(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-509467(P2021-509467A)
(43)【公表日】2021年3月25日
(54)【発明の名称】車両レーダシステム用の微小気泡発泡体本体構成要素及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/03 20060101AFI20210226BHJP
G01S 13/931 20200101ALI20210226BHJP
B29C 45/00 20060101ALI20210226BHJP
B29C 45/14 20060101ALI20210226BHJP
B29C 44/00 20060101ALI20210226BHJP
C23C 26/00 20060101ALI20210226BHJP
【FI】
G01S7/03 246
G01S13/931
B29C45/00
B29C45/14
B29C44/00 D
C23C26/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-530301(P2020-530301)
(86)(22)【出願日】2018年12月27日
(85)【翻訳文提出日】2020年6月2日
(86)【国際出願番号】IB2018060653
(87)【国際公開番号】WO2019130237
(87)【国際公開日】20190704
(31)【優先権主張番号】62/611,082
(32)【優先日】2017年12月28日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519411331
【氏名又は名称】エスアールジー グローバル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】シュリッシュ ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
4F206
4F214
4K044
5J070
【Fターム(参考)】
4F206AA13
4F206AA28
4F206AB02
4F206AD09
4F206AG20
4F206AH81
4F206AK11
4F206JA07
4F206JB12
4F206JF04
4F206JL02
4F214AA13
4F214AA28
4F214AB02
4F214AD09
4F214AG20
4F214AH81
4F214AK11
4F214UA08
4F214UB01
4F214UB12
4F214UL43
4K044AA16
4K044AB08
4K044BA01
4K044BA11
4K044BA21
4K044BB01
4K044BC09
4K044CA13
4K044CA31
4K044CA53
5J070AB24
5J070AF03
(57)【要約】
車両用システムは、車両の本体構成要素であって、微小気泡発泡体から形成されており、かつ任意選択的に、それに適用される1つ以上の装飾層を有する、車両の本体構成要素と、レーダデバイスであって、本体構成要素の後方に配置されており、かつそこを通るレーダ波を送信/受信するように構成されている、レーダデバイスと、を備える。車両の本体構成要素を製造する方法は、溶融樹脂を得ることと、気体又は化学起泡剤を溶融樹脂に導入して、微小気泡発泡体を形成することと、微小気泡発泡体を成形型内に注入することにより、微小気泡発泡体を射出成形して、本体構成要素を形成することと、本体構成要素を成形型から取り外すことと、任意選択的に、1つ以上の装飾層を本体構成要素に適用することと、本体構成要素を車両のレーダデバイスの前方に配置することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用システムであって、
微小気泡発泡体で形成されている前記車両の本体構成要素と、レーダデバイスであって、前記本体構成要素の後方に配置され、その内部を通ってレーダ波を送信/受信するように構成されたレーダデバイスと、を備える、車両用システム。
【請求項2】
前記本体構成要素が、レドームである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記レドームが、前記微小気泡発泡体のみからなる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記レドームが、前記微小気泡発泡体、及び前記レドームに適用される1つ以上の装飾層のみからなる、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ以上の装飾層が、塗料、物理蒸着(PVD)半金属、フィルム、及び遷移金属のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記本体構成要素が、前記車両のグリルアセンブリのグリルバーである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記グリルバーが、前記微小気泡発泡体のみからなる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記グリルバーが、前記微小気泡発泡体、及び前記グリルバーに適用される1つ以上の装飾層のみからなる、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ以上の装飾層が、塗料、物理蒸着(PVD)半金属、フィルム、及び遷移金属のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
