特表2021-514111(P2021-514111A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シェンチェン シニア テクノロジー マテリアル カンパニー リミテッドの特許一覧 ▶ ジャンス シニア ニュー マテリアル テクノロジー カンパニー リミテッドの特許一覧

特表2021-514111電池、電池用セパレータ及びその製造方法
<>
  • 特表2021514111-電池、電池用セパレータ及びその製造方法 図000005
  • 特表2021514111-電池、電池用セパレータ及びその製造方法 図000006
  • 特表2021514111-電池、電池用セパレータ及びその製造方法 図000007
  • 特表2021514111-電池、電池用セパレータ及びその製造方法 図000008
  • 特表2021514111-電池、電池用セパレータ及びその製造方法 図000009
  • 特表2021514111-電池、電池用セパレータ及びその製造方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-514111(P2021-514111A)
(43)【公表日】2021年6月3日
(54)【発明の名称】電池、電池用セパレータ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/409 20210101AFI20210507BHJP
【FI】
   H01M2/16 L
   H01M2/16 M
   H01M2/16 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2020-566870(P2020-566870)
(86)(22)【出願日】2019年5月6日
(85)【翻訳文提出日】2020年8月18日
(86)【国際出願番号】CN2019085704
(87)【国際公開番号】WO2019218888
(87)【国際公開日】20191121
(31)【優先権主張番号】201810471842.3
(32)【優先日】2018年5月16日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518279484
【氏名又は名称】シェンチェン シニア テクノロジー マテリアル カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520313312
【氏名又は名称】ジャンス シニア ニュー マテリアル テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU SENIOR NEW MATERIAL TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】特許業務法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヤンジィ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,シュエメイ
(72)【発明者】
【氏名】タン,ビン
(72)【発明者】
【氏名】ウ−,チジェ
【テーマコード(参考)】
5H021
【Fターム(参考)】
5H021BB12
5H021BB13
5H021BB19
5H021CC01
5H021CC04
5H021EE01
5H021EE03
5H021EE04
5H021EE05
5H021EE06
5H021EE07
5H021EE10
5H021EE11
5H021EE15
5H021EE21
5H021EE22
5H021EE31
5H021EE32
5H021HH01
5H021HH03
5H021HH06
(57)【要約】
電池、電池用セパレータ及びその製造方法は、電池の分野に属する。電池用セパレータは、第1部材と第2部材とからなる複合構造を有する。セパレータは、第1部材が、セパレータの熱安定性を改善することに用いられる改質材料により製造され、層状に分布されるナノワイヤの堆積体である。第2部材は、セパレータの本体を構成するベース材料により製造され、第1部材が、第2部材に載せられるとともに第2部材に支持される。電池用セパレータは、良好な熱安定性を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池用セパレータであって、
第1部材と第2部材とからなる複合構造を有し、
前記第1部材は、前記電池用セパレータの熱安定性を改善することに用いられる改質材料により製造され、層状に分布されるナノワイヤの堆積体であり、
前記第2部材は、前記電池用セパレータの本体を構成するベース材料により製造され、前記第1部材が、前記第2部材に載せられるとともに前記第2部材に支持される
ことを特徴とする電池用セパレータ。
【請求項2】
