(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-511711(P2021-511711A)
(43)【公表日】2021年5月6日
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/52 20060101AFI20210409BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20210409BHJP
H01Q 21/24 20060101ALI20210409BHJP
H01Q 21/28 20060101ALI20210409BHJP
【FI】
H01Q1/52
H01Q21/06
H01Q21/24
H01Q21/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2020-538528(P2020-538528)
(86)(22)【出願日】2018年12月24日
(85)【翻訳文提出日】2020年7月10日
(86)【国際出願番号】KR2018016589
(87)【国際公開番号】WO2019139281
(87)【国際公開日】20190718
(31)【優先権主張番号】10-2018-0004286
(32)【優先日】2018年1月12日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】516083818
【氏名又は名称】ケイエムダブリュ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】KMW INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】インホ キム
(72)【発明者】
【氏名】オー−ソク チョイ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン−ソク ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ウク パク
(72)【発明者】
【氏名】ジン スク ソ
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA05
5J021AA09
5J021HA05
5J021JA05
5J046AA02
5J046AB03
5J046UA03
(57)【要約】
【課題】本発明は、マッシブ マイモアンテナの個別のアンテナモジュール間を遮蔽する遮蔽壁に関する。
【解決手段】本発明の一実施例に係る遮蔽壁は、複数のステープル形態の単位隔壁を遮蔽壁の長さ方向に配列するように形成し、単位隔壁は使用周波数帯域に応じて最適な幅及び高さを有するように設計され、使用周波数帯域を基準に所定の間隔以下となるように配列することで、交差偏波アイソレーション及び主偏波アイソレーション特性を全て満足しながらも小型、軽量で容易に製作可能なアンテナ構造を提供することに特徴がある。
【選択図】
図24
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板と、
第1の方向に配列した複数のアンテナモジュールの列を含むアンテナモジュールアレイであって、前記アンテナモジュールの列は、前記ベース基板上で前記第1の方向に垂直な第2の方向に配列する1つ以上の二重偏波アンテナモジュールを含むアンテナモジュールアレイ、及び、
隣接するアンテナモジュールの列間に配置する第1の遮蔽壁として、前記第2の方向に配列され、互いに離間する複数の単位隔壁によって形成される第1の遮蔽壁と、を含むアンテナ装置。
【請求項2】
前記第1の遮蔽壁は、導電性の線形部材からなる単位隔壁によって形成する請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記単位隔壁は、
一端が前記ベース基板に装着した1つ以上の垂直遮蔽部材、及び
前記垂直遮蔽部材につながり、前記ベース基板から第1の離間高さで離間配置される水平遮蔽部材を含む請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記水平遮蔽部材は、前記第2の方向に沿って一列に配列する請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記水平遮蔽部材は、直線状である請求項4に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記水平遮蔽部材の長さは、
前記アンテナモジュールの減少した配列の間隔に比例して相互周波数干渉を減らすことができる長さを有し、前記アンテナモジュールアレイの前記第1の方向の配列間隔よりも小さい長さを有する請求項5に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記水平遮蔽部材の配列間隔は、
前記単位隔壁に反射した電波によるアンテナモジュール間での相互干渉を低減する配列間隔を有し、前記水平遮蔽部材の前記第2の方向への配列間隔は、前記水平遮蔽部材の長さの整数倍以下の間隔を有する請求項5に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記水平遮蔽部材の長さは、
前記アンテナモジュールアレイの前記第1の方向の配列間隔の1/4以下である請求項6に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
上期水平遮蔽部材の配列間隔は、
前記水平遮蔽部材の長さの2倍以下である請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記単位隔壁は、二つの垂直遮蔽部材を含み、二つの垂直遮蔽部材の一端は、前記ベース基板につながり、2つの垂直遮蔽部材の他端は、前記水平遮蔽部材の両端にそれぞれつながる請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
