(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
本発明は、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含む有効量の固定用量の医薬組成物を対象に経鼻投与することを含む、アレルギー性鼻炎を治療することを、それを必要とする小児対象において行う方法に関する。
アレルギー性鼻炎に伴う症状を治療することを、それを必要とする小児ヒト対象において行う方法であって、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む固定用量の医薬組成物を鼻孔あたり1スプレーで1日2回経鼻投与することを含み、各スプレーが、約25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び約665mcgのオロパタジン塩酸塩を含む、前記方法。
アレルギー性鼻炎を緩和するためのより迅速な作用発現をもたらすことを、それを必要とする小児ヒト対象において行う方法であって、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む固定用量の医薬組成物を鼻孔ごとに1スプレーを1日2回対象に経鼻投与することを含み、(i)各スプレーが、約25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び約665mcgのオロパタジン塩酸塩を含み、(ii)前記投与により、25mcgのフランカルボン酸モメタゾンまたは665mcgのオロパタジン塩酸塩単独での経鼻投与よりも迅速に、アレルギー性鼻炎の1つ以上の症状の緩和がもたらされる、前記方法。
前記アレルギー性鼻炎が季節性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、及び持続性アレルギー性鼻炎から選択される、請求項14〜20のいずれか1項に記載の方法。
アレルギー性鼻炎に罹患している小児ヒト対象を治療する方法であって、鼻孔ごとに1スプレーを1日2回経鼻投与するための処方された医薬組成物を前記対象に投与するステップを含み、
前記医薬組成物が、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含み、前記医薬組成物の各スプレーが、約25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び約665mcgのオロパタジン塩酸塩を含み、
前記医薬組成物が、
(a)(I)モメタゾンもしくはその塩またはオロパタジンもしくはその塩のみの経鼻投与よりもアレルギー性鼻炎の症状を緩和するためのより迅速な作用発現、または(II)投与から15分以内にアレルギー性鼻炎の1つ以上の症状を緩和するための作用発現をもたらすものとしての前記医薬組成物のマーケティング、及び
(b)アレルギー性鼻炎に罹患しているとの前記小児ヒト対象の診断に応じて処方された後、前記小児ヒト対象に投与される、前記方法。
前記アレルギー性鼻炎が季節性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、及び持続性アレルギー性鼻炎から選択される、請求項25〜31のいずれか1項に記載の方法。
アレルギー性鼻炎に罹患している小児ヒト対象を治療する方法であって、鼻孔ごとに1スプレーを1日2回経鼻投与するための医薬組成物を前記対象に投与するステップを含み、(i)前記医薬組成物が、アレルギー性鼻炎の前記治療のために、15分以内に作用発現をもたらし、かつ(ii)前記医薬組成物の各スプレーが、約25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び約665mcgのオロパタジン塩酸塩を含む、前記方法。
前記アレルギー性鼻炎が季節性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、及び持続性アレルギー性鼻炎から選択される、請求項35〜38のいずれか1項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、モメタゾンまたはその塩とオロパタジンまたはその塩との固定用量の組み合わせ、及びそれを必要とする小児対象における鼻炎の治療のためのその使用に関する。本発明者らは、驚くべきことに、アレルギー性鼻炎の治療においてフランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩が相乗的に作用し、その組み合わせがいずれかの活性成分のみによる治療よりも効果的であり、小児対象においてより優れた治療的価値をもたらすことを見出した。フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩の固定用量の組み合わせは、1日2回、1スプレーとして投与され、各スプレーは、フランカルボン酸モメタゾン25mcg及びオロパタジン塩酸塩665mcgを提供し、アレルギー性鼻炎の症状の大幅な軽減など、小児対象の生活の質を大幅に改善する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らはまた、驚くべきことに、モメタゾンまたはその塩(フランカルボン酸モメタゾンなど)及びオロパタジンまたはその塩(オロパタジン塩酸塩など)の医薬組成物の経鼻投与が、オロパタジン塩酸塩単独療法またはフランカルボン酸モメタゾン単独療法と比較した場合、季節性アレルギー性鼻炎または通年性アレルギー性鼻炎など、アレルギー性鼻炎に関連する症状の緩和のより迅速な作用発現をもたらすことも見出した。特に、この医薬組成物は、鼻詰まり、鼻漏、痒み及びくしゃみなどの鼻症状のより迅速な緩和をもたらす。この医薬組成物はまた、目の痒み、涙目/流涙、及び目の充血など、眼症状のより迅速な作用発現をもたらし得る。作用発現は、30分未満、例えば、約15分以内など、約10分以内などであり得る。一実施形態では、本発明は、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含む有効量の固定用量の医薬組成物を対象に経鼻投与することを含む、それを必要とする小児ヒト対象におけるアレルギー性鼻炎を治療する方法に関する。好ましくは、組成物は、1日2回、対象の鼻孔あたり1スプレーとして経鼻投与される。各スプレーは、好ましくは、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を、1:5〜約1:60の重量比、例えば、約1:12〜約1:53、約1:13.3〜約1:50、または約1:18〜約1:40の重量比(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)で含む。一実施形態では、各スプレーは、約665mcgのオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを提供する。一実施形態では、固定用量の医薬組成物は、モメタゾンまたはその塩が粒子状形態で存在し、オロパタジンまたはその塩が溶解形態で存在する懸濁液である。
【0016】
別の実施形態では、本発明は、フランカルボン酸モメタゾン一水和物及びオロパタジン塩酸塩を含む有効量の固定用量の医薬組成物を対象に経鼻投与することを含む、それを必要とする小児ヒト対象におけるアレルギー性鼻炎を治療する方法に関する。好ましい一実施形態では、組成物は、1日2回、対象の鼻孔あたり1スプレーとして経鼻投与される。医薬組成物の各スプレーは、約300mcg、約450mcg、約600mcg、約750mcg、または約900mcgのオロパタジンに相当するオロパタジン塩酸塩、及び約12.5mcg、約25mcg、約37.5mcg、約50mcg、または約62.5mcgのフランカルボン酸モメタゾンを含み得る。一実施形態では、各スプレーは、オロパタジン約600mcgに相当するオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを含む。
【0017】
本発明の文脈におけるアレルギー性鼻炎は、限定されないが、鼻内の粘膜の炎症及び刺激、ならびにそれらに伴う鼻症状及び/または非鼻症状が挙げられる。これらとしては、例えば、持続性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、薬物性鼻炎、血管運動性鼻炎、感染性鼻炎、自律性鼻炎、ホルモン性鼻炎、薬物誘発性鼻炎、萎縮性鼻炎、及び味覚性鼻炎が挙げられる。好ましくは、アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー性鼻炎、持続性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、ならびにそれらに伴う鼻症状及び/または非鼻症状から選択される。
【0018】
本発明の文脈において、鼻炎に関連する症状としては、鼻漏、鼻詰まり、鼻の痒み、くしゃみ、目の痒み/灼熱感、涙目/流涙、目の赤み、耳または口蓋の痒み、咳、眼掻痒症、過度の流涙、頭痛、疲労感、及び倦怠感が挙げられる。
【0019】
本発明の別の実施形態では、アレルギー性鼻炎を治療することを、それを必要とする小児ヒト対象において行う方法に関し、この方法は、約1:5〜約1:60または約1:12〜約1:53の重量比でモメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含む有効量の固定用量の医薬組成物を対象に経鼻投与することを含み、(i)組成物は、鼻孔あたり1スプレーとして1日2回経鼻投与され、(ii)各スプレーは、オロパタジン約600mcgに相当するオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを含む。一実施形態では、組成物は約1週間投与される。実施形態の別の態様では、組成物は約2週間投与される。
【0020】
一実施形態では、ヒト対象の総鼻症状スコア(TNSS)が、1週間または2週間の治療後、ベースラインから少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%減少する。別の実施形態では、ヒト対象の総眼症状スコア(TOSS)が、1週間または2週間の治療後、ベースラインから少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%減少する。本発明の一態様では、総鼻症状スコア(TNSS)及び総眼症状スコア(TOSS)は、即時性または反射性または両方として観察され得る。
【0021】
さらに別の実施形態は、アレルギー性鼻炎に伴う症状を治療することを、それを必要とする小児ヒト対象において行う方法であって、本方法は、モメタゾンまたはその塩(例えば、フランカルボン酸モメタゾン)及びオロパタジンその塩(例えば、オロパタジン塩酸塩)を含む固定用量の医薬組成物の鼻孔あたり1スプレーを1日2回経鼻投与することを含む。各スプレーは、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を、約1:5〜約1:60(約1:12〜約1:53、約1:13.3〜約1:50、または約1:18〜約1:40の重量比など)(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で含むことができる(例えば、各スプレーは、約12.5mcg、約25mcg、約37.5mcg、約50mcg、または約62.5mcgのモメタゾンまたはその塩(例えば、約50mcgのフランカルボン酸モメタゾン)、及び約300mcg、約450mcg、約600mcg、約750mcg、または約900mcgのオロパタジンに相当するオロパタジン塩酸塩(約665mcgのオロパタジン塩酸塩など)を含む)。一実施形態では、各スプレーは、約665mcgのオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを提供する。この投与では、モメタゾンもしくはその塩またはオロパタジンもしくはその塩の単独の経鼻投与よりも、アレルギー性鼻炎の1つ以上の症状(鼻症状または眼症状など)からのより迅速な緩和(例えば、30分未満、例えば約15分以内、例えば10分以内などの作用発現)がもたらされ得る。別の実施形態では、投与では、環境曝露チャンバー(EEC)(3500±500粒子/m
3の濃度のブタクサ花粉を有するものなどに6時間)に曝露された対象において、モメタゾンまたはその塩もしくはオロパタジン又はその塩の単独の経鼻投与よりも迅速な(例えば、15分未満、例えば約10分以内などの作用発現)アレルギー性鼻炎の1つ以上の症状(鼻症状など)からの緩和をもたらし得る。
【0022】
さらに別の実施形態は、アレルギー性鼻炎に関連する症状のより迅速な緩和の作用発現をもたらすことを、それを必要とする小児ヒト対象において行う方法であって、本方法は、モメタゾンまたはその塩(例えば、フランカルボン酸モメタゾン)及びオロパタジンその塩(例えば、オロパタジン塩酸塩)を含む固定用量の医薬組成物を鼻孔あたり1スプレーとして1日2回経鼻投与することを含む。この方法では、モメタゾンまたはその塩を単独で、またはオロパタジンまたはその塩を単独で投与したものと比較して、1つ以上の症状の緩和のより迅速な作用発現をもたらし得る。各スプレーは、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を、約1:5〜約1:60(約1:12〜約1:53、約1:13.3〜約1:50、または約1:18〜約1:40の重量比など)(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で含むことができる(例えば、各スプレーは、約12.5mcg、約25mcg、約37.5mcg、約50mcg、または約62.5mcgのモメタゾンまたはその塩(例えば、約50mcgのフランカルボン酸モメタゾン)、及び約300mcg、約450mcg、約600mcg、約750mcg、または約900mcgのオロパタジンに相当するオロパタジン塩酸塩(約665mcgのオロパタジン塩酸塩など)を含む)。一実施形態では、各スプレーは、約665mcgのオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを提供する。この投与では、30分以内に、例えば、15分または10分以内などで、1つ以上の症状の緩和をもたらすことができる。別の実施形態では、投与では、環境曝露チャンバー(EEC)(3500±500粒子/m3の濃度のブタクサ花粉を有するものなどに6時間)に曝露された対象において、15分未満、例えば約10分以内に、アレルギー性鼻炎の1つ以上の症状(鼻症状など)からの緩和をもたらし得る。
【0023】
小児ヒト対象は、以前にモメタゾンまたはその塩のみで、またはオロパタジンまたはその塩のみで治療されていた可能性がある。こうしたヒト対象において、本明細書に記載の方法は、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩の固定用量の医薬組成物の経鼻投与を開始する前に、モメタゾンもしくはその塩またはオロパタジンもしくはその塩の単剤療法による治療を中止するステップを含み得る。
【0024】
一実施形態では、本明細書の方法は、対象における鼻症状を緩和するためのより迅速な作用発現をもたらす。別の実施形態では、本明細書の方法は、対象における眼症状を緩和するためのより迅速な作用発現をもたらす。
【0025】
好ましい一実施形態では、この方法は、25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び665mcgのオロパタジン塩酸塩を含む固定用量の医薬組成物を鼻孔あたり1スプレーで1日2回ヒト対象に経鼻投与することを含む。
【0026】
一実施形態では、医薬組成物は、対象における鼻症状を緩和するためのより迅速な作用発現をもたらす。別の実施形態では、医薬組成物は、対象における眼症状を緩和するためのより迅速な作用発現をもたらす。
【0027】
さらに別の実施形態は、アレルギー性鼻炎に罹患している小児ヒト対象を治療する方法であって、本方法は、鼻孔あたり1スプレーで1日2回経鼻投与するための医薬組成物を対象に投与するステップを含み、(i)医薬組成物は、アレルギー性鼻炎の治療のために15分以内に作用発現をもたらし、(ii)医薬組成物の各スプレーは約25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び約665mcgのオロパタジン塩酸塩を含む。
【0028】
さらに別の実施形態は、アレルギー性鼻炎に罹患している小児ヒト対象を治療する方法であって、
(a)小児ヒト対象に、鼻孔あたり1スプレーを1日2回経鼻投与するための固定用量の医薬組成物を処方することであって、固定用量の医薬組成物は、モメタゾンまたはその塩(フランカルボン酸モメタゾンなど)及びオロパタジンまたはその塩(オロパタジン塩酸塩など)を含み、各スプレーは、固モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を、約1:5〜約1:60(約1:12〜約1:53、約1:13.3〜約1:50、または約1:18〜約1:40など)(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で含み(例えば、各スプレーは、約12.5mcg、約25mcg、約37.5mcg、約50mcg、または約62.5mcgのモメタゾンまたはその塩(約50mcgのフランカルボン酸モメタゾン)及びオロパタジンの約300mcg、約450mcg、約600mcg、約750mcg、または約900mcgに相当するオロパタジン塩酸塩(約665mcgのオロパタジン塩酸塩など)を含む)、(好ましくは、各スプレーは約665mcgのオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを含む)、
処方は、(i)(A)モメタゾンもしくはその塩(25mcgのフランカルボン酸モメタゾン)またはオロパタジンもしくはその塩(665mcgのオロパタジン塩酸塩)のみの経鼻投与よりもアレルギー性鼻炎の1つ以上の症状(例えば鼻症状)を緩和するためのより迅速な作用発現(30分未満、例えば、約15分以内、10分以内などでの作用発現)を提供するもの、(B)15分(または30分)以内にアレルギー性鼻炎の1つ以上の症状を緩和をもたらすものとしての医薬組成物のマーケティング、(ii)ヒト対象がアレルギー性鼻炎に罹患しているとの診断、または(C)環境曝露チャンバー(EEC)(3500±500粒子/m
3の濃度のブタクサ花粉を有するものなどに6時間)に曝露された対象において、モメタゾンまたはその塩もしくはオロパタジン又はその塩の単独の経鼻投与よりも迅速な(例えば、約15分未満、例えば約10分以内などの作用発現)アレルギー性鼻炎の1つ以上の症状(例えば、鼻症状など)からの緩和をもたらすためにより迅速な作用発現をもたらすもの、(D)環境曝露チャンバー(EEC)(3500±500粒子/m
3の濃度のブタクサ花粉を有するものなどに6時間)に曝露された対象において、15分以内、例えば、約10分以内などにアレルギー性鼻炎の1つ以上の症状(鼻症状など)の緩和をもたらすもの、に応じて実施する、処方することと、
