(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-514796(P2021-514796A)
(43)【公表日】2021年6月17日
(54)【発明の名称】手動式マニュアルトレッドミル
(51)【国際特許分類】
A63B 22/02 20060101AFI20210521BHJP
F16H 21/16 20060101ALI20210521BHJP
F16H 37/12 20060101ALI20210521BHJP
【FI】
A63B22/02
F16H21/16
F16H37/12 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-547046(P2020-547046)
(86)(22)【出願日】2018年7月13日
(85)【翻訳文提出日】2020年9月3日
(86)【国際出願番号】US2018041962
(87)【国際公開番号】WO2019172949
(87)【国際公開日】20190912
(31)【優先権主張番号】62/638,176
(32)【優先日】2018年3月4日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520339677
【氏名又は名称】ヤン,フェイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,フェイ
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AB29
3J062AB31
3J062AC07
3J062AC08
3J062CB06
3J062CB33
3J062CG66
3J062CG84
3J062CG95
(57)【要約】
本発明は、トレッドベルトを駆動するための電気モータの代わる手動式システムを備えた新規なトレッドミルに関する。手動式システムには、2つのハンドルの間の異なる連結システムによる両方のハンドルの固定範囲動作及び自由範囲動作を含む。ハンドルの枢動は、効率的にトレッドベルトの後方移動に伝達できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、該フレーム内に取り付けられるエンドレストレッドベルトとを有する手動式トレッドミルであって、当該手動式トレッドミルは、
動く運動面を提供するために前記エンドレストレッドベルトを駆動するための手動駆動手段と、
ユーザーの手から動力を受け取るための手段と、
ユーザーの手からの動力を一方向回転出力に伝達するための手段と、
を含み、
前記手動駆動手段は、第1のハンドルと、第2のハンドルと、該第1のハンドル及び該第2のハンドルから手動の動力を受け取り、該手動の動力を回転出力に伝達し、さらに前記エンドレストレッドベルトを動かすドライブトレインとを含む、手動式トレッドミル。
【請求項2】
前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルは往復動作で係合し、前記第1のハンドルを一方向に動かすことにより、前記第2のハンドルは反対方向に動かされる、請求項1に記載の手動式トレッドミル。
【請求項3】
前記ドライブトレインは、前記エンドレストレッドベルトを動かすために前記回転出力を運ぶ少なくとも1つのオーバーランニングクラッチ又はフリーホイールをさらに含む、請求項1に記載の手動式トレッドミル。
【請求項4】
フレームと、
前記フレーム内に取り付けられるエンドレストレッドベルトと、
往復固定範囲動作で連結される第1のハンドル及び第2のハンドルと、
前記第1のハンドル及び第2のハンドルから前記エンドレストレッドベルトに動力を伝達するドライブトレインと、
を含む手動式トレッドミル。
【請求項5】
前記ドライブトレインは、
前記エンドレストレッドベルトに動力を運ぶ少なくとも1つのオーバーランニングクラッチ又はフリーホイールと、
前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルを互いに往復固定範囲動作で連結する連結装置であって、前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルの移動方向は、通常ハンドルの死点である前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルの最も前の点及び最も後ろの点に合致する前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルが動作範囲の最大点を通過した後にしか逆にできない、連結装置と、
をさらに含む、請求項4に記載の手動式トレッドミル。
【請求項6】
