(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-515809(P2021-515809A)
(43)【公表日】2021年6月24日
(54)【発明の名称】一組の抗薬剤耐性細菌活性を有する糖ペプチド化合物、その調製方法および応用
(51)【国際特許分類】
C07K 5/023 20060101AFI20210528BHJP
A61K 38/14 20060101ALI20210528BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20210528BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20210528BHJP
【FI】
C07K5/023
A61K38/14
A61P31/04
A61K9/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2020-570620(P2020-570620)
(86)(22)【出願日】2019年3月4日
(85)【翻訳文提出日】2020年10月26日
(86)【国際出願番号】CN2019076826
(87)【国際公開番号】WO2019170046
(87)【国際公開日】20190912
(31)【優先権主張番号】201810183928.6
(32)【優先日】2018年3月6日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520342792
【氏名又は名称】シャンハイ ライイー センター フォー バイオファーマスーティカル アール アンド ディー カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520342806
【氏名又は名称】ジャージャン メディスン カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】シャオ,チャン
(72)【発明者】
【氏名】ガ,メイ
(72)【発明者】
【氏名】ルアン,リンガオ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シャ,シン
(72)【発明者】
【氏名】ラオ,ミン
(72)【発明者】
【氏名】マン,チンチアン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ミンユ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB01
4C076BB11
4C076BB17
4C076BB31
4C076CC32
4C076DD22D
4C084AA01
4C084AA02
4C084AA03
4C084BA25
4C084BA34
4C084MA52
4C084MA63
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZB35
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA13
4H045BA51
4H045BA53
4H045EA29
4H045FA10
(57)【要約】
本発明は、一般式(I)に示される糖ペプチド化合物に適合する一組の抗薬剤耐性細菌活性を有する糖ペプチド化合物を開示し、
本発明は、前記糖ペプチド化合物の調製方法および応用をさらに提供する。テストによると、第2世代の糖ペプチド薬物であるオリタバンシンと比較して、本発明の糖ペプチド抗生物質化合物は、薬物耐性菌、特にMRSAまたはVREに対してより高い阻害活性を有し、さらなるテストによると、本発明のほとんどの糖ペプチド化合物はオリタバンシンより安全性が高く、皮膚や軟部組織の感染症、髄膜炎、敗血症、肺炎、関節炎、腹膜炎、気管支炎、膿胸などのさまざまな細菌感染症の治療または予防のための薬物に使用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一組の抗薬剤耐性細菌活性を有する糖ペプチド化合物であって、
一般式Iに示される糖ペプチド化合物に適合し、
【化1】
またはその薬学的に許容される塩に適合し、
Rは、次の式で表され:−A−D−E−G、
Aは、ベンゼン環であり、
Dは、−O−、または−S−、または−NH−であり、
Eは、−(CH
2)
m−であり、mは、1〜3であり、
Gは、構造式:
【化2】
であり、Lは、水素、メチル、ハロゲン、トリフルオロメチル、メトキシ中のいずれかの1つであることを特徴とする、前記抗薬剤耐性細菌活性を有する糖ペプチド化合物。
