(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
本発明は、PD−1へのPD−L2結合が遮断されるようにヒトPD−L2に特異的に結合する、抗ヒトPD−L2抗体、またはその抗原結合部分に関し、好ましくは当該抗体または抗原結合部分は、好ましくはFACS分析によって決定されるように、マウスPD−L2およびヒトPD−L1に結合しないが、カニクイザルPD−L2に結合する。本発明はまた、抗ヒトPD−L2抗体をコードするヌクレオチド配列、これらのヌクレオチド配列を含むベクターおよび細胞に関する。本発明の抗体および/または組成物は、ヒト療法、例えば、癌療法において、かつ/またはT細胞シグナル伝達を決定するための細胞株ベースのバイオアッセイにおいて有用である。
a)配列番号4のCDR−H1、配列番号6のCDR−H2、配列番号8のCDR−H3、および配列番号12のCDR−L1、配列番号14のCDR−L2、配列番号16のCDR−L3、または
b)配列番号20のCDR−H1、配列番号22のCDR−H2、配列番号24のCDR−H3、および配列番号28のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3、または
c)配列番号36のCDR−H1、配列番号38のCDR−H2、配列番号40のCDR−H3、および配列番号44のCDR−L1、配列番号46のCDR−L2、配列番号48のCDR−L3、または
d)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号64のCDR−L3、または
e)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号68のCDR−L3、または
f)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号110のCDR−L3、または
g)配列番号114のCDR−H1、配列番号116のCDR−H2、配列番号118のCDR−H3、および配列番号122のCDR−L1、配列番号124のCDR−L2、配列番号126のCDR−L3、または
h)配列番号114のCDR−H1、配列番号130のCDR−H2、配列番号118のCDR−H3、および配列番号134のCDR−L1、配列番号136のCDR−L2、配列番号138のCDR−L3、または
i)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、または
j)配列番号154のCDR−H1、配列番号156のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3、または
k)配列番号168のCDR−H1、配列番号170のCDR−H2、配列番号172のCDR−H3、および配列番号176のCDR−L1、配列番号178のCDR−L2、配列番号180のCDR−L3、または
l)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号214のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号216のCDR−L3、または
m)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号214のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、または
n)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3、または
o)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号28のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3、または
o)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号28のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号228のCDR−L3、または
p)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3、または
r)a)〜q)に示される前記CDR−H1および前記CDR−H2および前記CDR−H3および前記CDR−L1および前記CDR−L2および前記CDR−L3のバリアントを含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含み、前記CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、請求項1に記載の抗体または抗原結合部分。
前記抗体または抗原結合部分が、単一特異性、二重特異性、三重特異性、または多重特異性抗体もしくはその抗原結合部分である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の抗体または抗原結合部分。
請求項1〜9のいずれかに記載の抗体または抗原結合部分のいずれかと同じエピトープに結合し、かつ/または同じエピトープについて競合する、抗体またはその抗原結合部分。
a)配列番号3のCDR−H1、配列番号5のCDR−H2、配列番号7のCDR−H3、および配列番号11のCDR−L1、配列番号13のCDR−L2、配列番号15のCDR−L3、または
b)配列番号19のCDR−H1、配列番号21のCDR−H2、配列番号23のCDR−H3、および配列番号27のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号31のCDR−L3、または
c)配列番号35のCDR−H1、配列番号37のCDR−H2、配列番号39のCDR−H3、および配列番号43のCDR−L1、配列番号45のCDR−L2、配列番号47のCDR−L3、または
d)配列番号51のCDR−H1、配列番号53のCDR−H2、配列番号55のCDR−H3、および配列番号59のCDR−L1、配列番号61のCDR−L2、配列番号63のCDR−L3、または
e)配列番号51のCDR−H1、配列番号53のCDR−H2、配列番号55のCDR−H3、および配列番号59のCDR−L1、配列番号61のCDR−L2、配列番号67のCDR−L3、または
f)配列番号97のCDR−H1、配列番号99のCDR−H2、配列番号101のCDR−H3、および配列番号105のCDR−L1、配列番号107のCDR−L2、配列番号109のCDR−L3、または
g)配列番号113のCDR−H1、配列番号115のCDR−H2、配列番号117のCDR−H3、および配列番号121のCDR−L1、配列番号123のCDR−L2、配列番号125のCDR−L3、または
h)配列番号113のCDR−H1、配列番号129のCDR−H2、配列番号117のCDR−H3、および配列番号133のCDR−L1、配列番号135のCDR−L2、配列番号137のCDR−L3、または
i)配列番号97のCDR−H1、配列番号141のCDR−H2、配列番号143のCDR−H3、および配列番号105のCDR−L1、配列番号147のCDR−L2、配列番号149のCDR−L3、または
j)配列番号153のCDR−H1、配列番号155のCDR−H2、配列番号157のCDR−H3、および配列番号161のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号163のCDR−L3、または
k)配列番号167のCDR−H1、配列番号169のCDR−H2、配列番号171のCDR−H3、および配列番号175のCDR−L1、配列番号177のCDR−L2、配列番号179のCDR−L3、または
l)配列番号97のCDR−H1、配列番号99のCDR−H2、配列番号101のCDR−H3、および配列番号213のCDR−L1、配列番号107のCDR−L2、配列番号215のCDR−L3、または
m)配列番号97のCDR−H1、配列番号141のCDR−H2、配列番号143のCDR−H3、および配列番号213のCDR−L1、配列番号147のCDR−L2、配列番号149のCDR−L3、または
n)配列番号153のCDR−H1、配列番号221のCDR−H2、配列番号157のCDR−H3、および配列番号161のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号163のCDR−L3、または
o)配列番号153のCDR−H1、配列番号221のCDR−H2、配列番号157のCDR−H3、および配列番号27のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号31のCDR−L3、または
p)配列番号153のCDR−H1、配列番号221のCDR−H2、配列番号157のCDR−H3、および配列番号161のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号227のCDR−L3、または
q)配列番号153のCDR−H1、配列番号221のCDR−H2、配列番号157のCDR−H3、および配列番号161のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号31のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRをコードするヌクレオチド配列を含む、請求項11に記載の核酸分子。
ヒト療法における使用のための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の抗体もしくは抗原結合部分、請求項11〜13のいずれか一項に記載の核酸分子、請求項14に記載の発現ベクター、または請求項16〜18のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
治療効果が、PD−1−PD−L2相互作用の遮断に基づく、請求項19または請求項20に記載の使用のための、抗体もしくは抗原結合部分、核酸分子、発現ベクター、または薬学的組成物。
治療効果が、抗体依存性細胞毒性(ADCC)をさらに含む、請求項19〜21に記載の使用のための、抗体もしくは抗原結合部分、核酸分子、発現ベクター、または薬学的組成物。
好ましくは化学療法、抗体療法、および/または放射線療法などの他の療法と組み合わせた、請求項19〜22のいずれか一項に記載の使用のための、抗体もしくは抗原結合部分、核酸分子、発現ベクター、または薬学的組成物。
請求項1〜10のいずれか一項に記載の抗ヒトPD−L2抗体の段階希釈を使用して、APC(抗原提示細胞)とT細胞との間の相互作用を模倣するシステムにおいて、T細胞シグナル伝達を決定するための細胞株ベースのバイオアッセイ。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、PD−1へのPD−L2結合が遮断されるようにヒトPD−L2に特異的に結合する、抗ヒトPD−L2抗体またはその抗原結合部分に関する。好ましくは、本発明の抗体、またはその抗原結合部分は、マウスPD−L2およびヒトPD−L1に結合しないが、カニクイザルPD−L2に結合する。
【0009】
すなわち、本発明は初めて、PD−L2を標的とすることによってPD−1へのPD−L2結合を遮断することができる抗体を提供し、これは現在まで、実現可能であると示唆または考慮されていなかった。本発明による抗PD−L2抗体は、市販のマウスモノクローナルMIH18と比較されたときに、IL−2ELISAによって測定された場合、より良好な遮断活性およびより強い免疫細胞活性化を示し、市販の抗PD−1抗体ニボルマブと比較されたときに、類似またはより良好な活性を示す。添付の実施例で示されるように、抗PD−L2抗体を使用してリガンド側でPD−1/PD−L2相互作用を阻害することが、受容体側での相互作用の阻害よりも強い効果を示し得ることは予想外であった。
【0010】
一実施形態では、本発明は、好ましくは、特に添付の実施例で指定される条件下で、FACS分析によって決定されるように、約0.05nM〜約2nMのEC50でヒトPD−L2に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分に関する。本発明の好ましい実施形態では、本発明の抗体、またはその抗原結合部分は、好ましくは、特に添付の実施例で指定される条件下で、FACS分析によって決定されるように、約0.05nM〜約1.6nM、好ましくは1.5nMのEC50でPD−L2に特異的に結合する。したがって、本発明内では、抗体、またはその抗原結合部分が、約0.05、0.075、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、または2.0nMのEC50で、好ましくは約0.05、0.075、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、または1.6nMのEC50でヒトPD−L2に特異的に結合することが好ましい。よって、一実施形態では、少なくとも2nM、好ましくは少なくとも1.5nMのEC50でヒトPD−L2に結合する、抗体またはその抗原結合部分が提供される。EC50値を決定する方法は、当業者に周知である。本発明内の好ましい方法は、特に添付の実施例で指定される条件下で実施される場合、FACS分析である。
【0011】
添付の実施例に示されるように、本発明の抗体の結合は、よって、同一の条件下、3nMのEC50でヒトPD−L2に結合する、対照マウスモノクローナル抗体MIH18の結合よりもはるかに強い。
【0012】
本発明内では、抗体またはその抗原結合部分は、約0.05、0.075、0.1、0.2、0.3、0.4、または0.45nmのEC50でヒトPD−L2に特異的に結合することが好ましい。よって、一実施形態では、少なくとも0.45nMのEC50でヒトPD−L2に結合する、抗体またはその抗原結合部分が提供される。驚くべきことに、本発明の抗体またはその抗原結合部分のEC50は、特にWO2010/036959に開示される抗体24F.10C12において、参照抗体のEC50よりも低い。
【0013】
本発明の抗体またはその抗原結合断片は、代替的または追加的に、参照抗体MIH18および/または24F.10C12よりも高い親和性でヒトPD−L2に結合する。当業者は、抗原に対する抗体の結合親和性を決定するための異なる戦略を知っている。例えば、結合親和性は、抗原に結合する抗体のEC50を決定することによって頻繁に測定される。結合EC50は、試料中の抗原濃度に大きく依存する。加えて、キメラ抗体と完全ヒト抗体との間で、結合EC50にわずかな偏差が検出されている。この理由のために、同一の条件下で試験された抗体を比較することのみが可能である。本発明の抗体またはその抗原結合部分は、同一の実験条件下で測定される場合、先行技術の抗体MIH18および24F.10C12よりも高い結合親和性、またはより低いEC50を有することが好ましい。
【0014】
添付の実施例に示されるように、抗体2C4−E4、10D1−G1、19C3−B3.10A9−D2、19B3−B3、12A1−D4、10D1−G1 N31Q.N92Q.LC、10A9−D2.N31Q.LC、19B3−B3.M23K.M63L.HC、および2−19H2は、同一の条件下で試験される場合、2つの参照抗体MIH18および24F.10C12よりもヒトPD−L2についての高い結合親和性を有する。
【0015】
本発明の一実施形態では、同一の実験条件下で測定される場合、先行技術の抗体MIH18および24F.10C12よりも高い結合親和性、またはより低いEC50を有する、抗体またはその抗原結合部分が提供される。
【0016】
特定の実施形態では、本発明の抗体またはその抗原結合部分は、好ましくは、特に添付の実施例で指定される条件下で、抗原濃度に応じたフローサイトメトリーに基づくアッセイによって決定されるように、約0.01〜約1nMのIC50でPD−1へのPD−L2結合を遮断する、抗体またはその抗原結合部分である。したがって、本発明内で、抗体、またはその抗原結合部分は、約0.01、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1nMのIC50で、好ましくは約0.01、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、または0.7nMのIC50で、PD−1へのPD−L2結合を遮断することが好ましい。よって、一実施形態では、少なくとも1nM、好ましくは少なくとも0.7nMのIC50でPD−1へのPD−L2結合を遮断する、抗体またはその抗原結合部分が提供される。IC50値を決定する方法は、当業者に周知である。本発明内の好ましい方法は、特に添付の実施例で指定される条件下で実施される場合、抗原濃度に応じたフローサイトメトリーに基づくアッセイである。
【0017】
本発明の好ましい実施形態では、高抗原濃度が提供される場合(1.5x10
5個のPD−L2発現CHO−K1細胞)、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、または0.45nmのIC50で、および100pMの低抗原濃度が提供される場合、約0.01、0.015、または0.02nmのIC50で、PD−1へのヒトPD−L2の結合を特異的に遮断する、抗体またはその抗原結合部分が提供される。よって、一実施形態では、少なくとも0.45nMのEC50でヒトPD−L2に結合する、抗体またはその抗原結合部分が提供される。
【0018】
本発明の抗体またはその抗原結合断片は、追加的または代替的に、PD−1へのPD−L2の結合を、参照抗体MIH18および24F.10C12よりも効率的に遮断する。遮断効率は、抗体がPD−1へのPD−L2の結合を遮断するIC50値を決定することによって測定することができる。遮断IC50は、試料中の抗原濃度、および他の実験詳細に大きく依存する。加えて、キメラ抗体と完全ヒト抗体との間で、遮断IC50にわずかな偏差が検出されている。よって、好ましい実施形態では、本発明の抗体またはその抗原結合部分は、同一の実験条件下で測定される場合、PD−1へのPD−L2の結合を、従来技術の抗体MIH18および24F.10C12よりも効率的に、またはより低いIC50で遮断する。
【0019】
添付の例に示されるように、抗体10D1−G1、11C11−H5、19C3−B3.10A9−D2、19B3−B3、および12A1−D4は、PD−1へのPD−L2の結合を、高および低抗原濃度で、従来技術の抗体MIH18および24F.10C12よりも効率的に遮断する。さらに、抗体1A1−C2、2C4−E4、および8B5−B1は、PD−1へのPD−L2の結合を、高または低抗原濃度で、従来技術の抗体MIH18および24F.10C12よりも効率的に遮断する。本発明の抗体、またはその抗原結合部分は、添付の実施例で示されるように、TCR媒介性IL−2発現を活性化することができるという予期せぬ利点を有し得る。
【0020】
したがって、様々な実施形態では、本発明の抗体またはその抗原結合部分は、好ましくはELISA分析によって決定されるように、好ましくは約0.2nM〜約1.5nMのEC50で、TCR媒介性IL−2発現を活性化する。したがって、本発明の好ましい実施形態では、本発明の抗体またはその抗原結合部分は、約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、または1.5nMのEC50でTCR媒介性IL−2発現を活性化する。一実施形態では、少なくとも1.5nMのEC50でTCR媒介性IL−2発現を活性化する、抗体またはその抗原結合部分が提供される。TCR媒介性IL−2発現の活性化を決定する方法は、当業者に周知である。本発明の抗体またはその抗原結合部分は、参照抗体MIH18および24F.10C12と比較して、TCR媒介性IL−2発現時のより高いIL−2レベルを誘導するという予期せぬ利点を有する。上位のIL−2レベルは、多くの因子、例えば、細胞型、インキュベーション時間、および抗体のタイプに依存する。この理由のために、同一の条件下で試験された抗体を比較することのみが可能である。
図5および
図13Aおよび
図17は、本発明の全ての抗体が、ヒトPD−L2およびPD−1を発現するT細胞と接触される場合、先行技術の抗体MIH18および24F.10C12よりも高いIL−2レベルを誘導することを示す。一実施形態では、本発明の抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体、または完全ヒト抗体である。
【0021】
好ましい実施形態では、本発明の抗体、またはその抗原結合部分は、それぞれ、以下の項目a)〜q)のいずれかで定義される、重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域に含まれるCDR配列のうちの少なくとも1、2、3、4、5、または好ましくは6つを含む。
a)配列番号2の配列を有する重鎖可変領域および配列番号10の配列を有する軽鎖可変領域、
b)配列番号18の配列を有する重鎖可変領域および配列番号26の配列を有する軽鎖可変領域、
c)配列番号34の配列を有する重鎖可変領域および配列番号42の配列を有する軽鎖可変領域、
d)配列番号50の配列を有する重鎖可変領域および配列番号58の配列を有する軽鎖可変領域、
e)配列番号50の配列を有する重鎖可変領域および配列番号66の配列を有する軽鎖可変領域、
f)配列番号96の配列を有する重鎖可変領域および配列番号104の配列を有する軽鎖可変領域、
g)配列番号112の配列を有する重鎖可変領域および配列番号120の配列を有する軽鎖可変領域、
h)配列番号128の配列を有する重鎖可変領域および配列番号132の配列を有する軽鎖可変領域、
i)配列番号140の配列を有する重鎖可変領域および配列番号146の配列を有する軽鎖可変領域、
j)配列番号152の配列を有する重鎖可変領域および配列番号160の配列を有する軽鎖可変領域、
k)配列番号166の配列を有する重鎖可変領域および配列番号174の配列を有する軽鎖可変領域、
l)配列番号96の配列を有する重鎖可変領域および配列番号212の配列を有する軽鎖可変領域、
m)配列番号140の配列を有する重鎖可変領域および配列番号218の配列を有する軽鎖可変領域、
n)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号160の配列を有する軽鎖可変領域、
o)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号26の配列を有する軽鎖可変領域、
p)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号226の配列を有する軽鎖可変領域、または
q)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号230の配列を有する軽鎖可変領域。
【0022】
代替的に、本発明の抗体、またはその抗原結合部分は、それぞれ、以下の項目a)〜q)のいずれかで定義される、重鎖可変領域および軽鎖可変領域に含まれる6つのCDR配列を含み、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている:
a)配列番号2の配列を有する重鎖可変領域および配列番号10の配列を有する軽鎖可変領域、
b)配列番号18の配列を有する重鎖可変領域および配列番号26の配列を有する軽鎖可変領域、
c)配列番号34の配列を有する重鎖可変領域および配列番号42の配列を有する軽鎖可変領域、
d)配列番号50の配列を有する重鎖可変領域および配列番号58の配列を有する軽鎖可変領域、
e)配列番号50の配列を有する重鎖可変領域および配列番号66の配列を有する軽鎖可変領域、
f)配列番号96の配列を有する重鎖可変領域および配列番号104の配列を有する軽鎖可変領域、
g)配列番号112の配列を有する重鎖可変領域および配列番号120の配列を有する軽鎖可変領域、
h)配列番号128の配列を有する重鎖可変領域および配列番号132の配列を有する軽鎖可変領域、
i)配列番号140の配列を有する重鎖可変領域および配列番号146の配列を有する軽鎖可変領域、
j)配列番号152の配列を有する重鎖可変領域および配列番号160の配列を有する軽鎖可変領域、
k)配列番号166の配列を有する重鎖可変領域および配列番号174の配列を有する軽鎖可変領域、
l)配列番号96の配列を有する重鎖可変領域および配列番号212の配列を有する軽鎖可変領域、
m)配列番号140の配列を有する重鎖可変領域および配列番号218の配列を有する軽鎖可変領域、
n)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号160の配列を有する軽鎖可変領域、または
o)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号26の配列を有する軽鎖可変領域、または
p)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号226の配列を有する軽鎖可変領域、または
q)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号230の配列を有する軽鎖可変領域。
【0023】
一実施形態では、本発明は、
a)配列番号4のCDR−H1、配列番号6のCDR−H2、配列番号8のCDR−H3、および配列番号12のCDR−L1、配列番号14のCDR−L2、配列番号16のCDR−L3、または
b)配列番号20のCDR−H1、配列番号22のCDR−H2、配列番号24のCDR−H3、および配列番号28のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3、または
c)配列番号36のCDR−H1、配列番号38のCDR−H2、配列番号40のCDR−H3、および配列番号44のCDR−L1、配列番号46のCDR−L2、配列番号48のCDR−L3、または
d)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号64のCDR−L3、または
e)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号68のCDR−L3、または
f)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号110のCDR−L3、または
g)配列番号114のCDR−H1、配列番号116のCDR−H2、配列番号118のCDR−H3、および配列番号122のCDR−L1、配列番号124のCDR−L2、配列番号126のCDR−L3、または
h)配列番号114のCDR−H1、配列番号130のCDR−H2、配列番号118のCDR−H3、および配列番号134のCDR−L1、配列番号136のCDR−L2、配列番号138のCDR−L3、または
i)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、または
j)配列番号154のCDR−H1、配列番号156のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3、または
k)配列番号168のCDR−H1、配列番号170のCDR−H2、配列番号172のCDR−H3、および配列番号176のCDR−L1、配列番号178のCDR−L2、配列番号180のCDR−L3、または
l)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号214のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号216のCDR−L3、または
m)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号214のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、または
n)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3、または
o)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号28のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3、または
p)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号228のCDR−L3、または
q)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3、または
r)a)〜q)に示されるCDR−H1およびCDR−H2およびCDR−H3およびCDR−L1およびCDR−L2およびCDR−L3のバリアントを含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含み、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個アミノ酸残基が置換されている、抗体または抗原結合部分に関する。
【0024】
好ましい実施形態では、本発明の抗体、またはその抗原結合部分は、
a)配列番号4のCDR−H1、配列番号6のCDR−H2、配列番号8のCDR−H3、および配列番号12のCDR−L1、配列番号14のCDR−L2、配列番号16のCDR−L3、または
b)配列番号20のCDR−H1、配列番号22のCDR−H2、配列番号24のCDR−H3、および配列番号28のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3、または
c)配列番号36のCDR−H1、配列番号38のCDR−H2、配列番号40のCDR−H3、および配列番号44のCDR−L1、配列番号46のCDR−L2、配列番号48のCDR−L3、または
d)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号64のCDR−L3、または
e)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号68のCDR−L3、または
f)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号110のCDR−L3、または
g)配列番号114のCDR−H1、配列番号116のCDR−H2、配列番号118のCDR−H3、および配列番号122のCDR−L1、配列番号124のCDR−L2、配列番号126のCDR−L3、または
h)配列番号114のCDR−H1、配列番号130のCDR−H2、配列番号118のCDR−H3、および配列番号134のCDR−L1、配列番号136のCDR−L2、配列番号138のCDR−L3、または
i)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、または
j)配列番号154のCDR−H1、配列番号156のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3、または
k)配列番号168のCDR−H1、配列番号170のCDR−H2、配列番号172のCDR−H3、および配列番号176のCDR−L1、配列番号178のCDR−L2、配列番号180のCDR−L3、または
l)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号214のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号216のCDR−L3、または
m)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号214のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、または
n)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3、または
o)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号28のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3、または
p)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号228のCDR−L3、または
q)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。
【0025】
一実施形態では、本発明の抗体、またはその抗原結合部分は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、
a)重鎖可変領域は、配列番号2の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号10の配列を有するか、
b)重鎖可変領域は、配列番号18の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号26の配列を有するか、
c)重鎖可変領域は、配列番号34の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号42の配列を有するか、
d)重鎖可変領域は、配列番号50の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号58の配列を有するか、
e)重鎖可変領域は、配列番号50の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号66の配列を有するか、
f)重鎖可変領域は、配列番号96の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号104の配列を有するか、
g)重鎖可変領域は、配列番号112の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号120の配列を有するか、
h)重鎖可変領域は、配列番号128の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号132の配列を有するか、
i)重鎖可変領域は、配列番号140の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号146の配列を有するか、
j)重鎖可変領域は、配列番号152の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号160の配列を有するか、
k)重鎖可変領域は、配列番号166の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号174の配列を有するか、
l)重鎖可変領域は、配列番号96の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号212の配列を有するか、
m)重鎖可変領域は、配列番号140の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号218の配列を有するか、
n)重鎖可変領域は、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号160の配列を有するか、
o)重鎖可変領域は、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号26の配列を有するか、
p)重鎖可変領域は、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号226の配列を有するか、
q)重鎖可変領域は、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号230の配列を有するか、または
r)a)〜q)に示される重鎖可変領域および/もしくは軽鎖可変領域のバリアントであって、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。
【0026】
好ましい実施形態では、本発明の抗体、またはその抗原結合部分は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、
a)重鎖可変領域は、配列番号2の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号10の配列を有するか、
b)重鎖可変領域は、配列番号18の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号26の配列を有するか、
c)重鎖可変領域は、配列番号34の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号42の配列を有するか、
d)重鎖可変領域は、配列番号50の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号58の配列を有するか、
e)重鎖可変領域は、配列番号50の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号66の配列を有するか、
f)重鎖可変領域は、配列番号96の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号104の配列を有するか、
g)重鎖可変領域は、配列番号112の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号120の配列を有するか、
h)重鎖可変領域は、配列番号128の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号132の配列を有するか、
i)重鎖可変領域は、配列番号140の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号146の配列を有するか、
j)重鎖可変領域は、配列番号152の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号160の配列を有するか、
k)重鎖可変領域は、配列番号166の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号174の配列を有するか、
l)重鎖可変領域は、配列番号96の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号212の配列を有するか、
m)重鎖可変領域は、配列番号140の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号218の配列を有するか、
n)重鎖可変領域は、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号160の配列を有するか、
o)重鎖可変領域は、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号26の配列を有するか、
p)重鎖可変領域は、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号226の配列を有するか、
q)重鎖可変領域は、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号230の配列を有する。
【0027】
本発明内では、CDR配列中の最大1、2、または3個のアミノ酸が置換され得る。好ましくは、CDR配列中のアミノ酸は、PD−1へのPD−L2結合が遮断されるように、置換がヒトPD−L2に結合する抗体の能力を実質的に低減しない方法で、任意のアミノ酸によって置換される。より好ましくは、CDR配列で行われるアミノ酸置換は、保存的置換である。
【0028】
代替的に、軽鎖残基N31および/もしくはN92ならびに/または重鎖残基M23および/もしくはM63に位置するアミノ酸が置換され得る。好ましくは、置換は、軽鎖におけるN31Q、N92Q、および/もしくはN92Y置換、ならびに/または重鎖におけるM23Kおよび/もしくはM63L置換を含む。
【0029】