前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルが前記往復固定範囲動作を実現できるようにするための前記装置は一対の反対に回転する連結クランクを含み、該連結クランクは第1のシャフトの両端に設けられ、前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルを反対方向に且つ固定範囲周期で動かす、請求項5に記載の手動式トレッドミル。
【請求項7】
前記ドライブトレインは、
バネ強制カムと、
各端にホイールを備えた回転アームであって、該ホイールは前記カムの動きから蓄積されたバネエネルギーにより前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルが死点を通過するのを助けるために前記カムと係合し、該回転アームは前記第1のシャフトに固定される、回転アームと、
一方向回転を実現するために前記第1のシャフト上に設けられる少なくとも1つのオーバーランニングクラッチ又はフリーホイールと、
をさらに含む、請求項4に記載の手動式トレッドミル。
【請求項8】
フレームと、
前記フレーム内に取り付けられるエンドレストレッドベルトと、
往復自由範囲動作で連結される第1のハンドル及び第2のハンドルと、
前記エンドレストレッドベルトを動かすために前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルから動力を伝達するドライブトレインと、
を含む手動式トレッドミル。
【請求項9】
前記ドライブトレインは、
前記エンドレストレッドベルトを動かすために動力を運ぶ少なくとも1つのオーバーランニングクラッチ又はフリーホイールと、
前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルを互いに往復自由範囲動作で連結する連結装置であって、前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルが反対方向に動くように連結し、前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルの入力動力方向が逆にされた場合は常に前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルを動かす方向を逆にする、連結装置と、
をさらに含む、請求項8に記載の手動式トレッドミル。
【請求項10】
前記ハンドルに前記往復自由範囲動作を実現させるための前記ドライブトレインは、一対の反対方向に回転する連結ギアを含み、該連結ギアは、前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルを反対方向に動かし、前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルへの力方向が逆になった場合は常に前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルを動かす方向を変えることができる、請求項9に記載の手動式トレッドミル。
【請求項11】
前記ドライブトレインは、前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルの動きを一方向の回転動作に変換するために、前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルのそれぞれの入力シャフト上に設けられる少なくとも1つのオーバーランニングクラッチ又はフリーホイールをさらに含む、請求項10に記載の手動式トレッドミル。
【請求項12】
フレームと、該フレーム内に取り付けられるエンドレストレッドベルトとを有する手動式トレッドミルであって、当該手動式トレッドミルは、
前記フレームに回転可能に取り付けられる第1のハンドル及び第2のハンドルと、
前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルから前記エンドレストレッドベルトに動力を伝達するために前記フレームに取り付けられるドライブトレインと、
を含み、
前記ドライブトレインは、
第1のシャフトであって、該第1のシャフトの一端に第1のクランクを有し、該第1のシャフトの他端に第2のクランクを有し、該第1のクランクは前記第1のハンドルに接続され、該第2のクランクは前記第2のハンドルに接続され、前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルは相互に且つ反対に動くように互いに連結される、第1のシャフトと、
