特表2021-514329(P2021-514329A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-514329(P2021-514329A)
(43)【公表日】2021年6月10日
(54)【発明の名称】手動式輸送用トロリー
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/00 20060101AFI20210514BHJP
   G01G 19/52 20060101ALI20210514BHJP
   G01G 3/14 20060101ALI20210514BHJP
【FI】
   B62B3/00 Z
   G01G19/52 Z
   G01G3/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-565514(P2020-565514)
(86)(22)【出願日】2019年1月23日
(85)【翻訳文提出日】2020年9月16日
(86)【国際出願番号】DE2019000015
(87)【国際公開番号】WO2019154449
(87)【国際公開日】20190815
(31)【優先権主張番号】202018000613.0
(32)【優先日】2018年2月7日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】202018000661.0
(32)【優先日】2018年2月9日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520296864
【氏名又は名称】エバライン,マルティン
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】エバライン,マルティン
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050BB00
3D050CC01
3D050EE08
3D050EE15
(57)【要約】
本発明は、手動式輸送用トロリー1に関し、2台の同一な輸送用トロリー1、1’が積み重ねられている時、後方の押し込まれた輸送用トロリー1の第1ロードセル13と第2ロードセル14が各々後方区域15の内部と前方区域16の外部に位置し、前方の輸送用トロリー1’の第1ロードセル13と第2ロードセル14は各々後方区域15の外部と前方区域16の内部に位置するようにロードセル13、14が積載器6に配置され、第1ロードセル13は積載器6から下方へ向かい、第2ロードセル14は積載器6から上方へ向かう。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一構造の輸送用トロリーを空間節約になるように水平に積み重ねることができ、シャシー、プッシャーおよび物体を積載するかまたは支えるための少なくとも一つの積載器を含み、積み重ねられた状態で2台の輸送用トロリーの間に最小間隔が生じ、2台の輸送用トロリーの積み重ね連結部に後方区域と前方区域が生成され、後方区域は後方から挿入された輸送用トロリーだけが占め、前方区域は前方の輸送用トロリーだけが占め、積載器ごとに電子秤が一つずつ割り当てられ、当該電子秤に少なくとも一つの第1ロードセルおよび少なくとも一つの第2ロードセルがあり、これらのロードセルは積載器に連結されて積載器に積載された物体の重さを測定する手動式輸送用トロリーであって、
2台の同一な輸送用トロリーが積み重ねられている時、後方の押し込まれた輸送用トロリーの第1ロードセルと第2ロードセルが各々後方区域の内部と前方区域の外部に位置し、前方の輸送用トロリーの第1ロードセルと第2ロードセルは各々後方区域の外部と前方区域の内部に位置するようにロードセルが積載器に配置され、
第1ロードセルは積載器から下方へ向かい、第2ロードセルは積載器から上方へ向かうことを特徴とする輸送用トロリー。
【請求項2】
前記ロードセルが平面視において幾何学的に規則的な形態で積載器に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の輸送用トロリー。
【請求項3】
前記第1ロードセルおよび/または第2ロードセルの最長水平距離が2台の輸送用トロリーの積載間隔より大きく、ロードセルの最長水平距離の方向が輸送用トロリーを押す方向に対して角度をなすことを特徴とする、請求項1に記載の輸送用トロリー。
【請求項4】
輸送用トロリーの後方および/または前方に回動輪が設けられ、輸送用トロリーを押す方向に前記後方区域と前方区域が各々回動輪の干渉円より短く、および/または回動輪の転がり面が描く円の直径の1.5倍より短いことを特徴とする、請求項1に記載の輸送用トロリー。
【請求項5】
第1ロードセルが積載器の後端部から間隔をおいて配置され、第2ロードセルが積載器の前端部から間隔をおいて配置されることを特徴とする、請求項1に記載の輸送用トロリー。
【請求項6】
積載器がコンテナを形成し、積載器のベースまたは積載器全体が所定の回動範囲内で水平軸線を中心に回動することを特徴とする、請求項1に記載の輸送用トロリー。
【請求項7】
バッテリーおよび/または誘導エネルギーを伝達するための少なくとも一つの受信コイルを含めて電子秤にエネルギーを供給するのに必要な要素が後方区域に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の輸送用トロリー。
【請求項8】