前記第1の方向の両端に配置したアンテナモジュールの列の外側にそれぞれ配置する第2の遮蔽壁として、さらに、前記第2の方向に配列し、互いに離間する複数の単位隔壁によって形成される第2の遮蔽壁を含み、
前記第2の遮蔽壁の単位隔壁は、前記ベース基板から第2の離間高さで離間配置する水平遮蔽部材を含み、
前記第2の離間高さは、前記第1の離間高さよりも低い請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項12】
前記垂直遮蔽部材は、
さらに、前記単位隔壁が前記ベース基板とつながるように形成した接続端子部を他端に含む請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項13】
前記接続端子部は、前記ベース基板を貫通して挿入するピン部材を含む請求項12に記載のアンテナ装置。
【請求項14】
前記接続端子部は、前記ベース基板と並ぶように延びたリード(lead)部材を含み、前記リード部材は前記ベース基板上に半田付けできるように形成する請求項12に記載のアンテナ装置。
【請求項15】
前記第1の遮蔽壁は、前記ベース基板上に直立したプリント回路基板、及び前記プリント回路基板上に形成した導電パターンからなる単位隔壁によって形成する請求項1に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重偏波アンテナアレイで構成したマッシブ マイモ(Massive MIMO)アンテナのアンテナ装置に関し、特にマッシブ マイモを構成する複数の二重偏波アンテナモジュールを互いに遮蔽する遮蔽壁に関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に記述した内容は、単に本実施例に対する背景情報を提供するに留まり、従来の技術を構成するものではない。
【0003】
マッシブ マイモ(MIMO:Multiple Input Multiple Output)技術は、多数のアンテナを使用してデータ伝送容量を画期的に増やす技術として、送信機では、それぞれの送信アンテナを介して互いに異なるデータを伝送し、受信機では、適切な信号処理を介して送信データを区別し出す空間多重化(Spatial multiplexing)技法である。したがって送受信アンテナの個数を同時に増加させることによってチャネル容量が増加してより多くのデータを転送することができる。例えば、アンテナの数を10個に増加させると、現在の単一アンテナシステムに比べ、同じ周波数帯域を使用して約10倍のチャネル容量を確保することができる。
【0004】
4G LTEアドバンストでは、8つのアンテナまで使用し、現在のプレ5Gの段階で64または128個のアンテナを装着した製品が開発され、5Gでは、はるかに多い数のアンテナを有する基地局装置が使用されることが予想され、これをマッシブ マイモ技術という。現在のセル(Cell)の運営が2次元(2−Dimension)であるのに対し、マッシブ マイモ技術が導入されると、3Dビームフォーミング(Beamforming)が可能になるのでマッシブ マイモ技術は、FDマイモ(Full Dimension MIMO)とも呼ばれる。
【0005】
マッシブ マイモ技術では、アンテナ素子の個数が増え、全体基地局装置の重さと体積が増加することになる。建物の屋上、高い構造物の上などの基地局が設置される環境を考慮すると、このような関連部品の小型化、軽量化、及び高性能化が要求されるが、二重偏波アンテナ間の周波数干渉を最小化するための遮蔽壁などによって小型化及び軽量化が容易ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明では、二重偏波アンテナ間を、通常の薄板形態の遮蔽壁の代わりに、複数のステープル(staple)形態の単位隔壁を配列して形成した遮蔽壁を使用することで、複数に配列した二重偏波アンテナ間の交差偏波アイソレーション(X−POL isolation)及び主偏波アイソレーション(CO−POL isolation)特性をすべて改善しながら小型化、軽量化の目的も達成することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記のような課題を解決するために、本発明の一実施例に係るアンテナ装置は、ベース基板と、第1の方向に配列した複数のアンテナモジュールの列を含むアンテナモジュールアレイであって、アンテナモジュールの列は、ベース基板上で第1の方向に垂直な第2の方向に配列する1つ以上の二重偏波アンテナモジュールを含むアンテナモジュールアレイ、及び、隣接するアンテナモジュールの列間に配置する第1の遮蔽壁として、第2の方向に配列し、互いに離間する複数の単位隔壁によって形成する第1の遮蔽壁を含むことを特徴とする。
【0008】
また、第1の遮蔽壁は、導電性の線形部材からなる単位隔壁によって形成することを特徴とする。
【0009】
また、単位隔壁は、一端がベース基板に装着した1つ以上の垂直遮蔽部材、及び垂直遮蔽部材につながり、ベース基板から第1の離間高さで離間配置する水平遮蔽部材を含むことを特徴とする。
【0010】
また、水平遮蔽部材は、第2の方向に沿って一列に配列することを特徴とする。
【0011】
また、水平遮蔽部材は、直線状であることを特徴とする。
【0012】
また、水平遮蔽部材の長さは、アンテナモジュールの減少した配列の間隔に比例して相互周波数干渉を減らすことができる長さを有し、アンテナモジュールアレイの第1の方向の配列間隔よりも小さい長さを有することを特徴とする。
【0013】
また、水平遮蔽部材の配列間隔は、単位隔壁に反射した電波によるアンテナモジュール間での相互干渉を低減する配列間隔を有し、水平遮蔽部材の第2の方向に配列間隔は水平遮蔽部材の長さの整数倍以下の間隔を有することを特徴とする。
【0014】
