(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-510228(P2021-510228A)
(43)【公表日】2021年4月15日
(54)【発明の名称】同軸コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 24/50 20110101AFI20210319BHJP
H01R 12/72 20110101ALI20210319BHJP
【FI】
H01R24/50
H01R12/72
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2020-520527(P2020-520527)
(86)(22)【出願日】2018年10月12日
(85)【翻訳文提出日】2020年4月10日
(86)【国際出願番号】KR2018012004
(87)【国際公開番号】WO2019074310
(87)【国際公開日】20190418
(31)【優先権主張番号】10-2017-0133609
(32)【優先日】2017年10月13日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】516083818
【氏名又は名称】ケイエムダブリュ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】KMW INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナム シン パク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ヘ キム
(72)【発明者】
【氏名】ジン ホーン リム
(72)【発明者】
【氏名】ミン ヒ リ
(72)【発明者】
【氏名】ホ ジン ホヮン
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA01
5E223AB01
5E223AB21
5E223AB26
5E223AB43
5E223AC23
5E223BA12
5E223BA17
5E223BB01
5E223BB12
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5E223CB24
5E223CB26
5E223CD01
5E223DA05
5E223DB08
5E223DB13
5E223DB25
5E223GA08
5E223GA11
5E223GA19
5E223GA32
5E223GA52
5E223GA62
5E223GA81
(57)【要約】
本発明は、同軸コネクタに関し、より詳細には、第1PCBに連結される固定モジュールと、前記固定モジュールに移動するように結合され、前記第1PCBと向かい合う第2PCBに接触可能に備えられた接点モジュールとを含み、前記接点モジュールは、導電性材質で備えられ、中空を形成するコンタクトボディと、導電性材質で備えられ、前記コンタクトボディの中空を貫通するように配置されたコンタクトピンと、前記コンタクトピンと前記コンタクトボディとを区画して絶縁されるように前記コンタクトボディの中空に配置された接点インシュレータとを含み、前記接点モジュールは、前記コンタクトボディ、前記コンタクトピンおよび前記接点インシュレータが前記固定モジュールに単数工程によって組立てられるように一体に形成されることにより、製品のコストを低減し、接点率を向上させて製品の品質を向上させることができるという利点を提供する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パネルに連結される固定モジュールと、
前記固定モジュールに移動するように結合され、前記第1パネルと向かい合う第2パネルに接触可能に備えられた接点モジュールとを含み、
前記接点モジュールは、
導電性材質で備えられ、中空を形成するコンタクトボディと、
導電性材質で備えられ、前記コンタクトボディの中空を貫通するように配置されたコンタクトピンと、
前記コンタクトピンと前記コンタクトボディとを区画して絶縁されるように前記コンタクトボディの中空に配置された接点インシュレータとを含み、
前記接点モジュールは、前記コンタクトボディ、前記コンタクトピンおよび前記接点インシュレータが前記第1パネルおよび前記第2パネルの間で前記固定モジュールに対して一体に移動するように相互結合されている同軸コネクタ。
【請求項2】
前記接点モジュールは、前記コンタクトボディの中空の中心に前記コンタクトピンが前記接点インシュレータに対して係止固定される、請求項1に記載の同軸コネクタ。
【請求項3】
前記接点モジュールは、
前記接点インシュレータの中心には、前記コンタクトピンが挿入される挿入孔が形成され、前記コンタクトピンが前記挿入孔に挿入されて係止組立てられる、請求項1に記載の同軸コネクタ。
【請求項4】
前記挿入孔の内周面には、前記コンタクトピンの外周面に形成されたストッパフックリブが係止されるストッパフック溝が形成されている、請求項3に記載の同軸コネクタ。
【請求項5】
一端が前記固定モジュールに支持され、他端が前記接点モジュールの縁端部面を支持して前記接点モジュールを前記固定モジュールの外側に弾性支持する弾性部材をさらに含む、請求項1に記載の同軸コネクタ。
【請求項6】
前記弾性部材は、前記接点モジュールの外周面の一部を取り囲むように配置されたコイルスプリングである、請求項5に記載の同軸コネクタ。
【請求項7】
前記弾性部材は、前記他端が前記コンタクトボディの縁端部面を支持する、請求項5に記載の同軸コネクタ。
【請求項8】
前記コンタクトボディは、
前記コンタクトピンと前記接点インシュレータが配置される接点部と、
前記接点部から前記固定モジュールに向かって延び、前記固定モジュールの内側に係合される結合部とを含む、請求項1に記載の同軸コネクタ。
【請求項9】
一端が前記固定モジュールに支持され、他端が前記接点部の縁端部面を支持して、前記接点モジュールを前記固定モジュールの外側に弾性支持する弾性部材をさらに含む、請求項8に記載の同軸コネクタ。
【請求項10】
前記結合部は、前記弾性部材の他端が支持される前記接点部の縁端部面を形成するように、前記接点部の縁端から所定距離離隔した部位から前記固定モジュールに向かって延びている、請求項9に記載の同軸コネクタ。
【請求項11】
前記結合部の先端は、
前記固定モジュールの内側に締まり嵌合される、請求項10に記載の同軸コネクタ。
【請求項12】
前記結合部は、前記接点モジュールの移動方向に所定長さ切開され、円周方向に所定距離離隔した複数の切開部を含む、請求項11に記載の同軸コネクタ。
