特表2021-512503(P2021-512503A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-512503(P2021-512503A)
(43)【公表日】2021年5月13日
(54)【発明の名称】光検出装置およびその光検出方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/10 20060101AFI20210416BHJP
   H01L 31/0248 20060101ALI20210416BHJP
   G01J 1/02 20060101ALI20210416BHJP
【FI】
   H01L31/10 A
   H01L31/08 J
   G01J1/02 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2020-544519(P2020-544519)
(86)(22)【出願日】2019年2月22日
(85)【翻訳文提出日】2020年10月21日
(86)【国際出願番号】US2019019167
(87)【国際公開番号】WO2019165220
(87)【国際公開日】20190829
(31)【優先権主張番号】62/634,741
(32)【優先日】2018年2月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/654,454
(32)【優先日】2018年4月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/660,252
(32)【優先日】2018年4月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/682,254
(32)【優先日】2018年6月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/686,697
(32)【優先日】2018年6月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/695,060
(32)【優先日】2018年7月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/698,263
(32)【優先日】2018年7月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/717,908
(32)【優先日】2018年8月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/752,285
(32)【優先日】2018年10月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/755,581
(32)【優先日】2018年11月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/770,196
(32)【優先日】2018年11月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/776,995
(32)【優先日】2018年12月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/695,058
(32)【優先日】2018年7月8日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519358748
【氏名又は名称】アーティラックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シュ−ル・チェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン−ユ・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ズ−リン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ユン−チュン・ナ
(72)【発明者】
【氏名】ミン−ジャイ・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ハン−ディン・リュウ
(72)【発明者】
【氏名】チェ−フ・リアン
【テーマコード(参考)】
2G065
5F849
【Fターム(参考)】
2G065AA04
2G065AB02
2G065BA02
2G065BA34
2G065DA20
5F849AA04
5F849AB03
5F849BA05
5F849BB03
5F849BB08
5F849FA05
5F849GA03
5F849LA01
(57)【要約】
光検出装置は半導体基板を備える。第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料が、半導体基板によって支持され、800nmより大きい第1の波長を有する第1の光学信号を吸収するように構成される。第1の金属線が、第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第1の領域に電気的に結合される。第2の金属線が、第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第2の領域に電気的に結合される。第1の領域はドープされないかまたは第1の種類のドーパントでドープされる。第2の領域は第2の種類のドーパントでドープされる。第1の金属線は、第2の領域によって収集されるように、第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の内部で発生させられるある量の第1の種類の光発生キャリアを制御するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板によって支持され、800nmより大きい第1の波長を有する第1の光学信号を吸収するように構成される第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料と、
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第1の領域に電気的に結合される第1の金属線と、
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第2の領域に電気的に結合される第2の金属線と、
を備え、
前記第1の領域はドープされないかまたは第1の種類のドーパントでドープされ、前記第2の領域は第2の種類のドーパントでドープされ、前記第1の金属線は、前記第2の領域によって収集されるように、前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の内部で発生させられるある量の第1の種類の光発生キャリアを制御するように構成される、光検出装置。
【請求項2】
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第3の領域に結合される第3の金属線と、
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第4の領域に結合される第4の金属線と、
を備え、
前記第3の領域はドープされないかまたは前記第1の種類のドーパントでドープされ、前記第4の領域は前記第2の種類のドーパントでドープされ、前記第3の金属線は、前記第4の領域によって収集されるように、前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の内部で発生させられる前記ある量の前記第1の種類の光発生キャリアを制御するように構成される、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項3】
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第1の面から延びる前記第1の領域の深さは、前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の前記第1の面から延びる前記第2の領域の深さより小さい、請求項2に記載の光検出装置。
【請求項4】
前記第1の領域、前記第2の領域、前記第3の領域、および前記第4の領域が形成される前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第1の面と反対の第2の面に形成される第5の領域を備え、前記第5の領域は前記第2の種類のドーパントでドープされる、請求項2に記載の光検出装置。
【請求項5】
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料は前記第2の種類のドーパントでドープされる、請求項2に記載の光検出装置。
【請求項6】
前記第1の種類のドーパントでドープされる前記第1の領域は低濃度でドープされる、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項7】
前記第1の種類のドーパントのドーピング濃度が前記第2の種類のドーパントのドーピング濃度より低い、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項8】
前記半導体基板に前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の隣で配置される前記第1の種類のドーパントでのU字形ドープ領域を備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項9】
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料と前記半導体基板との間に埋め込まれる誘電層をさらに備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項10】
前記第1の領域を一部または全部で包囲する前記第2の種類のドーパントを伴うウェル領域をさらに備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項11】
前記第2の領域を一部または全部で包囲する前記第1の種類のドーパントを伴うウェル領域をさらに備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項12】
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第1の面に形成される保護層をさらに備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項13】
前記保護層の上方に形成され、前記第1の光学信号を反射させることができる位置に配置される金属板を備える、請求項12に記載の光検出装置。
【請求項14】
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料を一部または全部で包囲する隔離領域を備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項15】
第1のケイ化物が前記第1の金属線と前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料との間に形成され、第2のケイ化物が前記第2の金属線と前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料との間に形成される、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項16】
前記半導体基板によって支持される第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料を備え、
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料は、上方視点から、第1の長さおよび第1の幅を伴う第1の矩形を形成し、
前記第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料は、上方視点から、第2の長さおよび第2の幅を伴う第2の矩形を形成し、