前記第1部材は、ミクロンオーダー及び/又はサブミクロンオーダー以下の厚さを有するものであることを特徴とする請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項3】
前記第1部材は、厚さが0.01〜1μmであることを特徴とする請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項4】
前記ナノワイヤは、長さと直径の比が50を超えることを特徴とする請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項5】
前記ナノワイヤは、直径が1〜100nmであり、長さが0.1〜100μmであることを特徴とする請求項4に記載の電池用セパレータ。
【請求項6】
前記改質材料は、炭素ナノチューブ、銀ナノワイヤ、炭化ホウ素ナノワイヤ、ナノセルロース、水酸化銅ナノワイヤ、一酸化ケイ素ナノワイヤ、ハイドロキシアパタイトナノワイヤのうちの1種又は複数種を含むことを特徴とする請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項7】
前記ベース材料は、有機高分子材料であり、好ましくは、前記有機高分子材料がポリオレフィンを含み、より好ましくは、前記ポリオレフィンがポリエチレンを含むことを特徴とする請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項8】
第1部材は、多孔質構造を有することを特徴とする請求項1に記載の電池用セパレータ。
【請求項9】
電池用セパレータの製造方法であって、
前記電池用セパレータは、第1部材と第2部材とを有し、前記第1部材が層状で前記第2部材に載せられるとともにナノワイヤにより構成され、
前記製造方法は、
分散剤に前記ナノワイヤが分散される分散液を用意するステップと、
前記ナノワイヤを層状で前記第2部材の表面に載せるように、前記分散液を前記第2部材の表面に移し、前記第2部材の表面の前記分散液における前記分散剤を取り除くステップとを含む
ことを特徴とする電池用セパレータの製造方法。
【請求項10】
前記分散剤は、水、エタノール、アセトン、N−メチルピロリドンのうちの1種又は複数種を含むことを特徴とする請求項9に記載の電池用セパレータの製造方法。
【請求項11】
前記分散液は、接着剤をさらに含み、好ましくは、前記接着剤が、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピロリドン、ポリイミドのうちの1種又は複数種を含み、より好ましくは、前記分散液が、補助剤をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の電池用セパレータの製造方法。
【請求項12】
分散液におけるナノワイヤの質量濃度は0.01〜50%であり、前記接着剤の質量濃度が0.01〜49%であることを特徴とする請求項10に記載の電池用セパレータの製造方法。
【請求項13】
前記分散液は、塗布により前記第2部材の表面に移され、好ましくは、前記塗布が、スピンコート、ドクターブレードコート又はディップコートで実現されることを特徴とする請求項9に記載の電池用セパレータの製造方法。
【請求項14】
前記分散液は、ディップコートにより前記第2部材の表面に移され、
前記ディップコートは、前記第2部材を、引張により緊張させる状態で、第1の所定速度で前記分散液に浸漬させ、第2の所定速度で前記分散液から脱離させることを含み、
好ましくは、前記第2部材が、複数のロールからなる張架系により緊張され、前記張架系が、前記第2部材を前記分散液に浸漬させるためのディップロールを少なくとも1つ備え、前記ディップロールの一部又は全部が前記分散液に入り、
より好ましくは、前記ディップロールが、空洞部と、前記空洞部と連通するとともに表面まで延在する通気孔通路とを有し、前記第2部材が、前記ディップロールの表面と面接触し、前記空洞部内に所定の真空度を有し、
さらに好ましくは、前記真空度が0.01〜0.1MPaである
ことを特徴とする請求項9に記載の電池用セパレータの製造方法。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の電池用セパレータを有することを特徴とする電池。
【請求項16】
前記電池は、リチウムイオン電池であることを特徴とする請求項15に記載の電池。
【請求項17】
前記リチウムイオン電池は、充電可能なリチウムイオン電池であることを特徴とする請求項16に記載の電池。
【請求項18】
前記電池は、前記電池用セパレータが内蔵されるハウジングと、前記電池用セパレータにより隔離される正極及び負極とを有し、前記正極と前記電池用セパレータとの間に正極部が形成され、前記負極と前記電池用セパレータとの間に負極部が形成されることを特徴とする請求項15に記載の電池。
【請求項19】
