特表2021-509619(P2021-509619A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エンサイト エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-509619(P2021-509619A)
(43)【公表日】2021年4月1日
(54)【発明の名称】マイクロ双方向弁およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/20 20060101AFI20210305BHJP
   A61M 16/00 20060101ALI20210305BHJP
【FI】
   A61M16/20 B
   A61M16/00 305A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-537598(P2020-537598)
(86)(22)【出願日】2019年1月9日
(85)【翻訳文提出日】2020年8月28日
(86)【国際出願番号】US2019012828
(87)【国際公開番号】WO2019139938
(87)【国際公開日】20190718
(31)【優先権主張番号】62/615,064
(32)【優先日】2018年1月9日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】319007583
【氏名又は名称】エンサイト エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マーシュ, スティーブン アラン
(57)【要約】
CPAPデバイス等における多くの用途のために有用である双方向呼気弁が開示される。呼気弁は、弁本体を含み、弁本体は、中心チャンバと、側面チャンバと、通路を介して中心チャンバに結合される双方向ポートと、第1の動作モードにおいて双方向弁の中への流体の進入を提供するまたは第2の動作モードにおいて双方向弁からの流体の退出を提供する機構とを有する。単方向ポートは、複数の双方向ポートに結合され、第2の動作モードにおいて弁からの流体の退出を提供し、単方向ポートは、第1の動作モードにおいて双方向弁の中への流体の進入を提供する。中心パドルと、側面パドルと、シャフトとを含む機構が、シャフトが枢動し、かつ、中心パドルおよび側面パドルが入力ポートおよび出力ポートのうちの対応するものを開放および閉鎖するように、弁本体の伸長コンパートメント内に配列される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁であって、
中心チャンバと、複数の側面チャンバと、伸長コンパートメントと、通路のセットを介して前記中心チャンバに結合され、第1の動作モードにおいて双方向弁の中への流体の進入を提供する、または、第2の動作モードにおいて前記双方向弁からの流体の退出を提供する複数の双方向ポートと、前記複数の双方向ポートに結合され、前記第2の動作モードにおいて前記弁からの流体の退出を提供する複数の単方向ポートと、前記第1の動作モードにおいて前記双方向弁の中への流体の進入を提供するための単一の単方向ポートとを有する弁本体と、
中心パドルと、複数の側面パドルと、シャフトとを備える機構であって、前記シャフトは、前記シャフトの長さに沿って前記中心パドルおよび前記複数の側面パドルを支持し、前記シャフトは、前記弁本体の前記伸長コンパートメント内に配置され、前記中心パドルおよび前記複数の側面パドルに、前記第1のモードおよび前記第2のモードに従って入力ポートおよび出力ポートを開放および閉鎖させるように駆動することが許容される、機構と
を備える、弁。
【請求項2】
前記複数の単方向ポートは、出口ポートであり、前記本体の一対の部分によって前記双方向ポートに結合される、請求項1に記載の弁。
【請求項3】
前記単一のポートは、入口ポートである、請求項1に記載の弁。
【請求項4】
前記複数の単方向ポートは、出口ポートであり、前記単一のポートは、入口ポートであり、前記入口ポートは、前記出口ポートに直交する、請求項1に記載の弁。
【請求項5】
前記複数の単方向ポートは、出口ポートであり、前記単一のポートは、入口ポートであり、前記機構は、前記第1の動作モードにおいて、前記入口ポートを開放し、単方向ポートを閉鎖する、請求項1に記載の弁。
【請求項6】
前記複数の単方向ポートは、出口ポートであり、前記単一のポートは、入口ポートであり、前記機構は、前記第2の動作モードにおいて、前記入口ポートを閉鎖し、前記単方向ポートを開放する、請求項1に記載の弁。