また、水平遮蔽部材の長さは、アンテナモジュールアレイの第1の方向の配列間隔の1/4以下であることを特徴とする。
【0015】
また、水平遮蔽部材の配列間隔は水平遮蔽部材の長さの2倍以下であることを特徴とする。
【0016】
また、単位隔壁は、二つの垂直遮蔽部材を含み、二つの垂直遮蔽部材の一端は、リフレクターにつながり、2つの垂直遮蔽部材の他端は、水平遮蔽部材の両端にそれぞれつながることを特徴とする。
【0017】
また、第1の方向の両端に配置したアンテナモジュールの列の外側にそれぞれ配置する第2の遮蔽壁として、さらに、第2の方向に配列し、互いに離間する複数の単位隔壁によって形成する第2の遮蔽壁を含み、第2の遮蔽壁の単位隔壁は、リフレクターから第2の離間高さで離間配置する水平遮蔽部材を含み、第2の離間高さは第1の離間高さよりも低いことを特徴とする。
【0018】
また、垂直遮蔽部材は、さらに、単位隔壁がベース基板とつながるように形成した接続端子部を他端に含むことを特徴とする。
【0019】
また、接続端子部は、ベース基板を貫通して挿入するピン部材を含むことを特徴とする。
【0020】
また、接続端子部は、ベース基板と並ぶように延びたリード(lead)部材を含み、リード部材は、ベース基板上に半田付けするように形成することを特徴とする。
【0021】
また、第1の遮蔽壁は、ベース基板上に直立するプリント回路基板及びプリント回路基板上に形成した導電パターンからなる単位隔壁によって形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、複数のステープル形態の単位隔壁を配列して形成した遮蔽壁で二重偏波アンテナ間を遮蔽することにより、アンテナモジュールをより高い密度で容易に実装することができ、小型、軽量なアンテナ構造を具現しながらも、周波数の干渉を遮蔽する特性に優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】4つの方面に遮蔽壁を有する通常のマッシブ マイモ二重偏波アンテナを示す概念図である。
【
図2】マッシブ マイモ二重偏波アンテナの縦方向遮蔽壁を配置した第1の比較実施例の概念図である。
【
図3】電算模写による第1の比較実施例の交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【
図4】電算模写による第1の比較実施例の主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【
図5】本発明の一実施例に係る遮蔽壁を構成するステープル形態の単位隔壁を示す概念図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る遮蔽壁が縦方向に並んだ二重偏波アンテナの両側に配列したことを示す概念図である。
【
図7】本発明の一実施例に基づいて設計した遮蔽壁の電算模写による交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【
図8】本発明の一実施例に基づいて設計した遮蔽壁の電算模写による主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【
図9】本発明の一実施例に係る遮蔽壁の配置間隔を使用波長の1/3よりも大きい間隔で配置した第2の比較実施例の概念図である。
【
図10】電算模写による第2の比較実施例の交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【
図11】電算模写による第2の比較実施例の主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【
図12】第3の比較実施例として、本発明の一実施例に係る単位隔壁の水平遮蔽部材がない場合の概念図である。
【
図13】電算模写による第3の比較実施例の交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【
図14】電算模写による第3の比較実施例の主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【
図15】本発明の別の一実施例に係る、プリント回路基板上に導電パターンで単位隔壁を形成する遮蔽壁を示す概念図である。
【
図16】本発明の一実施例に係るアンテナ装置の全体平面図であり、最外側に配置した遮蔽壁の非対称性を説明する概念図である。
【
図17】本発明の一実施例に係るアンテナ装置の最外郭の第2の遮蔽壁の外側グラウンドを十分に確保した場合を示す第4の比較実施例の斜視図である。
【
図18】電算模写による第4の比較実施例の交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【
図19】電算模写による第4の比較実施例の主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【
図20】本発明の一実施例に係るアンテナ装置の最外郭の第2の遮蔽壁の外側グラウンドが狭い場合を示す第5の比較実施例の斜視図である。
【
図21】電算模写による第5の比較実施例の交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【
図22】電算模写による第5の比較実施例の主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【
図23】本発明の一実施例に係るアンテナ装置の最外郭の第2の遮蔽壁の第2の隔壁を示す概念図である。
【
図24】本発明の一実施例に係るアンテナ装置の最外郭の第2の遮蔽壁に第2の隔壁を適用した場合を示す概念図である。
【
図25】電算模写による第2の隔壁を適用した、
図24の一実施例の交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【
図26】電算模写による第2の隔壁を適用した、
