(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-513471(P2021-513471A)
(43)【公表日】2021年5月27日
(54)【発明の名称】テープ切断システム及びテープ切断方法
(51)【国際特許分類】
B29C 70/54 20060101AFI20210430BHJP
B26D 7/32 20060101ALI20210430BHJP
B26D 5/34 20060101ALI20210430BHJP
B26D 7/28 20060101ALI20210430BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20210430BHJP
【FI】
B29C70/54
B26D7/32 Z
B26D5/34 C
B26D7/28
B26D7/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-541968(P2020-541968)
(86)(22)【出願日】2019年1月31日
(85)【翻訳文提出日】2020年9月28日
(86)【国際出願番号】NL2019050062
(87)【国際公開番号】WO2019151859
(87)【国際公開日】20190808
(31)【優先権主張番号】2020361
(32)【優先日】2018年1月31日
(33)【優先権主張国】NL
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519453788
【氏名又は名称】エアボーン インターナショナル ビー ヴイ
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ミルウィック、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ファン オーバービーク、トーマス テオドルス アルナルド
(72)【発明者】
【氏名】ブロッゾ、アンデルス
【テーマコード(参考)】
3C021
4F205
【Fターム(参考)】
3C021KA02
4F205AA36
4F205AB11
4F205AB18
4F205AB19
4F205AC03
4F205AD16
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4F205AR12
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4F205HB01
4F205HC02
4F205HC14
4F205HC17
4F205HE16
4F205HF02
(57)【要約】
繊維強化テープのウェブを供給するためのテープウェブ供給路と、テープウェブの品質を検査する、ウェブ供給路に沿って配置された品質検査システムと、テープウェブからテープの細長いセクションを切り出す切断器とを備え、この切断器が、品質検査の結果に基づいてテープウェブから切り出されるテープセクションの長さを変えるように構成されたテープ切断システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ切断システムであって、
繊維強化されたテープのウェブを供給するためのテープウェブ供給路と、
前記テープのウェブの品質を検査する、前記ウェブ供給路に沿って配置された品質検査システムと、
前記テープのウェブから細長いテープセクションを切り出す切断器と、
を備え、
前記切断器は、品質検査の結果に基づいて前記テープのウェブから切り出される前記テープセクションの長さを変えるように構成された、テープ切断システム。
【請求項2】
前記切断器は、前記テープのウェブから、第1品質のテープセクションと他の品質のテープセクションを切り離すように構成された、請求項1に記載のテープ切断システム。
【請求項3】
前記第1品質のテープセクションのための第1の排出路と、他の品質のテープセクションのための他の排出路とを備える、請求項2に記載のテープ切断システム。
【請求項4】
前記第1品質のテープセクションは、同じ長さ、具体的には予め定めた長さであって、前記他の品質のテープセクションは、前記第1品質のテープセクションとは異なる長さのテープセクションを含む、請求項2又は請求項3に記載のテープ切断システム。
【請求項5】
前記他の品質のテープセクションは、前記第1品質のテープセクションよりも短い長さのテープセクションを含む、請求項4に記載のテープ切断システム。
【請求項6】
前記他の排出路は、第2品質のテープセクションのための第2の排出路、及びその他の品質のテープセクションのための第3の排出路を備える、請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載のテープ切断システム。
【請求項7】
前記第2品質のテープセクションは、前記第1品質のテープセクションと同じ長さである、請求項6に記載のテープ切断システム。
【請求項8】
前記第3の排出路は、相互に品質が異なり、かつ相互に長さの異なるテープセクションを含む、請求項7に記載のテープ切断システム。
【請求項9】
