特表2021-512027(P2021-512027A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-512027(P2021-512027A)
(43)【公表日】2021年5月13日
(54)【発明の名称】衛生的な磁気トレイおよびコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B65G 54/02 20060101AFI20210416BHJP
   B65G 21/22 20060101ALI20210416BHJP
【FI】
   B65G54/02
   B65G21/22 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-535963(P2020-535963)
(86)(22)【出願日】2019年1月28日
(85)【翻訳文提出日】2020年6月26日
(86)【国際出願番号】US2019015331
(87)【国際公開番号】WO2019152292
(87)【国際公開日】20190808
(31)【優先権主張番号】15/884,556
(32)【優先日】2018年1月31日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ラガン,ブライアント ジー.
(72)【発明者】
【氏名】クラナ,シュチ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ランドラム,ジョン エフ.
(72)【発明者】
【氏名】メヘンデール,アディティア
(72)【発明者】
【氏名】ナイセ,ジェラルド ヨハネス ピーター
(72)【発明者】
【氏名】サヒン−ノーマラー,ファンダ
(72)【発明者】
【氏名】レインダース,シルベスター マテウス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デル ラーン,エウォウト ペーター
【テーマコード(参考)】
3F021
3F025
【Fターム(参考)】
3F021AA01
3F021BA02
3F021CA03
3F021CA06
3F021DA08
3F025CA32
3F025CB01
3F025CB05
3F025CB09
3F025CB10
(57)【要約】
衛生的な磁気トレイおよびコンベヤ。薄型トレイは、物品支持上部と反対側の下部との間に挟まれたフォーサを含む。上部は衛生的な材料で作製され、下部は低摩擦素材で作製され得る。トレイは、コンベヤフレームに支持されたステータコイルを格納する筐体上のガイド表面に沿って推進する。ステータは、トレイ内のフォーサと共に線形モータを形成する。様々な廃棄システムが、ステータ筐体のガイド表面から液体や破片を取り除くための脱出経路を提供する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤトレイであって、
第1の材料で作製され、上部物品支持面を含む上部と、
第2の材料で作製され、前記上部に取り付けられた下部と、
前記上部と前記下部との間のフォーサと、を備え、
前記上部および前記下部が、別々の部片である、コンベヤトレイ。
【請求項2】
前記上部および前記下部が、1つ以上の磁石アレイの周りに共成形されている、請求項1に記載のコンベヤトレイ。
【請求項3】
前記上部が、前記下部および前記1つまたは磁石アレイ上にオーバーモールドされている、請求項1に記載のコンベヤトレイ。
【請求項4】
前記第1の材料が、第1のプラスチック材料であり、前記第2の材料が、異なる第2のプラスチック材料である、請求項1に記載のコンベヤトレイ。
【請求項5】
前記第1のプラスチック材料が、ポリエチレンテレフタレート(PETもしくはPETE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、またはポリスチレン(PS)などの衛生的な材料である、請求項4に記載のコンベヤトレイ。
【請求項6】
前記第2のプラスチック材料が、ポリオキシメチレン(POM、アセタール)、ポリプロピレン(PP)、または超高分子量ポリエチレン(UHMW)などの低摩擦材料である、請求項4に記載のコンベヤトレイ。
【請求項7】
前記フォーサが、前記1つ以上の磁石アレイを含む、請求項1に記載のコンベヤトレイ。
【請求項8】
前記1つ以上の磁石アレイが、プラスチック磁石アレイである、請求項7に記載のコンベヤトレイ。
【請求項9】
前記1つ以上の磁石アレイが、前記上部および前記下部が取り付けられた後、所定の磁場パターンで磁化される、請求項7に記載のコンベヤトレイ。
