特表2021-512131(P2021-512131A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-512131抗ガン剤として有用な置換キナゾリン誘導体と置換ピリドピリミジン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-512131(P2021-512131A)
(43)【公表日】2021年5月13日
(54)【発明の名称】抗ガン剤として有用な置換キナゾリン誘導体と置換ピリドピリミジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20210416BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210416BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210416BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20210416BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20210416BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20210416BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20210416BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20210416BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20210416BHJP
   C07D 403/06 20060101ALI20210416BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20210416BHJP
   C07D 487/10 20060101ALI20210416BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20210416BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20210416BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20210416BHJP
【FI】
   C07D401/14
   A61P35/00
   A61P43/00 111
   A61K31/519
   A61K31/517
   A61P35/02
   C07D403/12CSP
   C07D471/04 117Z
   C07D403/14
   C07D403/06
   C07D487/04 138
   C07D487/10
   C07D417/14
   A61K31/5377
   C07D519/00 311
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】439
(21)【出願番号】特願2020-542110(P2020-542110)
(86)(22)【出願日】2019年1月31日
(85)【翻訳文提出日】2020年10月2日
(86)【国際出願番号】IB2019050795
(87)【国際公開番号】WO2019150305
(87)【国際公開日】20190808
(31)【優先権主張番号】62/624,829
(32)【優先日】2018年2月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/685,383
(32)【優先日】2018年6月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/795,062
(32)【優先日】2019年1月22日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【弁理士】
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】ブルーン,アレクセイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ピン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ヘンミャオ
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ,マイケル・レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】リントン,マリア・アンジェリカ
(72)【発明者】
【氏名】マデルナ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】永田 麻子
(72)【発明者】
【氏名】パルマー,シンシア
(72)【発明者】
【氏名】プランケン,サイモン
(72)【発明者】
【氏名】スパングラー,ジリアン・エリス
【テーマコード(参考)】
4C050
4C063
4C065
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050AA04
4C050BB02
4C050BB05
4C050CC04
4C050CC05
4C050EE02
4C050EE03
4C050FF01
4C050GG03
4C050HH04
4C063AA01
4C063BB02
4C063BB03
4C063BB08
4C063BB09
4C063CC31
4C063CC34
4C063CC41
4C063CC62
4C063DD02
4C063DD03
4C063DD22
4C063DD25
4C063DD31
4C063EE01
4C065AA05
4C065BB11
4C065CC01
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH01
4C065HH02
4C065JJ02
4C065JJ03
4C065KK01
4C065LL03
4C065LL08
4C065PP03
4C065PP09
4C065QQ02
4C065QQ04
4C065QQ05
4C072MM02
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC50
4C086CB09
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA10
4C086GA12
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、一般式(I)の化合物;これらの化合物の製造方法;これらの化合物を含有する組成物;及びガンの治療のためにKRASタンパク質の阻害剤として使用するための化合物(I);を提供する。
[この文献は図面を表示できません]

【選択図】なし
[この文献は図面を表示できません]
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
もしくはそれらの医薬的に許容できる塩であって、式中、
Aは-C(H)-又は窒素であり;
Bは、酸素、イオウ、NR6、又はC(R6)2であり;
Jは、3〜12個の環原子を有するヘテロ環であって、必要に応じて1、2、3、4、5、又は6個のR2で置換されていてもよく;
Kは、C6-C12アリールであるか、又は5〜12個の環原子を有するヘテロアリールであって、必要に応じて1、2、3、4、5、6、又は7個のR3で置換されていてもよく;
Wは、
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれ、必要に応じて1、2、又は3個のR5で置換されていてもよく;
各R1は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルキル-ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキル-C1-C6アルコキシ、ヒドロキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR1が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R2は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルキル-ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、C1-C6アルキル-シアノ、及びオキソからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR2が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R3は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、-N(R6)2、オキソ、及びシアノからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR3が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
R4は-X-Y-Zであって、
Xは、存在しないか又は酸素、イオウ、及び-NR6-からなる群から選ばれ、
Yは、存在しないか又はC1-C6アルキレニルであり、そして
Zは、H、-N(R6)2、-C(O)-N(R6)2、-OR6、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、5〜12個の環原子を有するヘテロアリール、及びC3-C6シクロアルキルから選ばれ、
R4は、必要に応じて1つ以上のR7で置換されていてもよく;
各R5は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;
各R6は、水素、ヒドロキシル、C1-C6アルコキシ、及びC1-C6アルキルからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR6が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R7は、独立的にR7’又はC1-C6アルキル-R7’であり、ここで各R7’は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、-N(R6)2、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、及びオキソからなる群から独立して選ばれ;そして
mは0、1、2、又は3である、
前記化合物もしくは塩。
【請求項2】
式(I)
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
〔式中、
Aは-C(H)-又は窒素であり;
Bは、酸素、イオウ、NR6、又はC(R6)2であり;
Jは、
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれ、W’はWへの連結箇所を表しており、Jは、必要に応じて1、2、3、4、5、又は6個のR2で置換されていてもよく;
Kは、
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれるか、あるいは
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれ、Kは、必要に応じて1、2、3、4、5、6、又は7個のR3で置換されていてもよく;
Wは、
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれ、必要に応じて1、2、又は3個のR5で置換されていてもよく;
各R1は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルキル-ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキル-C1-C6アルコキシ、ヒドロキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR1が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R2は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルキル-ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、C1-C6アルキル-シアノ、及びオキソからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR2が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R3は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、-N(R6)2、オキソ、及びシアノからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR3が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
R4は-X-Y-Zであって、
Xは、存在しないか又は酸素、イオウ、及び-NR6-からなる群から選ばれ、
Yは、存在しないか又はC1-C6アルキレニルであり、そして
Zは、H、-N(R6)2、-C(O)-N(R6)2、-OR6、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、5〜12個の環原子を有するヘテロアリール、及びC3-C6シクロアルキルから選ばれ、
R4は、必要に応じて1つ以上のR7で置換されていてもよく;
各R5は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;
各R6は、水素、ヒドロキシル、C1-C6アルコキシ、及びC1-C6アルキルからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR6が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R7は、独立的にR7’又はC1-C6アルキル-R7’であり、ここで各R7’は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、-N(R6)2、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、及びオキソからなる群から独立して選ばれ;そして
mは0、1、2、又は3である〕
の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩。
【請求項3】
式(I)
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
〔式中、
Aは-C(H)-又は窒素であり;
Bは、酸素又はC(R6)2であり;
Jは
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
であって、W’はWへの連結箇所を表しており、Jは、必要に応じて1個のR2で置換されていてもよく;
Kは
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
であるか、あるいは
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
であって、Kは、必要に応じて1個又は2個のR3で置換されていてもよく;
Wは、
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれ;
各R1は、C1-C6アルキル、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;
R2はC1-C6アルキルであり;
各R3は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、及びC1-C6ハロアルキルからなる群から独立して選ばれ;
R4は-X-Y-Zであって、
Xは、存在しないか又は酸素であり、
Yは、存在しないか又はC1-C6アルキレニルであり、そして
Zは、H、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、及びC3-C6シクロアルキルから選ばれ、
R4は、必要に応じてR7で置換されていてもよく;
各R6は、水素、ヒドロキシル、C1-C6アルコキシ、及びC1-C6アルキルからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR6が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R7は、独立的にR7’又はC1-C6アルキル-R7’であり、ここで各R7’は、C1-C6アルキル及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;そして
mは0、1、2、又は3である〕
の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩。
【請求項4】
Kが
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれる、請求項2に記載の化合物もしくは塩。
【請求項5】
Kが
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれる、請求項2に記載の化合物もしくは塩。
【請求項6】
Kが
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
である、請求項2に記載の化合物もしくは塩。
【請求項7】
Wが
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
である、請求項2、4、または5に記載の化合物もしくは塩。
【請求項8】
Jが、必要に応じて
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
で置換されていてもよい、請求項2、4、5、または6に記載の化合物もしくは塩。
【請求項9】
Jが
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれる、請求項2、4、5、6、または7に記載の化合物もしくは塩。
【請求項10】
R4
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれる、請求項2、4、5、6、または7に記載の化合物もしくは塩。
【請求項11】
R4
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれる、請求項10に記載の化合物もしくは塩。
【請求項12】
式(II)
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
〔式中、
Aは-C(H)-又は窒素であり;
Jは
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
であって、W’はWへの連結箇所を表しており、Jは、必要に応じて1つ以上のR2で置換されていてもよく;
Wは
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
各R1は、C1-C6アルキル、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;
R2はC1-C6アルキルであり;
各R3は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、及びC1-C6ハロアルキルからなる群から独立して選ばれ;
R4は-X-Y-Zであって、
Xは、存在しないか又は酸素であり、
Yは、存在しないか又はC1-C6アルキレニルであり、そして
Zは、H、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、及びC3-C6シクロアルキルから選ばれ、R4は、必要に応じてR7で置換されていてもよく;
各R6は、水素、ヒドロキシル、C1-C6アルコキシ、及びC1-C6アルキルからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR6が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R7は、独立的にR7’又はC1-C6アルキル-R7’であり、ここで各R7’は、C1-C6アルキル及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;そして
各mは、独立的に0、1、2、又は3である〕
の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩。
【請求項13】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]

【化26】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれる、請求項12に記載の化合物もしくは塩。
【請求項14】
R4
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれる、請求項12または13に記載の化合物もしくは塩。
【請求項15】
R4
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれる、請求項13または14に記載の化合物もしくは塩。
【請求項16】
式(III)
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
〔式中、
Jは
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
であって、W’はWへの連結箇所を表しており、Jは、必要に応じて1つ以上のR2で置換されていてもよく;
Wは
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれ;
各R1は、C1-C6アルキル、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;
R2はC1-C6アルキルであり;
各R3は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、及びC1-C6ハロアルキルからなる群から独立して選ばれ;
R4は-X-Y-Zであって、
Xは、存在しないか又は酸素であり、
Yは、存在しないか又はC1-C6アルキレニルであり、そして
Zは、H、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、及びC3-C6シクロアルキルから選ばれ、
R4は、必要に応じてR7で置換されていてもよく;
各R6は、水素、ヒドロキシル、C1-C6アルコキシ、及びC1-C6アルキルからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR6が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R7は、独立的にR7’又はC1-C6アルキル-R7’であり、ここで各R7’は、C1-C6アルキル及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;そして
各mは、独立的に0、1、2、又は3である〕
の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩。
【請求項17】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]

【化34】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれる、請求項16に記載の化合物もしくは塩。
【請求項18】
R4
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれる、請求項16または17に記載の化合物もしくは塩。
【請求項19】
R4
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれる、請求項18に記載の化合物もしくは塩。
【請求項20】
式(IV)
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
〔式中、
Jは
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
であって、W’はWへの連結箇所を表しており、Jは、必要に応じて1つ以上のR2で置換されていてもよく;
Wは
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれ;
各R1は、C1-C6アルキル、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;
R2はC1-C6アルキルであり;
各R3は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、及びC1-C6ハロアルキルからなる群から独立して選ばれ;
R4は-X-Y-Zであって、
Xは、存在しないか又は酸素であり、
Yは、存在しないか又はC1-C6アルキレニルであり、そして
Zは、H、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、及びC3-C6シクロアルキルから選ばれ、
R4は、必要に応じてR7で置換されていてもよく;
各R6は、水素、ヒドロキシル、C1-C6アルコキシ、及びC1-C6アルキルからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR6が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R7は、独立的にR7’又はC1-C6アルキル-R7’であり、ここで各R7’は、C1-C6アルキル及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;そして
各mは、独立的に0、1、2、又は3である〕
の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩。
【請求項21】
【化41】
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【化42】
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からなる群から選ばれる、請求項20に記載の化合物もしくは塩。
【請求項22】
R4
【化43】
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【化44】
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からなる群から選ばれる、請求項20又は21に記載の化合物もしくは塩。
【請求項23】
R4
【化45】
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からなる群から選ばれる、請求項22に記載の化合物もしくは塩。
【請求項24】
【化46】
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【化47】
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【化48】
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【化49】
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【化50】
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【化51】
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【化52】
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【化53】
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【化54】
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【化55】
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【化56】
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【化57】
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【化58】
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【化59】
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【化60】
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【化61】
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【化62】
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【化63】
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【化64】
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【化65】
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【化66】
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【化67】
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【化68】
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【化69】
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【化70】
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【化71】
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【化72】
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【化73】
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【化74】
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【化75】
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【化76】
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【化77】
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【化78】
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【化79】
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【化80】
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【化81】
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【化82】
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【化83】
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【化84】
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【化85】
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からなる群から選ばれる化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩。
【請求項25】
【化86】
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【化87】
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【化88】
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【化89】
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【化90】
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【化91】
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【化92】
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【化93】
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【化94】
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からなる群から選ばれる化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩。
【請求項26】
1つ以上の水素原子が重水素原子で置き換えられている、請求項1〜25のいずれか一項に記載の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩及び医薬的に許容できる賦形剤を治療学的に有効な量にて含む、医薬組成物。
【請求項28】
KRAS活性の阻害が求められる細胞と、有効量の、請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩、または前記化合物もしくはもしくはそれらの医薬的に許容できる塩を含有する医薬組成物とを接触させることを含む、細胞においてKRAS活性を阻害するための方法。
【請求項29】
ヒトにおける異常な細胞増殖を治療する方法であって、治療学的に有効な量の請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩を哺乳類に投与することを含む前記方法。
【請求項30】
異常な細胞増殖がガンである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ガンが、肺ガン、骨ガン、膵臓ガン、皮膚ガン、頭頚部ガン、皮膚もしくは眼球内黒色腫、子宮ガン、卵巣ガン、直腸ガン、肛門部ガン、胃ガン、結腸ガン、乳ガン、子宮ガン、卵管ガン、子宮内膜ガン、頸ガン、膣ガン、外陰ガン、ホジキン病、食道ガン、小腸ガン、内分泌系ガン、甲状腺ガン、副甲状腺ガン、副腎ガン、軟部組織肉腫、尿道ガン、陰茎ガン、前立腺ガン、慢性もしくは急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱ガン、腎臓もしくは尿管のガン、腎細胞ガン、腎孟ガン、中枢神経系(CNS)腫瘍、中枢神経系原発リンパ腫、脊髄軸腫瘍、脳幹グリオーマ、又は下垂体腺腫である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
ガンが、肺ガン、結腸ガン、膵臓ガン、及び卵巣ガンである、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
ヒトにおける異常な細胞増殖を治療するのに有用な医薬を製造するための、請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩の使用。
【請求項34】
異常な細胞増殖がガンである、請求項33に記載の使用。
【請求項35】
ガンが、肺ガン、骨ガン、膵臓ガン、皮膚ガン、頭頚部ガン、皮膚もしくは眼球内黒色腫、子宮ガン、卵巣ガン、直腸ガン、肛門部ガン、胃ガン、結腸ガン、乳ガン、子宮ガン、卵管ガン、子宮内膜ガン、頸ガン、膣ガン、外陰ガン、ホジキン病、食道ガン、小腸ガン、内分泌系ガン、甲状腺ガン、副甲状腺ガン、副腎ガン、軟部組織肉腫、尿道ガン、陰茎ガン、前立腺ガン、慢性もしくは急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱ガン、腎臓もしくは尿管のガン、腎細胞ガン、腎孟ガン、中枢神経系(CNS)腫瘍、中枢神経系原発リンパ腫、脊髄軸腫瘍、脳幹グリオーマ、又は下垂体腺腫である、請求項34に記載の使用。
【請求項36】
ガンが、肺ガン、結腸ガン、膵臓ガン、及び卵巣ガンである、請求項34に記載の使用。
【請求項37】
ガンがKRAS突然変異体と関係している、請求項30の方法または請求項34に記載の使用。
【請求項38】
前記突然変異体がG12C突然変異体である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
ガンの治療を必要とする患者においてガンを治療するための方法であって、
(a)ガンがKRAS突然変異体と関係していることを確認すること;及び
(b)治療学的に有効な量の請求項1〜26のいずれか一項に記載の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩を患者に投与すること;
を含む前記治療方法。
【請求項40】
前記突然変異体がG12C突然変異体である、請求項39に記載の治療方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、KRASタンパク質の阻害剤として有用な新規のキナゾリン誘導体とピリドピリミジン誘導体に関する。本発明はさらに、哺乳類(特にヒト)の異常細胞増殖に対する処置においてこのような化合物を使用する方法、及び抗ガン剤としての医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
キルステンラット肉腫腫瘍遺伝子ホモログ(KRAS)は、細胞の外側からの増殖のためのシグナルと細胞内の生存シグナルを統合する低分子量GTPアーゼである。こうした統合は、RasからGDPを除去して、細胞質中に高濃度で存在するGTPの参加を可能にする、グアニジン交換因子(GEF)の増殖因子媒介活性化を介して起こる。GTPヌクレオチドが結合すると、2つの無秩序なスイッチ領域(スイッチIとスイッチII)がヌクレオチドのガンマホスフェートと相互作用し、これによりRasが、遺伝子発現を変えるシグナリングカスケードを開始させるRas結合領域(RBD)を介してエフェクター酵素と相互作用することが可能となる。GTPアーゼ活性化タンパク質(GAP)が結合すると、GTPからGDPへの固有の転化が促進されてタンパク質が不活性状態となり、従ってシグナルが終結する〔Rajalingam,K., R.Schreck, U.R.Rapp and S.Albert(2007).“Ras oncogenes and their downstream targets”Biochim Biophys Acta 1773(8):1177-1195〕。
【0003】
Rasは、タンパク質のGTP結合形を促進するよう機能するコドン12、13、及び61位置においてヒト腫瘍の最大20%にて突然変異する。ヒト腫瘍としては、結腸腫瘍、膵臓腫瘍、及び肺腫瘍などがあり、後者は全腫瘍の最大25〜30%にてKRAS突然変異を示し、全腫瘍の40%が、タバコの煙中の発ガン性物質によって促進されると考えられるG12C突然変異体を寄生させる。G12C突然変異体を含むKRASがMapk経路を活性化し、非小細胞肺ガン(NSCLC)の増殖と生存を促進する〔Prior,I.A.,P.D.Lewis and C.Mattos(2012).“A comprehensive survey of Ras mutations in cancer.”Cancer Res 72(10):2457-2467〕。
【0004】
ヒト腫瘍におけるKRAS突然変異体の発見以来、そしてこれらタンパク質によるシグナリングを阻害することで、ガン表現型の阻害が引き起こされるということが発見されて以来、Ras阻害剤を見出すことがアカデミック界と産業界の両方から強く求められている〔(Feramisco,J.R.,R.Clark,G.Wong,N.Arnheim,R.Milley and F.McCormick(1985).“Transient reversion of ras oncogene-induced cell transformation by antibodies specific for amino acid 12 of ras protein.”Nature 314(6012):639-642.)及び(McCormick,F.(2015).“KRAS as a Therapeutic Target.”Clin Cancer Res 21(8):1797-1801)〕。KRASエフェクターBRafの特異的阻害剤を単独で使用すると、そしてこの特異的阻害剤と他の阻害剤とを組み合わせて使用すると、BRafが突然変異によって頻繁に活性化される黒色腫に対してMapk経路が著しいレスポンスを示した〔Flaherty,K.T.,I.Puzanov,K.B.Kim,A.Ribas,G.A.McArthur,J.A.Sosman,P.J.O’Dwyer,R.J.Lee,J.F.Grippo,K.Nolop and P.B.Chapman(2010).“Inhibition of mutated,activated BRAF in metastatic melanoma.”N Engl J Med 363(9):809-819〕。それにひきかえ一般的なMapk阻害剤は、ことによると正常組織に対する適切な治療指数がないか、あるいは他のRas経路による補償シグナリングがないために、KRAS突然変異体を含むガンに対して著しいレスポンスを示さなかった〔(Turk Turke,A.B.,Y.Song,C.Costa,R.Cook,C.L.Arteaga,J.M.Asara and J.A.Engelman(2012).“MEK inhibition leads to PI3K/AKT activation by relieving a negative feedback on ERBB receptors.”Cancer Res 72(13):3228-3237.e,Song et al.2012)及び(Janne,P.A.,M.M.van den Heuvel,F.Barlesi,M.Cobo,J.Mazieres,L.Crino,S.Orlov,F.Blackhall,J.Wolf,P.Garrido,A.Poltoratskiy,G.Mariani,D.Ghiorghiu,E.Kilgour,P.Smith,A.Kohlmann,D.J.Carlile,D.Lawrence,K.Bowen and J.Vansteenkiste(2017).“Selumetinib Plus Docetaxel Compared With Docetaxel Alone and Progression-Free Survival in Patients With KRAS-Mutant Advanced Non-Small Cell Lung Cancer:The SELECT-1 Randomized Clinical Trial.”Jama 317(18):1844-1853.)〕。
【0005】
KRAS突然変異体と選択的に結合する化合物が強く求められている。正常組織に及ぼす強い影響が避けられるからであり、また抗腫瘍活性を生じさせるよう、腫瘍内のRasシグナリングの充分な阻害が得られるからである。最近、G12Cが、ガン細胞内で生化学的に循環を維持することが示されており、従って活性化を阻害する機会をつくり出している、と考えられている〔Hunter,J.C.,A.Manandhar,M.A.Carrasco,D.Gurbani,S.Gondi and K.D.Westover(2015).“Biochemical and Structural Analysis of Common Cancer-Associated KRAS Mutations.”Mol Cancer Res 23(9):1325-1335〕。G12Cにおける結合のためにシステイン置換を利用し、GDP-GTP交換を妨げる化合物が開示された〔Ostrem,J.M.,U.Peters,M.L.Sos,J.A.Wells and K.M.Shokat(2013).“K-Ras(G12C) inhibitors allosterically control GTP affinity and effector interactions.”Nature 503(7477):548-551〕。これにより、KRASを不活性な状態に固定するG12C結合化合物を利用することが、ガン治療に対する魅力的な手段となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Rajalingam,K., R.Schreck, U.R.Rapp and S.Albert (2007).“Ras oncogenes and their downstream targets”Biochim Biophys Acta 1773(8):1177-1195
【非特許文献2】Prior,I.A.,P.D.Lewis and C.Mattos (2012).“A comprehensive survey of Ras mutations in cancer.”Cancer Res 72(10):2457-2467
【非特許文献3】Feramisco,J.R., R.Clark, G.Wong, N.Arnheim, R.Milley and F.McCormick(1985). “Transient reversion of ras oncogene-induced cell transformation by antibodies specific for amino acid 12 of ras protein.”Nature 314(6012):639-642
【非特許文献4】McCormick,F.(2015).“KRAS as a Therapeutic Target.”Clin Cancer Res 21(8):1797-1801
【非特許文献5】Flaherty,K.T., I.Puzanov, K.B.Kim, A.Ribas, G.A.McArthur, J.A.Sosman, P.J.O’Dwyer, R.J.Lee, J.F.Grippo, K.Nolop and P.B.Chapman (2010). “Inhibition of mutated,activated BRAF in metastatic melanoma.”N Engl J Med 363(9):809-819
【非特許文献6】Turk Turke, A.B., Y.Song, C.Costa, R.Cook, C.L.Arteaga, J.M.Asara and J.A.Engelman (2012). “MEK inhibition leads to PI3K/AKT activation by relieving a negative feedback on ERBB receptors. ”Cancer Res 72(13):3228-3237.e,Song et al. 2012
【非特許文献7】Janne,P.A., M.M.van den Heuvel, F.Barlesi, M.Cobo, J.Mazieres, L.Crino, S.Orlov, F.Blackhall, J.Wolf, P.Garrido, A.Poltoratskiy, G.Mariani, D.Ghiorghiu, E.Kilgour, P.Smith, A.Kohlmann, D.J.Carlile, D.Lawrence, K.Bowen and J.Vansteenkiste (2017). “Selumetinib Plus Docetaxel Compared With Docetaxel Alone and Progression-Free Survival in Patients With KRAS-Mutant Advanced Non-Small Cell Lung Cancer:The SELECT-1 Randomized Clinical Trial. ”Jama 317(18):1844-1853
【非特許文献8】Hunter,J.C., A.Manandhar, M.A.Carrasco, D.Gurbani, S.Gondi and K.D.Westover (2015).“Biochemical and Structural Analysis of Common Cancer-Associated KRAS Mutations. ”Mol Cancer Res 23(9):1325-1335
【非特許文献9】Ostrem,J.M., U.Peters, M.L.Sos, J.A.Wells and K.M.Shokat (2013). “K-Ras(G12C) inhibitors allosterically control GTP affinity and effector interactions.”Nature 503(7477):548-551
【発明の概要】
【0007】
種々の生物学的プロセスを調整することにその役割が与えられているとすると、KRASは、低分子阻害剤による調節のための魅力的な標的である。現在までに、有効なKRAS阻害剤は殆ど開発されておらず、臨床試験を始めているKRAS阻害剤もない。
【0008】
以下に記載する本発明の化合物の実施態様のそれぞれは、組み合わされる実施態様と不整合ではないところの、本明細書に記載の本発明の化合物の他の任意の実施態様と組み合わせることができる。さらに、下記に本発明を説明している実施態様のそれぞれは、医薬的に許容できる本発明の化合物の塩を、本発明の範囲内に含まれるものとしてイメージしている。従って、“もしくはそれらの医薬的に許容できる塩”というフレーズは、本明細書に記載の全ての化合物についての説明において言外に含まれている。
【0009】
本発明は、式(I)
【0010】
【化1】
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【0011】
〔式中、Aは-C(H)-又は窒素であり;
Bは、酸素、イオウ、NR6、又はC(R6)2であり;
Jは、3〜12個の環原子を有するヘテロ環であって、必要に応じて1、2、3、4、5、又は6個のR2で置換されていてもよく;
Kは、C6-C12アリールであるか、又は5〜12個の環原子を有するヘテロアリールであって、必要に応じて1、2、3、4、5、6、又は7個のR3で置換されていてもよく;
Wは、
【0012】
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
【0013】
からなる群から選ばれ、必要に応じて1、2、又は3個のR5で置換されていてもよく;
各R1は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルキル-ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキル-C1-C6アルコキシ、ヒドロキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR1が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R2は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルキル-ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、C1-C6アルキル-シアノ、及びオキソからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR2が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R3は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、-N(R6)2、オキソ、及びシアノからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR3が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
R4は-X-Y-Zであって、Xは、存在しないか又は酸素、イオウ、及び-NR6-からなる群から選ばれ、Yは、存在しないか又はC1-C6アルキレニルであり、そしてZは、H、-N(R6)2、-C(O)-N(R6)2、-OR6、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、5〜12個の環原子を有するヘテロアリール、及びC3-C6シクロアルキルから選ばれ、R4は、必要に応じて1つ以上のR7で置換されていてもよく;
各R5は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;
各R6は、水素、ヒドロキシル、C1-C6アルコキシ、及びC1-C6アルキルからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR6が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R7は、独立的にR7’又はC1-C6アルキル-R7’であり、ここで各R7’は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、-N(R6)2、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、及びオキソからなる群から独立して選ばれ;そして
mは0、1、2、又は3である〕
の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩が提供される、という場合の実施態様を含む。
【0014】
本発明はさらに、式(I)
【0015】
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【0016】
〔式中、Aは-C(H)-又は窒素であり;
Bは、酸素、イオウ、NR6、又はC(R6)2であり;
Jは、3〜12個の環原子を有するヘテロ環であって、
【0017】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【0018】
からなる群から選ばれ、W’はWへの連結箇所を表しており、Jは、必要に応じて1、2、3、4、5、又は6個のR2で置換されていてもよく;
Kは、C6-C12アリールであって、
【0019】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
【0020】
からなる群から選ばれるか、あるいは5〜12個の環原子を有するヘテロアリールであって、
【0021】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
【0022】
からなる群から選ばれ、Kは、必要に応じて1、2、3、4、5、6、又は7個のR3で置換されていてもよく;
Wは、
【0023】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
【0024】
からなる群から選ばれ、必要に応じて1、2、又は3個のR5で置換されていてもよく;
各R1は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルキル-ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキル-C1-C6アルコキシ、ヒドロキシ、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR1が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R2は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルキル-ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、C1-C6アルキル-シアノ、及びオキソからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR2が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R3は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、-N(R6)2、オキソ、及びシアノからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR3が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
R4は-X-Y-Zであって、Xは、存在しないか又は酸素、イオウ、及び-NR6-からなる群から選ばれ、Yは、存在しないか又はC1-C6アルキレニルであり、そしてZは、H、-N(R6)2、-C(O)-N(R6)2、-OR6、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、5〜12個の環原子を有するヘテロアリール、及びC3-C6シクロアルキルから選ばれ、R4は、必要に応じて1つ以上のR7で置換されていてもよく;
各R5は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;
各R6は、水素、ヒドロキシル、C1-C6アルコキシ、及びC1-C6アルキルからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR6が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R7は、独立的にR7’又はC1-C6アルキル-R7’であり、ここで各R7’は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、ハロゲン、-N(R6)2、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、及びオキソからなる群から独立して選ばれ;そして
mは0、1、2、又は3である〕
の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩が提供される、という場合の実施態様を含む。
本発明はさらに、式(I)
【0025】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
【0026】
〔式中、Aは-C(H)-又は窒素であり;
Bは、酸素又はC(R6)2であり;
Jは、3〜12個の環原子を有するヘテロ環であって、
【0027】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
【0028】
からなる群から選ばれ、W’はWへの連結箇所を表しており、Jは、必要に応じて1個のR2で置換されていてもよく;
Kは、C6-C12アリールであって、
【0029】
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
【0030】
であるか、あるいは5〜12個の環原子を有するヘテロアリールであって、
【0031】
【化11】
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【0032】
からなる群から選ばれ、Kは、必要に応じて1個又は2個のR3で置換されていてもよく;
Wは、
【0033】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【0034】
からなる群から選ばれ;
各R1は、C1-C6アルキル、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;
各R2はC1-C6アルキルであり;
各R3は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、及びC1-C6ハロアルキルからなる群から独立して選ばれ;
R4は-X-Y-Zであって、Xは、存在しないか又は酸素であり、Yは、存在しないか又はC1-C6アルキレニルであり、そしてZは、H、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、及びC3-C6シクロアルキルから選ばれ、R4は、必要に応じてR7で置換されていてもよく;
各R6は、水素、ヒドロキシル、C1-C6アルコキシ、及びC1-C6アルキルからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR6が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R7は、独立的にR7’又はC1-C6アルキル-R7’であり、ここで各R7’は、C1-C6アルキル及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;そして
mは0、1、2、又は3である〕
の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩が提供される、という場合の実施態様を含む。
【0035】
留意しておかねばならないことは、上記の実施態様は、2つのR3置換基が一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環を形成するという場合の式(I)の化合物を含み、このとき前記3〜12個の環原子を有するヘテロ環がラクタムである、という点である。K(下記の例ではKはアリールであるが、Kはヘテロアリールであってもよい)に縮合する代表的なラクタムとしては
【0036】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0037】
等があるが、これらに限定されない。
上記の実施態様はさらに、Kが
【0038】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【0039】