【請求項13】
前記結合部の先端は、
前記固定モジュールの内周面に接点した状態でスライド移動するように結合される、請求項10に記載の同軸コネクタ。
【請求項14】
前記固定モジュールと前記結合部との間の内部空間にはエア誘電体が充填される、請求項8に記載の同軸コネクタ。
【請求項15】
前記第1パネルと前記第2パネルは、印刷回路基板(PCB、Plastic Circuit Board)で備えられている、請求項1に記載の同軸コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸コネクタ(Coaxial connector)に関し、より詳細には、構造を単純化してコストを低減し、信号欠乏を最小化して製品の品質を向上させることができる同軸コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、RF(Radio Frequency)通信用コネクタは、同軸のケーブルを端子に容易かつ緻密に結合できる多様な構造を有している。このようなRF通信用コネクタは、大きく肉眼で確認しやすい函体に設けられた端子に締結される用途と、2つの基板にそれぞれコネクタと端子が設けられている場合、その基板によってコネクタと端子の位置が正確に肉眼で確認されないことにより、結合により多くの時間が費やされる。
【0003】
特に、一側の基板に設けられた複数のコネクタと他側の基板に設けられた複数の端子を、前記2つの基板を上下に配置させた状態で、コネクタとそのコネクタに対応する端子とを相互結合させることは非常に困難で、作業時間が多く費やされ、無理な力を加えた場合、コネクタのピンが損傷して信号接続がされない不良が発生する。
【0004】
このような不良発生時には、損傷したピンを有するコネクタを取り替えなければならないため、作業が遅れ、費用が多く費やされる問題点があった。
【0005】
上記の問題点に鑑みて、基板と基板とを相互RFコネクタで連結する構造では、コネクタのインタフェースを回動させて相手品との締結時にやや位置の差がある場合にも安定して締結できる方策が研究されており、特に、2つの基板の間での組立公差を増加させながらも安定した信号接続が可能な同軸コネクタの開発が非常に切実な状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであって、第1PCBと第2PCBとの間の組立公差を増加させることができる同軸コネクタを提供することを、目的とする。
【0007】
また、本発明は、構成要素を単純化して製品の製造コストを低減できる同軸コネクタを提供することを、他の目的とする。
【0008】
同時に、本発明は、信号接続のための接点部位の接点率を向上させて製品の品質を向上させることができる同軸コネクタを提供することを、さらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る同軸コネクタの実施例は、第1パネルに連結される固定モジュールと、前記固定モジュールに移動するように結合され、前記第1パネルと向かい合う第2パネルに接触可能に備えられた接点モジュールとを含み、前記接点モジュールは、導電性材質で備えられ、中空を形成するコンタクトボディと、導電性材質で備えられ、前記コンタクトボディの中空を貫通するように配置されたコンタクトピンと、前記コンタクトピンと前記コンタクトボディとを区画して絶縁されるように前記コンタクトボディの中空に配置された接点インシュレータとを含み、前記接点モジュールは、前記第1パネルおよび前記第2パネルの間で前記コンタクトボディ、前記コンタクトピンおよび前記接点インシュレータが前記固定モジュールに対して一体に移動するように相互結合される。
【0010】
ここで、前記接点モジュールは、前記コンタクトボディの中空の中心に前記コンタクトピンが前記接点インシュレータに対して係止固定されるように、前記接点インシュレータがインサート射出成形される。
【0011】
また、前記接点モジュールは、前記接点インシュレータの中心が前記コンタクトピンが挿入されて係止組立てられるように、前記コンタクトボディの中空に前記接点インシュレータがインサート射出成形される。
【0012】
また、前記接点インシュレータの中心には、前記コンタクトピンが挿入される挿入孔が形成され、前記挿入孔の内周面には、前記コンタクトピンの外周面に形成されたストッパフックリブが係止されるストッパフック溝が形成される。
【0013】
また、前記コンタクトピンは、前記挿入孔に締まり嵌合される。
【0014】
また、一端が前記固定モジュールに支持され、他端が前記接点モジュールの縁端部面を支持して、前記接点モジュールを前記固定モジュールの外側に弾性支持する弾性部材をさらに含んでもよい。
【0015】
また、前記弾性部材は、前記接点モジュールの外周面の一部を取り囲むように配置されたコイルスプリングであってもよい。
【0016】
また、前記弾性部材は、前記他端が前記コンタクトボディの縁端部面を支持することができる。
【0017】
また、前記コンタクトボディは、前記コンタクトピンと前記接点インシュレータが配置される接点部と、前記接点部から前記固定モジュールに向かって延び、前記固定モジュールの内側に係合される結合部とを含むことができる。
【0018】
また、一端が前記固定モジュールに支持され、他端が前記接点部の縁端部面を支持して、前記接点モジュールを前記固定モジュールの外側に弾性支持する弾性部材をさらに含んでもよい。
【0019】
また、前記結合部は、前記弾性部材の他端が支持される前記接点部の縁端部面を形成するように、前記接点部の縁端から所定距離離隔した部位から前記固定モジュールに向かって延びることができる。
【0020】
また、前記結合部の先端は、前記固定モジュールの内側に締まり嵌合される。
【0021】
また、前記結合部は、前記接点モジュールの移動方向に所定長さ切開され、円周方向に所定距離離隔した複数の切開部を含むことができる。
【0022】
また、前記結合部の先端は、前記固定モジュールの内周面に接点した状態でスライド移動するように結合される。
【0023】
また、前記固定モジュールと前記結合部との間の内部空間にはエア誘電体が充填される。
【0024】
また、前記固定モジュールは、導電性材質で備えられ、中空を形成する固定ボディと、導電性材質で備えられ、一端は前記コンタクトピンと常時接点し、他端は前記固定ボディの中空を貫通して前記第1パネルに接点するように備えられた固定ピンと、前記固定ピンと前記固定ボディとを区画して絶縁されるように前記固定ボディの中空に配置された固定インシュレータとを含むことができる。