本発明の特定の実施形態では、抗体、またはその抗原結合部分は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプのものであり得る。本明細書で使用される場合、「アイソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)を指す。抗体は、完全長抗体であり得るか、またはIgG1、IgG2、IgG3、もしくはIgG4の抗体可変ドメインなどの抗原結合部分のみを含み得るか、またはFab断片、F(ab’)2断片、もしくはFv断片で構成され得る。
【0030】
特定の実施形態では、本発明の抗体、または抗原結合部分は、IgG1アイソタイプのものである。
【0031】
一実施形態では、本発明の抗体、または抗原結合部分は、単一特異性、二重特異性、三重特異性、または多重特異性抗原結合分子である。これに関して、抗体またはその抗原結合部分は、上記で定義される、ヒトPD−L2に結合する部分、ならびにヒトPD−L2にも結合するが、異なるエピトープに結合しない第2および/もしくはさらなる部分、ならびに/または異なるタンパク質に結合する第2および/もしくはさらなる部分を含み得る。異なるタンパク質は、例えば、PD−L2に機能的に類似したタンパク質、または同じもしくは類似のシグナル伝達カスケードに関与するタンパク質であり得る。例示的なタンパク質は、PD−L1であるが、PD−1は、一実施形態では、腫瘍細胞特異的抗原、ウイルス感染細胞に対して特異的な抗原、またはT細胞共阻害剤であり得る。
【0032】
別の実施形態では、本発明の抗体または抗原結合部分は、PD−1とは別の受容体へのPD−L2の結合を遮断する。これに関して、抗体または抗原結合部分は、PD−1以外の他の受容体へのPD−L2の結合を遮断する方法で、PD−L2に結合し得る。好ましくは、これらの受容体は、免疫細胞の表面上に位置する受容体であり得る。
【0033】
別の実施形態では、本発明の抗体または抗原結合部分のいずれかと同じエピトープに結合し、かつ/または同じエピトープについて競合する、抗体またはその抗原結合部分が提供される。
【0034】
本発明は、本発明の抗体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子に関する。
【0035】
一実施形態では、核酸分子は、
a)配列番号3のCDR−H1、配列番号5のCDR−H2、配列番号7のCDR−H3、および配列番号11のCDR−L1、配列番号13のCDR−L2、配列番号15のCDR−L3、または
b)配列番号19のCDR−H1、配列番号21のCDR−H2、配列番号23のCDR−H3、および配列番号27のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号31のCDR−L3、または
c)配列番号35のCDR−H1、配列番号37のCDR−H2、配列番号39のCDR−H3、および配列番号43のCDR−L1、配列番号45のCDR−L2、配列番号47のCDR−L3、または
d)配列番号51のCDR−H1、配列番号53のCDR−H2、配列番号55のCDR−H3、および配列番号59のCDR−L1、配列番号61のCDR−L2、配列番号63のCDR−L3、または
e)配列番号51のCDR−H1、配列番号53のCDR−H2、配列番号55のCDR−H3、および配列番号59のCDR−L1、配列番号61のCDR−L2、配列番号67のCDR−L3、または
f)配列番号97のCDR−H1、配列番号99のCDR−H2、配列番号101のCDR−H3、および配列番号105のCDR−L1、配列番号107のCDR−L2、配列番号109のCDR−L3、または
g)配列番号113のCDR−H1、配列番号115のCDR−H2、配列番号117のCDR−H3、および配列番号121のCDR−L1、配列番号123のCDR−L2、配列番号125のCDR−L3、または
h)配列番号113のCDR−H1、配列番号129のCDR−H2、配列番号117のCDR−H3、および配列番号133のCDR−L1、配列番号135のCDR−L2、配列番号137のCDR−L3、または
i)配列番号97のCDR−H1、配列番号141のCDR−H2、配列番号143のCDR−H3、および配列番号105のCDR−L1、配列番号147のCDR−L2、配列番号149のCDR−L3、または
j)配列番号153のCDR−H1、配列番号155のCDR−H2、配列番号157のCDR−H3、および配列番号161のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号163のCDR−L3、または
k)配列番号167のCDR−H1、配列番号169のCDR−H2、配列番号171のCDR−H3、および配列番号175のCDR−L1、配列番号177のCDR−L2、配列番号179のCDR−L3、または
l)配列番号97のCDR−H1、配列番号99のCDR−H2、配列番号101のCDR−H3、および配列番号213のCDR−L1、配列番号107のCDR−L2、配列番号215のCDR−L3、または
m)配列番号97のCDR−H1、配列番号141のCDR−H2、配列番号143のCDR−H3、および配列番号213のCDR−L1、配列番号147のCDR−L2、配列番号149のCDR−L3、または
n)配列番号153のCDR−H1、配列番号221のCDR−H2、配列番号157のCDR−H3、および配列番号161のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号163のCDR−L3、または
o)配列番号153のCDR−H1、配列番号221のCDR−H2、配列番号157のCDR−H3、および配列番号27のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号31のCDR−L3、または
p)配列番号153のCDR−H1、配列番号221のCDR−H2、配列番号157のCDR−H3、および配列番号161のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号227のCDR−L3、または
q)配列番号153のCDR−H1、配列番号221のCDR−H2、配列番号157のCDR−H3、および配列番号161のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号31のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0036】
別の実施形態では、核酸分子は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含み、
a)重鎖可変領域は、配列番号1の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号9の配列を有するか、
b)重鎖可変領域は、配列番号17の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号25の配列を有するか、
c)重鎖可変領域は、配列番号33の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号41の配列を有するか、
d)重鎖可変領域は、配列番号49の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号57の配列を有するか、
e)重鎖可変領域は、配列番号49の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号65の配列を有するか、
f)重鎖可変領域は、配列番号95の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号103の配列を有するか、
g)重鎖可変領域は、配列番号111の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号119の配列を有するか、
h)重鎖可変領域は、配列番号127の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号131の配列を有するか、
i)重鎖可変領域は、配列番号139の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号145の配列を有するか、
j)重鎖可変領域は、配列番号151の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号159の配列を有するか、
k)重鎖可変領域は、配列番号165の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号173の配列を有するか、
l)重鎖可変領域は、配列番号95の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号211の配列を有するか、
m)重鎖可変領域は、配列番号139の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号217の配列を有するか、
n)重鎖可変領域は、配列番号219の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号159の配列を有するか、
o)重鎖可変領域は、配列番号219の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号25の配列を有するか、
p)重鎖可変領域は、配列番号219の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号225の配列を有するか、または
q)重鎖可変領域は、配列番号219の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号229の配列を有する。
【0037】
本発明はさらに、本発明の核酸配列を含む、発現ベクターに関する。本発明はさらに、本発明の発現ベクターを含む、細胞に関する。さらに、本発明は、本発明の細胞を培養することを含む、抗体を産生する方法に関し、細胞は、本発明のヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、抗体を産生する方法は、本発明の抗体の効率的な産生を可能にするために適した条件下で本発明の細胞を培養することを含む。
【0038】
本発明はさらに、本発明の抗体またはその抗原結合部分を含む、薬学的組成物に関する。
【0039】
さらに、本発明は、本発明の核酸分子または発現ベクターを含む、薬学的組成物に関する。
【0040】
さらなる実施形態では、本発明の抗体または核酸分子と、薬学的に許容される担体および/または賦形剤とを含む、薬学的組成物が提供される。
【0041】
さらに、ヒト療法における使用のための、本発明の抗体、本発明の核酸分子、発現ベクター、または本発明の薬学的組成物が提供される。特定の実施形態では、癌療法、特にヒト癌療法における使用のための、本発明の抗体、本発明の核酸分子、発現ベクター、または本発明の薬学的組成物が提供される。
【0042】
特定の実施形態では、治療効果が、PD−1−PD−L2相互作用の遮断に基づく、ヒト療法または癌療法、特にヒト癌療法における使用のための、本発明の抗体、本発明の核酸分子、発現ベクター、または本発明の薬学的組成物が提供される。
【0043】
別の実施形態では、治療効果が、抗体依存性細胞毒性(ADCC)をさらに含む、本発明による使用のための、本発明の抗体、本発明の核酸分子、発現ベクター、または薬学的組成物が提供される。
【0044】
一実施形態では、好ましくは化学療法、抗体療法、および/または放射線療法などの他の療法と組み合わせた、ヒト療法または癌療法、特にヒト癌療法における使用のための、本発明の抗体もしくは抗原結合部分、本発明の核酸分子、本発明の発現ベクター、または本発明の薬学的組成物が提供される。
【0045】
別の態様では、本発明は、本発明の抗体の段階希釈を使用して、APC(抗原提示細胞)とT細胞との間の相互作用を模倣するシステムにおいて、T細胞シグナル伝達を決定するための細胞株ベースのバイオアッセイに関する。
【0046】
さらなる実施形態では、細胞株ベースのバイオアッセイにおける使用のための本発明の抗体を含む、キットが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本明細書で使用される「抗体」は、標的タンパク質に特異的または選択的に結合することができる任意の分子である。抗体は、抗体またはその部分/断片を含み得るか、またはそれらであり得、部分/断片は、完全長抗体と実質的に同じ結合活性を示す。抗ヒトPD−L2抗体は、特定の認識部位でヒトPD−L2ポリペプチドに結合する抗体である。他の抗ヒトPD−L2抗体はまた、多価分子、多重特異性分子(例えば、ダイアボディ)、融合分子、アプティマー、アビマー、または他の天然に存在するか、もしくは組換えて作製された分子を含み得る。本発明において有用な例示的な抗体は、抗体様分子を含む。抗体様分子は、標的分子への結合によって機能を示すことができる分子であり(例えば、Current Opinion in Biotechnology 2006,17:653−658、Current Opinion in Biotechnology 2007,18:1−10、Current Opinion in Structural Biology 1997,7:463−469、Protein Science 2006,15:14−27を参照されたい)、例えば、DARPins(WO2002/020565)、Affibody(WO1995/001937)、Avimer(WO2004/044011、WO2005/040229)、Adnectin(WO2002/032925)、およびfynomers(WO2013/135588)を含む。一般に、「抗体」という用語は、本明細書では、最も広い意味で使用され、それらが望ましい抗原結合活性を示す限り、これらに限定されないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、完全ヒト抗体、および抗体断片を含む、様々な抗体構造を包含する。本発明内の抗体はまた、キメラ抗体、組換え抗体、組換え抗体の抗原結合断片、またはヒト化抗体であり得る。
【0049】
抗体の「抗原結合部分」または「抗原結合断片」という用語は、インタクトな抗体の一部分を含み、インタクトな抗体が結合する抗原に結合する、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例は、これらに限定されないが、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、ダイアボディ、線状抗体、一本鎖抗体分子(例えば、scFv)、および抗体から形成された多重特異性抗体を含む。
【0050】
本発明の文脈で使用される「〜に結合する」という用語は、少なくとも2つの「抗原相互作用部位」の相互の結合(相互作用)を定義する。「抗原相互作用部位」という用語は、本発明に従って、PD−L2の特定の抗原または特定の抗原群との特定の相互作用の能力を示す、ポリペプチドのモチーフ、すなわち、本発明の抗体または抗原結合断片の一部分を定義する。当該結合/相互作用はまた、「特定の認識」を定義すると理解される。「特異的に認識する」という用語は、本発明に従って、抗体がPD−L2の少なくとも2つのアミノ酸と特異的に相互作用および/または結合することができることを意味する。
【0051】
本発明に従って使用される「特異的に結合する」という用語は、本発明の抗体またはその抗原結合部分が、類似の構造の(ポリ)ペプチドと交差反応しないか、または本質的に交差反応しないことを意味する。したがって、本発明の抗体またはその抗原結合断片は、PD−L2の構造に特異的に結合/相互作用する。
【0052】
本明細書で使用される場合、「交差反応する」または「交差反応性」という用語は、典型的には異なる親和性を有する、同じ特異的結合パートナー上の同じ部位と反応する2つの分子またはリガンドの能力を指す。調査中の抗体、特に抗体またはその抗原結合部分のパネルの交差反応性は、例えば、目的の(ポリ)ペプチドへの、および多数の多かれ少なかれ(構造的および/または機能的に)密接に関連する(ポリ)ペプチドへの、従来の条件(例えば、Harlow and Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,(1988)およびUsing Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,(1999)を参照されたい)下の抗体またはその抗原結合部分の当該パネルの結合を評価することによって試験され得る。ヒトPD−L2に結合するこれらの構築物(すなわち、抗体、その抗原結合部分など)のみが、目的の(ポリ)ペプチド/タンパク質に特異的であるとみなされ、本明細書で提供される方法に従ったさらなる研究のために選択される。これらの方法は、とりわけ、構造的および/または機能的に密接に関連する分子との結合研究、遮断および競合研究を含み得る。これらの結合研究はまた、FACS分析、表面プラズモン共鳴(SPR、例えば、BIACORE)、分析用超遠心、等温滴定熱量測定、蛍光異方性、蛍光分光法、または放射性標識リガンド結合アッセイによるものを含む。
【0053】
したがって、特異性は、当該技術分野で知られる方法および本明細書に記載される方法によって実験的に決定することができる。そのような方法は、ウエスタンブロット、ELISA−、RIA−、ECL−、IRMA−試験、およびペプチドスキャンを含むが、これらに限定されない。
【0054】
本明細書で使用される「PD−L2」(プログラム死リガンド2)という用語は、特定のPD−1リガンドを指す。PD−L2は、樹状細胞、マクロファージ、および骨髄由来マスト細胞を含む、様々な抗原提示細胞(APC)上で発現するB7ファミリーメンバーである(Zhong et al.(2007)Eur.J.Immunol 37:2405)。この用語はまた、PD−L2の天然に存在するバリアント、例えば、スプライスバリアントまたは対立遺伝子バリアントを含む。PD−L2の代替名または同義語は、PDCD1L2、PDL2、B7−DC、Bide、およびCD273を含む。本明細書で使用される「ヒトPD−L2」は、ヒト由来のPD−L2を含む。代表的なヒトPD−L2の核酸およびアミノ酸配列は、当該技術分野で周知であり、またGenBankデータベースで、NM_025239.3およびNP_079515.2下で一般に入手可能である。本明細書で使用される「マウスPD−L2」は、マウス由来のPD−L2を指す。代表的なマウスPD−L2の核酸およびアミノ酸配列は、当該技術分野で周知であり、またGenBankデータベースで、NM_021396.2およびNP_067371.1下で一般に入手可能である。本明細書で使用される「カニクイザルPD−L2」は、カニクイザル由来のPD−L2を指す。代表的なカニクイザルPD−L2の核酸およびアミノ酸配列は、当該技術分野で周知であり、またGenBankデータベースで、NM_001083599.2およびNP_001077068.1下で一般に入手可能である。
【0055】
「PD−L1」(プログラム死リガンド1)という用語は、特定のPD−1リガンドを指す。PD−L1は、様々な免疫および非免疫細胞上で発現するB7ファミリーメンバーである。この用語はまた、PD−L1の天然に存在するバリアント、例えば、スプライスバリアントまたは対立遺伝子バリアントを含む。PD−L1の代替名または同義語は、PDCD1L1、PDCD1LG1、PDL1、B7−H、B7−H1、およびCD274を含む。代表的なヒトPD−L1の核酸およびアミノ酸配列は、GenBankデータベースで、NM_014143.3およびNP_054862.1下で入手可能である。
【0056】
本明細書で使用される「PD−1」(プログラム細胞死タンパク質1)という用語は、免疫グロブリンスーパーファミリーに属し、T細胞およびB細胞上で発現する細胞表面受容体を指す。PD−1は、2つのリガンド、PD−L1およびPD−L2に結合する。代表的なヒトPD−1の核酸およびアミノ酸配列は、GenBankデータベースで、NM_005018.2およびNP_005009.2下で入手可能である(Ishida et al.(1992)20 EMBO.711:3887、Shinohara et al.(1994)Genomics 23:704、米国特許第5,698,520号も参照されたい)。PD−1は、免疫グロブリンスーパーファミリードメイン、膜貫通ドメインを含有する細胞外領域、および免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフ(ITIM)を含む細胞内領域を有する(Ishida et al.(1992)EMBOJ.11:3887、Shinohara et al.(1994)Genomics23:704、米国特許第5,698,520号)。
【0057】
「PD−1へのPD−L2結合が遮断される」または「PD−1−PD−L2相互作用の遮断」という用語および本明細書で使用される同等物は、相互作用の減少、すなわち、PD−L2とPD−1との間の結合を意味するものとする。本発明の文脈において、PD−L2とPD−1との間の低減した相互作用/結合は、さらに以下に実施例によって例示されるように、本発明の抗体またはその抗原結合部分によって引き起こされる。理論によって縛られることなく、本発明の抗体、またはその抗原結合部分は、PD−L2およびPD−1の結合界面内でPD−L2に結合し、よってPD−L2へのPD−1の結合を遮断する。
【0058】
本明細書で使用される「フローサイトメーター」という用語は、流体媒体に懸濁させた粒子に第1の波長の光を照射し、同じまたは異なる波長の光を検出することができる任意のデバイスを指し、検出された光は、細胞またはその上のインジケーターの存在を示す。フローサイトメーターは、第2の光を放射しない他の粒子または細胞から粒子または細胞を単離することができるセルソーターに結合され得る。インジケーターは、これに限定されないが、蛍光抗体セルソーティング(FACS)を提供するFITCなどの、フルオロフォアに結合された抗体であり得る。本発明の文脈において、FACS分析は、例えば、ヒトPD−L2/PD−L1、マウスPD−L2、任意のカニクイザルPD−L2への本発明の抗体の結合を評価するために、結合研究において使用された。例示的なFACSセルソーターは、MoFloソーター(DakoCytomation、Fori Collins、Colo.)、FACSAria(商標)、FACSArray(商標)、FACS Vantage(商標)、BD(商標)LSR II、およびFACSCaiibur(商標)(BD Biosciences、San Jose、Calif.)、ならびにSony、Bio−Rad、およびBeckman Coulterなどの他の商業的ベンダーによって産生される他の同等のセルソーターを含む。
【0059】
本明細書で使用される「EC50」という用語は、ベースラインと最大値との中間のアッセイにおいて応答を誘導する抗体またはその抗体部分の濃度を指す。これは、したがって、最大効果の50%が観察される抗体濃度を表す。本明細書で使用される「IC50」という用語は、最大応答とベースラインとの中間のアッセイにおいて応答を阻害する阻害剤(例えば、抗体または抗体部分)の濃度を指す。これは、所定の応答を50%低減する抗体濃度を表す。EC50およびIC50の両方は、ELISAもしくはFACS分析、または当該技術分野で知られる任意の他の方法によって測定され得る。
【0060】
本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集合から得られる抗体を指し、すなわち、集合を構成する個々の抗体は、少量で存在し得る可能な天然に生じる突然変異を除いて、同一である。モノクローナル抗体は、非常に特異性であり、単一抗原部位に対して向けられている。モノクローナル抗体は、それらが、他の免疫グロブリンによって本質的に汚染されていない、ハイブリドーマ培養によって合成され得るという点で有利である。修飾された「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体の集合の中にあるものとしての抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈されるものではない。上記のように、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、Kohler,Nature 256(1975),495によって記載されるハイブリドーマ法によって作製され得る。
【0061】
本明細書で使用される場合、「MIH18」は、遮断抗体としてヒトPD−L2と反応する、MIH18モノクローナル抗体、マウスモノクローナルIgG1カッパ(Youngnak−Piboonratankit P,et al,2004 Immunology Letters,94 215−220)を指す。MIH18は、商業的供給源から、例えば、Thermo Fischer ScientificまたはBD Biosciencesから購入することができる。
【0062】
本明細書で使用される場合、「24F.10C12」は、WO2010/036959に開示される抗体24F.10C12の可変軽鎖および可変重鎖を含む抗体を指す。
【0063】
本明細書で使用される「同一の条件」という用語は、結合および阻害研究が、本発明の抗体および研究において試験される他の抗体(例えば、MIH18およびニボルマブ)について同一の条件下で行われたことを意味するものとする。例えば、実験において使用される抗体濃度およびインキュベーション時間に関して、ヒトPD−L2への結合(
図1、
図2、
図9、
図10、
図21、
図22、および
図25)、遮断PD−L2−PD−2相互作用(
図3、
図4、
図11、
図12、
図19、および
図20)、およびTCR媒介性IL−2上方制御(
図5、
図13、
図17、および
図18)と同一の条件が適用された。
【0064】
本明細書で使用される「TCR媒介性IL−2発現」という用語は、T細胞受容体(TCR)によって制御されるインターロイキン−2(IL−2)の発現を指す。IL−2の遺伝子発現制御は、複数のレベルまたは異なる方法によるものであり得る。チェックポイントの1つは、TCRを通るシグナル伝達である。
【0065】
本明細書で使用される「酵素結合免疫吸着アッセイ」(ELISA)という用語は、目的の抗原の検出が検出可能なシグナルを産生する酵素反応を介して達成される、抗体ベースのアッセイを指す。ELISAは、競合または非競合形式として実行することができる。ELISAはまた、抗原に対する2つの抗体、抗原を捕捉するための1つの抗体および捕捉された抗体−抗原複合体を検出するための酵素または他の検出可能なラベルで標識されたものが使用される、2部位または「サンドイッチ」アッセイを含む。
【0066】
本明細書で使用される「完全ヒト抗体」という用語は、ヒト免疫グロブリンタンパク質配列のみを含む抗体を指す。完全ヒト抗体は、マウス、マウス細胞、またはマウス細胞に由来するハイブリドーマにおいて産生される場合、マウス炭水化物鎖を含有し得る。同様に、「マウス抗体(mouse antibody)」または「マウス抗体(murine antibody)」は、マウス(mouse)/マウス(murine)免疫グロブリンタンパク質配列のみを含む抗体を指す。代替的に、「完全ヒト抗体」は、ラット、ラット細胞、ラット細胞に由来するハイブリドーマにおいて産生される場合、ラット炭水化物鎖を含有し得る。同様に、「ラット抗体」という用語は、ラット免疫グロブリン配列のみを含む抗体を指す。完全ヒト抗体はまた、例えば、完全ヒト抗体の産生およびスクリーニングを可能にする、広く使用されているスクリーニング技術であるファージディスプレイによって産生され得る。また、ファージ抗体を本発明の文脈で使用することができる。ファージディスプレイ法は、例えば、US5,403,484、US5,969,108、およびUS5,885,793に記載される。完全ヒト抗体の開発を可能にする別の技術には、マウスハイブリドーマ技術の改変が含まれる。マウスは、それら自身のマウス遺伝子と交換にヒト免疫グロブリン遺伝子座を含有するようにトランスジェニックにされる(例えば、US5,877,397を参照されたい)。
【0067】
本明細書で使用される「ニボルマブ」は、例えば、US8,008,449に開示され、Opdivoとして市販されるヒトIgG4抗PD−1モノクローナル抗体を指す。
【0068】
「キメラ抗体」という用語は、別のヒトまたは非ヒト種(例えば、マウス、ウマ、ウサギ、イヌ、ウシ、ニワトリ)由来の抗体領域(例えば、定常領域)と融合またはキメラ化された本発明の可変領域を含む抗体を指す。
【0069】
抗体という用語はまた、組換えヒト抗体、異種抗体、およびヘテロハイブリッド抗体に関する。「組換え(ヒト)抗体」という用語は、ヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離された抗体などの、組換え手段によって調製、発現、作製、もしくは単離された全てのヒト配列抗体、宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現された抗体、組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体、または他のDNA配列へのヒト免疫グロブリン遺伝子配列のスプライシングを含む任意の他の手段によって調製、発現、作製、もしくは単離された抗体を含む。そのような組換えヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域(存在する場合)を有する。しかしながら、そのような抗体は、インビトロ突然変異誘発(または、ヒトIg配列についてトランスジェニックな動物が使用される場合、インビボ体細胞突然変異誘発)に供され得、よって、組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VHおよびVL配列に由来し、それらに関連するが、インビボでヒト抗体生殖系列レパートリー内に自然に存在しない場合がある配列である。
【0070】
「異種抗体」は、そのような抗体を産生するトランスジェニック非ヒト生物に関連して定義される。この用語は、トランスジェニック非ヒト動物からなるものではない生物に見出されるものに対応するアミノ酸配列またはコード核酸配列を有する抗体を指し、一般にトランスジェニック非ヒト動物の種以外の種に由来する。
【0071】
抗体という用語はまた、ヒト化抗体に関する。非ヒト(例えば、マウスまたはウサギ)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有する、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはその断片(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2、または抗体の他の抗原結合部分配列など)である。多くの場合、ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、望ましい特異性、親和性、および容量を有するマウス、ラット、ウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基によって置き換えられる、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの事例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも移入されたCDRまたはフレームワーク配列にも見られない残基を含み得る。これらの修飾は、抗体性能をさらに改善および最適化するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、CDR領域の全てまたは実質的に全ては、非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域の全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのものを含み得る。抗体(antibodies)/抗体(antibody)分子のヒト化のための方法は、Jones et al.,Nature 321(1986),522−525、Reichmann et al.,Nature 332(1988),323−327、およびVerhoeyen et al.,Science 239(1988),1534−1536にさらに詳述される。ヒト化抗体の特定の例、例えば、EpCAMに対して向けられた抗体は、当該技術分野において知られている(例えば、LoBuglio,Proceedings of the American Society of Clinical Oncology Abstract(1997),1562 and Khor,Proceedings of the American Society of Clinical Oncology Abstract(1997),847を参照されたい)。
【0072】
抗体のヒト化のための一般的な方法には、CDRグラフティングが含まれ、非ヒト「ドナー」抗体からの機能的な抗原結合部位が、ヒト「アクセプター」抗体にグラフトされる。CDRグラフティング法は、当該技術分野で知られており、例えば、US5,225,539、US5,693,761、およびUS6,407,213に記載される。別の関連する方法は、遺伝子再構成および遺伝子変換を受けることができる1つ以上のヒト化免疫グロブリン遺伝子座を含有するように遺伝子操作されたトランスジェニック動物からのヒト化抗体の産生である(例えば、US7,129,084を参照されたい)。
【0073】
したがって、本発明の文脈において、ヒト化され、薬学的組成物で首尾よく採用することができる、抗体分子またはその抗原結合断片が提供される。
【0074】
本発明の文脈において、「抗体」という用語は、完全な免疫グロブリン分子およびそのような免疫グロブリン分子の部分(すなわち、「その抗原結合部分」)に関する。さらに、この用語は、上記で議論されるように、修飾および/または変更された抗体分子に関する。この用語はまた、組換え的または合成的に産生/合成された抗体に関する。この用語はまた、インタクトな抗体ならびに分離された軽鎖および重鎖、Fab、Fv、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2のようなその抗体断片に関する。抗体という用語はまた、完全ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、CDRグラフト化抗体、および一本鎖Fv(scFv)または抗体融合タンパク質のような抗体構築物を含むが、これらに限定されない。
【0075】
「一本鎖Fv」または「scFv」抗体断片は、本発明の文脈において、抗体のV
HおよびV
Lドメインを有し、これらのドメインは、単一ポリペプチド鎖に存在する。一般に、scFvポリペプチドは、V
HドメインとV
Lドメインとの間にポリペプチドリンカーをさらに含み、これは、scFvが抗原結合のために望ましい構造を形成することを可能にする。一本鎖抗体の産生について記載された技法は、例えば、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,Rosenburg and Moore eds.Springer−Verlag,N.Y.(1994),269−315に記載される。
【0076】
本明細書で使用される「Fab断片」は、1つの軽鎖と1つの重鎖のC
H1および可変領域とで構成される。Fab分子の重鎖は、別の重鎖分子とジスルフィド結合を形成することができない。
【0077】
「Fc」領域は、抗体のC
H2およびC
H3ドメインを含む2つの重鎖断片を含有する。2つの重鎖断片は、2つ以上のジスルフィド結合によって、およびC
H3ドメインの疎水性相互作用によって一緒に結合される。
【0078】
「Fab’断片」は、1つの軽鎖と、V
HドメインおよびC
H1ドメインならびにまたC
H1とC
H2ドメインとの間の領域を含有する1つの重鎖の一部分とを含有し、鎖間ジスルフィド結合を2つのFab’断片の2つの重鎖間に形成して、F(ab’)
2分子を形成することができる。
【0079】
「F(ab’)
2断片」は、2つの軽鎖と、C
H1とC
H2ドメインとの間に定常領域の一部分を含有する2つの重鎖とを含有し、鎖間ジスルフィド結合が2つの重鎖間に形成される。よって、AF(ab’)
2断片は、2つの重鎖間のジスルフィド結合によって一緒に結合される2つのFab’断片で構成される。
【0080】
「Fv領域」は、重鎖および軽鎖の両方からの可変領域を含むが、定常領域を欠く。
【0081】
本発明に従って採用される抗体、抗体構築物、抗体断片、抗体誘導体(全てIg由来である)、またはそれらの対応する免疫グロブリン鎖(複数可)は、例えば、アミノ酸欠失(複数可)、挿入(複数可)、置換(複数可)、付加(複数可)、および/もしくは組換え(複数可)、ならびに/または当該技術分野で知られている単独もしくは組み合わせのいずれかの任意の他の修飾(複数可)を使用することによって、当該技術分野で知られている従来の技法を使用してさらに修飾することができる。免疫グロブリン鎖のアミノ酸配列の基礎をなすDNA配列にそのような修飾を導入するための方法は、当業者に周知であり、例えば、Sambrook(1989),loc.cit.を参照されたい。「Ig由来ドメイン」という用語は、特に、少なくとも1つのCDRを含む(ポリ)ペプチド構築物に関する。列挙されたIg由来ドメインの断片または誘導体は、上記抗体分子の部分であり、および/または化学的/生化学的もしくは分子生物学的方法によって修飾される、(ポリ)ペプチドを定義する。対応する方法は、当該技術分野で知られており、とりわけ実験室マニュアルに記載されている(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual; Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd edition(1989)and 3rd edition(2001)、Gerhardt et al.,Methods for General and Molecular Bacteriology ASM Press(1994)、Lefkovits,Immunology Methods Manual:The Comprehensive Sourcebook of Techniques; Academic Press(1997)、Golemis,Protein−Protein Interactions:A Molecular Cloning Manual Cold Spring Harbor Laboratory Press(2002)を参照されたい)。
【0082】
本明細書で採用される「CDR」という用語は、当該技術分野において周知である、「相補性決定領域」に関する。CDRは、当該分子の特異性を決定し、特定のリガンドと接触する免疫グロブリンの部分である。CDRは、分子の最も変化可能な部分であり、これらの分子の多様性に寄与する。各Vドメインには3つのCDR領域、CDR1、CDR2、およびCDR3がある。CDR−Hは、可変重鎖のCDR領域を示し、CDR−Lは、可変軽鎖のCDR領域に関する。VHは、可変重鎖を意味し、VLは、可変軽鎖を意味する。Ig由来領域のCDR領域は、Kabat “Sequences of Proteins of Immunological Interest”,5th edit.NIH Publication no.91−3242 U.S.Department of Health and Human Services(1991)、ChothiaJ.Mol.Biol.196(1987),901−917、またはChothia Nature 342(1989),877−883に記載されるように決定され得る。
【0083】
したがって、本発明の文脈では、本明細書で上述される抗体分子は、完全抗体(IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4のような、免疫グロブリン)、F(ab)−、Fab’−SH−、Fv−、Fab’−、F(ab’)2−断片、キメラ抗体、CDRグラフト化抗体、完全ヒト抗体、二価抗体構築物、抗体融合タンパク質、合成抗体、二価一本鎖抗体、三価一本鎖抗体、および多価一本鎖抗体からなる群から選択される。
【0084】
