特表2021-513568(P2021-513568A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スマヴァ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

特表2021-513568医薬製剤、医薬製剤の製造方法、およびそれを含む医薬品
<>
  • 特表2021513568-医薬製剤、医薬製剤の製造方法、およびそれを含む医薬品 図000008
  • 特表2021513568-医薬製剤、医薬製剤の製造方法、およびそれを含む医薬品 図000009
  • 特表2021513568-医薬製剤、医薬製剤の製造方法、およびそれを含む医薬品 図000010
  • 特表2021513568-医薬製剤、医薬製剤の製造方法、およびそれを含む医薬品 図000011
  • 特表2021513568-医薬製剤、医薬製剤の製造方法、およびそれを含む医薬品 図000012
  • 特表2021513568-医薬製剤、医薬製剤の製造方法、およびそれを含む医薬品 図000013
  • 特表2021513568-医薬製剤、医薬製剤の製造方法、およびそれを含む医薬品 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-513568(P2021-513568A)
(43)【公表日】2021年5月27日
(54)【発明の名称】医薬製剤、医薬製剤の製造方法、およびそれを含む医薬品
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4985 20060101AFI20210430BHJP
   A61P 15/10 20060101ALI20210430BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20210430BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20210430BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20210430BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20210430BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20210430BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20210430BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20210430BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20210430BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20210430BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20210430BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20210430BHJP
【FI】
   A61K31/4985
   A61P15/10
   A61K47/32
   A61K47/38
   A61K47/20
   A61K9/70
   A61K9/12
   A61K9/107
   A61K9/08
   A61K9/06
   A61K9/48
   A61K9/20
   A61K9/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-565529(P2020-565529)
(86)(22)【出願日】2019年2月7日
(85)【翻訳文提出日】2020年10月2日
(86)【国際出願番号】EP2019052972
(87)【国際公開番号】WO2019154896
(87)【国際公開日】20190815
(31)【優先権主張番号】18155542.6
(32)【優先日】2018年2月7日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520297160
【氏名又は名称】スマヴァ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】SmaWa GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ノルベルト・レーヴァー
(72)【発明者】
【氏名】イェンス・ブロシャイト
(72)【発明者】
【氏名】イザベル・シュテーア
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076AA11
4C076AA24
4C076AA29
4C076AA36
4C076AA53
4C076AA89
4C076AA93
4C076BB02
4C076BB22
4C076BB23
4C076BB25
