数の層を計算するために用いられる。ハードウェア・プロセッサは、病変の複数の層の各々について、層特徴を抽出するために用いられる。ハードウェア・プロセッサは、抽出された層特徴を病変分類器に送るために用いられる。
【0009】
実施形態によると、病変特徴抽出のためのコンピュータ・プログラム製品が提供され、コンピュータ・プログラム製品は、プログラム・コードがそこに具体化された非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を含む。プログラム・コードは、デジタル医用画像及び2値画像マスクを受け取ることであって、2値画像マスクはデジタル医用画像内の病変のセグメント化を示す、受け取ることを行うために、少なくとも1つのハードウェア・プロセッサにより実行可能である。プログラム・コードは、病変の複数の層を計算するために、少なくとも1つのハードウェア・プロセッサにより実行可能である。プログラム・コードは、病変の複数の層の各々について、層特徴を抽出するために、少なくとも1つのハードウェア・プロセッサにより実行可能である。プログラム・コードは、抽出された層特徴を病変分類器に送るために、少なくとも1つのハードウェア・プロセッサにより実行可能である。
【0010】
実施形態によると、少なくとも1つのハードウェア・プロセッサを含む、病変特徴抽出のためのシステムが提供される。システムは、プログラム・コードがそこに具体化された非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を含む。プログラム・コードは、デジタル医用画像及び2値画像マスクを受け取ることであって、2値画像マスクはデジタル医用画像内の病変のセグメント化を示す、受け取ることを行うために、少なくとも1つのハードウェア・プロセッサにより実行可能である。プログラム・コードは、病変の複数の層を計算するために、少なくとも1つのハードウェア・プロセッサにより実行可能である。プログラム・コードは、病変の複数の層の各々について、層特徴を抽出するために、少なくとも1つのハードウェア・プロセッサにより実行可能である。プログラム・コードは、抽出された層特徴を病変分類器に送るために、少なくとも1つのハードウェア・プロセッサにより実行可能である。
【0011】
幾つかの実施形態において、病変の複数の層は、2値画像マスクのモルフォロジ収縮(morphological erosion)の反復実行と、前の反復の2値画像マスクからのマスクの減算とによって計算される。
【0012】
幾つかの実施形態において、モルフォロジ収縮に用いられるシードは、等方性、異方性、反復にわたって一定のサイズ、各反復についての異なるサイズ、病変の表面に関して一定のサイズ、病変の表面に関して異なるサイズ、病変のボリューム全体にわたる一定のサイズ、病変のボリューム全体にわたる異なるサイズ、及び原物の病変表面への距離に応じた可変サイズのものの少なくとも1つである。
【0013】
幾つかの実施形態において、病変の複数の層は、2値画像マスク及び隣接する表面ボクセルから複数の表面ボクセルを反復してセグメント化することによって計算される。
【0014】
幾つかの実施において、デジタル医用画像は、2次元(2D)医用画像であり、複数の層は、病変のエッジに従う2D環状領域である。
【0015】
幾つかの実施形態において、デジタル医用画像は、3次元(3D)医用画像であり、複数の層は、病変の表面に従う3D殻状領域である。
【0016】
幾つかの実施形態において、病変の複数の層は、(i)デジタル医用画像の重心を計算すること、(ii)重心から2値画像マスクのエッジまで複数の光線を追跡すること、(iii)複数の光線の各々について等しい数の光線セグメントにマーク付けすること、(iv)複数の光線にわたって各光線セグメントの両端を通る層境界を描写することにより層を作成することによって計算される。
【0017】
上述した例示的な態様及び実施形態に加えて、さらなる態様及び実施形態が、図を参照することによって、及び下記の詳細な説明を検討することによって明らかになるであろう。
【0018】
例示的な実施形態が、参照される図に示される。図に示される構成要素及び特徴の寸法は、提示の利便性及び明確さのために一般的に選択されており、必ずしも縮尺通りに示されるとは限らない。図は下記に列挙される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】複数の層への病変のセグメント化のためのシステムを概略的に示す。
【
図2】複数の層への病変のセグメント化のための方法のフローチャートを示す。
【
図3】複数の層への病変のセグメント化を概略的に示す。
【
図4】各々が複数の層にセグメント化された腫瘍の配列を示す。
【
図5】モルフォロジ収縮を用いて複数の層にセグメント化された腫瘍画像を示す。
【
図6】光線追跡法(ray tracing)を用いる、複数の層への病変のセグメント化を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書に開示されるのは、超音波画像、マンモグラム、MRI(磁気共鳴イメージング)画像、CT(コンピュータ断層撮影)画像、もしくは同類のもの又はその組み合わせといった医用デジタル画像から、腫瘤(mass)、腫瘍(tumor)、病変(lesion)、もしくは同類のもの又はその組み合わせといった新生物(neoplasm)の特徴を計算するための方法、システム、及びコンピュータ・プログラム製品である。便宜上、「病変」という用語は、本明細書では、癌性増殖(cancerous growth)、又は新生物を指すために使用される。
【0021】
医用デジタル画像が、デジタル画像内の1又は複数の病変を示すピクセル/ボクセルを識別する2値デジタル画像マスクと共に受け取られる。本明細書で使用される場合、「画像」という用語は、デジタル画像を意味し、「ボクセル」という用語は、画像が2次元(2D)のものであるか又は3次元(3D)のものであるかによって、「ピクセル」又は「ボクセル」を意味する。各病変は、別個に処理される。画像内の病変を複数の層にセグメント化し、次に各層についての特徴を抽出することによって、特徴は、層状オブジェクトとしての病変に関する情報を含み、そのことは、後の腫瘍分類プロセスを著しく改善する。
