特表2021-514276(P2021-514276A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キネティック イノベイティブ シーティング システム エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特表2021514276-人間工学的に設計された座席の構造 図000003
  • 特表2021514276-人間工学的に設計された座席の構造 図000004
  • 特表2021514276-人間工学的に設計された座席の構造 図000005
  • 特表2021514276-人間工学的に設計された座席の構造 図000006
  • 特表2021514276-人間工学的に設計された座席の構造 図000007
  • 特表2021514276-人間工学的に設計された座席の構造 図000008
  • 特表2021514276-人間工学的に設計された座席の構造 図000009
  • 特表2021514276-人間工学的に設計された座席の構造 図000010
  • 特表2021514276-人間工学的に設計された座席の構造 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-514276(P2021-514276A)
(43)【公表日】2021年6月10日
(54)【発明の名称】人間工学的に設計された座席の構造
(51)【国際特許分類】
   A47C 3/025 20060101AFI20210514BHJP
   A47C 7/14 20060101ALI20210514BHJP
   A47C 7/46 20060101ALI20210514BHJP
   A61G 5/12 20060101ALI20210514BHJP
   A61G 5/10 20060101ALI20210514BHJP
【FI】
   A47C3/025
   A47C7/14 C
   A47C7/46
   A61G5/12 701
   A61G5/12 702
   A61G5/10 703
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-560109(P2020-560109)
(86)(22)【出願日】2019年1月14日
(85)【翻訳文提出日】2020年9月11日
(86)【国際出願番号】US2019013475
(87)【国際公開番号】WO2019143555
(87)【国際公開日】20190725
(31)【優先権主張番号】62/617,842
(32)【優先日】2018年1月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/057,349
(32)【優先日】2018年8月7日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520260348
【氏名又は名称】キネティック イノベイティブ シーティング システム エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファリチェーリ,スーザン
(72)【発明者】
【氏名】ボーヴェル,エリック
【テーマコード(参考)】
3B084
3B091
【Fターム(参考)】
3B084HA02
3B091AA03
3B091AB01
3B091AB02
3B091AC05
3B091AC06
3B091AD02
(57)【要約】
【課題】構造が単純かつ費用対効果的で、さまざまな座席のシャーシ用途として適応性のある、人間工学的に設計された座席の構造を提供する。
【解決手段】座面部100および背もたれ部200を有し、座面部100は、座席のシャーシ300に固定される座面フレーム102と、座面フレーム102に枢着された座面台111と、座面フレーム102と座面台111との間に配置され、それらの間で弾力的なチルト回動ができるようにした第1の弾力部材130とを有する。背もたれ部200は、シャーシ300に固定される背面フレーム202と、背面フレーム202に接続しているランバーサポート210と、ランバーサポート210に枢着された背面サポート220と、ランバーサポート210および背面サポート220の表面に沿って配置され、それらの間に弾力的な相対チルト回動ができるようにした第2の弾力部材240と、背面サポート220に接続され、背面サポート220の回動可動域を制限するように構成された枢動アーム226と、ランバーサポート210に結合され、枢動アーム226と当接するように構成されたレバー受け216とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間工学的に設計された座席の構造であって、座面部と背もたれ部とを含み、
前記座面部は、シャーシに固定されるための座面フレームと、前記座面フレームに対して第1の横水平軸の周りに回動が可能なように前記座面フレームに枢着される座面台と、前記座面フレームと前記座面台との間で弾力的な相対回動ができるように、前記座面フレームと前記座面台との間に配置された少なくとも1つの第1の弾力部材と、を含み、
前記背もたれ部は、前記シャーシに固定されるのに適した背面フレームであって、かつ2本の平行な棒を有する背面フレームと、前記2本の平行な棒のそれぞれを介して前記背面フレームに接続されるランバーサポートと、前記背面フレームに対して第2の横水平軸の周りにチルト回動ができるように前記ランバーサポートに枢着される背面サポートと、を含み、
前記2本の平行な棒は、前記第2の横水平軸の両側で、かつ前記第2の横水平軸と平行に方向づけされており、その結果前記第2の横水平軸は前記2本の平行な棒の間にあり、前記背面サポートが前記2本の平行な棒の上側に延びており、
前記ランバーサポートおよび前記背面サポートの各表面に沿って配置され、それらの部材の間の回動チルトに弾力を与える、少なくとも1つの第2の弾力部材をさらに含み、