【請求項7】
前記複数の単方向ポートは、出口ポートであり、前記単一のポートは、入口ポートであり、前記機構は、前記第1の動作モードにおいて、前記入口ポートを開放し、単方向ポートを閉鎖し、前記入口ポートからの流体が前記双方向ポートから退出することを可能にする、請求項1に記載の弁。
【請求項8】
前記複数の単方向ポートは、出口ポートであり、前記単一のポートは、入口ポートであり、前記機構は、前記第2の動作モードにおいて、前記入口ポートを閉鎖し、前記単方向ポートを開放し、前記双方向ポートからの流体が前記単方向ポートから退出することを可能にする、請求項1に記載の弁。
【請求項9】
前記中心パドルは、前記シャフト上の前記複数の側面パドルに直交する、請求項1に記載の弁。
【請求項10】
前記弁本体内の前記伸長コンパートメント内に前記シャフトを保持するためのシャフトシール部材をさらに備える、請求項1に記載の弁。
【請求項11】
気道内圧呼吸デバイスであって、
空気を受け取るための少なくとも1つの通気道と、空気を排出するための少なくとも1つの通路とを有する気道内圧呼吸デバイス本体と、
双方向呼気弁であって、前記双方向弁は、空気を受け取るように前記少なくとも1つの通気道に結合され、空気を排出するように前記少なくとも1つの通気道に結合され、前記双方向呼気弁は、
中心チャンバと、複数の側面チャンバと、伸長コンパートメントと、通路のセットを介して前記中心チャンバに結合され、第1の動作モードにおいて前記双方向弁の中への流体の進入を提供する、または、第2の動作モードにおいて前記双方向弁からの流体の退出を提供する複数の双方向ポートと、前記複数の双方向ポートに結合され、前記第2の動作モードにおいて前記弁からの流体の退出を提供する複数の単方向ポートと、前記第1の動作モードにおいて前記双方向弁の中への流体の進入を提供するための単一の単方向ポートと、を有する、弁本体と、
中心パドルと、複数の側面パドルと、シャフトとを備える機構であって、前記シャフトは、前記シャフトの長さに沿って前記中心パドルおよび前記複数の側面パドルを支持し、前記シャフトは、前記弁本体の前記伸長コンパートメント内に配置され、前記中心パドルおよび前記複数の側面パドルに、前記第1のモードおよび前記第2のモードに従って入力ポートおよび出力ポートを開放および閉鎖させるように駆動することが許容される、機構と
を備える、双方向呼気弁と
を備える、気道内圧呼吸デバイス。
【請求項12】
前記気道内圧呼吸デバイス本体は、空気源および双方向呼気弁の前記複数の双方向ポートに結合される、空気を受け取るための前記少なくとも1つの通気道と、前記双方向呼気弁の複数の単方向ポートに結合される、空気を排出するための前記少なくとも1つの通路とを有する、請求項11に記載の気道内圧呼吸デバイス。
【請求項13】
前記空気源は、前記気道内圧呼吸デバイス本体によって支持されるマイクロポンプである、請求項12に記載の気道内圧呼吸デバイス。
【請求項14】
前記本体によって支持されるマイクロポンプをさらに備え、前記マイクロポンプは、前記通気道および前記双方向呼気弁を通して周囲空気を圧送するように構成される、請求項11に記載の気道内圧呼吸デバイス。
【請求項15】
前記気道内圧呼吸デバイス本体は、ユーザの頭部にわたってまたはユーザの鼻孔に対して固着されるように構成されるマスクである、請求項11に記載の気道内圧呼吸デバイス。
【請求項16】
前記双方向呼気弁は、前記マスク内で支持される、請求項15に記載の気道内圧呼吸デバイス。
【請求項17】
前記マスクは、ホースを受け取るように構成される、請求項15に記載の気道内圧呼吸デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(35 U.S.C.§119の下の優先権主張)
本願は、35 U.S.C.§119の下、2018年1月9日に出願された「Micro bi−Directional Valves and Systems」と題された米国仮特許出願第62/615,064号に対する優先権を主張し、その内容全体が、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本明細書は、流体流システムに関し、より具体的には、CPAPデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
幾分一般的な医学的障害である睡眠時無呼吸は、睡眠の間の呼吸(気流)の低減または一時停止を伴う。睡眠時無呼吸は、成人の間では一般的であるが、子供の間では稀である。睡眠時無呼吸のための治療は、外科手術手技、または、行動変化、歯科装置、およびマウスピースを伴い得る非外科手術的治療を含み得る。1つの非外科手術的治療は、CPAP(持続的気道陽圧)デバイスを伴う。