【0025】
また、前記固定モジュールは、前記固定ボディの中空の中心に前記固定ピンが前記固定インシュレータに対して係止固定されるように、前記固定インシュレータがインサート射出成形される。
【0026】
また、前記固定モジュールは、前記固定インシュレータの中心が前記固定ピンが挿入されて係止組立てられるように、前記固定ボディの中空に前記固定インシュレータがインサート射出成形される。
【0027】
また、前記固定インシュレータの中心には、前記固定ピンが挿入される挿入孔が形成され、前記挿入孔の内周面には、前記固定ピンの外周面に形成されたストッパフックリブが係止されるストッパフック溝が形成される。
【0028】
また、前記固定ピンは、前記挿入孔に締まり嵌合される。
【0029】
また、前記接点モジュールを前記固定モジュールの外側に弾性支持する弾性部材をさらに含み、前記固定モジュールは、前記固定ピンと前記固定インシュレータが配置される伝達部と、前記伝達部から前記接点モジュールに向かって延び、前記コンタクトボディの一部が収容されるように前記コンタクトボディを支持する支持部とを含むことができる。
【0030】
また、前記弾性部材は、前記支持部の縁端部に形成されるが、前記接点モジュールに向かって開口するように備えられた弾性部材支持溝に収容されて一端が支持され、前記コンタクトボディに他端が支持される。
【0031】
また、前記支持部は、前記接点モジュールの移動時、前記コンタクトボディの一部を収容しながら前記コンタクトボディと係止されるように、前記伝達部から前記接点モジュールに向かって延びた係止ブッシュを含むことができる。
【0032】
また、前記コンタクトボディの端部は、前記係止ブッシュの内側面に締まり嵌合される。
【0033】
また、前記コンタクトボディは、前記係止ブッシュの内部に収容された端部が前記係止ブッシュの内周面に接点した状態で移動できる。
【0034】
また、前記接点モジュールと前記係止ブッシュとの間の内部空間にはエア誘電体が充填される。
【0035】
また、前記固定ピンの一端部には、前記接点モジュールの移動時、前記コンタクトピンの一部が収容されて常時接点する接点収容溝部が形成される。
【0036】
また、前記接点収容溝部は、前記接点モジュールの移動方向に所定長さ切開され、円周方向に所定距離離隔した複数の弾性切開部を含むことができる。
【0037】
また、導電性材質で備えられるが、前記接点モジュールのコンタクトボディに備えられ、前記第2パネルに弾性支持されるように接地されるグラウンド接地端子をさらに含んでもよい。
【0038】
また、前記グラウンド接地端子は、前記コンタクトボディの縁端部に凹溝状に形成された取付溝部に固定される固定リング部と、前記固定リング部の内周端から円周方向に複数形成され、放射状に中心に向かって延びかつ、前記第2パネル側に傾斜して延びた複数の弾性接地部とを含むことができる。
【0039】
また、前記接点モジュールは、前記接点インシュレータを前記第2パネル側に弾性支持する弾性支持体をさらに含んでもよい。
【0040】
また、前記第1パネルと前記第2パネルは、印刷回路基板(PCB、Plastic Circuit Board)で備えられる。
【発明の効果】
【0041】
本発明に係る同軸コネクタの実施例によれば、第1パネルと第2パネルとの間で接点モジュールが固定モジュールに対して軸方向に伸縮するように備えられるので、組立許容公差が増加して組立性および作業性を向上させることができる効果を有する。
【0042】
同時に、第1パネルと第2パネルの組立許容公差の増加によって、第1パネルと第2パネルとの間に組立てられる同軸コネクタの全体的な長さを縮小設計できることはもちろん、第1パネルと第2パネルとの間の離隔距離を縮小設計可能で、製品の全体的なスリム化設計が可能であるという利点がある。
【0043】
また、本発明に係る同軸コネクタの実施例によれば、雌雄分離なしに一体に製造されて第1PCBおよび第2PCBの間に組立てられることから、製品のコストを低減する効果を有する。
【0044】
同時に、本発明に係る同軸コネクタの実施例によれば、第1PCBおよび第2PCBのいずれか1つの信号接続を担当するコンタクトピンと、他の1つの信号接続を担当する固定ピンとの間の接点率が向上するので、製品の品質を向上させることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明に係る同軸コネクタの実施例を示す斜視図である。
【
図3】
図1の構成における接点モジュールと固定モジュールとが分離された状態を示す分解斜視図である。
【
図7】
図1の構成における接点インシュレータを支持する弾性支持体が組立てられた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明に係る同軸コネクタの実施例を、添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0047】
図1は、本発明に係る同軸コネクタの実施例を示す斜視図であり、
図2は、
図1の分解斜視図であり、
図3は、
図1の構成における接点モジュールと固定モジュールとが分離された状態を示す分解斜視図であり、
図4は、
図1の断面図である。
【0048】
本発明に係る同軸コネクタ1の実施例は、
図1および
図2に示すように、第1パネルP1に連結される固定モジュール200と、固定モジュール200に移動するように結合され、第1パネルP1と向かい合う第2パネルP2に接触可能に備えられた接点モジュール100とを含む。
【0049】
ここで、第1パネルP1と第2パネルP2は、通常のパターン化された接点回路(図示せず)が備えられた印刷回路基板(Plastic Circuit Board)で備えられるが、PCBのみに限定されるものではない。例えば、その製造方式が通常のPCB製造方式ではない方式で製造されたスイッチ製品もすべて含まれるというべきである。ただし、以下では、第1パネルP1および第2パネルP2は、それぞれ向かい合う面にパターン化された接点回路が印刷された第1PCB(P1)および第2PCB(P2)であることを例として説明する。
【0050】
同時に、固定モジュール200は、第1PCB(P1)および第2PCB(P2)のいずれか1つ(本発明の実施例では、第1PCB(P1)がこれに相当する)に固定できるという点でその名称を付したが、実際に第1PCB(P1)にソルダー方式によって完全に固定される必要はなく、第1PCB(P1)と第2PCB(P2)との間で支持できる連結構成であれば十分である。したがって、本発明に係る同軸コネクタ1の権利範囲を解釈するにあたり、その名称によって制限解釈されることはない。
