特表2021-513017(P2021-513017A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-513017衛生用品を固定するための固定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-513017(P2021-513017A)
(43)【公表日】2021年5月20日
(54)【発明の名称】衛生用品を固定するための固定システム
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/14 20060101AFI20210423BHJP
   A47K 1/00 20060101ALI20210423BHJP
【FI】
   E03D11/14
   A47K1/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-562849(P2020-562849)
(86)(22)【出願日】2019年1月29日
(85)【翻訳文提出日】2020年9月25日
(86)【国際出願番号】EP2019052129
(87)【国際公開番号】WO2019145567
(87)【国際公開日】20190801
(31)【優先権主張番号】18153795.2
(32)【優先日】2018年1月29日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】18153793.7
(32)【優先日】2018年1月29日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】18153796.0
(32)【優先日】2018年1月29日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】18153797.8
(32)【優先日】2018年1月29日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520280656
【氏名又は名称】ゲベリット インターナショナル アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アロイス ディートヘルム
(72)【発明者】
【氏名】フアネス ブラウリオ
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ニーダーベルガー
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ ワイス
(72)【発明者】
【氏名】マウルス ツウィッカー
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039CA01
(57)【要約】
本発明は、特に便器又は洗面台の衛生用品(2)を固定するための固定システム(1)に関し、この固定システムは、現場で固定して配置された固定手段に接続され得る少なくとも1つの固定受入領域(4)を備えた支持要素(3)と、支持要素(3)上にあり、衛生用品(2)の上側止め具(6)に当接する少なくとも1つの上側停止部(5)と、支持要素(3)上にあり、衛生用品(2)の下側止め具(8)に当接する少なくとも1つの下側停止部(7)と、少なくとも1つのクランプ要素(9)とを含む。組み立てられた位置において、上側停止部(5)は下側停止部(7)の上方にあり、そして、停止部(5、7)の少なくとも1つは、支持要素(3)に対して移動可能なように支持要素(3)に取り付けられ、少なくとも1つのクランプ要素(9)に接続されており、クランプ要素(9)を作動させることにより、前記停止部(5、7)を作動方向(B)に移動することができ、2つの停止部(5、7)を衛生用品(2)の2つの止め具(6、8)の間に締め付けることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生用品(2)、特に便器又は洗面器の固定のための固定システム(1)であって、
現場で固定して配置された固定手段に接続され得る少なくとも1つの固定レセプタクル(4)を備えたキャリア要素(3)と、
前記キャリア要素(3)上にあり、前記衛生用品(2)の上側止め具(6)に当接する少なくとも1つの上側停止部(5)と、
前記キャリア要素(3)上にあり、前記衛生用品(2)の下側止め具(8)に当接する少なくとも1つの下側停止部(7)と、
少なくとも1つのクランプ要素(9)を含み、
設置位置において、前記上側停止部(5)は下側停止部(7)の上方にあり、