から選ばれる場合の式(I)の化合物及びそれらの医薬的に許容できる塩、Kが
【0040】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
【0041】
から選ばれる場合の式(I)の化合物及びそれらの医薬的に許容できる塩、Kが
【0042】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0043】
である場合の式(I)の化合物及びそれらの医薬的に許容できる塩、Wが
【0044】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0045】
である場合の式(I)の化合物及びそれらの医薬的に許容できる塩、Jが
【0046】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0047】
である場合の式(I)の化合物及びそれらの医薬的に許容できる塩、Jが
【0048】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【0049】
から選ばれる場合の式(I)の化合物及びそれらの医薬的に許容できる塩、及び/又はR4
【0050】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【0051】
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
【0052】
からなる群から選ばれ、好ましくはR4
【0053】
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
【0054】
からなる群から選ばれる場合の式(I)の化合物及びそれらの医薬的に許容できる塩を含む、というケースがあることも留意しておかねばならない。
本発明はさらに、式(II)
【0055】
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
【0056】
〔式中、
Aは-C(H)-又は窒素であり;
Jは
【0057】
【化24】
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【0058】
であって、W’はWへの連結箇所を表しており、Jは、必要に応じて1つ以上のR2で置換されていてもよく;
Wは
【0059】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
【0060】
であり;
各R1は、C1-C6アルキル、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;
R2はC1-C6アルキルであり;
各R3は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、及びC1-C6ハロアルキルからなる群から独立して選ばれ;
R4は-X-Y-Zであって、Xは、存在しないか又は酸素であり、Yは、存在しないか又はC1-C6アルキレニルであり、そしてZは、H、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、及びC3-C6シクロアルキルから選ばれ、R4は、必要に応じてR7で置換されていてもよく;
各R6は、水素、ヒドロキシル、C1-C6アルコキシ、及びC1-C6アルキルからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR6が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R7は、独立的にR7’又はC1-C6アルキル-R7’であり、ここで各R7’は、C1-C6アルキル及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;そして
各mは、独立的に0、1、2、又は3である〕
に記載の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩等の実施態様を含む。
【0061】
式(II)の化合物もしくはそれらの塩は、
【0062】
【化26】
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【0063】
【0064】
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
【0065】
からなる群から選ばれる場合の化合物もしくは塩を含む。
式(II)の化合物もしくは塩はさらに、R4
【0066】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
【0067】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【0068】
からなる群から選ばれる場合の、好ましくはR4
【0069】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0070】
からなる群から選ばれる場合の化合物もしくは塩を含む。
本発明はさらに、式(III)
【0071】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0072】
〔式中、Jは
【0073】
【化32】
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【0074】
であって、W’はWへの連結箇所を表しており、Jは、必要に応じて1つ以上のR2で置換されていてもよく;
Wは
【0075】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0076】
からなる群から選ばれ;
各R1は、C1-C6アルキル、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;
R2はC1-C6アルキルであり;
各R3は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、及びC1-C6ハロアルキルからなる群から独立して選ばれ;
R4は-X-Y-Zであって、Xは、存在しないか又は酸素であり、Yは、存在しないか又はC1-C6アルキレニルであり、そしてZは、H、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、及びC3-C6シクロアルキルから選ばれ、R4は、必要に応じてR7で置換されていてもよく;
各R6は、水素、ヒドロキシル、C1-C6アルコキシ、及びC1-C6アルキルからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR6が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R7は、独立的にR7’又はC1-C6アルキル-R7’であり、ここで各R7’は、C1-C6アルキル及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;そして
各mは、独立的に0、1、2、又は3である〕
に記載の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩等の実施態様を含む。
【0077】
式(III)の化合物もしくはそれらの塩は、
【0078】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【0079】
【0080】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【0081】
からなる群から選ばれる場合の化合物もしくはそれらの塩を含む。
式(III)の化合物もしくはそれらの塩はさらに、R4
【0082】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
【0083】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
【0084】
からなる群から選ばれる場合の、好ましくはR4
【0085】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【0086】
からなる群から選ばれる場合の化合物もしくはそれらの塩を含む。
本発明はさらに、式(IV)
【0087】
【化39】
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【0088】
〔式中、Jは
【0089】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
【0090】
であって、W’はWへの連結箇所を表しており、Jは、必要に応じて1つ以上のR2で置換されていてもよく;
Wは
【0091】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
【0092】
からなる群から選ばれ;
各R1は、C1-C6アルキル、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、シアノ、及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;
R2はC1-C6アルキルであり;
各R3は、C1-C6アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、及びC1-C6ハロアルキルからなる群から独立して選ばれ;
R4は-X-Y-Zであって、Xは、存在しないか又は酸素であり、Yは、存在しないか又はC1-C6アルキレニルであり、そしてZは、H、3〜12個の環原子を有するヘテロ環、及びC3-C6シクロアルキルから選ばれ、R4は、必要に応じてR7で置換されていてもよく;
各R6は、水素、ヒドロキシル、C1-C6アルコキシ、及びC1-C6アルキルからなる群から独立して選ばれ、あるいは2つのR6が、必要に応じて一緒になって3〜12個の環原子を有するヘテロ環又はC3-C6シクロアルキルを形成してもよく;
各R7は、独立的にR7’又はC1-C6アルキル-R7’であり、ここで各R7’は、C1-C6アルキル及び-N(R6)2からなる群から独立して選ばれ;そして
各mは、独立的に0、1、2、又は3である〕
に記載の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩等の実施態様を含む。
【0093】
式(IV)の化合物もしくはそれらの塩は、
【0094】
【化42】
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【0095】
【0096】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
【0097】
からなる群から選ばれる場合の化合物もしくはそれらの塩を含む。
式(IV)の化合物もしくはそれらの塩はさらに、R4
【0098】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0099】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【0100】
からなる群から選ばれる場合の、好ましくはR4
【0101】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【0102】
からなる群から選ばれる場合の化合物もしくはそれらの塩を含む。
さらに、本発明の実施態様は、
【0103】
【化47】
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【0104】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
【0105】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
【0106】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
【0107】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
【0108】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【0109】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
【0110】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
【0111】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
【0112】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0113】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0114】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0115】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
【0116】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
【0117】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0118】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0119】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0120】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0121】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
【0122】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
【0123】
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
【0124】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【0125】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
【0126】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0127】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
【0128】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0129】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
【0130】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【0131】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0132】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【0133】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【0134】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
【0135】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
【0136】
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
【0137】
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
【0138】
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
【0139】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
【0140】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
【0141】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
【0142】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
【0143】
からなる群から選ばれる化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩を含む。
本発明の実施態様は、好ましくは
【0144】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
【0145】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0146】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
【0147】
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
【0148】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
【0149】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
【0150】
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
【0151】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0152】
からなる群から選ばれる化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩を含む。
本発明のさらなる実施態様は、ここに記載の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩及び医薬的に許容できる賦形剤を、治療学的有効量にて含んでなる医薬組成物を含む。
【0153】
本発明のさらなる実施態様は、KRAS活性を阻害することが強く求められる細胞を、治療学的有効量の、ここに記載の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩、又は前記の化合物もしくは医薬的に許容できる塩を含有する医薬組成物と接触させることによって細胞中のKRAS活性を阻害する方法を含む。
【0154】
本発明のさらなる実施態様は、ガンに罹患している患者に、治療学的有効量の、ここに記載の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩を、単独にてあるいは1種以上の医薬的に許容できるキャリヤー、賦形剤、もしくは希釈剤と組み合わせて投与することを含む、ガンの治療方法を含む。
【0155】
本発明の実施態様はさらに、投与される化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩の治療学的有効量が、一日当たり約0.01〜300mg/kg、あるいは一日当たり約0.1〜100mg/kgであるという治療方法を含む。
【0156】
本発明のさらなる実施態様は、哺乳類に、治療学的有効量のここに記載の化合物もしくはそれらの医薬的に許容できる塩を投与することを含む、哺乳類における異常な細胞増殖を治療する方法を含む。ある特定の実施態様では、異常な細胞増殖はガンであり、こうした実施態様の幾つかにおいては、ガンは、肺ガン、骨ガン、膵臓ガン、皮膚ガン、頭頚部ガン、皮膚もしくは眼球内黒色腫、子宮ガン、卵巣ガン、直腸ガン、肛門部ガン、胃ガン、結腸ガン、乳ガン、子宮ガン、卵管ガン、子宮内膜ガン、頸ガン、膣ガン、外陰ガン、ホジキン病、食道ガン、小腸ガン、内分泌系ガン、甲状腺ガン、副甲状腺ガン、副腎ガン、軟部組織肉腫、尿道ガン、陰茎ガン、前立腺ガン、慢性もしくは急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱ガン、腎臓もしくは尿管のガン、腎細胞ガン、腎孟ガン、中枢神経系(CNS)腫瘍、中枢神経系原発リンパ腫、脊髄軸腫瘍、脳幹グリオーマ、又は下垂体腺腫である。このようなガンは、KRAS関連のガンである場合がある。特に興味があるのは、肺ガン、結腸ガン、膵臓ガン、及び卵巣ガンである。
【0157】
本発明の実施態様はさらに、哺乳類における異常細胞増殖の治療に有用な薬剤を製造する上で、ここに記載の化合物を使用すること、あるいはそれらの医薬的に許容できる塩を使用することを含む。ある特定の実施態様では、異常な細胞増殖はガンであり、こうした実施態様の幾つかにおいては、ガンは、肺ガン、骨ガン、膵臓ガン、皮膚ガン、頭頚部ガン、皮膚もしくは眼球内黒色腫、子宮ガン、卵巣ガン、直腸ガン、肛門部ガン、胃ガン、結腸ガン、乳ガン、子宮ガン、卵管ガン、子宮内膜ガン、頸ガン、膣ガン、外陰ガン、ホジキン病、食道ガン、小腸ガン、内分泌系ガン、甲状腺ガン、副甲状腺ガン、副腎ガン、軟部組織肉腫、尿道ガン、陰茎ガン、前立腺ガン、慢性もしくは急性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱ガン、腎臓もしくは尿管のガン、腎細胞ガン、腎孟ガン、中枢神経系(CNS)腫瘍、中枢神経系原発リンパ腫、脊髄軸腫瘍、脳幹グリオーマ、又は下垂体腺腫である。このようなガンは、KRAS関連のガンである場合がある。
【0158】
さらに、ガンの治療に関連して、本発明の実施態様は、(a)当該ガンがKRAS突然変異体に関連していることを確認すること;及び(b)ここに記載の化合物もしくは医薬的に許容できる塩又はそれらの医薬組成物を治療学的有効量にて患者に投与すること;を含む、ガンの治療を必要とする患者においてガンを治療する方法を含む。幾つかの実施態様では、KRAS突然変異体がRas突然変異体であるか、あるいはコドン12、13、及び/又は61にRas突然変異体を組み込む。
【0159】
定義
特に明記しない限り、本明細書とクレーム中に使用されている以下の用語は、下記に記載の意味を有する。本セクションに定義されている変数(例えばR、X、及びn等)は、本セクション内だけでの参照用であって、本定義セクションのほかで使用されるものと同じ意味を有するようには意図されていない。さらに、ここに定義の群の多くは、必要に応じて置換されていてもよい。本定義セクションにおける一般的な置換基のリストは代表的なものであり、本明細書及びクレーム内のほかの場所で定義されている置換基を限定するよう意図されてはいない。
ここで定義する“アルケニル”は、少なくとも2つの炭素原子と少なくとも1つの炭素-炭素二重結合からなるアルキル基を表す。代表的な例としては、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、及び3-ブテニル等があるが、これらに限定されない。“アルケニレン”は、アルケニルの二価形を表す。
【0160】
“アルコキシ”は、アルキルが、好ましくはC1-C8アルキル、C1-C7アルキル、C1-C6アルキル、C1-C5アルキル、C1-C4アルキル、C1-C3アルキル、C1-C2アルキル、又はC1アルキルである場合の-O-アルキルを表す。
【0161】
“アルキル”は、1〜20個の炭素原子を有する直鎖基又は分岐鎖基〔“(C1-C20)アルキル”〕、好ましくは1〜12個の炭素原子を有する直鎖基又は分岐鎖基〔“(C1-C12)アルキル”〕、さらに好ましくは1〜8個の炭素原子を有する直鎖基又は分岐鎖基〔“(C1-C8)アルキル”〕、又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖基又は分岐鎖基〔“(C1-C6)アルキル”〕、又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖基又は分岐鎖基〔“(C1-C4)アルキル”〕を含む飽和脂肪族炭化水素基を表す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、2-プロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、及びネオペンチル等がある。アルキルは、無置換であっても置換されていてもよい。代表的な置換基としては、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、ニトロ、シリル、アミノ、及び-NRxRy(式中、RxとRyは、例えば水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、カルボニル、アセチル、スルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、又は5員もしくは6員のヘテロ脂環式環である)などがある。“ハロアルキル”〔例えば(C1-C6)ハロアルキル〕は、1〜6個の炭素と1つ以上のハロゲン置換基を有するアルキル(例えば、-CF3や-CHF2)を表す。“アルキレン”はアルキルの二価形を表す。
【0162】
ここに定義の“アルキニル”は、少なくとも2つの炭素原子と少なくとも1つの炭素-炭素三重結合からなるアルキル基を表す。代表的な例としては、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、及び3-ブチニル等がある。
【0163】
“アミノ”は、RxとRyが共に水素である場合の-NRxRyを表す。
“(C6-C12)アリール”は、完全に共役したπ電子系を有する、6〜12個の炭素原子を含む全て炭素の単環式基又は縮合環多環式基を表す。同様に、“(C5-C12)アリール”は、完全に共役したπ電子系を有する、5〜12個の炭素原子を含む全て炭素の単環式基又は縮合環多環式基を表す。アリール基の例としては、フェニル、ナフタレニル、及びアントラセニル等があるが、これらに限定されない。アリール基は、無置換であっても置換されていてもよい。代表的な置換基としては、ハロゲン、トリハロメチル、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ニトロ、カルボニル、チオカルボニル、C-カルボキシ、O-カルボキシ、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、スルフィニル、スルホニル、アミノ、及び-NRxRy(RxとRyは上記にて定義したとおりである)等がある。
【0164】
“(C6-C12)アリール”はさらに、それに縮合した炭素環やヘテロ環をさらに含めた、上記のアリール環及び環系を含む。例えば
【0165】
【化95】
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【0166】
“シアノ”は-C≡N基を表す。シアノはCNと表示することができる。
“(C3-C10)シクロアルキル”は、3〜10員の全て炭素の単環式環基、3〜10員の全て炭素の二環式環基、5員/6員もしくは6員/6員の全て炭素の二環式縮合環基、又は多環式縮合環基(“縮合”環系とは、系内の各環が、隣り合った炭素原子対を系内の他の他の環と共有していることを意味する)を表し、ここで環の1つ以上が1つ以上の二重結合を含んでよいが、環のいずれも、完全に共役したπ電子系及び全て炭素の架橋環系をもたない。シクロアルキル基の例としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキサジエン、アダマンタン、シクロヘプタン、及びシクロヘプタトリエン等があるが、これらに限定されない。シクロアルキル基は、無置換であっても置換されていてもよい。代表的な置換基としては、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、C-カルボキシ、O-カルボキシ、O-カルバミル、N-カルバミル、N-アミド、ニトロ、アミノ、及び-NRxRy(式中、RxとRyは上記にて定義したとおりである)等がある。
【0167】
“G12C”は、野生型KRAS中のポジション12におけるアミノ酸が、グリシン残基からシステイン残基に突然変異した場合の突然変異体を表す。
“ハロゲン”又は接頭辞“ハロ”は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを表す。好ましくは、ハロゲンはフルオロ又はクロロを表す。
【0168】
“ヘテロアルキル”は、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜12個の炭素原子、さらに好ましくは1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、もしくは1〜4個の炭素原子を含む直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基中の炭素原子の1つ、2つ、又は3つが、NRx、N、O、及びS(O)n(式中、nは0、1、又は2である)から選ばれるヘテロ原子で置き換えられている場合の基を表す。一般には1つより多いヘテロ原子が存在し、これらのヘテロ原子は互いに隣接していない。
【0169】
代表的なヘテロアルキルとしては、アルキルエーテル、第二アルキルアミン、第三アルキルアミン、アミド、及びアルキルスルフィド等がある。この基は、末端基であっても架橋基であってもよい。本明細書で使用しているノルマルチェイン(normal chain)とは、架橋基の文脈において使用される場合は、架橋基の2つの末端位置を連結する原子の直接的な鎖を表す。“アルキル”の場合と同様に、“ヘテロアルキル”上の代表的な置換基としては、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ヒドロキシ、アルコキシアリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロゲン、カルボニル、チオカルボニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、ニトロ、シリル、アミノ、及び-NRxRy(式中、RxとRyは、例えば水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、カルボニル、アセチル、スルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、又は5員もしくは6員のヘテロ脂環式環である)等がある。“ヘテロアルケニル”は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有するヘテロアルキルを表す。“ヘテロアルキレン”は、ヘテロアルキルの二価形を表す。“ヘテロアルケニレン”は、ヘテロアルケニルの二価形を表す。
【0170】
“ヘテロアリール”は、NRx、N、O、及びS(O)n(式中、nは0、1、又は2である)から選ばれる、1つ、2つ、3つ、もしくは4つの環ヘテロ原子を含む5〜12個の環原子で構成され、そして完全に共役したπ電子系を有する、単環式環基または縮合環基を表す。好ましいヘテロアリール基としては、上記の定義に従った(C2-C7)ヘテロアリールがある。無置換ヘテロアリール基の例としては、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、プリン、テトラゾール、トリアジン、及びカルバゾール等があるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基は、無置換であっても置換されていてもよい。代表的な置換基としては、アルキル、シクロアルキル、ハロゲン、トリハロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ニトロ、カルボニル、チオカルボニル、スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、スルフィニル、スルホニル、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、アミノ、及び-NRxRy(RxとRyは、上記にて定義したとおりである)等がある。医薬的に許容できるヘテロアリール基は、本発明の化合物に結び付けるのに十分に安定であり、医薬組成物に製剤されるのに充分に安定であり、そして投与を必要とする患者に引き続き投与されるのに充分に安定であるようなヘテロアリール基である。
代表的な単環式ヘテロアリール基の例としては、
【0171】
【化96】
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【0172】
等があるが、これらに限定されない。
適切な縮合環ヘテロアリール基の例としては、
【0173】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
【0174】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
【0175】
等があるが、これらに限定されない。
“ヘテロサイクリル”は、N、O、及びS(O)n(式中、nは0、1、又は2である)から選ばれる、1つ、2つ、3つ、又は4つの環ヘテロ原子を含む3〜12個の環原子、及び1〜9個の炭素原子を有する単環式環系、スピロ環式環系、又は縮合環系を表す。これらの環はさらに、1つ以上の二重結合を有してよい。しかしながら、これらの環は、完全に共役したπ電子系をもたない。好ましいヘテロ環としては、上記の定義に従った(C2-C6)ヘテロ環がある。
【0176】
適切な飽和ヘテロ環式基の例としては、
【0177】
【化99】
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【0178】
等があるが、これらに限定されない。
適切な部分不飽和ヘテロ環式基の例としては、
【0179】
【化100】
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【0180】
等があるが、これらに限定されない。
適切な縮合ヘテロ環式基の例としては、
【0181】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
【0182】
等があるが、これらに限定されない。
適切なセミ飽和縮合ヘテロ環式基の例としては、
【0183】
【化102】
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【0184】
等があるが、これらに限定されない。
適切なスピロ環式ヘテロ環式基の例としては、
【0185】
【化103】
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【0186】
等があるが、これらに限定されない。
ヘテロサイクリル基は、ハロゲン;低級アルキル;カルボキシ、エステル、ヒドロキシ、モノアルキルアミノ、もしくはジアルキルアミノで置換された低級アルキル;又はオキソ;から独立して選ばれる1つ又は2つの置換基で、必要に応じて置換されていてもよい。ヘテロ環はさらに、ヘテロ環上の非隣接炭素間のブリッジングを含めたブリッジングを含んでよく、このブリッジは、1〜2個の炭素原子、ならびにNRx、O、及びS(O)n(式中、nは0、1、又は2である)から選ばれる0〜1個のヘテロ原子を有する。
【0187】
“ヒドロキシ”又は“ヒドロキシル”は-OH基を表す。
“インビトロ”は、例えば、試験管や培地(これらに限定されない)のような人工的環境において行われる手順を表す。
【0188】
“インビボ”は、例えば、マウス、ラット、又はウサギ(これらに限定されない)のような生体内で行われる手順を表す。
“任意の(optional)”又は“必要に応じて(optionally)”は、引き続き記載されている事象もしくは状況が、起こってよいが、起こる必要はない、ということ、そしてその記載は、事象もしくは状況が起こる場合と、起こらない場合を含む、ということを意味する。例えば、“必要に応じてアルキル基で置換されていてもよいヘテロ環基”は、アルキル基が、存在してよいが、存在する必要はないということ、そしてその記載は、ヘテロ環基がアルキル基で置換されている状態、及びヘテロ環基がアルキル基で置換されていない状態を含む。
【0189】
“生命体”は、少なくとも1つの細胞で構成される、あらゆる生きている実体を表す。生命体は、例えば単独の真核細胞のような単純な場合もあり、哺乳類(ヒトを含む)のような複雑な場合もある。
【0190】
“医薬的に許容できる賦形剤”は、ある化合物の投与をより容易にするために、医薬組成物に加えられる不活性物質を表す。賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々のタイプの糖と澱粉、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、及びポリエチレングリコール等があるが、これらに限定されない。
【0191】
本明細書で使用されている“医薬的に許容できる塩”とは、親化合物の生物学的な有効性と特性を保持する塩を表す。このような塩としては、(i)親化合物の遊離塩基と、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、もしくは過塩素酸等の無機酸との、又は例えば酢酸、シュウ酸、D-リンゴ酸、L-リンゴ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸等の有機酸との反応によって得られる酸付加塩;あるいは(ii)親化合物中に存在する酸性プロトンが、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、もしくはアルミニウムイオン等金属イオンで置き換えられるときに、又は例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、もしくはN-メチルグルカミン等の有機塩基と配位するときに形成される塩;等がある。
【0192】
“医薬組成物”は、本明細書に記載の化合物の1つ以上又はそれらの生理学的/医薬的に許容されうる塩、溶媒和物、水和物、もしくはプロドラッグと、生理学的/医薬的に許容されうるキャリヤーや賦形剤等の他の化学成分との混合物を表す。医薬組成物にする目的は、ある化合物の生命体への投与を容易にすることにある。
【0193】
本明細書で使用している“生理学的/医薬的に許容されうるキャリヤー”は、生命体に重大な炎症を引き起こさず、そして投与される化合物の生物学的な活性と特性を無効にしないキャリヤーもしくは希釈剤を表す。
【0194】
“治療学的有効量”は、治療される疾患の症状の1つ以上をある程度緩和する、投与しようとする化合物の量を表す。ガンの治療に関しての治療学的有効量は、下記の効果の少なくとも1つを有する量を表す:腫瘍の大きさを減少させること;腫瘍の転移を抑えること(すなわち、ある程度遅くすること、好ましくは止めること);腫瘍の増殖をある程度抑えること(すなわち、ある程度遅くすること、好ましくは止めること);及びガンに関連した1つ以上の症状をある程度緩和すること(あるいは、好ましくは取り除くこと)。
【0195】
“治療する(treat)”、“治療すること(treating)”、及び“治療(treatment)”は、メチルトランスフェラーゼ媒介性細胞障害及び/又はそれに付随する症状を緩和もしくは取り除く方法を表す。特にガンに関して言うと、これらの用語は単に、ガンに罹患した個人の平均余命が長くなるということ、あるいはガンの症状の1つ以上が減少するということを意味している。
【0196】
詳細な説明
本発明の化合物を合成するための一般的なスキームは、本明細書中の実施例セクションに記載されている。
【0197】
特に明記しない限り、本発明の化合物への言及は全て、本発明の化合物の塩、溶媒和物、水和物、及び錯体への言及を、ならびに本発明の化合物の塩の溶媒和物、水和物、及び錯体への言及を含み、このとき多形体、立体異性体、及びそれらの同位体標識バージョンを含む。
【0198】
医薬的に許容できる塩は、酸付加塩と塩基性塩を含む(二塩も含む)。適切な酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から形成される。例としては、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプチン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチルスルホン酸塩、ナフチル酸塩、
2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素/リン酸二水素、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、及びトリフルオロ酢酸塩等がある。
【0199】
適切な塩基性塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成される。例としては、アルミニウム塩、アルギニン塩、ベンザチン塩、カルシウム塩、コリン塩、ジエチルアミン塩、ジオラミン塩、グリシン塩、リシン塩、マグネシウム塩、メグルミン塩、オラミン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、トロメタミン塩、及び亜鉛塩等がある。適切な塩に関してレビューするには、“Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection,and Use”by Stahl and Wermuth(Wiley-VCH,Weinheim,Germany,2002)(該文献の開示内容全てを参照により本明細書に含める)を参照のこと。
【0200】
本発明の化合物の医薬的に許容できる塩は、該化合物と所望の酸もしくは塩基との溶液を必要に応じてミキシングすることによって容易に製造することができる。この塩は、溶液から沈殿して、これを濾過によって捕集することもできるし、あるいは溶媒を蒸発除去することによって回収することもできる。塩のイオン化の程度は、完全にイオン化された状態から殆どイオン化されていない状態まで、いろいろある。
【0201】
本発明の化合物は、非溶媒和形でも溶媒和形でも存在することがある。
‘溶媒和物’という用語は、本明細書では、本発明の化合物と1つ以上の医薬的に許容できる溶媒分子(例えばエタノール)を含んでなる分子錯体を表すために使用される。‘水和物’という用語は、溶媒が水であるときに使用される。本発明に従った医薬的に許容できる溶媒和物は、結晶化の溶媒が同位体で置き換えられた場合(例えば、D2O、d6-アセトン、又はd6-DMSO)の水和物と溶媒和物を含む。
【0202】
上記の溶媒和物とは対照的に、薬物やホストが、化学量論量又は非化学量論量にて存在する場合のクラスレートや薬物-ホスト含有錯体(drug-host inclusion complexes)等の錯体も、本発明の範囲内に含まれる。化学量論量又は非化学量論量にて存在してよい2種以上の有機及び/又は無機成分を含有する薬物の錯体も、本発明の範囲内に含まれる。こうして得られる錯体は、イオン化されていても、部分イオン化されていても、あるいはイオン化されていなくてもよい。このような錯体をレビューするには、“J.Pharm Sci,64(8),1269-1288 by Haleblian(August 1975)”(該文献の開示内容全てを参照により本明細書に含める)を参照のこと。
【0203】
本発明の化合物の多形体、プロドラッグ、及び異性体(光学異性体、幾何異性体、及び互変異性体を含む)も、本発明の範囲内に含まれる。
それ自体は薬理学的活性が殆どもしくは全くないが、患者に投与されると、例えば加水分解によって本発明の化合物に転化されうる本発明の化合物の誘導体。このような誘導体は、‘プロドラッグ’と呼ばれる。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、‘Prodrugs as Novel Delivery Systems,Vol.14,ACS Symposium Series(T Higuchi and W Stella)’及び‘Bioreversible Carriers in Drug Design,Pergamon Press,1987(ed.E B Roche,American Pharmaceutical Association)’(これら文献の開示内容全てを参照により本明細書に含める)に記載されている。本発明に従ったプロドラッグは、本発明の化合物中に存在する適切な官能基を、例えば“Design of Prodrugs”by H Bundgaard(Elsevier,1985)(該文献の開示内容全てを参照により本明細書に含める)に記載の‘プロモイエティ’として当業者に知られている特定のモイエティで置き換えることによって製造することができる。
【0204】
本発明に従ったプロドラッグの幾つかの例としては、(i)化合物がカルボン酸官能基(-COOH)を有する場合はそのエステルにする、例えば、水素を(C1-C8)アルキルで置き換える;(ii)化合物がアルコール官能基(-OH)を有する場合はそのエーテルにする、例えば、水素を(C1-C6)アルカノイルオキシメチルで置き換える;及び(iii)化合物が第一又は第二アミノ官能基〔-NH2又は-NHR(ここでRはHではない)〕を有する場合はそのアミドにする、例えば、1つ又は2つの水素を(C1-C10)アルカノイルで置き換える;などがある。前述の例および他のプロドラッグタイプの例に従った置き換え基のさらなる例は、上記の文献中に記載されている。
【0205】
最後に、ある特定の本発明の化合物は、それら自体が、他の本発明の化合物のプロドラッグとして作用することがある。
1つ以上の不斉炭素原子を含む本発明の化合物は、2つ以上の立体異性体として存在することができる。本発明に従った化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、該化合物は、それに応じてエナンチオマーとして存在することがある。化合物が2つ以上のキラル中心を有する場合、該化合物はさらにジアステレオマーとして存在することがある。同様に、本発明の化合物が、キラリティーが存在するシクロプロピル基や他の環式基、アルケニル基、又はアルケニレン基を有する場合は、シス/トランス(又はZ/E)幾何異性体が可能である。本発明の化合物が、例えば、ケト基、オキシム基、又は芳香族モイエティを有する場合は、互変異性が起こりうる。ある単一の化合物が2種以上の異性を示すことがある。
【0206】
本発明の化合物の全ての立体異性体、幾何異性体、及び互変異性体(2種以上の異性を示す化合物、及びこれらの1つ以上の混合物を含む)も、本発明の範囲内に含まれる。対イオンが光学的に活性である場合の酸付加塩や塩基性塩〔例えば、D-乳酸塩やL-リシン、又はラセミ体(例えば、DL-酒石酸塩やDL-アルギニン)〕も、本発明の範囲内に含まれる。
【0207】
シス/トランス異性体は、当業者によく知られている従来の技術(例えば、クロマトグラフィーや分別再結晶)によって分離することができる。個々のエナンチオマーの調製/単離のための従来の技法としては、適切な光学的純粋前駆体からのキラル合成、又は、例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)や超臨界液体クロマトグラフィー(SFC)を用いたラセミ体(又は塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割が挙げられる。
【0208】
これとは別に、ラセミ体(又はラセミ前駆体)は、適切な光学活性化合物(例えばアルコールと反応させることもできるし、あるいは該化合物が酸性もしくは塩基性モイエティを有する場合は、酒石酸や1-フェニルエチルアミン等の酸又は塩基と反応させることもできる。こうして得られるジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィー及び/又は分別再結晶によって分離することができ、ジアステレオ異性体の一方もしくは両方を、当業者によく知られている手段によって対応する純粋エナンチオマーに転化させることができる。
【0209】
立体異性集合体は、当業者に公知の従来の技法によって分離することができ、例えば、“Stereochemistry of Organic Compounds”by E L Eliel(Wiley,New York,1994)を参照のこと(該文献の開示内容全てを参照により本明細書に含める)。
【0210】
本発明はさらに、同じ原子番号を有するが、原子質量又は原子質量数が、自然界に通常見出される原子質量又は原子質量数とは異なる原子で1つ以上の原子が置き換えられている場合の、本発明の同位体標識化合物を含む。本発明の化合物中に組み込むのに適した同位体の例としては、水素の同位体(例えば、2Hや3H)、炭素の同位体(例えば、11C、13C、及び14C)、塩素の同位体(例えば36Cl)、フッ素の同位体(例えば18F)、ヨウ素の同位体(例えば、123Iや125I)、窒素の同位体(例えば、13Nや15N)、酸素の同位体(例えば、15O、17O、及び18O)、リンの同位体(例えば32P)、及びイオウの同位体(例えば35S)等が挙げられる。本発明の特定の同位体標識化合物(例えば、放射性同位元素を組み込んだ化合物)は、薬物/基質組織分布の研究において有用である。放射性同位体であるトリチウム(3H)と炭素-14(14C)は、組込みが容易であって迅速な検出手段であることから、この目的に対して特に有用である。より重い同位体(例えば、重水素2H))による置換は、代謝的安定性がより高くなることから特定の治療上の利点(例えば、インビボ半減期の増大や必要用量の減少)をもたらすことがあり、従って、場合によっては好ましいことがある。11C、18F、15O、及び13N等の陽電子放出同位体(例えば、)による置換は、基質受容体占有を調べるための陽電子放出断層撮影法(PET)研究において有用なことがある。
【0211】
本発明の同位体標識化合物は、一般には、当業者に公知の従来の技法によって、あるいは非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して、本明細書に記載のプロセスと類似のプロセスによって調製することができる。
【0212】
本発明に従った医薬的に許容できる溶媒和物は、再結晶溶媒が同位体で置換されていてよい場合(例えば、D2O、d6-アセトン、又はd6-DMSO)の溶媒和物を含む。
医薬として使用するよう意図された本発明の化合物は、結晶生成物として、非晶質生成物として、あるいはこれらの混合物として投与することができる。本発明の化合物は、沈殿法、再結晶法、凍結乾燥法、噴霧乾燥法、又は蒸発乾燥法等の方法によって、例えば固体プラグ、粉末、又は皮膜として得ることができる。この目的に対しては、マイクロ波乾燥や高周波乾燥も使用することができる。
【0213】
本発明の化合物は、単独でも、本発明の1種以上の他の化合物と組み合わせても投与することができる。本発明の化合物は一般に、医薬的に許容できる1種以上の賦形剤と関連した製剤として投与される。“賦形剤”という用語は、ここでは本発明の化合物以外の任意の成分を表すために使用されている。賦形剤の選択は、かなりの程度まで、特定の投与方法、溶解性と安定性に及ぼす賦形剤の影響、及び剤形の特質等のファクターに依存する。
【0214】
本発明の化合物の送達に適した医薬組成物、及びそれらの調製方法は、当業者には明らかであろう。このような医薬組成物とそれらの調製方法は、例えば、‘Remington’s Pharmaceutical Sciences’,19thEdition(Mack Publishing Company,1995)(該文献の開示内容全てを参照により本明細書に含める)中に記載されている。
【0215】
経口投与
本発明の化合物は、経口で投与することができる。経口投与は、嚥下を伴ってもよいし(従って化合物が胃腸管に入る)、あるいは化合物が口から直接血流に入る口腔投与や舌下投与を使用することもできる。
【0216】
経口投与に適した製剤は、錠剤;粒子、液体、もしくは粉末を収容するカプセル;トローチ剤(液体充填を含む);チューズ;マルチ粒子やナノ粒子;ゲル;固溶体;リポソーム;皮膜(粘液接着剤を含む);オビュール;スプレー;等の固体製剤及び液体製剤を含む。
【0217】
液体製剤としては、懸濁液、溶液、シロップ、及びエリキシル剤等がある。このような製剤は、ソフトもしくはハードカプセル中フィラーとして使用することができ、一般には、キャリャー(例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、又は適切なオイル)ならびに1種以上の乳化剤及び/又は懸濁剤を含む。液体製剤はさらに、例えばサシェから固体を再構成することによって調製できる。
【0218】
本発明の化合物はさらに、“Expert Opinion in Therapeutic Patents,11(6),981-986”by Liang and Chen(2001)(該文献の開示内容全てを参照により本明細書に含める)に記載の剤形のような、速溶性で速崩壊性の剤形にて使用することもできる。
【0219】
錠剤剤形の場合、用量にもよるが、薬物が、剤形の1重量%〜80重量%を、より典型的には剤形の5重量%〜60重量%を構成する。薬物のほかに、一般に錠剤も崩壊剤を含有する。崩壊剤の例としては、グリコール酸澱粉ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微晶質セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、澱粉、プレゼラチン化澱粉、及びアルギン酸ナトリウム等が挙げられる。崩壊剤は一般に、剤形の1重量%〜25重量%を、好ましくは5重量%〜20重量%を構成する。
【0220】
錠剤製剤に凝集特性を付与するために、一般には結合剤が使用される。適切な結合剤としては、微晶質セルロース、ゼラチン、糖類、ポリエチレングリコール、天然ガム、合成ガム、ポリビニルピロリドン、プレゼラチン化澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等がある。錠剤はさらに、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、及び無水物等)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微晶質セルロース、澱粉、及び二塩基性リン酸カルシウム二水和物等の希釈剤を含有してよい。
【0221】
錠剤はさらに、必要に応じて、ラウリル硫酸ナトリウムやポリソルベート80等の界面活性剤、及び二酸化ケイ素やタルク等の流動促進剤を含んでよい。界面活性剤や滑剤が存在する場合、界面活性剤は通常、錠剤の0.2重量%〜5重量%の量にて、滑剤は通常、錠剤の0.2重量%〜1重量%の量にて存在する。
【0222】
錠剤はさらに、一般には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物等の滑剤を含有する。
【0223】
滑剤は一般に、錠剤の0.25重量%〜10重量%の量にて、好ましくは錠剤の0.5重量%〜3重量%の量にて存在する。
他の従来の成分としては、酸化防止剤、着色剤、風味剤、保存剤、及び矯味剤等がある。
【0224】
代表的な錠剤は、最大で約80重量%の薬物、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤、及び約0.25重量%〜約10重量%の滑剤を含有する。
【0225】
錠剤ブレンドを直接もしくはローラーによって圧縮して錠剤を作製することができる。これとは別に、錠剤ブレンド又はブレンドの個々の部分を、錠剤化の前に、湿潤粒状化させたり、乾燥粒状化させたり、溶融粒状化させたり、溶融凝結させたり、あるいは押出したりすることができる。最終的な製剤は、1つ以上の層を含んでよく、またコーティングすることもできるし、そうしなくてもよく、あるいはカプセル封入することもできる。
【0226】
錠剤の処方は、“Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Vol.1”by H.Lieberman and L.Lachman,Marcel Dekker,N.Y.,1980(ISBN 0-8247-6918-X)(該文献の開示内容全てを参照により本明細書に含める)に詳細に説明されている。
【0227】
経口投与用の固体製剤は、即時放出及び/又はa)調整放出となるように調剤することができる。調整放出製剤としては、遅延放出製剤、徐放出製剤、脈動放出製剤、制御放出製剤、標的放出製剤、及びプログラム化放出製剤等がある。
【0228】
適切な調整放出製剤が、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散や浸透性被覆粒子等の他の適切な放出技術の詳細は、“Verma et al,Pharmaceutical Technology On-line,25(2),1-14(2001)”に記載されている。制御放出を達成するためにチューインガムを使用することがWO00/35298に記載されている。これら文献の開示内容全てを参照により本明細書に含める。
【0229】
非経口投与
本発明の化合物はさらに、血流中に、筋肉中に、又は内臓器官中に直接投与することができる。非経口投与のための適切な方法としては、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、くも膜下投与、脳室内投与、尿道内投与、胸骨内(intrasternal)、頭蓋内投与、筋内投与、及び皮下投与等がある。非経口投与のための適切な器具としては、ニードル(マイクロニードルを含む)インジェクター、ニードルフリーインジェクター、及び点滴用器具等がある。
【0230】
非経口製剤は、一般には、塩類、炭水化物、及び緩衝剤(好ましくは3〜6のpHにする)等の賦形剤を含有してよい水溶液であるが、用途によっては、無菌非水溶液として、あるいは適切なビヒクル(例えば、無菌ピロゲン非含有水)と併せて使用する乾燥形として適切に製剤することができる。
【0231】
無菌条件下での(例えば凍結乾燥による)非経口製剤の調製は、当業界によく知られている標準的な製薬技術を使用して容易に達成することができる。
非経口溶液の調製において使用される本発明の化合物の溶解性は、適切な製剤技法(例えば、溶解性増大剤の組み込み)を使用することによって高めることができる。非経口投与用の製剤は、即時放出及び/又は調整放出されるように製剤することができる。調整放出製剤としては、遅延放出製剤、徐放出製剤、脈動放出製剤、制御放出製剤、標的放出製剤、及びプログラム化放出製剤等がある。従って本発明の化合物は、活性化合物の調整放出をもたらす埋め込みデポーとして投与できるように、固体、半固体、もしくはチキソトロープ液体として製剤することができる。このような製剤の例としては、薬物被覆ステントやPGLAミクロスフィア等が挙げられる。
【0232】
局所投与
本発明の化合物はさらに、皮膚や粘膜に局所的に投与することもできる(すなわち、皮膚投与や経皮投与)。この目的に対する典型的な製剤としては、ゲル、ヒドロゲル、外用水薬、溶液、クリーム、軟膏、粉剤、ドレッシング剤、フォーム剤、フィルム剤、皮膚パッチ剤、ウェハー剤、埋め込み剤、スポンジ剤、繊維剤、包帯剤、及びマイクロエマルジョン剤等がある。リポソーム剤も使用することができる。代表的なキャリヤーとしては、アルコール、水、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコール等がある。浸透エンハンサーを組み込むことができる。これについては、例えば“J.Pharm Sci,88(10),955-958”by Finnin and Morgan(October 1999)を参照のこと。局所投与の他の方法は、エレクトロポレーション、イオントフォレシス、フォノフォレシス、ソノフォレシス、及びマイクロニードル注射もしくはニードルフリー注射〔例えば、Powderject(商標)やBioject(商標)など〕によるデリバリーを含む。該文献の開示内容全てを参照により本明細書に含める。
【0233】
局所投与用の製剤は、即時放出及び/又は調整放出されるように製剤することができる。調整放出製剤としては、遅延放出製剤、徐放出製剤、脈動放出製剤、制御放出製剤、標的放出製剤、及びプログラム化放出製剤等がある。
【0234】
吸入投与/鼻腔内投与
本発明の化合物はさらに、一般には乾燥粉末の形で〔例えばラクトースとのドライブレンドという混合物として単独で、又は例えばリン脂質(例えばホスファチジルコリン)と混合した混合成分粒子として単独で〕乾燥粉末吸入器から鼻腔内投与もしくは吸入投与することができ、あるいは加圧容器、ポンプ、噴霧器、アトマイザー(霧状ミスト生成させるために電気流体力学を使用するアトマイザーが好ましい)、もしくはネブライザーからエアロゾルスプレーとして鼻腔内投与もしくは吸入投与することもでき、このとき1,1,1,2-テトラフルオロエタンや1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン等の適切な噴射剤を使用する場合と使用しない場合がある。鼻腔内使用の場合、粉末は生物接着剤(例えば、キトサンやシクロデキストリン)を含んでよい。
【0235】
加圧容器、ポンプ、噴霧器、アトマイザー、又はネブライザーは、例えば、エタノール、水性エタノール、又は活性化合物を分散させるための、活性化合物を可溶化させるための、もしくは活性化合物の放出を高めるための適切な代替薬剤;溶媒としての噴射剤;及び任意の界面活性剤(例えば、トリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、又はオリゴ乳酸等);を含む本発明の化合物の溶液もしくは懸濁液を収容する。
【0236】
乾燥粉末製剤又は懸濁液製剤にて使用する前に、薬物が、吸入によるデリバリーに適したサイズ(一般には5ミクロン未満)に微粒子化される。これは、スパイラルジェット微粉砕、流動床ジェット微粉砕、ナノ粒子を形成させるための超臨界流体プロセシング、高圧均質化、又は噴霧乾燥等の任意の適切な粉末化法によって達成することができる。
Tyc4 吸入器や注入器において使用するためのカプセル(例えば、ゼラチンやHPMCから造られる)、ブリスター、及びカートリッジは、本発明の化合物、適切な粉末ベース(例えば、ラクトースや澱粉)、及び効能調節剤(例えば、L-ロイシン、マンニトール、又はステアリン酸マグネシウム)の粉末混合物を収容するように製剤することができる。ラクトースは、無水物であっても一水和物の形態であってもよいが、好ましいのは後者である。他の適切な賦形剤としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、及びトレハロース等がある。
【0237】