(b)処方された医薬組成物を対象に投与することと、を含む。好ましい一実施形態では、固定用量の医薬組成物の各スプレーは、25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び665mcgのオロパタジン塩酸塩を提供する。
【0029】
さらに別の実施形態は、アレルギー性鼻炎(季節性アレルギー性鼻炎または通年性アレルギー性鼻炎など)に罹患している小児ヒト対象を治療する方法であって、本方法は、鼻孔あたり1スプレーを1日2回経鼻投与するための処方された固定用量の医薬組成物を対象に投与するステップを含み、固定用量の医薬組成物は、モメタゾンまたはその塩(フランカルボン酸モメタゾンなど)及びオロパタジンまたはその塩(オロパタジン塩酸塩など)を含み、各スプレーは、固モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を、約1:5〜約1:60(約1:12〜約1:53、約1:13.3〜約1:50、または約1:18〜約1:40など)(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で含む(例えば、各スプレーは、約12.5mcg、約25mcg、約37.5mcg、約50mcg、または約62.5mcgのモメタゾンまたはその塩(約50mcgのフランカルボン酸モメタゾンなど)及びオロパタジンの約300mcg、約450mcg、約600mcg、約750mcg、または約900mcgに相当するオロパタジン塩酸塩(約665mcgのオロパタジン塩酸塩など)を含む)。一実施形態では、各スプレーは、約665mcgのオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを提供する。医薬組成物は、(a)(A)アレルギー性鼻炎の症状(例、鼻症状)を緩和するために、モメタゾンまたはその塩(50mcgのフランカルボン酸モメタゾンなど)またはオロパタジンまたはその塩(665mcgのオロパタジン塩酸塩など)を単独で経鼻投与したものと比較して、より迅速な作用発現(30分未満、例えば15分以内、例えば10分以内の作用発現など)をもたらすか、または(B)15分(または30分)以内にアレルギー性鼻炎の1つ以上の症状の緩和をもたらすものとしての医薬組成物のマーケティング、及び(b)対象がアレルギー性鼻炎に罹患しているとの診断に応じて処方される。好ましい一実施形態では、固定用量の医薬組成物の各スプレーは、25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び665mcgのオロパタジン塩酸塩を提供する。
【0030】
本明細書に記載の方法のいずれかの一実施形態では、アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー性鼻炎、持続性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、ならびにそれらに伴う鼻症状及び/または非鼻症状から選択される。本明細書に記載されている方法のいずれかの好ましい一実施形態では、アレルギー性鼻炎は、季節性アレルギー性鼻炎である。本明細書に記載の方法のいずれかの別の好ましい実施形態では、アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー性鼻炎である。
【0031】
一実施形態では、対象は、持続性アレルギー性鼻炎に罹患しており、4週間または6週間治療される。
【0032】
別の実施形態では、対象は、アレルゲンに対して、皮膚プリックテストで陽性を呈する。あるいは、対象はまた、アレルギーを示す陽性の血液検査を呈し得る。
【0033】
さらに別の実施形態では、方法は、1週間または2週間の治療後の対象における治療に関連する著しい副作用を伴わない。
【0034】
別の実施形態では、本発明は、季節性アレルギー性鼻炎及び/または季節性アレルギー性鼻炎に伴う鼻症状を治療することを、それを必要とする小児対象において行う方法に関し、この方法は、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む組み合わせ(例えば、相乗的組み合わせ)を対象に経鼻投与することを含み、組み合わせは、約1:5〜約1:60または約1:13.3〜約1:53.2(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む医薬組成物の形態である。一実施形態では、本発明は、アレルギー性鼻炎を治療することを、それを必要とするヒトにおいて行う方法に関し、この方法は、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含む有効量の固定用量の医薬組成物をヒトに経鼻投与することを含み、(i)組成物は、ヒトの鼻孔あたり1スプレーとして1日2回経鼻投与され、(ii)各スプレーは、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を約1:5〜約1:60または約1:13.3〜約1:53.2(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で含む。一実施形態では、各スプレーは、約665mcgのオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを提供する。この方法は、モメタゾンまたはオロパタジンのみの使用と比較して、少なくとも1つの治療関連の副作用(例えば、鼻出血及び傾眠)の低減をもたらし得る。例えば、この方法は、対象において、季節性アレルギー性鼻炎及び/または季節性アレルギー性鼻炎に伴う鼻症状の効果的な治療を、低下した眠気及び鼻血の発生率で提供し得る。別の実施形態では、この方法は、対象において、季節性アレルギー性鼻炎及び/または季節性アレルギー性鼻炎に伴う鼻症状の効果的な治療を、著しい眠気及び/または鼻血を伴うことなく提供し得る。
【0035】
別の実施形態では、本発明は、通年性アレルギー性鼻炎及び/または通年性アレルギー性鼻炎に伴う鼻症状を治療することを、それを必要とする小児対象において行う方法に関し、本方法は、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む組み合わせ(例えば、相乗的組み合わせ)を対象に経鼻投与することを含み、組み合わせは、約1:5〜約1:60または約1:13.3〜約1:53.2(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む医薬組成物の形態である。一実施形態では、各スプレーは、約665mcgのオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを提供する。
【0036】
この実施形態の一態様では、各スプレーは、約25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び約600mcgのオロパタジンに相当するオロパタジン塩酸塩を含む。この実施形態の一態様では、医薬組成物は、粒子状形態のモメタゾンまたはその塩及び溶液でのオロパタジンまたはその塩を含む懸濁液である。この実施形態の一態様では、組成物は、少なくとも1週間の期間、鼻孔あたり1スプレーとして1日2回投与される。この実施形態のさらに別の態様では、アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー性鼻炎、持続性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、及びそれらに伴う鼻症状及び/または非鼻症状から選択される。好ましい態様では、アレルギー性鼻炎は、季節性アレルギー性鼻炎及び/またはそれに伴う鼻症状である。この実施形態のさらに別の態様では、(i)ヒトの総鼻症状スコア(TNSS)が2週間の治療後、ベースラインから少なくとも50%減少する、かつ/または(ii)ヒトの総眼症状スコア(TOSS)が2週間の治療後、ベースラインから少なくとも40%減少する、かつ/または(iii)2週間の治療後、ヒトにおいて治療に関連した著しい副作用が観察されない。本実施形態の一態様では、ヒトはアレルゲンに対して、皮膚プリックテストで陽性を呈する。一実施形態では、治療関連の副作用としては、傾眠または鼻出血またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0037】
モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含む固定用量の医薬組成物は、少なくとも1週間または少なくとも2週間の期間、鼻孔あたり1スプレーとして1日2回小児ヒト対象に経鼻投与され得る。
【0038】
本明細書に記載されている方法のいずれかの別の実施形態では、対象は小児対象であり(例えば、2歳以上12歳未満(例えば、6歳以上12歳未満、または6ヶ月以上6歳未満など)、かつ固定用量の医薬組成物は、鼻孔あたり1スプレーとして1日2回経鼻投与される。一実施形態では、固定用量の医薬組成物の各スプレーは、665mcgのオロパタジン塩酸塩及び25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを提供する(例えば、実施例9の配合物により)。さらに別の実施形態では、組成物は、少なくとも1週間の期間、例えば少なくとも2週間の期間、少なくとも4週間の期間、少なくとも8週間の期間、または少なくとも12週間の期間経鼻投与される。一実施形態では、対象は2〜11歳である。別の実施形態では、対象は6〜11歳である。さらに別の実施形態では、対象は2〜5歳である。
【0039】
さらに別の実施形態は、アレルギー性鼻炎に伴う症状を治療することを、それを必要とする小児ヒト対象(例えば、2歳以上12歳未満(6歳以上12歳未満、または6ヶ月以上6歳未満など)において行う方法であり、本方法は、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む医薬組成物の単回用量を1日2回経鼻投与することを含み、組成物の単回用量は約1330mcgのオロパタジン塩酸塩及び約50mcgのフランカルボン酸モメタゾンを提供する。好ましい一実施形態では、単回用量は、医薬組成物の鼻孔あたり1スプレーを含み、各スプレーは、665mcgのオロパタジン塩酸塩及び25mcgのフランカルボン酸モメタゾン(例えば、実施例9の配合物で)を提供する。アレルギー性鼻炎は、例えば、季節性アレルギー性鼻炎または通年性アレルギー性鼻炎であり得る。一実施形態では、対象は2〜11歳である。別の実施形態では、対象は6〜11歳である。さらに別の実施形態では、対象は2〜5歳である。
【0040】
さらに別の実施形態は、アレルギー性鼻炎に伴う症状を治療することを、それを必要とする小児ヒト対象(例えば、2歳以上12歳未満(6歳以上12歳未満、または6ヶ月以上6歳未満など))において行う方法であって、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む固定用量の医薬組成物を鼻孔あたり1スプレーで1日2回経鼻投与することを含み、各スプレーは、665mcgのオロパタジン塩酸塩及び25mcgのフランカルボン酸モメタゾン(例えば、実施例9の配合物で)を提供する。アレルギー性鼻炎は、例えば、季節性アレルギー性鼻炎または通年性アレルギー性鼻炎であり得る。一実施形態では、対象は2〜11歳である。別の実施形態では、対象は6〜11歳である。さらに別の実施形態では、対象は2〜5歳である。
【0041】
別の実施形態では、本発明は、季節性アレルギー性鼻炎及び/または季節性アレルギー性鼻炎に伴う鼻症状を治療することを、それを必要とする小児ヒトにおいて行う方法に関し、本方法は、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む組み合わせ(例えば、相乗的組み合わせ)をヒトに経鼻投与することを含み、組み合わせは、約1:13.3〜約1:53.2(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で、粒子状形態のフランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩溶液を含む医薬組成物の形態であり、組成物は、ヒトの鼻孔あたり1スプレーとして、少なくとも1週間の期間、1日2回投与され、本方法は、少なくとも1つの治療関連の副作用の減少をもたらす。
【0042】
この実施形態の一態様では、組成物は、2週間の期間、1日2回投与される。この実施形態の別の態様では、各スプレーは、約25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び約665mcgのオロパタジン塩酸塩を含む。この実施形態のさらに別の態様では、(i)ヒトの総鼻症状スコア(TNSS)が2週間の治療後、ベースラインから少なくとも50%減少する、かつ/または(ii)ヒトの総眼症状スコア(TOSS)が2週間の治療後、ベースラインから少なくとも40%減少する、かつ/または(iii)2週間の治療後、ヒトにおいて治療に関連した著しい副作用が観察されない。本実施形態の一態様では、ヒトはアレルゲンに対して、皮膚プリックテストで陽性を呈する。好ましくは、治療関連の副作用としては、傾眠または鼻出血またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0043】
本発明の一態様では、固定用量の医薬組成物は、約1週間、2週間、4週間、6週間または8週間の期間にわたって投与され得る。好ましくは、固定用量の医薬組成物は、小児ヒト対象の鼻孔あたり1スプレーとして、1週間または2週間の期間、1日2回投与される。実施形態の別の態様では、組成物の各スプレーは、約600mcgのオロパタジンに相当するオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを含む。好ましくは、組成物の各スプレーは、約665mcgのオロパタジン塩酸塩(約600mcgのオロパタジンに相当)及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを含む。さらに別の態様では、組成物は不快な臭気及び味を有さない。実施形態のさらに別の態様では、ヒト対象の総鼻症状スコア(TNSS)は、1週間または2週間の治療後、ベースラインから少なくとも40%または少なくとも50%減少する。実施形態のさらに別の態様では、ヒトの総眼症状スコア(TOSS)は、1週間または2週間の治療後、ベースラインから少なくとも30%または少なくとも40%減少する。実施形態のさらに別の態様では、方法は、1つ以上の治療関連の副作用の減少をもたらす。好ましくは、治療関連の副作用としては、傾眠または鼻出血またはそれらの組み合わせが挙げられる。実施形態のさらに別の態様では、ヒト対象は、アレルゲンに対して、皮膚プリックテストで陽性を呈する患者である。
【0044】
一態様では、本発明は、治療を必要とする小児ヒト対象におけるアレルギー性鼻炎の治療のための本発明の固定用量の医薬組成物を製造するために、約1:5〜約1:60または約1:12〜約1:53の重量比でのモメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩の使用に関する。一態様では、固定用量の医薬組成物は、モメタゾンまたはその塩が粒子形態(例えば、約1〜約20μm、または約1〜約15μmの平均粒子径を有する)で存在し、オロパタジンまたはその塩が溶解形態で存在する懸濁液である。さらに別の態様では、組成物は不快な臭気及び味を有さない。
【0045】
別の実施形態では、本発明は、鼻炎に伴う症状を軽減することを、それを必要とする小児ヒト対象において行う方法に関し、この方法は、約1:5〜約1:60または約1:12〜約1:53の重量比でモメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含む有効量の固定用量の医薬組成物を、約1週間または2週間、対象に経鼻投与することを含む。
【0046】
さらに別の実施形態では、本発明は、アレルギー性鼻炎に伴う症状を軽減するそれを必要とするヒト小児において方法に関し、この方法は、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含む有効量の固定用量の医薬組成物をヒトに経鼻投与することを含み、(i)組成物は、鼻孔あたり1スプレーとして1日2回ヒトに経鼻投与し、(ii)各スプレーは、約1:5〜約1:60または約1:12〜約1:53(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で、約1週間または2週間、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含み、組成物は、ヒトの鼻孔あたり1スプレーとして1日2回、少なくとも1週間の期間投与し、この方法は、少なくとも1つの副作用の軽減をもたらす。この実施形態の一態様では、各スプレーは、約25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び約600mcgのオロパタジンに相当するオロパタジン塩酸塩を含む。この実施形態の一態様では、医薬組成物は、粒子状形態のモメタゾンまたはその塩及び溶液でのオロパタジンまたはその塩を含む懸濁液である。この実施形態の一態様では、組成物は、少なくとも1週間の期間、鼻孔あたり1スプレーとして1日2回投与される。この実施形態のさらに別の態様では、アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー性鼻炎、持続性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、及びそれらに伴う鼻症状及び/または非鼻症状から選択される。好ましい態様では、アレルギー性鼻炎は、季節性アレルギー性鼻炎及び/またはそれに伴う鼻症状である。この実施形態のさらに別の態様では、(i)ヒトの総鼻症状スコア(TNSS)が2週間の治療後、ベースラインから少なくとも50%減少する、かつ/または(ii)ヒトの総眼症状スコア(TOSS)が2週間の治療後、ベースラインから少なくとも40%減少する、かつ/または(iii)2週間の治療後、ヒトにおいて治療に関連した著しい副作用が観察されない。本実施形態の一態様では、ヒトはアレルゲンに対して、皮膚プリックテストで陽性を呈する。上記実施形態の一態様では、症状としては、鼻漏、鼻詰まり、鼻の痒み、くしゃみ、目の痒み/灼熱感、涙目/流涙、目の赤み、耳または口蓋の痒み、眼掻痒症、過度の流涙、頭痛、疲労感及び倦怠感が挙げられる。実施形態のさらに別の態様では、治療関連の副作用としては、傾眠または鼻出血またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0047】
別の実施形態は、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を約1:5〜約1:60の重量比(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)で含む有効量の固定用量の医薬組成物を経鼻投与することにより、対象の鼻洗浄において好酸球数を減少させる方法に関し、この方法は、単剤療法として投与した場合に、モメタゾンもしくはその塩またはオロパタジンもしくはその塩によってもたらされるものよりも好酸球数の大幅な減少をもたらす。好酸球数は、血球計算盤などの任意の既知の手法で測定できる。