前記停止部(5、7)の少なくとも1つは、前記キャリア要素(3)に対して変位可能であるように前記キャリア要素(3)に取り付けられ、なおかつ、前記クランプ要素(9)を作動させることにより、作動方向(B)に前記停止部(5、7)が変位され、前記衛生用品(2)の前記2つの止め具(6、8)の間で前記2つの停止部(5、7)が固定されるように、前記少なくとも1つのクランプ要素(9)に接続される、固定システム(1)。
【請求項2】
前記作動方向(B)が、設置位置において垂直線(V)の方向に伸びていることを特徴とする、請求項1に記載の固定システム(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの上側停止部(5)及び前記少なくとも1つの下側停止部(7)が、それぞれ停止受け具(10)を有し、前記停止受け具内に前記衛生用品(2)の前記止め具(6、8)が突出することを特徴とする、請求項1又は2に記載の固定システム(1)。
【請求項4】
前記2つの停止部(5、7)が前記2つの止め具(6、8)の間に固定される際に、前記停止受け具(10)と前記衛生用品(2)との間に形状嵌合がもたらされるように前記停止受け具(10)が構成され、及び/又は、前記2つの停止受け具が前記作動方向(B)に対して横方向に見るとダブテール形状であることを特徴とする、請求項3に記載の固定システム(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの上側停止部(5)及び前記少なくとも1つの下側停止部(7)がそれぞれ垂直に対してある角度で傾斜した停止面(11)を有し、
前記角度をつけて傾斜した停止面(11)が好ましくは前記停止受け具(10)の一部であること、並びに/又は、前記少なくとも1つの上側停止部(5)及び前記少なくとも1つの下側停止部(7)がそれぞれ垂直に立つ軸受面(20)を有し、
垂直に立つ前記軸受面(20)が好ましくは前記停止受け具(10)の一部であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項、特に請求項3又は4に記載の固定システム(1)。
【請求項6】
前記停止部(5、7)の少なくとも1つが、位置を固定して前記キャリア要素に配置されるか、又は前記キャリア要素に対して移動できないように前記キャリア要素に配置され、
前記位置を固定された停止部(5、7)が、好ましくは前記上側停止部である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の固定システム(1)。
【請求項7】
位置を固定して配置された停止部(5)及び変位可能に配置された停止部(7)が、それぞれ停止対を形成し、
好ましくは相互に間隔をあけて配置された2つの停止対が、前記キャリア要素(3)上に配置されることを特徴とする、請求項6に記載の固定システム(1)。
【請求項8】
前記上側停止部(5)が、前記キャリア要素(3)に接続され得る上側停止要素(12)を備え、及び/又は、前記下側停止部(7)が、前記キャリア要素(3)に接続され得る下側停止要素(13)を備えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の固定システム(1)。
【請求項9】
前記上側停止要素(12)が機械的接続によって前記キャリア要素(3)に固定して接続されており、
前記機械的接続が好ましくはラッチ接続又はスナップフィット接続であること、又は、前記下側停止要素(5)が機械的接続によって前記キャリア要素(3)に固定して接続されており、
前記機械的接続が好ましくはラッチ接続又はスナップフィット接続であることを特徴とする、請求項8に記載の固定システム(1)。
【請求項10】
前記停止要素(13)が、前記変位可能な停止部(5、7)を提供し、クランプ要素(9)のための受け具(14)を有し、
前記クランプ要素(9)が作動すると、前記停止要素が前記キャリア要素(3)に対して前記停止部とともに、特に全体として、変位し得ることを特徴とする、請求項8〜9のいずれか一項に記載の固定システム(1)。
【請求項11】
前記停止要素(13)が、前記キャリア要素(3)の棒状の延長部(15)に取り付けられ、前記延長部が作動方向(B)を向いており、
前記クランプ要素(9)が、好ましくは前記延長部(15)に配置された端面(16)に作用することを特徴とする、請求項10に記載の固定システム(1)。
【請求項12】
前記キャリア要素(3)が、クロスメンバー部(17)と、前記クロスメンバー部(17)から突出する少なくとも1つの支持部(18)とを含み、
上側及び下側停止部(5、6)がそれぞれ存在し、