前記正極部及び前記負極部に同様な電解液が注入されることを特徴とする請求項18に記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関係出願の相互参照]
本出願は、2018年05月16日に中国国家知識産権局に提出された出願番号が2018104718423であり、名称が「電池、電池用セパレータ及びその製造方法」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その全ての内容は、参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、電池の分野に属し、具体的に、電池、電池用セパレータ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
リチウムイオン電池は、広く使用されている二次電池である。リチウムイオン電池は、おもに正極と負極との間でのリチウムイオンの移動により作動する。充放電過程において、Li+は2つの電極の間で往復に挿入したり脱離したりする。充電時に、Li+が正極から脱離し、電解質を通って負極に挿入し、負極がリチウムリッチの状態になり、そして、負極に挿入されるリチウムイオンが多いほど、充電の容量が高くなる。充電時と逆に、放電時に、負極の炭素層に挿入されるリチウムイオンが離脱し、電解質を通って正極に戻り、正極に戻るリチウムイオンが多いほど、放電の容量が高くなる。
【0004】
リチウムイオン電池は、単体の電池の作動電圧が高く、比エネルギーが大きく、サイクル寿命が長く、自己放電が小さく、無公害で、メモリ効果がない等の利点を有するため、従来の電池に代わって、携帯電話、携帯型設備、自動車、航空、科学研究、娯楽及び軍事等の現代の電気分野に広く応用されている。
【0005】
リチウムイオン電池は、おもに正極材料、負極材料、セパレータ、電解液の4種の材料により構成される。セパレータは、重要な一構成部分として、その性能に対して重要な役割を果たしている。電池用セパレータ(battery separator)は、電池の正極と負極との間のセパレータ材料の層を指し、通常、電池用セパレータと称する。電池用セパレータの主な役割は、正極と負極を隔離して、電池における電子が自由に通ることを阻止するとともに、電解液におけるイオンを正負極間に自由に通らせることである。
【0006】
電池用セパレータのイオン伝導能力が電池全体の性能に直接関わっている。正負極に対する隔離により、電池が過充電され又は温度が上昇する場合に電流の上昇を抑え、電池の短絡に起因した爆発を防止することができ、さらに、微細孔閉塞による保護作用を有し、電池の利用者や設備に対して安全保護の役割を果たしている。ポリオレフィン材料が低価で、良好な機械強度及び化学的安定性を有し、総合性能が優れ、低コスト等の利点を有するため、微多孔質セパレータとして広く使用される。しかし、熱安定性が良くないため、電池でのさらなる応用が制限される。
【0007】
背景技術に開示される情報は、本開示の背景技術全体に対する理解を深めるためのものにすぎず、当該情報が当業者にとって周知の従来技術であると認めたり、他の方式で暗示したりするものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
目的は、電池用セパレータにおいて、複合構造を有し、従来の電池用セパレータを革新し、改質材料を用いることによりその熱安定性を改善するとともに、改質材料をナノワイヤの形態で利用することにより、改質材料の使用に起因したセパレータの厚さ及び重量の増加の問題を避けることができ、厚さ及び重量の増加を抑えながら電池用セパレータの熱安定性を保つことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、電池用セパレータを提供する。電池用セパレータは、第1部材と第2部材とからなる複合構造を有する。セパレータは、第1部材が、電池用セパレータの熱安定性を改善することに用いられる改質材料により製造され、層状に分布されるナノワイヤの堆積体であり、第2部材が、電池用セパレータの本体を構成するベース材料により製造され、第1部材が、第2部材に載せられるとともに第2部材に支持される。
【0010】
1つ又は複数の例において、第1部材は、ミクロンオーダー及び/又はサブミクロンオーダー以下の厚さを有するものである。
【0011】
1つ又は複数の例において、第1部材は、厚さが0.01〜1μmである。
【0012】
1つ又は複数の例において、ナノワイヤは、長さと直径の比が50を超える。
【0013】
1つ又は複数の例において、ナノワイヤは、直径が1〜100nmであり、長さが0.1〜100μmである。
【0014】
1つ又は複数の例において、改質材料は、炭素ナノチューブ、銀ナノワイヤ、炭化ホウ素ナノワイヤ、ナノセルロース、水酸化銅ナノワイヤ、一酸化ケイ素ナノワイヤ、ハイドロキシアパタイトナノワイヤのうちの1種又は複数種を含む。
