特表2021-512960(P2021-512960A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-512960BET阻害活性を有する化合物並びにその製造方法及び使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-512960(P2021-512960A)
(43)【公表日】2021年5月20日
(54)【発明の名称】BET阻害活性を有する化合物並びにその製造方法及び使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20210423BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210423BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210423BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20210423BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20210423BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20210423BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20210423BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20210423BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20210423BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20210423BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20210423BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20210423BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20210423BHJP
   C07D 498/04 20060101ALI20210423BHJP
   A61K 31/5383 20060101ALI20210423BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20210423BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20210423BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20210423BHJP
【FI】
   C07D471/04 120
   A61P43/00 111
   A61P35/00
   A61P35/02
   A61P29/00
   A61P9/00
   A61P31/12
   A61P43/00 105
   A61P3/00
   A61P37/06
   A61P25/28
   A61K31/4985
   C07D487/04 147
   A61K31/519
   C07D498/04 112T
   A61K31/5383
   C07D413/14CSP
   A61K31/5377
   C07D519/00 301
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】208
(21)【出願番号】特願2020-564307(P2020-564307)
(86)(22)【出願日】2019年2月1日
(85)【翻訳文提出日】2020年10月2日
(86)【国際出願番号】CN2019074448
(87)【国際公開番号】WO2019154329
(87)【国際公開日】20190815
(31)【優先権主張番号】201810118820.9
(32)【優先日】2018年2月6日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520107618
【氏名又は名称】シャンハイ ハイファ ファーマシューティカル カンパニー,リミティッド
(71)【出願人】
【識別番号】512148861
【氏名又は名称】シャンハイ インスティチュート オブ マテリア メディカ,チャイニーズ アカデミー オブ サイエンシーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シア,リン
(72)【発明者】
【氏名】ゲン,メイユ
(72)【発明者】
【氏名】イエ,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ディン,ジエン
(72)【発明者】
【氏名】ツァン,チオン
(72)【発明者】
【氏名】シェン,アイジュン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,イン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ホンチュン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ハオラン
(72)【発明者】
【氏名】アイ,ジン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ミンミン
【テーマコード(参考)】
4C050
4C063
4C065
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB08
4C050CC08
4C050DD01
4C050EE04
4C050FF02
4C050GG03
4C050HH04
4C063AA03
4C063BB02
4C063CC54
4C063DD06
4C063EE01
4C065AA04
4C065BB12
4C065CC01
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH01
4C065JJ08
4C065KK02
4C065LL04
4C065PP09
4C065PP12
4C065QQ04
4C065QQ05
4C072AA01
4C072BB02
4C072CC03
4C072CC11
4C072EE07
4C072FF09
4C072GG01
4C072GG07
4C072HH07
4C072JJ03
4C072MM08
4C072MM10
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC74
4C086CB09
4C086CB22
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA13
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA16
4C086ZA36
4C086ZB08
4C086ZB11
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZB33
4C086ZC02
4C086ZC21
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、製薬化学の分野に関する。具体的には、本発明は、新規な構造を有する一連のBET(ブロモドメイン及び末端外ドメイン)阻害剤、特にBRD4(ブロモドメイン含有タンパク質4)を標的とする阻害剤、並びにその製造方法及び使用に関する。その構造は、以下の一般式(I)に示される。前記化合物あるいはその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物若しくは結晶形、又はその薬学的に許容される塩、及びその医薬組成物は、ブロモドメインタンパク質により媒介される関連疾患の治療及び/又は予防に使用することができる。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R1は、
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
Y1は、CR4'及びNから選択され;ここでR4'は、H、D、ヒドロキシ、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、シアノ及び任意選択的に置換されているアルキル(例えばC1-6アルキル)から選択され;
R4は、任意選択的に置換されているアリール(例えばC6-14アリール)、任意選択的に置換されているヘテロアリール(例えば5〜12員のヘテロアリール)、任意選択的に置換されているシクロアルキル(例えばC3-12シクロアルキル)、任意選択的に置換されているアリールアルキレン(例えばC6-14アリールC1-3アルキレン)、任意選択的に置換されているヘテロアリールアルキレン(例えば5〜12員のヘテロアリールC1-3アルキレン)、及び任意選択的に置換されているシクロアルキルアルキレン(例えばC3-12シクロアルキルC1-3アルキレン)から選択され;
Y2は、C、O及びNから選択され;nは1又は2を表し、各R5は、H及び任意選択的に置換されているアルキル(例えばC1-8アルキル)から独立して選択され;
環Aは、任意選択的に置換されている芳香族環(例えばC6-14芳香族環)、任意選択的に置換されている複素芳香族環(例えば5〜12員の複素芳香族環)、及び任意選択的に置換されている複素環(例えば3〜12員の複素環)から選択され;
環Bは、任意選択的に置換されている芳香族環(例えばC6-14芳香族環)、任意選択的に置換されている複素芳香族環(例えば5〜12員の複素芳香族環)、及び任意選択的に置換されている複素環(例えば3〜12員の複素環)から選択され;
R7及びR7'は、H、D、CN及び任意選択的に置換されているアルキル(例えばC1-8アルキル)からそれぞれ独立して選択される)
から選択され、
R2は、H、D、任意選択的に置換されているアルキル(例えばC1-8アルキル)、及び任意選択的に置換されているシクロアルキル(例えばC3-12シクロアルキル)から選択され;
R3及びR3'は、H、D、及び任意選択的に置換されているアルキル(例えばC1-8アルキル)からそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではないか;又はR3とR3’は、それらが結合している炭素と一緒になってシクロアルキル(例えばC3-12シクロアルキル、例えばC3-8シクロアルキル、例えばシクロプロピル)を形成し、
X1は、CR6a及びNから選択され;
X2は、CR6b及びNから選択され;
X3は、CR6c及びNから選択され、X1、X2及びX3の多くとも2つはNであり;
X4は、NR8及びOから選択され;
R6a、R6b及びR6cは、H、D、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、及び任意選択的に置換されているアルキル(例えばC1-8アルキル)からそれぞれ独立して選択され;
R8は、H、D、酸素、ヒドロキシ、任意選択的に置換されているアルキル(例えばC1-8アルキル)、任意選択的に置換されているアルカノイル(例えばC1-8アルカノイル)、任意選択的に置換されているアルコキシカルボニル(C1-8アルコキシカルボニル)、任意選択的に置換されているシクロアルキル(例えばC3-12シクロアルキル)、任意選択的に置換されているヘテロシクリル(例えば3〜20員のヘテロシクリル)、任意選択的に置換されているアリール(例えばC6-14アリール)、任意選択的に置換されているヘテロアリール(例えば5〜12員のヘテロアリール)、任意選択的に置換されているシクロアルキルアルキレン-(例えばC3-12シクロアルキルC1-3アルキレン-)、任意選択的に置換されているヘテロシクリルアルキレン-(例えば3〜20員のヘテロシクリルC1-3アルキレン-)、任意選択的に置換されているアリールアルキレン-(例えばC6-14アリールC1-3アルキレン-)、及び任意選択的に置換されているヘテロアリールアルキレン-(例えばC5-12ヘテロアリールC1-3アルキレン-)
から選択される]
の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項2】
R1が、
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
Y1は、CR4'及びNから選択され;ここでR4'は、H、D、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、シアノ、及び1〜3個のハロ(例えば、F、Cl、Br、I)で任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)から選択され;好ましくは、R4'は、H、D、ヒドロキシ、F、Cl、シアノ、メチル、エチル、1〜3個のフルオロで置換されているメチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているエチルから選択され;より好ましくは、R4'は、H、D、ヒドロキシ、F、シアノ、メチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているメチルから選択され;最も好ましくは、R4'は、H、D、及びヒドロキシから選択され;
R4は、任意選択的に置換されているC6-10アリール、任意選択的に置換されている5〜10員のヘテロアリール、任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキル、任意選択的に置換されているC6-10アリールC1-3アルキレン、任意選択的に置換されている5〜10員のヘテロアリールC1-3アルキレン、及び任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキルC1-3アルキレンから選択され;好ましくは、R4は、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されているピリジニル、任意選択的に置換されているピラジニル、任意選択的に置換されているピリダジニル、任意選択的に置換されているピリミジニル、任意選択的に置換されているシクロプロピル、任意選択的に置換されているシクロブチル、任意選択的に置換されているベンジル、任意選択的に置換されているピリジニルメチレン、任意選択的に置換されているピラジニルメチレン、任意選択的に置換されているピリダジニルメチレン、任意選択的に置換されているピリミジニルメチレン、任意選択的に置換されているシクロプロピルメチレン、及び任意選択的に置換されているシクロブチルメチレンから選択され;より好ましくは、R4は、任意選択的に置換されているフェニル及び任意選択的に置換されているピリジニルから選択され、R4上の置換については、置換基が、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1-6アルキル(例えばC1-4アルキル)、C1-6アルコキシ(例えばC1-4アルコキシ)、ハロC1-6アルキル(例えば、ハロC1-4アルキル)、ハロC1-6アルコキシ(例えば、ハロC1-4アルコキシ)、メタンスルホニル及びシアノから独立して選択される1つ以上の基であることが好ましく;より好ましくは、該置換基は、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1-2アルキル、C1-2アルコキシ、ハロC1-2アルキル、ハロC1-2アルコキシ、メタンスルホニル及びシアノから独立して選択される1つ以上の基であり;さらに好ましくは、該置換基は、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、1〜3個のフルオロで置換されているメチル、1〜3個のフルオロで置換されているエチル、1〜3個のフルオロで置換されているメトキシ、1〜3個のフルオロで置換されているエトキシ、メタンスルホニル及びシアノから独立して選択される1つ以上の基であり;
最も好ましくは、R4は、1個以上のハロ、C1-6アルキル又はシアノで任意選択的に置換されているフェニル;及び1個以上のハロ、C1-6アルキル又はシアノで任意選択的に置換されているヘテロアリール(例えばピリジニル)から選択され;
Y2は、C、O及びNから選択され;nは1又は2を表し、各R5は、H及び任意選択的に置換されているC1-6アルキルから独立して選択され;好ましくは、各R5は、H及び任意選択的に置換されているC1-3アルキルから独立して選択され;より好ましくは、各R5は、H及びメチルから独立して選択され;
環Aは、任意選択的に置換されている5〜6員の芳香族環、任意選択的に置換されている5〜6員の複素芳香族環、及び任意選択的に置換されている3〜8員の複素環から選択され;好ましくは、環Aは、任意選択的に置換されているベンゼン環、任意選択的に置換されているピリジン、任意選択的に置換されているピロール、任意選択的に置換されているフラン、任意選択的に置換されているチオフェン、任意選択的に置換されているピペラジン、及び任意選択的に置換されているピラジンから選択され;
環Bは、任意選択的に置換されている5〜6員の芳香族環、任意選択的に置換されている5〜6員の複素芳香族環、及び任意選択的に置換されている3〜8員の複素環から選択され;好ましくは、環Bは、任意選択的に置換されているベンゼン環、任意選択的に置換されているピリジン、任意選択的に置換されているピロール、任意選択的に置換されているフラン、任意選択的に置換されているチオフェン、任意選択的に置換されているピペラジン、及び任意選択的に置換されているピラジンから選択され;
環A及び環B上の置換については、置換基が、ハロ、カルボキシル、C1-8アルキル、-ORd、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロシクリルC1-3アルキレン、C1-3アルキレンNRaRb、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロシクリルカルボニル、ハロC1-8アルキル、シアノ、-C(O)NRaRb、-NRaRb、-S(O)2C1-6アルキル、-N(Ra)S(O)2Rb、-N(Ra)C(O)Rb及び-C(O)OC1-6アルキルから独立して選択される1つ以上(例えば1つ又は2つ)の基であることが好ましく;Rdは、H、C6-10アリール、C1-8アルキル、ハロC1-8アルキル、-NRaRbで置換されているC1-8アルキル、ヒドロキシで置換されているC1-8アルキル、又はC1-6アルコキシで置換されているC1-8アルキルであり;ここでRa及びRbは、水素、C1-8アルキル、及びハロC1-8アルキルからそれぞれ独立して選択され;
R7及びR7'は、H、D、CN及び任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)からそれぞれ独立して選択され;好ましくは、R7及びR7'は、H、D、CN、C1-3アルキル及びハロC1-3アルキルからそれぞれ独立して選択され;より好ましくは、R7及びR7'は、H、D、CN、メチル、及び1〜3個のハロ(例えばフルオロ)で置換されているメチルからそれぞれ独立して選択される)
から選択され、
好ましくは、R1が、
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
より好ましくは、R1が、
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
Y1は、CR4'及びNから選択され;ここでR4'は、H、D、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、シアノ、及び1〜3個のハロ(例えば、F、Cl、Br、I)で任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)から選択され;好ましくは、R4'は、H、D、ヒドロキシ、F、Cl、シアノ、メチル、エチル、1〜3個のフルオロで置換されているメチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているエチルから選択され;より好ましくは、R4'は、H、D、ヒドロキシ、F、シアノ、メチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているメチルから選択され;最も好ましくは、R4'は、H、D、及びヒドロキシから選択され;
R4は、任意選択的に置換されているC6-10アリール、任意選択的に置換されている5〜10員のヘテロアリール、任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキル、任意選択的に置換されているC6-10アリールC1-3アルキレン、任意選択的に置換されている5〜10員のヘテロアリールC1-3アルキレン、及び任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキルC1-3アルキレンから選択され;好ましくは、R4は、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されているピリジニル、任意選択的に置換されているピラジニル、任意選択的に置換されているピリダジニル、任意選択的に置換されているピリミジニル、任意選択的に置換されているシクロプロピル、任意選択的に置換されているシクロブチル、任意選択的に置換されているベンジル、任意選択的に置換されているピリジニルメチレン、任意選択的に置換されているピラジニルメチレン、任意選択的に置換されているピリダジニルメチレン、任意選択的に置換されているピリミジニルメチレン、任意選択的に置換されているシクロプロピルメチレン及び任意選択的に置換されているシクロブチルメチレンから選択され;より好ましくは、R4は、任意選択的に置換されているフェニル及び任意選択的に置換されているピリジニルから選択され、R4上の置換については、置換基が、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1-6アルキル(例えばC1-4アルキル)、C1-6アルコキシ(例えばC1-4アルコキシ)、ハロC1-6アルキル(例えば、ハロC1-4アルキル)、ハロC1-6アルコキシ(例えば、ハロC1-4アルコキシ)、メタンスルホニル及びシアノから独立して選択される1つ以上の基であることが好ましく;より好ましくは、該置換基は、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1-2アルキル、C1-2アルコキシ、ハロC1-2アルキル、ハロC1-2アルコキシ、メタンスルホニル及びシアノから独立して選択される1つ以上の基であり;さらに好ましくは、該置換基は、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、1〜3個のフルオロで置換されているメチル、1〜3個のフルオロで置換されているエチル、1〜3個のフルオロで置換されているメトキシ、1〜3個のフルオロで置換されているエトキシ、メタンスルホニル及びシアノから独立して選択される1つ以上の基であり;
最も好ましくは、R4は、1個以上のハロ、C1-6アルキル又はシアノで任意選択的に置換されているフェニル;及び1個以上のハロ、C1-6アルキル又はシアノで任意選択的に置換されているヘテロアリール(例えばピリジニル)から選択され;
Y2は、C、O及びNから選択され;nは1又は2を表し、各R5は、H及び任意選択的に置換されているC1-6アルキルから独立して選択され;好ましくは、各R5は、H及び任意選択的に置換されているC1-3アルキルから独立して選択され;より好ましくは、各R5は、H及びメチルから独立して選択され;
R9は、ハロ、カルボキシル、C1-8アルキル、-ORd、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロシクリルC1-3アルキレン、C1-3アルキレンNRaRb、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロシクリルカルボニル、ハロC1-8アルキル、シアノ、-C(O)NRaRb、-NRaRb、-S(O)2C1-6アルキル、-N(Ra)S(O)2Rb、-N(Ra)C(O)Rb及び-C(O)OC1-6アルキルから選択され、Rdは、H、C6-10アリール、C1-8アルキル、ハロC1-8アルキル、-NRaRbで置換されているC1-8アルキル、ヒドロキシで置換されているC1-8アルキル、又はC1-6アルコキシで置換されているC1-8アルキルであり;ここでRa及びRbは、水素、C1-8アルキル及びハロC1-8アルキルからそれぞれ独立して選択され;
好ましくは、R9は、ハロ、カルボキシル、C1-6アルキル、-ORd、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜8員のヘテロシクリルC1-3アルキレン、C1-3アルキレンNRaRb、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜8員のヘテロシクリルカルボニル、ハロC1-6アルキル、シアノ、-C(O)NRaRb、-NRaRb、-S(O)2C1-4アルキル、-N(Ra)S(O)2Rb、-N(Ra)C(O)Rb及び-C(O)OC1-4アルキルから選択され、Rdは、H、C6-10アリール、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、-NRaRbで置換されているC1-6アルキル、ヒドロキシで置換されているC1-6アルキル、又はC1-3アルコキシで置換されているC1-6アルキルであり;ここでRa及びRbは、水素、C1-6アルキル、及びハロC1-6アルキルからそれぞれ独立して選択され;
好ましくは、R9は、ハロ、カルボキシル、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロで置換されているC1-4アルキル、ハロで置換されているC1-4アルコキシ、シアノ、-C(O)NRaRb、-N(Ra)C(O)Rb及びC(O)OC1-4アルキルから選択され、Ra及びRbは、水素、C1-4アルキル、及びハロで置換されているC1-4アルキルからそれぞれ独立して選択され、
mは、R9の数であり、且つmは、0、1、2及び3から選択され;好ましくは、mは0、1又は2である)
から選択され、
最も好ましくは、R1が、
【化6】
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から選択される、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項3】
X1が、N又はCHであり;
X2が、CR6b又はNであり;
X3が、CR6cであり;
R6b及びR6cは、H、D、ハロ及び任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)からそれぞれ独立して選択され;好ましくは、R6b及びR6cは、H、D、フルオロ、メチル、及び1〜3個のハロ(例えばフルオロ)で置換されているメチルからそれぞれ独立して選択され;より好ましくは、R6a、R6b及びR6cは、H、D、フルオロ及びメチルからそれぞれ独立して選択される
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項4】
X4が、NR8及びOから選択され、ここで
R8は、H、D、酸素、ヒドロキシ、任意選択的に置換されているC1-4アルキル、任意選択的に置換されているC1-4アルカノイル、任意選択的に置換されているC1-4アルコキシカルボニル、任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキル、任意選択的に置換されている3〜8員のヘテロシクリル(例えば、ヘテロ原子として酸素又は窒素を含有する3〜8員のヘテロシクリル)、任意選択的に置換されているC6-10アリール、任意選択的に置換されている5〜10員のヘテロアリール、任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキルC1-3アルキレン-(例えばC3-8シクロアルキルメチレン)、任意選択的に置換されている3〜8員のヘテロシクリルC1-3アルキレン-、任意選択的に置換されているC6-10アリールアルキレン-(例えばベンジル)、及び任意選択的に置換されている5〜10員のヘテロアリールC1-3アルキレン-(例えばピリジニルC1-3アルキレン-、例えばピリジニルメチレン-)から選択され;
好ましくは、R8は、H、D、酸素、ヒドロキシ、メチル、エチル、プロピル(例えばイソプロピル)、ヒドロキシエチル、ヒドロキシで置換されているプロピル、C1-2アルコキシで置換されているC2-4アルキル、メトキシカルボニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、オキセタニル、オキソラニル、テトラヒドロピラニル、シクロプロパンメチレン-、ベンジル及びピリジニルメチレンから選択され;
R8上の置換については、置換基が、-OH、F、CN、-NH2、C1-6アルコキシ(例えばC1-2アルコキシ)、-NH(C1-3アルコキシ)、及び-N(C1-3アルコキシ)2から独立して選択される1つ以上の基であることが好ましい
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項5】
R2が、H、D、任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-4アルキル)、及び任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキル(例えばC3-6シクロアルキル)から選択され、R2上の置換については、置換基が、D、ハロ(例えば、F、Cl、Br及びI)及びヒドロキシから独立して選択される1、2、3つ又はそれ以上の基であることが好ましく;
より好ましくは、R2が、H、D、1〜3個のD、ハロ(例えばフルオロ)及び/又はヒドロキシルで任意選択的に置換されているC1-3アルキル、並びに1〜3個のハロ(例えばフルオロ)及び/又はヒドロキシで任意選択的に置換されているC3-4シクロアルキルから選択され;
さらに好ましくは、R2が、H、D、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、-CHF2、-CH2F、-CF3、CH2CF3及びシクロプロピルから選択される
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項6】
R3及びR3'が、H、D、及び任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)からそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
好ましくは、R3及びR3'が、H、D、及び、1、2個又はそれ以上のハロ(例えば、F、Cl、Br、及びI)で任意選択的に置換されているC1-3アルキル(例えば、メチル、エチル)からそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
さらに好ましくは、R3及びR3'が、H、メチル及びエチルからそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
又はさらに好ましくは、R3とR3'のいずれかがメチルであり、且つ他方がHである
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項7】
R1が、
【化7】
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(式中、
Y1は、CR4'及びNから選択され;ここでR4'は、H、D、ヒドロキシ、F、Cl、シアノ、メチル、エチル、1〜3個のフルオロで置換されているメチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているエチルから選択され;
R4は、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されているヘテロアリール、任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキル、任意選択的に置換されているベンジル、任意選択的に置換されているヘテロアリールアルキレン、及び任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキルアルキレンから選択され;
Y2は、C、O及びNから選択され;nは1又は2を表し、各R5は、H及び任意選択的に置換されているC1-3アルキルから独立して選択され;
環Aは、任意選択的に置換されているベンゼン環、及び任意選択的に置換されている5〜6員の複素芳香族環から選択され;
環Bは、任意選択的に置換されているベンゼン環、及び任意選択的に置換されている5〜6員の複素芳香族環(例えばピリジン環)から選択され;
R7及びR7'は、H、D、CN及び任意選択的に置換されているC1-3アルキルからそれぞれ独立して選択される)
から選択され、
R2が、H、D、任意選択的に置換されているC1-4アルキル及び任意選択的に置換されているC3-4シクロアルキルから選択され;
R3及びR3'が、H、D、及び任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)からそれぞれ独立して選択され、好ましくは、H、D、メチル、及びエチルからそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではないか;又はR3とR3'は、それらが結合している炭素と一緒になってシクロプロピルを形成し;
X1が、CR6a及びNから選択され;
X2が、CR6b及びNから選択され;
X3が、CR6c及びNから選択され、X1、X2及びX3の多くとも2つはNであり;
X4が、NR8及びOから選択され;
R6a、R6b及びR6cは、H、D、ハロ及び任意選択的に置換されているC1-3アルキルからそれぞれ独立して選択され;
R8は、H、D、酸素、ヒドロキシ、任意選択的に置換されているC1-6アルキル、任意選択的に置換されているC1-6アルカノイル、任意選択的に置換されているC1-6アルキルカルボニル、任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキル、任意選択的に置換されている3〜8員のヘテロシクリル及び任意選択的に置換されているベンジルから選択される、
請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項8】
R1が、
【化8】
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(式中、
Y1は、CR4'及びNから選択され;ここでR4'は、H、D、ヒドロキシ、F、Cl、シアノ、メチル、エチル、1〜3個のフルオロで置換されているメチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているエチルから選択され;
R4は、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されているピリジニル、任意選択的に置換されているピラジニル、任意選択的に置換されているピリダジニル、任意選択的に置換されているピリミジニル、任意選択的に置換されているC3-4シクロアルキル、任意選択的に置換されているベンジル、任意選択的に置換されているピリジニルメチレン及び任意選択的に置換されているC3-4シクロアルキルメチレンから選択され;R4上の置換については、置換基が、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロC1-4アルキル、ハロC1-4アルコキシ、メタンスルホニル及び-CNから独立して選択される1つ以上の基であることが好ましく;
Y2は、C、O及びNから選択され;nは1又は2を表し、各R5は、H及び任意選択的に置換されているC1-3アルキルから独立して選択され;
環Aは、任意選択的に置換されているベンゼン環、任意選択的に置換されているピリジン、任意選択的に置換されているピロール、任意選択的に置換されているフラン、及び任意選択的に置換されているチオフェンから選択され;
環Bは、任意選択的に置換されているベンゼン環、及び任意選択的に置換されているピリジンから選択され;
環A及び環B上の置換については、置換基が、ハロ、カルボキシル、C1-8アルキル、ハロC1-8アルキル、シアノ、-C(O)NRaRb、-ORd、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロシクリルC1-3アルキレン、C1-3アルキレンNRaRb、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロアリールカルボニル、-NRaRb、-S(O)2C1-6アルキル、-N(Ra)S(O)2Rb、-N(Ra)C(O)Rb及び-C(O)OC1-8アルキルから独立して選択される1つ以上(例えば1つ又は2つ)の基であることが好ましく、ここでRa及びRbは、水素、C1-8アルキル及びハロC1-8アルキルからそれぞれ独立して選択され、Rdは、H、C6-10アリール、C1-8アルキル、ハロC1-8アルキル、-NRaRbで置換されているC1-8アルキル、ヒドロキシで置換されているC1-8アルキル又はC1-3アルコキシで置換されているC1-8アルキルであり;
R7及びR7'は、H、D、CN、C1-3アルキル及びハロC1-3アルキルからそれぞれ独立して選択される)
から選択され、
R2が、H、D、C1-2アルキル、及び1〜3個のフルオロで置換されているC1-2アルキルから選択され;
R3及びR3'が、H、D、及び任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)からそれぞれ独立して選択され、好ましくは、H、D、メチル及びエチルからそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
X1が、CR6a及びNから選択され;
X2が、CR6b及びNから選択され;
X3が、CR6c及びNから選択され、X1、X2及びX3の多くとも2つはNであり;
X4が、NR8及びOから選択され;
R6a、R6b及びR6cは、H、D、F、Cl、メチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているメチルからそれぞれ独立して選択され;
R8は、H、D、酸素、ヒドロキシ、任意選択的に置換されているC1-4アルキル、任意選択的に置換されているC1-6アルカノイル、任意選択的に置換されているC3-6シクロアルキル、ヘテロ原子として酸素又は窒素を含有する任意選択的に置換されている3〜6員のヘテロシクリル、任意選択的に置換されているC3-6シクロアルキルメチレン、任意選択的に置換されているベンジル、及び任意選択的に置換されているピリジニルメチレンから選択され;R8上の置換基については、該置換基が、-OH、ハロ(例えば、F、Cl、Br及びI)、CN及びC1-6アルコキシ(例えばC1-2アルコキシ)から独立して選択される1つ以上(例えば1〜3つ)の基であることが好ましい
ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項9】
R1が、
【化9】
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(Y1は、CR4'及びNから選択され;ここでR4'は、H、D、及びヒドロキシから選択され;
R4は、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されているピリジニル及び任意選択的に置換されているベンジルから選択され;R4上の置換については、置換基が、F、Cl、C1-2アルキル、1〜3個のフルオロで置換されているC1-2アルキル、及び-CNから独立して選択される1つ以上の基であることが好ましく;
R9は、フルオロ、クロロ、カルボキシル、メチル、メトキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され;mは、R9の数であり、且つmは、0、1又は2である)
から選択され、
R2が、メチル、エチル、-CHF2、-CH2F及び-CF3から選択され;
R3及びR3'が、H、D、メチル、及びエチルからそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
X1が、Nであり;
X2が、CR6b又はNであり;
X3が、CR6cであり;
X4が、NR8又はOであり;
R6b及びR6cは、H及びFからそれぞれ独立して選択され;
R8は、H、D、酸素、ヒドロキシ、メチル、エチル、プロピル(例えばイソプロピル)、ヒドロキシエチル、アセチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、オキセタニル、フリル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、シクロプロパンメチレン、ベンジル及びピリジニルメチレンから選択され;R8上の置換については、置換基が、ハロ(例えば、F、Cl、Br及びI)、CN及びC1-6アルコキシ(例えばメトキシ)から独立して選択される1つ以上の基であることが好ましい
ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項10】
R1が、
【化10】
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(式中、
Y1は、CR4'及びNから選択され;ここでR4'は、H、D、ヒドロキシ、F、Cl、シアノ、メチル、エチル、1〜3個のフルオロで置換されているメチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているエチルから選択され;
R4は、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されているピリジニル、任意選択的に置換されているピラジニル、任意選択的に置換されているピリダジニル、任意選択的に置換されているピリミジニル、任意選択的に置換されているC3-4シクロアルキル、任意選択的に置換されているベンジル、任意選択的に置換されているピリジニルメチレン、及び任意選択的に置換されているC3-4シクロアルキルメチレンから選択され;R4上の置換については、置換基が、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロC1-4アルキル、ハロC1-4アルコキシ、メタンスルホニル及び-CNから独立して選択される1つ以上の基であることが好ましく;
Y2は、C、O及びNから選択され;nは1又は2を表し、各R5は、H及び任意選択的に置換されているC1-3アルキルから独立して選択され;
環Aは、任意選択的に置換されているベンゼン環、任意選択的に置換されているピリジン、任意選択的に置換されているピロール、任意選択的に置換されているフラン、及び任意選択的に置換されているチオフェンから選択され;
環Bは、任意選択的に置換されているベンゼン環、及び任意選択的に置換されているピリジンから選択され;
環A及び環B上の置換については、置換基が、ハロ、カルボキシル、C1-8アルキル、ハロC1-8アルキル、-C1-C6アルキル-OH、C1-8アルキルチオ、シアノ、-C(O)NRaRb、-ORd、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロシクリルC1-3アルキレン、C1-3アルキレンNRaRb、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロアリールカルボニル、-NRaRb、-S(O)2C1-6アルキル、-S(O)C1-6アルキル、-N(Ra)S(O)2Rb、-N(Ra)C(O)Rb及び-C(O)OC1-8アルキルから独立して選択される1つ以上(例えば1つ又は2つ)の基であることが好ましく、ここでRa及びRbは、水素、C1-8アルキル、ハロC1-8アルキル、及びC3-8シクロアルキルからそれぞれ独立して選択されるか、又はRaとRbは、一緒になって、C1-4アルキルで任意選択的に置換されているC3-8ヘテロシクリルを形成し、Rdは、H、C6-10アリール、C1-8アルキル、ハロC1-8アルキル、-NRaRbで置換されているC1-8アルキル、ヒドロキシで置換されているC1-8アルキル、又はC1-3アルコキシで置換されているC1-8アルキルであり;
R7及びR7'は、H、D、CN、C1-3アルキル及びハロC1-3アルキルからそれぞれ独立して選択される)
から選択され、
R2が、H、D、C1-2アルキル、1個以上の重水素で置換されているC1-3アルキル、1〜3個のフルオロで置換されているC1-2アルキルから選択され;
R3及びR3'が、H、D、及び任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)からそれぞれ独立して選択され、好ましくは、H、D、メチル及びエチルからそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
X1が、CR6a及びNから選択され;
X2が、CR6b及びNから選択され;
X3が、CR6c及びNから選択され、X1、X2及びX3の多くとも2つはNであり;
X4が、NR8及びOから選択され;
R6a、R6b及びR6cは、H、D、F、Cl、メチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているメチルからそれぞれ独立して選択され;
R8は、H、D、酸素、ヒドロキシ、任意選択的に置換されているC1-4アルキル、任意選択的に置換されているC1-6アルカノイル、任意選択的に置換されているC3-6シクロアルキル、ヘテロ原子として酸素又は窒素を含有する任意選択的に置換されている3〜6員のヘテロシクリル、任意選択的に置換されているC3-6シクロアルキルメチレン、任意選択的に置換されているベンジル、及び任意選択的に置換されているピリジニルメチレンから選択され;R8上の置換基については、該置換基が、-OH、ハロ(例えば、F、Cl、Br及びI)、CN、C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシ(例えばC1-2アルコキシ)から独立して選択される1つ以上(例えば1〜3つ)の基であることが好ましい、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項11】
R1が、
【化11】
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(式中、
Y1は、CR4'及びNから選択され;ここでR4'は、H、D、ヒドロキシ、F、Cl、シアノ、メチル、エチル、1〜3個のフルオロで置換されているメチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているエチルから選択され;
R4は、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されているピリジニル、任意選択的に置換されているピラジニル、任意選択的に置換されているピリダジニル、任意選択的に置換されているピリミジニル、任意選択的に置換されているC3-4シクロアルキル、任意選択的に置換されているベンジル、任意選択的に置換されているピリジニルメチレン、及び任意選択的に置換されているC3-4シクロアルキルメチレンから選択され;R4上の置換については、置換基が、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロC1-4アルキル、ハロC1-4アルコキシ、メタンスルホニル及び-CNから独立して選択される1つ以上の基であることが好ましく;
Y2は、C、O及びNから選択され;nは1又は2を表し、各R5は、H及び任意選択的に置換されているC1-3アルキルから独立して選択され;
環Aは、任意選択的に置換されているベンゼン環、任意選択的に置換されているピリジン、任意選択的に置換されているピロール、任意選択的に置換されているフラン、及び任意選択的に置換されているチオフェンから選択され;
環Bは、任意選択的に置換されているベンゼン環、及び任意選択的に置換されているピリジンから選択され;
環A及び環B上の置換については、置換基が、ハロ、カルボキシル、C1-8アルキル、ハロC1-8アルキル、-C1-C6アルキル-OH、シアノ、-C(O)NRaRb、-ORd、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロシクリルC1-3アルキレン、C1-3アルキレンNRaRb、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロアリールカルボニル、-NRaRb、-S(O)2C1-6アルキル、-S(O)C1-6アルキル、-N(Ra)S(O)2Rb、-N(Ra)C(O)Rb及び-C(O)OC1-8アルキルから独立して選択される1つ以上(例えば1つ又は2つ)の基であることが好ましく、ここでRa及びRbは、水素、C1-8アルキル、ハロC1-8アルキルからそれぞれ独立して選択され;Rdは、H、C6-10アリール、C1-8アルキル、ハロC1-8アルキル、-NRaRbで置換されているC1-8アルキル、ヒドロキシで置換されているC1-8アルキル、又はC1-3アルコキシで置換されているC1-8アルキルであり;
R7及びR7'は、H、D、CN、C1-3アルキル及びハロC1-3アルキルからそれぞれ独立して選択される)
から選択され、
R2が、H、D、C1-2アルキル、1個以上の重水素で置換されているC1-3アルキル、1〜3個のフルオロで置換されているC1-2アルキルから選択され;
R3及びR3'が、H、D、及び任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)からそれぞれ独立して選択され、好ましくは、H、D、メチル及びエチルからそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
X1が、CR6a及びNから選択され;
X2が、CR6b及びNから選択され;
X3が、CR6c及びNから選択され、X1、X2及びX3の多くとも2つはNであり;
X4が、NR8及びOから選択され;
R6a、R6b及びR6cは、H、D、F、Cl、メチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているメチルからそれぞれ独立して選択され;
R8は、H、D、酸素、ヒドロキシ、任意選択的に置換されているC1-4アルキル、任意選択的に置換されているC1-6アルカノイル、任意選択的に置換されているC3-6シクロアルキル、ヘテロ原子として酸素又は窒素を含有する任意選択的に置換されている3〜6員のヘテロシクリル、任意選択的に置換されているC3-6シクロアルキルメチレン、任意選択的に置換されているベンジル、及び任意選択的に置換されているピリジニルメチレンから選択され;R8上の置換基については、該置換基が、-OH、ハロ(例えば、F、Cl、Br及びI)、CN、C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシ(例えばC1-2アルコキシ)から独立して選択される1つ以上(例えば1〜3つ)の基であることが好ましい、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項12】
式(I)が、
【化12】
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(式中、
各可変要素は、各請求項において定義されるのと同様に定義され;
好ましくは、R3及びR3'は、H、D、及び任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)からそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
好ましくは、R3及びR3'は、H、D、及び1、2個又はそれ以上のハロ(例えば、F、Cl、Br、及びI)で任意選択的に置換されているC1-3アルキル(例えば、メチル、エチル)からそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
さらに好ましくは、R3はメチル又はエチルであり、且つR3'はHであり;より好ましくは、R3はメチルであり、且つR3'はHである)
であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項13】
前記実施例から選択される化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、及び任意選択的に薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項15】
ブロモドメインタンパク質により媒介される疾患の治療及び/又は予防のための医薬、又はブロモドメインタンパク質阻害剤としての製品の製造のための、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩の使用。
【請求項16】
ブロモドメインタンパク質により媒介される疾患が、がん(血液学的悪性腫瘍、正中がん腫など)、炎症性疾患、循環器疾患、ウイルス感染症、線維症、代謝性疾患、放射能中毒、移植臓器の急性拒絶又は多臓器機能不全症候群及びアルツハイマー病を含む、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
ブロモドメインタンパク質活性を非治療的に阻害するための方法であって、有効量の請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を、ブロモドメインタンパク質と接触させ、それによりブロモドメインタンパク質を阻害することを含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製薬化学の分野に属する。特に、本発明は、BET(ブロモドメイン及び末端外ドメイン)阻害剤(特に新規な構造を有する、BRD4(ブロモドメイン含有タンパク質4)を標的とする阻害剤)である、新規な化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、及びそれを含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロモドメイン含有タンパク質(BCP)は、構造及び配列類似性に基づいて8つのファミリーに分類されるが、これらの中で最も広く研究されているファミリーはBETファミリーである。BETファミリーは合計で4つのメンバー:BRD4、BRD3、BRD2及びBRDTを含み、これらのうち最初の3つは組織中で広く発現しているが、BRDTは精巣中で特異的に発現している。これらの4つのタンパク質のそれぞれは、アセチル化リジン残基を認識することができる2つのブロモドメイン(それぞれBD1及びBD2)を有する。BRD4及びBRDTは、正の転写伸長因子(P-TEFb)と相互作用するC末端領域を含み、この領域は非保存配列を有する。BETファミリーメンバーは、アセチル化ヒストン並びに非ヒストンとの相互作用を通して遺伝子転写、複製、細胞周期進行及び他の細胞活動を調節し、ブロモドメイン含有タンパク質(BCP)の中では薬になる可能性が最も高い後成的(epigenetic)標的タンパク質であると考えられている。さらにBRD4は、BET療法のための最も有望な標的と考えられ、特にがん及び炎症治療の分野における製薬界及び学術界から相当の関心を集めている。例えば、BRD4染色体の核タンパク質(NUT)の精巣ゲノムへの転座により生成されるBRD4-NUT融合タンパク質に起因するc-MYC過剰発現によって引き起こされるNUT正中がん(NMC)は、従来の治療に対して非応答性の、高悪性度の扁平上皮細胞悪性腫瘍である。ヒトNMC由来異種移植マウスモデル実験において、BET阻害剤JQ1は扁平上皮腫瘍(tumor squamous)の分化及び増殖を阻害し、BRD4タンパク質の、クロマチン上のアセチルリジンとの結合を遮断することによって退縮を引き起こした。その一方、複数の研究は、BET阻害剤が、全ゲノムにおけるMYC転写及びMYC-依存性標的遺伝子を効果的にダウンレギュレートし得ることを示す。がんにおけるMYCの広範な病因的役割を考慮すると、BET阻害剤は、がんの治療における広範な利用のために有望である。最近の研究は、MYC駆動B細胞リンパ腫モデルにおいて、宿主がインタクトな免疫系を有する場合、BET阻害剤が最も優れた効果を示したことを示した。BET阻害剤により誘導される転写反応のゲノムワイド解析を通して、免疫チェックポイントリガンドCD274(PD-L1)が、BET阻害剤の標的遺伝子として同定された。マウス及びヒトの腫瘍細胞系において、また患者サンプルにおいて、BET阻害剤は、定常レベルで転写されるCD274発現だけでなく、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)により誘導されるCD274発現もダウンレギュレートする。MYC駆動リンパ腫マウスモデルにおいて、PD-1抗体とBET阻害剤JQ1は相乗効果を示した。これらのデータは、BET阻害剤と免疫チェックポイント阻害剤PD-1/PD-L抗体との臨床的組み合わせについての強力な裏付けを提供する。
【0003】
現在、多数の小分子BRD4阻害剤が臨床研究中である。例えば、Resverlogix社(カナダ)製のアパベタロン(apabetalone)(RVX-208、Hepalink)は、循環器疾患の治療のための臨床フェーズIIIに入っている。JQ1親核ベンゾジアゼピンをベースとして開発されたモリブレシブ(Molibresib)(I-BET762、GSK525762)、ビラブレシブ(birabresib)(OTX-015、MK8628)、CPI-0610、及びTEN-010/RG6146は、主にがんの治療のために使用される。フラグメントベースの設計から誘導されたAbbv-075は、現在、臨床適応の固形腫瘍の臨床フェーズIにある。その後に臨床試験段階に入った他のBRD4阻害剤は、BAY1238097、CC90010、FT1101、ZEN3694、PLX51107、INCB54329、GS5829、BMS98618及びODM207である。文献調査によれば、ビラブレシブ(OTX-015、MK8628)及びBAY1238097のさらなる臨床試験は、低い薬効又は毒性を原因として実質的に終了している。腫瘍又はがん及び他の疾患の分野における、単一剤としての又は組み合わせ剤におけるBRD4阻害剤の幅広い可能性を考慮すると、対象のニーズを満たす、より有効且つ安全なBRD4阻害剤を見出すことが依然として重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
広範囲の実験的研究を通して、本発明の発明者らは、高いブロモドメインタンパク質阻害活性、特にBET阻害活性、さらに特にBRD4を標的とする阻害活性を有する、以下の一般式(I)によって表される新規な構造を有する一連の小分子化合物を設計及び合成した。これらの化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、結晶形若しくは薬学的に許容される塩、及びそれを含む医薬組成物は、ブロモドメインタンパク質により媒介される疾患の治療及び/又は予防のために有用である。また本発明は、一般式(I)の化合物を調製するための方法、それを含む医薬組成物、及び医薬の製造におけるそれらの使用も提供する。
【0005】
本発明の化合物は、高いブロモドメインタンパク質阻害活性を有し、例えばがん、炎症などの疾患の治療のための新たな治療選択肢を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
実施形態
本発明は、以下の実施形態を提供する:
実施形態1.