前記支持部(18)及び/又は前記クロスメンバー部(17)が機能要素を受け入れるための受入構造(19)を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の固定システム(1)。
【請求項13】
上側止め具(6)及び下側止め具(7)を有する衛生用品(2)、及び請求項1〜12のいずれか一項に記載の固定システム(1)を含む装置。
【請求項14】
前記固定システム(1)が、前記衛生用品の受入空間に配置されること、及び/又は、前記衛生用品がアクセス口を有し、前記アクセス口を通して、ツールを使用し又はツールを使用せずに前記クランプ要素にアクセス可能であること、及び/又は、前記止め具が、その形状に関して、前記停止部と相補的嵌合を有するように構成されることを特徴とする、請求項13に記載の装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の衛生用品を固定するための固定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、便器を固定するための固定器具を開示している。固定器具は、便器の側壁に配置された開口部にピンで係合する。特許文献1の欠点は、側壁による固定器具の支持と、それに伴う取り付けられた便器から固定器具への力の導入である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102011052558号
【発明の概要】
【0004】
前記従来技術から出発して、本発明が基づく目的は、従来技術の欠点を克服する、便器又は洗面台などの衛生用品のための固定システムを明示することである。特に、その狙いは、衛生用品から固定システムへの改善された力の導入を可能にする固定器具を明示することである。
【0005】
前記目的は請求項1の主題によって達成される。したがって、衛生用品の固定のための固定システムは、現場で固定して配置された固定手段に接続され得る少なくとも1つの固定レセプタクルを備えたキャリア要素と、キャリア要素上にあり、衛生用品の上側止め具に当接する少なくとも1つの上側停止部と、キャリア要素上にあり、衛生用品の下側止め具に当接する少なくとも1つの下側停止部と、少なくとも1つのクランプ要素とを含む。設置位置において、上側停止部は下側停止部の上方にある。停止部の少なくとも1つは、キャリア要素に対して変位可能であるようにキャリア要素に取り付けられており、さらに、少なくとも1つのクランプ要素に接続され、クランプ要素を作動させることにより、2つの停止部が衛生用品の2つの止め具の間で固定されるように、前記停止部が作動方向に変位し得る。
【0006】
2つの停止部を空間的に上下に配置することにより、衛生用品の正味重量のために、又はその使用の結果として発生する重力の作用力が、キャリア要素に十分に導入され、したがって現場に固定して配置された固定手段に十分に導入されるという利点が得られる。
【0007】
「上方に」という用語は、設置位置において、上側停止部は下側停止部よりも重力の方向に関して上方にあるというように理解される。言い換えれば、2つの停止部は、垂直方向に見ると、相互に間隔をあけて上下に配置される。同様に、「下方に」という用語は、設置位置において、下側停止部は重力の方向に関して上側停止部の下方にあるというように理解されるべきである。
【0008】
停止部がキャリア要素上にあるという表現は、停止部がキャリア要素自体によって提供されるか、又は、固定して又は移動可能にキャリア要素に接続され得るさらなる要素によって停止部が提供されるというように理解されるべきである。そのようなさらなる要素は、例えば、以下に説明される停止要素であり得る。
【0009】
好ましくは、上側停止部及び下側停止部は、垂直方向の軸に関して上下にある。
【0010】
好ましくは、作動方向は、垂直方向、又は設置位置における重力の方向に伸びている。
【0011】
好ましくは、少なくとも1つの上側停止部及び少なくとも1つの下側停止部は、それぞれ停止受け具を有し、その中に衛生用品の止め具が突出する。
【0012】
特に好ましくは、上側停止部の停止受け具は、重量の力が前記受け具を通してキャリア要素に導入され得るように構成される。上側停止部の停止受け具は、好ましくは衛生用品を停止受け具に掛着することができるように構成される。
【0013】
特に好ましくは、停止受け具は、2つの停止部が2つの止め具の間で固定される際に、停止受け具と衛生用品との間に形状嵌合が提供されるように構成される。
【0014】