【0022】
多くの従来の解決法は、病変全体を単一の増殖物として扱い、従って、層状オブジェクトとしての病変の構造に関する情報が限られている。
【0023】
医用画像(すなわち、超音波、マンモグラム、MRI等)内に現れる病変の特徴を計算するとき、病変は、ほぼ等しい厚さの層にセグメント化される。セグメント化は、2値画像マスクのモルフォロジ収縮の反復、及び前の2値マスクから結果として生じる収縮されたマスクの減算によって計算することができ、従って、層のボクセルを識別する。各層は、玉ねぎを1枚ずつむくように、病変の構造全体を保持する。
【0024】
随意的に、医用画像が2次元(2D)の医用画像であるとき、層は2D画像上のピクセルの環状領域である。
【0025】
随意的に、医用画像が3次元の医用画像であるとき、層は3D画像上のボクセルの殻状領域である。
【0026】
本明細書で用いられる場合、2D及び3Dの専門用語の使用は交換可能であり、本質的に、医用画像及び2値画像マスクの次元に関係している。
【0027】
ひとたび複数の層へのセグメント化が計算されると、病変全体ではなく、各層について、テクスチャの(又は他の)特徴が計算される。このプロセスは、層の数で乗算された多数の特徴を生み出し、従って、病変のより良い説明を提供することになる。
【0028】
ここで、病変を複数の層にセグメント化するためのシステム100を概略的に示す
図1を参照する。システム100は、1つ又は複数のハードウェア・プロセッサ101と、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体102と、ユーザ・インターフェース110と、ネットワーク・インターフェース120とを含む。ストレージ媒体102は、3Dデジタル画像及び2値画像マスクを受け取る層コンピュータ(Layer Computer)102Aと、2値マスクから計算された2又はそれより多い層についての特徴を算出する特徴算出器(Feature Calculator)102Bとを含む、ハードウェア・プロセッサ101上で実行されるように構成されたプログラム・コードなどのソフトウェアを含む。大部分の従来の特徴算出器は、単一の病変についての特徴を算出するので、特徴算出器102Bのプログラム・コードは、層を分離し、各層を別個に算出し、次に全ての層についての特徴を組み合わせて、病変の分類などのさらなる処理のために別のモジュール/コンピュータに送られる出力にすることができる。
【0029】
ここで、病変を複数の層にセグメント化するための方法200のフローチャートを示す
図2を参照する。方法200は、両方ともデジタル形式とすることができる3D画像及び2値画像マスクを受け取る動作201を含む。方法200は、マスクから2又はそれより多い層を計算する動作202を含む。方法200は、各層についての病変の特徴を計算する動作203を含む。方法200は、腫瘍の特性付け(tumor characterization)のために特徴を送る動作204を含む。
【0030】
ここで、病変300の複数の層へのセグメント化を概略的に示す
図3を参照する。第1の層301は、マスクに対してモルフォロジ収縮を使用し、次に元のマスクから収縮されたマスクを減算することなどによって、計算することができる。第2の層302は、収縮されたマスクを収縮し、それを収縮されたマスクから減算することによって、計算することができる。さらに別の層を同様に、例えば反復的な方法で計算することができる。
【0031】
ここで、各々が複数の層にセグメント化された腫瘍画像の配列を示す
図4を参照する。5つの行の各々は異なる超音波病変であり、左の列は病変の外側層を示し、病変の芯へと進む。右端の列は、外側境界がマーク付けされた完全な腫瘍画像である。複数の層は、収縮及び膨張(dilation)のモルフォロジ演算子を用いて算出された。
【0032】
ここで、モルフォロジ収縮を用いて複数の層にセグメント化された腫瘍画像を示す
図5を参照する。各収縮操作により、厚さDの層が除去される。
【0033】
ここで、光線追跡法(ray tracing)を用いた複数の層への病変のセグメント化を概略的に示す
図6を参照する。
【0034】
病変の重心を計算することによって複数の層をセグメント化し、中心から光線を延ばし、各光線を等しい数のセグメントにセグメント化して、層のウェイポイントを作成した。ウェイポイントを接続し、b−スプライン関数などを用いて、結果として生じる多角形を滑らかにして層の境界を特定してもよい。光線の数が複数の層の精度を決定し得る。
【0035】
随意的に、内部層に加えて、腫瘍の外部層を評価する。腫瘍の周囲組織の特徴は、腫瘍の分類のために重要であり得る。そうした場合、モルフォロジ演算子(すなわち、収縮、膨張、オープニング(opening)、クロージング(closing)、もしくは同様のもの又はその組み合わせ)又は光線追跡法の実施形態を用いて、病変の周囲の1つ又は複数の層を選択することができる。
【0036】
病変の内部特徴の複雑さを定量化することによって、層状特徴は、全体として病変の腫瘍分類を改善することができる。例えば、病変の均質性値の測定は、0.8(すなわち、0−1スケールで)とすることができる一方で、各層の均質性は、別個に変化し得る(例えば、0.2、0.9、0.6等)。各層の均質性値を見ることで、病変全体の均質性値を見るよりも病変のより詳細な評価を与えることができる。ウェーブレット、テクスチャ、グレー・レベルの同時生起行列(gray-level co-occurrence matrix)、プレーン・サイズ(plain size)、ディープ・ニューラル・ネットワーク特徴、もしくは同類のもの又はその組み合わせなどの他の評価基準も、層に対して計算されたとき、改善された病変の特性付けを提供することができる。各々の異なる層についての各々の異なる特徴値(各病変が同じ数の層を有するようにセグメント化されると仮定する)は、1つの病変を別のものと意味のある方法で区別するのを助ける特徴であり得る。