式(I):
【0007】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
R1は、
【0008】
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
Y1は、CR4'及びNから選択され;ここでR4'は、H、D、ヒドロキシ、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、シアノ及び任意選択的に置換されているアルキル(例えばC1-6アルキル)から選択され;
R4は、任意選択的に置換されているアリール(例えばC6-14アリール)、任意選択的に置換されているヘテロアリール(例えば5〜12員のヘテロアリール)、任意選択的に置換されているシクロアルキル(例えばC3-12シクロアルキル)、任意選択的に置換されているアリールアルキレン(例えばC6-14アリールC1-3アルキレン)、任意選択的に置換されているヘテロアリールアルキレン(例えば5〜12員のヘテロアリールC1-3アルキレン)、及び任意選択的に置換されているシクロアルキルアルキレン(例えばC3-12シクロアルキルC1-3アルキレン)から選択され;
Y2は、C、O及びNから選択され;nは1又は2を表し、各R5は、H及び任意選択的に置換されているアルキル(例えばC1-8アルキル)から独立して選択され;
環Aは、任意選択的に置換されている芳香族環(例えばC6-14芳香族環)、任意選択的に置換されている複素芳香族環(例えば5〜12員の複素芳香族環)、及び任意選択的に置換されている複素環(例えば3〜12員の複素環)から選択され;
環Bは、任意選択的に置換されている芳香族環(例えばC6-14芳香族環)、任意選択的に置換されている複素芳香族環(例えば5〜12員の複素芳香族環)、及び任意選択的に置換されている複素環(例えば3〜12員の複素環)から選択され;
R7及びR7'は、H、D、CN及び任意選択的に置換されているアルキル(例えばC1-8アルキル)からそれぞれ独立して選択される)
から選択され、
R2は、H、D、任意選択的に置換されているアルキル(例えばC1-8アルキル)、及び任意選択的に置換されているシクロアルキル(例えばC3-12シクロアルキル)から選択され;
R3及びR3'は、H、D、及び任意選択的に置換されているアルキル(例えばC1-8アルキル)からそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではないか;又はR3とR3'は、それらが結合している炭素と一緒になってシクロアルキル(例えばC3-12シクロアルキル、例えばC3-8シクロアルキル、例えばシクロプロピル)を形成し;
X1は、CR6a及びNから選択され;
X2は、CR6b及びNから選択され;
X3は、CR6c及びNから選択され、X1、X2及びX3の多くとも2つはNであり;
X4は、NR8及びOから選択され;
R6a、R6b及びR6cは、H、D、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、及び任意選択的に置換されているアルキル(例えばC1-8アルキル)からそれぞれ独立して選択され;
R8は、H、D、酸素、ヒドロキシ、任意選択的に置換されているアルキル(例えばC1-8アルキル)、任意選択的に置換されているアルカノイル(例えばC1-8アルカノイル)、任意選択的に置換されているアルコキシカルボニル(例えばC1-8アルコキシカルボニル)、任意選択的に置換されているシクロアルキル(例えばC3-12シクロアルキル)、任意選択的に置換されているヘテロシクリル(例えば3〜20員のヘテロシクリル)、任意選択的に置換されているアリール(例えばC6-14アリール)、任意選択的に置換されているヘテロアリール(例えば5〜12員のヘテロアリール)、任意選択的に置換されているシクロアルキルアルキレン-(例えばC3-12シクロアルキルC1-3アルキレン-)、任意選択的に置換されているヘテロシクリルアルキレン-(例えば3〜20員のヘテロシクリルC1-3アルキレン-)、任意選択的に置換されているアリールアルキレン-(例えばC6-14アリールC1-3アルキレン-)、及び任意選択的に置換されているヘテロアリールアルキレン-(例えばC5-12ヘテロアリールC1-3アルキレン-)
から選択される]
の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【0009】
実施形態2.
R1が、
【0010】
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
Y1は、CR4’及びNから選択され;ここでR4’は、H、D、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、シアノ、及び1〜3個のハロ(例えば、F、Cl、Br、I)で任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)から選択され;好ましくは、R4'は、H、D、ヒドロキシ、F、Cl、シアノ、メチル、エチル、1〜3個のフルオロで置換されているメチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているエチルから選択され;より好ましくは、R4'は、H、D、ヒドロキシ、F、シアノ、メチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているメチルから選択され;最も好ましくは、R4'は、H、D、及びヒドロキシから選択され;
R4は、任意選択的に置換されているC6-10アリール、任意選択的に置換されている5〜10員のヘテロアリール、任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキル、任意選択的に置換されているC6-10アリールC1-3アルキレン、任意選択的に置換されている5〜10員のヘテロアリールC1-3アルキレン、及び任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキルC1-3アルキレンから選択され;好ましくは、R4は、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されているピリジニル、任意選択的に置換されているピラジニル、任意選択的に置換されているピリダジニル、任意選択的に置換されているピリミジニル、任意選択的に置換されているシクロプロピル、任意選択的に置換されているシクロブチル、任意選択的に置換されているベンジル、任意選択的に置換されているピリジニルメチレン、任意選択的に置換されているピラジニルメチレン、任意選択的に置換されているピリダジニルメチレン、任意選択的に置換されているピリミジニルメチレン、任意選択的に置換されているシクロプロピルメチレン、及び任意選択的に置換されているシクロブチルメチレンから選択され;より好ましくは、R4は、任意選択的に置換されているフェニル及び任意選択的に置換されているピリジニルから選択され;R4上の置換については、置換基が、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1-6アルキル(例えばC1-4アルキル)、C1-6アルコキシ(例えばC1-4アルコキシ)、ハロC1-6アルキル(例えば、ハロC1-4アルキル)、ハロC1-6アルコキシ(例えば、ハロC1-4アルコキシ)、メタンスルホニル及びシアノから独立して選択される1つ以上の基であることが好ましく;より好ましくは、上記置換基は、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1-2アルキル、C1-2アルコキシ、ハロC1-2アルキル、ハロC1-2アルコキシ、メタンスルホニル及びシアノから独立して選択される1つ以上の基であり;さらに好ましくは、上記置換基は、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、1〜3個のフルオロで置換されているメチル、1〜3個のフルオロで置換されているエチル、1〜3個のフルオロで置換されているメトキシ、1〜3個のフルオロで置換されているエトキシ、メタンスルホニル及びシアノから独立して選択される1つ以上の基であり;
最も好ましくは、R4は、1個以上のハロ、C1-6アルキル又はシアノで任意選択的に置換されているフェニル;及び1個以上のハロ、C1-6アルキル又はシアノで任意選択的に置換されているヘテロアリール(例えばピリジニル)から選択され;
Y2は、C、O及びNから選択され;nは1又は2を表し、各R5は、H及び任意選択的に置換されているC1-6アルキルから独立して選択され;好ましくは、各R5は、H及び任意選択的に置換されているC1-3アルキルから独立して選択され;より好ましくは、各R5は、H及びメチルから独立して選択され;
環Aは、任意選択的に置換されている5〜6員の芳香族環、任意選択的に置換されている5〜6員の複素芳香族環、及び任意選択的に置換されている3〜8員の複素環から選択され;好ましくは、環Aは、任意選択的に置換されているベンゼン環、任意選択的に置換されているピリジン、任意選択的に置換されているピロール、任意選択的に置換されているフラン、任意選択的に置換されているチオフェン、任意選択的に置換されているピペラジン、及び任意選択的に置換されているピラジンから選択され;
環Bは、任意選択的に置換されている5〜6員の芳香族環、任意選択的に置換されている5〜6員の複素芳香族環、及び任意選択的に置換されている3〜8員の複素環から選択され;好ましくは、環Bは、任意選択的に置換されているベンゼン環、任意選択的に置換されているピリジン、任意選択的に置換されているピロール、任意選択的に置換されているフラン、任意選択的に置換されているチオフェン、任意選択的に置換されているピペラジン、及び任意選択的に置換されているピラジンから選択され;
環A及び環B上の置換については、置換基が、ハロ、カルボキシル、C1-8アルキル、-ORd、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロシクリルC1-3アルキレン、C1-3アルキレンNRaRb、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロシクリルカルボニル、ハロC1-8アルキル、シアノ、-C(O)NRaRb、-NRaRb、-S(O)2C1-6アルキル、-N(Ra)S(O)2Rb、-N(Ra)C(O)Rb及び-C(O)OC1-6アルキルから独立して選択される1つ以上(例えば1つ又は2つ)の基であることが好ましく、Rdは、H、C6-10アリール、C1-8アルキル、ハロC1-8アルキル、-NRaRbで置換されているC1-8アルキル、ヒドロキシで置換されているC1-8アルキル、又はC1-6アルコキシで置換されているC1-8アルキルであり;ここでRa及びRbは、水素、C1-8アルキル、及びハロC1-8アルキルからそれぞれ独立して選択され;
R7及びR7'は、H、D、CN及び任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)からそれぞれ独立して選択され;好ましくは、R7及びR7'は、H、D、CN、C1-3アルキル及びハロC1-3アルキルからそれぞれ独立して選択され;より好ましくは、R7及びR7'は、H、D、CN、メチル、及び1〜3個のハロ(例えばフルオロ)で置換されているメチルからそれぞれ独立して選択される)
から選択され、
好ましくは、R1が、
【0011】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
より好ましくは、R1が、
【0012】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
Y1は、CR4'及びNから選択され;ここでR4'は、H、D、ヒドロキシ、F、Cl、Br、I、シアノ、及び1〜3個のハロ(例えば、F、Cl、Br、I)で任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)から選択され;好ましくは、R4'は、H、D、ヒドロキシ、F、Cl、シアノ、メチル、エチル、1〜3個のフルオロで置換されているメチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているエチルから選択され;より好ましくは、R4'は、H、D、ヒドロキシ、F、シアノ、メチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているメチルから選択され;最も好ましくは、R4'は、H、D、及びヒドロキシから選択され;
R4は、任意選択的に置換されているC6-10アリール、任意選択的に置換されている5〜10員のヘテロアリール、任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキル、任意選択的に置換されているC6-10アリールC1-3アルキレン、任意選択的に置換されている5〜10員のヘテロアリールC1-3アルキレン、及び任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキルC1-3アルキレンから選択され;好ましくは、R4は、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されているピリジニル、任意選択的に置換されているピラジニル、任意選択的に置換されているピリダジニル、任意選択的に置換されているピリミジニル、任意選択的に置換されているシクロプロピル、任意選択的に置換されているシクロブチル、任意選択的に置換されているベンジル、任意選択的に置換されているピリジニルメチレン、任意選択的に置換されているピラジニルメチレン、任意選択的に置換されているピリダジニルメチレン、任意選択的に置換されているピリミジニルメチレン、任意選択的に置換されているシクロプロピルメチレン、及び任意選択的に置換されているシクロブチルメチレンから選択され;より好ましくは、R4は、任意選択的に置換されているフェニル及び任意選択的に置換されているピリジニルから選択され;R4上の置換については、置換基が、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1-6アルキル(例えばC1-4アルキル)、C1-6アルコキシ(例えばC1-4アルコキシ)、ハロC1-6アルキル(例えば、ハロC1-4アルキル)、ハロC1-6アルコキシ(例えば、ハロC1-4アルコキシ)、メタンスルホニル及びシアノから独立して選択される1つ以上の基であることが好ましく;より好ましくは、上記置換基は、ハロ(例えば、F、Cl、Br、I)、C1-2アルキル、C1-2アルコキシ、ハロC1-2アルキル、ハロC1-2アルコキシ、メタンスルホニル及びシアノから独立して選択される1つ以上の基であり;さらに好ましくは、上記置換基は、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、1〜3個のフルオロで置換されているメチル、1〜3個のフルオロで置換されているエチル、1〜3個のフルオロで置換されているメトキシ、1〜3個のフルオロで置換されているエトキシ、メタンスルホニル及びシアノから独立して選択される1つ以上の基であり;
最も好ましくは、R4は、1個以上のハロ、C1-6アルキル又はシアノで任意選択的に置換されているフェニル、及び1個以上のハロ、C1-6アルキル又はシアノで任意選択的に置換されているヘテロアリール(例えばピリジニル)から選択され;
Y2は、C、O及びNから選択され;nは1又は2を表し、各R5は、H及び任意選択的に置換されているC1-6アルキルから独立して選択され;好ましくは、各R5は、H及び任意選択的に置換されているC1-3アルキルから独立して選択され;より好ましくは、各R5は、H及びメチルから独立して選択され;
R9は、ハロ、カルボキシル、C1-8アルキル、-ORd、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロシクリルC1-3アルキレン、C1-3アルキレンNRaRb、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロシクリルカルボニル、ハロC1-8アルキル、シアノ、-C(O)NRaRb、-NRaRb、-S(O)2C1-6アルキル、-N(Ra)S(O)2Rb、-N(Ra)C(O)Rb及び-C(O)OC1-6アルキルから選択され、Rdは、H、C6-10アリール、C1-8アルキル、ハロC1-8アルキル、-NRaRbで置換されているC1-8アルキル、ヒドロキシで置換されているC1-8アルキル、又はC1-6アルコキシで置換されているC1-8アルキルであり;ここでRa及びRbは、水素、C1-8アルキル、及びハロC1-8アルキルからそれぞれ独立して選択され;
好ましくは、R9は、ハロ、カルボキシル、C1-6アルキル、-ORd、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜8員のヘテロシクリルC1-3アルキレン、C1-3アルキレンNRaRb、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜8員のヘテロシクリルカルボニル、ハロC1-6アルキル、シアノ、-C(O)NRaRb、-NRaRb、-S(O)2C1-4アルキル、-N(Ra)S(O)2Rb、-N(Ra)C(O)Rb及び-C(O)OC1-4アルキルから選択され;Rdは、H、C6-10アリール、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、-NRaRbで置換されているC1-6アルキル、ヒドロキシで置換されているC1-6アルキル、又はC1-3アルコキシで置換されているC1-6アルキルであり;ここでRa及びRbは、水素、C1-6アルキル、及びハロC1-6アルキルからそれぞれ独立して選択され;
好ましくは、R9は、ハロ、カルボキシル、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロで置換されているC1-4アルキル、ハロで置換されているC1-4アルコキシ、シアノ、-C(O)NRaRb、-N(Ra)C(O)Rb及びC(O)OC1-4アルキルから選択され、Ra及びRbは、水素、C1-4アルキル、及びハロで置換されているC1-4アルキルからそれぞれ独立して選択され、
mは、R9の数であり、mは、0、1、2及び3から選択され;好ましくは、mは0、1又は2である)
から選択され、
最も好ましくは、R1が、
【0013】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
から選択される、
実施形態1に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【0014】
実施形態3.
X1が、N又はCHであり;
X2が、CR6b又はNであり;
X3が、CR6cであり;
R6b及びR6cは、H、D、ハロ及び任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)からそれぞれ独立して選択され;好ましくは、R6b及びR6cは、H、D、フルオロ、メチル、及び1〜3個のハロ(例えばフルオロ)で置換されているメチルからそれぞれ独立して選択され;より好ましくは、R6a、R6b及びR6cは、H、D、フルオロ及びメチルからそれぞれ独立して選択される
ことを特徴とする、実施形態1又は2に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【0015】
実施形態4.
X4が、NR8及びOから選択され、ここで
R8は、H、D、酸素、ヒドロキシ、任意選択的に置換されているC1-4アルキル、任意選択的に置換されているC1-4アルカノイル、任意選択的に置換されているC1-4アルコキシカルボニル、任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキル、任意選択的に置換されている3〜8員のヘテロシクリル(例えば、ヘテロ原子として酸素又は窒素を含有する3〜8員のヘテロシクリル)、任意選択的に置換されているC6-10アリール、任意選択的に置換されている5〜10員のヘテロアリール、任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキルC1-3アルキレン-(例えばC3-8シクロアルキルメチレン)、任意選択的に置換されている3〜8員のヘテロシクリルC1-3アルキレン-、任意選択的に置換されているC6-10アリールアルキレン-(例えばベンジル)、及び任意選択的に置換されている5〜10員のヘテロアリールC1-3アルキレン-(例えばピリジニルC1-3アルキレン-、例えばピリジニルメチレン-)から選択され;
好ましくは、R8は、H、D、酸素、ヒドロキシ、メチル、エチル、プロピル(例えばイソプロピル)、ヒドロキシエチル、ヒドロキシで置換されているプロピル、C1-2アルコキシで置換されているC2-4アルキル、メトキシカルボニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、オキセタニル、オキソラニル(すなわちオキサシクロペンチル)、テトラヒドロピラニル、シクロプロパンメチレン-、ベンジル、及びピリジニルメチレンから選択され;
R8上の置換については、上記置換基が、-OH、F、CN、-NH2、C1-6アルコキシ(例えばC1-2アルコキシ)、-NH(C1-3アルコキシ)、及び-N(C1-3アルコキシ)2から独立して選択される1つ以上の基であることが好ましい
ことを特徴とする、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【0016】
実施形態5.
R2が、H、D、任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-4アルキル)、及び任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキル(例えばC3-6シクロアルキル)から選択され;R2上の置換については、置換基が、ハロ(例えば、F、Cl、Br及びI)及びヒドロキシから独立して選択される1、2、3つ又はそれ以上の基であることが好ましく;
より好ましくは、R2が、H、D、1〜3個のハロ(例えばフルオロ)及び/又はヒドロキシで任意選択的に置換されているC1-3アルキル、並びに1〜3個のハロ(例えばフルオロ)及び/又はヒドロキシで任意選択的に置換されているC3-4シクロアルキルから選択され;
さらに好ましくは、R2が、H、D、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、-CHF2、-CH2F、-CF3、CH2CF3及びシクロプロピルから選択される
ことを特徴とする、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【0017】
実施形態6.
R3及びR3'が、H、D、及び任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)からそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
好ましくは、R3及びR3'が、H、D、及び、1、2個又はそれ以上のハロ(例えば、F、Cl、Br、及びI)で任意選択的に置換されているC1-3アルキル(例えば、メチル、エチル)からそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
さらに好ましくは、R3及びR3'が、H、メチル及びエチルからそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
又はさらに好ましくは、R3とR3'のいずれかがメチルであり、且つ他方がHである
ことを特徴とする、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【0018】
実施形態7.
R1が、
【0019】
【化7】
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(式中、
Y1は、CR4'及びNから選択され;ここでR4'は、H、D、ヒドロキシ、F、Cl、シアノ、メチル、エチル、1〜3個のフルオロで置換されているメチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているエチルから選択され;
R4は、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されているヘテロアリール、任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキル、任意選択的に置換されているベンジル、任意選択的に置換されているヘテロアリールアルキレン、及び任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキルアルキレンから選択され;
Y2は、C、O及びNから選択され;nは1又は2を表し、各R5は、H及び任意選択的に置換されているC1-3アルキルから独立して選択され;
環Aは、任意選択的に置換されているベンゼン環、及び任意選択的に置換されている5〜6員の複素芳香族環から選択され;
環Bは、任意選択的に置換されているベンゼン環、及び任意選択的に置換されている5〜6員の複素芳香族環(例えばピリジン環)から選択され;
R7及びR7'は、H、D、CN及び任意選択的に置換されているC1-3アルキルからそれぞれ独立して選択される)
から選択され、
R2が、H、D、任意選択的に置換されているC1-4アルキル及び任意選択的に置換されているC3-4シクロアルキルから選択され;
R3及びR3'が、H、D、及び任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)からそれぞれ独立して選択され、好ましくは、H、D、メチル、及びエチルからそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではないか;又はR3とR3'は、それらが結合している炭素と一緒になってシクロプロピルを形成し;
X1が、CR6a及びNから選択され;
X2が、CR6b及びNから選択され;
X3が、CR6c及びNから選択され、X1、X2及びX3の多くとも2つはNであり;
X4が、NR8及びOから選択され;
R6a、R6b及びR6cは、H、D、ハロ及び任意選択的に置換されているC1-3アルキルからそれぞれ独立して選択され;
R8は、H、D、酸素、ヒドロキシ、任意選択的に置換されているC1-6アルキル、任意選択的に置換されているC1-6アルカノイル、任意選択的に置換されているC1-6アルキルカルボニル、任意選択的に置換されているC3-8シクロアルキル、任意選択的に置換されている3〜8員のヘテロシクリル及び任意選択的に置換されているベンジルから選択される、
実施形態1に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【0020】
実施形態8.
R1が、
【0021】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
Y1は、CR4'及びNから選択され;ここでR4'は、H、D、ヒドロキシ、F、Cl、シアノ、メチル、エチル、1〜3個のフルオロで置換されているメチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているエチルから選択され;
R4は、任意選択的に置換されているフェニル、任意選択的に置換されているピリジニル、任意選択的に置換されているピラジニル、任意選択的に置換されているピリダジニル、任意選択的に置換されているピリミジニル、任意選択的に置換されているC3-4シクロアルキル、任意選択的に置換されているピリジニルメチレン、及び任意選択的に置換されているC3-4シクロアルキルメチレンから選択され;R4上の置換については、置換基が、ハロ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロC1-4アルキル、ハロC1-4アルコキシ、メタンスルホニル及び-CNから独立して選択される1つ以上の基であることが好ましく;
Y2は、C、O及びNから選択され;nは1又は2を表し、各R5は、H及び任意選択的に置換されているC1-3アルキルから独立して選択され;
環Aは、任意選択的に置換されているベンゼン環、任意選択的に置換されているピリジン、任意選択的に置換されているピロール、任意選択的に置換されているフラン、及び任意選択的に置換されているチオフェンから選択され;
環Bは、任意選択的に置換されているベンゼン環、及び任意選択的に置換されているピリジンから選択され;
環A及び環B上の置換については、置換基が、ハロ、カルボキシル、C1-8アルキル、ハロC1-8アルキル、シアノ、-C(O)NRaRb、-ORd、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロシクリルC1-3アルキレン、C1-3アルキレンNRaRb、非置換であるか又は1〜3個のC1-3アルキルで置換されている5〜10員のヘテロアリールカルボニル、-NRaRb、-S(O)2C1-6アルキル、-N(Ra)S(O)2Rb、-N(Ra)C(O)Rb及び-C(O)OC1-8アルキルから独立して選択される1つ以上(例えば1つ又は2つ)の基であることが好ましく、ここでRa及びRbは、水素、C1-8アルキル、及びハロC1-8アルキルからそれぞれ独立して選択され;Rdは、H、C6-10アリール、C1-8アルキル、ハロC1-8アルキル、-NRaRbで置換されているC1-8アルキル、ヒドロキシで置換されているC1-8アルキル、又はC1-3アルコキシで置換されているC1-8アルキルであり;ここでRa及びRbは、水素、C1-6アルキル、及びハロC1-6アルキルからそれぞれ独立して選択され;
R7及びR7'は、H、D、CN、C1-3アルキル及びハロC1-3アルキルからそれぞれ独立して選択される)
から選択され、
R2が、H、D、C1-2アルキル、及び1〜3個のフルオロで置換されているC1-2アルキルから選択され;
R3及びR3'が、H、D、及び任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)からそれぞれ独立して選択され、好ましくは、H、D、メチル、及びエチルからそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
X1が、CR6a及びNから選択され;
X2が、CR6b及びNから選択され;
X3が、CR6c及びNから選択され、X1、X2及びX3の多くとも2つはNであり;
X4が、NR8及びOから選択され;
R6a、R6b及びR6cは、H、D、F、Cl、メチル、及び1〜3個のフルオロで置換されているメチルからそれぞれ独立して選択され;
R8は、H、D、酸素、ヒドロキシ、任意選択的に置換されているC1-4アルキル、任意選択的に置換されているC3-6シクロアルキル、ヘテロ原子として酸素又は窒素を含有する任意選択的に置換されている3〜6員のヘテロシクリル、任意選択的に置換されているC3-6シクロアルキルメチレン、任意選択的に置換されているベンジル、及び任意選択的に置換されているピリジニルメチレンから選択され;R8上の置換基については、上記置換基が、-OH、ハロ(例えば、F、Cl、Br及びI)、CN及びC1-6アルコキシ(例えばC1-2アルコキシ)から独立して選択される1つ以上(例えば1〜3つ)の基であることが好ましい
ことを特徴とする、実施形態1に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【0022】
実施形態9.
R1が、
【0023】
【化9】
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(
Y1は、CR4'及びNから選択され;ここでR4'は、H、D、及びヒドロキシから選択され;
R4は、任意選択的に置換されているフェニル及び任意選択的に置換されているピリジニルから選択され;R4上の置換については、置換基が、F、Cl、C1-2アルキル、1〜3個のフルオロで置換されているC1-2アルキル、及び-CNから独立して選択される1つ以上の基であることが好ましく;
R9は、フルオロ、クロロ、カルボキシル、メチル、メトキシ、フルオロメチル、及びフルオロメトキシから選択され、mは、R9の数であり、且つmは、0、1又は2である)
から選択され、
R2が、メチル、エチル、-CHF2、-CH2F及び-CF3から選択され;
R3及びR3'が、H、D、メチル、及びエチルからそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
X1が、Nであり;
X2が、CR6b又はNであり;
X3が、CR6cであり;
X4が、NR8又はOであり;
R6b及びR6cは、H及びFからそれぞれ独立して選択され;
R8は、H、D、酸素、ヒドロキシ、メチル、エチル、プロピル(例えばイソプロピル)、ヒドロキシエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、オキセタニル、フリル、ピラニル、シクロプロパンメチレン、ベンジル及びピリジニルメチレンから選択され、R8上の置換については、置換基が、ハロ(例えば、F、Cl、Br及びI)、CN及びC1-6アルコキシ(例えばメトキシ)から独立して選択される1つ以上の基であることが好ましい
ことを特徴とする、実施形態1に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【0024】
実施形態10.
式(I)が、
【0025】
【化10】
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(式中、
各可変要素は、各請求項において定義されるのと同様に定義され;
好ましくは、R3及びR3'は、H、D、及び任意選択的に置換されているC1-6アルキル(例えばC1-3アルキル)からそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
好ましくは、R3及びR3'は、H、D、及び1、2個又はそれ以上のハロ(例えば、F、Cl、Br、及びI)で任意選択的に置換されているC1-3アルキル(例えば、メチル、エチル)からそれぞれ独立して選択され、且つR3とR3'の少なくとも1つはHではなく;
さらに好ましくは、R3はメチル又はエチルであり、且つR3'はHであり;より好ましくは、R3はメチルであり、且つR3'はHである)
であることを特徴とする、実施形態1〜9に記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【0026】
実施形態11.
上記化合物が実施例の化合物から選択される、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩。
【0027】
実施形態12.
実施形態1〜11のいずれか1つに記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩、及び任意選択的に薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【0028】
実施形態13.
ブロモドメインタンパク質により媒介される疾患の治療及び/又は予防のための医薬、又はブロモドメインタンパク質阻害剤としての製品の製造における、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩の使用。
【0029】
実施形態14.
ブロモドメインタンパク質により媒介される疾患が、がん(血液学的悪性腫瘍、正中がん腫など)、炎症性疾患、循環器疾患、ウイルス感染症、線維症、代謝性疾患、放射能中毒、移植臓器の急性拒絶又は多臓器機能不全症候群及びアルツハイマー病を含む、実施形態13に記載の使用。
【0030】
実施形態15.