車両の本体構成要素を製造する方法であって、
溶融樹脂を得ることと、
気体又は化学起泡剤を前記溶融樹脂に導入して、微小気泡発泡体を形成することと、
前記微小気泡発泡体を成形型内に注入することによって、前記微小気泡発泡体を射出成形して、前記本体構成要素を形成することと、
前記本体構成要素を前記成形型から取り外すことと、
前記本体構成要素を前記車両のレーダデバイスの前方に配置することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記射出成形中に前記成形型内で誘導加熱して、ベース構成要素の表面品質を向上させることを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記本体構成要素が、レドームである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記レドームが、前記微小気泡発泡体のみからなる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
1つ以上の装飾層を前記レドームに適用することを更に含み、前記レドームが、前記微小気泡発泡体、及び前記レドームに適用される1つ以上の装飾層からなる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の装飾層が、塗料、物理蒸着(PVD)半金属、フィルム、及び遷移金属のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記射出成形中に前記フィルムを適用することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記本体構成要素が、前記車両のグリルアセンブリのグリルバーである、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記グリルバーが、前記微小気泡発泡体のみからなる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
1つ以上の装飾層を前記グリルバーに適用することを更に含み、前記グリルバーが、前記微小気泡発泡体、及び前記グリルバーに適用される前記1つ以上の装飾層からなる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ以上の装飾層が、塗料、物理蒸着(PVD)半金属、フィルム、及び遷移金属のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年12月28日に出願された米国特許仮出願第62/611,082号に対する優先権を主張する。上記の出願の開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本出願は、概して、車両レーダシステムに関し、より具体的には、車両レーダシステム用の微小気泡発泡体本体構成要素及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
レーダカバー又は「レドーム」は、レーダデバイス(例えば、レーダアンテナ)の保護用構造又はエンクロージャである。車両用途の場合、レーダデバイスは、適応的なクルーズ制御システム及び他の類似のシステム(例えば、駐車支援システム)などの物体近接モニタリングのために使用することができる。レーダデバイスの最適な性能のために、レドームは、レーダデバイスによって送信及び受信される電磁信号の減衰を最小限に抑える材料で構成されるべきである。車両用途の場合、レドームは、多くの場合、視認可能である(例えば、車両の外面に装着される)ため、視覚的に魅力的なものであるべきである。しかしながら、通常装飾に使用されるプラスチック又は樹脂(ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレンなど)及び金属は、電磁信号を減衰させてしまう。均一なプラスチック厚さを利用することは、減衰の緩和に役立つが、三次元特徴部の設計を制限する。したがって、従来のレドームは、それらの意図されている目的のためには良好に機能しているものの、当該技術分野における改善が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様によれば、車両用システムが提示される。1つの例示的な実施態様において、システムは、微小気泡発泡体で形成されている車両の本体構成要素と、本体構成要素の後方に配置され、その内部を通ってレーダ波を送信/受信するように構成されたレーダデバイスと、を備える。
【0005】
いくつかの実施態様では、本体構成要素は、レドームである。いくつかの実施態様では、レドームは、微小気泡発泡体のみからなる。いくつかの実施態様では、レドームは、微小気泡発泡体、及びレドームに適用される1つ以上の装飾層のみからなる。いくつかの実施態様では、1つ以上の装飾層は、塗料、物理蒸着(physical vapor deposition、PVD)半金属、フィルム、及び遷移金属のうちの少なくとも1つを含む。