【0048】
さらに別の実施形態は、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を約1:5〜約1:60の重量比(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)で含む有効量の固定用量の医薬組成物を経鼻投与することにより、鼻洗浄において総細胞数を減少させる方法に関し、この方法は、単剤療法として投与した場合に、モメタゾンもしくはその塩またはオロパタジンもしくはその塩によって提供されるものよりも総細胞数の大幅な減少をもたらす。
【0049】
別の態様では、本発明は、小児のヒトへの経鼻投与のための安定した固定用量の水性医薬組成物に関する。組成物は、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含む。医薬組成物は、経鼻投与に好適である容器内に含まれていてもよい。一実施形態では、医薬組成物は、スプレーボトル(噴霧器など)内に含まれる。スプレーボトルは、医薬組成物を保存するための容器及び医薬組成物を鼻腔内に噴霧するためのポンプを含み得る。一実施形態では、容器は、30、56、60、または120、または240用量を保存することができる。例えば、120用量を保存する容器では、医薬組成物の1ヶ月の供給分を提供することができる(30日間、鼻孔あたり1スプレーを1日2回(1日4スプレー))。28用量を保存する容器では、医薬組成物の1週間の供給分を提供することができる(7日間、鼻孔あたり1スプレーを1日2回(1日4スプレー))。一実施形態では、容器は、4〜5mL(例えば、4.5mLまたは28用量)、9〜10mLの医薬組成物(例えば、9mLまたは60用量)、または18〜19mL(例えば、18mLまたは120用量)の医薬組成物を含むのに好適であり得る。
【0050】
一実施形態は、小児ヒトへの経鼻投与用の安定した(例えば、容器内に含まれる)固定用量の水性医薬組成物であり、組成物は、約0.001%w/w〜約0.075%w/wのモメタゾンまたはその塩及び約0.5%w/w〜約0.8%w/wのオロパタジンまたはその塩を含む。医薬組成物は、溶液または懸濁液の形態であってもよいが、好ましくは、組成物は、懸濁液(より好ましくは、単相懸濁液)の形態であり、モメタゾンまたはその塩は、粒子形態で存在し、オロパタジンまたはその塩は、溶解形態で存在する。一態様では、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩は、約1:3〜約1:106もしくは約1:5〜約1:53、または好ましくは約1:5〜約1:36の重量比で存在する。
【0051】
組成物はまた、好ましくは、親水コロイドを含む。一実施形態では、組成物は懸濁液であり、25±2℃及び60%±5%相対湿度(RH)または40±2℃及び75%±5%RHでの3ヶ月または6ヶ月の保存後、相分離(すなわち、粒子と溶液との分離)を防止または阻害するのに十分な量の親水コロイドを含む。一実施形態では、水性医薬組成物は、25±2℃及び60%±5%RHまたは40±2℃及び75%±5%RHでの3ヶ月または6ヶ月の保存後でも単相懸濁液のままである単相懸濁液である。
【0052】
別の実施形態は、小児ヒトへの経鼻投与用の安定した固定用量の水性医薬組成物(例えば、容器に含まれる)であり、組成物は約0.001%w/w〜約0.075%w/wのフランカルボン酸モメタゾン一水和物及び約0.5%w/w〜約0.8%w/wのオロパタジン塩酸塩を含む。
【0053】
さらに別の実施形態は、ヒトへの経鼻投与用の安定した固定用量の水性医薬懸濁液組成物(例えば、容器内に含まれる)であり、組成物は、約0.025%w/w〜約0.05%w/wのモメタゾンまたはその塩及び約0.6%w/w〜約0.7%w/wのオロパタジンまたはその塩及び親水コロイドを含む。
【0054】
さらに別の実施形態は、小児ヒトへの経鼻投与用の安定した固定用量の水性医薬懸濁液組成物(例えば、容器内に含まれる)であり、組成物は、約0.025%w/w〜約0.05%w/wのモメタゾンまたはその塩及び約0.6%w/w〜約0.7%w/wのオロパタジンまたはその塩ならびにカルボキシメチルセルロースナトリウム及びキサンタンガムを含む親水コロイドを含む。親水コロイドは、少なくとも約0.1%w/wの組成物の濃度で存在し得る。
【0055】
1つの実施形態は、小児ヒトへの経鼻投与のための安定した固定用量の水性医薬懸濁液組成物(例えば、容器に含まれる)であり、この組成物は、約0.025%w/w〜約0.05%w/wのフランカルボン酸モメタゾン、約0.6%w/w〜約0.7%w/wのオロパタジン塩酸塩及び親水コロイドを含み、親水コロイドは、キサンタンガムである。キサンタンガムは、組成物の少なくとも約0.1%w/w、または好ましくは約0.1%w/w〜約3%w/wの濃度で存在し得る。
【0056】
別の実施形態は、小児ヒトへの経鼻投与のための安定した固定用量の水性医薬懸濁液組成物(例えば、容器に含まれる)であり、この組成物は、約0.025%w/w〜約0.05%w/wのフランカルボン酸モメタゾン、約0.6%w/w〜約0.7%w/wのオロパタジン塩酸塩及び親水コロイドを含み、親水コロイドは、ナトリウムカルボキシメチルセルロースである。ナトリウムカルボキシメチルセルロースは、組成物の少なくとも約0.1%w/w、または好ましくは約0.1%w/w〜約3%w/wの濃度で存在し得る。
【0057】
さらに別の実施形態は、ヒトへの経鼻投与用の懸濁液形態での安定した固定用量の水性医薬組成物(例えば、容器に含まれる)であり、本組成物は、モメタゾンまたはその薬学的に許容される塩、オロパタジンまたはその薬学的に許容される塩、少なくとも組成物の約0.1%w/wの濃度の親水コロイド及び薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0058】
好適な薬学的に許容される賦形剤としては、限定されないが、キレート剤、防腐剤、緩衝剤、界面活性剤、等張剤、矯味剤、抗酸化剤、保湿剤、pH調整剤、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0059】
一実施形態では、医薬組成物は、約3.3〜約4.1、または約3.5〜約3.9、または約3.5〜約3.7のpHを有する。本発明者らは、オロパタジン塩酸塩が、5〜5.5のpHで、固定用量の組み合わせ水性懸濁液から結晶化することを発見した。しかし、オロパタジン塩酸塩は、約3.3〜約4.1のpHでは、水性懸濁液に溶解したままである。
【0060】
水性医薬組成物は、好ましくは、オロパタジン塩酸塩の結晶を実質的に含まない。一実施形態では、水性医薬組成物は、組成物中のオロパタジン塩酸塩の総重量100%に基づいて、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.2%未満または0.1%未満の結晶性オロパタジン塩酸塩を含む。別の実施形態では、水性医薬組成物は、25±2℃及び60%±5%RHまたは40±2℃及び75%±5%RHでの保存の3ヶ月または6ヶ月後、オロパタジン塩酸塩の結晶を実質的に含まない。さらに別の実施形態では、水性医薬組成物は、25±2℃及び60%±5%RHまたは40±2℃及び75%±5%RHで3ヶ月または6ヶ月保存した後、組成物中のオロパタジン塩酸塩の総重量100%に基づいて、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.2%未満または0.1%未満の結晶性オロパタジン塩酸塩を含む。
【0061】
医薬組成物の浸透圧は、約200mOsm/kg〜約400mOsm/kg、または約250mOsm/kg〜約350mOsm/kgの範囲であり得る。
【0062】
医薬組成物の粘度は、約10cps〜約200cps、または好ましくは約20cps〜約150cpsの範囲であり得る。一実施形態では、組成物は、約60〜約150cps、例えば約90〜約150cpsまたは約100〜約150cpsの粘度を有する。別の実施形態では、組成物は、約20〜約60cpsの粘度を有する。
【0063】
さらに別の態様では、医薬組成物は懸濁液形態であり、約1μm〜約20μm、または好ましくは約1μm〜約15μmの範囲の平均粒子経を有する粒子中にフランカルボン酸モメタゾンを含む。一態様では、本発明の懸濁医薬組成物は、顕微鏡技術によって決定される場合、15μm未満の平均粒子経を有する。
【0064】
さらに別の態様では、医薬組成物は、ヒトへのモメタゾンまたはその塩の200mcgに相当する用量の経鼻投与(例えば、点鼻スプレーとして)時に、(a)モメタゾンまたはその塩の曲線下面積(AUC)
0−∞は、約50pg・時間/mL〜約140pg・時間/mL、好ましくは、約68pg・時間/mL〜約124pg・時間/mLとなり、(b)モメタゾンまたはその塩のC
maxが、約6.5pg/mL〜約16pg/ml、好ましくは約8.6pg/mL〜約12.9pg/mlとなり、(c)モメタゾンまたはその塩のT
maxは、約15分〜約120分となり、または(d)前述のいずれかの任意の組み合わせとなる。さらに別の態様では、医薬組成物は、ヒトへのオロパタジンまたはその塩の2400mcgに相当する用量の経鼻投与(例えば、点鼻スプレーとして)時に、(a)オロパタジンまたはその塩のAUC
0−∞は、約42.5ng・時間/mL〜約116.5ng・時間/mLであり、好ましくは約56.7ng・時間/mL〜約99.8ng
・時間/mL、(b)オロパタジンまたはその塩のC
maxは、約10.3ng/mL〜約24.1ng/mlであり、好ましくは約13.8ng/mL〜約20.7ng/mlであり、(c)T
maxは、約15分〜約120分であり、または(d)前述のいずれかの任意の組み合わせとなる。
【0065】
さらに別の態様では、医薬組成物は、ヒトへの最初のモメタゾンまたはその塩(例えば、フランカルボン酸モメタゾン)の100mcgに相当する用量の経鼻投与(例えば、点鼻スプレーとして)時に、(a)モメタゾンまたはその塩の曲線下面積(AUC)
tauは、約12pg・時間/mL約73pg・時間/mL、好ましくは、約20pg・時間/mL〜約36pg・時間/mLとなり、(b)モメタゾンまたはその塩のC
maxが、約3pg/mL〜約13pg/ml、好ましくは約5pg/mL〜約9pg/mlとなり、(c)モメタゾンまたはその塩のT
maxは、約15分〜約120分となり、または(d)前述のいずれかの任意の組み合わせとなる。さらに別の態様では、医薬組成物は、定常状態(例えば、100mcgのモメタゾンまたはその塩を1日2回8日間投与した後)でのヒトへのモメタゾンまたはその塩(例えば、フランカルボン酸モメタゾン)の100mcgに相当する用量の経鼻投与(例えば、点鼻スプレーとして)時に、(a)モメタゾンまたはその塩の曲線下面積(AUC)
tauは、約26pg・時間/mL〜約124pg・時間/mL、好ましくは、約40pg・時間/mL〜約80pg・時間/mLとなり、(b)モメタゾンまたはその塩のC
maxが、約4pg/mL〜約16pg/ml、好ましくは約8pg/mL〜約12pg/mlとなり、(c)モメタゾンまたはその塩のT
maxは、約15分〜約120分となり、または(d)前述のいずれかの任意の組み合わせとなる。
【0066】
さらに別の態様では、医薬組成物は、点鼻スプレーとして送達されるとき、約15〜75mmの最長軸、約10〜65mmの最短軸、及び約1〜2の楕円率を有するスプレーパターンを含むスプレー特性を有する。
【0067】
別の実施形態は、フランカルボン酸モメタゾン一水和物、オロパタジン塩酸塩、及び親水コロイドを含む、小児ヒトへの経鼻投与用の懸濁液形態の安定した固定用量の医薬組成物(例えば、容器に含まれる)である。親水コロイドは、組成物の約0.3%w/wの濃度でキサンタンガムを含み、組成物は、約3.5〜約3.9のpHを有する。
【0068】
別の実施形態は、フランカルボン酸モメタゾン一水和物、オロパタジン塩酸塩、及び親水コロイドを含む、小児ヒトへの経鼻投与用の懸濁液形態の安定した固定用量の医薬組成物(例えば、容器に含まれる)である。親水コロイドは、組成物の約0.5%w/wの濃度でナトリウムカルボキシメチルセルロースを含み、組成物は、約3.5〜約3.9のpHを有する。
【0069】
さらなる実施形態では、安定した固定用量の水性医薬組成物は、噴霧器に含まれ、組成物のスプレーをヒトの鼻に送達すると、15〜75mmの最長軸、10〜65mmの最短軸、1〜2の楕円率を有するスプレーパターンとなる。
【0070】
一実施形態は、噴霧器に含まれる、フランカルボン酸モメタゾン一水和物、オロパタジン塩酸塩、及び任意より親水コロイドを含む安定した固定用量の水性医薬組成物であり、水性医薬組成物の各スプレーは、(i)フランカルボン酸モメタゾンの約50mcgに相当するフランカルボン酸モメタゾン一水和物、及び(ii)約600mcgのオロパタジンに相当するオロパタジン塩酸塩を提供する。
【0071】
さらに別の実施形態は、噴霧器に含まれる、フランカルボン酸モメタゾン一水和物、オロパタジン塩酸塩、及び任意より親水コロイドを含む安定した固定用量の水性医薬組成物であり、水性医薬組成物の各スプレーは、(i)フランカルボン酸モメタゾンの約25mcgに相当するフランカルボン酸モメタゾン一水和物、(ii)約600mcgのオロパタジンに相当するオロパタジン塩酸塩を提供する。
【0072】
一実施形態では、本発明は、小児ヒトへの経鼻投与用の安定した固定用量の医薬水性懸濁液組成物(例えば、容器に含まれる)に関し、組成物は、(1)約0.025%w/wのフランカルボン酸モメタゾン一水和物、(2)約0.665%w/wのオロパタジン塩酸塩、(3)約0.3%w/wのキサンタンガム及び約0.5%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される親水コロイド、(4)約0.02%w/wの塩化ベンザルコニウム、(5)約0.4%w/wの塩化ナトリウム、(6)約0.01%w/wのエデト酸二ナトリウム、(7)約0.94%w/wのリン酸ナトリウム七水和物、及び(8)約0.01%w/wのポリソルベート80を含む。
【0073】
別の実施形態は、小児ヒトへの経鼻投与用の安定した固定用量の医薬水性懸濁液組成物(例えば、容器に含まれる)であり、組成物は、(1)約0.050%w/wのフランカルボン酸モメタゾン一水和物、(2)約0.665%w/wのオロパタジン塩酸塩、(3)約0.3%w/wのキサンタンガム及び約0.5%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される親水コロイド、(4)約0.02%w/wの塩化ベンザルコニウム、(5)約0.4%w/wの塩化ナトリウム、(6)約0.01%w/wのエデト酸二ナトリウム、(7)約0.94%w/wのリン酸ナトリウム七水和物、及び(8)約0.01%w/wのポリソルベート80を含む。
【0074】
さらに別の実施形態は、小児ヒトへの経鼻投与用の安定した固定用量の医薬水性懸濁液組成物(例えば、容器に含まれる)であり、組成物は、(1)約0.025%w/wのフランカルボン酸モメタゾン一水和物、(2)約0.665%w/wのオロパタジン塩酸塩、(3)約0.3%w/wのキサンタンガム及び約0.5%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される親水コロイド、(4)約1%w/w〜約1.2%w/wの微結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物、(5)約0.02%w/wの塩化ベンザルコニウム、(6)約0.4%w/wの塩化ナトリウム、(7)約0.01%w/wのエデト酸二ナトリウム、(8)約0.94%w/wのリン酸ナトリウム七水和物、及び(9)約0.01%w/wのポリソルベート80を含む。
【0075】
さらに別の実施形態は、小児ヒトへの経鼻投与用の安定した固定用量の医薬水性懸濁液組成物(例えば、容器に含まれる)であり、組成物は、(1)約0.050%w/wのフランカルボン酸モメタゾン一水和物、(2)約0.665%w/wのオロパタジン塩酸塩、(3)約0.3%w/wのキサンタンガム及び約0.5%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される親水コロイド、(4)約1%w/w〜約1.2%w/wの微結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物、(5)約0.02%w/wの塩化ベンザルコニウム、(6)約0.4%w/wの塩化ナトリウム、(7)約0.01%w/wのエデト酸二ナトリウム、(8)約0.94%w/wのリン酸ナトリウム七水和物、及び(9)約0.01%w/wのポリソルベート80を含む。
【0076】
さらに別の実施形態は、小児ヒトへの経鼻投与に好適である安定な懸濁液であり、(a)水性溶媒、(b)溶媒に懸濁されたフランカルボン酸モメタゾンの粒子であって、約1μm〜約20μmの平均粒子経を有する粒子、(c)溶媒に溶解したオロパタジン塩酸塩、及び(d)親水コロイドを含み、懸濁液は、約20cps〜約150cpsの範囲の粘度を有する。好ましい一実施形態では、懸濁液は、約3.5〜3.9のpH、及び約250mOsm/kg〜約350mOsm/kgの範囲の浸透圧を有する。一実施形態では、懸濁液は、キレート剤、防腐剤、緩衝液、界面活性剤、等張剤、及び任意によりpH調整剤をさらに含む。
【0077】
好ましくは、本発明の懸濁液は1相のみを有する(すなわち、それらは好ましくは単相懸濁液である)。
【0078】
さらなる実施形態では、本発明は、治療を必要とするヒトにおける鼻炎の治療のための、経鼻投与用の安定した固定用量の水性医薬組成物(例えば、容器に含まれる)に関し、本組成物は、約0.025%w/w〜約0.05%w/wのモメタゾンまたはその塩及び約0.5%w/w〜約0.8%w/wのオロパタジンまたはその塩を含む。
【0079】
モメタゾンまたはその塩及びオロパタジン(またはその塩)を含む前述の医薬組成物はいずれも、アレルギー性鼻炎を治療するための方法などの前述の方法で使用することができる。
【0080】
さらなる実施形態では、本発明は、経鼻投与用の、容器に収容された安定した固定用量の水性医薬組成物及び医薬組成物の使用に関しての説明を含む添付文書を含むキットに関する。
【発明を実施するための形態】
【0081】
定義
本明細書で使用する用語の定義は次のとおりである。本出願に記載された定義と、本出願が優先権を主張する仮出願の前に記載された定義とが矛盾する場合、本出願の定義が用語の意味に関して優先されるものとする。
【0082】
「作用発現」とは、患者がアレルギー性鼻炎症状の有効な減少(反射性総鼻症状スコア(rTNSS)、即時性総鼻症状スコア(iTNSS)または反射性総眼症状スコア(rTOSS)の有効な減少など)が見込まれることが合理的に期待され得る点である。統計的には、薬物がプラセボ治療よりも有効な一次エンドポイントでのベースラインからの変化を示した場合が、治療開始後の最初の時点である。薬物とプラセボとの間のこの統計的有意差は、この時点以降、一定期間(例えば、4時間)維持される。「Guidance for Industry,Allergic Rhinitis:Clinical Development Programs for Drug Products」U.S.Department of Health and Human Services,Food and Drug Administration,Center for Drug Evaluation and Research(CDER),April 2000を参照されたい。