4C076CC17
4C076DD02
4C076DD04
4C076DD05
4C076DD55
4C076DD57
4C076EE06
4C076EE07
4C076EE16
4C076EE32
4C076EE48
4C076FF02
4C076FF06
4C076FF33
4C076FF34
4C076FF36
4C076FF63
4C076GG03
4C076GG16
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB09
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA13
4C086MA17
4C086MA22
4C086MA28
4C086MA32
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086MA57
4C086MA59
4C086NA02
4C086NA03
4C086NA10
4C086NA11
4C086ZA81
(57)【要約】
本発明は、活性物質としてのタダラフィルまたはその塩、ポリマーおよび界面活性剤を含む頬側、舌下、歯肉または鼻腔内の医薬製剤に関する。本発明はまた、当該製剤の製造方法および性機能不全の処置のための医薬における製剤の使用に関する。活性物質の平均粒子径は8〜500 nmであり、ポリマーはポリビニルピロリドン(PVP)および/またはビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(KVA)である。界面活性剤は、例えばドデシル硫酸ナトリウム(SDS)であり得る。最高血清活性物質濃度は、医薬の投与後わずか1時間以内に生じる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分:
a)該製剤中の平均粒子径が8〜500 nmの範囲内である、活性物質としてのタダラフィルまたはその塩、
b)ポリビニルピロリドン(PVP)および/またはビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(KVA)である、ポリマー、および
c)界面活性剤
を含む、頬側、舌下、歯肉または鼻腔内の医薬製剤。
【請求項2】
成分a)の活性物質の平均粒子径が、10〜390 nmの範囲内、より好ましくは100〜390 nmの範囲内、最も好ましくは200〜350 nmの範囲内である、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
該製剤が、成分b)のポリマーに加えて、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースおよびそれらの混合物より選択される少なくとも1つの更なるポリマーを含む、請求項1または2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
成分c)の界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、好ましくは、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アリール硫酸塩、アリールスルホン酸塩およびそれらの混合物より選択されるアニオン性界面活性剤、より好ましくは、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項5】
-成分b)のポリマーがPVPであり、成分c)の界面活性剤がSDSであるか、または
-成分b)のポリマーがKVAであり、成分c)の界面活性剤がSDSであるか、または
-成分b)のポリマーがPVPとKVAの混合物であり、成分c)の界面活性剤がSDSである、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項6】
医薬製剤が、
i)フィルム剤、
ii)エアゾル剤、
iii)水性懸濁剤、液剤、チンキ剤、クリーム剤、ペースト剤、ローション剤、軟膏剤、ゲル剤、または口腔内でこれらの製剤を放出するカプセル剤、
iv)口腔内崩壊錠、ロゼンジ剤またはバッカル錠
からなる群より選択され、該製剤が、好ましくは粘膜付着性製剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項7】
製剤中の活性物質が、口腔または鼻の粘膜を介して全身作用のために血流へ投与され得る、請求項1〜6のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の医薬製剤の製造方法であって、成分a)の活性物質の粉砕を、少なくとも成分b)のポリマーおよび成分c)の界面活性剤を一緒に実施する、方法。
【請求項9】
粉砕を、100〜260分間、好ましくは140〜180分間実施する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
粉砕が、粉砕法、より好ましくは湿式粉砕であり、粉砕が、好ましくは、4 m/s超、好ましくは5〜15 m/s、より好ましくは7〜11 m/s、特に好ましくは9 m/sの撹拌周速にて撹拌ボールミルで行われる、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