ブロモドメインタンパク質活性を非治療的に阻害するための方法であって、有効量の実施形態1〜11のいずれか1つに記載の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容される塩を、ブロモドメインタンパク質と接触させ、それにより上記ブロモドメインタンパク質を阻害することを含む、上記方法。
【0031】
定義
本出願において使用される以下の用語及び記号は、文脈において別段に特定されない限り、以下に記載される意味を有する。
【0032】
2つの文字又は記号の間にないダッシュ(「-」)は、置換基の結合点を示す。例えば、C1-6アルキルカルボニル-は、カルボニルを介して分子の残部に結合しているC1-6アルキルを指す。しかし、置換基の結合点が当業者に明らかである場合、例えば、ハロ置換基については、ダッシュ「-」は省略してもよい。
【0033】
基が、波線「
【0034】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
」を有する場合(例えば「
【0035】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
」において)、波線は、分子の残部への基の結合点を示す。
【0036】
本明細書中で使用される用語「水素」は、基-Hを指す。
【0037】
本明細書中で使用される記号「D」は、重水素を指す。
【0038】
本明細書中で使用される用語「ヒドロキシル」は、基-OHを指す。
【0039】
本明細書中で使用される用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)及びヨード(I)、好ましくはフルオロ及びクロロ、最も好ましくはフルオロを指す。
【0040】
本明細書中で使用される用語「シアノ」は、基-CNを指す。
【0041】
本明細書中で使用される用語「アルキル」は、1〜8個の炭素原子(例えば1〜6個の炭素原子、例えば1〜4個の炭素原子、例えば1、2又は3個の炭素原子)を有する直鎖又は分岐鎖飽和一価炭化水素基を指す。例えば、「C1-8アルキル」は、1〜8個の炭素原子を有するアルキルを指す。同様に、「C1-6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキルを指し、「C1-4アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有するアルキルを指し、「C1-3アルキル」は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルを指す。アルキルの例としては、限定するものではないが、メチル(「Me」)、エチル(「Et」)、プロピル(例えば、n-プロピル(「n-Pr」)又はイソプロピル(「i-Pr」))、ブチル(例えば、n-ブチル(「n-Bu」)、イソブチル(「i-Bu」)、sec-ブチル(「s-Bu」)又はt-ブチル(「t-Bu」))、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。用語「アルキル」が単独で使用されるか、又はハロアルキル、アルコキシ等の別の基の一部として使用されるかに関わらず、この定義が適用される。
【0042】
本明細書中で使用される用語「アルキレン」は、1〜8個の炭素原子(例えば1〜6個の炭素原子、例えば1〜4個の炭素原子、例えば1、2又は3個の炭素原子)を有する直鎖又は分岐鎖の飽和二価炭化水素基を指す。例えば、「C1-8アルキレン」は1〜8個の炭素原子を有するアルキレンを指す。同様に、「C1-6アルキレン」は1〜6個の炭素原子を有するアルキレンを指し、「C1-4アルキレン」は1〜4個の炭素原子を有するアルキレンを指し、「C1-3アルキレン」は1〜3個の炭素原子を有するアルキレンを指す。アルキレンの例としては、限定するものではないが、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン等が挙げられる。用語「シクロアルキルアルキレン」は、アルキレンを介して分子の残部に結合しているシクロアルキルを指す。同様に、用語「ヘテロシクリルアルキレン」は、アルキレンを介して分子の残部に結合しているヘテロシクリルを指し、用語「アリールアルキレン」は、アルキレンを介して分子の残部に結合しているアリールを指し、用語「ヘテロアリールアルキレン」は、アルキレンを介して分子の残部に結合しているヘテロアリールを指す、などである。
【0043】
本明細書中で使用される用語「アルコキシ」は、基-O-アルキルを指し、ここでアルキルは上記に定義されるとおりである。例えば、「C1-8アルコキシ」は、-O-C1-8アルキル(すなわち、1〜8個の炭素原子を有するアルコキシ)を指す。同様に、「C1-6アルコキシ」は、-O-C1-6アルキル(すなわち、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ)を指し、「C1-4アルコキシ」は、-O-C1-4アルキル(すなわち、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ)を指し、「C1-3アルコキシ」は、-O-C1-3アルキル(すなわち、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ)を指す。アルコキシの例としては、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えばn-プロポキシ又はイソプロポキシ)、ブトキシ(例えばn-ブトキシ、イソブトキシ又はt-ブトキシ)、ペントキシ及びヘキソキシ等が挙げられる。用語「アルコキシ」が、単独で使用されるか、又は別の基の一部として使用されるかに関わらず、この定義が適用される。
【0044】
本明細書中で使用される用語「ハロアルキル」は、1個以上の水素原子(例えば1、2、3、4又は5個の水素原子)がハロゲンにより置き換えられている、本明細書中で定義されるアルキルであって;2個以上の水素原子がハロゲン原子により置き換えられている場合、前記ハロゲン原子は互いに同一であっても異なっていてもよい、上記アルキルを指す。ハロアルキルの例としては、限定するものではないが、-CF3、-CHF2及び-CH2CF3等が挙げられる。
【0045】
本明細書中で使用される用語「ヒドロキシルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」は、ヒドロキシルで置換されているアルキル(ここでアルキルは、本明細書中で定義されるとおりである)を指す。このような基の例としては、限定するものではないが、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル(例えば、2-ヒドロキシエチル、1-ヒドロキシエチル)、ヒドロキシプロピル(例えば、1-ヒドロキシプロパ-2-イル、1-ヒドロキシプロパ-3-イル、1-ヒドロキシプロパ-1-イル等)、ヒドロキシブチル(例えば、4-ヒドロキシブタ-2-イル等)などが挙げられる。
【0046】
本明細書中で使用される用語「シクロアルキル」は、3〜12個の環炭素原子(例えば3〜8個の環炭素原子、例えば3〜6個の環炭素原子、例えば3〜4個の環炭素原子)を有する、飽和の一価単環式又は二環式炭化水素基を指す。例えば、「C3-12シクロアルキル」は、3〜12個の環炭素原子を有するシクロアルキルを指す。同様に、「C3-8シクロアルキル」は、3〜8個の環炭素原子を有するシクロアルキルを指し;「C3-6シクロアルキル」は、3〜6個の環炭素原子を有するシクロアルキルを指し;「C3-4シクロアルキル」は、3〜4個の環炭素原子を有するシクロアルキルを指す。シクロアルキルの例としては、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル等が挙げられる。
【0047】
本明細書中で使用される用語「ヘテロシクリル」又は「複素環式」若しくは「複素環」は、O、S及びNから選択される1〜4個(例えば1〜3個、例えば1又は2個、例えば1個)のヘテロ原子に加えて少なくとも1個の炭素原子を含む、3〜20個の環原子(例えば3〜12個の環原子、例えば3〜8個の環原子、例えば3〜6個の環原子)を有する単環式、二環式又は三環式の飽和又は部分不飽和の非芳香族環を指す。一例において、前記「ヘテロシクリル」又は「複素環式」若しくは「複素環」は、O、S及びNから選択される1〜4個(例えば1〜3個、例えば1又は2個、例えば1個)のヘテロ原子に加えて少なくとも1個の炭素原子を含む、3〜8個の環原子(例えば3、4、5又は6個の環原子)を有する単環式環である。一例において、前記「ヘテロシクリル」又は「複素環式」若しくは「複素環」は、0、1、2又は3個の二重結合を含む。任意の窒素又は硫黄ヘテロ原子は、任意選択的に酸化されていてもよく(例えば、NO、SO、SO2)、任意の窒素ヘテロ原子は、任意選択的に第四級化されていてもよい(例えば、[NR4]+Cl-、[NR4]+OH-)。3〜8個の環原子を有するヘテロシクリルはまた、単に3〜8員のヘテロシクリルとも呼ばれ、他の環原子数を有するヘテロシクリルは、同様に略すことができる。ヘテロシクリルの例としては、限定するものではないが、オキシラニル、アジリジニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2-ジチエタニル、1,3-ジチエタニル、ピロリジニル(ピロリジン-1-イル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル)、ジヒドロ-1H-ピロリル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル(例えば、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロフラン-4-イル)、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル(例えば、ピペラジン-1-イル、ピペラジン-2-イル、ピペラジン-3-イル、ピペラジン-4-イル)、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、モルホリニル(例えば、モルホリノ(すなわち、モルホリン-1-イル)、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イル)、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル(例えば、テトラヒドロピラン-2-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル)、ヘキサヒドロチオピラニル、ヘキサヒドロピリミジル、オキサジタニル(oxazitanyl)、チアジナニル(thiazinanyl)、チオキサニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、1,4-ジアゼパニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、チアゼパニル、テトラヒドロチオピラニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,1-ジオキソイソチアゾリドニル、オキサゾリジノニル、イミダゾリジノニル、4,5,6,7-テトラヒドロ[2H]インダゾリル、テトラヒドロベンズイミダゾリル、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[d]イミダゾリル、1,6-ジヒドロイミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジニル、チアジニル、オキサジニル、チアジアジニル、オキサジアジニル、ジチアジニル、ジオキサジニル、オキサチアジニル、チアトリアジニル、オキサトリアジニル、ジチアジアジニル、イミダゾリニル、ジヒドロピリミジル、テトラヒドロピリミジニル、1-ピロリニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、チオピラニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジチアニル、ジチオラニル、ピリミジノニル、ピリミジンジオニル、ピリミジン-2,4-ジオニル、ピペラジノニル、ピペラジンジオニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、6-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル、2-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、2-アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、8-アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、アザスピロ[3.5]ノナニル、アザスピロ[2.5]オクタニル、アザスピロ[4.5]デカニル、1-アザスピロ[4.5]デカン-2-オニル、アザスピロ[5.5]ウンデカニル、テトラヒドロインドリル、オクタヒドロインドリル、テトラヒドロイソインドリル、テトラヒドロインダゾリル、1,1-ジオキソヘキサヒドロチオピラニルなどが挙げられる。硫黄又は酸素原子と1〜3個の窒素原子とを含む5員のヘテロシクリルの例は、チアゾリル(例えば、チアゾール-2-イル及びチアゾール-2-イル-N-オキシドなど);チアジアゾリル(例えば、1,3,4-チアジアゾール-5-イル及び1,2,4-チアジアゾール-5-イルなど);オキサゾリル(例えば、オキサゾール-2-イルなど);及びオキサジアゾリル(例えば、1,3,4-オキサジアゾール-5-イル及び1,2,4-オキサジアゾール-5-イルなど)である。2〜4個の窒素原子を含む5員のヘテロシクリルの例としては、イミダゾリル(例えば、イミダゾール-2-イル);トリアゾリル(例えば、1,3,4-トリアゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,4-トリアゾール-5-イル);及びテトラゾリル(例えば、1H-テトラゾール-5-イル)などが挙げられる。ベンゾ縮合した5員のヘテロシクリルの例は、ベンゾオキサゾール-2-イル、ベンゾチアゾール-2-イル及びベンズイミダゾール-2-イルである。例示的な6員のヘテロシクリルは、1〜3個の窒素原子と任意選択的に硫黄又は酸素原子とを含み、例えば、ピリジニル(例えば、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル及びピリジン-4-イル);ピリミジニル(例えば、ピリミジン-2-イル及びピリミジン-4-イル);トリアジニル(例えば、1,3,4-トリアジン-2-イル及び1,3,5-トリアジン-4-イル);ピリダジニル(特にピリダジン-3-イル);及びピラジニルである。ヘテロシクリルのさらなる例は、ピリジンN-オキシド及びピリダジンN-オキシド、並びにピリジニル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピリダジニル及び1,3,4-トリアジン-2-イルである。
【0048】
本明細書中で使用される用語「アリール」は、1個以上の縮合環(少なくとも1個の環は芳香族である)からなり、且つ6〜14個の環炭素原子(例えば6〜12個の環炭素原子、例えば6〜10個の環炭素原子)を有する炭素環式炭化水素基を指す。アリールの例としては、限定するものではないが、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、インデニル、好ましくはフェニル及びナフチルなどが挙げられる。従って、本明細書中で使用される用語「芳香族環」は、上記に定義されるアリールの環を指す。
【0049】
本明細書中で使用される用語「ヘテロアリール」は、以下のものを指す:
5、6又は7個の環原子を有し(例えば6個の環原子を有し)、且つ環中にN、O及びS(例えば、N)から独立して選択される1個以上(例えば1、2又は3個、例えば1又は2個)の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素原子である単環式芳香族炭化水素基;及び
8〜12個の環原子を有し(例えば9又は10個の環原子を有し)、且つ環中にN、O及びS(例えば、N)から独立して選択される1個以上(例えば1、2、3又は4個、例えば1又は2個)の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素原子である二環式芳香族炭化水素基(環の少なくとも1個は芳香族である)。
【0050】
ヘテロアリール基中のS原子とO原子の合計数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接しない。
【0051】
ヘテロアリール基はまた、N環ヘテロ原子がN-オキシドとして存在するもの(例えば、ピリミジニルN-オキシド)も含む。
【0052】
一部の実施形態において、上記のヘテロアリール中の環ヘテロ原子(1個又は複数個)はN原子(1個又は複数個)であり、「窒素含有ヘテロアリール」と呼ばれる。窒素含有ヘテロアリールはまた、N環ヘテロ原子がN-オキシドとして存在するもの(例えばピリジルN-オキシド)も含む。
【0053】
ヘテロアリールの例としては、限定するものではないが、ピリジル(例えば、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリジン-5-イル、ピリジン-6-イル)、ピリジルN-オキシド;ピラジニル;ピリミジニル;ピラゾリル(例えば、ピラゾール-5-イル、ピラゾール-1-イル、ピラゾール-2-イル、ピラゾール-3-イル、ピラゾール-4-イル);イミダゾリル;オキサゾリル;イソオキサゾリル;チアゾリル;イソチアゾリル;チアジアゾリル;テトラゾリル;トリアゾリル;チエニル;フリル;ピラニル;ピロリル;ピリダジニル;ベンゾ[d]チアゾリル;ベンゾジオキソリル(例えば、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル);ベンゾオキサゾリル(例えば、ベンゾ[d]オキサゾリル);イミダゾピリジル(例えば、イミダゾ[1,2-a]ピリジル);トリアゾロピリジル(例えば、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジル及び[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジル);インダゾリル、2H-インダゾリル;ピロロピリミジニル(例えば、ピロロ[3,4-d]ピリミジニル、7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジニル);ピラゾロピリミジニル(例えば、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジニル);テトラゾロピリジル(例えば、テトラゾロ[1,5-a]ピリジル);ベンゾチエニル;ベンゾフリル;ベンゾイミダゾリニル;インドリル;インドリニル;プリニル(例えば、9H-プリニル及び7H-プリニル);キノリニル;イソキノリニル;1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル;及び5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられる。
【0054】
窒素含有ヘテロアリールの例としては、限定するものではないが、ピロリル;ピラゾリル;イミダゾリル;ピリジル;ピラジニル;ピリミジニル、ピリミジニルN-オキシド;ピリダジニル;ピロロピリミジニル(例えば、ピロロ[3,4-d]ピリミジニル、7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジニル);プリニル、例えば、9H-プリニル及び7H-プリニル;キノリニル;インドリル;及びインダゾリルなどが挙げられる。
【0055】
従って、本明細書中で使用される用語「複素芳香族環」は、上記に定義されるヘテロアリールの環を指す。
【0056】
本明細書中で使用される「アリール」又は「芳香族」は、ヒュッケル則(π電子の数は4n+2に等しく、ここでnはゼロ又は6までの任意の正の整数である)に従う。
【0057】
本明細書中で使用される用語「カルボニル」は、基-C(O)-(すなわち-CO-)を指す。
【0058】
本明細書中で使用される用語「アルキルカルボニル」は、カルボニルを介して他の基に結合しているアルキル基、すなわち、アルキル-C(O)-(式中、アルキルは本明細書中で定義されるとおりである)を指す。
【0059】
本明細書中で使用される用語「アルコキシカルボニル」は、カルボニル基を介して別の基に結合しているアルコキシ基、すなわち、アルコキシ-C(O)-(式中、アルコキシは上記に定義されるとおりである)を指す。
【0060】
本明細書中で使用される用語「アルカノイル」は、基アルキル-COO-(式中、アルキルは上記に定義されるとおりである)を指す。
【0061】
本明細書中で使用される用語「アミノ」は、基-NH2を指す。
【0062】
本明細書中で使用される用語「アルキルアミノ」又は「モノアルキルアミノ」は、基アルキル-NH-(式中、アルキルは上記に定義されるとおりである)を指す。
【0063】
本明細書中で使用される用語「ジアルキルアミノ」は、基(アルキル)2-N-(式中、アルキルは上記に定義されるとおりである)を指す。
【0064】
本明細書中で使用される用語「オキソ」は、基=Oを指す。
【0065】
本明細書中で使用される用語「ベンジル」は、メチレン基を介して結合しているフェニル基を指す。
【0066】
本明細書中で使用される用語「任意選択の」は、その後に記載される事象が生じていても生じていなくてもよく、その記載が、事象が生じる場合と生じない場合とを含むことを意味する。例えば、「任意選択的に置換されているアルキル」は、「非置換アルキル」と「置換アルキル」(ここでアルキルは本明細書中で定義されるとおりである)の両方を指す。当業者であれば、1つ以上の置換基を含む任意の基に関して、かかる基が、立体的に実現困難であり、化学的に不正確であり、合成的に実現不可能であり、且つ/又は本質的に不安定なあらゆる置換又は置換パターンを導入することは意図していないことを理解するであろう。
【0067】
本明細書中で使用される用語「置換されている」又は「・・・で置換されている」は、所与の原子又は基上の1個以上の水素原子が、例えば、指示される置換基の群から選択される1つ以上の置換基で置き換えられている(但し指定される原子の通常の価数を超えないことを条件とする)ことを意味する。置換基がオキソ(すなわち、=O)である場合、単一原子上の2個の水素がオキソにより置き換えられている。置換基及び/又は可変要素の組み合わせは、そのような組み合わせが化学的に正確で安定な化合物を生じさせる場合にのみ許容される。化学的に正確で安定な化合物は、化合物の化学構造の同定のための反応混合物からの単離に耐え、その後、少なくとも1つの実用的な用途を有する製剤に調製されるのに十分にロバストな化合物を意味する。例えば、置換基が具体的に示されていない状況下では、本明細書中で使用される用語「置換されている」又は「置換」は、所与の原子又は基上の1個以上の水素原子が、以下から独立して選択される1つ以上(例えば1、2、3又は4つ)の置換基により独立して置き換えられていることを意味する:重水素(D)、ハロ、-OH、メルカプト、シアノ、-CD3、アルキル(好ましくはC1-6アルキル)、アルコキシ(好ましくはC1-6アルコキシ)、アルキルチオ(好ましくはC1-6アルキルチオ)、ハロアルキル(好ましくはハロC1-C6アルキル)、ハロアルコキシ(好ましくはハロC1-C6アルコキシ)、-C(O)NRaRb及び-N(Ra)C(O)Rb及び-C(O)OC1-4アルキル(ここでRa及びRbは、水素、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、及びC3-8シクロアルキルからそれぞれ独立して選択されるか、又はRaとRbは、それらを有する窒素原子と一緒になってC3-8ヘテロシクリルを形成する)、カルボキシル(-COOH)、シクロアルキル(好ましくは3〜8員のシクロアルキル)、ヘテロシクリル(好ましくは3〜8員のヘテロシクリル)、アリール、ヘテロアリール、アリール-C1-C6アルキル-、ヘテロアリール-C1-C6アルキル-、-OC1-C6アルキルフェニル、-C1-C6アルキル-OH(好ましくは-C1-C4アルキル-OH)、-C1-C6アルキル-SH、-C1-C6アルキル-O-C1-C6アルキル、-NH2、-C1-C6アルキル-NH2(好ましくは-C1-C3アルキル-NH2)、-N(C1-C6アルキル)2(好ましくは-N(C1-C3アルキル)2)、-NH(C1-C6アルキル)(好ましくは-NH(C1-C3アルキル))、-N(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキルフェニル)、-NH(C1-C6アルキルフェニル)、ニトロ、-C(O)OC1-C6アルキル(好ましくは-C(O)OC1-C3アルキル)、-NHC(O)(C1-C6アルキル)、-NHC(O)(フェニル)、-N(C1-C6アルキル)C(O)(C1-C6アルキル)、-N(C1-C6アルキル)C(O)(フェニル)、-C(O)C1-C6アルキル、-C(O)ヘテロアリール(好ましくは-C(O)-5〜7員のヘテロアリール)、-C(O)C1-C6アルキルフェニル、-C(O)C1-C6ハロアルキル、-OC(O)C1-C6アルキル(好ましくは-OC(O)C1-C3アルキル)、アルキルスルホニル(例えば-S(O)2-C1-C6アルキル)、アルキルスルフィニル(-S(O)-C1-C6アルキル)、-S(O)2-フェニル、-S(O)2-C1-C6ハロアルキル、-S(O)2NH2、-S(O)2NH(C1-C6アルキル)、-S(O)2NH(フェニル)、-NHS(O)2(C1-C6アルキル)、-NHS(O)2(フェニル)、及び-NHS(O)2(C1-C6ハロアルキル)(ここで、前記アルキル、シクロアルキル、フェニル、アリール、ヘテロシクリル及びヘテロアリールは、ハロ、-OH、-NH2、シクロアルキル、3〜8員のヘテロシクリル、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル-、-OC1-C4アルキル、-C1-C4アルキル-OH、-C1-C4アルキル-O-C1-C4アルキル、-OC1-C4ハロアルキル、シアノ、ニトロ、-C(O)-OH、-C(O)OC1-C6アルキル、-CON(C1-C6アルキル)2、-CONH(C1-C6アルキル)、-CONH2、-NHC(O)(C1-C6アルキル)、-NH(C1-C6アルキル)C(O)(C1-C6アルキル)、-SO2(C1-C6アルキル)、-SO2(フェニル)、-SO2(C1-C6ハロアルキル)、-SO2NH2、-SO2NH(C1-C6アルキル)、-SO2NH(フェニル)、-NHSO2(C1-C6アルキル)、-NHSO2(フェニル)、及び-NHSO2(C1-C6ハロアルキル)から選択される1つ以上の置換基で、それぞれ任意選択的にさらに置換されている)。原子又は基が2つ以上の置換基で置換されている場合、置換基は同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0068】
本明細書中で使用される用語「薬学的に許容される」は、非毒性で、生物学的に許容可能であり、対象への投与に適していることを意味する。
【0069】
本明細書中で使用される用語「薬学的に許容される塩」は、非毒性で、生物学的に許容可能であり、対象への投与に適している式(I)の化合物の酸又は塩基付加塩を指す。「薬学的に許容される塩」としては、限定するものではないが、式(I)の化合物により、無機酸(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩など)と共に、並びに有機酸(例えば、ギ酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩)と共に形成される酸付加塩、及び式HOOC-(CH2)n-COOH(式中、nは、0〜4である)のアルカン-ジカルボン酸との塩等が挙げられる。また、「薬学的に許容される塩」としては、例えば、酸性部分を有する式(I)の化合物により、薬学的に許容されるカチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム及びアンモニウム)と共に形成される塩基付加塩などが挙げられる。
【0070】
さらに、本明細書中に記載される化合物が酸付加塩として得られる場合、遊離塩基は、酸付加塩の溶液を塩基性化することによって得ることができる。逆に、生成物が遊離塩基である場合、酸付加塩、特に薬学的に許容される酸付加塩は、塩基化合物から酸付加塩を調製するための従来の手順に従って、遊離塩基を適切な溶媒中に溶解させ、この溶液を酸で処理することによって生成することができる。当業者であれば、過度の実験を行うことなく、非毒性の薬学的に許容される酸付加塩を調製するために用いられる様々な合成方法を決定することができるであろう。
【0071】
本発明の化合物は、溶媒和物の形態で存在していてもよい。用語「溶媒和物」は、化学量論量の溶媒又は非化学量論量の溶媒のいずれかを含有する溶媒付加形態を意味する。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1つ以上の水分子と、その中で水がその分子状態をH2Oとして保持する物質の1つの分子との組み合わせによって形成される。このような組み合わせは、1種以上の水和物、例えば、半水和物、一水和物、及び二水和物を形成し得る。
【0072】
本明細書中で使用される用語「プロドラッグ」は、対象へ投与すると、加水分解、代謝などのin vivoにおける生理学的作用により化学的に改変されて本発明の化合物を形成する、活性化合物又は不活性化合物を指す。プロドラッグの調製及び使用に関する適合性及び技術は、当業者に周知である。例示的なプロドラッグは、例えば、遊離カルボン酸のエステル、チオールのS-アシル誘導体、及びアルコール又はフェノールのO-アシル誘導体である。好適なプロドラッグは、一般的に、生理学的条件下で加溶媒分解により親カルボン酸に変換可能な薬学的に許容されるエステル誘導体、例えば、当技術分野で一般的な、低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、低級アルケニルエステル、ベンジルエステル、モノ-又はジ-置換低級アルキルエステル、例えば、ω-(アミノ、モノ-又はジ-低級アルキルアミノ、カルボキシル、低級アルコキシルカルボニル)-低級アルキルエステル、α-(低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシルカルボニル又はジ-低級アルキルアミノカルボニル)-低級アルキルエステル、例えば、ピバロイルオキシメチルエステルなどである。
【0073】
当業者であれば、式(I)の化合物の幾つかは1つ以上のキラル中心を含み、従って、2つ以上の立体異性体形態で存在し得ることを理解するであろう。従って、本発明の化合物は、個々の立体異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー)、及び任意の割合のそれらの混合物(例えばラセミ体)として、適切な場合には互変異性体及び幾何異性体として存在し得る。
【0074】
本明細書中で使用される用語「立体異性体」は、同じ化学構成を有するが、原子又は基の空間配置が異なる化合物を指す。立体異性体としては、例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、配座異性体などが挙げられる。
【0075】
本明細書中で使用される用語「エナンチオマー」は、互いに重ね合わせることができない鏡像である、化合物の2つの立体異性体を指す。
【0076】
本明細書中で使用される用語「ジアステレオマー」は、2つ以上のキラル中心を有し、その分子が互いに鏡像ではない立体異性体を指す。ジアステレオマーは、異なる物理的特性(例えば、融点、沸点、スペクトル特性、又は生物学的活性)を有する。ジアステレオマーの混合物は、高分解能分析手順、例えば電気泳動及びクロマトグラフィー(例えばHPLC)の下で分離することができる。
【0077】
本明細書中で使用される立体化学的な定義及び慣例は、S. P. Parker, Ed., McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw-Hill Book Company, New York;及びEliel, E. and Wilen, S., “Stereochemistry of Organic Compounds”, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994に従う。多くの有機化合物は、光学的に活性な形態で存在し、すなわち、それらは、平面偏光の平面を回転させる能力を有する。光学活性化合物の記載において、接頭辞D及びL、又はR及びSは、そのキラル中心(1つ又は複数)の周囲の分子の絶対配置を示すために使用される。接頭辞d及びl又は(+)及び(-)は、化合物による平面偏光の回転のサインを示すために用いられ、(-)又はlは、化合物が左旋性であることを意味する。(+)又はdが接頭辞となる化合物は右旋性である。所与の化学構造について、これらの立体異性体は、それらが互いに鏡像であることを除いて同一である。また特定の立体異性体もエナンチオマーと呼ぶことが可能であり、そのような異性体の混合物は、多くの場合、エナンチオマー混合物と呼ばれる。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物又はラセミ体と呼ばれ、化学反応又は工程において立体選択性又は立体特異性がない場合に生じ得る。用語「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」は、光学活性を欠いている、2つのエナンチオマー種の等モル混合物を指す。
【0078】
ラセミ体は、それ自体で使用することもできるし、又はそれらの個々の異性体に分割することもできる。分割により、立体化学的に純粋な化合物、又は1つ以上の異性体が富化された混合物を得ることができる。異性体の分離方法は周知であり(Allinger N. L.及びEliel E. L., "Topics in Stereochemistry", Vol. 6, Wiley Interscience, 1971を参照)、キラル吸着剤を用いたクロマトグラフィーなどの物理的方法を含む。個々の異性体は、キラル前駆体からキラル形態で調製することができる。あるいは、個々の異性体は、キラル酸(例えば、10-カンファースルホン酸、カンファー酸、アルファ-ブロモカンファー酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、リンゴ酸、ピロリドン-5-カルボン酸などの個々のエナンチオマー)とジアステレオマー塩を形成し、この塩を分別結晶化し、その後、分割された塩基の一方又は両方を遊離させ、このプロセスを任意選択的に繰り返して、所望の立体異性体の、他方を実質的に含まない(すなわち、例えば少なくとも91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、99重量%又は99.5重量%の光学純度を有する形態の)立体異性体のいずれか又は両方を得ることにより、混合物から化学的に分離することができる。あるいは、当業者に知られているとおり、ラセミ体をキラル化合物(補助剤)に共有結合させてジアステレオマーを生成し、これをクロマトグラフィー又は分別結晶化によって分離し、その後、キラル補助剤を化学的に除去して、純粋なエナンチオマーを得ることができる。
【0079】
本明細書中で使用される用語「互変異性体」又は「互変異性形態」は、低エネルギー障壁により相互変換可能な異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピック互変異性体としても知られている)は、プロトンの移動による相互変換、例えば、ケト-エノール及びイミン-エナミン異性化を含む。原子価互変異性体は、結合電子の一部の再編成による相互変換を含む。
【0080】
本明細書中で使用される用語「幾何異性体」は、環炭素原子の二重結合又は単結合が自由に回転できないことにより生じる異性体であり、シス異性体及びトランス異性体としても知られている。シス異性体は、置換基が平面の同じ側に位置している場合に生じ、トランス異性体は、置換基が平面の反対側に位置している場合に生じる。
【0081】
本明細書中で使用される用語、疾患を「治療する(treating)」、「治療する(treat)」、又は「治療(treatment)」という用語は、その疾患又はその疾患の症状を治癒する、緩和する、軽減する、変更する、治す、回復させる、改善する、又はそれに影響することを目的として、1つ以上の医薬物質、特に、本明細書中に記載される式(I)の化合物及び/又はその薬学的に許容される塩を、その疾患又はその疾患の症状を有する対象に投与することを指す。一部の実施形態において、疾患は、ブロモドメイン認識タンパク質に関連する疾患である。さらなる実施形態において、疾患は、ブロモドメインタンパク質の高発現又は高活性に関連する疾患である。さらなる実施形態において、疾患は、がん(血液学的悪性腫瘍、正中がん腫など)及び炎症性疾患である。
【0082】
本明細書中で使用される用語、疾患を「予防する(preventing)」、「予防する(prevent)」又は「予防(prevention)」という用語は、対象におけるその疾患の発症を予防することを目的として、1つ以上の医薬物質、特に、本明細書中に記載される式(I)の化合物及び/又はその薬学的に許容される塩を、その疾患に対する素因を有する対象に投与することを指す。一部の実施形態において、疾患は、ブロモドメインタンパク質に関連する疾患である。さらなる実施形態において、疾患は、ブロモドメインタンパク質の高発現又は高活性に関連する疾患である。さらなる実施形態において、疾患は、がん(血液学的悪性腫瘍、正中がん腫など)及び炎症性疾患である。
【0083】
化学反応の文脈における用語「処理する(treating)」、「接触させる(contacting)」及び「反応させる(reacting)」は、適切な条件下で2種以上の試薬を添加又は混合して、示される及び/又は所望の生成物を生成することを意味する。示される及び/又は所望の生成物を生成する反応は、必ずしも、最初に加えられ2種の試薬の組み合わせから直接生じなくてもよい(すなわち、最終的には示される及び/又は所望の生成物の形成につながる、混合物として生成される1つ以上の中間体が存在していてもよい)ことが理解されるべきである。
【0084】
本明細書中で使用される用語「有効量」は、一般的には対象において有益な効果をもたらすのに十分な量を指す。本発明の化合物の有効量は、従来の方法(例えば、モデリング、用量漸増研究又は臨床試験)により、及び従来の影響因子(例えば、投与様式、化合物の薬物動態、疾患の重症度及び経過、対象の病歴、対象の健康状態及び薬物への応答)を考慮することによって確認することができる。
【0085】
用語「阻害(inhibition)」、「阻害性の(inhibitory)」又は「阻害する(inhibiting)」は、生物学的活性又はプロセスのベースライン活性の低下を示す。用語「ブロモドメインタンパク質の阻害」又は「BRDの阻害」は、式(I)の化合物及び/又はその薬学的に許容される塩の非存在下でのBRDの活性と比較した、本明細書中に記載される式(I)の化合物及び/又はその薬学的に許容される塩の存在に対する直接的又は間接的な応答としてのBRDの活性の低下を指す。活性の低下は、本明細書中に記載される式(I)の化合物及び/又はその薬学的に許容される塩とBRDとの直接相互作用によるものであってもよく、又は本明細書中に記載される式(I)の化合物及び/又はその薬学的に許容される塩と、BRD活性に順次影響を与える1つ以上の他の因子との相互作用によるものであってもよい。
【0086】
本明細書中で使用される用語「対象」は、哺乳動物及び非哺乳動物を指す。哺乳動物は、哺乳動物クラスの任意のメンバーを意味し、例えば、限定するものではないが、ヒト;非ヒト霊長類、例えば、チンパンジー及び他の類人猿及びサル種;家畜、例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、及びブタ;飼育動物、例えば、ウサギ、イヌ、及びネコ;実験動物、例えば、げっ歯類、例えば、ラット、マウス、及びモルモットなどが挙げられる。非哺乳動物の例としては、限定するものではないが、鳥類などが挙げられる。用語「対象」は、特定の年齢又は性別を示さない。一部の実施形態において、対象はヒトである。
【0087】
一般に、用語「約」は、本明細書中で、記載される値を20%、例えば10%(例えば5%)の変動で上回って及び下回って数値を改変するために使用される。
【0088】
本明細書中で使用され、具体的に定義されていない技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解されている意味を有する。
【0089】
一般的合成法
本発明の式(I)の化合物、又はその立体異性体、ラセミ体、幾何異性体、互変異性体、プロドラッグ、水和物、溶媒和物、結晶形若しくは薬学的に許容される塩は、様々な方法、例えば以下に示される方法、実施例において例示される方法、又はそれらに類似する方法などにより調製することができる。好適な一般合成スキームは以下に示される。各反応ステップのための好適な反応条件は、当業者に公知であるか、又は従来の方法により確認することができる。調製のための出発物質は、市販されているか、又は以下に示される方法若しくはそれに類似の方法を用いて調製することができるか、あるいは当業者に周知である。一般式中の可変要素は、別段に示されない限り、上記と同じ意味を有する。
【0090】
本発明の化合物は、以下の一般合成スキームA又は一般合成スキームBにより合成される。
【0091】
【化13】
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(式中、可変要素は本明細書中で定義されるとおりである)。
【0092】
これらのスキームにおいて、必要であれば、望ましくない化学反応を防止するための一般的原理又は化学に従って、感受性基又は反応性基(例えば、アミノ基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基)のための保護基が使用されることは十分に理解されている。保護基は、有機合成の標準的な方法に従って処理される(T. W. Greenee及びP. G. M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis", 第5版, Wiley, New York 2014.)。これらの基は、当業者に周知の方法を用いて、化合物の合成の好都合な段階で除去される。上記のプロセス、反応条件及び実施順序の選択は、式(I)の化合物の調製に従うべきである。
【0093】
アミノ保護基の例として、所望のアミン基を再生するために除去可能なカルバメート類、アミド類、アルキル及びアリール基、イミン類、並びに多くのN-ヘテロ原子誘導体などが挙げられる。具体的なアミノ保護基は、Pmb(p-メトキシベンジル)、Boc(t-ブチルオキシカルボニル)、Fmoc(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル)及びCbz(カルボベンジルオキシ)である。これらの基のさらなる例は、T. W. Greene及びP. G. M. Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, 第5版, Wiley, New York 2014中に見出される。
【0094】
ヒドロキシル保護基の例としては、テトラヒドロピラニルオキシ基、ベンゾイル基、アセトキシ基、カルバモイルオキシ基、ベンジル基及びシリルエーテル基(例えばTBS、TBDPS)基などが挙げられる。これらの基のさらなる例は、“Protective Groups in Organic Synthesis”, 第5版, Wiley, New York 2014中に見出される。
【0095】
カルボキシ保護基の例としては、エステル基及びヘテロシクリル基などが挙げられる。カルボン酸基のエステル誘導体を用いて、化合物の他の官能基上で反応を行う間、そのカルボン酸基を遮断又は保護することができる。このようなエステル基の例としては、置換アリールアルキル、例えば置換ベンジル類(例えば、4-ニトロベンジル、4-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、2,4,6-トリメトキシベンジル、2,4,6-トリメチルベンジル、ペンタメチルベンジル、3,4-メチレンジオキシベンジル);アルキル又は置換アルキルエステル類(例えば、メチル、エチル、t-ブチルアリル又はt-アミル、トリフェニルメチル(トリチル)、4-メトキシトリチル、4,4'-ジメトキシトリチル、4,4',4"-トリメトキシトリチル、2-フェニルプロパ-2-イル;チオエステル類(例えばt-ブチルチオエステル);シリルエステル類(例えば、トリメチルシリルエステル類、t-ブチルジメチルシリルエステル類(TBSO))などが挙げられる。これらの基のさらなる例は、T. W. Greene及びP. G. M. Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, 第5版, Wiley, New York 2014中に見出される。
【0096】
当業者であれば、式(I)の化合物中に立体中心が存在するか否かについて認識するであろう。従って、化合物が単一のエナンチオマー又はジアステレオマーとして所望される場合、これは、立体特異的合成により、又は最終生成物若しくは任意の適切な中間体の分割によって得ることができる。最終生成物、中間体又は出発物質の分割は、当技術分野で公知の任意の適切な方法を用いて実施することができる。例えば、E. L. Eliel, S. H. Wilen及びL. N. Mander, “Stereochemistry of Organic Compounds” (Wiley-Interscience, 1994)を参照されたい。
【0097】
薬理学的有効性
本発明の化合物は、ブロモドメインタンパク質(BRD)阻害活性、特にBET阻害活性、さらに特にBRD4を標的とする阻害活性を有し、従って、ブロモドメインタンパク質(BRD)に関連する疾患、特にBET-関連疾患、さらに特にBRD4-関連疾患、例えば、ブロモドメインタンパク質(BRD)の高発現又は高活性に関連する疾患(例えばがん(血液学的悪性腫瘍、正中がん腫など)及び炎症性疾患)の治療又は予防のために有用である。
【0098】
例えば、本発明の化合物は、がんの治療又は予防において有用である。特に、がんは、典型的には、無秩序な細胞増殖によって特徴づけられる哺乳動物の生理学的状態を指す。例えば、がんは、血液学的悪性腫瘍、肺がん、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、大腸がん、精巣がん、卵巣がんから選択される。特に、がんは、肺がん(例えば、小細胞肺がん又は非小細胞肺がん)、NUT正中がん腫(例えば、BRD3-NUT正中がん腫又はBRD4-NUT正中がん腫)、白血病、混合系統白血病(MLL)、急性顆粒球性白血病(AML)、混合型B骨髄単球性白血病又は赤白血病から選択される。特に、がんは、バーキットリンパ腫、乳がん、大腸がん、神経芽細胞腫、多形性膠芽腫、慢性リンパ球性白血病及び扁平上皮細胞がん腫から選択される。
【0099】
本発明の化合物はまた、例えば、炎症性疾患の治療又は予防においても有用である。特に、炎症性疾患は、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、寄生生物感染及び/又は原虫感染に対する炎症性応答を伴う疾患である。特に、炎症性疾患は、変形性関節症、急性痛風、多発性硬化症、炎症性腸疾患(例えばクローン病及び潰瘍性大腸炎)、神経炎症、喘息、慢性閉塞性気道疾患、肺炎、筋炎、湿疹、皮膚炎、ざ瘡、蜂巣炎、閉塞性疾患、血栓症、脱毛症、腎炎、血管炎、網膜炎、ブドウ膜炎、強膜炎、硬化性胆管炎、下垂体炎、甲状腺炎、敗血症性ショック、全身性炎症性応答症候群(SIRS)、毒素性ショック症候群、急性肺損傷、ARDS(成人呼吸促迫症候群)、急性腎不全、熱傷、膵炎(例えば、急性膵炎)、術後症候群、サルコイドーシス、ヘルクスハイマー反応、脳炎、脊髄炎、髄膜炎及びマラリアから選択される。特に、炎症性疾患は、急性又は慢性の膵炎である。特に、炎症性疾患は熱傷である。特に、炎症性疾患は炎症性腸疾患である。特に、炎症性疾患は神経炎症である。特に、炎症性疾患は、敗血症又は敗血症症候群である。特に、炎症性疾患は移植片対宿主疾患(GVHD)である。
【0100】
本発明の化合物はまた、循環器疾患の治療又は予防においても有用である。特に、この疾患は、アテローム発生、アテローム性動脈硬化症、動脈ステント閉塞、心不全(例えば鬱血性心不全)、冠動脈疾患、心筋炎、心膜炎、心臓弁疾患、狭窄症、再狭窄症、ステント内狭窄症、狭心症、心筋梗塞、急性冠動脈症候群、冠動脈バイパス、心肺バイパス、内毒素血症、虚血再灌流障害、脳血管虚血(脳卒中)、腎臓再灌流障害、塞栓症(例えば、肺塞栓症、腎臓塞栓症、肝臓塞栓症、胃腸管塞栓症、又は末梢肢塞栓症)、又は心筋虚血から選択される。
【0101】
本発明の化合物はまた、ウイルス感染症の治療又は予防においても有用である。特に、上記疾患はDNAウイルス感染症である。特に、上記疾患は、dsDNAウイルス感染症、ssDNAウイルス感染症、RNAウイルス感染症及びdsRNAウイルス感染症である。特に、上記疾患は、(+)ssRNAウイルス感染症、(-)ssRNAウイルス感染症、逆転写(RT)ウイルス感染症、ssRNA-RTウイルス感染症及びdsDNARTウイルス感染症である。特に、上記疾患は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症(例えば後天性免疫不全症候群(AIDS))、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、C型肝炎ウイルス(HCV)感染症、ヘルペスウイルス感染症(例えば、単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症)及びエボラウイルス感染症である。特に、上記疾患は、重症急性呼吸器症候群(SARS)及びインフルエンザウイルス感染症である。
【0102】
本発明の化合物はまた、線維症の治療又は予防においても有用である。特に、上記疾患は、腎臓線維症、術後狭窄症、ケロイド形成、硬変症、胆汁性硬変症、及び心筋線維症から選択される。特に、上記疾患は強皮症である。特に、上記疾患は、特発性肺線維症である。
【0103】
本発明の化合物はまた、代謝性疾患の治療又は予防においても有用である。特に、上記疾患は、内分泌性疾患である。特に、上記疾患は、アジソン病である。特に、上記疾患は糖尿病である。特に、上記疾患は、I型糖尿病、II型糖尿病又は妊娠糖尿病である。特に、上記疾患は肥満症である。特に、上記疾患は、脂肪肝(NASH又はその他)、悪液質、高コレステロール血症、又はアポリポタンパク質A1(APOA 1)により調節される脂質代謝障害である。
【0104】
本発明の化合物はまた、放射能中毒の治療又は予防においても有用である。特に、上記疾患は放射線傷害である。
【0105】
本発明の化合物はまた、移植臓器の急性拒絶又は多臓器機能不全症候群の治療又は予防においても有用である。
【0106】
本発明の化合物はまた、アルツハイマー病の治療又は予防においても有用である。
【0107】
医薬組成物及び投与
本発明の化合物は、医薬組成物として対象に投与することが可能であり、この組成物は、1種以上の薬学的に許容される賦形剤を任意選択的に含み得る。
【0108】
本発明の化合物は、例えば、経口投与、直腸投与、胃内投与、脳内投与及び非経口投与(例えば、静脈内投与、筋肉内投与、鼻腔内投与、皮内投与、皮下投与、及び類似の投与経路)などの、様々な公知の経路で投与することができる。経口投与、鼻腔内投与及び非経口投与が特に好ましい。投与経路に応じて、異なる医薬製剤が推奨される。幾つかの投与経路は、例えば消化管における本発明の化合物の分解を防止するために医薬製剤に保護コーティングが適用されることを必要とし得る。
【0109】
本発明の化合物は、シロップ剤、点滴溶液剤又は注射溶液剤、スプレー剤、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、リポソーム、又は坐剤等へと製剤化することができる。
【0110】
本発明の化合物の投与のために特に好ましい医薬品形態は、例えば滅菌水溶液又は分散液、及び滅菌注射溶液又は分散液の即時調製用の滅菌粉末などの、注射に適した形態である。全ての場合において、最終の溶液形態又は分散液形態は、無菌で且つ流体でなければならない。典型的には、このような溶液又は分散液は、例えば、水緩衝水溶液(例えば、生体適合性緩衝剤、エタノール、又は、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリオール)、それらの好適な混合物、界面活性剤又は植物性油を含有する溶媒又は分散媒体を含むであろう。また本発明の化合物は、特に非経口投与用のリポソームへと製剤化することもできる。リポソームは、遊離の薬物と比較した場合、循環における半減期の増加、及び封入された薬物の持続性でより均一な放出という利点を提供する。