【請求項2】
Rは、4−ベンジルオキシフェニル、4−フェニルエトキシフェニル、4−フェニルプロポキシフェニル、4−(4’−メチルベンジルオキシ)フェニル、4−(4’−クロロベンジルオキシ)フェニル、4−(4’−メチルフェネトキシ)フェニル、4−(4’−フルオロフェネトキシ)フェニル、4−(4’−クロロフェネトキシ)フェニル、4−(4’−ブロモフェネトキシ)フェニル、4−(3’−ブロモフェネトキシ)フェニル、4−(4’−トリフルオロメチルフェネトキシ)フェニル、4−(4’−メトキシフェネトキシ)フェニル、4−(4’−クロロフェニルプロポキシ)フェニル、4−ベンジルチオフェニル、4−(4’−クロロベンジルチオ)フェニル、4−(4’−クロロフェネチルチオ)フェニル、4−ベンジルアミノフェニル、4−(4’−メチルベンジルアミノ)フェニル、4−(4’−クロロベンジルアミノ)フェニル、4−フェネチルアミノフェニル、4−(4’−クロロフェネチルアミノ)フェニル、4−(4’−トリフルオロメチルフェネチルアミノ)フェニル、4−(4’−メトキシフェネチルアミノ)フェニル、4−アンフェタミンフェニルおよび4−(4’−クロルアンフェタミン)フェニルを含むことを特徴とする
請求項1に記載の糖ペプチド化合物。
【請求項3】
医薬製剤であって、
請求項1に記載の抗薬剤耐性細菌活性を有する糖ペプチド化合物を有効成分として含有することを特徴とする、前記医薬製剤。
【請求項4】
前記製剤は、注射剤、経口剤、点滴剤または外用剤であることを特徴とする
請求項3に記載の医薬製剤。
【請求項5】
前記糖ペプチド化合物の重量パーセントは、0.1%〜99.9%であることを特徴とする
請求項3に記載の医薬製剤。
【請求項6】
請求項1または2に記載の抗薬剤耐性細菌活性を有する糖ペプチド化合物の調製方法であって、
Dが−O−または−S−である場合、構造式IIに示される化合物をアルデヒド、ボランtert−ブチルアミンと反応させて、一般式Iに示される化合物を獲得し:
【化3】
Dが−NH−である場合、構造式IIに示される化合物をアルデヒド、ボランtert−ブチルアミンおよびジエチルアミンと反応させて、一般式Iに示される化合物を獲得することを特徴とする、前記調製方法
【化4】
。
【請求項7】
前記アルデヒドは、4−ベンジルオキシベンズアルデヒド、4−フェニルエトキシベンズアルデヒド、4−フェニルプロポキシベンズアルデヒド、4−(4’−メチルベンジルオキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−クロロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−メチルフェネトキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−フルオロフェネトキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−クロロフェネトキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−ブロモフェネトキシ)ベンズアルデヒド、4−(3’−ブロモフェネトキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−トリフルオロメチルフェネトキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−メトキシフェネトキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−クロロフェニルプロポキシ)ベンズアルデヒド、4−ベンジルチオベンズアルデヒド、4−(4’−クロロベンジルチオ)ベンズアルデヒド、4−(4’−クロロフェネチルチオ)ベンズアルデヒド、4−(N−Fmoc−ベンジルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(4’−メチル−N−Fmoc−ベンジルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(4’−クロロ−N−Fmoc−ベンジルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(N−Fmoc−フェネチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(4’−クロロ−N−Fmoc−フェネチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(4’−トリフルオロメチル−N−Fmoc−フェネチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(4’−メトキシ−N−Fmoc−フェネチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(N−Fmoc−アンフェタミン)ベンズアルデヒドおよび4−(4’−クロロ−N−Fmoc−アンフェタミン)ベンズアルデヒドから選択されるいずれかの1つであることを特徴とする