前記背面フレームおよび前記座面フレームは、少なくとも3つの車輪を有する車椅子のフレームに着脱可能に接続され、前記第2の横水平軸の位置が、前記車椅子のフレームに対して前後に調整可能である、座席の構造。
【請求項2】
前記座面フレームは、当該座面フレームが少なくとも1つの方向においてサイズ調節可能であるように設置された少なくとも1つの伸縮部材を備える、請求項1に記載の座席の構造。
【請求項3】
前記座面フレームは、当該座面フレームが少なくとも1つの方向においてサイズ調節可能であるように設置された複数の伸縮部材を備える、請求項1に記載の座席の構造。
【請求項4】
前記背面フレームは、前記2本の平行な棒の各々に接続する少なくとも1つの伸縮部材を備え、少なくとも1つの方向において前記背面フレームがサイズ調節可能である、請求項1に記載の座席の構造。
【請求項5】
前記背面フレームは、前記2本の平行な棒の各々に接続する複数の伸縮部材であって、当該背面フレームが少なくとも1つの方向においてサイズ調節可能であるように、複数の伸縮部材を含む、請求項1に記載の座席の構造。
【請求項6】
前記背面サポートは、当該背面サポートの回動の可動域を制限するように構成された少なくとも1つの枢動アームであって、前記第2の横水平軸の下側に延びている少なくとも1つの枢動アームを備える、請求項1に記載の座席の構造。
【請求項7】
前記ランバーサポートは、前記少なくとも1つの枢動アームに当接可能なように構成される少なくとも1つのレバー受けを備える、請求項6に記載の座席の構造。
【請求項8】
前記座面台、前記ランバーサポートおよび前記背面サポートの各々は、剛性の材料で作られており、人体に対応するように人間工学的に設計された輪郭形状を有し、かつ複数の換気孔を有する、請求項1に記載の座席の構造。
【請求項9】
人間工学的に設計された座席の構造であって、座面部と背もたれ部とを含み、
前記座面部は、シャーシに固定されるのに適した座面フレームと、前記座面フレームに対して第1の横水平軸の回りにチルト回動が可能なように前記座面フレームに枢着された座面台と、前記座面フレームと前記座面台との間で弾力的な相対チルト回動ができるように、前記座面フレームと前記座面台との間に配置された少なくとも1つの第1の弾力部材と、を備え、
前記背もたれ部は、前記シャーシに固定されるのに適した背面フレームと、前記背面フレームに接続されたランバーサポートと、前記ランバーサポートに枢着された背面サポートであって、前記背面フレームに対して第2の横水平軸の回りにチルト回動できる背面サポートと、前記ランバーサポートおよび前記背面サポートの各表面に沿って配置され、その間で弾力的な相対チルト回動を可能にする少なくとも1つの第2の弾力部材と、
前記背面サポートに接続され、前記背面サポートの回動の可動域を制限するように構成された少なくとも1つの枢動アームと、
前記ランバーサポートに結合され、前記少なくとも1つの枢動アームと当接するように構成された少なくとも1つのレバー受けとをさらに備える、座席の構造。
【請求項10】
前記座面フレームは、当該座面フレームが少なくとも1つの方向においてサイズ調節可能であるように配置された少なくとも1つの伸縮部材を備える、請求項9に記載の座席の構造。
【請求項11】
前記背面フレームは、当該背面フレームが少なくとも1つの方向において、サイズ調節可能であるように配置された少なくとも1つの伸縮部材を備える、請求項9に記載の座席の構造。
【請求項12】
前記座面台、前記ランバーサポートおよび前記背面サポートの各々は、剛性材料を用いて形成され、人体に対応するように人間工学的に設計された輪郭形状を有し、複数の換気孔を有する、請求項9に記載の座席の構造。
【請求項13】
車椅子であって、
車椅子のシャーシと、座面部と、背もたれ部とを有し、
前記座面部は、前記車椅子のシャーシに固定されるのに適している座面フレームと、前記座面フレームに対して第1の横水平軸の回りにチルト回動が可能なように前記座面フレームに枢着された座面台と、前記座面フレームと前記座面台との間で弾力的な相対チルト回動ができるように、前記座面フレームと前記座面台との間に配置された少なくとも1つの第1の弾力部材と、を備え、
前記背もたれ部は、前記車椅子のシャーシに固定される背面フレームと、前記背面フレームに結合されたランバーサポートと、前記背面フレームに対して第2の横水平軸の回りにチルト回動ができるように、前記ランバーサポートに枢着された背面サポートと、前記ランバーサポートおよび前記背面サポートの各表面に沿って配置され、前記ランバーサポートと前記背面サポートとの間で弾力的な相対チルト回動を可能にする、少なくとも1つの第2の弾力部材と、を備える、車椅子。
【請求項14】
前記座面フレームが、少なくとも1つの方向において、前記座面フレームのサイズが調節可能であるように配置された少なくとも1つの伸縮部材を備える、請求項13に記載の車椅子。
【請求項15】
前記座面フレームが、少なくとも1つの方向において、前記座面フレームのサイズが調節可能であるように配置された複数の伸縮部材を備える、請求項13に記載の車椅子。
【請求項16】
前記背面フレームは、少なくとも1つの方向において前記背面フレームのサイズが調節可能であるように配置された少なくとも1つの伸縮部材を備える、請求項13に記載の車椅子。
【請求項17】
前記背面フレームは、少なくとも1つの方向において前記背面フレームのサイズが調節可能であるように配置された複数の伸縮部材を備える、請求項13に記載の車椅子。
【請求項18】
前記背面サポートは、背面サポートの回動の可動域を制限するように構成される少なくとも1つの枢動アームを備える、請求項13に記載の車椅子。
【請求項19】
前記ランバーサポートは、前記少なくとも1つの枢動アームと当接するように構成された少なくとも1つのレバー受けを備える、請求項18に記載の車椅子。
【請求項20】