【請求項10】
前記フォーサが、第1および第2の対の平行な磁石アレイに配置された4つの磁石アレイを備え、前記第1の対が、前記第2の対に直交している、請求項1に記載のコンベヤトレイ。
【請求項11】
前記1つ以上の磁石アレイが、格子パターンで配置されている、請求項7に記載のコンベヤトレイ。
【請求項12】
前記下部が、凹状の下面を有する、請求項1に記載のコンベヤトレイ。
【請求項13】
前後の端部および左右の側部と、前記前後の端部の各々および前記左右の側部の各々から外方向に延在する傾斜したスカートと、を更に備える、請求項1に記載のコンベヤトレイ。
【請求項14】
トレイコンベヤであって、
上部および下部、ならびに前記上部と前記下部との間のフォーサを含むトレイと、
第1および第2の側部を有するコンベヤフレームと、
前記トレイの横移動を制限するために、前記第1の側部に沿って前記コンベヤフレームに支持された第1のトレイレールおよび前記第2の側部に沿って前記コンベヤフレームに支持された第2のトレイレールと、
前記コンベヤフレームに支持された線形モータステータと、
前記コンベヤフレームに支持された前記線形モータステータを格納するステータ筐体と、
前記トレイの下の前記コンベヤフレームに支持された上部ガイド表面と、を備え、
前記線形モータステータが、前記コンベヤフレームの長さに沿って前記トレイ内の前記フォーサと相互作用する電磁波を伝播して、前記トレイを前記コンベヤフレームに沿って搬送方向に前記上部ガイド表面の上または上方で推進し、
出口を提供するため廃棄システムが提供され、前記出口を通って前記トレイが流体または破片を前記上部ガイド表面から押し出す、トレイコンベヤ。
【請求項15】
前記廃棄システムが、出口を提供する前記上部ガイド表面および前記ステータ筐体内の不連続部を含み、前記出口を通って流体または破片が前記上部ガイド表面から脱出することができる、請求項14に記載のトレイコンベヤ。
【請求項16】
前記廃棄システムが、前記出口を提供する前記上部ガイド表面および前記ステータ筐体を通って延在する貫通孔を含み、前記出口を通って流体または破片が前記上部ガイド表面から脱出することができる、請求項14に記載のトレイコンベヤ。
【請求項17】
前記廃棄システムが、前記出口を提供する前記第1および第2のトレイレール内のギャップを含み、前記出口を通って流体または破片が前記上部ガイド表面から脱出することができる、請求項14に記載のトレイコンベヤ。
【請求項18】
前記廃棄システムが、前記第1および第2のトレイレールを前記上部ガイド表面のレベルよりも上に支持して、前記第1および第2のトレイレールの各々と前記上部ガイド表面との間に前記出口を提供するギャップを形成する前記コンベヤフレームに沿って離間した垂直支持体を含み、前記出口を通って流体または破片が前記上部ガイド表面から脱出することができる、請求項14に記載のトレイコンベヤ。
【請求項19】
前記コンベヤフレームと前記垂直支持体との間に接続されたばねをさらに含み、前記第1および第2のトレイレールを前記トレイに向かって軽く偏倚しているため、前記トレイによって前記第1または第2の側部に押し出された破片が、前記第1または第2のトレイレールをばね偏倚部に対して前記トレイから強制的に離すことによってギャップを広げる、請求項18に記載のトレイコンベヤ。
【請求項20】
前記上部ガイド表面および前記ステータ筐体の幅が、前記第1および第2のトレイレールと前記トレイの前記幅との間の距離よりも小さい、請求項18に記載のトレイコンベヤ。
【請求項21】
トレイコンベヤであって、
上部および下部、ならびに前記上部と前記下部との間のフォーサを含む、トレイと
第1および第2の側部を有するコンベヤフレームと、
前記コンベヤフレームに支持された線形モータステータと、
前記コンベヤフレームに支持された前記線形モータステータを格納するステータ筐体と、
前記トレイの下の前記コンベヤフレームに支持された上部ガイド表面と、を備え、
前記線形モータステータが、前記コンベヤフレームの長さに沿って前記トレイ内の前記フォーサと相互作用する電磁波を伝播して、前記トレイを前記コンベヤフレームに沿って搬送方向に前記上部ガイド表面の上または上方で推進し、
前記上部ガイド表面および前記ステータ筐体が、流体および破片を排出するための貫通孔を含む、トレイコンベヤ。
【請求項22】
前記貫通孔が、細長いスロットである、請求項21に記載のトレイコンベヤ。
【請求項23】
前記細長いスロットが、搬送方向に細長い、請求項22に記載のトレイコンベヤ。
【請求項24】
