特表2021-509701(P2021-509701A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 青▲島▼理工大学の特許一覧

<>
  • 特表2021509701-能動回転慣性量駆動制御システム 図000003
  • 特表2021509701-能動回転慣性量駆動制御システム 図000004
  • 特表2021509701-能動回転慣性量駆動制御システム 図000005
  • 特表2021509701-能動回転慣性量駆動制御システム 図000006
  • 特表2021509701-能動回転慣性量駆動制御システム 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-509701(P2021-509701A)
(43)【公表日】2021年4月1日
(54)【発明の名称】能動回転慣性量駆動制御システム
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/98 20060101AFI20210305BHJP
   F16F 15/02 20060101ALI20210305BHJP
   E04H 9/02 20060101ALI20210305BHJP
【FI】
   E04B1/98 K
   F16F15/02 A
   F16F15/02 C
   E04H9/02 341D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-541745(P2020-541745)
(86)(22)【出願日】2019年9月12日
(85)【翻訳文提出日】2020年8月14日
(86)【国際出願番号】CN2019105646
(87)【国際公開番号】WO2020155636
(87)【国際公開日】20200806
(31)【優先権主張番号】201910103396.5
(32)【優先日】2019年2月1日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518229179
【氏名又は名称】青▲島▼理工大学
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO UNIVERSITY OF TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】張 春巍
(72)【発明者】
【氏名】王 昊
【テーマコード(参考)】
2E001
2E139
3J048
【Fターム(参考)】
2E001DG01
2E001FA24
2E001FA30
2E001GA01
2E001GA51
2E001HB01
2E139AA01
2E139AC19
2E139BB02
2E139BB32
2E139BB36
3J048AD01
3J048BF10
3J048BF14
3J048CB22
3J048DA07
3J048EA38
(57)【要約】
【課題】システムにおける振動抑制の分野に関し、具体的に、能動回転慣性量駆動制御システムに関する。
【解決手段】受力体、駆動アセンブリ及び回転慣性量プレートを備える能動回転慣性量駆動制御システムにおいて、受力体は、被制御構造の端部に接続されるケーシングと、ケーシングの内壁に固定される仕切り板と、を含み、駆動アセンブリは、一端がケーシングに固定されるが、他端が仕切り板に固定され、その端部が受力軸に接続され、受力軸は、ケーシング外に延出し、その他端が回転慣性量プレートに接続され、回転慣性量プレートは、所定の質量の円盤或いは円環である能動回転慣性量駆動制御システム。前記発明に係る能動回転慣性量駆動制御システムは、従来の技術に係るTMDを水平移動する場合の旋回・振れ回り運動に対する制御の失効、AMDを水平移動する場合に制御の効率が低く、効果が悪いこと、受動同調慣性ダンパによる制御の適用のロバスト性が低く、周波数変調技術が複雑であり、適用範囲が小さいこと等の問題を解決した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受力体、駆動アセンブリ(3)及び回転慣性量プレート(4)を備える能動回転慣性量駆動制御システムにおいて、
受力体は、被制御構造(6)に接続されるケーシング(1)と、ケーシング(1)の内壁に固定される仕切り板(2)と、を含み、
駆動アセンブリ(3)は、一端がケーシング(1)に固定されるが、他端が仕切り板(2)に固定され、端部が受力軸(5)の一端に接続され、受力軸(5)の他端がケーシング(1)外に延出して回転慣性量プレート(4)に接続され、
