特表2021-511861(P2021-511861A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-511861爆風脳傷害、その重症度、爆風震央からの距離の検出、及び脳震盪のより大きいスペクトルに対する分類のための方法及びキット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-511861(P2021-511861A)
(43)【公表日】2021年5月13日
(54)【発明の名称】爆風脳傷害、その重症度、爆風震央からの距離の検出、及び脳震盪のより大きいスペクトルに対する分類のための方法及びキット
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20210416BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20210416BHJP
   A61B 3/113 20060101ALI20210416BHJP
【FI】
   A61B10/00 X
   A61B5/11 120
   A61B10/00 E
   A61B3/113
   A61B10/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2020-540522(P2020-540522)
(86)(22)【出願日】2019年1月25日
(85)【翻訳文提出日】2020年7月22日
(86)【国際出願番号】US2019015245
(87)【国際公開番号】WO2019148003
(87)【国際公開日】20190801
(31)【優先権主張番号】62/622,481
(32)【優先日】2018年1月26日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】519377679
【氏名又は名称】ヘネピン ヘルスケア システム インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】サマダニ ウズマ
(72)【発明者】
【氏名】ビン ザヒド アブドゥラー
【テーマコード(参考)】
4C038
4C316
【Fターム(参考)】
4C038VB04
4C038VC05
4C316AA21
4C316AA30
4C316AB16
4C316FA01
4C316FZ01
(57)【要約】
【課題】視覚刺激を観ている間に実施されて、爆風脳傷害を検出する自動眼球追跡評価分析を提供する。
【解決手段】本開示は、従来の方法よりも高い精度で、爆風による脳傷害の影響を受けている患者を診断するための第1の方法及びシステムを対象とする。この方法及びシステムは、影響を受けていない対象の一致するコホートに対する患者の眼球運動性の分散を評価し、この分散を、1つ又はそれ以上の眼球運動性測定基準に用いて、患者が爆風脳傷害を患っている可能性を示すスコアを計算するための自動化された非侵襲性の方法を含む。スコア(BISと呼ばれる)は、約85%よりも高い感度、75%よりも高い特異性で、影響を受けている対象と、影響を受けていない対象とを識別する。BISのROCAUCは、0.85よりも大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップによって、患者が爆風又は圧力波又は音波に曝露されたかどうかを同定するための方法であって、前記ステップは、
(a)対象の一方の眼の眼球運動を追跡するステップと、
(b)前記対象の一方の眼の眼球運動を分析するステップと、
(c)前記対象を、正常な眼の眼球運動と有意に異なる眼球運動を有すると同定するステップと、
(d)爆風インパクトスコアを計算するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
眼の位置の少なくとも約100,000サンプルが得られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
眼球運動が、視覚刺激に応答して追跡されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
眼球運動が、約30〜約500秒の期間にわたって追跡されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップが、ある時間にわたる瞳孔反射の瞬時角度の2つの成分(水平、垂直)を表す(x,y)値の対を生成及びプロットすることによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップが、視覚刺激によって進められる軌跡を反映するボックスに実質的に類似している図を作成することによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップが、正常者の釣鐘曲線から離れた運動尺度を有する対象を同定することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
対象における爆風又は圧力波又は音波曝露を診断するための方法であって、
a)前記対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと、
b)前記対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと、
c)前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと、
d)前記対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
眼の位置の少なくとも約100,000サンプルが得られることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
眼球運動が、視覚刺激に応答して追跡されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
眼球運動が、約30〜約500秒の期間にわたって追跡されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップが、ある時間にわたる瞳孔反射の瞬時角度の2つの成分(水平、垂直)を表す(x,y)値の対を生成及びプロットすることによって実施されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップが、視覚刺激によって進められる軌跡を反映するボックスに実質的に類似している図を作成することによって実施されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップが、2を上回るzスコアを有する対象を同定することを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
爆風、音波又は圧力波曝露を特徴として備える疾患または状態を検出し、診断し、その進行を監視し、又はそれについてスクリーニングするための方法であって、
a)対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと、
b)対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと、
c)前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと、
d)前記対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記分析するステップは、ある時間にわたるx及びy座標値を生成することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記追跡するステップは、前記対象の眼がスクリーン上の物体を追跡している時に実施されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記物体は、前記スクリーン上にパターンを規定することを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記パターンは、2又はそれ以上のサイクルにわたって繰り返されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記追跡するステップは、前記物体のパターンの1又はそれ以上のサイクルにわたるものであることを特徴とする、請求項17乃至18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
眼球追跡が、前記パターンのセグメントについて分析されることを特徴とする、請求項17乃至18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記物体は、偏菱形を規定し、前記セグメントは、左、右、上、及び下から選択されることを特徴とする、請求項17乃至21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