前記細長いスロットが、前記搬送方向に対して垂直に細長い、請求項22に記載のトレイコンベヤ。
【請求項25】
前記細長いスロットが、前記上部ガイド表面の中心線を越えて前記コンベヤフレームの前記第1の側部から内方向に延在している第1のスロットと、前記上部ガイド表面の中心線を越えて前記コンベヤフレームの前記第2の側部から内方向に延在している第2のスロットと、を含み、前記第1のスロットが、前記搬送方向に前記第2のスロットと交互になっている、請求項24に記載のトレイコンベヤ。
【請求項26】
前記貫通孔が、十字形の形状である、請求項21に記載のトレイコンベヤ。
【請求項27】
前記上部ガイド表面に、凸状のクラウンが付いており、前記トレイの前記下部が、前記上部ガイド表面を補完するように凹状に曲がっている、請求項21に記載のトレイコンベヤ。
【請求項28】
前記線形モータステータが鉄を含まない芯を含む、請求項21に記載のトレイコンベヤ。
【請求項29】
前記コンベヤフレームが、前記コンベヤフレームの前記第1および第2の側部の各々に沿って逆L字形状のトレイレールを含み、前記トレイにわたって延在して、前記トレイの垂直移動および前記搬送方向に垂直な前記トレイの水平移動を制限することによって前記トレイを保持する、請求項21に記載のトレイコンベヤ。
【請求項30】
前記搬送方向の離間した位置でステータ筐体内に格納され、前記離間した位置でトレイの存在を検出する、位置センサをさらに備える、請求項21に記載のトレイコンベヤ。
【請求項31】
前記ステータ筐体内に格納された前記線形モータステータが、前記コンベヤフレームの前記第1の側部に沿って延在する第1のステータと、前記コンベヤフレームの前記第2の側部に沿って延在する第2のステータと、を備え、前記トレイが、前記第1のステータに近い第1の磁石アレイと、前記第2のステータに近い第2の磁石アレイと、を含む、請求項21に記載のトレイコンベヤ。
【請求項32】
前記コンベヤフレームが、
第1の区域と、
前記第1の区域に垂直な第2の区域と、
前記第1の区域を前記第2の区域と直列に連結する接合区域と、を含み、前記接合区域内の線形モータステータが、前記第1の区域内の線形モータステータと一直線の第1の線形モータステータと、前記第2の区域内の線形モータステータと一直線であり、前記第1のステータに垂直な第2の線形モータステータと、を備え、
前記フォーサが、第1の磁石アレイと、前記第1の磁石アレイに垂直な第2の磁石アレイと、を含み、前記第1の磁石アレイおよび前記第2の磁石アレイが、前記トレイが前記接合区域にあるとき、前記第1の磁石アレイが、前記第1のステータと位置合わせされるか、または前記第2の磁石アレイが、前記第2のステータと位置合わせされているため、前記トレイが、前記第1ステータによって、および次いで第2のステータによって駆動されて、回転せずに前記接合区域内の前記第1の区域から前記第2の区域に並進するように配置されている、請求項21に記載のトレイコンベヤ。
【請求項33】
前記コンベヤフレームが、
第1の方向の長さに延在する第1の区域と、
前記第1の方向に垂直な第2の方向の長さに延在する第2の区域と、
前記第1の区域を前記第2の区域と直列に連結する接合区域と、を含み、前記接合区域が、前記第1の方向に電磁波を伝播するように配置された第1の組の三相コイルと、前記第2の方向に電磁波を伝播するように配置された第2のセットの三相コイルと、を有し、
前記フォーサが、前記第1および第2の方向に対して斜めに行および列に配置された極性が交互に並んだ磁石の格子パターンの磁石アレイを含み、前記接合区域内の前記第1および第2の組の三相コイルの電磁波と相互作用して、前記第1のコンベヤ区域から前記第2のコンベヤ区域に受容された前記トレイを並進させる、請求項21に記載のトレイコンベヤ。
【請求項34】
前記トレイの前記上部が、第1のプラスチック材料で作製され、前記トレイの前記下部が、前記上部に取り付けられ、第2のプラスチック材料で作製されている、請求項21に記載のトレイコンベヤ。
【請求項35】
前記第1のプラスチック材料が、衛生的な材料であり、前記第2のプラスチック材料が、低摩擦材料である、請求項34に記載のトレイコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、一般に、動力駆動コンベヤに関し、特に、磁気駆動トレイコンベヤに関する。
【0002】