【0083】
「より迅速な作用発現」という用語は、一実施形態では、例えば、対象の反射性総鼻症状スコア(rTNSS)、即時性全鼻症状スコア(iTNSS)または反射性全眼症状スコア(rTOSS)の統計的に有意なより迅速な減少など、対象におけるアレルギー性鼻炎の治療に関連する1つ以上のパラメーターの統計的に有意なより迅速な減少を指す。
【0084】
「宣伝広告」という用語は、通知する、知らせる、及び/または限定されないが、新聞、雑誌、インターネット広告、テレビコマーシャル、看板など、マスメディアなどにより、1つ以上の個人の情報(例えば、適応症を治療するまたは軽減するための医薬品の効能または作用発現時間)を通知すること、知らせること、及び/または通告することを指す。本明細書で使用される「宣伝広告」という用語はまた、医薬品により、医薬品用のラベルで表示されている適応症を治療できるかまたは軽減できるという記述を含むことを含む。
【0085】
「マーケティング」という用語は、限定されないが、あらゆる製品の販売のオファーまたは製品の販売、ならびに宣伝広告など、製品を販売する行為またはプロセスを指す。
【0086】
「有効量」または「治療有効量」という用語は、アレルギー性鼻炎を治療するために対象に投与されたときに、対象において意図された治療上の利益をもたらす活性成分の量を表す。本明細書で使用される「活性成分」(「活性物質」または「活性質」または「薬物」と同義的に使用される)という用語には、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩が含まれる。
【0087】
「塩」または「薬学的に許容される塩」は、その塩及びエステルが、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、及びアレルギー反応がなく、ヒト及び下等動物の組織との接触での使用に好適であり、リスク比に対する合理的な利益に見合い、かつこれらの意図された使用のために効果的であることを意味する。代表的な酸付加塩としては、限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、メシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、フランカルボン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、グルコースカルボン酸、ラクトビオン酸塩、及びラウリル硫酸塩が挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩としては、限定されないが、ナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩及びマグネシウム塩が挙げられる。好ましくは、モメタゾン塩は、フランカルボン酸モメタゾン(例えば、フランカルボン酸モメタゾン一水和物)であり、オロパタジン塩は、オロパタジン塩酸塩である。
【0088】
また、本明細書で使用する場合、「モメタゾン及びその塩」という用語には、一水和物など、モメタゾンの水和物及びその塩、例えば、フランカルボン酸モメタゾン一水和物が含まれる。
【0089】
「オロパタジンまたはその塩」(複数可)の重量または重量比へのすべての言及は、別段の指定がない限り、オロパタジン遊離塩基の当量を基準とする。
【0090】
本明細書で使用される「治療する」または「治療」という用語はまた、障害の予防、緩和、防止、改善、または抑制も包含する。
【0091】
本明細書で使用される「相乗的」または「相乗効果」という用語は、組み合わせの個々の成分単独の効果を合計したものから期待されるよりも大きい効果を呈する組み合わせを指す。アレルギー性鼻炎の治療に使用されるモメタゾンまたはその塩とオロパタジンまたはその塩との組み合わせに関する「相乗的」または「相乗効果」という用語(例えば、本発明による医薬組成物、組み合わせ製品またはキットの形態で)は、それらの個々の効果の合計から予想されるよりも大きい、アレルギー性鼻炎の治療のための有効性を指す。本発明の相乗的組み合わせの利点としては、限定するものではないが、単独で使用した場合に成分の各々と比較して、効能の向上を呈すること、組み合わせの1つ以上の有効成分の必要用量を減少させること、組み合わせの活性化合物うちの1つ以上の副作用を軽減すること、かつ/またはアレルギー性鼻炎の治療を必要とする対象に対して、有効成分のうちの1つ以上をより許容できるようにすることが挙げられる。
【0092】
「薬学的に許容される賦形剤」とは、活性成分以外の医薬組成物の任意の成分を意味し、これらは、規制当局によって承認されているか、または一般にヒトまたは動物の使用に対して安全であると見なされている。
【0093】
特に明記しない限り、「対象」、「小児対象」、「小児ヒト」または「小児ヒト対象」は、17歳までのヒト対象を指す。一実施形態では、対象は乳児(1ヶ月〜2歳)である。別の実施形態では、対象は小児(2歳〜12歳)である。さらに別の実施形態では、対象は青年期(12歳〜16歳)である。さらに別の実施形態では、対象は2歳〜12歳未満である。さらに別の実施形態では、対象は、6歳〜12歳未満である。さらに別の実施形態では、対象は16歳までである。
【0094】
本明細書で使用される「アレルギー性鼻炎」という用語は、鼻粘膜のアレルギー性及び/または炎症性疾患を指し、限定されないが、鼻内の粘膜の炎症及び刺激、ならびにそれらに伴う鼻症状及び/または非鼻症状を含む。典型的には、アレルギー性鼻炎は、持続性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、薬物性鼻炎、血管運動性鼻炎、感染性鼻炎、自律性鼻炎、ホルモン性鼻炎、薬物誘発性鼻炎、萎縮性鼻炎、及び味覚性鼻炎を含む。好ましくは、アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー性鼻炎、持続性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、ならびにそれらに伴う鼻症状及び/または非鼻症状を含む。より好ましくは、アレルギー性鼻炎は、季節性アレルギー性鼻炎、及びにそれらに伴う鼻症状及び/または非鼻症状を含む。
【0095】
本発明の文脈において、アレルギー性鼻炎に伴う鼻症状及び/または非鼻症状としては、例えば、くしゃみ、鼻の痒み、鼻漏(鼻水または過剰な鼻汁)、鼻詰まり、咳、眼掻痒症、過度の流涙、頭痛、疲労、及び倦怠感が挙げられる。
治療方法
【0096】
本発明は、治療を必要とする小児対象におけるアレルギー性鼻炎の治療のための、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩の固定用量の組み合わせの使用に関する。本発明者らは、驚くべきことに、アレルギー性鼻炎の治療においてフランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩が相乗的に作用し、それらの組み合わせがいずれかの活性成分のみによる治療よりも効果的であり、かつより優れた治療的価値を提供することを見出した。
【0097】
一実施形態では、本発明は、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含む有効量の固定用量の医薬組成物を対象に経鼻投与することを含む、アレルギー性鼻炎を治療することを、それを必要とする小児対象において行う方法に関する。好ましくは、組成物は、1日2回、対象の鼻孔あたり1スプレーとして経鼻投与される。各スプレーは、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を、約1:5〜約1:60、約1:10〜約1:55、または約1:12〜約1:53、または約1:13.3〜約1:50の重量比で含むことができる。好ましくは、モメタゾンまたはその塩のオロパタジンまたはその塩に対する重量比は、約1:18〜約1:40、または約1:24〜約1:26.6の範囲である。一実施形態では、固定用量の医薬組成物は、モメタゾンまたはその塩が粒子状形態で存在し、オロパタジンまたはその塩が溶解形態で存在する懸濁液である。
【0098】
別の実施形態は、フランカルボン酸モメタゾン一水和物及びオロパタジン塩酸塩を含む有効量の固定用量の医薬組成物を対象に経鼻投与することを含む、アレルギー性鼻炎を治療することを、それを必要とする小児対象において行う方法に関する。組成物は、1日2回、対象の鼻孔あたり1スプレーとして経鼻投与され得る。医薬組成物の各スプレーは、約300mcg、約450mcg、約600mcg、約750mcg、または約900mcgのオロパタジンに相当するオロパタジン塩酸塩、及び約12.5mcg、約25mcg、約37.5mcg、約50mcg、または約62.5mcgのフランカルボン酸モメタゾンを含み得る。一実施形態では、各スプレーは、オロパタジン約600mcgに相当するオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを含む。別の実施形態では、各スプレーは、オロパタジン約600mcgに相当するオロパタジン塩酸塩及び約50mcgのフランカルボン酸モメタゾンを含む。好ましくは、各スプレーは、約665mcgのオロパタジン塩酸塩(約600mcgのオロパタジンに相当)及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを含む。
【0099】
本発明の文脈におけるアレルギー性鼻炎は、限定されないが、鼻内の粘膜の炎症及び刺激、ならびにそれらに伴う鼻症状及び/または非鼻症状が挙げられる。これらとしては、例えば、持続性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、薬物性鼻炎、血管運動性鼻炎、感染性鼻炎、自律性鼻炎、ホルモン性鼻炎、薬物誘発性鼻炎、萎縮性鼻炎、及び味覚性鼻炎が挙げられる。好ましくは、アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー性鼻炎、持続性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、ならびにそれらに伴う鼻症状及び/または非鼻症状から選択される。
【0100】
本発明の文脈において、鼻炎に伴う症状としては、鼻漏、鼻詰まり、鼻の痒み、くしゃみ、目の痒み/灼熱感、涙目/流涙、目の赤み、耳または口蓋の痒み、咳、眼掻痒症、過度の流涙、頭痛、疲労感、及び倦怠感が挙げられる。
【0101】
別の実施形態では、本発明は、固定用量の医薬組成物をヒトに経鼻投与することを含む、アレルギー性鼻炎を治療することを、それを必要とする小児ヒト対象において行う方法に関し、組成物は、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を、約1:5〜約1:60、または約1:12〜約1:53、または約1:13.3〜約1:50、または約1:18〜約1:40の重量比で含み、組成物は、鼻孔あたり1スプレーとして1日2回、経鼻投与される。各スプレーは、オロパタジン約600mcgに相当するオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを含み得る。本実施形態の態様では、組成物は約1週間投与される。実施形態の別の態様では、組成物は約2週間投与される。
【0102】
一実施形態では、ヒト対象の総鼻症状スコア(TNSS)が、1週間または2週間の治療後、ベースラインから少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%減少する。別の実施形態では、ヒト対象の総眼症状スコア(TOSS)が、1週間または2週間の治療後、ベースラインから少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%減少する。本発明の一態様では、総鼻症状スコア(TNSS)及び総眼症状スコア(TOSS)は、即時性または反射性または両方として観察され得る。
【0103】
本発明の文脈において、総鼻症状スコア(TNSS)の評価は、鼻詰まり、鼻漏、痒み及びくしゃみのベースラインから治療終了まで(例えば、1週間または2週間)のスコアの合計を含む。総眼症状スコア(TOSS)のさらなる評価には、ベースラインから治療終了までの眼の痒み、涙目/流涙、及び眼の発赤を含む。
【0104】
一実施形態では、対象は、持続性アレルギー性鼻炎に罹患しており、4週間または6週間治療される。
【0105】
別の実施形態では、対象は、アレルゲンに対して、皮膚プリックテストで陽性を呈する。あるいは、対象はまた、アレルギーを示す陽性の血液検査を呈し得る。
【0106】
さらに別の実施形態では、方法は、1週間または2週間の治療後の対象における治療に関連する著しい副作用を伴わない。
【0107】
別の実施形態では、本発明は、季節性アレルギー性鼻炎及び/または季節性アレルギー性鼻炎に伴う鼻症状を治療することを、それを必要とする小児対象において行う方法に関し、この方法は、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む相乗的組み合わせを対象に経鼻投与することを含み、組み合わせは、約1:5〜約1:60または約1:13.3〜約1:53.2(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む医薬組成物の形態である。
【0108】
一実施形態では、本発明は、アレルギー性鼻炎を治療することを、それを必要とする小児ヒトにおいて行う方法に関し、この方法は、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含む有効量の固定用量の医薬組成物をヒトに経鼻投与することを含み、(i)組成物は、ヒトの鼻孔あたり1スプレーとして1日2回経鼻投与され、(ii)各スプレーは、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を約1:5〜約1:60または約1:13.3〜約1:53.2(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で含む。一実施形態では、各スプレーは、約665mcgのオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを提供する。この方法は、モメタゾンまたはオロパタジンのみの使用と比較して、少なくとも1つの治療関連の副作用(例えば、鼻出血及び傾眠)の低減をもたらし得る。例えば、この方法は、対象において、季節性アレルギー性鼻炎及び/または季節性アレルギー性鼻炎に伴う鼻症状の効果的な治療を、低下した眠気及び鼻血の発生率で提供し得る。別の実施形態では、この方法は、対象において、季節性アレルギー性鼻炎及び/または季節性アレルギー性鼻炎に伴う鼻症状の効果的な治療を、著しい眠気及び/または鼻血を伴うことなく提供し得る。
【0109】
別の実施形態では、本発明は、通年性アレルギー性鼻炎及び/または通年性アレルギー性鼻炎に伴う鼻症状を治療することを、それを必要とする小児対象において行う方法に関し、本方法は、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む組み合わせ(例えば、相乗的組み合わせ)を対象に経鼻投与することを含み、組み合わせは、約1:5〜約1:60または約1:13.3〜約1:53.2(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む医薬組成物の形態である。一実施形態では、医薬組成物の各スプレーは、約665mcgのオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンをもたらす。
【0110】
この実施形態の一態様では、各スプレーは、約25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び約600mcgのオロパタジンに相当するオロパタジン塩酸塩を含む。この実施形態の一態様では、医薬組成物は、粒子状形態のモメタゾンまたはその塩及び溶液でのオロパタジンまたはその塩を含む懸濁液である。この実施形態の一態様では、組成物は、少なくとも1週間の期間、鼻孔あたり1スプレーとして1日2回投与される。この実施形態のさらに別の態様では、アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー性鼻炎、持続性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、及びそれらに伴う鼻症状及び/または非鼻症状から選択される。好ましい態様では、アレルギー性鼻炎は、季節性アレルギー性鼻炎及び/またはそれに伴う鼻症状である。この実施形態のさらに別の態様では、(i)ヒトの総鼻症状スコア(TNSS)が2週間の治療後、ベースラインから少なくとも50%減少する、かつ/または(ii)ヒトの総眼症状スコア(TOSS)が2週間の治療後、ベースラインから少なくとも40%減少する、かつ/または(iii)2週間の治療後、ヒトにおいて治療に関連した著しい副作用が観察されない。本実施形態の一態様では、ヒトはアレルゲンに対して、皮膚プリックテストで陽性を呈する。上記実施形態の一態様では、治療関連の副作用としては、傾眠または鼻出血またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0111】
別の実施形態は、小児対象におけるアレルギー性鼻炎を治療する方法であり、対象は、アレルゲンに対して、皮膚プリックテストで陽性を呈する。皮膚プリックテストは、ブタクサアレルゲンを少量含んだ針またはピンで皮膚を刺すことにより行うことができる。一実施形態では、本明細書に記載のとおり、オロパタジンとモメタゾンの組み合わせを投与する前に、皮膚プリックテストを対象に行い、生理食塩水などの陰性対照よりも膨疹直径が少なくとも3mm大きくなった。
【0112】
本明細書に記載される治療方法は、例えば、1週間または2週間の治療後に、対象がいかなる治療関連の著しい副作用も呈することなく、小児対象に投与することができる。
【0113】
本発明の文脈における治療関連の副作用としては、限定されないが、眼疾患(例えば、結膜炎)、胃腸障害(例えば、腹部膨満、下痢、消化不良、嚥下障害及び胃潰瘍、痔核出血、高塩酸症、吐き気及び嘔吐、ならびに歯痛)、一般的な障害(例えば、疲労、局所的な腫れ、末梢浮腫、疼痛及び発熱)、感染症及び寄生虫症(例えば、口腔ヘルペス及び上気道感染症)、傷害、中毒及び処置後合併症、筋骨格及び結合組織障害(例えば、関節痛)、神経系障害(例えば、注意欠陥、めまい、味覚異常、傾眠及び頭痛)、生殖器系及び乳房障害(例えば、月経困難症)、呼吸器、胸部及び縦隔障害(例えば、鼻血、喉の渇き、呼吸困難、鼻血、鼻詰まり、鼻の不快感、気道出血、鼻漏、喉の炎症、及び上気道咳症候群)、皮膚及び皮下組織障害(例えば、発疹及びじんま疹)を挙げることができる。