【0111】
点滴溶液又は注射溶液の滅菌は、当技術分野において認められている任意の技術、例えば、限定するものではないが、抗細菌剤又は抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸又はチメロサール)などの保存剤の添加により達成することができる。さらに、糖又は塩(特に塩化ナトリウム)などの等張剤を、点滴溶液又は注射溶液に組み込んでもよい。
【0112】
1種以上の本発明の化合物を含有する滅菌注射溶液の製造は、所要量の各化合物を、必要に応じて上記に挙げられる様々な成分と共に適切な溶媒中に組み込み、その後滅菌することにより達成される。滅菌粉末を得るためには、上記の溶液を、必要に応じて真空乾燥又は凍結乾燥する。本発明の好ましい希釈剤は、水、生理学的に許容される緩衝液、生理学的に許容される緩衝塩溶液、又は塩溶液である。好ましい担体は、ココアバター及びビテベソール(vitebesole)である。
【0113】
様々な医薬品形態の本発明の化合物と共に使用し得る賦形剤は、以下の非限定的なリストから選択することができる:
a) 結合剤(例えば、ラクトース、マンニトール、結晶性ソルビトール、二塩基性リン酸塩、糖、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及び/又はポリビニルピロリドンなど);
b) 滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、水素添加植物性油、ロイシン、グリセリド及びステアリルフマル酸ナトリウム)、
c) 崩壊剤(例えば、デンプン、クロスカルメロース、ナトリウムメチルセルロース、寒天、ベントナイト、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、及び/又はポリビニルピロリドンなど)。
【0114】
一実施形態において、製剤は経口投与用であり、この製剤は、以下の成分の1つ以上又は全てを含む:アルファ化デンプン、タルク、ポビドンK30、クロスカルメロースナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ゼラチン、二酸化チタン、ソルビトール、クエン酸一ナトリウム、キサンタンガム、二酸化チタン、着香料、安息香酸ナトリウム及びサッカリンナトリウム。
【0115】
一実施形態において、本発明の化合物は、鼻腔内に投与される。これは、加圧容器、ポンプ、スプレー又はネブライザーから、好適な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、ヒドロフルオロアルカン(例えば1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA 134A(商標))又は1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA 227EA(商標)))、二酸化炭素、又は別の好適な気体)を用いて、乾燥粉末吸入剤又はエアロゾルスプレー剤の形態で投与することができる。上記の加圧容器、ポンプ、スプレー又はネブライザーは、例えば、溶媒としてエタノールと上記噴射剤との混合物を用いた本発明の化合物の溶液又は懸濁液を含んでいてもよく、これらは、滑沢剤(例えば三オレイン酸ソルビタン)をさらに含んでいてもよい。
【0116】
本発明の化合物の典型的な投与量は、0.001〜1000mg/kg体重/日の範囲内であろう。1日投与量は、単回用量で投与してもよく、又は複数回分割用量で投与してもよい。適切な投与量は、治療対象の疾患の種類及び重篤度、個人の健康状態及び過去の病歴、投与される共薬剤(co-agent)、特定の化合物及び投与経路に応じて、適宜主治医により決定される。所望の場合、本発明の化合物の投与量は、前記投与量範囲を超えていてもよい。
【0117】
医薬組み合わせ
本発明の化合物は、単一の活性成分として投与してもよく、又は同一の若しくは異なる薬理学的効果を有し得るさらなる薬又は治療法と組み合わせて投与してもよい。例えば、さらなる薬又は治療法としては、限定するものではないが、免疫調節剤(例えば、免疫抑制剤又は免疫賦活剤)などの免疫治療剤、他の抗がん剤若しくは抗炎症剤、心血管薬、脂質低下薬、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗糖尿病剤、抗増殖剤、抗血管新生剤、抗アレルギー剤、又は抗新生物療法(例えば腫瘍免疫療法)などが挙げられる。このような薬及び治療法は、当業者に公知である。本発明の化合物及びさらなる薬又は治療法は、有利に(例えば付加的に又は相乗的に)作用し得る。
【0118】
本明細書中に記載される免疫治療剤は、別のヒト又は動物などの免疫供与者の免疫を、ワクチン接種により宿主に移入するために使用される薬を指す。前記用語は、他の対象又は動物により産生された、形成された抗体を含有する血清又はガンマグロブリン、非特異的全身性刺激、補助薬、活性特異的免疫療法及び養子免疫療法の使用を包含する。例えば、この用語は、限定するものではないが、免疫調節剤(例えば、免疫抑制剤及び免疫賦活剤)などを包含する。免疫治療剤の使用は、当業者によって決定される。
【0119】
本明細書中に記載される免疫抑制剤としては、限定するものではないが、(1) グルココルチコイド(例えばコルチゾン及びプレドニゾン);(2) 微生物代謝産物(例えば、シクロスポリン及びフジマイシン等);(3) 代謝拮抗薬(例えば、アザチオプリン及び6-メルカプトプリン等);(4) ポリクローナル及びモノクローナル抗リンパ球抗体(例えば、抗リンパ球グロブリン及びOKT3等);(5) アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド)などが挙げられる。
【0120】
本明細書中に記載される免疫賦活剤としては、限定するものではないが、(1) 微生物由来の薬(例えばBCGワクチン接種);(2) ヒト又は動物の免疫系の産物(例えば、サイモシン、トランスファー因子、インターフェロン、インターロイキンなど);(3) 化学的に合成された薬(例えば、レバミゾール及びポリイノシン酸);(4) 真菌多糖(例えば、レンチナンなど);(5) フィトヘマグルチニン、カナバリンA、及び胎盤多糖などが挙げられる。
【0121】
本明細書中に記載される抗炎症剤としては、限定するものではないが、例えば、コルチコステロイドなどのステロイドが挙げられる。好適なステロイドとしては、ブデソニド、ベクロメタゾン(例えば、ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、ブチゾコート(butixocort)(例えば、プロピオン酸塩)、CHF5188、シクレソニド、デキサメタゾン、フルニソリド、フルチカゾン(例えば、プロピオン酸塩又はフロ酸塩)、GSK-685698、GSK-870086、LAS40369、メチルプレドニゾロン、モメタゾン(例えば、フロ酸塩)、プレドニゾロン、ロフレポニド(rofleponide)及びトリアムシノロン(例えば、トリアムシノロンアセトニド)などが挙げられる。幾つかの好ましい実施形態において、ステロイドは、ブデソニド、シクレソニド、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、又はフロ酸モメタゾンなどの長時間作用型コルチコステロイドである。
【0122】
式Iの化合物が他の薬と組み合わせて投与される場合、共投与される他の薬の投与量は、当然のことながら、共薬剤の種類、使用される特定の薬、治療対象の症状、患者の全体的な健康、医師又は獣医師の判断などの因子に応じて変動するであろう。
【0123】
また本発明の化合物は、例えば、限定するものではないが、手術、放射線療法、移植(例えば、幹細胞移植、骨髄移植)、腫瘍免疫療法、化学療法などの、抗腫瘍療法と組み合わせてもよい。好ましくは、本発明の化合物を、腫瘍免疫療法と組み合わせることができる。腫瘍免疫療法は、腫瘍免疫サイクルを再開させて維持することにより正常な抗腫瘍免疫応答を回復させ、これにより腫瘍を制御して除去するための治療法であり、例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えばモノクローナル抗体免疫チェックポイント阻害剤)、治療用抗体、がんワクチン、細胞免疫療法、小分子阻害剤などが挙げられる。
【0124】
本発明と組み合わせて用いられる薬剤(すなわち共薬剤)は、同一の又は異なる投与経路により、本発明の化合物と同時に、別々に又は連続的に投与することができる。これらは、同一の医薬組成物中に含まれていてもよく、又は別々の形態の(例えばキットの形態の)組み合わせ製品であってもよい。これらは、同一の又は異なる製造業者により調製及び/又は製剤化され得る。さらに、本発明の化合物は、さらなる医薬(1種又は複数種)と一緒に、(i) 組み合わせ製品を医師に供給する前に(例えば、本発明の化合物とさらなる医薬とを含むキットの場合);(ii) 医師自身により(又は医師の指導の下で)投与の直前に;(iii) 患者自身により、例えば本発明の化合物及びさらなる医薬の連続投与の間に、組み合わせ療法に導入することができる。
【0125】
本発明の範囲内で、上記の様々な技術的解決法において規定される技術的特徴と、以下に(例えば、実施例において)特定される技術的特徴とを、互いに組み合わせて、新たな又は好ましい技術的解決法を形成し得ることが理解される。このような技術的解決法は、本出願の長さの都合上、本明細書中で一つずつ反復して言及することはない。
【0126】
式が明らかに誤りではない限り、本発明の任意の化合物の化学名とその式との間に矛盾が存在する場合、式を信頼するものとする。
【実施例】
【0127】
本発明は、以下の具体的実施例を参照してさらに説明される。これらの実施例は例示の目的のためのみであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解されるべきである。以下の実施例中に特定の条件が記載されていない実験手順は、一般的に、かかる反応の従来の条件に従うか、又は製造者により推奨される条件に従う。別段に示されない限り、パーセント及び部は重量による。別段に示されない限り、液体の比は体積による。
【0128】
以下の実施例において使用される材料及び試薬は、別段に特定されない限り、市販されている。
【0129】
以下の実施例において、1H-NMRスペクトルは、Bluker AVHD 400MHz又はBluker AVHD 500MHz核磁気共鳴分光計上で記録され;13C-NMRスペクトルは、Bluker AVHD 500MHz又はBluker AVHD 600MHz核磁気共鳴分光計上で記録され(化学シフトはδ(ppm)で示される);質量スペクトルは、Waters UPLC H-Class+QDa (ESI)及びAgilent 1260_6120(ESI)質量分析計上で記録され;逆相分取HPLC分離は、Waters UV誘導全自動精製システム(Xbridge Prep C18 5μm OBDカラム)上で実施した。キラル分取HPLCは、Elite P230分取勾配システム(中国)及びSFC分取システム(Thar Prep-80)上で実施した。
【0130】
化学式で表される試薬の化学名又は略号は以下のとおりである:
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【0131】
中間体の合成
中間体5:6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成
【0132】
【化14】
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【0133】
ステップ1:2-ブロモ-N-(2,6-ジブロモピリジン-3-イル)プロパンアミド(2)の合成
【0134】
【化15】
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【0135】
乾燥した500mLの三つ首フラスコ中に、2,6-ジブロモピリジン-3-アミン(1)(20g、0.08mol)、炭酸ナトリウム(8.4g、0.08mol)及び200mLのジクロロメタンを連続的に加え、その後2-ブロモプロピオニルブロミド(10mL、0.09mol)を滴下添加した。反応を室温で12時間実施した。反応の完了(TLCにより検出した)後、150mLの飽和塩化アンモニウム溶液をゆっくりと加えた。混合物をジクロロメタン(150mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタンで溶出する)上で精製し、2-ブロモ-N-(2,6-ジブロモピリジン-3-イル)プロパンアミド(2)(15.4g、0.04mol)を得た。LCMS:m/z 386.8, 388.8(M+H)。
【0136】
ステップ2:2-(シクロプロピルアミノ)-N-(2,6-ジブロモピリジン-3-イル)プロパンアミド(3)の合成
【0137】
【化16】
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【0138】
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、2-ブロモ-N-(2,6-ジブロモピリジン-3-イル)プロパンアミド(2)(5g、13mmol)、シクロプロピルアミン(1.1g、19mmol)及び40mLのアセトニトリルを連続的に加え、その後DIEA(5g、33mmol)を加えた。次いで、反応を80℃で15時間実施した。反応の完了(TLCにより検出した)後、反応混合物を濃縮した。水を加え、混合物をジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1〜5:1)上で精製し、2-(シクロプロピルアミノ)-N-(2,6-ジブロモピリジン-3-イル)プロパンアミド(3)(2.5g、7mmol)を得た。LCMS:m/z 361.8, 363.8, 365.7(M+H)。
【0139】
ステップ3:6-ブロモ-4-シクロプロピル-3-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(4)の合成
【0140】
【化17】
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【0141】
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、2-(シクロプロピルアミノ)-N-(2,6-ジブロモピリジン-3-イル)プロパンアミド(3)(2.5g、7mmol)、DIEA(1.8g、14mmol)及び20mLのDMFを連続的に加え、反応を150℃で18時間実施した。反応の完了(TLCにより検出した)後、反応混合物を濃縮した。水を加え、混合物をジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物6-ブロモ-4-シクロプロピル-3-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(4)(1.8g、6mmol)を得、これを次のステップで直接使用した。LCMS:m/z 281.9, 283.9(M+H)。
【0142】
ステップ4:6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成
【0143】
【化18】
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【0144】
乾燥した50mLの三つ首フラスコ中に、6-ブロモ-4-シクロプロピル-3-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(4)(1.8g、6mmol)と10mLのDMFを加え、その後水素化ナトリウム(0.72g、18mmol)を添加し、反応を窒素雰囲気下に0℃で0.5時間実施した。次いで、ヨウ化メチル(0.8mL、12mmol)を滴下添加し、反応を室温でさらに1時間実施した。反応の完了(TLCにより検出した)後、100mLの飽和塩化アンモニウム溶液をゆっくりと加え、混合物をジクロロメタン(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)上で精製し、6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)(1.5g、5mmol)を得た。LCMS:m/z 298.0(M+H); 1HNMR(400MHz, DMSO):δ7.23(d, J= 8.1 Hz, 1H)、7.00(d, J=8.1 Hz, 1H)、4.15(q, J=6.9 Hz, 1H)、3.21(s,3H)、2.70-2.56(m, 1H)、1.19(d, J=6.9 Hz, 3H)、1.01-0.87(m, 1H)、0.75-0.55(m, 2H)、0.52-0.36(m, 2H)。
【0145】
中間体6:6-ブロモ-4-シクロペンチル-3-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(6)の合成
【0146】
【化19】
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【0147】
中間体6を、2,6-ジブロモピリジン-3-アミン(1)及びシクロペンチルアミンから出発して、中間体4の合成手順と同様に調製した。
【0148】
中間体7:6-ブロモ-4-シクロペンチル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(7)の合成
【0149】
【化20】
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【0150】
中間体7を、中間体6から、中間体5の合成手順と同様に調製した。
【0151】
中間体11:(R)-6-ブロモ-3-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(11)の合成
【0152】
【化21】
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【0153】
ステップ1. メチルN-(6-ブロモ-3-ニトロピリジン-2-イル)-D-アラニンエステル(10)の合成
【0154】
【化22】
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【0155】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物8(2.0g、7.0mmol)、化合物9(1.47g、10.5mmol)、炭酸ナトリウム(1.48g、14.0mmol)及びエタノール(30mL)を室温で連続的に加え、反応物を撹拌下で60℃に2時間加熱した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を室温に冷却し、濾過した。濾過ケーキをエタノール(20mL)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して、メチルN-(6-ブロモ-3-ニトロピリジン-2-イル)-D-アラニンエステル(10)(2.12gの粗製物、黄色油状物)(収率:100%)を得、これを次の反応で直接使用した。
【0156】
ステップ2. (R)-6-ブロモ-3-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(11)の合成
【0157】
【化23】
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【0158】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物10(2.12g、7.0mmol)、還元用鉄粉(1.92g、35mmol)及び酢酸(15mL)を室温で連続的に加え、反応物を撹拌下で70℃に2時間加熱した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を室温に冷却し、濾過した。濾過ケーキをジクロロメタン(40mL)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して残留物を得、これをカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:20)上で精製し、生成物(R)-6-ブロモ-3-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(11)(620mg、黄色固体)(収率:37%)を得た。LCMS:m/z 241.9, 243.9(M+H)。
【0159】
中間体13:Tert-ブチル(R)-6-ブロモ-1,3-ジメチル-2-カルボニル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-4(1H)-カルボキシレート(13)の合成
【0160】
【化24】
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【0161】
ステップ1. (R)-6-ブロモ-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(12)の合成
【0162】
【化25】
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【0163】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物11(450mg、1.86mmol)とDMF(4mL)を室温で加えた。反応物を窒素ガスで3回パージし、-40℃に冷却した。水素化ナトリウム(60%、75mg、1.86mmol)を加え、反応物を30分間撹拌した。ヨウ化メチル(264mg、1.86mmol)を加え、反応物を-40℃で1時間継続した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、10mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:20)により精製し、(R)-6-ブロモ-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(12)(320mg、白色固体、ee:100%)(収率:67%)を得た。LCMS:m/z 255.9, 257.9(M+H)。
【0164】
ステップ2. Tert-ブチル(R)-6-ブロモ-1,3-ジメチル-2-カルボニル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-4(1H)-カルボキシレート(13)の合成
【0165】
【化26】
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【0166】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体12(270mg、1.05mmol)、ジ-tert-ブチルジカーボネート(343mg、1.57mmol)、トリエチルアミン(212mg、2.1mmol)、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(64mg、0.52mmol)及びテトラヒドロフラン(20mL)を室温で連続的に加え、反応物を撹拌下で60℃に16時間加熱した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残留物を10mLの水に加え、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:20)により精製し、tert-ブチル(R)-6-ブロモ-1,3-ジメチル-2-カルボニル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-4(1H)-カルボキシレート(13)(210mg、白色固体)(収率:56%)を得た。LCMS:m/z 299.9, 301.9(M+H-56)。
【0167】
中間体14:(R)-4-アセチル-6-ブロモ-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(14)の合成
【0168】
【化27】
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【0169】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体12(250mg、0.97mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)を室温で加えた。反応物を窒素ガスで3回パージし、0℃に冷却した。水素化ナトリウム(60%、59mg、1.45mmol)を加え、反応物を1時間撹拌した。塩化アセチル(83mg、1.07mmol)を加え、反応物を0℃で1時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、10mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:20)により精製し、(R)-4-アセチル-6-ブロモ-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(14)(190mg、黄色固体)(収率:66%)を得た。LCMS:m/z 297.9, 299.9(M+H)。
【0170】
中間体15:(R)-6-ブロモ-4-エチル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(15)の合成
【0171】
【化28】
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【0172】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体12(250mg、0.97mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)を室温で加えた。反応物を窒素ガスで3回パージし、0℃に冷却した。水素化ナトリウム(60%、78mg、1.94mmol)を加えた。1時間後、ヨウ化エチル(2.1g、14.8mmol)を加え、反応物を0℃で1時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、20mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:20)により精製し、(R)-6-ブロモ-4-エチル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(15)(190mg、黄色固体)(収率:69%)を得た。LCMS:m/z 284.0, 285.9(M+H)。
【0173】
中間体16:(R)-6-ブロモ-1,3,4-トリメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(16)の合成
【0174】
【化29】
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【0175】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体11(550mg、2.27mmol)とDMF(6mL)を室温で加えた。反応物を窒素ガスで3回パージし、-40℃に冷却した。水素化ナトリウム(60%、363mg、9.08mmol)を加え、混合物を30分間撹拌した。ヨウ化メチル(3.22g、22.7mmol)を加え、反応物を-40℃で1時間撹拌した。反応の完了(TLCにより検出した)後、10mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:5)により精製し、(R)-6-ブロモ-1,3,4-トリメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(16)(505mg、白色固体、ee:97.5%)(収率:82%)を得た。LCMS:m/z 269.9, 271.9(M+H)。
【0176】
中間体22:(R)-6-ブロモ-1,3-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンの合成
【0177】
【化30】
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【0178】
ステップ1. メチル(S)-2-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)プロピオネート(18)の合成
【0179】
【化31】
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【0180】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物17(1.5g、6.36mmol)、無水ジクロロメタン(50mL)を加え、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(23g、80.8mmol)と2,6-ジメチルピリジン(8.7g、80.8mmol)を0℃で滴下添加した。添加後、反応混合物を0℃で20分間撹拌した。水(100mL)を加え、混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:10)により精製し、メチル(S)-2-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)プロピオネート(18)(8g、茶色油状物)(粗製物、収率:44%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400mHz) 5.27(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.88(s,3H)、1.74(d, J=6.8 Hz, 3H)。
【0181】
ステップ2. メチルN-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-D-アラニンエステル(19)の合成
【0182】
【化32】
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【0183】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体18(8g、77mmol)、無水ジクロロメタン(50mL)、4-アミノテトラヒドロピラン(0.642g、6.36mmol)及びトリエチルアミン(1.3g、12.72mmol)を室温で連続的に加えた。混合物を1時間撹拌した。水(100mL)を加え、混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:1)により精製し、メチルN-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-D-アラニンエステル(19)(1.1g、黄色油状物)(粗製物、収率:92%)を得た。LCMS:m/z 188.0(M+H)。
【0184】
ステップ3. (R)-N-(2,6-ジブロモピリジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)プロパンアミド(20)の合成
【0185】
【化33】
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【0186】
窒素雰囲気の保護下で、化合物1(0.5g、1.98mmol)と無水クロロホルム(30mL)を乾燥した100mLの三つ首丸底フラスコ中に加え、混合物を0℃に冷却した。トリメチルアルミニウム(2N、5mL、10mmol)を滴下添加し、反応混合物を15分間撹拌した。中間体19を加え、反応混合物を撹拌下で70℃に2時間加熱した。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、水(40mL)を滴下添加し、混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:1)により精製し、(R)-N-(2,6-ジブロモピリジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ)プロパンアミド(20)(0.6g、黄色油状物)(粗製物、収率:74%)を得た。LCMS:m/z 405.9, 407.6(M+H)。
【0187】
ステップ4. (R)-6-ブロモ-3-メチル-4-(4-テトラヒドロピラニル)-3,4-ピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(21)の合成
【0188】
【化34】
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【0189】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体20(0.6g、1.47mmol)、ジメチルスルホキシド(20mL)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.9g、14.74mmol)を加えた。反応混合物を撹拌下で140℃に16時間温めた。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、水(40mL)を加え、混合物を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:1)により精製し、(R)-6-ブロモ-3-メチル-4-(4-テトラヒドロピラニル)-3,4-ピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(21)(0.31g、黄色油状物)(粗製物、収率:64%)を得た。LCMS:m/z 325.8, 327.8(M+H)。
【0190】
ステップ5. (R)-6-ブロモ-1,3-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(22)の合成
【0191】
【化35】
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【0192】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体21(0.3g、0.92mmol)、DMF(10mL)を加えた。混合物を0℃に冷却した。水素化ナトリウム(60%、55mg、1.38mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌した。ヨウ化メチル(261mg、1.84mmol)を滴下添加し、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。水(30mL)を加え、混合物を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:3)により精製し、(R)-6-ブロモ-1,3-ジメチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(22)(0.3g、茶色油状物)(収率:96%)を得た。LCMS:m/z 339.9,341.9(M+H)。
【0193】
中間体25:6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3,8-トリメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(25)の合成
【0194】
【化36】
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【0195】
中間体25を、2,6-ジブロモ-4-メチルピリジン-3-アミン(24)から出発して、中間体5の合成手順と同様に調製した。
【0196】
2,6-ジブロモ-4-メチルピリジン-3-アミン(24)の合成
【0197】
【化37】
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【0198】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物23(2.0g、18.5mmol)、NBS(6.58g、37mmol)とDMF(10mL)を室温で連続的に加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、30mLの水を加え、混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:5)により精製し、2,6-ジブロモ-4-メチルピリジン-3-アミン(24)(2.89g、薄黄色固体)(収率:58%)を得た。LCMS:m/z 266.8(M+H)。
【0199】
中間体26:6-ブロモ-4-シクロプロピル-8-フルオロ-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロキノキサリン-2(1H)-オン(26)の合成
【0200】
【化38】
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【0201】
中間体26を、4-ブロモ-2,6-ジフルオロアニリンから、中間体5の合成手順と同様に調製した。
【0202】
中間体29:6-ブロモ-1,3-ジメチル-1H-ピリド[2,3-B][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(29)の合成
【0203】
【化39】
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【0204】
ステップ1:メチル2-((6-ブロモ-3-ニトロピリジン-2-イル)オキシ)プロピオネート(27)の合成
【0205】
【化40】
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【0206】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物8(2g、7.14mmol)、化合物26(743mg、7.14mmol)、炭酸カリウム(1.97g、14.28mmol)及びアセトニトリル(20mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で80℃に16時間加熱し、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=20:1)により精製し、メチル2-((6-ブロモ-3-ニトロピリジン-2-イル)オキシ)プロピオネート(27)(770mg、薄黄色固体)(収率:35%)を得た。LCMS:m/z 306.8(M+H)。
【0207】
ステップ2:6-ブロモ-3-メチル-1H-ピリド[2,3-B][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(28)の合成
【0208】
【化41】
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【0209】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物27(0.77g、2.53mmol)、酢酸(20mL)及び鉄粉(0.71g、12.67mmol)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で80℃に2時間加熱し、高温濾過(filtered hot)した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物を水に溶解した。混合物を5N水酸化ナトリウム水溶液でpH9に調整し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)により精製し、6-ブロモ-3-メチル-1H-ピリド[2,3-B][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(28)(0.4g、白色固体)を得た(収率:65%)を得た。LCMS:m/z 242.8(M+H)。
【0210】
ステップ3:6-ブロモ-1,3-ジメチル-1H-ピリド[2,3-B][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(29)の合成
【0211】
【化42】
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【0212】
乾燥した50mLの丸底フラスコ中に、中間体28(0.35g、1.45mmol)、炭酸カリウム(0.31g、2.17mmol)、ヨウ化メチル(0.39g、2.89mmol)及びアセトニトリル(15mL)を室温で連続的に加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残留物を50mLの水に加え、混合物を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、6-ブロモ-1,3-ジメチル-1H-ピリド[2,3-B][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(29)(0.4g、白色固体、粗製物、純度:93%)を得た。LCMS:m/z 258.7(M+H)。
【0213】
中間体32:5-(4-クロロフェニル)ピロリジン-2-オン(32)の合成
【0214】
【化43】
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【0215】
ステップ1:エチル4-(4-クロロフェニル)-4-オキソブチレート(31)の合成
【0216】
【化44】
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【0217】
乾燥した250mLの丸底フラスコ中に、化合物30(3g、14.15mmol)、98%濃硫酸(4g、42.45mmol)及びエタノール(20mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で16時間加熱還流した。この混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。50mLの水を残留物に加え、混合物を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、エチル4-(4-クロロフェニル)-4-オキソブチレート(31)(3.3g、白色固体)(収率:97%)を得た。LCMS:m/z 240.06, 262.9(M+Na)。
【0218】
ステップ2. 5-(4-クロロフェニル)ピロリジン-2-オン(32)の合成
【0219】
【化45】
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【0220】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物31(2.8g、11.67mmol)、酢酸アンモニウム(9g、116.70mmol)及びメタノール(80mL)を室温で連続的に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、その後シアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.4g、38.50mmol)を加えて50℃に加熱し、16時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。100mLの水を残留物に加え、混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=50:1)により精製し、5-(4-クロロフェニル)ピロリジン-2-オン(32)(1.05g、灰色固体)(収率:46%)を得た。LCMS:m/z 195.9(M+H)。
【0221】
中間体33:5-(4-フルオロフェニル)ピロリジン-2-オン(33)の合成
【0222】
【化46】
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【0223】
中間体33を、4-(4-フルオロフェニル)-4-オキソ酪酸から出発して、中間体32の5-(4-クロロフェニル)ピロリジン-2-オンの合成手順と同様に調製した。
【0224】
中間体41:5-(p-トリル)ピロリジン-2-オン(41)の合成
【0225】
【化47】
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【0226】
ステップ1:ジエチル2-(4-メチルベンジリデン)マロネート(36)の合成
【0227】
【化48】
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【0228】
乾燥した500mLの丸底フラスコ中に、化合物34(10.0g、83.3mmol)、化合物35(14.67g、91.67mmol)、ピペリジン(0.708g、8.33mmol)、酢酸(1g、16.67mmol)及びエタノール(150mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で90℃に3時間加熱し、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:20)により精製し、ジエチル2-(4-メチルベンジリデン)マロネート(36)(15.1g、無色液体)(収率:69%)を得た。LCMS:m/z 262.9(M+H)。
【0229】
ステップ2. ジエチル2-(4-メチルフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキシレート(37)の合成
【0230】
【化49】
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【0231】
乾燥した500mLの丸底フラスコ中に、トリメチルスルホキソニウムヨージド(12.68g、57.63mmol)とDMSO(100mL)を室温で連続的に加えた。水素化ナトリウム(2.3g、60%、57.63mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を30分間撹拌し、その間、温度を0〜10℃に制御した。次いで、混合物を室温に温めた。中間体36(15.1g、57.63mmol)を滴下添加し、混合物を16時間撹拌した。反応混合物を水(200mL)の添加によりクエンチし、酢酸エチル(150mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により精製し、生成物のジエチル2-(4-メチルフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキシレート(37)(9.8g、無色液体)(収率:62%)を得た。LCMS:m/z 276.9(M+H)。
【0232】
ステップ3. 2-(4-メチルフェニル)-1-(エトキシカルボニル)シクロプロパン-1-カルボン酸(38)の合成
【0233】
【化50】
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【0234】
乾燥した500mLの丸底フラスコ中に、中間体37(9.8g、35.5mmol)、エタノール(100mL)及び1N水酸化ナトリウム水溶液(46mL、46.16mmol)を室温で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、その後減圧下で濃縮した。水(50mL)を残留物に加えた。混合物を、6N塩酸でpH3〜4に調整し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、2-(4-メチルフェニル)-1-(エトキシカルボニル)シクロプロパン-1-カルボン酸(38)(8.3g、白色固体)(収率:94%)を得た。LCMS:m/z 248.9(M+H)。
【0235】
ステップ4. エチル4-アジド-4-(4-メチルフェニル)ブチレート(39)の合成
【0236】
【化51】
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【0237】
乾燥した250mLの丸底フラスコ中に、中間体38(4g、16.13mmol)、アジ化ナトリウム(1.26g、19.35mmol)、塩化アンモニウム(1.2g、22.58mmol)、2-メトキシエタノール及び水(10:1、22mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で120℃に16時間加熱した。水(100mL)を加え、混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)により精製し、エチル4-アジド-4-(4-メチルフェニル)ブチレート(39)(3.37g、無色液体)(収率:84%)を得た。LCMS:m/z 205.0 (M-42)。
【0238】
ステップ5. エチル4-アミノ-4-(4-メチルフェニル)ブチレート(40)の合成
【0239】
【化52】
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【0240】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体39(2g、8.1mmol)、10%Pd/C(400mg)及びエタノール(10mL)を室温で連続的に加えた。この混合物を、1気圧の水素下に室温で16時間撹拌し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、エチル4-アミノ-4-(4-メチルフェニル)ブチレート(40)(1.63g、無色液体)(収率:91%)を得た。LCMS:m/z 222.0(M+H)。
【0241】
ステップ6. 5-(4-メチルフェニル)ピロリジン-2-オン(41)の合成
【0242】
【化53】
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【0243】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体40(1.63g、7.37mmol)、2N水酸化ナトリウム溶液(5.5mL、11.06mmol)及びメタノール(20mL)を室温で連続的に加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。50mLの水を加えた。この混合物を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=30:1)により精製し、5-(4-メチルフェニル)ピロリジン-2-オン(41)(1g、白色固体)(収率:77%)を得た。LCMS:m/z 176.0(M+H)。
【0244】
中間体44:5-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-2-オン(44)の合成
【0245】
【化54】
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【0246】
中間体44を、2,4-ジフルオロベンズアルデヒドから出発して、以下のアジド還元ステップにおける反応条件が異なることを除き、中間体41の5-(p-トリル)ピロリジン-2-オンの合成手順と同様に調製した。
【0247】
エチル4-アミノ-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ブチレート(43)の合成
【0248】
【化55】
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【0249】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物42(3g、11.14mmol)、トリフェニルホスフィン(3.5g、13.37mmol)及びDCM(50mL)を室温で連続的に加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、その後減圧下で濃縮した。THF(10mL)及び水(1mL)を残留物に加えた。反応混合物を撹拌下で70℃に16時間温め、その後濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:1)により精製し、エチル4-アミノ-4-(2,4-ジフルオロフェニル)ブチレート(43)(6g、白色固体)(純度:20%)を得た。LCMS:m/z 243.9(M+H)。