請求項6に記載の調製方法。
【請求項8】
薬剤耐性細菌感染症の治療のための薬物の調製における、請求項1または2に記載の抗薬剤耐性細菌活性を有する糖ペプチド化合物の応用。
【請求項9】
前記薬剤耐性細菌は、グラム陽性薬剤耐性細菌であることを特徴とする
請求項8に記載の応用。
【請求項10】
前記薬剤耐性細菌は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌またはバンコマイシン耐性腸球菌であることを特徴とする
請求項9に記載の応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬化学合成の技術分野に属し、特に、感染症を治療するための薬物として使用することができる一組の新規糖ペプチド化合物に関する。本発明はまた、そのような化合物の調製方法および応用に関する。
【背景技術】
【0002】
感染症は常に人間が直面する主要な疾患の一つであり、中国では常に感染症の治療が重要かつ厄介な問題となっており、特に細菌耐性の状況は先進国よりも高く、さまざまな抗薬剤耐性薬物の需要も先進国よりも高い。実際、抗生物質の使用が臨床的に十分に管理されていても、薬剤耐性菌が徐々に現れる。したがって、人間と細菌感染の間の闘争は長く続くものである。前世紀末の先進国における抗薬物耐性菌の研究開発費の大幅な削減に関連して、「スーパーバクテリア」によって引き起こされる致命的な事件は、細菌感染に関する社会的懸念を新たにした。糖ペプチド化合物は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含む細菌に対して高い阻害活性を有する化合物であり、その代表的な薬物はバンコマイシンである。しかし、臨床応用により、バンコマイシンに耐性のある腸球菌(VRE)と、バンコマイシン活性が低下したMRSA細菌が出現した。既存の糖ペプチド化合物の構造を変えることにより、一連の新しい構造化合物を得ることができ、これらの新しい化合物は薬剤耐性菌に耐性があり、安全性などの面で潜在的な利点がある。多くのバンコマイシン化合物および他の糖ペプチド化合物が当技術分野で公知され、例えば、参考特許US6635618B2、US6392012B1、US5840684、US8420592B2、WO0039156A1、WO0183521A2、WO2011019839A2、EP0435503A1など、参考文献:Bioorg Med Chem Lett,2003,13(23):4165−4168、Curr Med Chem,2001,8(14):1759−1773およびExpert Opin Invest Drugs,2007,16(3):347−357などが糖ペプチド化合物を報告した。
【0003】
既存の報告では、中国の発明認定特許CN101928331Aは、構造が本発明の構造II化合物に示されているとおりである新規糖ペプチド化合物を開示しており、その構造は、ペプチド骨格の4−位と6−位のアミノ酸残基の両方にバンコモサミンを有し、従来の糖ペプチドと比較して、化合物IIはまったく新しい構造を有し、バンコサミンよりも高い抗菌活性を持っている。本発明の研究は、卓越した特性を有する新規化合物を得るために、既存の研究に基づいて構造の改変を最適化し続けることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の発明者らは、中国特許CN101928331Aに記載されている化合物を原料として使用し、それらを化学修飾して、一組の改良された糖ペプチド抗生物質化合物を得た。テストによると、第2世代の糖ペプチド薬物であるオリタバンシンと比較して、本発明の糖ペプチド抗生物質化合物は、薬物耐性菌、特にMRSAまたはVREに対してより高い阻害活性を有し、さらなるテストによると、本発明のほとんどの糖ペプチド化合物はオリタバンシンより安全性が高く、皮膚や軟部組織の感染症、髄膜炎、敗血症、肺炎、関節炎、腹膜炎、気管支炎、膿胸などのさまざまな細菌感染症の治療または予防のための薬物に使用できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の目的は、一組の抗薬剤耐性細菌活性を有する糖ペプチド化合物であって、一般式Iに示される糖ペプチド化合物に適合し、