電子秤に電力を供給するのに必要な要素が積載プラットフォームに下側に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の輸送用トロリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一構造の輸送用トロリーを空間節約になるように水平に積み重ねることができ、シャシー、プッシャーおよび物体を積載するかまたは支えるための少なくとも一つの積載器を含み、積み重ねられた状態で2台の輸送用トロリーの間に最小間隔が生じ、2台の輸送用トロリーの積み重ね連結部に後方区域と前方区域が生成され、後方区域は後方から挿入された輸送用トロリーだけが占め、前方区域は前方の輸送用トロリーだけが占め、積載器ごとに電子秤が一つずつ割り当てられ、当該電子秤に少なくとも一つの第1ロードセルおよび少なくとも一つの第2ロードセルがあり、これらのロードセルは積載器に連結されて積載器に積載された物体の重さを測定する手動式輸送用トロリーに関する。
【背景技術】
【0002】
DE 196 43 122 A1に紹介されたショッピングカートは電子秤を備え、ショッピングカートの積載面が電子秤の支持面を形成する。購入した品物の総重量を測定するのに使われる電子秤は、平板型であって、ショッピングカートの積載面の底部に付着される。
【0003】
WO2016/135142に紹介されたものは、ショッピングカート内にある品物を確認するための秤を備えており、現在、Edekaマーケットで使われている。
【0004】
以上で説明したショッピングカートはいずれも積載器の底部が厚く、これは、秤を底部に直接連結したか、またはロードセルを使う場合に底部にロードセルを設置したためである。積み重ねることのできる輸送用トロリーの底部が厚ければ、一列に積み重ねられた輸送用トロリーの積載間隔が非常に大きくなり、この場合、未使用トロリーが非常に大きい空間を占めるので問題になる。
【0005】
図1に示され、DE 196 43 122 A1に紹介されたショッピングカートの場合、底部が水平であるため、他のショッピングカートと積み重ねることができないかまたは不充分な程度に積み重ねられる。
【0006】
Edekaマーケットで使われる輸送用トロリーの場合はそうではないが、空間節約のために同じトロリーを積み重ねておくことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来の問題を解決して、同一な輸送用トロリーを積み重ねて空間を大きく節減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のこのような目的は、2台の同一な輸送用トロリーが積み重ねられている時、後方の押し込まれた輸送用トロリーの第1ロードセルと第2ロードセルが各々後方区域の内部と前方区域の外部に位置し、前方の輸送用トロリーの第1ロードセルと第2ロードセルは各々後方区域の外部と前方区域の内部に位置するようにロードセルを積載器に配置し、第1ロードセルは積載器から下方へ向かい、第2ロードセルは積載器から上方へ向かうようにして達成される。
【0009】
2台のトロリーを積み重ねた時、ロードセルが後方区域と前方区域の以内に位置しトロリーに接触しないため、ロードセルが必要なだけ遠く上方や下方へ伸びることができる。すなわち、秤装置に属する他の部分も全てこれらの2区域内に位置できることを意味する。輸送用トロリーが物体を積載する床面を備えていれば、この床面を非常に薄くデザインすることができるため、輸送用トロリーを非常に緻密に積み重ねることができ、これは大きな長所である。2台の同一な輸送用トロリーを積み重ねる時、ロードセルは互いに干渉しない。秤に電力を供給する要素も積載プラットフォームにおいて後方区域に位置することが好ましい。この場合、積載プラットフォームを秤や他の必要な部分と共に外部からケーブルが見えないように一つのユニットとして製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】手動式輸送用トロリーの側面図である。
図2】2台の輸送用トロリーが積み重ねられた状態の側面図である。
図3図1の平面図である。
図4】積載器がコンテナ形態である輸送用トロリーの側面図である。
図5】他の輸送用トロリーの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1の手動式輸送用トロリー1は他の同一な輸送用トロリー1’と上下に積み重ねて空間を節減することができる(図2を参照)。輸送用トロリー1は、シャシー2と後方のプッシャー5とを有する。シャシー2は、物体を置く積載プラットフォーム10としてデザインされた積載器6を支持する。積載器6は、シャシー2の後方3に位置した水平軸線9を中心に上側と後側に回動することができる。シャシー2の前方4において、積載器6がシャシーに支持される。このようなデザインは、シャシー2を円錐形にして輸送用トロリー1を積み重ねるようにするデザインである。水平軸線9に近い積載器6の後端部7に一つ以上の第1ロードセル13が積載器6の下側に配置される。積載器6の前端部8には、一つ以上の第2ロードセル14が上側に配置される。積載プラットフォーム10と関連して、第1ロードセル13は積載プラットフォーム10の厚さよりさらに下方へ伸び、第2ロードセル14は積載プラットフォームの厚さよりさらに上方へ伸びる。これらのロードセル13、14は、最新型であり、ドイツのFlintec社の製品であってもよい。
【0012】
ロードセルとして圧縮、引張、平面ビームまたはシングルポイントロードセルを用いることができる。ロードセル13、14は、「重さセンサ」とも言い、積載器6に連結されて物体の重さを測定する少なくとも一つの電子秤17に属する。積載器6ごとにそれ自身の電子秤17がある。
【0013】
