特表2021-513314(P2021-513314A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-513314透明発熱体を含む無線電力伝送システム及びこれを含むヘッドマウント装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-513314(P2021-513314A)
(43)【公表日】2021年5月20日
(54)【発明の名称】透明発熱体を含む無線電力伝送システム及びこれを含むヘッドマウント装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/10 20160101AFI20210423BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20210423BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20210423BHJP
【FI】
   H02J50/10
   H02J7/00 301D
   G02B27/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-541589(P2020-541589)
(86)(22)【出願日】2018年6月8日
(85)【翻訳文提出日】2020年7月29日
(86)【国際出願番号】KR2018006503
(87)【国際公開番号】WO2019156290
(87)【国際公開日】20190815
(31)【優先権主張番号】10-2018-0017268
(32)【優先日】2018年2月12日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】520231337
【氏名又は名称】アイテッド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ソ ジ−フン
【テーマコード(参考)】
2H199
5G503
【Fターム(参考)】
2H199CA05
2H199CA12
2H199CA89
2H199CA91
2H199CA94
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CB09
5G503CB13
5G503FA03
5G503GB08
(57)【要約】
無線電力伝送システムは、無線で電力を提供する電力送信モジュール及び上記電力送信モジュールから無線で電力の伝達を受けて加熱される透明発熱体を含む。上記無線電力伝送システムは、消防用マスク、防毒面、またはヘルメット等のヘッドマウント装置に含まれる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力受信モジュール及び電力送信モジュールを含み、
前記電力受信モジュールは、
ベース部材;
前記ベース部材上に配置された湿度センサー;
前記ベース部材上に配置された複数の透明発熱体;
前記ベース部材上に配置され、前記複数の透明発熱体のうちの少なくとも一部の透明発熱体と電気的に接続する第1バスバー;
前記ベース部材上に前記第1バスバーから離隔して配置され、前記複数の透明発熱体のうちの少なくとも一部の透明発熱体と電気的に接続する第2バスバー;及び、
前記第1バスバー及び前記第2バスバーと電気的に接続する第1コイルパターンを含み、
前記電力送信モジュールは、
バッテリー;
前記バッテリー及び前記湿度センサーを制御できる制御回路;及び、
前記制御回路と電気的に接続し、前記バッテリーから供給された電力を前記第1コイルパターンに磁気誘導方式により伝達する第2コイルパターンを含む、無線電力伝送システム。
【請求項2】
前記複数の透明発熱体は、銀ナノワイヤ(AgNW)である請求項1に記載の無線電力伝送システム。
【請求項3】
前記ベース部材は、透明な部材である請求項2に記載の無線電力伝送システム。
【請求項4】
前記湿度センサーは、前記第1バスバーまたは前記第2バスバーに隣接して配置される請求項1に記載の無線電力伝送システム。
【請求項5】
前記第1バスバー及び前記第2バスバーの各々は、印刷電子方式により形成された印刷回路基板である請求項1に記載の無線電力伝送システム。
【請求項6】
前記第1コイルパターンは、前記第1バスバー及び前記第2バスバーから延長する印刷回路基板にパターニングされたものである請求項5に記載の無線電力伝送システム。
【請求項7】
前記第1バスバー及び前記第2バスバーは、前記ベース部材に導電性接着部材により接着する請求項1に記載の無線電力伝送システム。
【請求項8】
前記ベース部材に2つの凹状の溝が画定され、
