特表2021-514283(P2021-514283A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-514283スノーサーフィン用ボード上のブーツ固定具配向調整装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-514283(P2021-514283A)
(43)【公表日】2021年6月10日
(54)【発明の名称】スノーサーフィン用ボード上のブーツ固定具配向調整装置
(51)【国際特許分類】
   A63C 10/18 20120101AFI20210514BHJP
   A63C 5/00 20060101ALI20210514BHJP
【FI】
   A63C10/18
   A63C5/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-566333(P2020-566333)
(86)(22)【出願日】2019年2月20日
(85)【翻訳文提出日】2020年9月14日
(86)【国際出願番号】FR2019050391
(87)【国際公開番号】WO2019162617
(87)【国際公開日】20190829
(31)【優先権主張番号】1851453
(32)【優先日】2018年2月20日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520314191
【氏名又は名称】ブラック ライン
【氏名又は名称原語表記】BLACK LINE
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ガルヌロヌ,レミ
(57)【要約】
本発明は、スノーサーフィン用ボード上のブーツ固定具(ビンディング)の向きを調整する装置に関するものであり、この装置には以下が含まれる。
- ボードに取り付ける支持盤(30)で、固定具は、垂直回転軸を中心として前記支持盤に対して回転する可動状態で取り付けられている。
- 以下の間に可動状態で取り付けられる少なくとも1個の施錠手段(5)。
o 支持盤(30)に対する固定具の固定を確実にする施錠位置
o ボードに対する前記固定具の角度調整のために回転軸を中心に固定具を回転できるようにする解錠位置。
- 施錠位置と解錠位置の間での施錠手段(5)の移動は、アクチュエータ(50)により確保される。
以下の点を特徴とする。
- アクチュエータ(50)は、遠隔制御可能である。
- 施錠手段(5)とアクチュエータ(50)は、以下となるよう支持盤(30)内に取り付けられている。
o ブーツが固定具内に保持されているときに、前記アクチュエータが作動できる、及び
ブーツが前記固定具内に保持されているとき、前記施錠手段は前記アクチュエータにより移動できる。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スノーサーフィン用ボード(1)のブーツ(C)固定具(21)の向きを調整する装置で、その装置には以下が含まれる。
- ボード(1)に取り付ける支持盤(30)で、固定具(21)は、垂直回転軸(X-X)を中心として、前記支持盤に対して回転する可動状態で取り付けられている。
- 次の間に可動状態で取り付けられた少なくとも1つの施錠手段(5):
o 支持盤(30)に対する固定具(21)の固定を確実にする施錠位置、及び
o ボード(1)に対する固定具(21)の角度調整のため回転軸(X-X)の周りに前記固定具を回転できるようにする解除位置。
- 施錠位置と解錠位置の間での施錠手段(5)の移動は、アクチュエータ(50, 51, 52, 53)により確保される。
以下の点を特徴とする。
- アクチュエータ(50, 51, 52, 53)は、遠隔制御可能である。
- 施錠手段(5)とアクチュエータ(50, 51, 52, 53)は、以下となるよう支持盤(30)内に取り付けられている。
o 前記アクチュエータは、ブーツ(C)が固定具(21)内に保持されているときに作動できる、及び
o 前記施錠手段は、ブーツ(C)が前記固定具内に保持されているとき、前記アクチュエータにより移動させることができる。
【請求項2】
以下のようなものである、請求項1に記載の調整装置。