回転慣性量プレート(4)は、所定の質量の円盤或いは円環であることを特徴とする能動回転慣性量駆動制御システム。
【請求項2】
駆動アセンブリ(3)はドライブ(32)、変速機(33)及びエンコーダ(31)を含み、ドライブ(32)の出力端が変速機(33)に接続され、変速機(33)外に受力軸(5)が連結され、ドライブ(32)、変速機(33)及びエンコーダ(31)が同軸上に接続され、ドライブ(32)と変速機(33)との外形輪郭が同じであることを特徴とする請求項1に記載の能動回転慣性量駆動制御システム。
【請求項3】
前記ドライブ(32)は、ステッピングモータ或いはサーボモータであることを特徴とする請求項2に記載の能動回転慣性量駆動制御システム。
【請求項4】
駆動アセンブリ(3)は、フランジホルダ(7)によってケーシング(1)及び仕切り板(2)に固定されることを特徴とする請求項1に記載の能動回転慣性量駆動制御システム。
【請求項5】
受力軸(5)は、フランジプレート(8)によって回転慣性量プレート(4)に接続されることを特徴とする請求項1に記載の能動回転慣性量駆動制御システム。
【請求項6】
前記回転慣性量プレート(4)は被制御構造(6)の回転面に平行であり、駆動アセンブリ(3)が回転慣性量プレート(4)に垂直接続されることを特徴とする請求項1に記載の能動回転慣性量駆動制御システム。
【請求項7】
被制御構造(6)に、被制御構造(6)の状態データを採集するためのセンサーが実装されることを特徴とする請求項2に記載の能動回転慣性量駆動制御システム。
【請求項8】
変速機(33)は、減速機であることを特徴とする請求項2に記載の能動回転慣性量駆動制御システム。
【請求項9】
制御器を更に備え、制御器がエンコーダ(31)、センサー(11)、ドライブ(32)と回線で接続され、エンコーダ(31)及びセンサーからの信号を受信して、制御信号をドライブ(32)に伝達して、ドライブ(32)の回転慣性量プレート(4)に対する駆動方向及び回転数を制御することを特徴とする請求項7に記載の能動回転慣性量駆動制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムにおける振動抑制の分野に関し、具体的に、能動回転慣性量駆動制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、経済の発展や社会の進歩につれて、人々の生活空間に対する要求も絶えず向上し、中国のインフラストラクチャへの設備投資も絶えず増える。中国の土木工学での設備投資がますます多くなり、高速道路、鉄路、橋梁、高層ビル、大スパン空間構造等が絶えず建てられている。また、人々は、更に、より広い空間を探求開発し、「深海」、「高空」を探索し、海洋プラットフォーム、宇宙ステーション等の構造も迅速に発展している。これらの空間構造は、施工の途中で、後で運用して使用される間に、不可避的に静的荷重及び動的荷重を含む各種の荷重の作用を受ける。構造の使用中に、構造への影響が大きいのは、常に地震、風、波、流れ、氷、爆破等の動的荷重の作用であり、構造がこれらの動的荷重の作用で振動することがあり、一般的に疲労と信頼性の問題を引き起こし、ひどい時には構造の破壊や損傷を生じ、人命被害や財産被害をもたらす。構造は、使用中に、例えば地震作用のような動的荷重の作用を受けた後で、倒壊や破壊が生じ、続けて使用されることができず、或いは構造が倒れなくとしても、その内部の設備機器、インテリア内装、実装システムが破壊された後で続けて使用されることもできず、ひいては2次災害をもたらし、これは利用者に巨大な安全性の脅威及び経済や財産の被害を与える。
【0003】
一方、経済の発展や技術の絶えない進歩につれて、人々の構造に対する要求は、単に利用可能であることに限定されないようになり、更に、構造の安全性、耐久性等の点でより高い要求を求める。人々が構造を使用する期間中に、構造物は、人々の生命安全を確保する以外にも、更に、人々の快適度等の点に対する要求を満たさなければならない。例えば、高層建築は、風荷重の作用で、振動が発生するが、防振・免振措置の無い場合、高層にいる使用者は、構造物の揺れを感じ、風力が大きい場合、構造物の内部の設備機器がひいては構造物の振動による破壊を受け、これは人々の構造物の快適さに対する要求を満たすことができないだけではなく、経済や財産にも脅威を与える。
【0004】