ユーザーの歩行又は走行ペースに合致する正しい速度範囲で前記エンドレストレッドベルトを動かすために、前記第1のシャフトの回転を所望の回転速度に伝達するトランスミッションと、
前記動力を前記エンドレストレッドベルトに運ぶ少なくとも1つのオーバーランニングクラッチ又はフリーホイールと、
を含む、手動式トレッドミル。
【請求項13】
前記第1のシャフトが1つの方向に回転するのを防止するために、前記第1のシャフト上にオーバーランニングクラッチ又はフリーホイールが設けられている、請求項12に記載の手動式トレッドミル。
【請求項14】
前記ドライブトレインは、
ハンドルが死点を通過するのを助けるためにエネルギーを蓄積するためのバネ固定カムと、
前記バネ固定カムと係合する、ホイールを備えた回転アームと
前記第1のシャフト上に設けられるオーバーランニングクラッチ又はフリーホイールと、
前記エンドレストレッドベルトの1つのシャフト上に設けられるオーバーランニングクラッチ又はフリーホイールと、
をさらに含む、請求項12に記載の手動式トレッドミル。
【請求項15】
フレームと、該フレーム内に取り付けられるエンドレストレッドベルトとを有する手動式トレッドミルであって、当該手動式トレッドミルは、
第1のハンドル及び第2のハンドルであって、該第1のハンドルは第1のハンドルシャフトに接続され、該第2のハンドルは第2のハンドルシャフトに接続され、該第1のハンドルシャフト及び該第2のハンドルシャフトは、該第1のハンドルシャフト及び該第2のハンドルシャフト上にある一対のギアにより連結され、該第1のハンドルは該第1のハンドルシャフトを中心に枢動し、該第2のハンドルは該第2のハンドルシャフトを中心に枢動し、ハンドルの最大動作範囲を制限するために使用されるエネルギー貯蔵材料を制限するためにバネ又はゴムのクッション及びエネルギー蓄積材料が用いられる、第1のハンドル及び第2のハンドルと、
前記第1のハンドル及び前記第2のハンドルから前記エンドレストレッドベルトに動力を伝達するために前記フレームに取り付けられるドライブトレインであって、該ドライブトレインは、
第1のハンドルシャフト及び第2のハンドルシャフトであって、該第1のハンドルシャフト及び該第2のハンドルシャフトは、該第1のハンドルシャフト及び該第2のハンドルシャフト上の一対のギアにより互いに連結され、該第1のハンドルシャフトの一端は前記第1のハンドルの下端に接続され、該第2のハンドルシャフトの一端は前記第2のハンドルの下端に接続される、第1のハンドルシャフト及び第2のハンドルシャフトと、
共通入力シャフト上の第1のフリーホイールと係合する、前記第1のハンドルシャフト上にある第1のチェーンホイール又はベルトホイール及び共通入力シャフト上の第2のフリーホイールと係合する、前記第2のハンドルシャフト上にある第2のチェーンホイール又はベルトホイールと、
ユーザーの歩行又は走行ペースに合致正しい速度範囲で前記エンドレストレッドベルトを動かすために、前記共通入力シャフトの回転を所望の回転速度に伝達するトランスミッションと、
前記エンドレストレッドベルトに動力を運ぶ少なくとも1つのオーバーランニングクラッチ又はフリーホイールと、
を含む、ドライブトレインと、
を含む、手動式トレッドミル。
【請求項16】
共入力シャフト上にある前記第1のフリーホイール及び前記第2のフリーホイールは同じフリーホイール方向を有し、前記第1のハンドルシャフト上の第1のチェーンホイール又はベルトホイール及び前記第2のハンドルシャフト上の第2のチェーンホイール又はベルトホイールは、チェーン又はベルトにより前記共入力シャフト上の第1のフリーホイール及び第2のフリーホイールとそれぞれ係合する、請求項15に記載の手動式トレッドミル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年3月4日に出願された「手動式マニュアルトレッドミル」と題する米国仮特許出願第62638176号の優先権の便益を主張する。係る出願は、その全体が参照により本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明はフィットネス器具に関し、より具体的には、歩行及び走行運動のために用いられるトレッドミルに関する。本発明は手動式システムを備えた、新しい概念のトレッドミルに関するものであり、手動式システムはトレッドベルトを動かすのを助けて、走行及び歩行運動のための全てのニーズに手動式トレッドミルを安全に適合させる。
【0003】