【0006】
いくつかの実施態様では、本体構成要素は、車両のグリルアセンブリのグリルバーである。いくつかの実施態様では、グリルバーは、微小気泡発泡体のみからなる。いくつかの実施態様では、グリルバーは、微小気泡発泡体、及びグリルバーに適用される1つ以上の装飾層のみからなる。いくつかの実施態様では、1つ以上の装飾層は、塗料、PVD半金属、フィルム、及び遷移金属のうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
本開示の別の態様によれば、車両の本体構成要素を製造する方法が提示される。1つの例示的実施態様では、方法は、溶融樹脂を得ることと、気体又は化学起泡剤を溶融樹脂に導入して、微小気泡発泡体を形成することと、微小気泡発泡体を成形型内に注入することにより、微小気泡発泡体を射出成形して、本体構成要素を形成することと、本体構成要素を成形型から取り外すことと、本体構成要素を車両のレーダデバイスの前方に配置することと、を含む。
【0008】
いくつかの実施態様では、本方法は、射出成形中に成形型内に誘導加熱して、ベース構成要素の表面品質を向上させることを更に含む。いくつかの実施態様では、本体構成要素は、レドームである。いくつかの実施態様では、レドームは、微小気泡発泡体のみからなる。いくつかの実施態様では、方法は、1つ以上の装飾層をレドームに適用することを更に含み、レドームは、微小気泡発泡体、及びレドームに適用される1つ以上の装飾層からなる。いくつかの実施態様では、1つ以上の装飾層は、塗料、PVD金属、フィルム、及び遷移金属のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施態様では、方法は、射出成形中にフィルムを適用することを含む。
【0009】
いくつかの実施態様では、本体構成要素は、車両のグリルアセンブリのグリルバーである。いくつかの実施態様では、グリルバーは、微小気泡発泡体のみからなる。いくつかの実施態様では、本方法は、1つ以上の装飾層をグリルバーに適用することを更に含み、グリルバーは、微小気泡発泡体、及びグリルバーに適用される1つ以上の装飾層からなる。いくつかの実施態様では、1つ以上の装飾層は、塗料、PVD半金属、フィルム、及び遷移金属のうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
本開示の教示の更なる適用範囲は、以下に提供される詳細な説明、特許請求の範囲、及び図面から明らかとなり、ここで、同様の参照番号は、図面のいくつかの図面全体をとおして同様の特徴部を指す。開示された実施形態及び本明細書で参照される図面を含む詳細な説明は、単に例示目的に意図された性質の例に過ぎず、本開示の範囲、その用途又は使用方法を限定することを意図するものではないということを理解されたい。したがって、本開示の要旨から逸脱しない変形例が、本開示の範囲内に含まれるよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の原理による例示的な車両グリルアセンブリを示す。
【
図2A】本開示の原理によるレーダシステム用の例示的な微小気泡発泡体レドームの側面図を示す。
【
図2B】本開示の原理による一組の例示的な微小気泡発泡体グリルバーの側面図を示す。
【
図2C】本開示の原理によるレーダシステム用の別の例示的な微小気泡発泡体レドームの側面図を示す。
【
図3A】本開示の原理による従来のプラスチック及び微小気泡発泡体構成要素の例示的なレーダ又は角度損失のプロットを示す。
【
図3B】本開示の原理による従来のプラスチック及び微小気泡発泡体構成要素の例示的なレーダ又は角度損失のプロットを示す。
【
図4】本開示の原理による、車両の微小気泡発泡体本体構成要素を製造する例示的な方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
前述のように、車両のレーダデバイスの最適な性能のために、レドームは、レーダデバイスによって送信及び受信される電磁信号の減衰を最小限に抑える材料で構成されるべきである。レドームは視認可能であるため、視覚的に魅力的なものであるべきである。したがって、製造のシステム及び方法は、微小気泡発泡体で形成された車両レドーム又はグリルアセンブリのために提示される。他の車両本体構成要素はまた、微小気泡発泡体で形成され得る(例えば、一体化された再帰反射器を含むバンパ)ことが理解されよう。微小気泡発泡体は、最小限のレーダ減衰を提供するように設計され得る。いくつかの実施形態では、車両本体構成要素は、微小気泡発泡体のみ、すなわち、他の支持構造体又は層を含まない。装飾層(塗料、半金属など)が微小気泡発泡体構成要素に適用され、それらの視覚的な魅力を増強することができる。
【0013】
ここで