霧状ミスト生成させるのに電気流体力学を利用するアトマイザーにおいて使用するための適切な溶液製剤は、一回の作動当たり1μg〜20μgの本発明の化合物を収容してよく、また作動量は、1μlから100μlまで変わってよい。典型的な溶液製剤は、本発明の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、及び塩化ナトリウムを含む。プロピレングリコールの代わりに使用できる代替溶媒としては、グリセロールやポリエチレングリコール等がある。
【0238】
吸入投与/鼻腔内投与用に意図された本発明の製剤に、適切な風味剤(例えば、メントールやレボメントール)又は甘味料(例えば、サッカリンやサッカリンナトリウム)を加えることができる。
【0239】
吸入投与/鼻腔内投与用の製剤は、例えばポリ(DL-乳酸-co-グリコール酸)(PGLA)を使用して、即時放出及び/又は調整放出となるように製剤することができる。調整放出製剤としては、遅延放出製剤、徐放出製剤、脈動放出製剤、制御放出製剤、標的放出製剤、及びプログラム化放出製剤等がある。
【0240】
乾燥粉末吸入器と乾燥粉末エアロゾルの場合、単位用量は、定量を送達する弁によって決まる。本発明に従った単位用量は、一般には、所望量の本発明の化合物を含有する定量もしくは“パフ”を投与するように準備される。全体としての日用量は、1回用量にて投与することもできるし、あるいはより一般的には、一日を通しての分割用量として投与することもできる。
【0241】
直腸投与/膣内投与
本発明の化合物は、例えば、坐剤、膣坐剤、もしくは浣腸剤の形で、直腸投与または膣内投与することができる。ココアバターが従来の坐剤ベースであるが、必要に応じて種々の代替品を使用することができる。直腸投与/膣内投与用の製剤は、即時放出及び/又は調整放出となるように製剤することができる。調整放出製剤としては、遅延放出製剤、徐放出製剤、脈動放出製剤、制御放出製剤、標的放出製剤、及びプログラム化放出製剤等がある。
【0242】
眼内投与
本発明の化合物はさらに、pH調整した等張性無菌塩水中の微粒子化懸濁液または微粒子化溶液の形で、眼や耳に直接投与することができる。眼内・耳内投与に適した他の製剤としては、軟膏;生分解性(例えば、吸収性ゲルスポンジやコラーゲン)または非生分解性(例えばシリコーン)のインプラント、ウエハー、レンズ、および粒状物;または小嚢システム(例えば、ニオソームやリポソーム);等がある。架橋ポリアクリル酸、架橋ポリビニルアルコール、架橋ヒアルロン酸、セルロースポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはメチルセルロース)、またはヘテロポリサッ例えばカライドポリマー(例えばゲランガム)等のポリマーを塩化ベンザルコニウム等の保存剤と共に組み込むことができる。このような製剤はさらに、イオントフォレシスによってデリバーすることができる。
【0243】
眼内投与/耳内投与用の製剤は、即時放出及び/又は調整放出となるように製剤することができる。調整放出製剤としては、遅延放出製剤、徐放出製剤、脈動放出製剤、制御放出製剤、標的放出製剤、及びプログラム化放出製剤等がある。
【0244】
他の技術
本発明の化合物は、溶解性、溶解速度、風味マスキング、バイオアベイラビリティ、及び/又は上記投与方式のいずれかにて使用する上での安定性を改良するために、シクロデキストリンとその適切な誘導体やポリエチレングリコール含有ポリマー等の可溶性高分子エンティティと組み合わせることができる。
【0245】
例えば薬物-シクロデキストリン錯体は一般に、ほとんどの剤形及び投与経路に対して有用であることがわかっている。包接錯体と非包接錯体の両方を使用することができる。薬物との直接錯形成に代わるものとして、シクロデキストリンを補助添加剤として、すなわちキャリヤー、希釈剤、または可溶化剤として使用することができる。これらの目的に対して最も一般的に使用されるのがα-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、及びγ-シクロデキストリンであり、これらの例が、PCT公開番号WO91/11172、WO94/02518、及びWO98/55148(これら特許文献の開示内容全てを参照により本明細書に含める)に記載されている。
【0246】
用量
投与される活性化合物の量は、治療される患者、障害もしくは疾病の重症度、投与速度、活性化合物の性質、及び処方する医師の判断に依存する。しかしながら、効果的な用量は一般に、1回用量もしくは分割用量にて、体重1kg当たり一日当たり約0.001〜約100mgの範囲であり、好ましくは約0.01〜約35mg/kg/日である。体重が70kgのヒトの場合、これは約0.07〜約7000mg/日であり、好ましくは約0.7〜約2500mg/日である。場合によっては、前記範囲の下限未満の用量レベルで充分であるかもしれない。一方、他のケースでは、有害な副作用を引き起こすことなくより多くの用量を使用することができ、このときより多い用量は一般に、一日全体にわたる投与のために幾つかのより少ない用量に分割される。
【0247】
キットオブパーツ
例えば、ある特定の疾患もしくは疾病を治療するためには、活性化合物の組み合わせを投与するのが望ましい場合があるので、2種以上の医薬組成物(それらのうちの少なくとも1種が本発明に従った化合物を含有する)を、医薬組成物の同時投与に好適なキットの形で適切に組み合わせることができる、ということも本発明の範囲内である。従って本発明のキットは、2種以上の個別の医薬組成物(このうちの少なくとも1種が本発明の化合物を含有する)、及び前記組成物を個別に保持するための手段(例えば、容器、分割ボトル、又は分割ホイルパケット等)を含む。このようなキットの例は、錠剤やカプセル等の包装に使用されるおなじみのブリスターパックである。
【0248】
本発明のキットは、異なる剤形(例えば、経口投与や非経口投与用)を投与するのに、個別の組成物を異なる投与間隔で投与するのに、あるいは個別の組成物を互いに対照しつつ滴定するのに特に適している。コンプライアンスを補助するために、キットは一般に投与指示書を含み、またキットには記憶補助物が用意されている。
【0249】
本明細書では、下記のような略語が使用されている: Ac(アセチル);AcCl(塩化アセチル);AcOHまたはHOAc(酢酸);Ac2O(無水酢酸);aq.(水性);Boc又はboc(tert-ブトキシカルボニル);BOP〔(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート〕;B2pin2〔ビス(ピナコラート)ジボロン〕;ca.(約またはおよそ);CDCl3(重水素化クロロホルム);CH2Cl2及び/又はDCM(ジクロロメタン);DABCO(1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン);DAST(三フッ化ジエチルアミノ硫黄);DBU(1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ-7-エン);DCE(ジクロロエタン);DEA(ジエチルアミン);DIBALまたはDIBAL-H(水素化ジイソブチルアルミニウム);DIC(ジイソプロピルカルボジイミド);DIPEAまたはヒューニッヒ塩基(N,N-ジイソプロピルエチルアミン);DHP((ジヒドロピラン);DMA(ジメチルアセトアミド);DMF(ジメチルホルムアミド);DME(エチレングリコール);DMP(デス・マーチン・ペルヨージナン);DMAP(4-ジメチルアミノピリジン);DMSO(ジメチルスルホキシド);DMSO-d6(重水素化ジメチルスルホキシド);EDCまたはEDCl〔1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド〕;Et(エチル);Et3NまたはTEA(トリエチルアミン);EtOH(エタノール);EtOAc(酢酸エチル);Et2O(ジエチルエーテル);gまたはgm(グラム);HATU〔2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート〕;HBTU〔o-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート〕;HFIP(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール);HMPT〔トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン〕;HPLC(高速液体クロマトグラフィー);HOBT(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール);hまたはhr(時間);iBu(イソブチル);IPA(イソプロピルアルコール);iPr(イソプロピル);iPrOAc(酢酸イソプロピル);KHMDS〔カリウムビス(トリメチルシリル)アミド〕;KOAc(酢酸カリウム);LAH(水素化リチウムアルミニウム);LCMS(液体クロマトグラフィー-質量分析法);LDA(リチウムジイソプロピルアミド);LiHMDS〔リチウムビス(トリメチルシリルアミド)〕;mCPBA(メタ-クロロペルオキシ安息香酸);Me(メチル);MeOH(メタノール);MeOD(重水素化メタノール);MeCN(アセトニトリル);mまたはmin(分);mg(ミリグラム);Ms(メチルスルホニル);MsCl(塩化メタンスルホニル);N(ノルマル);NBS(N-ブロムスクシンイミド);NCS(N-クロロスクシンイミド);NFSI(N-フルオロジベンゼンスルホンイミド);NMR(核磁気共鳴);nBu(n-ブチル);nBuLi(n-ブチルリチウム);nPr(n-プロピル);Pd/C(炭素担持パラジウム);Pd2(dba)3〔トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)〕;Pd(dppf)Cl2〔[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)〕;Pd[P(o-tol)3]2〔ビス[トリス(2-メチルフェニル)ホスフィン]パラジウム〕;Ph(フェニル);PTSAまたはpTSA(p-トルエンスルホン酸);PPTS(p-トルエンスルホン酸ピリジニウム);Rt(保持時間);rt(室温);RuCl(p-シメン)[(R,R)-Ts-DPEN]〔[N-[(1R,2R)-2-(アミノ-kN)-1,2-ジフェニルエチル]-4-メチルベンゼンスルホンアミダト-kN]クロロ[(1,2,3,4,5,6-η)-1-メチル-4-(1-メチルエチル)ベンゼン]-ルテニウム〕;sまたはsec(秒);Selectfluor〔N-クロロメチル-N’-フルオロトリエチレンジアンモニウムビス(テトラフルオロボレート)〕;SEM(2-トリメチルシリルエトキシメトキシ);SFC(超臨界流体クロマトグラフィー);Si-Thiol(シリカ1-プロパンチオール);SK-CCO2-A〔2-(ジメチルアミノメチル)フェロセン-1-イル-パラジウム(II)クロリドジノルボニルホスフィン〕;T3P(無水プロピルホスホン酸);TBAF(フッ化テトラブチルアンモニウム);TBDMSCl(塩化t-ブチル-ジメチルシリル);TBMEまたはMTBE(tert-ブチルメチルエーテル);t-BuOH(2-メチル-2-プロパノール、tert-ブタノール、またはtert-ブチルアルコール);tBu-Xphos(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’-4’-6’-トリイソプロピルビフェニル);TDA-1〔トリス[2-(2-メトキシエトキシ)エチル]アミンまたはトリス(3,6-ジオキサヘプチル)アミン〕;TEA、NEt3、またはEt3N(トリエチルアミン);TFA(トリフルオロ酢酸);THF(テトラヒドロフラン);THP(テトラヒドロピラン);TLC(薄層クロマトグラフィー);TMS(トリメチルシリル);TMSCl(塩化トリメチルシリル);TMSCF3〔トリメチル(トリフルオロメチル)シラン〕;Tosまたはtosyl(4-トルエンスルホニル);TOSMIC(p-トルエンスルホニルメチルイソシアニド);UV(紫外線)。
【実施例】
【0250】
本明細書で使用する新規出発物質の反応と製造は全て従来どおりであり、適切な試薬、及びそれらの性能もしくは調製のための反応条件、ならびに所望の生成物を単離するための手順は当業者によく知られており、前述の文献及び該文献に記載の例と調製を参照すればよい。
【0251】
一般的な合成スキーム
一般的な合成プロセスにおいては、化合物IXで示される一般構造の化合物は、メソッドAに従って製造される。
【0252】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【0253】
化合物Iは、メタノール中アンモニアを使用して第一アミドに転化させることができ、次いでこの第一アミドとオルトギ酸トリエチルとの縮合反応により化合物IIIが得られる。化合物IIIは、BOP試薬とDBUの存在下にてアミンIVを使用して、あるいはBOP試薬とDBUの代わりにPOCl3を使用して化合物Vに転化させることができる。塩基(例えばCs2CO3)と溶媒(例えば、DMAやDMSO)の存在下にて化合物VI等の有効な求核試薬を使用して、化合物Vの求核性芳香族置換を行って化合物VIIを得ることができる。化合物VIが弱い求核試薬である場合は、KF等の添加剤を使用することができる。保護基はTFA等の酸を使用して除去することができ、次いでショッテン・バウマン条件下にて酸塩化物でアシル化して、化合物IXを得ることができる。R、R’、及びR”は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
【0254】
一般的な合成プロセスにおいては、化合物XIXとXXで示される一般構造の化合物は、メソッドBに従って製造される。
【0255】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
【0256】
第一アミドIIは、トリホスゲンを使用してジオンXに転化させることができる。ジオンXは、POCl3を使用してジクロリドに転化させることができ、引き続き塩基性条件下でアミンIVを使用して化合物XIIに転化させることができる。化合物XIは、塩基性条件下で酸素求核試薬または窒素求核試薬を使用して化合物XIIIまたはXIVに転化させることができる。化合物XIIIまたはXIVは、塩基性条件下で求核試薬VIを使用して化合物XVまたはXVIに転化させることができる。TFA等の酸を使用して保護基を除去して、化合物XVIIまたはXVIIIを得ることができ、次いでショッテン・バウマン条件下にて酸塩化物でアシル化して、化合物XIXまたはXXを得ることができる。R、R’、及びR”、R’”、R””、及びR””’は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
【0257】
一般的な合成プロセスにおいては、化合物XXXIIIとXXXIVで示される一般構造の化合物は、メソッドCに従って製造される。
【0258】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【0259】
化合物XXIまたはXXIIは、塩基性条件下にて求核試薬VIを使用して化合物XXIIIまたはXXIVに転化させることができる。ニトロ基を還元して、それぞれ化合物XXVまたはXXVIを得ることができる。化合物XXVまたはXXVIは第一アミドに転化させることができ、次いでオルトギ酸トリエチルとの縮合反応により化合物XXVIIまたはXXVIIIを得ることができる。
【0260】
化合物XXVIIまたはXXVIIIは、BOPとDBUの存在下でアミンIVを使用して化合物XXIXまたはXXXに転化させることができる。TFA等の酸を使用して保護基を除去して、化合物XXXIまたはXXXIIを得ることができ、次いでショッテン・バウマン条件下にて酸塩化物でアシル化して、化合物XXXIIIまたはXXXIVを得ることができる。R、R’、及びR”、R’”、R””、及びR””’は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
【0261】
一般的な合成プロセスにおいては、化合物LIIIとLIVで示される一般構造の化合物は、メソッドDに従って製造される。
【0262】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【0263】
化合物XXXVまたはXXXVIは、塩基性条件下でアミンXXXVIIを使用して化合物XXXVIIIまたはXXXIXに転化させることができる。化合物XXXVIIIまたはXXXIXは、塩基性条件下でアクリル酸t-ブチルとパラジウム触媒を使用して、アルケンXLまたはXLIに転化させることができる。化合物XLまたはXLIは、オゾンを使用してアルデヒドXLIまたはXLIIに転化させることができる。アルデヒドXLIIまたはXLIIIにアリールリチウム化学種を加えると、第二アルコールXLVまたはXLVIが得られる。化合物XLVまたはXLVIは、ピリジン中無水酢酸を使用して化合物XLVIIまたはXLVIIIに転化させることができる。水素雰囲気下にてPd触媒を使用して化合物XLVIIまたはXLVIIIを水素化分解すると、化合物XLIXまたはLが得られる。TFA等の酸を使用して保護基を除去して、化合物LIまたはLIIを得ることができ、次いでショッテン・バウマン条件下にて酸塩化物でアシル化して、化合物LIIIまたはLIXを得ることができる。
【0264】
一般的な合成プロセスにおいては、化合物XIX、XX、LXVII、及びLXVIIIで示される一般構造の化合物は、メソッドEに従って製造される。
【0265】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【0266】
化合物XXIIIまたはXXIVは、酢酸の存在下にてシアン酸カリウムを使用して化合物LVまたはLVIに転化させることができる。これとは別に、メタノール中KOHを使用してエステルを加水分解し、得られたカルボン酸を、HATUと塩化アンモニウムを使用して第一アミドに転化させ、次いでチオホスゲン(トリホスゲン、triphosgene)を使用して環化して化合物LVまたはLVIを得ることができる。ジオンLVまたはLVIは、POCl3を使用して二塩化物LVIIまたはLVIIIに転化させることができる。塩化アリールLVIIまたはLVIIIを、DIEAの存在下にてアミンIVで置換して化合物LIXまたはLXを得ることができる。KFとDIEAの存在下にてDMSO等の極性溶媒中で、窒素求核試薬または酸素求核試薬を使用して求核性芳香族置換を行うと、化合物XV、XVI、LXIII、またはLXIVが得られる。酸性条件下で保護基を除去し、得られたアミンを、塩基性条件下にて酸塩化物を使用して化合物XIX、XX、LXVII、またはLXVIIIに転化させることができる。R、R’、及びR”、R’”、R””、及びR””’は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
【0267】
一般的な合成プロセスにおいては、化合物LXXVIII及びLXXIXで示される一般構造の化合物は、メソッドGに従って製造される。
【0268】
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
【0269】
化合物LXIXは、BOP試薬とDBUの存在下にて、あるいはBOP試薬とDBUの代わりにPOCl3を使用して化合物LXXに転化させることができる。Cs2CO3等の塩基及びDNA等の溶媒の存在下にて、VIのような化合物による求核性芳香族置換を行ってLXXI等の化合物を得る。化合物LXXIは、DCM等の溶媒中m-CPBAを使用して、対応するスルホンLXXIIまたはスルホキシドLXXIIIに酸化することができる。THF等の適切な溶媒中にてLHMDS等の塩基の存在下でアルコールによる求核性芳香族置換を行って、化合物LXXIVを得ることができる。保護基は酸性条件下で除去することができ、得られたアミンは、塩基性条件下で酸塩化物を使用して化合物LXXVIIIに転化させることができる。これとは別に、スルホンLXXIIまたはスルホキシドLXIIIのアミンによる求核性芳香族置換は、tBuOH等の溶媒中にてDIPEA等の塩基の存在下で果たすことができる。保護基は酸性条件下で除去することができ、得られたアミンは、塩基性条件下で酸塩化物の存在下にて化合物LXXIXに転化させることができる。R、R’、及びR”、R’”、R””、及びR””’は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
【0270】
一般的な合成プロセスにおいては、化合物LXXXIV及びLXXXで示される一般構造の化合物は、メソッドHに従って製造される。
【0271】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
【0272】
化合物LXXIVとLXXVを、水素雰囲気下にて炭素担持パラジウム等の触媒の存在下で還元して、化合物LXXXとLXXXIを得ることができる。化合物LXXXとLXXXIは、酸性条件下で脱保護することができ、得られたアミンを、塩基性条件下にて酸塩化物の存在下で対応するアクリルアミドLXXXIV及びLXXXVに転化させることができる。R、R’、及びR”、R’”、R””、及びR””’は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
【0273】
一般的な合成プロセスにおいては、化合物(VII)で示される一般構造の化合物は、メソッドIに従って製造される。
【0274】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
【0275】
化合物LXXIを、PdCl(dppf)等の触媒及びNaBH4等の還元剤の存在下で水素化して、化合物LXXXVIを得ることができる。化合物LXXXVIは、DCM等の溶媒中にてm-CPBA等の酸化剤の存在下で、LXXXVIIのようなスルホンまたはLXXXVIIIのようなスルホキシドに酸化することができる。THF等の溶媒中にてLHMDS等の適切な塩基の存在下で、スルホンLXXXVIIまたはスルホキシドLXXXVIIIのアルコールによる求核性芳香族置換を行って、化合物LXXXを得ることができる。保護基は酸性条件下で除去することができ、得られたアミンは、塩基性条件下で酸塩化物を使用して化合物LXXXIVに転化させることができる。これとは別に、tBuOH等の溶媒中にてDIPEA等の塩基の存在下で、スルホンLXXXVIIまたはスルホキシドLXXXVIIIのアミンによる求核性芳香族置換を行って、化合物LXXXIを得ることができる。保護基は酸性条件下で除去することができ、得られたアミンは、塩基性条件下で酸塩化物の存在下で化合物LXXXIVに転化させることができる。R、R’、及びR”、R’”、R””、及びR””’は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
【0276】
一般的な合成プロセスにおいては、化合物(XCIII)で示される一般構造の化合物は、メソッドKに従って製造される。
【0277】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
【0278】
標準的なスズキカップリング条件下にて、LXXI等の化合物をLXXXIX等の化合物に転化させることができる。LXXXIX等の化合物は、DCM等の溶媒中にてm-CPBA等の酸化剤でXC等のスルホキシドに酸化することができる。化合物XCは、THF等の溶媒中にてLHMDS等の適切な塩基の存在下で、アルコールによる求核性芳香族置換により化合物XCIに転化させることができる。保護基は酸性条件下で除去することができ、得られたアミンは、塩基性条件下にて酸塩化物の存在で化合物XCIIIに転化させることができる。R、R’、及びR”、R’”は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
【0279】
一般的な合成プロセスにおいては、化合物(LXVI)で示される一般構造の化合物は、メソッドLに従って製造される。
【0280】
【化113】
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【0281】
化合物XCIVは、塩基性条件下で求核試薬VIを使用して化合物XCVに転化させることができる。ニトロ基を還元して化合物XCVIが得られる。化合物XCVIは、K2CO3等の塩基の存在下にてCS2を使用してジチオンXCVIIIに転化させることができる。ジチオンXCVIIIは、NaOH等の塩基の存在下にてヨウ化メチルでアルキル化できる。IV等のアミンによる求核性芳香族置換を、DMA等の溶媒中でK2CO3等の塩基の存在下にて高温で行うと、化合物Cがえられる。化合物Cは、DCM等の溶媒中にてm-CPBA等の酸化剤によりCI等のスルホキシドに酸化することができる。化合物CIは、THF等の溶媒中にてLHMDS等の適切な塩基(base)の存在下で、アルコールによる求核性芳香族置換により化合物LXIIIに転化させることができる。保護基は除去することができ、得られたアミンを、塩基性条件下にて酸塩化物の存在下で化合物LXVIに転化させることができる。R、R’、及びR”、R’”は、ここに記載の実施態様、スキーム、実施例、及び特許請求の範囲に定義のとおりである。
【0282】
重要な合成中間体の製造
4-(8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4)の製造
工程1:
【0283】
【化114】
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【0284】
3-アミノ-2-クロロイソニコチン酸メチル(1)(180g、0.96モル)とメタノール(1.2リットル)をオートクレーブ中に混合して得た混合物に、アンンモニアガスを飽和するまでパージした。混合物を30℃で48時間撹拌した。粗反応混合物のアリコートをLC-MSにより分析し、反応が完了していることを確認した。混合物を濃縮して粗生成物を得、これをEtOAc(200ml)ですりつぶし、濾過し、得られたケークを捕集し、減圧乾燥して3-アミノ-2-クロロピリジン-4-カルボキサミド(2)を白色固体として得た(142g、収率86%)。
【0285】
【数1】
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【0286】
工程2:
【0287】
【化115】
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【0288】
3-アミノ-2-クロロイソニコチンアミド(2)(140g,0.816モル)をオルトギ酸トリエチル(1.5リットル)中に混合して得た混合物を16時間加熱還流した。混合物を25℃に冷却し、濾過した。得られたケークをEtOAc(2×100ml)で洗浄し、乾燥して8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(3)をオフホワイト色の固体として得た(110g、収率74%)。
【0289】
【数2】
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【0290】
工程3:
【0291】
【化116】
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【0292】
8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(3)(110g、0.61モル)をDMF(1.6リットル)中に混合して得た懸濁液を撹拌し、これにピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(135g、0.73モル)とBOP(402g、0.91モル)を加え、次いでDBU(184g、1.2モル)を加えた。得られた溶液を25℃で6時間撹拌した。粗反応混合物をLCMSでモニターし、出発物質の殆どが消費されたことを確認した。混合物を氷水(7リットル)で希釈し、EtOAc(4×1.5リットル)で抽出した。有機層を合わせて水(3×3リットル)とブライン(2リットル)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、5%メタノール/DCMで溶離して4-(8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4)を淡黄色固体として得た(101g、収率47%)。
【0293】
【数3】
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【0294】
4-(8-クロロ-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(7)の製造
工程1:
【0295】
【化117】
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【0296】
8-クロロ-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(6)(1.7g、収率95%)は、8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(3)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0297】
【数4】
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【0298】
工程2:
【0299】
【化118】
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【0300】
4-(8-クロロ-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(7)(1.7g、収率61%)は、4-(8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4) を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0301】
【数5】
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【0302】
8-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(12)の製造
工程1:
【0303】
【化119】
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【0304】
2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(8)(5.0g、25ミリモル)をアセトニトリル(60ml)中に混合して得た溶液にNBS(5.0g、28ミリモル)を加えた。混合物を撹拌しながら3時間加熱還流し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、そして石油エーテルで溶離して4-ブロモ-2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(9)を赤色の半固体として得た(6.0g、収率86%)。
【0305】
【数6】
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【0306】
工程2:
【0307】
【化120】
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【0308】
4-ブロモ-2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-アミン(9)(17.7g、64.2ミリモル)をTHF(500ml)中に混合して得た溶液に、窒素雰囲気下にて−78℃でBuLi(ヘキサン中2.5M、116ml、289ミリモル、4.5当量)を加えた。得られた混合物を−75℃で30分撹拌した。次いで、反応混合物中に二酸化炭素ガスを3時間吹き込んだ。反応混合物をNH4Cl飽和溶液(100ml)で急冷し、2NのHClを使用してpH5に調整し、水性層をEtOAc(3×200ml)で抽出した。この粗生成物にEtOAcと石油エーテルの混合物(石油エーテル:EtOAc=15:1、20ml)を加え、混合物を一晩静置した。黄色固体を捕集して3-アミノ-2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-カルボン酸(10)を黄色固体として得た(3.0g、収率20%)。
【0309】
【数7】
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【0310】
工程3:
【0311】
【化121】
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【0312】
3-アミノ-2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-カルボン酸(10)(2.5g、10ミリモル)、NH4Cl(723mg、13.5ミリモル)、HATU(5.1g、13ミリモル)、及びDIPEA(4.0g、31ミリモル)をDMF(10ml)中に混合して得た混合物を、窒素雰囲気下にて25℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。反応混合物をLiCl水溶液で急冷し、EtOAcで抽出した(2×100ml)。EtOAc層を合わせてブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中EtOAc)により精製して、3-アミノ-2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-カルボキサミド(11)を黄色固体として得た(2.3g、収率92%)。
【0313】
【数8】
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【0314】
工程4:
【0315】
【化122】
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【0316】
8-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(12)(1.8g、収率70%)は、8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(3)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0317】
【数9】
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【0318】
4-(6,8-ジクロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(16)の製造
工程1:
【0319】
【化123】
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【0320】
3-アミノ-2,6-ジクロロピリジン-4-カルボキサミド(13)(5g、0.024モル)とN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(3.5g、0.03モル)が入った封管中にて、反応混合物を100℃で15分間加熱した。LCMSと1H-NMRにより、出発物質が消費され、3-アミノ-2,6-ジクロロ-N-((ジメチルアミノ)メチレン)イソニコチンアミドが形成されたことが確認された。粗反応混合物に1,4-ジオキサン(30ml)を加え、次いで炭酸セシウム(15.8g、0.05モル)を加えた。得られた反応混合物を100℃で4時間加熱した。TLC(40%EtOAc/ヘキサン)と1H-NMRにより、反応が完了したことが確認された。反応混合物を減圧にて濃縮した。得られた残留物を氷水(15ml)で希釈し、1NのHClで酸性にした(pH=2〜3)。得られた固体をブフナー漏斗を使用して濾過し、真空オーブン中にて60℃で4時間乾燥した。得られた淡黄色固体をTHF(30ml)ですりつぶし、減圧にて濾過し、真空オーブン中にて60℃で乾燥して、6,8-ジクロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-オール(14)を淡黄色固体として得た(3.5g、収率66%)。
【0321】
【数10】
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【0322】
工程2:
【0323】
【化124】
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【0324】
6,8-ジクロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-オール(14)(1.0g、4.0ミリモル)にPOCl3(13ml)を加えた。混合物を105℃の油浴中に置き、一晩撹拌して褐色溶液を得た。LCMSにより、生成物をメチルエーテルとして得た(LCMS溶媒マトリックスはメタノールであった)。粗反応混合物を室温に冷却し、減圧にて溶媒を除去した。トルエン(10ml)を加え、減圧にて溶媒を除去した。このプロセスを繰り返して、4,6,8-トリクロロピリド[3,4-d]ピリミジン(15)を黒色固体として得、これを次の工程に直ちに使用した。
【0325】
工程3:
【0326】
【化125】
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【0327】
4,6,8-トリクロロピ1g、リド[3,4-d]ピリミジン(15)(1.1g、4.0ミリモル)をTHF(13ml)中に溶解し、引き続きピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.6g、8.7ミリモル)とDIEA(3.5ml、20ミリモル)で処理した。得られた褐色溶液を室温で一晩撹拌した。LCMSにより生成物だけであることが分かった。反応混合物を200mlのH2O中に加え、EtOAc(2×150ml)で抽出した。有機抽出物を合わせて10%NH4Cl(200ml)とブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して褐色油状物を得た。TLC(50%EtOAc/ヘプタン)Rf0.7。粗生成物をDCM中に溶解し、25gシリカカラム(Biotage)上に添加し、10〜50%EtOAc/ヘプタンで溶離した。Rf0.7のスポットを単離し、4-(6,8-ジクロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(16)を黄色固体として得た(1.3g、収率85%)。
【0328】
【数11】
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【0329】
4-(2,8-ジクロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(20)の製造
工程1:
【0330】
【化126】
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【0331】
磁気撹拌棒を装備した2リットルのフラスコに、3-アミノ-2-クロロイソニコチンアミド(17)(50g、292ミリモル)、THF(1リットル)、及びトリホスゲン(43g、146ミリモル)を加えた。フラスコの上に還流冷却器を取り付け、反応混合物を70℃で4時間加熱した。白色沈殿物が生成した。反応混合物を室温に冷却し、減圧にてTHFを除去した。酢酸エチル(1リットル)を加え、濾過により沈殿物を捕集して濃厚な白色固体を得た。濾過ケークを高温のEtOAc(3×1リットル)で洗浄し、乾燥して8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(18)を白色固体として得た(55g、収率95%)。
【0332】
【数12】
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【0333】
工程2:
【0334】
【化127】
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【0335】
磁気撹拌棒を装備した1リットルのフラスコに、8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(18)(45g、228ミリモル)、ジエチルフェニルアミン(34.1g、228ミリモル)、及びPOCl3(600ml)を加えた。混合物を120℃で16時間加熱した。混合物を濃縮し、残留物をDCM(3×500ml)で希釈し、氷水中に慎重に注いだ。生成物をDCM(3×500ml)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮して2,4,8-トリクロロピリド[3,4-d]ピリミジン(19)(粗製品55g)を得た。
【0336】
【数13】
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【0337】
工程3:
【0338】
【化128】
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【0339】
磁気撹拌棒を装備した500mlの丸底フラスコに、2,4,8-トリクロロピリド[3,4-d]ピリミジン(19)(粗製品55g、228ミリモル)、ジオキサン(400ml)、DIPEA(58.9g、457ミリモル)、及びピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(38.2g、206ミリモル)を加えた。混合物を80℃で3時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を濾過し、残留物をDCMで洗浄して4-(2,8-ジクロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(20)を得た(50g、収率57%、2工程)。
【0340】
【数14】
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【0341】
4-[8-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(22)の製造
工程1:
【0342】
【化129】
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【0343】
8-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(12)(500mg、2ミリモル)をPOCl3(6ml)中に混合して得た混合物に、N,N-ジメチルアニリン(0.5ml)を加え、得られた混合物を110℃で1時間撹拌した。TLCにより、8-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(12)が消費されたことを確認した。減圧にてPOCl3を除去し、粗製4,8-ジクロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(21)を次の工程に使用した。
【0344】
工程2:
【0345】
【化130】
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【0346】
4,8-ジクロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(21)(537mg、2ミリモル)をDMA(2.5ml)中に混合して得た溶液に、室温でピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(933mg、5.0ミリモル)を加え、得られた混合物を60℃で1時間撹拌した。LCMSにより反応が完了したことを確認した。粗反応混合物を室温に冷却し、NaHCO3飽和水溶液で慎重に希釈した。水性層をEtOAc(3×50ml)で抽出し、EtOAc層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製し、そして石油エーテル中30%EtOAcで溶離して4-[8-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(22)を黄色固体(700mg、収率84%)として得た。
【0347】
【数15】
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【0348】
5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25)の製造
工程1:
【0349】
【化131】
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【0350】
この反応は2つの並行バッチにて行った。4-ブロモ-5-メチル-1H-インダゾール(23)(100mg、474ミリモル)をDCM(1リットル)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにPPTS(12g、47ミリモル)を28℃で加え、次いでDHP(120g、1.4モル)を28℃で一度に加えた。添加後、得られた混合物を30℃で18時間撹拌した。TLC(EtOAc/石油エーテル、1:5)により出発物質が消費されたことを確認した。処理を完了させるために2つのバッチを合わせた。反応混合物をH2O(1.5リットル)で急冷し、層分離を起こさせ、水性層をDCM(1リットル)で抽出した。有機層を合わせてH2O(1リットル)とブライン(1リットル)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して乾燥させた。残留物を石油エーテル(300ml)ですりつぶして、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)をオフホワイト色の固体(223g、収率80%)として得た。
【0351】
【数16】
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【0352】
工程2:
【0353】
【化132】
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【0354】
KOH(85.5g、1525ミリモル)をH2O(450ml)中に混合して得た溶液を29℃にてジオキサン(1.8リットル)に加え、次いで4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)(150g、508ミリモル)、Pd2(dba)3(18.6g、20.3ミリモル)、及びt-Bu-Xphos(17.3g、40.6ミリモル)を加えた。得られた混合物を脱気し、窒素を3回補充した。得られた混合物を95℃で18時間加熱した。TLC(石油エーテル/EtOAc=4:1)により、出発物質が存在しないことを確認した。反応混合物を30℃に冷却し、溶媒を蒸発除去した。残留物をMTBE(500ml)とH2Oに分配した。水性層をMTBE(500ml)で抽出し、有機層を合わせて捨てた。2NのHClを使用して水相をpH=2〜3に調整し、EtOAc(2×1リットル)で抽出した。有機層を合わせてH2O(0.8リットル)とブライン(1リットル)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を蒸発除去した。残留物を石油エーテル(500ml)ですりつぶして、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25)をオフホワイト色の固体として得た(95g、収率80%)。
【0355】
【数17】
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【0356】
3-メトキシナフタレン-1-オール(27)の製造
工程1:
【0357】
【化133】
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【0358】
ナフタレン-1,3-ジオール(26)(25g、156ミリモル)をメタノール(200ml)中に混合して得た溶液に、HClをジオキサン中に混合して得た溶液(4M塩酸100ml)を加え、得られた溶液を20℃で70時間撹拌した。LCMS分析により反応が完了したことを確認し、反応混合物を減圧にて濃縮した。残留物をシリカゲルを使用してフラッシュクロマトグラフィーで精製し、ヘプタン中10%EtOAcで溶離して、3-メトキシナフタレン-1-オール(27)を黄色固体として得た(13g、収率48%)。
【0359】
【数18】
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【0360】
5-クロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(30)の製造
工程1:
【0361】
【化134】
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【0362】
4-ブロモ-5-クロロ-1H-インダゾール(28)(950mg、4.10ミリモル)をTHF(50ml)中に混合して得た溶液に、DHP(518mg、6.16ミリモル)とPPTS(103mg、0.410ミリモル)を加えた。混合物を50℃で20時間撹拌した。さらに0.5当量のDHP(173mg、2.05ミリモル)を加え、得られた混合物を50℃で16時間撹拌した。LCMSにより、出発物質が消費され、2種の位置異性体が形成されたことがわかった。溶媒を減圧にて除去した。粗生成物をシリカカラムクロマトグラフィー(20g、10%EtOAc/石油エーテル)で精製して、4-ブロモ-5-クロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(29)を白色固体として得た(850mg、収率66%)。
【0363】
【数19】
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【0364】
工程2:
【0365】
【化135】
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【0366】
5-クロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(30)(590mg、収率92%)は、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25)を製造するのに使用された手順に従って製造した。
【0367】
【数20】
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【0368】
5-エチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(38)の製造
工程1:
【0369】
【化136】
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【0370】
1-ブロモ-4-フルオロ-2-メトキシベンゼン(31)(24g、2.44ミリモル)をTHF(200ml)中に混合して得た溶液にLDA(64.4ml、129ミリモル、2M)を−78℃にて滴下し、混合物を1時間撹拌した。DMF(10.3g、140ミリモル)を5分で滴下し、反応混合物を−78℃でさらに45分撹拌した。反応混合物を塩酸(200ml、1M)を加えることでクエンチし、混合物を静置して20℃にし、次いでEtOAc(400ml)で希釈した。有機層をH2O(200ml)とブライン(200ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上カラムクロマトグラフィー(1:10EtOAC/石油エーテル)により精製して、3-ブロモ-6-フルオロ-2-メトキシベンズアルデヒド(32)を黄色固体として得た(18g、収率66%)。
【0371】
【数21】
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【0372】
工程2:
【0373】
【化137】
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【0374】
3-ブロモ-6-フルオロ-2-メトキシベンズアルデヒド(32)(5g、22ミリモル)とヒドラジン水和物(7ml)をDMSO(150ml)中に混合して得た混合物を130℃で16時間加熱した。LCMS分析によりほとんどが生成物であることがわかった。混合物をEtOAc(400ml)で希釈し、H2O(3×200ml)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=10/3)で精製して、5-ブロモ-4-メトキシ-1H-インダゾール(33)を黄色固体として得た(2.0g、収率41%)。
【0375】
【数22】
[この文献は図面を表示できません]
【0376】
工程3:
【0377】
【化138】
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【0378】
5-ブロモ-4-メトキシ-1H-インダゾール(33)(2g、8.8ミリモル)と3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(1.5g、17.6ミリモル)をDCM(40ml)中に混合して得た混合物にトルエン-4-スルホン酸ピリジニウム(221mg、0.88ミリモル)を加え、混合物を40℃で4時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、石油エーテル/EtOAc(10/1)で溶離して5-ブロモ-4-メトキシ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(34)を黄色固体として得た(2.2g、収率80%)。
【0379】
【数23】
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【0380】
工程4:
【0381】
【化139】
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【0382】
5-ブロモ-4-メトキシ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(34)(2.2g、7.1ミリモル)、K2CO3(1.95g、14.1ミリモル)、及びビニルトリフルオロホウ酸カリウム(1.4g、11ミリモル)をDMF(30ml)中に混合して得た混合物にPd(dppf)Cl2(DCM錯体)(577mg、0.71ミリモル)を加え、窒素雰囲気下にて混合物を90℃で16時間撹拌した。LCMSにより殆どが生成物であることが確認された。混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、石油エーテル/EtOAc(1/5)で溶離して5-エテニル-4-メトキシ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(35)を黄色固体として得た(1.3g、収率71%)。
【0383】
【数24】
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【0384】
工程5:
【0385】
【化140】
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【0386】
5-エテニル-4-メトキシ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(35)(1.3g、5.0ミリモル)をメタノール(40ml)中に混合して得た混合物に10%Pd/C(130mg)を加え、混合物を水素雰囲気下にて20℃で4時間撹拌した。濾過と濃縮の後、5-エチル-4-メトキシ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(36)が黄色油状物として得られた(1.1g、収率84%)。
【0387】
【数25】
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【0388】
工程6:
【0389】
【化141】
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【0390】
5-エチル-4-メトキシ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(36)(1.1g、4.2ミリモル)をDCM(5ml)中に混合して得た溶液にBBr3(10ml、1M)を−78℃で加え、混合物を20℃で4時間撹拌した。混合物にNaHCO3(飽和溶液、30ml)を加え、水性層をDCM(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、石油エーテル/EtOAc(2/1)で溶離して5-エチル-1H-インダゾール-4-オール(37)を黄色固体として得た(450mg、収率66%)。
【0391】
【数26】
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【0392】
工程7:
【0393】
【化142】
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【0394】
5-エチル-1H-インダゾール-4-オール(37)(440mg、2.7ミリモル)とDHP(456mg、5.4ミリモル)をTHF(20ml)中に混合して得た混合物にPPTS(69mg、0.27ミリモル)を加え、混合物を70℃で16時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、石油エーテル/EtOAc(7/3)で溶離して5-エチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(38)を黄色固体として得た(320mg、収率48%)。
【0395】
【数27】
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【0396】
5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(41)の製造
工程1:
【0397】
【化143】
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【0398】
4-ブロモ-5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(40)(651mg、収率47%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)を製造するのに使用された手順に従って製造した。
【0399】
【数28】
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【0400】
工程2:
【0401】
【化144】
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【0402】
5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(41)(461mg、収率90%)は、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25)を製造するのに使用された手順に従って製造した。
【0403】
【数29】
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【0404】
5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(47)の製造
工程1:
【0405】
【化145】
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【0406】
濃塩酸(30ml)とH2O(30ml)を混合して得た溶液に2-ブロモ-4-フルオロ-6-メチルアニリン(42)(5g、24.5ミリモル)を加え、混合物を60〜70℃で1時間撹拌した。粗反応混合物を0〜5℃に冷却し、NaNO2(2.0g、29ミリモル)の水(10ml)溶液を加え、反応混合物を15分撹拌した。次いでこの混合物を、CuCl(3.6g、368ミリモル)とHCl(50ml)を混合して得た溶液に、70〜80℃にて30分で加えた。粗反応混合物を室温に冷却し、DCM(3×100ml)で抽出した。有機層を合わせてNs2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して1-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロ-3-メチルベンゼン(43)を褐色液体として得た(4.5g、収率80%)。
【0407】
【数30】
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【0408】
工程2:
【0409】
【化146】
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【0410】
2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロ-4-メチルベンズアルデヒド(44)(8.3g、収率57%)は、3-ブロモ-6-フルオロ-2-メトキシベンズアルデヒド(32) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
【0411】
【数31】
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【0412】
工程3:
【0413】
【化147】
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【0414】
4-ブロモ-5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール(45)(108mg、収率50%)は、5-ブロモ-4-メトキシ-1H-インダゾール(33) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
【0415】
【数32】
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【0416】
工程4:
【0417】
【化148】
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【0418】
4-ブロモ-5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(46)(2.4g、収率59%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24) を製造するのに使用された手順に従って製造した(反応はTHF中50℃にて行った)。