前記第1の長さの方向と前記第2の長さの方向とは互いに対して垂直である、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項17】
前記半導体基板によって支持される第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料を備え、
前記第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料は、第2の波長を伴う第2の光学信号を吸収するように構成され、前記第2の波長は前記第1の波長と異なる、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項18】
前記半導体基板によって支持される第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料を備え、
前記第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料は第2の光学信号を吸収するように構成され、前記第1の光学信号は第1の変調信号で適用され、前記第2の光学信号は第2の変調信号で適用され、前記第1の変調と前記第2の変調とは異なる、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項19】
光学信号を送信するためのレーザードライバに結合されるレーザーを備え、
前記光学信号は、多重時間フレームのための複数の所定の位相を伴う第1の変調信号によって変調され、前記第1の光学信号は、物体から反射される前記光学信号であり、前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料によって吸収される前記第1の光学信号は、前記多重時間フレームのための第1の単一の所定の位相を伴う第2の変調信号によって復調される、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項20】
前記半導体基板によって支持される第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料を備え、
前記第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料によって吸収される前記第1の光学信号は、前記多重時間フレームのための第2の単一の所定の位相を伴う前記第2の変調信号によって復調され、前記第2の単一の所定の位相は、前記第1の単一の所定の位相に対して直交する位相である、請求項19に記載の光検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、参照により本明細書において組み込まれている2018年2月23日に出願された米国仮特許出願第62/634,741号、2018年4月8日に出願された米国仮特許出願第62/654,454号、2018年4月20日に出願された米国仮特許出願第62/660,252号、2018年7月15日に出願された米国仮特許出願第62/698,263号、2018年6月8日に出願された米国仮特許出願第62/682,254号、2018年6月19日に出願された米国仮特許出願第62/686,697号、2018年7月8日に出願された米国仮特許出願第62/695,060号、2018年7月8日に出願された米国仮特許出願第62/695,058号、2018年10月29日に出願された米国仮特許出願第62/752,285号、2018年8月13日に出願された米国仮特許出願第62/717,908号、2018年11月5日に出願された米国仮特許出願第62/755,581号、2018年11月21日に出願された米国仮特許出願第62/770,196号、および2018年12月7日に出願された米国仮特許出願第62/776,995号の便益を請求する。
【背景技術】
【0002】
光検出器は、光学信号を検出し、その光学信号を、別の回路によってさらに処理され得る電気信号へと変換するために使用され得る。光検出器は、家電製品、画像センサ、データ通信、飛行時間(TOF)測距または撮像センサ、医療装置、および多くの他の適切な用途において使用され得る。しかしながら、光検出器が、単一または配列の構成でこれらの用途に適用されるとき、漏れ電流、暗電流、電気的/光学的クロストーク、および電力消費が性能を低下させる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施形態によれば、光検出装置が提供される。光検出装置は半導体基板を備える。第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料が、半導体基板によって支持され、800nmより大きい第1の波長を有する第1の光学信号を吸収するように構成される。第1の金属線が、第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第1の領域に電気的に結合される。第2の金属線が、第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第2の領域に電気的に結合される。第1の領域は第1の種類のドーパントでドープされないかまたはドープされる。第2の領域は第2の種類のドーパントでドープされる。第1の金属線は、第2の領域によって収集されるように、第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の内部で発生させられるある量の第1の種類の光発生キャリアを制御するように構成される。
【0004】
本開示の実施形態によれば、光検出方法が提供される。光検出方法は、第1の変調信号によって変調される光学信号を送信するステップを含み、光学信号は、多重時間フレームのための1つまたは複数の所定の位相を伴う第1の変調信号によって変調される。反射された光学信号は光検出器によって受け入れられる。反射された光学信号は1つまたは複数の復調信号によって復調され、1つまたは複数の復調信号は、多重時間フレームのための1つまたは複数の所定の位相を伴う信号である。少なくとも1つの電圧信号がコンデンサにおいて出力される。
【0005】
本明細書に開示されている実施形態のいくつかの利点および便益の中でも、実施形態は、それらに限定はされるが少なくとも近赤外(NIR)光または短波赤外(SWIR)光を吸収することができる光検出装置を提供する。一部の実施形態では、光検出装置は、チップサイズの小型化のために、大きな復調コントラスト、小さい漏れ電流、小さい暗電流、小さい電力消費、小さい電気的/光学的クロストークおよび/またはアーキテクチャを提供する。一部の実施形態では、光検出装置は、異なる変調スキームおよび/または時間分割の機能を含め、複数の波長で入射光学信号を処理することができる。さらに、光検出装置が、可視波長と比較して、可視波長(例えば、NIR範囲およびSWIR範囲)と比較して長い波長で動作できる飛行時間(ToF)の用途で使用できる。装置/材料の実施者は、前述の波長において光を吸収するための光吸収材料として、内因性または外因性のいずれかで、100%のゲルマニウム、または、所定の割合のゲルマニウム(例えば、80%超のGe)を伴う合金(例えばGeSi)を設計/製作することができる。
【0006】
本開示のこれらの目的および他の目的は、様々な図および図面において示されている代替の実施形態の以下の詳細な記載を読んだ後、当業者には明らかとなる。
【0007】
本出願の前述の態様および付随する利点の多くは、添付の図面と合わされるとき、以下の詳細な記載を参照することでより良く理解されることになるため、より容易に評価されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】一部の実施形態による光検出装置の断面図である。
図1B】一部の実施形態による光検出装置の断面図である。
図1C】一部の実施形態による光検出装置の断面図である。
図1D】一部の実施形態による光検出装置の断面図である。
図1E】一部の実施形態による光検出装置の断面図である。
図1F】一部の実施形態による光検出装置の断面図である。
図2A】一部の実施形態による、本体空乏モードでの光検出装置の断面図である。
図2B】一部の実施形態による、本体空乏モードでの光検出装置の断面図である。
図2C】一部の実施形態による、本体空乏モードでの光検出装置の断面図である。
図2D】一部の実施形態による、本体空乏モードでの光検出装置の断面図である。
図2E】一部の実施形態による、本体空乏モードでの光検出装置の断面図である。
図2F】一部の実施形態による、本体空乏モードでの光検出装置の断面図である。
図2G】一部の実施形態による、本体空乏モードでの光検出装置の断面図である。
図2H】一部の実施形態による、本体空乏モードでの光検出装置の断面図である。
図3A】一部の実施形態による、ゲートされた本体空乏モードでの光検出装置の断面図である。
図3B】一部の実施形態による、ゲートされた本体空乏モードでの光検出装置の断面図である。
図4A】一部の実施形態による、より小さい漏れ電流とより小さい暗電流とを伴う光検出装置の断面図である。
図4B】一部の実施形態による、より小さい漏れ電流とより小さい暗電流とを伴う光検出装置の断面図である。
図4C】一部の実施形態による、より小さい漏れ電流とより小さい暗電流とを伴う光検出装置の断面図である。
図4D】一部の実施形態による、より小さい漏れ電流とより小さい暗電流とを伴う光検出装置の断面図である。
図5】一部の実施形態による、保護層を伴う光検出装置の断面図である。
図6A】一部の実施形態による、ブーストされた電荷移動速度での光検出装置の断面図である。
図6B】一部の実施形態による、ブーストされた電荷移動速度での光検出装置の断面図である。
図6C】一部の実施形態による、ブーストされた電荷移動速度での光検出装置の断面図である。
図7A】一部の実施形態による、表面空乏モードでの光検出装置の断面図である。
図7B】一部の実施形態による、表面空乏モードでの光検出装置の断面図である。
図7C】一部の実施形態による、表面空乏モードでの光検出装置の平面図である。
図7D】一部の実施形態による、表面空乏モードでの光検出装置の平面図である。
図8A】一部の実施形態による、表面イオン注入を伴う光検出装置の断面図である。
図8B】一部の実施形態による、表面イオン注入を伴う光検出装置の平面図である。
図9A】一部の実施形態による、画素同士の隔離を伴う光検出装置の断面図である。
図9B】一部の実施形態による、画素同士の隔離を伴う光検出装置の平面図である。
図9C】一部の実施形態による、画素同士の隔離を伴う光検出装置の断面図である。
図9D】一部の実施形態による、画素同士の隔離を伴う光検出装置の断面図である。
図9E】一部の実施形態による、画素同士の隔離を伴う光検出装置の断面図である。
図10A】一部の実施形態による光検出装置の断面図である。
図10B】一部の実施形態による光検出装置の断面図である。
図10C】一部の実施形態による光検出装置の断面図である。
図10D】一部の実施形態による光検出装置の断面図である。
図11A】一部の実施形態による、チップサイズの小型化を伴う光検出装置の平面図である。
図11B】一部の実施形態による、チップサイズの小型化を伴う光検出装置の平面図である。
図11C】一部の実施形態による、チップサイズの小型化を伴う光検出装置の平面図である。
図11D】一部の実施形態による、チップサイズの小型化を伴う光検出装置の平面図である。
図11E】一部の実施形態による、チップサイズの小型化を伴う光検出装置の平面図である。
図12A】一部の実施形態による光検出装置の配列構成の平面図である。
図12B】一部の実施形態による光検出装置の配列構成の平面図である。
図13A】一部の実施形態による、位相変化を伴う変調スキームを用いる光検出装置のブロック図である。
図13B】一部の実施形態による、位相変化を伴う変調スキームを用いる光検出装置のタイミング図である。
図13C】一部の実施形態による、位相変化を伴う変調スキームを用いる光検出装置のブロック図である。
図13D】一部の実施形態による、位相変化を伴う変調スキームを用いる光検出装置のタイミング図である。
図13E】一部の実施形態による、位相変化を伴う変調スキームを用いる光検出装置のタイミング図である。