平ベルト、モジュール式のプラスチックまたは金属ベルト、重力ローラ、または動力ローラを使用する従来の搬送システムは、多くの構成要素を有する。病原菌および毒素の温床になる地点の数は、構成要素の数とともに増加する。モータ、ギアボックス、ローラベアリング、シャフト、プーリ、およびスプロケットは全て、食品の小片を集め、病原菌の温床になる場合があるため、定期的に清掃しなければならない。食品用途では、全ての構成要素が厳しい食品使用基準に準拠していなければならない。
【0003】
いくつかのトレイコンベヤは、コンベヤに沿って電磁波を伝播するコイルを備える線形モータステータを使用して、磁気物品運搬トレイを駆動する。ステータは、輸送路に沿ってハウジング内に取り付けられる。ステータハウジングの上部トレイ支持表面は、平らである。平坦な表面は、汚染物質の温床になる液体を集める場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の特徴を具現化するコンベヤトレイは、第1の材料で作製された上部物品支持面を含む上部と、第2の材料で作製され、上部に取り付けられた下部と、上部と下部の間のフォーサと、を備える。上部と下部は、別々の部品である。
【0005】
本発明の特徴を具現化するトレイコンベヤの1つのバージョンは、線形モータステータによって駆動されるトレイを備える。トレイには上部および下部があり、上部と下部との間にフォーサがある。第1および第2の側部を有するコンベヤフレームは、線形モータステータを支持する。線形モータステータを格納するステータ筐体は、コンベヤフレームに支持されている。上部ガイド表面は、トレイの下のコンベヤフレームに支持されている。線形モータステータは、コンベヤフレームの長さに沿ってトレイ内のフォーサと相互作用する電磁波を伝搬して、トレイを上部ガイド表面の上または上方でコンベヤフレームに沿って搬送方向に推進する。ステータ筐体は、上部ガイド表面内に流体や破片を排出するための貫通孔を含む。
【0006】
トレイコンベヤの別のバージョンは、線形モータステータによって駆動されるトレイを備える。トレイには上部および下部があり、上部と下部との間にフォーサがある。第1のトレイレールは、コンベヤフレームの第1の側部に沿って支持され、第2のトレイレールは、コンベヤフレームの第2の側部に沿って支持される。トレイレールは、トレイの横移動を制限する。線形モータステータは、コンベヤフレームに支持されている。線形ステータを格納するステータ筐体は、コンベヤフレームに支持されている。上部ガイド表面がトレイを支持している。線形モータステータは、コンベヤフレームの長さに沿ってトレイ内のフォーサと相互作用する電磁波を伝搬して、トレイを上部ガイド表面の上またはそれにわたってコンベヤフレームに沿って搬送方向に推進する。トレイが流体または破片を上部ガイド表面から押し出す廃棄システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の特徴を具現化するトレイコンベヤの等角図である。
図2図2は、図1のトレイの分解等角図である。
図3図3は、ハルバッハ磁石アレイを示す図1のトレイの底面図である。
図4図4は、図1におけるようなトレイを使用するトレイコンベヤの一部分の等角図である。
図5図5は、図4のトレイコンベヤの一部分の拡大図である。
図6図6は、単一のトレイのみを有する図4のトレイコンベヤの等角図である。
図7図7は、仮想線で示すステータハウジングを備え、排出孔の1つのバージョンを示す、図4のトレイコンベヤの一部分の等角図である。
図8図8は、別のバージョンの排出孔を備える、図4におけるようなコンベヤの一部分の等角図である。
図9図9は、さらに別のバージョンの排出孔を備える、図4におけるようなトレイコンベヤの一部分の等角図である。
図10A図10Aは、トレイがコンベヤから破片を掃き入れる一連のステップを示している図6におけるようなコンベヤの一部分の等角図である。
図10B図10Bは、トレイがコンベヤから破片を掃き入れる一連のステップを示している図6におけるようなコンベヤの一部分の等角図である。
図10C図10Cは、トレイがコンベヤから破片を掃き入れる一連のステップを示している図6におけるようなコンベヤの一部分の等角図である。
図11図11は、クラウン付きのステータハウジングおよび凹型トレイ下部を備える、図4におけるようなトレイコンベヤの端面図である。
図12図12は、角区域を示す図4におけるようなトレイコンベヤの一部分の等角図である。
図13図13は、仮想線で示すステータハウジングを備える、図12の角区域の拡大図である。
図14A図14Aは、トレイレール内にギャップを備える、図4におけるようなトレイコンベヤの一部分の上面図および正面図である。
図14B図14Bは、トレイレール内にギャップを備える、図4におけるようなトレイコンベヤの一部分の上面図および正面図である。