【0419】
【数33】
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【0420】
工程5:
【0421】
【化149】
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【0422】
5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(47)(373mg、収率50%)は、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
【0423】
【数34】
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【0424】
5-ブロモ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(52)の製造
工程1:
【0425】
【化150】
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【0426】
1,2-ジブロモ-5-フルオロ-3-メチルベンゼン(49)(13g、収率88%)は、1-ブロモ-2-クロロ-5-フルオロ-3-メチルベンゼン(43) を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、HClとCuClの代わりにHBrとCuBrを使用した)。
【0427】
【数35】
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【0428】
工程2:
【0429】
【化151】
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【0430】
2,3-ジブロモ-6-フルオロ-4-メチルベンズアルデヒド(50)(135g、収率96%)は、3-ブロモ-6-フルオロ-2-メトキシベンズアルデヒド(32) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
【0431】
【数36】
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【0432】
工程3:
【0433】
【化152】
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【0434】
4,5-ジブロモ-6-メチル-1H-インダゾール(51)(11.8g、収率98%)は、5-ブロモ-4-メトキシ-1H-インダゾール(33) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
【0435】
【数37】
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【0436】
工程4:
【0437】
【化153】
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【0438】
4,5-ジブロモ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(52)(8.2g、収率54%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24) を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、反応は、ジオキサン中90℃で行った)。
【0439】
【数38】
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【0440】
工程5:
【0441】
【化154】
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【0442】
5-ブロモ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(53)(2.2g、収率33%)は、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
【0443】
【数39】
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【0444】
6-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(61)の製造
工程1:
【0445】
【化155】
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【0446】
1-クロロ-5-フルオロ-2-メチル-4-ニトロベンゼン(54)(23.0g、121ミリモル)をEtOH/H2O(200ml、1:1)中に混合して得た溶液に、12MのHCl(10.1ml、121ミリモル)を加えた。混合物を80℃に加熱し、Fe(23.7g、425ミリモル)を30分で徐々に加えた。混合物を同じ温度で1時間撹拌した。LCMSにより、出発物質が消費されたこと、及び所望の生成物が形成されたことがわかった。次いで混合物を25℃に冷却し、EtOAc(300ml)で希釈し、NaHCO3飽和溶液でpH=8〜9に酸性化した。混合物を濾過し、層分離を起こさせ、水性層をEtOAc(2×300ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して4-クロロ-2-フルオロ-5-メチルアニリン(55)を黄色固体として得た(18.0g、収率93%)。
【0447】
【数40】
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【0448】
工程2:
【0449】
【化156】
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【0450】
4-クロロ-2-フルオロ-5-メチルアニリン(55)(18.7g、117ミリモル)をDMF(150ml)中に混合して得た溶液にNBS(20.9g、117ミリモル)を0℃にて徐々に加えた。次いで混合物を25℃に加温し、1時間撹拌した。LCMSにより、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことがわかった。混合物をNaHCO3飽和水溶液でクエンチし、EtOAc(2×200ml)で抽出した。有機層を合わせて水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして減圧にて濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(120g、石油エーテル/EtOAc=98:2)により精製して、2-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-3-メチルアニリン(56)を黄色固体として得た(22.1g、収率79%)。
【0451】
【数41】
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【0452】
工程3:
【0453】
【化157】
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【0454】
濃硫酸(62ml)をH2O(250ml)中に混合して得た溶液に、2-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-3-メチルアニリン(56)(22.1g、93ミリモル)を加え、混合物を25℃で10分撹拌してから5℃に冷却した。次いで、NaNO2(7.1g、102ミリモル)をH2O(20ml)中に混合して得た混合物を滴下した。得られた混合物を5℃で20分撹拌し、KI(62g、370ミリモル)をH2O(50ml)中に混合して得た溶液に混合物を加え、得られた混合物を5℃で20分撹拌し、次いで18時間で25℃に加温した。TLC(石油エーテル)により、出発物質が消費されたことを確認した。混合物を水(150ml)でクエンチし、EtOAc(2×500ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO3飽和水溶液とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして減圧にて濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(120g、石油エーテル)により精製して、3-ブロモ-1-クロロ-5-フルオロ-4-ヨード-2-メチルベンゼン(57)を淡黄色固体として得た(18g、収率56%)。
【0455】
【数42】
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【0456】
工程4:
【0457】
【化158】
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【0458】
3-ブロモ-1-クロロ-5-フルオロ-4-ヨード-2-メチルベンゼン(57)(17.5g、50.1ミリモル)をTHF(100ml)中に混合して得た溶液に、2.5MのBuLi(20ml、50ミリモル)を−100℃にて滴下した。混合物を同じ温度で30分撹拌した。次いで乾燥DMF(4.0g、55ミリモル)を加え、混合物を−100℃で20分撹拌した。TLC(石油エーテル)により、出発物質の殆どが消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。粗反応混合物を1NのHClでクエンチした。混合物に水を加え、水性層をEtOAc(2×150ml)で抽出した。有機層を合わせてH2Oで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして減圧にて濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(120g、石油エーテル/EtOAc=97:3)により精製して、2-ブロモ-4-クロロ-6-フルオロ-3-メチルベンズアルデヒド(58)を黄色固体として得た(8.6g、収率68%)。
【0459】
【数43】
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【0460】
工程5:
【0461】
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
【0462】
4-ブロモ-6-クロロ-5-メチル-1H-インダゾール(59)(6.7g、収率80%)は、5-ブロモ-4-メトキシ-1H-インダゾール(33) を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、反応は90℃で21時間行った)。
【0463】
【数44】
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【0464】
工程6:
【0465】
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
【0466】
4-ブロモ-6-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(60)(5.7g、収率73%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24) を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、反応はTHF中80℃で行った)。
【0467】
【数45】
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【0468】
工程7:
【0469】
【化161】
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【0470】
6-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(61)(5.2g、収率97%)は、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
【0471】
【数46】
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【0472】
5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(67)の製造
工程1:
【0473】
【化162】
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【0474】
1,2,4-トリメチル-5-ニトロベンゼン(62)(2.0g、12.1ミリモル)をトリフルオロ酢酸(24ml)中に混合して得た溶液に、NBS(1.2g、6.7ミリモル)と鉄(20mg、0.4ミリモル)を加えた。反応混合物を75℃で3日間加熱し、室温に自然冷却し、次いで減圧にて溶媒を除去した。得られた残留物をEtOAc中に溶解し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮した。粗残留物をシリカゲルで精製し、0〜5%EtOAc/ヘプタンで溶離して、3-ブロモ-1,2,4-トリメチル-5-ニトロベンゼン(63)を白色固体として得た(1.4g、収率83%)。
【0475】
【数47】
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【0476】
工程2:
【0477】
【化163】
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【0478】
3-ブロモ-1,2,4-トリメチル-5-ニトロベンゼン(63)(3.0g、12.5ミリモル)、亜鉛末(3.7g、56.1ミリモル)、及びトリエチルアミンHCl(9.4g、68.5ミリモル)をDMF(42ml)中に混合して得た懸濁液を105℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に自然冷却し、セライトを介して濾過した。濾液をEtOAcで希釈し、有機層をブラインで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO24gシリカ)により精製し、EtOAc/ヘプタン(0〜40%)で溶離して3-ブロモ-2,4,5-トリメチルアニリン(64)を褐色油状物(静置後に褐色固体となった)として得た(1.8g、収率66%)。
【0479】
【数48】
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【0480】
工程3:
【0481】
【化164】
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【0482】
撹拌棒を取り付けたフラスコに、3-ブロモ-2,4,5-トリメチルアニリン(64)(1.8g、8.3ミリモル)、酢酸カリウム(974mg、9.9ミリモル)、及びクロロホルム(36ml)を加えた。混合物を撹拌しながら0℃に冷却した。冷却した混合物に無水酢酸(2.5g、25ミリモル)を2分で滴下した。反応混合物を25℃に加温し、1時間撹拌した。この時点で反応混合物の温度が60℃に上昇した。亜硝酸イソアミル(1.9g、2.2ml、16ミリモル)を加え、反応混合物を60℃で一晩撹拌した。粗反応混合物をNaHCO3飽和水溶液で洗浄した。減圧にて溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO40gシリカ)により精製し、EtOAc/ヘプタン(0〜30%)で溶離してN-アセチルインダゾールをオレンジ色固体として得た(1.5g)。この固体をTHF(8ml)と水(5ml)中に溶解し、0℃に冷却した。次いで、2MのNaOH(8.3ml)を加え、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。粗反応混合物をEtOAcと水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮し、そしてハウス・バキューム(house vacuum)下で一晩乾燥して4-ブロモ-5,6-ジメチル-1H-インダゾール(65)を褐色固体として得た(1.1g、収率59%)。
【0483】
【数49】
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【0484】
工程4:
【0485】
【化165】
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【0486】
4-ブロモ-5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(66)(1.1g、収率76%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、反応はTHF中50℃で行った)。
【0487】
工程5:
【0488】
【化166】
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【0489】
5,6-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(67)(463mg、収率51%)は、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
【0490】
【数50】
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【0491】
5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(72)の製造
工程1:
【0492】
【化167】
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【0493】
3-ブロモ-5-フルオロ-2-メチルベンゼンアミン(68)(10g、49ミリモル)をIPA(70ml)中に混合して得た溶液にNCS(7.2g、54ミリモル)を加え、浅黒い溶液を80℃で2時間撹拌した。混合物を減圧にて濃縮し、粗生成物を、ISCOカートリッジ(220g)を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、EtOAc/ヘプタン(15:85)で溶離して3-ブロモ-4-クロロ-5-フルオロ-2-メチルアニリン(69)を黄色固体として得た(5.7g、収率49%)。
【0494】
【数51】
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【0495】
工程2:
【0496】
【化168】
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【0497】
3-ブロモ-4-クロロ-5-フルオロ-2-メチルアニリン(69)(4g、16.8ミリモル)をAcOH(20ml)中に混合して得た溶液にNaNO2(1.5g、22ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で7時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。混合物を減圧にて濃縮し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、EtOAc/石油エーテル(20:80)で溶離して4-ブロモ-5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール(70)を黄色固体として得た(2.4g、収率57%)。
【0498】
【数52】
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【0499】
工程3:
【0500】
【化169】
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【0501】
4-ブロモ-5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(71)(819mg、収率88%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24) を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、アセトニトリルを溶媒として使用した)。
【0502】
【数53】
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【0503】
工程4:
【0504】
【化170】
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【0505】
5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(72)(612mg、収率92%)は、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
【0506】
【数54】
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【0507】
3,5-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(76)の製造
工程1:
【0508】
【化171】
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【0509】
3,5-ジメチル-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(73)(450mg、1.1ミリモル)をEtOH(12ml)中に混合して得た溶液にmCPBA(273mg、1.6ミリモル)と水(6ml)を加えた。反応混合物を20℃で3時間撹拌した。LCMSにより反応が完了したことを確認した。粗反応混合物をEtOAc(30ml)で希釈し、NaHCO3飽和水溶液とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上で精製し、0〜90%EtOAc/石油エーテルで溶離して3,5-ジメチル-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1H-インダゾール-4-オール(74)を黄色固体として得た(370mg、収率100%)。
【0510】
【数55】
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【0511】
工程2:
【0512】
【化172】
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【0513】
3,5-ジメチル-1-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-1H-インダゾール-4-オール(74)(400mg、1.3ミリモル)をH2SO4(70%、10ml)中に混合して得た混合物を室温で48時間撹拌した。LCMS分析により、所望の化合物が生成し、幾らかの出発物質が残存していることが確認された。粗反応混合物を氷水で希釈し、NaOH水溶液でpH6に調整した。水性層をEtOAc(5×30ml)で抽出し、有機層を合わせて水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上で精製し、0〜55%EtOAc/石油エーテルで溶離して3,5-ジメチル-1H-インダゾール-4-オール(75)を黄色固体として得た(90mg、収率40%)。
【0514】
【数56】
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【0515】
工程3:
【0516】
【化173】
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【0517】
3,5-ジメチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(76)(80mg、収率61%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、反応はTHF中にて還流して行った)。
【0518】
【数57】
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【0519】
5,7-ジフルオロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(84)の製造
工程1:
【0520】
【化174】
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【0521】
2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチル安息香酸(77)(2.0g、9.6ミリモル)をSOCl2(10ml)中に混合して得た混合物を撹拌しながら2時間加熱還流した。粗反応混合物を濃縮し、減圧にて溶媒を除去した。粗生成物をメタノール(30ml)中に溶解し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。粗反応混合物を濃縮し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを使用して精製し、5%EtOAc/石油エーテルで溶離して2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチル安息香酸メチル(78)を無色油状物として得た(1.8g、収率84%)。
【0522】
【数58】
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【0523】
工程2:
【0524】
【化175】
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【0525】
ナトリウム(146mg、6.4ミリモル)を乾燥メタノール(2ml)中に混合して得た溶液に、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチル安息香酸メチル(78)(940mg、4.2ミリモル)とDMF(5ml)を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。TLCにより、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を1N塩酸で0℃にてクエンチし、水性層をEtOAc(2×30ml)で抽出した。有機抽出物を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して2,3,5-トリフルオロ-6-メトキシ-4-メチル安息香酸メチル(79)を無色油状物として得た(991mg、収率100%)。
【0526】
【数59】
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【0527】
工程3:
【0528】
【化176】
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【0529】
2,3,5-トリフルオロ-6-メトキシ-4-メチル安息香酸メチル(79)(996mg、4.2ミリモル)を乾燥THF(10ml)中に混合して得た溶液に、LiAlH4(323mg、8.5ミリモル)を−10℃にて加えた。得られた混合物を−10℃で30分撹拌した。TLCにより、出発物質が全て消費されたことを確認した。反応混合物を1N塩酸で0℃にてクエンチし、水性層をEtOAc(2×20ml)で抽出した。EtOAc層を合わせて濃縮し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを使用して精製し、12%EtOAc/石油エーテルで溶離して(2,3,5-トリフルオロ-6-メトキシ-4-メチルフェニル)メタノール(80)を白色固体として得た(680mg、収率78%)。
【0530】
【数60】
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【0531】
工程4:
【0532】
【化177】
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【0533】
(2,3,5-トリフルオロ-6-メトキシ-4-メチルフェニル)メタノール(80)(680mg、3.3ミリモル)をTHF(30ml)中に混合して得た混合物にMnO2(2.9g、33ミリモル)を加え、得られた混合物を48℃で一晩撹拌した。反応混合物をセライトを介して濾過し、濾液を濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを使用して精製し、2%EtOAc/石油エーテルで溶離して2,3,5-トリフルオロ-6-メトキシ-4-メチルベンズアルデヒド(81)を白色固体として得た(180mg、収率27%)。
【0534】
【数61】
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【0535】
工程5:
【0536】
【化178】
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【0537】
5,7-ジフルオロ-4-メトキシ-6-メチル-1H-インダゾール(82)(512mg、収率29%)は、5-ブロモ-4-メトキシ-1H-インダゾール(33) を製造するのに使用された手順に従って製造した。
【0538】
【数62】
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【0539】
工程6:
【0540】
【化179】
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【0541】
BBr3をDCM(5ml)中に混合して得た混合物を5,7-ジフルオロ-4-メトキシ-6-メチル-1H-インダゾール(82)(650mg、3.3ミリモル)に−40℃にて加えた。粗反応混合物を室温で1時間撹拌した。TLCにより、出発物質が全て消費されたことを確認した。反応混合物を、0℃にてNaHCO3飽和水溶液でクエンチした。水性層をEtOAc(3×50ml)で抽出し、有機層を合わせて水(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを使用して精製し、30%EtOAc/石油エーテルで溶離して5,7-ジフルオロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-オール(83)を赤色固体として得た(279mg、収率46%)。
【0542】
【数63】
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【0543】
工程7:
【0544】
【化180】
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【0545】
5,7-ジフルオロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(84)(160mg、収率41%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)を製造するのに使用された手順に従って製造した(但し、反応はTHF中にて還流して行った)。
【0546】
【数64】
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【0547】
実施例の製造
以下の実施例はメソッドAに従って製造した:
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A)の製造
工程1:
【0548】
【化181】
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【0549】
5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オールフェノール(25)(398mg、1.74ミリモル)、4-(8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4)(500mg、1.43ミリモル)、炭酸セシウム(931mg、2.86ミリモル)、及びDMA(3.6ml)をバイアルに加えた。混合物を脱気し、窒素をパージし、90℃にて砂浴中に置いた。4.5時間後、LCMSにより、殆どが生成物であって、アリールクロライドは存在しないことがわかった。反応混合物を室温に冷却し、水(50ml)中に滴下した。4-(8-{[5-メチル-1-(テトロヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(85)を白色固体として捕集した(720mg、収率92%)。
【0550】
【数65】
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【0551】
工程2:
【0552】
【化182】
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【0553】
4-(8-{[5-メチル-1-(テトロヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(85)(1.1g、2.0ミリモル)をDCM(10ml)中に混合して得た溶液にTFA(2ml)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。LCMSにより、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことがわかった。減圧にて溶媒を除去して8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を褐色油状物として得た(730mg、収率100%)。
【0554】
【数66】
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【0555】
工程3:
【0556】
【化183】
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【0557】
8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)(500mg、1.38ミリモル)をNaHCO3飽和水溶液(50ml)とEtOAc(50ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これに塩化アクリロイル(125mg、1.38ミリモル)をEtOAc(20ml)中に混合して得た溶液を加えた。次いで混合物を室温で30分撹拌した。LCMSにより、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことがわかった。有機層を分離した。水性層をEtOAc(2×80ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮した。粗生成物を、BiotageC18カラム(30g)を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、25ml/分にて25〜40%アセトニトリル/H2O(0.1%NH3)勾配を使用して溶離して、1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A)を黄色固体として得た(202mg、収率35%)。
【0558】
【数67】
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【0559】
下記の製造において説明されている中間体は、実施例-18A、-19A、-27A、-28A、-32A、及び-33Aをもたらす。しかしながら、これらの実施例は、ニトリルが含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドA実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
【0560】
4-(6-シアノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(88)の製造
工程1:
【0561】
【化184】
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【0562】
4-(6-クロロ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(87)(100mg、0.17ミリモル、メソッドAを使用して製造)、Zn(CN)2(40mg、0.34ミリモル)、dppf(19mg、0.034ミリモル)、及びPd2(dba)3(16mg、0.017ミリモル)をNMP(10ml)中に混合して得た混合物を、窒素雰囲気下でマイクロ波にて150℃で1.5時間加熱した。粗反応混合物のLCMAにより、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことがわかった。冷却後、水(50ml)を加え、水性層をEtOAc(3×60ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮した。粗生成物をシリカゲル(4g)を使用して精製し、4%メタノール/DCMで溶離して4-(6-シアノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(88)を黄色固体として得た(95mg、収率97%)。
【0563】
【数68】
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【0564】
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドAに従って実施例38Aをもたらす。しかしながら、この実施例は、脱保護工程が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドA実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
【0565】
1-[(3R)-4-{6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}-3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-38A)の製造
【0566】
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
【0567】
1-[(3R)-3-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-4-{8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(144)(300mg、0.474ミリモル)をTHF(20ml)中に混合して得た溶液にTBAFの溶液(THF中1.0M、0.95ml、0.95ミリモル)を0℃にて徐々に加えた。添加後、反応混合物を0〜5℃にてさらに2時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。NaHCO3飽和水溶液(50ml)を加えた。混合物をEtOAc(50ml)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗残留物を、Xブリッジ(150×19mm、5μmカラム)を使用する分取HPLCによって精製し、28〜33%アセトニトリル/H2O(0.05%NH4OH)により20ml/分にて溶離して、1-[(3R)-4-{6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}-3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-38A)を得た(45mg、収率18%)。
【0568】
【数69】
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【0569】
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドAに従って実施例41Aをもたらす。しかしながら、この実施例は、アミノ化反応が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドA実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
【0570】
4-(6-アミノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(146)の製造
【0571】
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
【0572】
工程1:
4-(6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(145)(300mg、0.485ミリモル)、Cs2CO3(484mg、1.46ミリモル)、(+/-)BINAP(31.5mg、0.0485ミリモル)、及びPd(OAc)2(5.73mg、0.0243ミリモル)をトルエン(9.7ml)中に混合して得た混合物にベンゾフェノンイミン(237mg、1.31ミリモル)を加えた。得られた褐色溶液を脱気し、窒素でパージし(3×)、100℃に予熱しておいた油浴中に置いた。粗反応混合物を100℃で24時間加熱した。反応混合物をLCMSにより分析して、生成物に転化されたことを確認した。粗反応混合物をEtOAc(20ml)と50%ブラインで希釈した。層を分離し、水性層をEtOAc(2×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(25gのSiO2、Biotage、10〜50%EtOAc/ヘプタン)によって精製して4-(6-[(ジフェニルメチリデン)アミノ]-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルを得た(295mg、収率80%)。
【0573】
【数70】
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【0574】
工程2:
4-(6-[(ジフェニルメチリデン)アミノ]-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(275mg、0.36ミリモル)をMeOH(1.8ml)とTHF(1.8ml)中に混合して得た溶液にH2O中50%NH2OH(0.21ml、3.6ミリモル)を加えた。24時間後、LCMS分析により、生成物への明確な転化が確認された。粗反応混合物を60mlのH2O中に滴下した。黄色の粘性物質が生成した。混合物をEtOAc(40ml)で希釈し、層を分離した。水性層をEtOAc(40ml)で抽出し、有機層を合わせてNaHCO3飽和水溶液とブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物を精製して(Biotage、10gのSiO2、5〜60%EtOAc/ヘプタン)4-(6-アミノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(146)を白色固体として得た(84mg、収率39%)。
【0575】
【数71】
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【0576】
下記表中の実施例は、メソッドA、ならびに、1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A)、4-(6-シアノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(88)、及び4-(6-アミノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(146)を製造するのに使用された手順に従って製造された。下記の実施例は、実施例-1A、実施例88、及び実施例146を製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
【0577】
【化187】
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【0578】
【化188】
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【0579】
【化189】
[この文献は図面を表示できません]
【0580】
【化190】
[この文献は図面を表示できません]
【0581】
【化191】
[この文献は図面を表示できません]
【0582】
【化192】
[この文献は図面を表示できません]
【0583】
【化193】
[この文献は図面を表示できません]
【0584】
【化194】
[この文献は図面を表示できません]
【0585】
【化195】
[この文献は図面を表示できません]
【0586】
【化196】
[この文献は図面を表示できません]
【0587】
【化197】
[この文献は図面を表示できません]
【0588】
【化198】
[この文献は図面を表示できません]
【0589】
【化199】
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【0590】
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドAに従って実施例-1、-2、及び-6をもたらす。しかしながら、これらの実施例は、フェノール脱保護反応が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従って製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドA実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
【0591】
1-(4-{8-[(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)オキシ]-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1)の製造
工程1:
【0592】
【化200】
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【0593】
4-{8-[(3-メトキシナフタレン-1-イル)オキシ]-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(89)(400mg,収率75%)は、溶媒をDMSOに置き換えたこと、及び反応混合物を60℃で1時間加熱したこと以外は、4-(8-{[5-メチル-1-(テトロヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(85)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0594】
【数72】
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【0595】
工程2:
【0596】
【化201】
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【0597】
8-[(3-メトキシナフタレン-1-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(90)(328mg,収率100%)は、8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0598】
【数73】
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【0599】
工程3:
【0600】
【化202】
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【0601】
1-(4-{8-[(3-メトキシナフタレン-1-イル)オキシ]-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(91)(316mg,収率86%)は、1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A)を製造するのに使用した手順に従って製造した。生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、DCM中3%メタノールで溶離した。
【0602】
【数74】
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【0603】
工程4:
【0604】
【化203】
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【0605】
BBr3をDCM(5ml)中に混合して得た溶液に、1-(4-{8-[(3-メトキシナフタレン-1-イル)オキシ]-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(91)(100mg,0.20ミリモル)を−60℃で加え、得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物をNaHCO3飽和水溶液でクエンチし、EtOAc(2×50ml)で抽出した。EtOAc層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物を、Gemini-C18カラム(100×21.2mm,5μm)を使用して分取HPLCにより精製し、40〜50%アセトニトリル/H2O(0.1%ギ酸)勾配で溶離して、1-(4-{8-[(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)オキシ]-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1)を淡黄色固体として得た(42mg,収率42%)。
【0606】
【数75】
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【0607】
1-(4-{8-[(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)オキシ]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2)は、1-(4-{8-[(3-ヒドロキシナフタレン-1-イル)オキシ]-6-(トリフルオロメチル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0608】
【化204】
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【0609】
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドAに従って実施例-3をもたらす。しかしながら、実施例-3は、類似したライブラリー・フォーマット(a parallel library format)にて合成されており、従ってその製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。
【0610】
1-{4-[8-(2-クロロ-6-メチルフェノキシ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-イル}プロプ-2-エン-1-オン(実施例-3)の製造
【0611】
【化205】
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【0612】
工程1:
4-(8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4)をアセトニトリル中に混合して得た溶液(1.0ml,0.15M)を2-クロロ-6-メチルフェノール(180μモル)に加え、次いでK2CO3(300μモル)を加えた。反応容器を密閉し、100℃で16時間加熱した。溶媒を除去し、粗生成物(92)を分取TLCにより精製した。
【0613】
工程2:
DCMとTFAの溶液(7:1V/V,1.6ml)を4-[8-(2-クロロ-6-メチルフェノキシ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(92)(100μモル)に加え、反応混合物を2時間撹拌した。溶媒を減圧にて除去した。
【0614】
工程3:
塩化アクリロイルのDCM中0.1M溶液を調製し、この溶液1.0mlを、8-(2-クロロ-6-メチルフェノキシ)-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(93)(100μモル)とDIEA(300μモル)をDCM(1.0ml)中に混合して得た溶液に加えた。反応混合物を30℃で1時間加熱し、LCMSにより反応が完了するまでモニターした。減圧にて溶媒を除去し、粗生成物を、Agela Durashell C18カラム(150×25mm,5μm)を使用して分取HPLCによって精製し、26〜66%アセトニトリル/水(0.05M NH4OH)勾配で35ml/分にて溶離して1-{4-[8-(2-クロロ-6-メチルフェノキシ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-イル}プロプ-2-エン-1-オン(実施例-3)を得た。
【0615】
【数76】
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【0616】
下記の実施例は、一般的なメソッドBに従って製造した。
1-(4-{2-メトキシ-8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1B)の製造
工程1:
【0617】
【化206】
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【0618】
NaH(オイル中60%,48mg,1.2ミリモル)をTHF(6ml)中に混合して得た混合物にメタノール(70mg,2.2ミリモル)を加えた。本溶液を室温で30分撹拌した後、4-(2,8-ジクロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(20)を加えた。粗反応混合物を室温で16時間撹拌した。LCMSにより、所望の生成物が約80%であることを確認した。減圧にて溶媒を除去し、粗生成物をEtOAc(5ml)と水(4ml)で希釈した。層を分離し、水性層をEtOAc(2×8ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物を、分取TLCを使用して精製し、石油エーテル/EtOAc(2:1)で溶離して4-(8-クロロ-2-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(94)を黄色固体として得た(244mg,収率58%)。
【0619】
【数77】
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【0620】
工程2:
【0621】
【化207】
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【0622】
4-(2-メトキシ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(95)(138mg、収率37%)は、反応をDMSO中にて135℃で2時間行ったこと以外は、4-(8-{[5-メチル-1-(テトロヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(85)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0623】
【数78】
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【0624】
工程3:
【0625】
【化208】
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【0626】
2-メトキシ-8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(96)は、8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を製造するのに使用した手順に従って製造した。溶媒を除去し、得られた粗生成物を次の工程に使用した。
【0627】
【数79】
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【0628】
工程4:
【0629】
【化209】
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【0630】
1-(4-{2-メトキシ-8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1B)(32mg、収率30%)は、1-{4-[8-(2-クロロ-6-メチルフェノキシ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-イル}プロプ-2-エン-1-オン(実施例-3)を製造するのに使用した手順に従って製造した。粗生成物を、YMC-Actus Triant C18カラム(150×30mm,5μm)を使用して分取HPLCにより精製し、30〜50%アセトニトリル/水(0.05%アンモニア)で溶離した。
【0631】
【数80】
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【0632】
1-(4-{2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2B)の製造
工程1:
【0633】
【化210】
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【0634】
4-{8-クロロ-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(97)(224mg、収率71%)は、塩基をCs2CO3に置き換えたこと以外は、4-(8-クロロ-2-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(94)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0635】
【数81】
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【0636】
工程2:
【0637】
【化211】
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【0638】
4-(2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(98)(163mg,収率51%)は、反応をDMSO中マイクロ波にて135℃で2時間行ったこと以外は、4-(8-{[5-メチル-1-(テトロヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(85)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0639】
【数82】
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【0640】
工程3:
【0641】
【化212】
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【0642】
N,N-ジメチル-1-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}アゼチジン-3-アミン(99)は、8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0643】
【数83】
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【0644】
工程4:
【0645】
【化213】
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【0646】
1-(4-{2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2B)(24mg,収率26%)は、1-{4-[8-(2-クロロ-6-メチルフェノキシ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-イル}プロプ-2-エン-1-オン(実施例-3)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0647】
【数84】
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【0648】
下記表の実施例は、メソッドBならびに1-(4-{2-メトキシ-8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1B)(エーテル)または1-(4-{2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2B)(アミン)を製造するのに使用した手順、を使用して製造した。下記の実施例は、下記の実施例は、実施例-1Bまたは実施例-2Bを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
【0649】
【化214】
[この文献は図面を表示できません]
【0650】
【化215】
[この文献は図面を表示できません]
【0651】
【化216】
[この文献は図面を表示できません]
【0652】
【化217】
[この文献は図面を表示できません]
【0653】
【化218】
[この文献は図面を表示できません]
【0654】
下記の実施例は、一般的なメソッドCに従って製造した。
3-ニトロ-2-{[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリジン-4-カルボン酸メチル(102)の製造
工程1:
【0655】
【化219】