【0004】
持続的気道陽圧法(CPAP)は、ユーザの気道が睡眠の間に圧潰しないように、ユーザの気道を開放した状態に保持するために空気圧を供給するための機械を使用する非外科手術的治療である。機械が、圧力下で鼻またはフェイスマスクを通して空気を送達する。機械は、ぴったりと装着されて空気の漏出を防止するマスクに、加熱されて加湿された空気を、管を通して吹送する。マスクは、鼻枕、鼻マスク、およびフルフェイスマスクを含むいくつかの形態で入手される。種々のCPAP機械が、使用されている。典型的には、CPAP機械は、トースタより少し大きいが、それは、概して、それが旅行に携帯されることができるように持ち運び可能である。しかしながら、鼻の中に空気を吹き込むマスクを用いて睡眠することが容易ではなく、また、そのようなCPAP機械/マスクは、概して、細菌、ウイルス等の蓄積を回避するように定期的に清掃されることを必要とするため、既存のCPAP治療は、使用することが容易ではない。
【0005】
マイクロポンプ(またはマイクロ吹送機)に基づく小型CPAPデバイスの一実施例が、米国第2015−0267695号A1に開示され、別のものが、米国第2016−0131126号A1に開示され、その内容全体が、参照により本明細書に援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/0267695号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/0131126号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示されるものは、双方向弁である。双方向は、空気の流出が双方向弁内の空気の継続的流入からの著しい抵抗を被らないように、弁の中への気流または弁から外への気流が、比較的に容易に双方向ポート側上で生じることを意味する。
【0008】
そのような弁は、多くの用途において有用であるが、これは、特に、米国第2015−0267695号A1および米国第2016−0131126号A1に開示されるような小型CPAPデバイスにおいて有用である。そのようなCPAPデバイスは、より従来型のCPAPデバイスと比較して非常に小さくなるように構成される。そのような弁はまた、より従来型のCPAPデバイスにおいても、特に、これらのより従来型のCPAPデバイスと併用されるマスクにおいても有用であり得る。
【0009】
ある側面によると、弁は、中心チャンバと、複数の側面チャンバと、伸長コンパートメントと、通路のセットを介して中心チャンバに結合され、第1の動作モードにおいて双方向弁の中への流体の進入を提供する、または、第2の動作モードにおいて双方向弁からの流体の退出を提供する複数の双方向ポートと、複数の双方向ポートに結合され、第2の動作モードにおいて弁からの流体の退出を提供する複数の単方向ポートと、第1の動作モードにおいて双方向弁の中への流体の進入を提供するための単一の単方向ポートとを有する弁本体と、中心パドルと、複数の側面パドルと、シャフトとを含む機構であって、シャフトは、シャフトの長さに沿って中心パドルおよび複数の側面パドルを支持し、シャフトは、弁本体の伸長コンパートメント内に配置され、中心パドルおよび複数の側面パドルに、第1モードおよび第2のモードに従って入力ポートおよび出力ポートを開放および閉鎖させるように駆動することが許容される、機構とを含む。
【0010】
付加的側面によると、気道内圧呼吸デバイスは、空気を受け取るための少なくとも1つの通気道と空気を排出するための少なくとも1つの通路とを有する気道内圧呼吸デバイス本体と、双方向呼気弁とを含む。双方向弁は、空気を受け取るように少なくとも1つの通気道に結合され、空気を排出するように少なくとも1つの通気道に結合され、中心チャンバと、複数の側面チャンバと、伸長コンパートメントと、通路のセットを介して中心チャンバに結合され、第1の動作モードにおいて双方向弁の中への流体の進入を提供する、または、第2の動作モードにおいて双方向弁からの流体の退出を提供する複数の双方向ポートと、複数の双方向ポートに結合され、第2の動作モードにおいて弁からの流体の退出を提供する複数の単方向ポートと、第1の動作モードにおいて双方向弁の中への流体の進入を提供するための単一の単方向ポートとを有する弁本体と、中心パドルと、複数の側面パドルと、シャフトとを含む機構であって、シャフトは、シャフトの長さに沿って中心パドルおよび複数の側面パドルを支持し、シャフトは、弁本体の伸長コンパートメント内に配置され、中心パドルおよび複数の側面パドルに、第1モードおよび第2のモードに従って入力ポートおよび出力ポートを開放ならびに閉鎖させるように駆動することが許容される、機構とを含む。