【0051】
接点モジュール100は、固定モジュール200に結合されるが、固定モジュール200に対して移動可能に結合される。より詳細には、接点モジュール100は、固定モジュール200の一側に連結され、全体として同軸コネクタ1の長さが伸縮するように固定モジュール200に対して移動する。
【0052】
図5は、接点モジュール100の切開斜視図であり、
図6は、固定モジュール200の切開斜視図であり、
図7は、
図1の構成における接点インシュレータ130を支持する弾性支持体420が組立てられた状態を示す断面図である。
【0053】
接点モジュール100は、
図3および
図5に示すように、導電性材質で備えられ、中空100Hを形成するコンタクトボディ110と、導電性材質で備えられ、コンタクトボディ110の中空100Hを貫通するように配置されたコンタクトピン120と、コンタクトピン120とコンタクトボディ110とを区画して絶縁されるようにコンタクトボディ110の中空100Hに配置された接点インシュレータ130とを含むことができる。
【0054】
ここで、コンタクトボディ110は、前記中空100Hを形成するが、信号の伝達方向である一端と他端が開口した円筒形状に備えられかつ、第2PCB(P2)に接触する一端部の外径が固定モジュール200に隣接する他端部の外径より大きく形成される。好ましくは、コンタクトボディ110の内部を貫通するように形成された中空100Hの内径も、第2PCB(P2)に接触する一端部が固定モジュール200に隣接する他端部より大きく形成される。
【0055】
コンタクトボディ110のそれぞれの外径および内径の大きさの変化は、外形的に明確に識別できるように段付きに形成される。
【0056】
コンタクトボディ110は、
図3および
図5に示すように、3つの異なる外径を有するように形成される。以下、説明の便宜のために、最も大きい外径を有する部分から最も小さい外径を有する部分を順次に、第1外径部、第2外径部、第3外径部と称することとする。
【0057】
同時に、コンタクトボディ110は、
図3および
図5に示すように、2つの異なる内径を有するように形成される。同じく、説明の便宜のために、相対的に内径の大きい部位を第1内径部と称し、相対的に内径の小さい部位を第2内径部と称することとする。
【0058】
また、本発明に係る同軸コネクタ1の実施例において、コンタクトボディ110の第1外径部および第2外径部を接点部111、113と通称し、接点部111、113には接点インシュレータ130が固定され、コンタクトボディ110の第3外径部を結合部115と通称し、結合部115は、第2内径部に接点インシュレータ130が延びかつ、固定モジュール200の内側に係合される。
【0059】
第1内径部は、第1外径部および第2外径部の範囲に相当する中空100Hに形成され、第2内径部は、第1内径部から延びて第2外径部および第3外径部の範囲に相当する中空100Hに形成される。
【0060】
第1外径部がなすコンタクトボディ110の一端部には、後述するグラウンド接地端子300が取付けられる取付面116が上述した第1内径部の周辺に平面形態で備えられる。取付面116の縁端部には、グラウンド接地端子300が係止される係止溝117が形成されるように取付溝部118が形成される。
【0061】
ここで、コンタクトピン120は、第1内径部と第2内径部を完全に横切る大きさに形成され、中空100Hの中間部位に配置される。
【0062】
一方、接点インシュレータ130は、コンタクトピン120とコンタクトボディ110とを物理的に区画して絶縁されるようにコンタクトボディ110の中空100Hに配置される。これは、コンタクトボディ110とコンタクトピン120は導電性材質で備えられることから、コンタクトピン120を通して流れる信号がコンタクトボディ110に漏電するのを防止するためである。
【0063】
ここで、接点インシュレータ130は、強いプラスチック材質の誘電体であって、コンタクトピン120の接点位置が変更されないように支持する役割を果たす。特に、接点インシュレータ130は、熱たわみ温度(Heat deflection temperature)および実際の使用環境を考慮した最大許容温度と最小許容温度、誘電体本来の必要条件である誘電率(Dielectric constant)などを考慮して、PEI(Polyetherimide)またはPBI(Polybenzimida)などの高性能プラスチック素材を採用することが好ましい。
【0064】
接点インシュレータ130は、第1内径部に配置され、コンタクトピン120とコンタクトボディ110との間に完全に満たされるように備えられた固定部ブロック131と、固定部ブロック131から延びて第2内径部に配置されるが、第2内径部の内側面およびコンタクトピン120の外周面と所定距離離隔して延びるように備えられた遮蔽部ブロック133とを含むことができる。
【0065】
接点インシュレータ130は、コンタクトボディ110の接点部111、113中の第1内径部に固定部ブロック131が固定される。より詳細には、接点部111、113中の第1内径部の内周面には、接点インシュレータ130の固定部ブロック131を第2内径部と反対方向に係止させるように内側に突出したフック係止リブ112が形成され、接点インシュレータ130の固定部ブロック131の外周面には、フック係止リブ112が収容されて相互係止されるようにフック係止溝139が形成される。
【0066】
接点インシュレータ130は、接点部111、113の第1内径部の外側から第1内径部に挿入される動作によりコンタクトボディ110に固定される。
【0067】
ここで、接点インシュレータ130の固定部ブロック131の外径は、略第1内径部の内径に対応する大きさに形成され、接点インシュレータ130の固定部ブロック131は、第1内径部に挿入される時、第1内径部の内周面に備えられたフック係止リブ112によって締まり嵌合される。
【0068】
この時、接点インシュレータ130の固定部ブロック131は、挿入方向側の先端が第1内径部と第2内径部との境界によって形成された係止端部114に係止されると同時に、第1内径部のフック係止リブ112とフック係止溝139とが相互型合わされ、接点インシュレータ130が第1内径部から第2内径部と反対方向に離脱することが防止できる。
【0069】
接点インシュレータ130の固定部ブロック131の中心には、コンタクトピン120が貫通挿入される挿入孔135が形成される。挿入孔135には、コンタクトピン120が締まり嵌合される。このために、挿入孔135の内径とコンタクトピン120の外径の大きさは、略締まり嵌め可能な大きさに形成されることが好ましい。