図1を参照すると、車両の例示的なグリルアセンブリ100が示される。グリルアセンブリ100は、グリルバー108を含むハウジング104を備える。これらのグリルバー108は、異なるセット:(i)ハウジング104の全幅にわたるグリルバー108aと、ハウジング104の幅の一部にわたる、中央レドーム112の両側に配設されるグリルバー108b−1及びグリルバー108b−2と、に分けられる。レドーム112は、レーダ波を送信/受信するレーダデバイス又はシステム(図示せず)の前方に配置される。例示的な一実施形態では、レドーム112は、車両のエンブレム又はロゴを表示するように設計されている。以下により詳細に記載されるように、レドーム112及びグリルバー108のうちの少なくとも1つは、微小気泡発泡体から形成され得る。
【0014】
ここで
図2A〜
図2Cを参照すると、レーダシステム120及び車両本体構成要素の側面図が示されている。
図2Aでは、レーダシステム120及びレドーム112の側面図が示されている。この構成では、レドーム112は、比較的均一な断面厚さを有する。図示されるように、レドーム112を通るレーダの偏向は、最小である。
図2Bでは、レーダシステム120及びグリルバー108の側面図が示されている。図示されるように、グリルバー108を通るレーダの偏向は、最小である。
図2Cでは、レーダシステム120の側面図及びレドーム112の代替構成が示されている。この構成では、レドーム112は、三次元表面特徴を有するように設計されているため、不均一な断面厚さを有する。それにもかかわらず、図示されるように、レドーム112を通るレーダの偏向は、最小である。
【0015】
図3A〜
図3Bでは、本開示の原理による従来のプラスチック及び微小気泡発泡体構成要素の例示的なレーダ又は角度損失のプロットを示す。
図3Aでは、横電気(transverse-electric、TE)偏光300と横磁気(transverse-magnetic、TM)偏光304が、従来のプラスチック構成要素の+/−0〜30°の入射角に対して実質的である。これらの値は、ブリュースタ角度に到達して、無限の損失に進む前に、−40〜60°の入射角から減少する。
図3Bでは、TE偏光308及びTM偏光312は、ブリュースタ角度に到達する前に、約+/−0〜60°の入射角に対して最小であり、無限の損失に進む。これらのプロットは、車両レーダシステム関連用途のための従来のプラスチック構成要素と比較して、微小気泡発泡体構成要素の優れた性能を明確に示す。
【0016】
ここで
図4を参照すると、微小気泡発泡体車両本体構成要素を製造する例示的な方法400のフロー図が示される。404において、溶融樹脂が得られ(例えば、樹脂を加熱することによって)、気体又は化学起泡剤が溶融樹脂に注入されて、微小気泡発泡体を形成する。車両本体構成要素の非限定的な例としては、レドーム及びグリルアセンブリが挙げられ、樹脂の非限定的な例としては、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)及びアクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylonitrile butadiene styrene、ABS)が挙げられる。1つの非限定的な例示的な気体は、窒素である。この気体又は化学起泡剤を溶融樹脂に導入すると、溶融樹脂中に気泡又はポケットが形成される。導入される気体又は化学起泡剤の量(つまり、気泡/ポケットのサイズ)は、特定の車両用途ごとに決定され得る。例えば、約1.2ミリメートルの気泡/ポケットは、約12ミリメートルの波長を有する24ギガヘルツ(gigahertz、GHz)レーダシステムにとって理想的であり得、約0.4ミリメートルの気泡/ピケットは、−4ミリメートルの波長を有する77 GHzのレーダシステムにとって理想的であり得る。これらの値は単なる例であり、レーダシステムの波長よりもはるかに小さい限り、任意の好適なサイズの気泡/ポケットが利用され得ることが理解されよう。
【0017】
408において、射出成形では、微小気泡発泡体が成形型内に注入されて、微小気泡発泡体車両本体構成要素の形成が実施される。412において、誘導加熱が、射出成形プロセス中に、任意選択的に実施される。誘導加熱の使用は、車両本体構成要素の表面品質を改善し、それによって、より視覚的に魅力のある表面を作り出す。このような誘導加熱がない場合、車両本体構成要素の表面は、射出成形プロセス中に気体を導入することによって引き起こされる白色の線を有してもよい。416において、任意選択的に、成形型に装飾フィルムが適用される。このフィルムを適用するために使用される技術の非限定的な例としては、インサート成形及びホットスタンプが挙げられる。420において、車両本体構成要素は、成形型から取り外される。424において、装飾層が、任意選択的に、車両本体構成要素に適用される。これらの装飾層の非限定的な例としては、塗料、物理蒸着(PVD)半金属、フィルム、及び遷移金属が挙げられる。例えば、非透明な車両本体構成要素上にPVD半金属を適用することにより、半金属を金属のように見せるが、PVD半金属は、レーダ波を減衰させない。428において、完成した車両本体構成要素は、車両のレーダシステムの前方に配置される。
【0018】
様々な実施例間の特徴、要素、方法、及び/又は機能の混合及び整合は、本明細書において明示的に企図され得、そのため、当業者であれば、上の説明で特にことわらない限り、1つの実施例の特徴、要素、及び/又は機能が、必要に応じて別の実施例に組み込まれ得ることを本教示から認識するであろうことが理解されるべきである。
【国際調査報告】