図14】一部の実施形態による、位相変化を伴う変調スキームを用いる光検出装置を使用するための処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1Aは、一部の実施形態による光検出装置の断面図を示している。光検出装置100aは、半導体基板104によって支持されたゲルマニウムに基づく光吸収材料102を備える。一部の実施では、半導体基板104は、シリコン、シリコン−ゲルマニウム、またはIII−V族化合物によって作られる。ゲルマニウムに基づく光吸収材料102は、ここでは、内因性ゲルマニウム(100%ゲルマニウム)、または、例えばシリコン−ゲルマニウム合金といった、1%から99%の範囲のGe濃度であるゲルマニウムを含む成分の合金を言っている。一部の実施では、ゲルマニウムに基づく光吸収材料102は、ブランケットエピタキシ、選択エピタキシ、または他の適用可能な技術を用いて成長させられ得る。ゲルマニウムに基づく光吸収材料102は、図1Aでは半導体基板104に埋め込まれており、代替の実施形態では、ゲルマニウムに基づく光吸収材料102は、半導体基板104に一部埋め込まれ得る、または、半導体基板104において立設し得る。
【0010】
光検出装置100aは制御金属線106aと読み出し金属線108aとを備える。制御金属線106aと読み出し金属線108aとは両方とも、ゲルマニウムに基づく光吸収材料102の表面102sに電気的に結合されている。この実施形態では、制御金属線106aは表面102sにおける非ドープ領域105aに電気的に結合されており、非ドープ領域105aはドーパントを有していない。読み出し金属線108aは表面102sにおけるドープ領域101aに電気的に結合されており、ドープ領域101aはドーパントを有している。
【0011】
ゲルマニウムに基づく光吸収材料102が内因性または外因性(例えば、低濃度のP型または低濃度のN型)として形成できることは、留意されている。ゲルマニウム材料の欠陥特性のため、追加のドーピング処理が導入されない場合であっても、ゲルマニウムに基づく光吸収材料102はなおも低濃度のP型であり得る。したがって、非ドープ領域105aも低濃度のP型であり得る。ドープ領域101aは、収集される光キャリアの種類(つまり、正孔または電子)に依存して、P型ドーパントまたはN型ドーパントでドープされてもよい。一部の実施では、ドープ領域101aは、熱拡散、イオン注入、または任意の他のドーピング処理によってドープされてもよい。
【0012】
制御金属線106aは、吸収された光子によって発生させられる電子または正孔の移動方向を制御するための制御信号cs1によって制御される。ドープ領域101aがN型であると仮定すると、制御信号cs1は論理1にある。電界が制御金属線106aからゲルマニウムに基づく光吸収材料102へと発生させられる。電子は制御金属線106aに向けて移動し、ドープ領域101aによって収集される。逆に、ドープ領域101aがP型である場合、正孔が代わりに収集される。代わりに、制御信号cs1が論理0にあるときにドープ領域101aがN型であると仮定すると、異なる電界が制御金属線106aからゲルマニウムに基づく光吸収材料102へと発生させられる。電子は制御金属線106aに向けて移動せず、そのためドープ領域101aによって収集され得ない。逆に、ドープ領域101aがP型である場合、正孔が代わりに収集されることもない。
【0013】
図1Aに示されている構造を用いると、目標物体(図1Aには示されていない)によって反射され、光学窓WDを通じて入る光学信号ILは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料102によって吸収でき、電子または正孔(ドープ領域101aがN型であるかP型であるかに依存する)が制御信号cs1の断定に従ってコンデンサ110aに向かって移動してコンデンサ110aに保存されるように、電子正孔対を発生させることができる。吸収領域ARは、光学窓WDを通じて入ってくる光学信号ILを受信する仮想領域である。光検出装置100aと目標物体(図1Aには示されていない)との間に存在する距離のため、光学信号ILは、送信機(図1Aには示されていない)によって送信された、送信された光に対して位相遅れを有する。送信された光が変調信号によって変調され、電子正孔対が復調信号によって制御金属線106aを通じて復調されるとき、コンデンサ110aに保存されている電子または正孔は、距離に応じて変化させられる。そのため、光検出装置100aは、コンデンサ110aにおける電圧v1に基づいて距離情報を得ることができる。
【0014】
図1Aの実施形態は、距離情報を得るために1つの制御金属線106aと1つの読み出し金属線108aと使用するだけであるため、ワンタップ構造である。開示されている実施形態は、後で詳細に記載しているように、距離情報を得るために、2つ以上の制御線および読み出し線、ならびに多様な実施を用いることもできる。
【0015】
図1Bは、一部の実施形態による光検出装置の断面図を示している。図1Aの実施形態と比較して、図1Bにおける光検出装置100bは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料102における吸収された光子によって発生させられる電子または正孔の移動を制御するために、2つの制御金属線106a、106bを使用している。このような構造はツータップ構造と称されている。光検出装置100bは制御金属線106a、106bと読み出し金属線108a、108bとを備える。制御金属線106a、106bと読み出し金属線108a、108bとは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料102の表面102sに電気的に結合されている。この実施形態では、制御金属線106a、106bは表面102sにおける非ドープ領域105a、105bに電気的に結合されており、非ドープ領域105a、105bはドーパントを伴わない領域であり、読み出し金属線108a、108bは表面102sにおけるドープ領域101a、101bに電気的に結合されており、ドープ領域101a、101bはドーパントを伴う領域である。ドープ領域101a、101bはP型ドーパントまたはN型ドーパントでドープされ得る。
【0016】
制御金属線106a、106bは、吸収された光子によって発生させられる電子または正孔の移動方向を制御するための制御信号cs1、cs2によってそれぞれ制御される。一部の実施では、制御信号cs1およびcs2は異なる電圧信号である。一部の実施では、制御信号cs1およびcs2の一方は一定の電圧信号(例えば、0.5V)であり、他方の制御信号は時間変化する電圧信号(例えば、0Vから1Vの間で動作させられる正弦波信号、クロック信号、またはパルス信号)である。
【0017】
ドープ領域101a、101bはN型であり、制御信号cs1、cs2は、互いに対して180度の位相差を伴うクロック信号である。制御信号cs1が論理1にあり、制御信号cs2が論理0にあるとき、光検出装置100bは、制御金属線106aからゲルマニウムに基づく光吸収材料102へと電界を発生させ、電子は、制御金属線106aに向けて移動し、それからドープ領域101aによって収集される。同様に、制御信号cs1が論理0にあり、制御信号cs2が論理1にあるとき、光検出装置100bは、制御金属線106bからゲルマニウムに基づく光吸収材料102へと電界を発生させ、電子は、制御金属線106bに向けて移動し、それからドープ領域101bによって収集される。逆に、ドープ領域101aおよび101bがP型である場合、正孔が代わりに収集される。
【0018】
このツータップ構造によれば、目標物体(図1Bには示されていない)によって反射される光学信号ILは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料102によって吸収でき、電子または正孔(ドープ領域101aがN型およびP型であることに依存する)が制御信号cs1および制御信号cs2の断定に従ってコンデンサ110aまたはコンデンサ110bに向かって移動してコンデンサ110aまたはコンデンサ110bに保存されるように、電子正孔対を発生させる。光検出装置100bと目標物体(図1Bには示されていない)との間に存在する距離のため、光学信号ILは、送信機(図1Bには示されていない)によって送信された、送信された光に対して位相遅れを有する。送信された光が変調信号によって変調され、電子正孔対が復調信号によって制御金属線106aおよび106bを通じて復調されるとき、コンデンサ110aおよびコンデンサ110bに保存されている電子または正孔は、距離に応じて変化させられる。そのため、光検出装置100bは、コンデンサ110aにおける電圧v1とコンデンサ110bにおける電圧v2とに基づいて距離情報を得ることができる。一実施形態によれば、距離情報は、入力変数としての電圧v1および電圧v2との計算に基づいて導き出すことができる。一例について、パルス飛行時間構成では、電圧v1および電圧v2に関連する電圧比が入力変数として使用される。別の例について、連続波飛行時間構成では、電圧v1および電圧v2に関連する同相電圧および直交電圧が入力変数として使用される。
【0019】
図1Aにおける制御金属線106aと、図1Bにおける制御金属線106a、106bとは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料102の非ドープ領域に電気的に結合されている。他の実施形態では、後で記載しているように、特定の構造と制御金属線106a、106bとはドープ領域に電気的に結合される。
【0020】
図1Cは、一部の実施形態による光検出装置の断面図を示している。図1Aと同様に、光検出装置100cは制御金属線106aと読み出し金属線108aとを備える。制御金属線106aと読み出し金属線108aとは両方とも、ゲルマニウムに基づく光吸収材料102の表面102sに電気的に結合されている。この実施形態では、制御金属線106aは表面102sにおけるドープ領域103aに電気的に結合されており、ドープ領域103aはドーパントを伴う領域であり、読み出し金属線108aは表面102sにおけるドープ領域101aに電気的に結合されており、ドープ領域101aもドーパントを伴う領域である。この実施形態では、領域101aおよび領域103aは、異なる種類のドーパントでドープされている。例えば、ドープ領域101aがN型ドーパントでドープされる場合、領域103aはP型ドーパントでドープされ、ドープ領域101aがP型ドーパントでドープされる場合、領域103aはN型ドーパントでドープされる。
【0021】
光検出装置100cの動作は図1Aの実施形態と同様である。制御金属線106aは、電子または正孔をドープ領域103aによって収集させるために、制御信号cs1に従って、吸収された光子によって発生させられる電子または正孔の移動方向を制御するために使用される。制御信号cs1を制御し、コンデンサ110aにおける電圧v1を読み取ることで、光検出装置100cは、光検出装置100cと目標物体(図1Cには示されていない)との間の距離情報を得ることができる。
【0022】
図1Dは、一部の実施形態による光検出装置の断面図を示している。光検出装置100bは制御金属線106a、106bと読み出し金属線108a、108bとを備える。制御金属線106a、106bと読み出し金属線108a、108bとは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料102の表面102sに電気的に結合されている。この実施形態では、制御金属線106a、106bは表面102sにおけるドープ領域103a、103bにそれぞれ電気的に結合されており、ドープ領域103a、103bはドーパントを伴う領域である。読み出し金属線108a、108bは表面102sにおけるドープ領域101a、101bにそれぞれ電気的に結合されており、ドープ領域101a、101bはドーパントを伴う領域である。領域101a、101b、103a、103bはP型ドーパントまたはN型ドーパントでドープされ得る。この実施形態では、ドープ領域101a、101bは同じ種類のドーパントでドープされており、ドープ領域103a、103bは同じ種類のドーパントでドープされている。しかしながら、ドープ領域101a、101bの種類はドープ領域103a、103bの種類と異なる。例えば、ドープ領域101a、101bがN型としてドープされる場合、ドープ領域103a、103bはP型としてドープされ、ドープ領域101a、101bがP型としてドープされる場合、ドープ領域103a、103bはN型としてドープされる。