本発明はまた、PD−L2の天然ポリペプチドおよび組換えポリペプチドに対する特異的抗体の産生に関する。この産生は、例えば、マウスのような動物の免疫化に基づく。しかしながら、抗体/抗血清の産生のための他の動物もまた、本発明内で想定される。例えば、モノクローナルおよびポリクローナル抗体は、ウサギ、マウス、ヤギ、ロバなどによって産生することができる。PD−L2の対応するように選択されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、適切なベクターにサブクローニングすることができ、組換えポリペプチドは、発現が可能な生物、例えば、細菌において発現させる。よって、発現させた組換えタンパク質は、マウスに腹腔内注射することができ、得られた特異的抗体は、例えば、心臓内血液穿刺によって提供されるマウス血清から得ることができる。本発明はまた、DNAワクチン戦略を使用することによる、天然ポリペプチドおよび組換えポリペプチドに対する特異的抗体の産生を想定する。DNAワクチン戦略は、当該技術分野で周知であり、遺伝子銃またはジェット注射および筋肉内または皮内注射による、リポソーム媒介性送達を包含する。よって、PD−L2のポリペプチドに対して向けられた抗体は、所望のポリペプチドまたはPD−L2のタンパク質を発現するベクターを筋肉内に直接注射することによって、動物を直接免疫化することによって得ることができる。得られた特異的抗体の量は、ELISAを使用して定量化することができる。抗体の産生のためのさらなる方法は、当該技術分野で周知であり、例えば、Harlow and Lane,“Antibodies,A Laboratory Manual”,CSH Press,Cold Spring Harbor,1988を参照されたい。
【0085】
よって、指定されたアッセイ条件下で、指定された抗体および対応するポリペプチドまたはPD−L2のタンパク質は、互いに結合し、試料中に存在する他の成分に有意な量で結合しない。そのような条件下での標的分析物への特異的結合は、特定の標的分析物についてのその特異性のために選択される結合部分を必要とし得る。特定の抗原と特異的に反応する抗体を選択するために、様々なイムノアッセイ形式が使用され得る。例えば、固相ELISAイムノアッセイは、分析物と特異的に免疫反応するモノクローナル抗体を選択するために日常的に使用される。特異的免疫反応性を決定するために使用することができるイムノアッセイ形式および条件の説明については、Shepherd and Dean(2000),Monoclonal Antibodies:A Practical Approach,Oxford University Pressおよび/またはHoward and Bethell(2000)Basic Methods in Antibody Production and Characterization,Crc.Pr.Inc.を参照されたい。典型的には、特異的または選択的反応は、バックグラウンドシグナル対ノイズの少なくとも2倍であり、より典型的には、バックグラウンドの10〜100倍超である。当業者は、新規ポリペプチドに対して向けられた特異的結合分子を提供および生成する位置にある。特異的結合アッセイについて、これは望ましくない交差反応性を回避するために容易に採用するこができ、例えば、ポリクローナル抗体は、既知の方法によって簡単に精製および選択することができる(Shepherd and Dean,loc.cit.を参照されたい)。
【0086】
「相同性」とは、2つのポリヌクレオチド配列間または2つのポリペプチド配列間の、それらが最適に整列される場合の配列類似性を指す。2つの比較された配列の両方における位置が同じ塩基またはアミノ酸モノマーサブユニットによって占められる場合、例えば、2つのDNA分子の各々における位置がアデニンによって占められる場合、分子はその位置で相同である。相同のパーセントは、2つの配列によって共有される相同位置の数を比較される位置の総数で割ったものx100である。例えば、配列が最適に整列される場合に2つの配列における位置の10個のうちの8個が一致するか、または相同である場合、2つの配列は80%相同である。一般に、比較は、最大相同性パーセントを与えるように2つの配列を整列させる場合に行われる。例えば、比較は、BLASTアルゴリズムによって行うことができ、アルゴリズムのパラメータは、それぞれの参照配列の全長にわたってそれぞれの配列間の最大の一致を与えるように選択される。
【0087】
本明細書で使用される「ベクター」という用語は、それが連結される別の核酸を増殖させることができる核酸分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造としてのベクター、およびそれが導入されている宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターを含む。特定のベクターは、それらが作動可能に連結される核酸の発現を誘導することができる。そのようなベクターは、本明細書では「発現ベクター」と呼ばれる。
【0088】
「細胞」、「細胞株」、および「細胞培養」という用語は、互換的に使用され、外因性核酸が導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫を含む。細胞は、「形質転換体」および「形質転換細胞」を含み、これは、継代数にかかわらず、一次形質転換細胞およびそれに由来する子孫を含む。子孫は、親細胞と核酸含有量が完全に同一ではない場合があるが、突然変異を含有し得る。元の形質転換細胞においてスクリーニングまたは選択されるものと同じ機能または生物学的活性を有する突然変異子孫が本明細書に含まれる。
【0089】
「薬学的組成物」または「薬学的製剤」という用語は、その中に含有される活性成分の生物学的活性が有効であることを許容するような形態であり、製剤が投与される対象に対して許容されないほどの毒性がある追加の成分を含有しない調製物を指す。
【0090】
「薬学的に許容される担体」は、対象にとって非毒性である、活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容される担体は、緩衝剤、賦形剤、安定剤、または保存剤を含むが、これらに限定されない。本明細書で使用される「賦形剤」という用語は、薬学的剤形で日常的に使用される任意の生理学的に不活性な添加剤を含む。賦形剤は、希釈剤、結合剤、オスモゲン、酸性化剤、界面活性剤、崩壊剤、潤滑剤、および流動促進剤を含む群から選択される。
【0091】
本明細書で使用される場合、「ヒト療法」は、療法におけるヒト個体の自然な経過を変化させる試みにおける臨床的介入を指し、予防のため、または臨床病理の経過中のいずれかに行うことができる。療法の望ましい効果は、疾患の発生または再発の防止、症状の緩和、疾患の任意の直接的または間接的な病理学的結果の減少、転移の防止、疾患進行速度の低下、疾患状態の改善または軽減、および寛解または予後改善を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、疾患の発症を遅らせるか、または疾患の進行を遅らせるために使用される。いくつかの実施形態では、ヒト療法は、癌療法である。「癌」という用語は、典型的には制御されていない細胞成長/増殖を特徴とする、哺乳動物における生理学的状態を指すか、または説明する。癌の例は、癌腫、肝臓癌、肝細胞癌、胃癌、肺癌、食道癌、乳癌、前立腺癌、リンパ腫(例えば、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫)、芽細胞腫、肉腫、および白血病を含むが、これらに限定されない。
【0092】
本明細書で使用される場合、「抗原提示細胞」という用語は、専門的な抗原提示細胞(例えば、Bリンパ球、単球、樹状細胞、ランゲルハンス細胞)、および他の抗原提示細胞(例えば、ケラチノサイト、内皮細胞、星状細胞、線維芽細胞、オリゴデンドロサイト)を含む。
【0093】
本明細書で使用される「T細胞シグナル伝達」は、T細胞によって誘導されるシグナル伝達を指す。T細胞上で発現したT細胞受容体(TCR)は、T細胞が抗原提示細胞上で提示された抗原を認識することを可能にし、これは、最終的にT細胞エフェクター機能をもたらすシグナル伝達事象のカスケードにつながる。「T細胞」という用語は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞を含む。T細胞という用語はまた、Tヘルパー1型T細胞、Tヘルパー2型T細胞、Tヘルパー17型T細胞、および阻害性T細胞を含む。
【0094】
本明細書で使用される場合、「キット」は、本発明のマーカーの発現を特異的に検出または調節するための、少なくとも1つの試薬、例えば、プローブを含む任意の製造物(例えば、パッケージまたは容器)である。キットは、本発明の方法を行うためのユニットとして宣伝、配布、または販売され得る。
【0095】
さらに、特許請求の範囲において、「含む」という語は、他の要素またはステップを除外せず、不定冠詞「a」、「an」、および「the」は、文脈が別段に明示しない限り、複数の指示物を含む。属性または値に関連する「本質的に」、「約」、「およそ」などの用語は、特にまた、それぞれ属性または値を正確に定義する。
【0096】
本発明の範囲は、例えば、アミノ基などのプロトン化の影響を受けやすい電子孤立対を有する原子の、無機もしくは有機酸でのプロトン化によって形成され得るか、または生理学的に許容されるカチオンを有する酸基(カルボン酸基など)の塩としての、本明細書に開示される化合物の全ての薬学的に許容される塩形態を包含する。例示的な塩基付加塩は、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウムまたはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;亜鉛塩;アンモニウム塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロカイン塩、メグルミン塩、エチレンジアミン塩、またはコリン塩などの脂肪族アミン塩;N,N−ジベンジルエチレンジアミン塩、ベンザチン塩、ベネタミン塩などのアラルキルアミン塩;ピリジン塩、ピコリン塩、キノリン塩、またはイソキノリン塩などの複素環式芳香族アミン塩;テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチルアンモニウム塩、またはテトラブチルアンモニウム塩などの第四級アンモニウム塩;およびアルギニン塩、リジン塩、またはヒスチジン塩などの塩基性アミノ酸塩を含む。例示的な酸付加塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩(例えば、硫酸塩または硫酸水素塩など)、硝酸塩、リン酸塩(例えば、リン酸塩、リン酸水素塩、またはリン酸二水素塩など)、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、またはチオシアン酸塩などの鉱酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、オクタン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、デカン酸塩、ウンデカン酸塩、オレイン酸塩、ステアリン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、グルコン酸塩、ニコチン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、ショウノウ酸塩、グルコヘプタン酸塩、またはピバル酸塩などの有機酸塩;メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩)、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、p−トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩)、2−ナフタレンスルホン酸塩(ナプシル酸塩)、3−フェニルスルホン酸塩、またはカンファースルホン酸塩などのスルホン酸塩;グリセロリン酸塩;およびアスパラギン酸塩またはグルタミン酸塩などの酸性アミノ酸塩を含む。本明細書に開示される化合物の好ましい薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、メシル酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、およびリン酸塩を含む。本明細書に開示される化合物の特に好ましい薬学的に許容される塩は、塩酸塩である。したがって、本明細書に開示される化合物は、塩酸塩、臭化水素酸塩、メシル酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩の形態であることが好ましく、式(I)の化合物は、塩酸塩の形態であることが特に好ましい。
【0097】
さらに、本発明の範囲は、例えば、水、例えば、水和物との、または例えば、メタノール、エタノール、もしくはアセトニトリルなどの有機溶媒との、すなわち、それぞれ、メタノラート、エタノラート、もしくはアセトニトリラートとしての、溶媒和物を含む、任意の溶媒和形態、または任意の多形の形態の、本明細書に開示される化合物を包含する。本明細書に開示される化合物のそのような溶媒和物は、本明細書に開示される化合物の薬学的に許容される塩の溶媒和物も含むことを理解されたい。
【0098】
一実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体またはその抗原結合部分を提供する。実施形態のいくつかでは、本発明の抗ヒトPD−L2抗体は、任意の組み合わせで以下の特徴:
a)PD−1へのPD−L2結合が遮断されるようにヒトPD−L2に特異的に結合する、
b)マウスPD−L2およびヒトPD−L1に結合しない、
c)カニクイザルPD−L2に結合する、
d)約0.05nM〜約2nMのEC50でヒトPD−L2に結合する、
e)約0.01nM〜約1nMのIC50でPD−1へのPD−L2結合を遮断する、
f)約0.2nM〜約1.5nMのEC50でTCR媒介性IL−2発現を活性化する、のうちの少なくとも1つ以上を有する。
【0099】
別の実施形態では、本発明は、本発明による抗体またはその抗原結合部分に関し、抗体または抗原結合部分は、任意の組み合わせでa)〜d)に列挙される機能的特徴:
a)参照抗体MIH18および24F.10C12と比較して、より高いPD−L2への結合親和性、
b)参照抗体MIH18および24F.10C12と比較して、より効率的なPD−1へのPD−L2結合の遮断、
c)参照抗体MIH18および24F.10C12と比較して、より効率的なTCR媒介性IL−2発現の活性化、ならびに
d)参照抗体MIH18および24F.10C12と比較して、TCR媒介性IL−2発現時のより高いIL−2レベルの誘導、のうちの少なくとも1つ、好ましくは2、3、または4つを満たす。
【0100】
代替的に、本発明は、本発明による抗体またはその抗原結合部分に関し、この抗体または抗原結合部分は、a)およびb)に列挙される特徴を有する。
【0101】
代替的に、本発明は、本発明による抗体またはその抗原結合部分に関し、この抗体または抗原結合部分は、a)およびc)に列挙される特徴を有する。
【0102】
代替的に、本発明は、本発明による抗体またはその抗原結合部分に関し、この抗体または抗原結合部分は、a)およびd)に列挙される特徴を有する。
【0103】
代替的に、本発明は、本発明による抗体またはその抗原結合部分に関し、この抗体または抗原結合部分は、b)およびc)に列挙される特徴を有する。
【0104】
代替的に、本発明は、本発明による抗体またはその抗原結合部分に関し、この抗体または抗原結合部分は、b)およびd)に列挙される特徴を有する。
【0105】
代替的に、本発明は、本発明による抗体またはその抗原結合部分に関し、この抗体または抗原結合部分は、c)およびd)に列挙される特徴を有する。
【0106】
代替的に、本発明は、本発明による抗体またはその抗原結合部分に関し、この抗体または抗原結合部分は、a)、b)、およびc)に列挙される特徴を有する。
【0107】
代替的に、本発明は、本発明による抗体またはその抗原結合部分に関し、この抗体または抗原結合部分は、a)、b)、およびd)に列挙される特徴を有する。
【0108】
代替的に、本発明は、本発明による抗体またはその抗原結合部分に関し、この抗体または抗原結合部分は、a)、c)、およびd)に列挙される特徴を有する。
【0109】
代替的に、本発明は、本発明による抗体またはその抗原結合部分に関し、この抗体または抗原結合部分は、b)、c)、およびd)に列挙される特徴を有する。
【0110】
代替的に、本発明は、本発明による抗体またはその抗原結合部分に関し、この抗体または抗原結合部分は、a)、b)、c)、およびd)に列挙される特徴を有する。
【0111】
例は、本発明の全ての抗体が、少なくとも1つの機能的特徴において、参照抗体MIH18および24F.10C12に対して改善されることを示す。よって、好ましい実施形態では、本発明の抗体、もしくはその抗原結合部分は、それぞれ、以下の項目のいずれかで定義される、重鎖可変領域および/もしくは軽鎖可変領域に含まれるCDR配列のうちの6つを含むか、
a)配列番号2の配列を有する重鎖可変領域および配列番号10の配列を有する軽鎖可変領域、
b)配列番号18の配列を有する重鎖可変領域および配列番号26の配列を有する軽鎖可変領域、
c)配列番号34の配列を有する重鎖可変領域および配列番号42の配列を有する軽鎖可変領域、
d)配列番号50の配列を有する重鎖可変領域および配列番号58の配列を有する軽鎖可変領域、
e)配列番号50の配列を有する重鎖可変領域および配列番号66の配列を有する軽鎖可変領域、
f)配列番号96の配列を有する重鎖可変領域および配列番号104の配列を有する軽鎖可変領域、
g)配列番号112の配列を有する重鎖可変領域および配列番号120の配列を有する軽鎖可変領域、
h)配列番号128の配列を有する重鎖可変領域および配列番号132の配列を有する軽鎖可変領域、
i)配列番号140の配列を有する重鎖可変領域および配列番号146の配列を有する軽鎖可変領域、
j)配列番号152の配列を有する重鎖可変領域および配列番号160の配列を有する軽鎖可変領域、
k)配列番号166の配列を有する重鎖可変領域および配列番号174の配列を有する軽鎖可変領域、
l)配列番号96の配列を有する重鎖可変領域および配列番号212の配列を有する軽鎖可変領域、
m)配列番号140の配列を有する重鎖可変領域および配列番号218の配列を有する軽鎖可変領域、
n)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号160の配列を有する軽鎖可変領域、
o)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号26の配列を有する軽鎖可変領域、
p)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号226の配列を有する軽鎖可変領域、
q)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号230の配列を有する軽鎖可変領域、または
本発明の抗体もしくはその抗原結合部分は、
a)配列番号4のCDR−H1、配列番号6のCDR−H2、配列番号8のCDR−H3、および配列番号12のCDR−L1、配列番号14のCDR−L2、配列番号16のCDR−L3、もしくは
b)配列番号20のCDR−H1、配列番号22のCDR−H2、配列番号24のCDR−H3、および配列番号28のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3、もしくは
c)配列番号36のCDR−H1、配列番号38のCDR−H2、配列番号40のCDR−H3、および配列番号44のCDR−L1、配列番号46のCDR−L2、配列番号48のCDR−L3、もしくは
d)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号64のCDR−L3、もしくは
e)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号68のCDR−L3、もしくは
f)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号110のCDR−L3、もしくは
g)配列番号114のCDR−H1、配列番号116のCDR−H2、配列番号118のCDR−H3、および配列番号122のCDR−L1、配列番号124のCDR−L2、配列番号126のCDR−L3、もしくは
h)配列番号114のCDR−H1、配列番号130のCDR−H2、配列番号118のCDR−H3、および配列番号134のCDR−L1、配列番号136のCDR−L2、配列番号138のCDR−L3、もしくは
i)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、もしくは
j)配列番号154のCDR−H1、配列番号156のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3、もしくは
k)配列番号168のCDR−H1、配列番号170のCDR−H2、配列番号172のCDR−H3、および配列番号176のCDR−L1、配列番号178のCDR−L2、配列番号180のCDR−L3、もしくは
l)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号214のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号216のCDR−L3、もしくは
m)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号214のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、もしくは
n)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3、もしくは
o)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号28のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3、もしくは
p)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号228のCDR−L3、もしくは
q)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含むか、または
本発明の抗体、もしくはその抗原結合部分は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、
a)重鎖可変領域は、配列番号2の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号10の配列を有するか、
b)重鎖可変領域は、配列番号18の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号26の配列を有するか、
c)重鎖可変領域は、配列番号34の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号42の配列を有するか、
d)重鎖可変領域は、配列番号50の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号58の配列を有するか、
e)重鎖可変領域は、配列番号50の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号66の配列を有するか、
f)重鎖可変領域は、配列番号96の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号104の配列を有するか、
g)重鎖可変領域は、配列番号112の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号120の配列を有するか、
h)重鎖可変領域は、配列番号128の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号132の配列を有するか、
i)重鎖可変領域は、配列番号140の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号146の配列を有するか、
j)重鎖可変領域は、配列番号152の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号160の配列を有するか、
k)重鎖可変領域は、配列番号166の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号174の配列を有するか、
l)重鎖可変領域は、配列番号96の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号212の配列を有するか、
m)重鎖可変領域は、配列番号140の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号218の配列を有するか、
n)重鎖可変領域は、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号160の配列を有するか、
o)重鎖可変領域は、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号26の配列を有するか、
p)重鎖可変領域は、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号226の配列を有するか、もしくは
q)重鎖可変領域は、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号230の配列を有する。
【0112】
より好ましくは、本発明の抗体、もしくはその抗原結合部分は、それぞれ、以下の項目のいずれかで定義される、重鎖可変領域および/もしくは軽鎖可変領域に含まれるCDR配列のうちの6つを含むか、
a)配列番号2の配列を有する重鎖可変領域および配列番号10の配列を有する軽鎖可変領域、
b)配列番号18の配列を有する重鎖可変領域および配列番号26の配列を有する軽鎖可変領域、
c)配列番号34の配列を有する重鎖可変領域および配列番号42の配列を有する軽鎖可変領域、
d)配列番号50の配列を有する重鎖可変領域および配列番号58の配列を有する軽鎖可変領域、
e)配列番号50の配列を有する重鎖可変領域および配列番号66の配列を有する軽鎖可変領域、
f)配列番号96の配列を有する重鎖可変領域および配列番号104の配列を有する軽鎖可変領域、
g)配列番号112の配列を有する重鎖可変領域および配列番号120の配列を有する軽鎖可変領域、
h)配列番号128の配列を有する重鎖可変領域および配列番号132の配列を有する軽鎖可変領域、
i)配列番号140の配列を有する重鎖可変領域および配列番号146の配列を有する軽鎖可変領域、
j)配列番号152の配列を有する重鎖可変領域および配列番号160の配列を有する軽鎖可変領域、
k)配列番号166の配列を有する重鎖可変領域および配列番号174の配列を有する軽鎖可変領域、
l)配列番号96の配列を有する重鎖可変領域および配列番号212の配列を有する軽鎖可変領域、
m)配列番号140の配列を有する重鎖可変領域および配列番号218の配列を有する軽鎖可変領域、
n)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号160の配列を有する軽鎖可変領域、
o)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号26の配列を有する軽鎖可変領域、または
本発明の抗体、もしくはその抗原結合部分は、
a)配列番号4のCDR−H1、配列番号6のCDR−H2、配列番号8のCDR−H3、および配列番号12のCDR−L1、配列番号14のCDR−L2、配列番号16のCDR−L3、もしくは
b)配列番号20のCDR−H1、配列番号22のCDR−H2、配列番号24のCDR−H3、および配列番号28のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3、もしくは
c)配列番号36のCDR−H1、配列番号38のCDR−H2、配列番号40のCDR−H3、および配列番号44のCDR−L1、配列番号46のCDR−L2、配列番号48のCDR−L3、もしくは
d)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号64のCDR−L3、もしくは
e)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号68のCDR−L3、もしくは
f)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号110のCDR−L3、もしくは
g)配列番号114のCDR−H1、配列番号116のCDR−H2、配列番号118のCDR−H3、および配列番号122のCDR−L1、配列番号124のCDR−L2、配列番号126のCDR−L3、もしくは
h)配列番号114のCDR−H1、配列番号130のCDR−H2、配列番号118のCDR−H3、および配列番号134のCDR−L1、配列番号136のCDR−L2、配列番号138のCDR−L3、もしくは
i)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、もしくは
j)配列番号154のCDR−H1、配列番号156のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3、もしくは
k)配列番号168のCDR−H1、配列番号170のCDR−H2、配列番号172のCDR−H3、および配列番号176のCDR−L1、配列番号178のCDR−L2、配列番号180のCDR−L3、もしくは
l)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号214のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号216のCDR−L3、もしくは
m)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号214のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、もしくは
n)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3、もしくは
o)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号28のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含むか、または
本発明の抗体、もしくはその抗原結合部分は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、
a)重鎖可変領域は、配列番号2の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号10の配列を有するか、
b)重鎖可変領域は、配列番号18の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号26の配列を有するか、
c)重鎖可変領域は、配列番号34の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号42の配列を有するか、
d)重鎖可変領域は、配列番号50の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号58の配列を有するか、
e)重鎖可変領域は、配列番号50の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号66の配列を有するか、
f)重鎖可変領域は、配列番号96の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号104の配列を有するか、
g)重鎖可変領域は、配列番号112の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号120の配列を有するか、
h)重鎖可変領域は、配列番号128の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号132の配列を有するか、
i)重鎖可変領域は、配列番号140の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号146の配列を有するか、
j)重鎖可変領域は、配列番号152の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号160の配列を有するか、
k)重鎖可変領域は、配列番号166の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号174の配列を有するか、
l)重鎖可変領域は、配列番号96の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号212の配列を有するか、
m)重鎖可変領域は、配列番号140の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号218の配列を有するか、
n)重鎖可変領域は、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号160の配列を有するか、
o)重鎖可変領域は、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号26の配列を有する。
【0113】
抗体1A1−C2、2C4−E4、10D1−G1、11C11−H5、19C3−B3、10A9−D2、19B3−B3、12A1−D4、10D1−G1 N31Q.N92Q.LC、10A9−D2.N31Q.LC、および19B3−B3.M23K.M63L.HCは、少なくとも2つの機能的特徴においてMIH18および24F.10C12に対して改善される。よって、さらにより好ましい実施形態では、本発明の抗体、もしくはその抗原結合部分は、それぞれ、以下の項目のいずれかで定義される、重鎖可変領域および/もしくは軽鎖可変領域に含まれるCDR配列のうちの6つを含むか、
a)配列番号2の配列を有する重鎖可変領域および配列番号10の配列を有する軽鎖可変領域、
b)配列番号18の配列を有する重鎖可変領域および配列番号26の配列を有する軽鎖可変領域、
c)配列番号50の配列を有する重鎖可変領域および配列番号58の配列を有する軽鎖可変領域、
d)配列番号50の配列を有する重鎖可変領域および配列番号66の配列を有する軽鎖可変領域、
e)配列番号96の配列を有する重鎖可変領域および配列番号104の配列を有する軽鎖可変領域、
f)配列番号140の配列を有する重鎖可変領域および配列番号146の配列を有する軽鎖可変領域、
g)配列番号152の配列を有する重鎖可変領域および配列番号160の配列を有する軽鎖可変領域、
h)配列番号166の配列を有する重鎖可変領域および配列番号174の配列を有する軽鎖可変領域、
i)配列番号96の配列を有する重鎖可変領域および配列番号212の配列を有する軽鎖可変領域、
j)配列番号140の配列を有する重鎖可変領域および配列番号218の配列を有する軽鎖可変領域、
k)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号160の配列を有する軽鎖可変領域、または
本発明の抗体もしくはその抗原結合部分は、
a)配列番号4のCDR−H1、配列番号6のCDR−H2、配列番号8のCDR−H3、および配列番号12のCDR−L1、配列番号14のCDR−L2、配列番号16のCDR−L3、もしくは
b)配列番号20のCDR−H1、配列番号22のCDR−H2、配列番号24のCDR−H3、および配列番号28のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3、もしくは
c)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号64のCDR−L3、もしくは
d)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号68のCDR−L3、もしくは
e)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号110のCDR−L3、もしくは
f)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、もしくは
g)配列番号154のCDR−H1、配列番号156のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3、もしくは
h)配列番号168のCDR−H1、配列番号170のCDR−H2、配列番号172のCDR−H3、および配列番号176のCDR−L1、配列番号178のCDR−L2、配列番号180のCDR−L3、もしくは
i)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号214のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号216のCDR−L3、もしくは
j)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号214のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、もしくは
k)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含むか、または
本発明の抗体、もしくはその抗原結合部分は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、
a)重鎖可変領域は、配列番号2の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号10の配列を有するか、
b)重鎖可変領域は、配列番号18の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号26の配列を有するか、
c)重鎖可変領域は、配列番号50の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号58の配列を有するか、
d)重鎖可変領域は、配列番号50の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号66の配列を有するか、
e)重鎖可変領域は、配列番号96の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号104の配列を有するか、
f)重鎖可変領域は、配列番号140の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号146の配列を有するか、
g)重鎖可変領域は、配列番号152の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号160の配列を有するか、
h)重鎖可変領域は、配列番号166の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号174の配列を有するか、
i)重鎖可変領域は、配列番号96の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号212の配列を有するか、
j)重鎖可変領域は、配列番号140の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号218の配列を有するか、もしくは
k)重鎖可変領域は、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号160の配列を有する。
【0114】