前記座面台、前記ランバーサポートおよび前記背面サポートの各々は、剛性材料によって形成され、人体に対応するように人間工学的に設計された輪郭形状を有し、複数の換気孔を有する、請求項13に記載の車椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は座席の構造(seating apparatus)に関する。本発明は、特に、動く姿勢のサポートおよび重量分布を提供するように人間工学的に設計された、フレームまたは座席のシャーシのための、座面および背面サポートに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、真っ直ぐな(upright)位置での長期間にわたる着席に関連したいくつかの課題(例えば痛みおよび不快感)を見直すように設計された座席の構造である。
【0003】
オフィス座席の製造業者は、長期にわたる、真っ直ぐな着席に関連する痛みおよび不快感が医療費の高騰および従業員生産性の縮小につながることを認めている。
【0004】
座った不快感は広く調査されており、姿勢を強化する座席システムの開発および長期間座る個人の快適さにつながった。
【0005】
これらの座席システムは、快適さは単一の、静的位置から得られるのではなくて、動作する姿勢の変化を必要とするという前提に基づいた、人間工学的なソリューションを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらの座席システムは、複雑で、製造するのに高価で、さまざまな座席のシャーシに適応できない。
【0007】
したがって、構造が単純で、費用対効果的で、さまざまな座席のシャーシの用途として適応性がある、人間工学的に設計された座席の構造が求められている。
【0008】
そこで、まっすぐに着席するユーザに対して姿勢のサポートを提案する座席の構造を提供することが、本発明の目的である。
【0009】
本発明のさらなる目的は、別々に、または、一緒に使うことができる、座面および背面サポートを提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、さまざまな座席のシャーシ(例えば車椅子、自動車、スタジアム、オーディトリアムまたは航空機の座席)の用途に適応性がある座席の構造を提供することである。
【0011】
さらに別の本発明の目的は、まっすぐに着席したときに、ユーザの骨盤の関節が動けるような座席を提供することである。
【0012】
さらに他の本発明の目的は、まっすぐに着席している間、ユーザの脊柱の動きに柔軟に対応できるようにした背面サポートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の前記およびその他の目的は、座面部および背もたれ部を有する人間工学的に設計された構造を提供することによって、達成される。
【0014】
座席は、シャーシに固定される座面フレームと、座面フレームに対して第1の横水平軸の周りに回動可能なように座面フレームに枢着される座面台と、座面フレームと座面台との間で弾力的な相対チルト回動ができるように、座面フレームと座面台との間に配置された少なくとも1つの第1の弾力部材と、を含む。
【0015】
背もたれ部は、2本の平行な棒を有し、シャーシに固定される背面フレームと、2本の平行な各棒によって背面フレームに接続されるランバーサポートと、第2の横水平軸の周りに、背面フレームに対してチルト回動ができるようにランバーサポートに枢着される背面サポートと、を含む。
【0016】
2本の平行な棒は、第2の横水平軸が2本の平行な棒の間にあるように、かつ背面サポートが2本の平行な棒の上に延びるように、第2の横水平軸の両側で平行に方向づけされている。
【0017】
ランバーサポートの表面および背面サポートの表面に沿って配置され、それらの部材の間のチルト回動に弾力を与える、少なくとも1つの第2の弾力部材をさらに含む。
【0018】
背面フレームおよび座面フレームは、少なくとも3つの車輪を有する車椅子のフレームに着脱可能に接続され、第2の横水平軸の位置が、車椅子のフレームの前部から後部にかけて調整可能である。
【0019】
いくつかの実施の形態では、座面フレームは、当該座面フレームが少なくとも1つの方向においてサイズ調節可能であるように配置された少なくとも1つの伸縮部材ないし抜き差し筒部材(telescoping member)を含む。
【0020】
他の実施態様において、座面フレームは、当該座面フレームが少なくとも1つの方向においてサイズ調節可能であるように設置された複数の伸縮部材を含む。
【0021】
いくつかの実施の形態では、背面フレームは、少なくとも1つの方向において、背面フレームがサイズ調節可能であるように、2本の平行な棒の各々に接続している少なくとも1つの伸縮部材を備える。
【0022】
背面フレームは、当該背面フレームが少なくとも1つの方向においてサイズ調節可能であるように、2本の平行な棒の各々に接続した複数の伸縮部材を含む。
【0023】
いくつかの実施の形態では、背面サポートは、当該背面サポートの回動可動域を制限するように構成された少なくとも1つの枢動アームであって、第2の横水平軸の下で延びている少なくとも1つの枢動アームを備える。
【0024】
他の実施態様において、ランバーサポートは、少なくとも1つの枢動アームに当接するように構成された少なくとも1つのレバー受け(pivot block)を備える。
【0025】
いくつかの実施の形態では、座面台、ランバーサポートおよび背面サポートの各々は、剛性の材料で作られており、人体に対応するように人間工学的に設計された輪郭形状を有し、かつ複数の換気孔を有する。
【0026】
本発明の別の実施の形態では、座面部および背もたれ部を有する人間工学的に設計された座席の構造が設けられる。
【0027】
座面部は、シャーシに固定されるのに適した座面フレームと、座面フレームに対して第1の横水平軸の回りにチルト回動が可能なように座面フレームに枢着された座面台と、座面フレームと座面台との間で、弾力的な相対チルト回動ができるようにして、座面フレームと座面台との間に配置された少なくとも1つの第1の弾力部材とを備える。