【0023】
光検出装置100dの動作は図1Bの実施形態と同様である。制御金属線106a、106bは、電子または正孔をコンデンサ110aまたはコンデンサ110bによって保存させるために、制御信号cs1、cs2に従って、吸収された光子によって発生させられる電子または正孔の移動方向を制御するために使用される。制御信号cs1、cs2を制御し、コンデンサ110a、110bにおける電圧v1、v2を読み取ることで、光検出装置100dは、光検出装置100dと目標物体(図1Dには示されていない)との間の距離情報を得ることができる。
【0024】
図1Eは、一部の実施形態による光検出装置の断面図を示している。装置の動作は図1Dと同様であり、装置は、制御信号cs1、cs2を発生させ、コンデンサ110a、110bにおける電圧v1、v2を読み取ることを用いて、光検出装置100dと目標物体(図1Eには示されていない)との間の距離情報を得ることができる。図1Dとの違いは、読み出し金属線108a、108bおよびドープ領域101a、101bが表面102sの反対の表面102ssに配置されていることである。制御金属線106a、106bと読み出し金属線108a、108bとは鉛直方向で配置されるため、光検出装置100eの水平領域は縮小させることができる。
【0025】
図1Fは、一部の実施形態による光検出装置の断面図を示している。図1Eと比較して、図1Fにおける実施形態は、表面102sと反対の表面102ssにおいてドープ領域101a、101bも配置しているが、読み出し金属線108a、108bは、半導体基板104ではなく表面102sに向けて延びている。このような配置は製作過程を単純化することができる。
【0026】
一部の実施では、図1A図1Fに示されている実施形態および以後における実施形態として、制御金属線106a、106bおよび表面102sは、ショットキー障壁を伴う金属−半導体接合(MS接合)として、または、金属と半導体との間における絶縁体として酸化物またはHigh−K誘電材料を導入することで金属−絶縁体−半導体コンデンサ(MISコンデンサ)として作られてもよい。
【0027】
図1A図1Fに示された実施形態および以後における実施形態として、ゲルマニウムに基づく光吸収材料102は、その断面視から矩形として作られているが、一部の実施では、ゲルマニウムに基づく光吸収材料102は、その断面視から、逆さにされた台形または他のパターンとして作られてもよい。
【0028】
本開示において図示されている光検出装置は、可視波長と比較して、より長い波長(例えば、NIRまたはSWIRの範囲)で動作できる飛行時間(ToF)の用途で使用できる。波長は、850nm、940nm、1050nm、1064nm、1310nm、1350nm、または1550nmなど、800nm超であり得る。一方、装置/材料の実施者は、前述の波長において光を吸収するための光吸収材料として、内因性または外因性のいずれかで、100%のゲルマニウム、または、所定の割合のゲルマニウム(例えば、80%超のGe)を伴う合金(例えばGeSi)を設計/製作することができる。
【0029】
本明細書における実施形態は、光検出装置が光学信号ILを後側から吸収することを図示しているが、一部の実施では、光検出装置は、例えば2つの制御金属線106a、106bの間に光学窓WDを作り出すことで、光学信号ILを前側から吸収するように設計され得る。
【0030】
図1A図1Fに示されている実施形態は、一単位として供し、画素配列の各々の画素に適用できる単一の光検出器を備える。以下の記載は、図1A図1Fに開示されているワンタップ構造またはツータップ構造のいずれかに基づかれる代替の実施形態である。以下の記載において、図1A図1Fまでの1つまたは2つの実施形態が代表的な実施形態として選択され得る。当業者は、ツータップ構造をワンタップ構造で置き換えるなど、本明細書において開示されている構造を変更、改良、または組み合わせすることができる。
【0031】
図2Aは、一部の実施形態による、本体空乏モードでの光検出装置の断面図を示している。光検出装置200aは制御金属線206a、206bと読み出し金属線208a、208bとを備える。制御金属線206a、206bと読み出し金属線208a、208bとは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料202の表面202sに電気的に結合されている。制御金属線206a、206bは、表面202sにおけるP型領域203a、203bにそれぞれ電気的に連結されており、読み出し金属線208a、208bは、表面202sにおけるN型領域201a、201bにそれぞれ電気的に連結されている。一部の実施形態では、表面202sから延びるP型領域203a、203bの深さd1はN型領域201a、201bの深さd2より深く、ゲルマニウムに基づく光吸収材料202は低濃度のN型である。より深いP型領域203a、203bであれば、より大きい空乏領域が、より深いP型領域203a、203bとN型のゲルマニウムに基づく光吸収材料202との間に作り出され、これは、2つの異なる電圧が制御金属線206a、206bに印加され、それによって量子効率および復調コントラストを増加させるとき、電子をN型領域201a、201bに向けて移動させることができる。他の態様では、P型領域203a、203bの幅w1、N型領域201a、201bの幅w2、P型領域203a、203bのドーピング濃度、および/またはN型領域201a、201bのドーピング濃度は、空乏領域の面積を調節するためのパラメータでもある。
【0032】
一部の実施形態では、N型のゲルマニウムに基づく光吸収材料202の本体を十分に空乏させるために、N型領域201a、201bおよび/またはP型領域203a、203bを通じて、その深さ、幅、またはドーピング濃度のいずれかを設計することができる。また、ゲルマニウムに基づく光吸収材料202の厚さもそれに応じて設計されるべきである。
【0033】
図2Bは、一部の実施形態による、本体空乏モードでの光検出装置の断面図を示している。光検出装置200bは、より浅いP型領域203a、203bで設計され得る。別の言い方をすれば、表面202sから延びるP型領域203a、203bの深さd1はN型領域201a、201bの深さd2より浅い。より浅いP型領域203a、203bを適用することで、P型領域203aとP型領域203bとの間の漏れを低減することができる。
【0034】
図2Cは、一部の実施形態による、本体空乏モードでの光検出装置の断面図を示している。光検出装置200cの構造は光検出装置200a、200bと同様である。光検出装置200cはバイアス電圧vb1を半導体基板204に印加する。このバイアス電圧vb1は、N型のゲルマニウムに基づく光吸収材料202とP型領域203a、203bとの間の接合にわたって逆バイアスを作り出すために印加される。結果として、P型領域203a、203bの下方の空乏領域が拡大され得る、または、さらに十分に空乏させられ得る。P型領域203a、203bの下方に発生させられるより大きい空乏領域のため、2つの異なる電圧が制御金属線206a、206bに印加され、したがって量子効率および復調コントラストを増加させるとき、電子をN型領域201a、201bに向けて移動させることができる。
【0035】
図2Dは、一部の実施形態による、本体空乏モードでの光検出装置の断面図を示している。光検出装置200a、200bの構造と同様に、この実施形態は、ゲルマニウムに基づく光吸収材料202の内部の空乏領域を制御するために、バイアス電圧vb2をゲルマニウムに基づく光吸収材料202に印加する。明確には、バイアス電圧vb2は、P型領域203a、203bおよびN型のゲルマニウムに基づく光吸収材料202への逆バイアスであり、そのため、P型領域203a、203bを包囲する空乏領域を拡大することができる、または、十分に空乏させることさえできる。
【0036】
ゲルマニウムに基づく光吸収材料202の内部にさらに大きい空乏領域を作り出すために、図2Eに示された実施形態が開示されている。光検出装置200eはN型領域207a、207bを表面202ssに備える。表面202ssは表面202sの反対にある。N型領域207a、207bであれば、P型領域203aとN型領域207aとの間の空乏領域と、P型領域203bとN型領域207bとの間の空乏領域とが生成されるPN接合が形成される。結果として、2つの異なる電圧が制御金属線206a、206bに印加されるとき、電界が吸収領域に作り出される。そのため、前記空乏領域/電界は、電子が移動する方向をN型領域201aまたはN型領域201bのいずれかに向けて制御するために、制御信号cs1、cs2によって制御され得る。
【0037】
図2Fは、一部の実施形態による、本体空乏モードでの光検出装置の断面図を示している。光検出装置200fは、P型領域203a、203bの下方に位置付けられるより幅広なN型領域207を備える。同様に、N型領域207は、P型領域203a、203bを包囲する空乏領域の発生を高め、そのため量子効率および復調コントラストを増加させることができる。N型領域207の幅が設計可能であり、図2FにおけるN型領域207の幅が参照のために描写されていることは、留意されている。
【0038】
図2Gおよび図2Hは、N型領域207をバイアスするための手法を示す代替の実施形態を示している。図2Gは、N型領域207をバイアスするためにシリコン貫通ビア(TSV)204vを適用しており、図2Gは、N型領域207をバイアスするために、表面202sから延びるゲルマニウム貫通ビア202vを適用している。
【0039】
図2A図2Hは、P型領域203a、203bの深さを設計すること、バイアス電圧vb1、vb2を半導体基板204またはゲルマニウムに基づく光吸収材料202のいずれかに印加すること、N型領域207、207a、207bをゲルマニウムに基づく光吸収材料202の内部に追加することなどを含め、本体空乏モードを使用する様々な実施形態を示している。これらの手法は、吸収された光子から発生させられる電子のN型領域201aまたはN型領域201bのいずれかに向けた移動を制御するために、P型領域203a、203bの下方または周囲に空乏領域を作り出す。
【0040】
図3A図3Bは、一部の実施形態による、ゲートされた本体空乏モードを伴う光検出装置の断面図を示している。図2A図2Hに示された実施形態にさらに付け加えて、誘電のゲートされた本体空乏モードが図3A図3Bに開示されている。光検出装置300aは制御金属線306a、306bと読み出し金属線308a、308bとを備える。制御金属線306a、306bと読み出し金属線308a、308bとは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料302の表面302sに電気的に結合されている。制御金属線306a、306bは、表面302sにおけるP型領域303a、303bにそれぞれ電気的に連結されており、読み出し金属線308a、308bは、表面302sにおけるN型領域301a、301bにそれぞれ電気的に連結されている。ゲルマニウムに基づく光吸収材料302は低濃度のN型である。さらに、光検出装置300aは、表面302ssにおけるN型領域307と、ゲルマニウムに基づく光吸収材料302と半導体基板304との間に形成された誘電層312と、シリコン貫通ビア(TSV)314とを備える。一部の実施形態では、誘電層312は金属(ビア314)と半導体(ゲルマニウムに基づく光吸収材料302)との間に配置され、これはMOS状の構造を形成する。誘電層312がN型領域307とビア314との間に形成されていれば、電子がN型領域307へと流れてビア314を介して漏れるのを低減または防止することができる。
【0041】
一部の代替の実施形態では、誘電層312は、半導体基板304全体にわたる連続した層である必要はなくてもよく、N型領域307の下方に位置付けられる異なる領域へとパターン化させることができる。誘電層312は、複数の種類、材料の層、合金、または化合物を含め、薄くてもよく、または、何らかの所定の厚さであってもよい。例えば、SiO2、SiNx、High−K誘電材料、またはそれらの組み合わせである。