【0015】
1つ又は複数の例において、ベース材料は、有機高分子材料である。
【0016】
1つ又は複数の例において、有機高分子材料は、ポリオレフィンを含む。
【0017】
1つ又は複数の例において、ポリオレフィンは、ポリエチレンを含む。
【0018】
1つ又は複数の例において、第1部材は、多孔質構造を有する。
【0019】
本開示は、上記の電池用セパレータを製造する方法をさらに提供する。
【0020】
電池用セパレータの製造方法は、下記の構成を有する電池用セパレータを製造すること用いられる。
【0021】
電池用セパレータは、第1部材と第2部材とを有し、第1部材が層状で第2部材に載せられるとともにナノワイヤにより構成され、
製造方法は、分散剤にナノワイヤが分散される分散液を用意するステップと、ナノワイヤを層状で第2部材の表面に載せるように、分散液を第2部材の表面に移し、第2部材の表面の分散液における分散剤を取り除くステップとを含む。
【0022】
1つ又は複数の例において、分散剤は、水、エタノール、アセトン、N−メチルピロリドンのうちの1種又は複数種を含み、接着剤をさらに含む。
【0023】
1つ又は複数の例において、接着剤は、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピロリドン、ポリイミドのうちの1種又は複数種を含む。
【0024】
1つ又は複数の例において、分散液は、補助剤をさらに含む。
【0025】
1つ又は複数の例において、分散液におけるナノワイヤの質量濃度は0.01〜50%であり、接着剤の質量濃度が0.01〜49%である。
【0026】
1つ又は複数の例において、分散液は、塗布により第2部材の表面に移される。
【0027】
1つ又は複数の例において、塗布は、スピンコート、ドクターブレードコート又はディップコートで実現される。
【0028】
1つ又は複数の例において、分散液は、ディップコートにより第2部材の表面に移され、ディップコートは、第2部材を、引張により緊張させる状態で、第1の所定速度で分散液に浸漬させ、第2の所定速度で分散液から脱離させることを含む。
【0029】
1つ又は複数の例において、第2部材は、複数のロールからなる張架系により緊張され、張架系が、第2部材を分散液に浸漬させるためのディップロールを少なくとも1つ備え、ディップロールの一部又は全部が分散液に入る。
【0030】
1つ又は複数の例において、ディップロールは、空洞部と、空洞部と連通するとともに表面まで延在する通気孔通路とを有し、第2部材が、ディップロールの表面と面接触し、空洞部内に所定の真空度を有する。
【0031】
1つ又は複数の例において、真空度は0.01〜0.1MPaである。
【0032】
本開示に係る電池は、上記の電池用セパレータを有する。
【発明の効果】
【0033】
本開示に係る電池用セパレータは、複合構造を有し、従来の電池用セパレータを革新し、改質材料を用いることによりその熱安定性を改善する。さらに、改質材料をナノワイヤの形態で利用することにより、改質材料の使用に起因したセパレータの厚さ及び重量の増加の問題を避けることができ、厚さ及び重量の増加を抑えながら電池用セパレータの熱安定性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本開示における実施例による第1種の電池用セパレータの構成模式図である。
図2】本開示における実施例による第2種の電池用セパレータの構成模式図である。
図3】本開示における実施例による第2種の電池用セパレータを製造するための膜形成装置の構成模式図である。
図4図3に示す膜形成装置におけるディップロールの第1方向の構成を示す模式図である。
図5図3に示す膜形成装置におけるディップロールの第2方向の構成を示す模式図である。
図6図3に示す膜形成装置におけるディップロールの軸方向に沿う断面の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするため、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明瞭、完全に説明する。説明する実施例は、本開示の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことが無論である。通常、ここで図面を用いて説明し、示した本開示の実施例の部品は、それぞれの組み合わせで配置、設計することが可能である。このため、以下の、図面に示された本開示の実施例に対する詳細な説明は、本開示の選択された実施例を示すものにすぎず、保護しようとする本開示の範囲を限定するものではない。本開示の実施例をもとに、当業者が発明能力を用いることなく得たすべての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0036】