【0250】
中間体45:5-(ピリジン-2-イル)ピロリジン-2-オン(45)の合成
【0251】
【化56】
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【0252】
中間体45を、ピリジルアルデヒドから出発して、中間体44の5-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-2-オンの合成手順と同様に調製した。
【0253】
中間体46:5-(ピリジン-3-イル)ピロリジン-2-オン(46)の合成
【0254】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0255】
中間体46を、ニコチンアルデヒドから出発して、中間体44の5-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-2-オンの合成手順と同様に調製した。
【0256】
中間体47:5-(ピリジン-4-イル)ピロリジン-2-オン(47)の合成
【0257】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0258】
中間体47を、イソニコチン酸アルデヒドから出発して、中間体44の5-(2,4-ジフルオロフェニル)ピロリジン-2-オンの合成手順と同様に調製した。
【0259】
中間体53:Tert-ブチル2-オキソ-4-フェニルイミダゾリジン-1-カルボキシレートの合成
【0260】
【化59】
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【0261】
ステップ1. Tert-ブチル(2-ヒドロキシ-2-フェネチル)カルバメート(49)の合成
【0262】
【化60】
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【0263】
乾燥した250mLの一つ首反応フラスコ中に、化合物48(5g、36mmol)と無水テトラヒドロフラン(50mL)を加え、その後、ジ-tert-ブチルジカーボネート(8.75g、40mmol)を、0℃でゆっくりと滴下添加した。混合物を室温に温め、1時間撹拌した。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮し、粗製のtert-ブチル(2-ヒドロキシ-2-フェネチル)カルバメート49(8.64g、黄色液体)を得、これを次のステップで直接使用した。LCMS:m/z 259.9(M+23)。
【0264】
ステップ2. Tert-ブチル2-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-2-フェニルエチルカルバメート(51)の合成
【0265】
【化61】
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【0266】
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、中間体49(8.64g、36mmol)、無水テトラヒドロフラン(100mL)、トリフェニルホスフィン(12.42g、47mmol)及びフタルアミド(50)(5.36g、36mmol)を加えた。混合物をアルゴンガスで3回パージし、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(9.58g、47mmol)を、0℃でゆっくりと滴下添加した。反応混合物を、撹拌下で室温に2時間温めた。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:5)により精製し、粗製のtert-ブチル2-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-2-フェニルエチルカルバメート(51)(6.7g、白色固体)を得、これを次のステップで直接使用した。LCMS:m/z 267.0(M-99)。
【0267】
ステップ3. Tert-ブチル(2-アミノ-2-フェネチル)カルバメート(52)の合成
【0268】
【化62】
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【0269】
乾燥した250mLの丸底フラスコ中に、化合物51(6.7g、18mmol)、メタノール(30mL)及びヒドラジン水和物(3.6g、91mmol、80重量%)を連続的に加えた。混合物を撹拌下で60℃に12時間温めた。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮し、tert-ブチル(2-アミノ-2-フェネチル)カルバメート52(4.3g、黄色液体、粗製物)を得、これを次のステップで直接使用した。LCMS:m/z 237.0。
【0270】
ステップ4. Tert-ブチル2-カルボニル-4-フェニルイミダゾリジン-1-カルボキシレート(53)の合成
【0271】
【化63】
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【0272】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体52(4.3g、18mmol)、乾燥ジクロロメタン(40mL)及びN,N'-カルボニルジイミダゾール(4.13g、25mmol)を加えた。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、分取高性能液体クロマトグラフィー(カラム:Gemini-C18、150×21.2mm、5μm;移動相:ACN-H2O(0.1%FA)、勾配:40〜50)により精製し、tert-ブチル2-カルボニル-4-フェニルイミダゾリジン-1-カルボキシレート(53)(1.7g、白色固体)(4ステップにわたる総収率:17%)を得た。LCMS:m/z 284.8(M+23)。1H NMR (DMSO-d6, 400mHz):δ 7.92(s,1H)、7.44-7.31(m, 5H)、4.77-4.71(m, 1H)、4.18(t, J=10Hz, 1H)、3.42(dd, J=10.4, 6.4 Hz, 1H)、1.45(s, 9H)。
【0273】
中間体56:1-(4-クロロフェニル)ピラゾリジン-3-オン(56)の合成
【0274】
【化64】
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【0275】
乾燥した100mLの一つ首反応フラスコ中に、化合物54(3g、16.07mmol)と無水ピリジン(50mL)を加え、化合物55(2.34g、18.4mmol)を、0℃でゆっくりと滴下添加した。混合物を撹拌下で室温に4時間温め、その後撹拌下で100℃に8時間温めた。反応の完了後、混合物をジクロロメタンで希釈し、2N塩酸溶液を氷浴下でゆっくりと滴下添加し、pHを2に調整した。有機相を分離し、飽和ブライン(40mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:1)により精製し、1-(4-クロロフェニル)ピラゾリジン-3-オン(56)(0.6g、茶色固体)(収率:18.7%)を得た。LCMS:m/z 196.9(M+H)。
【0276】
中間体57:3-ヒドロキシ-3-フェニルイソインドリン-1-オン(57)の合成
【0277】
【化65】
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【0278】
乾燥した250mLの丸底フラスコ中に、フタルイミド(50)(3.0g、20.4mmol)とジクロロメタン(100mL)を室温で連続的に加えた。混合物を0℃に冷却し、臭化フェニルマグネシウム溶液(THF中1N溶液、61mL、61mmol)をゆっくりと滴下添加した。混合物を0℃で3時間撹拌した。水(300mL)を加え、混合物を酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製し、3-ヒドロキシ-3-フェニルイソインドリン-1-オン(57)(4.3g、白色固体)(収率:93%)を得た。LCMS:m/z 248.0(M+23)。
【0279】
中間体58:3-フェニルイソインドリン-1-オン(58)の合成
【0280】
【化66】
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【0281】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体57(4.3g、19.11mmol)とジクロロメタン(50mL)を室温で連続的に加えた。混合物を-40℃に冷却し、BF3-Et2O(10mL)とEt3SiH(6.65g、57.33mmol)をゆっくりと加えた。添加後、混合物を室温に温め、16時間撹拌した。反応の完了後、混合物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液でpH6に調整し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、生成物の3-フェニルイソインドリン-1-オン(58)(1.2g、白色固体)(収率:30%)を得た。LCMS:m/z 210.0(M+H)。
【0282】
中間体61:1-(4-クロロフェニル)-1,2-ジヒドロ-3H-インダゾール-3-オン(61)の合成
【0283】
【化67】
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【0284】
ステップ1. N'-(4-クロロフェニル)-2-ヨードベンゾヒドラジド(60)の合成
【0285】
【化68】
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【0286】
乾燥した100mLの一つ首反応フラスコ中に、化合物54(1.44g、8.06mmol)、無水DMF(40mL)、化合物59(2g、8.06mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.19g、8.86mmol)、1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.7g、8.86mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(0.983g、8.06mmol)を加えた。この混合物を室温で5時間撹拌した。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、反応混合物を氷水混合物に注ぎ入れ、大量の白色固体を沈殿させ、濾過した。濾過ケーキを水(50mL×2)で洗浄した。結果として得られた粗固体を酢酸エチル(10mL)と石油エーテル(30mL)の混合物溶液で洗浄し、N'-(4-クロロフェニル)-2-ヨードベンゾヒドラジド(60)(1.6g、白色固体)(収率:55%)を得た。LCMS:m/z 372.8, 374.8(M+H)。
【0287】
ステップ2. 1-(4-クロロフェニル)-1,2-ジヒドロ-3H-インダゾール-3-オン(61)の合成
【0288】
【化69】
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【0289】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体60(0.6g、1.61mmol)、DMSO(20mL)、N,N'-ジメチルエチレンジアミン(0.283g、3.22mmol)、炭酸カリウム(0.444g、3.22mmol)及びヨウ化銅(0.306g、1.61mmol)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を水で希釈し、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、飽和ブライン(50mL×2)で洗浄して、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、酢酸エチル(10mL)と石油エーテル(30mL)の混合物溶液で洗浄し、1-(4-クロロフェニル)-1,2-ジヒドロ-3H-インダゾール-3-オン(61)(0.17g、白色固体)(収率:18.4%)を得た。LCMS m/z 244.9, 246.9(M+H)。
【0290】
中間体66:7-(2,4-ジフルオロフェニル)-7-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[3,4-b]ピリジン-5-オン(66)の合成
【0291】
【化70】
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【0292】
ステップ1:N-(2-(tert-ブチルアミノ)-1-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-カルボニルエチル)-2-クロロ-N-(4-メトキシベンジル)ナイアシンアミド(64)の合成
【0293】
【化71】
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【0294】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物62(1.58g、10mmol)、化合物63(1.42g、10mmol)、2-イソシアノ-2-メチルプロパン(830mg、10mmol)、(4-メトキシフェニル)メチルアミン(1.37g、10mmol)及びメタノール(60mL)を室温で連続的に加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮し、N-(2-(tert-ブチルアミノ)-1-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-カルボニルエチル)-2-クロロ-N-(4-メトキシベンジル)ナイアシンアミド(64)(粗製物5.02g、白色固体)(収率:100%)を得、これを次の反応で直接使用した。LCMS:m/z 501.9(M+H)。
【0295】
ステップ2:7-(2,4-ジフルオロフェニル)-6-(4-メトキシベンジル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[3,4-b]ピリジン-5-オン(65)の合成
【0296】
【化72】
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【0297】
乾燥した250mLの丸底フラスコ中に、中間体64(5.02g、10mmol)、炭酸カリウム(2.76g、20mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)を、室温で連続的に加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、撹拌下で110℃に24時間加熱した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を室温に冷却し、30mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:20)により精製し、7-(2,4-ジフルオロフェニル)-6-(4-メトキシベンジル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[3,4-b]ピリジン-5-オン(65)(1.9g、白色固体)(収率:52%)を得た。LCMS:m/z 367.0(M+H)。
【0298】
ステップ3:7-(2,4-ジフルオロフェニル)-7-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[3,4-b]ピリジン-5-オン(66)の合成
【0299】
【化73】
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【0300】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体65(900mg、2.46mmol)、硝酸セリウムアンモニウム(3.37g、6.15mmol)及びアセトニトリル/水(10mL/10mL)を室温で加えた。混合物を撹拌下で80℃に24時間加熱した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を酢酸エチル(40mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、逆相クロマトグラフィー(0.1%トリフルオロ酢酸、移動相:アセトニトリル及び水)により精製し、7-(2,4-ジフルオロフェニル)-7-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[3,4-b]ピリジン-5-オン(66)(230mg、白色固体)(収率:35%)を得た。LCMS:m/z 263.0(M+H)。
【0301】
実施例A1:4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-6-(2-オキソ-5-フェニルピロリジン-1-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A1)の合成
【0302】
【化74】
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【0303】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、5-フェニルピロリジン-2-オン(67)(100mg、0.62mmol、Shanghai Shuya Pharmaceutical Technology Co., Ltd.から購入)、中間体5(184mg、0.62mmol)、N,N'-ジメチルエチレンジアミン(110mg、1.24mmol)、ヨウ化銅(118mg、0.62mmol)、炭酸セシウム(403mg、1.24mmol)及び1,4-ジオキサン(10mL)を室温で連続的に加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、その後撹拌下で100℃に4時間加熱した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。10mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:20)により精製し、実施例A1の表題生成物(200mg、黄色油状物)(収率:85.8%)を得た。
【0304】
次いで、キラル分離(超臨界流体クロマトグラフィー、SFC)を実施した:最初にジアステレオマーを分離し(キラルカラム:OD-H、溶離液:70%CO2 + 30%MeOH(0.2%DEA));その後、エナンチオマーを分離した(キラルカラム:AS-H、溶離液:70%CO2 + 30%IPA(0.2%DEA))。4種の異性体が得られた:
【0305】
A1-P1-1:LCMS:m/z 377.0(M+H);1H-NMR (CDCl3, 400mHz):7.71(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.26-7.18(m, 5H)、7.06(d, J=8.5 Hz, 1H)、5.75(dd,J=8.0,3.6 Hz, 1H)、4.04(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.25(s,3H)、2.90-2.79(m, 1H)、2.69-2.58(m, 2H)、2.08-1.95(m, 2H)、1.00(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.94-0.86(m, 1H)、0.66-0.57(m, 1H)、0.55-0.42(m, 2H)。
【0306】
A1-P1-2:LCMS:m/z 377.0(M+H);1H-NMR (CDCl3, 400mHz):7.81(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.27-7.17(m, 5H)、7.08(d, J=8.5 Hz, 1H)、5.78(dd,J=8.0,3.5 Hz, 1H)、4.05(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.27(s,3H)、2.94-2.77(m, 1H)、2.71-2.56(m, 2H)、2.08-1.94(m, 2H)、0.99(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.92-0.83(m, 1H)、0.65-0.57(m, 1H)、0.55-0.42(m, 2H)。
【0307】
A1-P2-1:LCMS:m/z 377.0(M+H);1H-NMR (CDCl3, 400mHz):7.80(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.29-7.14(m, 5H)、7.09(d, J=8.5 Hz, 1H)、5.95(m, 1H)、4.09(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.26(s, 3H)、2.81-2.69(m, 1H)、2.68-2.53(m, 2H)、2.48-2.41(m, 1H)、2.04-1.96(m, 1H)、1.21(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.58-0.50(m, 1H)、0.44-0.36(m, 1H)、0.35-0.26(m, 1H)、-0.14- -0.23(m, 1H)。
【0308】
A1-P2-2:LCMS:m/z 377.0(M+H);1H-NMR (CDCl3, 400mHz):7.78(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.29-7.14(m, 5H)、7.10(d, J=8.5 Hz, 1H)、5.96(m, 1H)、4.10(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.26(s, 3H)、2.82 -2.71(m, 1H)、2.68-2.54(m, 2H)、2.51-2.42(m, 1H)、2.05-1.96(m, 1H)、1.22(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.60-0.52(m, 1H)、0.46-0.37(m, 1H)、0.37-0.28(m, 1H)、-0.12- -0.22(m, 1H)。
【0309】
実施例A1の合成と同様に、一般合成スキームAに従って以下の実施例を合成した:
【0310】
【表1】
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【0311】
実施例A18:4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-6-(2-オキソ-5-フェニルイミダゾリジン-1-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A18)の合成
【0312】
【化75】
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【0313】
ステップ1. Tert-ブチル3-(4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)-2-オキソ-4-フェニルイミダゾリジン-1-カルボキシレート(68)の合成
【0314】
【化76】
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【0315】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体53(0.5g、1.9mmol)、1,4-ジオキサン(30mL)、中間体5(0.56g、1.9mmol)、N,N'-ジメチルエチレンジアミン(0.334g、3.8mmol)、炭酸セシウム(1.235g、3.8mmol)及びヨウ化銅(0.361g、1.9mmol)を加えた。混合物を撹拌下で100℃に4時間加熱した。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:1)により精製し、tert-ブチル 3-(4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)-2-オキソ-4-フェニルイミダゾリジン-1-カルボキシレート(68)(0.7g、白色固体)(収率:77%)を得た。LCMS:m/z 477.7(M+H)。
【0316】
ステップ2. 4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-6-(2-オキソ-5-フェニルイミダゾリジン-1-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A18)の合成
【0317】
【化77】
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【0318】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体68(0.7g、1.4mmol)、DCM(5mL)及び無水ギ酸(5mL)を加えた。混合物を50℃で2時間撹拌した。反応の完了後、混合物を室温に冷却し、飽和炭酸ナトリウム水溶液でpH10に調整し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-6-(2-オキソ-5-フェニルイミダゾリジン-1-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A18)(粗製物0.47g)を得、ここで0.17gをキラル高性能分取クロマトグラフィーにより精製して分離し、化合物A18-P1(24.4mg、白色固体)、A18-P2(19.2mg、白色固体)、A18-P3(22.1mg、白色固体)及びA18-P4(8.9mg、白色固体)(収率:85%)を得た。
【0319】
キラル分離条件(SFC):カラム:OD-H、溶離液:70%CO2 + 30%MeOH、流速:12.5ml/分で、A18-P1及びA18-P4をそれぞれ得;カラム:AD-H、溶離液:70%CO2 + 30%EtOH(0.2%DEA)、流速:12.5ml/分で、A18-P2及びA18-P3をそれぞれ得た。
【0320】
A18-P1:LCMS:m/z 377.9(M+H);1H NMR (DMSO-d6, 400mHz):δ7.53(d, J=8.8 Hz, 1H)、7.32 - 7.22(m, 5H)、7.21 - 7.15(m, 2H)、5.65(dd, J=9.2, 4.4 Hz, 1H)、3.95 - 3.86(m, 2H)、3.15(s, 3H)、3.10(dd, J=9.2, 4.4 Hz, 1H)、2.01 - 1.93(m, 1H)、1.01 - 0.92(m, 1H)、0.85(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.62 - 0.55(m, 1H)、0.50 - 0.41(m, 2H)。
【0321】
A18-P2:LCMS:m/z 377.9(M+H);1H NMR (DMSO-d6, 400mHz):δ7.53(d, J=8.8 Hz, 1H)、7.32 - 7.22(m, 5H)、7.21 - 7.15(m, 2H)、5.65(dd, J=9.2, 4.4 Hz, 1H)、3.95 - 3.86(m, 2H)、3.15(s, 3H)、3.10(dd, J=9.2, 4.4 Hz, 1H)、2.01 - 1.93(m, 1H)、1.01 - 0.92(m, 1H)、0.85(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.62 - 0.55(m, 1H)、0.50 - 0.41(m, 2H)。
【0322】
A18-P3:LCMS:m/z 377.9(M+H);1H NMR (DMSO-d6, 400mHz):δ7.60(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.33 - 7.26(m, 3H)、7.23 - 7.16(m, 3H)、7.09(s, 1H)、5.80(dd, J=9.2, 4.4 Hz, 1H)、3.97 - 3.87(m, 2H)、3.16(s, 3H)、3.03(dd, J=9.2, 4.4 Hz, 1H)、2.45 - 2.38(m, 1H)、1.09(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.52 - 0.43(m, 1H)、0.38 - 0.27(m, 2H)、-0.40 - -0.48(m, 1H)。
【0323】
A18-P4:LCMS:m/z 377.9(M+H);1H NMR (DMSO-d6, 400mHz):δ7.60(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.33 - 7.26(m, 3H)、7.23 - 7.16(m, 3H)、7.09(s, 1H)、5.80(dd, J=9.2, 4.4 Hz, 1H)、3.97 - 3.87(m, 2H)、3.16(s, 3H)、3.03(dd, J=9.2, 4.4 Hz, 1H)、2.45 - 2.38(m, 1H)、1.09(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.52 - 0.43(m, 1H)、0.38 - 0.27(m, 2H)、-0.40 - -0.48(m, 1H)。
【0324】
実施例A19:4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-6-(3-メチル-2-オキソ-5-フェニルイミダゾリジン-1-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A19)の合成
【0325】
【化78】
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【0326】
乾燥した100mLの三つ首フラスコ中に、A18(0.3g、0.79mmol)とDMF(10mL)を加えた。次いで、水素化ナトリウム(0.063g、1.5mmol)とヨウ化メチル(0.338g、2.3mmol)を0℃でゆっくりと加えた。混合物を室温に温め、4時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液によりクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和ブライン(30mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、キラル高性能分取クロマトグラフィーにより精製して分離し、化合物A19-P1(55.3mg、白色固体)、A19-P2(41.9mg、白色固体)、A19-P3(23mg、白色固体)及びA19-P4(25.6mg、白色固体)(収率:46.7%)を得た。
【0327】
キラル分離条件(SFC):カラム:OD-H、溶離液:70%CO2 + 30%IPA(0.2%DEA)、流速:12.5ml/分で、A19-P1及びA19-P4をそれぞれ得;カラム:AD-H、溶離液:70%CO2 + 30%EtOH(0.2%DEA)、流速:12.5ml/分で、A19-P2及びA19-P3をそれぞれ得た。
【0328】
A19-P1:LCMS:m/z 392.0(M+H);1H NMR (DMSO-d6, 400mHz):δ7.55(d, J=8.8 Hz, 1H)、7.34 - 7.25(m, 5H)、7.23 - 7.17(m, 1H)、5.61(dd, J=9.6, 4.4 Hz, 1H)、3.97 - 3.87(m, 2H)、3.20(dd, J=8.8, 4.4 Hz, 1H)、3.15(s, 3H)、2.81(s, 3H)、2.02 - 1.94(m, 1H)、1.02 - 0.94(m, 1H)、0.85(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.63 - 0.55(m, 1H)、0.53 - 0.45(m, 1H)、0.42 - 0.37(m, 1H)。
【0329】
A19-P2:LCMS:m/z 391.9(M+H);1H NMR (DMSO-d6, 400mHz):δ7.55(d, J=8.8 Hz, 1H)、7.34 - 7.25(m, 5H)、7.23 - 7.17(m, 1H)、5.61(dd, J=9.6, 4.4 Hz, 1H)、3.97 - 3.87(m, 2H)、3.20(dd, J=8.8, 4.4 Hz, 1H)、3.15(s, 3H)、2.81(s, 3H)、2.02 - 1.94(m, 1H)、1.02 - 0.94(m, 1H)、0.85(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.63 - 0.55(m, 1H)、0.53 - 0.45(m, 1H)、0.42 - 0.37(m, 1H)。
【0330】
A19-P3:LCMS:m/z 392.0(M+H);1H NMR (DMSO-d6, 400mHz):δ7.62(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.33 - 7.28(m, 3H)、7.23 - 7.18(m, 3H)、5.76(dd, J=8.8, 3.2 Hz, 1H)、3.99 - 3.94(m, 1H)、3.89(t, J=8.8 Hz, 1H)、3.17(s, 3H)、3.16 - 3.13(m, 1H)、2.77(s, 3H)、2.45 - 2.38(m, 1H)、1.09(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.52 - 0.45(m, 1H)、0.37 - 0.27(m, 2H)、-0.39 - -0.48(m, 1H)。
【0331】
A19-P4:LCMS:m/z 392.0(M+H);H NMR (DMSO-d6, 400mHz):δ7.62(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.33 - 7.28(m, 3H)、7.23 - 7.18(m, 3H)、5.76(dd, J=8.8, 3.2 Hz, 1H)、3.99 - 3.94(m, 1H)、3.89(t, J=8.8 Hz, 1H)、3.17(s, 3H)、3.16 - 3.13(m, 1H)、2.77(s, 3H)、2.45 - 2.38(m, 1H)、1.09(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.52 - 0.45(m, 1H)、0.37 - 0.27(m, 2H)、-0.39 - -0.48(m, 1H)。
【0332】
実施例A20:(3R)-1,3-ジメチル-6-(2-オキソ-5-フェニルピロリジン-1-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A20)の合成
【0333】
【化79】
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【0334】
ステップ1. tert-ブチル(3R)-1,3-ジメチル-2-オキソ-6-(2-オキソ-5-フェニルピロリジン-1-イル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-4(1H)-カルボキシレート(69)の合成
【0335】
【化80】
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【0336】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体13(188mg、0.53mmol)、化合物67(85mg、0.53mmol)、N,N'-ジメチルエチレンジアミン(93mg、1.06mmol)、ヨウ化銅(101mg、0.53mmol)、炭酸セシウム(345mg、1.06mmol)及び1,4-ジオキサン(5mL)を室温で連続的に加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、撹拌下で100℃に4時間加熱した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を室温に冷却し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン=1:20)により精製し、tert-ブチル(3R)-1,3-ジメチル-2-オキソ-6-(2-オキソ-5-フェニルピロリジン-1-イル)-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-4(1H)-カルボキシレート(69)(140mg、黄色固体)(収率:60%)を得た。LCMS:m/z 437.0(M+H)。
【0337】
ステップ2. (3R)-1,3-ジメチル-6-(2-オキソ-5-フェニルピロリジン-1-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A20)の合成
【0338】
【化81】
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【0339】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体69(140mg、0.32mmol)とジクロロメタン(4mL)を室温で連続的に加え、その後EtOH中塩酸の33%溶液(2mL)を加えた。混合物を4時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、得られた残留物を減圧下で濃縮し、(3R)-1,3-ジメチル-6-(2-オキソ-5-フェニルピロリジン-1-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンA20(108mg、黄色固体)(収率:100%)を得た。LCMS:m/z 337.0(M+H)。
【0340】
キラル分離条件(SFC):カラム:OJ-H、溶離液:70%CO2 + 30%MeOH、流速:12.5mL/分;一般的なHPLC分離条件:カラム:Gemini-C18 150×21.2mm、5um;移動相:ACN-H2O(0.5%FA)、勾配:30-35。
【0341】
A20-P1:LCMS:m/z 337.0(M+H);1H NMR (CDCl3, 400mHz) 7.36-7.28(m, 3H)、7.25 - 7.19(m, 3H)、7.05(d, J=8.0 Hz, 1H)、5.70(s, 1H)、4.19(q, J=6.4 Hz, 1H)、3.27(s, 3H)、2.82-2.72(m, 1H)、2.69 - 2.60(m, 2H)、2.05-1.97(m, 1H)、1.47(d, J=6.6 Hz, 3H)。
【0342】
A20-P2:LCMS:m/z 337.0(M+H);1H NMR (CDCl3, 400mHz) 7.67(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.32 - 7.27(m, 2H)、7.20(t, J=8.8 Hz, 3H)、7.07(d, J=8.4 Hz, 1H)、5.72(d, J=4.8 Hz, 1H)、4.46(brs, 1H)、4.06(q, J=6.4 Hz, 1H)、3.26(s, 3H)、2.84 - 2.70(m, 1H)、2.67 - 2.52(m, 2H)、2.05 - 1.94m, 1H)、1.36(d, J=6.6 Hz, 3H)。
【0343】
実施例A21:6-(2-(4-フルオロフェニル)-5-オキソピロリジン-1-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピリド[2,3-B][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(A21)の合成
【0344】
【化82】
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【0345】
乾燥した50mLの丸底フラスコ中に、中間体33(100mg、0.56mmol)、中間体29(143mg、0.56mmol)、N,N'-ジメチルエチレンジアミン(98mg、1.12mmol)、ヨウ化銅(67mg、0.56mmol)、リン酸カリウム(237mg,1.12mmol)及び1,4-ジオキサン(10mL)を室温で連続的に加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、撹拌下で100℃に16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)により精製し、6-(2-(4-フルオロフェニル)-5-オキソピロリジン-1-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピリド[2,3-B][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(A21)(220mg、白色固体)を得た。LCMS:m/z 355.8(M+H)。
【0346】
キラル分離条件(SFC):カラム:OD-H、溶離液:70%CO2 + 30%IPA(DEA)、流速:12.5mL/分で、A21-P1、A21-P2、A21-P3及びA21-P4をそれぞれ得た。
【0347】
A21-P1:LCMS:m/z 355.9(M+H);1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 7.85(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.53(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.29(dd, J=8.4, 5.4 Hz, 2H)、7.01(t, J=8.6 Hz, 2H)、5.76(dd, J=8.0, 4.0 Hz, 1H)、4.81(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.31(s, 3H)、2.79-2.84(m, 1H)、2.71 -2.59(m, 2H)、1.96-2.03(m, 1H)、1.51(d, J=6.8 Hz, 3H)。
【0348】
A21-P2:LCMS:m/z 355.9(M+H);1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ7.82(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.52(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.28(dd, J=8.4, 5.4 Hz, 2H)、7.01(t, J=8.6 Hz, 2H)、5.73(dd, J=8.0, 4.6 Hz, 1H)、4.81(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.29(s, 3H)、2.88-2.74(m, 1H)、2.72-2.58(m, 2H)、2.07-1.91(m, 1H)、1.45(d, J=6.8 Hz, 3H)。
【0349】
A21-P3:LCMS:m/z 355.9(M+H);1H NMR (CD3OD, 400 MHz)δ7.85(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.51(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.28(dd, J=8.2, 5.4 Hz, 2H)、7.01(t, J=8.6 Hz, 2H)、5.75(dd, J=8.0, 4.0 Hz, 1H)、4.79(q, J=6.4 Hz, 1H)、3.30(s, 3H)、2.88-2.74(m, 1H)、2.71-2.58(m, 2H)、2.04-1.91(m, 1H)、1.50(d, J=6.8 Hz, 3H)。
【0350】
A21-P4:LCMS:m/z 355.9(M+H);1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ7.82(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.52(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.28(dd, J=8.4, 5.4 Hz, 2H)、7.01(t, J=8.6 Hz, 2H)、5.73(dd, J=8.0, 4.6 Hz, 1H)、4.81(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.30(s, 3H)、2.90-2.73(m, 1H)、2.74-2.58(m, 2H)、2.09-1.92(m, 1H)、1.45(d, J=6.8 Hz, 3H)。
【0351】
実施例A22:4-シクロプロピル-6-(2-(4-フルオロフェニル)-5-オキソピロリジン-1-イル)-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A22)の合成
【0352】
【化83】
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【0353】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、中間体33(0.08g、0.496mmol)、1,4-ジオキサン(30mL)、中間体5(0.144g、0.496mmol)、炭酸セシウム(0.24g、0.744mmol)、Pd2dba3(0.044g、0.0496mmol)及びX-Phos(0.044g、0.0992mmol)を連続的に加えた。混合物をアルゴンガスで3回パージし、100℃に温め、12時間撹拌した。反応の完了後、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。結果として得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=2:1)により精製し、4-シクロプロピル-6-(2-(4-フルオロフェニル)-5-オキソピロリジン-1-イル)-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A22)を得た。ラセミ体を、キラル高性能分取クロマトグラフィーにより精製して分離し、A22-P1(6.4mg、白色固体)、A22-P2(10.7mg、薄黄色固体)、A22-P3(6.2mg、白色固体)及びA22-P4(18mg、白色固体)(収率:21%)を得た。
【0354】
キラル分離条件(SFC):カラム:OJ-H、溶離液:70%CO2 + 30%EtOH(0.2%DEA)、流速:12.5mL/分で、A22-P1及びA22-P4をそれぞれ得;カラム:OD-H、溶離液:70%CO2 + 30%MeOH(0.2%DEA)、流速:12.5mL/分で、A22-P2及びA22-P3をそれぞれ得た。
【0355】
A22-P1:LCMS:m/z 394.7(M+H);1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz):δ7.63(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.33 - 7.23(m, 3H)、7.07(t, J=8.8 Hz, 2H)、5.72 - 5.66(m, 1H)、3.97(q, J=6.4 Hz, 1H)、3.16(s, 3H)、2.76 - 2.68(m, 1H)、2.63 - 2.54(m, 2H)、2.04 - 1.97(m, 1H)、1.88 - 1.79(m, 1H)、0.99 - 0.86(m, 1H)、0.87(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.64 - 0.56(m, 1H)、0.53 - 0.45(m, 1H)、0.43 - 0.36(m, 1H)。
【0356】
A22-P2:LCMS:m/z 394.9(M+H);1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz):δ7.68(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.35(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.21 - 7.17(m, 2H)、7.11(t, J=8.8 Hz, 2H)、5.89 - 5.85(m, 1H)、4.00(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.18(s, 3H)、2.69 - 2.54(m, 3H)、2.48 - 2.42(m, 1H)、1.85 - 1.76(m, 1H)、1.10(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.57 - 0.42(m, 2H)、0.42 - 0.34(m, 1H)、-0.30 - -0.38(m, 1H)。
【0357】
A22-P3:LCMS:m/z 394.7(M+H);1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ7.68(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.35(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.21 - 7.17(m, 2H)、7.11(t, J=8.8 Hz, 2H)、5.89 - 5.85(m, 1H)、4.00(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.18(s, 3H)、2.69 - 2.54(m, 3H)、2.48 - 2.42(m, 1H)、1.85 - 1.76(m, 1H)、1.10(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.57 - 0.42(m, 2H)、0.42 - 0.34(m, 1H)、-0.30 - -0.38(m, 1H)。
【0358】
A22-P4:LCMS:m/z 394.8(M+H);1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz):δ7.63(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.33 - 7.23(m, 3H)、7.07(t, J=8.8 Hz, 2H)、5.72 - 5.66(m, 1H)、3.97(q, J=6.4 Hz, 1H)、3.16(s, 3H)、2.76 - 2.68(m, 1H)、2.63 - 2.54(m, 2H)、2.04 - 1.97(m, 1H)、1.88 - 1.79(m, 1H)、0.99 - 0.86(m, 1H)、0.87(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.64 - 0.56(m, 1H)、0.53 - 0.45(m, 1H)、0.43 - 0.36(m, 1H)。
【0359】
実施例A22と同様に、以下の実施例を、一般的合成手順Bに従って合成した:
【0360】
【表2】
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【0361】
実施例A1の合成と同様に、以下の実施例を、一般的合成手順Aに従って合成した:
【0362】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0363】
中間体70:6-ブロモ-1,3-ジメチル-4-(オキセタン-3-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(70)の合成
【0364】
【化84】
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【0365】