特に好ましくは、2つの停止受け具は、作動方向に対して横方向に見て、ダブテール形状である。好ましくは、衛生用品の止め具もダブテール形状である。このようにして、良好な形状嵌合を実現することができ、同時に良好な力の導入が可能になる。
【0015】
好ましくは、少なくとも1つの上側停止部と少なくとも1つの下側停止部は、それぞれ、角度をつけて傾斜した停止面を有し、角度をつけて傾斜した停止面は、好ましくは停止受け具の一部である。この場合、停止面は、特に垂直線に対してある角度で傾斜するように構成される。
【0016】
好ましくは、少なくとも1つの上側停止部と少なくとも1つの下側停止部は、それぞれ、垂直方向に立つ軸受面を有し、垂直方向に立つ軸受面は、好ましくは停止受け具の一部である。
【0017】
特に好ましくは、角度をつけて傾斜した停止面は、軸受面に直接隣接する。一種のV字型の受け具がこのようにして造り出される。衛生用品も同様に座面に接触することができ、特に上側停止部は水平方向に作用する力成分を吸収することが可能である。
【0018】
好ましくは、少なくとも1つの停止部は、キャリア要素上に位置を固定して配置される。つまり、前記少なくとも1つの停止部は、キャリア要素に対して変位できない。
【0019】
特に好ましくは、位置を固定して配置された少なくとも1つの停止部と変位可能に配置された少なくとも1つの停止部がそれぞれ配置され、前記2つの停止部は停止対を形成する。好ましくは、2つの停止対が配置され、停止対は、垂直線を横切る方向又は作動方向を横切る方向に互いに間隔をあけて配置される。
【0020】
好ましくは、上側停止部は、キャリア要素に接続され得る上側停止要素によって提供され、及び/又は、下側停止部は、キャリア要素に接続され得る下側停止要素によって提供される。
【0021】
好ましくは、上側停止要素は、機械的接続によってキャリア要素に固定して接続されており、該機械的接続は好ましくはラッチ接続又はスナップフィット接続である。好ましくは、下側停止要素は、機械的接続によってキャリア要素に固定して接続されており、該機械的接続は、好ましくはラッチ接続又はスナップフィット接続である。
【0022】
停止要素は、好ましくはプラスチック又はゴムから製造される。このことは、特に衛生用品がセラミックで製造される場合に、衛生用品の良好な接触が達成されるという利点を有する。
【0023】
好ましくは、停止要素は変位可能な停止部を提供し、クランプ要素の受け具を有し、クランプ要素が作動する際、停止要素は停止部とともに、特に全体として、キャリア要素に対して変位することができる。
【0024】
好ましくは、前記停止要素は、キャリア要素の棒状の延長部に取り付けられ、前記延長部は、作動方向を向いており、クランプ要素は、好ましくは延長部に配置された端面に作用する。クランプ要素を作動させることにより、停止要素はキャリア要素に対して変位することができる。
【0025】
特に好ましくは、作動要素は、前記停止要素のねじ山に回転可能に取り付けられる調整ねじである。
【0026】
好ましくは、キャリア要素は、クロスメンバー部と、クロスメンバー部から突出する少なくとも1つの支持部とを含み、上側停止部と下側停止部はそれぞれ支持部上にあり、支持部及び/又はクロスメンバー部は少なくとも1つの機能要素を受けるための受入構造を有する。
【0027】
機能要素は、例えば真水又は廃水管などの水管を通すための軸受構造であり得るか、あるいは、追加の要素、例えば便ふた、取付部品又は便座などを固定するためのねじ要素であり得る。軸受構造は、受入構造に移動可能に取り付けることができる。
【0028】
装置は、上側止め具と下側止め具を有する衛生用品と、上記の固定システムとを含み、上側停止部は上側止め具に接触させることができ、下側停止部は下側止め具に接触させることができ、2つの停止部は2つの止め具の間で固定することができる。
【0029】
装置のさらに好ましい実施形態は、
−固定システムが、衛生用品の受入空間に配置されること、及び/又は
−衛生用品がアクセス口を有し、それによってツールを使用して又はツールを使用せずにクランプ要素にアクセス可能であること、及び/又は
−止め具が、その形状を、停止部と相補的嵌合を有するように構成されること
を特徴とする。
【0030】
さらなる実施形態を、従属請求項に示す。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明の好ましい実施形態は、図面を参照して以下に説明される。図面は単に説明のためのものであり、限定として解釈されるべきではない。
【0032】
図1】本発明の一実施形態による固定システムの斜視断面図を示す。
図2図1に記載の固定システムの断面図を示す。図2bは図2aの詳細図を示す。