【0114】
別の実施形態では、本発明は、季節性アレルギー性鼻炎及び/または季節性アレルギー性鼻炎に伴う鼻症状を治療することを、それを必要とする小児対象において行う方法に関し、この方法は、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む相乗的組み合わせを対象に経鼻投与することを含み、組み合わせは、約1:5〜約1:60または約1:13.3〜約1:53.2(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む医薬組成物の形態である。一実施形態では、医薬組成物の各スプレーは、約665mcgのオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンをもたらす。
【0115】
a)モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含む固定用量の医薬組成物は、少なくとも1週間または2週間の期間、鼻孔あたり1スプレーとして1日2回小児対象に経鼻投与され得る。
【0116】
別の実施形態では、本発明は、季節性アレルギー性鼻炎及び/または季節性アレルギー性鼻炎に関連する鼻症状を治療することを、それを必要とする小児ヒトにおいて行う方法に関し、本方法は、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩を含む相乗的組み合わせをヒトに経鼻投与することを含み、組み合わせは、約1:13.3〜約1:53.2(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で、粒子状形態のフランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩溶液を含む医薬組成物の形態であり、組成物は、ヒトの鼻孔あたり1スプレーとして、少なくとも1週間の期間、1日2回投与され、本方法は、少なくとも1つの副作用の減少をもたらす。この実施形態の一態様では、組成物は、2週間の期間、1日2回投与される。この実施形態の別の態様では、各スプレーは、約25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び約665mcgのオロパタジン塩酸塩を含む。この実施形態のさらに別の態様では、(i)ヒトの総鼻症状スコア(TNSS)が2週間の治療後、ベースラインから少なくとも50%減少する、かつ/または(ii)ヒトの総眼症状スコア(TOSS)が2週間の治療後、ベースラインから少なくとも40%減少する、かつ/または(iii)2週間の治療後、ヒトにおいて治療に関連した著しい副作用が観察されない。本実施形態の一態様では、ヒトはアレルゲンに対して、皮膚プリックテストで陽性を呈する。好ましくは、治療関連の副作用としては、傾眠または鼻出血またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0117】
本発明の一態様では、固定用量の医薬組成物は、約1週間、2週間、4週間、6週間または8週間の期間にわたって投与され得る。好ましくは、固定用量の医薬組成物は、小児対象の鼻孔あたり1スプレーとして、1週間または2週間の期間、1日2回投与される。実施形態の別の態様では、組成物の各スプレーは、約600mcgのオロパタジンに相当するオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを含む。好ましくは、組成物の各スプレーは、約665mcgのオロパタジン塩酸塩(約600mcgのオロパタジンに相当)及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンを含む。さらに別の態様では、組成物は不快な臭気及び味を有さない。実施形態のさらに別の態様では、ヒト対象の総鼻症状スコア(TNSS)は、1週間または2週間の治療後、ベースラインから少なくとも40%または少なくとも50%減少する。実施形態のさらに別の態様では、ヒトの総眼症状スコア(TOSS)は、1週間または2週間の治療後、ベースラインから少なくとも30%または少なくとも40%減少する。実施形態のさらに別の態様では、方法は、治療関連の副作用の減少をもたらす。好ましくは、治療関連の副作用としては、傾眠または鼻出血またはそれらの組み合わせが挙げられる。実施形態のさらに別の態様では、ヒト対象は、アレルゲンに対して、皮膚プリックテストで陽性を呈する患者である。
【0118】
一態様では、本発明は、治療を必要とする小児対象におけるアレルギー性鼻炎の治療のための本発明の固定用量の医薬組成物を製造するために、約1:5〜約1:60または約1:12〜約1:53の重量比でのモメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩の使用に関する。一態様では、固定用量の医薬組成物は、モメタゾンまたはその塩が粒子形態(例えば、約1〜約20μm、または約1〜約15μmの平均粒子径を有する)で存在する懸濁液であり、オロパタジンまたはその塩は溶解形態で存在する。さらに別の態様では、組成物は不快な臭気及び味を有さない。一実施形態では、医薬組成物の各スプレーは、約665mcgのオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンをもたらす。
【0119】
別の実施形態では、本発明は、鼻炎に伴う症状を軽減することを、それを必要とする小児対象において行う方法に関し、この方法は、約1:5〜約1:60または約1:12〜約1:53の重量比でモメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含む有効量の固定用量の医薬組成物を、約1週間または2週間、対象に経鼻投与することを含む。
【0120】
さらに別の実施形態では、本発明は、アレルギー性鼻炎に伴う症状を軽減することを、それを必要とするヒト小児において行う方法に関し、この方法は、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含む有効量の固定用量の医薬組成物をヒトに経鼻投与することを含み、(i)組成物は、鼻孔あたり1スプレーとして1日2回ヒトに経鼻投与し、(ii)各スプレーは、約1:5〜約1:60または約1:12〜約1:53(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で、約1週間または2週間、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含み、組成物は、ヒトの鼻孔あたり1スプレーとして1日2回、少なくとも1週間の期間投与し、この方法は、少なくとも1つの副作用の軽減をもたらす。この実施形態の一態様では、各スプレーは、約25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び約600mcgのオロパタジンに相当するオロパタジン塩酸塩を含む。この実施形態の一態様では、医薬組成物は、粒子状形態のモメタゾンまたはその塩及び溶液でのオロパタジンまたはその塩を含む懸濁液である。この実施形態の一態様では、組成物は、少なくとも1週間の期間、鼻孔あたり1スプレーとして1日2回投与される。この実施形態のさらに別の態様では、アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー性鼻炎、持続性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎、及びそれらに伴う鼻症状及び/または非鼻症状から選択される。好ましい態様では、アレルギー性鼻炎は、季節性アレルギー性鼻炎及び/またはそれに伴う鼻症状である。この実施形態のさらに別の態様では、(i)ヒトの総鼻症状スコア(TNSS)が2週間の治療後、ベースラインから少なくとも50%減少する、かつ/または(ii)ヒトの総眼症状スコア(TOSS)が2週間の治療後、ベースラインから少なくとも40%減少する、かつ/または(iii)2週間の治療後、ヒトにおいて治療に関連した著しい副作用が観察されない。本実施形態の一態様では、ヒトはアレルゲンに対して、皮膚プリックテストで陽性を呈する。実施形態の一態様では、症状としては、鼻漏、鼻詰まり、鼻の痒み、くしゃみ、目の痒み/灼熱感、涙目/流涙、目の赤み、耳または口蓋の痒み、眼掻痒症、過度の流涙、頭痛、疲労感及び倦怠感が挙げられる。実施形態のさらに別の態様では、治療関連の副作用としては、傾眠または鼻出血またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0121】
医薬組成物の投与では、小児対象において、モメタゾンもしくはその塩またはオロパタジンもしくはその塩の単独の経鼻投与よりも、アレルギー性鼻炎の1つ以上の症状(鼻症状または眼症状など)からのより迅速な緩和(例えば、30分未満、例えば約15分以内、例えば10分以内などの作用発現)がもたらされ得る。別の実施形態では、投与では、環境曝露チャンバー(EEC)(3500±500粒子/m
3の濃度のブタクサ花粉を有するものなどに6時間)に曝露された対象において、モメタゾンまたはその塩もしくはオロパタジン又はその塩の単独の経鼻投与よりも迅速な(例えば、15分未満、例えば約10分以内などの作用発現)アレルギー性鼻炎の1つ以上の症状(鼻症状など)からの緩和をもたらし得る。
【0122】
さらに別の実施形態は、アレルギー性鼻炎に伴う症状のより迅速な緩和の作用発現をもたらすことを、それを必要とする小児ヒト対象において行う方法であって、本方法は、モメタゾンまたはその塩(例えば、フランカルボン酸モメタゾン)及びオロパタジンその塩(例えば、オロパタジン塩酸塩)を含む固定用量の医薬組成物を鼻孔あたり1スプレーとして1日2回経鼻投与することを含む。この方法では、モメタゾンまたはその塩を単独で、またはオロパタジンまたはその塩を単独で投与したものと比較して、1つ以上の症状の緩和のより迅速な作用発現をもたらし得る。各スプレーは、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を、約1:5〜約1:60(約1:12〜約1:53、約1:13.3〜約1:50、または約1:18〜約1:40の重量比など)(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で含むことができる(例えば、各スプレーは、約12.5mcg、約25mcg、約37.5mcg、約50mcg、または約62.5mcgのモメタゾンまたはその塩(例えば、約50mcgのフランカルボン酸モメタゾン)、及び約300mcg、約450mcg、約600mcg、約750mcg、または約900mcgのオロパタジンに相当するオロパタジン塩酸塩(約665mcgのオロパタジン塩酸塩など)を含む)。一実施形態では、医薬組成物の各スプレーは、約665mcgのオロパタジン塩酸塩及び約25mcgのフランカルボン酸モメタゾンをもたらす。この投与では、30分以内(例えば、15分以内または10分以内など)に1つ以上の症状の緩和をもたらすことができる。別の実施形態では、投与では、環境曝露チャンバー(EEC)(3500±500粒子/m
3の濃度のブタクサ花粉を有するものなどに6時間)に曝露された対象において、15分未満、例えば約10分以内に、アレルギー性鼻炎の1つ以上の症状(鼻症状など)からの緩和をもたらし得る。
【0123】
さらに別の実施形態は、アレルギー性鼻炎に罹患している小児ヒト対象を治療する方法であって、本方法は、鼻孔あたり1スプレーで1日2回経鼻投与するための医薬組成物を対象に投与するステップを含み、(i)医薬組成物は、アレルギー性鼻炎の治療のために15分以内に作用発現をもたらし、(ii)医薬組成物の各スプレーは約25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び約665mcgのオロパタジン塩酸塩を含む。
【0124】
さらに別の実施形態は、アレルギー性鼻炎に罹患している小児ヒト対象を治療する方法であって、
(a)小児対象に、鼻孔あたり1スプレーを1日2回経鼻投与するための固定用量の医薬組成物を処方するステップであって、固定用量の医薬組成物は、モメタゾンまたはその塩(フランカルボン酸モメタゾンなど)及びオロパタジンまたはその塩(オロパタジン塩酸塩など)を含み、各スプレーは、固モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を、約1:5〜約1:60(約1:12〜約1:53、約1:13.3〜約1:50、または約1:18〜約1:40など)(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で含み(例えば、各スプレーは、約12.5mcg、約25mcg、約37.5mcg、約50mcg、または約62.5mcgのモメタゾンまたはその塩(約50mcgのフランカルボン酸モメタゾン)及びオロパタジンの約300mcg、約450mcg、約600mcg、約750mcg、または約900mcgに相当するオロパタジン塩酸塩(約665mcgのオロパタジン塩酸塩など)を含む)、
処方は、(i)(A)モメタゾンもしくはその塩(25mcgのフランカルボン酸モメタゾン)またはオロパタジンもしくはその塩(665mcgのオロパタジン塩酸塩)のみの経鼻投与よりもアレルギー性鼻炎の1つ以上の症状(例えば鼻症状)を緩和するためのより迅速な作用発現(30分未満、例えば、約15分以内、10分以内などでの作用発現)を提供するものとして、(B)15分(または30分)以内にアレルギー性鼻炎の1つ以上の症状を緩和をもたらすものとしての医薬組成物のマーケティング、及び(ii)ヒト対象がアレルギー性鼻炎に罹患しているとの診断、または(C)環境曝露チャンバー(EEC)(3500±500粒子/m
3の濃度のブタクサ花粉を有するものなどに6時間)に曝露された対象において、モメタゾンまたはその塩もしくはオロパタジン又はその塩の単独の経鼻投与よりも迅速な(例えば、約15分未満、例えば約10分以内などの作用発現)アレルギー性鼻炎の1つ以上の症状(例えば、鼻症状など)からの緩和をもたらすためにより迅速な作用発現をもたらすこと、(D)環境曝露チャンバー(EEC)(3500±500粒子/m
3の濃度のブタクサ花粉を有するものなどに6時間)に曝露された対象において、15分以内、例えば、約10分以内などにアレルギー性鼻炎の1つ以上の症状(鼻症状など)の緩和をもたらすこと、に応じて実施する、ステップと、
(b)処方された医薬組成物を対象に投与するステップと、を含む。好ましい一実施形態では、固定用量の医薬組成物の各スプレーは、25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び665mcgのオロパタジン塩酸塩を提供する。
【0125】
さらに別の実施形態は、アレルギー性鼻炎(季節性アレルギー性鼻炎または通年性アレルギー性鼻炎など)に罹患している小児ヒト対象を治療する方法であって、本方法は、鼻孔あたり1スプレーを1日2回経鼻投与するための処方された固定用量の医薬組成物を対象に投与するステップを含み、固定用量の医薬組成物は、モメタゾンまたはその塩(フランカルボン酸モメタゾンなど)及びオロパタジンまたはその塩(オロパタジン塩酸塩など)を含み、各スプレーは、固モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を、約1:5〜約1:60(約1:12〜約1:53、約1:13.3〜約1:50、または約1:18〜約1:40など)(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)の重量比で含む(例えば、各スプレーは、約12.5mcg、約25mcg、約37.5mcg、約50mcg、または約62.5mcgのモメタゾンまたはその塩(約50mcgのフランカルボン酸モメタゾンなど)及びオロパタジンの約300mcg、約450mcg、約600mcg、約750mcg、または約900mcgに相当するオロパタジン塩酸塩(約665mcgのオロパタジン塩酸塩など)を含む)。医薬組成物は、(a)(A)アレルギー性鼻炎の症状(例、鼻症状)を緩和するために、モメタゾンまたはその塩(50mcgのフランカルボン酸モメタゾンなど)またはオロパタジンまたはその塩(665mcgのオロパタジン塩酸塩など)を単独で経鼻投与したものと比較して、より迅速な作用発現(30分未満、例えば15分以内、例えば10分以内の作用発現など)をもたらすものとして、または(B)15分(または30分)以内にアレルギー性鼻炎の1つ以上の症状の緩和をもたらすものとしての医薬組成物のマーケティング、及び(b)対象がアレルギー性鼻炎に罹患しているとの診断に応じて処方される。好ましい一実施形態では、固定用量の医薬組成物の各スプレーは、25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び665mcgのオロパタジン塩酸塩を提供する。
【0126】
別の実施形態は、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を約1:5〜約1:60の重量比(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)で含む有効量の固定用量の医薬組成物を経鼻投与することにより、小児対象の鼻洗浄において好酸球数を減少させる方法に関し、この方法は、単剤療法として投与した場合に、モメタゾンもしくはその塩またはオロパタジンもしくはその塩によって提供されるものよりも好酸球数の大幅な減少をもたらす。好酸球数は、血球計算盤などの任意の既知の手法で測定できる。一実施形態では、この方法は、鼻孔あたり1スプレーで1日2回、医薬組成物のスプレーを経鼻投与することを含み、各スプレーは、25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び665mcgのオロパタジン塩酸塩を含む。
【0127】
さらに別の実施形態は、モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を約1:5〜約1:60の重量比(オロパタジン遊離塩基の当量を基準にして)で含む有効量の固定用量の医薬組成物を経鼻投与することにより、小児対象の鼻洗浄において総細胞数を減少させる方法に関し、この方法は、単剤療法として投与した場合に、モメタゾンもしくはその塩またはオロパタジンもしくはその塩によって提供されるものよりも総細胞数の大幅な減少をもたらす。一実施形態では、この方法は、鼻孔あたり1スプレーで1日2回、医薬組成物のスプレーを経鼻投与することを含み、各スプレーは、25mcgのフランカルボン酸モメタゾン及び665mcgのオロパタジン塩酸塩を含む。
【0128】
本発明の文脈において、好酸球数及び総細胞数は、血球計などの様々な機器を使用して測定することができる。くしゃみの反応は、全身プレチスモグラフィ(Buxco Research Systems、Wilmington,NC,USA)などの機器を使用して決定され得る。
【0129】