図15】破片を廃棄するための貫通孔を備える、図14Aにおけるようなトレイコンベヤの上面図である。
図16A図16Aは、トレイレールよりも下に廃棄ギャップを有する別のバージョンのトレイコンベヤの一部分の上面図および正面図である。
図16B図16Bは、トレイレールよりも下に廃棄ギャップを有する別のバージョンのトレイコンベヤの一部分の上面図および正面図である。
図17図17は、V字形の側部および端部と、上壁と、を含む本発明の特徴を具現化する、別のバージョンのトレイの上面図である。
図18図18は、図17におけるようなトレイに適合された、図16Aにおけるようなトレイコンベヤの一部分の正面図である。
図19A図19Aは、ばね仕掛けのトレイレールを有する、別のバージョンのトレイコンベヤの一部分の上面図および正面図である。
図19B図19Bは、ばね仕掛けのトレイレールを有する、別のバージョンのトレイコンベヤの一部分の上面図および正面図である。
図20A図20Aは、トレイよりも狭い上部ガイド表面を有する、別のバージョンのトレイコンベヤの一部分の上面図および正面図である。
図20B図20Bは、トレイよりも狭い上部ガイド表面を有する、別のバージョンのトレイコンベヤの一部分の上面図および正面図である。
図21】トレイコンベヤの角区域にわたって磁石の格子アレイを備える磁気トレイの透視平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
トレイコンベヤ用の磁気コンベヤトレイを図1および2に示す。トレイ20は、平坦な上部物品支持面22を備える薄型の4面ディスクまたはプレートである。トレイ20は、長さが第1の端部24から第2の端部25まで、幅が第1の側部26から第2の側部27まで延在している。薄型トレイ20の長さおよび幅は、上部から下部へのトレイの厚さよりもはるかに大きい。
【0009】
図2に示すように、トレイ20は、上部28および下部30で構成されている。上部28と下部30との間に挟まれた永久磁石アレイ32は、フォーサを形成する。下部30は、磁石アレイ32が存在する凹部34を有する。上部28および下部30は同じ材料で作製することができるが、それらは異なる材料で作製することもできる。例えば、上部28は、食料品と接触するための衛生的な材料で作製することができ、下部30は、低摩擦摺動のための低摩擦材料で作製することができる。材料は、例えば、プラスチックまたはセラミックであり得る。上部28用の衛生プラスチック材料の例は、ポリエチレンテレフタレート(PET、またはPETE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、およびポリスチレン(PS)である。下部30用の低摩擦プラスチック材料の例は、ポリオキシメチレン(POM、アセタール)、ポリプロピレン(PP)、および超高分子量ポリエチレン(UHMW)である。磁石アレイ32は、金属またはセラミックで作製することができるが、ほんの数例として、冷蔵庫の磁石のようなプラスチック磁石材料で作製することもできる。
【0010】
上部28は、磁石アレイ32の周りに2つの部片を射出共成形することによって下部30に取り付けられ得る。または、上部28は、下部30および磁石アレイ32の上にオーバーモールドすることができる。あるいは、ほんの数例として、上部28および下部は、接着剤、溶接、またはスナップ式ファスナーを含むメカニカルファスナーによって取り付けることができる。
【0011】
図3は、フォーサとしての磁石アレイ32の1つの配置を示す。4つの磁石アレイ32は、平行なアレイの対36、37に配置される。第1の対36は、トレイ20の第1および第2の側部26、27に沿った長さに延在し、第2の対37は、第1および第2の端部24、25に沿った長さに延在している。平行な磁石アレイ32の第1の対36は、第2の対37に直交している。アレイ32の各々は、トレイ20の下部30に対して直角に下向きの磁場を増大させるためのハルバッハアレイとして示している。しかし、あるいは、磁石アレイ32は、それらの長さに沿って交互に並ぶN極およびS極で磁化することができる。または、磁石アレイは、図21におけるように極性が交互に変わる永久磁石N、Sの格子パターンに配置することができる。格子パターンの行および列は、トレイ186の側部に対して45°に向きを定められている。格子アレイは、極軸がアレイに垂直ではなく、アレイの平面にある磁石を、全ての側部上の隣接する磁石N、Sの間に位置付けることにより、ハルバッハアレイに変換することができる。いずれの場合でも、磁石アレイ32は、上部28および下部30が連結された後に、磁化することができる。別様に、磁石アレイ32は、トレイ20を構成する前に、それらの所定の磁場パターンで磁化することができる。そして、トレイ20は4つの磁石アレイ32で示されているが、あるいは、トレイは、最初に端部または最初に側部のどちらか一方のみから進行させる必要がある場合、第1の対36または第2の対37のいずれか1対の磁石アレイのみで構成することができる。いくつかの構成では、単一の磁石アレイ32のみで十分である。磁石アレイの代わりに、フォーサは、導電性要素で、または磁極を形成する軟鉄の線形アレイで作製することができる。