現在のトレッドミルは2つのカテゴリーに、すなわち、電動トレッドミルと、非電動トレッドミル(手動式トレッドミルと呼ばれる)とに分けることができる。電動トレッドミルの場合、ユーザーは所望の速度で歩行するか又は走行するためにトレッドミルの速度を調整する必要がある。より突っ込んだ運動をするためには、ユーザーは速く歩くか若しくは走るか又はトレッドベースの傾斜を大きくしなければならない。多くのユーザーにとって、速度又は傾斜を大きくすることで膝を痛める可能性があり、ユーザーの安全が危険にさらされることすらある。過去20年間、米国では50人以上がトレッドミルの事故で亡くなっている。米国では、トレッドミルの事故の結果、毎年24000件が救急治療室に搬送されている。室内フィットネス器具による怪我の全体の40%にあたるトレッドミルによる怪我によって救急治療室に搬送されている。
【発明の概要】
【0004】
標準的な手動/非電動トレッドミルでは、ユーザーはトレッドベルトとフットボードの上面との間の摩擦抵抗を克服しなければならないため、トレッドベースの傾斜を著しく大きくすることなく所望の速度に到達するのは困難である。ほとんどの場合、トレッドベースの傾斜を大きくすることが、より厳しいトレーニングのための唯一の選択肢である。現在の非電動トレッドミルの予想走行速度に達することは非常に困難であるため、非電動トレッドミルの利用は大幅に限られている。非電動トレッドミルを所望の運動強度に到達させるのと同時にユーザーが速度を十分に制御できるようにすることは最大の課題である。トレッドミルが最も人気のあるフィットネス器具になって以来、数多くの研究がなされてきたものの、これまでのところ大きな飛躍的進歩はない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、概してドライブトレインに接続された2つのハンドルから構成される手動システムを備えた新規なトレッドミルに関する。ドライブトレイン内にある少なくとも1つのフリーホイール又はオーバーランニングクラッチは、ハンドルからトレッドベルトに動力を伝達する。滑らかで且つ一定の駆動力を発生させるために、フリーホイール/オーバーランニングクラッチ及び往復ハンドル結合システムの両方が、駆動トレッドベルトを駆動してユーザーのペースに適合させるためにドライブトレインにおいて用いられる。また、手動式システムは、少なくとも1つのフリーホイール又はオーバーランニングクラッチによって、トレッドベルト又はトレッドベルトシャフトに動力を伝達する。ハンドルは、各ハンドル又は両方のハンドルに直接加わる力によって動かされる。しかしながら、トレッドベルトの動きはハンドルを駆動しない。往復ハンドル動作システム(reciprocal handle movement system)は、2つのハンドル間の異なる連結システムを介して、双方のハンドルの固定範囲動作及び自由範囲動作を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の2つのグループの実施形態が添付の図面の図に一例として示され、それらは図面により限定されない。
図1〜
図5は往復固定範囲動作ハンドルを備えるトレッドミルの一態様であり、
図6は、往復固定範囲動作ハンドルの別の態様の簡略化されたハンドルの設定の図であり、
図7〜
図9は、往復自由範囲動作ハンドルを備えたトレッドミルの一態様であり、
図10〜
図14は、自由範囲動作ハンドルを備えたトレッドミルの別の態様である。
【
図1】
図1は、往復固定範囲動作ハンドルを備えるトレッドミルの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のドライブトレインの斜視図の拡大図である。
【
図6】
図6は、別の往復固定範囲動作ハンドルの連結機構を簡略図である。
【
図7】
図7は、往復自由範囲動作ハンドル及び2つのスポットの出力を備えるトレッドミルの斜視図である。
【
図10】
図10は、往復自由範囲動作ハンドル及び1つのスポットの出力を備えるトレッドミルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、本発明におけるハンドル動作の2つのグループの実施形態として考えられるべきであり、本発明を以下の説明又は図に示される特定の実施形態に限定することを意図していない。往復ハンドル動作システムは、2つのハンドル間の異なる連結システムを介して、両方のハンドルの往復固定範囲動作及び往復自由範囲動作を含む。
【0008】
図1〜