- リング(40)が支持盤(30)に対して回転軸(X-X)の周りを回転する可動状態で取り付けられており、そのリングは固定具(21)と係合しているため、前記固定具の回転が前記リングの回転を引き起こす。
- 施錠位置では、施錠手段(5)により支持盤(30)に対するリング(40)の固定が確保される。
- 解錠位置では、施錠手段(5)により、回転軸(X-X)を中心としたリング(40)の回転と、ボード(1)に対する固定具(21)の角度調整が可能となる。
【請求項3】
施錠手段(5)は支持盤(30)内に取り付けられた引き込み式の歯の形状であり、施錠位置では、リング(40)に設けられた補助歯(410)と協働する、前記請求項のいずれか一項に記載の調整装置。
【請求項4】
アクチュエータ(50, 51, 52, 53)が、送信機から送信された制御信号の受信に応答して作動する、前記請求項のいずれか一項に記載の調整装置。
【請求項5】
前記送信機はユーザーが着用できるよう適合させたブレスレット内に組み込まれたリモコン装置(6)の形態である、請求項4に記載の調整装置。
【請求項6】
前記送信機がスマートフォンに組み込まれている、請求項4に記載の調整装置。
【請求項7】
前記送信機により送信される信号が無線周波数信号である、請求項4から6のいずれか一項に記載の調整装置。
【請求項8】
前記送信機から送信される信号がBluetooth信号である、請求項4から6のいずれか一項に記載の調整装置。
【請求項9】
一対のブーツ固定具(21, 22)を備えたスノーサーフィン用ボードで、ボード(1)の前部(11)に配置された前部固定具(21)及び前記ボードの後部(12)に配置された後部固定具(22)があり、前部固定具(21)及び/又は後部固定具(22)には、前記請求項のいずれかに適合する調整装置が装備されていることを特徴とする。
【請求項10】
前部固定具(21)の配向角度(a)が、前記固定具の垂直対称面(P21)が前記ボード(1)の全垂直対称面(P1)と一致するように調整できる、請求項9に記載のボード。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スノーサーフィン用ボード(一般的には英語の用語で「スノーボード」と呼ばれている)上のブーツ固定具(ビンディング)配向調整装置を目的としている。
【0002】
本発明は、ボードに対するブーツ固定具配向調整装置の技術分野に関するものであり、その調整は垂直回転軸を中心に行われる。
【背景技術】
【0003】
スノーボードは、ある角度位置で、つまり、ボードの全対称面に対して斜めにユーザーのブーツ2つを保持することができる固定具が装備されている。各ユーザーは、その固定具、したがってそのブーツの角度位置を永久的又は一時的に調整する可能性がある。
【0004】
また、ボードには、一般的にブーツ固定具の向きを調整できる装置が備わっている。仏国特許第2876041号明細書(ロシニョール)、米国特許第5362087号明細書(アジッドトイ)又は米国特許出願公開第2011/0254239号明細書(ユング)に、そのような調整装置の例が露見される。これらの特許文書では、手動施錠手段により、調整可能な固定角度に応じた固定具の固定が保証されている。調整装置の比較的複雑な概念に加えて、施錠手段は、ブーツが前記固定具の外側にある場合にしか操作できない。そのため、ユーザーは、その固定具の向きを調整するため、必ず「ブーツを脱ぐ」必要がある。その上、固定角度は、一般に約10度に減少している。
【0005】
スノーボードの実践者、又はスノーボーダー、特に初心者は、一般にスキーリフト(又はドラッグリフト)を使用するのが大変困難である。実際、この種のロープウェイ搬器は、骨盤を進路の斜面に向けて乗るユーザー向けに設計されている。ところが、スノーボードでは、骨盤は斜面に垂直である。
【0006】
そのような不便は、チェアリフト使用時にも発生する。スノーボーダーがその両足を固定具内に留めておく場合には、横方向に座る必要があり、その隣に座っているその他の利用者の邪魔にならないようにするためそのボードが斜面に向くようにするには、その骨盤が座席にほぼ垂直になる。もしもその後ろ足のブーツを外せば、座席には快適に座ることができるが、そのボードが斜面に向くようにすれば、その前足がねじれることになる。こうした姿勢はいずれも、とりわけ不快なものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、そうした事情の改善を目指している。特に、本発明の目的とは、スノーボード固定具の向きの調整を簡素化することである。