図24の一実施例の主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【
図27】リフレクター上にアンテナモジュールを配置する二つの形態を示す概念図である。
【
図28】本発明の一実施例に係るアンテナ装置のアンテナモジュールを二つの方向に並ぶように配置した場合を示す概念図である。
【
図29】電算模写による
図28の一実施例の交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【
図30】電算模写による
図28の一実施例の主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一部の実施例を例示的な図面を介して詳しく説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、可能な限り同一の符号を有するようにしたことに留意しなければならない。また、本発明を説明するにあたり、関連した公知の構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断する場合には、その詳しい説明は省く。
【0025】
また、本発明の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することがある。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって該当構成要素の本質や順番や順序などが限定されない。明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」、「備える」とするとき、これは特に正反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。また、明細書に記載した「...部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアやソフトウェアまたはハードウェア及びソフトウェアの組合せで具現できる。
【0026】
図1は、4つの方面に遮蔽壁を有する通常のマッシブ マイモ二重偏波アンテナを示す概念図である。
【0027】
一般的に、二重偏波アンテナは、アンテナパッチ(patch)910、給電線路930、リフレクター(reflector)を含むベース基板及び遮蔽壁920を含み、無線通信機器のアンテナの形態は多様な形態が活用されているが、長方形のアンテナパッチの形態を有し、斜め方向にそれぞれ+45、−45方向のポールを有するように、交差偏波(X-POL、Dual Polarization)アンテナが構成される場合が最も一般的である。このような交差偏波アンテナは垂直偏波(V-POL、Single Polarization)アンテナに比べ、同じ空間に2倍のアンテナを配置することができ、多数のアンテナをより小さいサイズで構築することができる。このようなアンテナパッチは、隣接するアンテナパッチと所定の間隔が確保されれば、周波数の干渉を最小限に抑えることができる。しかし、移動通信周波数帯域を考慮すると、配置間隔を狭めることができず、基地局のアンテナサイズの縮小には限界がある。
【0028】
図1のようアンテナパッチを長方形に囲む遮蔽壁920を備えることにより、アンテナパッチ910の配列間隔を減らし、周波数の干渉を削減しながら、基地局アンテナの3Dビームフォーミング(beam forming)を効果的に行うことができる。しかし、このような形態の遮蔽壁920は、重量及び製造コストが著しく増加する欠点がある。
【0029】
ベース基板310は、リフレクターを含む構造であってよく、アンテナ回路の接地を提供する役割と反射表面としての機能を実行し、二重偏波アンテナの後方放射は主放射方向に反射し、これにより、二重偏波アンテナのビーム効率が向上する。後述するアンテナモジュール110は、アンテナパッチ910及びアンテナパッチ910にRF信号を供給する給電線路を含むことを意味する。
【0030】
図2は、マッシブ マイモ二重偏波アンテナに縦方向の遮蔽壁を配置した第1の比較実施例の概念図である。
【0031】
重量及び製造コストを削減するための一つの方策として、
図2に示すように、縦方向の一方向(第2の方向D2)にのみ遮蔽壁210を設置する第1の比較例を考慮することができる。しかし、このような構造は、アンテナモジュール110を基準に、第1の方向D1及び第2の方向D2の周辺部が完全対称ではないため、主偏波アイソレーションは改善するが、交差偏波アイソレーション特性は低下する。
【0032】
図3は、電算模写による第1の比較実施例の交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0033】
図4は、電算模写による第1の比較実施例の主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0034】
通常、マッシブ マイモアンテナでは、交差偏波及び主偏波アイソレーション特性は、20dB以上の遮蔽性能を要求する。
図3及び
図4を参照すると、主偏波アイソレーション特性は、S1,3の場合−23.1dB、S2,4の場合−23.6dBで優秀である反面、交差偏波アイソレーションはS2,1が−14.5dBと悪くなることを確認できる。遮蔽壁210が設置されていない方向(第1の方向D1)の隣接したアンテナモジュール110との間で電波が遮蔽壁210に反射し、互いの間で干渉を起こして特性が低下するものと理解することができる。
【0035】
図5は、本発明の一実施例に係る遮蔽壁を構成するステープル形態の単位隔壁を示す概念図である。
【0036】
図6は、本発明の一実施例に係る遮蔽壁が縦方向に並べた二重偏波アンテナの両側に配列したことを示す概念図である。
【0037】
本発明を記述するにあたり、後述する第2の遮蔽壁43と区別するために、
図6の遮蔽壁42は、第1の遮蔽壁42として記載することができる。