なお、同様な符号は、図面において同様なものを示すので、1つの図面で定義された場合、その他の図面でさらに定義、解釈することが不要になる。
【0037】
本開示の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」等の用語で表された方向又は位置関係は、図面に基づくものであり、又は、該開示の製品の通常の配置方向又は位置関係であり、本開示を便宜及び簡略に説明するためのものにすぎず、該当装置又は素子が、必ずしも定められた方向を有したり、定められた方向に構成、操作されたり、することを明示又は暗示するものではないため、本開示を限定するものではないと理解すべきである。また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、区別して説明するためのものにすぎず、相対重要性を明示又は暗示するものではない。
【0038】
本開示の説明において、明確な規定や限定がない限り、用語「設置」、「取付」、「連係」、「接続」を、広義的に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。また、直接に接続してもよいし、中間物を介して間接に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者は、本開示における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0039】
本開示では、明確な規定や限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」に位置するとは、第1の特徴と第2の特徴が直接接触してもよく、第1の特徴と第2の特徴が直接接触せず、その間の別の特徴を介して接触してもよい。そして、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」又は「上面」に位置することは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上に位置することを含み、又は第1の特徴の高さが第2の特徴の高さより高いことだけを表す。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」又は「下面」に位置することは、第1の特徴が第2の特徴の真下及び斜め下に位置することを含み、又は第1の特徴の高さが第2の特徴の高さより小さいことだけを表す。
【0040】
本開示では、矛盾又は衝突がない限り、本開示の全ての実施例、実施形態及び特徴を結合したり組み合わせたりすることができる。本開示では、常用の設備、装置、部品等は、市販のものを使用してもよく、本開示に開示される内容を参照して製造してもよい。本開示において、本開示の要点を強調するため、一部の常用の操作及び設備、装置、部品を省略し、又は簡単に説明しする。
【0041】
従来技術では、電池用セパレータ、特にリチウムイオン電池(一次電池と二次電池を含む)に用いられるポリオレフィンセパレータは、熱安定性が劣るので、改質させて熱安定性を向上させるため、従来のセパレータをもとに改良しなければならない。発明者は、実践から、従来の(電池)セパレータの表面にアルミナ等の無機材料を塗布することにより、簡単、効果的に、セパレータの熱安定性を改善できることを見出した。
【0042】
しかし、発明者は、従来の塗布手段の場合、調整されたセパレータの一部の特性が損なわれ、例えば、厚さや重量が顕著に増大し、セパレータの使用性能が劣ることを見出した。
【0043】
本実施例では、セパレータの熱安定性と、厚さ及び重量を顕著に増大しない面とを兼ねるため、セパレータの熱安定性を向上できる材料を、ナノワイヤの形態でセパレータ材料に載せる。本実施例では、1次元ナノワイヤを被覆層(例えば、塗布で実現される)材料とする。1次元ナノワイヤは、寸法及び密度が無機材料よりはるかに小さく、厚さをより小さく抑えることができる。
【0044】
また、1次元ナノワイヤは、その独特な構造特徴及び界面効果を有するので、セパレータに新たな特性を付与し、又は従来の特性を改善する能力がある。
【0045】
図1図6を参照する。
【0046】
図1に示すように、本実施例による電池用セパレータは、多層の複合構造である。電池用セパレータは、第1部材100と第2部材200とからなる複合構造を有する。さらに、必要に応じて上記の電池用セパレータ構造を改質させることができる。例えば、図2に示すように、電池用セパレータは、第1部材100と第2部材200とからなる複合構造を有し、第1部材が、複数の孔を有する多孔質構造300をさらに備える。
【0047】
また、図1図2は、電池用セパレータの構成を模式的に示すものにすぎず、第1部材の絶対厚さ、第2部材の絶対厚さ、及びその大小関係、比例関係について、図面に示された寸法及び比例で特定することができない。ただし、電池用セパレータにおける第1部材の厚さは、第2部材の厚さよりも顕著に小さい。