抗体10D1−G1、11C11−H5、19C3−B3、10A9−D2、19B3−B3、および12A1−D4は、少なくとも3つの機能的特徴においてMIH18および24F.10C12に対して改善される。よって、さらにより好ましい実施形態では、本発明の抗体、もしくはその抗原結合部分は、それぞれ、以下の項目のいずれかで定義される、重鎖可変領域および/もしくは軽鎖可変領域に含まれるCDR配列のうちの6つを含むか、
a)配列番号50の配列を有する重鎖可変領域および配列番号58の配列を有する軽鎖可変領域、
b)配列番号50の配列を有する重鎖可変領域および配列番号66の配列を有する軽鎖可変領域、
c)配列番号96の配列を有する重鎖可変領域および配列番号104の配列を有する軽鎖可変領域、
d)配列番号140の配列を有する重鎖可変領域および配列番号146の配列を有する軽鎖可変領域、
e)配列番号152の配列を有する重鎖可変領域および配列番号160の配列を有する軽鎖可変領域、
f)配列番号166の配列を有する重鎖可変領域および配列番号174の配列を有する軽鎖可変領域、または
本発明の抗体、もしくはその抗原結合部分は、
a)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号64のCDR−L3、もしくは
b)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号68のCDR−L3、もしくは
c)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号110のCDR−L3、もしくは
d)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、もしくは
e)配列番号154のCDR−H1、配列番号156のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3、もしくは
f)配列番号168のCDR−H1、配列番号170のCDR−H2、配列番号172のCDR−H3、および配列番号176のCDR−L1、配列番号178のCDR−L2、配列番号180のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含むか、または
本発明の抗体、もしくはその抗原結合部分は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、
a)重鎖可変領域は、配列番号50の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号58の配列を有するか、
b)重鎖可変領域は、配列番号50の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号66の配列を有するか、
c)重鎖可変領域は、配列番号96の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号104の配列を有するか、
d)重鎖可変領域は、配列番号140の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号146の配列を有するか、
e)重鎖可変領域は、配列番号152の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号160の配列を有するか、もしくは
f)重鎖可変領域は、配列番号166の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号174の配列を有する。
【0115】
抗体10D1−G1、19C3−B3、10A9−D2、19B3−B3、および12A1−D4は、4つの機能的特徴においてMIH18および24F.10C12に対して改善される。よって、最も好ましい実施形態では、本発明の抗体、もしくはその抗原結合部分は、それぞれ、以下の項目のいずれかで定義される、重鎖可変領域および/もしくは軽鎖可変領域に含まれるCDR配列のうちの6つを含むか、
a)配列番号50の配列を有する重鎖可変領域および配列番号66の配列を有する軽鎖可変領域、
b)配列番号96の配列を有する重鎖可変領域および配列番号104の配列を有する軽鎖可変領域、
c)配列番号140の配列を有する重鎖可変領域および配列番号146の配列を有する軽鎖可変領域、
d)配列番号152の配列を有する重鎖可変領域および配列番号160の配列を有する軽鎖可変領域、
e)配列番号166の配列を有する重鎖可変領域および配列番号174の配列を有する軽鎖可変領域、または
本発明の抗体、もしくはその抗原結合部分は、
a)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号68のCDR−L3、もしくは
b)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号110のCDR−L3、もしくは
c)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、もしくは
d)配列番号154のCDR−H1、配列番号156のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3、もしくは
e)配列番号168のCDR−H1、配列番号170のCDR−H2、配列番号172のCDR−H3、および配列番号176のCDR−L1、配列番号178のCDR−L2、配列番号180のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含むか、または
本発明の抗体、もしくはその抗原結合部分は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、
a)重鎖可変領域は、配列番号50の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号66の配列を有するか、
b)重鎖可変領域は、配列番号96の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号104の配列を有するか、
c)重鎖可変領域は、配列番号140の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号146の配列を有するか、
d)重鎖可変領域は、配列番号152の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号160の配列を有するか、もしくは
e)重鎖可変領域は、配列番号166の配列を有し、軽鎖可変領域は、配列番号174の配列を有する。
【0116】
第1の抗体がPD−L2に結合するより強い傾向を有する場合、抗体は、別の抗体と比較して「より高いPD−L2への結合親和性」を有すると言われる。当業者は、結合親和性を決定および表現する様々な方法および手段を知っている。本発明内で、結合親和性は、好ましくは、結合EC50として表され、これは、試料中の抗原、この場合ではPD−L2の50%が抗体によって結合される抗体濃度である。第1の抗体が第2の抗体よりも低い結合EC50を有する場合、第1の抗体は、第2の抗体よりも高い結合親和性を有すると言われる。
【0117】
より低い濃度の第1の抗体が、PD−1へのPD−L2の結合を阻害するのに十分である場合、抗体は、別の抗体と比較して「PD−1へのPD−L2の結合をより効率的に遮断する」と言われる。当業者は、遮断効率を決定および表現する様々な方法および手段を知っている。本発明内で、遮断効率は、好ましくは遮断IC50として表され、これは、PD−1へのPD−L2の結合が50%阻害される抗体濃度である。第1の抗体が第2の抗体よりも低い遮断IC50を有する場合、第1の抗体は、第2の抗体よりも高い遮断効率を有すると言われる。
【0118】
第1の抗体がT細胞によってTCR媒介性IL−2発現を誘導するより高い可能性を有する場合、抗体は、別の抗体と比較して「TCR媒介性IL−2発現のより効率的な活性化」を引き起こすと言われる。当業者は、活性化効率を決定および表現する様々な方法および手段を知っている。本発明内で、活性化効率は、好ましくは、活性化EC50として表され、これは、T細胞による最大IL−2発現の50%が観察される抗体濃度である。第1の抗体が第2の抗体よりも低い活性化EC50を有する場合、第1の抗体は、第2の抗体よりも高い活性化効率を有すると言われる。
【0119】
第1の抗体をT細胞と接触させることが、より高い総IL−2レベル、または上位IL−2レベルをもたらす場合、抗体は、別の抗体と比較して「TCR媒介性IL−2発現時のより高いIL−2レベルを誘導する」と言われる。本明細書で使用される「上位IL−2レベル」は、典型的には抗体およびT細胞を含む試料において測定される最も高いIL−2濃度を指す。当業者は、上位IL−2レベルを決定する様々な方法を知っている。本発明内で、上位IL−2レベルは、好ましくは、pg/mLで表される。第1の抗体が第2の抗体よりも高いIL−2レベルをもたらす場合、第1の抗体は、第2の抗体よりも高いTCR媒介IL−2発現時のIL−2レベルを誘導すると言われる。
【0120】
特定の実施形態では、抗体の特徴または機能的特徴は、本明細書、例えば、以下の実施例に記載されるように決定される。
【0121】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗ヒトPD−L2抗体は、キメラ抗体である。特定の実施形態では、本明細書で提供される抗ヒトPD−L2抗体は、ヒト化または完全ヒト抗体である。
【0122】
本明細書で提供される特定の実施形態は、部分的には、ヒトPD−L2に特異的に結合する、抗体1A1−C2の開発に基づく。
【0123】
したがって、配列番号2の重鎖可変領域(VH)および配列番号10の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号4のCDR−H1、(b)配列番号6のCDR−H2、(c)配列番号8のCDR−H3、および(d)配列番号12のCDR−L1、(e)配列番号14のCDR−L2、(f)配列番号16のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0124】
別の態様では、(a)配列番号2のVHおよび(b)配列番号10のVLを含む重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号2において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号2において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号2のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号10のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号10において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号10において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号10のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0125】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号2および配列番号10のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号2および配列番号10のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0126】
本明細書で提供される他の実施形態は、部分的には、抗ヒトPD−L2抗体2C4−E4の開発に基づく。
【0127】
したがって、配列番号18の重鎖可変領域(VH)および配列番号26の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号20のCDR−H1、(b)配列番号22のCDR−H2、(c)配列番号24のCDR−H3、および(d)配列番号28のCDR−L1、(e)配列番号30のCDR−L2、(f)配列番号32のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0128】
別の態様では、(a)配列番号18のVHおよび(b)配列番号26のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号18のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号18において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号18において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号18のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号26のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号26において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号26において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号26のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0129】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号18および配列番号26のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号18および配列番号26のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0130】
本明細書で提供される他の実施形態は、部分的には、ヒトPD−L2に特異的に結合する、抗体8B5−B1の開発に基づく。
【0131】
したがって、配列番号34の重鎖可変領域(VH)および配列番号42の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号36のCDR−H1、(b)配列番号38のCDR−H2、(c)配列番号40のCDR−H3、および(d)配列番号44のCDR−L1、(e)配列番号46のCDR−L2、(f)配列番号48のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0132】
別の態様では、(a)配列番号34のVHおよび(b)配列番号42のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号34のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号34において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号34において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号34のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号38のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号40のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号42のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号42において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号42において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号42のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号44のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号46のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0133】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号34および配列番号42のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号34および配列番号42のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0134】
本明細書で提供される特定の実施形態は、部分的には、ヒトPD−L2に特異的に結合する、抗体11C11−H5の開発に基づく。
【0135】
したがって、配列番号50の重鎖可変領域(VH)および配列番号58の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号52のCDR−H1、(b)配列番号54のCDR−H2、(c)配列番号56のCDR−H3、および(d)配列番号60のCDR−L1、(e)配列番号62のCDR−L2、(f)配列番号64のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0136】
別の態様では、(a)配列番号50のVHおよび(b)配列番号58のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号50のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号50において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号50において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号50のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号52のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号54のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号56のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号58のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号58において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号58において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号58のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号60のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号62のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号64のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0137】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号50および配列番号58のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号50および配列番号58のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0138】
本明細書で提供される他の実施形態は、部分的には、抗ヒトPD−L2抗体19C3−B3の開発に基づく。
【0139】
したがって、配列番号50の重鎖可変領域(VH)および配列番号66の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号52のCDR−H1、(b)配列番号54のCDR−H2、(c)配列番号56のCDR−H3、および(d)配列番号60のCDR−L1、(e)配列番号62のCDR−L2、(f)配列番号68のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0140】
別の態様では、(a)配列番号50のVHおよび(b)配列番号66のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号50のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号50において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号50において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号50のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号52のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号54のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号56のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号66のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号66において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号66において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号66のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号60のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号62のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号68のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0141】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号50および配列番号66のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号50および配列番号66のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0142】
本明細書で提供される他の実施形態は、部分的には、抗ヒトPD−L2抗体10D1−G1の開発に基づく。
【0143】
したがって、配列番号96の重鎖可変領域(VH)および配列番号104の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号98のCDR−H1、(b)配列番号100のCDR−H2、(c)配列番号102のCDR−H3、および(d)配列番号106のCDR−L1、(e)配列番号108のCDR−L2、(f)配列番号110のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0144】
別の態様では、(a)配列番号96のVHおよび(b)配列番号104のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号96のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号96において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号96において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号96のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号102のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号104のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号104において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号104において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号104のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号106のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号108のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号110のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0145】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号96および配列番号104のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号96および配列番号104のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0146】
本明細書で提供される他の実施形態は、部分的には、ヒトPD−L2に特異的に結合する、抗体7H5−C5の開発に基づく。
【0147】
したがって、配列番号112の重鎖可変領域(VH)および配列番号120の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号114のCDR−H1、(b)配列番号116のCDR−H2、(c)配列番号118のCDR−H3、および(d)配列番号122のCDR−L1、(e)配列番号124のCDR−L2、(f)配列番号126のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0148】
別の態様では、(a)配列番号112のVHおよび(b)配列番号120のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号112のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号112において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号112において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号112のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号114のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号120のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号120において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号120において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号120のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0149】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号112および配列番号120のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号112および配列番号120のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0150】
本明細書で提供される特定の実施形態は、部分的には、ヒトPD−L2に特異的に結合する、抗体9A3−C7の開発に基づく。
【0151】
したがって、配列番号128の重鎖可変領域(VH)および配列番号132の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号114のCDR−H1、(b)配列番号130のCDR−H2、(c)配列番号118のCDR−H3、および(d)配列番号134のCDR−L1、(e)配列番号136のCDR−L2、(f)配列番号138のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0152】
別の態様では、(a)配列番号128のVHおよび(b)配列番号132のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号128のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号128において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号128において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号128のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号114のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号132のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号132において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号132において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号132のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号134のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号136のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0153】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号128および配列番号132のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号128および配列番号132のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0154】
本明細書で提供される他の実施形態は、部分的には、抗ヒトPD−L2抗体10A9−D2の開発に基づく。
【0155】
したがって、配列番号140の重鎖可変領域(VH)および配列番号146の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号98のCDR−H1、(b)配列番号142のCDR−H2、(c)配列番号144のCDR−H3、および(d)配列番号106のCDR−L1、(e)配列番号148のCDR−L2、(f)配列番号150のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0156】
別の態様では、(a)配列番号140のVHおよび(b)配列番号146のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号140のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号140において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号140において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号140のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号144のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号146のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号146において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号146において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号146のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号106のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号148のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号150のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0157】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号140および配列番号146のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号140および配列番号146のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0158】
本明細書で提供される特定の実施形態は、部分的には、ヒトPD−L2に特異的に結合する、抗体19B3−B3の開発に基づく。
【0159】
したがって、配列番号152の重鎖可変領域(VH)および配列番号160の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号154のCDR−H1、(b)配列番号156のCDR−H2、(c)配列番号158のCDR−H3、および(d)配列番号162のCDR−L1、(e)配列番号30のCDR−L2、(f)配列番号164のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0160】
別の態様では、(a)配列番号152のVHおよび(b)配列番号160のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号152のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号152において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号152において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号152のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号154のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号156のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号158のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号160のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号160において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号160において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号160のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号162のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号164のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0161】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号152および配列番号160のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号152および配列番号160のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0162】
本明細書で提供される他の実施形態は、部分的には、抗ヒトPD−L2抗体12A1−D4の開発に基づく。
【0163】
したがって、配列番号166の重鎖可変領域(VH)および配列番号174の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号168のCDR−H1、(b)配列番号170のCDR−H2、(c)配列番号172のCDR−H3、および(d)配列番号176のCDR−L1、(e)配列番号178のCDR−L2、(f)配列番号180のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0164】
別の態様では、(a)配列番号166のVHおよび(b)配列番号174のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号166のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号166において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号166において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号166のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号168のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号170のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号172のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号174のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号174において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号174において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号174のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号176のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号178のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号180のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0165】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号166および配列番号174のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号166および配列番号174のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0166】