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【0656】
磁気撹拌棒を取り付けた100mlの圧力容器に、2-クロロ-3-ニトロピリジン-4-カルボン酸メチル(100)(605mg,2.8ミリモル)、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール-4-オール(101)(800mg,2.8ミリモル)、DMAP(854mg,7.0ミリモル)、及びTHF(11.2ml)を加えた。フラスコをシールし、70℃で加熱した。3時間後に反応混合物をチェックし、所望の生成物への転化が十分に進んでいることを確認した。粗反応混合物をEtOAcで希釈し、有機層を水とブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物を10gのシリカゲル(Biotageカラム)で精製し、25%EtOAc/ヘプタンで溶離して3-ニトロ-2-{[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ピリジン-4-カルボン酸メチル(102)をピンク色固体として得た(764mg,収率59%)。
【0657】
【数85】
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【0658】
2-{[5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-6-メチル-3-ニトロピリジン-4-カルボン酸メチル(104)の製造
工程1:
【0659】
【化220】
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【0660】
2-クロロ-6-メチル-3-ニトロピリジン-4-カルボン酸メチル(103)(340mg,1.5ミリモル)、5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(47)(393mg,1.47ミリモル)、及びDMAP(450mg,3.7ミリモル)をテトラヒドロフラン(10ml)中に混合して得た混合物を70℃で一晩撹拌した。粗反応混合物をEtOAcで希釈し、引き続き水とブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル(ISCO 40gカートリッジ)で精製し、0〜100%EtOAc/ヘプタンで溶離して2-{[5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-6-メチル-3-ニトロピリジン-4-カルボン酸メチル(104)をクリーム色固体として得た(627mg,収率92%)。
【0661】
【数86】
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【0662】
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1C)の製造
工程1:
【0663】
【化221】
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【0664】
3-フルオロ-2-ニトロ安息香酸メチル(105)(2g,10ミリモル)をDMF(60ml)中に混合して得た溶液に、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(25)(2.33g,10ミリモル)とK2CO3(2.78g,20.1ミリモルを加えた。反応混合物を60℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。水(100ml)を加え、混合物をEtOAc(2×10ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発除去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、石油エーテル/EtOAc(1/1)で溶離して3-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-ニトロ安息香酸メチル(106)を得た(3.9g,収率90%)。
【0665】
【数87】
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【0666】
工程2:
【0667】
【化222】
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【0668】
3-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-ニトロ安息香酸メチル(106)(4g,9.7ミリモル)をメタノール(60ml)中に混合して得た溶液に、水素雰囲気下にて10%Pd/C(500mg)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)キナゾリン-4(3H)-オン(107)を得た(3.5g,収率94%)。
【0669】
【数88】
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【0670】
工程3:
【0671】
【化223】
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【0672】
封管にて、8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)キナゾリン-4(3H)-オン(107)(1.5g,3.9ミリモル)をトリエトキシメタン(30ml)中に混合して得た溶液にNH4OAc(3.0g,39ミリモル)を加えた。反応混合物を撹拌しながら2日間加熱還流した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物の溶媒を蒸発除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM/メタノール(4/1)で溶離して8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)キナゾリン-4(3H)-オン(108)(1.4g,収率95%)を得た。
【0673】
【数89】
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【0674】
工程4:
【0675】
【化224】
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【0676】
8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)キナゾリン-4(3H)-オン(108)(400mg,1.06ミリモル)をDMF(30ml)中に混合して得た溶液に、ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(396mg,2.1ミリモル)、DBU(485mg,3.2ミリモル)、及びBOP(705mg,1.6ミリモル)を加えた。粗反応混合物を25℃で4時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物を水(50ml)で希釈し、EtOAc(2×50ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、石油エーテル/EtOAc(1/1)で溶離して4-(8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)キナゾリン-4イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(109)(480mg,収率83%)を得た。
【0677】
【数90】
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【0678】
工程5:
【0679】
【化225】
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【0680】
4-(8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)キナゾリン-4イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(109)(480mg,0.88ミリモル)を25%TFA/DCM(30ml)中に混合して得た溶液を25℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物を濃縮して8-((5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)-4-(ピペラジン-1-イル)キナゾリン(110)を得た(390mg,収率100%)。
【0681】
【数91】
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【0682】
工程6:
【0683】
【化226】
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【0684】
8-((5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)-4-(ピペラジン-1-イル)キナゾリン(110)(300mg,0.83ミリモル)をEtOAc(20ml)中に混合して得た溶液にNaHCO3飽和溶液(20ml)を加えた。塩化アクリロイル(113mg,1.25ミリモル)のEtOAc(5ml)溶液を滴下した。添加後、反応混合物をさらに30分撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物をEtOAc(2×50ml)で抽出し、有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、溶媒を蒸発除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、EtOAc/メタノール(9/1)で溶離して1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1C)を得た(184mg,収率53%)。
【0685】
【数92】
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【0686】
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドCに従って実施例12Cをもたらす。しかしながら、この実施例は、ハロゲン化が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドC実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
【0687】
2-アミノ-5-クロロ-3-{[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}安息香酸メチル(111)の製造
【0688】
【化227】
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【0689】
8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)オキシ)キナゾリン-4(3H)-オン(107)(300mg,0.79ミリモル)をDMF(1.5ml)中に混合して得た溶液にNCS(110mg,0.83ミリモル)を加えた。粗反応混合物を50℃で3時間撹拌した。減圧にて溶媒を除去し、粗生成物をアセトニトリルですりつぶして白色固体を得た(212mg)。濾液を濃縮し、Xbridge(150×30mm,10μmカララム)を使用して分取HPLCにより精製し、58〜100%アセトニトリル/H2O(0.05%NH4OH)で25ml/分にて溶離して、さらに53mgの生成物を捕集した。全部合わせて2-アミノ-5-クロロ-3-{[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}安息香酸メチル(111)を白色固体として捕集した(265mg,収率82%)。
【0690】
【数93】
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【0691】
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドCに従って実施例13Cをもたらす。しかしながら、この実施例は、ハロゲン化が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドC実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
【0692】
2-アミノ-5-ブロモ-3-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}安息香酸メチル(112)の製造
【0693】
【化228】
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【0694】
2-アミノ-5-ブロモ-3-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}安息香酸メチル(112)(690mg,収率95%)は、2-アミノ-5-クロロ-3-{[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}安息香酸メチル(111)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0695】
【数94】
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【0696】
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドCに従って実施例14Cをもたらす。しかしながら、この実施例は、シアノ化が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドC実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
【0697】
4-(6-シアノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}キナゾリン-1-カルボン酸tert-ブチル(114)の製造
【0698】
【化229】
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【0699】
4-(6-ブロモ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(113,メソッドCに従って製造)(217mg,0.35ミリモル)、Zn(CN)2(65mg,0.56ミリモル)、及びPd(PPh3)4(40mg,0.035ミリモル)をDMF(6ml)中に混合して得た混合物を、窒素雰囲気下でマイクロ波にて120℃で5時間撹拌した。LCMSにより、所望の生成物への完全な転化が確認された。粗反応混合物を室温に冷却し、水(20ml)で希釈した。水性層をEtOAc(3×10ml)で抽出し、有機層を合わせて濃縮し、粗生成物をシリカゲルで精製し、10〜50%EtOAcで溶離して4-(6-シアノ-8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}キナゾリン-1-カルボン酸tert-ブチル(114)を白色固体として得た(214mg,収率88%)。TLC(50%EtOAc/石油エーテル) Rf 0.4;
【0700】
【数95】
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【0701】
下記の実施例は、メソッドC、ならびに1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1C)を製造するのに使用した手順、を使用して製造した。下記の実施例は、実施例-1Cを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
【0702】
【化230】
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【0703】
【化231】
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【0704】
【化232】
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【0705】
【化233】
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【0706】
【化234】
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【0707】
【化235】
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【0708】
【化236】
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【0709】
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドAに従って実施例-4をもたらす。しかしながら、この実施例は、スルホンの形成が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。最終的な実施例をもたらすためのその後の化学はメソッドA実施例に類似しており、追加点や変更点(当業者であれば理解できるであろう)はごくわずかである。
【0710】
8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-[4-(エテニルスルホニル)ピペラジン-1-イル]ピリド[3,4-d]ピリミジン(実施例-4)の製造
【0711】
【化237】
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【0712】
8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(115)(145mg,0.37ミリモル)をTHF(50ml)とEt3N(432mg,4.27ミリモル)中に混合して得た溶液を撹拌し、これに塩化エテンスルホニル(46.4mg,0.37ミリモル)のTHF(20ml)溶液を0〜5℃にて加えた。添加後、混合物を同じ温度で15分撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物を水(60ml)中に注ぎ込み、EtOAc(3×50ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を、Gemini-C18カラム(100×21.2mm,5μm)を使用して分取HPLCにより精製し、40〜50%アセトニトリル/H2O(0.05%NH3)勾配で溶離して、8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-[4-(エテニルスルホニル)ピペラジン-1-イル]ピリド[3,4-d]ピリミジン(実施例-4)を白色粉末として得た(32mg,収率18%)。
【0713】
【数96】
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【0714】
下記の製造において説明されている中間体は、メソッドAに類似した経路を介して実施例-5をもたらす。しかしながら、この実施例は、ビアリールアミン形成が含まれることから先行実施例の合成範囲外であり、従ってこの製造は、ここでは完全性を明らかにするために記載されている。
【0715】
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)アミノ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-5)の製造
工程1:
【0716】
【化238】
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【0717】
Pd[P(o-tol)3]2(7.3mg)とCyPF-t-Bu(1-ジシクロヘキシルホスフィノ-2-ジ-t-ブチルホスフィノエチルフェロセン)(5.6mg)を含有する2.5×10-3M触媒貯蔵液を、NaO-t-Bu(300mg,1.0ミリモル)のTHF溶液(2.0M)と4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)(300mg,1.0ミリモル)との混合物に、マイクロ波バイアル中にて窒素雰囲気下で加えた。気密シリンジを介してアンモニア(ジオキサン中0.5M溶液10.2ml)を加えた。テフロンライニングしたキャップでバイアルをシールし、100℃で一晩保持した。粗反応混合物をEtOAcと水で希釈した。水性層をEtOAcで抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、減圧にて濃縮した。粗生成物を、シリカゲル(ISCO12gカラム)を使用して精製し、0〜65%EtOAc/ヘプタン勾配で溶離して、5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-アミン(116)を淡褐色固体として得た(209g,収率89%)。
【0718】
【数97】
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【0719】
工程2:
【0720】
【化239】
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【0721】
5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-アミン(116)(195mg,0.6ミリモル)、4-(8-クロロピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4)(129mg,0.6ミリモル)、及びSK-CCO2-A(24mg,0.04ミリモル,cas614753-51-4)をトルエン(10ml)中に混合して得た混合物にLiO-tBu(134mg,1.7ミリモル)のTHF溶液(1.0M)を加えた。得られた褐色溶液を窒素で3分パージし、100℃で18時間撹拌し、115℃でさらに2時間撹拌した。粗反応混合物を室温に冷却し、EtOAcとNH4Cl水溶液で希釈した。水性層をEtOAcで抽出し、有機層を合わせて減圧にて濃縮した。粗生成物をシリカゲル(ISCO24gカラム)で精製し、5〜10%イソプロパノール/EtOAc勾配で溶離して4-(8-((5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(117)を得た(145mg,収率48%)。
【0722】
【数98】
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【0723】
工程3:
【0724】
【化240】
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【0725】
N-(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-8-アミン(118)(97mg,収率100%)は、8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0726】
【数99】
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【0727】
工程4:
【0728】
【化241】
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【0729】
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)アミノ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-5)(32mg,収率29%)は、1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A)を製造するのに使用した手順に従って製造した。粗生成物は、SFC(ZymorSPHER HADPカラム)を使用してメタノールで精製した。
【0730】
【数100】
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【0731】
下記の実施例は、一般的なメソッドDに従って製造した。
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)メチル]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1D)の製造
工程1:
【0732】
【化242】
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【0733】
8-ブロモ-4-クロロキナゾリン(119)(2g,8ミリモル)、ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.7g,90ミリモル)、及びDIPEA(2.0g,16ミリモル)をBuOH(25ml)中に混合して得た混合物を90℃で6時間加熱した。減圧にて溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0〜30%EtOAc/石油エーテルで溶離して、4-(8-ブロモキナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(120)を白色固体として得た(3.0g,収率90%)。
【0734】
【数101】
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【0735】
工程2:
【0736】
【化243】
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【0737】
4-(8-ブロモキナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(120)(1.0g,2.5ミリモル)、アクリル酸tert-ブチル(489mg,3.81ミリモル)、Pd(OAc)2(57mg,0.25ミリモル)、DABCO(57mg,0.51ミリモル)、及びK2CO3(351mg,2.54ミリモル)を乾燥DMF(12ml)中に混合して得た混合物を、窒素雰囲気下にて120℃で16時間加熱した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物を濃縮し、H2O(50ml)で希釈した。水性層をEtOAc(3×40ml)で抽出し、有機層を合わせてH2O(2×50ml)とブライン(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0〜35%EtOAc/石油エーテルで溶離して、4-{8-[(1E)-3-tert-ブトキシ-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(121)をオフホワイト色固体として得た(850mg,収率77%)。
【0738】
【数102】
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【0739】
工程3:
【0740】
【化244】
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【0741】
4-{8-[(1E)-3-tert-ブトキシ-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(121)(700mg,1.59ミリモル)をDCM(35ml)とメタノール(35ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにオゾンガスを−50℃にて吹き込んだ。約30分後、LCMS分析により出発物質が消費されたことを確認した。粗反応混合物中に、撹拌しながら窒素ガスを約20分吹き込み、次いでPPh3(625mg,2.4ミリモル)を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。粗反応混合物を濃縮し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0〜40%EtOAc/石油エーテルで溶離して、4-(8-ホルミルキナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(122)を白色固体として得た(448mg,収率82%)。
【0742】
【数103】
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【0743】
工程4:
【0744】
【化245】
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【0745】
4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)(940mg,3.2ミリモル)を乾燥THF(28ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これに2.4MのBuLi(1.6ml,3.8ミリモル)を−80℃で滴下した。得られた混合物を−80℃で40分撹拌した。次いで、4-(8-ホルミルキナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(122)(436mg,1.27ミリモル)を乾燥THF(5ml)中に混合して得た溶液を滴下した。得られた混合物を−80℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、約50%の標的化合物が形成されたことがわかった。反応混合物をNH4Cl水溶液(20ml)でクエンチした。有機層を分離し、水性層をEtOAc(2×30ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(40ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0〜60%EtOAc/石油エーテルで溶離して、4-(8-{ヒドロキシ[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(123)を白色固体として得た(330mg,収率18%)。
【0746】
【数104】
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【0747】
工程5:
【0748】
【化246】
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【0749】
4-(8-{ヒドロキシ[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(123)(120mg,0.22ミリモル)とAc2O(84mg,1.1ミリモル)をピリジン(8ml)中に混合して得た溶液を80℃で5時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことがわかった。減圧にて溶媒を除去して4-(8-{(アセチルオキシ)[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(124)を油状物として得た(129mg,収率100%)。この粗生成物を、さらなる精製を行うことなく次の工程に使用した。
【0750】
【数105】
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【0751】
工程6:
【0752】
【化247】
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【0753】
4-(8-{(アセチルオキシ)[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(124)(129mg,0.22ミリモル)、Et3N(65mg,0.64ミリモル)、及び10%Pd/C(30mg)をメタノール(25ml)中に混合して得た混合物を、水素雰囲気下で5時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。粗反応混合物を濾過した。濾液を濃縮し、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、0〜30%EtOAc/石油エーテルで溶離して、4-(8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(125)を無色ガムとして得た(90mg,収率77%)。
【0754】
【数106】
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【0755】
工程7:
【0756】
【化248】
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【0757】
8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)メチル]-4-(ピペラジン-1-イル)キナゾリン(126)(59mg,収率100%)は、8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0758】
工程8:
【0759】
【化249】
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【0760】
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)メチル]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1D)(40mg,収率61%)は、1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A) を製造するのに使用した手順に従って製造した。粗生成物を、Gemini-C18(100×21.2mm,5μmカラム)を使用して分取HPLCにより精製し、15〜25%アセトニトリル/H2O(0.1%ギ酸)で溶離した。
【0761】
【数107】
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【0762】
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)メチル]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2D)の製造
工程1:
【0763】
【化250】
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【0764】
4-{8-[(1E)-3-tert-ブトキシ-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(127)(880mg,収率14%)は、4-{8-[(1E)-3-tert-ブトキシ-3-オキソプロプ-1-エン-1-イル]キナゾリン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(121)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0765】
【数108】
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【0766】
工程2:
【0767】
【化251】
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【0768】
4-(8-ホルミルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(128)(630mg,収率64%)は、4-(8-ホルミルキナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(122)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0769】
【数109】
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【0770】
工程3:
【0771】
【化252】
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【0772】
4-(8-{ヒドロキシ[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(129)(200mg,収率10%)は、4-(8-{ヒドロキシ[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(123)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0773】
【数110】
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【0774】
工程4:
【0775】
【化253】
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【0776】
4-(8-{(アセチルオキシ)[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(130)(130mg,収率70%)は、4-(8-{(アセチルオキシ)[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(124)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0777】
【数111】
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【0778】
工程5:
【0779】
【化254】
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【0780】
4-(8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(131)(28mg,収率26%)は、4-(8-{[5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]メチル}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(125)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0781】
【数112】
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【0782】
工程6:
【0783】
【化255】
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【0784】
8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)メチル]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(132)(19mg,収率100%)は、8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0785】
【数113】
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【0786】
工程7:
【0787】
【化256】
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【0788】
1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)メチル]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2D)(6mg,収率19%)は、1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0789】
【数114】
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【0790】
下記の実施例は、一般的なメソッドEに従って製造した。
1-(4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1E)の製造
工程1:
【0791】
【化257】
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【0792】
3-アミノ-2-{[5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-6-メチルピリジン-4-カルボン酸メチル(133)(424mg,0.98ミリモル)をAcOH(15ml)中に混合して得た溶液にKOCN(904mg,11.1ミリモル)の水(1ml)溶液を80℃にて加え、得られた黄色溶液を80℃で30分撹拌した。30分後、LCMSにより出発物質と生成物が認められた。出発物質が全て消費されるまで、追加の固体KOCNを(11ミリモルのアリコートにて)30分ごとに加えた。反応混合物を冷却し、水で希釈して懸濁液を得た。固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥した。得られた固体をジエチルエーテルとDCMの混合物中に溶解し、濃縮し、水中スラリーにした。混合物を濾過し、乾燥して8-{[5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(134)をクリーム色固体として得た(426mg,収率98%)。
【0793】
【数115】
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【0794】
工程2:
【0795】
【化258】
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【0796】
8-{[5-クロロ-6-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(134)(426mg,0.96ミリモル)をPOCl3(6ml)とジメチルアニリン(0.05ml)中に混合して得た溶液を100℃で6時間撹拌した。粗反応混合物を濃縮し、トルエンと共に共沸させた。粗生成物に氷を加え、混合物を重炭酸ナトリウムで塩基性にした。粗生成物をDCM中に抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して2,4-ジクロロ-8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン(135)を褐色泡状物として得た(278mg,収率73%)。
【0797】
【数116】
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【0798】
工程3:
【0799】
【化259】
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【0800】
2,4-ジクロロ-8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン(135)(278mg,0.70ミリモル)、ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(157mg,0.84ミリモル)、及びジイソプロピルエチルアミン(273mg,2.11ミリモル)をDCM(10ml)中に混合して得た溶液を一晩撹拌した。粗反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(12gISCOカートリッジ)を使用して精製し、EtOAc/ヘプタン(0〜100%)で溶離して4-{2-クロロ-8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(136)を褐色固体として得た(57mg,収率15%)。
【0801】
【数117】
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【0802】
工程4:
【0803】
【化260】
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【0804】
4-{2-クロロ-8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(136)(57mg,0.10ミリモル)、N,N-ジメチルアゼチジン-3-アミンジハイドロクロライド(109mg,0.63ミリモル)、DIEA(0.13ml,0.73ミリモル)、及びKF(12mg,0.21ミリモル)をDMSO(2ml)中に混合して得た混合物を115℃で5時間撹拌した。粗反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、水(2×)とブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(137)を褐色泡状物として得た(49mg,収率77%)。
【0805】
【数118】
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【0806】
工程5:
【0807】
【化261】
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【0808】
1-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-6-メチル-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}-N,N-ジメチルアゼチジン-3-アミン(138)(87mg,収率100%)は、8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(86)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0809】
【数119】
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【0810】
工程6:
【0811】
【化262】
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【0812】
1-(4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1E)(7mg,収率15%)は、1-(4-{8-[(5-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1A)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0813】
【数120】
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【0814】
下表に記載の実施例は、メソッドEならびに1-(4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1E)を製造するのに使用した手順、を使用して製造した。下記の実施例は、実施例-1Eを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
【0815】
【化263】
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【0816】
【化264】
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【0817】
【化265】
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【0818】
【化266】
[この文献は図面を表示できません]
【0819】
【化267】
[この文献は図面を表示できません]
【0820】
【化268】
[この文献は図面を表示できません]
【0821】
【化269】
[この文献は図面を表示できません]
【0822】
【化270】
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【0823】
下表の実施例は、メソッドEならびに1-(4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1E)を製造するのに使用した手順を使用して、類似のライブラリー・フォーマット(library format)にて製造した。下記の実施例は、実施例-1Eを製造するのに使用した典型的な手順への重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
【0824】
【化271】
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【0825】
【化272】
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【0826】
【化273】
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【0827】
【化274】
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【0828】
【化275】
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【0829】
さらなる中間体の製造:
3-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(139)の製造
工程1:
【0830】
【化276】
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【0831】
4-ブロモ-5-メチル-1H-インダゾール(140)(3.0g,14.2ミリモル)をアセトニトリル(50ml)中に混合して得た溶液にNCS(2.1g,15.6ミリモル)を少量ずつ加えた。添加後、反応混合物を65℃で6時間加熱した。LCMSにより、生成物だけが得られたことを確認した。粗反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(100ml)を加えた。有機層を1NのNaOH溶液(20ml)とブライン(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧にて濃縮して4-ブロモ-3-クロロ-5-メチル-1H-インダゾール(141)を得た(3.3g,収率90%)。
【0832】
【数121】
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【0833】
工程2:
【0834】
【化277】
[この文献は図面を表示できません]
【0835】
4-ブロモ-3-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(142)(2.5g,収率56%)は、4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(24)を製造するのに使用した手順に従って製造した。
【0836】
【数122】
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【0837】
工程3:
【0838】
【化278】
[この文献は図面を表示できません]
【0839】
4-ブロモ-3-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(142)(1.9g,5.8ミリモル)をDMF(60ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これに4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(2.2g,8.6ミリモル)、KOAc(1.7g,17.3ミリモル)、及びPd(dppf)Cl2(442mg,0.58ミリモル)を窒素雰囲気下で加えた。粗反応混合物を105℃で6時間撹拌した。LCMS分析により、生成物への転化が確認された。冷却後、水(50ml)を加え、混合物をEtOAc(2×50ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧にて濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、EtOAc/石油エーテル(1/9)で溶離して3-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(143)を得た(1.3g,収率60%)。
【0840】
【数123】
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【0841】
工程4:
【0842】
【化279】
[この文献は図面を表示できません]
【0843】
3-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール(143)(1.3g,3.4ミリモル)をEtOH(30ml)中に混合して得た溶液にmCPBA(893mg,5.2ミリモル)とH2O(15ml)を加えた。反応混合物を20℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、ほとんどが生成物であることを確認した。粗反応混合物をNaHCO310%溶液(10ml)で希釈し、水性層をEtOAc(2×50ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧にて濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、EtOAc/石油エーテル(1/5)で溶離して3-クロロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(139)を得た(180mg,純度80%,収率20%)。
【0844】
【数124】
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【0845】
5,6-ジクロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(163)の製造
工程1:
【0846】
【化280】
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【0847】
3-ブロモ-1,2-ジクロロ-5-フルオロ-4-メチルベンゼン(147)(4.7g,18.3ミリモル)を水/BuOH(1/1,45ml)中に混合して得た混合物にKMnO4(8.7g,54.8ミリモル)を80℃にて加えた。混合物を90℃で一晩加熱した。さらに4.5gのKMnO4を加え、105℃で一晩撹拌した。混合物をEtOHで希釈し、セライトパッドを介して濾過した。濾液を減圧にて濃縮して白色固体を得、これをエーテル/水で希釈した。凍結乾燥器を使用して水性層を乾燥して白色固体(4.9g)を得た。白色固体をEtOAc/EtOH中に懸濁し、不溶性物質を濾過により除去した。濾液を濃縮して3.7g(収率70%)の2-ブロモ-3,4-ジクロロ-6-フルオロ安息香酸(148)を白色固体として得た。
【0848】
【数125】
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【0849】
工程2:
【0850】
【化281】
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【0851】
2-ブロモ-3,4-ジクロロ-6-フルオロ安息香酸(148)(2.2g,7.8ミリモル)をTHF(11ml)中に混合して得た溶液を、窒素雰囲気下にて0℃に冷却した。この混合物に、BH3・SMe2のTHF溶液(THF中2.0M,112ml,24.1ミリモル)を滴下した。ガスの発生が認められた。添加完了後、混合物を0℃でさらに1.5時間撹拌し、次いで70℃で18時間加熱した。粗反応混合物をLCMSにより分析し、所望の生成物が形成されたことがわかった。反応混合物を氷浴で冷却し、EtOHで慎重にクエンチした。反応混合物を濾過して不溶性物質を除去し、濃縮した。残留物をEtOAc(130ml)と酸性水(130ml)に分配した。有機層をNH4Cl飽和溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して青白い固体を得た。これをカラムクロマトグラフィー(SiO2,ISCO,0〜30%EtOAc/ヘプタン)により精製して1.5g(収率71%)の(2-ブロモ-3,4-ジクロロ-6-フルオロフェニル)メタノール(149)を青白い固体として得た。
【0852】
【数126】
[この文献は図面を表示できません]
【0853】
工程3:
【0854】
【化282】
[この文献は図面を表示できません]
【0855】
(2-ブロモ-3,4-ジクロロ-6-フルオロフェニル)メタノール(149)(315mg,1.15ミリモル)をCHCl3(12ml)中に混合して得た溶液に、MnO2(700mg,8.05ミリモル)を少量ずつ加えた。混合物を20時間加熱還流した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。混合物を、セライトを介して濾過した。黒色濾液を濃縮して粗残留物を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2,ISCO,0〜10%EtOAc/ヘプタン)により精製して215mg(収率68%)の2-ブロモ-3,4-ジクロロ-6-フルオロベンズアルデヒド(150)を白色固体として得た。
【0856】
【数127】
[この文献は図面を表示できません]
【0857】
工程4:
【0858】
【化283】
[この文献は図面を表示できません]
【0859】
2-ブロモ-3,4-ジクロロ-6-フルオロベンズアルデヒド(150)(761mg,2.80ミリモル)を入れたバイアルに、無水ヒドラジン(628mg,19.6ミリモル)とスルホラン(14ml)を加えた。得られた溶液を130℃で20時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈した。反応混合物を水(2×)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2,ISCO,5〜50%EtOAc/ヘプタン)により精製して448mg(収率56%)の4-ブロモ-5,6-ジクロロ-1H-インダゾール(151)を白色固体として得た。
【0860】
【数128】
[この文献は図面を表示できません]
【0861】
工程5:
【0862】
【化284】
[この文献は図面を表示できません]
【0863】
4-ブロモ-5,6-ジクロロ-1H-インダゾール(151)(123mg,0.46ミリモル)をTHF(5ml)中に混合して得た溶液に、PPTS(8.1mg,0.03ミリモル)とDHP(156mg,1.85ミリモル)を加えた。反応混合物を50℃で5時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が完全に消費されて生成物に転化したことを確認した。反応混合物を濃縮し、残留物をEtOAcと水に分配した。有機層をブラインで洗浄し、濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2,ISCO,0〜25%EtOAc/ヘプタン)により精製して150mg(収率93%)の4-ブロモ-5,6-ジクロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(152)を白色固体として得た。
【0864】
【数129】
[この文献は図面を表示できません]
【0865】
工程6:
【0866】
【化285】
[この文献は図面を表示できません]
【0867】
4-ブロモ-5,6-ジクロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(152)(423mg,1.21ミリモル)とCsOH(543mg,3.63ミリモル)をジオキサン/水中に溶解し、これに触媒Pd2(dba)3(55.3mg)とリガンドtBu-XPhos(51.3mg)を加えた。反応混合物を窒素ストリームで脱気し、80℃で2.5時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物をEtOAcとNH4Cl水溶液に分配した。水相を2NのHClでやや酸性にし、次いでEtOAcで抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2,ISCO,10〜90%EtOAc/ヘプタン)により精製して307mgの5,6-ジクロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(153)(収率88%,純度約80%)を褐色固体として得た。これをさらなる精製なしに次の工程に使用した。
【0868】
【数130】
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【0869】
6-クロロ-5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(157)の製造
工程1:
【0870】
【化286】
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【0871】
6-クロロ-4-フルオロ-1H-インダゾール(154)(606mg,3.55ミリモル)とPTSA一水和物(67.6mg,0.36ミリモル)をTHF中に混合して得た混合物にDHP(359mg,0.39ml,4.26ミリモル)を加え、反応混合物を2時間撹拌還流した。LCMS分析により、所望の生成物への転化を確認した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濃縮した。粗油状物をクロマトグラフィー(ISCO,SiO2,0〜100%DCM/ヘプタン)により精製して816mgの6-クロロ-4-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(155)(収率90%)を無色油状物(ゆっくりと結晶化した)として得た。