分析するステップは、ボックスの面積、ボックス高さ、ボックス幅、アスペクト比、ボックスのアスペクト比、セグメント距離、共同性、共同性分散、共同性分散x比上/下、共同性分散y比上/下、共同性分散x比左/右、共同性分散y比左/右、アスペクト比の距離左/右、デルタアスペクトの共同性分散、及びセグメント速度のいずれか1つ又はそれ以上から選択される測定基準を生成することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記測定基準は、x及びyから且つ上、下、左、及び右について選択される共同性分散であることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記測定基準は、共同性分散x上であることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記患者の眼球運動は、カメラによって追跡されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記患者の眼球運動は、前記患者がゴーグルを装着している間に追跡されることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ゴーグルは、複数のモニタ、カメラ、プロジェクタ、及び/又はスクリーンを含むことを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
約10.75を上回る爆風インパクトスコアは、爆風への曝露を示すことを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
患者の爆風への曝露を判定するためのコンピュータ化されたシステムであって、
以下の1つ又はそれ以上に電気的に接続されるバスと、
中央処理装置と、
メモリと、
記憶デバイスと、
入力デバイスと、
出力デバイスと、
通信インタフェースと、
他のコンポーネントと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項31】
眼球運動性を測定するためのアイトラッカーを含むことを特徴とする、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記アイトラッカーは、カメラであることを特徴とする、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
更に、スクリーン、カメラ、プロジェクタ、モニタの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項30乃至31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記アイトラッカーは、ゴーグル又はヘルメットの一部であることを特徴とする、請求項30乃至33のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、自動化された非侵襲性の眼球運動性の評価を用いて、爆風による脳傷害の影響を受けている患者を正確に診断するための第1の方法及びシステムを対象とする。評価は、正常な眼球運動を表示する、影響を受けていない対象(正常者)の一致するコホートに対する患者の眼球運動性の分散を計算することを含む。この分散を、様々な他の要因と一緒に用いて、患者が爆風脳傷害の影響を受けた可能性を示すスコアを計算する。スコア(BIS(爆風インパクトスコア)と呼ばれる)は、約10分未満で計算することができ、約85%よりも高い感度、75%よりも高い特異性で、影響を受けている対象と、影響を受けていない対象(正常者)とを識別する。BISのROCAUCは、0.85よりも大きい。また、患者の傷害の重症度を評価するためのBIS指標も開示される。
【0002】
〔関連出願の相互参照〕
[0002] 本出願は、米国特許法第119条(e)に従って、「METHODS AND KITS FOR DETECTION OF BLAST BRAIN INJURY, ITS SEVERITY, DISTANCE FROM BLAST EPICENTER, AND CLASSIFICATION RELATIVE TO THE LARGER SPECTRUM OF CONCUSSION」という名称の2018年1月26日出願の米国仮特許出願第62/622,481号に対する優先権の利益を主張するものであり、その全体が引用によりここに組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
[0003] 爆風脳傷害は、「目に見えない傷害」と呼ばれてきた。というのは、多くの場合、X線写真で直ちに検出可能な傷害を引き起こさず、血清又は脳脊髄液バイオマーカーの変化は、一過性であるからである。軍人の爆風曝露は、バランス及び平衡、聴力、自己申告の健康、感情及び認知機能の低下に関連する脳傷害を引き起こす。慢性的な爆風脳傷害の結果は、痛み、脳震盪後症候群、うつ病、及び外傷後ストレスの共存症が非常にあり、症候を示す患者は、必ずしも経時的に改善しているわけではない。外傷後ストレスを報告し、爆風に曝露された軍人の解剖は、アストログリアの傷あとを明らかにし、これは、爆風脳傷害の病態生理学の少なくとも1つの態様を示し得る。非軍人の爆風傷害は、女性又は子供(その生理機能は潜在的に傷害の影響を特異に受けやすい可能性がある)の神経学的結果の限定された説明によって、主にその外科的結果を特徴とした。
【0004】
[0004] 爆風の神経学的結果を認識しない場合、潜在的な長期間の影響がある可能性があり、1つのモデルとして、犠牲者は、彼らの傷害を「軽く見て」、後に、友人、家族、コミュニティーから「離れて」、「モーニングコール(注意喚起する出来事)」が、彼らに「助けを借り」させるまで、彼らの状況を「否定する」又は「疑わない」と説明される。脳震盪爆風を有する軍人の大多数は、傷害から5年にわたって、症状の解決ではなく進展を経験した。
【0005】
[0005] 軍は、その遅れた且つ重大な結果を認識して、少なくとも2007年から爆風脳傷害についてスクリーニングしてきた。軍は、それを急性に検出することが困難であるので、「目に見えない傷害」と呼んだ。コンピュータ断層撮影スキャンは、概して陰性であり、拡散テンソル画像は、脳震盪後症候群の患者の白質変化の存在にもかかわらず、多くの患者で陰性である可能性がある。外傷性脳傷害に古典的に関連する脳脊髄液及び血清マーカーは、爆風後の血清バイオマーカーの変化を示すげっ歯類研究にもかかわらず、150近距離榴弾砲又はバズーカ砲の発射への曝露では変化しない。また、炎症を示すサイトカインマーカーも、人間では一時的に上昇するに過ぎない。
【0006】
[0006] 眼球運動性の機能不全は、傷害後離れて及び急性的に、その両方で、爆風傷害を負った軍人において説明された。爆風後に急性的に混乱した検眼尺度として、近垂直斜位が高くなり、近点の虚性融像性輻輳分離の低下、輻輳近点の低下、立体視力の低下、及び実性相対調節の低下がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Akin FW, Murnane OD. Head injury and blast exposure: vestibular consequences. Otolaryngol Clin North Am 2011 ;44(2):323−34, viii.
【非特許文献2】Wares JR, Hoke KW, Walker W, et al. Characterizing effects of mild traumatic brain injury and posttraumatic stress disorder on balance impairments in blast−exposed servicemembers and Veterans using computerized posturography. J Rehabil Res Dev 2015;52(5):591−603.
【非特許文献3】Karch SJ, Capo−Aponte JE, Mcllwain DS, et al. Hearing Loss and Tinnitus in Military Personnel with Deployment−Related Mild Traumatic Brain Injury. US Army Med Dep J 2016(3−16):52−63.
【非特許文献4】Heltemes KJ, Holbrook TL, Macgregor AJ, et al. Blast−related mild traumatic brain injury is associated with a decline in self−rated health amongst US military personnel. Injury 2012;43(12):1990−5.
【非特許文献5】Agoston DV, Kamnaksh A. Modeling the Neurobehavioral Consequences of Blast−Induced Traumatic Brain Injury Spectrum Disorder and Identifying Related Biomarkers. In: Kobeissy FH, ed. Brain Neurotrauma: Molecular, Neuropsychological, and Rehabilitation Aspects. Boca Raton (FL), 2015.
【非特許文献6】Couch JR, Stewart KE. Headache Prevalence at 4−11 Years After Deployment−Related Traumatic Brain Injury in Veterans of Iraq and Afghanistan Wars and Comparison to Controls: A Matched Case−Controlled Study. Headache 2016;56(6):1004−21.