【0070】
コンタクトピン120は、挿入孔135に挿入されるが、第2PCB(P2)が備えられた側に所定長さ突出して形成された接点端部121を含む。接点端部121の接触面は、第2PCB(P2)にパターン化された接点回路に接点して信号を伝達することから、接触面積が大きければ大きいほど有利である。しかし、第2PCB(P2)のパターン化された接点回路部位が様々な形態に設計可能で、接点端部121の接触面が必ずしも平面に形成されなければならないわけではない。
【0071】
同時に、コンタクトピン120は、接点端部121の周りに沿って外径が増加するように備えられ、挿入孔135の外側周りに係止されるように形成された係止端部122をさらに含んでもよい。係止端部122は、挿入孔135に対するコンタクトピン120の挿入量を制限する役割を果たす。
【0072】
また、コンタクトピン120の外周面には、接点インシュレータ130の挿入孔135に挿入された後、離脱防止されるように固定部ブロック131に係止されるストッパフックリブ137が形成される。固定部ブロック131の挿入孔135の内周面には、コンタクトピン120のストッパフックリブ137が係止されるストッパフック溝123が形成される。
【0073】
ストッパフックリブ137とストッパフック溝123は、コンタクトピン120が固定部ブロック131の挿入孔135に締まり嵌め方式で挿入される時、コンタクトピン120の係止端部122が挿入孔135の外側周面に係止されると同時に、ストッパフックリブ137とストッパフック溝123とが相互係合されながら強固な組立が完了する。
【0074】
本発明に係る同軸コネクタ1の実施例は、固定モジュール200が第1PCB(P1)に連結された状態で、上述したコンタクトボディ110、コンタクトピン120および接点インシュレータ130の組合体からなる接点モジュール100が第2PCB(P2)のパターン化された接点回路に接点するように組立てられると、第1PCB(P1)および第2PCB(P2)の間の信号接続ラインが構築される。信号接続ラインは、第1PCB(P1)から固定モジュール200の後述する固定ピン220と上述したコンタクトピン120を介して第2PCB(P2)に構築される信号伝送ラインであってもよく、第2PCB(P2)から上述したコンタクトピン120と後述する固定ピン220を含む固定モジュール200を介して第1PCB(P1)に構築される信号伝送ラインであってもよい。
【0075】
ここで、本発明に係る同軸コネクタ1の実施例は、上述した接点モジュール100の構成におけるコンタクトボディ110、コンタクトピン120および接点インシュレータ130が固定モジュール200に単数工程によって組立てられるように一体に形成されたことを特徴とする。
【0076】
このために、接点モジュール100は、固定モジュール200に単数工程によって組立てられる前、ハウジングの役割を果たすコンタクトボディ110に接点インシュレータ130が締まり嵌合されて固定された後、コンタクトピン120が接点インシュレータ130に締まり嵌合されて単品構成される。
【0077】
しかし、本発明の実施例において、接点モジュール100が必ずしも上述した締まり嵌め方式で一体形成されなければならないわけではなく、図示しないが、接点モジュール100は、コンタクトボディ110の中空100Hの中心にコンタクトピン120が接点インシュレータ130に対して係止固定されるように、接点インシュレータ130がインサート射出成形されるように備えられることも可能である。
【0078】
この場合にも、インサート射出成形される接点インシュレータ130と係止されるように、コンタクトボディ110の第1内径部にはフック係止リブ112が予め形成され、コンタクトピン120の外周面にはストッパフックリブ137が予め形成されていなければならないことは当然である。
【0079】
この時、必ずしも接点インシュレータ130がコンタクトピン120とともにインサート射出成形される必要はなく、接点インシュレータ130の中心である挿入孔135にコンタクトピン120が挿入されて係止組立てられるように、コンタクトボディ110の中空100Hに接点インシュレータ130がインサート射出成形されることも可能である。
【0080】
このように、接点モジュール100の各構成であるコンタクトボディ110、コンタクトピン120および接点インシュレータ130が固定モジュール200に対する結合前に一体に組立形成されることから、組立工程数を縮小するという利点を有する。
【0081】
また、接点モジュール100全体が第1PCB(P1)および第2PCB(P2)の間で固定モジュール200に対して一体に移動するように結合されるので、第1PCB(P1)および第2PCB(P2)の間に対する組立公差の管理が容易であるという利点がある。例えば、第1PCB(P1)と第2PCB(P2)との間の離隔距離は設計値で固定されている。この時、接点モジュール100に対して固定モジュール200が移動しない場合に許容される組立公差は、同軸コネクタ1の安定した接点のために非常に制限的であるほかない。ここで、本発明に係る同軸コネクタ1の実施例は、上述のように、固定モジュール200に対して接点モジュール100が移動する分だけ第1PCB(P1)と第2PCB(P2)との間の組立許容公差を増加させることができる。
【0082】
このような、第1PCB(P1)と第2PCB(P2)の組立許容公差の増加は、実質的に第1PCB(P1)および第2PCB(P2)の間に組立てられる同軸コネクタ1の全体的な長さを縮小設計できることはもちろん、第1PCB(P1)と第2PCB(P2)との間の離隔距離を縮小設計できるので、製品の全体的なスリム化設計が可能であるという利点がある。
【0083】
一方、固定モジュール200は、
図3および
図6に示すように、導電性材質で備えられ、中空200Hを形成する固定ボディ210と、導電性材質で備えられ、一端は上述した接点モジュール100のコンタクトピン120と常時接点し、他端は固定ボディ210の中空200Hを貫通して第1PCB(P1)に接点するように備えられた固定ピン220と、固定ピン220と固定ボディ210とを区画して絶縁されるように固定ボディ210の中空200Hに配置された固定インシュレータ230とを含むことができる。
【0084】
ここで、固定ボディ210は、固定ピン220と固定インシュレータ230が配置される伝達部211と、伝達部211から接点モジュール100に向かって延び、コンタクトボディ110の一部が収容されるようにコンタクトボディ110を支持する支持部213とを含むことができる。