【0011】
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細が、下記の付随の図面および説明に記載される。本発明の他の特徴、目的、および利点が、説明および図面から、かつ請求項から明白である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、小型CPAPデバイスの略図である。
図2図2は、上記の公開された出願において開示されるような圧送周期の2つの反対の段階において動作するマイクロポンプを採用する小型CPAPデバイスの機能ブロック図である。
図3-1】図3A図3Iは、図1および図2の小型CPAPデバイスのための双方向弁の略等角図である。
図3-2】図3A図3Iは、図1および図2の小型CPAPデバイスのための双方向弁の略等角図である。
図3-3】図3A図3Iは、図1および図2の小型CPAPデバイスのための双方向弁の略等角図である。
図3-4】図3A図3Iは、図1および図2の小型CPAPデバイスのための双方向弁の略等角図である。
図4図4は、より従来型CPAPのマスクにおける双方向弁を描写する略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(概要)
参照により援用される上記の同時係属中の特許出願に開示されるように、マイクロポンプは、微細加工方法を使用して作製され得、産業、医療、および生物学的用途において広く実装されているマイクロ圧送プロセスを実施するために使用されることができる。例えば、マイクロポンプは、CPAPデバイスの中に組み込まれることができる。マイクロポンプは、流体(例えば、ガスまたは液体)を、少ない、正確に測定される量で輸送することができる。いくつかの実装では、マイクロポンプは、流体を、高流率(例えば、毎秒約数マイクロリットル〜毎秒約数ミリリットル)で、および/または、高圧力(例えば、約数千分の1psi〜約数十分の1psi)で輸送することができる。マイクロポンプは、液体輸送、流率、および/または圧力が拡張可能であるように、設計されることができる。
【0014】
ここで図1を参照すると、呼吸障害を治療するための自律デバイス10(デバイス)が、示される。デバイス10は、CPAP(持続的気道陽圧)タイプの呼吸デバイスである。しかしながら、CPAPデバイス10は、CPAP機械と異なり、鼻に局所的であり、かつ、必要とされる圧力で、必要とされる量の空気流を提供し、閉塞性睡眠時無呼吸(「OSA」)等の種々の呼吸障害を治療する自律デバイスである。
【0015】
CPAPデバイス10は、上記の出願において開示されるような概念的形態をとることができる。この構成では、CPAPデバイス10は、マイクロポンプが入口ポート15の背後に配置されていることを示す湾曲した線によって概して示されるマイクロポンプ16(ここでは、複数の構成要素ポンプスタック要素)を収容する本体12を含む。(機能的場所に関しては、図2を参照し、詳細に関しては、参照により援用される出願を参照されたい)。CPAP呼吸デバイス10は、呼気弁として使用される双方向弁を含む(図示されていないが、図2および図3A図3Hおよび図4を参照されたい)。CPAPデバイス10は、鼻界面を提供するクッション性プラグ17a、17bを通した通気道を伴うクッション性プラグ17a、17bを有する。クッション性プラグ17a、17bは、ユーザの鼻孔の中に挿入されると緊密に嵌合する、概して弾力のある材料から作製される。CPAPデバイス10は、空気の呼気のための1つまたは示されるような2つの出口18a、18bを有する。
【0016】
ここで図2を参照すると、例えば、図1に示される構成の概略図は、CPAPデバイス10内のマイクロポンプ16に結合される双方向弁20を含む。流体(例えば、空気)が、弁20の1つまたは複数の入口ポートの中へ押動されるにつれて、1つまたは複数の入口は、開放し、弁20は、1つまたは複数の入口から1つまたは複数の双方向ポートまで通路を開放し、弁20の双方向ポートから流体(例えば、空気)を排出する。弁の外部にある流体(例えば、空気流)が、1つまたは複数の双方向のポートの中へ押進されると、空気流は、弁20の入口を押動して閉じる一方で、双方向のポートの終点における、弁20の1つまたは複数の出口ポートを開放する。弁のこの作用は、空気が入口ポートに対して吹送している間でさえ、双方向ポートの中へ及ぼされる圧力が、入口ポートに対して吹送する空気圧を克服するために十分である限り、生じる。CPAPデバイスの文脈では、弁20は、本明細書では、呼気弁20と称される。
