(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-512667(P2021-512667A)
(43)【公表日】2021年5月20日
(54)【発明の名称】ゲーム用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/80 20140101AFI20210423BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20210423BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20210423BHJP
A63F 13/213 20140101ALI20210423BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20210423BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20210423BHJP
G06Q 50/34 20120101ALI20210423BHJP
A63F 5/04 20060101ALN20210423BHJP
A63F 3/06 20060101ALN20210423BHJP
A63F 3/00 20060101ALN20210423BHJP
【FI】
A63F13/80 F
A63F13/30
A63F13/792
A63F13/213
A63F13/533
A63F13/52
G06Q50/34
A63F5/04 502
A63F3/06 B
A63F3/00 507
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-540543(P2020-540543)
(86)(22)【出願日】2019年1月25日
(85)【翻訳文提出日】2020年9月7日
(86)【国際出願番号】GB2019050212
(87)【国際公開番号】WO2019150082
(87)【国際公開日】20190808
(31)【優先権主張番号】1801719.4
(32)【優先日】2018年2月2日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518350945
【氏名又は名称】ティーシーエス ジョン ハクスレー ヨーロッパ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TCS JOHN HUXLEY EUROPE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】サンダース, アンドリュー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】フレンチ, ニコラス リチャード ベイカー
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC54
(57)【要約】
本発明のゲーム用システムの目的は、所与の期間における最大のベット機会の数を提供することであり、機会の数は、地域の固有の賭博規制にしたがってカスタマイズすることができ、ある期間当たりの最大のベット機会の数は、賭博規制に対して後に行われるあらゆる変更を受け入れるために調整することが可能である。ベット機会の数を最大化することは、消費者体験を向上させることが好ましい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム用システムであって、
少なくとも2つの物理的な乱数発生器であり、
それぞれが、調整可能な開始時間の動作可能期間を有し、
前記動作可能期間中、乱数が生成され、
前記動作可能期間がベット期間を含む、
少なくとも2つの物理的な乱数発生器と、
ベットインターフェースを提供するように構成されるゲーム用端末と、
前記ゲーム用端末とデジタル通信するメモリユニットと、
制御ユニットであり、
前記ゲーム用端末、
前記メモリユニット、及び
前記物理的な乱数発生器のそれぞれ
を制御するように構成される制御ユニットと
を具備し、
前記ベットインターフェースが、
ユーザからの入力を受け取るための入力部分であり、前記入力が、
ベット期間中のベット情報と
前記少なくとも2つの乱数発生器のうちの1つの選択と
を含む、入力部分を備え、
前記ベットインターフェースが、ユーザへ出力情報を提供する出力部分をさらに備え、
前記メモリユニットが、ユーザから前記入力部分へ入力された以前のベット情報を記憶するように構成され、