更なる成分を、成分a)、b)およびc)へ、それらの併合粉砕中および/または粉砕後に加える、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
i)撹拌ボールミルにおける成分a)、b)およびc)の併合粉砕後に、フィルムを製造するための更なる成分を、撹拌ボールミルへ加え、ここで該更なる成分が、好ましくは水溶性セルロース誘導体を含み、
ii)撹拌ボールミルで得られた全混合物を、均質化し、そして
iii)得られた均質物を、コーティング物質としてフィルムに塗布するか、またはそれ自体をフィルムに加工する、
請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
均質化工程ii)を、2 m/s超、好ましくは3〜12 m/s、より好ましくは4〜8 m/s、特に好ましくは6 m/sの撹拌周速にて撹拌ボールミルで実施する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の医薬製剤または請求項8〜13のいずれか一項に記載の方法によって得られる医薬製剤を含む、性機能不全、好ましくは勃起不全の処置における使用のための医薬。
【請求項15】
医薬製剤の投与後、120分以内、好ましくは90分以内、より好ましくは60分以内、特に好ましくは45分以内に最高血清活性物質濃度(tmax)に達する、請求項14に記載の使用のための医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬製剤、医薬製剤の製造方法、このような方法によって得られる医薬製剤、および医薬製剤を含む医薬品に関する。
【0002】
活性物質タダラフィル(tadalafil)(IUPAC名:((6R,12aR)-6-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-メチル-1,2,3,4,6,7,12,12a-オクタヒドロピラジノ-[2',1':6,1]ピリド[3,4-b]インドール-1,4-ジオン)は、PDE-V(ホスホジエステラーゼV)阻害剤のグループに属し、勃起不全の処置のための経口製剤として用いられる。医薬品は、錠剤の形態で投与され、腸から吸収され、すなわち腸を介して吸収される。腸を介する吸収は、小腸(空腸)の腸粘膜を通って行われる。一方で、タダラフィルは、親油性の性質(logP=+1.7)を有する「小分子」(分子量=389 g/mol)のグループに属し、それ故にあらゆる膜を通って自由に拡散できる。他方で、タダラフィルは、膜に到達でき、それ故にそこで見られる水性媒体に可溶性である必要がある。結晶化の傾向が強いため、タダラフィルは、水への溶解度がわずか約2〜3.2μg/mlであり、それ故に水に難水溶性である物質のグループに属する。
【0003】
経口投与されたタダラフィルのバイオアベイラビリティは、水への溶解度に直接的に依存する。タダラフィルの経口製剤が、活性物質の低い溶解度にもかかわらず十分に高いバイオアベイラビリティを有するために、水への溶解度を改善することが必要である。この方向での重要な工程は、固体の結晶構造の微細化による破壊、すなわち平均粒子径の200μm未満への顕著な機械的減少である。このような微粒子を生成するための古典的な方法は、粉砕である。しかしながら、この手段の成功は、水溶液中での微細化物質の再結晶がどの程度防止できるかに依存する。
【0004】
ここで問題となるのは、微細化粒子が凝集体を形成する傾向があることである。これは粒子径の不均一な分散をもたらし、今度はこれが種々の溶解度に反映される。粉砕により生じる活性物質への静電気帯電はまた、加工性に悪影響を及ぼす。更なる潜在的な不利益は、粉砕した活性物質の流動性が悪いことである。特に、活性物質を錠剤へ打錠するかまたはカプセルに充填するときに、これは、造粒などの更なる処理工程が必要となることを意味する。米国特許出願2015/0359735A1における薬物動態データは、活性物質タダラフィルの最高血清濃度(tmax)が、微細化タダラフィル、界面活性剤およびセルロースベースのポリマーを含む懸濁液から生成したフィルムを用いるとき、投与後2.50時間以降に達成されることを開示している。特に、活性物質タダラフィルで性機能不全を処置する場合、例えば、治療効果の迅速な開始および/または可能な限り短い潜伏期間で適切な勃起機能を確保するために予防的に摂取することが望まれる、急性勃起不全の治療において、この長い時間は不満足である。ここで「潜在時間」は、医薬品の摂取から作用の発生までの期間である。
【0005】
したがって、本発明の根底にある目的は、活性物質としてタダラフィルまたはその塩の溶解度および溶解速度が改善され、これにより、作用のより速い発生とバイオアベイラビリティの増加によって薬理学的効率が増加した医薬製剤を作製することである。
【0006】
この目的は、メインクレームに記載の医薬製剤により達成される。したがって、本発明は、特に、下記成分:
a)該製剤中の平均粒子径が8〜500 nmの範囲内である、活性物質としてのタダラフィルまたはその塩、