本明細書で提供される他の実施形態は、部分的には、抗ヒトPD−L2抗体10D1−G1 N31Q.N92Q.LCの開発に基づく。
【0167】
したがって、配列番号96の重鎖可変領域(VH)および配列番号212の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号98のCDR−H1、(b)配列番号100のCDR−H2、(c)配列番号102のCDR−H3、および(d)配列番号214のCDR−L1、(e)配列番号108のCDR−L2、(f)配列番号216のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0168】
別の態様では、(a)配列番号96のVHおよび(b)配列番号212のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号96のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号96において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号96において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号96のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号102のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号212のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号212において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号212において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号212のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号214のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号108のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号216のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0169】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号96および配列番号212のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号96および配列番号212のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0170】
本明細書で提供される他の実施形態は、部分的には、抗ヒトPD−L2抗体10A9−D2.N31Q.LCの開発に基づく。
【0171】
したがって、配列番号140の重鎖可変領域(VH)および配列番号218の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号98のCDR−H1、(b)配列番号142のCDR−H2、(c)配列番号144のCDR−H3、および(d)配列番号214のCDR−L1、(e)配列番号148のCDR−L2、(f)配列番号150のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0172】
別の態様では、(a)配列番号140のVHおよび(b)配列番号218のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号140のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号140において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号140において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号140のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号144のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号218のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号218において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号218において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号218のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号214のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号148のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号150のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0173】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号140および配列番号218のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号140および配列番号218のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0174】
本明細書で提供される特定の実施形態は、部分的には、ヒトPD−L2に特異的に結合する、抗体19B3−B3.M23K.M63L.HCの開発に基づく。
【0175】
したがって、配列番号220の重鎖可変領域(VH)および配列番号160の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号154のCDR−H1、(b)配列番号222のCDR−H2、(c)配列番号158のCDR−H3、および(d)配列番号162のCDR−L1、(e)配列番号30のCDR−L2、(f)配列番号164のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0176】
別の態様では、(a)配列番号220のVHおよび(b)配列番号160のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号220のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号220において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号220において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号220のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号154のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号222のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号158のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号160のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号160において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号160において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号160のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号162のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号164のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0177】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号220および配列番号160のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号220および配列番号160のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0178】
本明細書で提供される他の実施形態は、部分的には、ヒトPD−L2に特異的に結合する、抗体2−19H2の開発に基づく。
【0179】
したがって、配列番号220の重鎖可変領域(VH)および配列番号26の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号154のCDR−H1、(b)配列番号222のCDR−H2、(c)配列番号158のCDR−H3、および(d)配列番号28のCDR−L1、(e)配列番号30のCDR−L2、(f)配列番号32のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0180】
別の態様では、(a)配列番号220のVHおよび(b)配列番号26のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号220のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号220において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号220において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号220のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号154のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号222のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号158のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号26のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号26において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号26において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号26のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0181】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号220および配列番号26のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号220および配列番号26のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0182】
本明細書で提供される特定の実施形態は、部分的には、ヒトPD−L2に特異的に結合する、抗体19B3−B3.N92Q.LC.M23K.M63L.HCの開発に基づく。
【0183】
したがって、配列番号220の重鎖可変領域(VH)および配列番号226の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号154のCDR−H1、(b)配列番号222のCDR−H2、(c)配列番号158のCDR−H3、および(d)配列番号162のCDR−L1、(e)配列番号30のCDR−L2、(f)配列番号228のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0184】
別の態様では、(a)配列番号220のVHおよび(b)配列番号226のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号220のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号220において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号220において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号220のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号154のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号222のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号158のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号226のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号226において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号226において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号226のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号162のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号228のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0185】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号220および配列番号226のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号220および配列番号226のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0186】
本明細書で提供される特定の実施形態は、部分的には、ヒトPD−L2に特異的に結合する、抗体19B3−B3.N92Y.LC.M23K.M63L.HCの開発に基づく。
【0187】
したがって、配列番号220の重鎖可変領域(VH)および配列番号230の軽鎖可変領域(VL)に含まれる6つのCDR配列を含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。一実施形態では、本発明は、(a)配列番号154のCDR−H1、(b)配列番号222のCDR−H2、(c)配列番号158のCDR−H3、および(d)配列番号162のCDR−L1、(e)配列番号30のCDR−L2、(f)配列番号32のCDR−L3を含む3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0188】
別の態様では、(a)配列番号220のVHおよび(b)配列番号230のVLを含むVHおよびVLを含む、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、(a)および(b)に示される重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域のバリアントを有する抗体を提供し、バリアント配列は、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている。特定の実施形態では、配列番号220のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号220において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号220において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号220のVH配列を含む。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号154のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号222のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号158のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、配列番号230のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な相同性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、または欠失を含有するが、その配列を含む抗ヒトPD−L2抗体は、PD−L2に結合する能力を保持する。特定の実施形態では、合計1〜10個のアミノ酸が、配列番号230において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、合計1〜5個のアミノ酸が、配列番号230において置換、挿入、および/または欠失される。特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、CDRの外側の領域(すなわち、FR)で生じる。任意に、抗ヒトPD−L2抗体は、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号230のVL配列を含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号162のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0189】
別の態様では、抗ヒトPD−L2抗体が提供され、抗体は、上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVH、および上記で提供される実施形態のいずれかにおけるようなVLを含む。一実施形態では、抗体は、それらの配列の翻訳後修飾を含む、それぞれ、配列番号220および配列番号230のVHおよびVL配列を含む。別の実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、それぞれ、配列番号220および配列番号230のVHおよびVL配列を含む抗体のヒト化形態を含む。
【0190】
現在、配列描写に使用される抗体のCDR割り当ての2つの広く使用されるシステム、KabatおよびChothia CDR定義がある。上記の実施形態で使用されるKabat CDR定義(Kabat et al.,“Sequences of 20 Proteins of Immunological Interest,”National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))は、抗体配列変動性に基づく。本発明の抗体のCDRは、別段に指定されない限り、Kabatシステムを使用して定義される。Chothia CDR定義(Chothia et al.,“Canonical structures for the hypervariable regions of immunoglobulins”,Journal of Molecular Biology,196,901−917(1987)、Al−Lazikani et al.,“Standard conformations for the canonical structures of immunoglobulins”,Journal of Molecular Biology,273(4),927−948(1997))は、抗体の三次元構造およびCDRループのトポロジーに基づく。Chothia CDR定義は、CDR−H1およびCDR−H2を除いて、Kabat CDR定義と同一である。Chothiaらは、Kabat CDR内の特定のサブ部分が、アミノ酸配列のレベルで大きな多様性を有するにもかかわらず、ほぼ同一のペプチド骨格立体構造をとることを発見した。これらのサブ部分は、L1、L2、およびL3またはH1、H2、およびH3として示され、「L」および「H」は、それぞれ軽鎖および重鎖領域を示す。これらの領域は、Kabat CDRと重複する境界を有する、Chothia CDRと呼ばれ得る。表1は、Kabatの残基ナンバリングシステムによるChothiaおよびKabat CDRの重複を示す。
【0191】
したがって、以下の代替実施形態では、本発明の抗体のCDRは、Chothia定義のCDRループである。
【0192】
一実施形態では、本発明は、(a)配列番号69のCDR−H1、(b)配列番号70のCDR−H2、(c)配列番号71のCDR−H3、および(d)配列番号81のCDR−L1、(e)配列番号82のCDR−L2、(f)配列番号83のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体1A1−C2を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0193】
別の実施形態では、本発明は、(a)配列番号72のCDR−H1、(b)配列番号73のCDR−H2、(c)配列番号74のCDR−H3、および(d)配列番号84のCDR−L1、(e)配列番号85のCDR−L2、(f)配列番号86のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体2C4−E4を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0194】
さらなる実施形態では、本発明は、(a)配列番号75のCDR−H1、(b)配列番号76のCDR−H2、(c)配列番号77のCDR−H3、および(d)配列番号87のCDR−L1、(e)配列番号88のCDR−L2、(f)配列番号89のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体8B5−B1を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0195】
さらに別の実施形態では、本発明は、(a)配列番号78のCDR−H1、(b)配列番号79のCDR−H2、(c)配列番号80のCDR−H3、および(d)配列番号90のCDR−L1、(e)配列番号91のCDR−L2、(f)配列番号92のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体11C11−H5を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0196】
本発明は、(a)配列番号78のCDR−H1、(b)配列番号79のCDR−H2、(c)配列番号80のCDR−H3、および(d)配列番号90のCDR−L1、(e)配列番号91のCDR−L2、(f)配列番号93のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体19C3−B3をさらに提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0197】
別の実施形態では、本発明は、(a)配列番号181のCDR−H1、(b)配列番号182のCDR−H2、(c)配列番号183のCDR−H3、および(d)配列番号194のCDR−L1、(e)配列番号195のCDR−L2、(f)配列番号196のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体10D1−G1を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0198】
さらなる実施形態では、本発明は、(a)配列番号184のCDR−H1、(b)配列番号185のCDR−H2、(c)配列番号186のCDR−H3、および(d)配列番号197のCDR−L1、(e)配列番号198のCDR−L2、(f)配列番号199のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体7H5−C5を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0199】
さらに別の実施形態では、本発明は、(a)配列番号184のCDR−H1、(b)配列番号185のCDR−H2、(c)配列番号186のCDR−H3、および(d)配列番号200のCDR−L1、(e)配列番号201のCDR−L2、(f)配列番号202のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体9A3−C7を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0200】
本発明は、(a)配列番号181のCDR−H1、(b)配列番号187のCDR−H2、(c)配列番号188のCDR−H3、および(d)配列番号194のCDR−L1、(e)配列番号203のCDR−L2、(f)配列番号204のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体10A9−D2をさらに提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0201】
さらに別の実施形態では、本発明は、(a)配列番号189のCDR−H1、(b)配列番号190のCDR−H2、(c)配列番号191のCDR−H3、および(d)配列番号205のCDR−L1、(e)配列番号85のCDR−L2、(f)配列番号206のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体19B3−B3を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0202】
本発明は、(a)配列番号181のCDR−H1、(b)配列番号192のCDR−H2、(c)配列番号193のCDR−H3、および(d)配列番号207のCDR−L1、(e)配列番号208のCDR−L2、(f)配列番号209のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体12A1−D4をさらに提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0203】
別の実施形態では、本発明は、(a)配列番号181のCDR−H1、(b)配列番号182のCDR−H2、(c)配列番号183のCDR−H3、および(d)配列番号223のCDR−L1、(e)配列番号195のCDR−L2、(f)配列番号224のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体10D1−G1 N31Q.N92Q.LCを提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0204】
本発明は、(a)配列番号181のCDR−H1、(b)配列番号187のCDR−H2、(c)配列番号188のCDR−H3、および(d)配列番号222のCDR−L1、(e)配列番号203のCDR−L2、(f)配列番号204のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体10A9−D2 N31Q.LCをさらに提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0205】
さらに別の実施形態では、本発明は、(a)配列番号189のCDR−H1、(b)配列番号190のCDR−H2、(c)配列番号191のCDR−H3、および(d)配列番号205のCDR−L1、(e)配列番号85のCDR−L2、(f)配列番号206のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体19B3−B3 M23K.M63L.HCを提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0206】
別の実施形態では、本発明は、(a)配列番号189のCDR−H1、(b)配列番号190のCDR−H2、(c)配列番号191のCDR−H3、および(d)配列番号84のCDR−L1、(e)配列番号85のCDR−L2、(f)配列番号86のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体2−19H2を提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0207】
さらに別の実施形態では、本発明は、(a)配列番号189のCDR−H1、(b)配列番号190のCDR−H2、(c)配列番号191のCDR−H3、および(d)配列番号205のCDR−L1、(e)配列番号85のCDR−L2、(f)配列番号231のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体19B3−B3 N92Q.LC.M23K.M63L.HCを提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0208】
さらに別の実施形態では、本発明は、(a)配列番号189のCDR−H1、(b)配列番号190のCDR−H2、(c)配列番号191のCDR−H3、および(d)配列番号205のCDR−L1、(e)配列番号85のCDR−L2、(f)配列番号86のCDR−L3を含むChothia CDR定義による3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む、抗ヒト抗体19B3−B3 N92Y.LC.M23K.M63L.HCを提供する。特定の実施形態では、本発明は、特に本明細書で定義される保存的置換において、(a)〜(f)から選択されるCDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体を提供する。
【0209】
本発明のさらなる態様では、上記実施形態のいずれかによる抗ヒトPD−L2抗体は、ヒト抗体を含む、モノクローナル抗体である。一実施形態では、抗抗ヒトPD−L2抗体は、抗体断片、例えば、Fv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ、またはF(ab’)2断片である。別の実施形態では、抗体は、実質的に完全長の抗体、例えば、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3またはIgG4アイソタイプである。特定の実施形態では、抗体は、IgG1抗体である。
【0210】
さらなる態様では、上記の実施形態のいずれかによる抗ヒトPD−L2抗体は、以下に記載されるように、単独でまたは組み合わせて、特徴のいずれかを組み込み得る。
【0211】
特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体のアミノ酸配列バリアントが企図される。例えば、抗体の結合親和性および/または他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。抗体のアミノ酸配列バリアントは、抗体をコードするヌクレオチド配列に適切な修飾を導入することによって、またはペプチド合成によって調製され得る。そのような修飾は、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基からの欠失、および/またはそれへの挿入、および/またはその置換を含む。最終構築物が所望の特徴、例えば、抗原結合を有することを条件として、削除、挿入、および置換の任意の組み合わせを行って、最終構築物に到達することができる。
【0212】
特定の実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換を有する抗体バリアントが提供される。置換突然変異誘発についての目的の部位は、CDRおよびFRを含む。保存的置換は、「好ましい置換」の見出し下の表2に示される。より実質的な変更は、「例示的置換」の見出し下の表2に提供され、アミノ酸側鎖クラスに関して以下でさらに記載される。アミノ酸置換は、目的の抗体に導入され得、生成物は、所望の活性、例えば、保持された/改善された抗原結合、低下した免疫原性、または改善されたADCCもしくはCDCについてスクリーニングされ得る。
【0213】
アミノ酸は、一般的な側鎖特性:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖配向に影響を与える残基:Gly、Pro;
(6)芳香族:Trp、Tyr、Pheに従って群化され得る。
【0214】
非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーを別のクラスと交換することを伴うであろう。
【0215】
置換バリアントの1つのタイプは、親抗体(例えば、ヒト化またはヒト抗体)の1つ以上の超可変領域残基を置換することを含む。一般に、さらなる研究のために選択される得られたバリアント(複数可)は、親抗体と比較して特定の生物学的特性における修飾(例えば、改善)(例えば、増加した親和性、低減した免疫原性)を有し、かつ/または親抗体の実質的に保持された特定の生物学的特性を有するであろう。例示的な置換バリアントは、親和性成熟抗体であり、これは、例えば、本明細書に記載されるものなどのファージディスプレイベースの親和性成熟技法を使用して、便利に生成され得る。簡潔に、1つ以上のCDR残基は、突然変異され、バリアント抗体は、ファージ上にディスプレイされ、特定の生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングされる。
【0216】
変更(例えば、置換)は、例えば、抗体親和性を改善するために、CDRにおいて行われ得る。そのような変更は、CDR「ホットスポット」、すなわち、体細胞成熟プロセス(例えば、Chowdhury,Methods Mol.Biol.207:179−196(2008)を参照されたい)中に高頻度で突然変異を受けるコドンによってコードされる残基、および/またはSDR(a−CDR)において行われ得、得られるバリアントVHまたはVLは、結合親和性について試験される。二次ライブラリーからの構築および再選択による親和性成熟は、例えば、Hoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1−37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,(2001))に記載される。親和性成熟のいくつかの実施形態では、多様性は、様々な方法(例えば、エラーが発生しやすいPCR、鎖シャッフリング、またはオリゴヌクレオチド指向性突然変異誘発)のいずれかによって成熟のために選択される可変遺伝子に導入される。二次ライブラリーが次いで作製される。ライブラリーが次いでスクリーニングされて、望ましい親和性を有する任意の抗体バリアントを特定する。多様性を導入する別の方法は、いくつかのCDR残基(例えば、1回に4〜6個の残基)がランダム化される、CDR指向性アプローチを含む。抗原結合に関与するCDR残基は、例えば、アラニンスキャニング突然変異誘発またはモデリングを使用して、特異的に特定され得る。特にCDR H3およびCDR−L3が多くの場合標的とされる。
【0217】
特定の実施形態では、置換、挿入、または欠失は、そのような変更が、抗原に結合する抗体の能力を実質的に低減させない限り、1つ以上のCDR内で起こり得る。例えば、結合親和性を実質的に低減させない保存的変更(例えば、本明細書で提供される保存的置換)は、CDRにおいて行われ得る。そのような変更は、CDR「ホットスポット」またはSDRの外部にあり得る。上記で提供されるバリアントVHおよびVL配列の特定の実施形態では、各CDRは、変更されていないか、または1、2、もしくは3つ以下のアミノ酸置換を含有する。
【0218】
突然変異誘発について標的化され得る抗体の残基または領域の特定のための有用な方法は、Cunningham and Wells(1989)Science,244:1081−1085によって記載されるように「アラニンスキャニング突然変異誘発」と呼ばれる。この方法では、標的残基の残基または基(例えば、arg、asp、his、lys、およびgluなどの荷電残基)が特定され、抗体と抗原との相互作用が影響を受けるかを決定するために、中性または負荷電アミノ酸(例えば、アラニンまたはポリアラニン)によって置き換えられる。さらなる置換は、アミノ酸位置で導入され、初期置換に対する機能的感受性を示し得る。代替的に、または追加的に、抗体と抗原との間の接触点を特定するために、抗原−抗体複合体の結晶構造が使用される。そのような接触残基および隣接残基は、置換の候補として標的化または排除され得る。バリアントは、それらが所望の特性を含有するかを決定するためにスクリーニングされ得る。
【0219】
アミノ酸配列挿入は、長さが1個の残基から100個以上の残基を含有するポリペプチドまでの範囲のアミノ末端および/またはカルボキシル末端融合、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入を含む。末端挿入の例は、N末端メチオニル残基を有する抗体を含む。抗体分子の他の挿入バリアントは、抗体の血清半減期を増加させる酵素(例えば、ADEPTの場合)またはポリペプチドに対する抗体のN末端またはC末端への融合を含む。
【0220】
特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体は、抗体がグリコシル化される程度を増加または減少させるように変更される。抗体へのグリコシル化部位の付加または欠失は、1つ以上のグリコシル化部位が作製または除去されるように、アミノ酸配列を変更することによって便利に達成され得る。
【0221】
抗体がFc領域を含む場合、それに結合した炭水化物は、変更され得る。哺乳動物細胞によって産生されるネイティブ抗体は、典型的には、Fc領域のCH2ドメインのAsn297へのN結合によって一般的に結合される分岐、二分岐オリゴ糖を含む。例えば、Wright et al.TIBTECH 15:26−32(1997)を参照されたい。オリゴ糖は、様々な炭水化物、例えば、マンノース、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、およびシアル酸、ならびに二分岐オリゴ糖構造の「ステム」においてGlcNAcに結合したフコースを含み得る。いくつかの実施形態では、本発明の抗体におけるオリゴ糖の修飾は、特定の改善された特性を有する抗体バリアントを作製するために行われ得る。
【0222】