前記動作可能期間の前記開始時間及びそれぞれの後続の開始時間が、前記制御ユニットにより制御され、それぞれの動作可能期間の開始時間が時間間隔により互い違いになる、
ゲーム用システム。
【請求項2】
前記時間間隔が予め定められる、請求項1に記載のゲーム用システム。
【請求項3】
前記ベット期間の長さが前記制御ユニットにより制御され、前記ゲーム用端末で2つのベット期間が重複しないように、前記制御ユニットが前記少なくとも2つの物理的な乱数発生器を動作させる、請求項1又は2に記載のゲーム用システム。
【請求項4】
後続のベット期間中に以前のベット情報を再入力する目的のために、前記ベットインターフェースが、前記メモリユニットから前記以前のベット情報にアクセスするために使用され得る、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲーム用システム。
【請求項5】
前記ゲーム用端末が、一度に1つの乱数発生器に対してのみにベット情報の前記入力を許可する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲーム用システム。
【請求項6】
前記動作可能期間、
前記ベット期間、
のいずれかの前記開始時間が、調整され得る、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲーム用システム。
【請求項7】
前記動作可能期間、
前記ベット期間、
のいずれかの前記長さが、調整され得る、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲーム用システム。
【請求項8】
前記動作可能期間が、調整可能な開始時間及び長さの終了期間をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲーム用システム。
【請求項9】
前記動作可能期間が、調整可能な開始時間及び長さの「ノーモアベット」期間をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲーム用システム。
【請求項10】
前記ゲーム用端末が、ユーザに利用可能なすべてのベット選択肢のビュー、及び前記すべてのベット選択肢へのアクセスを提供する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のゲーム用システム。
【請求項11】
前記ベットインターフェースの前記出力部分が、前記乱数発生器のうち少なくとも1つのビューを出力する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のゲーム用システム。
【請求項12】
ユーザに出力するための、前記乱数発生器のうち少なくとも1つのビューを、前記ゲーム用端末へ提供する少なくとも1つのカメラをさらに備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載のゲーム用システム。
【請求項13】
ユーザに出力するために前記ゲーム用端末に提供される前記ビューがリアルタイム動画である、請求項12に記載のゲーム用システム。
【請求項14】
前記ゲーム用端末が、前記乱数発生器のうち前記少なくとも1つに対してリモートである、請求項12又は13に記載のゲーム用システム。
【請求項15】
複数のゲーム用端末を備える、請求項1〜14のいずれか一項に記載のゲーム用システム。
【請求項16】
前記少なくとも2つの乱数発生器が、ルーレット回転盤、ダイスシェイカ、ダイススピナ、数字回転盤、マネーホイール、シックボー、カード、電子カードシュー、手動カードシュー、ビンゴ機、抽選機の範囲から選択される、請求項1〜15のいずれか一項に記載のゲーム用システム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、電子ゲーム用システムに関し、より詳細にはカジノで使用するための同期的な電子ゲーム用システムに関する。
【0002】
世界中の多くの地域において、賭博の法律、規則、及び規制は、特にルーレット回転盤などの物理的な賭博機会に対して、過剰な賭け(bet、ベット)を防止している。そのような規制は、典型的には所与の期間におけるベット機会の数を制限している。
【0003】
現在利用可能な賭博機会のソースとしては、例えばルーレットなどのカジノ環境におけるゲーム用システムが挙げられ、物理的な乱数発生器のいくつかの形態が、少なくとも1つの勝利条件を得るために使用される。そのようなゲームは、一般的には運用者、又はディーラを含み、彼らの役割は多くの場合、特定のゲームのペースを制御し、ローカルの賭博規制にしたがって所与の期間におけるベット機会の数を最大化することである。ベット機会の数を増やすことが、消費者体験を向上させ、以て楽しみを広げ、退屈さを軽減するために意図される。