【0085】
固定ボディ210も、接点モジュール100のコンタクトボディ110と同じく、前記中空200Hを形成し、信号の伝達方向である一端と他端が開口した円筒形状に備えられるが、第1PCB(P1)に接触する一端部の外径が接点モジュール100に隣接する他端部の外径より小さく形成される。また、固定ボディ210の内部を貫通するように形成された中空200Hの内径も、第1PCB(P1)に隣接する一端部が接点モジュール100に隣接する他端部より小さく形成される。
【0086】
特に、固定ボディ210のそれぞれの外径および内径の大きさの変化は、外形的に明確に識別できるように内外部でそれぞれ段付きに形成できることは当然である。
【0087】
固定ボディ210において第1PCB(P1)が備えられた一側面には、第1PCB(P1)に予め設けられたPCB固定ホール(図面符号表記せず)に挿入連結される複数の固定レッグ215が形成される。複数の固定レッグ215は、第1PCB(P1)のPCB固定ホールに挿入連結された後、ソルダー方式によって結合できることはもちろん、単にPCB固定ホールに締まり嵌めされて固定されてもよい。
【0088】
固定ボディ210は、
図3および
図6に示すように、2つの異なる外径を有するように形成されることはもちろん、2つの異なる内径を有するように形成されてもよい。
【0089】
以下、説明の便宜のために、相対的に外径および内径の小さい部位を第1外径部および第1内径部と称し、相対的に外径および内径の大きい部位を第2外径部および第2内径部と称することとする。
【0090】
同時に、固定モジュール200は、固定ボディ210の第1外径部および第1内径部が形成する部位を伝達部211と通称し、伝達部211には固定インシュレータ230が固定され、固定ボディ210の第2外径部および第2内径部が形成する部位を支持部213と通称し、支持部213の第2内径部は、上述した接点モジュール100の一部が収容される大きさに形成される。
【0091】
より詳細には、固定ボディ210の伝達部211は、第1外径部および第1内径部をなすように形成されるが、第1内径部には固定インシュレータ230が配置され、固定インシュレータ230の中心には、固定ピン220が挿入される挿入孔235が形成される。挿入孔235には、固定ピン220が第2内径部側から第1PCB(P1)が備えられた側に挿入されかつ、締まり嵌合される。
【0092】
ここで、固定ピン220は、固定インシュレータ230に固定された後には、接点モジュール100が備えられた側の端部は第2内径部の内部に完全収容された状態でかつ、第1PCB(P1)が備えられた側の端部は第1PCB(P1)に設けられたソルダー孔(図面符号表記せず)に挿入されてソルダー結合される長さに形成される。
【0093】
固定インシュレータ230は、固定ピン220と固定ボディ210とを物理的に区画して絶縁されるように固定ボディ210の中空200H(特に、第1内径部)に配置される。これは、固定ボディ210と固定ピン220は導電性材質で備えられることから、固定ピン220を通して流れる信号が固定ボディ210に漏電するのを防止するためである。固定インシュレータ230は、第1内径部に配置され、固定ピン220と固定ボディ210との間を完全に絶縁させる役割を果たす。ここで、固定インシュレータ230は、上述した接点インシュレータ130と同じく、強いプラスチック材質であるウルテム材質で備えられ、固定ピン220を強固に支持する役割を果たす。
【0094】
固定インシュレータ230の外周面にはフック係止溝239が内側に凹溝状に備えられ、固定ボディ210の伝達部211を形成する第1内径部の内周面に固定インシュレータ230を第1PCB(P1)が備えられた側と反対方向に係止させるように内側に突出形成されたフック係止リブ219に係止されて固定される。
【0095】
ここで、固定インシュレータ230は、支持部213をなす第2内径部側から第1内径部に挿入される動作により固定ボディ210に固定される。
【0096】
すなわち、固定インシュレータ230の外径は、略第1内径部の内径に対応する大きさに形成され、固定インシュレータ230が第1内径部に挿入される時、第1内径部の内周面に備えられたフック係止リブ219によって締まり嵌合される。
【0097】
この時、固定インシュレータ230は、挿入方向側の先端が第1内径部の第1PCB(P1)側に隣接した端部に内径がより小さくなるように段付きに形成された係止端部218に係止されると同時に、第1内径部のフック係止リブ219とフック係止溝239とが相互型合わされ、固定インシュレータ230が第1内径部から第2内径部側に離脱することが防止できる。
【0098】
固定インシュレータ230の中心には、固定ピン220が貫挿される挿入孔235が形成される。挿入孔235には固定ピン220が締まり嵌合される。このために、挿入孔235の内径と固定ピン220の外径の大きさは、略締まり嵌め可能な大きさに形成されることが好ましい。
【0099】
固定ピン220の外周面には、固定インシュレータ230の挿入孔235に挿入された後、離脱防止されるように固定インシュレータ230に係止されるストッパフックリブ232が形成される。固定インシュレータ230の挿入孔235の内周面には、固定ピン220のストッパフックリブ232が係止されるストッパフック溝222が形成される。
【0100】
固定ピン220は、
図3および
図6に示すように、第1PCB(P1)のソルダー孔に挿入されるソルダー部221と、固定インシュレータ230の挿入孔235の内部に収容される嵌込部223と、嵌込部223より外径がより大きく形成され、固定インシュレータ230の挿入孔235の外側面に係止される挿入制限部225とを含む。
【0101】
ここで、固定ピン220が固定インシュレータ230の挿入孔235に締まり嵌め方式で挿入される時、固定ピン220の挿入制限部225が挿入孔235の外側周面に係止されると同時に、ストッパフックリブ232とストッパフック溝222とが相互係合されながら強固な組立が完了する。
【0102】
本発明に係る同軸コネクタ1の実施例は、上述した接点モジュール100と同じく、固定モジュール200も、固定ボディ210、固定ピン220および固定インシュレータ230が一体に形成されたことを特徴とする。
【0103】
このために、固定モジュール200は、ハウジングの役割を果たす固定ボディ210に固定インシュレータ230が締まり嵌合されて固定された後、固定ピン220が固定インシュレータ230に締まり嵌合されて単品構成される。
【0104】
しかし、本発明の実施例において、固定モジュール200が必ずしも上述した締まり嵌め方式で一体形成されなければならないわけではなく、図示しないが、固定モジュール200は、固定ボディ210の中空200Hの中心に固定ピン220が固定インシュレータ230に対して係止固定されるように、固定インシュレータ230がインサート射出成形されるように備えられることも可能である。
【0105】
この場合にも、インサート射出成形される固定インシュレータ230と係止されるように、固定ボディ210の第1内径部にはフック係止リブ219が予め形成され、固定ピン220の外周面にはストッパフックリブ232が予め形成されていなければならないことは当然である。
【0106】
この時、必ずしも固定インシュレータ230が固定ピン220とともにインサート射出成形される必要はなく、固定インシュレータ230の中心である挿入孔235に固定ピン220が挿入されて係止組立てられるように、固定ボディ210の中空200Hに固定インシュレータ230がインサート射出成形されることも可能である。
【0107】
一方、固定ボディ210の第2内径部には、第1内径部の端部から接点モジュール100が備えられた方向に延び、第2内径部の内側面との間に上部に開口した空間(後述する弾性部材410の一端が支持される弾性部材支持溝217)を形成する係止ブッシュ217Aがさらに形成されてもよい。すなわち、係止ブッシュ217Aは、固定ボディ210の第1内径部をなす伝達部211から接点モジュール100に向かって第2内径部に延びるように形成される。
【0108】
係止ブッシュ217Aは、略第2内径部に上部が開口したハウジング形態で備えられるが、固定ピン220の構成において挿入制限部225を取り囲む形態で備えられる。
【0109】
このような係止ブッシュ217Aは、接点モジュール100のコンタクトボディ110の一部を収容しながらコンタクトボディ110と係止されるように結合される。このために、係止ブッシュ217Aの内周面の先端は、モジュール結合用フックリブ210Aが内側に突出して形成され、コンタクトボディ110の結合部115の先端には、モジュール結合用フックリブ210Aと係止締結されるモジュール結合用フック突起110Aが外側に突出して形成される。
【0110】
ここで、コンタクトボディ110の結合部115は、固定ボディ210の係止ブッシュ217Aの内側に締まり嵌めされる大きさに形成されることが好ましい。すなわち、コンタクトボディ110の第3外径部の大きさは、固定ボディ210の係止ブッシュ217Aの内部に締まり嵌めされる大きさに設定される。この時、コンタクトボディ110の結合部115は、係止ブッシュ217Aに弾性変形しながら締まり嵌合が容易となるように接点モジュール100の移動方向に所定長さ切開され、円周方向に所定距離離隔した複数の切開部119を含むことができる。
【0111】
したがって、コンタクトボディ110の結合部115が係止ブッシュ217Aの内側に締まり嵌合される時、コンタクトボディ110の結合部115の端部が内側に容易に弾性変形しながら嵌合された後、結合力が除去されると係止ブッシュ217Aの内周面に常時接触して、接点モジュール100の移動時、コンタクトボディ110と固定ボディ210との間にスライド接点が常時なされる。
【0112】
一方、
図3および
図6に示すように、固定ピン220の一端部には、接点モジュール100の移動時、コンタクトピン120の一部が収容されて常時接点する接点収容溝部227がさらに形成されてもよい。
【0113】
接点収容溝部227は、固定ピン220の挿入制限部225の一部が接点モジュール100の移動方向に凹溝状に形成されるが、コンタクトピン120の端部の形状に対応する形状に形成される。
【0114】
ここで、接点収容溝部227の内部に収容されるコンタクトピン120の端部は、接点モジュール100の移動時だけでなく、本発明に係る同軸コネクタ1が第1PCB(P1)および第2PCB(P2)の間に組立てられて固定された後にも常時接点がなされなければならない。接点収容溝部227の内部に収容されたコンタクトピン120の端部が離隔する場合、信号欠乏が発生して製品の品質を低下させる問題につながりかねないからである。
【0115】
本発明に係る同軸コネクタ1の実施例は、接点収容溝部227の内部に収容されたコンタクトピン120の端部との接点率が向上するように、接点収容溝部227は、接点モジュール100の移動方向に切開され、円周方向に所定距離離隔した複数の弾性切開部229を含むことができる。
【0116】
複数の弾性切開部229は、接点収容溝部227をなす挿入制限部225が複数の部位で切開形成されることで外力による弾性変形を容易にして、接点収容溝部227にコンタクトピン120の端部が収容される場合、持続的にコンタクトピン120の外周面に向かって弾性変形力が付加されるので、接点率を向上させることができる。
【0117】
一方、本発明に係る同軸コネクタ1の実施例は、
図1〜
図4に示すように、導電性材質で備えられるが、接点モジュール100のコンタクトボディ110に備えられ、第2PCB(P2)に弾性支持されるように接地されるグラウンド接地端子300をさらに含んでもよい。
【0118】
グラウンド接地端子300は、コンタクトボディ110の縁端部に凹溝状に形成された取付溝部118に固定される固定リング部310と、固定リング部310の内周端から円周方向に複数形成され、放射状に中心に向かって延びかつ、第2PCB(P2)側に傾斜して延びた複数の弾性接地部320とを含むことができる。
【0119】
したがって、固定モジュール200に接点モジュール100を結合した後、第2PCB(P2)への接点を設けるために、第2PCB(P2)の所定パターンの接点回路が備えられた一面を移動させて加圧する場合、グラウンド接地のためのグラウンド接地端子300の弾性接地部320が第2PCB(P2)の一面に弾性密着して接地が常時維持される。
【0120】
グラウンド接点は、第2PCB(P2)から順次に、導電性材質からなるグラウンド接地端子300、コンタクトボディ110および固定ボディ210を通して第1PCB(P1)に伝達される接地ラインを構成することができる。
【0121】
本発明に係る同軸コネクタ1の実施例は、固定モジュール200と接点モジュール100の構成においてコンタクトボディ110の結合部115間の内部空間にはエア誘電体が充填される。同じく、接点モジュール100と固定モジュール200の支持部213に相当する係止ブッシュ217Aとの間の内部空間にはエア誘電体が充填される。ここで、エア誘電体は、接点インシュレータ130および固定インシュレータ230とともに空気中の絶縁機能を補助する役割を果たす。