b)ポリビニルピロリドン(PVP)および/またはビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(KVA)である、ポリマー、および
c)界面活性剤
を含む、頬側、舌下、歯肉または鼻腔内の医薬製剤に関する。
【0007】
更なる有利な実施態様は、サブクレームで見られる。
【0008】
まず、本発明に関連して用いるいくつかの用語を説明する。
【0009】
以下でより詳細に説明する本発明に関連して、用語「微細化ポリマー」は、上記ポリマーのPVPおよびKVAも包含し、活性物質粒子の粉砕のために界面活性剤と一緒に用いられるポリマーを意味すると理解される。フィルムの製造のために用いられる、本発明に関連して記載される「フィルム形成ポリマー」とは本明細書において区別されなければならない。ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのいくつかのポリマーは、二重の役割を果たすことができ、微細化ポリマーおよびフィルム形成ポリマーの両方として本発明に関連して用いられることが可能であることに留意されたい。
【0010】
本発明により、微細化ポリマー、特にPVPおよび/またはKVAと界面活性剤を組み合わせて加えることにより、500 nmより十分小さい、特に390 nm未満の平均粒子径を有する粉砕された活性物質粒子の問題のない安定化を可能することが判明した。驚くべきことに、先行技術で説明されている問題、例えば再結晶、および凝集体の形成および/または活性物質への静電気帯電の増大は、本発明による医薬製剤では生じない。これは、微細化ポリマーが活性物質の立体安定化に大きく寄与する一方で、界面活性剤(SDS)の添加が望ましくない活性物質粒子への静電気帯電の増大を打ち消すためである。したがって、本発明の医薬製剤は、簡単な方法で扱われ得て、なおかつ保存安定性の改善、一般的溶解度の著しい増加およびより高い活性物質の溶解速度を示す。活性物質の溶解度の増加は、今度は、特にPVPおよびKVAを用いる場合、より速い作用の発生およびバイオアベイラビリティの増加のため薬理学的効率の驚くべき改善をもたらす。この点で、特許請求の範囲に記載の成分a)、b)およびc)の特定の組合せが、40分以内にtmaxを達成する、すなわちピーク血漿タダラフィル濃度(cmax)に到達し、したがって、市販のシアリス(Cialis)(登録商標)錠(図4参照)またはUS 2015/0359735に記載のフィルム剤(活性物質タダラフィルおよび界面活性剤に加えてセルロースベースのポリマーを含むが、PVPまたはKVAを含まない)の従来の投与より数倍速く到達することに留意されたい。
【0011】
本発明に関連して、活性物質の平均粒子径は、10〜390 nmの範囲内、より好ましくは100〜390 nmの範囲内、最も好ましくは200〜350 nmの範囲内であることが好ましい。
【0012】
微細化ポリマーPVPおよび/またはKVAに加えて、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースおよびそれらの混合物より選択される更なるポリマーが含まれ得ることがさらに好ましい。
【0013】
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤であることがさらに好ましい。さらにより好ましくは、アニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アリール硫酸塩、アリールスルホン酸塩およびそれらの混合物より選択される。特に好ましい実施態様において、アニオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムである。
【0014】
特に好ましい医薬製剤は、活性物質タダラフィルの成分a)に加えて、ポリマー成分および界面活性剤成分が、
-成分b)のポリマーPVPおよび成分c)の界面活性剤SDS、または
-成分b)のポリマーKVAおよび成分c)の界面活性剤SDS、または
-成分b)のポリマーPVPとKVAの混合物および成分c)の界面活性剤SDS
より選択されるものである。
【0015】
また、医薬製剤は、
i)フィルム剤、
ii)エアゾル剤、
iii)水性懸濁剤、液剤、チンキ剤、クリーム剤、ペースト剤、ローション剤、軟膏剤、ゲル剤、または口腔内でこれらの製剤を放出するカプセル剤、
iv)口腔内崩壊錠、ロゼンジ剤またはバッカル錠
からなる群より選択され、上記製剤は、好ましくは粘膜付着性製剤(粘膜に付着する製剤)であることが好ましい。
【0016】
これらの医薬製剤において、製剤中の活性物質タダラフィルは、口腔または鼻の粘膜を介して全身作用のために血流へ供給される。特に重要な利点は、活性物質が消化管を避け、これにより従来のシアリス(登録商標)錠剤に関連するより長い潜在時間を回避することができ、また、不快であり、そして正しく実施されない場合多くの望まない問題(投与量、感染症など)を伴い得る、静脈内投与なしで投与することができることである。
【0017】
好ましい実施態様において、医薬製剤の投与後、120分以内、より好ましくは90分以内、さらにより好ましくは60分以内に最高血清活性物質濃度にインビボで達する。