【0004】
特定の賭博機会中に費やされる時間の長さを削減し、以て所与の期間当たりの賭博機会の数を増加させるために前記運用者又はディーラを訓練することは可能であるが、これらの人間により駆動されるシステムは、本質的に所与の期間当たりの賭博機会の数を十分に最大化することができない可能性がある。
【0005】
カジノ環境におけるゲーム用システムは、多くの場合、改善された効率性及びヒューマンエラーの除去を目的として、自動化された特徴の何らかの形態を益々含む。これらの自動化は、とりわけカジノチップのソート、及びデータ追跡における場合がある。そのような自動化及びデータ追跡方法は、ゲーム用システムにおけるボトルネックを特定するために使用することができ、ベット機会の長さ中に費やされる時間を削減するために前記システムを訓練して最適化するために使用することもできる。しかしながら、これらのシステムは、所与の期間当たりのベット機会の数をなお完全には最大化しない。
【0006】
したがって、地域の固有の賭博規制にしたがってカスタマイズし、1時間当たりの可能なベット機会の数を最大化し、1時間当たりのベット機会の最大数は、賭博規制に対して後に行われるあらゆる変更を受け入れるために調整することが可能であることが望ましい。ベット機会の数を最大化することは、消費者体験を向上させることが好ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明の第1の態様によると、ゲーム用システムであって、少なくとも2つの物理的な乱数発生器であり、それぞれが、調整可能な開始時間の動作可能期間を有し、動作可能期間中、乱数が生成され、動作可能期間がベット期間を含む、少なくとも2つの物理的な乱数発生器と、ベットインターフェースを提供するように構成されるゲーム用端末と、ゲーム用端末とデジタル通信するメモリユニットと、ゲーム用端末、メモリユニット、及び物理的な乱数発生器のそれぞれを制御するように構成される制御ユニットと、を具備し、ベットインターフェースが、ユーザからの入力を受け取るための入力部分であり、入力が、ベット期間中のベット情報と、少なくとも2つの乱数発生器のうちの1つの選択とを含む、入力部分を備え、ベットインターフェースが、ユーザへ出力情報を提供する出力部分をさらに備え、メモリユニットが、ユーザから入力部分へ入力された以前のベット情報を記憶するように構成され、動作可能期間の開始時間及びそれぞれの後続の開始時間が、制御ユニットにより制御され、それぞれの動作可能期間の開始時間が時間間隔により互い違いになる、ゲーム用システムが提供される。
【0008】
時間間隔は、予め定められることが好ましい。時間間隔は、調整可能であることが好ましい。
【0009】
本発明の乱数発生器は、物理的であり、乱数生成は、ソフトウェア由来のものとは反対に、知覚可能な動作可能期間中のライブ事象を構成しており、乱数の生成は瞬間的なものと考えることができる。任意選択でルーレット回転盤であり得るそれぞれの乱数発生器の動作可能期間は、調整可能な開始時間を有する。調整可能な開始時間により、それぞれの乱数発生器の動作可能期間は順次に起こることができる。そのようにしながら、本発明は、ルーレット回転盤などの乱数発生器の動作可能期間を同期させる特徴を提供する。そのようにして、それぞれの乱数発生器の利用可能なベット期間が互い違いになることにより、そのベット期間が互いに最小の間隔において起こる。これにより、1時間当たりのそれぞれの乱数発生器の動作可能期間の最大数が可能となり、複数テーブルでの同時的なベットを許すことなく時間ごとのベット機会を最大化する。
【0010】
したがって本発明は、物理的な乱数発生器システムの同期性の技術的課題に対処することが好ましい。そのような課題には、プレーヤにベット機会を与えないベット期間同士の間の不必要な時間間隔を解消することが含まれる。プレーヤ満足度を改善するために、前記間隔における削減が好ましく、本発明によって提供されるベット期間の適当な同期性は、この課題を解消することが好ましい。この同期性の課題は、同時的に動作する物理的な乱数発生器の数が増加するにつれ、著しくより困難になる。本発明による物理的な乱数発生器を同期させる行為は、単純に、時間により動作可能期間を同期させる行為ではない。ルーレット回転盤などの物理的な乱数発生器の動作可能期間中、動作可能期間、ベット期間、及び/又は終了期間の持続時間に影響を及ぼす複数の(多くの場合、乱数化されている、又は可変である)要因がある。