【0012】
図1のトレイ20用のトレイコンベヤの一部分を図4に示す。コンベヤ40は、フレーム42の第1および第2の側部48、49に沿って脚44およびトレイレール46、47を有するコンベヤフレーム42を備える。トレイレール46、47は、双方向の搬送方向50におけるトレイ20のための搬送路を規定する。図5に示すように、トレイレール46、47の各々は、角ブラケットのように、垂直側壁52およびカンチレバー状オーバーハング54を備える逆L字形の形状である。側壁52は、トレイ20の横方向の水平移動または滑りを制限する。オーバーハング54は、トレイ20の垂直移動を制限する。このようにして、薄型トレイ20は、搬送路に収容される。
【0013】
図6に示すように、トレイコンベヤ40は、その上または上方でトレイ20が走行するコンベヤフレーム42に支持された上部ガイド表面56を有する。ガイド表面56は、表面と接触する摺動部内に沿って走行するトレイ20用の摺動表面であり得る。トレイを浮揚させる場合、トレイは、接触することなく、下にあるガイド表面56よりもわずかに上を走行する。ガイド表面56は滑らかであり、ガイド表面上に開口している貫通孔58、59を有する。このバージョンでは、貫通孔58、59は、搬送方向50に垂直な横方向に細長いスロットの形態である。図7にさらに示すように、貫通孔58、59は、筐体60の厚さ全体にわたって延在し、各々が、二重ステータを形成する左右のステータコイル64、65を含む線形モータステータ62を格納している。左右のステータコイル64、65は、細長いスロット58、59によって中断されている。左スロット58は、コンベヤ40の長さに沿って右スロット59と交互に並んでいる。スロット58、59は、コンベヤ40の中心線66を過ぎるコンベヤフレーム42の左右の側部48、49から横方向の内側に向かって延在する。左右のスロット58、59は、搬送方向50において重なり合う。スロット58、59は、ガイド表面56からの流体および破片のための出口を提供する廃棄システムを形成する。このバージョンおよび後述する他の全てのバージョンのトレイコンベヤでは、上部ガイド表面56は、ステータ筐体の一部と一体に形成しているか、またはシートなどの別の構成要素であり得、このシートの上または上方で、トレイがステータよりも上を走行する。いずれの場合でも、ガイド表面は、線形モータステータ62とトレイ20との間に配設される。
【0014】
左右のステータ64、65の各々は、電磁束波を搬送方向50に伝搬する。従来、ステータ64、65は、3相コイルコントローラ(図示せず)によって駆動される。ステータ62は、コンベヤ40の長さに沿って一連のステータ区間の中で分離することができ、各々が独立したコイル制御によって駆動されて、トレイ20の独立した区間制御を提供する。左ステータコイル64は、右ステータコイル65から横方向に、図3のトレイ20内の第1の対36の磁石アレイ32と同じ距離だけ離間している。このようにして、トレイ20内の磁石アレイ36は、最大の磁気結合のために、コンベヤフレーム42内の左右のステータ64、65と位置合わせされ、それらの近くにある。そして、左右のステータコイルは、磁石アレイ32の磁極間隔と有利に相互作用するように離れている。ステータ62によって生じた進行電磁束波は、トレイの磁石アレイ32の磁場と相互作用して、搬送方向50に上部ガイド表面56に沿ってトレイ20を推進する反発力を生成する。このように、ステータは磁石アレイを備える線形同期モータを形成する。フォーサが代わりに導電性要素で作製される場合、ステータは、フォーサと線形誘導モータを形成する。フォーサが磁極を形成する軟鉄の線形アレイで作製される場合、ステータは、フォーサと線形可変リラクタンスモータを形成する。
【0015】