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【非特許文献10】Sandvall BK, Jacobson L, Miller EA, et al. Fireworks type, injury pattern, and permanent impairment following severe fireworks−related injuries. Am J Emerg Med 2017.
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【非特許文献20】Cifu DX, Hoke KW, Wetzel PA, et al. Effects of hyperbaric oxygen on eye tracking abnormalities in males after mild traumatic brain injury. J Rehabil Res Dev 2014;51 (7):1047−56.
【非特許文献21】Magone MT, Kwon E, Shin SY. Chronic visual dysfunction after blast−induced mild traumatic brain injury. J Rehabil Res Dev 2014;51 (1):71 −80.
【非特許文献22】Capo−Aponte JE, Tarbett AK, Urosevich TG, et al. Effectiveness of computerized oculomotor vision screening in a military population: pilot study. J Rehabil Res Dev 2012;49(9):1377−98.
【非特許文献23】Goodrich GL, Flyg HM, Kirby JE, et al. Mechanisms of TBI and visual consequences in military and veteran populations. Optom Vis Sci 2013;90(2) :105−12.
【非特許文献24】Capo−Aponte JE, Urosevich TG, Temme LA, et al. Visual dysfunctions and symptoms during the subacute stage of blast−induced mild traumatic brain injury. Military medicine 2012;177(7):804−13.
【非特許文献25】Capo−Aponte JE, Jorgensen−Wagers KL, Sosa JA, et al. Visual Dysfunctions at Different Stages after Blast and Non−blast Mild Traumatic Brain Injury. Optom Vis Sci 2017 ;94(1 ) :7−15.
【非特許文献26】Samadani U, Farooq S, Ritlop R, et al. Detection of third and sixth cranial nerve palsies with a novel method for eye tracking while watching a short film clip. J Neurosurg 2015;122(3):707−20.
【非特許文献27】Kolecki R, Dammavalam V, Bin Zahid A, et al. Elevated intracranial pressure and reversible eye−tracking changes detected while viewing a film clip. J Neurosurg 2017:1 −8.
【非特許文献28】Samadani U, Ritlop R, Reyes M, et al. Eye tracking detects disconjugate eye movements associated with structural traumatic brain injury and concussion. J Neurotrauma 2015;32(8):548−56.
【非特許文献29】Kawoos U, Gu M, Lankasky J, et al. Effects of Exposure to Blast Overpressure on Intracranial Pressure and Blood−Brain Barrier Permeability in a Rat Model. PLoS One 2016;11 (12):e0167510.
【非特許文献30】Feng K, Zhang L, Jin X, et al. Biomechanical Responses of the Brain in Swine Subject to Free−Field Blasts. Front Neurol 2016;7:179.
【非特許文献31】Kawoos U, Meng X, Huang SM, et al. Telemetric intracranial pressure monitoring in blast−induced traumatic brain injury. IEEE Trans Biomed Eng 2014;61 (3) :841 −7.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[0007] 爆風脳傷害の正確、迅速、且つ簡単な診断の開発は、傷害を負った対象の同定を可能にし、傷害の繰り返しの防止のための迅速な介入、及び治療法の開発を可能にする。本明細書では、視覚刺激を観ている間に実施されて、爆風脳傷害を検出する自動眼球追跡評価分析について、説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】爆風傷害を負った対象と、TBI(外傷性脳傷害)の以前の履歴を有さない個人とを識別するための爆風インパクトスコアの受信者動作曲線(ROC)を示す図である。曲線の下の領域は、0.83であった。
図2】実施例で検討する爆風現場のマップである。三角形は震央を示し、×は2人の死者を示す。番号を付した円は、BISスコアを示し、表2と相関する。
図3】開示されるアルゴリズム、方法、及びシステムと共に用いられるコンピュータシステムの一実施形態の図である。
図4】開示される方法の一実施形態に含まれるステップの概略を示す図である。
図5】以前のTBIを有する人を含む正常で健康な傷害を負っていない対象と、TBIを有さない健康で傷害を負っていない対象と、この研究で爆風に曝露された患者との差異を示す表である。
図6】スポーツ脳震盪評価ツールによって試験された、爆風インパクトスケールスコア対症状の重症度を示す散布図である。爆風からの距離は、円の種類で示される。