【0872】
【数131】
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【0873】
工程2:
【0874】
【化287】
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【0875】
6-クロロ-4-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(155)(273mg,1.07ミリモル)をTHF(10.7ml)中に混合して得た溶液に、LDAの溶液(THF中1.0M,1.5ml,1.5ミリモル)を−70℃にて加えた。得られた淡黄色反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した。NFSI(473mg,1.5ミリモル)のTHF(1.5ml)溶液を滴下した。LCMS分析により、所望の生成物が形成され、出発物質が幾らか残存していることを確認した。反応混合物をNH4Cl飽和水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(SiO2,ISCO,0〜20%EtOAc/ヘプタン)により精製して6-クロロ-4,5-ジフルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(156)を得た(152mg,収率52%)。
【0876】
【数132】
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【0877】
工程3:
【0878】
【化288】
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【0879】
6-クロロ-4,5-ジフルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(156)(151mg,0.554ミリモル)、水(40μl,2.22ミリモル)、及びKOH(124mg,2.22ミリモル)をDMSO(1.85ml)中に混合して得た混合物を100℃で3.5時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質の消費と所望の生成物の形成を確認した。EtOAcと水を加え、層分離を起こさせた。水性層を2N塩酸でやや酸性に調整した。水性層をEtOAcで抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(SiO2,ISCO, 5〜65%EtOAc/ヘプタン)により精製して6-クロロ-5-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(157)を白色固体として得た(110mg,収率73%)。
【0880】
【数133】
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【0881】
[(2S,4R)-4-フルオロ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(161)の製造
工程1:
【0882】
【化289】
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【0883】
(4S)-4-ヒドロキシ-L-プロリン酸メチル(19g,10ミリモル)とTEA(17.2g,170ミリモル)をTHF(400ml)中に混合して得た混合物に(Boc)2O(31.4g,7.58ミリモル)を0℃にて0.5時間で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を分液漏斗に移し、500mlのEtOAcで希釈し、H2O(3×300ml)で洗浄した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して(2S,4S)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(159)(21g,収率65%)を得た。これをさらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【0884】
【数134】
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【0885】
工程2:
【0886】
【化290】
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【0887】
(2S,4S)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(159)(16.4g,20ミリモル)をDCM(400ml)中に混合して得た溶液にDAST(32.3g,201ミリモル)を−78℃で加えた。反応混合物を1時間撹拌し、次いで室温に加温し、さらに24時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への転化を確認した。NaHCO3飽和水溶液(300ml)を加えることによって反応混合物をクエンチした。反応混合物をEtOAc(3×300ml)で抽出した。有機層を合わせて無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0〜10%EtOAc/石油エーテル)によって精製して(2S,4R)-4-フルオロピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(160)(10g,収率70%)を無色油状物として得た。
【0888】
【数135】
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【0889】
工程3:
【0890】
【化291】
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【0891】
(2S,4R)-4-フルオロピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(160)(6.92g,28ミリモル)をTHF(100ml)中に混合して得た溶液にLiAlH4(3.19mg,84ミリモル)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物の形成を確認した。混合物をNa2SO4・10H2Oで乾燥し、1時間撹拌した。混合物を濾過し、濃縮して[(2S,4R)-4-フルオロ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(161)を無色油状物として得た(3.7g,収率99%)。これをさらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【0892】
【数136】
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【0893】
[(2S,4R)-4-フルオロ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(163)の製造
【0894】
【化292】
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【0895】
(2S,4S)-4-フルオロピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(162)(8.8g,36ミリモル)をTHF(400ml)中に混合して得た溶液に、LiAlH4(4.05mg,107ミリモル)を窒素雰囲気下にて20℃で少量ずつ加えた。2時間撹拌した後、NaHCO3飽和水溶液(8.2ml)を滴下して反応をクエンチした。EtOAc(500ml)を加え、混合物を濾過した。濾液をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,9:1DCM/MeOH)によって精製して[(2S,4S)-4-フルオロ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(163)を得た(3.1g,収率65%)。
【0896】
【数137】
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【0897】
[(2S,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(166)の製造
工程1:
【0898】
【化293】
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【0899】
(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(164)(6g,24.5ミリモル)をCH3CN(120ml)中に混合して得た溶液にAg2O(17.0g,73.4ミリモル)とCH3I(27.76g,196ミリモル)を加えた。混合物を20℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物が形成され、出発物質が幾らか残存していることがわかった。追加のCH3I(6.94g,49ミリモル)を加え、反応混合物を20℃でさらに16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質の消費が確認された。反応混合物を濾過した。濾液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2,8:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(165)を無色油状物として得た(4.6g,収率73%)。
【0900】
【数138】
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【0901】
工程2:
【0902】
【化294】
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【0903】
(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(165)(1.6g,6.2ミリモル)をTHF(30ml)中に混合して得た溶液にLiAlH4(703mg,18.5ミリモル)を加え、混合物を80℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物が形成されていることがわかった。反応混合物を室温に冷却した。Na2SO4・10H2Oを加え、混合物を10分撹拌した。混合物を濾過して[(2S,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(166)を無色油状物として得た(0.85g,収率95%)。
【0904】
【数139】
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【0905】
[(2S,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(169)の製造
工程1:
【0906】
【化295】
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【0907】
(2R,4S)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(167)(3g,12.23ミリモル)をCH3CN(80ml)中に混合して得た溶液にAg2O(8.5g,36.7ミリモル)とCH3I(17.4g,122ミリモル)を加え、混合物を20℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が残存していることがわかった。さらにAg2O(4g)とCH3I(9g)を加え、反応混合物を20℃でさらに16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質の消費が確認された。反応混合物を濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して(2R,4S)-4-メトキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(168)を無色油状物として得た(2.5g,収率79%)。
【0908】
【数140】
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【0909】
工程2:
【0910】
【化296】
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【0911】
(2R,4S)-4-メトキシピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(168)(2g,7.71ミリモル)をTHF(80ml)中に混合して得た溶液にLiAlH4(879mg,23.1ミリモル)を加え、反応混合物を80℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への転化を確認した。20℃に冷却した後、Na2SO4・10H2Oを加え、混合物を10分撹拌した。混合物を濾過し、濃縮して[(2R,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-2-イル]メタノール(169)を無色油状物として得た(1.1g,収率79%)。これをさらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【0912】
【数141】
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【0913】
(3R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(173)の製造
工程1:
【0914】
【化297】
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【0915】
(2S,4R)-4-シアノピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-tert-ブチル2-メチル(170)(2g,7.86ミリモル)をDCM(10ml)中に混合して得た溶液にTFA(5ml)を加え、混合物を20℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、生成物の形成が確認された。混合物を濃縮して(4R)-4-シアノ-L-プロリン酸メチル(171)を無色油状物として得た(2.11g,収率100%)。
【0916】
【数142】
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【0917】
工程2:
【0918】
【化298】
[この文献は図面を表示できません]
【0919】
(4R)-4-シアノ-L-プロリン酸メチル(171)(2.11g,7.86ミリモル)とHCHO(4ml)をDCM(15ml)とTHF(5ml)中に混合して得た混合物にNaBH3CN(990mg,15.7ミリモル)を加え、混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、生成物の形成を確認した。H2O(50ml)を加え、混合物をDCM(3×100ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して(4R)-4-シアノ-1-メチル-L-プロリン酸メチル(172)を黄色油状物として得た(1.32g,収率100%)。
【0920】
【数143】
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【0921】
工程3:
【0922】
【化299】
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【0923】
(4R)-4-シアノ-1-メチル-L-プロリン酸メチル(172)(1.32g,8.56ミリモル)をTHF(20ml)中に混合して得た溶液にLiAlH4(377mg,17.1ミリモル)を加え、混合物を50℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質の消費と生成物の形成を確認した。H2O(10ml)を加え、混合物を10分撹拌した。混合物をEtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して(3R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(173)を無色油状物として得た(472mg,収率39%)。これをさらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【0924】
【数144】
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【0925】
[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(177)の製造
工程1:
【0926】
【化300】
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【0927】
(3S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピロリジン-3-カルボン酸(174)(WO2013072813)(1.25g,5.38ミリモル)を乾燥THF(18ml)中に混合して得た溶液に、窒素雰囲気下でBH3の溶液(THF中1.0M,17.2ml)を滴下して処理した。添加後、混合物を16LCMS時間加熱還流した。LCMS分析により、出発物質が全て消費されて、所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を25℃に冷却し、MeOH(10ml)を滴下した。混合物を2時間撹拌し、0℃に冷却し、次いで0.5M塩酸(3ml)で処理した。この溶液を0.5時間撹拌した。NaHCO3飽和水溶液を加えて、反応混合物をpH>7に調整した。混合物を濃縮してMeOHを除去した。残留物をH2O(30ml)で希釈し、EtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(30ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,10〜70%EtOAc/石油エーテル)によって精製して(3S)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(175)を無色油状物として得た(1.1g,収率93%)。
【0928】
【数145】
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【0929】
工程2:
【0930】
【化301】
[この文献は図面を表示できません]
【0931】
(3S)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(175)(1.09g,5.0ミリモル)を1,4-ジオキサン(4ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにHCl(1,4-ジオキサン中4M,8ml)を0〜10℃にて加えた。得られた混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。減圧にて溶媒を除去して塩化(3S)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジニウム(176)を白色固体として得た(740mg,収率95%)。
【0932】
【数146】
[この文献は図面を表示できません]
【0933】
工程3:
【0934】
【化302】
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【0935】
塩化(3S)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジニウム(176)(740mg,4.76ミリモル)、ホルムアルデヒド水溶液(5ml)、及びギ酸(10ml)を封管中に入れて得た混合物を100℃で48時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が全て消費され、所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を濃縮した。得られた残留物に濃塩酸(5ml)を加えた。混合物を2時間撹拌し、濃縮した。残留物にH2O(15ml)を加えた。混合物を固体K2CO3で慎重に塩基性にし、EtOAc(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0〜15%MeOH/DCM)によって精製して、[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(177)を淡黄色油状物として得た(630mg,収率100%)。
【0936】
【数147】
[この文献は図面を表示できません]
【0937】
[(3R)-3-フルオロ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(181)の製造
工程1:
【0938】
【化303】
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【0939】
(3R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フルオロピロリジン-3-カルボン酸(178)(WO2013072813)(1.79g,7.65ミリモル)を乾燥THF(24ml)中に混合して得た溶液に、BH3の溶液(THF中1.0M,30ml)を窒素雰囲気下で滴下して処理した。添加後、混合物を16時間加熱還流した。LCMS分析により、出発物質が全て消費され、所望の生成物形成されたことを確認した。反応混合物を25℃に冷却し、MeOH(10ml)を滴下した。混合物を2時間撹拌し、0℃に冷却し、次いで0.5M塩酸(3ml)で処理した。得られた溶液を0.5時間撹拌した。NaHCO3飽和水溶液を加えて、反応混合物をpH>7に調整した。混合物を濃縮してMeOHを除去した。残留物をH2O(30ml)で希釈し、EtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(30ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,10〜70%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、(3R)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(179)を無色油状物として得た(1.33g,収率79%)。
【0940】
【数148】
[この文献は図面を表示できません]
【0941】
工程2:
【0942】
【化304】
[この文献は図面を表示できません]
【0943】
(3R)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(179)(1.33g,6.061ミリモル)を1,4-ジオキサン(5ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにHCl(1,4-ジオキサン中4M,10ml)を0〜10℃にて加えた。得られた混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。減圧にて溶媒を除去して塩化(3R)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジニウム(180)を白色固体として得た(892mg,収率95%)。
【0944】
【数149】
[この文献は図面を表示できません]
【0945】
工程3:
【0946】
【化305】
[この文献は図面を表示できません]
【0947】
塩化(3R)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジニウム(180)(892mg,5.73ミリモル)、ホルムアルデヒド水溶液(5ml)、及びギ酸(10ml)を封管中に入れて得た混合物を100℃で48時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が全て消費され、所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を濃縮した。残留物に濃塩酸(5ml)を加えた。得られた混合物を2時間撹拌し、濃縮し、残留物にH2O(15ml)を加えた。混合物を固体K2CO3で慎重に塩基性にし、EtOAc(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0〜15%MeOH/DCM)によって精製して、[(3R)-3-フルオロ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(181)を淡黄色油状物として得た(630mg,収率100%)。
【0948】
【数150】
[この文献は図面を表示できません]
【0949】
[(3R)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メタノール(184)の製造
工程1:
【0950】
【化306】
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【0951】
(3R)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(182)(500mg,2.14ミリモル)をDCM(3ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにHCl(1,4-ジオキサン中4M,3ml)を加え、得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。減圧にて溶媒を除去して塩化(3R)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピペリジニウム(183)を白色固体として得た(360mg,収率99%)。
【0952】
【数151】
[この文献は図面を表示できません]
【0953】
工程2:
【0954】
【化307】
[この文献は図面を表示できません]
【0955】
塩化(3R)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピペリジニウム(183)(360mg,2.12ミリモル)、ホルムアルデヒド水溶液(3ml)、及びギ酸(6ml)を封管中に入れて得た混合物を100℃で23時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を濃縮した。残留物に濃塩酸(5ml)を加え、2時間撹拌し、混合物を濃縮した。残留物にH2O(30ml)を加えた。混合物を固体K2CO3で慎重に塩基性にし、10:1DCM/MeOH(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮して[(3R)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メタノール(184)を淡黄色油状物として得た(220mg,収率70%)。
【0956】
【数152】
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【0957】
[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メタノール(187)の製造
工程1:
【0958】
【化308】
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【0959】
(3S)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(185)(500mg,2.14ミリモル)をDCM(3ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにHCl(1,4-ジオキサン中4M,3ml)を加え、得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。減圧にて溶媒を除去して塩化(3S)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピペリジニウム(186)を白色固体として得た(360mg,収率99%)。
【0960】
【数153】
[この文献は図面を表示できません]
【0961】
工程2:
【0962】
【化309】
[この文献は図面を表示できません]
【0963】
塩化(3S)-3-フルオロ-3-(ヒドロキシメチル)ピペリジニウム(186)(230mg,0.75ミリモル)、ホルムアルデヒド水溶液(2ml)、及びギ酸(4ml)を封管中に入れて得た混合物を100℃で23時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を濃縮した。残留物に濃塩酸(5ml)を加え、2時間撹拌し、混合物を濃縮した。残留物にH2O(30ml)を加えた。混合物を固体K2CO3で慎重に塩基性にし、10:1DCM/MeOH(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮して[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メタノール(187)を淡黄色油状物として得た(160mg,収率80%)。
【0964】
【数154】
[この文献は図面を表示できません]
【0965】
[(3S,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(190)の製造
工程1:
【0966】
【化310】
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【0967】
(3S,4S)-3-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(188)(J.Med.Chem.2016,59,2005-2024)(1.85g,8.0ミリモル)を1,4-ジオキサン(5ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにHCl(1,4-ジオキサン中4M,10ml)を0〜10℃にて加えた。添加後、混合物を20〜25℃にて16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。減圧にて溶媒を除去して塩化(3S,4S)-3-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシピロリジニウム(189)を褐色油状物として得た(1.34g,収率100%)。これをさらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【0968】
【数155】
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【0969】
工程2:
【0970】
【化311】
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【0971】
塩化(3S,4S)-3-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシピロリジニウム(189)(1.34g,8.0ミリモル)、ホルムアルデヒド水溶液(7ml)、及びギ酸(14ml)を封管中に入れて得た混合物を100℃で4日間加熱した。LCMS分析により、出発物質が消費され、生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を25℃に冷却した。減圧にて溶媒を除去した。残留物に濃塩酸(10ml)を加え、混合物を2時間撹拌し、濃縮した。混合物をK2CO3水溶液で慎重に塩基性にし、DCM(3×50ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して[(3S,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(190)を褐色油状物として得た(1.12g,収率96%)。
【0972】
【数156】
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【0973】
[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(193)の製造
工程1:
【0974】
【化312】
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【0975】
(3R,4R)-3-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(191)(J.Med.Chem.2016,59,2005-2024)(1.90g,8.22ミリモル)を1,4-ジオキサン(5ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにHCl(1,4-ジオキサン中4M,10ml)を0〜10℃にて加えた。添加後、混合物を20〜25℃にて16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。減圧にて溶媒を除去して粗製の塩化(3R,4R)-3-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシピロリジニウム(192)を褐色油状物として得た(1.38g,収率100%)。これをさらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【0976】
【数157】
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【0977】
工程2:
【0978】
【化313】
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【0979】
塩化(3R,4R)-3-(ヒドロキシメチル)-4-メトキシピロリジニウム(192)(1.38g,8.2ミリモル)、ホルムアルデヒド水溶液(7ml)、及びギ酸(14ml)を封管中に入れて得た混合物を100℃で4日間加熱した。LCMS分析により、出発物質が消費され、生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を25℃に冷却した。減圧にて溶媒を除去した。残留物に濃塩酸(10ml)を加え、混合物を2時間撹拌し、濃縮した。混合物をK2CO3水溶液で慎重に塩基性にし、DCM(3×50ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]メタノール(193)を褐色油状物として得た(1.12g,収率96%)。
【0980】
【数158】
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【0981】
(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(196)の製造
工程1:
【0982】
【化314】
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【0983】
(3R,4R)-3,4-ジヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(194)(400mg,1.97ミリモル)とCH3I(838mg,5.90ミリモル)をTHF(10ml)中に混合して得た混合物にLHMDS(2.95ml,2.95ミリモル,THF中1.0M)を加え、混合物を20℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物が約50%、残留している出発物質が30%、そしてジメチル副生物が痕跡量存在していることがわかった。H2O(10ml)を加え、混合物をEtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(195)を無色油状物として得た(140mg,収率33%)。
【0984】
【数159】
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【0985】
工程2:
【0986】
【化315】
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【0987】
(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(195)(140mg,0.64ミリモル)をTHF(10ml)中に混合して得た溶液にLiAlH4(49mg,1.29ミリモル)を加え、混合物を70℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、生成物の形成が確認された。20℃に冷却した後、Na2SO4・10H2Oを加え、混合物を10分撹拌した。混合物を濾過して、(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(196)を無色油状物として得た(70mg,収率83%)。
【0988】
【数160】
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【0989】
(3S,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(199)の製造
工程1:
【0990】
【化316】
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【0991】
(3S,4S)-3,4-ジヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(197)(500mg,2.46ミリモル)とCH3I(1.05mg,7.38ミリモル)をTHF(10ml)中に混合して得た混合物にLHMDS(3.69ml,3.69ミリモル,THF中1.0M)を加え、混合物を20℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物が約50%、残留している出発物質が30%、そしてジメチル副生物が痕跡量存在していることがわかった。H2O(10ml)を加え、混合物をEtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、(3S,4S)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(198)を無色油状物として得た(240mg,収率45%)。
【0992】
【数161】
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【0993】
工程2:
【0994】
【化317】
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【0995】
(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(199)(240mg,1.104ミリモル)をTHF(10ml)中に混合して得た溶液にLiAlH4(84mg,2.21ミリモル)を加え、混合物を70℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、生成物の形成が確認された。20℃に冷却した後、Na2SO4・10H2Oを加え、混合物を10分撹拌した。混合物を濾過して、(3S,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(199)を無色油状物として得た(120mg,収率83%)。
【0996】
【数162】
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【0997】
6-フルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(202)の製造
工程1:
【0998】
【化318】
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【0999】
ジイソプロピルアミン(3.18g,31.5ミリモル)をTHF(100ml)中に混合して得た溶液に、n-BuLi(2.5M,10.5ml,26.25ミリモル)を窒素雰囲気下にて−70℃で滴下した。混合物を同じ温度で30分撹拌し、4,6-ジフルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(200)(5g,21ミリモル)のTHF(3ml)溶液を−78℃で滴下した。0.5時間後、CH3I(5.96g,42ミリモル)を加えた。混合物を1時間撹拌した。混合物をNH4Cl飽和水溶液でクエンチし、EtOAc(3×200ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,10:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、4,6-ジフルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(201)を白色固体として得た(2g,収率38%)。出発物質(200)を30%含有する、さらなる2gの混合フラクションを捕集した。
【1000】
【数163】
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【1001】
工程2:
【1002】
【化319】
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【1003】
4,6-ジフルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール(201)(2g,7.93ミリモル)をDMSO(24ml)中に混合して得た溶液に、KOH(1.78g,31.7ミリモル)とH2O(571mg,31.7ミリモル)を加えた。混合物を100℃で6時間撹拌した。LCMS分析により、生成物の形成が確認された。反応混合物をH2O(30ml)でクエンチし、次いでEtOAc(3×50ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(30ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して固体を得、これを5:1石油エーテル/EtOAcですりつぶして6-フルオロ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(202)を白色固体として得た(730,g,収率37%)。
【1004】
【数164】
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【1005】
(3S,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(207)の製造
工程1:
【1006】
【化320】
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【1007】
2,6-ジクロロ-3-フルオロピリジン-4-カルボン酸(203)(21.6g,103ミリモル)をSOCl2(75ml)中に混合して得た混合物を撹拌し、これにDMFを3滴加えた。混合物を80℃に加熱し、この温度で3時間加熱した。MeOHでのLCMS分析により、メチルエステルの形成が確認された。混合物を濃縮し、トルエンと共沸して粗製の2,6-ジクロロ-3-フルオロピリジン-4-カルボニルクロライド(204)を得た(23.5g,収率100%)。これを直ちに次の工程に使用した。
【1008】
工程2:
【1009】
【化321】
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【1010】
NaOH(18.5g,463ミリモル)のH2O(400ml)溶液に2-メチル-2-チオプソイドウレア硫酸塩(51.5g,185ミリモル)を0℃にて少量ずつ加えた。混合物を10分撹拌し、2,6-ジクロロ-3-フルオロピリジン-4-カルボニルクロライド(204)(23.5g,103ミリモル)の乾燥Et2O(300ml)溶液を滴下した。添加後、反応混合物を0〜5℃で30分撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費され、所望の生成物が形成されたことを確認した。混合物を分離した。水性層をEtOAc(2×300ml)で抽出した。有機層を合わせてH2O(2×200ml)とブライン(200ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して粗製のN-[(2,6-ジクロロ-3-フルオロピリジン-4-イル)カルボニル]カルバミミドチオ酸メチル(206)を黄色固体として得た(25.0g,収率86%)。これを、精製を施すことなく次の工程に直接使用した。
【1011】
【数165】
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【1012】
工程3:
【1013】
【化322】
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【1014】
N-[(2,6-ジクロロ-3-フルオロピリジン-4-イル)カルボニル]カルバミミドチオ酸メチル(206)(28.9g,102ミリモル)とCs2CO3(46.7g,143ミリモル)を乾燥DMF(150ml)中に混合して得た混合物を90℃で5時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費され、所望の生成物が形成されたことを確認した。混合物を25℃に冷却し、H2O(800ml)で希釈し、3MのHOAc水溶液を加えることによってpH<7の酸性にした。得られた固体を濾過によって捕集した。濾過ケークをH2O(3×100ml)で洗浄し、減圧乾燥した。粗生成物をEtOAc(60ml)中にて30分スラリーにしてから濾過した。固体を濾過により捕集し、乾燥して6,8-ジクロロ-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(207)を淡黄色固体として得た(19.8g,収率74%)
【1015】
【数166】
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【1016】
実施例の製造:
下記の実施例は、一般的なメソッドGに従って製造した。
1-[4-(6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例1G)の製造
工程1:
【1017】
【化323】
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【1018】
6,8-ジクロロ-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4(3H)-オン(207)(10.0g,38ミリモル)をPOCl3(70ml)中に混合して得た混合物を130℃で3時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことが確認された。混合物を25℃に冷却し、減圧にて溶媒を除去して、粗製の4,6,8-トリクロロ-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(208)を黄色固体として得た(11.0g,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【1019】
工程2:
【1020】
【化324】
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【1021】
4,6,8-トリクロロ-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(208)(10.7g,38.1ミリモル)を乾燥DMF(60ml)中に混合して得た懸濁液を撹拌し、これにDIPEA(246mg,1.91ミリモル)を0℃にて加え、次いでピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(8.52g,45.8ミリモル)を加えた。得られた混合物を20〜25℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質の消費が確認された。混合物をH2O(500ml)で希釈し、30分撹拌し、次いで濾過した。濾過ケークをDCM(500ml)中に溶解した。混合物をH2O(2×400ml)とブライン(400ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をEtOAc(50ml)で1時間スラリーにし、次いで0℃に冷却した。固体を濾過によって捕集し、減圧乾燥して4-[6,8-ジクロロ-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(209)を黄色固体として得た(12.6g,収率76%)。
【1022】
【数167】
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【1023】
工程3:
【1024】
【化325】
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【1025】
5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(72)(4.19g,15.5ミリモル)、4-[6,8-ジクロロ-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(209)(6.99g,16.3ミリモル)、及びCs2CO3(7.57g,23.2ミリモル)を乾燥DMA(50ml)中に混合して得た混合物を95℃で16時間加熱した。LCMS分析により、出発物質の消費が確認された。反応混合物を25℃に冷却し、H2O(300ml)で希釈し、EtOAc(3×200ml)で抽出した。有機層を合わせてH2O(2×200ml)とブライン(200ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0〜50%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(210)を黄色固体として得た(8.37g,収率81%)。
【1026】
【数168】
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【1027】
工程4:
【1028】
【化326】
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【1029】
4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(210)(9.33g,14ミリモル)をDCM(100ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにm-CPBA(7.7mg,37.9ミリモル)を25℃で少量ずつ加えた。反応混合物を25℃で5時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。反応混合物をDCM(100ml)で希釈し、NaHCO3飽和水溶液(200ml)、Na2SO3水溶液(100ml)、及びブライン(100ml)で逐次洗浄した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,10〜80%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(211)を黄色固体として得た(7.5g,収率77%)。
【1030】
【数169】
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【1031】
工程6:
【1032】
【化327】
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【1033】
4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(211)(200mg,0.287ミリモル)と(S)-(1-メチルピロリジン-2-イル)メタノール(165mg,1.44ミリモル)をTHF(3ml)中に混合して得た溶液にLiHMDS(THF中1.0M,0.373ml,0.373ミリモル)を0℃で加え、混合物を室温で1時間撹拌した。LCMS分析により、反応が完了したことを確認した。反応混合物を、NH4Cl飽和水溶液を加えることによってクエンチした。反応混合物をEtOAc(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮して溶媒を蒸発除去した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0〜10%MeOH/DCMによって精製して、4-(6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(212)を黄色固体として得た(200mg,収率95%)。
【1034】
【数170】
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【1035】
工程7:
【1036】
【化328】
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【1037】
4-(6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(212)(200mg,0.237ミリモル)をDCM(2ml)中に混合して得た混合物にHClの溶液(1,4-ジオキサン中4.0M,2ml)を加えた。反応混合物を周囲温度で4時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が全て消費されたことを確認した。混合物を濃縮し、溶媒を蒸発除去して6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(213)を黄色固体として得た(150mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【1038】
【数171】
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【1039】
工程8:
【1040】
【化329】
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【1041】
6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(213)(150mg,0.274ミリモル)をEtOAc(20ml)とNaHCO3飽和水溶液(20ml)中に混合して得た溶液に塩化アクリロイル(37.2mg,0.41ミリモル)を加え、混合物を室温で30分撹拌した。LCMS分析により、生成物への転化が確認された。混合物をEtOAc(3×20ml)で抽出し、有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLC〔カラム:Gemini-C18;100×21.2mm,5μm;移動相:ACN-H2O(0.1%FA);勾配:15〜25%ACN;流量:25ml/分〕によって精製して、6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(実施例-1G)を白色固体として得た(23mg,収率14%)。
【1042】
【数172】
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【1043】
1-{4-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}-3-メチルアゼチジン-3-カルボニトリル(実施例2G)の製造
工程1:
【1044】
【化330】
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【1045】
4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(211)(900mg,1.29ミリモル)、塩化3-シアノ-3-メチルアゼチジニウム(343mg,2.58ミリモル)、及びDIPEA(668mg,5.17ミリモル,0.900ml)をt-BuOH(12.9ml,c=0.1M)中に混合して得たスラリーを、密閉された20ドラムバイアル中にて75℃で1時間加熱した。LCMS分析により、生成物の形成が確認された。減圧にて溶媒を除去した。残留物をEtOAcと水で希釈した。有機相をブラインで洗浄し、濃縮して溶媒を除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO,24gSiO2,20〜60%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(3-シアノ-3-メチルアゼチジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(214)を青白い固体として得た(519mg,収率56%)。
【1046】
【数173】
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【1047】
工程2:
【1048】
【化331】
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【1049】
4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(3-シアノ-3-メチルアゼチジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(214)(100mg,0.140ミリモル)をDCM(0.52ml)中に混合して得た溶液にTFA(708mg,6.31ミリモル,0.475ml)を加えて褐色溶液を得、これを室温で40分撹拌した。LCMS分析により、生成物への転化が確認された。反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。得られた固体をMTBEでスラリーにし、次いで遠心分離にかけた。溶媒をデカントし、固体を乾燥して1-{6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}-3-メチルアゼチジン-3-カルボニトリル(215)を青白い固体として得た(131mg,収率100%)。
【1050】
【数174】
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【1051】
工程3:
【1052】
【化332】
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【1053】
1-{6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}-3-メチルアゼチジン-3-カルボニトリル(215)(74.0mg,0.140ミリモル)とトリエチルアミン(46.8mg,0.46ミリモル,64μl)をDCM(1ml)中に混合して得た溶液に、塩化アクリロイル(12.7mg,0.140ミリモル,11.4μl)のDCM(0.3ml)溶液を−65℃で加えた。温度を1.5時間で−10℃に上昇させた。LCMS分析により、所望の生成物への転化と痕跡量の出発物質が確認された。反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。残留物を、Phenomenex Luna Omega Polar C18カラム(21×250mm,5μm粒径)を組み込んだISCO ACCQPrep HP-125システムによる逆相分取HPLCによって、35ml/分の流量及び30〜75%MeCN/水(+1%AcOH)の25分勾配にて精製した。捕集したフラクションを凍結乾燥機で乾燥して、1-{4-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}-3-メチルアゼチジン-3-カルボニトリル(実施例2G)を青白いコットン状物として得た(32.1mg,収率46%)。
【1054】
【数175】
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【1055】
1-[4-(6-クロロ-8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-29G)の製造
工程1:
【1056】
【化333】
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【1057】
4-[6,8-ジクロロ-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(209)、5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(153)、Cs2CO3(2.18g,6.69ミリモル)、及びDMA(12.1ml)をバイアルに加えた。混合物を窒素で脱気し、90℃で一晩撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を室温に冷却し、水を加えた。得られた沈殿物を濾過により捕集した。濾過ケークを水で充分に洗浄し、減圧にて50℃で一晩乾燥して4-[6-クロロ-8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(216)をオフホワイト色の固体として得た(2.33g,収率77%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に直接使用した。
【1058】
【数176】
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【1059】
工程2:
【1060】
【化334】
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【1061】