これらの要因としては、適切な一例として、ルーレット回転盤を使用して、ルーレット回転盤の球体軌道を回転するルーレット球体の乱数化された及び/又は可変の打ち出し(launch)速度、球体軌道を回転する球体の乱数化された及び/又は可変の方向、打ち出し中若しくは打ち出し後にルーレット球体に与えられるあらゆる乱数化された及び/又は可変のスピン、並びにそのスピンの速度及び方向、前記球体が球体軌道を離れるのにかかる時間、1つ又は複数の球体偏向器とのあらゆる数のランダムな衝突を含み得る低い球体軌道又はスピンドル内に含まれるポケットに向かうエプロンに沿う球体の軌跡、球体軌道又はスピンドルのポケットに向かう低い球体軌道からの球体の落下速度、スピンドルの乱数化された及び/又は可変のスピン速度、あらゆる数のフレット又はポケットセパレータと球体とのあらゆる衝突、並びに、球体が回収されるため、勝った賭け人に報酬を与えるため、及び物理的な乱数発生器の動作可能期間を再度開始するための終了期間などのあらゆる乱数化された及び/又は可変の期間、が挙げられる。これらのランダムな及び/又は可変の要因の組み合わせの結果、動作可能期間及び/又はベット期間の持続時間は予め定めることができず、そのため現時点では他の類似の予測できないベット期間と容易に同期させることができない。しかしながら、結果の予測性を低減し、以て不正行為を低減するために、そのような要因における乱数化及び/又は可変性は、重要である。前記乱数化された又は可変の要因のいくつかの同期化は、予測性を低減するような方法で組み合わせることができる。例えば2つのルーレット回転盤を備える実施形態では、第1の回転盤の速度は、任意の1ゲームにおいて第1の回転盤が同期される第2の回転盤の速度と比べて速く/遅く動かされる場合がある。本発明における同期化は、時間間隔により動作可能期間の開始時間を互い違いにすることにより達成されることが好ましい。前記時間間隔は、1つの物理的な乱数発生器の動作可能期間の開始時間が時間間隔の終了時間と一致するように、2つ以上の物理的な乱数発生器の乱数化された及び/又は可変の要因にしたがって制御されるか又は予め定められる可能性があることが好ましい。本発明の文脈において、用語「可変の」は、「乱数化された」とは反対に、所定の値に設定可能であることを意味すると理解されよう。乱数化がコンピュータプロセッサによって決定される例では、前記乱数化は疑似乱数化を伴う場合がある。
【0011】
先に言及した課題と併せて、ローカル及び地域的な賭博規制により決定されるように所与の期間に特定の数のベット機会(1時間に60ベット機会など)が与えられるよう意図される場合、乱数発生器のベット期間の同期化は、さらに悪化する場合がある。物理的な乱数発生器の動作可能期間のすべて又は一部の、上で議論された多くの乱数化された要因のうちのいずれかによってある程度支配される、乱数化された持続時間は、これが1分当たり1回など、慎重に定義可能なベット機会の頻度を構成しないことを意味する。代わりに、このベット機会の最大数は、上で議論した要素の内とりわけ変化する(また多くの場合乱数化される)球体落下の速度/回転盤速度に適合する、複数の物理的な乱数発生器の動作可能期間の適当な同期化により取得されるべきである。したがって、本発明において提供される同期化は、所与の時間に2つ以上の物理的な乱数のベット期間の頻度を予め定義することのだけのものではなく、技術的課題に対処するものである。
【0012】
ベット期間の長さは制御ユニットにより制御され、ゲーム用端末で2つのベット期間が重複しないように、制御ユニットは少なくとも2つの物理的な乱数発生器を動作させることが好ましい。本発明の文脈において、用語「ゲームする」は、当業者により「賭博する」を意味すると理解されよう。
【0013】
ゲーム用端末は、ユーザ入力を受け取るベットインターフェースを備え、タッチ感応画面をタッチする形態であることが好ましく、ベットする乱数発生器の選択及び関連付けられるベット情報を定義する。入力されたベット情報は、数字、数字のグループ及び/又はカテゴリを、ベットの通貨値とともに、含む場合がある。ゲーム用端末は、乱数発生器の結果に基づいてユーザにフィードバックを提供することが好ましい出力をさらに含み、また万が一ユーザが成功裏に乱数発生器の結果を予測した場合はジャックポットシーケンスを含むことが好ましい。出力は、選ばれた乱数発生器のライブの、リアルタイムの、視覚的表示をさらに含むことが好ましく、1つ又は複数の他の乱数発生器のライブの視覚的表示も含むことがさらに好ましい。ゲーム用端末に一度に視覚的に表示される乱数発生器が複数ある場合、ゲーム用端末はユーザがアクティブであるとして選択した乱数発生器の視覚的な指標をさらに含むことが好ましい。ユーザは、自身が選んだとおりに乱数発生器同士を交換することができることが好ましく、ユーザはいかなる場合も一度に1つの乱数発生器に対してのみベットすることができることが最も好ましい。そのため、乱数発生器のベット期間は互い違いにされることが好ましい。単一のゲーム用端末でのベット期間は重複しないことが最も好ましい。