【0008】
本発明のその他の目的とは、設計が簡単で安価なスノーボード固定具配向調整装置を提案することである。
【0009】
本発明のさらに別の目的とは、その機能により各ロープウェイ搬器の利用が楽になる調整装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明により提案する解決策とは、スノーサーフィン用ボード上のブーツ固定具配向調整装置であり、この装置には以下が含まれる。
- ボードに固定する支持盤で、固定具は垂直回転軸の周りで前記支持盤に対して回転する可動状態で取り付けられる
- 以下の間に可動状態で取り付けられる少なくとも1つの施錠手段:
o 支持盤に対して固定具の固定を確実にする施錠位置、及び
o 回転軸の周りで固定具の回転を可能にし、それによりボードに対する前記固定具の角度調整を行える解錠位置
- 施錠位置と解錠位置の間での施錠手段の移動は、アクチュエータ(作動装置)により確実に行われる。
- アクチュエータは、遠隔制御可能である、
- 施錠手段とアクチュエータは、以下のとおりになるよう支持盤内部に取り付ける。
o 前記アクチュエータは、ブーツが固定具内に保持されているときに作動できる、及び
o 前記施錠手段は、ブーツが前記固定具内に保持されているときに前記アクチュエータにより移動させることができる。
【0011】
したがって、ユーザーは、施錠手段の移動の遠隔制御によりその固定具の向きを調整することができ、そのブーツを脱ぐ必要がなくなる。たとえブーツが固定具内に保持されていても、実際には前記施錠手段の自動制御を行える。
【0012】
本発明の有利なその他の特徴を以下に挙げる。そうした特徴のそれぞれは、単独で検討することも、上記で定める注目すべき特徴と組み合わせて検討することもでき、該当する場合には以下のような1つ又は複数の部門別特許出願の対象となる。
- 有利なことに、本装置にはさらに回転軸の周りで支持盤に対して回転する可動状態で取り付けられるリングが備わっており、そのリングは。前記固定具の回転により前記リングの回転が引き起こされるように固定具に係止している。施錠位置では、施錠手段により支持盤に対するリングの固定が確実になる。そして解錠位置では、施錠手段により、回転軸の周りでのリングの回転とボードに対する固定具の角度調整が可能になる。
- 有利なことに、施錠手段は支持盤内に取り付けられた引き込み式の歯という形で存在しており、施錠位置ではリング上に配置された補助歯と協働する。
- 有利なことに、送信機はブレスレット内に組み込まれたリモコン装置という形で存在しており、ユーザーが着用するのに適している。
- 有利なことに、送信機から発信される信号はBluetooth(ブルートゥース(登録商標))信号又は無線周波数信号である。
- 代替実施形態では、送信機はスマートフォンに組み込まれ、前記電話機から発信される信号は、Bluetooth信号にも無線周波数信号にもなりうる。
【0013】
本発明のその他の側面は、一組のブーツ固定具が装備されたスノーサーフィン用ボードに関するもので、ボードの前部に配置される前部固定具と前記ボードの後部に配置される後部固定具であり、前部固定具及び/又は後部固定具には、前記特徴のいずれか一つに適合した調整装置が搭載される。
好ましくは、前部固定具の配向角度は、前記固定具の垂直対称面が前記ボードの全垂直対称面と一致するように調整できる。
【0014】
本発明のその他の利点と特徴は、参考用及び非限定的な例として作成した添付図面を参照すると、後述する好ましい実施形態の説明を読んだ方が良く分かり、それらに関して以下のようなものがある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】固定具内に取り付けた本発明に適合する調整装置を示す。
図2】本発明に適合する調整装置のさまざまな構成要素を示す。
図3】本発明に適合した調整装置内で使用するリングを示す。
図4図3のリングを収容するため固定具内に設けた配列を示す。
図5】支持盤とリングの組立品を示す。