【0017】
呼気弁20は、入口20a、20bと、出口21a、21bとを有する。呼気弁20は、示されるように、(呼気弁入口20a、20bおよびマイクロポンプ16の入口16a、16bを介して)デバイス10のマイクロポンプ16と(呼気弁ポート21a、21bを介して)出口18a、18bとの間に結合される。マイクロポンプ16の入口16a、16bは、CPAPデバイス10の入口ポート15に結合される。
【0018】
上記に言及される特許出願は、弁の通路の内側に配置されるフラップを有するバタフライ型構成の呼気弁を開示する。フラップは、軸方向部材周りに回転可能であり、一対のポートと出口ポートとの間にある通路を開放および閉鎖する。下記に議論される呼気弁20は、上記の出願における呼気弁の代替物であり、ここで説明される。
【0019】
ここで図3A図3Hを参照すると、双方向弁構成を有する呼気弁20の種々の図面が、示される。呼気弁20は、マイクロポンプ16からの空気流を使用して、呼気の終了時/呼吸の一時停止の開始時および呼気の開始時に呼気弁20内の通路を閉鎖するパドル機構を有する。呼気弁20は、マイクロポンプが呼気弁20上に空気を吹送する際でさえ、開放する。CPAPデバイス10は、弁20を押動して閉じるために必要とされるマイクロポンプ16の空気流の量を選択するように構成される。マイクロポンプ16からの圧力が、呼気に先立って、呼気弁20を閉じた状態に保持する。ユーザからの呼気空気流の全てが、呼気弁20に印加され、呼気弁20を開放する。パドル上の弁のフラップの形状は、呼気の間に開放したままであるように呼気弁20を補助するように最適化されてもよい。加えて、弱い磁気もまた、設計の詳細に応じて呼気弁20を開放または閉鎖された状態に保つために使用されてもよい。ユーザからの呼気空気は、概して、閉鎖された状態に呼気弁20を保つためのマイクロポンプからの最小量の空気流を克服するために十分である。
【0020】
ここで図3Aを参照すると、示されているものは、本体41と、この実装では入口として使用される単一の単方向ポート43と、双方向ポート45aおよび45bと、この実装では出口ポート47a、47bとして使用される複数の単方向ポートとを含む弁20である。出口ポートの各々は、それぞれ、個別のポート49a、49bを選択的に閉鎖および開放するパドル(またはフラップ)49a、49bを有する。入口ポート43もまた、パドル(またはフラップ)51を有する。パドル49a、49bおよび51は、平坦な部材であり、パドル弁機構55の一部である。パドル弁機構55は、説明されるように、本体部分41aにおいて本体41の中に提供される軸方向コンパートメント57(図3B)を用いて回転可能であり、ポート45a、45b、49a、49b、および51間の通路を開放および閉鎖する。
【0021】
図3Bは、図3Aの配列を分解図に示す。この図は、本体41を通る通路46a、46b、および50を示す。図3Bに示されるように、本体41は、本体41の円筒形部材または部分41a、41bによって結合される双方向ポート45aおよび45bならびに出口ポート47a、47bと、本体41の長方形部材または部分41cによって提供される単一の単方向ポート43と、パドル弁機構55を受け取る軸方向コンパートメント57とを有する。
【0022】
図3Cは、シャフト53の両端におけるパドル49a、49bと、側面パドル49a、49bの間に(中心に)配置されるパドル51(すなわち、中心パドル51)とを伴うパドル弁機構55を示す。側面パドル49a、49bは、中心パドル51に直交し、軸方向コンパートメント57(図3B)内に配置されると、その軸周りに回転枢動するシャフト53上に支持される。機構55はまた、コンパートメントシール65を含む。
【0023】
この実施形態における中心パドル51は、側面パドル49a、49bに略直交するが、本体41の他の構成も、シャフト上のパドルの他の位置付け構成を提供し得る。また、2つの側面パドル(故に、2つの双方向ポート45a、45bおよび2つの出口ポート47a、47b)が、示されるが、より多いまたはより少ない側面パドルが、使用されてもよい。また、単一の入口ポート43が、いくつかの構成において示されるが、複数の入口ポートも、使用され得る。2つより多い出口ポートと、2つの双方向ポートと、1つより多い入口ポートとを伴う構成は、機構55に対する調節を必要とする。