【0048】
例えば、一部の例では、第1部材がサブミクロンオーダー又はミクロンオーダーの厚さを有するものであり、第2部材がミリメートルオーダー又はセンチメートルオーダーの厚さを有するものである。一部の具体的、選択可能な例では、第1部材の厚さは、0.01〜1ミクロン(μm)であってもよい。さらに、0.03μm、0.05μm、0.08μm、0.1μm、0.4μm、0.6μm、0.8μm、1μmのうちの任意の値であってもよく、任意の2つの値により特定される範囲における任意の値であってもよい。なお、第1部材の厚さは、具体的な製品仕様や実験効果に応じて規定すればよく、本開示における実施例では具体的に限定しない。
【0049】
さらに、本実施例では、第1部材は、ナノワイヤにより構成されるため、第1部材とナノワイヤとの性能上の差異、その製造方法の難易度、及び電池用セパレータの性能に基づいて、ナノワイヤの仕様を以下のように限定することが可能である。例えば、ナノワイヤの長さと直径の比が50を超えるようにしてもよい。さらに、例えば、長さと直径の比が146、138、127等であってもよい。さらに、ナノワイヤの長さ及び直径を適切にコントロールすることにより、長さと直径の比を調整することが可能である。例えば、ナノワイヤの直径を1〜100nmに設定し、長さを0.1〜100μmに設定する。一部の具体的、選択可能な例では、ナノワイヤの直径が100nmであり、長さが5μmである。
【0050】
電池用セパレータの材料について、複数の選択肢があり、具体的な実際状況に応じて選択することができる。
【0051】
第1部材は、セパレータの熱安定性を改善することに用いられる改質材料により製造され、層状に分布されるナノワイヤの堆積体である。通常、第1部材は、巨視的に、薄い膜(膜層)の形式のものであり、上記のようなサブミクロンオーダー又はミクロンオーダーの厚さを有するものである。
【0052】
また、上記の第1部材は、ナノワイヤの堆積体であるが、ナノワイヤの堆積体が多種の形態を有する。例えば、第1部材は、ナノワイヤの直径に相当する厚さを有する単層の堆積体構造であり、ナノワイヤがアレイ配列される。縦方向において、同列におけるナノワイヤが一列に順に配列され、横方向において、複数の列が並列に配置される。又は、一部の例では、ナノワイヤが縦横に交差して堆積される。又は、他の一部の例では、ナノワイヤが不規則に交差して堆積される。ナノワイヤの堆積方式は、電池用セパレータの製造方法に応じて特定すればよく、本開示における実施例では具体的に限定しない。さらに、ナノワイヤからなる堆積体は、2層、3層又はより多くの層により構成されてもよい。また、各層の製造方法及び堆積方式が同様であってもよいし、異なっても良い。
【0053】
ナノワイヤにより適当な方式で構成される堆積体である第1部材は、ポロシティが高く、孔径が均一で、軽量で、強度が高い。このため、ナノワイヤ被覆層は、ポリオレフィンセパレータの熱安定性問題を解決できるとともに、薄く、軽量で、電池の軽量化、高エネルギーの発展趨勢に適する。
【0054】
また、上記の孔を有する第1部材は、ナノワイヤを第2部材に堆積して形成されてもよい。つまり、孔は、電池用セパレータの製造プロセスで意図せずに形成されたものであってもよく、意図的にコントロール(分布の密度、分布の方式、孔径の大きさ)して形成されたものであってもよい。孔の構成形態(例えば、孔径、ポロシティ等)をコントロールすることにより、第1部材と第2部材とを有する電池用セパレータを電池に適用する場合、イオンの運動に対する影響を調整することができる。
【0055】
また、改質材料について、複数の選択肢があり、例えば、炭素ナノチューブ、銀ナノワイヤ、炭化ホウ素ナノワイヤ、ナノセルロース、水酸化銅ナノワイヤ、一酸化ケイ素ナノワイヤ、ハイドロキシアパタイトナノワイヤから1種又は複数種を選択できる。
【0056】
第2部材は、セパレータの本体を構成するベース材料により製造され、第1部材が、第2部材に載せられるとともに第2部材に支持される。なお、上記のセパレータの本体は、従来技術における電池用セパレータそのものであってもよい。本実施例では、電子を止めるとともにイオンを通らせることができるセパレータが、本体として提供、利用され、電子及びイオンのそれぞれに対応する役割を果たす。
【0057】
上記のように、第1部材を製造するための改質材料について、複数の選択肢があり、同様に、第2部材を製造するためのベース材料についても、複数の選択肢があり、そして、具体的な性能及びプロセス要求に応じて適宜に選択できる。
【0058】
本実施例では、第2部材は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のようなポリオレフィンを用いることが好ましい。
【0059】