本発明の文脈において、モメタゾンまたはその塩、オロパタジンまたはその塩を含む固定用量の医薬組成物は、好ましくは、容器及びその使用及び投与に関する指示を提供するキットに、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤(例えば、キレート剤、防腐剤、緩衝液、界面活性剤、等張剤、矯味剤、懸濁剤、保湿剤、抗酸化剤及び希釈剤)が含まれる点鼻スプレーの形態で供給される。医薬組成物は、例えば、2014年9月4日出願の国際特許出願第PCT/IB2014/064251号、2014年9月11日出願の米国特許出願第14/483,837号、2015年3月18日出願の米国特許出願第14/662,128号、2016年6月15日出願の米国特許出願第15/183,534号、2016年7月14日出願の米国特許出願第15/210,692号、に記載されている配合物のいずれか1つを有し得、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0130】
医薬組成物は、点鼻スプレーデバイス(例えば、鼻粘膜への局所作用のために対象の鼻孔にミストスプレーを送達することができるもの)を用いて経鼻投与することができる。
【0131】
薬学的組成物
医薬組成物は、有効量のモメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含むことができる。モメタゾンまたはその塩の有効量は、約0.01mg〜約10mg、または好ましくは約0.02mg〜約5mgの範囲であり得る。医薬組成物中のオロパタジンまたはその塩の有効量は、約0.05mg〜約20mg、または好ましくは約0.1mg〜約15mgの範囲であり得る。
【0132】
経鼻経路による毎日の投与の場合、医薬組成物中のモメタゾンまたはその塩の有効量は、約10mcg〜約500mcg、または好ましくは約20mcg〜約400mcgの範囲であり得、オロパタジンまたはその塩の有効量は、約50mcg〜約7000mcg、または好ましくは約100mcg〜約5400mcgの範囲であり得る。
【0133】
本明細書で使用される「平均粒子径」(または同義語として「粒度」)という用語は、測定されたすべての粒子の約50体積パーセントが、定義された平均粒子径値未満の径を有し、測定されたすべての粒子の約50体積パーセントが、定義された平均粒子径値より大きい粒子径を有する粒子分布を指す。これは、「D
50」または「d
(0.5)」という用語で識別され得る。平均粒子径は、顕微鏡法、レーザー回折、光子相関分光法(PCS)、及びコールターの原理などの様々な手法を使用して測定され得る。
【0134】
「C
max」という用語は、血漿中の薬物(例えば、モメタゾンまたはオロパタジン)の最大濃度である。
【0135】
「T
max」という用語は、ピーク(最大)血漿薬物濃度が達成される時間である。
【0136】
「AUC
0−∞」という用語は、無限に外挿された血漿濃度−時間曲線下の平均面積である。これは、時間0から無限に外挿された血漿濃度−時間曲線下の面積の算術平均として計算される。
【0137】
「AUC
tau」という用語は、定常状態での1つの投与間隔にわたって所定の用量で到達した薬物の血漿、血清、または血中濃度対時間曲線下の面積である。曲線下面積は、定常状態の時間tauについて測定され、tauは投与間隔の長さである。
【0138】
「親水コロイド」という用語は、親水性コロイド粒子(例えば、親水性ポリマー)が水中に分散しているコロイド系を指す。親水コロイド系は、ゲル状態またはゾル(液体)状態で存在し得る。懸濁液組成物では、親水コロイドは、増粘剤、安定剤及び懸濁剤として機能する。親水コロイドの非限定的な例としては、キサンタンガム、アラビアゴム、グアーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸塩、デンプン、寒天、カラギーナン、ゼラチン、微結晶セルロース(MCC)とナトリウムカルボキシメチルセルロース(ナトリウムCMC)との混合物(例えば、Avicel RC591(登録商標)(FMC Biopolymer,Philadelphia,PAから入手可能)、(例えば、8.3〜13.8%のナトリウムCMC含有量を有するMCC及びCMCナトリウムの混合物、及びセルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム)が挙げられる。好ましくは、親水コロイドとしては、キサンタンガムまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。
【0139】
本発明のいくつかの実施形態は、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.08〜約2%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.1%w/w〜約1.5%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.12%w/w〜約1%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.15%w/w〜約0.75%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.083%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、0.0830%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.1%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、0.0996%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.7%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、0.6656%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む。
【0140】
「容器」という用語は、単回用量容器または複数回用量容器を指す。好適な単回用量容器または複数回用量容器としては、限定されないが、ガラス、アルミニウム、ポリプロピレンまたは高密度ポリエチレン、例えば、ブローフィルシール製造技術を使用して製造された高密度ポリエチレン容器が挙げられる。一実施形態では、容器は、微細ミストの形態で医薬組成物を送達する噴霧器である。噴霧器は、一般に、医薬組成物を含む容器、容器と密封された(例えば、気密に係合した)ポンプ、ポンプの上部を取り外し可能に受け入れるアクチュエータ、ならびに容器及びアクチュエータと取り外し可能に係合したキャップを含む。
【0141】
一実施形態は、ヒトへの経鼻投与用の安定した固定用量の水性医薬組成物(例えば、容器内に含まれる)であり、組成物は、約0.001%w/w〜約0.075%w/wのモメタゾンまたはその塩及び約0.5%w/w〜約0.8%w/wのオロパタジンまたはその塩を含む。
【0142】
医薬組成物は、溶液または懸濁液の形態であってもよいが、好ましくは、組成物は、懸濁液(より好ましくは、単相懸濁液)の形態であり、モメタゾンまたはその塩は、粒子形態で存在し、オロパタジンまたはその塩は、溶解形態で存在する。モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩は、約1:3〜約1:106もしくは約1:5〜約1:53、または好ましくは約1:5〜約1:36の重量比で存在し得る。一実施形態では、組成物中のモメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩の重量比は、約1:10〜約1:53または約1:12〜約1:30である。
【0143】
組成物はまた、好ましくは、親水コロイドを含む。一実施形態では、組成物は懸濁液であり、25±2℃及び60%±5%相対湿度(RH)または40±2℃及び75%±5%RHでの3ヶ月または6ヶ月の保存後、相分離(すなわち、粒子と溶液との分離)を防止するのに十分な量の親水コロイドを含む。一実施形態では、水性医薬組成物は、25±2℃及び60%±5%RHまたは40±2℃及び75%±5%RHでの3ヶ月または6ヶ月の保存後でも単相懸濁液のままである単相懸濁液である。
【0144】
別の実施形態は、(a)モメタゾンまたはその塩、(b)オロパタジンまたはその塩、及び(c)セルロース系材料を含む原線維ネットワークを含む水性医薬組成物である。原線維ネットワークは、原線維間空間を有し得る。一実施形態では、原線維間空間は、1つ以上のモメタゾン粒子を含む。いくつかの実施形態では、モメタゾンまたはその塩は、約15μm未満の平均粒子径を有する粒子形態で存在する。さらなる実施形態では、モメタゾン粒子は、原線維ネットワーク内で等距離に、または実質的に等距離に離間される。隣接するモメタゾン粒子間の平均距離は、例えば30回、56回、60回、120回、または240回の投与(例えば、経鼻スプレー投与)など、モメタゾン(またはその塩)及びオロパタジン(またはその塩)の両方の一定量(または有効量)の一貫した送達をもたらすのに十分に離間され得る。いくつかの実施形態では、原線維ネットワークは、本発明の組成物が標的部位に一定量または有効量の活性成分の一貫した投薬を提供する能力を少なくとも部分的に担う。そのような組成物中のオロパタジンまたはその塩は、溶解形態であり得る。
【0145】
水性懸濁液に関連して使用される「安定」という用語は、振とうし、周囲条件で少なくとも24時間保存したときに、目視検査で相分離を示さない組成物を指す。好ましくは、そのような安定な組成物は、少なくとも3日間、または少なくとも5日間、または少なくとも7日間、相分離を示さない。一態様では、本発明の「安定した」組成物は、振とう時(例えば、1分間)及び目視検査で、塊の形成がなく、少なくとも6ヶ月の期間周囲条件での保存後(25℃及び相対湿度約60%)1.0%以下の総不純物含有量を示す。
【0146】
本発明の文脈では、薬物含有量及び不純物は、HPLC、LC−MS、TLCなどの様々な分析技術によって決定することができる。
【0147】
モメタゾンまたはその塩及びオロパタジンまたはその塩を含む経鼻投与用の様々な医薬組成物を調製した場合、組成物は、一般に、懸濁液組成物中で物理的分離を示すことが観察された。この物理的不安定性はさらに、用量均一性の欠如をもたらす。驚くべきことに、懸濁液組成物中に、ある特定の濃度(例えば、少なくとも約0.1%w/wの濃度)で親水コロイドを添加することにより、経鼻投与に好適である(分離のない)物理的に安定な組成物が得られることが見出された。
【0148】
別の実施形態は、ヒトへの経鼻投与用の安定した固定用量の水性医薬懸濁液組成物(例えば、容器内に含まれる)であり、組成物は、約0.025%w/w〜約0.05%w/wのモメタゾンまたはその塩及び約0.6%w/w〜約0.7%w/wのオロパタジンまたはその塩及び親水コロイドを含む。
【0149】
さらに別の実施形態は、ヒトへの経鼻投与用の安定した固定用量の水性医薬懸濁液組成物(例えば、容器内に含まれる)であり、組成物は、約0.025%w/w〜約0.05%w/wのモメタゾンまたはその塩及び約0.6%w/w〜約0.7%w/wのオロパタジンまたはその塩ならびにカルボキシメチルセルロースナトリウム及びキサンタンガムを含む親水コロイドを含む。親水コロイドは、少なくとも約0.1%w/wの組成物の濃度で存在し得る。
【0150】
さらに別の実施形態は、ヒトへの経鼻投与のための安定した固定用量の水性医薬懸濁液組成物(例えば、容器に含まれる)であり、この組成物は、約0.025%w/w〜約0.05%w/wのフランカルボン酸モメタゾン、約0.6%w/w〜約0.7%w/wのオロパタジン塩酸塩及びキサンタンガムを含む親水コロイドを含む。キサンタンガムは、組成物の少なくとも約0.1%w/w、または好ましくは約0.3%w/w〜約3%w/wの濃度で存在し得る。
【0151】
さらに別の実施形態は、ヒトへの経鼻投与のための安定した固定用量の水性医薬懸濁液組成物(例えば、容器に含まれる)であり、この組成物は、約0.025%w/w〜約0.05%w/wのフランカルボン酸モメタゾン、約0.6%w/w〜約0.7%w/wのオロパタジン塩酸塩及びナトリウムカルボキシメチルセルロースを含む親水コロイドを含む。ナトリウムカルボキシメチルセルロースは、組成物の少なくとも約0.1%w/w、または好ましくは約0.1%w/w〜約3%w/wの濃度で存在し得る。
【0152】
さらに別の実施形態は、ヒトへの経鼻投与用の懸濁液形態での安定した固定用量の水性医薬組成物(例えば、容器に含まれる)であり、本組成物は、モメタゾンまたはその薬学的に許容される塩、オロパタジンまたはその薬学的に許容される塩、親水コロイド(例えば、少なくとも組成物の約0.1%w/wの濃度)及び薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0153】
本発明の組成物の物理的特性、外観、または臭いを改善するために、1つ以上のさらなる薬学的に許容される賦形剤を必要に応じて添加し得ることも当業者には理解されよう。好適な薬学的に許容される賦形剤としては、限定されないが、キレート剤、防腐剤、緩衝剤、界面活性剤、等張剤、矯味剤、抗酸化剤、保湿剤、pH調整剤、及び前述のいずれかの任意の組み合わせが挙げられる。
【0154】
水性点鼻スプレー組成物を調製するために使用することができる好適な界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性または両性イオン性界面活性剤のうちの1つ以上を挙げることができる。
【0155】
水性点鼻スプレー懸濁液に使用できる好適な界面活性剤の例としては、限定されないが、ソルビタンエステルとエチレンオキシドとの反応により生成されるポリソルベートなどのポリエトキシル化ソルビタン誘導体、それらのエーテルエトキシレート、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンエステルまたは混合脂肪酸及び樹脂酸、ポリオキシエチレンソルビトールラノリン誘導体、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、混合脂肪酸及び樹脂酸のポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪アルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレングリコールモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、オレイン酸ナトリウム、四級アンモニウム誘導体、オレイン酸カリウム、N−セチルN−エチルモルホリニウムエトサルフェート、ラウリル硫酸ナトリウムまたはそれらの混合物から選択することができる。好ましい界面活性剤は、ポリエトキシル化ソルビタン誘導体(ポリソルベート80など)である。界面活性剤の量は、組成物の総重量に対して約0.001%〜約1%w/wの範囲であり得る。
【0156】
鼻粘膜への投与時に許容される水性点鼻スプレー懸濁液の能力を改善するために、等張性として配合することが有利である。浸透圧は、モメタゾン、オロパタジン、及び存在する任意のさらなる物質のほかに、点鼻スプレー水性懸濁液中に存在する物質の量を変化させることによって、かつ/または等張剤、好ましくは生理学的に許容される塩、例えば、塩化ナトリウムもしくは塩化カリウム、または等張にするのに必要である濃度において、生理学的に許容されるポリオール、例えば、糖アルコール、特にソルビトールまたはグリセロールを添加することによって、設定できる。
【0157】
水性点鼻スプレー懸濁液に使用できる好適な防腐剤の例としては、限定されないが、ベンジルアルコール、第四級ハロゲン化アンモニウム、フェニルカルビノール、チメロサール、及びエデト酸二ナトリウムが挙げられる。第四級ハロゲン化アンモニウム防腐剤が好ましい。好適な第四級ハロゲン化アンモニウム防腐剤としては、polyquaternium−1及びハロゲン化ベンザルコニウムが挙げられる。好ましいハロゲン化ベンザルコニウムとしては、塩化ベンザルコニウム及び臭化ベンザルコニウムが挙げられる。水性点鼻スプレー懸濁液中に存在する防腐剤の量は、組成物の総重量に対して、約0.005〜約0.2%w/wの範囲であり得る。好ましくは、防腐剤は、組成物の総重量に対して、約0.02%w/wの濃度で存在する。
【0158】
水性点鼻スプレー懸濁液に使用できる好適なキレート剤の例としては、限定されないが、エデト酸二ナトリウム(EDTA)、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、及びジエチレンアミン五酢酸が挙げられ、好ましくはEDTAである。本発明の点鼻スプレー懸濁液中に存在するキレート剤の量は、組成物の総重量に対して、約0.0002〜約0.5%w/wの範囲であり得る。
【0159】
水性点鼻スプレー懸濁液に使用できる好適な緩衝剤の例としては、限定されないが、クエン酸、酢酸、フマル酸、塩酸、リンゴ酸、硝酸、リン酸、プロピオン酸、硫酸、酒石酸、リン酸塩(例えば、第二リン酸ナトリウム七水和物などの第二リン酸ナトリウム)の塩、またはそれらの組み合わせが挙げられる。本発明の懸濁液は、組成物のpHを約3〜約6に維持するのに十分な量の緩衝液を含み得る。好ましくは、緩衝液の量は、組成物の総重量に対して、約0.005%〜約1%w/wの範囲である。
【0160】
水性点鼻スプレー懸濁液に使用できる甘味料/矯味剤の好適な例としては、限定されないが、スクラロース、タウマチン(例えば、タリン(登録商標))、スクロース、サッカリン(ナトリウム及びカルシウム塩などの塩形態など)、フルクトース、グルコース、デキストロース、コーンシロップ、アスパルテーム、アセスルファム−K、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、グリチルリチン酸アンモニウム、ネオテーム、マンニトール、ユーカリオイル、樟脳、及び天然または人工の風味料または香料(例えば、メントール、ミント、バニラ、オレンジなど)、またはこうした剤の2つ以上の組み合わせが挙げられる。特に好ましい矯味剤は、スクラロースである。水性点鼻スプレー懸濁液中に存在する甘味剤/矯味剤の量は、組成物の総重量に対して、約0.01%〜約1%w/wの範囲であり得る。
【0161】
水性点鼻スプレー懸濁液に使用できる好適な抗酸化剤の例としては、限定されないが、アスコルビン酸、アルファ−トコフェロール(ビタミンE)、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、グルタチオン、及び前述のいずれかの任意の組み合わせが挙げられる。水性点鼻スプレー組成物中に存在する抗酸化剤の量は、組成物の総重量に対して、約0.0002%〜約0.5%w/wの範囲であり得る。
【0162】
水性点鼻スプレー懸濁液に使用できる好適な保湿剤の例としては、限定されないが、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、またはこれらの混合物が挙げられ、これらは、水など、好適な保湿ビヒクルと混合される。水性点鼻スプレー懸濁液中に存在する保湿剤の量は、組成物の総重量に対して、約0.0002%〜約0.5%w/wの範囲であり得る。
【0163】