前記第1バスバー及び前記第2バスバーは、前記2つの凹状の溝に各々配置される請求項1に記載の無線電力伝送システム。
【請求項9】
前記第1コイルパターンをカバーする第1絶縁部材;及び、
前記第2コイルパターンをカバーする第2絶縁部材をさらに含む請求項1に記載の無線電力伝送システム。
【請求項10】
前記第1バスバーを密封する第1シーリング部材;及び、
前記第2バスバーを密封する第2シーリング部材をさらに含む請求項9に記載の無線電力伝送システム。
【請求項11】
前記第1シーリング部材または前記第2シーリング部材は、前記複数の透明発熱体をカバーし、前記ベース部材の前面または背面に配置される請求項10に記載の無線電力伝送システム。
【請求項12】
前記バッテリーに無線で電力を伝達する無線充電モジュールをさらに含み、
前記バッテリーは前記無線で伝達された電力により充電される請求項1に記載の無線電力伝送システム。
【請求項13】
前記湿度センサーは、所定の時間間隔で周辺の相対湿度を測定する請求項1に記載の無線電力伝送システム。
【請求項14】
前記測定された周辺の相対湿度が、所定の湿度値未満である場合、前記電力送信モジュールは、前記電力受信モジュールに電力を伝達せず、前記測定された周辺の相対湿度が、前記所定の湿度値以上である場合、前記電力送信モジュールは、前記電力受信モジュールに電力を伝達する請求項13に記載の無線電力伝送システム。
【請求項15】
前記所定の湿度値は、50%以上70%以下である請求項14に記載の無線電力伝送システム。
【請求項16】
前記測定された周辺の相対湿度の増加する速度が、所定の速度値未満である場合、前記電力送信モジュールは前記電力受信モジュールに第1電力を伝達し、
前記測定された周辺の相対湿度の増加する速度が、前記所定の速度値以上である場合、前記電力送信モジュールは前記電力受信モジュールに前記第1電力よりも大きい値を有する第2電力を伝達する請求項14に記載の無線電力伝送システム。
【請求項17】
前記電力受信モジュールは、所定の時間間隔で周辺の温度を測定する温度センサーをさらに含み、
前記測定された周辺の温度が、所定の温度値以上である場合、前記測定された周辺の相対湿度が前記所定の湿度値以上である場合であっても電力送信モジュールは前記電力受信モジュールに電力を伝達しない請求項14に記載の無線電力伝送システム。
【請求項18】
使用者の頭を収容するフレーム部;及び、
前記使用者の目に対応する位置に配置され、前記使用者が外部を見ることができるようにする視認部を含み、
前記視認部は、
ベース部材;
前記ベース部材上に配置された湿度センサー;
前記ベース部材上に配置された複数の透明発熱体;
前記ベース部材上に配置され、前記複数の透明発熱体のうちの少なくとも一部の透明発熱体と電気的に接続する第1バスバー;
前記ベース部材上に前記第1バスバーから離隔して配置され、前記複数の透明発熱体のうちの少なくとも一部の透明発熱体と電気的に接続する第2バスバー;及び、
前記第1バスバー及び前記第2バスバーと電気的に接続する第1コイルパターンを含み、
前記フレーム部は、
バッテリー;
前記バッテリー及び前記湿度センサーを制御できる制御回路;及び、
前記制御回路と電気的に接続し、前記バッテリーから供給された電力を前記第1コイルパターンに磁気誘導方式により伝達する第2コイルパターンを含むヘッドマウント装置。
【請求項19】
前記フレーム部は、
前記使用者の顔部分と向かい合う前面部;
前記使用者の後頭部の部分と向かい合う後面部;及び、
前記前面部と前記後面部とを連結し、前記使用者の頭部分と向かい合う上面部を含み、
前記バッテリーは、前記上面部に対応する位置に配置される請求項18に記載のヘッドマウント装置。
【請求項20】
前記バッテリーは、前記上面部に接触する外部の充電装置から無線で電力の伝達を受けて、充電される請求項19に記載のヘッドマウント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明発熱体(transparent heating element)を含む無線電力伝送システム及びヘッドマウント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線で、電気エネルギーを所望する機器に伝達する無線電力伝送技術(wireless power transmission または wireless energy transfer)は、すでに1800年代に電磁気誘導の原理を利用した電気モーターや変圧器が使われ始め、その後には、ラジオ波やレーザーのような電磁波を放射し、電気エネルギーを伝送する方法も試みられた。私たちがよく使用する電動歯ブラシや一部の無線カミソリも実際は電磁気誘導の原理で充電される。現在まで無線方式によるエネルギー伝達方式は、磁気誘導、磁気共振及び短波長無線周波数を利用した遠距離送信技術等がある。