【化1】
またはその薬学的に許容される塩に適合し、
Rは、次の式で表され:−A−D−E−G、
Aは、ベンゼン環であり、
Dは、−O−、または−S−、または−NH−であり、
Eは、−(CH
2)
m−であり、mは、1〜3であり、
Gは、構造式:
【化2】
であり、Lは、水素、メチル、ハロゲン、トリフルオロメチル、メトキシ中のいずれかの1つである、前記抗薬剤耐性細菌活性を有する糖ペプチド化合物を提供することである。
【0006】
本発明の好ましい実施例によれば、Rは、4−ベンジルオキシフェニル、4−フェニルエトキシフェニル、4−フェニルプロポキシフェニル、4−(4’−メチルベンジルオキシ)フェニル、4−(4’−クロロベンジルオキシ)フェニル、4−(4’−メチルフェネトキシ)フェニル、4−(4’−フルオロフェネトキシ)フェニル、4−(4’−クロロフェネトキシ)フェニル、4−(4’−ブロモフェネトキシ)フェニル、4−(3’−ブロモフェネトキシ)フェニル、4−(4’−トリフルオロメチルフェネトキシ)フェニル、4−(4’−メトキシフェネトキシ)フェニル、4−(4’−クロロフェニルプロポキシ)フェニル、4−ベンジルチオフェニル、4−(4’−クロロベンジルチオ)フェニル、4−(4’−クロロフェネチルチオ)フェニル、4−ベンジルアミノフェニル、4−(4’−メチルベンジルアミノ)フェニル、4−(4’−クロロベンジルアミノ)フェニル、4−フェネチルアミノフェニル、4−(4’−クロロフェネチルアミノ)フェニル、4−(4’−トリフルオロメチルフェネチルアミノ)フェニル、4−(4’−メトキシフェネチルアミノ)フェニル、4−アンフェタミンフェニル和4−(4’−クロルアンフェタミン)フェニルを含む。
【0007】
本発明の第2の目的は、医薬製剤であって、上記の抗薬剤耐性細菌活性を有する糖ペプチド化合物を有効成分として含有する、前記医薬製剤を提供することである。前記医薬製剤は、注射剤、経口剤、点滴剤または外用剤である。静脈内注射、皮下注射または経口投与により、治療を必要とする患者に投与することができる。経口投与の場合は、錠剤、散剤、カプセル剤等の固形剤とすることができ、注射する場合は、注射剤とすることができる。外用の場合は、軟膏、粉末にすることができるか、または担体に載せることができる。本発明の医薬製剤の様々な剤形は、医療分野における従来の方法によって調製することができ、有効成分糖ペプチド化合物の重量パーセントは0.1%〜99.9%であり、好ましい重量パーセントは0.5%〜90%である。
【0008】
上記の医薬製剤の一般的投与量は、バンコマイシン、ノルバンコマイシン、オリタバンシンの既存の投与量を参考にすることができ、例えば、成人の場合、0.1〜2.0g/dであることができるが、具体的には患者の年齢および状態の変化による。本発明の糖ペプチド化合物は、常法に従って塩として、例えば塩酸塩として調製することができる。
【0009】
本発明の第3の目的は、上記抗薬剤耐性細菌活性を有する糖ペプチド化合物の調製方法を提供することである。
【0010】
以下は、本発明の抗薬剤耐性細菌活性を有する糖ペプチド化合物を調製するための代表的な方法である。前記糖ペプチド化合物の調製は、このタイプの方法に限定されることを意図するものではなく、もちろん、他の方法によって行うことができる。典型的または好ましいプロセス条件(反応溶媒、反応温度、供給材料のモル比など)が示されているが、特に明記しない限り、他のプロセス条件も使用できることを理解することができる。最適なプロセス条件は、使用される特定の反応物または溶媒に応じて異なり得るが、当業者は、通常のプロセス条件を用いてそのような条件を容易に決定することができる。
【0011】
さらに、特定の官能基が望ましくない反応を受けるのを防ぐために、従来の保護基が必要または需要であり得ることは、当業者には明らかであろう。特定の官能基のための適切な保護基の選択、およびそのような官能基の保護および脱保護のための適切な条件は、当技術分野でよく知られている。必要に応じて、本明細書に例示されているもの以外の保護基を使用することができる。例えば、様々な保護基およびそれらの導入または除去は、T. W. Greene and G. M. Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd,Wiley,New York,1999およびそこに引用されている参考文献に記載されている。