構造の振動物に起因する各種の問題を解決し、外部荷重に起因する振動を解消又は軽減するために、振動制御技術は、近年、迅速に発展している。土木工学の分野だけではなく、振動制御技術は、航空宇宙、自動車、機械、海洋工学、軍事工学等の分野でも注目を集めている。土木構造物については、構造に振動制御装置を適切に実装することで、構造の動力学的応答を効果的に軽減し、構造の破壊或いは疲労損傷を軽減し、人々の構造に対する安全、快適さ等の要求を満たし、安全性、経済性、信頼性の合理的なバランスを達成させることができる。多くの研究により、振動制御技術は、土木工学の適用において、顕著な効果及び重要な意味を持ち、構造の破壊を防止又は軽減し、構造の防災性を向上させ、人々の生命財産の安全を保証することができるだけではなく、構造の寿命を延長し、構造のメンテナンスコストを低下させ、人々の構造の極端な条件での快適度に対する要求を最大限で満たすことができることが判明する。
【0005】
土木構造物の振動制御技術は、主に、能動制御、受動制御、半能動制御及び混合制御の4つの側面に分けられる。ただし、受動制御技術の研究は比較的に成熟しているが、受動同調エネルギー吸収に用いられる装置は、主に、既に数多くの土木構造物に適用されている同調マスダンパ及び同調液体ダンパ等を含む。TMD制御の原理は、サブ構造であるダンパの周波数を主構造である被制御構造と一致又は近似するように調整することで、サブ構造と主構造を共振させ、サブ構造の内部のダンパ機構によって主構造の振動エネルギーを逸散させて、主構造の動力学的応答を削減し、振動制御の目的を達成させることである。大量の研究及び実際的適用によると、例えば、米国のボストンの60階のJohnHancockビル、マレーシアのクアラルンプールのツインタワー、中国台北の101ビルにもTMD振動制御装置が実装されているように、後での適用では、受動制御TMDシステムが安定且つ良好な制御効果を有することが証明された。
【0006】
構造の運動形態は、複雑多様な特性を持ち、一般的に、水平移動及び捩れ搖動から組み合わせられる。しかしながら、吊下げられたマスダンパをTMDシステムによって揺動するように制御する場合、構造の吊下げ方向がその振れ回り運動方向と一致している場合、初期オフセットでも単振動の荷重による励起入力でも、TMDシステムは、効果的な制御作用を果たすことができるが、TMDシステムが構造の別の方向の振れ回り制御に用いられ、つまり、構造の吊下げ方向とその振れ回り運動方向が互いに垂直である場合、システムのパラメータ(例えば、構造の振り子の長さ、制御システムの位置等)を如何に調整しても、TMDシステムは、始終作動できないことが発見される。大量の理論的分析及び試験探求によると、TMD制御システムの水平移動は、構造の水平移動運動しか制御できず、旋回・振れ回り制御には無効であるという結論が提出される。学者の研究によると、その根底をなす原因は、この場合、TMD、TLD等の受動制御システムが遠心状態にあるので作用が失われ、システムマス(又は、TLDの水タンクにおける水)は全く運動せず、ひいては能動マスダンパ/ドライブ(Active Mass Damper/Driver;AMD)の制御システムの能動制御力は、マス重力成分を克服する必要があるので、その制御効率が大いに低下することが判明する。しかしながら、旋回・振れ回りの運動特性を持つ構造の運動形態は非常によく見られ、例えば、吊下げられた構造の揺動、不規則な建物の風荷重の作用でのねじりや振れ回り、海洋プラットフォームの海波、風、氷等のカップリング作用でのねじりや振れ回り等がある。そのため、重力場の制御システム自体への影響(遠心力作用)を自動的に克服(又は、排除)し、或いは制御システム自体の作動/運動規律が重力場からデカップリングするようにする特別な構造の振動/運動に対する制御システムを設計する必要があり、システムの自己発振が重力により影響されず、上記の2つの側面の何れも制御システムを十分に運動させる目的を達成させて、制御システムの構造運動/振動に対する効果的な制御作用を果たすことができる。
【0007】
以上をまとめると、従来の構造の振動制御装置/システムは、土木工学分野の適用において不可欠な役割を有し、且つ構造の使用者の生命及び財産の保障に対して非常に重要な意味を有する。しかしながら、従来の構造の振動制御装置/システムは、主に、下記の点で不足を示す。第一に、TMD制御装置を水平移動する場合、構造の水平移動の運動しか制御できず、旋回・振れ回りの制御には無効であり、第二に、AMD制御装置を水平移動する場合の旋回・振れ回りを制御できるが、制御効率が極めて低く、使用要求を満たすことはできず、第三に、受動回転慣性同調ダンパは、旋回・振れ回りの運動に対する制御には有効であるが、構造自体に対して複雑な周波数変調を行う必要があり、幾つかの複雑構造に対する制御効率が低く、効果が不良であり、ロバスト性が低く、制御性が低く、適用範囲が小さい等の欠点がある。
【0008】