図3図1に記載の固定システムの斜視図を示す。
図4図1に記載の固定システムの分解斜視図を示す。
図5図1に記載の固定システムの上部領域の詳細図を示す。
図6図1に記載の固定システムの上部領域のさらなる詳細図を示す。
図7図1に記載の固定システムの下部領域の詳細図を示す。
図8図1に記載の固定システムの下部領域のさらなる詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、衛生用品2を備える固定システム1の斜視図を示す。ここで、衛生用品2は便器の形状を有する。しかし、衛生用品2は、洗面器、シンク、小便器又はビデであってもよい。衛生用品2は、好ましくはセラミック製である。しかし、別の材料で作製されていてもよい。
【0034】
固定システム1は、現場で固定して配置された固定手段に接続され得る少なくとも1つの固定レセプタクル4を備えたキャリア要素3と、キャリア要素3上にあり、衛生用品2の上側止め具6に当接する少なくとも1つの上側停止部5と、キャリア要素3上にあり、衛生用品2の下側止め具8に当接する少なくとも1つの下側停止部7と、少なくとも1つのクランプ要素9と、を含む。図1に示すように、設置位置又は垂直線Vに見られるように、上側停止部5は下側停止部7の上方にある。つまり、停止部5、7は、ほぼ垂直方向に相互に間隔をあけて配置される。
【0035】
停止部5、7の少なくとも1つは、キャリア要素3に対して変位可能であるようにキャリア要素3上に取り付けられる。示された実施形態では、それは下側停止部7である。上側停止部5は、キャリア要素3に対して固定して配置される。
【0036】
変位可能な停止部7は、クランプ要素9を作動させることにより、衛生用品2の2つの止め具6、8の間で2つの停止部5、7が固定できるように、前記停止部7が作動方向Bに変位され得るような方法で、少なくとも1つのクランプ要素9に接続される。前記の固定する能力によって、キャリア要素3は衛生用品2に固定して組み立てられる。キャリア要素3がその固定レセプタクル4を介して、現場に配置された固定手段に接続されることにより、衛生用品を建物に固定して接続することができる。現場に配置された固定手段は図には示していないが、例えば壁から突出するねじ付き棒であり得る。
【0037】
示された実施形態では、それぞれの上側停止部5と下側停止部7とが停止対を形成する。図3から明らかなように、二対の上側停止部5と停止部7は、相互に間隔をあけて配置される。前記二対の停止部5、7は、この場合、対応する停止対6、8に当接することができる。図1に示すように、クランプ要素9は、下からアクセスできる。この場合、クランプ要素9は、それに応じて作動することができる。
【0038】
作動方向Bは、設置位置において垂直線Vの方向に伸びている。つまり、キャリア要素3上で変位可能に配置される停止部5、7は、設置位置において垂直線Vの方向に変位することができる。
【0039】
図2a及び2bは、垂直線Vの方向の断面図を示す。図2bの詳細な図から、上側停止部5及び下側停止部7がそれぞれ停止受け具10を有し、それの中に衛生用品2の止め具6、8が突出することが容易に認識できる。停止受け具10は、この場合、固定された状態で、停止部5、7と止め具6、8との間の形状嵌合がもたらされるように構成される。
【0040】
断面図に見られるように、それぞれの停止部5、7の2つの停止受け具10は、一種のダブテール構造を形成し、衛生用品2の止め具6、8と、向い合い嵌合(gegengleich ausgebildet)するように構成される。前記のダブテール様構造により、停止部5、7と止め具6、8との間に良好な機械的接続をもたらすことが可能である。
【0041】
一般的に言うと、停止受け具10は、2つの停止部5、7が2つの止め具6、8の間で固定される際に、停止受け具10と衛生用品2の止め具6、8との間に形状嵌合がもたらされるように構成される。形状嵌合により、特に良好な接続を実現することが可能になる。
【0042】
示された実施形態では、上側停止部5と下側停止部7の両方が、垂直線Vに対してある角度で傾斜した停止面11をそれぞれ有する。同様に、衛生用品2の止め具6、7は、ある角度で傾斜するように構成される。垂直線に対する角度は、停止面11と止め具6、8でほぼ同じになるように構成される。さらに、角度をつけて傾斜して配置される停止面11は、垂直線Vの方向に立つ軸受面20に前方で隣接する。軸受面20は、この場合、停止受け具10のさらなる境界面として使用される。衛生用品2は、対応して構成された軸受面21で対応する軸受面20に当接することができる。