【0038】
図5の(a)を参照すると、本発明の一実施例に係る遮蔽壁42は、ステープル形態の単位隔壁410が遮蔽壁42の長さ方向に一列に配列した形態で構成する。単位隔壁410は、上端のクラウン(crown)に該当する水平遮蔽部材412、水平遮蔽部材412の両端から延びて板状のベース基板310につながる垂直遮蔽部材414を含む。ベース基板310と垂直遮蔽部材414は、表面実装、はんだ付けなどが容易になるように接続端子部416を含む。
【0039】
つまり、アンテナモジュール110が置かれた平面と並ぶ位置に水平遮蔽部材412が配置され、水平遮蔽部材412と垂直遮蔽部材414は、すべてワイヤ(wire)が折り曲がって形成するシンプルかつ実装が容易な構造を有する単位隔壁410を配列することで遮蔽壁42を構成することが本発明の特徴である。
【0040】
単位隔壁410は、ベース基板310上に実装され、外部振動にも十分耐えるように頑丈に支持するように形成した接続端子部417、418、419を含む形で、
図5の(b)ないし(d)のように形成する。
図5の(b)は、挿入ピンの形の接続端子部417を含む場合であり、ベース基板310に貫通孔が形成され、単位隔壁410が貫通孔に挿入されて半田付け(soldering)などの通常の方法でつながる場合を示す。
図5の(c)及び(d)は、表面実装を考慮した形の接続端子部418、419を含む場合であり、単位隔壁410の終端部が延び、内側あるいは外側に折り曲がった形を示し、一般的な表面実装部品のリード端子部の形態を応用した形態である。このような接続端子部418、429は、ベース基板310上に形成したパッド形態の端子部(図示せず)に半田付けによってつながる。このような実施例は、単に例示であるだけで、本発明の技術内容を限定するものではなく他にも様々な形で実施することができる。
【0041】
本発明の一実施例に係る遮蔽壁42の性能、つまり、単位隔壁410に反射した電波によるアンテナモジュール110間での相互干渉を低減する性能を決定する因子としては、単位隔壁410の配列間隔、横遮蔽部材412の長さ及び垂直遮蔽部材414の高さを挙げることができる。一実施例で、垂直遮蔽部材414の高さは、ベース基板310を基準面にして水平遮蔽部材412を離間配置する高さに該当する。
【0042】
電磁波の速度は光の速度(3×10
8m/s)に該当し、波長の長さと周波数との積の関係を有する。つまり、移動通信周波数の帯域である2.5GHzの波長は120mmと計算する。電算模写を通じて導出した本発明の一実施例に係る最適の遮蔽壁の設計因子の値は、次のとおりである。
【0043】
単位隔壁410の水平遮蔽部材412の長さは、λ/8であり、使用周波数の波長の1/8サイズであることが好ましく、2.5GHzの周波数の場合、15mmに相当する。一実施例で、アンテナモジュール110は、第1の方向D1に通常の場合よりも減少した配列間隔を有する場合であり、一実施例の水平遮蔽部材412の長さは、これを考慮して隣接するアンテナモジュール110との間の相互周波数干渉を減らすことができる長さを有し、アンテナモジュール110の第1の方向D1の配列間隔よりも小さい長さを有することが望ましい。
【0044】
第2の方向D2のアンテナモジュール110の配列間隔がλ/2である場合、水平遮蔽部材412の長さは、アンテナモジュール110の配列間隔の1/4の大きさに該当する。これは、本発明の一実施例に係る単位隔壁410の配列において、第2の方向D2への水平遮蔽部材412の配列間隔が水平遮蔽部材412の長さの整数倍の間隔を有することが望ましいものと解釈することができる。アンテナモジュール110の配置が一実施例と相違する場合、水平遮蔽部材412の配列間隔は、上述した関係によるサイズ以下で最適化することもできる。垂直遮蔽部材414の高さとして、第1の離間高さは使用周波数の波長のλ/10であり、水平遮蔽部材412とベース基板310との間の間隔は水平遮蔽部材412の長さよりも小さいことが望ましく、2.5GHzの周波数の場合、12mmに該当する。単位隔壁410の配列間隔はλ/3よりも小さいことが好ましく、一実施例の場合、λ/6で設計して単位隔壁410を配列する。一実施例とアンテナモジュール110の基本配置形態が異なる場合を考慮して述べると、単位隔壁410の配列間隔は水平遮蔽部材412の長さの二倍より小さいことが、遮蔽壁42を貫通して伝達され得る電波を遮蔽するために望ましい。単位隔壁410の大きさ、配置と関連する数値は、アンテナモジュール110の配置と使用周波数の波長の大きさによって左右されるものであり、このような数値は、電算模写によって容易に最適化することができる。
【0045】
図7は、本発明の一実施例に基づいて設計した遮蔽壁の電算模写による交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0046】
図8は、本発明の一実施例に基づいて設計した遮蔽壁の電算模写による主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0047】
図7及び
図8を参照すると、本発明の一実施例に係る遮蔽壁42は、交差偏波アイソレーションはS2,1が−24dB、主偏波アイソレーション特性はS1,3の場合−20.5dB、S2,4の場合−21.3dBで両方の規格を満足することを確認することができ、特に、交差偏波アイソレーションの場合−24dBであり、非常に優れた性能を示すことが分かる。
【0048】
図9は、本発明の一実施例に係る遮蔽壁の配置間隔を使用波長の1/3よりも大きい間隔で配置した第2の比較実施例の概念図である。
【0049】
図10は、電算模写による第2の比較実施例の交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0050】
図11は、電算模写による第2の比較実施例の主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0051】