【0003】
一方、ヘルメット、防毒面、またはマスク等を使用する場合、使用者の呼吸、周辺の温度、または周辺の湿度等により前面に配置された透明な材質の視認部に湿気がこもって、使用者の視野を妨害する問題点が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、無線電力伝送技術を用いて使用者の視野の確保に役に立つ無線電力伝送システム及び、上記無線電力伝送システムを含むヘッドマウント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例に係る無線電力伝送システムは、電力受信モジュール及び電力送信モジュールを含む。
【0006】
上記電力受信モジュールは、ベース部材、上記ベース部材上に配置された湿度センサー、上記ベース部材上に配置された複数の透明発熱体、上記ベース部材上に配置され、上記複数の透明発熱体のうちの少なくとも一部の透明発熱体と電気的に接続する第1バスバー、上記ベース部材上に上記第1バスバーから離隔して配置され、上記複数の透明発熱体のうちの少なくとも一部の透明発熱体と電気的に接続する第2バスバー、及び、上記第1バスバー及び上記第2バスバーと電気的に接続する第1コイルパターンを含む。
【0007】
上記電力送信モジュールは、バッテリー、上記バッテリー及び上記湿度センサーを制御できる制御回路、及び上記制御回路と電気的に接続し、上記バッテリーから供給された電力を上記第1コイルパターンに磁気誘導方式により伝達する第2コイルパターンを含む。
【0008】
本発明の一実施例に係るヘッドマウント装置は、使用者の頭を収容するフレーム部、及び上記使用者の目に対応する位置に配置され、上記使用者が外部を見ることができるようになっている視認部を含む。
【0009】
上記視認部は、ベース部材、上記ベース部材上に配置された湿度センサー、上記ベース部材上に配置された複数の透明発熱体、上記ベース部材上に配置され、上記複数の透明発熱体のうちの少なくとも一部の透明発熱体と電気的に接続する第1バスバー、上記ベース部材上に上記第1バスバーから離隔して配置され、上記複数の透明発熱体のうちの少なくとも一部の透明発熱体と電気的に接続する第2バスバー、及び、上記第1バスバー及び上記第2バスバーと電気的に接続する第1コイルパターンを含む。
【0010】
上記フレーム部はバッテリー、上記バッテリー及び上記湿度センサーを制御できる制御回路、及び上記制御回路と電気的に接続し、上記バッテリーから供給された電力を上記第1コイルパターンに磁気誘導方式により伝達する第2コイルパターンを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施例によれば、周辺の湿度を測定した結果に応じて、透明発熱体に無線で電力を提供することができる無線電力伝送システム、及び上記無線電力伝送システムを含むヘッドマウント装置を提供することができる。
【0012】
これにより、上記無線電力伝送システム及び上記ヘッドマウント装置の一部分に湿気が発生することを防止することができ、若し湿気が発生しても迅速に発生された湿気を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例に係る無線電力伝送システムを示した図である。
図2】本発明の一実施例に係る無線電力伝送システムを示した図である。
図3】本発明の一実施例に係るバッテリー及び無線充電モジュールを示した図である。
図4a図1のI−I’に沿って切断した断面を例示的に示した図である。
図4b図1のI−I’に沿って切断した断面を例示的に示した図である。
図4c図1のI−I’に沿って切断した断面を例示的に示した図である。
図4d図1のI−I’に沿って切断した断面を例示的に示した図である。
図5a】本発明の一実施例に係る無線電力伝送システムを示した図である。
図5b図5aのII−II’に沿って切断した断面を例示的に示した図である。
図6a】本発明の一実施例に係る無線電力伝送システムを示した図である。
図6b図6aのII−II’に沿って切断した断面を例示的に示した図である。
図7a】本発明の一実施例に係る無線電力伝送システムが動作する過程を表した順序図である。
図7b】本発明の一実施例に係る無線電力伝送システムが動作する過程を表した順序図である。
図7c】本発明の一実施例に係る無線電力伝送システムが動作する過程を表した順序図である。
図8図1に図示された無線電力伝送システムが適用されたヘッドマウント装置を例示的に示した図である。
図9図8に図示されたヘッドマウント装置が据置されていることを例示的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
【0015】
図面において、構成要素の割合及び寸法は、技術的内容の効果的な説明のために誇張されたものである。「及び/または」は、連関された構成が定義することができる一つ以上の組み合わせをすべて含む。
【0016】
「含む」等の用語は、明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためのものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたもの等の存在または付加可能性を予め排除するものではないことを理解しなければならない。
【0017】
図1及び図2は、本発明の一実施例に係る無線電力伝送システムWPT、WPT−1を図示したものである。
【0018】
図1を参照すると、無線電力伝送システムWPTは、電力受信モジュールRU及び電力送信モジュールTUを含む。
【0019】
電力受信モジュールRUは、ベース部材BS、複数の透明発熱体TL、第1バスバーBB1、第2バスバーBB2、第1コイルパターンL1、第1絶縁部材ISP1、及びセンサーSS1、SS2を含むことができる。
【0020】
ベース部材BSは、フレキシブルフィルム、ガラス、またはプラスチックを含むことができる。但し、ベース部材BSが含む物質はこれに制限されず、複数の透明発熱体TL、第1バスバーBB1、及び第2バスバーBB2を配置できる物質であれば十分である。
【0021】
ベース部材BSは、透明な性質を有することができる。これにより、ベース部材BSは、外部から入射される光を透過させることができる。
【0022】
透明発熱体TLは、ベース部材BS上に配置される。透明発熱体TLは、銀ナノワイヤ(AgNW)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、またはインジウムスズ酸化物(ITO)であることができる。但し、これに制限されず、透明発熱体TLは、通常的に用いられる透明発熱体材料または透明電極材料を含むことができる。
【0023】
透明発熱体TLのうち、少なくとも一部は、隣接した他の透明発熱体に電気的に接続される。
【0024】
第1バスバーBB1及び第2バスバーBB2は、ベース部材BS上に配置される。第1バスバーBB1及び第2バスバーBB2の各々は、透明発熱体TLのうちの少なくとも一部と電気的に接続する。
【0025】
第2バスバーBB2は、第1バスバーBB1から離隔して配置される。第2バスバーBB2は、透明発熱体TLにより第1バスバーBB1と電気的に接続することができる。
【0026】
本発明の一実施例において、第1バスバーBB1及び第2バスバーBB2は、印刷回路基板であることができる。この場合、第1バスバーBB1及び第2バスバーBB2の一面に配置された導電パターンが透明発熱体TLと電気的に接続することができる。
【0027】
本発明の一実施例において、第1バスバーBB1及び第2バスバーBB2は、銀ナノペーストであることができる。
【0028】
本発明の一実施例において、第1バスバーBB1及び第2バスバーBB2は、銅(Cu)を含む導電性物質であることができる。
【0029】
但し、これに制限されず、第1バスバーBB1及び第2バスバーBB2は外部から提供される電力を透明発熱体TLに伝達できる多様な物質を含むことができる。
【0030】
第1コイルパターンL1は、第1バスバーBB1及び第2バスバーBB2と電気的に接続することができる。第1コイルパターンL1は、例えば、インダクターであることができる。第1コイルパターンL1は、外部から磁気誘導方式により提供される電力を受信することができる。
【0031】
本発明の一実施例において、第1バスバーBB1及び第2バスバーBB2が各々印刷回路基板である場合、第1コイルパターンL1は、第1バスバーBB1または第2バスバーBB2から延長する印刷回路基板上に配置されることができる。第1コイルパターンL1が平面形態に印刷回路基板をパターニングして形成される場合、バスバーらBB1、BB2と第1コイルパターンL1を一度に製作できるというメリットがある。
【0032】
第1絶縁部材ISP1は、第1コイルパターンL1をカバーし、第1コイルパターンL1を電力送信モジュールTUから絶縁させる。本発明の一実施例において、第1絶縁部材ISP1は、レジン(resin)、シリコーン、またはポリマー系列であり得るが、これに制限されない。
【0033】
センサーSS1、SS2は、ベース部材BS上に配置されることができる。