図5において、手動式トレッドミルは、ベース40、フットボードフレーム41、前側トレッドベルトシャフト31、リアトレッドベルトシャフト39、フライホイール24、32及びエンドレストレッドベルト30等の基本構造を有する。手動式システムは、上側ハンドル1、36、下側ハンドル4、33、クランク2、34、クランクコネクタ3、35、第1のシャフト13、死点を克服する(dead spot overcoming)フライホイール11、第1のチェーンホイール12、第1のチェーン15、第1のテンションホイール14、各端部にホイール8、43を有する回転アーム9、トーションバネ5によって押される、軸6上にあるカム7、第2のシャフト17上にある第2のチェーンホイール16、第2のシャフト17上にあるギア19、第3のシャフト18上にあるギア20、ユニバーサルジョイント21、コネクタ22、第4のシャフト23、第3のチェーンホイール25、第2のチェーン26、第2のテンションホイール27、前側トレッドベルトシャフト31上にあるフリーホイールチェーンホイール29を含む。ここでは、2つのハンドルのための連結システム及びハンドルとトレッドベルトシャフトとの間の伝達システムをドライブトレインと呼ぶことができる。また、トレッドミルフレームは、トレッドミルフットボードフレーム及びトレッドミルベースを含む。
【0009】
下側ハンドル4及び33は、上側ハンドル1及び36にそれぞれ接続されている。ドライブトレインフレーム37はフットボードフレーム41に取り付けられている。下側ハンドル4及び33の下端は、それぞれヒンジ37及び38を介してドライブトレインフレーム47に接続されている。ここで、ヒンジに代えてベアリング又は他の回転ジョイントを用いることもできる。ユーザーは、ハンドル1及びハンドル36を交互に押し引きして、第1のシャフト13とそれにあるオーバーランニングクラッチ42とを駆動して、第1のシャフト13を一方向にのみ回転させる。クランク2、34及びクランクコネクタ3、35は、下側ハンドル4、33を第1のシャフト13の各端に接続するために用いられる。第1のチェーン15は、第1のチェーンホイール12を第2のチェーンホイール16に連結し、さらに第2のシャフト17を回転させて、第3のシャフト18をギア19及びギア20を介して逆方向に回転させる。ユニバーサルジョイント21は、第3のシャフト18をコネクタ22及び第4のシャフト23に接続するのに用いられる。第3のチェーンホイール25は、第4のシャフト23に接続されている。第2のチェーン26は、第3のチェーンホイール25をフリーホイールチェーンホイール29と共に接続する。第2のテンションホイール27及びバネ28は、第2のチェーン26の窮屈さを調節するのに用いられる。前側トレッドベルトシャフト31は、フリーホイールチェーンホイール29を介して第2のチェーン26により回転される。フリーホイールチェーンホイール29が前側トレッドベルトシャフト31よりも速く回転した場合にのみ、ユーザーの手がトレッドミルのトレッドベルトに動力を与える。したがって、トレッドベルトは、ハンドルからの動力なしで慣性で動く(coast)ことができる。ユーザーの手からの動力は、トレッドベルトが所望の速度で動くのを助ける。ここでは、フリーホイール及びオーバーランニングクラッチは互いを置き換えることができ、チェーンホイール及びチェーンはベルトホイール及びベルトに置き換えることができる。
【0010】
図1〜
図5は、往復固定範囲ハンドル動作(reciprocal fixed range handle movement)の手動式トレッドミルを示す。ハンドル動作の各周期は固定されている。これは、ユーザーがハンドルの移動方向を変更できるようになるには、各ハンドルを最大範囲押すか又は引く必要がある。ユーザーの左手がハンドル1を前方に押すことでハンドル36が後方に動き、逆も同様である。したがって、同時に一方の手で押し、他方の手で引き、そして各死点を通過した後で方向を切り替えることにより、一貫した駆動力を生成できる。オーバーランニングクラッチ42は、第1のシャフト13が誤った方向に回転するのを防止できる。第1のシャフト13が回転すると、両端にホイール8、43を有する回転アーム9が回転し、カム7に押し付けられる。カム7は、ホイール8、43に押し付けるために、トーションバネ5により軸6に組み付けられる。回転アーム9が回転すると、ホイール8又は43はカム7の上部に到達し、平衡点(balance point)に到達するまでカム7を押して遠ざけ、カム7は平衡点で第1のシャフト13の方に戻り始める。平衡点の前で、トーションバネ5はカム7の動きからエネルギーを蓄積する。平衡点の後で、回転アーム9が回転し続ける間にカム7が後方に移動し始め、トーションバネ5は蓄積されたエネルギーを放出してカム7を後方に押し、回転アーム9を動かしてハンドルが死点を通過するのを助ける。死点ではハンドル駆動力はゼロである。ほとんどの場合、死点は、ハンドル1及び36が最後部又は最前部の位置に到達する点であるか又は各ハンドルがその移動方向を変更し始める点である。異なる走行ペース/歩行速度のためにギア比を変更するために、ドライブトレインにおいて自動又は手動の変速システムを用いることもできる。
【0011】