【0018】
医薬製剤の更なる成分は、可塑剤およびフィルム形成ポリマーより選択されることがさらに好ましい。好ましい可塑剤の例は、グリセロールである。好ましいフィルム形成ポリマー例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0019】
また、医薬製剤中の界面活性剤の含有量は、医薬製剤の組成物全体に基づいて0.001〜0.5重量%、より好ましくは0.01〜0.3重量%、さらにより好ましくは0.025〜0.1重量%であることが好ましい。
【0020】
医薬製剤中の微細化ポリマーの含有量は、医薬製剤の組成物全体に基づいて0.1〜2重量%、より好ましくは0.5〜1重量%であることがさらに好ましい。
【0021】
医薬製剤中の活性物質の含有量は、医薬製剤の組成物全体に基づいて0.5〜5重量%、より好ましくは2〜3重量%であることが好ましい。
【0022】
医薬製剤中のフィルム形成ポリマーの含有量は、医薬製剤の組成物全体に基づいて2〜30重量%、より好ましくは7〜17重量%であることがさらに好ましい。
【0023】
また、医薬製剤中の可塑剤の含有量は、医薬製剤の組成物全体に基づいて1〜20重量%、より好ましくは2〜8重量%であることが好ましい。
【0024】
医薬製剤中の水の含有量は、医薬製剤の組成物全体に基づいて20〜95重量%、より好ましくは40〜85重量%であることが好ましい。
【0025】
本発明はまた、活性物質タダラフィルを、少なくとも微細化ポリマー(PVPおよび/またはKVA)および界面活性剤(例えばSDS)と一緒に粉砕する、上記医薬製剤の製造方法を提供する。本発明に関連して、活性物質を少なくとも微細化ポリマーおよび界面活性剤と一緒にすることは、微細化ポリマーおよび界面活性剤が、方法の粉砕行程中に活性成分と一緒に組成物中にすでに存在しなければならないことを意味する。医薬製剤の更なる成分は、活性物質の粉砕中に医薬製剤中に存在していてもよく、あるいは粉砕後の時点で加えられてもよい。
【0026】
上記のとおり、微細化ポリマーのポリビニルピロリドンおよび/またはビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマーに加えて、製剤はまた、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースまたはそれらの混合物を含むことが好ましい。
【0027】
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤であることがさらに好ましい。さらにより好ましくは、アニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アリール硫酸塩、アリールスルホン酸塩およびそれらの混合物より選択される。特に好ましい実施態様において、アニオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウムである。
【0028】
粉砕後の活性物質の平均粒子径は、8〜500 nmの範囲内、より好ましくは10〜390 nmの範囲内、さらにより好ましくは100〜390 nmの範囲内、最も好ましくは200〜350 nmの範囲内であることがさらに好ましい。
【0029】
粉砕を、好ましくは、100〜260分間、好ましくは140〜180分間実施する。
【0030】
また、粉砕は、ミル法、より好ましくは湿式ミルであることが好ましい。
【0031】
粉砕は、ボールミル、より好ましくは撹拌ボールミルで行われることがさらに好ましく、撹拌ボールミルでの粉砕は、好ましくは、4 m/s超、好ましくは5〜15 m/s、より好ましくは7〜11 m/s、特に好ましくは9 m/sの撹拌周速にて実施される。
【0032】
更なる成分は、成分a)、b)およびc)へ、それらの併合粉砕中および/または粉砕後に加えられ得る。例えば、
i)撹拌ボールミルにおける成分a)、b)およびc)を併合粉砕後に、フィルムを製造するための更なる成分を、撹拌ボールミルへ加え、ここで該更なる成分が、好ましくは水溶性セルロース誘導体を含み、
ii)撹拌ボールミルで得られた全混合物を、均質化し、そして
iii)得られた均質物を、コーティング物質としてフィルムに塗布するか、またはそれ自体をフィルムに加工する
ことが可能である。
【0033】
上記均質化工程ii)を、2 m/s超、好ましくは3〜12 m/s、より好ましくは4〜8 m/s、特に好ましくは6 m/sの撹拌周速にて撹拌ボールミルで実施し得る。
【0034】
医薬製剤中の界面活性剤の含有量は、医薬製剤の組成物全体に基づいて0.001〜0.5重量%、より好ましくは0.01〜0.3重量%、さらにより好ましくは0.025〜0.1重量%であることがさらに好ましい。
【0035】
本発明はまた、上記の医薬製剤を製造するための本発明による方法によって得られる医薬製剤を提供する。
【0036】