図6】支持盤内に取り付けた施錠手段と、施錠手段が施錠位置内にあるその作動機構のさまざまな構成要素を示す。
図7】解錠位置内にある施錠手段を示す。
図8】解錠位置内にある施錠手段を示す。
図9】その前部固定具の位置で調整装置が装備されたスノーボードのボードを示すが、その固定具は第一傾斜位置内にある。
図10】ユーザーがロープウェイ搬器を利用する際に前部固定具が第二傾斜位置内にある図9のボードを示す。
図11】代替実施形態での本発明による調整装置の上面図であり、施錠手段は解錠位置にある。
図12図11の装置のA-A面に沿った断面図である。
図13】施錠手段が施錠位置にある図11の調整装置を示す。
図14図13の装置のB-B面に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図9を参照すると、スノーサーフィン用ボード1を従来の方法で提示する。つまり、滑走面10、前部アップターン(ボード先端部)11及びボード後端部12である。ボード1には、全垂直対称面P1 がある。
【0017】
前部固定具21と後部固定具22は、滑走面10の上面でボード1に接合されている。これらの固定具21、22は、ユーザーの前部ブーツと後部ブーツをそれぞれ収容できるよう改良されている。その固定具は在来型で、プレート状又はシェル状である。図1において、シェル状固定具21には、その上にスノーボーダーのふくらはぎの高さでブーツが押し当てられている後部210(英語では「スポイラー」又は「ハイバック」)、その上にブーツが置かれるベースプレート211、ブーツを覆い固定具内に足を維持できる一又は複数のベルト212が備わっている。
【0018】
固定具21、22は、その各全対称面P21、P22がボード1の全垂直対称面P1に対して斜めになるように取り付けられている。前部固定具21の対称面P21は、ボード1の対称面P1と、たとえば5°から15°までの間など前部アップターン11に向かって開いた角度「a」で形成することができる。後部固定具22の対称面P22も、ボード1の対称面P1たとえば-15°から15°までの間など前部アップターン11に向かって開いた角度「b」で形成することができる。これらの配向角度「a」と「b」は、スノーボーダーのレベルと実技(フリースタイル、オールマウンテン、フリーライドなど)に応じて異なる。
【0019】
固定具の向きを自動的に調整できる装置を、今度は図1〜8を参照すると、記載する。
【0020】
支持盤30は、滑走面10の上面でボード1に固定されている。添付図では、この支持盤30はディスク(円盤)形状であり、その直径はたとえば50 mmから100 mmまでの間であり、その厚さはたとえば5 mmから15 mmまでの間である。支持盤30は、好ましくは成形又はプラスチック射出により得られる。射出の際にガラス繊維の30%で強化したPA.6型のポリアミドを用いることで、費用・耐性という面で良好な妥協点が得られる。それでも、鋼鉄又は炭素繊維をベースにした複合材料のようなその他の素材を使用することができる。
【0021】
支持盤30は、滑走面10内に作られたスレッドにねじ込まれている固定具310のねじにより、前記滑走面に接合されている。
【0022】
リング40は支持盤30の周りに取り付けられ、垂直回転軸X-Xに応じて前記支持盤に対して回転する可動状態で取り付けられる。
【0023】
図2及び3を参照すると、リング40には前記リングの内面に作られた外歯400がある。これらの外歯400は、ベースプレート211の配列2111内に作られた補助歯2110に係合するように適合させている(図4)。また、リング40がその配列内に取り付けられているとき、ボード1に対する前記固定具の角度調整のため前記リングの回転が固定具21の回転を引き起こすように歯400-2110が係止している。リング40には、前記リングの内部側壁上に放射状に伸びる内歯410もある。
【0024】
図1、4、5を参照すると、リング40と支持盤30を組み立てたときには、ベースプレート211の配列2111内にとどまる円筒状組立品Eを形成する。組立品Eが配列2111内に取り付けられた場合には、支持盤30を滑走面10に固定するのに使用される固定具のねじは、前記支持盤内に作成されたスレッド3100に挿入される。
【0025】