第1の排出路は、相互に長さの等しい、特に予め定めた長さのテープセクションを一時保存するように構成された第1バッファに繋がる、請求項2から請求項8までのいずれか1項に記載のテープ切断システム。
【請求項10】
前記第2の排出路は、相互に長さの等しい、特に予め定めた長さのテープセクションを一時保存するように構成された第2バッファに繋がる、請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載のテープ切断システム。
【請求項11】
テープを切断する方法であって、
繊維強化されたテープのウェブを供給することと、
前記テープのウェブの品質を評価することと、
前記テープのウェブから細長いテープセクションを切り出すことと、
を含み、
前記テープのウェブから切り出される前記テープセクションの長さは、前記テープのウェブの前記品質の評価に基づいて変化する方法。
【請求項12】
前記テープのウェブは、第1品質のテープセクション及び他の品質のテープセクションに切断される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1品質の前記テープセクションは、同じ長さ、具体的には予め定めた長さであり、前記他の品質のテープセクションは、前記第1品質のテープセクションとは異なる長さのテープセクションを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記他の品質のテープセクションは、前記第1品質のテープセクションよりも短い長さのテープセクションを含む、請求項12又は請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記テープのウェブは、第2品質のテープセクションに更に切断され、前記第2品質のテープセクションは前記第1品質のテープセクションと同じ長さである、請求項12から請求項14までのいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に繊維強化材料シートの切断(cutting)に関し、特に、例えば異方性一方向(UD)テープなどの繊維強化テープからシートを切り出すこと(sectioning)に関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなシートすなわち「プライ」は、繊維強化複合製品の製造に使用される。繊維強化材料は、ロールに巻き上げられた比較的長くて幅の狭いテープで供給可能である。そのようなテープは、例えば、平行で長手方向に延在する連続繊維から成る平面層にマトリックス材料を含浸させることによって製造可能である。繊維は、例えば、炭素繊維、アラミド繊維又は他の種類の強化繊維を含み、またマトリックス材料は、例えば熱硬化性樹脂又は熱可塑性プラスチック材料を含んでいてもよい。繊維強化材料は、乾式材料であってもよいが、湿式材料若しくは含浸材料であってもよい。さらに、切断又は切り出されたシートはバッキング材料を含んでもよい。
【0003】
この繊維強化材料、特に比較的高価なUDテープのロールは、ロールから巻き出されて、テープ又はプライの部分(セクション)が、巻き出されたテープのウェブから、例えば比較的狭いテープの幅方向を横断して切断又は切り出されて、シートを形成してもよい。シートは、テープの長さに対して垂直に切断する又は切り出すことができ、切断又は切り出されたシートは、実質的に長方形形状を有してもよい。
【0004】
シート又はプライそのものは未完成品であり、スタック内の層に積み重ねられる。最終製品を形成するために、シートは、バッファリングや再スタックをして互いに異なる配向を有するシートのスタックとするなど、更なる処理ステップの対象となることがある。シートのスタックは、次に積層又は圧密化処理の対象としてもよい。ここでは積層されたシートが熱及び/又は圧力を受けて、積層製品、特に、高強度、軽量の圧密化された繊維強化製品が形成される。
【0005】
製造された繊維強化複合材テープのロールの品質は、長さ方向に変化し得る。テープ内の欠陥、例えば、汚れ、継ぎ目、割れ、ボイド、視覚的な欠陥、及び幅や厚さなどの寸法の不整合など、は、テープ製造プロセスに固有のものである。これらの欠陥は、テープのセクションの品質に影響する。従って、切断プライにおいては、欠陥の存在により、一般に、最大で約10%の直接的な材料損失が予想される。UDテープは比較的高価であり、特にその材料コストは、積層製品の製造プロセスに比べて相対的に高価である。さらに、テープのセクションの品質は、欠陥の性質、大きさ、及び分布に依存する可能性がある。欠陥を含むテープの切断シートはスタックすることができ、その後、積層プロセス、すなわち圧密化プロセスの対象となり得る。圧密化された繊維強化製品に欠陥を含む切断シートが存在すると、製品の不合格に繋がる可能性があり、例えば10〜20層の製品の不合格に繋がる可能性がある。したがって、欠陥を有するシートを含む製品の不合格による間接的な材料の損失は、約10%かそれ以上になる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の欠点の少なくとも一部を軽減することを目的とする。