【0028】
背もたれ部は、シャーシに固定されるのに適した背面フレームと、背面フレームに接続されたランバーサポートと、背面フレームに対して第2の横水平軸の回りにチルト回動できるようにランバーサポートに枢着された背面サポートと、ランバーサポートの近接表面に沿って配置された少なくとも1つの第2の弾力部材と、を備える。
【0029】
背面サポートは、ランバーサポートと背面サポートとの間で弾力的な相対チルト回動を可能にしており、背面サポートに接続され、背面サポートの回動可動域を制限するように構成された少なくとも1つの枢動アームと、ランバーサポートに接続され、少なくとも1つの枢動アームに当接するように構成された少なくとも1つのレバー受け(pivot block)とをさらに備える。
【0030】
いくつかの実施の形態では、座面フレームは、少なくとも1つの方向において、サイズ調節可能であるように配置された少なくとも1つの伸縮部材を備える。
【0031】
いくつかの実施の形態では、背面フレームは、少なくとも1つの方向において、サイズ調節可能であるように配置された少なくとも1つの伸縮部材を備える。
【0032】
いくつかの実施の形態では、 座面台、ランバーサポートおよび背面サポートの各々は、剛性材料によって形成され、人体に対応するように人間工学的に設計された輪郭形状を有し、複数の換気孔を有する。
【0033】
本発明の他の実施の形態において、車椅子シャーシ、座面部および背もたれ部が設けられた車椅子が提供される。
【0034】
座面部は、車椅子のシャーシに固定されるのに適した座面フレームと、座面フレームに対して第1の横水平軸の回りにチルト回動が可能なように座面フレームに枢着された座面台と、座面フレームと座面台との間で弾力的な相対チルト回動ができるようにして、座面フレームと座面台との間に配置された少なくとも1つの第1の弾力部材とを含む。
【0035】
背もたれ部は、シャーシに固定されるのに適した背面フレームと、背面フレームに接続されたランバーサポートと、背面フレームに対して第2の横水平軸の回りにチルト回動できるように、ランバーサポートに枢着された背面サポートと、ランバーサポートおよび背面サポートの各表面に沿って配置された少なくとも1つの第2の弾力部材と、を備え、ランバーサポートと背面サポートとの間で弾力的な相対チルト回動を可能にしている。
【0036】
いくつかの実施の形態では、座面フレームは、少なくとも1つの方向において、サイズ調節可能であるように配置された少なくとも1つの伸縮部材を備える。
【0037】
他の実施態様において、座面フレームf、少なくとも1つの方向において、座面フレームのサイズが調節可能であるように配置された複数の伸縮部材を備える。
【0038】
いくつかの実施の形態では、背面フレームは、少なくとも1つの方向において背面フレームのサイズが調節可能であるように配置された少なくとも1つの伸縮部材を含む。
【0039】
他の実施態様において、背面フレームは、少なくとも1つの方向において背面フレームのサイズが調節可能であるように配置された複数の伸縮部材を含む。
【0040】
いくつかの実施の形態では、背面サポートは、背面サポートの回動可動域を制限するように構成される少なくとも1つの枢動アームを含む。
【0041】
他の実施態様において、ランバーサポートは、少なくとも1つの枢動アームと当接するように構成された少なくとも1つのレバー受け(pivot block)を含む。
【0042】
いくつかの実施の形態では、座面台、ランバーサポートおよび背面サポートの各々は、剛性材料によって形成され、人体に対応するように人間工学的に設計された輪郭形状を有し、複数の換気孔を有する。
【0043】
本発明およびその特定の特徴および効果は、添付図面を参照して、以下の記述からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明に実施の形態に係る座席の構造の正面を示す斜視図である。
図2図1の座席の構造の上面図である。
図3図1の座席の構造の正面立面図である。
図4図1の座席の構造の側面図である。
図5図1の座席の構造の側面図であって、座面部および背面サポートの柔軟性を示す。
図6図1のシートの底面を示す斜視図である。
図7図1の背面サポートの後面を示す斜視図である。
図8】車椅子シャーシに設置された図1の座席の構造を示す斜視図である。
図9】スタジアムまたはオーディトリアムに設置されているシャーシに設置された図1の座席の構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明は、人体のための姿勢のサポートと、まっすぐな位置で着席するユーザの自然な動作に対応する座席の構造を指向している。
【0046】
座席の構造は、さまざまな座席のシャーシ(例えば車椅子、自動車、スタジアム、オーディトリアムまたは航空機の座席)において、一緒に、または、別々に利用できる座面部および背面サポートを含む。
【0047】
座席の構造は、座席のシャーシから独立した、ユーザの身体の動きを可能にする機構による姿勢のサポートを提供する。ユーザが動くにつれて、彼女の後部および骨盤領域の体重は再分配される。好ましくは、座席は、上下動および横への移動を許容することによって、座席におけるユーザの体重と座圧を再分配する。好ましくは、背もたれ部は、ユーザの体重を、ユーザが後ろにもたれ再び立ち上がるときに弾力性を与え、ユーザの脊椎柱の柔軟性を許容する。
【0048】
ここで図面を参照する。同じ数字は、図の全体にわたって対応する構造を示す。 以下の実施例はさらに本発明を例示して説明するために用意されており、いかなる考慮においても制限するために受け取られてはならない。
【0049】
各図に、本発明の実施の形態を示す。
【0050】
図1は、座面部100および背もたれ部200を有する座席の構造10を示す。好ましくは、座面部100および背もたれ部200は、互いに独立してユーザの体重を再分配する離れた部品である。