【0037】
例えば、プレーン・サイズは、画像パッチの特性付けを定量化し、その特性付けの1つは、パッチのサイズ/領域/ボリュームをそれが含むピクセル/ボクセルの数で表したもの、及びそれらのグレースケール値とすることができる。医療分野において、ピクセル・サイズは、物理サイズ(ミクロン)に変換され、腫瘍又は他の画像形成された要素の実世界のサイズの理解を可能にし、これは、病変の重症度及び分類の理解のために必須であり得る。
【0038】
病変は、多くの場合、癌性オブジェクトであるので、それらは通常、時間の経過と共に、ある中心から始まり外方に増殖する。これが、層セグメント化が組織の古さもしくは増殖又はその両方を定量化できる理由である。芯は通常、最も古い癌性組織であり、外側層は、最も若い組織である。
【0039】
腫瘍層をセグメント化する例示的な用途は、カスケード化された検出器・分類器モジュールであり、そこでは、第1のステップの間、検出器は人工ニューラル・ネットワーク、コンピュータ・ビジョンのセグメント化、もしくは同類のもの又はその組み合わせといった、腫瘍のセグメント化のためのアルゴリズムである。層のセグメント化は、調停(mediator)モジュールを使用できるので、分類器は、ニューラル・ネットワーク、もしくは同類のもの又はその両方に基づいた分類アルゴリズムのような、各層についての測定基準を有することになる。
【0040】
別の例示的な用途は、畳み込みニューラル・ネットワーク分類器であり、そこで、層のセグメント化は、分類の前に適用される。パラメータ値などの特徴空間は、腫瘍の複数の層についての畳み込みニューラル・ネットワークを計算した後の画像の表現であり得る。その特徴空間において、画像をサイズのテンソル(x,y,c)に変換することができ、ここで、x、yは、元の画像寸法に比例し、cは、ネットワーク・アーキテクチャにより定められるチャネルの数である。元の画像内の各ピクセルは、今や長さcの深さベクトルに対応し、それは、そのピクセルについての「特徴」(すなわち、パラメータ値)を有する。層セグメント化技術を用いて、各層内の全てのピクセルからの特徴の統計量(平均、相加平均、分散など)を別個に算出することができる。層についての結果として生じるベクトルは、ネットワークの次の層に伝搬することができ、それにより腫瘍についての付加的な情報が与えられる。
【0041】
本発明は、システム、方法、もしくはコンピュータ・プログラム製品又はその組み合わせとすることができる。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をその上に有するコンピュータ可読ストレージ媒体(単数又は複数)を含むことができる。
【0042】
コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行デバイスにより使用される命令を保持及び格納できる有形デバイスとすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、例えば、これらに限定されるものではないが、電子記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁気記憶装置、半導体記憶装置、又は上記のいずれかの適切な組み合わせとすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体のより具体的な例の非網羅的なリストとして、以下のもの:すなわち、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハードディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー・ディスク、命令がそこに記録された機械的にエンコードされたデバイス、及び上記のいずれかの適切な組み合わせが挙げられる。本明細書で使用される場合、コンピュータ可読ストレージ媒体は、電波、又は他の自由に伝搬する電磁波、導波管若しくは他の伝送媒体を通じて伝搬する電磁波(例えば、光ファイバ・ケーブルを通る光パルス)、又はワイヤを通って送られる電気信号などの、一時的信号自体として解釈されない。むしろ、コンピュータ可読ストレージ媒体は、非一時的(すなわち、不揮発性)媒体である。
【0043】
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読ストレージ媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、又は、例えばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、もしくは無線ネットワーク又はその組み合わせなどのネットワークを介して外部コンピュータ又は外部ストレージ・デバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、もしくはエッジ・サーバ又はその組み合わせを含むことができる。各コンピューティング/処理デバイスにおけるネットワーク・アダプタ・カード又はネットワーク・インターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受け取り、コンピュータ可読プログラム命令を転送して、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読ストレージ媒体に格納する。