離間した位置でコンベヤ40の長さに沿って周期的に位置決めされた位置センサ68は、トレイが通過するときに、それらの位置でトレイの存在を感知する。位置センサ68は、例えば、トレイ20内の磁石アレイの磁場を感知するホール効果デバイスであり得る。位置センサの出力は、ステータ62の付勢を制御するために使用される。他の位置センサのいくつかの例は、(a)通過するトレイによって引き起こされる電界中の変化を感知する容量センサ、(b)フォトアイやライトカーテンなどの光学センサ、(c)カメラおよび視覚化システム、(d)レーダー、(e)誘導渦電流センサ、(f)超音波センサ、(g)リードスイッチである。ステータコイル64、65は、鉄を含まない芯の周りに巻かれて、トレイの磁石アレイに対する引力によって引き起こされるトレイ20と上部ガイド表面56との間の摩擦を低減する。摩擦が問題にならない場合、鉄芯を使用することができる。
【0016】
図8および9に示すように、代替形態の貫通孔パターンを廃棄システムで使用することができる。図8では、例えば、左右の貫通孔70、71は、搬送方向50に細長いスロットであり、溝として働くようにコンベヤの側部に沿って位置決めされる。このバージョンでは、左右の細長いスロット70、71がコンベヤの幅にわたって位置合わせされているが、互い違いにすることもできる。図9のコンベヤ内の貫通孔72は、十字形の形状であり、搬送方向50に細長いスロット付きアームが、搬送方向に垂直な方向に細長いスロット付きアームと交差している。他の孔形状が可能である。例えば、円形、楕円形、長円形、または多角形の貫通孔を使用することができる。または、廃棄システムは、連続する線形ステータ筐体間のギャップなど、上部ガイド表面56およびステータ筐体内の他の不連続部または分断部を含み得る。
【0017】
図10A図10Cは、廃棄システムの動作を示す。トレイ20は、破片74を貫通孔59の中に掃き入れることにより、コンベヤ40から破片74を取り除く。図10Aでは、トレイ20は、破片74に向かって搬送方向50に前進することを示す。図10Bでは、トレイ20は、破片74をコンベヤの上部ガイド表面56に沿って細長いスロット59の中に押し出すことを示す。図10Cでは、破片74は、トレイ20が通過するときに、スロットから落下することを示す。また、トレイ20は、上部ガイド表面56上に溜まる流体を貫通孔58、59の中に掃き入れて排出する。流体の排出をさらに補助するために、特に図8におけるような側溝70、71と共に、図11におけるような上部ガイド表面56にクラウンを付けることができる。クラウン付きの上部ガイド表面76は、側部78、79に向かって排出し、矢印80によって示す貫通孔70、71を通って出る。トレイ20’の下部82は、クラウン付きガイド表面76の凸状形状を補完する凹状に曲がっている。トレイ20’の上部83は、示すように、凸状、平坦であり、または曲がっていてもよい。上部83がその幅全体にわたって湾曲している場合、オーバーハング81とトレイレール75の壁77との間の角度は、湾曲に適応するために90°よりもわずかに大きくなければならない。
【0018】
90°回転したトレイコンベヤ84の1つの角を図12および13に示す。コンベヤは、第1のコンベヤ区域86および第1のコンベヤ区域に垂直な第2のコンベヤ区域87を含む。この例では、2つの区域86、87の左トレイレール46は、隣接する端部で当接しているため、連続している。接合区域、特に角区域88は、第1の区域86と第2の区域87とを連結する。角区域88は、2つの区域86、87の右トレイレール47と位置合わせされた2つの直角セグメントで構成された外側トレイレール91を有する。角区域88は、コイルが直列であり、第1区域86内のステータ62のコイルと位置合わせされた第1のステータ90と、コイルが直列であり、第2の区域87内のステータ62’のコイルと位置合わせされた第2のステータ92を備える、x−y並進装置として働く。第1および第2のステータは、90度回転するために互いに垂直である。トレイ20が第1のコンベヤ区域86から角区域88に入るとき、その第1の磁石アレイ36(図3)は、第1のステータコイル90と垂直に位置合わせされる。トレイ20が完全に角区域88上にあるとき、第1のステータ90は、消勢されて、トレイの動きを停止する。その位置では、トレイ20の第2の磁石アレイ37(図3)は、第2のステータコイル92と垂直に位置合わせされ、これらのコイルは、第2のコンベヤ区域87上でトレイを並進させるために付勢される。(角区域は、トレイの進行方向を変更することができる接合区域の一種である。他のバージョンとしては、3方交差の接合区域またはT字接合および4方接合での接合区域が挙げられる。
【0019】