図7】爆風インパクトスケールスコア対年齢を示す散布図である。爆風からの距離は、円の種類で示される。
図8】男性の爆風インパクトスケールスコア対年齢を示す散布図である。爆風からの距離は、円の種類で示される。
図9】女性の爆風インパクトスケールスコア対年齢を示す散布図である。爆風からの距離は、円の種類で示される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0018] 本明細書では、爆風脳傷害の自動化された非侵襲性の診断のためのアルゴリズム、方法、及びシステムを開示する。多くの実施形態では、本開示は、脳震盪爆風に曝露された可能性がある患者の爆風脳傷害を診断する方法を対象とする。いくつかの実施形態では、方法は、1つ又はそれ以上の刺激に応答して患者の眼球を測定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、患者がビデオを観察している間に、患者の眼球の運動を監視することを含むことができる。多くの実施形態では、患者の眼球運動が測定され、アルゴリズムを用いて、1つ又はそれ以上の測定値からスコアを計算して、神経傷害のレベルを評価することができる。
【0011】
[0019] 眼球追跡の肉眼観察は、頭蓋内腫瘤効果及び頭蓋内圧の変化を検出するのに役に立つが、僅かな変化を見逃す可能性がある。本出願人らは、自動化された非侵襲性の眼球追跡が、爆風脳傷害を診断するのに役に立つことに、驚きを持って気が付いた。具体的には、自動眼球追跡デバイスによって検出可能である、眼球運動性の混乱の追跡及び記録は、爆風に曝露された対象において同定された。いくつかの場合、対象は、爆風脳傷害の臨床的な徴候及び症状を示した。以下、実施例の項で、学校で天然ガス爆発に曝露された36人の主に女性及び子供の生存者で実施された前向き観察研究について説明する。
【0012】
[0020] 眼球運動性測定基準を用いて、患者すなわち試験対象が爆風に曝露されて、神経損傷を患っている可能性を判定することができる。多くの実施形態では、モニタが、移動画像を表示し、患者の眼球運動(単眼及び/又は両眼、空間及び時間)は、画像を眼で追っている間に追跡及び記録される。患者は、患者のあご及び/又は額のサポートを用いて、モニタから固定された距離とすることができるか、又は患者の頭は自由に動くことができる。多くの場合、物体が、より大きい目視領域内に表示されて、患者の注意及び注視が、静的フィールド内の移動物体に向けられるようになっている。多くの実施形態では、物体は、目視領域のサイズの近似的に1/8のサイズの小さいウィンドウとすることができる。多くの実施形態では、目視領域は、モニタである。小さいウィンドウは、興味深いビデオを再生して、患者の注意をひくことができる。より大きいウィンドウは、主に、静的、無次元又はブランクの背景とすることができる。小さいウィンドウは、大きいウィンドウ内に、正方形、矩形、多角形、円、偏菱形、又は四辺形などの形状を描くことができる。大部分の実施形態では、形状は、2つ又はそれ以上のセグメントを有すると説明することができ、例えば、正方形は、上部、下部、左側、及び右側のセグメントを有すると定義することができ、円は、左半分及び右半分、又は上半分及び下半分のセグメントを有すると定義することができる。多くの実施形態では、形状は、2、3、4又はそれ以上のセグメントを形成することができる。多くの実施形態では、小さいウィンドウは、より大きいウィンドウ又はモニタの外縁に沿って移動することができる。追跡される眼球測定基準は、面積、高さ、幅、長さ、半径、深さ等の1つ又はそれ以上を含むことができる。いくつかの実施形態では、小さいウィンドウがボックスを描く場合、測定基準は、ボックスの面積、ボックス高さ、等である。大部分の実施形態では、別個の測定基準が、患者の眼(右及び左)の各々について追跡される。添付した「アイボックスCNA測定基準」(「付録」)と題する付録は、説明される方法のいくつかの実施形態で用いられる種々の計算及び測定の定義及び説明を含む。開示される定義及び説明は、本発明で説明される方法及びシステムの範囲を限定することを意図するものではない。開示される方法及びシステムと共に用いられる測定基準は、付録で説明される測定基準のいずれか1つ又はそれ以上とすることができ、その全体が組み込まれる。例えば、測定基準は、ボックス高さ、ボックス幅、アスペクト比、ボックスのアスペクト比、ボックスの面積、セグメント距離、共同性、共同性分散、共同性分散x比上/下、共同性分散y比上/下、共同性分散x比左/右、共同性分散y比左/右、アスペクト比の距離左/右、デルタアスペクトの共同性分散、及びセグメント速度のいずれか1つ又はそれ以上の平均、中央値、分散、標準偏差、歪度、又は正規化された歪度とすることができる。
【0013】
[0021] 眼球追跡データ収集は、効率的且つ迅速であることができる。いくつかの実施形態では、爆風脳傷害を評価するのに十分な眼球追跡データは、約15分、10分、9分、8分、7分、6分、5分、4分、3分、2分、又は1分未満、且つ約30秒、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、又は10分超で収集することができる。多くの実施形態では、患者の眼球運動は、約2.5分にわたって追跡される。
【0014】
[0022] 患者すなわち試験対象の眼球測定基準は、対照対象の一致する集団のそれと比較することができる。多くの実施形態では、対照対象は、脳震盪脳傷害の履歴を有さず、患者と一致する人口統計学的な特性を有することができる。いくつかの実施形態では、特性は、年齢及び性別を含むことができる。多くの実施形態では、対照対象に対する患者の測定基準の分散を計算することができる。付録で説明される測定基準のいずれか1つ又はそれ以上の分散を計算することができる。いくつかの実施形態では、計算された分散は、全左眼、全右眼、及び共同性運動、ボックスの面積、ボックス高さ等の1つ又はそれ以上を含むことができる。多くの実施形態では、計算された分散は、conj varXtopである(例えば、付録の式109を参照)。
【0015】
[0023] 対象が爆風に曝露された可能性は、数字又はスコア−爆風インパクトスコア(BIS)として表すことができる。BISは、年齢、性別、及び測定された測定基準の1つ又はそれ以上からの分散に基づいて、計算することができる。多くの実施形態では、BISに含まれる測定基準は、conj varXtopである。多くの実施形態では、BISの式は、以下の通りである:
【0016】
[0024] 高いBISは、爆風への曝露、及び外傷性脳傷害の存在を示すことができる。多くの実施形態では、約10.75よりも大きい又はこれに等しいBISは、爆風傷害について陽性であると考えることができ、より高いBIS値は、より重症な傷害を示す。
【0017】