【0044】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又は、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語若しくは類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されるソース・コード又はオブジェクト・コードとすることができる。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で実行される場合もあり、一部がユーザのコンピュータ上で、独立型ソフトウェア・パッケージとして実行される場合もあり、一部がユーザのコンピュータ上で実行され、一部が遠隔コンピュータ上で実行される場合もあり、又は完全に遠隔コンピュータ若しくはサーバ上で実行される場合もある。最後のシナリオにおいて、遠隔コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)若しくは広域ネットワーク(WAN)を含むいずれかのタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続される場合もあり、又は外部コンピュータへの接続がなされる場合もある(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いたインターネットを通じて)。幾つかの実施形態において、例えば、プログラム可能論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はプログラム可能論理アレイ(PLA)を含む電子回路は、本発明の態様を実施するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行して、電子回路を個別化することができる。
【0045】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)及びコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図もしくはブロック図又はその両方を参照して説明される。フローチャート図もしくはブロック図又はその両方の各ブロック、並びにフローチャート図もしくはブロック図又はその両方におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装できることが理解されるであろう。
【0046】
これらのコンピュータ可読プログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに与えて機械を製造し、それにより、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、フローチャートもしくはブロック図又はその両方の1つ又は複数のブロック内で指定された機能/動作を実施するための手段を作り出すようにすることができる。これらのコンピュータ・プログラム命令を、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、もしくは他のデバイス又はその組み合わせを特定の方式で機能させるように指示することができるコンピュータ可読媒体内に格納し、それにより、そのコンピュータ可読媒体内に格納された命令が、フローチャートもしくはブロック図又はその両方の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作の態様を実施する命令を含む製品を含むようにすることもできる。
【0047】
コンピュータ・プログラム命令を、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイス上にロードして、一連の動作ステップをコンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイス上で行わせてコンピュータ実施のプロセスを生産し、それにより、コンピュータ又は他のプログラム可能装置上で実行される命令が、フローチャートもしくはブロック図又はその両方の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実行するためのプロセスを提供するようにすることもできる。
【0048】
図面内のフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態による、システム、方法、及びコンピュータ・プログラム製品の可能な実装の、アーキテクチャ、機能及び動作を示す。この点に関して、フローチャート内の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つ又は複数の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、又はコードの一部を表すことができる。幾つかの代替的な実装において、ブロック内に示される機能は、図に示される順序とは異なる順序で生じることがある。例えば、連続して示される2つのブロックは、関与する機能に応じて、実際には実質的に同時に実行されることもあり、又はこれらのブロックはときとして逆順で実行されることもある。ブロック図もしくはフローチャート図又はその両方の各ブロック、及びブロック図もしくはフローチャート図又はその両方におけるブロックの組み合わせは、指定された機能又は動作を実行する、又は専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する、専用ハードウェア・ベースのシステムによって実装できることにも留意されたい。
【0049】
本発明の種々の実施形態の説明は、例証の目的のために提示されたが、これらは、網羅的であること、又は本発明を開示した実施形態に限定することを意図するものではない。当業者には、説明される実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの修正及び変形が明らかであろう。本明細書で用いられる用語は、実施形態の原理、実際の適用、又は市場に見られる技術に優る技術的改善を最もよく説明するため、又は、当業者が、本明細書に開示される実施形態を理解するのを可能にするために選択された。
【符号の説明】
【0050】
100:システム
101:ハードウェア・プロセッサ