支持盤30に対するリング40の回転を阻止するため、少なくとも1つの施錠手段を備える。図6〜8において、この施錠手段は、支持盤30に取り付けられた引込式歯5の形をしている。これらの歯5は、支持盤30の仕切壁の外側に放射状に突出する施錠位置(図6)と、前記支持盤の内側に後退する解錠位置(図7及び8)の間で移動できる。図6〜8では、ただ一組の歯5を例示している。ただし、支持盤30の対称軸のいずれの側にも配置された数組の歯5(たとえば2つ以上)を想定することができる。
【0026】
施錠位置では、これらの歯5はリング40の内歯410と噛み合うため、前記リングは支持盤30に対して固定されている。その結果、固定具21はボード1に対して固定される。
【0027】
解錠位置では、歯5と410が外れているため、リング40は回転軸X-Xの周りを自由に回転できる。その結果、固定具21のボード1に対する角度を調整することができる。
【0028】
施錠位置と解錠位置の間での歯5の移動は、遠隔制御式アクチュエータにより確保される。このアクチュエータは、組立品E、特に支持盤30内に組み込まれているため、たとえブーツCが固定具21内に固定されている場合でも作動させることができる。このアクチュエータには、1つ又は複数のバッテリ500又は充電式バッテリ(たとえばUSBケーブルによるもの)から電力を供給される電気モーターが備わっている。モーター50は、減速装置51を介してねじを回転駆動させる。歯5に接合しているナット52がこのねじと係止しているため、前記ねじの一方又は他方への回転により、前記ナット、したがって前記歯の前方(つまり施錠位置に向かう)又は後方(つまり解錠位置に向かう)への移動が引き起こされる。
【0029】
図11〜14の代替実施形態では、2組の歯5が、支持盤30の対称軸に対して対称に配置されている。これらの歯5は、軸5100上で回転する可動状態で取り付けられたカム510と係止している。電気モーター50により、軸5100を中心にカムが回転するようになる。歯5は、カム510の外形と直接接触しており、その外形は、前記カムの回転により前記歯が解錠位置(図11及び12)から施錠位置(図13及び14)への並進を引き起こすように構成されている。施錠位置から解錠位置への歯5の戻りは、前記歯のそれぞれと係止している1つ以上の戻りばね511により確保される。解錠位置では、歯5は支持盤30の仕切壁300の外側で放射状に突き出し(図12)、施錠位置ではその歯は前記仕切壁の内側に引っ込む(図14)。継手512の組み合わせにより、支持盤30とそれに挿入された電気・電子部品が確実に密閉される。
【0030】
図2及び6〜8の実施形態と比較して、この代替実施形態では、ただ1個のモーター50のみを使用して1対の歯5を動かすことができる。これにより、支持盤30内のスペースが節約され、より強力なバッテリ500を使用できるようになり、装置の自律性が向上する。さらに、リング40の内歯410と噛み合っているとき、及び(たとえばユーザーの足により加えられた)トルクが固定具21の回転軸X-Xの周りに生成されるときには、歯5により誘発される半径方向の応力を吸収するのは、これでカム510となる(もはやモーター50の軸ではない)。
【0031】
どの実施形態でも、アクチュエータ、特にモーター50は、送信機から送信された制御信号の受信に応答して作動する。この制御信号は、支持盤30内に取り付けられた受信機53により受信され、この受信機は、モーター50の回転を一方向又は他方向に制御するのに適した電子機器の一部を成している。したがって、受信機53により受信された制御信号に応じて、モーター50が作動し、歯5は施錠位置に向かって、又は解錠位置に向かって移動する。
【0032】
図2では、送信機は、ブレスレット(腕輪)内に組み込まれたリモコン装置6の形態となっており、サーフボードの利用者が着用できるよう改良している。概念を簡素化するため、このリモコン装置6は無線周波数信号又はBluetooth信号を送信し、歯5を施錠する信号を送信するボタン61と、前記歯の解錠信号を送信するボタン62を備えている。代替実施形態によれば、送信機がスマートフォン(スマホ)に組み込まれ、信号がBluetooth又は無線周波数で送信されるようになるものと予想される。送信機にどのようなソリューションが装備されても、受信機53が送信される制御信号の形式に適していることは明らかである。