【0051】
好ましい実施の形態では、座面部100および背もたれ部200は、同じ座席のシャーシに別々に搭載される。
【0052】
いくつかの実施の形態では、座面部100だけが座席のシャーシに取り付けられる。
【0053】
他のいくつかの実施の形態において、背もたれ部200のみが、座席のシャーシに搭載される。
【0054】
座面部100は、座面フレーム102を含む。座面フレーム102は、各端に貫通ロッド103を受けるための開端を有する少なくとも1本の受け入れロッド101を含む。
【0055】
好ましい実施の形態では、座面フレーム102は、座面部100の正面の近くに配置される第1の受け入れロッド101と、座面部100の後部の近くに配置される第2の受け入れロッド101とを有する。
【0056】
貫通ロッド103は第1の断面積を有し、受け入れロッド101は、受け入れロッド101が貫通ロッド103を望遠鏡式に受け入れるために構成されるように、第1の断面積より大きな2の断面積を有する。このようにして、ユーザは、座面フレーム102の幅を、多様な大きさの座席のシャーシに合うように調整できる。
【0057】
好ましくは、受け入れロッド101および貫通ロッド103は円筒状横断面を有する。しかし本発明では、他の十分に形づくられたロッド、例えば矩形または六角形の横断面を有するロッドも考えられる。
【0058】
貫通ロッド103は、座面部100を座席のシャーシに固定するための取付部材108を備えている。好ましくは、取付部材108は、図8にも示すように、座面部100を座席のシャーシ300に対して着脱自在に固定できるようなJ―フックまたは類似のブラケットである。
【0059】
好ましい実施の形態では、複数の取付部材108は、図3に図示するように、座席のシャーシ300へのより簡単な取り付けができるようにするために、座面フレーム102から離れる方向に曲げられている。
【0060】
いくつかの実施の形態では、複数の取付部材108は、通常、座面フレーム102に対して垂直である。
【0061】
いくつかの実施の形態では、図9に示すように、座面部100は、座席のシャーシ300に対して永久に固定される。
【0062】
他の好ましい実施の形態では、座面フレーム102は、貫通ロッド107を受けるための開端を有する少なくとも1つの受け入れロッド106を含む。
【0063】
図6に示すように、受け入れロッド106は受入れロッド101のうちの1本に固定され、貫通ロッド107は、その他の受入れロッド101に固定される。貫通ロッド107は第1の断面積を有し、受け入れロッド106は、受け入れロッド106が貫通ロッド107を望遠鏡式に受け入れるために構成されるように、第1の断面積より大きい第2の断面積を有する。このようにして、ユーザは、座面フレーム102の長さを、多様な大きさの座席のシャーシに合うように調整できる。
【0064】
好ましくは、受け入れロッド106および貫通ロッド107は円筒状横断面を有するが、本発明では他の十分に形づくられた、例えば横断面が矩形または六角形のロッドも考えられる。
【0065】
他の好ましい実施の形態では、座面フレームの部品101、103、106および107は、座面フレーム102の調整の間、フレームの部品の不注意によるミスアライメントを防ぐため、バネによって付勢された戻り止め(detent)機構を使用する。
【0066】
好ましくは、受け入れロッド101および106は、開端の近くに位置する複数のもどり止め孔104を有し、貫通ロッド103および107は、末端の近くに位置するバネで付勢されたもどり止めピン105を含む。
【0067】
もどり止め孔104は、もどり止めピン105が複数のもどり止め孔104のうちの1つに合わせられるときに、もどり止めピン105を受けるように構成される。
【0068】
受け入れロッド101/106および貫通ロッド103/107が、もどり止めピン105をもどり止め孔104に位置合わせするために互いに対して調整されるときに、もどり止めピン105は弾力によってロック位置に合わされる。
【0069】
ユーザは、バネ付勢に対抗してもどり止めピン105を手動で押すことによって、もどり止めピン105をロック解除位置へ動かすことができ、これによってもどり止めピン105は受け入れロッド101/106の内面に沿って自由に摺動できる。
【0070】
いくつかの実施の形態では、貫通ロッド103/107をロッド101/106に固定するために、公知の他のいかなる係止手段も用いることができる。また、係止手段が用いられない実施の形態も考えられる。
【0071】
座面部100は、座面台111を含む。
【0072】
好ましくは、座面台111は、剛性材料、例えば成形された複合材料で形成される。座面台111は、人体に対応するように人間工学的に設計された輪郭形状を有し、複数の換気孔112を有する。
【0073】
いくつかの実施の形態では、座面台111は、一般に平坦な形状を有する。いくつかの実施の形態では、換気性のクッション材から作られた座席パッドが、座面台111に配置されている。
【0074】
好ましくは、座面台111の前端は、座面フレーム102に、少なくとも1つの支点116を介して接続される。
【0075】
他の好ましい実施の形態では、各図に示されるように、座面台111の前端は、座面フレーム102に、2つの支点116を介して接続される。
【0076】
好ましくは、図6にて図示するように、支点116は、座面フレーム102のピボットロッド109の端を受容する孔(bore)を有する枢動ブラケットである。ピボットロッド109は、少なくとも1つの支持ロッド110を介して第1の受け入れロッド101に接続している。
【0077】
好ましくは、ピボットロッド109は、座面台111が座面フレーム102の横断水平軸に軸支されるように、座面フレーム102の横断水平軸とほぼ平行に走っている。
【0078】
好ましくは、座面台111の後端部(rear end)は、少なくとも1つのスプリング・アセンブリ130を介して座面フレーム102に接続している。