図6は、別の往復固定範囲動作ハンドルの設定の簡略図である。ハンドル101はスロット開口102を有し、ハンドル105はスロット開口106を有する。ハンドル101及びハンドル105は、回転可能にシャフト121に接続されている。ホイール109は、オーバーランニングクラッチ116によりシャフト115に接続されている。シャフト116は回転可能に支持体111、112に接続されている。一対の対向するクランク104、108のそれぞれは内端及び外端を有し、各内端はシャフト115の一端に固定取り付けられている。クランク104の外端はホイール103を有し、スロット開口102内で回転摺動(rotatably slide)できるのに対して、クランク108の外端はホイール107を有し、スロット開口106内で回転摺動できる。ハンドル101及びハンドル105はシャフト121に回転可能に接続されるのに対して、支持体111及び112はシャフト121に固定接続される。ハンドル101が前方に押されると、ハンドル105は後方に進み、ハンドル101が後方に引かれると、ハンドル105は前方に進む。したがって、2つのハンドル101、105は、往復固定範囲動作で結合されている。シャフト115とホイール116との間にはオーバーランニングクラッチ116があるため、ホイール116は一方向にしか回転しない。ホイール116はハンドル101及び105からドライブトレインの残りに動力を運ぶチェーンホイール又はベルトホイールであり得る。この種のハンドル設定は、往復固定範囲ハンドル動作の手動式トレッドミルでも用いることができる。
【0012】
図7〜
図9は、自由範囲ハンドル動作の手動式トレッドミルの一態様を示す。ハンドル動作の各サイクルはフレキシブルである。これは、ユーザーは、ハンドルの移動方向を変更する前に、各ハンドルを最大範囲まで押すか又は引く必要がないことを意味する。ユーザーはハンドルの往復動作をいつでも変更できる。非電動トレッドミルでは、より集中的に且つ快適に歩くか又は走るためには、トレッドミルトラックの上に足を乗せた場合、トレッドベルトを後方に引っ張るための追加の力が幾分か必要となる。これを実現するための最も効率的な方法は、2つのハンドルを有し、それらの間に連結システムを有して2つのハンドルを相互に動かす(一方が前方に動き、他方が後方に動く)ことが可能な手動式システムを加えることである。ドライブトレインはこの動力を少なくとも1つのフリーホイール又はオーバーランニングクラッチにより手からエンドレストレッドベルトに伝達する。
【0013】
本発明の一実施形態は、ベース240、フットボードフレーム241、エンドレストレッドベルト230、前側トレッドベルトシャフト251及び後ろ側トレッドベルトシャフト252を含む。これらの部品は従来のトレッドミルと同様である。下側ハンドル204及び233は、ハンドル201及び236にそれぞれ接続されている。シャフト265及びシャフト268は、下側ハンドル204及び下側ハンドル233にそれぞれ固定接続されている。ギア266及びチェーンホイール263は、シャフト265の各端に固定接続され、ギア269及びチェーンホイール273は、シャフト268の各端に固定接続されている。シャフト251上にあるフリーホイール271はチェーン272によりチェーンホイール273と係合する。フリーホイール271は、シャフト251を前方に回転させることができないので、フリーホイール271は、トレッドベルト230を後方にしか駆動させることができない。シャフト251上にあるフリーホイール261はチェーン262によりチェーンホイール263と係合する。フリーホイール261はシャフト251を前方に回転させることができないため、フリーホイール261はトレッドベルト230を後方にしか駆動させることができない。フライホイール224及び232はシャフト251上にある。右側ハンドル236が前方に押されると、ホイール273が回転し、フリーホイール271にシャフト251と係合することなく自由に回転させる一方で、シャフト268及びギア269が回転してギア266と係合し、シャフト265、ホイール263、及びフリーホイール161を回転させて、トレッドベルト230を後方に駆動させ、ハンドル201を後方に回転させるために逆方向に回転する。右側のハンドル236が後方に引かれると、ホイール273が回転し、チェーン272を引っ張ってフリーホイール271及びシャフト251を回転させ、トレッドベルト230を後方に動かし、ハンドル201を前方に回転させる。ギア266及びギア268は係合して、ハンドル201及び236に往復動作させる。シャフト251の各端にあるフリーホイール261又はオーバーランニングクラッチ271がハンドル201、236を相互に押すか又は引くことで、トレッドベルト230を後方に動かす。所定の範囲内で、ハンドル201及び236の枢動範囲は融通が利く。したがって、異なる範囲でハンドル201及び236の各ストライク(strike)は、異なる距離でトレッドベルト230を後方に駆動できる。
