(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-511860(P2021-511860A)
(43)【公表日】2021年5月13日
(54)【発明の名称】ボルトタイプインプラント
(51)【国際特許分類】
A61C 8/00 20060101AFI20210416BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-540433(P2020-540433)
(86)(22)【出願日】2019年1月15日
(85)【翻訳文提出日】2020年7月16日
(86)【国際出願番号】KR2019000582
(87)【国際公開番号】WO2019143096
(87)【国際公開日】20190725
(31)【優先権主張番号】10-2018-0005796
(32)【優先日】2018年1月16日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】520264014
【氏名又は名称】チャン、ヒ ソン
【氏名又は名称原語表記】JANG,Heesung
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ヒ ソン
【テーマコード(参考)】
4C159
【Fターム(参考)】
4C159AA03
4C159AA16
4C159AA17
4C159AA41
(57)【要約】
既存のインプラントは、フィクスチャー(人工歯根)が顎骨(歯槽骨を含む)と骨癒着して固定されてインプラントが力を受けることができる。したがって、既存のインプラントはフィクスチャーの他に支台柱という部品が別途にあり、支台柱はフィクスチャーが骨癒着するとフィクスチャーにねじで結合されるのが普通である。このため、インプラントの構造が複雑となり、フィクスチャーと支台柱の連結部位が弱くなり得る。また、フィクスチャーの骨癒着時間が長いため施術期間が長くなる。このような既存のインプラントの問題点を解決するために、ボルトタイプインプラントでは、インプラントを支持する力をボルトとナットの結合力によって解決した。そして、フィクスチャーと支台柱を結合して構造を単純にすることによって耐久力を増加させた。さらに、ボルトタイプインプラントは施術したとたんにインプラントを顎骨に固定する力を得るため、インプラントの施術期間を格段に減らすことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用インプラントにおいて、
インプラントを植え込む位置の下顎骨(歯槽骨を含む)に垂直に貫通するように穿孔した孔に挿入できるボルト(12)と顎骨に挿入されたボルトに差し込んでボルトを下顎骨(歯槽骨を含む)に固定できるようにするナット(20)と当該ボルトのボルト頭の上にボルトと一体に形成されてクラウン(人工歯)を連結できるようにする支台柱(11)で構成されたことを特徴とするボルトタイプインプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明であるボルトタイプインプラントの技術分野は歯科用インプラントである。。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景となる技術は既存の歯科用インプラントである。
【0003】
一般に、既存のインプラントは自然歯を代替するためのものであって、まず歯茎を切開して歯槽骨に孔を形成した後、そこに金属からなるフィクスチャー(人工歯根)を植え込み、骨とフィクスチャーがくっつくと(骨癒着という)フィクスチャーに支台柱を結合し、再び支台柱にクラウン(人工歯)を付着してインプラントを完成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存のインプラントは、フィクスチャーが顎骨(歯槽骨を含む)と骨癒着しないとフィクスチャーが固定されないため、フィクスチャーの他に別途の支台柱が必要である。また、フィクスチャーに支台柱を連結するためには通常ねじを利用して連結するが、このためフィクスチャーと支台柱の形が複雑となり、またフィクスチャーと支台柱の連結部位が弱いため故障が発生し得、複雑な構造により細菌の生息が可能であるため感染の可能性も高くなる。
【0005】
また、フィクスチャーの骨癒着でインプラントが固定される力を得るためフィクスチャーにある程度の大きさが必要となり、そのため顎骨を多く削り取らなければならないため顎骨の損傷が大きく、また、歯槽骨が少ないかない人には施術が容易ではない。
そして、フィクスチャーの骨癒着時間が長いためインプラントの施術期間が長くなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記で指摘した既存のインプラントの短所を解決するために、ボルトタイプのインプラントではインプラントを下顎骨(歯槽骨を含む)に固定する方式を、骨癒着ではないボルトとナットの結合力によって解決した。