【0079】
他の好ましい実施の形態では、スプリング・アセンブリ130は、ウェル・ナット134を囲んでいる機械的なバネ132を含む。
【0080】
図5にて図示するように、一番上のウェル・ナット134はスプリング・アセンブリ130を座面台111に接続する。そして、下部ウェル・ナット134はスプリング・アセンブリ130を第2の受け入れロッド101に接続する。
【0081】
下部ウェル・ナット134はサドル座金136につながる。サドル座金136の上部は、比較的平坦であり、底部は、第2の受け入れロッド101の形状に対応する輪郭を有する。
【0082】
ウェル・ナット134は、留め金具138(例えばボルトまたはネジ)によって、座面台111および第2の受入れロッド101に固定される。
【0083】
いくつかの実施の形態では、スプリング・アセンブリ130は、バネ132を腐食から保護し、ユーザがバネ132によって摘まれることから保護するために、ベローに収納されている。
【0084】
いくつかの実施の形態では、スプリング・アセンブリ130は、他のいかなる適切なスプリングシステム(例えばトーションスプリングまたは機械的なショックアブソーバ)であってもよい。
【0085】
他の好ましい実施の形態では、各図に示されるように、座面台111の後端部は、2つのスプリング・アセンブリ130を介して座面フレーム102に接続している。
【0086】
スプリング・アセンブリ130の支点116に対する関係は、座面部100により提供される動的な運動を決定する。したがって、このピボット式動作は、座面フレーム102の横水平軸を横切ることによって開始され、座面台111が上下に、そして、横から横に(side-to-side)移動する。
【0087】
好ましくは、座面部100に力が印加されないときに、バネ132は、座面台111を、座面フレーム102と実質的に平行した位置に置くように、寸法決めされる。
【0088】
力が座面台111に加わったとき、図5に示すように、バネ132は、座面台111を対応する角150だけ回転させることにより、距離140を圧縮する。
【0089】
他の好ましい実施の形態では、座面台111は、ユーザが着席する通常の位置からほぼ4〜5度だけ回動する。
【0090】
いくつかの実施の形態では、座面台111は、通常の位置からほぼ10度回動する。
【0091】
座面台111の回動抵抗は、さまざまなバネ定数を有するバネを用いて、または、初期のバネ抵抗を変化させるためにウェル・ナット134を締めるかまたはゆるめることによって、さまざまな体重のユーザのために調整され得る。
【0092】
他の好ましい実施の形態では、座面台は、スプリング・アセンブリ130を、座面台111に沿ったさまざまな位置に設置するための複数の締付け孔114を含む。
【0093】
スプリング・アセンブリ130のさまざまな位置は、ユーザに対する座席の感触、ユーザの体重の配分、そして、ユーザの骨盤および尻の関節の動きに影響を与える。
【0094】
背もたれ部200は、背面フレーム202を含む。この背面フレーム202は、各貫通ロッド203を受けるための各開端を有する少なくとも1つの受け入れロッドすなわちバー201を含む。
【0095】
他の好ましい実施の形態では、各図に示すように、背面フレーム202は、垂直に積まれた2本の平行する受け入れロッド/バー201を備えている。
【0096】
貫通ロッド203は第1の断面積を有する。受け入れロッド201は、受け入れロッド201が貫通ロッド203を望遠鏡式に受け入れるために、第1の断面積より大きい第2の断面積を有する。
【0097】
このようにして、ユーザは、背面フレーム202の幅を、多様な大きさの座席のシャーシに合うように調整できる。
【0098】
受け入れロッド201および貫通ロッド203は円筒状横断面を有することが好ましい。しかし、本発明は他の十分に形づくられたロッド、例えば矩形または六角形の横断面または他の横断面形にも適用され得る。
【0099】
いくつかの実施の形態では、貫通ロッド203は、前述したとおり、バネ付勢による戻り止め機構によって、受入れロッド201に固定され得る。
【0100】
いくつかの実施の形態では、公知技術の他のいかなる係止手段も、貫通ロッド203を受け入れロッド201に固定するために用いることができる。または他の実施の形態において、係止手段を用いないことも可能である。
【0101】
他の好ましい実施の形態では、貫通ロッド203は、取付けブラケット206に接続している。
【0102】
取付けブラケット206は、取付部材204を取付けブラケット206に接続するためのボルト、もしくは他の機械的留め具を通す、横に延びる複数のスロット208を有する。
【0103】
好ましくは、横に延びるスロット208によって、ユーザは、背面フレーム202の奥行を調整できる。
【0104】
他の好ましい実施の形態では、図8に示すように、取付部材204は、背もたれ部200を座席のシャーシ300に着脱自在に固定できるクランプまたは類似の機構である。
【0105】
背もたれ部200の高さは、取付部材204をゆるめ、背もたれ部200を摺動し座席のシャーシ300に沿って上下させ、取付部材204を締め直すことによって、調節可能である。
【0106】
いくつかの実施の形態では、図9に示すように、背もたれ部200は、座席のシャーシ300に永久に固定される。
【0107】
背もたれ部200は、ランバーサポート210も含む。
【0108】
好ましくは、図1にて図示するように、ランバーサポート210は、受入れロッド201の輪郭に適応したループ・クランプ212によって、背面フレーム202に固定される。
【0109】
好ましい実施例において、ランバーサポート210は、剛性材料、例えば成形された複合材料で形成され、人体に対応するように人間工学的に設計された輪郭形状を有し、かつ複数の換気孔214を有する。
【0110】
いくつかの実施の形態では、ランバーサポート210は、一般に平坦な形状を有する。
【0111】