102:一時的コンピュータ可読ストレージ媒体
102A:層コンピュータ
102B:特徴計算器
110:ユーザ・インターフェース
300:病変
301:第1の層
302:第2の層
【手続補正書】
【提出日】2020年8月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのハードウェア・プロセッサにより実行される方法であって、
デジタル医用画像及び2値画像マスクを受け取ることであって、前記2値画像マスクは、前記デジタル医用画像内の病変のセグメント化を示す、受け取ることと、
前記病変の複数の層を計算することと、
前記病変の前記複数の層の各々について、層特徴を抽出することと、
前記抽出された層特徴を病変分類器に送ることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記病変の前記複数の層は、前記2値画像マスクのモルフォロジ収縮の反復実行と、直前の反復の前記2値画像マスクからの前記2値画像マスクの減算とによって計算される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モルフォロジ収縮に用いられるシードは、等方性、異方性、反復にわたって一定のサイズ、各反復についての異なるサイズ、病変の表面に関して一定のサイズ、病変の表面に関して異なるサイズ、病変のボリューム全体にわたる一定のサイズ、病変のボリューム全体にわたる異なるサイズ、及び原物の病変表面への距離に応じた可変サイズのものの少なくとも1つである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の層は、前記2値画像マスクの外側で計算される少なくとも1つの外部層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記デジタル医用画像は、2次元(2D)医用画像であり、前記複数の層は、前記病変のエッジに従う2D環状領域である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記デジタル医用画像は、3次元(3D)医用画像であり、前記複数の層は、前記病変の表面に従う3D殻状領域である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記病変の前記複数の層は、(i)前記デジタル医用画像の重心を計算すること、(ii)前記重心から前記2値画像マスクの前記エッジまで複数の光線を追跡すること、(iii)前記複数の光線の各々について等しい数の光線セグメントにマーク付けすること、及び(iv)前記複数の光線にわたって各光線セグメントの両端を通る層境界を描写することにより層を作成することによって計算される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の方法を、少なくとも1つのハードウェア・プロセッサに実行させる、コンピュータ・プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のコンピュータ・プログラムを格納した非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体。
【請求項10】
病変特徴抽出のためのシステムであって、
少なくとも1つのハードウェア・プロセッサと、
プログラム・コードを格納した非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体と、
を含み、前記プログラム・コードは、前記少なくとも1つのハードウェア・プロセッサに、
i)デジタル医用画像及び2値画像マスクを受け取ることであって、前記2値画像マスクは前記デジタル医用画像内の病変のセグメント化を示す、受け取ることと、
ii)前記病変の複数の層を計算することと、
iii)前記病変の前記複数の層の各々について、層特徴を抽出することと、
iv)前記抽出された層特徴を病変分類器に送ることと、
を実行させる、システム。
【請求項11】
前記病変の前記複数の層は、前記2値画像マスクのモルフォロジ収縮の反復実行と、直前の反復の前記2値画像マスクからの前記2値画像マスクの減算とによって計算される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記モルフォロジ収縮に用いられるシードは、等方性、異方性、反復にわたって一定のサイズ、各反復についての異なるサイズ、病変の表面に関して一定のサイズ、病変の表面に関して異なるサイズ、病変のボリューム全体にわたる一定のサイズ、病変のボリューム全体にわたる異なるサイズ、及び原物の病変表面への距離に応じた可変サイズのものの少なくとも1つである、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数の層は、前記2値画像マスクの外側で計算される少なくとも1つの外部層を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記デジタル医用画像は、2次元(2D)医用画像であり、前記複数の層は、前記病変のエッジに従う2D環状領域である、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記デジタル医用画像は、3次元(3D)医用画像であり、前記複数の層は、前記病変の表面に従う3D殻状領域である、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記病変の前記複数の層は、(i)前記デジタル医用画像の重心を計算すること、(ii)前記重心から前記2値画像マスクの前記エッジまで複数の光線を追跡すること、(iii)前記複数の光線の各々について等しい数の光線セグメントにマーク付けすること、及び(iv)前記複数の光線にわたって各光線セグメントの両端を通る層境界を描写することにより層を作成することによって計算される、請求項10に記載のシステム。
【国際調査報告】