【0012】
本発明において、前記一般式I化合物は、以下の合成経路により調製され得る:
(1)Dが−O−または−S−である場合、具体的に、Rが4−ベンジルオキシフェニル、4−フェニルエトキシフェニル、4−フェニルプロポキシフェニル、4−(4’−メチルベンジルオキシ)フェニル、4−(4’−クロロベンジルオキシ)フェニル、4−(4’−メチルフェネトキシ)フェニル、4−(4’−フルオロフェネトキシ)フェニル、4−(4’−クロロフェネトキシ)フェニル、4−(4’−ブロモフェネトキシ)フェニル、4−(3’−ブロモフェネトキシ)フェニル、4−(4’−トリフルオロメチルフェネトキシ)フェニル、4−(4’−メトキシフェネトキシ)フェニル、4−(4’−クロロフェニルプロポキシ)フェニル、4−ベンジルチオフェニル、4−(4’−クロロベンジルチオ)フェニルおよび4−(4’−クロロフェネチルチオ)フェニルである場合、構造式IIに示される化合物をアルデヒド、ボランtert−ブチルアミンと反応させて、一般式Iに示される化合物を獲得する:
【化3】
。
(2)Dが−NH−である場合、具体的に、Rが4−ベンジルアミノフェニル、4−(4’−メチルベンジルアミノ)フェニル、4−(4’−クロロベンジルアミノ)フェニル、4−フェネチルアミノフェニル、4−(4’−クロロフェネチルアミノ)フェニル、4−(4’−トリフルオロメチルフェネチルアミノ)フェニル、4−(4’−メトキシフェネチルアミノ)フェニル、4−アンフェタミンフェニルおよび4−(4’−クロルアンフェタミン)フェニルである場合、構造式IIに示される化合物をアルデヒド、ボランtert−ブチルアミンおよびジエチルアミンと反応させて、一般式Iに示される化合物を獲得する:
【化4】
。
【0013】
通常、上記の反応はこのような方法で行われる:1つまたはいくつかの有機溶媒(DMF、DMSO、メタノール、エタノールなど)を使用して、好ましくはDMFとメタノールの混合溶媒を使用し、DIEAなどの過剰なアミン(通常は約2当量)の存在下で、約0 ℃〜約100 ℃の温度、好ましくは65 ℃の温度で、化合物IIを約0.5〜2.5当量、好ましくは1.3当量のアルデヒドと約0.5〜約4時間混合し、反応物を約0 ℃〜約40 ℃、好ましくは室温まで冷却し、トリフルオロ酢酸などの反応物に過剰の酸(通常は約3当量)を加えてから、一般に定義されている還元剤(水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、ボランtert−ブチルアミン、ボランピリジンなど)、好ましくはボランtert−ブチルアミン(通常は約2当量)を加える。次に、反応物を、反応が実質的に完了するまで、約0 ℃〜約100 ℃、好ましくは室温で混合する。反応が完了すると、従来の分離および精製プロセスを使用して、シリカゲル、イオン交換樹脂、ポリマーフィラー、C18液相調製、溶媒沈殿、結晶化などの一般式Iの化合物を取得し、好ましくは、ポリマーフィラーを使用して分離と精製を行う。
【0014】
上記の反応が完了したら、よく知られている方法と一般的に適用可能な試薬を使用して、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基、接触水素化、アルカリ加水分解などの生成物に存在する保護基を除去し、好ましくは、有機塩基を使用し、例えば、ジエチルアミンを使用して生成物中のFmoc保護基を除去する。反応が完了すると、従来の分離および精製プロセスを使用して、シリカゲル、イオン交換樹脂、ポリマーフィラー、C18液相調製、溶媒沈殿、結晶化などの一般式Iの化合物を取得し、好ましくは、ポリマーフィラーを使用して分離と精製を行う。
【0015】
上記の経路に適したアルデヒド、反応試薬および精製装置はすべて市販されている。
【0016】
本発明の好ましい実施例によれば、前記アルデヒドは、4−ベンジルオキシベンズアルデヒド、4−フェニルエトキシベンズアルデヒド、4−フェニルプロポキシベンズアルデヒド、4−(4’−メチルベンジルオキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−クロロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−メチルフェネトキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−フルオロフェネトキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−クロロフェネトキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−ブロモフェネトキシ)ベンズアルデヒド、4−(3’−ブロモフェネトキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−トリフルオロメチルフェネトキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−メトキシフェネトキシ)ベンズアルデヒド、4−(4’−クロロフェニルプロポキシ)ベンズアルデヒド、4−ベンジルチオベンズアルデヒド、4−(4’−クロロベンジルチオ)ベンズアルデヒド、4−(4’−クロロフェネチルチオ)ベンズアルデヒド、4−(N−Fmoc−ベンジルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(4’−メチル−N−Fmoc−ベンジルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(4’−クロロ−N−Fmoc−ベンジルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(N−Fmoc−フェネチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(4’−クロロ−N−Fmoc−フェネチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(4’−トリフルオロメチル−N−Fmoc−フェネチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(4’−メトキシ−N−Fmoc−フェネチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(N−Fmoc−アンフェタミン)ベンズアルデヒドおよび4−(4’−クロロ−N−Fmoc−アンフェタミン)ベンズアルデヒドから選択されるいずれかの1つである。
【0017】
本発明の第4の目的は、薬剤耐性細菌感染症の治療のための薬物の調製における、糖ペプチド化合物の応用を提供することである。
【0018】
本発明の好ましい実施例によれば、前記薬剤耐性細菌は、グラム陽性薬剤耐性細菌である。
【0019】
本発明の好ましい実施例によれば、前記薬剤耐性細菌は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌またはバンコマイシン耐性腸球菌である。
【発明の効果】
【0020】
テストによると、第2世代の糖ペプチド薬物であるオリタバンシンと比較して、本発明の糖ペプチド抗生物質化合物は、薬物耐性菌、特にMRSAまたはVREに対してより高い阻害活性を有し、さらなるテストによると、本発明のほとんどの糖ペプチド化合物はオリタバンシンより安全性が高く、皮膚や軟部組織の感染症、髄膜炎、敗血症、肺炎、関節炎、腹膜炎、気管支炎、膿胸などのさまざまな細菌感染症の治療または予防のための薬物に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、具体的な実施例に関連して本発明をさらに説明する。以下の実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0022】
本発明において、以下の略語は以下の意味を有する。未定義の略語は、一般的に受け入れられている意味を持っている。特に明記しない限り、すべての室温は20〜30 ℃の温度を指す。
DIEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
ESI エレクトロスプレイイオン化質量分析
Fmoc 9−フルオレニルメトキシカルボニル
H 時間
LD
50 50%致死量
MRSA メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
MIC 最小発育阻止濃度
MS 質量分析
TFA トリフルオロ酢酸
VRE バンコマイシン耐性腸球菌
【0023】
本発明において、関与する出発化合物IIを得る方法は、中国特許CN101928331Aの特許出願書類の記載を参照し、本発明における他の原材料、材料およびデバイスはすべて商業化され、入手可能である。
【0024】