いくつかの実施の形態では、換気可能なクッション材から造られる腰パッドが、ランバーサポート210に配置されてもよい。
【0112】
背もたれ部200は、背支持面222を備える背面サポート220を更に含む。好ましくは、背支持面222は、剛性材料、例えば成形された複合材料で形成され、人体に対応するように人間工学的に設計された輪郭形状を有し、かつ複数の換気孔224を有する。
【0113】
いくつかの実施の形態では、背支持面222は、一般に平坦な形状を有する。いくつかの実施の形態では、換気可能なクッション材から造られる後ろのパッドが、背支持面222に配置されていてもよい。
【0114】
好ましくは、背面サポート220は、少なくとも1つのヒンジ230を介してランバーサポート210に接続している。
【0115】
他の好ましい実施の形態では、図7に示すように、背面サポート220は、2つのヒンジ230を介してランバーサポート210に接続している。
【0116】
好ましくは、図5にて図示するように、ヒンジ230は、背面サポート220およびランバーサポート210が相対的に回転できるように構成されたボルトである。
【0117】
好ましくは、ヒンジ230は、背面サポート220がその軸に関して回動するように、一般に背面フレーム202の横水平軸と平行に走っている。
【0118】
背もたれ部200は、背面サポート220が背面フレーム202の横水平軸に対して弾力的な回動ができるように、ランバーサポート210および背面サポート220のそれぞれ隣り合う面に沿って配置される少なくとも1つの弾力性のある枢動部材240を含む。
【0119】
いくつかの実施の形態では、背もたれ部200は、2つの弾力的な枢動部材240を含む。
【0120】
他の好ましい実施の形態では、図7に示すように、弾力的な枢動部材240は、リーフスプリングである。
【0121】
いくつかの実施の形態では、弾力的な枢動部材240は、トーションスプリングまたは他のいかなる適切な代替物であってもよい。
【0122】
好ましくは、弾力的な枢動部材240は、ランバーサポート210の一方の端に固定され、他方の端は自由であり、背面サポート220がヒンジ230の周りに回動する時に撓曲する。
【0123】
図5にて図示するように、背支持面222に力が印加されるときに、背面サポート220は通常の立向姿勢から角度250だけ回転する。
【0124】
他の好ましい実施の形態では、背面サポート220は、ユーザの重心が座席のシャーシのベースの上に残るように、標準からほぼ30度まで枢動する。
【0125】
いくつかの実施の形態では、背面サポート220は、標準から最高ほぼ50度まで枢動する。
【0126】
さまざまなバネ定数を有するリーフスプリングを用いて、または、さまざまな初期のバネ抵抗を提供するために、リーフスプリング層を追加するかまたは取り除くことによって、弾力的な枢動部材の回動抵抗を、調整できる。
【0127】
いくつかの実施の形態では、背面サポート220は、少なくとも1つの枢動アーム226を含む。
【0128】
好ましくは、図7に示すように、枢動アーム226は、通常、ヒンジ230の下に位置して、ランバーサポート210から離れて角度付けされている。
【0129】
枢動アーム226は、背面サポート220の回動角度250を制限して、ランバーサポート210と協働して、そして、背面サポート220の更なる回動に抵抗を与えることによって、ユーザのための姿勢のサポートとして役立つように、構成される。
【0130】
他の好ましい実施の形態では、ランバーサポートは、少なくとも1つのレバー受け(pivot block)216を含む。好ましくは、レバー受け216は、背面サポート220が、図5にて図示するように、最大回動角度250だけ回転したときに、枢動アーム226に当接するように配置される。
【0131】
このように、レバー受け216は、枢動アーム226との接触によって、また背面サポート220のさらなる回動に抵抗を与えることによって、背面サポート220の回動角度250をさらに制限するように構成される。
【0132】
本発明が、特定の部品配置、特徴などに関して記載されたにもかかわらず、これらの記載は、すべての可能な配置または特徴を排除することを意図するものではない。実際、当業者は。様々な修正および変更を施すことが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2020年12月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間工学的に設計された座席の構造であって、座面部と背もたれ部とを含み、
前記座面部は、シャーシに固定されるための座面フレームと、前記座面フレームに対して第1の横水平軸の周りに回動が可能なように前記座面フレームに枢着される座面台と、前記座面フレームと前記座面台との間で弾力的な相対回動ができるように、前記座面フレームと前記座面台との間に配置された少なくとも1つの第1の弾力部材と、を含み、
前記背もたれ部は、前記シャーシに固定されるのに適した背面フレームであって、かつ2本の平行な棒を有する背面フレームと、前記2本の平行な棒のそれぞれを介して前記背面フレームに接続されるランバーサポートと、前記背面フレームに対して第2の横水平軸の周りにチルト回動ができるように前記ランバーサポートに枢着される背面サポートと、を含み、
前記2本の平行な棒は、前記第2の横水平軸の両側で、かつ前記第2の横水平軸と平行に方向づけされており、その結果前記第2の横水平軸は前記2本の平行な棒の間にあり、前記背面サポートが前記2本の平行な棒の上側に延びており、
前記ランバーサポートおよび前記背面サポートの各表面に沿って配置され、それらの部材の間の回動チルトに弾力を与える、少なくとも1つの第2の弾力部材をさらに含み、
前記背面フレームおよび前記座面フレームは、少なくとも3つの車輪を有する車椅子のフレームに着脱可能に接続され、前記第2の横水平軸の位置が、前記車椅子のフレームに対して前後に調整可能である、座席の構造。