一実施形態では、Fe領域に(直接的または間接的に)結合したフコースを欠く炭水化物構造を有する抗体バリアントが提供される。例えば、そのような抗体におけるフコースの量は、1%〜80%、1%〜65%、5%〜65%、または20%〜40%であり得る。フコースの量は、例えば、WO2008/077546に記載されるように、MALDI−TOF質量分析法によって測定されるAsn297に結合した全ての糖構造(例えば、複合体、ハイブリッド、および高マンノース構造)の合計と比較して、Asn297の糖鎖内のフコースの平均量を計算することによって決定される。Asn297は、Fc領域における約297位に位置するアスパラギン残基を指すが(Fe領域残基のEuナンバリング)、Asn297はまた、抗体における小さな配列変動のために、297位の約±3アミノ酸上流または下流、すなわち、294位〜300位に位置し得る。そのようなフコシル化バリアントは、改善されたADCC機能を有し得る。例えば、米国特許公開第US2003/0157108号(Presta,L.)、同第US2004/0093621号(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)を参照されたい。「脱フコシル化」または「フコース欠損」抗体バリアントに関する刊行物の例には、US2003/0157108、WO2000/61739、WO2001/29246、US2003/0115614、US2002/0164328、US2004/0093621、US2004/0132140、US2004/0110704、US2004/0110282、US2004/0109865、WO2003/085119、WO2003/084570、WO2005/035586、WO2005/035778、W02005/053742、W02002/031140、Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239−1249(2004)、Yamane−Ohnuki et al.Biotechnol.Bioeng.87:614(2004)が挙げられる。脱フコシル化抗体を産生することができる細胞株の例は、タンパク質フコシル化が欠損したLec13 CHO細胞(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533−545(1986)、米国特許出願第US2003/0157108号Al,Presta,L、およびWO2004/056312 Al,Adams et al.、特に実施例11)、およびアルファ−1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞などのノックアウト細胞株(例えば、Yamane−Ohnuki et al.Biotechnol.Bioeng.87:614(2004)、Kanda et al.,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680−688(2006)、およびW02003/085l07を参照されたい)を含む。
【0223】
例えば、抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖がGlcNAcによって二分される、二分オリゴ糖を有する抗体バリアントがさらに提供される。そのような抗体バリアントは、低減されたフコシル化および/または改善されたADCC機能を有し得る。そのような抗体バリアントの例は、例えば、WO2003/011878(Jean−Mairet et al.)、米国特許第6,602,684号(Umana et al.)、およびUS2005/0123546(Umana et al.)に記載される。Fc領域に結合したオリゴ糖に少なくとも1つのガラクトース残基を有する抗体バリアントも提供される。そのような抗体バリアントは、改善されたCDC機能を有し得る。そのような抗体バリアントは、例えば、WO1997/30087(Patel et al.)、WO1998/58964(Raju,S.)、およびWO1999/22764(Raju,S.)に記載される。
【0224】
特定の実施形態では、1つ以上のアミノ酸修飾は、本明細書で提供される抗体のFc領域に導入され、それによってFc領域バリアントを生成し得る。Fc領域バリアントは、1つ以上のアミノ酸位置にアミノ酸修飾(例えば、置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4 Fc領域)を含み得る。
【0225】
特定の実施形態では、本発明は、全てではないがいくつかのエフェクター機能を有する抗体バリアントを企図し、これは、インビボでの抗体の半減期が重要であるが、特定のエフェクター機能(補体およびADCCなど)が不必要または有害である、用途のための望ましい候補となる。インビトロおよび/またはインビボ細胞毒性アッセイは、CDCおよび/またはADCC活性の低減/枯渇を確認するために、実施することができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイは、抗体がFcyR結合を欠く(よって、ADCC活性を欠く可能性が高い)が、FcRn結合能力を保持することを確実にするために、実施することができる。ADCCを媒介するための一次細胞、NK細胞は、Fc(RIIIのみを発現するが、単球は、Fc(RI、Fc(RII、およびFc(RIIIを発現する。造血細胞上でのFcR発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457−492(1991)の464ページの表3に要約される。目的の分子のADCC活性を評価するインビトロアッセイの非限定的な例は、米国特許第5,500,362号(例えば、Hellstrom,I.et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 83:7059−7063(1986)およびHellstrom,I et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 82:1499−1502(1985)を参照されたい)、同第5,821,337号(Bruggemann,M.et al.,J.Exp.Med.166:1351−1361(1987)を参照されたい)に記載される。
【0226】
代替的に、非放射性アッセイ法が採用され得る(例えば、フローサイトメトリー用のACTI(商標)非放射性細胞毒性アッセイ(CellTechnology,Inc.Mountain View、CA、およびCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞毒性アッセイ(Promega、Madison、WI)を参照されたい)。そのようなアッセイに有用なエフェクター細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞を含む。
【0227】
代替的に、または追加的に、目的の分子のADCC活性は、例えば、 Clynes et al.Proc.Nat’l Acad.sci.USA 95:652−656(1998)に開示されるものなどの動物モデルにおいて、インビボで評価され得る。
【0228】
C1q結合アッセイはまた、抗体がClqに結合することができず、よってCDC活性を欠くことを確認するために、実施され得る。例えば、WO2006/029879およびWO2005/100402におけるClqおよびC3c結合ELISAを参照されたい。補体活性化を評価するために、CDCアッセイが行われ得る(例えば、Gazzano−Santoro et al.,J.Immunol.Methods 202:163(1996)、Cragg,M.S.et al.,Blood 101:1045−1052(2003)、およびCragg,M.S.and M.J.Glennie,Blood 103:2738−2743(2004)を参照されたい)。FcRn結合およびインビボクリアランス/半減期決定はまた、当該技術分野で知られる方法を使用して行うことができる(例えば、Petkova,S.B.et al.,Int’l.Immunol.18(12):1759−1769(2006)を参照されたい)。
【0229】
低減したエフェクター機能を有する抗体は、Fc領域残基238、265、269、270、297、327、および329のうちの1つ以上の置換を有するものを含む(米国特許第6,737,056号)。そのようなFc突然変異体は、アラニンへの残基265および297の置換を有するいわゆる「DANA」Fc突然変異体を含む、アミノ酸位置265、269、270、297、および327のうちの2つ以上での置換を有するFc突然変異体を含む(米国特許第7,332,581号)。
【0230】
FcRへの改善されたまたは低下された結合を有する特定の抗体バリアントが記載される。(例えば、米国特許第6,737,056号、WO2004/056312、およびShields et al.,J.Biol.Chem.9(2):6591−6604(2001)を参照されたい。)
【0231】
特定の実施形態では、抗体バリアントは、ADCCを改善する1つ以上のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の298位、333位、および/または334位での置換(残基のEUナンバリング)を有するFc領域を含む。
【0232】
いくつかの実施形態では、例えば、米国特許第6,194,551号、WO99/51642、およびIdusogie et al.J.Immunol.164:4178−4184(2000)に記載されるように、変更は、Fc領域において行われ、変更された(すなわち、改善または低下された)C1q結合および/または補体依存性細胞毒性(CDC)をもたらす。
【0233】
母体IgGの胎児への移行に関与する(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)およびKirn et al.,J.Immunol.24:249(1994))、増加した半減期および新生児Fc受容体(FcRn)への改善した結合を有する抗体は、US2005/0014934A1(Hinton et al.)に記載される。それらの抗体は、その中に1つ以上の置換を有するFc領域を含み、これは、FcRnへのFc領域の結合を改善する。そのようなFcバリアントは、Fc領域残基:238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424、または434のうちの1つ以上での置換が、例えば、Fc領域残基434の置換を有するものを含む(米国特許第7,371,826号)。
【0234】
Fc領域バリアントの他の例に関して、Duncan&Winter,Nature 322:738−40(1988)、米国特許第5,648,260号、米国特許第5,624,821号、およびWO94/29351も参照されたい。
【0235】
特定の実施形態では、抗体の1つ以上の残基がシステイン残基で置換されている、システイン操作抗体、例えば、「チオMAb」を作製することが望ましい場合がある。特定の実施形態では、置換された残基は、抗体のアクセス可能な部位に存在する。特定の実施形態では、以下の残基:軽鎖のV205(Kabatナンバリング)、重鎖のA118(EUナンバリング)、および重鎖Fc領域のS400(EUナンバリング)のいずれか1つ以上は、システインで置換され得る。システイン操作抗体は、例えば、米国特許第7,521,541号に記載されるように生成され得る。
【0236】
特定の実施形態では、本明細書で提供される抗体は、当該技術分野で知られており、容易に入手可能である、追加の非タンパク質性部分を含有するようにさらに修飾され得る。抗体の誘導体化に適した部分は、水溶性ポリマーを含むが、これに限定されない。水溶性ポリマーの非限定的な例は、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーまたはランダムコポリマーのいずれか)、およびデキストランまたはポリ(nビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、酸化プロピレン/酸化エチレンコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、ならびにそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中でのその安定性のため、製造において利点を有し得る。ポリマーは、任意の分子量であってよく、分岐または非分岐であってよい。抗体に結合したポリマーの数は異なってよく、複数のポリマーが結合している場合、それらは同じまたは異なる分子であり得る。一般に、誘導体化に使用されるポリマーの数および/またはタイプは、これらに限定されないが、改善される抗体の特定の特性または機能、抗体誘導体が療法において定義された条件下で使用されるか、などを含む、考慮事項に基づいて決定することができる。
【0237】
別の実施形態では、放射線への曝露によって選択的に加熱され得る、抗体および非タンパク質性部分のコンジュゲートが提供される。一実施形態では、非タンパク質性部分は、カーボンナノチューブである(Kam et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102:11600−11605(2005))。放射線は、任意の波長のものでよく、通常の細胞に害を及ぼさないが、非タンパク質性部分を抗体非タンパク質性部分の近位の細胞が殺滅される温度まで加熱する波長を含むが、これに限定されない。
【0238】
一実施形態では、本発明の抗体、または抗原結合部分は、単一特異性、二重特異性、三重特異性、または多重特異性抗原結合分子である。
【0239】
二重特異性抗体は、例えば、多価一本鎖抗体、ダイアボディ、およびトリアボディ、ならびにさらなる抗原結合部位(例えば、一本鎖Fv、VHドメインおよび/もしくはVLドメイン、Fab、または(Fab)
2)が、1つ以上のペプチドリンカーを介して結合される完全長抗体の定常ドメイン構造を有する抗体を含む。抗体は、単一の種からの完全長であるか、またはキメラ化もしくはヒト化であり得る。3つ以上の抗原結合部位を有する抗体について、いくつかの結合部位は、タンパク質が2つの異なる抗原のための結合部位を有する限り、同一であり得る。すなわち、第1の結合部位は、ヒトPD−L2に特異的であるが、第2の結合部位は、異なる抗原に特異的である。特定の実施形態では、第2の結合部位は、腫瘍細胞特異的抗原、ウイルス感染細胞に特異的な抗原、およびT細胞共阻害剤の群から選択される抗原に特異的に結合する。好ましい実施形態では、第2の結合部位は、ヒトPD−L1に特異的に結合する。
【0240】
一実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、本発明の抗体または抗原結合部分のいずれかと同じエピトープに結合し、かつ/または同じエピトープについて競合する。
【0241】
本明細書で使用される「エピトープ」という用語は、抗体の抗体組み合わせ部位によって特異的に結合した、抗原分子(例えば、ペプチド)の部分または領域を指す。エピトープは、典型的には、少なくとも3個、より一般的には、少なくとも5個または8〜10個の残基(例えば、アミノ酸またはヌクレオチド)を含む。典型的には、エピトープはまた、長さが20個未満の残基(例えば、アミノ酸またはヌクレオチド)、例えば、15個未満の残基または12個未満の残基である。ここで、「エピトープ」という用語は、連続するアミノ酸が抗体によって認識される線状エピトープ、および抗体が適切な配置または立体構造をとる程度にアミノ酸を認識する立体構造エピトープの両方を包含する。結果として、いくつかのエピトープでは、立体構造(三次元構造)は、アミノ酸配列(一次構造)と同じくらい重要である。
【0242】
抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号に記載されるように、組換え方法および組成物を使用して産生され得る。一実施形態では、本明細書に記載される抗ヒトPD−L2抗体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子が提供される。
【0243】
したがって、一実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体1A1−C2をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号3のCDR−H1、(b)配列番号5のCDR−H2、(c)配列番号7のCDR−H3、および(d)配列番号11のCDR−L1、(e)配列番号13のCDR−L2、(f)配列番号15のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号1のVHおよび(b)配列番号9のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0244】
別の実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体2C4−E4をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号19のCDR−H1、(b)配列番号21のCDR−H2、(c)配列番号23のCDR−H3、および(d)配列番号27のCDR−L1、(e)配列番号29のCDR−L2、(f)配列番号31のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号17のVHおよび(b)配列番号25のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0245】
さらに別の実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体8B5−B1をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号35のCDR−H1、(b)配列番号37のCDR−H2、(c)配列番号39のCDR−H3、および(d)配列番号43のCDR−L1、(e)配列番号45のCDR−L2、(f)配列番号47のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号33のVHおよび(b)配列番号41のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号39のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号43のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0246】
さらなる実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体11C11−H5をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号51のCDR−H1、(b)配列番号53のCDR−H2、(c)配列番号55のCDR−H3、および(d)配列番号59のCDR−L1、(e)配列番号61のCDR−L2、(f)配列番号63のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号49のVHおよび(b)配列番号57のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号51のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号53のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号55のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号59のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号61のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号63のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0247】
別の実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体19C3−B3をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号51のCDR−H1、(b)配列番号53のCDR−H2、(c)配列番号55のCDR−H3、および(d)配列番号59のCDR−L1、(e)配列番号61のCDR−L2、(f)配列番号67のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号49のVHおよび(b)配列番号65のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号51のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号53のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号55のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号59のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号61のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号67のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0248】
別の実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体10D1−G1をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号97のCDR−H1、(b)配列番号99のCDR−H2、(c)配列番号101のCDR−H3、および(d)配列番号105のCDR−L1、(e)配列番号107のCDR−L2、(f)配列番号109のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号95のVHおよび(b)配列番号103のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号101のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号105のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号107のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号109のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0249】
さらに別の実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体7H5−C5をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号113のCDR−H1、(b)配列番号115のCDR−H2、(c)配列番号117のCDR−H3、および(d)配列番号121のCDR−L1、(e)配列番号123のCDR−L2、(f)配列番号125のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号111のVHおよび(b)配列番号119のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号113のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号115のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0250】
さらなる実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体9A3−C7をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号113のCDR−H1、(b)配列番号129のCDR−H2、(c)配列番号117のCDR−H3、および(d)配列番号133のCDR−L1、(e)配列番号135のCDR−L2、(f)配列番号137のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号127のVHおよび(b)配列番号131のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号113のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号133のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号135のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0251】
別の実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体10A9−D2をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号97のCDR−H1、(b)配列番号141のCDR−H2、(c)配列番号143のCDR−H3、および(d)配列番号105のCDR−L1、(e)配列番号147のCDR−L2、(f)配列番号149のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号139のVHおよび(b)配列番号145のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号143のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号105のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号147のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号149のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0252】
さらなる実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体19B3−B3をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号153のCDR−H1、(b)配列番号155のCDR−H2、(c)配列番号157のCDR−H3、および(d)配列番号161のCDR−L1、(e)配列番号29のCDR−L2、(f)配列番号163のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号151のVHおよび(b)配列番号159のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号153のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号155のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号157のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号161のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号163のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0253】
別の実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体12A1−D4をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号167のCDR−H1、(b)配列番号169のCDR−H2、(c)配列番号171のCDR−H3、および(d)配列番号175のCDR−L1、(e)配列番号177のCDR−L2、(f)配列番号179のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号165のVHおよび(b)配列番号173のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号167のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号169のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号171のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号175のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号177のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号179のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0254】
別の実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体10D1−G1 N31Q.N92Q.LCをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号97のCDR−H1、(b)配列番号99のCDR−H2、(c)配列番号101のCDR−H3、および(d)配列番号213のCDR−L1、(e)配列番号107のCDR−L2、(f)配列番号215のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号95のVHおよび(b)配列番号211のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号101のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号213のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号107のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号215のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0255】
別の実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体10A9−D2 N31Q.LCをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号97のCDR−H1、(b)配列番号141のCDR−H2、(c)配列番号143のCDR−H3、および(d)配列番号213のCDR−L1、(e)配列番号147のCDR−L2、(f)配列番号149のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号139のVHおよび(b)配列番号217のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号143のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号213のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号147のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号149のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0256】
さらなる実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体19B3−B3 M23K.M63L.HCをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号153のCDR−H1、(b)配列番号221のCDR−H2、(c)配列番号157のCDR−H3、および(d)配列番号161のCDR−L1、(e)配列番号29のCDR−L2、(f)配列番号163のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号219のVHおよび(b)配列番号159のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号153のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号221のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号157のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号161のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号163のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0257】
さらなる実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体2−H192をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号153のCDR−H1、(b)配列番号221のCDR−H2、(c)配列番号157のCDR−H3、および(d)配列番号27のCDR−L1、(e)配列番号29のCDR−L2、(f)配列番号31のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号219のVHおよび(b)配列番号25のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号153のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号221のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号157のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0258】
さらなる実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体19B3−B3 N92Q.LC.M23K.M63L.HCをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号153のCDR−H1、(b)配列番号221のCDR−H2、(c)配列番号157のCDR−H3、および(d)配列番号161のCDR−L1、(e)配列番号29のCDR−L2、(f)配列番号227のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号219のVHおよび(b)配列番号225のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号153のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号221のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号157のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号161のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号227のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0259】
さらなる実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体19B3−B3 M23K.M63L.HCをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供し、核酸分子は、(a)配列番号153のCDR−H1、(b)配列番号221のCDR−H2、(c)配列番号157のCDR−H3、および(d)配列番号161のCDR−L1、(e)配列番号29のCDR−L2、(f)配列番号31のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。別の態様では、(a)配列番号219のVHおよび(b)配列番号229のVLを含むVHおよびVLを含む、核酸分子が提供される。特定の実施形態では、VHは、(a)配列番号153のアミノ酸配列を含むCDR−H1、(b)配列番号221のアミノ酸配列を含むCDR−H2、および(c)配列番号157のアミノ酸配列を含むCDR−H3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。特定の実施形態では、VLは、(a)配列番号161のアミノ酸配列を含むCDR−L1、(b)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR−L2、および(c)配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR−L3から選択される1、2、または3つのCDRを含む。
【0260】
さらなる実施形態では、本発明は、上記で提供されるそのような核酸配列を含む1つ以上のベクター(例えば、発現ベクター)に関する。さらなる実施形態では、そのような核酸を含む細胞が提供される。そのような一実施形態では、細胞は、(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列および抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、または(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第1のベクターおよび抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第2のベクターを含む(例えば、これで形質転換されている)。一実施形態では、宿主細胞は、真核生物、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはリンパ系細胞(例えば、YO、NS0、Sp20)である。一実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体を作製する方法が提供され、方法は、抗体の発現に適した条件下で、上記で提供される、抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を培養することと、任意に宿主細胞(または宿主細胞培養培地)から抗体を回収することと、を含む。
【0261】
抗ヒトPD−L2抗体の組換え産生のために、例えば、上記のような、抗体をコードする核酸が単離され、宿主細胞におけるさらなるクローニングおよび/または発現のために1つ以上のベクターに挿入される。そのような核酸は、従来の手順を使用して(例えば、抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)容易に単離および配列決定され得る。
【0262】
抗体をコードするベクターのクローニングまたは発現に適した宿主細胞は、本明細書に記載される原核または真核細胞を含む。例えば、特にグリコシル化およびFcエフェクター機能が必要とされない場合、抗体は細菌において産生され得る。細菌における抗体断片およびポリペプチドの発現については、例えば、米国特許第5,648,237号、同第5,789,199号、および同第5,840,523号を参照されたい。(E.coliにおける抗体断片の発現について記載する、Charlton,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ,2003),pp.245−254も参照されたい。)発現後、抗体は、可溶性画分として細菌細胞ペーストから単離され得、さらに精製することができる。
【0263】
原核生物に加えて、糸状真菌または酵母などの真核微生物は、そのグリコシル化経路が、「ヒト化」されており、部分的または完全なヒトグリコシル化パターンを有する抗体の産生をもたらす、真菌および酵素を含む、抗体をコードするベクターに適したクローニングまたは発現宿主である。Gerngross,Nat.Biotech.22:1409−1414(2004)、およびLi et al.,Nat.Biotech.24:210−215(2006)を参照されたい。
【0264】