好適なpH調整剤としては、限定されないが、水酸化ナトリウム及び塩酸が挙げられる。
【0164】
本発明の文脈において、経鼻投与のための薬学的に安定な固定用量の懸濁液組成物は、約3.3〜約4.1、または約3.5〜約3.9のpHを有し得る。本発明者らは、オロパタジン塩酸塩が、5〜5.5のpHで、固定用量の組み合わせ水性懸濁液から結晶化することを発見した。しかし、オロパタジン塩酸塩は、約3.3〜約4.1のpHでは、水性懸濁液に溶解したままである。
【0165】
水性医薬組成物は、好ましくは、オロパタジン塩酸塩の結晶を実質的に含まない。一実施形態では、水性医薬組成物は、組成物中のオロパタジン塩酸塩の総重量100%に基づいて、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.2%未満または0.1%未満の結晶性オロパタジン塩酸塩を含む。別の実施形態では、水性医薬組成物は、25±2℃及び60%±5%RHまたは40±2℃及び75%±5%RHでの保存の3ヶ月または6ヶ月後、オロパタジン塩酸塩の結晶を実質的に含まない。さらに別の実施形態では、水性医薬組成物は、25±2℃及び60%±5%RHまたは40±2℃及び75%±5%RHで3ヶ月または6ヶ月保存した後、組成物中のオロパタジン塩酸塩の総重量100%に基づいて、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.2%未満または0.1%未満の結晶性オロパタジン塩酸塩を含む。
【0166】
組成物の浸透圧は、約200mOsm/kg〜約400mOsm/kgまたは約250mOsm/kg〜約350mOsm/kgの間の範囲であり得る。組成物の粘度は、約10cps〜約200cps、または好ましくは約20cps〜約150cpsであり得る。
【0167】
さらに別の態様では、医薬組成物は懸濁液形態であり、約1μm〜約20μm、または好ましくは約1μm〜約15μmの範囲の平均粒子経を有する粒子中にフランカルボン酸モメタゾンを含む。一態様では、本発明の懸濁医薬組成物は、顕微鏡技術によって決定される場合、15μm未満の平均粒子経を有する。
【0168】
さらに別の態様では、医薬組成物は、ヒトへのモメタゾンまたはその塩の200mcgに相当する用量の経鼻投与(例えば、点鼻スプレーとして)時に、(a)モメタゾンまたはその塩の曲線下面積(AUC)
0−∞は、約50pg・時間/mL〜約140pg・時間/mL、好ましくは、約68pg・時間/mL〜約124pg・時間/mLとなり、(b)モメタゾンまたはその塩のC
maxが、約6.5pg/mL〜約16pg/ml、好ましくは約8.6pg/mL〜約12.9pg/mlとなり、(c)モメタゾンまたはその塩のT
maxは、約15分〜約120分となり、または(d)前述のいずれかの任意の組み合わせとなる。
【0169】
さらに別の態様では、医薬組成物は、ヒトへのオロパタジンまたはその塩の2400mcgに相当する用量の経鼻投与(例えば、点鼻スプレーとして)時に、(a)オロパタジンまたはその塩のAUC
0−∞は、約42.5ng・時間/mL〜約116.5ng・時間/mLであり、好ましくは約56.7ng・時間/mL〜約99.8ng
・時間/mL、(b)オロパタジンまたはその塩のC
maxは、約10.3ng/mL〜約24.1ng/mlであり、好ましくは約13.8ng/mL〜約20.7ng/mlであり、(c)T
maxは、約15分〜約120分であり、または(d)前述のいずれかの任意の組み合わせとなる。
【0170】
さらに別の態様では、医薬組成物は、ヒトへの最初のモメタゾンまたはその塩(例えば、フランカルボン酸モメタゾン)の100mcgに相当する用量の経鼻投与(例えば、点鼻スプレーとして)時に、(a)モメタゾンまたはその塩の曲線下面積(AUC)
tauは、約12pg・時間/mL〜約73pg・時間/mL、好ましくは、約20pg・時間/mL〜約36pg・時間/mLとなり、(b)モメタゾンまたはその塩のC
maxが、約3pg/mL〜約13pg/ml、好ましくは約5pg/mL〜約9pg/mlとなり、(c)モメタゾンまたはその塩のT
maxは、約15分〜約120分となり、または(d)前述のいずれかの任意の組み合わせとなる。さらに別の態様では、医薬組成物は、定常状態(例えば、100mcgのモメタゾンまたはその塩を1日2回8日間投与した後)でのヒトへのモメタゾンまたはその塩(例えば、フランカルボン酸モメタゾン)の100mcgに相当する用量の経鼻投与(例えば、点鼻スプレーとして)時に、(a)モメタゾンまたはその塩の曲線下面積(AUC)
tauは、約26pg・時間/mL〜約124pg・時間/mL、好ましくは、約40pg・時間/mL〜約80pg・時間/mLとなり、(b)モメタゾンまたはその塩のC
maxが、約4pg/mL〜約16pg/ml、好ましくは約8pg/mL〜約12pg/mlとなり、(c)モメタゾンまたはその塩のT
maxは、約15分〜約120分となり、または(d)前述のいずれかの任意の組み合わせとなる。
【0171】
さらに別の態様では、医薬組成物は、点鼻スプレーとして送達されるとき、約15〜75mmの最長軸、約10〜65mmの最短軸、及び約1〜2の楕円率を有するスプレーパターンを有する。
【0172】
本発明の文脈において、粘度は、動的応力レオメーターまたはブルックフィールド粘度計などの様々な既知の機器によって決定することができる。好ましい実施形態では、粘度は、回転スピンドルを使用してサンプルを通るトルク伝達を測定することにより、ブルックフィールド粘度計によって決定される。
【0173】
別の実施形態では、本発明は、ヒトへの経鼻投与用の安定した固定用量の水性医薬組成物(例えば、容器に含まれる)に関し、組成物は約0.001%w/w〜約0.075%w/wのフランカルボン酸モメタゾン一水和物及び約0.5%w/w〜約0.8%w/wのオロパタジン塩酸塩を含む。
【0174】
別の実施形態は、フランカルボン酸モメタゾン一水和物、オロパタジン塩酸塩、及び親水コロイドを含む、小児ヒト対象への経鼻投与用の懸濁液形態の安定した固定用量の医薬組成物(例えば、容器に含まれる)である。親水コロイドは、組成物の約0.3%w/wの濃度でキサンタンガムを含み、組成物は、約3.5〜約3.9のpHを有する。
【0175】
さらに別の実施形態は、フランカルボン酸モメタゾン一水和物、オロパタジン塩酸塩、及び親水コロイドを含む、小児ヒト対象への経鼻投与用の懸濁液形態の安定した固定用量の医薬組成物(例えば、容器に含まれる)である。親水コロイドは、組成物の約0.5%w/wの濃度でナトリウムカルボキシメチルセルロースを含み、組成物は、約3.5〜約3.9のpHを有する。
【0176】
さらに別の実施形態は、小児ヒト対象への経鼻投与用の安定した固定用量の医薬水性懸濁液組成物(例えば、容器に含まれる)であり、組成物は、(1)約0.025%w/wのフランカルボン酸モメタゾン一水和物、(2)約0.665%w/wのオロパタジン塩酸塩、(3)約0.3%w/wのキサンタンガム及び約0.5%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される親水コロイド、(4)約0.02%w/wの塩化ベンザルコニウム、(5)約0.4%w/wの塩化ナトリウム、(6)約0.01%w/wのエデト酸二ナトリウム、(7)約0.94%w/wのリン酸ナトリウム七水和物、及び(8)約0.01%w/wのポリソルベート80を含む。
【0177】
さらに別の実施形態は、小児ヒト対象への経鼻投与用の安定した固定用量の医薬水性懸濁液組成物(例えば、容器に含まれる)であり、組成物は、(1)約0.050%w/wのフランカルボン酸モメタゾン一水和物、(2)約0.665%w/wのオロパタジン塩酸塩、(3)約0.3%w/wのキサンタンガム及び約0.5%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される親水コロイド、(4)約0.02%w/wの塩化ベンザルコニウム、(5)約0.4%w/wの塩化ナトリウム、(6)約0.01%w/wのエデト酸二ナトリウム、(7)約0.94%w/wのリン酸ナトリウム七水和物、及び(8)約0.01%w/wのポリソルベート80を含む。
【0178】
さらに別の実施形態は、小児ヒト対象への経鼻投与用の安定した固定用量の医薬水性懸濁液組成物(例えば、容器に含まれる)であり、組成物は、(1)約0.025%w/wのフランカルボン酸モメタゾン一水和物、(2)約0.665%w/wのオロパタジン塩酸塩、(3)約0.3%w/wのキサンタンガム及び約0.5%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される親水コロイド、(4)約1%w/w〜約1.2%w/wの微結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物、(5)約0.02%w/wの塩化ベンザルコニウム、(6)約0.4%w/wの塩化ナトリウム、(7)約0.01%w/wのエデト酸二ナトリウム、(8)約0.94%w/wのリン酸ナトリウム七水和物、及び(9)約0.01%w/wのポリソルベート80を含む。
【0179】
さらに別の実施形態は、小児ヒト対象への経鼻投与用の安定した固定用量の医薬水性懸濁液組成物(例えば、容器に含まれる)であり、組成物は、(1)約0.050%w/wのフランカルボン酸モメタゾン一水和物、(2)約0.665%w/wのオロパタジン塩酸塩、(3)約0.3%w/wのキサンタンガム及び約0.5%w/wのカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される親水コロイド、(4)約1%w/w〜約1.2%w/wの微結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物、(5)約0.02%w/wの塩化ベンザルコニウム、(6)約0.4%w/wの塩化ナトリウム、(7)約0.01%w/wのエデト酸二ナトリウム、(8)約0.94%w/wのリン酸ナトリウム七水和物、及び(9)約0.01%w/wのポリソルベート80を含む。
【0180】
さらに別の実施形態は、小児ヒト対象への経鼻投与に好適である安定な懸濁液であり、(a)水性溶媒、(b)溶媒に懸濁されたフランカルボン酸モメタゾンの粒子であって、約1μm〜約20μmの平均粒子経を有する粒子、(c)溶媒に溶解したオロパタジン塩酸塩、及び(d)親水コロイドを含み、懸濁液は、約20cps〜約150cpsの範囲の粘度を有する。好ましい一実施形態では、懸濁液は、約3.5〜3.9のpH、及び約250mOsm/kg〜約350mOsm/kgの範囲の浸透圧を有する。一実施形態では、懸濁液は、キレート剤、防腐剤、緩衝液、界面活性剤、等張剤、及び任意によりpH調整剤をさらに含む。
【0181】
好ましくは、本発明の懸濁液は1相のみを有する(すなわち、それらは好ましくは単相懸濁液である)。
【0182】
さらなる実施形態では、本発明は、経鼻投与用の容器に収容された安定した固定用量の水性医薬組成物及び医薬組成物の使用に関しての説明を含む添付文書を含むキットに関する。好ましい一実施形態では、容器は、アクチュエータを有する噴霧器の一部である。アクチュエータが作動すると、組成物はスプレーの形態で送達される。
【0183】
さらなる実施形態では、医薬組成物は、噴霧器に含まれ、組成物のスプレーをヒトの鼻に送達すると、15〜75mmの最長軸、10〜65mmの最短軸、1〜2の楕円率を有するスプレーパターンを有する。
【0184】
本発明の文脈において、医薬組成物は、噴霧器を使用して点鼻スプレーとして送達される場合、特定のスプレーパターン及びスプレー液滴サイズとなる。スプレーパターンは、NSPUAセットアップ(NSPUA set up)を有するADSA(Innova System)などの様々な既知の手法で決定でき、スプレー液滴のサイズ分布は、NSPUAセットアップ(NSPUA set up)を有するMalvern Spraytec(Innova System)などの様々な既知の手法で決定できる。
【0185】
以下は、スプレーの液滴サイズ分布の特徴を明らかにするための典型的な手順について記載する。噴霧器には、上記の組成物が充填され、微細なミストが噴霧器のノズルから現れるまで、アクチュエータを介して作動ポンプによってプライミングされる。市販のレーザー回折装置を、ノズルがレーザー回折装置のレーザービームより約3cmまたは6cm下になるように配置される。ポンプは、一定の力を使用して従来の機械式アクチュエータにより作動する。得られた組成物のスプレーがレーザービームを通過する。D
10、D
50、D
90、SPAN、及び10μm未満の体積%についてデータを収集する。3つのスプレーのこれらのパラメーターの各々の平均値を計算する。
【0186】
一実施形態は、噴霧器に含まれる、フランカルボン酸モメタゾン一水和物、オロパタジン塩酸塩、及び任意より親水コロイドを含む安定した固定用量の水性医薬組成物であり、水性医薬組成物の各スプレーは、(i)フランカルボン酸モメタゾンの約50mcgに相当するフランカルボン酸モメタゾン一水和物、及び(ii)約600mcgのオロパタジンに相当するオロパタジン塩酸塩を提供する。
【0187】
さらに別の実施形態は、噴霧器に含まれる、フランカルボン酸モメタゾン一水和物、オロパタジン塩酸塩、及び任意より親水コロイドを含む安定した固定用量の水性医薬組成物であり、水性医薬組成物の各スプレーは、(i)フランカルボン酸モメタゾンの約25mcgに相当するフランカルボン酸モメタゾン一水和物、(ii)約600mcgのオロパタジンに相当するオロパタジン塩酸塩を提供する。
【0188】
モメタゾン及びオロパタジンの安定した水性点鼻スプレー懸濁液は、限定されないが、非ステロイド性抗炎症剤、鬱血除去薬、及び前述のいずれかの任意の組み合わせの治療カテゴリーから選択される1つ以上の追加の医薬活性剤(複数可)を含み得る。
【0189】
水性点鼻スプレー懸濁液は、点鼻剤または局所投与に好適である他の任意の形態として投与することができる。組成物は、また、鼻タンポンまたは鼻スポンジを使用して投与されてもよい。
【0190】
好ましい実施形態では、水性懸濁液は、点鼻スプレーの形態で提供され、懸濁液は、単回用量容器または複数回用量容器で投与される。好適な単回用量容器または複数回用量容器としては、限定されないが、ガラス、アルミニウム、ポリプロピレンまたは高密度ポリエチレン、例えば、ブローフィルシール製造技術を使用して製造された高密度ポリエチレン容器が挙げられる。
【0191】
一実施形態では、医薬組成物は、スプレーボトル(噴霧器など)内に含まれる。スプレーボトルは、医薬組成物を保存するための容器及び医薬組成物を鼻腔内に噴霧するためのポンプを含み得る。一実施形態では、容器は、30、56、60、または120、または240用量を保存することができる。例えば、120用量を保存する容器では、医薬組成物の1ヶ月の供給分を提供することができる(30日間、鼻孔あたり1スプレーを1日2回(1日4スプレー))。28用量を保存する容器では、医薬組成物の1週間の供給分を提供することができる(7日間、鼻孔あたり1スプレーを1日2回(1日4スプレー))。一実施形態では、容器は、4〜5mL(例えば、4.5mLまたは28用量)、9〜10mLの医薬組成物(例えば、9mLまたは60用量)、または18〜19mL(例えば、18mLまたは120用量)の医薬組成物を含むのに好適であり得る。
【0192】
ある特定の追加の実施形態では、本発明は、以下のものを含む物質の複数回投薬用組成物を提供する:(a)本発明の医薬組成物の複数回投与用量、(b)以下を含む容器:(i)組成物の複数回投薬量を保持し、開口部を有する圧搾可能なチャンバーであって、圧搾可能なチャンバーが圧搾されたときに、投薬量が開口部から出る、チャンバー、及び(ii)圧搾可能なチャンバーの開口部に取り外し可能に取り付けられた閉鎖機構。ある特定の実施形態では、複数回投薬用容器は、成形可能なポリマーで作製される。
【0193】
こうした実施形態では、好適なポリマーとしては、限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(Ny)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアクリレート(PAR)、及びポリアミド(PA)が挙げられる。ある特定の実施形態では、ポリマーとしては、ポリエチレン、特に中密度ポリエチレン(MDPE)(もしくは分岐鎖ポリエチレン)または高密度ポリエチレン(HDPE)(もしくは直鎖、ポリエチレン)が挙げられる。一実施形態では、複数回投与用容器は、高密度ポリエチレン(HDPE)で作製されている。
【0194】
定量噴霧式吸入器(MDI)を介した吸入など、点鼻スプレーを送達するための他の手段も使用することができる。吸入による投与には、いくつかのタイプのMDIが通常使用されている。これらのタイプのデバイスとしては、呼吸作動MDI、MDIと組み合わせたスペーサー/保持チャンバー、及びネブライザーを挙げることができる。本明細書で使用される「MDI」という用語は、例えば、活性剤と噴射剤の混合物を、任意で1つ以上の賦形剤と共に含むキャニスター、定量バルブ、アクチュエータ、及びマウスピースを備える吸入送達システムを指す。キャニスターは通常、点鼻スプレー組成物などの活性剤の懸濁液、及び1つ以上のヒドロフルオロアルカンなどの噴射剤[例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA−134a)及び1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA−227)]、クロロフルオロカーボン、及びエタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロパノールまたはそれらの混合物などのアルコールで満たされている。アクチュエータが押下されると、吸入用に定量の懸濁液がエアロゾル化される。活性剤を含む粒子は、マウスピースに向かって推進し、その後、対象によって吸入され得る。
【0195】
さらなる実施形態は、治療を必要とするヒトにおける鼻炎の治療のために、約0.025%w/w〜約0.05%w/wのモメタゾンまたはその塩及び約0.5%w/w〜約0.8%w/wのオロパタジンまたはその塩を含む、経鼻投与用の安定した固定用量の水性医薬組成物(例えば、容器に含まれる)である。
【0196】
以下の実施例は、当業者が本発明を実施することを可能にするために提供され、これらは本発明の単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものとして読まれるべきではない。
【実施例】
【0197】
実施例1及び2
フランカルボン酸モメタゾン、オロパタジンHCl及びカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む懸濁液組成物
【表1】
【0198】
製造手順:
1.Avicel RC−591を注射用水に加えて均質化し、水和させた。
2.カルボキシメチルセルロースナトリウムを注射用水に分散させ、ステップ1に加えた。
3.二塩基性リン酸ナトリウム七水和物、塩化ナトリウム、エデト酸二ナトリウム及びオロパタジンを水に溶解した。塩酸により、pHを2.8〜3.2に調整した。
4.ステップ3をステップ1に加え、均質化した。
5.ポリソルベート80を注射用水に溶解した。フランカルボン酸モメタゾン一水和物を加え、撹拌してスラリーを形成した。