【請求項2】
前記座面フレームは、当該座面フレームが少なくとも1つの方向においてサイズ調節可能であるように設置された少なくとも1つの伸縮部材を備える、請求項1に記載の座席の構造。
【請求項3】
前記座面フレームは、当該座面フレームが少なくとも1つの方向においてサイズ調節可能であるように設置された複数の伸縮部材を備える、請求項1に記載の座席の構造、
【請求項4】
前記背面フレームは、前記2本の平行な棒の各々に接続する少なくとも1つの伸縮部材を備え、少なくとも1つの方向において前記背面フレームがサイズ調節可能である、請求項1に記載の座席の構造。
【請求項5】
前記背面フレームは、前記2本の平行な棒の各々に接続する複数の伸縮部材であって、当該背面フレームが少なくとも1つの方向においてサイズ調節可能であるように、複数の伸縮部材を含む、請求項1に記載の座席の構造。
【請求項6】
前記背面サポートは、当該背面サポートの回動の可動域を制限するように構成された少なくとも1つの枢動アームであって、前記第2の横水平軸の下側に延びている少なくとも1つの枢動アームを備える、請求項1に記載の座席の構造。
【請求項7】
前記ランバーサポートは、前記少なくとも1つの枢動アームに当接可能なように構成される少なくとも1つのレバー受けを備える、請求項6に記載の座席の構造。
【請求項8】
前記座面台、前記ランバーサポートおよび前記背面サポートの各々は、人体に対応するように人間工学的に設計された輪郭形状を有し、かつ複数の換気孔を有する、請求項1に記載の座席の構造。
【請求項9】
人間工学的に設計された座席の構造であって、座面部と背もたれ部とを含み、
前記座面部は、シャーシに固定されるのに適した座面フレームと、前記座面フレームに対して第1の横水平軸の回りにチルト回動が可能なように前記座面フレームに枢着された座面台と、前記座面フレームと前記座面台との間で弾力的な相対チルト回動ができるように、前記座面フレームと前記座面台との間に配置された少なくとも1つの第1の弾力部材と、を備え、
前記背もたれ部は、前記シャーシに固定されるのに適した背面フレームと、前記背面フレームに接続されたランバーサポートと、前記ランバーサポートに枢着された背面サポートであって、前記背面フレームに対して第2の横水平軸の回りにチルト回動できる背面サポートと、前記ランバーサポートおよび前記背面サポートの各表面に沿って配置され、その間で弾力的な相対チルト回動を可能にする少なくとも1つの第2の弾力部材と、
前記背面サポートに接続され、前記背面サポートの回動の可動域を制限するように構成された少なくとも1つの枢動アームと、
前記ランバーサポートに結合され、前記少なくとも1つの枢動アームと当接するように構成された少なくとも1つのレバー受けとをさらに備える、座席の構造。
【請求項10】
前記座面フレームは、当該座面フレームが少なくとも1つの方向においてサイズ調節可能であるように配置された少なくとも1つの伸縮部材を備える、請求項9に記載の座席の構造。
【請求項11】
前記背面フレームは、当該背面フレームが少なくとも1つの方向において、サイズ調節可能であるように配置された少なくとも1つの伸縮部材を備える、請求項9に記載の座席の構造。
【請求項12】
前記座面台、前記ランバーサポートおよび前記背面サポートの各々は、人体に対応するように人間工学的に設計された輪郭形状を有し、複数の換気孔を有する、請求項9に記載の座席の構造。
【請求項13】
車椅子であって、
車椅子のシャーシと、座面部と、背もたれ部とを有し、
前記座面部は、前記車椅子のシャーシに固定されるのに適している座面フレームと、前記座面フレームに対して第1の横水平軸の回りにチルト回動が可能なように前記座面フレームに枢着された座面台と、前記座面フレームと前記座面台との間で弾力的な相対チルト回動ができるように、前記座面フレームと前記座面台との間に配置された少なくとも1つの第1の弾力部材と、を備え、
前記背もたれ部は、前記車椅子のシャーシに固定される背面フレームと、
ユーザの腰部を支えるために形成される腰当て面を支持し、前記背面フレームに結合されたランバーサポートと、ユーザの背部が当たる背当て面を支持し、
前記背面フレームに対して第2の横水平軸の回りにチルト回動ができるように前記ランバーサポートに枢着された背面サポートと、前記ランバーサポートおよび前記背面サポートの各表面に沿って配置され、前記ランバーサポートと前記背面サポートとの間で弾力的な相対チルト回動を可能にする、少なくとも1つの第2の弾力部材と、を備え、前記弾力的な相対チルト回動により前記腰当て面と前記背当て面との相対的な角度が変化する、車椅子。
【請求項14】
前記座面フレームが、少なくとも1つの方向において、前記座面フレームのサイズが調節可能であるように配置された少なくとも1つの伸縮部材を備える、請求項13に記載の車椅子。
【請求項15】
前記座面フレームが、少なくとも1つの方向において、前記座面フレームのサイズが調節可能であるように配置された複数の伸縮部材を備える、請求項13に記載の車椅子。
【請求項16】
前記背面フレームは、少なくとも1つの方向において前記背面フレームのサイズが調節可能であるように配置された少なくとも1つの伸縮部材を備える、請求項13に記載の車椅子。
【請求項17】
前記背面フレームは、少なくとも1つの方向において前記背面フレームのサイズが調節可能であるように配置された複数の伸縮部材を備える、請求項13に記載の車椅子。
【請求項18】
前記背面サポートは、背面サポートの回動の可動域を制限するように構成される少なくとも1つの枢動アームを備える、請求項13に記載の車椅子。
【請求項19】
前記ランバーサポートは、前記少なくとも1つの枢動アームと当接するように構成された少なくとも1つのレバー受けを備える、請求項18に記載の車椅子。
【請求項20】
前記座面台、前記ランバーサポートおよび前記背面サポートの各々は、人体に対応するように人間工学的に設計された輪郭形状を有し、複数の換気孔を有する、請求項13に記載の車椅子。
【国際調査報告】