【0042】
図3Bは、一部の実施形態による、ゲートされた本体空乏モードでの光検出装置の断面図を示している。この実施形態は、表面302ssにN型領域307を有していないが、ボディバイアスvb2およびvb3を通じて空乏領域309a、309bを発生させる。ボディバイアスvb2およびボディバイアスvb3は、空乏領域309a、309bの大きさを制御するために一緒にかまたは個別に適用され得る。ボディバイアスvb2の個別に適用された電圧とボディバイアスvb3の個別に適用された電圧とは同じであってもよいし異なってもよい。
【0043】
図3Aまたは図3Bのいずれにおいても、これらの実施形態は、誘電層312をゲルマニウムに基づく光吸収材料302と半導体基板304との間に挿入しており、ゲルマニウムに基づく光吸収材料302の内部の電子移動方向を制御するように、制御信号cs1、cs2およびボディバイアスvb2、vb3に従って、P型領域303a、303bの下方に空乏領域(例えば、図3Bにおける符号309a、309b)を発生させる。誘電層312の挿入のため、電子がN型領域307(図3A)および空乏領域309a、309b(図3B)へと流れてビア314(図3A図3Bとの両方)を通じて漏れるのを低減または防止することができる。
【0044】
図4Aは、一部の実施形態による、より小さい漏れ電流とより小さい暗電流とを伴う光検出装置の断面図を示している。光検出装置400aは制御金属線406a、406bと読み出し金属線408a、408bとを備える。制御金属線406a、406bと読み出し金属線408a、408bとは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料402の表面402sに電気的に結合されている。制御金属線406a、406bは、表面402sにおけるP型領域403a、403bにそれぞれ電気的に連結されており、読み出し金属線408a、408bは、表面402sにおけるN型領域401a、401bにそれぞれ電気的に連結されている。図4Aにおける装置の動作は、先に開示されている実施形態と同様である。図4Aの実施形態は、P型領域403a、403bを全部で包囲するNウェル411a、411bを追加する。これは、P型領域403a、403bの間の漏れ電流を低減する効果を有し得る。代替の実施形態では、Nウェル411a、411bは、図4Bに示されているように、P型領域403a、403bを一部包囲して追加され得る。これもまた、P型領域403a、403bの間の漏れ電流を低減する効果を有する。
【0045】
図4Aおよび図4Bに示された実施形態にさらに付け加えて、Pウェルが追加されてもよい。図4Cの実施形態は、N型領域401a、401bを全部で包囲するPウェル451a、451bを追加する。これは、N型領域401a、401bにおいて起こる暗電流を低減する効果を有し得る。代替の実施形態では、Pウェル451a、451bは、図4Dに示されているように、N型領域401a、401bを一部包囲して追加され得る。これもまた、N型領域401a、401bにおいて起こる暗電流を低減する効果を有する。
【0046】
図4A図4Dに示された実施形態は、漏れ電流および暗電流を低減するために、NウェルおよびPウェルをそれぞれ適用している。当業者は、設計要件に依存して、Nウェル411a、411bおよび/またはPウェル451a、451bのパターンを変更または改良することができる。例えば、Nウェル411aは、P型領域403aを非対称の方法(例えば、Nウェル411aの左手側の幅がNウェル411aの右手側の幅より広い)において全部で包囲して設計され得る。同様に、Nウェル411bは、P型領域403bを非対称の方法(例えば、Nウェル411bの右手側の幅がNウェル411bの左手側の幅より広い)において全部で包囲して設計され得る。同様または改良の実施がPウェル451a、451bに適用されてもよい。
【0047】
図5は、一部の実施形態による、保護層を伴う光検出装置の断面図を示している。光検出装置500aは制御金属線506a、506bと読み出し金属線508a、508bとを備える。制御金属線506a、506bと読み出し金属線508a、508bとは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料502の表面502sに電気的に結合されている。制御金属線506a、506bは、表面502sにおけるP型領域503a、503bにそれぞれ電気的に連結されており、読み出し金属線508a、508bは、表面502sにおけるN型領域501a、501bにそれぞれ電気的に連結されている。図5の実施形態は、表面502sにわたって保護層514(例えば、アモルフォス−シリコン(a−Si)、GeO、Al、SiO2)を加え、読み出し金属線508aとN型領域501aとの間の連結部にシリサイド(例えば、NiSi、CoSi)513aを加え、読み出し金属線508bとN型領域501bとの間の連結部にシリサイド513bを加え、制御金属線506aとP型領域503aとの間の連結部にシリサイド515aを加え、制御金属線506bとP型領域503bとの間の連結部にシリサイド515bを加えている。
【0048】
この実施形態によれば、ゲルマニウムに基づく光吸収材料502にわたる保護層514を形成することは、表面502sにおけるダングリングボンドを終結させ、そのため暗電流を低減させることができる。他方で、シリサイド(例えば、NiSi、CoSi)を追加することは、金属と半導体との間の接触または接合の抵抗を低減させることもでき、これは電圧降下を低減し、そのため電力消費を低減させる。
【0049】
図6Aは、一部の実施形態による、ブーストされた電荷移動速度での光検出装置の断面図を示している。光検出装置600aは制御金属線606a、606bと読み出し金属線608a、608bとを備える。制御金属線606a、606bと読み出し金属線608a、608bとは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料602の表面602sに電気的に結合されている。制御金属線606a、606bは、表面602sにおけるP型領域603a、603bにそれぞれ電気的に連結されており、読み出し金属線608a、608bは、表面602sにおけるN型領域601a、601bにそれぞれ電気的に連結されている。図6Aの実施形態は、N型領域617を表面602sに追加し、P型領域619を表面602ssに追加している。N型領域617およびP型領域619は、ゲルマニウムに基づく光吸収材料602の中心に実質的に形成され、この中心は光学信号ILが通過できる場所である。N型領域617とP型領域619とはPN接合として集合的に形成されているため、N型領域617とP型領域619との間に、内蔵された鉛直な電界が確立され、これは、吸収された光子によって発生させられた電子正孔対を分離することを助けることができ、電子はN型領域617に向けて移動しようとし、正孔はP型領域619に向けて移動しようとする。N型領域617は電子を収集するように動作させられ、P型領域619は正孔を収集するように動作させられる。N型領域617に保存された電子は、制御信号cs1、cs2に従って、N型領域601aまたはN型領域601bへと移動させられ得る。特に、金属線610は、光検出装置600aの動作に依存して、浮動し得るか、または、バイアス電圧ca1によってバイアスさせられ得る。一実施では、N型領域601a、601bのドーピング濃度はN型領域617のドーピング濃度より高い。
【0050】
図6Bは、一部の実施形態による、ブーストされた電荷移動速度での光検出装置の断面図を示している。この実施形態は光検出装置600aと同様である。違いは、P型領域619がシリコンビア604vを通じてバイアスされ得ることであり、P型領域619において収集された正孔は、シリコンビア604vにおけるバイアス電圧ca2によってバイアスされるシリコンビア604vを通じて放出できる。
【0051】
図6Cは、一部の実施形態による、ブーストされた電荷移動速度での光検出装置の断面図を示している。図6Cの実施形態は光検出装置600bと同様である。違いは、P型領域619が、ゲルマニウムに基づく光吸収材料602の下方においてゲルマニウムに基づく光吸収材料602を包囲するU字形または井戸形として形成されていることである。また、このP型領域619はバイアス電圧ca2に電気的に結合されている。そのため、光発生正孔はP型領域619によって収集および放出され得る。
【0052】
図7Aは、一部の実施形態による、表面空乏モードでの光検出装置の断面図を示している。光検出装置700aは制御金属線706a、706bと読み出し金属線708a、708bとを備える。制御金属線706a、706bと読み出し金属線708a、708bとは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料702の表面702sに電気的に結合されている。制御金属線706a、706bは、表面702sにおけるP型領域703a、703bにそれぞれ電気的に連結されており、読み出し金属線708a、708bは、表面702sにおけるN型領域701a、701bにそれぞれ電気的に連結されている。この実施形態は、表面702sに中間層誘電体ILDを形成しており、中間層誘電体ILDに金属721、716a、716b、718a、718bを形成している。これらの金属721、716a、716b、718a、718bは、空乏領域721d、716ad、716bd、718ad、718bdを発生させるようにバイアスされ得る。金属721、716a、716b、718a、718bに印加されたバイアスは、異なっても同じでもよい、または、金属721、716a、716b、718a、718bの一部を浮動させてもよい。
【0053】
空乏領域712dはP型領域703aとP型領域703bとの間の暗電流を低減させることができる。空乏領域716adはP型領域703aとN型領域701aとの間の暗電流を低減させることができる。空乏領域716bdはP型領域703bとN型領域701bとの間の暗電流を低減させることができる。空乏領域718aはN型領域701aと別の画素(図7Aでは示されていない)との間の暗電流を低減させることができる。空乏領域718bはN型領域701bと別の画素(図7Aでは示されていない)との間の暗電流を低減させることができる。そのため、これらの表面空乏領域を形成することによって、電力消費およびノイズ発生が低減され得る。
【0054】
前述したように、金属721、716a、716b、718a、718bは、空乏領域721d、716ad、716bd、718ad、および718bdを発生させるようにバイアスされ得る。他の用途では、金属721、716a、716b、718a、718bは、対応する領域721d、716ad、716bd、718ad、718bdを、空乏以外に、蓄積または反転させるためにバイアスされ得る。
【0055】
漏れ低減に加えて、金属721、716a、716b、718a、718bは、残留の光学信号ILをゲルマニウムに基づく光吸収材料702へと反射させ、それによって電子正孔対へと変換させることができる。これらの金属721、716a、716b、718a、718bは、完全に吸収されず、ゲルマニウムに基づく光吸収材料702によって変換されない光を、再度の吸収のためにゲルマニウムに基づく光吸収材料702へと戻すように反射する鏡のように供する。これは、全体の吸収効率を増加させ、そのためシステム性能を増加させる。
【0056】
さらに、本開示の代替の実施形態が図7Bに示されている。図7Aと比較して、この実施形態は、図7Bに示されているように、偏極された誘導体721e、716ae、716be、718ae、718be(例えば、HfO)を追加している。偏極された誘導体721c、716ae、716be、718ae、718beに存在する双極子があるため、空乏/蓄積/反転の領域721d、716ad、716bd、718ad、718bdは、小さいバイアスで金属721、716a、716b、718a、718bをバイアスしないかまたはバイアスして発生させられ得る。
【0057】