特に、本発明は、材料の利用を最適化可能であり、製造プロセスの費用対効果を向上可能であり、及び/又は処理時間を短縮可能である、プライを切断するためのシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明は、繊維強化テープのウェブを供給するためのテープウェブ供給路と、ウェブ供給路に沿って配置された、テープのウェブの品質を評価するための品質検査システムと、テープウェブの供給路の終端に配置された、テープのウェブから細長い(longitudinal)テープセクションを切り離すように構成された切断器と、を含む、特に請求項1に記載のテープ切断システムを提供する。この切断器は、切り離されるテープセクションの長さをテープの品質に基づいて変えるように構成されている。
【0008】
品質検査システムをウェブ供給路に沿って配置することにより、テープのウェブの品質又は完全性を評価可能であり、また欠陥を識別可能である。品質検査システムは非破壊検査装置を含むことができ、それは、例えばテープ表面の目視検査のためのカメラ、例えばテープのウェブの厚さ及び幅を測定するためのレーザ装置、例えば超音波試験のための音響又は音波装置、及び例えばテープのウェブの内部の詳細のx線及び/又は中性子検査のための放射線撮影装置などである。識別された欠陥は、例えばその識別された欠陥をテープの座標に結び付けることによって、フラグを立てることができる。
さらに、テープウェブから切り出されるテープセクションの長さを変えるように切断器を構成することで、テープ切断システムはテープを欠陥の前後で切断する又は切り出すことを可能とする。これにより、不合格とするか又は廃棄される必要のある、欠陥を含むテープのセクションを、長さ方向の長さを最小とすることが可能であり、また材料損失を低減可能である。切断器はこうして、ウェブ内のテープの品質変動に応答して、特にリアルタイムでテープのセクションの長さ方向の寸法を変更するように構成可能である。こうして、切断器は、少なくとも2つの異なる長さのテープセクション、特にテープの矩形セクションを製造して、各セクションがそのテープセクション内の欠陥の存在の差による品質の違いに対応するように、構成可能である。
シートは様々な形状であってよい。テープの長さに対して垂直に切断又は切り出して、切断又は切り出されたシートが実質的に長方形形状を有してもよい。そのようなシートが好ましい。ただし、シートは、テープの長さに対して斜めに切断又は切り出して、三角形、台形、平行六面体の形のシートとすることも可能であり、また湾曲した切断線に従って切断又は切り出すことも可能である。また、例えば数値制御カッターを使用して、材料のウェブから任意形状のシートを切り出すことも可能である。また、off-axisの繊維配向を有するテープ又はクロスプライのテープのロールを使用して、対応する異なる繊維配向を有するシートを切断又は切り出すことももちろん可能である。
【0009】
テープ切断システムは、テープのウェブから、第1品質のテープセクションと、その他の品質のテープセクションとを切り離すように構成されてもよい。こうして、第1品質のテープセクションを、他の品質のテープのセクションから分離しておくことが可能である。
【0010】
テープ切断システムが、第1品質のテープセクションのための第1の排出路と、他の品質のテープセクションのための他の排出路とを備える場合、テープセクションは、スタック及び/又は一時保存(buffering)する前に、その品質に基づいて分離することができる。こうすることにより、欠陥があって積層製品への使用に適さない他の品質のテープセクションを簡単に廃棄できるようにする。テープが、スタック及び/又は一時保存の前にその品質に基づいて分離されている場合には、第1品質のスタックを容易に、かつ例えば実質的に欠陥なしで取得することができる。他の品質のテープセクションは、別の方法で使用してもよいし、あるいは廃棄してもよい。
【0011】
同じ予め定めた長さを有する、第1品質のテープセクションを提供することにより、そのようなプライを品質が分かった状態で、同一長さのプライのスタックに使用できるようになる。こうして、それらを、例えば、外観及び/又は機械的な負荷の観点から、例えば欠陥なしでなければならないスタックのトップシートなどの、第1品質を必要とするスタック内の位置に配置することができる。異なる長さを有し、かつ特に第1品質のテープセクションよりも短い長さを有するテープセクションを含む、他の品質のテープセクションを提供することで、テープの欠陥による材料損失のさらなる低減を達成可能である。
【0012】