そして、既存のインプラントのフィクスチャー部分と支台柱部分を一つに結合して構造をより単純にした。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るボルトタイプインプラントの効果は、
【0008】
第1、構造がボルトとナットで構成されて単純であるためインプラントの耐久性が強く、したがって既存のインプラントのフィクスチャーに比べてボルトの直径を小さくしても同一の支持力を得ることができる。
【0009】
第2、既存のインプラントのフィクスチャーに比べてボルトの直径が小さいため、顎骨(歯槽骨を含む)を削り取る量が少なく、したがって顎骨に与える損傷が少ない。
第3、ボルトとナットの結合力によってインプラントが支持されるため、歯槽骨が少ないかない場合にもインプラントの支持力が維持される。
第4、既存のインプラントに比べて構造が単純であるため、細菌感染の可能性が低い。
第5、フィクスチャーの骨癒着時間が不要であるため、施術期間が格段に短い。
【0010】
第6、施術したインプラントに問題が発生してインプラントを除去しなければならない場合、骨癒着した既存のインプラントに比べてボルトタイプインプラントは、構造がボルトとナットで構成されており、体積も小さいため除去が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ボルトタイプインプラントの斜視図。 ボルトタイプインプラントはインプラント本体10とナット20で構成されている。
【
図2】ボルトタイプインプラントを設置するために、ドリルで下顎骨(歯槽骨を含む)に穿孔した孔の断面図。
【0012】
この図において、孔の上部と下部の大きさ(直径)が中間より若干大きいが、その理由は上部にはボルト頭12aが入り、下部にはナット20が入るためである。
【
図3】施術が完成したボルトタイプインプラントの総合的である断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るボルトタイプインプラントはインプラント本体10とナット20で構成されている。
そして、インプラント本体10は支台柱11とボルト12に区分されるが、しかし支台柱とボルトは連結されて一体に形成されている。
支台柱はボルト頭12aの上に連結されて形成されている。
部品の機能は。
ボルトとナットはインプラント全体を下顎骨に固定させる役割をし、支台柱はクラウン(人工歯)をボルトに連結しクラウンを支持する役割をする。
【0014】
図面では支台柱にクラウンを連結する方法を、既存のインプラントの施術時に多く使っている支台柱に接着剤を塗ってクラウンを連結する方式を仮定して、支台柱の形を図示した。
【0015】
しかし、接着剤でクラウンを支台柱に付着させる方法以外に他の方式も考えられ得るが、それは本発明の主題とは関連がなく、ただし、支台柱がいずれの方式であれ、クラウンを連結し支持することさえできればよいので、詳しい説明は省略する。
(実施例)。
ボルトタイプインプラントを施術する手続きを説明すると(図面を参照)、
第1、インプラント本体10とナット20をあらかじめ準備する。
第2、インプラントを施術する位置の歯茎とその下の下顎の皮膚をそれぞれ切開する。
第3、ドリルを使って下顎骨102を垂直に貫通して孔50を穿孔する。そして、穿孔した孔の上部と下部の孔をドリルを使ってもう少し大きく広げる。
その理由は、インプラント本体とナットを設置する時、上部の孔50aにはボルト頭12aが入り、下部の孔50bにはナット20が入るためである。
【0016】
第4、インプラント本体を下顎骨の孔50に上から下へ挿入した後、顎骨の孔の下に突出したボルト胴体の下に形成されたねじ部分にナットを差し込んで締め付ける。
第5、歯茎と顎下の皮膚を縫い合わせる。この時、支台柱の上部は歯茎の外に突出することになる。
第6、クラウンを製作して支台柱に連結するとボルトタイプインプラントの施術が完了する。
【産業上の利用可能性】
【0017】
ボルトタイプインプラントは歯に欠損が生じた患者に自然歯を代替するために利用可能である。
【符号の説明】
【0018】
10:インプラント本体(支台柱とボルトが一体に形成されているものをいう)
11:支台柱
12:ボルト
12a:ボルト頭
12b:ボルト胴体
12ba:ボルト胴体の端に形成されたねじ部分
20:ナット
20a:ナットに形成されている溝(ドライバーでナットを回すときに利用する溝)
30:クラウン(人工歯)
50:ボルトタイプインプラントを挿入するために下顎骨に穿孔した孔
50a:下顎骨に穿孔した孔50のうち、上部の孔の大きさ(直径)を広げてボルト頭12aが入るようにしたところ
50b:下顎骨に穿孔した孔50のうち、下部の孔の大きさ(直径)を広げてナット20が入るようにしたところ
101:歯茎
102:下顎骨(歯槽骨を含む)
103:下顎骨の下の皮膚
【国際調査報告】