【0034】
湿度センサーSS1は、周辺の湿度を測定する。湿度センサーSS1は、ベース部材BSに湿気が発生するかの可否または霧が発生するかの可否を判断するために配置される。
【0035】
温度センサーSS2は、周辺の温度を測定する。温度センサーSS2は、透明発熱体TLにより加熱される前にベース部材BSの温度がどのくらいであるか、または透明発熱体TLにより加熱された後にベース部材BSの温度がどのくらいであるかを判断するために配置される。
【0036】
湿度センサーSS1及び温度センサーSS2は、第1バスバーBB1または第2バスバーBB2に隣接して配置されることが好ましい。湿度センサーSS1及び温度センサーSS2は、透明発熱体TLとは異なって、人の目によく視認される。よって、第1バスバーBB1または第2バスバーBB2に隣接して配置する場合、本発明の一実施例に係る無線電力伝送システムWPTがヘッドマウンド装置等に適用されても使用者の目に湿度センサーSS1及び温度センサーSS2が視認されることを防止することができる。
【0037】
電力送信モジュールTUは、バッテリーBT、制御回路CC、第2コイルパターンL2、及び第2絶縁パターンISP2を含むことができる。
【0038】
バッテリーBTは、制御回路CC等に電力を提供することができる。
【0039】
制御回路CCは、バッテリーBT及びセンサーSS1、SS2と電気的に接続することができる。これにより、制御回路CCは、バッテリーBT及びセンサーSS1、SS2を制御することができ、これらと電力をやり取りすることができる。
【0040】
制御回路CCは、センサーSS1、SS2と有線または無線で信号を取り交わすことができる。
【0041】
第2コイルパターンL2は、制御回路CCと電気的に接続することができる。第2コイルパターンL2は、例えば、インダクターであることができる。第2コイルパターンL2は、バッテリーBTから供給された電力を第1コイルパターンL1に磁気誘導方式により伝達することができる。
【0042】
第2絶縁部材ISP2は、第2コイルパターンL2をカバーして、第2コイルパターンL2を第1コイルパターンL1から絶縁する。本発明の一実施例において、第2絶縁部材ISP2は、レジン(resin)、シリコーン、またはポリマー系列であってもよいが、これに制限されない。
【0043】
第1コイルパターンL1及び第2コイルパターンL2が、各々第1絶縁部材ISP1及び第2絶縁部材ISP2によりカバーされるため、第1コイルパターンL1と第2コイルパターンL2との間の距離が近くなっても、第1コイルパターンL1及び第2コイルパターンL2が互いにショートされない。よって、第1コイルパターンL1と第2コイルパターンL2との間の距離をより近くすることができ、これにより、第2コイルパターンL2から第1コイルパターンL1に電力を伝達する効率を向上することができる。
【0044】
図2を参照すると、無線電力伝送システムWPT−1は、電力受信モジュールRU−1及び電力送信モジュールTU−1を含む。
【0045】
図2に図示された無線電力伝送システムWPT−1においては、図1と異なって、湿度センサーSS1が電力受信モジュールRU−1ではなく、電力送信モジュールTU−1に含まれる。
【0046】
その他の構成要素についての説明は、図1に説明した内容と実質的に同一であるので省略する。
【0047】
図3は、本発明の一実施例に係るバッテリーBT及び無線充電モジュールWCMを図示したものである。
【0048】
電力送信モジュールTU、TU−1(図1及び図2参照)に含まれたバッテリーBTは、無線充電モジュールWCMから無線で電力が提供され充電されることができる。
【0049】
例えば、バッテリーBTは、第3コイルパターンL3を含み、無線充電モジュールWCMは第4コイルパターンL4を含むことができる。これにより、第3コイルパターンL3は、第4コイルパターンL4から磁気誘導方式により電力の供給を受けることができる。但し、これに制限されず、既存バッテリーを無線方式により充電するための様々な技術が適用されることができる。
【0050】
図4a、図4b、図4c、及び図4dは、各々図1のI−I’に沿って切断した断面を例示的に図示したものである。
【0051】
図4aを参照すると、第1バスバーBB1は、ベース部材BSに直接的に実装され、透明発熱体TLと電気的に接続されることができる。図示されていないが、第2バスバーBB2も第1バスバーBB1と同じ方式によりベース部材BS上に配置されることができる。
【0052】