6.ステップ5をステップ4に加え、均質化した。
7.塩化ベンザルコニウムを注射用水に溶解した。
8.ステップ7をステップ6に加え、均質化した。
9.pHをチェックし、HClにより3.5〜3.9に調整し、総重量を注射用水により調整した。組成物の浸透圧は、約250〜350mOsm/kgであった。
【0199】
組成物は、様々な条件で安定性研究に供された。同結果は、次のとおりである:
容器の詳細:ポンプと共に圧着され、アクチュエータ及びキャップが取り付けられているHDPEボトルを備える噴霧器。
【表2-1】
【表2-2】
【0200】
実施例3及び4
フランカルボン酸モメタゾン、オロパタジンHCl及びキサンタンガムを含む懸濁液組成物。
【表3】
【0201】
製造手順:
1.Avicel RC−591を注射用水に加えて均質化し、水和させた。
2.キサンタンガムを注射用水に分散させ、ステップ1に加えた。
3.二塩基性リン酸ナトリウム七水和物、塩化ナトリウム、エデト酸二ナトリウム及びオロパタジンを水に溶解した。塩酸により、pHを2.8〜3.2に調整した。
4.ステップ1にステップ3を加えた。
5.ポリソルベート80を注射用水に溶解した。それにフランカルボン酸モメタゾン一水和物を加え、撹拌してスラリーを形成した。
6.ステップ5をステップ4に加え、均質化した。
7.塩化ベンザルコニウムを注射用水に溶解した。
8.ステップ7をステップ6に加え、均質化した。
9.pHをチェックし、HClにより3.5〜3.9に調整し、重量を注射用水により調整した。組成物の浸透圧は、約250〜350mOsm/kgであった。
【0202】
組成物は、様々な条件で安定性研究に供された。同結果は、次のとおりである:
容器の詳細:ポンプと共に圧着され、アクチュエータ及びキャップが取り付けられているHDPEボトルを備える噴霧器。
【表4-1】
【表4-2】
【0203】
比較実施例A及びB
フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジンHClを含む懸濁液組成物。
【表5】
【0204】
製造手順:
実施例1で述べた製造手順に従った。
【0205】
比較実施例C及びD
フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジンHClを含む懸濁液組成物。
【表6】
【0206】
製造手順:
実施例3で述べた製造手順に従った。
【0207】
実施例5
小児患者におけるモメタゾン及びオロパタジン点鼻スプレーの固定用量の組み合わせの第III相臨床試験
この試験は、二重盲検無作為化の並行群12週間の試験であり、通年性アレルギー性鼻炎(PAR)を有する小児被験者(年齢2〜12歳未満)において、プラセボ点鼻スプレーと比較して、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩点鼻スプレーの固定用量の組み合わせの有効性、安全性、及び忍容性を評価する。
【0208】
試験の目的
PARを有する小児被験者(2歳以上12歳未満)の処置のためのフランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩点鼻スプレー(鼻孔に1スプレーとして、1日2回投与)とプラセボ点鼻スプレーとの有効性を比較する。
【0209】
二次目的は、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩の点鼻スプレーとプラセボ点鼻スプレーとの安全性及び忍容性を12週間の試験処置で比較することである。
【0210】
主要被験者選択基準
−スクリーニング訪問(訪問1)の時点で2歳以上12歳未満の男性または妊娠していない女性の被験者。
−悪化(活動的な症状の臨床的エビデンス)を伴う、記録されたPARの病歴(スクリーニング訪問[訪問1])までに、6歳以上12歳未満の被験者は12ヶ月以上、2歳以上6歳未満の被験者は6ヶ月以上)。治験責任医師の判断では、PARは、過去に、必要な処置(継続的または断続的)を行うのに十分な重症度であったものとして、試験期間中、処置が必要であると予想される。
−PARを誘発することが知られている少なくとも1つのアレルゲンに対する、皮膚プリックテスト陽性(膨疹の直径が陰性対照の膨疹より少なくとも3mm大きい)の記録。スクリーニング訪問(訪問1)の前の12ヶ月以内に陽性の結果の記録は許容可能である。PARの病歴と一致している必要がある被験者の陽性アレルゲン検査。さらに、被験者は、試験の全期間にわたって、陽性であったPARアレルゲンに、皮膚プリックテストにより曝露されることが予想される。
−スクリーニング訪問(訪問1)におけるAMのための評価の12時間のrTNSS値が6以上(可能な12のうちの1つ)。
【0211】
試験デザイン
本試験では、合計約540人の被験者(2歳以上12歳未満)が、固定用量の組み合わせのフランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩の点鼻スプレー(被験者360名)とプラセボ点鼻スプレー(180名)の、2:1の比率で無作為化される。
【0212】
被験者の参加は、22日から27日までであり、7〜10日のスクリーニング/導入期間と14日間の処置期間、及び試験訪問のための許容可能なウィンドウ期間であり得る。以下の表に処置群を示す。
【表7】
【0213】
一次エンドポイント:
−6歳以上12歳未満の被験者の処置の最初の4週間における、被験者により報告されたAM及びPMの平均12時間の反射性総鼻症状スコア(rTNSS)のベースラインからの変化。
【0214】
二次エンドポイント(複数可):
−6歳以上12歳未満の被験者の処置の最初の4週間における、被験者により報告されたAM及びPMの平均12時間の即時性総鼻症状スコア(iTNSS)のベースラインからの変化。
−2歳以上12歳未満の被験者の処置の最初の4週間における、被験者により報告されたAM及びPMの平均12時間のrTNSSのベースラインからの変化。
−2歳以上12歳未満の被験者の処置の最初の4週間における、被験者により報告されたAM及びPMの平均12時間のiTNSSのベースラインからの変化。
−処置群間の4週目における小児の鼻結膜炎の生活の質に関する質問票(PRQLQ)スコア全体のベースラインからの変化。
【0215】
他のエンドポイント(複数可):
鼻症状:
TNSS−最初の4週間、6歳以上12歳未満の被験者:
−処置の最初の4週間にわたる被験者により報告されたAMのrTNSSのベースラインからの変化。
−処置の最初の4週間にわたる被験者により報告されたPMのrTNSSのベースラインからの変化。
−処置の最初の4週間にわたる被験者により報告されたAMのiTNSSのベースラインからの変化。
−処置の最初の4週間にわたる被験者により報告されたPMのiTNSSのベースラインからの変化。
−処置の最初の4週間にわたる被験者により報告された反射性の個別の鼻症状(AM、PM、及びAMとPMとの平均)のベースラインからの変化。
−処置の最初の4週間にわたる被験者により報告された即時性の個別の鼻症状(AM、PM、及びAMとPMとの平均)のベースラインからの変化。
−毎日の被験者により報告されたrTNSS及びiTNSSのベースラインからの変化(AM、PM、及びAMとPMとの平均)。
【0216】
TNSS−最初の4週間、2歳以上6歳未満の被験者:
−2歳以上6歳未満の被験者の処置の最初の4週間における、被験者により報告されたAM及びPMの平均12時間のrTNSSのベースラインからの変化。
−2歳以上6歳未満の被験者の処置の最初の4週間における、被験者により報告されたAM及びPMの平均12時間のiTNSSのベースラインからの変化。
【0217】
TNSS−最初の4週間、2歳以上12歳未満の被験者:
−2歳以上12歳未満の被験者の処置の最初の4週間における、被験者により報告されたAM及びPMの平均12時間のrTNSSのベースラインからの変化。
−2歳以上12歳未満の被験者の処置の最初の4週間における、被験者により報告されたAM及びPMの平均12時間のiTNSSのベースラインからの変化。
【0218】
追加の総鼻症状スコア(TNSS)結果は、以下について評価する(例えば、AM、PM、個々の症状):
−12週間、6歳以上12未満の被験者。
−12週間、2歳以上6歳未満の被験者。
−12週間、2歳以上12歳未満の被験者。
医師による鼻症状スコアの評価(PNSS):
−PNSSのベースラインからの変化、ならびに4週目及び12週目に個々の鼻症状の評価を医師が行った。
【0219】
小児鼻結膜炎の生活の質に関する質問票(PRQLQ):
−4週目及び12週目のPRQLQの個々のドメイン。
【0220】
実施例6
小児患者におけるモメタゾン及びオロパタジン点鼻スプレーの固定用量の組み合わせの第III相臨床試験
この試験は、二重盲検無作為化の並行群14日間の試験であり、季節性アレルギー性鼻炎(SAR)を有する小児被験者(年齢6歳以上12歳未満)において、プラセボ点鼻スプレーと比較して、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩点鼻スプレーの固定用量の組み合わせの有効性、安全性、及び忍容性を評価する。
【0221】
試験の目的
SARを有する小児被験者(6歳以上12歳未満)の処置のためのフランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩点鼻スプレー(鼻孔に1スプレーとして、1日2回投与)とプラセボ点鼻スプレーとの有効性を比較する。
【0222】
二次目的は、フランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩の点鼻スプレーとプラセボ点鼻スプレーとの安全性及び忍容性を試験期間で比較することである。
【0223】
主要被験者選択基準
−スクリーニング訪問(訪問1)での6歳以上12歳未満の男性または妊娠していない女性の被験者。
−関連する季節性アレルゲンの試験シーズン中に悪化(活動的な症状の臨床的エビデンス)を伴う(樹木/草花粉)記録されたSARの病歴(スクリーニング訪問[訪問1]前の少なくとも2年間)。SARは、過去に、必要な処置(継続的または断続的)を行うのに十分な重症度であったものとして、治験責任医師の判断では、試験期間中、処置が必要であると予想される。
−関連する季節性アレルゲンに対して、記録された陽性皮膚プリックテスト(陰性対照より少なくとも5mm大きい膨疹直径)を通じて、SARを誘発することが知られている少なくとも1つの季節性アレルゲンに対する感受性の記録(樹木/草花粉)。スクリーニング訪問(訪問1)の前の12ヶ月以内に陽性の結果の記録は許容可能である。被験者の陽性アレルゲンは、SARの病歴と一致しているものとする。さらに、被験者は、試験の全期間にわたって、陽性であったSARアレルゲンに適切に曝露されることが予想される。
−スクリーニング訪問(訪問1)での午前(AM)評価の12時間の反射性総鼻症状スコア(rTNSS)値が6以上(可能な12のうち)である。
【0224】
試験デザイン
本試験では、合計約446人の被験者(2歳以上12歳未満)が、固定用量の組み合わせのフランカルボン酸モメタゾン及びオロパタジン塩酸塩の点鼻スプレー(被験者225名)とプラセボ点鼻スプレー(225名)の、1:1の比率で無作為化された。
【0225】
以下の表に処置群を示す。
【表8】
【0226】
試験期間は、12週間であり、この期間は、最大7〜10日のスクリーニング/プラセボ実施期間及び12週間の処置期間から構成され、試験訪問については許容可能期間を有する。
【0227】
主要評価基準(臨床エンドポイント):
一次エンドポイント
−14日間の処置期間における被験者により報告されたAM及びPMの平均12時間の反射性総鼻症状スコア(rTNSS)のベースラインからの変化。
【0228】
二次エンドポイント(複数可):
−14日間の処置期間における被験者により報告されたAM及びPMの12時間の即時性総鼻症状スコア(iTNSS)のベースラインからの変化。
−15日目(訪問4)における処置群間の小児の鼻結膜炎の生活の質に関する質問票(PRQLQ)スコア全体のベースラインからの変化。
−14日間の処置期間における被験者により報告されたAM及びPMの平均12時間の反射性総眼症状スコア(rTOSS)のベースラインからの変化。
【0229】
他の有効性のエンドポイント(複数可)
鼻症状:
−14日間の処置期間における被験者により報告されたAMのrTNSSのベースラインからの変化。
−14日間の処置期間における被験者により報告されたAMのiTNSSのベースラインからの変化。
−14日間の処置期間における被験者により報告されたPMのrTNSSのベースラインからの変化。
−14日間の処置期間における被験者により報告されたPMのiTNSSのベースラインからの変化。
−14日間の処置期間における被験者によって報告された反射性の個別の鼻症状(AM、PM、及びAMとPMとの平均)のベースラインからの変化。
−14日間の処置期間における被験者によって報告された即時性の個別の鼻症状(AM、PM、及びAMとPMとの平均)のベースラインからの変化。
−被験者により報告されたAM及びPMの平均rTNSS及びiTNSSのベースラインからの毎日の変化。
−被験者により報告されたAMのrTNSS及びiTNSSのベースラインからの毎日の変化。
−被験者により報告されたPMのrTNSS及びiTNSSのベースラインからの毎日の変化。
【0230】
眼症状:
−14日間の処置期間における被験者により報告されたAM及びPMの即時性総眼症状スコア(iTOSS)のベースラインからの変化。
−14日間の処置期間における被験者により報告されたAMのrTOSSのベースラインからの変化。
−14日間の処置期間における被験者により報告されたAMのiTOSSのベースラインからの変化。
−14日間の処置期間における被験者により報告されたPMのrTOSSのベースラインからの変化。
−14日間の処置期間における被験者により報告されたPMのiTOSSのベースラインからの変化。
−14日間の処置期間における被験者によって報告された反射性の個別の眼症状(AM、PM、及びAMとPMとの平均)のベースラインからの変化。
−14日間の処置期間における被験者によって報告された即時性の個別の眼症状(AM、PM、及びAMとPMとの平均)のベースラインからの変化。
−被験者により報告されたAM及びPMの平均rTOSS及びiTOSSのベースラインからの毎日の変化。
−被験者により報告されたAMのrTOSS及びiTOSSのベースラインからの毎日の変化。
−被験者により報告されたPMのrTOSS及びiTOSSのベースラインからの毎日の変化。
【0231】
非鼻症状は、上記の眼症状と同様の方法で評価した(統計分析計画[SAP]に記載のとおり)。
【0232】
医師による鼻症状スコアの評価(PNSS):
−PNSSのベースラインからの変化、ならびに15日目(訪問4)に個々の鼻症状の評価を医師が行った。
【0233】
小児鼻結膜炎の生活の質に関する質問票(PRQLQ):
−15日目のPRQLQの個々のドメインのベースラインからの変化。
【0234】
以下の表は、この第3相試験中に観察された一次臨床エンドポイント(平均AM及びPM rTNSS)ならびに二次臨床エンドポイント(平均AM及びPM iTNSS、平均AM及びPM rTOSS、及びPRQLQ[小児鼻結膜炎の生活の質の質問表])の概要を示す。固定用量の組み合わせ点鼻スプレーとプラセボ点鼻スプレーとの比較では、0.05未満のp値が統計的に有意であると見なされる。
【表9】
【0235】
上記表は、一次エンドポイントでは、平均AM及びPMのrTNSSのベースラインからの変化、二次エンドポイントでは、平均AM及びPMのiTNSS及び全体的なPRQLQスコアのベースラインからの変化について、固定用量の組み合わせの点鼻スプレー(鼻孔ごとに1スプレー)が、1日2回投与した場合、プラセボの点鼻スプレーよりも統計的に優れていることを示している(p<0.05)。
【0236】
以下の表は、プラセボ点鼻スプレー群と比較した固定用量の組み合わせ群の個々の反射性及び即時性鼻症状スコアとPRQLQの個々のドメインの最小二乗平均差を示している。
【表10】
【0237】
上記表から確認されるように、固定用量の組み合わせの点鼻スプレーによる処置は、プラセボ点鼻スプレーと比較して、3日目から開始して、14日目までのAM及びPMの平均rTNSSにおいて、有意差を呈した(p<0.05)。固定用量の組み合わせの点鼻スプレーは、プラセボ点鼻スプレーと比較して、1日目に開始して、14日目までのAM及びPMの平均iTNSSにおいて有意差を呈した(p<0.05)。
【0238】
さらに、AM rTNSS、PM rTNSS、AM iTNSS、及びPM iTNSSが全体的に、及び1日目から15日目まで毎日分析した。固定用量の組み合わせの点鼻スプレーは、平均AM rTNSS、平均PM rTNSS、平均AM iTNSS、及び平均PM iTNSSの変化について、プラセボ点鼻スプレーよりも統計的に優れていた。これらの結果はまた、AM rTNSS及びPM rTNSSの両方については、4日目から開始して15日目まで固定用量の組み合わせの点鼻スプレーに有利なように、統計的有意差(p<0.05)を示した。これらの結果は、また、AM iTNSS及びPM iTNSSについては、1日目から開始して15日目まで、固定用量の組み合わせ点鼻スプレーに有利なように、統計的に有意であった(p<0.05)。ただし、2日目のPM iTNSSのp値は0.55で例外であった。
【0239】
以下の表は、プラセボ点鼻スプレー群と比較した固定用量の組み合わせ群の個々の平均AM及び平均PMの反射性及び即時性鼻症状スコアの最小二乗平均差を示している。
【表11】
【0240】
下の表は、医師による鼻症状スコア(PNSS)の全評価及び個別の鼻症状評価(鼻漏、鼻詰まり、鼻の痒み、及びくしゃみ)の結果をまとめたものである。
【表12】
【0241】
固定用量の組み合わせの点鼻スプレーの安全性プロファイルは忍容性が良好であり、6歳から12歳未満の被験者のプラセボ点鼻スプレーと同様であることを見出した。無作為化した合計446名の被験者のうち、27名(12.0%)の被験者は、固定用量の組み合わせの点鼻スプレー群で少なくとも1つのTEAEを経験し、23名(10.4%)の被験者は、プラセボ点鼻スプレー群で少なくとも1回のTEAEを経験した。死亡例は報告されておらず、プラセボ点鼻スプレー群で1件のみのSAEが報告された。1例のSAEを除くすべてのTEAEの重症度は、軽度または中程度であった。試験処置に関連して最も高い頻度で報告されたTEAE(いずれかの処置群の被験者の1%超)は、味覚異常、頭痛、鼻血、及びENT検査異常であった。バイタルサイン、身体検査、または集中的ENT検査の臨床的有意差は観察されなかった。
【0242】
本明細書では本発明を特定の実施形態を参照して記載したが、これらの実施形態は、本発明の原理及び用途の単なる例示であることを理解されたい。したがって、例示的実施形態に多くの修正を加え得ることを理解されたい。
【0243】
本出願に引用されている全ての刊行物、特許及び特許出願は、各個別の刊行物、特許、または特許出願が、明確かつ個別に参照により組み込まれることが示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。