トレイ磁石N、Sの格子アレイと共に使用される角区域の別のバージョンを図21に示す。角区域180を、三相コイル184A〜184Cの4つの組182A〜182Dと共に示す。第1の対角線上で対向する組182A、182Cは、第2の対角線上で対向する組182B、182Dに対して垂直に配置される。第1の組182A、182Cは、トレイ186内の磁石N、Sの斜めに向きを定められた格子アレイと相互作用する電磁束波を伝播して、第1の方向188にトレイを駆動する。第2の組182B、182Dは、格子アレイと相互作用する電磁束波を伝搬して、第1の方向188に対して垂直な第2の方向189にトレイ186を駆動する。各3つのコイル組182A〜182Dは、2つのトレイ磁石周期部190にわたって延在する。また、コイル184A〜184Cを動作させて、トレイ186を浮揚させることができる。
【0020】
トレイコンベヤ内の廃棄システムの別のバージョンを図14Aおよび14Bに示す。トレイコンベヤ100は、各側部に沿ってステータ筐体104に当接するトレイレール102、103を有する。トレイコンベヤ100の長さに沿って離間した位置にあるギャップ106は、ステータ筐体104の上部ガイド表面108上に集まる流体の脱出部を設けることにより、廃棄システムを形成する。トレイ110は、ギャップ106を通して流体の押し出しを助ける。トレイコンベヤ100は、コンベヤフレーム112に支持されている。図15のトレイコンベヤ114は、その廃棄システム内でコンベヤの長さに沿って離間された横方向に細長い貫通孔116を使用する。上部ガイド表面108およびステータ筐体104を通る貫通孔116の形状は、ステータコイル117の真上ではない上部ガイド表面の面積を最小化するように設計されている。
【0021】
図16Aおよび図16Bのトレイコンベヤ118では、トレイレール120、121は、コンベヤフレーム124内の垂直支持体122、123上で支持される。トレイレール120、121は、上部ガイド表面126およびステータ筐体128のレベルよりも上に位置決めされている。トレイレール120、121よりも下のギャップ130は、流体および破片がトレイ132によって押し出される廃棄システムを形成する。図16Aおよび図16Bのトレイコンベヤ118を、その前後の端部138、139およびその左右の側部140、141上に傾斜した、またはV字形のスカート136を有する、図17におけるようなトレイ134とともに図18に示す。側部140、141上のスカート136は、トレイ134が上部ガイド表面126に沿って走行するときに、破片を集めてギャップ130の中に押し出す。左右の側部140、141に沿ってトレイ134の上部から上に延在する側壁142は、トレイレール120、121と協働して、トレイの横滑りを制限する。側壁は、前後の端部138、139上の端壁143と共に、物品をトレイ134上に収容する。トレイ134は、記載した他のトレイコンベヤと共に使用することができる。このバージョンでは、トレイ134は、前、後、左、および右が交換可能であるように、横軸および縦軸144、145−について正方−対称である。しかし、トレイは、例えば、矩形の接合区域によって連結された第1方向の長さで延在する幅の広いコンベヤ区域から、第1方向に垂直の長さで延在する幅の狭いコンベヤ区域まで、と共に使用するために、非正方−矩形であり得る。
【0022】
トレイコンベヤの別のバージョンを図19Aおよび19Bに示す。トレイコンベヤ146は、トレイレール148、149がステータ筐体150の側部に当接し、トレイ152の横滑りを制限することを除いて、図16Aおよび16Bのものと同様である。そして、トレイレール148、149は、トレイガイド支持体156、157とコンベヤフレーム158との間に接続されたばね154によって、筐体150およびトレイ152に向かって内側に偏倚している。ばね偏倚部は、トレイ152の側部とトレイレール148、149の間の破片が強制的に支持体156、157をヒンジ160上で外方向に枢動されて、破片および流体を廃棄することができるトレイレール148、149とステータ筐体150の側部との間のギャップを開放するために、十分に軽い。
【0023】
廃棄システムを備えるトレイコンベヤのさらに別の例を、図20Aおよび20Bに示す。このバージョンでは、トレイコンベヤ162は、横幅166がトレイ168の幅および左右のトレイレール172、173との間の距離170よりも小さいステータ筐体164を支持する。トレイコンベヤ162の各側部に沿った長手方向のギャップ174は、流体および破片のための脱出経路を提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図21
【国際調査報告】