本発明は、本発明による医薬製剤または本発明による方法によって得られる医薬製剤を含む医薬を提供する。医薬は、医薬製剤について上記のように、例えば、口腔内崩壊錠、ロゼンジ剤、バッカル錠、またはそれに含まれる水性懸濁剤、液剤、チンキ剤、クリーム剤、ペースト剤、ローション剤、軟膏剤もしくはゲル剤を口腔内へ放出するカプセル剤、またはカプセル化されていない形態のそれら自体のこのような製剤、エアゾル剤またはフィルム剤として製剤化され得る。フィルム剤の形態の製剤が特に好ましい。これは、本発明による医薬製剤の上記特性は、フィルム剤に均質に分散することを可能にするためである。さらに、フィルム剤の経口投与または経口摂取は、経口粘膜を通して活性物質の速い吸収を可能にする。
【0037】
本発明はまた、性機能不全、好ましくは勃起不全の処置における使用のための本発明による医薬を提供する。
【0038】
また、医薬製剤の投与後120分以内、より好ましくは90分以内、さらにより好ましくは60分以内、特に好ましくは45分以内に最高血清活性物質濃度(tmax)にインビボで達することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
含まれる図面を参照して有利な実施態様に基づいて、以下に本発明を説明する。図面において:
図1図1は、添加剤とのタダラフィルの粉砕についての結果を示す。
図2図2は、タダラフィルの粉砕中の粒子径の変化を示す。
図3図3は、タダラフィルフィルム製剤対市販品シアリス(登録商標)(5 mg)の放出プロファイルを示す。
図4-7】図4〜7は、血漿濃度を決定するためのクロスオーバー試験の試験結果のプロット(y軸=濃度(ng/ml);x軸=時間(分))を示す。
【0040】
1.添加剤とのタダラフィルの粉砕検討
粉砕中の粒子の凝集に対するタダラフィルの処方検討を遊星ボールミル(PM400、Retsch)で実施した。合計11個の異なる立体的および静電気的な製剤を試験した。酸化ジルコニウム製で、粉砕区画体積が1 mlの粉砕区画を用いてこれを実施した。異なる処方の懸濁液を、粉砕媒体の直径がd50,MM=475μmであり、粉砕媒体の充填レベルがφMM=0.5であるイットリウム安定化酸化ジルコニウム(ZrO2、Sigmund Lindner)を用いて粉砕した。タダラフィル粒子に、vsun=400 rpmのサンホイール速度にて2時間粉砕でストレスを加えた。その後、懸濁液を動的光散乱(Nanophox、SympaTec)により測定した。動的光散乱(DLS)の原理は、粒子径の特性評価に用いられており、熱運動における粒子の散乱光強度の検出に基づく。このために、それぞれの懸濁液200μlを蒸留水1 mlで希釈した。その後、希釈した懸濁液をアクリルガラスセルに移し、室温および標準圧力での測定のために装置のビーム経路に置いた。
【0041】
製剤に用いた添加剤、その略称および添加剤のサプライヤーを表1に示す。
【表1】
【0042】
製剤を、蒸留水中で上記添加剤から製造した。懸濁液中のタダラフィル濃度は、常にcm=0.05であった。立体的に安定化された製剤については、cadd=0.4の添加剤濃度を選択した(すべての添加剤含有量は、固形物濃度に基づく)。静電気的に安定化された試料において、ポリマー濃度はcpoly=0.3であり、界面活性剤濃度はcsurfactant=0.1であった。この結果を図1に示す。すべての結果は2回繰り返し測定に基づく。
【0043】
添加剤なしでの粉砕を対照として実施し、これは、x50=7μm未満の平均粒子径を、粒子の安定化なしでは達成できなかったことを明確に示している。粉砕結果は、x50=700 nm未満の粒子径を、ほぼすべての選択した添加剤で2時間の粉砕時間において達成できたことを示す。セルロースのHPCおよびMCを用いると、x50=410 nm未満の平均粒子径を達成できる。しかしながら、最良の結果は、静電気帯電の増加を打ち消し、それ故にタダラフィル粒子をさらに安定化させる、界面活性剤の更なる添加によってのみ達成される。界面活性剤によってもたらされる粒子への更なる帯電は、粉砕中の凝集に対してより効率的な安定化を提供する。x50=230 nmの平均粒子径を達成した最も適切な製剤は、ポリマーPVPと界面活性剤SDSの組合せである。
【0044】
2.タダラフィルの粉砕
医薬活性物質タダラフィル(x50=6.4μm)を、ポリマーのPVPまたはKVAおよび界面活性剤のSDSを含む2つの異なる処方を用いて撹拌ボールミル(MiniCer、Netzsch)において粉砕した。添加剤の商標名およびサプライヤーは表1に示す通りである。
【0045】
6 cm2の口腔内崩壊フィルム(ODF)中に10 mgの活性物質負荷を達成するために、cm=0.033の固形物含有量(mtotal=500 g)を最初に懸濁液に加えた。ポリマー濃度cpoly=0.25および界面活性剤濃度cSDS=0.025(いずれも懸濁液中の固形物含有量に基づく)を加えて、粉砕中の凝集に対して懸濁液を安定化させた。粉砕中に用いたプロセスパラメーターを表2に示す。
【表2】
【0046】