第2品質のテープのセクションに対する第2の排出路と、他の品質のテープのセクションに対する第3の排出路とを有する、他の排出路を設けることにより、欠陥を含むがまだ製品に使用可能な第2品質を有するテープのセクションを、テープのロールから回収することが可能である。このようにして、通常は廃棄される第2品質のテープセクションの回復が可能である。第2品質のテープセクションは、予め定めた長さに、つまり第1品質のテープセクションと同じ長さに切断される。このことが、材料損失をさらに低減し、かつ費用対効果を増大させる。溶融、圧密化、又は積層された製品の特性は、テープセクションの順序、例えば隣接シートが互いに異なる繊維配向を有するなどの、特に積層製品内のシートの順序及び/又は位置に依存する。したがって、第2品質の使用可能なテープセクションの位置は、視覚品質や強度仕様などの最終製品の要求に基づいてよい。第2品質のテープセクションは、プライのセット又はスタックの対称面の近く、又は例えば非対称な圧密化又は積層された製品の中心線の近くで利用可能である。
【0013】
第3の排出路内のテープセクションは、相互に品質が異なり、かつ相互に長さの異なるテープセクションを含んでもよい。こうして、スクラップ又は廃棄すべき材料の処分が容易となり、廃棄されるテープの長さを最小限に維持することが可能である。
【0014】
第1の排出路は、相互に等しい予め定めた長さのテープセクションを、一時保存するように構成された第1バッファに繋がってもよい。こうして、第1品質のテープセクションが、更なる処理のためにスタックされて登録され、仕様によって要求される最小閾値を最終製品が確実に満たすようにすることができる。
【0015】
次に第2の排出路は、相互に長さの等しいテープセクションを一時保存するように構成された第2バッファに繋がってもよい。こうして、第2品質のテープセクションがスタックされて登録され、仕様が必要とする最小閾値を最終製品が満たすことを保証するために、更なる処理での使用機会を待ってもよい。
【0016】
テープ切断システムは、テープ供給源、特には1つ以上のテープのロールを備えるテープ供給源をさらに含んでもよい。テープ切断システムは、テープをロールからテープウェブ供給路へ巻き出す1つ以上の巻き出し装置も含んでよい。テープ切断システムは、連続操作を可能とし、かつテープの使用を更に最適化できるようにするために、第1のロールのテープ末端を、第2のロールのテープ先頭に接合するためのスプライサを含んでもよい。そのようなスプライサは、第1のロールのテープ末端と第2のロールのテープ先頭が、プロセス条件を一定にしたままで接合可能となるように、テープバッファを含んでもよい。
【0017】
本発明はさらに、テープの切断方法にも関する。この方法は、繊維強化テープウェブを供給することと、テープウェブの品質を評価することと、テープウェブからテープの長さ方向セクションを切り出すこととを含む。テープウェブから切り出されるテープセクションの長さは、テープウェブの品質の評価に基づいて変化する。
【0018】
本発明の他の有利な態様は、明細書及び添付の特許請求の範囲に提示される。
【0019】
これまでに明らかにした本発明のテープ切断システムの技術的特徴は、それ単独のみならず、任意の可能な組み合わせでテープの切断に有利に使用可能であることは、当業者であれば明らかであろう。上記段落で述べた技術的特徴は、文脈から分離可能であって、別の段落からの分離された技術的特徴を組み合わせることが可能である。そのような組み合わせは、本明細書において具体的に開示されている。
【0020】
本発明を、図面に表示された非限定的な例示的実施形態を基にさらに明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】テープのロールから巻き出されているテープのウェブ、及び様々な長さのセクションに切り出されているテープのウェブの概略側面図である。
【
図3】テープ切断プロセスの概略図である。ここでは、テープのウェブから第1品質及び他の品質のテープセクションが切り出される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面は本発明の好適な実施形態の単なる概略表示であることに留意されたい。図面では、同一又は対応する部分は同一の参照番号で示される。
【0023】
図1を参照すると、テープ切断システム1が、繊維強化テープのウェブ3、特に一方向(UD)テープなどの繊維強化テープのウェブを供給するためのテープウェブ供給路2を備える。テープのウェブ3の品質を評価するための品質検査システム4が、ウェブ供給路2に沿って配置される。切断器6が、テープのウェブ3から長さ方向のテープセクション7を切り離すように構成される。切断器6は、テープウェブ供給路2の終端に配置される。この切断器6はさらに、テープの品質に基づいて、切り離されるテープセクション7の長さを変えるように構成される。この切断器6は、テープの品質に基づいて、切り離されるテープセクション7の長さを変えるように構成される。
品質検査システム4は、切断器6によって分離されたテープセクション7に切断される前に、テープのウェブ3の品質を評価する。例えば、光学品質、表面の完全性、厚さ、幅、組成等が、テープの品質態様を表す特徴であって、これらが所望の基準に合致しない場合に、欠陥となる可能性がある。ここで、品質検査システム4は、テープのウェブ3の表面品質の目視検査のためのカメラを備える。