【0024】
ここで図3D図3Eを参照すると、これらの図は、正面立面図からの弁20(図3D)と、内部通路63a、63bならびにチャンバ60a、60b、および61を暴露する分解された正面図(図3E)とを示す。チャンバ60a、60bは、側面チャンバであり、出口ポート47a、47bと双方向ポート45a、45bとの間に配置されて示される。チャンバ61は、中心チャンバである。通路63a、63bは、また示されるように、中心チャンバ61から側面チャンバ63a、63bまで提供される。また、図3D図3Eに示されるものは、図3Aの軸方向コンパートメント57をシールする軸方向コンパートメントシール65である。図3Dでは、断面「図3G」および「図3I」は、それぞれ、図3Gおよび図3Iを参照する。
【0025】
ここで図3F図3Gを参照すると、(断面図において幾分単純化されている)これらの図は、第1の動作モードにおける弁20を示す。図3F図3Gは、中心チャンバ61および通路63a、63b(63bは、図3F図3Gに示される)の内部詳細を示し、パドル弁機構55が、本体41によって提供される軸方向コンパートメント57内で回転し、中心パドル51を開放位置に押進する。中心パドル51が、開放位置(図3Gに示されるような直立状態)にあるとき、それは、一方向入口ポート43を開放し、中心チャンバ61と側面チャンバ60a、60b(60bのみが標識されている)との間のオリフィスまたは通路(63bのみが標識されている)を通して空気が流動することを可能にする一方で、側面パドル49a、49bを押進し、空気出口ポート47a、47bを閉鎖する。このモードは、空気が入口ポート46から双方向ポート45a、45bまで流動することを可能にするが、(弁20の片側に関して示される)70と標識される矢印によって示されるように、空気出口ポート47a、47bから外へのものではない。これは、マイクロポンプ16から空気を吸い込むユーザに対応する。
【0026】
図3H図3Iは、中心チャンバ61および通路63の内部詳細を示し、パドル弁機構55が、本体41によって提供される軸方向コンパートメント57の中で回転し、中心パドル51を閉鎖位置に押進し、閉鎖位置は、一方向入口ポート43を閉鎖し、空気が中心チャンバ61と側面チャンバ60a、60bとの間のオリフィスまたは通路(63bのみが標識されている)を通して流動することを阻止する一方で、側面パドル49a、49bを押進し、空気出口ポート47a、47bを開放する。このモードは、(弁20の片側に関して示される)72と標識された矢印によって示されるように、空気が、双方向ポート45a、45bから空気出口ポート47a、47bから外に流動することを可能にする。これは、ユーザがユーザの鼻孔から空気を吐き出すことに対応する。
【0027】
空気出口ポート47a、47bと双方向ポート45a、45bとの間の通路は、一般的に丸みを帯びているが、他の形状も、使用され得る。通路63a、63bは、丸みを帯びた形状、縦長等であり得る。中心通路61は、略長方形である。しかしながら、任意の形状が、通路、ポート、チャンバ等のために使用され得、一般的に、表面および内部通路、ポート、チャンバ等は全て、平滑である。呼気弁20の種々の構成要素の寸法は、種々の設計考慮点(例えば、動作モードの間に対流される空気の体積、CPAPデバイス10のサイズ、およびCPAPデバイス10内の利用可能な空間)に従って選択される。
【0028】
したがって、双方向呼気弁20は、中心チャンバ61と、複数の(ここでは2つの)側面チャンバ60a、60bと、伸長コンパートメント57とを有する弁本体41を含む。複数の(ここでは2つの)双方向ポート45a、45bは、通路のセット63a、63bを介して中心チャンバ61に結合され、第1の動作モード(吸気)において双方向弁20の中への流体の進入を提供する、または、第2の動作モード(呼気)において双方向弁20からの流体の退出を提供する。複数の単方向ポート47a、47bは、出力ポートとして作用し、複数の双方向ポートに結合され、呼気動作モードにおいて、弁からの流体の退出を提供し、単一の単方向ポート51は、吸気において、双方向弁22の中への流体の進入を提供する。パドル機構は、中心パドルと、複数の側面パドルと、シャフト53の長さに沿って中心パドル51および複数の側面パドル49a、49bを支持するシャフトとを含み、シャフト53は、シャフト53が本体の中の伸長コンパートメント内で回転可能であるように、弁本体の伸長コンパートメント内に配列される。
【0029】