中間体70を、オキセタン-3-アミンから出発して、中間体5の6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成手順と同様に調製した。
【0366】
中間体71:6-ブロモ-4-(2-ヒドロキシエチル)-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(71)の合成
【0367】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
【0368】
中間体71を、2-アミノエタン-1-オールから出発して、中間体5の6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成手順と同様に調製した。
【0369】
中間体72:4-ベンジル-6-ブロモ-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(72)の合成
【0370】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
【0371】
中間体72を、ベンジルアミンから出発して、中間体5の6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成手順と同様に調製した。
【0372】
中間体73:6-ブロモ-4-シクロペンチル-1-エチル-3-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(73)の合成
【0373】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
【0374】
中間体73を、ヨウ化エチルから出発して、中間体7の6-ブロモ-4-シクロペンチル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(7)の合成手順と同様に調製した。
【0375】
中間体76:3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(76)の合成
【0376】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0377】
ステップ1. 3-ピリジンマグネシウムブロミド(74)の合成
【0378】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
【0379】
乾燥した500mLの三つ首フラスコ中に、3-ブロモピリジン(10g、63.29mmol)と乾燥テトラヒドロフラン(50mL)を、氷水浴下で加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、テトラヒドロフラン中の塩化イソプロピルマグネシウム-塩化リチウム錯体の溶液(1.3M、97mL、126.58mmol)を加えた。混合物をゆっくりと室温に温め、5時間撹拌した。この溶液を次の反応で直接使用した(0.42M)。
【0380】
ステップ2. 3-ヒドロキシ-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(75)の合成
【0381】
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
【0382】
乾燥した500mLの三つ首フラスコ中に、フタルアミド50(3g、21.1mmol)と乾燥ジクロロメタン(150mL)を、氷水浴下で加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、テトラヒドロフラン中の74の溶液(0.42M、150mL、63.29mmol)を加えた。この混合物をゆっくりと室温に温め、16時間撹拌した。反応の完了後、水(200mL)を加えた。不溶性物質を沈殿させ、濾過した。濾過ケーキをカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製し、3-ヒドロキシ-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン75(2.02g、茶色固体)(収率:42%)を得た。LCMS:m/z 226.9(M+H)。
【0383】
ステップ3. 3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(76)の合成
【0384】
【化91】
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【0385】
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、75(1.56g、6.9mmol)、ジクロロメタン(20mL)、トリフルオロ酢酸(5mL)及びトリエチルシラン(2.4g、20.7mmol)を室温で連続的に加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、撹拌下で40℃に16時間加熱し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=30:1)により精製し、3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン76(800mg、白色固体)(収率:55%)を得た。LCMS:m/z 210.9(M+H)。
【0386】
中間体79:7-ブロモ-1-シクロプロピル-2,4-ジメチル-1,2-ジヒドロピリド[4,3-b]ピラジン-3(4H)-オン(79)の合成
【0387】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
【0388】
中間体79を、以下のような3-アミノ-4,6-ジブロモピリジン(78)から出発して、中間体5の6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成手順と同様に調製した:
【0389】
【化93】
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【0390】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、2,4-ジブロモ-5-ニトロピリジン(500mg、1.78mmol)、酢酸(12mL)及び鉄粉(500mg、8.93mmol)を連続的に加えた。混合物を撹拌下で60℃に3時間加熱した。この混合物を室温に冷却し、濾過した。濾過ケーキを酢酸(5mL×3)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)により精製し、3-アミノ-4,6-ジブロモピリジン78(350mg、淡黄色固体)(収率:78%)を得た。LCMS:m/z 252.7(M+H)。
【0391】
中間体80:6-ブロモ-4-シクロプロピル-1-エチル-3-メチル-3,4-ジヒドロピリド[3,2-b]ピラジン-2(1H)-オン(80)の合成
中間体80を、中間体5の6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成手順と同様に調製し、ヨウ化エチルを最終ステップの出発物質として使用した。
【0392】
【化94】
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【0393】
中間体82:3-ベンジルイソインドリン-1-オン(82)の合成
【0394】
【化95】
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【0395】
ステップ1. 3-ベンジリデンイソインドリン-1-オン(81)の合成
【0396】
【化96】
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【0397】
乾燥した50mLの三つ首フラスコ中に、フタルアミド50(1.47g、10mmol)、ベンズアルデヒド(4.48g、30mmol)、亜鉛粉(5.1g、80mmol)及び80mLのテトラヒドロフランを連続的に加えた。窒素ガスの保護下で、無水四塩化チタン(7.56g、40mmol)を0℃で少しずつ加えた。次いで、混合物を50℃で4時間攪拌した。反応の完了(TLCにより検出した)後、50mLの水を反応混合物にゆっくりと加えた。この混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和ブライン(100mL×3)で洗浄して、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して粗製物を得、これを最終的にカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=30%〜60%)により精製し、E,Z混合の3-ベンジリデンイソインドリン-1-オン(81)(480mg)(収率:20%)を得た。
【0398】
ステップ2. 3-ベンジルイソインドリン-1-オン(82)の合成
【0399】
【化97】
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【0400】
乾燥した50mLの三つ首フラスコ中に、E,Z混合の3-ベンジリデンイソインドリン-1-オン81(480mg、2.2mmol)、Pd/C(59mg、0.05mmol)及び5mLのメタノールを連続的に加えた。反応をH2の保護下に50℃で一晩実施した。反応の完了後、混合物を濾過し、濾過ケーキを大量のメタノールで洗浄した。濾液を遠心乾燥し、3-ベンジルイソインドリン-1-オン82(400mg)(収率:80%)を得た。1HNMR (CDCl3, 400MHz):δ 6.75-7.35(m,9H)、4.78(t,1H)、3.19(d,1H)、2.13(d,1H)。
【0401】
実施例A1の合成と同様に、以下の実施例を、一般的合成手順A(Cs2CO3はK2CO3に置き換えた)に従って合成した:
【0402】
【表4】
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【0403】
実施例A1の合成と同様に、以下の実施例を、一般的合成手順A(Cs2CO3はK3PO4に置き換えた)に従って合成した:
【0404】
【表5】
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【0405】
実施例A22と同様に、以下の実施例を、一般的合成手順Bに従って合成した:
【0406】
【表6】
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【0407】
実施例A22と同様に、以下の実施例を、一般的合成手順B(Cs2CO3はK3PO4に置き換えた)に従って合成した:
【0408】
【表7】
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【0409】
実施例A1の合成と同様に、以下の実施例を、一般的合成手順Aに従って合成した:
【0410】
【表8】
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【0411】
中間体83:6-ブロモ-1-デューテロメチル-3-メチル-4-シクロプロピル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(83)の合成
【0412】
【化98】
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【0413】
中間体83を、ヨウ化デューテロメチル(deuteromethyl iodide)から出発して、中間体5の6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成手順と同様に調製した。
【0414】
中間体84:6-ブロモ-1-フルオロメチル-3-メチル-4-シクロプロピル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(84)の合成
【0415】
【化99】
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【0416】
中間体84を、フルオロクロロメタンから出発して、中間体5の6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成手順と同様に調製した。
【0417】
中間体91:6-ブロモ-4-シクロプロピル-7-フルオロ-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(91)の合成
【0418】
【化100】
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【0419】
ステップ1:2-ブロモ-5-フルオロピリジン-3-アミン(86)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物85(1.0g、4.52mmol)、鉄粉(1g)及び酢酸(50mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で80℃に2時間加熱した。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)を残留物に加え、混合物を酢酸エチル(80mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:10)により精製し、2-ブロモ-5-フルオロピリジン-3-アミン86(800mg、白色固体)(収率:92%)を得た。LCMS:m/z 190.9/192.9(M+H)。
【0420】
ステップ2:2,6-ジブロモ-5-フルオロピリジン-3-アミン(87)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物86(800mg、4.19mmol)、アセトニトリル(30mL)及びN-ブロモスクシンイミド(745mg、4.19mmol)を氷浴下で連続的に加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮し、水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(80mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、2,6-ジブロモ-5-フルオロピリジン-3-アミン87(1.2gの粗製物、薄黄色固体)を得た。LCMS:m/z 270.7(M+H)。
【0421】
ステップ3:2-ブロモ-N-(2,6-ジブロモ-5-フルオロピリジン-3-イル)プロパンアミド(88)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物87(1.2g、4.4mmol)、アセトニトリル(50mL)、化合物2-ブロモプロピオニルブロミド(1.15g、5.3mmol)及び炭酸カリウム(1.2g、8.69mmol)を氷浴下で連続的に加えた。混合物を撹拌下で室温に1時間温めた。反応の完了(TLCによりモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮し、水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(80mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、2-ブロモ-N-(2,6-ジブロモ-5-フルオロピリジン-3-イル)プロパンアミド88(1.8gの粗製物、黄色固体)を得た。LCMS:m/z 404.5/406.5(M+H)。
【0422】
ステップ4:2-(シクロプロピルアミノ)-N-(2,6-ジブロモ-5-フルオロピリジン-3-イル)プロパンアミド(89)の合成
乾燥した50mLの密封管中に、化合物88(1.8g、0.004mol)、アセトニトリル(10mL)、シクロプロピルアミン(1.0g、0.017mol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.15g、0.009mol)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で80℃に1時間温めた。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:10)により精製し、2-(シクロプロピルアミノ)-N-(2,6-ジブロモ-5-フルオロピリジン-3-イル)プロパンアミド89(1.3g、白色固体)(収率:77%)を得た。LCMS:m/z 381.7(M+H)。
【0423】
ステップ5:6-ブロモ-4-シクロプロピル-7-フルオロ-3-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(90)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物89(1.0g、0.0026mol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.0g、0.0079mol)及びジメチルスルホキシド(30mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で120℃に16時間温めた。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(80mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和ブライン(200mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:5)により精製し、6-ブロモ-4-シクロプロピル-7-フルオロ-3-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン90(560mg、白色固体)(収率:71%)を得た。LCMS:m/z 299.8/301.8(M+H)。
【0424】
ステップ6:6-ブロモ-4-シクロプロピル-7-フルオロ-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(91)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物90(300mg、1.0mmol)、テトラヒドロフラン(20mL)及び水素化ナトリウム(160mg、3.9mmol)を氷浴下で連続的に加えた。混合物を氷浴下で30分間撹拌した。ヨウ化メチル(284mg、2mmol)を加え、混合物を撹拌下で室温に16時間温めた。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、氷水(50mL)の添加により混合物をクエンチし、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:7)により精製し、6-ブロモ-4-シクロプロピル-7-フルオロ-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン91(200mg、白色固体(収率:63.7%)を得た。LCMS:m/z 313.9/315.9(M+H)。
【0425】
中間体92:6-ブロモ-4-シクロプロピル-1-トリフルオロエチル-3-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(92)の合成
【0426】
【化101】
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【0427】
中間体92を、ヨウ化トリフルオロメチルから出発して、中間体5の6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成手順と同様に調製した。
【0428】
中間体93:6-ブロモ-4-(1-メチルシクロプロピル)-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(93)の合成
【0429】
【化102】
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【0430】
中間体93を、メチルシクロプロピルアミンから出発して、中間体5の6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成手順と同様に調製した。
【0431】
中間体94:6-ブロモ-4-シクロプロピル-1-フルオロエチル-3-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(94)の合成
【0432】
【化103】
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【0433】
中間体94を、1-フルオロエチルヨージドから出発して、中間体5の6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成手順と同様に調製した。
【0434】
中間体95:6-ブロモ-4-シクロプロピル-1-(2,2-ジフルオロエチル)-3-メチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(95)
【0435】
【化104】
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【0436】
中間体95を、ジフルオロエチルヨージドから出発して、中間体5の6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成手順と同様に調製した。
【0437】
中間体96:6-ブロモ-4-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(96)
【0438】
【化105】
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【0439】
中間体96を、トリフルオロエチルアミンから出発して、中間体5の6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成手順と同様に調製した。
【0440】
中間体97:6-ブロモ-4-(2-フルオロエチル)-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(97)
【0441】
【化106】
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【0442】
中間体97を、2-フルオロエチルアミンから出発して、中間体5の6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成手順と同様に調製した。
【0443】
中間体98:6-ブロモ-4-イソプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(98)
【0444】
【化107】
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【0445】
中間体98を、イソプロピルアミンから出発して、中間体5の6-ブロモ-4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(5)の合成手順と同様に調製した。
【0446】
中間体105:(R)-2-ブロモ-5,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロピリミジン-6(5H)-オン(105)の合成
【0447】
【化108】
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【0448】
ステップ1:メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチル-D-アラニンエステル(100)の合成
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、化合物99(5g、24.63mmol)、ベンゼン(75mL)及び無水メタノール(50mL)を室温で連続的に加え、(ジアゾメチル)トリメチルシラン(n-ヘキサン中2M溶液、17.3mL)をゆっくりと滴下添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、メチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-N-メチル-D-アラニンエステル100(淡黄色油状物、5.3g)を得、これを次の反応で直接使用した。LCMS:m/z 240.1(M+Na)。
【0449】
ステップ2:メチルN-メチル-D-アラニンエステル塩酸塩(101)の合成
乾燥した100mLの一つ首フラスコ中に、化合物100(5.3g、24.63mmol)及びジクロロメタン(40mL)を室温で連続的に加え、33%塩酸アルコール溶液(20mL)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、メチルN-メチル-D-アラニンエステル塩酸塩101(黄色油状物、3.7g)を得、これを次の反応で直接使用した。LCMS:m/z 118.2(M+H)。
【0450】
ステップ3:メチルN-(2-クロロ-5-ニトロピリミジン-4-イル)-N-メチル-D-アラニンエステル(102)の合成
乾燥した100mLの一つ首フラスコ中に、化合物101(3.56g、23.1mmol)、トリエチルアミン(3.12g、30.8mmol)及びジクロロメタン(60mL)を室温で連続的に加え、その後、化合物2,4-ジクロロ-5-ニトロピリミジン(3.0g、15.4mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を室温に冷却し、20mLの水を加え、この混合物を酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:10)により精製し、メチルN-(2-クロロ-5-ニトロピリミジン-4-イル)-N-メチル-D-アラニンエステル102(1.7g、黄色油状物)(収率:40%)を得た。LCMS:m/z 275.0(M+H)。
【0451】
ステップ4:(R)-2-クロロ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロピリミジン-6(5H)-オン(103)の合成
乾燥した100mLの一つ首フラスコ中に、化合物102(1.65g、6mmol)と酢酸(20mL)を室温で連続的に加え、還元用鉄粉(1.68g、30mmol)を加えた。混合物を70℃に加熱し、2時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキをメタノールで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して(R)-2-クロロ-7,8-ジメチル-7,8-ジヒドロピリミジン-6(5H)-オン103(黄色油状物、980mg)を得、これを次の反応で直接使用した。LCMS:m/z 213.0(M+H)。
【0452】
ステップ5:(R)-2-クロロ-5,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロピリミジン-6(5H)-オン(104)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物103(500mg、2.34mmol)とアセトニトリル(10mL)を室温で加え、炭酸セシウム(1.5g、4.68mmol)とヨウ化メチル(665mg、4.68mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、(R)-2-クロロ-5,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロピリミジン-6(5H)-オン104(450mg、白色固体)(収率:84%)を得た。LCMS:m/z 226.8(M+H)。
【0453】
ステップ6:(R)-2-ブロモ-5,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロピリミジン-6(5H)-オン(105)の合成
乾燥した75mLのガラス製密封管中に、化合物104(430mg、1.89mmol)とアセトニトリル(15mL)を室温で加え、トリメチルブロモシラン(1.45g、9.45mmol)を加えた。混合物を80℃に加熱し、16時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。酢酸エチルと水を残留物に加えた。相を分離し、水性相を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、(R)-2-ブロモ-5,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロピリミジン-6(5H)-オン105(380mg、黄色固体)(収率:74%)を得た。LCMS:m/z 271.0, 273.0(M+H)。
【0454】
中間体112:7-(エチルスルフィニル)-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(112)の合成
【0455】
【化109】
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【0456】
ステップ1:メチル2-ブロモ-6-フルオロベンゾエート(107)の合成
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、化合物106(16g、73mmol)、ベンゼン(50mL)及び無水メタノール(30mL)を室温で連続的に加えた。この混合物を0℃に冷却し、その後(ジアゾメチル)トリメチルシラン(n-ヘキサン中2M溶液、54.7mL)をゆっくりと滴下添加した。混合物を窒素ガスで1回パージし、0℃で1時間撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:10)により精製し、メチル2-ブロモ-6-フルオロベンゾエート107(無色油状物、16.1g)(収率:95%)を得た。
【0457】
ステップ2:メチル2-ブロモ-6-(エチルチオ)ベンゾエート(108)の合成
乾燥した250mLの一つ首フラスコ中に、化合物107(5.0g、21.46mmol)とテトラヒドロフラン(70mL)を室温で連続的に加え、その後ナトリウムエタンチオラート(2.16g、25.75mmol)を加えた。混合物を撹拌下で16時間加熱還流した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物に30mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:20)により精製し、メチル2-ブロモ-6-(エチルチオ)ベンゾエート108(4.6g、無色油状物)(収率:78%)を得た。LCMS:m/z 296.8, 298.7(M+Na);RT=1.499分(2.5分)。
【0458】
ステップ3:2-ブロモ-6-(エチルチオ)安息香酸(109)の合成
乾燥した250mLの一つ首フラスコ中に、化合物108(4.6g、16.72mmol)、メタノール(30mL)及び4N水酸化ナトリウム水溶液(30mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で70℃に16時間加熱した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、有機溶媒を減圧下で濃縮した。残留物をpH3〜4に調整し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、2-ブロモ-6-(エチルチオ)安息香酸109(4.1g、黄色固体)(収率:94%)を得た。LCMS:m/z 258.8, 260.8(M-H);RT=1.271分(2.5分)。
【0459】
ステップ4:2-(((tert-ブチルスルフィニル)アミノ)(ピリジン-3-イル)メチル)-6-(エチルチオ)安息香酸(110)の合成
乾燥した100mLの三つ首フラスコ中に、化合物109(4.1g、15.7mmol)と無水テトラヒドロフラン(50mL)を室温で連続的に加えた。混合物を-70℃に冷却し、その後n-ブチルリチウム(n-ヘキサン中2.4M溶液、14.4mL、34.54mmol)をゆっくりと滴下添加した。混合物を-70℃で1時間撹拌し、化合物5(3.62g、17.26mmol)を加えた。混合物を-70℃でさらに2時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加え、混合物を酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。水性相を合わせ、凍結乾燥して、2-(((tert-ブチルスルフィニル)アミノ)(ピリジン-3-イル)メチル)-6-(エチルチオ)安息香酸110(粗製物12g、無機塩を含む、黄色固体)を得、これを次の反応で直接使用した。LCMS:m/z 392.8(M+H);RT=1.088分及び1.120(2.5分)。
【0460】
ステップ5:7-(エチルチオ)-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(111)の合成
乾燥した250mLの丸底フラスコ中に、化合物110(12g、粗製物)とメタノール中の水素化塩素の4M溶液(100mL)とを室温で加えた。この混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加することによりpH8〜9に調整し、その後酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、酢酸エチルで洗浄し、濾過した。濾過ケーキを乾燥させて、7-(エチルチオ)-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン111(507mg、白色固体)(2ステップにわたる収率:11%)を得た。LCMS:m/z 271.1(M+H);RT=1.187分(2.5分)。
【0461】
ステップ6:7-(エチルスルフィニル)-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(112)の合成
乾燥した100mLの一つ首フラスコ中に、化合物111(300mg、1.11mmol)とジクロロメタン(20mL)を室温で加えた。混合物を0℃に冷却し、m-クロロペルオキシ安息香酸(364mg、2.1mmol)を加えた。混合物を2時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)を加え、混合物をジクロロメタン(30mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、分取高性能液体クロマトグラフィー(移動相:アセトニトリル及び水)により精製し、7-(エチルスルフィニル)-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン112(70mg、白色固体)(収率:22%)を得た。LCMS:m/z 286.9(M+H);RT=0.761分及び0.811分(2.5分)。
【0462】
中間体116:3-(6-フルオロピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(116)の合成
【0463】
【化110】
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【0464】
ステップ1:6-フルオロ-3-ピリジンマグネシウムブロミド(114)の合成
乾燥した500mLの三つ首フラスコ中に、113(6g、34.09mmol)と乾燥テトラヒドロフラン(10mL)を氷水浴下で加えた。混合物を窒素ガスで3回パージした。テトラヒドロフラン中の臭化イソプロピルマグネシウム-塩化リチウム錯体の溶液(1.3M、39mL、51.13mmol)を加えた。混合物を撹拌下で50℃に4時間加熱した。結果として得られた6-フルオロ-3-ピリジンマグネシウムブロミド114の溶液を、次の反応で直接使用した(0.7M)。
【0465】
ステップ2:3-ヒドロキシ-3-(6-フルオロピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(115)の合成
乾燥した500mLの三つ首フラスコ中に、フタルイミド(1.67g、11.36mmol)と乾燥ジクロロメタン(50mL)を氷水浴下で加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、前のステップで得られたテトラヒドロフラン中の114の溶液(0.7M、50mL、34.09mmol)を加えた。混合物を撹拌下で室温に16時間温めた。反応が完了した後、水(100mL)を加えた。不溶物を沈殿させ、濾過した。濾過ケーキをカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=50:1)により精製し、3-ヒドロキシ-3-(6-フルオロピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン115(11g、純度:25%、茶色油状物)を得た。LCMS:m/z 244.0, 244.9(M+H);RT=1.222分(2.5分)。
【0466】
ステップ3:3-(6-フルオロピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(116)の合成
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、115(10g、純度:25%、10.24mmol)、ジクロロメタン(50mL)、トリフルオロ酢酸(10mL)及びトリエチルシラン(3.56g、30.73mmol)を室温で連続的に加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、撹拌下で40℃に16時間加熱した。反応の完了後、混合物を5N NaOH溶液でpH10〜11に調整し、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=50:1)により精製し、3-(6-フルオロピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン116(1.68g、淡茶色固体)(収率:64%)を得た。LCMS:m/z 228.1, 228.9(M+H);RT=1.264分(2.5分)。
【0467】
中間体124:1-(6-メチルピリジン-3-イル)-1,2-ジヒドロ-3H-インダゾール-3-オン(124)の合成
【0468】
【化111】
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【0469】
ステップ1:5-ヒドラジノ-2-メチルピリジン(118)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物117(3g、27.52mmol)と濃塩酸(20mL)を室温で連続的に加えた。混合物を0℃に冷却した。亜硝酸ナトリウム(1.96g、28.35mmol)を加え、混合物を0.5時間撹拌した。濃塩酸(10mL)中の塩化スズ二水和物(12.44g、55.04mmol)の溶液を0℃で滴下添加した。添加後、混合物を室温に温め、2時間撹拌した。反応の完了後、混合物を、水酸化ナトリウムの5N溶液でpH8〜9に調整し、酢酸エチル(50mL×4)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、5-ヒドラジノ-2-メチルピリジン118(1.0g、茶色液体)、粗製物を得た。
【0470】
ステップ2:Tert-ブチル2-(6-メチルピリジン-3-イル)ヒドラジン-1-カルボキシレート(119)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物118(1g、8.13mmol)、テトラヒドロフラン(40mL)及びジ-tert-ブチルジカーボネート(1g、8.13mmol)を室温で連続的に加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製し、tert-ブチル2-(6-メチルピリジン-3-イル)ヒドラジン-1-カルボキシレート119(1.4g、黄色液体)(2ステップにわたる収率:23%)を得た。LCMS:m/z 223.1, 224.2(M+H);RT=0.847分(2.5分)。
【0471】
ステップ3:5-ヒドラジノ-2-メチルピリジン塩酸塩(120)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物119(1.4g、6.25mmol)とメタノール中4N塩化水素(20mL)を室温で連続的に加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮し、5-ヒドラジノ-2-メチルピリジン塩酸塩 120(1g、茶色固体)(収率:99%)を得た。LCMS:m/z 123.1, 124.2(M+H);RT=0.180分(2.5分)。
【0472】
ステップ4:2-インドベンゾイルクロリド(122)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物121(775mg、3.13mmol)、無水ジクロロメタン(40mL)、塩化オキサリル(2.0g、15.65mmol)及びN,N’-ジメチルホルムアミド(0.2mL)を室温で連続的に加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、減圧下で濃縮し、2-インドベンゾイルクロリド122(1.2g、白色固体)(収率:99%)を得た。LCMS:m/z 262.0, 262.9(M+H);RT=1.443分(2.5分)。
【0473】
ステップ5:2-インド-N'-(6-メチルピリジン-3-イル)ベンゾヒドラジド(123)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物122(775mg、3.13mmol)、無水テトラヒドロフラン(40mL)、化合物120(0.5g、3.13mmol)及びトリエチルアミン(948mg、9.39mmol)を室温で連続的に加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をHPLCにより精製し、2-インド-N'-(6-メチルピリジン-3-イル)ベンゾヒドラジド123(185mg、茶色液体)(収率:17%)を得た。LCMS:m/z 353.0, 354.0(M+H);RT=0.950分(2.5分)。
【0474】
ステップ6:1-(6-メチルピリジン-3-イル)-1,2-ジヒドロ-3H-インダゾール-3-オン(124)の合成
乾燥した50mLの丸底フラスコ中に、化合物123(185mg、0.522mmol)、ジメチルスルホキシド(4mL)、N,N'-ジメチルエチレンジアミン(93mg、1.044mmol)、炭酸カリウム(144mg、1.044mmol)及びヨウ化銅(100mg、0.522mmol)を室温で連続的に加えた。混合物をアルゴンガスで3回パージし、室温で16時間撹拌し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をHPLCにより精製し、1-(6-メチルピリジン-3-イル)-1,2-ジヒドロ-3H-インダゾール-3-オン124(50mg、黄色液体)(収率:42%)を得た。LCMS:m/z 225.1, 226.1(M+H);RT=1.056分(2.5分)。
【0475】
実施例A1の合成と同様に、以下の実施例を、一般的合成手順A(Cs2CO3はリン酸カリウムに置き換えた)に従って合成した:
【0476】
【表9】
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【0477】
中間体127:3-(ピリジン-4-イル)イソインドリン-1-オン(127)の合成
【0478】
【化112】
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【0479】
ステップ1:2-(((tert-ブチルスルフィニル)アミノ)(ピリジン-4-イル)メチル)安息香酸(126)の合成
乾燥した100mLの三つ首フラスコ中に、化合物125(1g、4.97mmol)と無水テトラヒドロフラン(40mL)を連続的に加えた。混合物をアルゴンガスで3回パージし、乾燥氷浴を用いて-60℃に冷却した。N-ブチルリチウム(4.5mL、ヘキサン中2.4M溶液)をゆっくりと滴下添加した。反応系を撹拌下で1時間-60℃に維持した。無水テトラヒドロフラン中の化合物2(1.04g、4.97mmol)の溶液をゆっくりと滴下添加した。混合物を撹拌下で室温に1時間温めた。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、反応混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。水性相を減圧下で濃縮し、粗製の2-(((tert-ブチルスルフィニル)アミノ)(ピリジン-4-イル)メチル)安息香酸126(2g、白色固体)(収率:121%)を得た。LCMS:m/z 332.8(M+H);RT=1.164分(2.5分)。
【0480】
ステップ2:3-(ピリジン-4-イル)イソインドリン-1-オン(127)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物126(2g、6.02mmol)とメタノール中の水素化塩素の溶液(4mol/L、20mL)を加えた。混合物を室温で12時間撹拌した。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮した。残留物に水(20mL)を加えた。この混合物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液でpH8に調整し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製し、3-(ピリジン-4-イル)イソインドリン-1-オン127(0.24g、白色固体)(収率:19%)を得た。LCMS:m/z 211.1(M+H);RT=0.928分(2.5分)。
【0481】
以下の実施例A58及びA59を、実施例A1の合成と同様に合成した。
【0482】
【表10】
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【0483】
中間体134:7-(メチルスルフィニル)-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(134)の合成
【0484】
【化113】
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【0485】
ステップ1:メチル2-ブロモ-6-フルオロベンゾエート(129)の合成
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、化合物128(16g、73mmol)、ベンゼン(50mL)及び無水メタノール(30mL)を室温で連続的に加えた。混合物を0℃に冷却した。(ジアゾメチル)トリメチルシラン(n-ヘキサン中2M溶液、54.7mL)をゆっくりと滴下添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:10)により精製し、メチル2-ブロモ-6-フルオロベンゾエート129(無色油状物、16.1g)(収率:95%)を得た。
【0486】
ステップ2:メチル2-ブロモ-6-(メチルチオ)ベンゾエート(130)の合成
乾燥した250mLの一つ首フラスコ中に、化合物129(6.0g、25.75mmol)とテトラヒドロフラン(60mL)を室温で連続的に加え、その後ナトリウムチオメトキシド(1.98g、28.32mmol)を加えた。混合物を撹拌下で4時間加熱還流した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。30mLの水を残留物に加え、混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:25)により精製し、メチル2-ブロモ-6-(メチルチオ)ベンゾエート130(1.87g、無色油状物)(収率:29%)を得た。
【0487】
ステップ3:2-ブロモ-6-(メチルチオ)安息香酸(131)の合成
乾燥した250mLの一つ首フラスコ中に、化合物130(1.87g、7.16mmol)、メタノール(30mL)及び4N水酸化ナトリウム水溶液(30mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で70℃に16時間加熱した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮し、1N塩酸でpH3〜4に調整し、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、2-ブロモ-6-(メチルチオ)安息香酸131(1.2g、白色固体)(収率:68%)を得た。LCMS:m/z 245.0, 247.0(M-H);RT=1.195分(2.5分)。
【0488】
ステップ4:2-(((t-ブチルスルフィニル)アミノ)(ピリジン-3-イル)メチル)-6-(メチルチオ)安息香酸(132)の合成
乾燥した100mLの三つ首フラスコ中に、化合物131(1.0g、4.05mmol)と無水テトラヒドロフラン(20mL)を室温で連続的に加えた。混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(n-ヘキサン中2.4M溶液、3.7mL、8.91mmol)をゆっくりと滴下添加した。混合物を-70℃で1時間撹拌し、化合物3-t-ブチルスルフィニルイミノピリジン(850mg、4.05mmol)を加えた。この混合物を、-70℃でさらに2時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加え、混合物を酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。水性相を合わせ、凍結乾燥させて、2-(((t-ブチルスルフィニル)アミノ)(ピリジン-3-イル)メチル)-6-(メチルチオ)安息香酸132(粗製物4g、無機塩を含む、黄色固体)を得、これを次の反応で直接使用した。LCMS:m/z 378.7(M+H);RT=1.143分及び1.176分(2.5分)。
【0489】
ステップ5:7-(メチルチオ)-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(133)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物132(3.9g、粗製物)と4M塩化水素メタノール溶液(40mL)を室温で加えた。混合物を16時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液でpH8〜9に調整し、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、7-(メチルチオ)-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン133(480mg、黄色固体)(2ステップにわたる収率:39%)を得た。LCMS:m/z 256.9(M+H);RT=0.982分(2.5分)。
【0490】
ステップ6:7-(メチルスルフィニル)-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(134)の合成
乾燥した100mLの一つ首フラスコ中に、化合物133(300mg、1.17mmol)とジクロロメタン(15mL)を室温で加えた。混合物を0℃に冷却し、m-クロロペルオキシ安息香酸(384mg、2.22mmol)を加えた。混合物を2時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)を加え、混合物をジクロロメタン(20mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、減圧下で濃縮し、7-(メチルスルフィニル)-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン134(180mg、白色固体)(収率:56%)を得た。LCMS:m/z 272.8(M+H);RT=0.425及び0.452分(2.5分)。
【0491】