上記の電池用セパレータをもとに、本開示における実施例は、電池をさらに提供し、その電池が、一次電池又は二次電池であってもよく、例えば充電可能なリチウムイオン電池である。電池は、上記の電池用セパレータが内蔵されるハウジングと、電池用セパレータにより隔離される正極及び負極とを有する。正極と電池用セパレータとの間に正極部が形成され、負極と電池用セパレータとの間に負極部が形成される。正極部及び負極部に同様な電解液が注入される。
【0060】
上記の電池用セパレータに対応して、本開示における実施例は、電池用セパレータの製造方法をさらに提供する。
製造方法は、下記のステップを含む。
ステップS101では、分散剤にナノワイヤが分散される分散液を用意する。
【0061】
ナノワイヤは、分散剤に十分に分散されることが好ましい。そして、ナノワイヤの構造を保つため、分散剤として、ナノワイヤに対する貧溶媒を用いることが一般であり、つまり、分散剤が、ナノワイヤを顕著に溶解してそのナノ構造を破壊するものではない。
【0062】
また、ナノワイヤは、分散剤に集中して沈まず、分散剤に均一分散されることが好ましい。一部の例では、サスペンション、懸濁液、エマルジョンの形態で存在する分散液を選択して使用することができる。
【0063】
本開示における一部の実施例では、例として、分散剤は、水を用い、ナノワイヤは、炭素ナノチューブを用いる。超音波処理、高速攪拌等の振動方式により炭素ナノチューブを均一に水に分散させることができる。通常、ナノワイヤの分散剤における分布の不均一の問題を避けるために、分散液をその場で調製し、その場で使用することが好ましい。ただし、あまり高く要求されていない場合又は分散の均一性が比較的に優れる安定である分散液を用いる場合、分散液を予め調製し又は購入して使用してもよい。また、ナノワイヤの分散液における濃度は、0.01〜50wt%であり、例えば、0.1〜43wt%、3〜36wt%、14〜29wt%等であってもよい。
【0064】
ナノワイヤの材質の選択について、上記を参照でき、ここで説明を省略する。
【0065】
一部の改良の案では、第1部材と第2部材との結合の確実性を改善するため、通常、分散剤に接着剤を添加する。通常、接着剤が分散剤に相溶するものであり、即ち、顕著な層分け等が生じてナノワイヤの分布の均一性を損なうことがない。
【0066】
例えば、本実施例では、分散剤は、水、エタノール、アセトン、N−メチルピロリドンから1種又は複数種を選択できる。接着剤は、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピロリドン、ポリイミドから1種又は複数種を選択できる。接着剤の質量濃度は、0.01〜49%、5〜37%、11〜27%、16〜20%等であってもよい。
【0067】
さらに、湿潤作用を持たせるため、分散剤に、補助剤であるグリセロール、ブチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン−チオエーテルを添加することができる。
【0068】
ステップS102は、ナノワイヤを層状で第2部材の表面に載せるように、分散液を第2部材の表面に移し、第2部材の表面の分散液における分散剤を取り除く。
【0069】
分散液を移す方式は、例えば、スピンコート、ドクターブレードコート又はディップコートのような塗布であってもよい。分散液における分散剤を取り除くことは、蒸発により実現される。例えば、分散液を載せる第2部材に対して加熱して分散剤(例えば、水)を蒸発させる。加熱の方式として、放射線加熱を用いることができる。また、蒸発方式の不合理に起因する、形成された第1部材の第2部材との結合の確実性を損なうことを避けるように、分散液の蒸発速度を適切にコントロールする。
【0070】
本開示の好ましい改良の例では、分散液は、ディップコートにより第2部材の表面に移される。
例えば、ディップコートは、下記のように行われる。
第2部材を、引張により緊張させる状態で、第1の所定速度で分散液に浸漬させ、第2の所定速度で分散液から脱離させる。第2部材が分散液を通るとき、分散液におけるナノワイヤ又は選択的に添加された接着剤は、化学作用、吸着作用、毛細管現象等の作用により第2部材に結合される。そして、ナノワイヤを第2部材の表面に残すように、適切な方式で分散液における分散剤を第2部材の表面から取り除く。
【0071】
特に、本実施例では、膜形成装置により分散液を第2部材に移す。図3に示すように、膜形成装置の構成は、下記のようになる。
【0072】
膜形成装置は、分散液を貯蔵するための液体貯蔵タンク401を有する。
【0073】
膜形成装置は、張架系402をさらに有する。張架系は、複数のロールを備える。図3に示すように、張架系は、3つのロールを備え、そのうち、1つのロールがその他の2つのロールの間に配置され、3つのロールの平面における投影像の中心点を結ぶ線により三角形を構成することができる。電池用セパレータにおける第2部材は、張架系により緊張される。張架系は、第2部材200を分散液に浸漬させるためのディップロール403(即ち、上記の中間部分に位置するロール)を少なくとも1つ備え、ディップロールの一部又は全部が分散液に入る(一例として、入り深さは、その半径の1/4〜全部である)。