本発明は、上記背景の下でなされたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主な目的は、従来の技術に係るTMDを水平移動する場合の旋回・振れ回り運動に対する制御の失効、AMDを水平移動する場合に制御の効率が低く、効果が悪いこと、受動同調回転慣性ダンパによる制御の適用のロバスト性が低く、周波数変調技術が複雑であり、適用範囲が小さいこと等の問題を解決した能動回転慣性量駆動制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成させるために、本発明は、下記の技術案を採用する。
【0011】
受力体、駆動アセンブリ及び回転慣性量プレートを備える能動回転慣性量駆動制御システムにおいて、受力体は、被制御構造に接続されるケーシングと、ケーシングの内壁に固定される仕切り板と、を含み、
駆動アセンブリは、一端がケーシングに固定されるが、他端が仕切り板に固定され、端部が受力軸の一端に接続され、受力軸は、ケーシング外に延出し、その他端が回転慣性量プレートに接続され、
回転慣性量プレートは、所定の質量の円盤或いは円環である能動回転慣性量駆動制御システムである。
【0012】
更に、駆動アセンブリはドライブ、変速機及びエンコーダを含み、ドライブの出力端が変速機に接続され、変速機外に受力軸が連結され、ドライブ、変速機及びエンコーダが同軸上に接続され、ドライブと変速機との外形輪郭が同じである。
【0013】
更に、前記ドライブは、ステッピングモータ或いはサーボモータである。
【0014】
更に、駆動アセンブリは、フランジホルダによってケーシング及び仕切り板に固定される。
【0015】
更に、受力軸は、フランジプレートによって回転慣性量プレートに接続される。
【0016】
更に、前記回転慣性量プレートは被制御構造の回転面に平行であり、駆動アセンブリが回転慣性量プレートに垂直接続される。
【0017】
更に、被制御構造に、被制御構造の状態データを採集するためのセンサーが実装される。
【0018】
更に、変速機は、減速機である。
【0019】
更に、制御器を備え、制御器がエンコーダ、センサー、ドライブと回線で接続され、エンコーダ及びセンサーからの信号を受信して、制御信号をドライブに伝達して、ドライブの回転慣性量プレートに対する駆動方向及び回転数を制御する。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、下記の有益効果を有する。
【0021】
(1)本発明は、従来の受動制御構造の振動の形態とは異なり、能動制御技術を採用し、被制御構造のリアルタイムな状態情報に基づいて回転慣性量プレートの回転状態を能動制御し、更に被制御構造の出力トルクの大きさによって異なる制御効果を達成させる。
【0022】
(2)前記システムは、駆動アセンブリを採用し、制御力の出力を達成させ、複雑な周波数の変調設計をしなくても、周波数の変調の技術的な困難制により制限されてしまって制御を達成できないという問題を解決し、適用範囲がより広い。
【0023】
(3)前記システムは、より高いロバスト性を有し、構造形態の変化や外部荷重の作用の変化により制御効果があまり影響を受けない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の全体構造の模式図である。
図2】駆動アセンブリの構成の模式図である。
図3】本発明が単振り子モデルに適用される場合の使用や接続を示す正面図である。
図4】本発明が単振り子モデルに適用される場合の使用や接続を示す側面図である。
図5】本発明の倒立振り子としての使用状態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に合わせて、本発明を更に説明する。
【0026】
本発明が単振り子構造のモデル構造に適用される場合を例として説明する。
【0027】
図1図5に示すように、本発明に記載の能動回転慣性量駆動制御システムは、受力体、駆動アセンブリ3及び回転慣性量プレート4を備える。
【0028】
受力体は、被制御構造6に接続されるケーシング1と、ケーシングの内壁に固定される仕切り板と、を含む。被制御構造にセンサーが実装され、前記センサーは、被制御構造の状態データを採集するための、光電軸角度エンコーダ、角加速度センサー又はジャイロであり、システムの旋回・振れ回りのヨー角、ヨー角加速度データを採集できることを保証しなければならない。
【0029】
単振り子構造のモデルを基本的力学モデルの原型とし、この被制御構造の状態を検測するセンサーとして光電エンコーダを選用してよく、光電エンコーダが吊り点に配置され、単振り子構造のヨー角及びヨー角加速度データを採集することに用いられる。
【0030】