[0025] いくつかの実施形態では、爆風患者と対照とを識別するためのBISのROCAUC、感度及び特異性は、高い。多くの実施形態では、BISは、約0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、及び0.0975よりも大きい、且つ約0.995、0.95、0.90、0.85、0.80、0.75、0.70、0.65、及び0.60よりも小さいROCAUCを有することができる。いくつかの好ましい実施形態では、BISは、約0.835のROCAUCになることができる。いくつかの実施形態では、BISの感度は、約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は97%よりも大きく、且つ約100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、又は60%よりも小さくすることができる。いくつかの好ましい実施形態では、感度は、約86.4%である。いくつかの実施形態では、BISの特異性は、約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は97%よりも大きく、且つ約100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、又は60%よりも小さくすることができる。いくつかの好ましい実施形態では、感度は、約77.4%である。
【0018】
[0026] BISは、患者の爆風震央からの距離と相関することもできる。いくつかの実施形態では、BISの爆風震央からの距離との相関は、約0.6、0.7、又は0.8よりも大きく、例えば約0.731である。
【0019】
[0027] 多くの実施形態では、開示される自動化された非侵襲性の技術、方法、及びシステムを用いる爆風脳傷害の検出は、爆風傷害の影響を受けた対象の早期同定を可能にすることができる。この同定は、患者を繰り返される曝露から保護する、及び/又は治療法を開発して爆風脳傷害の患者を治療するのに役に立つことができる。
【0020】
[0028] 開示されるアルゴリズム、方法、及びシステムは、デジタルコンピュータシステムに実装することができる。このようなシステムの一実施形態は、図1に示されている。このようなデジタルコンピュータは、当技術分野において周知であり、中央処理装置の1つ又はそれ以上と、メモリ及び/又は記憶装置の1つ又はそれ以上と、1つ又はそれ以上の入力デバイスと、1つ又はそれ以上の出力デバイスと、1つ又はそれ以上の通信インタフェースと、データバスとを含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリは、RAM、ROM、ハードディスク、光学ドライブ、リムーバブルドライブ等とすることができる。いくつかの実施形態では、記憶装置は、開示されるシステムに含むこともできる。いくつかの実施形態では、記憶装置は、システム内に遠隔的に統合することができるメモリに類似することができる。
【0021】
[0029] 開示されるシステムは、更に、少なくとも1つの出力デバイス、例えば、1つ又はそれ以上のモニタ、ディスプレイユニット、ビデオハードウェア、プリンタ、スピーカ等を含むことができる。大部分の実施形態では、少なくとも1つの出力デバイスは、診断ビデオを観るためのモニタである。1つ又はそれ以上の入力デバイス、例えば、ポインティングデバイス(例えば、マウス)、テキスト入力デバイス(例えば、キーボード)、タッチスクリーン、カメラ等を含むこともできる。大部分の実施形態では、少なくとも1つの入力デバイスは、患者の眼球運動を監視するためのカメラである。いくつかの実施形態では、カメラは、ウェブカメラとすることができる。様々な実施形態では、カメラは、ウェアラブルデバイス、例えば、ヘルメット又はゴーグルの一部とすることができる。更なる実施形態では、ヘルメット又はゴーグルは、スクリーン、プロジェクタ、モニタ又は他のデバイスなどの1つ又はそれ以上のディスプレイデバイスを含むこともできる。
【0022】
[0030] 開示されるシステムは、更に、LANネットワークアダプタ、WANネットワークアダプタ、無線インタフェース、Bluetoothインタフェース、モデム、及び他のネットワークインタフェースなどの少なくとも1つの通信インタフェースを含むことができる。
【0023】
[0031] 開示されるシステムは、更に、開示されるシステムの様々な部分の間の通信のための1つ又はそれ以上のデータバス、例えば、入力/出力バス及びバスコントローラを含むことができる。
【0024】
[0032] いくつかの実施形態では、開示されるシステムは、1つ又はそれ以上の分散コンピュータを含むことができ、限定するわけではないが、特に、C、C++、COBOL、Java、FORTRAN、Python、Pascalを含む様々なタイプのソフトウェア言語で実装することができる。当業者は、様々なソフトウェアソースコードを、開示されるシステムと共に用いられる実行可能ソフトウェアにコンパイルすることができる。
【0025】
[0033] 図4は、開示されるシステムの一実施形態のフロー図を示す。この方法では、患者が、試験の候補として同定され;患者の眼球運動性が分析されて、値が記録され;次に、患者の記録された値は、影響を受けていない対象(正常者)の年齢及び性別が一致するコホートと比較され;コホートに対する患者の値の分散が、少なくとも1つの測定基準について計算され;本開示のアルゴリズムを用いて、患者の年齢、性別、及び少なくとも1つの測定基準分散を用いて、BISを計算し;計算されたBISが約10.75よりも小さい場合、患者は、爆風脳傷害を有さず;BIS値が約10.75よりも大きい場合、患者に、治療を開始するか又は再傷害を回避するようにアドバイスする。
【実施例】
【0026】
(実施例1)
[0034] 近似的に70人の民間人の子供及び成人が、学校で天然ガス爆発に偶発的に曝露された。2人が現場で死亡し、6人が病院で評価された。入院した人のうち4人を含む36人の対象が、この調査に参加することに同意した。これらの爆風対象は、ステートフェアで採用された561人の対照の中から選択された、年齢及び性別が一致するコホートと比較された。
【0027】
[0035] 自動眼球追跡測定基準が、輻輳近点、両眼調節幅、及びSCAT3サブセットと一緒に測定された。
【0028】
方法:
[0036] この調査は、IRB承認を受け、書面によるインフォームドコンセントが、全ての参加者又は彼らの保護者から、18歳未満の子供からの同意と共に、得られた。
【0029】
1.組入及び除外基準
[0037] 爆風生存者が、病院で爆風傷害の評価中に参加を持ちかけられたときに興味を示した場合、又は爆発の2日後に示された爆風脳傷害についての情報説明を聴いた後に志願した場合のいずれかにおいて、研究に登録された。全員が、爆発時に爆風過圧力波インパクトを経験したことを言及した。患者の眼科学的及び神経学的病歴が取得された。1人の生存者が、眼を開けることを妨げる広範な共存症状により、除外された。
【0030】
[0038] 対照は、「ヘルシー・ブレイン・イニシアティブ(Healthy Brain Initiative)」と題するステートフェアブースで採用された。通りかかる人に、調査が実施される目的が、脳傷害履歴及びインパクトを評価することであると知らせた。興味を持った対象は、インフォームドコンセントが得られた後、研究の任意の部分(脳傷害履歴スクリーニング、眼球追跡、スポーツ脳震盪評価ツール−V3[SCAT3]及び/又はNIHツールボックス評価)に参加するように勧められた。