【0033】
調整装置の取り付けは、次のとおりである。ユーザーは、ボード1、その固定具21及び支持盤30とリング40により形成された組立品Eを個別に保有している。ユーザーは滑走面10に固定具21を配置し、前記固定具の角度調整を行う。配向角度「a」が調整されたら、ユーザーは、リング40の外歯400が前記配列2110の歯と係合するように、固定具21のベースプレート211に作られた配列2111内に組立品Eを配置する。次に、ユーザーは、支持盤30を滑走面10に接合することにより、固定具21を固定する。したがって、非常にシンプルなシステムによりボード1に固定された調整装置となる。
【0034】
ユーザーは、そのブーツCを固定したまま固定具21の向きを調整することができる。これを行うには、ユーザーは送信機6を作動させて制御信号を生成し、歯5を施錠位置から解錠位置に移動させ、リング40の回転を自由にする。そうして、ユーザーは、足から回転させることで、リング40と固定具21の角度位置を変更できる。角度位置が選択されたら、ユーザーは送信機6を作動させて第二制御信号を生成し、歯5を解錠位置から施錠位置に通過させ、リング40の回転を阻止する。そのため、非常に迅速で使いやすい調整装置となる。支持盤30に組み込まれた電子機器には、定められた期限を過ぎた後に歯5を解錠位置から施錠位置へと自動的に戻すように設定された時間遅延を含めることもでき、これにより、第二制御信号を送信する必要がなくなる。
【0035】
図9では、唯一前部固定具21にのみ調整装置が取り付けられている。後部固定具22には、たとえば上記特許文書FR2876041 (Rossignol)又はUS 2011/0254239 (Jung) に記載されている種類からなる従来の調整装置を備えている。ただし、この後部固定具22には、本発明に適合した調整装置を備えることもできる。この図9では、固定具21、22は、ユーザーが坂を下るときのスノーサーフィンの練習に向いている。
【0036】
図10では、ユーザーは調整装置を使用してその前部固定具21の方角「a」を調整し、前記固定具の垂直対称面P21がボード1の全垂直対称面P1と一致するようにしている。後足を外すと、ユーザーの前足がボード1の軸にある状態になる。その後、ユーザーはスキーリフトに乗り、骨盤が斜面進路に面した状態で登ることができる。チェアリフトの場合、ユーザーはそのボード1を斜面に向け、その前足をそのボードの軸に合わせた状態で、シートに快適に座ることもできる。したがって、ロープウェイ搬器を使用する場合、ユーザーは非常に快適な位置になる。
【0037】
上記の実施形態における本発明のさまざまな要素及び/又は手段及び/又は手順の構成は、すべての実施においてそのような構成を必要とするものと理解されるべきではない。ある1つの実施形態に関連してのみ記載した技術的特徴は、別の実施形態でも使用することができる。いずれにせよ、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、これらの要素及び/又は手段及び/又は手順にはさまざまな変更を加えることができることが理解されるものとする。特に、以下のような点を列挙する。
- 施錠手段5は必ずしも歯の形態である必要はなく、リング40の内部側壁に配置された補完的な形状の窪んだ受け溝内に挿入できるよう適合させた1つ以上の人差し指形とすることができる。
- リング40は必ずしも取り付けられるとは限らないが、固定具21に直接組み込むことができる。このリングは、特に、固定具21のベースプレート211に作られた配列2111の位置に適合させることができ、たとえば、前記プレートの成形中に得られる。
- アクチュエータは、電動シリンダー又は施錠手段5と係合するラックの形状とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【特許文献1】仏国特許第2876041号明細書
【特許文献2】米国特許第5362087号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/0254239号明細書
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【国際調査報告】