駆動アセンブリは、一端がケーシングに固定されるが、他端が仕切り板に固定され、駆動アセンブリの端部が受力軸5に接続され、受力軸がケーシング外に延出して回転慣性量プレートに接続される。駆動アセンブリは、ドライブ32、変速機33及びエンコーダ31を含み、本発明の要求するのが高回転数の出力ではなく力の出力であるため、変速機は、力の出力を満たすように、減速機によって回転数を減少する。ドライブの出力端が変速機に接続され、変速機外に受力軸が連結され、ドライブ、変速機及びエンコーダが同軸上に接続され、ドライブと変速機との外形輪郭が同じである。前記ドライブは、ステッピングモータ或いはサーボモータである。駆動アセンブリは、フランジホルダ7によってケーシング及び仕切り板に固定され、受力軸は、フランジプレート8によって回転慣性量プレートに接続される。
【0031】
回転慣性量プレートは、所定の質量の円盤或いは円環であり、材料が一般的に金属材料或いは高密度の他の材料であり、被制御構造の回転面に平行であり、駆動アセンブリが回転慣性量プレートに垂直接続される。
【0032】
本発明は、制御器を更に備え、制御器がドライブにおけるエンコーダ、センサー、ドライブと回線で接続され、ドライブに接続されるエンコーダ及び被制御構造に接続されるセンサーからの信号を受信して、制御信号をドライブに伝達して、ドライブの回転慣性量プレートに対する駆動方向及び回転数を制御し、制御及び伝送部は従来の技術であり、簡単な信号伝送及び処理機能に関し、ここで詳しく説明しない。
【0033】
システムの作用力は、駆動アセンブリが回転慣性量プレートを回転するように連動することで発生し、主に、仕切り板によってケーシングに伝達され、被制御構造に作用され、作用力のまた一部が駆動アセンブリによってケーシングに直接接続されるので、駆動アセンブリによってケーシングに伝達され、更に、被制御構造に作用される。
【0034】
本発明は、倒立振り子の揺動を制御するように、同様に、倒立振り子に接続されてもよい。
【0035】
本発明の使用過程については、下記のように説明する。
【0036】
センサーは被制御構造のヨー角及びヨー角加速度データを含む振れ回り運動状態を採集して、構造状態データを制御器に伝送し、制御器が能動的制御を行う必要があるかを判断して、構造が旋回して且つ振れ回り運動データが前に設定されている閾値を超えると、制御器がドライブを動作するように制御し、駆動アセンブリが動作し始め、ドライブがリアルタイムで測定する構造運動状態データに基づいて、回転慣性量プレートを旋回回転するように制御し、回転慣性量プレートの回転による反作用力がケーシングに作用され、更にケーシングに接続される被制御構造に伝達され、被制御構造の揺動が抑制される。ドライブの末端にエンコーダが同軸的に実装され、エンコーダがドライブの回転状況をリアルタイムに採集して、制御器にフィードバックし、制御器、被制御構造及びドライブによる閉ループ制御装置を達成させ、被制御構造の揺動幅度及び周波数をリアルタイムに採集することで、ドライブにより制御される回転慣性量プレートの回転をリアルタイムに変更し、被制御構造に作用された制御トルクを調節し、駆動エネルギー源の出力大きさを調節し、構造の振動を制御し、高い制御効率を保証する。
【0037】
本発明の基本原理は、力と偶力とが互いに等効にならないという力学基本概念からである。ある場合、被制御対象の運動特徴により、回転運動形態がトルクによって制御されなければならないことが決定されるため、従来の力受け形態又は直線運動の制御装置が全て失効し、本発明は、構造又は体系の回転やねじり又は旋回・振れ回り運動に対する制御に好適な能動的制御装置を提出する。
【0038】
本発明の適用は、ロングスパン吊橋の風荷重の作用でのフラッター制御、びびり振動制御、土木構造物の耐風・耐震の振動制御、車両のでこぼこな道路による励起でのピッチング運動に対する制御、船舶又は海洋プラットフォーム構造の風波流等の合同励起作用での横揺れ、縦揺れ及び首揺れ等の運動に対する制御、剛体の空間軸を回る定軸回転運動に対する制御等の分野のような、吊下げ構造の重力作用での振れ回り(単振り子)運動に対する制御に限定されない。
【0039】
もちろん、上記内容は単に本発明の好適な実施例であるが、本発明の実施例を限定するための範囲と考えられない。本発明は上記例示にも限定されず、当業者は、本発明の実際な範囲内で加えた均等な変化や改善等も、本発明の特許の範囲内に属する。
【符号の説明】
【0040】
1 ケーシング
2 仕切り板
3 駆動アセンブリ
31 エンコーダ
32 ドライブ
33 変速機
4 回転慣性量プレート
5 受力軸
6 被制御構造
7 フランジホルダ
8 フランジプレート
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】