図1からわかるように、テープ切断システム1は、さらにテープのロール10を備える。テープのロール10は、巻き出し装置11によって巻き出される。ここで、テープ切断装置1には、2つのテープのロール10と、連続的な巻き出しプロセスを可能とするスプライサ12とが含まれている。これはテープ切断システム1におけるテープのスループットを向上させるという追加の利点を有する。テープはテープウェブ供給路2に巻き出されて、繊維強化テープのウェブ3が切断器6へ供給される。
切断器6は、例えば、ナイフ、レーザ、又は(ウォータ)ジェットを用いて切断する。切断器6は、動的であっても静的であってもよい。つまりテープウェブに沿って移動しても、移動しなくてもよい。こうしてテープセクション7の長さを変えることで、スクラップを減らし、材料利用を最適化できる。この結果、製造プロセスの費用対効果を向上できる。言い換えれば、繊維強化テープのウェブ3を供給するためのテープウェブ供給路2と、テープのウェブ3を検査、特に欠陥の発生を検査する、ウェブ供給路2に沿って配置された品質検査システム4と、テープのウェブ3から細長いテープセクション7を切り出す、テープウェブ供給路2の終端に配置された切断器6と、を備えるテープ切断システム1が開示される。切断器6は、品質検査の結果に基づいて、特にテープセクション内の欠陥の存在の違いに基づいて、テープのウェブ3から切り出されるテープセクション7の長さを変えるように構成されている。
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるテープ切断システム1の切断器6は、第1品質のテープセクション7と、他の品質のテープセクション7とを、テープのウェブ3から切り離すように構成されている。第1品質のテープセクション7は、所定の長さL
1に切断される。第1品質のテープセクション7どうしは、同じ所定の長さL
1である。他の品質のテープセクション7は、第1品質のテープセクション7とは異なる長さLのテープセクションを含む。
図2及び
図3に示すように、テープ切断システム1は、第1品質のテープセクション7の第1の排出路13と、他の品質のテープセクション7のための他の排出路14とを備える。
ここで、切断器6は、第1品質のテープセクション7を所定の等しい長さL
1に切り出すように構成されている。調整可能なウェブ供給路長をここで使用して、切断器6にテープが供給される速度を変更し、所定の長さL
1及び異なる長さのLなどの所望の長さにテープセクション7を切り出し可能とする。ただし、ウェブ供給路2の速度は、例えばテープ切断システムの巻き出し装置11にブレーキを設けることによって変更することも可能である。
品質検査システム4はウェブ供給路2に沿うテープ内の欠陥を認識するように構成されており、テープは、欠陥の前後で、検査システム4の下流の切断器6により切断されるようになっている。したがって、他の品質のテープセクション7は、第1品質のテープセクション7よりも短い長さのテープセクション7が含まれる。
【0024】
図3を参照すると、本発明の実施形態による、テープ切断システム1の他の排出路14が、第2品質のテープセクション7のための第2の排出路15と、他の品質のテープセクション7のための第3の排出路16とを備えている。こうして、積層製品に使用可能な品質のテープセクション7によってスクラップ材料が更に低減され、材料の使用が最適化される。それにより、製造プロセスのコスト効率が更に向上する。したがって、第2品質のテープセクション7は、第1品質のテープセクション7と同じ長さ、すなわち所定の長さL
1である。
第3の排出路16は、互いに異なる品質で互いに異なる長さLのテープセクション7を含む。他の品質のテープセクション7はスクラップとして廃棄される。
図1と
図3に示すように、テープ切断システム1の第1の排出路13は、互いに等しい所定の長さL
1を有するテープセクション7を一時保存するための第1バッファ17に繋がっている。第2の排出路15は、互いに等しい長さL
1のテープセクション7を一時保存するように構成された第2バッファ18に繋がっている。
【0025】
本開示の範囲に関して、具体的に説明された技術的特徴は、機能的な一般化がなされ得ることが指摘される。さらには、明示的に示されていない限りは、そのような技術的特徴は与えた例示的な実施形態の文脈から分離して考えることができ、さらに実施例の文脈に連携する技術的特徴とは分離して考えることが可能である。
【0026】
保護の範囲に関して、本発明は、本明細書に表された例示的実施形態に限るものではないこと、及び多くの変形が可能であることが指摘される。例えば、テープの切り出し長さを変更する方法は、実施例で議論したものとは別の方法が使用されてもよい。そのような変形は当業者には明らかであり、以下の特許請求の範囲で記述される本発明の範囲内にあることが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0027】
1 テープ切断システム
2 ウェブ供給路
3 繊維強化テープのウェブ/テープのウェブ
4 品質検査システム
6 切断器
7 テープセクション/テープのセクション
10 テープのロール
11 巻き出し装置
12 スプリッタ
13 第1排出路
14 他の排出路
15 第2排出路
16 第3排出路
17 第1バッファ
18 第2バッファ
【国際調査報告】