図7Cは光検出装置700bの平面図を示している。金属721、716a、716b、718a、718bおよび偏極された誘導体721c、716ae、716be、718ae、718beは任意選択で形成され得ることは、留意されている。装置の実施者は、これらの要素を含むように、または、異なる筋書きに基づかれることなく、光検出装置を設計できる。さらに、図7Cに示されているように鉛直方向において金属および偏極された誘導体を追加することに加えて、金属723a、723bと、偏極された誘導体725a、725bとが水平方向において追加されている、図7Dに示されているような代替の実施形態もある。
【0058】
図8Aは、一部の実施形態による、表面イオン注入を伴う光検出装置の断面図を示している。光検出装置800aは制御金属線806a、806bと読み出し金属線808a、808bとを備える。制御金属線806a、806bと読み出し金属線808a、808bとは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料802の表面802sに電気的に結合されている。制御金属線806a、806bは、表面802sにおけるP型領域803a、803bにそれぞれ電気的に連結されており、読み出し金属線808a、808bは、表面802sにおけるN型領域801a、801bにそれぞれ電気的に連結されている。漏れ電流の表面の抑制のために大きな表面抵抗を持たせるために、この実施形態は、中性イオン埋め込みを表面処理として利用している。この図に示されているように、イオン処理領域829、831a、831b、833a、833bはイオン埋め込みされており(例えば、Si、Ge、C、H2)、加速されたイオンが物質と衝突し、埋め込みの領域における原子の周期性または結晶構造に損傷を与える。原子の空乏およびインタースティシャルなどの格子損傷は、電子殻の働きによって見られる周期ポテンシャルを破壊し、そのため電子/正孔はより高い散乱される可能性を得る。この効果はより小さい移動度をもたらし、ひいてはより大きい抵抗をもたらす。
【0059】
図8Bは、一部の実施形態による、表面イオン注入を伴う光検出装置800aの平面図を示している。図に示されているように、イオン処理領域829、831a、831b、833a、833bは、ドープ領域801a、801b、803a、803bの間で鉛直に形成されている。一部の実施では、イオン処理された領域は他の場所に形成されてもよく、そのため本実施形態は、限定とはならず参考である。
【0060】
図9Aは、画素同士の隔離を伴う光検出装置の断面図を示している。光検出装置900aは制御金属線906a、906bと読み出し金属線908a、908bとを備える。制御金属線906a、906bと読み出し金属線908a、908bとは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料902の表面902sに電気的に結合されている。制御金属線906a、906bは、表面902sにおけるP型領域903a、903bにそれぞれ電気的に連結されており、読み出し金属線908a、908bは、表面902sにおけるN型領域901a、901bにそれぞれ電気的に連結されている。この実施形態は、ゲルマニウムに基づく光吸収材料902を包囲する輪として形成されている隔離領域924を備える。一実施では、隔離領域924はN型領域である。これは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料902、半導体基板904、および他の要因の種類に依存し、隔離領域924はP型領域によって実施され得る。この隔離領域924があれば、光検出装置900aは、近くの装置へのクロストーク信号および/または電力を低減する効果を有する。
【0061】
図9Bは、画素同士の隔離を伴う光検出装置900bの平面図を示している。図に示されているように、隔離領域924は環全体を形成している。他の実施では、隔離領域924は断片化または不連続とされ得る。
【0062】
図9Cは、画素同士の隔離を伴う光検出装置の断面図を示している。光検出装置900cは、追加的な細くて浅い隔離領域924aを隔離領域924の内部に形成している。隔離領域924のドーピング濃度と隔離領域924aのドーピング濃度とは異なる。これは、表面伝導経路を通じてのクロストークを防止するために適用され得る。
【0063】
図9Dは、画素同士の隔離を伴う光検出装置の断面図を示している。光検出装置900dは、隔離領域924aから半導体基板904の底面へと延びる追加的なトレンチ隔離領域924bを形成している。トレンチ隔離領域924bは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料902と隣接する装置との間の電気経路を遮断する酸化物トレンチであり得る。
【0064】
図9Eは、画素同士の隔離を伴う光検出装置の断面図を示している。光検出装置900eは、半導体基板904の上面から半導体基板904の底面へと延びるトレンチ隔離領域924bを形成している。トレンチ隔離領域924bは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料902と隣接する装置との間の電気経路を遮断する酸化物トレンチであり得る。
【0065】
図10Aは、一部の実施形態による光検出装置の断面図を示している。図10Aの実施形態は、上記の実施形態からの要素を備えて組み合わせている。光検出装置1000aは制御金属線1006a、1006bと読み出し金属線1008a、1008bとを備える。制御金属線1006a、1006bと読み出し金属線1008a、1008bとは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料1002の表面1002sに電気的に結合されている。制御金属線1006a、1006bは表面1002sにおけるP型領域1003a、1003bにそれぞれ電気的に結合されている。読み出し金属線1008a、1008bは表面1002sにおけるN型領域1001a、1001bにそれぞれ電気的に結合されている。同様に、光検出装置1000aは、光学信号ILによって距離情報を得ることができる。明確には、光学信号ILは、吸収領域ARに入るとき、電子正孔対へと変換されてから、P型領域1003a、1003bの間で発生させられる電界によって分離される。電子は、制御信号cs1、cs2に従って、N型領域1001aまたはN型領域1001bのいずれかに向けて移動できる。一部の実施では、制御信号cs1およびcs2は異なる電圧信号である。一部の実施では、制御信号cs1およびcs2の一方は一定の電圧信号(例えば、0.5V)であり、他方の制御信号は時間変化する電圧信号(例えば、0Vから1Vの間での正弦波信号、クロック信号、またはパルス信号)である。光検出装置1000aと目標物体(図10Aには示されていない)との間に存在する距離のため、光学信号ILは、送信機(図10Aには示されていない)によって送信された、送信された光に対して位相遅れを有する。送信された光は変調信号によって変調され、電子正孔対は別の復調信号によって制御金属線1006aおよび1006bを通じて復調される。コンデンサ1010aおよびコンデンサ1010bに保存されている電子または正孔は、距離に応じて変化させられる。そのため、光検出装置1000aは、コンデンサ1010aにおける電圧v1とコンデンサ1010bにおける電圧v2とに基づいて距離情報を得ることができる。一実施形態によれば、距離情報は、入力変数としての電圧v1および電圧v2との計算に基づいて導き出すことができる。一例について、パルス飛行時間構成では、電圧v1および電圧v2に関連する電圧比が入力変数として使用される。別の例について、連続波飛行時間構成では、電圧v1および電圧v2に関連する同相電圧および直交電圧が入力変数として使用される。
【0066】
距離を検出することに加えて、光検出装置1000aは、N型領域1001a、1001bおよびP型領域1003a、1003bについて異なる深さ設計を含み、P型領域1003aとP型領域1003bとの間の漏れ電流を低減することができるNウェル1011a、1011bも追加している。第二に、光検出装置1000aは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料1002を覆うウェル形のP型領域1019を備え、P型領域1019はバイアス電圧ca2を通じて正孔を収集および放出できる。第三に、光検出装置1000aは、表面1002sを、表面1002sに存在する欠陥へと処理するために、保護層1014と中間層誘導体ILDとを備える。第四に、光検出装置1000aは、表面1002sにおける空乏、反転、または蓄積を発生させるためにバイアスされてもされなくてもよい金属1021を備える。さらに、金属1021は、残留の光学信号ILを電子正孔対へと変換されるようにゲルマニウムに基づく光吸収材料1002へと戻すように反射するための鏡として使用され得る。第五に、光検出装置1000aは、電圧降下を低減するためにシリサイド1013a、1013b、1015a、1015bを加えている。第六に、光検出装置1000aは、材料をドーピングするか酸化物を絶縁するかのいずれかによって実施される隔離領域1024を追加できる。隔離領域1024はバイアス電圧ca3に電気的に結合され得る。一部の実施では、隔離領域1024とP型領域1019とは金属層によって電気的に一緒に結合でき、金属層は、浮動とされたままであるか、または、電圧減に電気的に結合されている。
【0067】
図10Bは、一部の実施形態による光検出装置の断面図を示している。光検出装置1000bの構造は光検出装置1000aと同様である。違いは、図10Bにおける制御金属線1006a、1006bが非ドープ領域1005a、1005bに電気的に結合されていることである。
【0068】
さらに、前述の実施形態が光学信号ILを吸収するためにゲルマニウムに基づく光吸収材料1002を使用しているが、ゲルマニウムに基づく光吸収材料1002のない実施形態が実施されてもよい。図10Cに示されているように、光検出装置1000cは半導体基板1004を光吸収材料として使用できる。一部の実施では、半導体基板1004は、シリコン、シリコン−ゲルマニウム、ゲルマニウム、またはIII−V族化合物であり得る。加えて、図10Dに示されている実施形態のように、P型領域1003a、1003bおよびNウェル1011a、1011bが半導体基板1004の表面1002sに加えられてもよい。
【0069】
光検出装置1000a、1000b、1000c、および1000dは、先に開示されている実施形態(図1A図9E)からの可能な組み合わせを示すために図示されている。装置の実施者は、他の光検出装置を実施するために2つ以上の上記の実施形態を任意で組み合わせることができ、数々の組み合わせが実施され得ることを理解されたい。
【0070】
実施形態に示されたドープ領域についてのドーピング濃度が適切に設計され得ることは、留意されている。図10Aの実施形態を例として挙げると、N型領域1001a、1001bのドーピング濃度とP型領域1003a、1003bのドーピング濃度とは異なる可能性がある。一実施では、P型領域1003a、1003bは低濃度でドープされ、N型領域1001a、1001bは高濃度でドープされる。概して、低濃度でドープすることについてのドーピング濃度は1016/cm以下から1018/cmまでの範囲であり、高濃度でドープすることについてのドーピング濃度は1018/cmから1020/cm以上までの範囲であり得る。ドーピング濃度の調節を通じて、ショットキー接触が制御金属線1006a、1006bとP型領域1003a、1003bとの間にそれぞれ形成でき、オーム接触が読み出し金属線1008a、1008bとN型領域1001a、1001bとの間にそれぞれ形成され得る。この筋書きにおいて、制御金属線1006a、1006bとP型領域1003a、1003bとの間の抵抗は、読み出し金属線1008a、1008bとN型領域1001a、1001bとの間の抵抗より大きい。
【0071】
他方で、それらのドープ領域についてのドープの種類は異なる方法で実施されてもよい。例として図10Aの実施形態を挙げると、P型領域1003a、1003bは、N型ドーパントでドープされる場合、N型によって置き換えられ得る。同様に、N型領域1001a、1001bは、P型ドーパントでドープされる場合、P型によって置き換えられ得る。そのため、ドープ領域1001a、1001b、1003a、および1003bがすべて同じ種類のドーパントでドープされる実施形態を実施することが可能である。