【0014】
世界中のほとんどの国で、プレイされるゲームのタイプに応じて、賭博規制は1時間当たりのベット数を(例えば、1時間当たり50〜55ベットに)制限しており、多くの場合、複数のアクティブなテーブルにおける同時的なベットを禁止している。そのため、例えばルーレット回転盤のスピンなどのベットが行われ得るライブ事象は、1時間に特定の最大回数、発生することだけが許可されている。本発明を使用して、次々に発生するライブ事象の同期化により、ユーザは、ベット機会の同一のソースが、ベットするために再び利用可能になるまで待機するために費やす時間、又はベット機会の別のソースに移動して、前記ソースがベットするために利用可能になるまで待機するために費やす時間を最小化することが可能となる。そのため、ユーザは待ち時間を最小化し、ローカルの賭博規制にしたがってベット機会の数を最大化することが可能となる。
【0015】
後続のベット期間中に以前のベット情報を再入力することを好ましい目的として、ベットインターフェースは、メモリユニットから以前のベット情報にアクセスするために使用され得ることが好ましい。
【0016】
ゲーム用端末は、一度に1つの乱数発生器用に対してのみにベット情報の入力を許可することが最も好ましい。
【0017】
現在ほとんどのライブのカジノゲームでは、以前になされたベットを、例えば同一の物理的な乱数発生器など、将来的な事象に複製することは可能ではない。したがって所与の期間における可能なベット機会の数を最大化するために、同一の情報を何度も再入力するために必要な時間を回避するためにユーザは以前に送信したベット情報を複製することが好ましいであろう。より好ましい特徴は、ユーザが以前になされたベットを異なる物理的な乱数発生器にまたがって、前記物理的な乱数発生器がベットのために利用可能となった時に、複製できるようにし、同時的なベットが起こらないようにすることであろう。異なる物理的にまたがってベットを複製することにおいて、ユーザは既に入力したのと同じベット情報を再入力するために費やす時間をさらに最小化することが可能となり得る。
【0018】
ユーザには、ベットするために乱数発生器がいつ利用可能になるかの指標を含む情報が提供されることが好ましい。ユーザが現在どのテーブルでプレイしているかに関する情報とともに、この情報はテーブルが利用可能になる際、テーブル間の切り替えが容易にできるように使用されることが好ましい。ユーザが以前に送信したベット情報を異なるテーブルにまたがって複製できるようにさせるという好ましい特徴と組み合わされるため、ユーザはゲーム用端末において無為に費やされる時間を最小化することが可能となる。
【0019】
好ましい実施形態によると、動作可能期間、ベット期間、のいずれかの開始時間が、調整され得る。最も好ましい実施形態では、動作可能期間、ベット期間、のいずれかの長さが、調整され得る。動作可能期間は、調整可能な開始時間及び長さの終了期間をさらに含むことが好ましい。動作可能期間は、調整可能な開始時間及び長さの「ノーモアベット」期間をさらに含むことが好ましい。
【0020】
所定の時間間隔は、乱数発生器のベット期間の開始時間を別のものと別個にするために使用されることが好ましい。所定の時間間隔は、ベット期間の開始時間から前記ベット期間の終了まで、から得られる最小の時間であることが好ましい。したがって、異なる乱数発生器で単一のユーザによる同時的なベットが発生しないように、所定の時間間隔は、ベット事象同士の分離として機能する。乱数発生器の動作可能期間及びベット期間のうち少なくとも1つは、別の乱数発生器による遅れを考慮するために調整できることが好ましい。そのため、ベット期間同士の間に設けられる時間の長さは最小化されることが好ましく、1時間当たりの連続的なベット機会の数は最大化されることが好ましい。動作可能期間及びベット期間のうち少なくとも1つは、ローカルの賭博規制への遵守を確実にするために延長すること、又は短縮することができることが好ましい。万が一、時間の経過に伴いベット機会の提供の現在の速さにしたがうと、ローカルの賭博規制に違反すると思われる場合、これを考慮して動作可能期間及びベット期間の長さを変更することができる。同様に、前記期間の長さは、時間の経過に伴いベット機会数を増加させるために変更することができる。