【0074】
ディップロールが入る深さは、ディップロールを分散液に対して例えば垂直運動のような適宜の方式で駆動させるための移動機構(図示しない)により調整することができる。また、張架系は、ディップロール以外の2つのロールの位置を変更せずに、ディップロールが入る深さを調節できるように、第2部材を適当に駆動することができるように構成される。又は、一部の例では、ディップロールの入り深さの調節をより容易にコントロールするように、張架系を構成する3つのロールのいずれも移動できるようにする。
【0075】
より好ましくは、ディップロール403は、空洞部4031と、空洞部と連通するとともに表面まで延在する通気孔通路4032とを有する。第2部材は、ディップロールの表面と面接触する。空洞部内に所定の真空度を有し、例えば、真空度が0.01〜0.1MPaである。ディップロールに所望の真空度を発生するための真空発生器(図示しない)は、市販の真空ポンプ等の設備を用いることができる。
【0076】
このようにして、第2部材が分散液を通るとき、分散液が負圧の作用で第2部材の表面によりよく吸着、結合することができる。また、ディップロールの通気孔通路をコントロールすることにより、第1部材のポロシティ、孔径、孔の分布方式を調整して、所望な効果を得ることができる。
【0077】
また、分散液におけるナノワイヤの濃度、ディップロールが分散液に入る深さ、ディップロールの真空度を調整することにより、第1部材の厚さの調整を実現することができる。発明者は、溶液の濃度が大きいほど、被覆層が厚くなり、入り深さが深いほど、被覆層が厚くなり、真空度が高いほど、被覆層が厚くなることを発見した。
【0078】
また、本開示における実施例では、電池用セパレータは、層状構造であり、複数層の膜構造である。そのうち、第2部材はベース膜となり、第1部材は表面膜となる。表面膜は、1層からなるものであってもよく、複数層からなるものであってもよい。表面膜は、複数層からなるものである場合、それぞれベース膜の厚さ方向の2つの側面に配置し又は厚さ方向の2つの側面のうちの任意の1面だけに配置することができ、それぞれベース膜の厚さ方向の2つの側面に配置するとき、各側面に配置される表面膜の層数が、同じであってもよく異なってもよい。
【0079】
以下、表1に、製造材料、プロセス及び性能を含む電池用セパレータの複数の実施例を示した。
【0080】
【表1】
上記の実施例1〜4による電池用セパレータを用いて電池を製造し、その電気性能を測定し、測定結果は、下記の表2に示される。
【0081】
【表2】
表2に示される実施例1〜4、比較例1〜6において、電池は、同様な構造を有し、正極、負極、電解液及びセパレータを含む。
その主な相違として、実施例1〜4における電池のセパレータは、本開示における実施例による方法で製造され、ナノワイヤ被覆層が載せられているものである。比較例1〜4における電池のセパレータは、市販の製品を用い、ミリメートルオーダーの顆粒状物質からなる被覆層が載せられているものである。比較例5、6における電池のセパレータは、市販の製品を用い、被覆層を形成するための物質が載せられていないものである。各実施例及び比較例における電池用セパレータのベースとする例えばポリエチレン膜、ポリプロピレン膜は、市販の製品である。ポリエチレン膜、ポリプロピレン膜は、例えば、ウェット法の非織成方法により製造することができる。
【0082】
上記の表1及び表2から分かるように、本開示における実施例による電池用セパレータを用いる場合、電池用セパレータの熱安定性が顕著に改善されたとともに、電池の電池容量維持率がある程度に改善された。上記の表1及び表2において、TDはセパレータの横方向の熱安定性(熱収縮率)を表し、MDは縦方向の熱安定性(熱収縮率)を表す。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本開示に係る電池用セパレータは、複合構造を有し、従来の電池用セパレータを革新し、改質材料を用いることによりその熱安定性を改善する。さらに、改質材料をナノワイヤの形態で利用することにより、改質材料の使用に起因したセパレータの厚さ及び重量の増加の問題を避けることができ、厚さ及び重量の増加を抑えながら電池用セパレータの熱安定性を保つことができる。
【符号の説明】
【0085】
100…第1部材、200…第2部材、300…多孔質構造、401…貯蔵タンク、402…張架系、403…ディップロール、4031…空洞部、4032…通気孔通路、200…第2部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】