【0031】
2.脳震盪評価及び眼球追跡
[0039] 爆風生存者は、SCAT−3のサブセット、すなわち、グラスゴーコーマスケール(GCS)と、症状チェックリスト(SC)からの症状総数(TNS)及び症状重症度スコア(SSS)と、認知の標準化された評価(SAC)とを用いて、評価される。輻輳近点は、患者に、輻輳ルーラで眼から40cmから患者の顔に向けてゆっくり移動させた対数視力(logMAR)テキストのプリントの20/30コラムの文字に焦点を合わせるように頼むことによって、評価された。患者がぼんやりと見た点が、両眼調節幅(BAA)として、センチメートル単位で記録された。次に、テキストを、文字が二重に見えるまで、BAAから前方に移動させた。顔からの距離は、センチメートル単位で測定され、輻輳近点(NPC)として記録される。
【0032】
[0040] 眼球追跡が、220秒の時間にわたって、コンピュータモニタから55cmの固定された距離で、Eyelink1000アイトラッカーを用いて実施された。距離は、目視モニタ及びカメラのベースに取り付けられたチンレストによって固定された。各対象を着席させて、モニタの高さを対象のあごに調節した。視覚刺激は、ミュージックビデオシャキーラのワカワカ、ケイナーンのウェイヴィン・フラッグ、テネシーNCAAフットボール・ヒストリー、フェラーリのトップギア・クリップ、又はディズニービデオであった。ビデオは、スクリーンサイズの近似的に1/8の面積を有する正方形アパーチャ内で、それぞれ40秒の5つの完全なサイクルにわたって、1辺当たり10秒の速度で、矩形(アスペクト比4:3)の目視モニタの外縁に沿って時計回りに移動させながら連続的に再生した。18歳未満の参加者には、長靴をはいた猫及びライオンキングに限定してディズニービデオを見せた。
【0033】
3.統計
[0041] 統計分析が、社会科学のための統計パッケージ(SPSS統計バージョン24、IBM社、ニューヨーク州、アーモンク)を用いて行われた。年齢及び性別の記述統計が、各グループについて計算された。眼球追跡測定基準、SCAT3症状チェックリストからの症状重症度スコア(SSS)及び患者のグループの散布図を作成することによって、予備データ分析が行われた。次に、年齢及び性別が一致するサンプルが、対照から抜き出され、対照と爆風対象との間の眼球追跡測定基準の差異が、非正規分布を有する対応のあるデータ間の検定を可能にするウィルコクソンの符号順位検定を用いて検定された。
【0034】
[0042] 次に、モデル、すなわち、爆風インパクトスコア(BIS)が、複数のロジスティック回帰を用いて作成され、一方、年齢及び性別について調整して爆風のインパクトを予測した。爆風時に屋内にいた対象が、TBIの以前の履歴を有さない対照と比較された。モデルの受信者動作曲線の下の領域、感度及び特異性が計算されて、モデル精度を評価した。
【0035】
[0043] 次に、モデルは、更に、爆風現場からの距離に対する全ての爆風対象について試験された。我々は、距離を、人の距離及び人が屋内にいたか否かを考慮した4レベルの序数変数として扱った。レベルは、(1)屋内であり爆風の震央に最も近い、(2)屋内であるが爆風からより遠い、(3)屋外であり爆風に曝露された、及び(4)爆風に曝露されていない対照、である。スピアマン相関を用いて、BISと爆風への曝露の重症度との関連を試験した。最後に、結果を理解しやすいように示すために、我々は、各対象の位置に対応する各対象のBISを用いて、マップを作成した。
【0036】
結果:
[0044] 6人の爆風生存者が、病院に連れて行かれた。1人は、6のGCSを有し、挿管され、整形外科及び血管傷害の緊急手術を受けた。残りの5人は、全て、15のGCSを有し、これらの5人のうち1人のみが、現場での意識の一過性の喪失を報告した。他の報告された神経学的症状は、患者1人ずつに、頭痛、裂傷による頭皮痛、眩暈及び不安であった。これらの5人の患者のうち、2人が、傷害当日の脳震盪評価及び眼球追跡に採用され、2人が、その後の数日内に評価のために戻った。5人目は、調査の参加を断った。
【0037】
[0045] 追加の32人の生存者は、現場で意識の喪失又は神経学的傷害を否定したが、爆発後3〜9日で評価のために研究室に現れた。
【0038】
[0046] 眼球追跡を用いて研究室で評価を受けた36人の爆風に曝露された対象(年齢(平均±sd)=35.6±17.5、13〜70歳の範囲、女性23人)が、ウィルコクソンの符号順位検定を用いて、爆風に曝露されていない合計574人のコミュニティー対照(年齢(平均±sd)=48.2±19.6、5〜90歳の範囲、女性388人)から得られた36人の年齢及び性別が一致する対照と比較された。5つの眼球追跡測定基準が、爆風生存者と、年齢及び性別が一致するランダムに選択された対照との間で、有意に異なる。これらの測定基準は、中央値ボックス高さ(左眼)(p=.018)、left var Xleft(p=.029)、right var X left(p=.030)、左ボックスの面積(.035)、及び右ボックスの面積(.048)を含んだ(表1)。爆風に最も近接して屋内にいた生存者(N=12;(平均±sd)=48.7±12.5、30〜68歳の範囲、女性8人)が、左眼全分散(p=.016)、右眼全分散(p=.016)及びconj var Y bot(p=.028)測定基準において、最も有意な差異を有した。また、Left var Xleftは、症状重症度(スピアマンの相関係数=0.433)と相関していた。臨床的な動眼機能不全の2つの臨床的な尺度、すなわち、輻輳近点及び両眼調節幅は、爆風に曝露された患者対それと年齢及び性別が一致する対照において、有意に異ならなかった(それぞれ、p=0.582及び0.859)。
【0039】
[0047] 表1:爆風インパクトスコア−モデルパラメータ
【表1】
【0040】
[0048] モデルを作成して爆風の重症度を予測するために、建物内の対象(N=22;女性17人)が、ロジスティック回帰を用いて、TBIの以前の履歴を有さない対照(N=306;女性120人)と比較された。得られたモデルは、以下のように表すことができるスコア、すなわち、爆風インパクトスコア(BIS)をもたらした。
【0041】
[0049] Blast_lmpact_Score = exp(y) / (1 + exp(y)) * 100
【0042】
[0050] ここで、
【0043】
[0051] y = −2.569133882 + 0.01245639 * age −0.517373229*gender + 16.57131011 * conjvarXtop + 0.057694955*age*gender −2060.801989*gender* conjvarXtop
【0044】
[0052] 性別は、男性の場合は1、女性の場合は0であった。得られたBISは、10.75よりも大きい又はこれに等しい場合、爆風傷害について陽性であると考えられる。より高い数が、より悪いBISを示す。更なるモデルの詳細は、以下、表1に示す。