4-[6-クロロ-8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(216)(700mg,1.03ミリモル)をDCM(20.6ml)中に混合して得た溶液にm-CPBA(622mg,2.78ミリモル)を加えた。混合物を室温で2.5時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。混合物をNaHCO3飽和水溶液で洗浄した。有機相を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCO,12gのSiO2,40〜80%EtOAc/ヘプタン)により精製して、4-[6-クロロ-8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(217)を青白い固体として得た(480mg,収率66%)。
【1062】
【数177】
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【1063】
工程3:
【1064】
【化335】
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【1065】
4-[6-クロロ-8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(217)(1.57g,2.2ミリモル)と(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(199)(491mg,3.74ミリモル)をTHF中に混合して得た溶液にLHMDS(3.74ml,3.74ミリモル,THF中1.0M)を加えた。得られた赤色溶液を40℃で20分撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物をEtOAc(40ml)と水(15ml)で希釈した。層を分離した。水性層をEtOAc(40ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO,40gのSiO2,10%EtOH/EtOAc)によって精製して、4-(6-クロロ-8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(218)を得た(1.24g,収率72%)。
【1066】
【数178】
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【1067】
工程4:
【1068】
【化336】
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【1069】
4-(6-クロロ-8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(218)をHFIP中に混合して得た溶液を氷浴で0℃に冷却し、HClの溶液(0.33ml,1.31ミリモル,1,4-ジオキサン中4.0N)を加えた。得られた溶液を0℃でさらに10分撹拌してオレンジ色溶液を得、これを室温に自然加温した。1時間後、LCMS分析により、生成物への転化を確認した。粗反応混合物を0℃に冷却した。MTBE(5ml)を徐々に加えて白色沈殿物を得た。減圧にて溶媒を除去した。追加のMTBE(5ml)を加え、混合物を濃縮して6-クロロ-8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(219)をオレンジ色固体として得た(90mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【1070】
【数179】
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【1071】
工程5:
【1072】
【化337】
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【1073】
6-クロロ-8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(219)(89.6mg,0.13ミリモル)をHFIP(1.3ml)中に混合して得たスラリーにNaHCO3(109mg,1.3ミリモル)を加えた。得られた懸濁液を15時間撹拌して褐色溶液を得た。塩化アクリロイル(11μl,0.13ミリモル)を加えた。5分後、LCMS分析により、生成物への転化を確認した。反応混合物を濾過して不溶物を除去した。濾過ケークをEtOAcで洗浄した。有機層を合わせ、濃縮して溶媒を除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,10gのSiO2,2〜10%MeOH/DCM+0.1%NH3)によって精製して1-[4-(6-クロロ-8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-29G)を白色固体として得た(37mg,収率45%)。
【1074】
【数180】
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【1075】
1-[4-(6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-24G)の製造
工程1:
【1076】
【化338】
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【1077】
(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(199)(3.2g,24.4ミリモル)をTHF(25ml)中に混合して得た溶液を、氷浴で0℃に冷却した。LHMDSの溶液(THF中1.0M,24.4ml,24.4ミリモル)を滴下して淡黄色溶液を得た。0℃で30分後、この溶液を、4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(211)(12.8g,18.8ミリモル)のTHF(50ml)溶液に、窒素雰囲気下にて0℃で滴下した。得られた赤色溶液を同じ温度で15分撹拌した。LCMS分析により、出発物質が全て消費されたことを確認した。混合物をEtOAcで希釈し、水とブラインで洗浄した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO,300gのSiO2,100:0:0〜95:5:2DCM:MeOH:TEA)によって精製して4-(6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(220)を黄色油状物として得た(6.9g,収率38%)。これをEt2Oと共沸させてオフホワイト色の固体を得た。
【1078】
【数181】
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【1079】
工程2:
【1080】
【化339】
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【1081】
4-(6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(220)(50mg,0.07ミリモル)をHFIP(0.7ml)中に混合して得た溶液を0℃に冷却した。HClの溶液(1,4-ジオキサン中4M,0.1ml,0.4ミリモル)を加えて黄色溶液を得た。0℃にて10分後、オレンジ色溶液を室温に自然加温した。1時間後、LCMS分析により、出発物質の残留が確認された。追加のHCl(1,4-ジオキサン中4M,0.05ml)を加えた。さらに30分撹拌した後、LCMS分析により、出発物質の消費が確認された。固体NaHCO3(70.6mg,12ミリモル)を加え、混合物を18時間撹拌した。塩化アクリロイル(0.006ml,0.07ミリモル)を加えた。5分後、反応混合物をEtOAc(20ml)と水(20ml)で希釈した。層を分離し、水性層をEtOAc(20ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,10gのSiO2,2〜10%MeOH/DCM+0.1%NH4OH)によって精製して、1-[4-(6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-24G)を白色固体として得た(20mg,収率50%)。
【1082】
【数182】
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【1083】
下表の実施例は、メソッドGならびに6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(実施例1G)、1-{4-(4-アクリロイルピペラジン-1-イル)-6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}-3-メチルアゼチジン-3-カルボニトリル(実施例2G)、1-[4-(6-クロロ-8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-24G)、及び1-[4-(6-クロロ-8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-29G)を製造するのに使用した手順を使用して製造された。下記の実施例は、実施例-1G、実施例-2G、実施例-24G、及び実施例-29Gを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
【1084】
【化340】
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【1085】
【化341】
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【1086】
【化342】
[この文献は図面を表示できません]
【1087】
【化343】
[この文献は図面を表示できません]
【1088】
【化344】
[この文献は図面を表示できません]
【1089】
【化345】
[この文献は図面を表示できません]
【1090】
【化346】
[この文献は図面を表示できません]
【1091】
【化347】
[この文献は図面を表示できません]
【1092】
【化348】
[この文献は図面を表示できません]
【1093】
【化349】
[この文献は図面を表示できません]
【1094】
【化350】
[この文献は図面を表示できません]
【1095】
【化351】
[この文献は図面を表示できません]
【1096】
【化352】
[この文献は図面を表示できません]
【1097】
【化353】
[この文献は図面を表示できません]
【1098】
【化354】
[この文献は図面を表示できません]
【1099】
【化355】
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【1100】
下記の実施例は、一般的なメソッドHに従って製造した。
1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1H)の製造
工程1:
【1101】
【化356】
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【1102】
4-(6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(212)(437mg,0.597ミリモル)をEtOH(10ml)中に混合して得た混合物にPd/C(10%組み込み,100mg)を加えた。H2のバルーン(balloon)を加え、混合物を一晩撹拌した。LCMS分析により、生成物への転化率が60%であることがわかった。DIPEA(0.21ml,1.19ミリモル)を加え、混合物をH2のバルーン下で一晩撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費され、生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を濾過し、濃縮して溶媒を除去した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO,40gのSiO2,100:0:0〜95:5:2 DCM/MeOH/TEA)によって精製して、4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(222)をオフホワイト色の泡状物として得た(130mg,収率31%)。
【1103】
【数183】
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【1104】
工程2:
【1105】
【化357】
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【1106】
4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(222)(130mg,0.186ミリモル)をDCM(2.0ml)中に混合して得た溶液にTFA(213mg,0.139ml,1.86ミリモル)を加えた。反応混合物を一晩撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物の形成を確認した。反応混合物を濃縮して溶媒を除去して8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(223)を褐色のガムとして得た(159mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施さずに次の工程に使用した。
【1107】
【数184】
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【1108】
工程3:
【1109】
【化358】
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【1110】
8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(223)(236mg,0.265ミリモル)をDCM(2.0ml)中に混合して得たスラリーにDIPEA(192mg,0.258ml,1.48ミリモル)を加えた。混合物を−50℃に冷却し、これに塩化アクリロイル(19.6mg,0.212ミリモル,20μl)のDCM(0.3ml)溶液を滴下した。混合物を室温にゆっくり加温した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。混合物を水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。Princeton HA-Morpholineカラム(150×21.1mm,粒径5μm)を組み込んだWaters SFC200 Glacierシステムを使用する分取SFCによって精製し、12〜60%MeCN/H2Oにより35℃で溶離して1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1H)を白色固体として得た(13.9mg,収率12%)。
【1111】
【数185】
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【1112】
1-[4-(8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-19H)の製造
工程1:
【1113】
【化359】
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【1114】
4-(6-クロロ-8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(218)をTHF(7.3ml)中に混合して得た溶液に、NaBH4(47.1mg,1.25ミリモル)、PdCl2(dppf)(53.6mg,0.0733ミリモル)、及びTMEDA(0.187ml,1.25ミリモル)を窒素雰囲気下で加えた。得られた暗紫色溶液を室温で33時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を、セライトを介して濾過し、濃縮して溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCO,24gのSiO2,15%IPA/EtOAc)によって精製して300mgの物質を得た。分取HPLC(ISCO ACCQ Prep HP-125システム,Phenomenex Luna Omega Polar C18,21×250mm,粒径5μm,流量35ml/分,注入量1ml)によって物質を再度精製して、4-(8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(224)を白色コットン状物として得た(105mg,収率39%)。
【1115】
【数186】
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【1116】
工程2:
【1117】
【化360】
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【1118】
4-(8-{[5,6-ジクロロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(224)(101mg,0.138ミリモル)をHFIP(1.48ml)中に混合して得た溶液を0℃に冷却した。HClの溶液(1,4-ジオキサン中4.0M,0.346ml,1.38ミリモル)を滴下した。混合物を0℃でさらに10分、次いで室温で45分撹拌した。淡褐色溶液のLCMS分析により、所望の生成物の形成を確認した。粗反応混合物を0℃に冷却し、MTBE(5ml)をゆっくり加えて白色沈殿物を得た。減圧にて溶媒を除去した。追加のMTBE(5ml)を加え、次いで濃縮して8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(225)を褐色油状物として得た(75.3mg,収率99%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【1119】
【数187】
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【1120】
工程3:
【1121】
【化361】
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【1122】
8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(225)(75.3mg,0.138ミリモル)をHFIP(1.38ml)中に溶解した。固体NaHCO3(116mg,1.38ミリモル)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。得られた褐色スラリーに塩化アクリロイル(11.2μl,0.138ミリモル)を加えた。LCMS分析により、生成物への転化を確認した。粗反応混合物を濾過して白色固体を除去した。濾過ケークをEtOAcで洗浄し、減圧にて濾液を濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCO,12gのSiO2,2〜10%MeOH/DCM+0.1%NH3)によって精製して、1-[4-(8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-19H)を白色固体として得た(26.3mg,収率32%)。
【1123】
【数188】
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【1124】
下記表中の実施例は、メソッドA、ならびに1-(4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1H)及び1-[4-(8-[(5,6-ジクロロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-19H)を製造するのに使用した手順を使用して製造された。下記の実施例は、実施例-1H及び実施例-19Hを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
【1125】
【化362】
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【1126】
【化363】
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【1127】
【化364】
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【1128】
【化365】
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【1129】
【化366】
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【1130】
【化367】
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【1131】
【化368】
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【1132】
【化369】
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【1133】
【化370】
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【1134】
以下の実施例は、一般的なメソッドIに従って製造した。
(3R,5S)-5-[({8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-[4-(プロプ-2-エノイル)ピペラジン-1-イル]ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}オキシ)メチル]-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(実施例1I)の製造
工程1:
【1135】
【化371】
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【1136】
4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(210)(35.0g,52.8ミリモル)を乾燥THF(595ml)中に混合して得た混合物を、窒素を20分吹き込むことによって脱気した。Pd(dppf)Cl2(3.86g,5.28ミリモル)、TMEDA(12.0g,14.8ml,100ミリモル)、及びNaBH4(3.51g,92.4ミリモル)を逐次加えた。混合物を油浴中50℃(内部温度40℃)で1.2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を室温に冷却し、600mlのブラインと595mlのEtOAcを加えた。層を分離し、有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(3:5:2 EtOAc/石油エーテル/DCM)によって精製して、4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(226)を淡黄色固体として得た(34g,収率100%)。
【1137】
【数189】
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【1138】
工程2:
【1139】
【化372】
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【1140】
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(226)をDCM(30ml)中に混合して得た溶液を、氷浴で0℃に冷却した。この溶液にm-CPBA(1.92g,8.57ミリモル)を加えた(発熱反応が起きた)。得られた懸濁液を一晩撹拌した。LCMS分析により、スルホキシド中間体が残存していることがわかった。追加のm-CPBA(100mg,4.29ミリモル)を加えた。3時間後、LCMS分析により、所望の生成物への完全な転化が確認された。反応混合物をNaHCO3飽和水溶液で洗浄した。水性層をDCMで抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ISCO,80gのSiO2,0〜100% EtOAc/ヘプタン)によって精製して、4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(227)を白色固体として得た(900mg,収率48%)。
【1141】
【数190】
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【1142】
工程3:
【1143】
【化373】
[この文献は図面を表示できません]
【1144】
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(227)(400mg,0.604ミリモル)と(3R,5S)-5-(ヒドロキシメチル)-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(173)(169mg,1.21ミリモル)をTHF(10ml)中に混合して得た混合物にLHMDS(0.785ml,0.785ミリモル、THF中1.0M)を加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、生成物への転化が確認された。H2O(5ml)を加え、混合物をEtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2:3石油エーテル/EtOAc)によって精製して、4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(2S,4R)-4-シアノ-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(228)を黄色油状物として得た(120mg,収率28%)。
【1145】
【数191】
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【1146】
工程4:
【1147】
【化374】
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【1148】
4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(2S,4R)-4-シアノ-1-メチルピロリジン-2-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(228)(120mg,0.166ミリモル)をDCM(3ml)中に混合して得た溶液にTFA(1.5ml)を加え、得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮して(3R,5S)-5-[({8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}オキシ)メチル]-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(229)を黄色油状物として得た(108mg,収率100%)。これを、精製せずに次の工程に使用した。
【1149】
【数192】
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【1150】
工程5:
【1151】
【化375】
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【1152】
(3R,5S)-5-[({8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}オキシ)メチル]-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(229)(90mg,0.166ミリモル)をEtOAc(40ml)とNaHCO3飽和水溶液(40ml)中に混合して得た溶液に塩化アクリロイル(15mg,0.166ミリモル)を加え、混合物を20℃で30分撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。混合物をEtOAc(3×40ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物を、C-18カラムでの分取HPLCによって精製し、MeCN/H2O(+0.05%ギ酸)で溶離して、(3R,5S)-5-[({8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-[4-(プロプ-2-エノイル)ピペラジン-1-イル]ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}オキシ)メチル]-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(実施例1I)を白色固体として得た(5.5mg,収率6%)。
【1153】
【数193】
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【1154】
(3R,5S)-5-[({8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-4-[4-(プロプ-2-エノイル)ピペラジン-1-イル]ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イル}オキシ)メチル]-1-メチルピロリジン-3-カルボニトリル(実施例2I)の製造
工程1:
【1155】
【化376】
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【1156】
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(226)(10.0g,15.9ミリモル)をDCM(100ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにm-CPBA(純度85%,9.68g,47.6ミリモル)を5℃にて少量ずつ加えた。反応混合物を同温度で2時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物の形成を確認した。混合物をDCM(100ml)で希釈し、NaHCO3(100ml)飽和水溶液、Na2SO3飽和水溶液(100ml)、及びブライン(100ml)で順次洗浄した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルフィニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(230)を淡黄色固体として得た(9.04g,収率86%)。これを、さらなる精製を施すことなく使用した。
【1157】
【数194】
[この文献は図面を表示できません]
【1158】
工程2:
【1159】
【化377】
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【1160】
[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メタノール(187)(50mg,0.34ミリモル)をTHF(5ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これに4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルフィニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(230)(146mg,0.226ミリモル)とLHMDS(56.8mg,0.340ミリモル,THF中1.0M)を加えた。得られた混合物を25℃で1.5時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質の消費を確認した。反応混合物を、NH4Cl飽和水溶液を加えることによってクエンチした。粗反応混合物をH2O(30ml)中に注ぎ込み、EtOAc(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせて無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して溶媒を除去した。粗残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー〔0〜100%MeCN/H2O(+0.05%FA)〕によって精製して、4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(231)を白色固体として得た(50mg,収率20%)。
【1161】
【数195】
[この文献は図面を表示できません]
【1162】
工程3:
【1163】
【化378】
[この文献は図面を表示できません]
【1164】
4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(231)(50mg,0.069ミリモル)をDCM(3ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにTFA(1ml)を加え、得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、生成物への完全な転化を確認した。減圧にて溶媒を除去して、8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(232)を褐色ガムとして得た(37mg,収率100%)。
【1165】
【数196】
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【1166】
工程4:
【1167】
【化379】
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【1168】
8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メトキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(232)(37mg,0.068ミリモル)をEtOAc(30ml)とNaHCO3飽和水溶液(30ml)中に混合して得た溶液に、塩化アクリロイル(6.14mg,0.0679ミリモル)のEtOAc(5ml)溶液を25℃にて滴下した。得られた混合物を25℃で10分撹拌した。LCMS分析により、出発物質が全て消費されたことを確認した。反応混合物を、数滴のMeOHを加えることによってクエンチした。混合物をEtOAc(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して溶媒を除去した。粗生成物を、Kromasil-C18カラム(100×21.2mm,粒径5μm)による分取HPLCによって精製し、20〜30%MeCN/H2O(+0.05%NH3)で溶離して、1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2I)を白色固体として得た(15.2mg,収率37%)。
【1169】
【数197】
[この文献は図面を表示できません]
【1170】
1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-10I)の製造
工程1:
【1171】
【化380】
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【1172】
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(227)(236mg,0.356ミリモル)と(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(199)(70mg,0.536ミリモル)の混合物にLHMDS(THF中1.0M,0.462ミリモル)を加え、混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物をH2O(5ml)に加え、EtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,20:1DCM/MeOH)によって精製して、4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(233)を褐色固体として得た(120mg,収率47%)。
【1173】
【数198】
[この文献は図面を表示できません]
【1174】
工程2:
【1175】
【化381】
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【1176】
4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(233)(120mg,0.168ミリモル)をDCM(4ml)中に混合して得た溶液にTFA(2ml)を加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮して溶媒を除去して、8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(234)を黄色油状物として得た(108mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【1177】
【数199】
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【1178】
工程3:
【1179】
【化382】
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【1180】
8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(234)(89mg,0.15ミリモル)とNaHCO3飽和水溶液(40ml)を混合して得た溶液に塩化アクリロイル(17mg,0.186ミリモル)を加えた。混合物を20℃で30分撹拌した。混合物をEtOAc(3×40ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物を、C18カラムによる分取HPLCによって精製し、20〜30%MeCN/H2O(+0.005%ギ酸)で溶離して、1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-10I)を白色固体として得た((6mg,収率6%)。
【1181】
【数200】
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【1182】
下記表中の実施例は、メソッドI、ならびに1-(4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1I)、1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2I)、及び1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-10I)を製造するのに使用した手順を使用して製造された。下記の実施例は、実施例-1I及び実施例-2Iを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
【1183】
【化383】
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【1184】
【化384】
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【1185】
【化385】
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【1186】
【化386】
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【1187】
【化387】
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【1188】
【化388】
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【1189】
【化389】
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【1190】
【化390】
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【1191】
【化391】
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【1192】
【化392】
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【1193】
【化393】
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【1194】
【化394】
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【1195】
【化395】
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【1196】
【化396】
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【1197】
【化397】
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【1198】
【化398】
[この文献は図面を表示できません]
【1199】
【化399】
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【1200】
【化400】
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【1201】
【化401】
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【1202】
【化402】
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【1203】
【化403】
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【1204】
【化404】
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【1205】
【化405】
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【1206】
下記表中の実施例は、類似したライブラリー・フォーマットでのメソッド、ならびに1-(4-{8-[(5-クロロ-6-メチル-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル}ピペラジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1I)、1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3S)-3-フルオロ-1-メチルピペリジン-3-イル]メトキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-2I)、及び1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-10I)を製造するのに使用した手順に従って製造された。下記の実施例は、実施例-1I、実施例-2I、及び実施例-10Iを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
【1207】
【化406】
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【1208】
【化407】
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【1209】
以下の実施例は、一般的なメソッドKに従って製造した。
1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1K)の製造
工程1:
【1210】
【化408】
[この文献は図面を表示できません]
【1211】
4-[6-クロロ-8-{[5-クロロ-6-フルオロ1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(235)(500mg,0.752ミリモル)、トリメチルボロキシン(236mg,1.88ミリモル)、K2CO3(311mg,2.26ミリモル)、及びPd(PPh3)4(86.9mg,0.0752ミリモル)を1,4-ジオキサン(10ml)とH2O(1ml)中に混合して得た混合物をN2で2分脱気した。反応混合物を、マイクロ波照射により100℃にて3時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0〜60%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-6-メチル-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(236)を黄色固体として得た(340mg,収率70%)。
【1212】
【数201】
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【1213】
工程2:
【1214】
【化409】
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【1215】
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-6-メチル-2-(メチルスルファニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(236)(430mg,0.528ミリモル)をDCM(5ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにm-CPBA(80%,114mg,0.528ミリモル)を加えた。4時間後、LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物をNa2SO3(10ml)飽和水溶液でクエンチし、H2O(20ml)で希釈した。二相混合物を分離した。水性層をDCM(2×20ml)で抽出した。有機層を合わせてNaHCO3(20ml)飽和水溶液とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0〜100%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルフィニル)-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(237)を黄色油状物として得た(275mg,収率79%)。
【1216】
【数202】
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【1217】
工程3:
【1218】
【化410】
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【1219】
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルフィニル)-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(237)(267mg,0.404ミリモル)と(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(199)(79.6mg,0.607ミリモル)を乾燥THF(4ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにLHMDS(THF中1.0M,0.607ml,0.607ミリモル)を室温にて滴下した。混合物を室温で3時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。混合物をNH4Cl(10ml)飽和水溶液でクエンチし、水性層をEtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(0〜100%MeCN/H2O+0.05%ギ酸)によって精製して、4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(238)を黄色固体として得た(120mg,収率41%)。
【1220】
【数203】
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【1221】
工程4:
【1222】
【化411】
[この文献は図面を表示できません]
【1223】
4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(238)(120mg,0.165ミリモル)をDCM(4ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにTFA(2ml)を加えた。混合物を室温で5時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を濃縮して、8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-メチル-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(239)を褐色油状物として得た(89.6mg,収率100%)。
【1224】
【数204】
[この文献は図面を表示できません]
【1225】
工程5:
【1226】
【化412】
[この文献は図面を表示できません]
【1227】
8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-メチル-4-(ピペラジン-1-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(239)(89.6mg,0.136ミリモル)をDCM(4ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにDIPEA(213mg,1.65ミリモル)を加えた。混合物を−40℃に冷却し、塩化アクリロイル(17.9mg,0.198ミリモル)のDCM(1ml)溶液を滴下した。添加後、混合物を同温度でさらに20分撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。混合物をNaHCO3(20ml)飽和水溶液(20ml)でクエンチし、DCM(3×10ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(0〜100%MeCN/H2O+0.05%ギ酸)によって精製して、1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-6-メチルピリド[3,4-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例-1K)を白色固体として得た(11mg,収率11%)。
【1228】
【数205】
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【1229】
以下の実施例は、一般的なメソッドLに従って製造した。
1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例1L)の製造
工程1:
【1230】
【化413】
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【1231】
3-フルオロ-2-ニトロベンゾニトリル(240)(4.0g,24.1ミリモル)と5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-オール(72)(6.5g,24.1ミリモル)をDMA(20ml)中に混合して得た混合物を、N2雰囲気下にて100℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,7:3石油エーテル/EtOAc)によって精製して、3-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-ニトロベンゾニトリル(241)を黄色固体として得た(8.7g,収率87%)。
【1232】
【数206】
[この文献は図面を表示できません]
【1233】
工程2:
【1234】
【化414】
[この文献は図面を表示できません]
【1235】
3-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-ニトロベンゾニトリル(241)(8.5g,20.4ミリモル)をEtOAc(200ml)中に混合して得た溶液にPd/C(10重量%,850mg)を加え、混合物を50℃で6時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、2-アミノ-3-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ベンゾニトリル(242)を白色固体として得た(6.6g,収率84%)。
【1236】
【数207】
[この文献は図面を表示できません]
【1237】
工程3:
【1238】
【化415】
[この文献は図面を表示できません]
【1239】
2-アミノ-3-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}ベンゾニトリル(242)(6.6g,17.2ミリモル)とK2CO3(7.1g,51.2ミリモル)をDMSO(40ml)中に混合して得た混合物にCS2(13g,171ミリモル)を加え、混合物を50℃で2時間撹拌した。混合物を水(300ml)中に注ぎ込み、25℃で30分撹拌し、濾過した。濾過ケークをH2O(50ml)で洗浄し、乾燥して、8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジチオン(243)を黄色固体として得た(6.0g,収率76%)。
【1240】
【数208】
[この文献は図面を表示できません]
【1241】
工程4:
【1242】
【化416】
[この文献は図面を表示できません]
【1243】
8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}キナゾリン-2,4(1H,3H)-ジチオン(243)(6.0g,13.0ミリモル)をNaOH水溶液(15ml,1M)中に混合して得た溶液にH2O(20ml)を加え、混合物を25℃で10分撹拌した。ヨウ化メチル(3.7g,1.6ml,25.9ミリモル)を加え、混合物を25℃で1時間撹拌した。黄色の固体が生成した。混合物を酢酸エチル(3×200ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,4:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2,4-ビス(メチルスルファニル)キナゾリン(244)を黄色固体として得た(4.7g,収率74%)。
【1244】
【数209】
[この文献は図面を表示できません]
【1245】
工程5:
【1246】
【化417】
[この文献は図面を表示できません]
【1247】
8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2,4-ビス(メチルスルファニル)キナゾリン(244)(2.0g,4.1ミリモル)とピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.5g,8.2ミリモル)をDMA(15ml)中に混合して得た混合物にK2CO3(562mg,4.1ミリモル)を加え、混合物を120℃で16時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,3:2石油エーテル/EtOAc)によって精製して、4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)キナゾリン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(245)を黄色固体として得た(1.1g,収率41%)。
【1248】
【数210】
[この文献は図面を表示できません]
【1249】
工程6:
【1250】
【化418】
[この文献は図面を表示できません]
【1251】
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メチルスルファニル)キナゾリン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(245)(1.0g,1.6ミリモル)をDCM(10ml)中に混合して得た溶液にm-CPBA(274mg,1.6ミリモル)を加え、混合物を20℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への転化を確認した。混合物をDCM(20ml)で希釈し、Na2SO3飽和水溶液(2×20ml)、NaHCO3飽和水溶液(20ml)、及びブライン(20ml)で洗浄した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルフィニル)キナゾリン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(246)を黄色固体として得た(960mg,収率94%)。
【1252】
【数211】
[この文献は図面を表示できません]
【1253】
工程7:
【1254】
【化419】
[この文献は図面を表示できません]
【1255】
4-[8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-(メタンスルフィニル)キナゾリン-4-イル]ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(246)(250mg,0.388ミリモル)と(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(199)(67mg,0.504ミリモル)をTHF(5ml)中に混合して得た混合物にLiHMDS(0.5ml,0.5ミリモル,1M)を加え、混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を水(2ml)で希釈し、濃縮した。残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(C18,40g,50%MeCN/H2O+0.1%ギ酸)によって精製して、4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(247)を白色固体として得た(130mg,収率47%)。
【1256】
【数212】
[この文献は図面を表示できません]
【1257】
工程8:
【1258】
【化420】
[この文献は図面を表示できません]
【1259】
4-(8-{[5-クロロ-6-フルオロ-1-(オキサン-2-イル)-1H-インダゾール-4-イル]オキシ}-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(247)(130mg,0.18ミリモル)をDCM(4ml)中に混合して得た溶液にTFA(2ml)を加え、混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮して、8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)キナゾリン(248)を黄色油状物として得た(117mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【1260】
【数213】
[この文献は図面を表示できません]
【1261】
工程9:
【1262】
【化421】
[この文献は図面を表示できません]
【1263】
8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-4-(ピペラジン-1-イル)キナゾリン(248)(117mg,0.18ミリモル)をEtOAc(40ml)とNaHCO3飽和水溶液(40ml)中に混合して得た溶液に塩化アクリロイル(33mg,0.36ミリモル)を加え、混合物を25℃で30分撹拌した。混合物をEtOAc(3×40ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(C18,0〜25%MeCN/H2O+0.1%ギ酸)によって精製して、1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例1L)を白色固体として得た(16mg,収率15%)。
【1264】
【数214】
[この文献は図面を表示できません]
【1265】
下表の実施例は、メソッドL、ならびに1-[4-(8-[(5-クロロ-6-フルオロ-1H-インダゾール-4-イル)オキシ]-2-{[(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}キナゾリン-4-イル)ピペラジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン(実施例1L)を製造するのに使用した手順を使用して製造した。下記の実施例は、実施例-1Lを製造するのに使用した典型的な手順に対する重要な変更や置き換え(当業者であれば理解できるであろう)が無い形で行った。
【1266】
【化422】
[この文献は図面を表示できません]
【1267】
さらなる中間体の製造:
(3R,4R)-1-エチル-4-メトキシピロリジン-3-オール(250)の製造
工程1:
【1268】
【化423】
[この文献は図面を表示できません]
【1269】