以下の実施例では、逆相ポリマーフィラーUni PS25−300およびUni PSA30−300を使用して、合成によって得られた粗生成物を精製した。粗生成物をメタノール(またはアセトニトリル)水溶液に溶解した後、1倍カラム容量/時間の流速でフィラーに充填したガラスクロマトグラフィーカラムにサンプルをロードした。サンプルをロードした後、メタノール(またはアセトニトリル)水溶液で1時間前洗浄し、次に、TFAを含むメタノール(またはアセトニトリル)水溶液で、1.5倍カラム容量/時間の流速で溶出した。1倍カラム容量を溶出した後、溶出液の収集を開始し、溶出液を濃縮および乾燥して、各サンプルの純粋な生成物を取得した。
【0025】
以下の実施例では、特に指定のない限り、溶離液の比率はすべて体積パーセントを指し、収率はモル収率を指す。
【0026】
以下の実施例に関連される各化合物の構造は表1に示したとおりである。
表1、各化合物の構造
【表1】
実施例一、化合物1の調製
【0027】
化合物II(0.5 g、0.3 mmol)を10 mLDMF−メタノール(1:1、v/v)と攪拌し、DIEA(0.1 mL、0.6 mmol)および4−ベンジルオキシベンズアルデヒド(0.085 g、0.4 mmol)を加え、65 ℃で2時間攪拌した後、室温に冷却し、TFA(0.07 mL、0.9 mmol)およびボランtert−ブチルアミン(0.05 g、0.6 mmol)を加え、引き続き室温で2時間攪拌し、反応液にメチルtert−ブチルエーテル(50 mL)を加え、沈殿物を吸引ろ過で回収し、残留物を逆相ポリマーフィラーで精製し、メタノール−0.04%TFA水溶液(1:4、v/v)で溶出し、濃縮、乾燥して化合物1(白色の固体0.28g、収率52%)を得た。
C
87H
100Cl
2N
10O
27分子量計算値:1786.61、実際の測定値:m/z=1787.60[M+H]
+。
実施例二、化合物2の調製
【0028】
化合物II(0.5 g、0.3 mmol)を10 mLのDMF−メタノール(1:1、v/v)と攪拌し、DIEA(0.1 mL、0.6 mmol)および4−フェニルエトキシベンズアルデヒド(0.09g、0.4 mmol)を加え、65 ℃で2時間攪拌した後、室温に冷却し、TFA(0.07 mL、0.9 mmol)およびボランtert−ブチルアミン(0.05 g、0.6 mmol)を加え、引き続き室温で2時間攪拌し、反応液にメチルtert−ブチルエーテル(50 mL)を加え、沈殿物を吸引ろ過で回収し、残留物を逆相ポリマーフィラーで精製し、メタノール−0.04%TFA水溶液(1:4、v/v)で溶出し、濃縮、乾燥して化合物2(白色の固体0.31 g、収率57%)を得た。
C
88H
102Cl
2N
10O
27分子量計算値:1800.63、実際の測定値:m/z=1801.63[M+H]
+。
実施例三、化合物3の調製
【0029】
化合物II(1.0 g、0.6 mmol)を15 mLのDMF−メタノール(1:1、v/v)と攪拌し、DIEA(0.2 mL、1.2 mmol)および4−フェニルプロポキシベンズアルデヒド(0.2 g、0.8 mmol)を加え、65 ℃で2時間攪拌した後、室温に冷却し、TFA(0.14 mL、1.8 mmol)およびボランtert−ブチルアミン(0.1 g、1.2 mmol)を加え、引き続き室温で2時間攪拌し、メチルtert−ブチルエーテル(70 mL)を加え、沈殿物を吸引ろ過で回収し、残留物を逆相ポリマーフィラーで精製し、メタノール−0.04%TFA水溶液(1:4、v/v)で溶出し、濃縮、乾燥して化合物3(白色の固体0.65 g、収率60%)を得た。
C
89H
104Cl
2N
10O
27分子量計算値:1814.64、実際の測定値:m/z=1815.64[M+H]
+。
実施例四、化合物4の調製
【0030】
化合物4の調製方法は化合物1の調製方法と同じであり、使用するアルデヒドを4−(4’−メチルベンジルオキシ)ベンズアルデヒドに置き換えて、化合物4(白色の固体0.3g、収率56%)を得た。
C
88H
102Cl
2N
10O
27分子量計算値:1800.63、実際の測定値:m/z=1801.63[M+H]
+。
実施例五、化合物8の調製
【0031】
化合物II(1.0 g、0.6 mmol)を15 mLのDMF−メタノール(1:1、v/v)と攪拌し、DIEA(0.2 mL、1.2 mmol)および4−(4’−クロロフェネトキシ)ベンズアルデヒド(0.21 g、0.8 mmol)を加え、65 ℃で2時間攪拌した後、室温に冷却し、TFA(0.14 mL、1.8 mmol)およびボランtert−ブチルアミン(0.1 g、1.2 mmol)を加え、引き続き室温で2時間攪拌し、メチルtert−ブチルエーテル(70 mL)を加え、沈殿物を吸引ろ過で回収し、残留物を逆相ポリマーフィラーで精製し、メタノール−0.04%TFA水溶液(1:4、v/v)で溶出し、濃縮、乾燥して化合物8(白色の固体0.55 g、収率50%)を得た。