図9は、本発明の一実施例に係る
図6の設計で、配列の間隔だけをλ/3よりも大きく設計した第2の比較例として、
図10及び
図11を参照すると、交差偏波アイソレーションは−31.1dBで非常に良いが、主偏波アイソレーションが改善されず、S1,3は−18dB、S2,4は−18.7dBであって、通常必要とする最低限の遮蔽値である−20dB以上を満たさないことが確認できる。
【0052】
図12は、第3の比較実施例として、本発明の一実施例に係る単位隔壁の水平遮蔽部材がない場合の概念図である。
【0053】
図13は、電算模写による第3の比較実施例の交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0054】
図14は、電算模写による第3の比較実施例の主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0055】
図12は、本発明の一実施例に係る
図6の設計で単位隔壁410上端の水平遮蔽部材412がない単一棒状を想定したもので、これと似た形の棒を配置してアンテナの特性を改善する技術が公開されたことがある。しかし、第3の比較実施例に係る電算模写によると、交差偏波アイソレーションは−24.8dBであり、必要十分な性能が確保できたといえるが、主偏波アイソレーションはS1,3が−16.8dB、S2,4が−17.6dBとなり、必要性能が確保できていない。
【0056】
つまり、マッシブ マイモアンテナに適用する本発明の一実施例に係る単位隔壁410を配列した遮蔽壁42は、交差偏波及び主偏波アイソレーション特性をすべて満足させる最適の水平遮蔽部材412の長さ、縦遮蔽部材414の高さ、そして所定の大きさ、あるいはそれより小さい配列間隔を有するように設計することができる。
【0057】
図2を再び参照すると、縦方向である第2の方向D2にのみ設置した板状の単純な構造の遮蔽壁210の場合、主偏波アイソレーション性能は確保できるが、交差偏波アイソレーション性能が低い。一方、
図9及び
図11の第2及び第3の比較例のように、単位隔壁410、420間の配列間隔がλ/3よりも大きい場合には、交差偏波アイソレーションは改善するが、主偏波アイソレーション性能の確保が難しい。
【0058】
一実施例で、アンテナモジュール110または遮蔽壁42の水平方向である第1の方向D1の配列間隔は0.5λ、アンテナモジュール110の垂直方向である第2の方向D2の配列間隔は0.7λに設定されており、水平に配置したアンテナモジュール110間の主偏波アイソレーションは、一般的に、第1の方向D1である水平配列の間隔が左右する。しかし、アンテナの背面に実装する各種関連部品及び回路、そして基地局アンテナの構造などを考慮すると、第1の方向D1である水平方向の配列間隔は、設計における制約事項が多い。アンテナモジュール110素子間の第1の方向D1である垂直方向の距離は格子ローブ(grating lobe)の発生を防止するために使用周波数の波長λよりも小さくならなければならず、素子間のカップリングを減らすためにλ/2のサイズよりも大きくならなければならないので、その中間に近い0.7λに設定することが望ましい。
【0059】
第1の方向D1である水平方向の配列間隔が狭い状態で、それぞれのアンテナモジュール110をすべて取り囲む遮蔽壁920を設置せずに、
図2に示すように、第2の方向D2である縦方向の遮蔽壁210のみを設置する場合は、交差偏波アイソレーションが問題になる。一方、
図9や
図11のように単位隔壁410、420の配列間隔が広い場合には、主偏波アイソレーションが問題になる。
【0060】
本発明の一実施例に係る単位隔壁410は、長方形で一辺が抜けた形態であるステープル形態を開示したが、これは製造上の容易さを考慮した一つの実施例に過ぎず、例えば、「π」型、または内側にあるいは外側に傾いた足の形を有する隔壁などのように、ステープル形態から様々な形態に変形実施することができる。
【0061】
本発明に一実施例に係る単位隔壁410は、遮蔽壁42が属する平面に含まれ、水平遮蔽部材412または垂直遮蔽部材414が、必ずしも直線でなくても隣接するアンテナモジュール110間の周波数干渉を遮蔽する役割を果すことができる。つまり、一実施例に係る単位隔壁410の水平遮蔽部材412は、アンテナモジュール110と平行な第1の平面に投影した形が直線であってよい。水平遮蔽部材412が直線でない場合、交差偏波及び主偏波アイソレーションを満足させるための水平遮蔽部材412の両端間の距離や単位隔壁410の配列間隔は電算模写などを利用した最適化の過程を経て設計することができる。
【0062】
また、図示していないが、中空板材形態の単位隔壁も、本発明の技術的思想に含まれるものと解釈するべきである。板材の内部が空の形態の単位隔壁も電気的には、ワイヤ形態の線形部材で形成する形と似た遮蔽効果を有することができると解釈するべきであり、このような実施例も本発明の範囲に含まれるものとみるべきである。この場合に、使用周波数の波長を基準にした板材の幅、高さ、内部の空き領域の大きさなどは、ステープル形態の線形部材の場合と同様に、電算模写を通じて最適の設計数値を導出することができる。
【0063】
本発明に係るステープル形態の単位隔壁410が第2の方向D2である縦方向に配列した遮蔽壁42は、ワイヤ形態が折り曲がった構造を有して全体遮蔽壁44の重量増加が微々たるだけでなく、生産及び実装に有利である。単位隔壁410自体の重量が非常に小さいため、ベース基板310の層に組立用ビア(via)を形成せずSMDはんだ付けのみで結合しても頑丈に取付状態を維持することができる。通常の技術者であれば、単位隔壁410の垂直遮蔽部材414終端を追加で折り曲げて延ばした形態がベース基板310と平行するように形成するなど、さまざまな方法で表面実装した単位隔壁410とベース基板310の結合強度を向上させることができるだろう。
【0064】