実施例A60:4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-6-(4-(メチルスルフィニル)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A60)の合成
【0492】
【化114】
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【0493】
乾燥した500mLの一つ首フラスコ中に、化合物134(6g×4バッチ、23.4mmol×4バッチ)、化合物5(6.92g×4バッチ、23.4mmol×4バッチ)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(2.1g×4バッチ、2.3mmol×4バッチ)、4,5-ビスジフェニルホスフィン-9,9-ジメチルキサンテン(2.7g×4バッチ、4.6mmol×4バッチ)、炭酸セシウム(15.2g×4バッチ、46.8mmol×4バッチ)及び1,4-ジオキサン(200mL×4バッチ)を室温で連続的に加えた。窒素ガスの保護下で、混合物を撹拌下で90℃に16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=50:1)により精製し、4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-6-(4-(メチルスルフィニル)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンA60(24.8g、黄色固体)(収率:56%)、及び28.9gの不純生成物(純度約70%)を得た。詳細なHNMRデータについては、リストを参照のこと。
【0494】
実施例A61、A62及びA63:
(3R)-1,3,4-トリメチル-6-(4-(メチルチオ)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A61)の合成、
(3R)-1,3,4-トリメチル-6-(4-(メタンスルホニル)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A62)の合成、
(3R)-1,3,4-トリメチル-6-(4-(メチルスルフィニル)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A63)の合成
【0495】
【化115】
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【0496】
ステップ1:(3R)-1,3,4-トリメチル-6-(4-(メチルチオ)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A61)の合成
乾燥した100mLの一つ首フラスコ中に、化合物133(300mg、1.17mmol)、化合物2(316mg、1.17mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(165mg、0.18mmol)、4,5-ビスジフェニルホスフィン-9,9-ジメチルキサンテン(208mg、0.36mmol)、炭酸セシウム(761mg、2.34mmol)及び1,4-ジオキサン(20mL)を室温で連続的に加えた。窒素ガスの保護下で、混合物を撹拌下で100℃に16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、(3R)-1,3,4-トリメチル-6-(4-(メチルチオ)-3-カルボニル-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンA61(450mg、黄色固体)(収率:86%)を得た。LCMS:m/z 445.8(M+H);RT=1.278分。
【0497】
ステップ2:
(3R)-1,3,4-トリメチル-6-(4-(メタンスルホニル)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A62)の合成;
(3R)-1,3,4-トリメチル-6-(4-(メチルスルフィニル)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A63)の合成
乾燥した100mLの一つ首フラスコ中に、化合物A61(450mg、1.0mmol)とジクロロメタン(20mL)を室温で加えた。混合物を0℃に冷却し、その後m-クロロペルオキシ安息香酸(432mg、2.5mmol)を加えた。この混合物を0℃で2時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)を加え、混合物をジクロロメタン(20mL×2)で抽出した。有機相を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、(3R)-1,3,4-トリメチル-6-(4-(メタンスルホニル)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A62)(20mg、黄色固体)と、(3R)-1,3,4-トリメチル-6-(4-(メチルスルフィニル)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A63)(190mg、黄色固体)を得た。
LCMS:m/z 477.7(M+H);RT=1.152分(2.5分)。[A62]
LCMS:m/z 461.8(M+H);RT=1.110分(2.5分)。[A63]
【0498】
ステップ3:(3R)-1,3,4-トリメチル-6-(4-(メタンスルホニル)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A62)の分割
キラル分割条件(SFC):
キラルカラム:AD-H
移動相:70%二酸化炭素 + 30%イソプロパノール(0.2%ジエチルアミン)
流速:40g/分
【0499】
ステップ4:(3R)-1,3,4-トリメチル-6-(4-(メチルスルフィニル)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A63)の分割
キラル分割条件(SFC):
キラルカラム:AD-H
移動相:70%二酸化炭素 + 30%イソプロパノール(0.2%ジエチルアミン)
流速:40g/分
【0500】
化合物A60〜A63のデータは以下のとおりであり、後続の実施例A64〜66は、実施例A60、A60、A62、A63に従って合成した。
【0501】
【表11】
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【0502】
中間体138:3-(5-フルオロピリジン-2-イル)イソインドリン-1-オン(138)の合成
【0503】
【化116】
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【0504】
ステップ1:(5-フルオロピリジン-2-イル)マグネシウムブロミド(136)の合成
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、マグネシウム(1.7g、71mmol)、塩化リチウム(1.5g、35.5mmol)及び乾燥テトラヒドロフラン(50mL)を氷水浴下で加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、テトラヒドロフラン中の水素化ジイソプロピルアルミニウム(DIBAL)の溶液(1.0M、0.3mL、0.3mmol)を0℃で加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した。化合物135(5g、28.4mmol)を加え、この混合物をさらに2時間撹拌した。結果として得られた(5-フルオロピリジン-2-イル)マグネシウムブロミド136の溶液を、次の反応で直接使用した。
【0505】
ステップ2:3-(5-フルオロピリジン-2-イル)-3-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(137)の合成
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、化合物50(1.04g、7.1mmol)と乾燥ジクロロメタン(30mL)を加えた。混合物を窒素ガスで3回パージした。テトラヒドロフラン中の化合物136の溶液(50mL、28.4mmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮し、3-(5-フルオロピリジン-2-イル)-3-ヒドロキシイソインドリン-1-オン137(10g、塩を含む粗製物、茶色固体)を得た。LCMS:m/z 244.8(M+H);RT=1.213分(2.5分)。
【0506】
ステップ3:3-(5-フルオロピリジン-2-イル)イソインドリン-1-オン(138)の合成
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、化合物137(10g、7.1mmol)、ジクロロメタン(50mL)、トリフルオロ酢酸(20mL)及びトリエチルシラン(20mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で40℃に16時間加熱した。反応の完了後、この混合物を5N NaOH溶液でpH8〜9に調整し、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、3-(5-フルオロピリジン-2-イル)イソインドリン-1-オン138(収率:55%)を得た。LCMS:m/z 228.9(M+H);RT=1.265分(2.5分)。
【0507】
中間体142:3-(ピリジン-2-イル)イソインドリン-1-オン(142)の合成
【0508】
【化117】
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【0509】
ステップ1:2-ピリジニルマグネシウムブロミド(140)の合成
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、マグネシウム(1.9g、79.13mmol)、塩化リチウム(1.68g、39.56mmol)及び乾燥テトラヒドロフラン(80mL)を氷水浴下で加えた。混合物を窒素ガスで3回パージした。テトラヒドロフラン中の水素化ジイソプロピルアルミニウムの溶液(1.0M、0.32mL、0.32mmol)を0℃で加えた。混合物を10分間撹拌した。次いで、139 1(5g、31.65mmol)を0℃で加え、混合物を0℃で2時間撹拌した。結果として得られた2-ピリジニルマグネシウムブロミド140の溶液を、次の反応で直接使用した。
【0510】
ステップ2:3-ヒドロキシ-3-(ピリジン-2-イル)イソインドリン-1-オン(141)の合成
乾燥した500mLの三つ首フラスコ中に、フタルイミド(1.2g、7.91mmol)と乾燥ジクロロメタン(50mL)を、氷水浴下で加えた。混合物を窒素ガスで3回パージした。テトラヒドロフラン中の140の溶液(0.4M, 80mL、31.65mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮し、3-ヒドロキシ-3-(ピリジン-2-イル)イソインドリン-1-オン141(10g、塩を含む粗製物、茶色油状物)を得た。LCMS:m/z 226.0, 226.9(M+H);RT=1.103分(2.5分)。
【0511】
ステップ3:3-(ピリジン-2-イル)イソインドリン-1-オン(142)の合成
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、141(10g、7.91mmol)、ジクロロメタン(60mL)、トリフルオロ酢酸(10mL)及びトリエチルシラン(10mL)を室温で連続的に加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、その後撹拌下で40℃に16時間加熱した。反応の完了後、混合物を、5N NaOH溶液でpH10〜11に調整し、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、3-(ピリジン-2-イル)イソインドリン-1-オン142(1g、淡茶色固体)(収率:60%)を得た。LCMS:m/z 210.1, 210.9(M+H);RT=1.153分(2.5分)。
【0512】
A1の合成法に従って、以下の実施例を合成した。
【0513】
【表12】
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【0514】
以下の実施例を、実施例A1に従い、Cs2CO3の代わりにK3PO4を用いて調製した。
【0515】
【表13】
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【0516】
実施例A72:5-(4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)-4-(ピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-6H-チエノ[2,3-c]ピロール-6-オン(A72)の合成
【0517】
【化118】
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【0518】
ステップ1. (E)-2-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチレン)プロパン-2-スルフィンアミド(144)の合成
乾燥した500mLの三つ首反応フラスコ中に、化合物143(16g、149.5mmol)、無水ジクロロメタン(300mL)及びR-t-ブチルスルフィンアミド(18.1g、149.5mmol)を加えた。この混合物を、氷塩浴を用いて0℃に冷却した。混合物をアルゴンガスで3回パージし、チタン酸テトラエチル(136g、598.1mmol)を少しずつ加えた。添加後、混合物を撹拌下で40℃に12時間温めた。反応の完了後、反応混合物を水に注ぎ入れ、大量の白色固体を沈殿させた。反応物を濾過し、濾液をジクロロメタン(500mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、飽和ブライン(300mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、(E)-2-メチル-N-(ピリジン-3-イルメチレン)プロパン-2-スルフィンアミド144(24g、黄色液体)(収率:76%)を得た。LCMS:m/z 210.9(M+H);RT=1.299分(2.5分)。
【0519】
ステップ2:3-(((tert-ブチルスルフィニル)アミノ)(ピリジン-3-イル)メチル)チオフェン-2-カルボン酸(145)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物3(3.2g、25mmol)と無水テトラヒドロフラン(50mL)を連続的に加えた。混合物をアルゴンガスで3回パージし、乾燥氷浴を用いて-60℃に冷却した。次いで、n-ブチルリチウム(50mL、ヘキサン中2.4M溶液)をゆっくりと滴下添加した。反応系を撹拌下で-60℃に3時間維持した。混合物を-78℃に冷却した後、無水テトラヒドロフラン(40mL)中の化合物144(5.25g、25mmol)の溶液をゆっくりと滴下添加した。添加後、混合物を自然に室温に温め、2時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を塩化アンモニウム水溶液に注ぎ入れ、減圧下で濃縮し、凍結乾燥させて、粗製の3-(((tert-ブチルスルフィニル)アミノ)(ピリジン-3-イル)メチル)チオフェン-2-カルボン酸145(4g、黄色液体)(収率:47.6%)を得た。LCMS:m/z 339.0(M+H);RT=1.16分及び1.19分(2.5分)。
【0520】
ステップ3:3-(アミノ(ピリジン-3-イル)メチル)チオフェン-2-カルボン酸(146)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物145(4g、11.8mmol)、無水メタノール(10mL)及びメタノール(20mL)中4M HClを連続的に加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮し、粗製の3-(アミノ(ピリジン-3-イル)メチル)チオフェン-2-カルボン酸146(4g、黄色油状物)(収率:148%)を得た。LCMS:m/z 234.8(M+H);RT=0.451分(2.5分)。
【0521】
ステップ4:4-(ピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-6H-チエノ[2,3-c]ピロール-6-オン(147)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物146(2.5g、10.6mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(30mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.12g、32mmol)及び1-プロピルリン酸無水物(酢酸エチル中50%溶液、20.3g、32mmol)を連続的に加えた。添加後、混合物を40℃で6時間撹拌した。反応の完了後、混合物を水で希釈し、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、飽和ブライン(50mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製し、4-(ピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-6H-チエノ[2,3-c]ピロール-6-オン147(0.4g、黄色固体)(収率:17.4%)を得た。LCMS:m/z 216.9(M+H);RT=0.889分(2.5分)。
【0522】
ステップ5:5-(4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)-4-(ピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-6H-チエノ[2,3-c]ピロール-6-オン(A72)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物147(0.2g、0.92mmol)、1,4-ジオキサン(20mL)、化合物5(0.27g、0.92mmol)、リン酸カリウム(0.39g、1.84mmol)、ヨウ化銅(0.17g、0.92mmol)及びN,N'-ジメチルエチレンジアミン(0.16g、1.84mmol)を連続的に加えた。混合物をアルゴンガスで3回パージし、撹拌下で100℃に4時間温めた。反応の完了後、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製し、5-(4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)-4-(ピリジン-3-イル)-4,5-ジヒドロ-6H-チエノ[2,3-c]ピロール-6-オンA72を得た。そのラセミ体を、キラル高性能分取クロマトグラフィーにより精製して分離し、化合物A72-P1(2.2mg、黄色固体)、A72-P2(14.5mg、黄色固体)、A72-P3(7.7mg、黄色固体)及びA72-P4(13.8mg、黄色固体)(収率:9.6%)を得た。
キラル分離条件は以下のとおりである(SFC)(A72-P1及びA72-P4):
カラム:AD-H、溶離液:70%CO2 + 30%MeOH、流速:12.5mL/分
キラル分離条件は以下のとおりである(SFC)(A72-P2及びA72-P3):
カラム:AD-H、溶離液:70%CO2 + 30%IPA(0.2%DEA)、流速:12.5mL/分
【0523】
A72-P1
LCMS:m/z 431.6(M+H);RT=1.409分(2.5分)。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz):δ8.67(s, 1H)、8.42(d, J=4.0 Hz, 1H)、8.09(d, J=4.0 Hz, 1H)、7.73(d, J=8.0 Hz, 1H)、7.58(d, J=8.0 Hz, 1H)、7.36(d, J=8.0 Hz, 1H)、7.28 - 7.25(m, 1H)、7.14(d, J=4.0 Hz, 1H)、6.66(s, 1H)、4.04 - 3.99(m, 1H)、3.18(s, 3H)、2.14 - 2.08(m, 1H)、1.18 - 1.13(m, 1H)、0.89(d, J=8.0 Hz, 3H)、0.71 - 0.66(m, 1H)、0.58 - 0.53(m, 1H)、0.51 - 0.46(m, 1H).
【0524】
A72-P2
LCMS:m/z 431.7(M+H);RT=1.403分(2.5分)。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz):δ8.67(s, 1H)、8.42(d, J=4.0 Hz, 1H)、8.09(d, J=4.0 Hz, 1H)、7.73(d, J=8.0 Hz, 1H)、7.58(d, J=8.0 Hz, 1H)、7.36(d, J=8.0 Hz, 1H)、7.28 - 7.25(m, 1H)、7.14(d, J=4.0 Hz, 1H)、6.66(s, 1H)、4.04 - 3.99(m, 1H)、3.18(s, 3H)、2.14 - 2.08(m, 1H)、1.18 - 1.13(m, 1H)、0.89(d, J=8.0 Hz, 3H)、0.71 - 0.66(m, 1H)、0.58 - 0.53(m, 1H)、0.51 - 0.46(m, 1H)。
【0525】
A72-P3
LCMS:m/z 431.8(M+H);RT=1.308分(2.5分)。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz):δ8.70(s, 1H)、8.44(d, J=4.0 Hz, 1H)、8.08(d, J=4.0 Hz, 1H)、7.73(d, J=8.0 Hz, 1H)、7.64(d, J=8.0 Hz, 1H)、7.42(d, J=8.0 Hz, 1H)、7.34 - 7.27(m, 1H)、7.22(d, J=4.0 Hz, 1H)、6.83(s, 1H)、4.05 - 4.00(m, 1H)、3.20(s, 3H)、2.60 - 2.56(m, 1H)、1.13(d, J=4.0 Hz, 3H)、0.62 - 0.56(m, 2H)、0.46 - 0.40(m, 1H)、-0.31 - -0.37(m, 1H)。
【0526】
A72-P4
LCMS:m/z 431.8(M+H);RT=1.320分(2.5分)。
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz):δ8.70(s, 1H)、8.44(d, J=4.0 Hz, 1H)、8.08(d, J=4.0 Hz, 1H)、7.73(d, J=8.0 Hz, 1H)、7.64(d, J=8.0 Hz, 1H)、7.42(d, J=8.0 Hz, 1H)、7.34 - 7.27(m, 1H)、7.22(d, J=4.0 Hz, 1H)、6.83(s, 1H)、4.05 - 4.00(m, 1H)、3.20(s, 3H)、2.60 - 2.56(m, 1H)、1.13(d, J=4.0 Hz, 3H)、0.62 - 0.56(m, 2H)、0.46 - 0.40(m, 1H)、-0.31 - -0.37(m, 1H)。
【0527】
実施例A73:4-シクロプロピル-6-(4-(エチルスルフィニル)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A73)の合成
【0528】
【化119】
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【0529】
ステップ1:メチル2-ブロモ-6-フルオロベンゾエート(149)の合成
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、化合物148(16g、73mmol)、ベンゼン(50mL)及び無水メタノール(30mL)を室温で連続的に加えた。混合物を0℃に冷却した。(ジアゾメチル)トリメチルシラン(n-ヘキサン中2M溶液、54.7mL)をゆっくりと滴下添加した。混合物を窒素ガスで1回パージし、0℃で1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:10)により精製し、メチル2-ブロモ-6-フルオロベンゾエート149(無色油状物、16.1g)(収率:95%)を得た。
【0530】
ステップ2:メチル2-ブロモ-6-(エチルチオ)ベンゾエート(150)の合成
乾燥した250mLの一つ首フラスコ中に、化合物149(5.0g、21.46mmol)とテトラヒドロフラン(70mL)を室温で連続的に加え、その後ナトリウムエタンチオラート(2.16g、25.75mmol)を加えた。混合物を撹拌下で16時間加熱還流した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物に、30mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:20)により精製し、メチル2-ブロモ-6-(エチルチオ)ベンゾエート150(4.6g、無色油状物)(収率:78%)を得た。LCMS:m/z 296.8, 298.7(M+Na);RT=1.499分(2.5分)。
【0531】
ステップ3:2-ブロモ-6-(エチルチオ)安息香酸(151)の合成
乾燥した250mLの一つ首フラスコ中に、化合物150(4.6g、16.72mmol)、メタノール(30mL)及び4N水酸化ナトリウム水溶液(30mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で70℃に16時間加熱した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、有機溶媒を減圧下で濃縮した。残留物をpH3〜4に調整し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、2-ブロモ-6-(エチルチオ)安息香酸151(4.1g、黄色固体)(収率:94%)を得た。LCMS:m/z 258.8, 260.8(M-H);RT=1.271分(2.5分)。
【0532】
ステップ4:2-(((tert-ブチルスルフィニル)アミノ)(ピリジン-3-イル)メチル)-6-(エチルチオ)安息香酸(152)の合成
乾燥した100mLの三つ首フラスコ中に、化合物151(4.1g、15.7mmol)と無水テトラヒドロフラン(50mL)を室温で連続的に加えた。混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(n-ヘキサン中2.4M溶液、14.4mL、34.54mmol)をゆっくりと滴下添加した。混合物を-70℃で1時間撹拌した。化合物5(3.62g、17.26mmol)を加え、混合物を-70℃でさらに2時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加え、混合物を酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。水性相を合わせ、凍結乾燥させて、2-(((tert-ブチルスルフィニル)アミノ)(ピリジン-3-イル)メチル)-6-(エチルチオ)安息香酸152(粗製物12g、無機塩を含む、黄色固体)を得、これを次の反応で直接使用した。LCMS:m/z 392.8(M+H);RT=1.088分及び1.120(2.5分)。
【0533】
ステップ5:7-(エチルチオ)-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(153)の合成
乾燥した250mLの丸底フラスコ中に、化合物152(12g、粗製物)とメタノール中の水素化塩素の4M溶液(100mL)とを室温で加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液でpH8〜9に調整し、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、酢酸エチルで洗浄し、濾過した。濾過ケーキを乾燥させ、7-(エチルチオ)-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン153(507mg、白色固体)(2ステップにわたる収率:11%)を得た。LCMS:m/z 271.1(M+H);RT=1.187分(2.5分)。
【0534】
ステップ6:7-(エチルスルフィニル)-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(154)の合成
乾燥した100mLの一つ首フラスコ中に、化合物153(300mg、1.11mmol)とジクロロメタン(20mL)を室温で加えた。混合物を0℃に冷却した。M-クロロペルオキシ安息香酸(364mg、2.1mmol)を加えた。この混合物を2時間撹拌した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)を加え、混合物をジクロロメタン(30mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、減圧下で濃縮した。得られた残留物をHPLC(移動相:アセトニトリル及び水)により精製し、7-(エチルスルフィニル)-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン154(70mg、白色固体)(収率:22%)を得た。LCMS:m/z 286.9(M+H);RT=0.761分及び0.811分(2.5分)。
【0535】
ステップ7:4-シクロプロピル-6-(4-(エチルスルフィニル)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A73)の合成
乾燥した50mLの一つ首フラスコ中に、化合物154(70mg、0.17mmol)、化合物5(50mg、0.17mmol)、N,N-ジメチルエチレンジアミン(30mg、0.34mmol)、ヨウ化銅(32mg、0.17mmol)、リン酸カリウム(108mg、0.51mmol)及び1,4-ジオキサン(8mL)を室温で連続的に加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、撹拌下で100℃に5時間加熱した。この混合物を室温に冷却し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、4-シクロプロピル-6-(4-(エチルスルフィニル)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンA73(40mg、黄色固体)を得た。LCMS:m/z 501.7(M+H);RT=1.201分及び1.213分(2.5分)。
【0536】
ステップ8:4-シクロプロピル-6-(4-(エチルスルフィニル)-3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-2-イル)-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A73)の分割
キラル分割条件(SFC):
A73-P1及びA73-P2
キラルカラム:AD-H
移動相:70%二酸化炭素 + 30%イソプロパノール(0.2%ジエチルアミン)
流速:40g/分
A73-P3及びA73-P4
キラルカラム:IB
移動相:70%二酸化炭素 + 30%エタノール(0.2%ジエチルアミン)
流速:40g/分
A73-P5、A73-P6、A73-P7及びA73-P8
キラルカラム:AD-H
移動相:70%二酸化炭素 + 30%イソプロパノール(0.2%ジエチルアミン)
流速:40g/分
【0537】
A73-P1:LCMS:m/z 501.8(M+H);RT=1.213分(2.5分)。
1H NMR (400 MHz、CDCl3) δ8.11(d, J=7.2 Hz, 1H)、7.89(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.78(t, J=6.8 Hz, 1H)、7.70 - 7.60(m, 1H)、7.49 - 7.44(m, 1H)、7.26 - 7.23(m, 3H)、7.13(d, J=8.4 Hz, 1H)、6.86(s, 1H)、4.13(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.47 - 3.40(m, 1H)、3.29(s, 3H)、3.11 - 3.06(m, 1H)、2.59 - 2.52(m, 1H)、1.34(t, J=7.2 Hz, 3H)、1.22(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.72 - 0.57(m, 2H)、0.48 - 0.41(m, 1H)、-0.02 - -0.08(m, 1H)。
【0538】
A73-P2:LCMS:m/z 501.8(M+H);RT=1.214分(2.5分)。
1H NMR (400 MHz、CDCl3) δ 8.12(s, 1H)、7.80 - 7.72(m, 2H)、7.48 - 7.38(m, 2H)、7.26 - 7.25(m, 3H)、7.14(d, J=8.2 Hz, 1H)、6.87(s, 1H)、4.14(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.38 - 3.32(m, 1H)、3.28(s, 3H)、3.10 - 3.06(m, 1H)、2.62 -2.56(m, 1H)、1.25(t, J=7.2 Hz, 3H)、1.22(d, J=6.4 Hz, 3H)、0.91 - 0.82(m, 2H)、0.75 - 0.69(m, 1H)、0.51 - 0.44(m, 1H)。
【0539】
A73-P3:LCMS:m/z 501.8(M+H);RT=1.213分(2.5分)。
1H NMR (400 MHz、CDCl3) δ 8.75(s, 1H)、8.58(s, 1H)、8.14(d, J=7.8 Hz, 1H)、7.91(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.79(t, J=7.8 Hz, 1H)、7.53 - 7.43(m, 2H)、7.15(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.06 - 6.98(m, 1H)、6.88(s, 1H)、4.12(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.49 - 3.42(m, 1H)、3.29(s, 3H)、3.12 - 3.05(m, 1H)、2.58 - 2.52(m, 1H)、1.35(t, J=7.4 Hz, 3H)、1.22(d, J=6.4 Hz, 3H)、0.72 - 0.65(m, 1H)、0.60 - 0.52(m, 1H)、0.50 - 0.43(m, 1H)、-0.03 -0.11(m, 1H)。
【0540】
A73-P4:LCMS:m/z 501.8(M+H);RT=1.213分(2.5分)。
1H NMR (400 MHz、CDCl3) δ 8.84(s, 1H)、8.53(s, 1H)、8.12(d, J=7.6 Hz, 1H)、7.80 - 7.73(m, 2H)、7.57 - 7.37(m, 3H)、7.14(d, J=8.4 Hz, 1H)、6.85(s, 1H)、4.14(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.38 - 3.32(m, 1H)、3.28(s, 3H)、3.03 - 2.96(m, 1H)、2.61 - 2.55(m, 1H)、1.26(t, J=6.4 Hz, 3H)、1.22(d, J=6.4 Hz, 3H)、0.82 - 0.67(m, 2H)、0.50 - 0.43(m, 1H)、0.10 - 0.05(m, 1H)。
【0541】
A73-P5:LCMS:m/z 502.1(M+H);RT=1.324分(2.5分)。
1H NMR (400 MHz、CDCl3) δ 8.12(d, J=7.6 Hz, 1H)、7.91(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.77(t, J=7.6 Hz, 1H)、7.47 - 7.30(m, 2H)、7.26 - 7.22(m, 3H)、7.08(d, J=8.4 Hz, 1H)、6.68(s, 1H)、4.12(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.50 - 3.42(m, 1H)、3.27(s, 3H)、3.17 - 3.09(m, 1H)、2.29 - 2.20(m, 1H)、1.36(t, J=7.4 Hz, 3H)、1.13 - 1.09(m, 1H)、1.05(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.80 - 0.73(m, 1H)、0.66 - 0.60(m, 1H)、0.59 - 0.52(m, 1H)。
【0542】
A73-P6:LCMS:m/z 502.2(M+H);RT=1.327分(2.5分)。
1H NMR (400 MHz、CDCl3) δ 8.12(d, J=7.6 Hz, 1H)、7.91(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.76(t, J=7.6 Hz, 2H)、7.44 - 7.37(m, 2H)、7.26 - 7.25(m, 2H)、7.08(d, J=8.4 Hz, 1H)、6.68(s, 1H)、4.12(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.49 - 3.41(m, 1H)、3.27(s, 3H)、3.16 - 3.08(m, 1H)、2.28 - 2.22(m, 1H)、1.36(t, J=7.4 Hz, 3H)、1.12 - 1.08(m, 1H)、1.05(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.79 - 0.73(m, 1H)、0.66 - 0.59(m, 1H)、0.58 - 0.52(m, 1H)。
【0543】
A73-P7:LCMS:m/z 502.1(M+H);RT=1.312分(2.5分)。
1H NMR (400 MHz、CDCl3) δ 9.43(s, 1H)、8.71(d, J=5.0 Hz, 1H)、8.21(d, J=7.8 Hz, 1H)、7.96 - 7.83(m, 2H)、7.81(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.77 - 7.70(m, 1H)、7.47(d, J=7.0 Hz, 1H)、7.12(d, J=8.4 Hz, 1H)、6.89(s, 1H)、4.22(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.47 - 3.39(m, 1H)、3.28(s, 3H)、3.14 - 3.05(m, 1H)、2.38 - 2.32(m, 1H)、1.33(t, J=7.2 Hz, 3H)、1.25 - 1.20(m, 1H)、1.11(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.91 - 0.83(m, 1H)、0.69 - 0.56(m, 2H)。
【0544】
A73-P8:LCMS:m/z 502.2(M+H);RT=1.325分(2.5分)。
1H NMR (400 MHz、CDCl3) δ 8.13(d, J=7.6 Hz, 1H)、7.83(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.77(t, J=7.6 Hz, 1H)、7.37(d, J=7.4 Hz, 2H)、7.26 - 7.23(m, 3H)、7.09(d, J=8.4 Hz, 1H)、6.71(s, 1H)、4.13(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.41 - 3.33(m, 1H)、3.27(s, 3H)、3.05 - 2.97(m, 1H)、2.40 - 2.32(m, 1H)、1.29(t, J=7.2 Hz, 3H)、1.15 - 1.10(m, 1H)、1.05(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.83 - 0.74(m, 1H)、0.68 - 0.52(m, 2H)。
【0545】
中間体157及び157a:6-フルオロ-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(157)及び4-フルオロ-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(157a)の合成
【0546】
【化120】
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【0547】
ステップ1:2-(((t-ブチルスルフィニル)アミノ)(ピリジン-3-イル)メチル)-5-フルオロ安息香酸(156)及び2-(((t-ブチルスルフィニル)アミノ)(ピリジン-3-イル)メチル)-3-フルオロ安息香酸(156a)
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物155(500mg、2.29mmol)、化合物2(482mg、2.29mmol)及び乾燥テトラヒドロフラン(15mL)を室温で連続的に加えた。混合物を-78℃に冷却し、テトラヒドロフラン中のn-ブチルリチウムの溶液(2.4M、2.1mL、5.03mmol)を滴下添加した。添加後、混合物を撹拌下で16時間自然に室温に温めた。反応混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和ブライン(20mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、混合生成物2-(((t-ブチルスルフィニル)アミノ)(ピリジン-3-イル)メチル)-5-フルオロ安息香酸(156)と2-(((t-ブチルスルフィニル)アミノ)(ピリジン-3-イル)メチル)-3-フルオロ安息香酸(156a)(770mg、黄色固体)(収率:96%)を得た。LCMS:m/z 350.1, 350.9(M+H);RT=1.180分(2.5分)。
【0548】
ステップ2:6-フルオロ-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(157)及び4-フルオロ-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(157a)
乾燥した50mLの丸底フラスコ中に、化合物156と156aの混合物(770mg、2.20mmol)とメタノール中のクロロヒドリドの溶液(4.0M、15mL)を室温で連続的に加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、混合生成物6-フルオロ-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(157)と4-フルオロ-3-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(157a)(130mg、淡茶色固体)(収率:25%)を得た。LCMS:m/z 228.0, 229.0(M+H);RT=1.057分(2.5分)。1H NMRは、得られた生成物が、157と157aの(約3:2の比の)混合物であったことを示した。
【0549】
以下の実施例を、実施例A1に従って合成した。
【0550】
【表14】
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【0551】
実施例A78:(4-シクロプロピル-6-(1-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)-3-オキソイソインドリン-2-イル)-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A78)の合成
【0552】
【化121】
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【0553】
ステップ1:(2,4-ジメチルフェニル)(4-フルオロフェニル)メタノール(159)
乾燥した100mLの三つ首フラスコ中に、化合物158(4g、29.8mmol)と乾燥テトラヒドロフラン(100mL)を室温で連続的に加え、その後テトラヒドロフラン中の化合物2の溶液(1.0M、33mL、32.79mmol)を加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、室温で16時間撹拌した。反応の完了後、メタノール(20mL)の添加により混合物をクエンチし、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=10:1)により精製し、(2,4-ジメチルフェニル)(4-フルオロフェニル)メタノール159(3.24g、黄色液体)(収率:47%)を得た。LCMS:m/z 230.1, 213.0(M-17);RT=1.659分(2.5分)。
【0554】
ステップ2:4-(4-フルオロベンゾイル)イソフタル酸(160)
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物159(3.24g、14.1mmol)、KMnO4(15.58g、98.6mmol)、t-ブチルアルコール(80mL)及び水(80mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で80℃に16時間加熱した。この混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物に水(50mL)を加えた。混合物を1N水性塩酸でpH3〜4に調整し、白色固体を沈殿させた。混合物を濾過し、濾過ケーキを乾燥させて、4-(4-フルオロベンゾイル)イソフタル酸160(2.9g、白色液体)(収率:71%)を得た。LCMS:m/z 288.0, 289.0(M+H);RT=1.325分(2.5分)。
【0555】
ステップ3:ジメチル4-(4-フルオロベンゾイル)イソフタレート(161)
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物160(2.9g、10.06mmol)とメタノール(100mL)を室温で連続的に加え、塩化チオニル(3.59g、30.18mmol)を氷浴下で滴下添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、減圧下で濃縮し、ジメチル4-(4-フルオロベンゾイル)イソフタレート161(2.6g、黄色液体)(収率:81%)を得た。LCMS:m/z 316.1, 317.0(M+H);RT=1.652分(2.5分)。
【0556】
ステップ4:ジメチル(E)-4-((4-フルオロフェニル)(メトキシイミノ)メチル)イソフタレート(162)
乾燥した150mLの密封管中に、化合物161(1.4g、4.42mmol)、メトキシアミン塩酸塩(3.67g、44.2mmol)及びエタノール(20mL)を加えた。混合物を撹拌下で100℃に16時間加熱した。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮した。残留物に50mLの水を加え、混合物を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、ジメチル(E)-4-((4-フルオロフェニル)(メトキシイミノ)メチル)イソフタレート162(1.2g、黄色液体)(収率:79%)を得た。LCMS:m/z 345.1, 346.0(M+H);RT=1.649分(2.5分)。
【0557】
ステップ5:メチル1-(4-フルオロフェニル)-3-オキソイソインドリン-5-カルボキシレート(163)
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物162(1g、2.895mmol)、亜鉛粉(1.88g、28.95mmol)及び酢酸(40mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で90℃に1時間加熱した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:1)により精製し、メチル1-(4-フルオロフェニル)-3-オキソイソインドリン-5-カルボキシレート163(0.9g、白色固体)(純度91%)を得た。LCMS:m/z 285.0, 286.0(M+H);RT=1.431分(2.5分)。
【0558】
ステップ6:メチル2-(4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-オキソイソインドリン-5-カルボキシレート(164)
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物163(290mg、1.01mmol)、化合物5(300mg、1.01mmol)、N,N-ジメチルエチレンジアミン(178mg、2.02mmol)、ヨウ化銅(193mg、1.01mmol)、炭酸カリウム(279mg、2.02mmol)及び1,4-ジオキサン(15mL)を室温で連続的に加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、撹拌下で100℃に16時間加熱した。反応の完了後、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。20mLの水を残留物に加え、混合物を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、メチル2-(4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-オキソイソインドリン-5-カルボキシレート164(300mg、黄色固体)(収率:59%)を得た。LCMS:m/z 500.2, 501.0(M+H);RT=1.650分(2.5分)。
【0559】
ステップ7:2-(4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-オキソイソインドリン-5-カルボン酸(A77)
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物164(300mg、0.6mmol)、水酸化リチウム水溶液(1N、2.4mL、2.4mmol)及びテトラヒドロフラン(6mL)を室温で連続的に加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮した。10mLの水を残留物に加えた。混合物を1N水性塩酸でpH3〜4に調整し、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、2-(4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-オキソイソインドリン-5-カルボン酸A77(200mg、黄色固体)(収率:68%)を得た。LCMS:m/z 486.2, 487.0(M+H);RT=1.510分(2.5分)。
【0560】
結果として得られた2-(4-シクロプロピル-1,3-ジメチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)-1-(4-フルオロフェニル)-3-オキソイソインドリン-5-カルボン酸(A77)の一部を、以下のとおりに分割した:
キラル分離条件(SFC):
カラム:AD-H、溶離液:70%CO2 + 30%EtOH(DEA)、流速:12.5mL/分で、A77-P1、A77-P2、A77-P3及びA77-P4をそれぞれ得た。
【0561】
A77-P1:LCMS:m/z 486.2, 486.7(M+H);RT=1.504分(2.5分)。