双方向弁20は、CPAPデバイス内で呼気弁20として使用されるとき、ユーザが、鼻通路からの空気の呼気の間に、マイクロポンプ(マイクロ送風機)から入って来る空気によって引き起こされる圧力をより容易に克服することを可能にし得る。これは、CPAPデバイス10を用いた、より快適かつ改良された呼吸体験を提供する。気道内圧呼吸デバイス(例えば、CPAPデバイス10)内で使用されると、双方向呼気弁20は、CPAPデバイス(例えば、マイクロCPAPデバイス内のまたは従来のCPAPからのマイクロポンプ)から空気を受け取るように少なくとも1つの通気道に結合され、空気を排出するように少なくとも1つの通気道に結合される。CPAP気道内圧呼吸デバイス10本体は、双方向呼気弁20の複数の双方向ポートに結合される、空気源から空気を受け取るための少なくとも1つの通気道を有する。CPAPデバイス10はまた、双方向呼気弁20の複数の単方向ポートに結合される、空気を排出するための少なくとも1つの通路を有する。気道内圧呼吸デバイスは、気道内圧呼吸デバイス本体によって支持されるマイクロポンプである空気源を有することができ、マイクロポンプは、通気道および双方向呼気弁を通して周囲空気を圧送するように構成される。
【0030】
前述のものによって拘束されないが、CPAPデバイスの文脈では、動作は、以下のように、すなわち、吸気の間、双方向ポートにおける圧力Pは、P=P+P(マイクロポンプからの圧力Pと吸気の圧力Pとの和)にほぼ比例する一方で、呼気の間、双方向ポートにおける圧力Pは、P=P+P(呼気からの圧力P(負圧または真空)と、マイクロポンプからの圧力P(正圧)との和)にほぼ比例するものとして、概算されることができる。吸気の間のPが、正であり、吸気の間のPが、負である限り、弁20は、双方向様式で動作する。
【0031】
他の実施形態では、気道内圧呼吸デバイス本体は、ユーザの頭部にわたっておよび/またはユーザの鼻孔に対して固着されるように構成されるマスクであり、マスクは、図4において下記に議論されるように、ホースを受け取るように構成される。
【0032】
ここで図4を参照すると、マスク80が、示され、マスク80は、従来のCPAP機械(図示せず)と併用される従来の鼻マスクに典型的である。マスク80は、(CPAP機械に結合するホース84のための)ホース取付部82を含み、ユーザにマスク80を固着させてユーザの鼻の下に空気出口を位置付けるハーネス86を有する。従来のマスクとは異なり、マスク80はまた、呼気弁20を含み、呼気弁20は、図3E図3Hに描写される動作の使用によって、鼻通路からの空気の呼気の間、CPAP機械から入って来る空気によって引き起こされる圧力をユーザがより容易に克服することを呼気弁20が可能にするように、マスク80に嵌合され、かつ、マスク80内に位置付けられる。したがって、呼気弁20は、ホース84からの出口(参照せず)が呼気弁20の入口ポート51に結合されるような様式で、マスク80内に接続される。呼気弁20の出口ポート47a、47bは、呼気の間に空気を排出するために使用されるマスク80上の対応するポートに結合される。双方向ポート45a、45bは、ユーザが(入口ポート51を介して)空気を吸い込み、(出口ポート47a、47bを介して)空気を吐き出すことを可能にするために、開口部を有するプラグ(図示せず)に結合される。
【0033】
異なるタイプのマスクならびに異なる構成のCPAPデバイス10に関する種々の設計考慮点を満たすために、呼気弁の物理的形態は、図に示されるものから改変され得る。
【0034】
適した(医療グレードの)プラスチック材料からデバイスを成型すること、3Dプリンティング技法等を含む種々の技法が、呼気弁20を生産するために使用されることができる。
【0035】
呼気弁20は、概して、用途に適した寸法を有する。したがって、例えば、参照によって援用される出願において想起されるようなCPAPデバイス10では、寸法は、約数10〜数100ミリメートルである。呼気弁20のいくつかの用途では、弁は、より小さいまたはより大きくあることができる。
【0036】
本明細書に説明される異なる実装の要素は、上記に具体的に記載されていない他の実施形態を形成するように組み合わせられ得る。要素は、それらの動作に悪影響を及ぼすことなく、本明細書に説明される構造から除外され得る。さらに、種々の別個の要素が、1つまたは複数の個々の要素の中に組み合わせられ、本明細書に説明される機能を実施し得る。他の実施形態は、以下の請求項の範囲内である。
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図3-4】
図4
【国際調査報告】