【0021】
ゲーム用端末は、ユーザに利用可能なすべてのベット選択肢のビュー、及びそのすべてのベット選択肢へのアクセスを提供することが好ましい。ベットインターフェースの出力部分は、乱数発生器のうち少なくとも1つのビューを出力することが好ましい。ゲーム用システムは、ユーザに出力するための、乱数発生器のうち少なくとも1つのビューを、ゲーム用端末へ提供する少なくとも1つのカメラをさらに備えることが好ましい。
【0022】
ゲーム用端末は、ユーザに特定の乱数発生器について利用可能なすべてのベット選択肢を提供することが可能となっている。これらの選択肢は、出力部分として提供されることが好ましく、出力部分は、最も好ましい実施形態においては、乱数発生器のうち少なくとも1つの視覚的表示をさらに含む。出力部分が乱数発生器のうち少なくとも1つの視覚的表示を備える実施形態において、視覚的表示は少なくとも1つのカメラを使用して取得されることが好ましい。
【0023】
最も好ましい実施形態において、ゲーム用システムは複数のゲーム用端末を備える。ゲーム用端末は、それぞれゲーム用システムの利用可能な乱数発生器のすべてにアクセスすることができるようになっており、ゲーム用端末のそれぞれの出力部分を統一するためにそれぞれが制御ユニットによって制御されることが好ましい。ゲーム用端末は、常に互いに同じ情報へのアクセスを有しており、どのゲーム用端末も、他の端末に勝る技術的又はその他のいかなる利点も伴わないことが好ましい。
【0024】
ゲーム用システムは、ユーザに出力するための、乱数発生器のうち少なくとも1つのビューを、ゲーム用端末へ提供する少なくとも1つのカメラをさらに備えることが好ましい。ユーザに出力するためにゲーム用端末に提供されるビューは、リアルタイム動画であることがさらに好ましい。前記ゲーム用端末は、前記乱数発生器のうち少なくとも1つに対してリモートであることがさらにより好ましい。
【0025】
少なくとも2つの乱数発生器は、ルーレット回転盤、ダイスシェイカ、ダイススピナ、数字回転盤、マネーホイール、シックボー、カード、電子カードシュー、手動カードシュー、ビンゴ機、抽選機の範囲から選択されることが好ましい。本明細書において上述された乱数発生器のように、現在、多様な乱数発生器が利用可能である。本発明のシステムは、乱数発生器の将来的な繰り返しに対して、これらが本システムに適用可能である場合、前方互換性を持つことが好ましい。
【0026】
次に、単なる例として、添付の図面を参照して、具体的な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本発明によるシステムの例の実施形態の構成要素の概略図である。
【0028】
【
図2】
図2は、
図1によるシステムの単一のゲーム用端末において生ずる一連の事象を表現するフロー図である。
【0029】
【
図3】
図3は、
図1に示される実施形態によるゲーム用端末の入力部分及び出力部分の例の斜視図である。
【0030】
図1を参照すると、本発明によるゲーム用システム10の例の実施形態の概略図が示されている。サーバに接続されたコンピュータの形態を取る制御ユニット12は、第1の物理的な乱数発生器14、第2の物理的な乱数発生器16、第1のゲーム用端末18、第2のゲーム用端末20及び第3のゲーム用端末22とデジタル通信している。第1の物理的な乱数発生器14及び第2の物理的な乱数発生器16は、それぞれ第1及び第2の自動化されたルーレット回転盤14、16の形態を取り、それぞれ動作可能期間を有している。
【0031】
第1の自動化されたルーレット回転盤14及び第2の自動化されたルーレット回転盤16は、ベット選択肢を画定する複数のポケットを有するボウルを備える。ベット選択肢は、複数の数字、及び2つの色を含み、それぞれのポケットは単一の数字及び単一の色を含む。
【0032】
第1、第2、及び第3のゲーム用端末18、20、22は、それぞれタッチ感応画面の形態を取る入力部分を含むベットインターフェースを備える。タッチ感応画面は、第1及び第2の自動化されたルーレット回転盤14、16に対して利用可能なすべてのベット選択肢の対話的な表示の形態を取る出力部分を設けるようさらに構成される。第1、第2、及び第3のゲーム用端末18、20、22のタッチ感応画面は、ユーザからの入力を受け取るようにさらに構成され、入力は、利用可能なベット選択肢からのベット情報の選択、及び第1の自動化されたルーレット回転盤14又は第2の自動化されたルーレット回転盤16のどちらにベットするかの選択を含む。ベット情報は、第1又は第2の自動化されたルーレット回転盤を選択したうえで、前記選ばれた回転盤のベット期間中だけ、ユーザによって入力部分に入力することができる。