図4bを参照すると、第1バスバーBB1は、ベース部材BS上に導電性接着部材ADHによりベース部材BSに実装され、透明発熱体TLに電気的に接続されることができる。図示されていないが、第2バスバーBB2も第1バスバーBB1と同じ方式によりベース部材BS上に配置されることができる。
【0053】
このとき、導電性接着部材ADHは、異方性導電フィルムACF、Ag接着剤等のような銀(Ag)を含む接着剤、またはその他の導電物質を含む接着剤であることができる。
【0054】
図4cを参照すると、図4bに接着用導電ラインMLが追加されたものである。接着用導電ラインMLは、電気的信号を伝達することができる金属物質を含むことができる。
【0055】
第1バスバーBB1は、導電性接着部材ADH及び接着用導電ラインMLにより透明発熱体TLと電気的に接続することができる。図示されていないが、第2バスバーBB2も第1バスバーBB1と同じ方式によりベース部材BS上に配置されることができる。
【0056】
図4dを参照すると、ベース部材BSに凹状の溝HMが画定される。第1バスバーBB1は、溝HMに対応して配置され、透明発熱体TLと電気的に接続することができる。図示されていないが、第2バスバーBB2も第1バスバーBB1と同じ方式によりベース部材BS上に配置されることができる。
【0057】
図5aは、本発明の一実施例に係る無線電力伝送システムWPT−2を図示したものである。図5bは、図5aのII−II’に沿って切断した断面を例示的に図示したものである。
【0058】
第1バスバーBB1は、第1シーリング部材EC1によりカバーされ、第2バスバーBB2は、第2シーリング部材EC2によりカバーされることができる。これにより、バスバーBB1、BB2がシーリング部材EC1、EC2により密封されるため、バスバーBB1、BB2が外部の湿気から保護されることができる。また、バスバーBB1、BB2にスパークが発生することを防止することができる。
【0059】
図6aは、本発明の一実施例に係る無線電力伝送システムWPT−3を図示したものである。図6bは、図6aのII−II’に沿って切断した断面を例示的に図示したものである。
【0060】
図6a及び図6bを参照すると、ベース部材BS、バスバーBB1、BB2、及び透明発熱体TLが、シーリング部材ECにより全体的にカバーされ、密封されることができる。具体的に、シーリング部材ECは、ベース部材BSの前面及び/または後面に配置されることができる。
【0061】
図7a、図7b、及び図7cは、本発明の一実施例に係る無線電力伝送システムWPT、WPT−1、WPT−2、WPT−3が動作する過程を示した順序図である。
【0062】
図7aを参照すると、湿度センサーSS1は、周辺の相対湿度を所定の時間間隔で測定する(S10)。上記所定の時間間隔は、例えば、1秒以上10秒以下であることができる。
【0063】
制御回路CCは、湿度センサーSS1により測定された相対湿度が、所定の湿度値以上であるのかを判断する(S20)。上記所定の湿度値は、例えば、50%以上70%以下であることができる。
【0064】
湿度センサーSS1により測定された相対湿度が所定の湿度値以上である場合、電力送信モジュールTUは、電力受信モジュールRUに無線で電力を伝達する(S30)。一方、湿度センサーSS1により測定された相対湿度が所定の湿度値未満である場合、電力送信モジュールTUは、電力受信モジュールRUに無線で電力を伝達しない(S40)。
【0065】
湿度値が100%になる前の50%から70%の間にあるとき、予め無線で電力を伝達して電力受信モジュールRUの透明発熱体TLの温度を上昇させることにより、ベース部材BSに湿気または霧が発生することを防止するか、または湿気や霧が発生しても迅速に除去することができる。これをプリヒーティング(pre−heating)と定義することができる。
【0066】
図7bを参照すると、図7aに加え、その後の段階(S50〜S80)が追加された。
【0067】
電力受信モジュールRUが、無線で電力の伝達を受けて、透明発熱体TLの温度が上昇する場合、温度センサーSS2は、このような温度変化を測定することができる(S50)。
【0068】
制御回路CCは、温度センサーSS2により測定された温度が、所定の温度値以上であるかを判断する(S60)。本発明の一実施例において、上記所定の温度値は、常に固定された特定値であることができる。本発明の他の実施例において、上記所定の温度値は電力送信モジュールTUが電力受信モジュールRUに電力を伝達し始めるときの温度より約4°ないし10°程度、より大きい値であることができる。
【0069】