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 8.55(s, 1H)、8.28(d, J=7.8 Hz, 1H)、7.92(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.50(d, J=7.8 Hz, 1H)、7.42 - 7.32(m, 3H)、7.03(t, J=8.6 Hz, 2H)、6.77(s, 1H)、4.13(dd, J=12.8, 6.0 Hz, 1H)、3.31(s, 3H)、2.42-2.35(m, 1H)、1.26 - 1.17(m, 1H)、1.03(d, J=6.6 Hz, 3H)、0.82-0.80(m, 1H)、0.64 - 0.49(m, 1H)。
【0562】
A77-P2:LCMS:m/z 486.2, 487.1(M+H);RT=1.513分(2.5分)。
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 8.54(s, 1H)、8.27(d, J=8.2 Hz, 1H)、7.92(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.50(d, J=7.6 Hz, 1H)、7.39 - 7.31(m, 3H)、7.03(t, J=8.4 Hz, 2H)、6.77(s, 1H)、4.13(dd, J=14.4, 7.4 Hz, 1H)、3.31(s, 3H)、2.44 - 2.34(m, 1H)、1.28 - 1.17(m, 1H)、1.03(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.85 - 0.76(m, 1H)、0.65 - 0.52(m, 1H)。
【0563】
A77-P3:LCMS:m/z 486.2, 486.7(M+H);RT=1.499分(2.5分)。
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 8.53(s, 1H)、8.27(d, J=8.2 Hz, 1H)、7.81(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.57(d, J=8.2 Hz, 1H)、7.42-7.37(m, 3H)、7.04(t, J=8.6 Hz, 2H)、6.89(s, 1H)、4.15(dd, J=13.4, 6.4 Hz, 1H)、3.31(s, 3H)、2.73 - 2.64(m, 1H)、1.23(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.94-0.87(m, 2H)、0.79 - 0.65(m, 1H)、0.55 - 0.45(m, 1H)、0.08-0.02(m, 1H)。
【0564】
A77-P4:LCMS:m/z 486.2, 486.6(M+H);RT=1.499分(2.5分)。
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 8.53(s, 1H)、8.27(d, J=8.0 Hz, 1H)、7.81(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.56(d, J=8.2 Hz, 1H)、7.43-7.37(m, 3H)、7.04(t, J=8.5 Hz, 2H)、6.89(s, 1H)、4.15(dd, J=14.2, 7.2 Hz, 1H)、3.31(s, 3H)、2.73 - 2.64(m, 1H)、1.23(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.97 - 0.85(m, 1H)、0.78-0.70(m, 1H)、0.54 - 0.45(m, 1H)、0.10 - 0.01(m, 1H)。
【0565】
ステップ8:(4-シクロプロピル-6-(1-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)-3-オキソイソインドリン-2-イル)-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A78)
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物A77(95mg、0.195mmol)、化合物11(24mg、0.234mmol)、酢酸エチル中の1-プロピルリン酸無水物の溶液(50%、0.5mL、0.29mmol)、トリエチルアミン(59mg、0.585mmol)及びジクロロメタン(10mL)を室温で連続的に加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を分取クロマトグラフィー(CAN-H2O(0.1%TFA)=30〜40)により精製し、(4-シクロプロピル-6-(1-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)-3-オキソイソインドリン-2-イル)-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンA78(30mg、白色固体)を得た。LCMS:m/z 568.2, 568.6(M+H)。
【0566】
4-シクロプロピル-6-(1-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルピペラジン-1-カルボニル)-3-オキソイソインドリン-2-イル)-1,3-ジメチル-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン(A78)の分割
キラル分離条件(SFC):
カラム:IB-H、溶離液:70%CO2 + 30%IPA(DEA)、流速:12.5mL/分で、A78-P3及びA78-P4をそれぞれ得た。
【0567】
A78-P3(白色固体、0.91mg)
LCMS:m/z 568.2, 568.9(M+H);RT=1.279分(2.5分)。
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 7.95(s, 1H)、7.82(d, J=8.6 Hz, 1H)、7.68(d, J=7.8 Hz, 1H)、7.57(d, J=7.8 Hz, 1H)、7.46 - 7.36(m, 2H)、7.04(t, J=8.6 Hz, 1H)、6.88(s, 1H)、4.15(dd, J=13.8, 7.2 Hz, 1H)、3.84-0.75(m, 1H)、3.55 - 3.44(m, 2H)、3.31(s, 3H)、2.70-2.65(m, 1H)、2.63 - 2.41(m, 4H)、2.35(s, 3H)、1.23(d, J=6.9 Hz, 3H)、0.94-0.87(m, 1H)、0.80 - 0.67(m, 1H)、0.53 - 0.41(m, 1H)、0.12 - -0.06(m, 1H)。
【0568】
A78-P4(白色固体、2.63mg)
LCMS:m/z 568.2, 568.7(M+H);RT=1.278分(2.5分)。
1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 7.95(s, 1H)、7.82(d, J=8.2 Hz, 1H)、7.69(d, J=8.4 Hz, 1H)、7.57(d, J=7.8 Hz, 1H)、7.43 - 7.35(m, 3H)、7.04(t, J=8.6 Hz, 2H)、6.88(s, 1H)、4.15(dd, J=11.8, 5.4 Hz, 1H)、3.95 - 3.74(m, 2H)、3.58 - 3.45(m, 2H)、3.31(s, 3H)、2.76 - 2.48(m, 5H)、2.39(s, 3H)、1.23(d, J=6.8 Hz, 3H)、0.93-0.89(m, 1H)、0.80 - 0.68(m, 1H)、0.54 - 0.40(m, 1H)、0.09 - -0.01(m, 1H)。
【0569】
中間体170:メチル1-(4-フルオロフェニル)-3-オキソイソインドリン-4-カルボキシレート(170)の合成
【0570】
【化122】
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【0571】
ステップ1:(2,3-ジメチルフェニル)(4-フルオロフェニル)メタノール(166)
乾燥した100mLの三つ首フラスコ中に、化合物165(0.5g、3.73mmol)と乾燥テトラヒドロフラン(10mL)を室温で連続的に加え、その後テトラヒドロフラン中の臭化テトラフルオロフェニルマグネシウムの溶液(1.0M、7.5mL、7.46mmol)を加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、室温で16時間撹拌した。反応の完了後、混合物をメタノール(10mL)でクエンチし、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=5:1)により精製し、(2,3-ジメチルフェニル)(4-フルオロフェニル)メタノール 166(750mg、無色液体)(収率:87%)を得た。LCMS:m/z 230.1, 213.0(M-17);RT=1.607分(2.5分)。
【0572】
ステップ2:3-(4-フルオロベンゾイル)フタル酸(167)
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物166(0.75g、3.26mmol)、KMnO4(3.6g、22.8mmol)、t-ブチルアルコール(25mL)及び水(25mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で80℃に16時間加熱し、その後濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。水(50mL)を残留物に加えた。混合物を6N水性塩酸でpH3〜4に調整し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、3-(4-フルオロベンゾイル)フタル酸167(0.84g、無色液体)(純度:90%)を得た。LCMS:m/z 288.0, 270.8(M-18);RT=1.318分(2.5分)。
【0573】
ステップ3:ジメチル3-(4-フルオロベンゾイル)フタレート(168)
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物167(0.84g、2.91mmol)とメタノール(15mL)を室温で連続的に加え、塩化チオニル(2.06g、17.5mmol)を氷浴下で滴下添加した。混合物を室温で16時間撹拌し、減圧下で濃縮し、ジメチル3-(4-フルオロベンゾイル)フタレート168(1.8g、茶色液体)(純度:50%)を得た。LCMS:m/z 316.1, 284.8(M-32);RT=1.544分(2.5分)。
【0574】
ステップ4:ジメチル(E)-3-((4-フルオロフェニル)(メトキシイミノ)メチル)フタレート(169)
乾燥した100mLの密封管中に、化合物168(0.6g、1.893mmol)、メトキシアミン塩酸塩(1.57g、18.93mmol)及びエタノール(20mL)を加えた。混合物を撹拌下で95℃に16時間加熱した。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮し、40mLの水を残留物に加えた。混合物を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、ジメチル(E)-3-((4-フルオロフェニル)(メトキシイミノ)メチル)フタレート169(0.65g、黄色液体)(収率:99%)を得た。LCMS:m/z 345.1, 346.0(M+H);RT=1.607分(2.5分)。
【0575】
ステップ5:メチル1-(4-フルオロフェニル)-3-オキソイソインドリン-4-カルボキシレート(170)
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物169(0.65g、1.882mmol)、亜鉛粉(1.22g、18.82mmol)及び酢酸(40mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で90℃に1時間加熱した。この混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:1)により精製し、メチル1-(4-フルオロフェニル)-3-オキソイソインドリン-4-カルボキシレート170(0.4g、黄色固体)(収率:74%)を得た。LCMS:m/z 285.0, 286.0(M+H);RT=1.379分(2.5分)。
【0576】
中間体171:3-(4-フルオロフェニル)-7-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)イソインドリン-1-オン(171)の合成
【0577】
【化123】
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【0578】
乾燥した100mLの三つ首フラスコ中に、170(500mg、1.754mmol)とテトラヒドロフラン(15mL)を室温で連続的に加え、ジエチルエーテル中の臭化メチルマグネシウムの溶液(3.0M、1.5mL、4.386mmol)を氷浴下で滴下添加した。混合物を窒素ガスで3回パージし、室温で16時間撹拌した。反応の完了後、混合物をメタノール(15mL)でクエンチし、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:2)により精製し、3-(4-フルオロフェニル)-7-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)イソインドリン-1-オン171(180mg、淡茶色固体)(収率:36%)を得た。LCMS:m/z 258.1, 258.8(M+H);RT=1.382分(2.5分)。
【0579】
中間体176:メチル3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-4-カルボキシレート(176)の合成
【0580】
【化124】
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【0581】
ステップ1:(2,3-ジメチルフェニル)(ピリジン-3-イル)メタノール(172)の合成
乾燥した500mLの三つ首フラスコ中に、化合物65(2.12g、15.82mmol)と乾燥ジクロロメタン(50mL)を加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、テトラヒドロフラン中の化合物74の溶液(150mL、63.29mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=40:1)により精製し、(2,3-ジメチルフェニル)(ピリジン-3-イル)メタノール172(2.2g、粗製物、黄色固体)を得た。LCMS:m/z 214.1(M+H);RT=1.143分(2.5分)。
【0582】
ステップ2:3-ニコチノイルフタル酸(3-nicotinoylphthalic acid)(173)の合成
乾燥した250mLの一つ首フラスコ中に、化合物172(5.1g、23.9mmol)、t-ブチルアルコール(50mL)、水(50mL)及び過マンガン酸カリウム(37.7g、239mmol)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で80℃に16時間加熱し、その後室温に冷却し、濾過した。濾過ケーキをメタノール(100mL)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して3-ニコチノイルフタル酸173(粗製物6.4g、黄色固体)を得、これを次の反応で直接使用した。LCMS:m/z 272.1(M+H);RT=1.045分(2.5分)。
【0583】
ステップ3:ジメチル3-ニコチノイルフタレート(174)の合成
乾燥した250mLの一つ首フラスコ中に、化合物173(6.4g、23.6mmol)と無水メタノール(50mL)を加え、塩化スルホキシド(10mL)を加えた。混合物を撹拌下で2時間加熱還流し、その後減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、ジメチル3-ニコチノイルフタレート174(1.6 g)(2ステップにわたる収率:22%)を得た。LCMS:m/z 299.9(M+H);RT=1.209分(2.5分)。
【0584】
ステップ4:ジメチル(Z)-3-((メトキシイミノ)(ピリジン-3-イル)メチル)フタレート(175)の合成
乾燥した125mLのガラス密封管中に、化合物174(1.6g、5.35mmol)、O-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(4.5g、53.5mmol)及びエタノール(40mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で90℃に16時間加熱した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。残留物を水で希釈し、ジクロロメタン(30mL×2)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、ジメチル(Z)-3-((メトキシイミノ)(ピリジン-3-イル)メチル)フタレート175(1.3g、黄色油状物)(収率:74%)を得た。LCMS:m/z 329.0(M+H);RT=1.372分(2.5分)。
【0585】
ステップ5:メチル3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-4-カルボキシレート(176)の合成
乾燥した100mLの一つ首フラスコ中に、化合物175(500mg、1.52mmol)、亜鉛粉(790mg、12.16mmol)及び酢酸(8mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で100℃に2時間加熱した。反応の完了(TLCプレート上でモニターした)後、水(20mL)を加え、混合物をジクロロメタン(20mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)により精製し、メチル3-オキソ-1-(ピリジン-3-イル)イソインドリン-4-カルボキシレート176(160mg、白色固体)(収率:39%)を得た。LCMS:m/z 268.8(M+H);RT=0.938分(2.5分)。
【0586】
中間体181:メチル3-カルボニル-1-フェニルイソインドリン-4-カルボキシレート(181)の合成
【0587】
【化125】
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【0588】
ステップ1. (2,3-ジメチルフェニル)(フェニル)メタノール(177)の合成
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、化合物165(3.0g、22.4mmol)と乾燥テトラヒドロフラン(100mL)を加えた。混合物を-78℃に冷却し、フェニルリチウム(n-ブチルエーテル中2N溶液、13mL、26mmol)を滴下添加した。滴下添加の完了後、混合物を-78℃で1時間撹拌した。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を氷水(100mL)でクエンチし、酢酸エチル(100mL*3)で抽出した。有機相を合わせ、乾燥し、濾過して、濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=20:1)により精製し、(2,3-ジメチルフェニル)(フェニル)メタノール177(3.69g、白色固体)を得た。(収率:77.8%)。LCMS:m/z 194.9(M-H2O+H);RT=1.581分(2.5分)。
【0589】
ステップ2. 3-ベンゾイルフタル酸(178)
乾燥した250mLの一つ首フラスコ中に、化合物177(3.69g、0.017mol)、t-ブチルアルコール(50mL)、水(50mL)及び過マンガン酸カリウム(27.5g、0.17mol)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で80℃に18時間加熱した。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を室温に冷却し、濾過した。濾過ケーキをメタノール(100mL)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して3-ベンゾイルフタル酸178(粗製物 6.0g、白色固体)を得、これを次の反応で直接使用した。LCMS:m/z 268.9(M-H);RT=1.146分(2.5分)。
【0590】
ステップ3. ジメチル3-ベンゾイルフタレート(179)の合成
乾燥した250mLの一つ首フラスコ中に、化合物178(5.0g、粗製物)、無水メタノール(50mL)及び塩化スルホキシド(10mL)を加えた。混合物を撹拌下で70℃に18時間加熱した。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により精製し、ジメチル3-ベンゾイルフタレート179(1.53g、白色固体)を得た。LCMS:m/z 320.7(M+H);RT=1.509分(2.5分)。
【0591】
ステップ4. ジメチル(E)-3-((メトキシイミノ)(フェニル)メチル)フタレート(180)の合成
乾燥した125mLのガラス密封管中に、化合物179(1.9g、6.37mmol)、O-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(5.3g、63.8mmol)及びエタノール(30mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で90℃に18時間加熱した。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。酢酸エチルの添加により残留物を溶解し、濾過した。濾液を濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)により精製し、ジメチル(E)-3-((メトキシイミノ)(フェニル)メチル)フタレート180(2.3g、無色油状物)を得た。LCMS:m/z 327.7(M+H);RT=1.590分(2.5分)。
【0592】
ステップ5. メチル3-オキソ-1-フェニルイソインドリン-4-カルボキシレート(181)の合成
乾燥した100mLの一つ首フラスコ中に、化合物180(1.0g、3.058mmol)、亜鉛粉(1988mg、30.58mmol)及び酢酸(50mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で100℃に6時間加熱した。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を濾過した。濾液を濃縮し、酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウム水溶液でpH7〜8に調整した。有機相を合わせ、濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製し、メチル3-オキソ-1-フェニルイソインドリン-4-カルボキシレート181(650mg、薄黄色固体)(収率:79.6%)を得た。LCMS:m/z 267.9(M+H);RT=1.365分(2.5分)。
【0593】
以下の実施例を、実施例A78の合成スキームと同様に合成した。
【0594】
【表15】
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【0595】
以下の実施例を、実施例A1の合成と同様に合成した。
【0596】
【表16】
[この文献は図面を表示できません]
【0597】
中間体181a:2-ブロモ-5-シクロプロピル-7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロピリミジン-6(5H)-オン(181a)
【0598】
【化126】
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【0599】
中間体181aを、シクロプロピルアミンから出発して、(R)-2-ブロモ-5,7,8-トリメチル-7,8-ジヒドロピリミジン-6(5H)-オン(105)の合成法と同様に調製した。
【0600】
中間体184:3-ヒドロキシ-3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)イソインドリン-1-オン(184)
【0601】
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
【0602】
乾燥した50mLの丸底フラスコ中に、182(3.0g、13.4mmol)、マグネシウムチップ(0.33g、13.73mmol)、テトラヒドロフラン(50mL)、水素化ジイソブチルアルミニウム(1mL)及びヨウ素(1粒)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で40℃に1時間加熱した。マグネシウムチップは徐々に消失した。その後、この混合物を室温に冷却した。化合物50(0.49g、3.35mmol)を加えた。混合物を室温で12時間撹拌し、減圧下で濃縮して3-ヒドロキシ-3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)イソインドリン-1-オン 184(2.1g、黄色油状物)を得、これをさらに精製することなく次の反応で直接使用した。LCMS:m/z 293.9(M+H);RT=1.311分(2.5分)。
【0603】
中間体185:3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)イソインドリン-1-オン(185)の合成
100mLの丸底フラスコ中に、184(2.1g、粗生成物)、ジクロロメタン(30mL)、トリフルオロ酢酸(3mL)及びトリエチルシラン(15mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で40℃に16時間温め、反応の完了後、この混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、溶離液系(酢酸エチル:石油エーテル=1:1)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)イソインドリン-1-オン185(780mg、オフホワイト色固体)(2ステップにわたる総収率:79.5%)を得た。
【0604】
以下の実施例を、実施例A1の合成と同様に合成した。
【0605】
【表17】
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【0606】
実施例A105:(7R)-2-(1-(6-フルオロピリジン-3-イル)-3-オキソイソインドリン-2-イル)-5,7-ジメチル-5H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-6(7H)-オン(A105)の合成
【0607】
【化128】
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【0608】
ステップ1:メチル(R)-2-((2-クロロ-5-ニトロピリミジン-4-イル)オキシ)プロピオネート(187)の合成
乾燥した250mLの丸底フラスコ中に、化合物186(6.0g、0.031mol)、化合物2(3.25g、0.031mol)、炭酸カリウム(8.53g、0.062mol)及びテトラヒドロフラン(100mL)を室温で連続的に加えた。反応物を室温で16時間撹拌した。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:4)により精製し、メチル(R)-2-((2-クロロ-5-ニトロピリミジン-4-イル)オキシ)プロピオネート187(3g、薄黄色油状物)(収率:37%)を得た。LCMS:m/z 261.8(M+H);RT=1.495分(2.5分)。
【0609】
ステップ2:(R)-2-クロロ-7-メチル-5H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-6(7H)-オン(188)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物187(2g、7.66mmol)、鉄粉(1.0g)及び酢酸(30mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で80℃に2時間加熱した。反応の完了(TLCによりモニターした)後、反応系を減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:3)により精製し、(R)-2-クロロ-7-メチル-5H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-6(7H)-オン188(1.5g、白色固体)(収率:98%)を得た。LCMS:m/z 199.9(M+H);RT=1.181分(2.5分)。
【0610】
ステップ3:(R)-2-クロロ-5,7-ジメチル-5H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-6(7H)-オン(189)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物188(1.0g、5.02mmol)、アセトニトリル(50mL)、炭酸カリウム(2.08g、15.07mmol)及びヨウ化メチル(1.43g、10.07mmol)を氷浴下で連続的に加えた。混合物を撹拌下で室温に16時間温めた。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:2)により精製し、(R)-2-クロロ-5,7-ジメチル-5H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-6(7H)-オン189(1.0g、白色固体)(収率:93%)を得た。LCMS:m/z 213.9(M+H);RT=1.221分(2.5分)。
【0611】
ステップ4:(R)-2-ブロモ-5,7-ジメチル-5H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-6(7H)-オン(190)の合成
乾燥した100mLの密封管中に、化合物189(1.3g、6.07mmol)、アセトニトリル(20mL)及び化合物6(4.65g、30.4mmol)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で80℃に16時間温めた。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:1)により精製し、(R)-2-ブロモ-5,7-ジメチル-5H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-6(7H)-オン190(1.0g、白色固体)(収率:63.8%)を得た。LCMS:m/z 257.9/259.8(M+H);RT=1.241分(2.5分)。
【0612】
ステップ5:(7R)-2-(1-(6-フルオロピリジン-3-イル)-3-オキソイソインドリン-2-イル)-5,7-ジメチル-5H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-6(7H)-オン(A105)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物190(80mg、0.31mmol)、化合物8(101mg、0.44mmol)、リン酸カリウム(164mg、0.77mmol)、N1,N2-ジメチルエタン-1,2-ジアミン(68mg、0.77mmol)、ヨウ化銅(88mg、0.46mmol)及び1,4-ジオキサン(20mL)を室温で加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、撹拌下で100℃に16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、プレTLC(純粋酢酸エチル)により精製し、(7R)-2-(1-(6-フルオロピリジン-3-イル)-3-オキソイソインドリン-2-イル)-5,7-ジメチル-5H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-6(7H)-オンA105(70mg)を得た。
【0613】
(7R)-2-(1-(6-フルオロピリジン-3-イル)-3-オキソイソインドリン-2-イル)-5,7-ジメチル-5H-ピリミド[4,5-b][1,4]オキサジン-6(7H)-オン(A105)の分割
A105のキラル分割により、A105-P1:26mg(白色固体)、A126-P2:16mg(白色固体)を得た。
分割条件:
キラルカラム:OJ-H
移動相:70%二酸化炭素 + 30% エタノール(0.2%ジエチルアミン)
流速:40g/分
【0614】
A105-P1:LCMS:m/z 405.7(M+H);RT=1.372分(2.5分)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.39(s, 1H)、8.35(s, 1H)、7.89(d, J=8.0 Hz, 1H)、7.75-7.65(m, 2H)、7.62-7.56(m, 1H)、7.39(d, J=7.6 Hz, 1H)、7.08(d, J=8.8 Hz, 1H)、6.69(s, 1H)、5.15(q, J=7.6 Hz, 1H)、3.23(s, 3H)、1.52(d, J=6.8 Hz, 3H)
【0615】
A105-P2:LCMS:m/z 405.7(M+H);RT=1.369分(2.5分)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ8.39(s, 1H)、8.35(s, 1H)、7.90(d, J=7.6 Hz, 1H)、7.76-7.66(m, 2H)、7.63-7.57(m, 1H)、7.40(d, J=7.6 Hz, 1H)、7.08(d, J=8.8 Hz, 1H)、6.69(s, 1H)、5.16(q, J=6.8 Hz, 1H)、3.23(s, 3H)、1.52(d, J=6.8 Hz, 3H)
【0616】
以下の実施例を、実施例A105の合成と同様に合成した。
【0617】
【表18】
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【0618】
中間体191:(R)-6-ブロモ-1-エチル-3-メチル-1H-ピリド[2,3-B][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(191)の合成
【0619】
【化129】
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【0620】
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物65(0.23mg、0.92mmol)、アセトニトリル(20mL)、炭酸カリウム(0.254g、1.84mmol)及びヨウ化エチル(1.28g、12.72mmol)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で70℃に4時間温めた。この混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製し、(R)-6-ブロモ-1-エチル-3-メチル-1H-ピリド[2,3-B][1,4]オキサジン-2(3H)-オン191(0.18g、黄色固体)(収率:72%)を得た。LCMS:m/z 270.0, 270.7(M+H)。
【0621】
中間体192:(R)-6-ブロモ-1-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3-メチル-1H-ピリド[2,3-B][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(192)の合成
【0622】
【化130】
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【0623】
中間体192を、ヨウ化トリフルオロエチルから出発して、(R)-6-ブロモ-1-エチル -3-メチル-1H-ピリド[2,3-B][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(191)の合成法と同様に調製した。
【0624】
中間体196:(R)-7-ブロモ-2,4-ジメチル-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(196)の合成
【0625】
【化131】
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【0626】
ステップ1:メチル(R)-2-((2-ブロモ-5-ニトロピリジン-4-イル)オキシ)プロピオネート(194)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物193(1.7g、6.77mmol)、化合物2(1.06g、10.19mmol)、テトラヒドロフラン(50mL)及びカリウムtert-ブトキシド(1.52g、13.57mmol)を室温で連続的に加えた。反応物を撹拌下で50℃に16時間温めた。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:10)により精製し、メチル(R)-2-((2-ブロモ-5-ニトロピリジン-4-イル)オキシ)プロピオネート194(700mg、薄黄色油状物)(収率:38%)。LCMS:m/z 304.9/307.0(M+H);RT=1.528分(2.5分)を得た。
【0627】
ステップ2:(R)-7-ブロモ-2-メチル-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(195)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物194(900mg、2.95mmol)、鉄粉(1.0g)及び酢酸(20mL)を室温で連続的に加えた。反応物を撹拌下で80℃に2時間温めた。反応の完了(TLCによりモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:5)により精製し、(R)-7-ブロモ-2-メチル-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン195(400mg、白色固体)(収率:56%)を得た。
【0628】
ステップ3:(R)-7-ブロモ-2,4-ジメチル-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(196)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物195(300mg、1.23mmol)、テトラヒドロフラン(20mL)及び水素化ナトリウム(197mg、4.92mmol)を氷浴下で連続的に加えた。混合物を氷浴下で30分間撹拌した。ヨウ化メチル(351mg、2.47mmol)を加え、混合物を撹拌下で室温に16時間温めた。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を氷水(50mL)の添加によりクエンチし、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:5)により精製し、(R)-7-ブロモ-2,4-ジメチル-2H-ピリド[4,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン196(300mg、白色固体)(収率:63.7%)を得た。LCMS:m/z 257.0/259.0(M+H);RT=1.629分(2.5分)。
【0629】
中間体201:(R)-6-ブロモ-7-フルオロ-1,3-ジメチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(201)の合成
【0630】
【化132】
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【0631】
ステップ1:メチル(R)-2-((5-フルオロ-3-ニトロピリジン-2-イル)オキシ)プロピオネート(198)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物197(5.0g、0.02mol)、化合物2(9.4g、0.09mol)、炭酸カリウム(9.3g、0.067mol)及びアセトニトリル(50mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で90℃に48時間温めた。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(80mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:10)により精製し、メチル(R)-2-((5-フルオロ-3-ニトロピリジン-2-イル)オキシ)プロピオネート198(2.0g、薄黄色油状物)(収率:36.0%)を得た。LCMS:m/z 245.0(M+H);RT=1.532分(2.5分)。
【0632】
ステップ2:(R)-7-フルオロ-3-メチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(199)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物198(2g、8.2mmol)、鉄粉(1.0g)及び酢酸(30mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で80℃に2時間温めた。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(80mL)で希釈し、酢酸エチル(80mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:3)により精製し、(R)-7-フルオロ-3-メチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン199(1.0g、白色固体)(収率:66.7%)を得た。LCMS:m/z 183.0(M+H);RT=0.708分(2.5分)。
【0633】
ステップ3:(R)-6-ブロモ-7-フルオロ-3-メチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(200)の合成
室温において、乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、化合物199(780mg、4.3mmol)を加え、その後N-ブロモスクシンイミド(4.6g、25.8mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)を少しずつ加えた。混合物を撹拌下で100℃に16時間温めた。反応の完了(TLCによりモニターした)後、混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(80mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和ブライン(200mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:4)により精製し、(R)-6-ブロモ-7-フルオロ-3-メチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン200(1.0g、白色固体)(収率:89.3%)を得た。LCMS:m/z 260.9/263.0(M+H);RT=1.397分(2.5分)。
【0634】
ステップ4:(R)-6-ブロモ-7-フルオロ-1,3-ジメチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン(201)の合成
乾燥した100mLの丸底フラスコ中に、氷浴下で、化合物200(300mg、1.0mmol)、アセトニトリル(30mL)、炭酸カリウム(529mg、3.8mmol)及びヨウ化メチル(816mg、5.75mmol)を連続的に加えた。混合物を撹拌下で室温に16時間温めた。反応の完了(LCMSによりモニターした)後、混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:5)により精製し、(R)-6-ブロモ-7-フルオロ-1,3-ジメチル-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-2(3H)-オン201(550mg、白色固体)を得た。LCMS:m/z 275.0/277.0(M+H);RT=1.484分(2.5分)。
【0635】
中間体205:3-(6-メチルピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(205)の合成
【0636】
【化133】
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【0637】
ステップ1:(6-メチルピリジン-3-イル)マグネシウムブロミド(203)の合成
乾燥した100mLの三つ首フラスコ中に、マグネシウム(1.14g、47.5mmol)、塩化リチウム(998mg、23.75mmol)及び乾燥テトラヒドロフラン(50mL)を室温で加えた。混合物を窒素ガスで3回パージし、テトラヒドロフラン中の水素化ジイソプロピルアルミニウムの溶液(1.0M、0.2mL、0.2mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。化合物202(3.26g、19mmol)を加えた。混合物を撹拌下で40℃に3時間温めて、(6-メチルピリジン-3-イル)マグネシウムブロミド203の溶液を得、これを室温に冷却後、次の反応で直接使用した。
【0638】
ステップ2:3-ヒドロキシ-3-(6-メチルピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(204)の合成
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、化合物203(698mg、4.75mmol)と乾燥ジクロロメタン(20mL)を加えた。混合物を窒素ガスで3回パージした。テトラヒドロフラン中の化合物50の溶液(50mL、19mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、減圧下で濃縮して、3-ヒドロキシ-3-(6-メチルピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン204(5g、塩を含む粗製物、茶色固体)を得た。LCMS:m/z 241.1(M+H);RT=0.973分(2.5分)。
【0639】
ステップ3:3-(6-メチルピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン(205)の合成
乾燥した250mLの三つ首フラスコ中に、化合物204(5g粗製物、4.75mmol)、ジクロロメタン(50mL)、トリフルオロ酢酸(20mL)及びトリエチルシラン(20mL)を室温で連続的に加えた。混合物を撹拌下で40℃に16時間加熱した。反応の完了後、混合物を、5N NaOH溶液でpH8〜9に調整し、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により精製し、3-(6-メチルピリジン-3-イル)イソインドリン-1-オン205(950mg、黄色固体)(収率:89%)を得た。LCMS:m/z 225.2(M+H);RT=1.037分(2.5分)。
【0640】
実施例A105の合成と同様に、以下の実施例を、一般的合成手順A(Cs2CO3はK2CO3に置き換えた)に従って合成した:
【0641】
【表19】
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【0642】
作用実施例:In vitro酵素活性アッセイ
本実施例において、ブロモドメインタンパク質BRD4 BD1に対する本発明の化合物の半数阻害活性(IC50)を測定した。
【0643】
1. アッセイの方法
本発明の化合物を、均一時間分解蛍光法(Homogeneous Time-Resolved Fluorescence)(HTRF)により、BRD4 BD1に対する阻害活性について試験した。
【0644】
2. 試薬、消耗材及び装置:
このアッセイにおいて使用したタンパク質BRD4 BD1は、Active Motif社(カタログ31380)から購入し;ストレプトアビジンXL-665(#610SAXLA)及びEPIgeneous結合ドメインキットA(#62BDAPEG)は、いずれもCisbio Bioassays社から購入し;[Lys(5,8,12,16)Ac] H4(1-21)-ビオチン(#64989)、[Lys(5,8,12,16)Ac] H4(1-25)は、Anaspec社から入手し;OTX015及びABBV-075は、Selleckchem Co.社から購入した。384ウェルProxiPlate(#6008280)は、Perkinelmer Co.社から購入した。Laboratoryマイクロプレートリーダー(Envision 2104)は、PerkinElmer Co.社から入手した。アッセイ中で使用した水は、Millipore-Q純水であった。
【0645】
3. 化合物の製剤化
試験化合物の10mM DMSOストック溶液をDMSO中で1mMに希釈し、その後、使用のため結合ドメイン希釈バッファー(Cisbio Bioassays社から購入した)中で10倍希釈した(最終系におけるDMSO濃度は0.1%であった)(1:5勾配で5つの濃度を含む)。
【0646】
4. アッセイプロトコル:1バッチ、2反復
1) 5μLの試験化合物を、45μLの結合ドメイン希釈バッファーに移した。
2) 2μLの10x 化合物(4μLの結合ドメイン希釈バッファー:陽性対照;6μLの酵素バッファー(Cisbio Bioassays社から購入):陰性対照)を、反応プレートに移した。
3) 4μLの5xBRD 4(1)を反応プレートに加えた(最終系において30nM)。
4) 4μLの5x[Lys(5,8,12,16)Ac] H4(1-21)-ビオチンを反応プレートに加え、このプレートをフィルムで覆い、37℃で30分間インキュベートした。
5) SA-XL665(2x)と抗-H3K9me0-Eu(K)(2x)の検出混合物を、検出バッファー(Cisbio Bioassays社から購入)中で調製した。
6) 10μLの検出混合物(2X)を各ウェルに加え、室温で3時間インキュベートした。マイクロプレートリーダーEnvisionにより、以下のパラメーターを用いてmp値を読んだ:
【0647】
【表20】
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【0648】
5. 結果
本発明の実施例の化合物は全て、ブロモドメインタンパク質BRD4 BD1に対する1μM以下の(好ましくは、ブロモドメインタンパク質BRD4 BD1に対する100nM以下の)阻害活性データ(IC50)を有する。例えば、ブロモドメインタンパク質BRD4 BD1に対する本発明の一部の化合物の阻害活性データ(IC50)は以下の表に示され、表中:
Aは、本化合物のIC50が10nM以下であったことを表し;
Bは、本化合物のIC50が10nM超且つ100nM以下であったことを表し;
Cは、本化合物のIC50が100nM超且つ1μM以下であったことを表す。
【0649】
【表21】
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【0650】
本出願の化合物が優れたBRD阻害活性を有し、このため新たな且つ有効な治療選択肢を提供することが理解され得る。
【0651】
本出願において言及される全ての文献は、その全体が、それらが個別に列挙されているかのように参照により本明細書中に組み込まれる。さらに、本開示に基づけば、本発明に対する様々な変更又は改変は当業者に明らかであり、且つこれらの均等な形態も、本出願に付属する特許請求の範囲により定義される範囲内に入ることが理解されるものとする。
【国際調査報告】
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