図2は、粉砕の特定のエネルギー入力に関連した粉砕プロセス中の平均粒子径の変化を示す。両方の製剤について、粉砕の最初の数分以内に、初期粒子径 x50=6.4μmからx50=430 nm未満への微細な粒子の急激な増加が観察される。粉砕時間を増加させると、平均粒子径は、Em=55 000 kJ/kgのエネルギー入力までは、KVAとSDSを含む製剤では267 nmに、PVPとSDSを含む製剤では342 nmに減少する。わずかな粒子の凝集がその後観察され、これは、新たに表面が形成された結果、粒子の安定化がもはや十分ではないことに起因している。より小さな平均粒子径を粉砕中に同じエネルギー入力で達成できるため、KVAとSDSを含む製剤が、水性懸濁液中におけるタダラフィル粒子に特に適切であることが明らかである。
【0047】
粉砕の完了後、115 mlの懸濁液を更なる工程のためにミルから取り出した。残りの懸濁液を、ミル中でコーティング物質へ直接処理した。これは、Steiner et al., "Efficient production of nanoparticle-loaded orodispersible films by process integration in a stirred media mill", International Journal of Pharmaceutics, 2016, vol. 511, pp. 804-813に記載の方法を用いて実施した。フィルム結合ポリマーHPMC(Pharmacoat 606、ShinEtsu)をミル中の懸濁液へ直接加え(cHPMC=0.15)、ポリマーが溶解したら20分間均質化を行った。その後、可塑剤グリセロール(cgly=0.05)を加え、コーティング組成物をミル中でさらに5分間再度均質化した。その後、試料をミルから取り出し、気密に密閉した。
【0048】
3.フィルムの製造
材料
【表3】
【0049】
フィルムの製造
フィルム当たりの用量:8.12 mg
フィルム厚さ(湿潤):500μm
フィルムのサイズ:6 cm2
【表4】
【0050】
a)活性物質の粉砕
活性物質を撹拌ボールミル(MiniCer、Netzsch、Germany)中で粉砕した。このために、それぞれの製剤に対応する立体安定化のためのポリマーPVPまたはKVA、静電的安定化のためのSDSを、撹拌しながら蒸留水に溶解させた。その後、活性物質タダラフィルを加えた。9 m/sの速度にて酸化ジルコニウム(325μm;粉砕媒体で80%充填)を用いて、タダラフィル、KVAおよびSDSを含む懸濁液を、140分間湿潤粉砕し、タダラフィル、PVPおよびSDSを含む懸濁液を、180分間湿潤粉砕した。
【0051】
b)フィルムの製造
それぞれの活性物質の粉砕後、フィルム形成ポリマーのHPMCおよび可塑剤グリセロールを、撹拌ボールミル中のそれぞれの懸濁液に加えた。混合物を、6 m/sの速度にてさらに20分間均質化した。混合物をゆっくり(50 rpm)12時間撹拌し、気泡を除去した。フィルムを、室温にて6 mm/sの速度にてポリエチレンテレフタレート上に自動フィルム延伸ベンチ(Coatmaster 500、Erichsen)を用いて500μmのブレード高さで製造した。フィルムを室温にて12時間乾燥後、製造したフィルムを長方形の小片(2×3 cm)に手作業で切断した。
【0052】
分析方法
a)粒子径の決定
懸濁液の粒子径分布を動的光散乱(Nanophox、SympaTec)により決定した。このために、約200μlのそれぞれのフィルム懸濁液を2 mlの蒸留水で希釈し、室温および標準圧力にて測定した。
【0053】
b)溶出
溶出試験を、100 rpmの速度にてパドル撹拌機(DT700、Erweka、Ph. Eur. Apparatus 1)を用いて37±0.5℃の蒸留水900 mlにおいて実施した。このために、フィルムを、ガラス板(φ7 cm)上に両面粘着テープで貼り付け、フィルムがパドル撹拌子の下の中央に配置されるように、これをべセルの底に置いた。公知のシアリス(登録商標)錠剤(5 mg)の場合、ガラス板への貼り付けを省略した。所定の時間に手作業でサンプリングした。試料(4 ml)を採取して、5 ml使い捨てシリンジ(Soft-Ject(登録商標)5 ml)を用いてフリット(孔径100μm)を通し、そしてシリンジフィルター(Puradisc(登録商標)25、Whatman、PVDF膜、φ25 mm、孔径0.2μm)を通してHPLCバイアルへろ過し、ろ液の最初の3 mlを捨てた。ベッセルから取り出した液体を、予め温めておいた(37 ± 0.5℃)蒸留水4 mlと置き換えた。5つ試料を採取した後ごとに、フィルターを交換した。試料濃度をHPLC-MS/MSにより決定した。
【0054】
結果
初期粒子径は6.4μm(×50%(Q3))であった。×50(Q3)は、下記式:
【数1】
を用いた粒子体積の決定に基づき、累積分布Q3から決定した平均粒子径(粒子径中央値)を示す。平均粒子径は、粉砕中にわずか数分後に430μm未満(×50%(Q3))に減少した。粒子径は、KVAとSDSの組合せにおけるタダラフィルの場合267 nm(×50%(Q3))に減少し、PVPとSDSの組合せにおけるタダラフィルについては342 nm(×50%(Q3))に減少した(図2参照)。
【0055】
b)溶出