【0045】
[0053] BISは、0.835のAUC(95%C.l.=0.773〜0.897;図1)、86.4%の感度及び77.4%の特異性をもたらして、爆風患者と対照とを識別した。また、BISは、爆風の震央からの距離と相関しており(スピアマン相関=0.731;p値<0.001;図1、表3)、最も高いレベルが、屋内で爆風に最も近い個人に示され、次は屋内であるが爆風から離れている個人、次は屋外で爆風に曝露された個人であった。
【0046】
[0054] 表2−爆風インパクトスコア(BIS)の順にランク付けされた個人。表は、両眼調節幅(BAA)、輻輳近点(NPC)、症状重症度スコア(SSS)、認知の標準化された評価(SAC)、症状総数(TNS)及び爆風と評価との間の日数の値を示す。マップIDは、図1の識別番号を示す。
【表2】
【0047】
考察:
[0055] 爆風脳傷害は、人間及び動物モデルにおいてICP(頭蓋内圧)の上昇を引き起こす29 30。1つのラットモデルが、爆風後1〜3時間でICPの上昇を示し、次に2日後に示した31。したがって、爆風に曝露された人間は、上昇したICPと相関する眼球追跡の変化を有する可能性がある27。ICPの変化によってインパクトを受けた測定基準の2つ、すなわち、右及び左ボックスの面積が、爆風生存者において、年齢及び性別が一致する対照に対して、混乱していた。
【0048】
付録−アイボックスCNS測定基準
1 一般的な定義
瞳孔位置の未処理のx及びyデカルト座標が収集され、一次元ベクトルで記憶される:
【数1】
【0049】
x及びy軸に沿った瞳孔の未処理の速度が収集され、それぞれ、以下に示すように、一次元ベクトルu及びvで記憶される:
【数2】
【0050】
このデータは、以下の形式によって正規化される:
【数3】
【0051】
指数iは、個々のデータ点に対応する。iのサイズは、眼球追跡ハードウェアのキャプチャ頻度及び追跡の時間に依存する。これらの点の各々の間の距離は、以下のように計算することができる:
【数4】
【0052】
その間隔の間の瞳孔の速度は、以下のように計算することができる:
【数5】
【0053】
次いでデータは、眼(j=1:2、左、右)、サイクル(現在の刺激方法は、5つのサイクルにわたってコンピュータスクリーンを動き回るアパーチャを特徴として備える)(k=1:5、第1、第2、第3、第4、第5)、及びボックスセグメント(l=1:4、上、右、下、左)によって分類される。各j、k、lは、その自己のデータ点nを有し、そのサイズもハードウェアの追跡頻度及び時間長によって支配されることが暗黙である。
【数6】
【0054】
1.1 平均サイクル
平均サイクルx’、y’、u’及びv’は、全ての5つのサイクルにわたって値を平均することによって算出することができる:
【数7】
【0055】
これは、5つのサイクルkの算術平均に対応する。
【0056】
2 個々の測定基準
2.1 セグメントの平均
【数8】
【0057】
全てのj、kについての各セグメントlに対する全てのデータ点の算術平均に対応する。結果は、各セグメントlを表す1つの数値である。
【0058】
2.2 セグメントの中央値
【数9】
【0059】
全てのj、kについての各セグメントlに対する全てのデータ点の統計的中央値に対応する。結果は、各セグメントlを表す1つの数値である。
【0060】
2.3 セグメントの分散
【数10】
【0061】
全てのj、kについての各セグメントlに対する全てのデータ点の統計的分散に対応する。結果は、各セグメントlを表す1つの数値である。それは、平均サイクルについても算出することができる。
【数11】
【0062】
2.3.1 特定の測定基準
【数12】
【0063】
2.4 セグメントの標準偏差
【数13】
【0064】
全てのj、kについての各セグメントlに対する全てのデータ点の統計的標準偏差に対応する。結果は、各セグメントlを表す1つの数値である。
【0065】
2.5 セグメントの歪度
【数14】
【0066】
ここでの歪度は、統計的歪度に対応しない。ここでの歪度は、「平均が」全てのj、kについての各セグメントlに対する全てのデータ点の「中央値からどのぐらい遠くにあるか」を計算する。結果は、各セグメントlを表す1つの数値である。
【0067】
2.5.1 特定の測定基準
【数15】
【0068】
2.6 セグメントの正規化された歪度
【数16】
【0069】
2.6.1 特定の測定基準
【数17】
【0070】
2.7 ボックス高さの平均
【数18】
【0071】
2.7.1 左高さの平均
【数19】
【0072】
2.7.2 右高さの平均
【数20】
【0073】
2.8 ボックス高さの中央値
【数21】
【0074】
2.8.1 左ボックス高さの中央値
【数22】
【0075】
2.8.2 右ボックス高さの中央値
【数23】
【0076】
2.9 ボックス幅の平均
【数24】
【0077】
2.9.1 左ボックス幅の平均
【数25】
【0078】
2.9.2 右ボックス幅の平均
【数26】
【0079】
2.10 ボックス幅の中央値
【数27】
【0080】
2.10.1 左ボックス幅の中央値
【数28】
【0081】
2.10.2 右ボックス幅の中央値
【数29】
【0082】
2.11 ボックスのアスペクト比の平均
【数30】
【0083】
2.11.1 左ボックスのアスペクト比の平均
【数31】
【0084】
2.11.2 右ボックスのアスペクト比の平均
【数32】
【0085】
2.12 ボックスのアスペクト比の中央値
【数33】
【0086】
2.12.1 左ボックスのアスペクト比の中央値
【数34】
【0087】
2.12.2 右ボックスのアスペクト比の中央値
【数35】
【0088】
2.13 ボックスの面積の平均
【数36】
【0089】
2.13.1 左ボックスの面積の平均
【数37】
【0090】
2.13.2 右ボックスの面積の平均
【数38】
【0091】
2.14 ボックスの面積の中央値
【数39】
【0092】
2.14.1 左ボックスの面積の中央値
【数40】
【0093】
2.14.2 右ボックスの面積の中央値
【数41】
【0094】
2.15 セグメント距離
セグメント距離は、そのセグメントの各単位時間の間に移動した距離を加算することによって計算される。
【数42】
【0095】
平均サイクル(5つのサイクルを平均することによってデータ点が得られるサイクル)のセグメント距離は、以下のように表すことができる:
【数43】
【0096】
2.15.1 特定の測定基準
【数44】
【0097】
2.16 共同性
5つのサイクル及びその平均サイクルを一緒に平均して(6つのサイクルが平均されていることに注意されたい)、以下を与える:
【数45】
【0098】
次いで、右眼からのデータを左眼から減じ、デルタ値を得る:
【数46】
【0099】
ここで、lは、ボックスの上、右、下、及び左のセグメントに対応する。
【0100】