図2は、同じデザインの2個の輸送用トロリー1、1’を積み重ねて空間を節約した状態を示す。ここでは、左側の輸送用トロリー1が輸送用トロリー1’の中に挿入された。前方の輸送用トロリー1’は図面の右側にある。2台の輸送用トロリー1、1’を互いに最大限押し込めば、間隔Aが生じる。この時、斜線で表示された後方領域15と前方領域16が形成され、周知のように、後方領域15は押し込まれた輸送用トロリー1が占め、前方領域16は前方の輸送用トロリー1’だけが占める。第1、第2ロードセル13、14は2個の輸送用トロリー1、1’の積載器6に配置されるが、後方の押し込まれた輸送用トロリー1の第1ロードセル13が後方領域15内に位置し、前方の輸送用トロリー1’の第2ロードセル14は前方領域16外に位置するように配置される。すなわち、前方の輸送用トロリー1’の第1ロードセル13は後方領域15外に位置し、輸送用トロリー1’の第2ロードセル14は前方領域16内に位置する。後方領域15と前方領域16を「不積み重ね空間(stacking dead space)」と言う。
【0014】
2台の輸送用トロリー1,1を積み重ねた時、前方および/または後方領域15、16に電子秤17に属する(ロードセル以外の)他の要素が位置するようにすることもできる。
【0015】
輸送用トロリー1の前方および/または後方には一般に回動輪が設けられ、前の部分に一つの回動輪のみが設けられた例が手荷物用カートであり、前の部分に二つの輪が設けられたものもある。輸送用トロリー1の前方および/または後方に回動輪を設け、押す方向に後方領域15と前方領域16の長さが各々回動輪の干渉円(interference circle)の直径より短く、および/または回動輪の転がり面が描く円の直径の1.5倍より短いことが好ましい。干渉円の直径は、回動輪の回動半径の2倍と等しい。ロードセル13、14が短い後方領域15と前方領域16に配置されれば、電子秤17を備えた輸送用トロリー1が既存の最適な積み重ね空間の大きさに悪影響を及ぼさない。
【0016】
図3に示すように、積載プラットフォーム10として設計された積載器6の後端部7と前端部8に2個の第1ロードセル13と2個の第2ロードセル14が各々幾何学的に規則的に配置される。上方から見て、ロードセル13、14が長方形をなす。第1ロードセル13と第2ロードセル14が一つずつのみ必要であれば、輸送用トロリー1の中央縦軸線や横軸線に配置することができる。ロードセルが4個より多くてもよい。どのデザインでも、第1ロードセル13を積載器6の後端部7から間隔をおいて配置し、第2ロードセル14は前端部8から間隔をおいて配置することができる。
【0017】
第1ロードセル13および/または第2ロードセル14の最大水平間隔が2台の輸送用トロリー間の積み重ね間隔より大きく、ロードセル13、14の最大水平間隔の方向が輸送用トロリーの押す方向に対して角度をなすことが好ましい。図3の実施形態においては、ロードセルの最大水平間隔の方向が輸送用トロリー1の押す方向に直角である。押す方向に伸びる2台の輸送用トロリー間の積み重ね間隔が図2にAで表示されている。
【0018】
図4の実施形態において、輸送用トロリー1の積載器6が既存のショッピングカートと類似したコンテナ11の形態を取る。この積載器6のベース12が積載プラットフォーム10を形成し、側壁に続く。第1ロードセル13と第2ロードセル14は前述したように配置される。ロードセル13、14を備えた第2積載器6を本来の積載器6の下にさらに配置することもできる。同一な輸送用トロリー1の空間節約のための積み重ねのために、積載プラットフォーム10と同様に、積載器6のベース12は水平軸線9を中心に上側に回動するようにする。コンテナ11として設計された完全な積載器6がシャシー2の上に配置され、水平軸線9を中心にストッパーにより定められた回動範囲内で上側と後側に回動できるようにする場合にも同様である。どの場合でも、コンテナ11の後壁も公知の方式で回動しなければならない。コンテナ11としてデザインされた積載器6の場合。ベース12は使用中には水平状態を維持しなければならず、これは、一般にベース12や積載プラットフォーム10の水平配置の状態で重さを測定し易いためである。このような条件は、前述した全てのデザインに適用される。ロードセル13、14の他に、電子秤17に属するか、または電子秤17の機能を支援する他の要素も2台の輸送用トロリー1、1’を積み重ねた時に後方区域15内に位置するように輸送用トロリー1に付着することができる。
【0019】
図5は、電子秤17の電源の役割をするバッテリー18が後方領域15に位置する輸送用トロリー1を示す。インダクティブ方式でエネルギーが輸送用トロリー1に伝達される場合、輸送用トロリー1に設けられる少なくとも一つの受信コイル19も後方区域15に位置する。他の電子制御要素も同様である。この場合、このような全ての要素や機能部位が後方領域15内で積載プラットフォーム10に付着され、底部において利用できる空間を使用できる。特にバッテリー18の重量を無視できない場合、バッテリーを水平軸線9に非常に近く配置して、バッテリーの重量により輸送用トロリー1、1’、1’’を積み重ねるのが難しくないようにしなければならない。前述した他の部分に対しても同様である。
【0020】
当業者であれば、積載器6を自由にデザインすることができるであろう。例えば、フレーム/輸送ユニットがシャシー2の後方3にある水平軸線9を中心にピボットするように設けることができ、そこにロードセル13、14を連結し、ロードセルに積載プラットフォーム10を付着して積載器6の役割をするようにすることもできる。また、物体を入れるための輸送バックとして使用できるように積載器6をデザインすることもできる。以上で説明した輸送用トロリー1はセルフサービスストアで使用することが好ましく、これは、顧客が非常に多くの輸送用トロリーを使用しなければならず、このような輸送用トロリーを空間節約になるように提供しなければならないためである。以上で説明した輸送用トロリーは、このような条件を十分に満たすことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】