【0033】
第1及び第2の自動化されたルーレット回転盤14、16は、所定の時間の長さの間、及び所定の回転速度で、第1及び第2の自動化されたルーレット回転盤14、16のボウルを回転させるように構成される回転メカニズムを備える。第1の自動化されたルーレット回転盤14、及び第2の自動化されたルーレット回転盤16は、調整可能な開始時間の動作可能期間を有し、開始時間は制御ユニット12によって調整可能である。動作可能期間中、第1の自動化されたルーレット回転盤14及び第2の自動化されたルーレット回転盤16の回転メカニズムは、制御ユニット12によってアクティブ化される。球体ランチャは、回転中、ボウルの周囲にルーレット回転盤の球体を打ち出すように構成され、球体ランチャは球体が打ち出される速度を決定するように構成される。球体ランチャからの球体の打ち出しは、制御ユニット12によって制御される。
【0034】
打ち出しに続いて、球体は、最も高い垂直位から開始して、運動量の低下により球体がボウル内での垂直位を低下させるまで、前記ボウルの表面内で移動するように構成される。球体の運動量、及びボウル内での球体の垂直位は低下し、球体は順次「ノーモアベット」しきい値を通過し、ルーレット回転盤のポケットに入る。球体が着地するポケットは、生成された乱数を決定し、したがって第1及び第2の自動化されたルーレット回転盤14、16の特定の動作可能期間についての勝利条件を決定する。説明される実施形態において、球体はポケットから取り出され、次の動作可能期間中に打ち出されるよう球体ランチャに戻される。示される実施形態において、「ノーモアベット」しきい値の球体の通過は、特定の自動化されたルーレット回転盤についてのベット期間の終了、及び終了期間内に含められる前記回転盤についての「ノーモアベット」期間の始まりをシグナリングする。特定の回転盤についての勝利条件の決定に続いて、勝利条件に一致する入力部分へのベット情報の入力が結果として勝利となり、終了期間は停止し、前記回転盤についての動作可能期間の終了をシグナリングする。示される実施形態において、ベット情報は、前記回転盤の動作可能期間の、「ノーモアベット」期間及び勝利条件の決定を含む終了期間中、特定の自動化されたルーレット回転盤に入力することができない。
【0035】
図1によるシステムの単一のゲーム用端末において生ずる一連の事象を表現するフロー図を示している
図2に見ることができるように、制御ユニット12は、第1の自動化されたルーレット回転盤14のベット期間が始まるよう前記第1の自動化されたルーレット回転盤14の動作可能期間を開始する24。前記ベット期間中、ユーザは第1の自動化されたルーレット回転盤についてのベット情報を入力することができる26。終了期間の「ノーモアベット」期間が開始すると、第2の自動化されたルーレット回転盤16の動作可能期間が始まる28。第1の自動化されたルーレット回転盤についてのさらなるベット情報の入力が妨げられる一方で、第2の自動化されたルーレット回転盤についてのベット情報の入力は許可されている30。第2の自動化されたルーレット回転盤についての、このベット情報の入力30は、第1の自動化されたルーレット回転盤のベット期間中に以前に入力されたベット情報26と同一であってもよい。第2の自動化されたルーレット回転盤16の「ノーモアベット」期間の始まりに続いて、第1の自動化されたルーレット回転盤のベット期間が始まることができる32。
【0036】
図1に示される実施形態において、制御ユニット12は第1の自動化されたルーレット回転盤14又は第2の自動化されたルーレット回転盤16のうちの1つの動作可能期間を開始するように構成され、それによって、前記回転盤のベット期間はもう一方の回転盤のベット期間と重複しない。これは、一方の回転盤の動作可能期間の開始時間と、もう一方の回転盤の動作可能期間の開始時間とを互い違いにさせることにより、制御ユニット12によって実施される。示される実施形態において、動作可能期間を互い違いにすることは、様々な自動化されたルーレット回転盤からのベット期間の重複を妨げることが好ましいため、複数の自動化された回転盤に対する同時的なベットは許可されない。これにより、示される実施形態が地域固有の賭博規制に準拠することができる。動作可能期間を互い違いにすることは、制御ユニット12がベット期間同士の間の時間の長さを最小化し、したがって、ユーザに所与の期間におけるベット機会の数を最大化させることもできる。
【0037】