図9では、ギアボックス267内の2つのギア266及び269を有するハンドル連結システムは、ギアボックス274内部のギア275、276、277、278及び279(
図9における視点「R」を参照)によっても置き換えることができ、2つのシャフトは、このように同じ軸にあることができる。また、ハンドルの最大移動範囲を制限するために、バネ又はゴム等のこの種のクッション及びエネルギー蓄積材料が用いられる。
【0014】
図10〜
図14は自由範囲ハンドル動作の手動型トレッドミルの別の実施形態を示す。先の実施形態(
図7〜
図9)との主な違いはハンドル及びドライブトレインについてである。各ハンドルにはハンドルバーの傾斜変化を最小限に抑えるループ構造が設けられ、トレッドベルトのシャフトへの出力を1点有する。トレッドミルは、フレーム343、トレッドベルト330及びドライブトレインラック301を含む。右側のハンドルは、ハンドルバー347、下側レバー348及び上側レバー346で構成される。左側のハンドルは、ハンドルバー349、下側レバー351及び上側レバー350で構成される。ハンドルバー349又は347の角度変化は、下側レバー351又は348の角度変化よりも小さいため、ユーザーにとってはハンドルバー349及び347をより快適に保持できる。右側のハンドルバー347を引くことで、下側レバー348が後方に動き、シャフト334、チェーンホイール339及びギア318を回転させる。ギアボックス337では、ギア318は、ギア336、シャフト315、チェーンホイール313を反対方向にさらに回転させる。そのため、左側の下側レバー351、ハンドルバー349及び上側レバー350を前方に動かす。左右のハンドルは、往復自由範囲動作(reciprocal free range movement)で連結されている。右側のハンドルバー347を引くことで、チェーンホイール339を回転させ、チェーン341によりフリーホイール342がさらに回転され、右側のハンドルバー347を引く及び/又は左側のハンドルバー349を押すことで、チェーンホイール313を回転させ、チェーン309によりフリーホイール308をさらに回転させる。テンションホイール340及び312は、チェーン341及びチェーン309をそれぞれ締めるのに用いられる。フリーホイール342、308は、トレッドベルト330を後方に駆動するために、共通入力シャフト307と同じフリーホイール方向に係合する。
【0015】
ハンドルバー347、349を相互に押すか又は引くことで、シャフト307が1つの回転方向に駆動される。ギアボックス324では、ギア321及びギア328は同じシャフト上にあるのに対して、ギア320及びギア333はシャフト322上にあり、ギア323はギア321と係合し、ギア328はギア333と係合し、ギア320はギア332と係合する。ギア323はギア321を反対の回転方向に駆動し、シャフト329及びギア328を回転させる。ギア328はギア333と係合してギア320を回転させ、ギア332をさらに回転させる。ギア332及びホイール302の双方は同じシャフト311上にある。ベルト303は、ホイール302とフリーホイール304とを共に接続する。フリーホイール304はシャフト305上にある。ローラー345及びシャフト305は同じ軸上にある。フライホイール306及び344はローラー345上にある。ハンドルバー347又は349に加わる力は、ローラー345を回転させ、トレッドベルト380を後方にさらに動かす。ハンドルバー347、349を前後に動かすことは、トレッドベルト330を後方に駆動する。ユーザーは、ハンドルバー347及び349の各ストライク範囲を制御して、各ストライク内のトレッドベルトの移動距離を制御できる。ハンドルの最大動作範囲を制限するために、下側レバー351及び348を止めるためのクッション材料及びエネルギー蓄積材料としてバネ又はゴムが用いられる。また、異なる走行速度/歩行ペースのためにギア比を変更するために、ドライブトレインにおいて自動又は手動の変速システムを用いることもできる。トレッドミルは、手動又は電動のトレッドミルフットボードの傾斜調節装置、計器、制御及び表示のためのスクリーンも含む。
【0016】
上記から、本発明の新規な概念の真の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変更が有効であり得ることが分かる。本明細書に開示された特定の実施形態に関する限定は意図したものではなく、そのように推測すべきではないことが分かる。本開示は、添付の特許請求の範囲及び特許請求の範囲に該当する全てのそのような変更よりカバーされる。
【国際調査報告】