図15は、本発明のまた別の一実施例に係る、プリント回路基板上に導電パターンで単位隔壁を形成する、遮蔽壁を示す概念図である。
【0065】
図15は、本発明の一実施例に係る単位隔壁410をプリント回路基板432上に導電パターン430で具現した実施例を示す。プリント回路基板432は、誘電体材料基板からなり、一実施例で単位隔壁410は、プリント回路基板432上に導電性パターンが第2の方向D2に一定の間隔で配列する形態で形成する。好ましくは、単位隔壁410に該当する導電パターン430は、上端パターン434と接続パターン436を含む。上端パターン434は、直線状であり、第2の方向D2に並ぶように配置し、ベース基板310から離間するように配置する。接続パターン436は、上端パターン434の両端とベース基板310が電気的につながるように形成する。上端パターン434は、使用周波数の波長を基準にλ/8の長さであることと、ベース基板310からの使用周波数の波長を基準にλ/10の離間距離を有するように配置することが望ましい。プリント回路基板432上で導電パターン430の配列間隔はλ/3よりも小さいことが好ましく、一実施例での配列間隔はλ/6である。
【0066】
プリント回路基板432上に導電パターン430で遮蔽壁42を具現することにより、遮蔽壁42の製造コストが削減でき、ベース基板310への実装が非常に簡便になる利点があり、アンテナ装置に応じて様々な形態の導電パターン430を有する遮蔽壁42を簡単に変更設計することができるという利点がある。
【0067】
基本的にはマッシブ マイモアンテナは、無線通信基地局に使用する外部のアンテナとして、温度変化、振動などにひどくさらされる製品であるため、外部の衝撃に強い構造を有することが望ましい。本発明の一実施例に係る単位隔壁410は、はんだ付け時に加えられた熱を素早く吸収、発散させる広い金属片あるいは銅箔層を有する部材のはんだ付けに比べてはんだ付け工程の品質及び作業性も非常に容易になる。大量生産を念頭に置いて設計しなければならないマッシブ マイモアンテナとしては非常に有利な点だといえる。
【0068】
一方、全体のアンテナ装置のエッジ510の部分は、第2の方向D2にアンテナモジュール110と遮蔽壁42との間の対称が形成されない。この場合に、ベース基板310のエッジ510グラウンド面積が十分に確保されなければ最外郭に配置したアンテナモジュール110の周波数特性が低下し得る。
【0069】
図16は、本発明の一実施例に係るアンテナ装置の全体平面図であり、最外郭に配置した遮蔽壁の非対称性を説明する概念図である。
【0070】
ベース基板310のエッジ510のグランド領域は、アンテナ特性を維持するために必要であるが、この領域は、実際の無線周波数信号を送受信する役割を担う部分ではないので、全体マッシブ マイモアンテナのサイズを小さくする次元でベース基板310のエッジ510グラウンド領域は最小化することが望ましい。
【0071】
図17は、本発明の一実施例に係るアンテナ装置の最外郭の第2の遮蔽壁の外郭グラウンドを十分に確保した場合を示す第4の比較実施例の斜視図である。
【0072】
図18は、電算模写による第4の比較実施例の交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0073】
図19は、電算模写による第4の比較実施例の主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0074】
図17の遮蔽壁42は、本発明の一実施例に係る最適化した数値の単位隔壁410を適用した場合であり、ベース基板310のエッジ510領域のグラウンド面積は十分に確保した場合を示す。これに対する
図18及び
図19の電算模写結果によると、主偏波アイソレーション特性は−19.8dB、交差偏波アイソレーションは−25dBであり、外郭に位置するアンテナモジュール110の特性が大きく低下していないことがわかる。
【0075】
図20は、本発明の一実施例に係るアンテナ装置の最外郭の第2の遮蔽壁の外郭グラウンドが狭い場合を示す第5の比較実施例の斜視図である。
【0076】
図21は、電算模写による第5の比較実施例の交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0077】
図22は、電算模写による第5の比較実施例の主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0078】
図17の結果と比較して
図20ないし
図22を参照すると、ベース基板310のエッジ510領域のグラウンド面積が非常に狭い場合に、エッジ510に位置するアンテナモジュール110の周波数特性が低下することが確認できる。この場合に、電算模写による主偏波アイソレーション特性は−20.6dB、交差偏波アイソレーションは−17.9dBであり、
図17の場合に対してリターンロス(Return Loss)も5dB低下するものと解釈した。
【0079】
そこで、ベース基板310のエッジ510領域のグラウンド面積は最小化しながらも、隣接するアンテナモジュール110の周波数特性の低下を防止することができる第2の隔壁440の設計仕様を電算模写による最適化プロセスを経て確保した。
【0080】
図23は、本発明の一実施例に係るアンテナ装置の最外郭の第2の遮蔽壁の第2の隔壁を示す概念図である。
【0081】
図23を参照すると、本発明の一実施例に係るアンテナ装置のエッジ510に配置する第2の遮蔽壁43を構成する第2の隔壁440の水平遮蔽部材412は、内部に配置する第1の遮蔽壁42に比べて低い高さを有するように形成する。電算模写による最適化の結果、水平遮蔽部材412は、内部に配置する単位隔壁410の第1の離間高さλ/10よりも低い第2の離間高さとしてλ/15の高さが最も優れた特性を示す。つまり、エッジ510に配置する第2の隔壁440の垂直遮蔽部材414'の長さは、λ/15の高さが望ましい。
【0082】