温度センサーSS2により測定された温度が、所定の温度値以上である場合、電力送信モジュールTUは、電力受信モジュールRUに無線で電力を伝達することを中止する(S70)。一方、温度センサーSS2により測定された温度が所定の温度値未満である場合、電力送信モジュールTUは、電力受信モジュールRUに無線で電力を継続して伝達する(S80)。
【0070】
本発明の一実施例において、上記所定の温度値は40°以下であることが好ましい。透明発熱体TLの温度が40°より大きくなる場合、これを用いる利用者が自分の体温より高い温度のため、不快感を感じたり、やけどをすることができるからである。
【0071】
図7cを参照すると、図7aに加え、その後の段階(S90〜S110)が追加された。
【0072】
相対湿度を湿度センサーSS1により周期的に測定し、相対湿度の増加する速度が所定の速度値以上である場合、電力送信モジュールTUは、電力受信モジュールRUに第2電力を伝達することができる(S100)。一方、相対湿度の増加する速度が、所定の速度値未満である場合、電力送信モジュールTUは、電力受信モジュールRUに第2電力よりも小さい値を有する第1電力を伝達することができる。
【0073】
このように、相対湿度の変化速度に対応して伝達する電力の大きさを変更することで、周辺環境の変化に、より能動的に最適化できる無線電力伝送システムを提供することができる。
【0074】
図8は、図1に図示された無線電力伝送システムWPTが適用されたヘッドマウント装置HMDを例示的に図示したものである。
【0075】
図9は、図8に図示されたヘッドマウント装置HMDが据置されていることを例示的に図示したものである。
【0076】
図8を参照すると、ヘッドマウント装置HMDは、フレームFRM及び視認部VPを含む。
【0077】
フレームFRMは、使用者の頭を収容して、使用者が頭にヘッドマウント装置HMDを固定することにする。
【0078】
ヘッドマウント装置HMDを着用した使用者は、視認部VPを通じて外部を見ることができる。センサー部SSは、湿度センサーSS1及び/または温度センサーSS2を含み、視認部VPの方に配置されることができる。
【0079】
フレームFRMは、使用者の顔部分と向かい合う前面部FF、使用者の後頭部部分と向かい合う後面部RR、及び使用者の頭の部分と向かい合う上面部HHを含む。上面部HHは、前面部FFと後面部RRを連結することができる。
【0080】
視認部VPは、図1に図示された無線電力伝送システムWPTの電力受信モジュールRUを含むことができる。
【0081】
本発明の一実施例において、視認部VPは、ガラスまたは透明プラスチックの基板にフレキシブルな性質を有する電力受信モジュールRUを付着して具現することができる。
【0082】
本発明の他の実施例において、視認部VPは、リジッド(rigid)な性質を有する電力受信モジュールRUが付着して具現されることができる。
【0083】
フレームFRMは、電力送信モジュールTUを含むことができる。図8には、電力送信モジュールTUが、フレームFRMの上面部HHに配置されることを図示したが、これに制限されない。電力送信モジュールTUが配置される位置は、必要によって変更することができる。
【0084】
図9を参照すると、本発明の一実施例に係るヘッドマウント装置HMDを柱状の無線充電モジュールWCM−1に据置する場合、バッテリーBTは、無線充電モジュールWCM−1により無線で電力の供給を受けて、充電されることができる。
【0085】
バッテリーBTは、ヘッドマウント装置HMDが無線充電モジュールWCM−1と接する上面部HHに配置され、容易に無線で電力の供給を受けることができる。
【0086】
無線充電モジュールWCM−1とヘッドマウント装置HMD間の据置の形態に応じて、バッテリーBTが配置される位置は変更されることができる。
【0087】
実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練された当業者は、下記の特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更することができることを理解できよう。また、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、下記の特許請求範囲及びそれと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0088】
透明な物体の表面に形成される霧や露のため、光透過性が劣る問題点が多数発生している。よって、透明な物体の表面に形成された霧や露を除去する技術に関する本発明は、産業上利用可能性が高い。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図7c
図8
図9
【国際調査報告】