【0072】
一部の実施形態による光検出装置の平面図を示している図11Aを参照されたい。光検出装置1100aは、ゲルマニウムに基づく光吸収材料1102における制御金属線1106a、1106b、読み出し金属線1108a、1108b、N型領域1001a、1001b、およびP型領域1003a、1003bについてのレイアウト位置を含む。この実施形態では、制御金属線1106a、1106bは軸、X軸上に位置決めされているが、読み出し金属線1108a、1108bは軸、X軸上に位置決めされていない。この実施形態では、4つの端子が同じ軸上になく、これは光検出装置1100aの面積を縮小させることができる。各々の要素の間の幾何学的関係が図11Aに示されている。
【0073】
図11Bは、一部の実施形態による光検出装置の平面図を示している。図11Aと比較して、制御金属線1106a、1106bは軸、X軸上に位置決めされていないが、軸、X軸に対して垂直の方向において読み出し金属線1108a、1108bとそれぞれ並べられている。同様に、各々の要素の間の幾何学的関係が図11Bに示されている。
【0074】
図11Cは、一部の実施形態による光検出装置の平面図を示している。制御金属線1106a、1106bは、吸収領域ARの上方で、光学窓WDにおける対角線方向において互いと反対に形成されている。読み出し金属線1108a、1108bは軸、X軸上に形成されている。
【0075】
図11Dは、一部の実施形態による光検出装置の平面図を示している。図11Dにおける光検出装置は、図11Cにおける光検出装置と同様であるが、ゲルマニウムに基づく光吸収材料1102は、軸、X軸がゲルマニウムに基づく光吸収材料1102における対角線方向になるように回転させられている。これは光検出装置の全体の面積を縮小もする。
【0076】
図11Eは、一部の実施形態による光検出装置の平面図を示している。この実施形態と先の実施形態との間の違いは、光学窓WDが八角形として設計され得ることである。光学窓WDは他の形(例えば、円および六角形など)としても設計され得る。
【0077】
図11A図11Dは、制御金属線1106a、1106b、読み出し金属線1108a、1108b、N型領域1001a、1001b、およびP型領域1003a、1003bについてレイアウト位置を調節したいくつかの実施形態を示している。実施者は、チップの面積を縮小および最小化するためにこれらの要素の異なる幾何学的関係を設計することもできる。これらの代替の実施形態は、限定ではなく、参考として示されている。
【0078】
先に記載されている光検出装置は単一の光検出器を実施形態として使用しており、これは単一の画素の用途のためである。以下に記載されている光検出装置は、複数の画素の用途(例えば、画像画素配列または画像センサ)のための実施形態である。
【0079】
一部の実施では、光検出装置は、例えば、同じもしくは異なる波長を伴う、同じもしくは異なる変調を伴う、または、異なる時間フレームで動作させられるといった、同じまたは異なる光学信号を受信するように設計され得る。
【0080】
図12Aを参照されたい。光検出装置1200aは、例として4つの画素12021、12022、12023、12024を含む画素配列を備える。各々の画素は、本明細書に記載されている実施形態による光検出器である。一実施形態では、光学波長λを含む光学信号ILがこの配列における画素12021、12024によって受信され、光学波長λを含む光学信号ILがこの配列における画素12022、12023によって受信される。代替の実施形態では、1つだけの光学波長λであるが、複数の変調周波数fmod1およびfmod2(または、さらに多く)を有する。例えば、画素12021、12024には、変調周波数fmod1が適用されて光学信号ILにおけるこの周波数成分を復調し、画素12022、12023には、変調周波数fmod2が適用されて光学信号ILにおけるこの周波数成分を復調する。代替の実施形態では、同様に、1つだけの光学波長λであるが、複数の変調周波数fmod1およびfmod2(または、さらに多く)を有する。しかしながら、時間tにおいて、配列における画素は変調周波数fmod1によって駆動されて光学信号におけるこの周波数成分を復調するが、別の時間tにおいて、配列における画素は変調周波数fmod2によって駆動されて光学信号ILにおけるこの周波数成分を復調し、したがって、画素配列1200aは時間多重化モードにおいて動作させられる。
【0081】
代替の実施形態では、光学波長λおよびλは、fmod1およびfmod2によってそれぞれ変調され、次に画素配列1200aによって収集される。時間tにおいて、画素配列1200aはλにおいて光学信号を復調するようにfmod1で動作させられ、一方時間tにおいて、画素配列1200aはλにおいて光学信号を復調するようにfmod2で動作させられる。代替の実施形態では、光学波長λおよびλを伴う光学信号ILがfmod1およびfmod1によってそれぞれ変調され、入ってくる変調光学信号ILを同時に復調するために、画素12021、12024がfmod1よって駆動される一方で画素12022、12023がfmod2よって駆動される。当業者は、光学波長、変調スキーム、および時間分割の他の組み合わせが実施され得ることを容易に認識するものである。
【0082】
図12Bを参照されたい。光検出装置1200bは4つの画素12021、12022、12023、12024を含む。各々の画素は光検出器であり、先に記載されている実施形態を使用できる。図12Aで示されたレイアウトに加えて、画素12021、12022、12023、12024は、各々の画素の幅および長さが隣接する画素の幅および長さに対して垂直な方向で配置されている図12Bに示されているような互い違いのレイアウトで配置できる。
【0083】
図13Aは、一部の実施形態による、位相変化を伴う変調スキームを用いる光検出装置1300aのブロック図である。光検出装置1300aは、目標物体1310との距離情報を検出することができる間接的な飛行時間に基づく深さ画像センサである。光検出装置1300aは、画素配列1302と、レーザーダイオードドライバ1304と、レーザーダイオード1306と、クロックドライバ13081、13082を含むクロック駆動回路1308とを備える。画素配列1302は、本明細書に開示されている実施形態による複数の光検出器を備えている。概して、センサチップは、1)送信された光学信号をレーザーダイオードドライバ1304によって変調するため、および、2)受信/吸収した光学信号を画素配列1302によって復調するために、クロック信号を生成して送り出す。深さ情報を得るために、画素配列全体におけるすべての光検出器は、同じクロックを参照することで復調され、これは、時系列において、例えば0°、90°、180°、および270°といった可能な4つの直交位相へ変化し、送信機側において位相変化はない。しかしながら、この実施形態では、4つの直交位相の変化は送信機側において実施され、以下において説明されているように、受信側において位相変化はない。
【0084】
クロックドライバ13081、13082によってそれぞれ生成されるクロック信号CLK1、CLK2のタイミング図を描写している図13Bを参照されたい。クロック信号CLK1は、例えば0°、90°、180°、および270°といった4つの直交位相変化を伴う復調信号であり、クロック信号CLK2は、位相変化のない復調信号である。明確には、クロック信号CLK1は、レーザーダイオード1306が変調されて送信された光TLを生成することができるようにレーザーダイオードドライバ1304を駆動する。クロック信号CLK2およびその反転した信号CLK2’(図13Bには示されていない)は、復調のために、制御信号cs1および制御信号cs2(上記の実施形態に示されている)として使用されている。別の言い方をすれば、この実施形態における制御信号cs1と制御信号cs2とは異なる信号である。この実施形態は、寄生抵抗−容量誘導メモリ効果のため、画像センサに固有の可及的な時間干渉性を回避することができる。
【0085】
図13Cおよび図13Dを参照されたい。図13Aと比較して、光検出装置1300cは、受信側において2つの復調スキームを用いている。画素配列1302は、第1の画素配列1302aと第2の画素配列1302bとの2つの部分を含む。第1の画素配列1302aに適用される第1の復調スキームと、第2の画素配列1302bに適用される第2の復調スキームとは、時系列において異なる。例えば、第1の画素配列1302aには、時系列における位相変化が0°、90°、180°、および270°である第1の復調スキームが適用される。第2の画素配列1302bには、時系列における位相変化が90°、180°、270°、および0°である第2の復調スキームが適用される。正味の効果は、第1の画素配列1302aにおける位相変化が第2の画素配列1302bにおける位相変化に対して直交する位相にある一方で、送信側には位相変化がないことである。この動作は、復調波形が理想的な方形波でない場合、電力供給から引き出される最大瞬間電流を低減することができる。
【0086】
光検出装置1300cを使用する変調スキームを示している図13Eを参照されたい。図13Dと比較して、この実施形態は位相変化を送信側に適用しているが、2つの異なる一定の位相を2つの異なる画素配列1302a、1302bに設定していることを除いて、位相変化を受信側において2つの異なる画素配列1302a、1302bに適用しておらず、2つの異なる一定の位相は互いに対して直交する位相である。例えば、送信側における変調信号は、時系列における位相変化が0°、90°、180°、および270°であるクロック信号CLK1である。受信側における復調信号はクロック信号CLK2、CLK3である。クロック信号CLK2は、0°の一定の位相を有する、画素配列1302aによって吸収される入射光学信号ILを復調するために使用される。クロック信号CLK3は、90°の一定の位相を有する、画素配列1302bによって吸収される入射光学信号ILを復調するために使用される。
【0087】
図13A図13Eに示された実施形態は、50%のデューティサイクルを伴うクロック信号を変調信号および復調信号として使用するが、他の可能な実施では、デューティサイクルは異なってもよい(例えば、30%のデューティサイクル)。一部の実施では、方形波の代わりに正弦波が変調信号および復調信号として使用される。
【0088】
図14は、一部の実施形態による、位相変化を伴う変調スキームを用いる光検出装置を使用するための処理を示している。他の実体が、他の実施形態では、処理のステップのうちの一部または全部を実施する。同様に、実施形態は、異なるステップおよび/もしくは追加のステップを含んでもよい、または、ステップを異なる順番で実施してもよい。
【0089】
図14の実施形態では、光検出方法は、第1の変調信号によって変調される光学信号を送信するステップであって、光学信号は、多重時間フレームのための1つまたは複数の所定の位相を伴う第1の変調信号によって変調される、ステップ1401と、反射された光学信号を光検出器によって受信するステップ1402と、反射された光学信号を1つまたは複数の復調信号によって復調するステップであって、1つまたは複数の復調信号は、多重時間フレームのための1つまたは複数の所定の位相を伴う信号である、ステップ1403と、少なくとも1つの電圧信号をコンデンサにおいて出力するステップ1404とを含む。この方法では、光検出器は、本開示において言及された実施形態またはその変形を使用することができる。
【0090】
本発明は、例を用いて、好ましい実施形態において記載されてきたが、本発明がそれらに限定されないことは理解されるものである。逆に、様々な改良および同様の配置および手順を網羅するように意図されており、そのため、添付の請求項の範囲は、このような改良および同様の配置および手順のすべてを網羅するように、最も広い解釈で与えられるべきである。
【符号の説明】
【0091】
100a、100b、100c、100d、100e、200a、200b、200c、200d、200e、200f、300a、400a、500a、600a、600b、700a、700b、800a、900a、900c、900d、900e、1000a、1000b、1100a、1200a、1200b、1300a、1300c 光検出装置
101a、101b ドープ領域