グリコシル化抗体の発現に適した宿主細胞はまた、多細胞生物(無脊椎動物および脊椎動物)に由来する。無脊椎動物細胞の例は、植物および昆虫細胞を含む。特にスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞のトランスフェクションのために、昆虫細胞と共に使用され得る多数のバキュロウイルス株が特定されている。
【0265】
植物細胞培養はまた、宿主として利用することができる。例えば、米国特許第5,959,177号、同第6,040,498号、同第6,420,548号、同第7,125,978号、および同第6,417,429号(トランスジェニック植物において抗体を産生するためのPLANTIBODIES(商標)技術について記載)を参照されたい。
【0266】
脊椎動物細胞はまた、宿主として使用され得る。例えば、懸濁液中で成長するように適合される哺乳動物細胞株が有用であり得る。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40(COS−7)によって形質転換されたマカク腎臓CVl株;ヒト胚性腎臓株(例えば、Graham et al.,J.Gen Viral.36:59(1977)に記載される、293または293細胞);ベビーハムスター腎細胞(BHK);マウスセルトリ細胞(例えば、Mather,Biol.Reprod.23:243−251(1980)に記載されるTM4細胞);マカク腎臓細胞(CVl);アフリカミドリザル腎臓細胞(VER0−76);ヒト子宮頸癌細胞(HELA);イヌ腎臓細胞(MDCK);バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A);ヒト肺細胞(Wl38);ヒト肝臓細胞(Hep G2);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562);例えば、Mather et al.,Annals N.Y Aead.Sei.383:44−68(1982)に記載される、TRI細胞;MRC 5細胞;およびFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株は、DHFR CHO細胞を含む、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.cii.USA 77:4216(1980))、ならびにYO、NSO、およびSp2/0などの骨髄腫細胞株を含む。抗体産生に適した特定の哺乳動物宿主細胞株の概説については、例えば、Yazaki and Wu,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ),pp.255−268(2003)を参照されたい。
【0267】
本明細書で提供される抗PD−L2抗体は、当該技術分野で知られる様々なアッセイによって、それらの物理的/化学的特性および/または生物学的活性について、特定、スクリーニング、または特徴分析され得る。
【0268】
一態様では、本発明の抗体は、例えば、ELISA、BIACore(登録商標)、FACS、免疫蛍光、または免疫組織化学などの既知の方法によって、その抗原結合活性について試験される。
【0269】
別の態様では、競合アッセイは、PD−L2への結合について本明細書に記載される抗体のいずれかと競合する抗体を特定するために使用され得る。特定の実施形態では、そのような競合する抗体は、本明細書に記載される抗体によって結合される同じエピトープ(例えば、線状または立体構造エピトープ)に結合する。抗体が結合するエピトープをマッピングするための詳細な例示的な方法は、Morris(1996)“Epitope Mapping Protocols,”in Methods in Molecular Biology vol.66(Humana Press,Totowa,NJ)に提供される。
【0270】
例示的な競合アッセイでは、固定化PD−L2は、PD−L2に結合する第1の標識抗体(例えば、本明細書に記載される抗体のいずれか)と、PD−L2への結合について第1の抗体と競合するその能力について試験されている第2の非標識抗体とを含む溶液中でインキュベートされる。対照として、固定化PD−L2は、第1の標識抗体を含むが、第2の非標識抗体を含まない溶液中でインキュベートされる。PD−L2への第1の抗体の結合を許容する条件下でのインキュベーション後、過剰な非結合抗体が除去され、固定化PD−L2と関連したラベルの量が測定される。固定化PD−L2と関連したラベルの量が、対照試料と比較して試験試料において実質的に低減する場合、それは、第2の抗体が、PD−L2への結合について第1の抗体と競合していることを示す。Harlow and Lane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual ch.14(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY)を参照されたい。
【0271】
特定の実施形態では、本明細書で提供される抗ヒトPD−L2抗体のいずれかは、生体試料中のPD−L2の存在を検出するために有用である。本明細書で使用される「検出」という用語は、定量的または定性的検出を包含する。「生体試料」は、例えば、細胞または組織(例えば、リンパ球、リンパ芽球、単球、骨髄単球、およびそれらの混合物などの、癌性または潜在的に癌性のリンパ組織を含む、生検材料)を含む。
【0272】
一実施形態では、診断または検出の方法における使用のための、抗ヒトPD−L2抗体が提供される。さらなる態様では、生体試料中の抗ヒトPD−L2の存在を検出する方法が提供される。特定の実施形態では、方法は、生体試料を本明細書に記載される抗ヒトPD−L2抗体と、ヒトPD−L2への抗ヒトPD−L2抗体の結合を許容する条件下で接触させることと、生体試料において抗ヒトPD−L2抗体とPD−L2との間に複合体が形成されるかを検出することと、を含む。そのような方法は、インビトロまたはインビボ方法であり得る。一実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、例えば、PD−L2が患者の選択のためのバイオマーカーである場合、抗ヒトPD−L2抗体での療法に適格な対象を選択するために使用される。さらなる実施形態では、生体試料は、細胞または組織である。
【0273】
さらなる実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体は、例えば、癌を診断、予後診断、もしくは病期分類、適切な療法経過を決定、または療法に対する癌の応答を監視する目的で、対象におけるPD−L2陽性癌を、例えば、インビボイメージングによって、検出するためにインビボで使用される。インビボ検出のための当該技術分野で知られる1つの方法は、例えば、van Dongen et al.,The Oncologist 12:1379−1389(2007)およびVerel et al.,J.Nucl.Med.44:1271−1281(2003)に記載されるように、イムノ−陽電子放出トモグラフィー(イムノ−PET)である。そのような実施形態では、対象におけるPD−L2陽性癌を検出するための方法が提供され、方法は、標識抗PD−L2抗体を、PD−L2陽性癌を有するか、またはこれを有する疑いのある対象に投与することと、対象における標識抗PD−L2抗体を検出することと、を含み、標識抗PD−L2抗体の検出は、対象におけるPD−L2陽性癌を示す。特定のそのような実施形態では、標識抗PD−L2抗体は、陽電子放出体、例えば、
68Ga、
18F、
64Cu、
86Y、
76Br、
89Zr、および
124Iにコンジュゲートした抗PD−L2抗体を含む。
【0274】
さらなる実施形態では、診断または検出の方法は、基質に固定化された第1の抗ヒトPD−L2抗体を、PD−L2の存在について試験される生体試料と接触させることと、基質を第2の抗ヒトPD−L2抗体に曝露することと、生体試料において第2の抗ヒトPD−L2が第1の抗PD−L2抗体とPD−L2との間の複合体に結合しているかを検出することと、を含む。基質は、任意の支持媒体、例えば、ガラス、金属、セラミック、ポリマービーズ、スライド、チップ、および他の基質であり得る。特定の実施形態では、生体試料は、細胞または組織を含む。特定の実施形態では、第1または第2の抗ヒトPD−L2抗体は、本明細書に記載される抗体のいずれかである。
【0275】
上記実施形態のいずれかに従って診断または検出され得る例示的な障害は、PD−L2陽性肝臓癌、PD−L2陽性肝細胞癌、PD−L2陽性胃癌、PD−L2陽性食道癌、PD−L2陽性膵臓癌、PD−L2陽性肺癌、PD−L2陽性結腸癌、PD−L2陽性乳癌、PD−L2陽性前立腺癌、PD−L2陽性白血病、およびPD−L2陽性リンパ腫などのPD−L2陽性癌を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、PD−L2陽性癌は、肝臓癌である。いくつかの実施形態では、PD−L2陽性癌は、肝細胞癌である。いくつかの実施形態では、PD−L2陽性癌は、「0」よりも大きい抗PD−L2免疫組織化学(IHC)またはインサイチュハイブリダイゼーション(ISH)スコアを受ける癌であり、これは、腫瘍細胞の>90%における非常に弱い染色または無染色に対応する。別の実施形態では、PD−L2陽性癌は、1+、2+、または3+レベルでPD−L2を発現する。いくつかの実施形態では、PD−L2陽性癌は、PD−L2 mRNAを検出する逆転写酵素PCR(RT−PCR)アッセイに従ってPD−L2を発現する癌である。いくつかの実施形態では、RT−PCRは、定量的RT−PCRである。
【0276】
特定の実施形態では、標識抗PD−L2抗体が提供される。ラベルは、直接検出されるラベルまたは部分(蛍光、クロモフォア、高電子密度、化学発光、および放射性ラベルなど)、および例えば、酵素反応または分子相互作用を通して、間接的に検出される、酵素またはリガンドなどの部分を含むが、これらに限定されない。
【0277】
例示的なラベルは、放射性同位体
32P、
14C、
125I、
3H、および
131I、フルオロフォア、例えば、希土類キレートまたはフルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロン、ルセリフェラーゼ、例えば、ホタルルシフェラーゼおよび細菌ルシフェラーゼ(米国特許第4,737,456号)、ルシフェリン、2,3−ジヒドロフタラジンジオン、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、糖オキシダーゼ、例えば、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、およびグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、HRPなどの色素前駆体を酸化するために過酸化水素を採用する酵素と結合した、複素環式オキシダーゼ、例えば、ウリカーゼおよびキサンチンオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、またはマイクロペルオキシダーゼ、ビオチン/アビジン、スピンラベル、バクテリオファージラベル、安定なフリーラジカルなどを含むが、これらに限定されない。別の実施形態では、ラベルは、陽電子放出体である。陽電子放出体は、
68Ga、
18F、
64Cu、
86Y、
76Br、
89Zr、および
1241を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態では、陽電子放出体は、
89Zrである。
【0278】
さらなる実施形態では、本発明は、抗ヒトPD−L2抗体またはその抗原結合部分を含む薬学的組成物を提供する。別の実施形態では、上記のような核酸分子または発現ベクターを含む薬学的組成物が提供される。
【0279】
本明細書に記載される抗ヒトPD−L2抗体の薬学的組成物は、所望の純度を有するそのような抗体を、1つ以上の任意の薬学的に許容される担体(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980))と混合することによって、凍結乾燥製剤または水性溶液の形態で調製される。薬学的に許容される担体は、一般に、採用される投与量および濃度でレシピエントに対して非毒性であり、リン酸、クエン酸、および他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、もしくはベンジルアルコール;メチルもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾールなど);低分子量(約10個未満の残基)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む単糖、二糖、および他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース、もしくはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Znタンパク質錯体);ならびに/またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含むが、これらに限定されない。本明細書における例示的な薬学的に許容される担体は、可溶性中性活性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)、例えば、rHuPH20(HYLENEX(登録商標)、Baxter International,Inc.)などのヒト可溶性PH−20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質などの腸内薬物分散剤をさらに含む。rHuPH20を含む、特定の例示的なsHASEGPおよび使用方法は、米国特許公開第2005/0260186号および同第2006/0104968号に記載される。一態様では、sHASEGPは、コンドロイチナーゼなどの1つ以上の追加のグリコサミノグリカナーゼと組み合わされる。
【0280】
例示的な凍結乾燥抗体製剤は、米国特許第6,267,958号に記載される。水性抗体製剤は、米国特許第6,171,586号およびWO2006/044908に記載されるものを含み、後者の製剤は、ヒスチジン−酢酸緩衝剤を含む。
【0281】
本明細書の製剤はまた、治療される特定の適応症に必要な複数の活性成分、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を有するものを含有し得る。
【0282】
活性成分は、例えば、コアセルベーション技法によって、または界面重合によって調製されるマイクロカプセル、例えば、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン−マイクロカプセルおよびポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセルに、それぞれ、コロイド状薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、およびナノカプセル)またはマクロエマルジョンにおいて、封入され得る。そのような技法は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に開示される。
【0283】
持続放出調製物が調製され得る。持続放出調製物の適切な例は、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスを含み、このマトリックスは、成形品、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの形態である。インビボ投与に使用される製剤は、一般的には無菌である。無菌性は、例えば、無菌濾過膜による濾過によって、容易に達成され得る。
【0284】
本明細書で提供される抗ヒトPD−L2抗体のいずれも、ヒト療法、例えば、癌療法において使用され得る。
【0285】
別の態様では、医薬品としての使用のための抗ヒトPD−L2抗体が提供される。さらなる態様では、ヒト療法における使用のための抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、癌療法における使用のための抗ヒトPD−L2抗体が提供される。特定の実施形態では、本発明は、PD−L2陽性癌を有する個体を治療する癌療法における使用のための抗ヒトPD−L2抗体を提供し、方法は、個体に有効量の抗PD−L2抗体を投与することを含む。そのような一実施形態では、方法は、例えば、以下に記載されるように、有効量の少なくとも1つの追加の治療剤を個体に投与することをさらに含む。
【0286】
さらなる態様では、本発明は、医薬品の製造または調製における抗PD−L2抗体の使用を提供する。一実施形態では、医薬品は、癌療法における使用のためのものである。一実施形態では、医薬品は、PD−L2陽性癌の治療のためのものである。さらなる実施形態では、医薬品は、PD−L2陽性癌を治療する方法における使用のためのものであり、方法は、PD−L2陽性癌を有する個体に有効量の医薬品を投与することを含む。そのような一実施形態では、方法は、例えば、以下に記載されるように、有効量の少なくとも1つの追加の治療剤を個体に投与することをさらに含む。
【0287】
さらなる態様では、本発明は、PD−L2陽性癌を治療するための方法を提供する。一実施形態では、方法は、そのようなPD−L2陽性癌を有する個体に有効量の抗PD−L2抗体を投与することを含む。そのような一実施形態では、方法は、以下に記載されるように、有効量の少なくとも1つの追加の治療剤を個体に投与することをさらに含む。
【0288】
上記実施形態のいずれかによるPD−L2陽性癌は、例えば、PD−L2陽性肝臓癌、PD−L2陽性肝細胞癌、PD−L2陽性膵臓癌、PD−L2陽性肺癌、PD−L2陽性結腸癌、PD−L2陽性乳癌、PD−L2陽性前立腺癌、PD−L2陽性白血病、またはPD−L2陽性リンパ腫であり得る。いくつかの実施形態では、PD−L2陽性癌は、「0」よりも大きい抗PD−L2免疫組織化学(IHC)またはインサイチュハイブリダイゼーション(ISH)スコアを受ける癌であり、これは、腫瘍細胞の>90%における非常に弱い染色または無染色に対応する。別の実施形態では、PD−L2陽性癌は、1+、2+、または3+レベルでPD−L2を発現する。
【0289】
本明細書に記載される実施形態のいずれかによる「個体」または「対象」は、ヒトであり得る。
【0290】
さらなる態様では、本発明は、例えば、上記療法のいずれかにおける使用のための、本明細書で提供される抗ヒトPD−L2抗体のいずれかを含む、薬学的製剤を提供する。一実施形態では、薬学的製剤は、本明細書で提供される抗ヒトPD−L2抗体のいずれかおよび薬学的に許容される担体を含む。別の実施形態では、薬学的製剤は、本明細書で提供される抗ヒトPD−L2抗体のいずれかおよび、例えば、以下に記載されるような、少なくとも1つの追加の治療剤を含む。
【0291】
本発明の抗体は、療法において単独または他の薬剤との組み合わせのいずれかで使用することができる。例えば、本発明の抗体は、少なくとも1つの追加の治療剤と同時投与され得る。
【0292】
上記のそのような併用療法は、組み合わされた投与(2つ以上の治療剤が同じまたは別個の製剤に含まれる場合)、および別個の投与を包含し、この場合、本発明の抗体の投与は、追加の治療剤および/またはアジュバントの投与の前に、それと同時に、および/またはその後に起こり得る。本発明の抗体はまた、放射線療法と組み合わせて使用することができる。
【0293】
一実施形態では、好ましくは化学療法、抗体療法、および/または放射線療法などの、他の療法と組み合わせた、ヒト療法または癌療法における使用のための、本発明の抗体もしくは抗原結合部分、本発明の核酸分子、本発明の発現ベクター、または本発明の薬学的組成物が提供される。組み合わされた治療は、同時または別々に起こり得る。
【0294】
「化学療法」は、疾患の治療、例えば、癌の治療における化学化合物または薬物の使用を指す。癌化学療法剤はまた、一般的には抗腫瘍剤と呼ばれる。
【0295】
本明細書で使用される場合、「放射線療法」という用語は、電離放射線への任意の曝露を指し、例えば、外部ビーム放射線療法、光子放射線療法、電子放射線療法、陽子放射線療法、炭素イオン放射線療法、リチウムイオン放射線療法、シリコンイオン放射線療法、ヘリウムイオン放射線療法、他の形態のハドロン療法または他の粒子療法、近接照射療法、放射性同位体療法、注入可能な同位体、例えば、任意の種類のマトリックスにもしくはこの内に結合した、またはこれと混合した同位体を含み得る。
【0296】
本発明の抗体(および任意の追加の治療剤)は、非経口、肺内、および鼻腔内、ならびに局所治療が望ましい場合、病変内、子宮内、または膀胱内投与を含む、任意の適切な手段によって投与することができる。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与を含む。投薬は、投与が短期または慢性であるかに部分的に応じて、任意の適切な経路によるもの、例えば、静脈内または皮下注射などの注射によるものであり得る。本明細書では、様々な時点にわたる単回または複数回投与、ボーラス投与、およびパルス注入を含むが、これらに限定されない、様々な投薬スケジュールが企図される。
【0297】
本発明の抗体は、良好な医療行為と一致する方法で製剤され、投薬され、投与されるであろう。この文脈において考慮される因子は、治療される特定の障害、治療される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、および医療従事者に知られる他の因子を含む。抗体は、必ずしも必要ではないが、任意に問題の障害を予防または治療するために現在使用されている1つ以上の薬剤と製剤化される。そのような他の薬剤の有効量は、製剤中に存在する抗体の量、障害または治療のタイプ、および上記で議論される他の因子に依存する。これらは、一般に、本明細書に記載されるものと同じ投与量および投与経路で、または本明細書に記載される投与量の約1〜99%、もしくは経験的/臨床的に適切であると決定される任意の投与量および任意の経路で使用される。
【0298】
疾患の療法について、本発明の抗体の適切な投与量(単独で、または1つ以上の他の追加の治療剤と組み合わせて使用される場合)は、治療される疾患のタイプ、抗体のタイプ、疾患の重症度および経過、抗体が予防または治療目的で投与されるか、以前の療法、患者の病歴および抗体への応答、ならびに主治医の裁量に応じるであろう。抗体は、一回で、または一連の治療にわたって患者に適切に投与される。疾患のタイプおよび重症度に応じて、約1μg/kg〜15mg/kg(例えば、0.1mg/kg〜10mg/kg)の抗体は、例えば、1回以上の別々の投与、または持続注入による、患者への投与のための初期候補投与量であり得る。1つの典型的な1日投与量は、上記の因子に応じて、約1μg/kg〜100mg/kg以上の範囲であり得る。状態に応じた、数日以上にわたる反復投与について、治療は、一般に、疾患症状の所望の抑制が起こるまで持続されるであろう。抗体の1つの例示的な投与量は、約0.05mg/kg〜約10mg/kgの範囲内であろう。よって、約0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、または10mg/kg(またはそれらの任意の組み合わせ)の1回以上の用量が患者に投与され得る。そのような用量は、断続的に、例えば、毎週または3週間毎に(例えば、患者が約2〜約20、または約6回の用量の抗体を受けるように)投与され得る。初期のより高い負荷用量、続いて1回以上のより低い用量が投与され得る。しかしながら、他の投与計画が有用であり得る。この療法の進行は、従来の技法およびアッセイによって簡単に監視される。
【0299】
本発明の別の態様では、上記の障害の治療、予防、および/または診断に有用な材料を含有する製造物品が提供される。製造物品は、容器と、容器上または容器に付随するラベルまたは添付文書とを含む。適切な容器は、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、IV溶液バッグなどを含む。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成され得る。容器は、単独の、または障害の治療、予防、および/もしくは診断に有効な別の組成物と組み合わされた組成物を保持し、無菌アクセスポートを有し得る(例えば、容器は、静脈内溶液バッグまたは皮下注射針によって穿刺可能な栓を有するバイアルであり得る)。組成物中の少なくとも1つの活性剤は、本発明の抗体である。ラベルまたは添付文書は、組成物が選択される状態を治療するために使用されることを示す。
【0300】
さらに、製造物品は、(a)その中に含有される組成物を有する第1の容器であって、組成物が、本発明の抗体を含む、第1の容器と、(b)その中に含有される組成物を有する第2の容器であって、組成物が、さらなる細胞毒性または他の治療剤を含む、第2の容器と、を含み得る。本発明のこの実施形態における製造物品は、組成物が特定の状態を治療するために使用され得ることを示す添付文書をさらに含み得る。代替的に、または追加的に、製造物品は、注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液、またはデキストロース溶液などの薬学的に許容される緩衝剤を含む第2(または第3)の容器をさらに含み得る。それは、他の緩衝剤、希釈剤、フィルター、針、およびシリンジを含む、商業的およびユーザー観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
【0301】
一実施形態では、上記の使用のための、本発明の抗体もしくは抗原結合部分、核酸分子、発現ベクター、または薬学的組成物は、PD−1−PD−L2相互作用の遮断に基づく治療効果を示す。
【0302】
別の実施形態では、治療効果が、抗体依存性細胞毒性(ADCC)をさらに含む、本発明による使用のための、本発明の抗体、本発明の核酸分子、発現ベクター、または薬学的組成物が提供される。「抗体依存性細胞毒性(ADCC)」は、抗体依存性細胞媒介性細胞毒性とも呼ばれ、免疫系のエフェクター細胞が、その膜表面抗原が特異的抗体によって結合された、標的細胞を能動的に溶解する細胞媒介性免疫防御のメカニズムである。
【0303】
さらなる実施形態では、抗ヒトPD−L2抗体の段階希釈を使用して、APC(抗原提示細胞)とT細胞との間の相互作用を模倣するシステムにおいて、T細胞シグナル伝達を決定するための細胞株ベースのバイオアッセイが提供される。
【0304】
またさらなる実施形態では、上記のようなアッセイにおける使用のための、抗ヒトPD−L2抗体を含むキットが提供される。
【0305】
キットは、所定量の試薬と、アッセイを行うための指示とのパッケージされた組み合わせであり得る。抗体が酵素で標識される場合、キットは、酵素によって必要とされる基質および補因子(例えば、検出可能なクロモフォアまたはフルオロフォアを提供する基質前駆体)を含むであろう。加えて、安定剤、緩衝剤(例えば、ブロック緩衝剤または溶解緩衝剤)などのような他の添加剤が含まれ得る。様々な試薬の相対量は、アッセイの感度を実質的に最適化する試薬の溶液中の濃度を提供するために広く変動し得る。特に、試薬は、溶解時に適切な濃度を有する試薬溶液を提供する賦形剤を含む、通常は凍結乾燥された、乾燥粉末として提供され得る。キットはまた、追加の試薬、例えば、非特異的結合を低減するための遮断試薬、洗浄試薬、酵素基質などを含み得る。
【0306】
本発明は、以下の実施形態に関する。
1.PD−1へのPD−L2の結合が遮断されるようにヒトPD−L2に特異的に結合する、抗ヒトPD−L2抗体またはその抗原結合部分であって、
抗体、もしくはその抗原結合部分が、それぞれ、以下の項目a)〜q)のいずれかで定義される、重鎖可変領域および軽鎖可変領域に含まれる6つのCDR配列を含むか、または
抗体、もしくはその抗原結合部分が、それぞれ、以下の項目a)〜q)のいずれかで定義される、重鎖可変領域および軽鎖可変領域に含まれる6つのCDR配列を含み、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、抗体またはその抗原結合部分:
a)配列番号2の配列を有する重鎖可変領域および配列番号10の配列を有する軽鎖可変領域、
b)配列番号18の配列を有する重鎖可変領域および配列番号26の配列を有する軽鎖可変領域、
c)配列番号34の配列を有する重鎖可変領域および配列番号42の配列を有する軽鎖可変領域、
d)配列番号50の配列を有する重鎖可変領域および配列番号58の配列を有する軽鎖可変領域、
e)配列番号50の配列を有する重鎖可変領域および配列番号66の配列を有する軽鎖可変領域、
f)配列番号96の配列を有する重鎖可変領域および配列番号104の配列を有する軽鎖可変領域、
g)配列番号112の配列を有する重鎖可変領域および配列番号120の配列を有する軽鎖可変領域、
h)配列番号128の配列を有する重鎖可変領域および配列番号132の配列を有する軽鎖可変領域、
i)配列番号140の配列を有する重鎖可変領域および配列番号146の配列を有する軽鎖可変領域、
j)配列番号152の配列を有する重鎖可変領域および配列番号160の配列を有する軽鎖可変領域、
k)配列番号166の配列を有する重鎖可変領域および配列番号174の配列を有する軽鎖可変領域、
l)配列番号96の配列を有する重鎖可変領域および配列番号212の配列を有する軽鎖可変領域、
m)配列番号140の配列を有する重鎖可変領域および配列番号218の配列を有する軽鎖可変領域、
n)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号160の配列を有する軽鎖可変領域、
o)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号26の配列を有する軽鎖可変領域、
p)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号226の配列を有する軽鎖可変領域、または
q)配列番号220の配列を有する重鎖可変領域および配列番号230の配列を有する軽鎖可変領域。
【0307】
2.
a)配列番号4のCDR−H1、配列番号6のCDR−H2、配列番号8のCDR−H3、および配列番号12のCDR−L1、配列番号14のCDR−L2、配列番号16のCDR−L3、または
b)配列番号20のCDR−H1、配列番号22のCDR−H2、配列番号24のCDR−H3、および配列番号28のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3、または
c)配列番号36のCDR−H1、配列番号38のCDR−H2、配列番号40のCDR−H3、および配列番号44のCDR−L1、配列番号46のCDR−L2、配列番号48のCDR−L3、または
d)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号64のCDR−L3、または
e)配列番号52のCDR−H1、配列番号54のCDR−H2、配列番号56のCDR−H3、および配列番号60のCDR−L1、配列番号62のCDR−L2、配列番号68のCDR−L3、または
f)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号110のCDR−L3、または
g)配列番号114のCDR−H1、配列番号116のCDR−H2、配列番号118のCDR−H3、および配列番号122のCDR−L1、配列番号124のCDR−L2、配列番号126のCDR−L3、または
h)配列番号114のCDR−H1、配列番号130のCDR−H2、配列番号118のCDR−H3、および配列番号134のCDR−L1、配列番号136のCDR−L2、配列番号138のCDR−L3、または
i)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号106のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、または
j)配列番号154のCDR−H1、配列番号156のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3、または
k)配列番号168のCDR−H1、配列番号170のCDR−H2、配列番号172のCDR−H3、および配列番号176のCDR−L1、配列番号178のCDR−L2、配列番号180のCDR−L3、または
l)配列番号98のCDR−H1、配列番号100のCDR−H2、配列番号102のCDR−H3、および配列番号214のCDR−L1、配列番号108のCDR−L2、配列番号216のCDR−L3、または
m)配列番号98のCDR−H1、配列番号142のCDR−H2、配列番号144のCDR−H3、および配列番号214のCDR−L1、配列番号148のCDR−L2、配列番号150のCDR−L3、または
n)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号164のCDR−L3、または
o)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号28のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3、または
o)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号28のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号228のCDR−L3、または
p)配列番号154のCDR−H1、配列番号222のCDR−H2、配列番号158のCDR−H3、および配列番号162のCDR−L1、配列番号30のCDR−L2、配列番号32のCDR−L3、または
r)a)〜q)に示されるCDR−H1およびCDR−H2およびCDR−H3およびCDR−L1およびCDR−L2およびCDR−L3のバリアントを含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含み、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、実施形態1記載の抗体または抗原結合部分。
【0308】
3.重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、
a)重鎖可変領域が、配列番号2の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号10の配列を有するか、
b)重鎖可変領域が、配列番号18の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号26の配列を有するか、
c)重鎖可変領域が、配列番号34の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号42の配列を有するか、
d)重鎖可変領域が、配列番号50の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号58の配列を有するか、
e)重鎖可変領域が、配列番号50の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号66の配列を有するか、
f)重鎖可変領域が、配列番号96の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号104の配列を有するか、
g)重鎖可変領域が、配列番号112の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号120の配列を有するか、
h)重鎖可変領域が、配列番号128の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号132の配列を有するか、
i)重鎖可変領域が、配列番号140の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号146の配列を有するか、
j)重鎖可変領域が、配列番号152の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号160の配列を有するか、
k)重鎖可変領域が、配列番号166の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号174の配列を有するか、
l)重鎖可変領域が、配列番号96の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号212の配列を有するか、
m)重鎖可変領域が、配列番号140の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号218の配列を有するか、
n)重鎖可変領域が、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号160の配列を有するか、
o)重鎖可変領域が、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号26の配列を有するか、
p)重鎖可変領域が、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号226の配列を有するか、
q)重鎖可変領域が、配列番号220の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号230の配列を有するか、または
o)a)〜q)に示される重鎖可変領域および/もしくは軽鎖可変領域のバリアントであって、バリアント配列が、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の全体的な相同性を有し、ただし、特に本明細書で定義される保存的置換において、CDR配列中の最大1、2、3個のアミノ酸残基が置換されている、実施形態1または2に記載の抗体または抗原結合部分。
【0309】
4.抗体またはその抗原結合部分が、a)〜d)に列挙される機能的特徴
a)参照抗体MIH18および24F.10C12と比較してより高いPD−L2への結合親和性、
b)参照抗体MIH18および24F.10C12と比較してより効率的なPD−1へのPD−L2結合の遮断、
c)参照抗体MIH18および24F.10C12と比較してより効率的なTCR媒介性IL−2発現の活性化、ならびに
d)参照抗体MIH18および24F.10C12と比較してより高いTCR媒介性IL−2発現時のIL−2レベルの誘導、のうちの少なくとも1つ、好ましくは2、3、または4つを満たす、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の抗体またはその抗原結合部分抗体。
【0310】
5.ヒト化または完全ヒト抗体である、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の抗体またはその抗原結合部分。
【0311】
6.IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプである、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合部分。
【0312】
7.IgG1アイソタイプである、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合部分。
【0313】
8.抗体または抗原結合部分が、単一特異性、二重特異性、三重特異性、または多重特異性抗体もしくはその抗原結合部分である、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合部分。
【0314】
9.抗体またはその抗原結合部分が、PD−1とは別の受容体へのPD−L2の結合を遮断する、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の抗体または抗原結合部分。
【0315】
10.実施形態1〜9のいずれかの抗体または抗原結合部分のいずれかと同じエピトープに結合し、かつ/または同じエピトープについて競合する、抗体またはその抗原結合部分。
【0316】
11.実施形態1〜10のいずれか1つに記載の抗体またはその抗原結合断片をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
【0317】
12.