(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(198)(1.3g,5.98ミリモル)をDCM(20ml)中に混合して得た溶液にHCl(10ml,1,4-ジオキサン中4M)を加え、混合物を20℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、生成物への転化を確認した。混合物を濃縮・乾燥して(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オール塩酸塩(249)を白色固体として得た(919mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【1270】
【数215】
[この文献は図面を表示できません]
【1271】
工程2:
【1272】
【化424】
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【1273】
(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オール塩酸塩(249)(100mg,0.651ミリモル)をMeOH(1.5ml)中に混合して得た溶液にアセトアルデヒド(40重量%)(0.754ml)を加え、0℃にてNaBH3CN(115mg,1.82ミリモル)を少しずつ加えた。混合物を0℃にてさらに5分撹拌し、次いで20℃にて2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。1.0MのKOH水溶液を加えて、混合物をpH=9に調整した。混合物をDCM(5×40ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して(3R,4R)-1-エチル-4-メトキシピロリジン-3-オール(250)を黄色油状物として得た(68mg,収率72%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【1274】
【数216】
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【1275】
(3R,4R)-4-メトキシ-1-(プロパン-2-イル)ピロリジン-3-オール(251)の製造
【1276】
【化425】
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【1277】
(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オール塩酸塩(249)(100mg,0.651ミリモル)をMeOH(1.5ml)中に混合して得た溶液に、NaBH3CN(115mg,1.82ミリモル)を0℃にて少しずつ加えた。混合物を0℃にてさらに5分撹拌し、次いで20℃にて2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。1.0MのKOH水溶液を加えて、混合物をpH=9に調整した。混合物をDCM(5×40ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して(3R,4R)-4-メトキシ-1-(プロパン-2-イル)ピロリジン-3-オール(251)を黄色油状物として得た(254mg,収率82%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【1278】
【数217】
[この文献は図面を表示できません]
【1279】
(3R,4R)-4-メトキシ-1-(2-メトキシエチル)ピロリジン-3-オール(252)の製造
【1280】
【化426】
[この文献は図面を表示できません]
【1281】
(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オール塩酸塩(249)(100mg,0.651ミリモル)と1-ブロモ-2-メトキシエタン(113mg,0814ミリモル)をMeCN(2ml)中に混合して得た溶液にK2CO3(180mg,1.3ミリモル)を20℃にて加えた。混合物を65℃で7時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物にMeCN(10ml)とDCM(10ml)を加えた。混合物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して(3R,4R)-4-メトキシ-1-(2-メトキシエチル)ピロリジン-3-オール(252)を黄色油状物として得た(102mg、収率90%、純度75%)。
【1282】
【数218】
[この文献は図面を表示できません]
【1283】
(3R,4R)-4-エトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(253)の製造
工程1:
【1284】
【化427】
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【1285】
(3R,4R)-3,4-ジヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(197)(1g,4.92ミリモル)とヨードエタン(2.3g,14.8ミリモル)をTHF(30ml)中に混合して得た混合物にLHMDS(7.38ml,7.38ミリモル,THF中1.0M)を加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、殆どが出発物質であることがわかった。混合物を50℃で48時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を室温に冷却した。反応混合物を水で洗浄した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,2:3石油エーテル/EtOAc)によって精製して、(3R,4R)-3-エトキシ-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(253)を無色油状物として得た(435mg,収率38%)。
【1286】
【数219】
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【1287】
工程2:
【1288】
【化428】
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【1289】
(3R,4R)-3-エトキシ-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(253)(435mg,1.88ミリモル)をTHF(15ml)中に混合して得た溶液にLAH(143mg,3.76ミリモル)を加え、混合物を70℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、生成物が形成されていることを確認した。混合物を室温に冷却し、Na2SO4・10H2O(2g)を加えた。混合物を30分撹拌し、セライトを介して濾過した。濾液を濃縮して、(3R,4R)-4-エトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(254)を無色油状物として得た(215mg,収率79%)。
【1290】
【数220】
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【1291】
rac-(3R,4R)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(257)の製造
工程1:
【1292】
【化429】
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【1293】
rac-(3R,4S)-3,4-ジヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(255)(500mg,2.46ミリモル)とCH3I(1.05g,7.38ミリモル)をTHF(10ml)中に混合して得た混合物にLHMDS(3.69ml,3.69ミリモル,THF中1M)を加え、混合物を20℃で16時間撹拌した。LCMS分析により、生成物が約60%で出発物質が約30%残留しており、ジメチル化副生物が痕跡量存在していることを確認した。反応混合物にH2O(10ml)を加えた。反応混合物をEtOAc(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、rac-(3R,4S)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(256)を無色油状物として得た(260mg,収率49%)。
【1294】
【数221】
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【1295】
工程2:
【1296】
【化430】
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【1297】
rac-(3R,4S)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(256)(256mg,1.18ミリモル)を乾燥THF(5ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにLAH(157mg,4.12ミリモル)を25℃にて加えた。得られた混合物を70℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物を10℃に冷却し、Na2SO4・10H2O(2g)を加えた。混合物を20分撹拌し、セライトを介して濾過した。濾過液を濃縮して、rac-(3R,4S)-4-メトキシ-1-メチルピロリジン-3-オール(257)(130mg,収率84%)。
【1298】
【数222】
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【1299】
rac-(3S,4R)-4-エチル-1-メチルピロリジン-3-オール(259)の製造
【1300】
【化431】
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【1301】
rac-(3S,4R)-4-エチルピロリジン-3-オール(258)(50mg,0.43ミリモル)(J.Med.Chem.2010,53,6730-6746)、ホルムアルデヒド水溶液(3ml)、及びギ酸(6ml)を封管中に入れて得た混合物を100℃で60時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を濃縮した。残留物に濃塩酸(30ml)を加えた。混合物を2時間撹拌してから濃縮した。残留物にH2O(30ml)を加え、混合物を固体K2CO3で慎重に塩基性にした。混合物を10:1DCM/MeOH(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、rac-(3S,4R)-4-エチル-1-メチルピロリジン-3-オール(259)を淡黄色油状物として得た(505mg,収率93%)。
【1302】
【数223】
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【1303】
rac-(3S,4R)-4-シクロプロピル-1-メチルピロリジン-3-オール(261)の製造
【1304】
【化432】
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【1305】
rac-(3S,4R)-4-シクロプロピルピロリジン-3-オール(260)(532mg,4.18ミリモル)(J.Med.Chem.2010,53,6730-6746)を乾燥MeOH(10ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにホルムアルデヒド(628mg,20.9ミリモル)とNaBH3CN(736mg,11.7ミリモル)を10℃にて加えた。得られた混合物を25℃で6時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物にNaHCO3飽和水溶液(10ml)を加えた。混合物をDCM(3×15ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(15ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、rac-(3S,4R)-4-シクロプロピル-1-メチルピロリジン-3-オール(261)を得た(591mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【1306】
【数224】
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【1307】
rac-(3S,4R)-1,4-ジメチルピロリジン-3-オール(263)の製造
【1308】
【化433】
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【1309】
rac-(3S,4R)-3-ヒドロキシ-4-メチルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(262)(469mg,2.33ミリモル)を乾燥THF(5ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにLAH(310mg,8.16ミリモル)を25℃にて加えた。得られた混合物を70℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物を10℃に冷却してからNa2SO4・10H2O(2g)を加えた。混合物を20分撹拌してからセライトを介して濾過した。濾液を濃縮して、rac-(3S,4R)-1,4-ジメチルピロリジン-3-オール(263)を得た(225mg,収率84%)。
【1310】
【数225】
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【1311】
rac-(3S,4S)-1,4-ジメチルピロリジン-3-オール(265)の製造
【1312】
【化434】
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【1313】
rac-(3S,4S)-3-ヒドロキシ-4-メチルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(264)(500mg,2.48ミリモル)を乾燥THF(8ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにLAH(236mg,6.21ミリモル)を25℃にて加えた。得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物を10℃に冷却してからNa2SO4・10H2O(2g)を加えた。混合物を20分撹拌してからセライトを介して濾過した。濾液を濃縮して、rac-(3S,4S)-1,4-ジメチルピロリジン-3-オール(265)を得た(230mg,収率80%)。
【1314】
【数226】
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【1315】
rac-(4R)-4-(2,2-ジフルオロエトキシ)-1-メチルピロリジン-3-オール(267)の製造
【1316】
【化435】
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【1317】
rac-(4R)-4-(2,2-ジフルオロエトキシ)ピロリジン-3-オール(266)(595mg,3.56ミリモル)をMeOH(10ml)中に混合して得た溶液に、ホルムアルデヒド水溶液(2ml)とNaBH3CN(626mg,9.97ミリモル)を0℃にて加えた。混合物を0℃でさらに5分、次いで20℃で1時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。H2O(10ml)を加え、混合物をDCM(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0〜10%DCM/MeOH)によって精製して、rac-(4R)-4-(2,2-ジフルオロエトキシ)-1-メチルピロリジン-3-オール(267)を褐色油状物として得た(425mg,収率66%)。
【1318】
【数227】
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【1319】
rac-(3R,4R)-1,3-ジメチルピペリジン-4-オール(269)の製造
【1320】
【化436】
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【1321】
rac-(3R,4R)-3-メチルピペリジン-4-オール塩酸塩(268)(200mg,1.32ミリモル)をMeOH(1.5ml)とアセトアルデヒド(37〜40重量%)(0.781ml)中に混合して得た溶液にNaBH3CN(233mg,3.70ミリモル)を0℃にて少しずつ加えた。混合物を0℃でさらに5分、次いで20℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。1.0MのKOH水溶液を加えて、混合物をpH=9に調整した。混合物をDCM(5×40ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、rac-(3R,4R)-1,3-ジメチルピペリジン-4-オール(269)を黄色油状物として得た(150mg,収率90%)。
【1322】
【数228】
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【1323】
rac-(3R,4R)-1-(2-メトキシエチル)-3-メチルピペリジン-4-オール(270)の製造
【1324】
【化437】
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【1325】
rac-(3R,4R)-3-メチルピペリジン-4-オール塩酸塩(268)(100mg,0.659ミリモル)と1-ブロモ-2-メトキシエタン(110mg,0.791ミリモル)をMeCN(2ml)中に混合して得た溶液にK2CO3(164mg,1.19ミリモル)を20℃にて加えた。混合物を50℃で7時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物を室温に冷却した。MeCN(10ml)とDCM(10ml)を加えた。混合物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、rac-(3R,4R)-1-(2-メトキシエチル)-3-メチルピペリジン-4-オール(270)を黄色油状物として得た(114mg,収率100%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【1326】
【数229】
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【1327】
5-メチル-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-7-オール(272)の製造
【1328】
【化438】
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【1329】
5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-7-オール(271)(200mg,1.77ミリモル)を、MeOH(1.5ml)とアセトアルデヒド(37〜40重量%)(1.13ml)と酢酸(0.1ml)の混合物中に混合して得た溶液に、NaBH3CN(311mg,4.95ミリモル)を0℃にて少しずつ加えた。反応混合物を0℃でさらに5分、そして20℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。1.0MのKOH水溶液を加えて、混合物をpH=9に調整した。混合物をDCM(5×40ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、5-メチル-5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-7-オール(272)を黄色油状物として得た(200mg,収率89%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【1330】
【数230】
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【1331】
(3R,4R)-1-メチルピロリジン-3,4-ジオール(273)の製造
【1332】
【化439】
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【1333】
(3R,4R)-3,4-ジヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(197)(922mg,4.24ミリモル)をTHF(15ml)中に混合して得た溶液(c=0.28M)に、LAH(THF中2.0M,8.5ml,17.0ミリモル)をN2雰囲気下にて室温で加えた。ガスの発生が確認された。混合物を60℃で9時間撹拌した。0℃に冷却した後、THF(10ml)中H2O(0.65ml)を加え、わずかな発熱とガスの発生が認められた。15%NaOH水溶液(0.65ml)とH2O(1.95ml)を加えた。15分後、混合物を、セライトを介して濾過した。濾過ケークをTHFで充分に洗浄した。濾液を濃縮して、(3R,4R)-1-メチルピロリジン-3,4-ジオール(273)をオフホワイト色固体として得た(481mg,収率97%)。これを、さらなる精製を施すことなく次の工程に使用した。
【1334】
【数231】
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【1335】
2-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-オール(275)の製造
【1336】
【化440】
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【1337】
2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-オール塩酸塩(274)(100mg,0.583ミリモル)をMeOH(5ml)中に混合して得た溶液に、ホルムアルデヒド水溶液(0.3ml)とNaBH3CN(293mg,4.66ミリモル)を0℃にて加えた。反応混合物を0℃でさらに5分、そして20℃で1時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物をH2O(10ml)に加え、DCM(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0〜10%MeOH/DCM)によって精製して、2-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-オール(275)を白色固体として得た(80mg,収率98%)。
【1338】
【数232】
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【1339】
2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-8-オール(277)の製造
【1340】
【化441】
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【1341】
1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-8-オール(276)をMeOH(3ml)中に混合して得た溶液に、ホルムアルデヒド(151mg,5.03ミリモル)、NaBH3CN(177mg,2.82ミリモル)、及び酢酸(1ml)を0℃にて加えた。混合物を0℃で5分、次いで20℃で1時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。反応混合物をH2O(5ml)とNaHCO3飽和水溶液(2ml)との混合物中に注ぎ込み、DCM(3×20ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(5ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して、2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-8-オール(277)を黄色固体として得た(143mg,収率87%)。
【1342】
【数233】
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【1343】
(3R,4R)-4-メトキシ-1-(プロプ-2-イン-1-イル)ピロリジン-3-オール(278)の製造
【1344】
【化442】
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【1345】
(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オールトリフルオロアセテート(249)(200mg,0.23ミリモル)とK2CO3(236mg,1.71ミリモル)をMeCN(3ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これに3-クロロプロプ-1-イン(127mg,1.71ミリモル)を加えた。得られた混合物を16時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を濾過して濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0〜8%MeOH/DCM)によって精製して、(3R,4R)-4-メトキシ-1-(プロプ-2-イン-1-イル)ピロリジン-3-オール(278)を黄色油状物として得た(85mg,収率32%)。
【1346】
【数234】
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【1347】
(3R,4R)-1-(ブト-3-イン-1-イル)-4-メトキシピロリジン-3-オール(279)の製造
【1348】
【化443】
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【1349】
(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オールトリフルオロアセテート(249)(550mg,2.38ミリモル)、KI(790mg,4.76ミリモル)、及びK2CO3(1.31g,9.52ミリモル)をアセトン(15ml)中に混合して得た混合物に、4-ブロモブト-1-イン(475mg,3.57ミリモル)を加えた。混合物を80℃で5時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を濾過して濃縮した。残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(40g C18,5%MeCN/H2O+0.1%ギ酸)によって精製して、(3R,4R)-1-(ブト-3-イン-1-イル)-4-メトキシピロリジン-3-オール(279)を無色油状物として得た(360mg,収率70%)。
【1350】
【数235】
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【1351】
(3R,4R)-1-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-メトキシピロリジン-3-オール(280)の製造
【1352】
【化444】
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【1353】
(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オールトリフルオロアセテート(249)(196mg,1.67ミリモル)をMeCN(15ml)中に混合して得た溶液に、(2-ブロモエトキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(2.0g,8.37ミリモル)とEt3N(847mg,8.37ミリモル)を加えた。混合物を70℃で6時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への転化が確認された。溶媒を除去し、残留物を逆相フラッシュクロマトグラフィー(40g C18,20〜50%MeCN/H2O+0.1%ギ酸)によって精製して、(3R,4R)-1-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-4-メトキシピロリジン-3-オール(280)を淡黄色油状物として得た(164mg,収率36%)。
【1354】
【数236】
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【1355】
1,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-オール(282)の製造
【1356】
【化445】
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【1357】
1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-オールハイドロブロマイド(281)(Albany Molecular)(130mg,0.555ミリモル)、ホルムアルデヒド水溶液(1ml)、及びギ酸(3ml)を封管中に入れて得た混合物を90℃で19時間加熱した。LCMS分析により、出発物質の消費が確認された。反応混合物を濃縮した。濃塩酸(3ml)を加えた。反応混合物を2時間撹拌してから濃縮した。H2O(30ml)を加え、混合物を固体K2CO3で慎重に塩基性にした。混合物を10:1のDCM/MeOH(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残留物をKromasil-C18カラム(100×21.2mm,粒径5μm)による分取HPLCによって精製し、MeCN/H2O(+0.1%ギ酸)で溶離して、1,6-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-オール(282)を白色固体として得た(80mg,収率86%)。
【1358】
【数237】
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【1359】
rac-(3S,4R)-4-(ジフルオロメチル)-1-メチルピロリジン-3-オール(290)の製造
工程1:
【1360】
【化446】
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【1361】
rac-(1R,5S)-6-オキサ-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボン酸tert-ブチル(283)(7.6g,41ミリモル)とCuI(1.56g,8.2ミリモル)を乾燥THF(100ml)中に混合して得た懸濁液に、臭化ビニルマグネシウム(THF中1.0M,82.1ミリモル,82.1ml)を窒素雰囲気下にて−30℃で滴下した。3時間後、TLC分析(3:1石油エーテル/EtOAc)により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を、NH4Cl飽和水溶液(100ml)を加えることによってクエンチし、濾過した。濾液を分離し、水性層をEtOAc(2×100ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,SiO2,3:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して黄色油状物(10g)を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,SiO2,3:1石油エーテル/EtOAc)によって再度精製して、rac-(3R,4S)-3-エテニル-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(284)を淡黄色油状物として得た(7.2g,収率82%)。
【1362】
【数238】
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【1363】
工程2:
【1364】
【化447】
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【1365】
rac-(3R,4S)-3-エテニル-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(284)(7.2g,33.8ミリモル)をTHF(100ml)中に混合して得た溶液に、NaH(鉱油中60%,2.7g,67.5ミリモル)を0℃にて加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いでBnBr(6.9g,40.5ミリモル)を加えた。添加後、反応混合物を25℃に加温し、この温度で16時間撹拌した。TLC分析(4:1石油エーテル/EtOAc))により、出発物質が消費されたことがわかった。反応混合物をH2O(100ml)で希釈し、EtOAc(2×200ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,SiO2,10〜25%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、rac-(3S,4R)-3-(ベンジルオキシ)-4-エテニルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(285)を黄色油状物として得た(7.55g,収率74%)。
【1366】
【数239】
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【1367】
工程3:
【1368】
【化448】
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【1369】
rac-(3S,4R)-3-(ベンジルオキシ)-4-エテニルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(285)とNaIO4(11.7g,54.7ミリモル)をMeOH(90ml)とH2O(30ml)中に混合して得た溶液に、OsO4(63.3mg,0.25ミリモル)を0〜5℃にて加えた。反応混合物を0〜5℃でさらに2時間撹拌し、次いでゆっくりと25℃に加温した。25℃で16時間後、TLC分析(3:1石油エーテル/EtOAc)により、出発物質が消費されたことがわかった。反応混合物を濾過し、濾過ケークをEtOAcで洗浄した。濾液をロータリーエバポレーター(rotovap)で濃縮して、MeOHとEtOAcを除去した。水溶液をブライン(100ml)で希釈し、EtOAc(45ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(2×100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,3:1〜10:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、rac-(3S,4R)-3-(ベンジルオキシ)-4-ホルミルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(286)を淡黄色油状物として得た(5.9g,収率78%)。
【1370】
【数240】
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【1371】
工程4:
【1372】
【化449】
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【1373】
rac-(3S,4R)-3-(ベンジルオキシ)-4-ホルミルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(286)(5.9g,19.3ミリモル)をDCM(120ml)中に混合して得た溶液に、内部反応温度を5℃未満に保持しつつDAST(9.34g,58ミリモル)を滴下した。添加後、反応混合物を0〜5℃でさらに2時間撹拌した。反応混合物を室温に加温し、17時間撹拌した。TLC分析(4:1石油エーテル/EtOAc)により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を氷水(40ml)でクエンチした。有機層を分離し、水性層のpH値を、Na2CO3飽和水溶液を加えることによって約8に調整した。水性混合物をDCM(2×60ml)で抽出した。有機層を合わせてNa2CO3飽和水溶液(40ml)とブライン(40ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,SiO2,10〜25%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、rac-(3S,4R)-3-(ベンジルオキシ)-4-(ジフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(287)を淡黄色油状物として得た(5.0g,収率79%)。
【1374】
【数241】
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【1375】
工程5:
【1376】
【化450】
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【1377】
rac-(3S,4R)-3-(ベンジルオキシ)-4-(ジフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(287)(4.6g,15ミリモル)とPd(OH)2/C(10重量%組み込み,1.97g)をMeOH(80ml)中に混合して得た混合物を、50psiの水素雰囲気下にて50℃で17時間撹拌した。TLC分析(2:1石油エーテル/EtOAc)により、出発物質が消費されたことを確認した。反応混合物を濾過して濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,7:1〜4:1石油エーテル/EtOAc)によって精製して、rac-(3R,4S)-3-(ジフルオロメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(288)を淡黄色油状物として得た(2.4g,収率72%)。
【1378】
【数242】
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【1379】
工程6:
【1380】
【化451】
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【1381】
rac-(3R,4S)-3-(ジフルオロメチル)-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(288)(920mg,3.88ミリモル)をDCM(10ml)中に混合して得た溶液に、TFA(4ml)を25℃にて加えた。得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を濃縮してrac-(3S,4R)-4-(ジフルオロメチル)ピロリジン-3-オール(289)を得た(532mg,収率100%)。
【1382】
【数243】
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【1383】
工程7:
【1384】
【化452】
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【1385】
rac-(3S,4R)-4-(ジフルオロメチル)ピロリジン-3-オール(289)(532mg,3.88ミリモル)をMeOH(10ml)中に混合して得た溶液に、ホルムアルデヒド(582mg,19.4ミリモル)とNaBH3CN(683mg,10.9ミリモル)を10℃にて加えた。混合物を25℃で3時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。NaHCO3飽和水溶液(10ml)(10ml)を加え、混合物をDCM(3×15ml)で抽出した。有機層を合わせてブライン(15ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,0〜10%DCM/MeOH)によって精製して、rac-(4R)-4-(2,2-ジフルオロエトキシ)-1-メチルピロリジン-3-オール(290)を黄色油状物として得た(472mg,収率81%)。
【1386】
【数244】
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【1387】
(3R,4R)-1-tert-ブチル-4-メトキシピロリジン-3-オール(292)の製造
工程1:
【1388】
【化453】
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【1389】
(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-オールハイドロクロライド(249)(617mg,2.67ミリモル)を乾燥アセトン(20ml)中に混合して得た溶液に4Åモレキュラーシーブ(1.0g)を加え、混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物の形成を確認した。混合物を、セライトプラグを介して濾過し、濾液を濃縮して、(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシ-1-(プロパン-2-イリデン)ピロリジン-1-イウムクロライド(291)を褐色ガムとして得た(700mg,収率96%)。
【1390】
【数245】
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【1391】
工程2:
【1392】
【化454】
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【1393】
(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシ-1-(プロパン-2-イリデン)ピロリジン-1-イウムクロライド(291)(800mg,5.1ミリモル)を乾燥THF(12ml)中に混合して得た溶液に、MeMgCl(THF中3.0M,11.8ml,35.4ミリモル)を窒素雰囲気下にて−20℃で加えた。得られた溶液を、18〜20℃で18時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物が形成され、出発物質が痕跡量残存していることを確認した。反応混合物を、NH4Cl飽和水溶液(6ml)を加えることによってクエンチし、Na2CO3飽和水溶液を加えることによってpH値を約9に調整した。混合物をEtOAc(4×50ml)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage, 10〜45%MeOH/DCM + 0.1%NH4OH)によって精製して、(3R,4R)-1-tert-ブチル-4-メトキシピロリジン-3-オール(292)を黄色油状物として得た(150mg,収率17%)。
【1394】
【数246】
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【1395】
rac-(3S,4R)-1,4-ジメチルピペリジン-3-オール(294)の製造
【1396】
【化455】
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【1397】
rac-(3S,4R)-3-ヒドロキシ-4-メチルピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(293)(500mg,2.32ミリモル)をTHF(7ml)中に混合して得た溶液にLAH(177mg,4.64ミリモル)を加えた。混合物を80℃に加熱し、この温度で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(20ml)で希釈した。Na2SO4・10H2Oを加え、混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケークをEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮してrac-(3S,4R)-1,4-ジメチルピペリジン-3-オール(294)を無色油状物として得た(201mg,収率70%)。
【1398】
【数247】
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【1399】
(3R,4R)-4-メトキシ-1-(2H3)メチルピロリジン-3-オール(295)の製造
【1400】
【化456】
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【1401】
(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(249)(1.0g,4.6ミリモル)をTHF(15ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、70℃に加熱し、LiAlD4(386mg,9.2ミリモル)を滴下した。混合物を70℃でさらに30分撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。室温に冷却した後、この反応混合物を、200mgの(3R,4R)-3-ヒドロキシ-4-メトキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを使用して得られた並行の反応混合物と合わせた。反応混合物を15%NaOH水溶液でクエンチし、濾過した。濾過ケークをEtOAcで洗浄した。合わせた濾液を濃縮して(3R,4R)-4-メトキシ-1-(2H3)メチルピロリジン-3-オール(295)を無色油状物として得た(690mg,収率93%)。
【1402】
【数248】
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【1403】
rac-(3S,4R)-1-メチル-4-(トリフルオロメチル)ピロリジン-3-オール(300)の製造
工程1:
【1404】
【化457】
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【1405】
還流冷却器を取り付けた100mlフラスコに、({[(1E)-3,3,3-トリフルオロプロプ-1-エン-1-イル]オキシ}メチル)ベンゼン(296)(2.0g,9.9ミリモル)とN-ベンジル-1-メトキシ-N-[(トリメチルシリル)メチル]メタンアミン(297)(12.2g,51.4ミリモル)を加えた。混合物を150℃に加熱し、TFAを、還流冷却器を通して3時間かけて滴下した。添加後、暗色の反応混合物を150℃でさらに1時間加熱した。LCMS分析により、出発物質が完全に消費されたことを確認した。反応混合物を室温に冷却し、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage,10%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、rac-(3S,4R)-1-ベンジル-3-(ベンジルオキシ)-4-(トリフルオロメチル)ピロリジン(298)を無色油状物として得た(3.1g,収率93%)。
【1406】
【数249】
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【1407】
工程2:
【1408】
【化458】
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【1409】
rac-(3S,4R)-1-ベンジル-3-(ベンジルオキシ)-4-(トリフルオロメチル)ピロリジン(298)(3.6g,10.7ミリモル)をMeOH(85ml)中に混合して得た溶液に、Pd(OH)2/C(2.26g,16.1ミリモル)とBoc2O(2.47g,11.3ミリモル)を加えた。混合物をH2の雰囲気下で16時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への転化率が約50%であることを確認した。追加バッチのPd(OH)2/C(2.26g,16.1ミリモル)を加え、混合物を、5気圧でのH2雰囲気下で16時間撹拌した。LCMS分析により、所望の生成物への転化率が約65%であることを確認した。反応混合物を、セライトを介して濾過し、濾液を濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO,20〜50%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、rac-(3S,4R)-3-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(299)を無色油状物として得た(1.6g,収率58%)。この無色油状物は、静置すると固化して白色固体となった。
【1410】
【数250】
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【1411】
工程3:
【1412】
【化459】
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【1413】
rac-(3S,4R)-3-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(299)をTHF(10ml)中に混合して得た溶液を撹拌し、これにLiAlH4(149mg,3.92ミリモル)を20〜25℃で少しずつ加えた(激しいガスの発生と発熱が認められた)。添加後、反応混合物を20〜25℃で5分撹拌してから80℃に加熱し、この温度で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が完全に消費されたことを確認した。反応混合物を室温に冷却した。Na2SO4・10H2O(300mg)を加え、混合物を10分撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮して、rac-(3S,4R)-1-メチル-4-(トリフルオロメチル)ピロリジン-3-オール(300)を無色油状物として得た(285mg,収率86%)。
【1414】
【数251】
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【1415】
5-フルオロ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-8-オール(302)の製造
【1416】
【化460】
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【1417】
5-フルオロ-8-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボン酸tert-ブチル(301)(200mg,0.75ミリモル)(US20170348313)をTHF(5ml)中に混合して得た溶液にLiAlH4(57mg,1.5ミリモル)を加えた。混合物を80℃で2時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて所望の生成物が形成されたことを確認した。混合物を室温に冷却し、Na2SO4・10H2O(8g)を加えた。混合物を10分撹拌し、濾過し、濃縮して、5-フルオロ-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-8-オール(302)を白色固体として得た(136mg,収率100%)。
【1418】
【数252】
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【1419】
2-シクロプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-5-オール(304)の製造
【1420】
【化461】
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【1421】
1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-5-オール(303)(186mg,1.0ミリモル)と[(1-エトキシシクロプロピル)オキシ](トリメチル)シラン(210mg,1.2ミリモル)をMeOH(8ml)中に混合して得た混合物に、NaBH3CN(76mg,1.2ミリモル)とAcOH(73mg,1.2ミリモル)を加えた。混合物を、窒素雰囲気下にて60℃で4時間撹拌した。LCMS分析により、出発物質が消費されて生成物が形成されたことを確認した。混合物を濃縮した。残留物をDCM(80ml)で希釈し、NaHCO3飽和水溶液(2×20ml)とブライン(20ml)で洗浄した。有機層を合わせてNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,1/15のDCM/石油エーテル)によって精製して、2-シクロプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-5-オール(304)を黄色固体として得た(200mg,収率71%)。
【1422】
【数253】
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【1423】
生物学的実施例と生化学的アッセイ法
マススペクトロメトリー反応性アッセイ(Mass Spectrometry Reactivity Assay)(MSRA)
本発明において提示の化合物は、代表的化合物とKRAS G12Cとの共有結合付加体を検出すべくMSRAを使用すると、KRAS G12Cに共有結合することがわかる。
【1424】
GDPを組み込んだKRAS(1-169)G12C、C51S、及びC118Sを、タンパク質アッセイ緩衝液(25mM Hepes pH7.5,200mM NaCl,5%グリセロール)中に5μMの濃度にまで希釈し、20μlのタンパク質を96ウェルプレート中に移した。初期化合物原液は、所望のアッセイ濃度より100倍高い濃度にて生成させた。“K-Ras(G12C) inhibitors allosterically control GTP affinity and effector interactions; Ostrem JM,Peters U,Sos ML,Wells JA,Shokat KM;Nature.2013,Nov28;503(7477):548-51”を参照。
【1425】
DMSO中に溶解した代表的化合物を、96ウェルプレートにおける5μMKRASタンパク質を20μl含有する溶液中に100倍希釈して反応を開始させた。Mosquito(TPP Lab tech)液体ハンドリングロボットを使用して、化合物をタンパク質溶液に加えた。化合物の典型的な最終濃度は5μMまたは10μMであった。プレートをシェーカー上に室温で1分置き、シールし、室温で規定時間インキュベートした。5μlの反応混合物を10μlの0.2%ギ酸停止溶液に加え、充分に混合した。典型的な終点は、1分、15分、30分、及び60分であった。
【1426】
データは、Waters Acquity H-class UPLCシステム/Xevo G2-XS TOFマススペクトロメーターを使用して収集した。タンパク質を、Bruker Microtrapタンパク質カラムTR1/15109/03上にて液相中に注入した。次の緩衝液を使用してLC勾配を設定した:緩衝液A:0.2%ギ酸H2O;緩衝液B:0.2%ギ酸CAN。次のLC勾配を使用して、カラムからタンパク質を溶離した:0〜0.4分,10%B〜30%B;0.4分〜2.4分,90%B;2.5分,10%B;3分,10%B。初期データ解析は、データ取得の直後にMaxEntソフトウェアを使用して行った。
【1427】
標準的な自動処理機能を利用し、データ取得の直後にMexEntソフトウェアを使用して、未変性KRASタンパク質と変性KRASタンパク質のパーセント値を明らかにした。最も高いピークを100%と定義する一方、より小さなピークは、自動処理機能によって決定された数として割り当てた。KRAS GDPを組み込んだ未変性のKRAS(1-169)G12C、C51S、C80L、及びC118Sと代表的化合物とを使用して変性させたことに対応する変性パーセントを、エクセルデータ解析ソフトウェアにエクスポートした。
【1428】
代表的化合物の規定濃度における変性タンパク質のパーセントを、次の式を使用して算出した:変性率%=(変性ピークの数)/(変性ピーク+未変性ピークの合計数)。変性パーセント(Percent Modification;PM)と定義される値そしてPMの増大は、特定の化合物が、ある時点での特定の化合物濃度にて他の化合物より優れている、ということを示している。
【1429】
細胞活性アッセイ
本発明において提示の化合物は、ヒトのガン細胞株の処置に使用すると、GDP結合Rasの蓄積をもたらす。
【1430】
細胞環境におけるGDP結合KRAS G12Cの蓄積は、KRAS G12Cだけが、その活性GTP結合状態にあるときに、その下流のキナーゼRaf-1(MAPキナーゼ)に結合するという原理に基づいて測定した。この状態では、RasはRaf-1キナーゼのドメイン〔Ras結合ドメイン(RBD)と呼ばれる〕に結合した。
【1431】
10%ウシ胎仔血清と1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補足したRPMI1640培地にてMIAPaCa-2細胞を培養した。細胞を96ウェル組織培養プレートに30,000細胞/ウェルの密度で供給し、16〜24時間接着させた。試験化合物は、DMSO中10mMストックとして調製し、3倍希釈スキームを使用して100%DMSO中に連続的に希釈した。完全生育培地に中間の5倍濃縮プレートを作製し、100μlの細胞に1ウェル当たり25μlを、最終濃度が0.3%DMSOとなるように加えた。代表的化合物の各濃度を2回分析した。ネガティブコントロールのウェルは、10μMにてコントロールインヒビターを含んだ細胞であり、ポジティブコントロールのウェルは、薬物を含まない、DMSOだけの細胞であった。プレートを、5%CO2にて37℃で6時間インキュベートした。処理に続いて、細胞を氷冷PBSで3回洗浄し、そしてプロテアーゼインヒビターを含んだ、1ウェル当たり115μlの氷冷 1X アッセイ/溶解.緩衝液を加えた(25mM HEPES,pH7.5,150mM NaCl,1%NP-40,10mM MgCl2,1mM EDTA,2%グリセロール)。溶解後、サンプルを−80℃にて凍結させた。
【1432】
Raf-1 RBD(LJIC-1988A1)を、PBS中において100ng/ウェルに希釈し、5μl/ウェルを、MSD高結合SECTORプレート上にスポット塗布した。プレートを、環状シェーカー上にて室温で1時間インキュベートした。プレートをPBS/0.05%Tween-20で洗浄し、解凍された溶解物サンプルを50μl/ウェル加え、次いでPBS/0.05%Tween-20中1%MSDブロッカー A(R93BA)を50μl加えた。プレートを環状シェーカー上で1時間インキュベートし、PBS/0.05%Tween-20で洗浄した。1:3000希釈のAnti-pan-Ras抗体(Cell Biolabs 244003)25μl/ウェルを1%MSDブロッカーA溶液中に加え、プレートを環状シェーカー上で1時間インキュベートし、PBS/0.05%Tween-20で洗浄した。SULFO-TAGヤギ抗マウス二次抗体(MSD R32AC)をMSDブロッカーA溶液中に1:500希釈し、25μl/ウェルにて加えた。プレートを環状シェーカー上で1時間インキュベートし、PBS/0.05%Tween-20で洗浄した。H2O中に1:3希釈したRead Buffer T(MSD R92TC)を150μl/ウェル加え、プレートをMeso Scale Discovery Sector Imager S600により読み取った。
【1433】
KRASシグナルを最大阻害とDMSO対照標準値に対して正規化し、用量反応曲線の4パラメーターフィットを使用してIC50値を生成させた。IC50値が低下するということは、該代表的化合物が、ガン細胞株の治療の特定の時点において、他の代表的化合物より高レベルのGDP結合KRAS G12Cの蓄積をもたらす、ということを示している。
【1434】
MSRAデータと細胞活性アッセイデータ
【1435】
【表1】
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【1436】
【表2】
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【1437】
【表3】
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【1438】
【表4】
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【1439】
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【1440】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【1441】
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【1442】
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【1443】
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
【国際調査報告】
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