201a、201b、301a、301b、401a、401b、501a、501b、601a、601b、701a、701b、801a、801b、901a、901b、1001a、1001b N型領域
102、202、302、402、502、602、702、802、902、1002 ゲルマニウムに基づく光吸収材料
102s、102ss、202s、202ss、302s、302ss、402s、502s、602s、602ss、702s、802s、902s、1002s 表面
103a、103b ドープ領域
104、204、304、904、1004 半導体基板
105a、105b、1005a、1005b 非ドープ領域
106a、106b、206a、206b、306a、306b、406a、406b、506a、506b、606a、606b、706a、706b、806a、806b、906a、906b、1006a、1006b、1106a、1106b 制御金属線
108a、108b、208a、208b、308a、308b、408a、408b、508a、508b、608a、608b、708a 708b、808a、808b、908a、908b、1008a、1008b、1108a、1108b 読み出し金属線
110a、110b、1010a、1010b コンデンサ
203a、203b、303a、303b、403a、403b、503a、503b、603a、603b、703a、703b、803a、803b、903a、903b、1003a、1003b P型領域
202v ゲルマニウム貫通ビア
204v、314 シリコン貫通ビア
207、207a、207b、307 N型領域
309a、309b 空乏領域
312 誘電層
411a、411b、1011a、1011b Nウェル
451a、451b Pウェル
513a、513b、515a、515b シリサイド
514、1014 保護層
617 N型領域
619 P型領域
721、716a、716b、718a、718b 金属
721d、716ad、716bd、718ad、718bd 空乏/蓄積/反転の領域
721e、716ae、716be、718ae、718be 偏極された誘導体
723a、723b 金属
725a、725b 偏極された誘導体
801a、801b、803a、803b ドープ領域
829、831a、831b、833a、833b イオン処理領域
924、924a 隔離領域
924b トレンチ隔離領域
1013a、1013b、1015a、1015b シリサイド
1019 P型領域
1021 金属
1024 隔離領域
12021、12022、12023、12024 画素
1302 画素配列
1302a 第1の画素配列
1302b 第2の画素配列
1304 レーザーダイオードドライバ
1306 レーザーダイオード
1308 クロック駆動回路
13081、13082 クロックドライバ
1310 目標物体
AR 吸収領域
ca1、ca2、ca3 バイアス電圧
CLK1、CLK2、CLK3 クロック信号
CLK2’ 反転した信号
cs1、cs2 制御信号
d1、d2 深さ
mod1、fmod2 変調周波数
IL 光学信号
ILD 中間層誘電体
TL 変調されて送信された光
v1、v2 電圧
vb1、vb2 バイアス電圧
vb2、vb3 ボディバイアス
w1、w2 幅
WD 光学窓
λ、λ、λ 光学波長
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14
【手続補正書】
【提出日】2021年3月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板によって支持され、800nmより大きい第1の波長を有する第1の光学信号を吸収するように構成される第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料と、
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第1の領域に電気的に結合される第1の金属線と、
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第2の領域に電気的に結合される第2の金属線と、
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第3の領域に結合される第3の金属線と、
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第4の領域に結合される第4の金属線と、
を備え、
前記第1の領域はドープされないかまたは第1の種類のドーパントでドープされ、前記第2の領域は第2の種類のドーパントでドープされ、前記第1の金属線は、前記第2の領域によって収集されるように、前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の内部で発生させられるある量の第1の種類の光発生キャリアを制御するように構成され
前記第3の領域はドープされないかまたは前記第1の種類のドーパントでドープされ、前記第4の領域は前記第2の種類のドーパントでドープされ、前記第3の金属線は、前記第4の領域によって収集されるように、前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の内部で発生させられる前記ある量の前記第1の種類の光発生キャリアを制御するように構成され、
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第1の面から延びる前記第1の領域の深さは、前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の前記第1の面から延びる前記第2の領域の深さより小さい、光検出装置。
【請求項2】
前記第1の領域、前記第2の領域、前記第3の領域、および前記第4の領域が形成される前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第1の面と反対の第2の面に形成される第5の領域を備え、前記第5の領域は前記第2の種類のドーパントでドープされる、請求項に記載の光検出装置。
【請求項3】
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料は前記第2の種類のドーパントでドープされる、請求項2に記載の光検出装置。
【請求項4】
前記第1の種類のドーパントでドープされる前記第1の領域は低濃度でドープされる、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項5】
前記第1の種類のドーパントのドーピング濃度が前記第2の種類のドーパントのドーピング濃度より低い、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項6】
前記半導体基板に前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の隣で配置される前記第1の種類のドーパントでのU字形ドープ領域を備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項7】
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料と前記半導体基板との間に埋め込まれる誘電層をさらに備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項8】
前記第1の領域を一部または全部で包囲する前記第2の種類のドーパントを伴うウェル領域をさらに備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項9】
前記第2の領域を一部または全部で包囲する前記第1の種類のドーパントを伴うウェル領域をさらに備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項10】
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料の第1の面に形成される保護層をさらに備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項11】
前記保護層の上方に形成され、前記第1の光学信号を反射させることができる位置に配置される金属板を備える、請求項10に記載の光検出装置。
【請求項12】
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料を一部または全部で包囲する隔離領域を備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項13】
第1のケイ化物が前記第1の金属線と前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料との間に形成され、第2のケイ化物が前記第2の金属線と前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料との間に形成される、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項14】
前記半導体基板によって支持される第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料を備え、
前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料は、上方視点から、第1の長さおよび第1の幅を伴う第1の矩形を形成し、
前記第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料は、上方視点から、第2の長さおよび第2の幅を伴う第2の矩形を形成し、
前記第1の長さの方向と前記第2の長さの方向とは互いに対して垂直である、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項15】
前記半導体基板によって支持される第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料を備え、
前記第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料は、第2の波長を伴う第2の光学信号を吸収するように構成され、前記第2の波長は前記第1の波長と異なる、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項16】
前記半導体基板によって支持される第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料を備え、
前記第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料は第2の光学信号を吸収するように構成され、前記第1の光学信号は第1の変調信号で適用され、前記第2の光学信号は第2の変調信号で適用され、前記第1の変調と前記第2の変調とは異なる、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項17】
光学信号を送信するためのレーザードライバに結合されるレーザーを備え、
前記光学信号は、多重時間フレームのための複数の所定の位相を伴う第1の変調信号によって変調され、前記第1の光学信号は、物体から反射される前記光学信号であり、前記第1のゲルマニウムに基づく光吸収材料によって吸収される前記第1の光学信号は、前記多重時間フレームのための第1の単一の所定の位相を伴う第2の変調信号によって復調される、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項18】
前記半導体基板によって支持される第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料を備え、
前記第2のゲルマニウムに基づく光吸収材料によって吸収される前記第1の光学信号は、前記多重時間フレームのための第2の単一の所定の位相を伴う前記第2の変調信号によって復調され、前記第2の単一の所定の位相は、前記第1の単一の所定の位相に対して直交する位相である、請求項17に記載の光検出装置。
【国際調査報告】