【0043】
示された実施形態では、上側停止部5は、位置を固定してキャリア要素3上に配置される。つまり、停止部5は、キャリア要素3に対して移動できないように、キャリア要素3上に置かれるか又は配置される。さらに、下側停止部7は変位可能に配置される。つまり、示された実施形態では、位置を固定して配置された停止部5と変位可能に配置された停止部7が、それぞれ停止対を形成する。
【0044】
図3は、停止部5、7を備えるキャリア要素の透視図による配置を示す。図4は同様の図を示すが、図4は分解図である。
【0045】
図4から、上側停止部は、上側停止要素12によって提供され、下側停止部7は、下側停止要素13によって提供されることが容易に認識できる。2つの停止要素12、13は、この場合、キャリア要素とは別に構成され、キャリア要素3に接続することができる。上側停止要素12は、キャリア要素3に固定して接続されるが、下側停止要素13は、上述のように、停止部7がキャリア要素3に対して変位され得るように、キャリア要素3に接続される。上側停止要素12は、機械的接続によってキャリア要素3に固定して接続される。好ましくは、機械的接続は、ラッチ接続又はスナップフィット接続である。
【0046】
下側停止要素13は、変位可能な停止部7を提供し、クランプ要素9用の受け具14を有する。クランプ要素9が作動すると、停止要素13は、キャリア要素3に対して停止部7とともに全体として変位する。示された実施形態では、停止要素3は、作動方向Bに向けられたキャリア要素3の棒状の延長部15に取り付けられている。クランプ要素9は、延長部15に配置される端面16に作用し、クランプ要素9が作動すると、停止要素13はキャリア要素3の延長部15上で変位する。示された実施形態では、クランプ要素9は、停止要素13のねじ山に回転可能に取り付けられる調整ねじである。回転中に、調整ねじの先端側は変位する。調整ねじは、図2bで容易に認識することができる。
【0047】
図5及び6は、上側停止要素12の具体的な実施形態をさらに示す。ここで、停止要素12の下側に受け具22があり、そこにキャリア要素3の一部が延在することは容易に認識できる。さらに、ここで複数のウェブによって提供される停止面11は、図6で容易に認識することができる。
【0048】
さらに、キャリア要素3がクロスメンバー部17を有し、クロスメンバー部17が、ここに受入構造19を備えることを図6において認識することができる。受入構造19では、例えば取付部品又は便ふたなどの外部要素を固定するために、ねじ山が設けられた固定要素23が示されている。
【0049】
次に、図7及び8は、下側停止要素13の詳細図を示す。下側停止要素13は、前述のように、延長部15を支える。この目的のため、下側停止要素13は、延長部15が突出可能な導入口24を有する。延長部15は、この場合、キャリア要素3の一部であり、ここにクロスメンバー部17から突出する支持部18の端部を形成する。示された実施形態では、相互に間隔をあけて位置する2つの支持部18は、クロスメンバー部17から突出している。
【0050】
支持部18は、同様に、さらなる要素のための受入構造19を有することができる。示された実施形態では、支持部18はさらなる要素を受け入れるために使用されるスロット状の受入構造19を有する。前記受入構造19によって、キャリア要素3は、例えば、現場で位置を固定して配置される固定手段に接続することができる。受入構造19は、例えば、固定レセプタクル4を提供することができる。受入構造19は、例えば2つの支持部18の間を通って導かれるライン25を取り付けるために使用することもできる。
【0051】
示された実施形態では、支持部18は、設置位置に見られるように、作動運動Bの方向に、したがって垂直線Vの方向に延在する。
【0052】
クロスメンバー部17及び支持部18も、好ましくは金属形材から製造される。示された実施形態では、停止要素12、13は、いずれの場合も支持部に取り付けられる。
【符号の説明】
【0053】
1 固定システム
2 衛生用品
3 キャリア要素
4 固定レセプタクル
5 上側停止部
6 上側止め具
7 下側停止部
8 下側止め具
9 クランプ要素
10 停止受け具
11 停止面
12 上側停止要素
13 下側停止要素
14 受け具
15 延長部
16 端面
17 クロスメンバー部
18 支持部
19 受入構造
20 軸受面
21 軸受面
22 受け具
23 固定要素
24 導入口
25 ライン

B 作動方向
V 垂直線
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】