図24は、本発明の一実施例に係るアンテナ装置の最外郭の第2の遮蔽壁に第2の隔壁を適用した場合を示す概念図である。
【0083】
図25は電算模写による第2の隔壁を適用した、
図24の一実施例の交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0084】
図26は電算模写による第2の隔壁を適用した、
図24の一実施例の主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0085】
図24を参照すると、本発明の一実施例に係る第2の遮蔽壁43の高さは両エッジ510に配置する場合、λ/15の高さを有し、アンテナモジュール110間に配置する場合、λ/10の高さを有するように設定する。
【0086】
図25及び
図26を参照すると、主偏波アイソレーション特性は−19.3dB、交差偏波アイソレーションは−25.1dBであり、外郭に位置するアンテナモジュール110の特性が大きく低下しないことが分かる。
図20の場合と比較すると、水平遮蔽部材412の配置高さをベース基板310により近くに配置することにより、リターンロス(return loss)が5dBに再び改善され、広いグラウンド領域をエッジ510に配置する場合に近いレベルの値を有するものと解釈した。
【0087】
本発明の一実施例に係るアンテナ装置は、アンテナ装置の両側エッジ510に配置する遮蔽壁42の高さを内部に配置する遮蔽壁42に比べて下げることで、全体的なサイズを削減しながらも十分な性能を有するマッシブ マイモアンテナを提供することができる。アンテナ装置の両側エッジ510に配置する第2の遮蔽壁43は、
図15に記述したのと同様に、プリント回路基板上に導電パターン430で第2の隔壁440を形成することで製作することができる。
【0088】
本発明の色んな実施例に係る遮蔽壁42、43は、遮蔽壁42を透過したり、遮蔽壁42、43で反射したビームを減衰する性能に優れた特徴がある。本発明の一実施例に係る単位隔壁410、430を採用した遮蔽壁42、43を使用する場合、アンテナモジュール110の配置をより自由に行うことができる。
【0089】
図27は、リフレクター上にアンテナモジュールを配置する二つの形態を示す概念図である。
【0090】
図1を再び参照すると、アンテナモジュール110の四つの側面をすべて取り囲む形で遮蔽壁920を配置する場合には、
図27の(b)に示すように、アンテナモジュール110の各側面の端が互いに並ぶように碁盤のように配置され、アンテナ装置の全体占有スペースを最小化するように配置する。しかし、本発明の一実施例のように、第2の方向D2にのみ遮蔽壁42が置かれる場合には、交差偏波アイソレーション特性が問題となり、これを回避するために、
図2に示すように配置するのが一般的である。すなわち、
図27の(a)に示すようにチェス盤のグリッドのように、互いに側面エッジがすれ違うように配置する。
【0091】
図28は、本発明の一実施例に係るアンテナ装置のアンテナモジュールが二つの方向に並ぶように配置した場合を示す概念図である。
【0092】
図29は、電算模写による
図28の一実施例の交差偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0093】
図30は電算模写による
図28の一実施例の主偏波アイソレーション特性を示すグラフである。
【0094】
図28を参照すると、一実施例のアンテナモジュール110は、第1の方向D1へのアンテナモジュール110の配置が第2の方向D2に隣接したアンテナモジュール110の配置とすれ違わず、第1の方向D1に並ぶように隣接して配置する。
図28の一実施例は、
図20の第5の比較実施例で、アンテナモジュール110の配置だけを互いに並ぶように配置して変更した場合である。
【0095】
図29及び
図30の電算模写結果によると、主偏波アイソレーション特性は−22.4dB、交差偏波アイソレーションは−20.8dBであり、
図20の主偏波アイソレーションの−20.6dB、交差偏波アイソレーションの−17.9dBに比べてむしろ遮蔽特性が優れていることが確認できる。これは、本発明の一実施例に係る単位隔壁410、430によって、アンテナモジュール110の側面エッジに向かって放射するビームが遮蔽壁42で効果的に減衰され、加えて隣接するアンテナモジュールから放射するビームが遮蔽壁42の位置で位相差等により、効果的に相殺するものと解釈することができる。
【0096】
本発明の一実施例に係る単位隔壁410、430を採用した遮蔽壁42を使用することで、同じ数字のアンテナモジュールをより狭い占有面積を有するように効果的に配置できるという利点がある。また、
図23のように、アンテナ装置のエッジ510には、第2の隔壁440を採用することで、第1の方向D1の大きさも減らすことができるという利点がある。
【0097】
以上の説明は、本実施例の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本実施例の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能である。したがって、本実施例は、本実施例の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例により、本実施例の技術思想の範囲が限定されるものではない。本実施例の保護範囲は次の請求の範囲によって解釈するべきであり、その同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本実施例の権利範囲に含まれるものと解釈するべきである。
【0098】
CROSS−REFERENCE TO RELATED APPLICATION
本特許出願は、本明細書にその全体が参考として含まれる、2018年01月12日付にて韓国に出願した特許出願番号第10−2018−0004286号に対する優先権を主張する。
【国際調査報告】