i又yiの欠損データは、NaNとして扱われる。非欠損座標の総数は、以下のように計算することができる:
【数47】
【0101】
したがって、NonMissingX又はNonMissingYは、全ての非nan値の和の代わりに、全ての非nan値のCOUNTを表す。
【0102】
2.17 分散(共同性)
ここでの分散は、統計的分散の伝統的な形式に従わない。伝統的な形式では、データ点の平均が個々のデータ点の和から減じられる。本ケースでは、平均は、強制的にゼロにされ、したがって、仮定の対照患者は完全な共同性を有する(左眼及び右眼が正確に一緒に移動する)ことを推論する。
【数48】
【0103】
2.17.1 特定の測定基準
【数49】
【0104】
上記の式では、セグメント番号1
における全ての個々の瞳孔のx座標位置が、それらをNonMissingX(l=1)で除算する前に2乗した後、加算される。これは、この項の以下の全ての式についても当てはまる。
【数50】
【0105】
2.18 分散x比上/下(共同性)
【数51】
【0106】
2.19 分散y比上/下(共同性)
【数52】
【0107】
2.20 分散x比左/右(共同性)
【数53】
【0108】
2.21 分散y比左/右(共同性)
【数54】
【0109】
2.22 左/右眼のアスペクト比の差
【数55】
【0110】
2.23 Δアスペクトの分散(共同性)
【数56】
【0111】
2.24 セグメント速度
セグメント速度は、そのセグメントの間の各単位時間の平均速度であり、以下のように表すことができる:
【数57】
【0112】
平均サイクル(5つのサイクルを平均することによってデータ点が得られるサイクル)のセグメント速度は、以下のように表すことができる:
【数58】
【0113】
2.24.1 特定の測定基準
【数59】
【0114】
[0087] 複数の実施形態が開示されるが、本発明の更に他の実施形態は、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。明らかなように、本発明は、様々な明らかな態様における変更が可能であり、その全ては、本発明の精神及び範囲から逸脱するものではない。したがって、詳細な説明は、本来例示的なものとみなされるべきであり、限定的なものとみなされるべきではない。
【0115】
[0088] 本明細書に開示される全ての参考文献は、特許文献であれ非特許文献であれ、各々があたかもその引用に含まれるかのようにその全体がここに引用により組み込まれるものとする。参考文献と明細書との間に矛盾が生じる場合には、定義を含む本明細書が支配することになる。
【0116】
[0089] 本開示をある程度詳細に説明してきたが、本開示は例示としてなされたものであり、添付の特許請求の範囲に定義する本開示の精神から逸脱することなく、詳細又は構造の変更を行うことができることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2020年7月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップによって、患者が爆風又は圧力波又は音波に曝露されたかどうかを同定するための方法であって、前記ステップは、
(a)対象の一方の眼の眼球運動を追跡するステップと、
(b)前記対象の一方の眼の眼球運動を分析するステップと、
(c)前記対象を、正常な眼の眼球運動と有意に異なる眼球運動を有すると同定するステップと、
(d)爆風インパクトスコアを計算するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
眼の位置の少なくとも約100,000サンプルが得られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
眼球運動が、視覚刺激に応答して追跡されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
眼球運動が、約30〜約500秒の期間にわたって追跡されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップが、ある時間にわたる瞳孔反射の瞬時角度の2つの成分(水平、垂直)を表す(x,y)値の対を生成及びプロットすることによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップが、視覚刺激によって進められる軌跡を反映するボックスに実質的に類似している図を作成することによって実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップが、正常者の釣鐘曲線から離れた運動尺度を有する対象を同定することを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
対象における爆風又は圧力波又は音波曝露を診断するための方法であって、
a)前記対象の両方の眼の眼球運動を追跡するステップと、
b)前記対象の両方の眼の眼球運動を分析するステップと、
c)前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップと、
d)前記対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
眼の位置の少なくとも約100,000サンプルが得られることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
眼球運動が、視覚刺激に応答して追跡されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
眼球運動が、約30〜約500秒の期間にわたって追跡されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップが、ある時間にわたる瞳孔反射の瞬時角度の2つの成分(水平、垂直)を表す(x,y)値の対を生成及びプロットすることによって実施されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記対象の第1の眼の眼球運動を前記対象の第2の眼の眼球運動と比較するステップが、視覚刺激によって進められる軌跡を反映するボックスに実質的に類似している図を作成することによって実施されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記対象を、第2の眼の眼球運動と有意に異なる第1の眼の眼球運動を有すると同定するステップが、2を上回るzスコアを有する対象を同定することを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記追跡するステップは、前記対象の眼がスクリーン上の物体を追跡している時に実施され、前記追跡するステップは、前記物体のパターンの1又はそれ以上のサイクルにわたるものであり、眼球追跡が、前記物体のパターンのセグメントについて分析されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【国際調査報告】