a)配列番号3のCDR−H1、配列番号5のCDR−H2、配列番号7のCDR−H3、および配列番号11のCDR−L1、配列番号13のCDR−L2、配列番号15のCDR−L3、または
b)配列番号19のCDR−H1、配列番号21のCDR−H2、配列番号23のCDR−H3、および配列番号27のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号31のCDR−L3、または
c)配列番号35のCDR−H1、配列番号37のCDR−H2、配列番号39のCDR−H3、および配列番号43のCDR−L1、配列番号45のCDR−L2、配列番号47のCDR−L3、または
d)配列番号51のCDR−H1、配列番号53のCDR−H2、配列番号55のCDR−H3、および配列番号59のCDR−L1、配列番号61のCDR−L2、配列番号63のCDR−L3、または
e)配列番号51のCDR−H1、配列番号53のCDR−H2、配列番号55のCDR−H3、および配列番号59のCDR−L1、配列番号61のCDR−L2、配列番号67のCDR−L3、または
f)配列番号97のCDR−H1、配列番号99のCDR−H2、配列番号101のCDR−H3、および配列番号105のCDR−L1、配列番号107のCDR−L2、配列番号109のCDR−L3、または
g)配列番号113のCDR−H1、配列番号115のCDR−H2、配列番号117のCDR−H3、および配列番号121のCDR−L1、配列番号123のCDR−L2、配列番号125のCDR−L3、または
h)配列番号113のCDR−H1、配列番号129のCDR−H2、配列番号117のCDR−H3、および配列番号133のCDR−L1、配列番号135のCDR−L2、配列番号137のCDR−L3、または
i)配列番号97のCDR−H1、配列番号141のCDR−H2、配列番号143のCDR−H3、および配列番号105のCDR−L1、配列番号147のCDR−L2、配列番号149のCDR−L3、または
j)配列番号153のCDR−H1、配列番号155のCDR−H2、配列番号157のCDR−H3、および配列番号161のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号163のCDR−L3、または
k)配列番号167のCDR−H1、配列番号169のCDR−H2、配列番号171のCDR−H3、および配列番号175のCDR−L1、配列番号177のCDR−L2、配列番号179のCDR−L3、または
l)配列番号97のCDR−H1、配列番号99のCDR−H2、配列番号101のCDR−H3、および配列番号213のCDR−L1、配列番号107のCDR−L2、配列番号215のCDR−L3、または
m)配列番号97のCDR−H1、配列番号141のCDR−H2、配列番号143のCDR−H3、および配列番号213のCDR−L1、配列番号147のCDR−L2、配列番号149のCDR−L3、または
n)配列番号153のCDR−H1、配列番号221のCDR−H2、配列番号157のCDR−H3、および配列番号161のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号163のCDR−L3、または
o)配列番号153のCDR−H1、配列番号221のCDR−H2、配列番号157のCDR−H3、および配列番号27のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号31のCDR−L3、または
p)配列番号153のCDR−H1、配列番号221のCDR−H2、配列番号157のCDR−H3、および配列番号161のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号227のCDR−L3、または
q)配列番号153のCDR−H1、配列番号221のCDR−H2、配列番号157のCDR−H3、および配列番号161のCDR−L1、配列番号29のCDR−L2、配列番号31のCDR−L3を含む、3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRをコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態11に記載の核酸分子。
【0318】
13.重鎖可変領域および軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含み、
a)重鎖可変領域が、配列番号1の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号9の配列を有するか、
b)重鎖可変領域が、配列番号17の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号25の配列を有するか、
c)重鎖可変領域が、配列番号33の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号41の配列を有するか、
d)重鎖可変領域が、配列番号49の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号57の配列を有するか、
e)重鎖可変領域が、配列番号49の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号65の配列を有するか、
f)重鎖可変領域が、配列番号95の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号103の配列を有するか、
g)重鎖可変領域が、配列番号111の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号119の配列を有するか、
h)重鎖可変領域が、配列番号127の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号131の配列を有するか、
i)重鎖可変領域が、配列番号139の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号145の配列を有するか、
j)重鎖可変領域が、配列番号151の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号159の配列を有するか、
k)重鎖可変領域が、配列番号165の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号173の配列を有するか、
l)重鎖可変領域が、配列番号95の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号211の配列を有するか、
m)重鎖可変領域が、配列番号139の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号217の配列を有するか、
n)重鎖可変領域が、配列番号219の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号159の配列を有するか、
o)重鎖可変領域が、配列番号219の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号25の配列を有するか、
p)重鎖可変領域が、配列番号219の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号225の配列を有するか、または
q)重鎖可変領域が、配列番号219の配列を有し、軽鎖可変領域が、配列番号229の配列を有する、実施形態11に記載の核酸分子。
【0319】
14.実施形態11〜13のいずれか1つに記載のヌクレオチド配列を含む、発現ベクター。
【0320】
15.実施形態14に記載の発現ベクターを含む、細胞。
【0321】
16.実施形態1〜10のいずれか1つに記載の抗体またはその抗原結合断片を含む、薬学的組成物。
【0322】
17.実施形態11〜13のいずれか1つに記載の核酸分子または実施形態14に記載の発現ベクターを含む、薬学的組成物。
【0323】
18.薬学的に許容される担体および/または賦形剤をさらに含む、実施形態16または実施形態17に記載の薬学的組成物。
【0324】
19.ヒト療法における使用のための、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の抗体もしくは抗原結合部分、実施形態11〜13のいずれか1つに記載の核酸分子、実施形態14に記載の発現ベクター、または実施形態16〜18のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0325】
20.ヒト療法が、癌療法である、実施形態19に記載の使用のための、抗体もしくは抗原結合部分、核酸分子、発現ベクター、または薬学的組成物。
【0326】
21.治療効果が、PD−1−PD−L2相互作用の遮断に基づく、実施形態19または実施形態20に記載の使用のための、抗体もしくは抗原結合部分、核酸分子、発現ベクター、または薬学的組成物。
【0327】
22.治療効果が、抗体依存性細胞毒性(ADCC)をさらに含む、実施形態19〜21に記載の使用のための、抗体もしくは抗原結合部分、核酸分子、発現ベクター、または薬学的組成物。
【0328】
23.好ましくは化学療法、抗体療法、および/または放射線療法などの他の療法と組み合わせた、実施形態19〜22のいずれか1つに記載の使用のための、抗体もしくは抗原結合部分、核酸分子、発現ベクター、または薬学的組成物。
【0329】
24.実施形態1〜10のいずれか1つに記載の抗ヒトPD−L2抗体の段階希釈を使用して、APC(抗原提示細胞)とT細胞との間の相互作用を模倣するシステムにおいて、T細胞シグナル伝達を決定するための、細胞株ベースのバイオアッセイ。
【0330】
25.実施形態24に記載のアッセイにおける使用のための、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の抗ヒトPD−L2抗体を含む、キット。
【実施例】
【0331】
以下は、本発明の方法および組成物の例である。上記で提供される一般的な説明を前提として、様々な他の実施形態が実施され得ることが理解される。
【0332】
実施例1:ヒト抗PD−L2抗体の生成および精製
抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を発現するトランスジェニックラットを使用して生成し(内因性ラット免疫グロブリン遺伝子座、OmniRat(登録商標)を置き換えることによって)、これは詳細に報告されている(Osborn,et al.J Immunol 190:1481−1490,2013、およびWO14/093908)。6匹のラットを、ヒトPD−L2の細胞外ドメインをコードする合成cDNAでの遺伝子免疫化によって免疫化した(Aldevron、Freiburg)。リンパ節を、最も良好な免疫応答を有する3匹のラットから採取し、ハイブリドーマを生成するために使用した。個々のハイブリドーマクローンからの上清を、細胞ベースのバイオアッセイにおいて、細胞表面上に発現したヒトPD−L2への結合について、続いてPD−1/PD−L2相互作用の遮断能力についてスクリーニングした。高機能遮断活性を示す対応するハイブリドーマをサブクローニングし、個々のクローンをそれらの生物学的活性について再調査し、配列決定に供した。この技法を使用して、いくつかのキメラ抗PD−L2抗体(すなわち、ヒトVHおよびヒトVL−CLならびにラット重鎖定常ドメインを有する抗体)を得た。この方法で生成された例示的な抗体は、1A1−C2、2C4−E4、8B5−B1、11C11−H5、19C3−B3、10D1−G1、7H5−C5、9A3−C7、10A9−D2、19B3−B3、12A1−D4と指定された。
【0333】
個々のハイブリドーマ上清からの、ヒトVHおよびラットFcおよびヒトVL−CLを有する抗PD−L2キメラ抗体を、ヒト軽鎖特異的樹脂(Thermo Fisher Scientificから購入された、CaptureSelect(商標)−Kappa−XL、またはCaptureSelect LC−Lambda−Hu)で、データシートに記載されるガイドラインに従って精製した。溶出抗体をPBSに対して透析し、最終濃度を、P330ナノ体積分光光度計(Implen)およびBradfordアッセイを使用して決定した。
【0334】
実施例2:重鎖および軽鎖可変領域のヌクレオチドおよびアミノ酸配列
ヒト重鎖および軽鎖可変領域は、次世代配列アプローチ(Absolute Antibodies Ltd、Oxford、GB)を使用して配列決定した。表3は、ヒト抗PD−L2抗体の重鎖および軽鎖可変領域ならびにCDRのDNA配列識別子を示す。対応するアミノ酸配列識別子は、表4に示される。抗体は、ラットIgG2b FcならびにヒトVHおよび完全ヒト軽鎖(カッパまたはラムダ)を有する。特定のFcアイソタイプを有する抗体は、異なるFcアイソタイプを有する抗体に変換することができる(例えば、ラットIgG2bを有する抗体は、ヒトIgG1などを有する抗体に変換することができる)。可変ドメイン(CDRを含む)は、表3および表4における配列識別子によって示されるものと同じままであり、したがって、抗原への結合特性は、Fcドメインの性質にかかわらず、同一であると予想される。
【0335】
実施例3:FACSによって決定されるヒトPD−L2を発現する細胞への精製抗PD−L2抗体の結合EC50
完全長ヒトPD−L2を安定に発現するCHO−K1細胞への抗PD−L2抗体の結合を、FACSによって決定した。1.5x10
5個のCHO−K1/hPD−L2を、50μlのFACSwashでの段階希釈(0.25ng/ml−4μg/ml)を有する個々の抗PD−L2抗体と4℃で30分間インキュベートした。FACSwashで3回洗浄後、細胞を、APC標識ヤギ抗ラットIgG(Biolegend、Clone Poly4054)を1:2000希釈で含有する100μlのFACSwash緩衝剤に4℃で20分間再懸濁し、FACSwashで3回洗浄し、その後BD FACSCaliburでのFACS分析に供した。各抗体の抗体濃度およびEC50値に関する最大結合のパーセンテージを計算し、用量応答曲線を、
図1に示されるように、非線形曲線あてはめ(GraphPad Prism Software)を使用して視覚化した。
【0336】
NCI−H226(ヒト肺扁平上皮癌、ATCC)細胞の内因性PD−L2への抗PD−L2抗体の結合を、FACSによって測定した。
【0337】
50μlのFACSwashでの段階希釈(0.25ng/ml−4μg/ml)を有する個々の抗PD−L2抗体を、1.5x10
5個のNCI−H226細胞と4℃で30分間インキュベートした。FACSwashで3回洗浄後、細胞をAPC標識ヤギ抗ラットIgG(Biolegend、Clone Poly4054)を1:2000希釈で含有する100μlのFACSwash緩衝剤に4℃で20分間再懸濁し、FACSwashで3回洗浄し、その後BD FACSCaliburでのFACS分析に供した。各抗体の抗体濃度およびEC50値に関する最大結合のパーセンテージを分析し、
図2に示されるように非線形曲線あてはめ(GraphPad Prism Software)を使用して視覚化した。
【0338】
実施例4:フローサイトメトリーによって決定されるヒトPD−L2へのヒトPD−1結合の遮断IC50
ヒトPD−L2を安定に発現するCHO−K1細胞へのマウスFcタンパク質(hPD−1−mFc)と融合したヒトPD−1の結合を阻害するヒト抗PD−L2抗体の能力を、FACSによって評価した。高抗原濃度(FACS):段階希釈(0.25ng/ml−4μg/ml)を有する個々の抗PD−L2抗体を、ヒトPD−L2を発現する1.5x10
5個のCHO−K1細胞と4℃で30分間インキュベートした。未結合抗体を除去し、細胞をFACSwash緩衝剤で2回洗浄した。細胞を、0.5μg/mlの組換えhPD−1−mFc(IgG2a、BPS Bioscience)を含有する50ulのFACSwash緩衝剤に再懸濁し、4℃で30分間インキュベートした。FACSwashで2回洗浄後、PEコンジュゲートラット抗マウスIgG2a(Biolegend)を1:200希釈で含有する100μlのFACSwashに細胞を再懸濁し、暗所で20分間4℃でインキュベートした。FACSwashで3回洗浄後、結合したhPD−1−mFcを検出し、FACS分析によって定量化した。いくつかのウェルを、抗マウスIgGを有するか、または有さない、非特異的ヒトまたはラットIgGとインキュベートして、PD−L2/PD−1結合の最小(0%)および最大(100%)レベルを設定した。各抗体の抗体濃度およびIC50値に関する最大リガンド結合のパーセンテージを分析し、
図3に示されるように非線形曲線あてはめ(GraphPad Prism Software)を使用して視覚化した。
【0339】
実施例5:フローサイトメトリーによって決定されるヒトPD−1へのヒトPD−L2結合の遮断IC50
完全長ヒトPD−1を安定に発現するHEK293T細胞へのヒトPD−L2−Fc−ビオチンタンパク質の結合を阻害するヒト抗PD−L2抗体の能力を、FACSによって評価した。低抗原濃度(FACS):段階希釈(0.03ng/ml−0.5μg/ml)を有する個々の抗PD−L2抗体および100μlの総体積中(5ng/ml、100pM)の濃度の組換えヒトPD−L2−Fc−ビオチン(BPS Bioscience)を、4℃で60分間インキュベートした。抗体−タンパク質混合物を次いで、ヒトPD−1を発現する1.5×10
5個のHEK293細胞に加え、4℃で30分間インキュベートした。FACSwash緩衝剤で2回洗浄後、PEコンジュゲートストレプトアビジンを含有する100ulのFACSwash緩衝剤に細胞を再懸濁し、暗所で20分間4℃でインキュベートした。FACSwashで2回洗浄後、細胞表面上に結合したPD−L2−Fc−ビオチンを検出し、PE標識ストレプトアビジンのFACS分析によって定量化した。いくつかのウェルを、ストレプトアビジン−PEを有するか、または有さない、非特異的ヒトまたはラットIgGとインキュベートして、PD−L2/PD−1結合の最小(0%)および最大(100%)レベルを設定した。各抗体の抗体濃度およびIC50値に関する最大リガンド結合のパーセンテージを分析し、
図4に示されるように非線形曲線あてはめ(GraphPad Prism Software)を使用して視覚化した。
【0340】
実施例6:ELISAを介してIL−2分泌を測定することによる、操作されたT細胞バイオアッセイモデルに対する抗PD−L2抗体の効果の決定
抗PD−L2抗体によるT細胞活性化の増強を、細胞ベースのバイオアッセイモデルで調査した。ヒトPD−1およびヒトPD−L2を安定に発現する操作されたJurkat T細胞株は、連続トランスフェクションおよび選択によって確立し、FACSによって検証した。5x10
5個のJurkatヒトPD−1/PD−L2細胞を、個々の抗ヒトPD−L2抗体の段階希釈(0.25ng/ml−4μg/ml)で、10%FBSを含有するRPMIの100μlの総体積中の0.5μg/mlの抗ヒトCD3(Hit3、Biolegend)抗体の存在下で、96ウェル組織培養プレートにおいて18時間インキュベートした。遠心分離後、上清を収集し、IL−2 ELISAアッセイ(ELISA Max Deluxe、Biolegend)に、製造業者データシートに従って供した。IL−2レベルは、450nm−650nmの吸光度によって、IL−2標準曲線を使用して決定した。試験された抗PD−L2抗体の効力を比較するために、EC50値を、GraphPad Prism Softwareを使用して、8点応答曲線の対数変換された非線形あてはめから計算した。IL−2放出によって表されるT細胞活性化の増強は、
図5に示される。
【0341】
実施例7:ヒトPD−L1、マウスPD−L2、およびカニクイザルPD−L2へのヒト抗PD−L2抗体の結合
マウスPD−L2、ヒトPD−L1、またはカニクイザルPD−L2に結合する抗PD−L2抗体の能力を、FACSによって決定した。完全長サルPD−L2、マウスPD−L2、またはヒトPD−L1を安定に発現するHEK293細胞を確立し、サブクローニングし、検証した。結合アッセイについて、100μlのFACSwash緩衝剤中の1.5x10
5個の細胞を、個々の抗PD−L2抗体(0.5μg/ml)と30分間インキュベートした。3回の洗浄後、細胞を、FITC標識ヤギ抗ラットIgG(Thermo Fisher、1:1000)またはAPC標識ヤギ抗ラットIgG(Biolegend、Clone Poly4054)を1:2000希釈で含有するFACSwash緩衝剤に4℃で20分間再懸濁し、3回洗浄し、その後FACS分析に供した。FACSデータは、FlowJo Softwareを使用して分析し、二次抗体のみの対照を含むヒストグラムとして描写した。マウスPD−L2およびヒトPD−L1への抗PD−L2抗体の結合の不在は、
図6および
図7に示される。ヒト抗PD−L2抗体は、
図8に示されるように、カニクイザルPD−L2に結合する。
【0342】
実施例8:完全ヒト抗PD−L2抗体および参照抗PD−L2アナログ抗体のクローニングおよび発現
本発明の抗PD−L2抗体の重鎖および軽鎖可変ドメインをコードするDNA配列(VH配列番号:2、18、34、50、96、112、128、140、152、166、およびVL配列番号:10、26、42、58、66、104、120、132、146、160、174)を、ヒトIgG1重鎖およびカッパ軽鎖(mAb:1A1−C2、2C4−E4、10D1−G1、10A9−D2、19B3−B3、および12A1−D4)またはラムダ軽鎖(mAb:8B5−B1、11C11−H5、19C3−C3、7H5−C5、および9A3−C7)を含む発現ベクターにクローニングした。HEK293細胞を、無血清条件下で標準的な方法を使用して、重鎖および軽鎖をコードする発現ベクターでトランスフェクトした。得られた抗体上清を、タンパク質Aクロマトグラフィーを使用して精製した。
【0343】
ヒト化抗PD−L2抗体24F.10C12、VH2/VK2、およびVH4/VK4の抗体アナログの重鎖および軽鎖可変ドメインをコードするDNA配列は、PCT特許出願公開WO2010/036959 A2から得た(DNA配列番号:VH2およびVK2についてそれぞれ68および70、VH4およびVK4について73および75)。対応するDNA配列を合成し、ヒトIgG1重鎖またはカッパ軽鎖定常ドメインのコード配列を含む発現ベクターにクローニングして、完全長抗体を得た。HEK293細胞を、無血清条件下で標準的なトランスフェクション方法を使用して、得られた発現プラスミドでトランスフェクトした。抗体上清を、標準的なタンパク質Aクロマトグラフィーを使用して精製した。
【0344】
実施例9:ELISAによって測定される操作されたT細胞バイオアッセイにおけるヒト抗PD−L2抗体による誘導されたIL−2分泌
抗PD−L2抗体によるT細胞活性化の増強を、細胞ベースのバイオアッセイモデルで調査した。5x10
5個のJurkatヒトPD−1/PD−L2細胞を、個々の抗ヒトPD−L2抗体または参照アナログ抗体の段階希釈(0.25ng/ml−4μg/ml)で、10%FBSを含有するRPMIの100μlの総体積中の0.5μg/mlの抗ヒトCD3(Hit3、Biolegend)抗体の存在下で、96ウェル組織培養プレートにおいて18時間インキュベートした。遠心分離後、上清を収集し、IL−2 ELISAアッセイ(ELISA Max Deluxe、Biolegend)に、製造業者データシートに従って供した。IL−2レベルは、450nm−650nmの吸光度によって、IL−2標準曲線を使用して決定した。8点応答曲線の対数変換された非線形あてはめを計算し、GraphPad Prism Softwareを使用して描写した。IL−2放出によって表されるT細胞活性化有効性に関して、アナログ抗体VK2/VH2およびVK4/VH4に対する本発明の抗PD−L2抗体の優位性は、
図17に示される。Graphpad Prismを使用して曲線から計算された上位Il−2値は、
図18に示される。本発明のヒトPD−L2抗体が参照アナログ抗体(VK2/VH2およびVK4/VH4)と比較してより高い効力を有することを示す。
【0345】
実施例10:フローサイトメトリーによって決定されるヒトPD−1へのヒトPD−L2結合の遮断IC50
完全ヒト抗PD−L2抗体は、完全長ヒトPD−1を安定に発現するHEK293T細胞へのヒトPD−L2−Fc−ビオチンタンパク質の結合を阻害するそれらの能力において、アナログ参照抗PD−L2抗体と比較した。低抗原濃度(FACS):段階希釈(0.03ng/ml−0.5μg/ml)を有する個々の抗PD−L2抗体および100μlの総体積中(5ng/ml、100pM)の濃度の組換えヒトPD−L2−Fc−ビオチン(BPS Bioscience)を、4℃で60分間インキュベートした。抗体−タンパク質混合物を次いで、ヒトPD−1を発現する1.5×10
5個のHEK293細胞に加え、4℃で30分間インキュベートした。FACSwash緩衝剤で2回洗浄後、APCコンジュゲートストレプトアビジンを含有する100ulのFACSwash緩衝剤に細胞を再懸濁し、暗所で20分間4℃でインキュベートした。FACSwashで2回洗浄後、細胞表面上に結合したPD−L2−Fc−ビオチンを検出し、APC標識ストレプトアビジンのFACS分析によって定量化した。いくつかのウェルを、ストレプトアビジン−APCを有するか、または有さない、非特異的ヒトまたはラットIgGとインキュベートして、PD−L2/PD−1結合の最小(0%)および最大(100%)レベルを設定した。各抗体の抗体濃度およびIC50値に関する最大リガンド結合のパーセンテージを分析し、非線形曲線あてはめ(GraphPad Prism Software)を使用して視覚化した。IC50値は、
図19に描写される。
【0346】
実施例11:フローサイトメトリーによって決定されるヒトPD−1へのヒトPD−L2結合の遮断IC50
ヒトPD−L2を安定に発現するCHO−K1細胞へのマウスFcタンパク質(hPD−1−mFc)と融合したヒトPD−1の結合を阻害する完全ヒト抗PD−L2抗体と参照アナログ抗PD−L2抗体との能力の比較を、FACSによって評価した。高抗原濃度(FACS):段階希釈(0.25ng/ml−4μg/ml)を有する個々の抗PD−L2抗体を、ヒトPD−L2を発現する1.5x10
5個のCHO−K1細胞と4℃で30分間インキュベートした。未結合抗体を除去し、細胞をFACSwash緩衝剤で2回洗浄した。細胞を、0.5μg/mlの組換えhPD−1−mFc(IgG2a、BPS Bioscience)を含有する50ulのFACSwash緩衝剤に再懸濁し、4℃で30分間インキュベートした。FACSwashで2回洗浄後、APCコンジュゲートラット抗マウスIgG2a(Biolegend)を1:200希釈で含有する100μlのFACSwashに細胞を再懸濁し、暗所で20分間4℃でインキュベートした。FACSwashで3回洗浄後、結合したhPD−1−mFcを検出し、FACS分析によって定量化した。いくつかのウェルを、抗マウスIgGを有するか、または有さない、非特異的ヒトIgG1とインキュベートして、PD−L2/PD−1結合の最小(0%)および最大(100%)レベルを設定した。各抗体のIC50値を分析し、非線形曲線あてはめ(GraphPad Prism Software)を使用して視覚化した。標準誤差を含む表および棒グラフが
図20に示される。
【0347】
実施例12:FACSによって決定されるヒトPD−L2を発現するCHO−K1細胞への完全ヒト抗PD−L2抗体の結合EC50
完全長ヒトPD−L2を安定に発現するCHO−K1細胞への抗PD−L2抗体の結合を、FACSによって決定した。1.5x10
5個のCHO−K1/hPD−L2を、50μlのFACSwashでの段階希釈(0.25ng/ml−4μg/ml)を有する個々の抗PD−L2抗体と4℃で30分間インキュベートした。FACSwashで3回洗浄後、細胞を、APC標識抗ヒトIgG Fc(Biolegend、Clone HP6017)を1:1000希釈で含有する100μlのFACSwash緩衝剤に4℃で20分間再懸濁し、FACSwashで3回洗浄し、その後BD FACSCaliburでのFACS分析に供した。各抗体の抗体濃度およびEC50値に関する最大結合のパーセンテージを計算し、用量応答曲線を、
図21に示される非線形曲線あてはめ(GraphPad Prism Software)を使用して視覚化した。
【0348】
実施例13:ヒト抗PD−L2抗体10D1−G1、10A9−D2、および19B3−B3の最適化
配列変更の目的は、Asn脱アミド化またはMet酸化を防止することによって製造性を改善すること、またはヒトフレームワークアミノ酸残基を最も近い相同生殖系列残基に突然変異させることのいずれかであった。クローン10D1−G1、10A9−D2、および19B3−B3の軽鎖可変領域Asn残基の望ましくない脱アミド化を防止し、クローン19B3−B3の重鎖可変領域のMet酸化部位を除去するため、以下の最適化された抗PD−L2バリアント:10D1−G1 N31Q.N92Q.LC、10A9−D2 N31Q.LC、19B3−B3 M23K.M63L.HC、19B3−B3 N92Q.LC.M23K.M63L.HC、および19B3−B3 N92Y.LC.M23K.M63L.HCを生成した(表13)。最適化された抗体バリアントをHEK293細胞において発現させ、記載されるように精製した。その後、ヒトPD−L2を発現するCHO−K1への結合を試験する実験において、および操作されたT細胞バイオアッセイにおけるIL−2発現の刺激において、それらを親モノクローナルと比較した。
図22a、
図22b、
図22cおよび
図23a、
図23b、
図23cから明らかなように、これらの最適化されたバリアントは、親バージョンと同一または類似の活性を示す。加えて、最適化されたバリアントは、親クローンと同一の種選択性を示す(
図24)。
【0349】
前述の発明は、理解を明確にする目的で、例証および例としていくらか詳細に説明されてきたが、説明および例は、発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に引用される全ての特許および科学文献の開示は、それらの参考文献全体が明示的に組み込まれる。