溶出試験をすべての場合においてnon-sink条件下で実施した、すなわち水性媒体中のタダラフィルの飽和濃度を超えた結果、沈殿の形成を伴う飽和溶液となった。したがって、放出されるタダラフィルの量は、溶出媒体(蒸留水)中の活性物質の溶解度に依存する。図3は、2つのフィルム製剤の溶出曲線に対する公知のシアリス(登録商標)錠剤(5 mg)の溶出曲線を示す。これは、フィルム製剤および錠剤の両方が速やかに崩壊する医薬形態であるため、異なる製剤の溶出速度がほとんど異ならないことを示す。フィルム製剤は、市販品のシアリス(登録商標)よりいくらか速く(最初の30分以内)活性物質タダラフィルを放出する。しかしながら、フィルム製剤は、著しくより高い最高濃度に達することが明確に分かる。これは特に、タダラフィル、KVAおよびSDSを含むフィルムで顕著である。これは、全体的な溶解度を著しく増加させ、これにより活性物質の溶出速度を高める、フィルム中の活性物質粒子のサイズの著しい減少が寄与し得る。
【0056】
健常ボランティアにおける浸透試験
a)方法
試験の組入れ基準は、年齢が18歳以上で、深刻な併存症がないことであった。試験の除外基準は、試験フェーズの開始時(t0)にタダラフィルの検出であった。
【0057】
b)薬物動態試験
以下の製剤を試験で用いた:
-比較として、Lilly Pharmaの市販品シアリス(登録商標)、10 mg(勃起不全の処置に通常の用量)
-タダラフィル、KVAおよびSDSを含むフィルム、上記フィルムの製造での生成物、8 mg
-タダラフィル、PVPおよびSDSを含むフィルム、上記フィルムの製造での生成物、8 mg
【0058】
c)クロスオーバー試験 - 血漿濃度の決定
クロスオーバー試験は、標的パラメーター、例えば処置形態または血漿濃度の比較を可能にする。このような試験では、検討薬剤を同じ対象体に連続して投与する。並行比較群を用いる従来の試験と比較して、クロスオーバー試験には、標的パラメーター(例えば血漿濃度)のより小さな差異が統計学的に有意となる、または有意差を決定するのに必要とされる参加者がより少ないという利点がある。
【0059】
クロスオーバー試験において、いわゆるキャリーオーバー効果、すなわち最初の薬剤の投与の効果が後の投与フェーズへ持ち越されることを考慮しなければならない。したがって、最初の薬剤の効果がもはや存在しないことを確保するために、何も投与されない処置段階の間の間隔が必要である。よって、血漿活性物質濃度を、各試験フェーズの開始時(時間t0)に決定し、活性物質が検出されない、すなわちt0=0といえる場合、試験結果を評価する。
【0060】
結果:
図4〜7は、血漿濃度を決定するためのクロスオーバー試験の試験結果のプロット(y軸=濃度(ng/ml);x軸=時間(分))を示す。
【0061】
図4および5は、4名の異なる対象体における血清濃度の平均値を示す。線Aは、微細化ポリマーPVPおよび界面活性剤SDSを含むフィルムコーティング錠(ODF)中に製剤化されているタダラフィル8 mgの投与後の血清濃度を表すが、図4においてこの線を独立してラベルし、概要のより速い理解のために<40分のtmax値のラベルも含む。微細化ポリマーKVAおよび界面活性剤SDSを含むフィルムコーティング錠(ODF)中に製剤化されているタダラフィル8 mgの投与後の血清濃度を同様にラベルし、同様に概要のより速い理解のために<40分のtmax値のラベルも含む。図5における線Bは、市販錠剤のシアリス(登録商標)(Lilly Pharma)中に製剤化されているタダラフィル10 mgの投与後の血清濃度を表すが、図4においてこの線を独立してラベルし、概要のより速い理解のために>240分のtmax値のラベルも含む。
【0062】
図6および7は、個々の対象体DSおよびJBについての個々の値を示す。線Aは、微細化ポリマーPVPおよび界面活性剤 SDSを含むフィルムコーティング錠(ODF)中に製剤化されているタダラフィル8 mgの投与後の血清濃度を表す。線Bは、市販錠剤のシアリス(登録商標)(Lilly Pharma)中に製剤化されているタダラフィル10 mgの投与後の血清濃度を表す。
【0063】
結論
例示的な実施態様において、微細化ポリマーと界面活性剤を組み合わせて加えることにより、撹拌ボールミルを用いるとき、500 nmより十分小さい、特に390 nm未満の平均粒子径を有する粉砕された活性物質粒子の問題のない安定化を可能することが示された。Steiner et al., "Efficient production of nanoparticle-loaded orodispersible films by process integration in a stirred media mill," International Journal of Pharmaceutics, 2016, vol. 511, pp. 804-813に従って撹拌ボールミルにおけるフィルム塊のインライン製造は実施容易である。この方法でフィルムを問題なく製造することができる。活性物質の溶出の対応する試験は、水性媒体中における活性物質タダラフィルの一般的溶解度および溶出速度の両方を、活性物質粒子の粉砕により著しく増加させることができることを示す。更なる試験において、PVPまたはKVAを用いたときに、より速い作用の発生およびバイオアベイラビリティの増加により薬理学的効率の増加をもたらすことをさらに示した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】