示される実施形態において、第1のゲーム用端末18、第2のゲーム用端末20、及び第3のゲーム用端末22のそれぞれは、以前に入力されたベット情報を記憶することが可能であるメモリを備える。前記ゲーム用端末は、後続のベット期間中、以前に入力されたベット情報を再入力するために、メモリからユーザが以前に送信されたベット情報にアクセスするための入力選択肢をさらに備える。示される実施形態において、後続のベット期間中、以前に入力されたベット情報を再入力するための機能は、最も好ましいベット情報を再入力するためにかかる時間を削減するため、所与の期間におけるベット機会の数を最大化することを助ける。
【0038】
示される実施形態において、第1の自動化されたルーレット回転盤14の動作可能期間と第2の自動化されたルーレット回転盤16の動作可能期間との間の時間間隔は、所与の期間におけるベット機会の数を削減するために、調整され得る。これは、特に所与の期間におけるベット機会の最大数がローカルの賭博規制によって許可されるベット機会の数を上回ると予測されるシナリオにおいて使用することができる。
【0039】
図1に見られるように、制御ユニット12は、乱数生成を30秒以内に実行する第1の自動化されたルーレット回転盤14の動作可能期間を開始するように構成される。次いで、制御ユニット12は、後続の乱数生成を30秒以内に実行する、第2の自動化されたルーレット回転盤16の動作可能期間を開始するように構成される。このように、乱数生成の開始は、それぞれの回転盤について、所定の期間である30秒によって互い違いになる。
【0040】
示される実施形態において、制御ユニット12はサーバに接続されたコンピュータを備える。サーバは、本発明のゲーム用システム内のすべての部分同士の間でネットワーク通信を可能にする。サーバがシステムの1つ又は複数の構成要素と有線通信している実施形態が理解されよう。サーバがシステムの1つ又は複数の構成要素とワイヤレス通信している、さらなる実施形態が理解されよう。制御ユニットがサーバを備えていない、さらなる実施形態が理解されよう。
【0041】
図1のゲーム用端末18、20、22の入力部分及び出力部分を示している
図3に見られるように、タッチ感応画面34は、ベット選択肢36の視覚的表示をユーザに提供している。ゲーム用端末18、20、22は、第1の自動化されたルーレット回転盤の視覚的表示38及び第2の自動化されたルーレット回転盤の視覚的表示40の両方をさらに提供する。ユーザには、第1の自動化されたルーレット回転盤14及び第2の自動化されたルーレット回転盤16のどちらが現在アクティブであるかの情報が、第1の自動化されたルーレット回転盤14の視覚的表示38の周りの強調表示42により、与えられる。強調表示42は、ユーザが第2の自動化されたルーレット回転盤16の視覚的表示40を選ぶよう選択するまで、第1の自動化されたルーレット回転盤14の視覚的表示38の周りに残る。
【0042】
上述の実施形態は単なる例として与えられ、添付の特許請求の範囲において定義される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正形態がなされ得ることが理解されよう。
[要約]
ある設定された期間におけるベット機会の数を最大化するためのゲーム用システムが提供される。ゲーム用システムは、少なくとも2つの物理的な乱数発生器であり、それぞれが、調整可能な開始時間の動作可能期間を有し、動作可能期間の間、乱数が生成され、動作可能期間がベット期間を含む、少なくとも2つの物理的な乱数発生器と、ベットインターフェースを提供するように構成されるゲーム用端末と、ゲーム用端末とデジタル通信するメモリユニットと、ゲーム用端末、メモリユニット、及び物理的な乱数発生器のそれぞれを制御するように構成される制御ユニットと、を備え、ベットインターフェースが、ユーザからの入力を受け取るための入力部分であり、入力が、ベット期間の間のベット情報と、少なくとも2つの乱数発生器のうちの1つの選択とを含む、入力部分を備え、ベットインターフェースが、ユーザへ出力情報を提供する出力部分をさらに備え、メモリユニットが、ユーザから入力部分へ入力された以前のベット情報を記憶するように構成され、動作可能期間の開始時間及びそれぞれの後続の開始時間が、制御ユニットにより制御され、それぞれの動作可能期間の開始時間が時間間隔により互い違いになる。本発明のゲーム用システムの目的は、所与の期間における最大のベット機会の数を提供することであり、機会の数は、地域の固有の賭博規制にしたがってカスタマイズすることができ、ある期間当たりの最大のベット機会の数は、賭博規制に対して後に行われるあらゆる変更を受け入れるために調整することが可能である。ベット機会の数を最大化することは、消費者体験を向上させることが好ましい。
【国際調査報告】