【0122】
一方、本発明に係る同軸コネクタ1の実施例は、
図1〜
図4に示すように、一端が固定モジュール200に支持され、他端が接点モジュール100の縁端部面を支持して、接点モジュール100を固定モジュール200の外側に弾性支持する弾性部材410をさらに含んでもよい。
【0123】
ここで、弾性部材410は、接点モジュール100の外周面の一部を取り囲むように配置されたコイルスプリングで備えられる。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、固定モジュール200に対して接点モジュール100を移動方向に弾性支持できる手段であれば、本発明の弾性部材410の範疇にすべて含まれると見なされる。
【0124】
より詳細には、弾性部材410の一端は、固定モジュール200に形成された弾性部材支持溝217に支持される。弾性部材410の他端は、接点モジュール100の構成においてコンタクトボディ110の第2外径部および第1外径部の外径の差によって形成される縁端部面に支持される。
【0125】
コイルスプリングで備えられた弾性部材410は、固定モジュール200に接点モジュール100が設けられた場合、圧縮された状態で常時接点モジュール100を固定モジュール200の外側に弾性支持するように設けられる。この時、弾性部材410は、固定モジュール200に対して接点モジュール100が設定距離以上移動方向に弾性支持されるように圧縮設置されることが好ましい。ここで、設定距離は、最大に設定されることが好ましく、設定距離の増大は、第1PCB(P1)と第2PCB(P2)との間の狭小な組立公差を最大に増加させるという利点を導出することができる。
【0126】
例えば、
図4に示すように、第1PCB(P1)と第2PCB(P2)の組立設定隔離距離がXとして許容組立公差が存在する場合、本発明に係る同軸コネクタ1の組立前の全長がXよりも大きいYであり、固定モジュール200に対する接点モジュール100の移動可能な距離がZの場合、少なくともZの範囲がXの範囲内に含まれている分だけ組立公差許容範囲を最大に増加させることができるという利点を有する。
【0127】
このように、第1PCB(P1)と第2PCB(P2)との間に本発明に係る同軸コネクタ1の実施例が介在する時、固定モジュール200に対して接点モジュール100が設定距離以上伸縮するように移動することにより、実質的に第1PCB(P1)と第2PCBとの間の隔離距離をより近く設計できるため、全体的な製品のスリム化設計が可能な効果を創出することができる。
【0128】
また、本発明に係る同軸コネクタ1の実施例によれば、実質的に信号接点がなされるコンタクトピン120と固定ピン220との間に別途の弾性部材を備える必要がなく、コストを低減できることはもちろん、製品の構成を単純化設計できるという利点を有する。
【0129】
これは、個別構成からなるコンタクトボディ110およびコンタクトピン120を同時に支持結合させる接点インシュレータ130が強い材質で備えられることを前提とする。すなわち、接点インシュレータ130の材質が弱い場合、別途の弾性部材を用いず、前記弾性部材410を用いてコンタクトボディ110のみを弾性支持するように備えられた場合には、上述のように圧縮された状態で備えられた弾性部材410から持続的に弾性力が加えられることによる各構成間の遊びが発生する恐れがある。この現象は、固定モジュール200の各構成(固定ボディ210、固定ピン220および固定インシュレータ230)間の結合関係においても同様に適用可能である。
【0130】
したがって、本発明に係る同軸コネクタ1の実施例で上述した利点を確保するために、接点インシュレータ130および固定インシュレータ130は、上述のように強い材質で備えられることが効率的である。
【0131】
しかし、特に接点インシュレータ130の場合、後述する弾性部材410から提供される弾性力が繰り返し加えられることにより、固定インシュレータ230に比べてより早く変形が生じる恐れがある。接点インシュレータ130の変形が発生する場合、コンタクトピン120の微細な接点位置の変化をもたらしうることから、本発明に係る同軸コネクタ1の実施例において、接点モジュール100は、
図7に示すように、接点インシュレータ130を第2PCB(P2)側に弾性支持できる弾性支持体420をさらに含むことが好ましい。
【0132】
すなわち、弾性支持体420は、
図7に示すように、第1内径部と第2内径部との境界によって形成された係止端部114に備えられ、接点インシュレータ130の固定部ブロック131を弾性支持する役割を果たす。
【0133】
以上、本発明に係る同軸コネクタの実施例を、添付した図面を参照して詳細に説明した。しかし、本発明の実施例が必ずしも上述した実施例によって限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者による多様な変形および均等な範囲での実施が可能であることは当然である。そのため、本発明の真の権利範囲は後述する請求の範囲によって定めらなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明によれば、第1パネルと第2パネルとの間で接点モジュールが固定モジュールに対して軸方向に伸縮するように備えられるので、組立許容公差が増加して組立性および作業性が向上した同軸コネクタを製造することができる。
【符号の説明】
【0135】
P1:第1PCB
P2:第2PCB
1:同軸コネクタ
100:接点モジュール
110:コンタクトボディ
111、113:接点部
114:係止端部
115:結合部
116:取付面
117:係止溝
118:取付溝部
119:切開部
120:コンタクトピン
121:接点端部
122:係止端部
123:ストッパフック溝
130:接点インシュレータ
131:固定部ブロック
133:遮蔽部ブロック
135:挿入孔
200:固定モジュール
210:固定ボディ
211:伝達部
213:支持部
215:固定レッグ
217:弾性部材支持溝
217A:係止ブッシュ
218:係止端部
219:フック係止リブ
220:固定ピン
221:ソルダー部
223:嵌込部
225:挿入制限部
227:接点収容溝部
229:弾性切開部
230:固定インシュレータ
232:ストッパフックリブ
235:挿入孔
239:フック係止溝
300:グラウンド接地端子
310:固定リング部
320:弾性接地部
410:弾性部材
420:弾性支持体
【国際調査報告】