C
88H
101Cl
3N
10O
27分子量計算値:1834.59、実際の測定値:m/z=1835.60[M+H]
+。
実施例六、化合物10の調製
【0032】
化合物II(1.0 g、0.6 mmol)を15 mLのDMF−メタノール(1:1、v/v)と攪拌し、DIEA(0.2 mL、1.2 mmol)および4−(3’−ブロモフェネトキシ)ベンズアルデヒド(0.24g、0.8 mmol)を加え、65 ℃で2時間攪拌した後、室温に冷却し、TFA(0.14 mL、1.8 mmol)およびボランtert−ブチルアミン(0.1 g、1.2 mmol)を加え、引き続き室温で2時間攪拌し、メチルtert−ブチルエーテル(70 mL)を加え、沈殿物を吸引ろ過で回収し、残留物を逆相ポリマーフィラーで精製し、メタノール−0.04%TFA水溶液(1:4、v/v)で溶出し、濃縮、乾燥して化合物10(白色の固体0.65 g、収率58%)を得た。
C
88H
101BrCl
2N
10O
27分子量計算値:1878.54、実際の測定値:m/z=1879.54[M+H]
+。
実施例七、化合物11の調製
【0033】
化合物11の調製方法は化合物8の調製方法と同じであり、使用するアルデヒドを4−(4’−トリフルオロメチルフェネトキシ)ベンズアルデヒドに置き換えて、化合物11(白色の固体0.68 g、収率61%)を得た。
C
89H
101Cl
2F
3N
10O
27分子量計算値:1868.62、実際の測定値:m/z=1869.64[M+H]
+。
実施例八、化合物12の調製
【0034】
化合物II(0.5 g、0.3 mmol)を10 mLのDMF−メタノール(1:1、v/v)と攪拌し、DIEA(0.1 mL、0.6 mmol)および4−(4’−メトキシフェネトキシ)ベンズアルデヒド(0.1 g、0.4 mmol)を加え、65 ℃で2時間攪拌した後、室温に冷却し、TFA(0.07 mL、0.9 mmol)およびボランtert−ブチルアミン(0.05 g、0.6 mmol)を加え、引き続き室温で2時間攪拌し、反応液にメチルtert−ブチルエーテル(50 mL)を加え、沈殿物を吸引ろ過で回収し、残留物を逆相ポリマーフィラーで精製し、メタノール−0.04%TFA水溶液(1:4、v/v)で溶出し、濃縮、乾燥して化合物12(白色の固体0.22 g、収率40%)を得た。
C
89H
104Cl
2N
10O
28分子量計算値:1830.64、実際の測定値:m/z=1831.64[M+H]
+。
実施例九、化合物13の調製
【0035】
化合物13の調製方法は化合物12の調製方法と同じであり、使用するアルデヒドを4−(4’−クロロフェニルプロポキシ)ベンズアルデヒドに置き換えて、化合物13(白色の固体0.31 g、収率56%)を得た。
C
89H
103Cl
3N
10O
27分子量計算値:1848.61、実際の測定値:m/z=1849.62[M+H]
+。
実施例十、化合物16の調製
【0036】
化合物II(1.0 g、0.6 mmol)を15 mLのDMF−メタノール(1:1、v/v)と攪拌し、DIEA(0.2 mL、1.2 mmol)および4−(4’−クロロフェネチルチオ)ベンズアルデヒド(0.22 g、0.8 mmol)を加え、65 ℃で2時間攪拌した後、室温に冷却し、TFA(0.14 mL、1.8 mmol)およびボランtert−ブチルアミン(0.1 g、1.2 mmol)を加え、引き続き室温で2時間攪拌し、メチルtert−ブチルエーテル(70 mL)を加え、沈殿物を吸引ろ過で回収し、残留物を逆相ポリマーフィラーで精製し、メタノール−0.04%TFA水溶液(1:4、v/v)で溶出し、濃縮、乾燥して化合物16(白色の固体0.55 g、収率50%)を得た。
C
88H
101Cl
3N
10O
26S分子量計算値:1850.57、実際の測定値:m/z=1851.57[M+H]
+。
実施例十一、化合物18の調製
【0037】
化合物II(0.5 g、0.3 mmol)を10 mLDMF−メタノール(1:1、v/v)と攪拌し、DIEA(0.1 mL、0.6 mmol)および4−(4’−メチル−N−Fmoc−ベンジルアミノ)ベンズアルデヒド(0.18g、0.4 mmol)を加え、65 ℃で2時間攪拌した後、室温に冷却し、TFA(0.07 mL、0.9 mmol)およびボランtert−ブチルアミン(0.05 g、0.6 mmol)を加え、引き続き室温で2時間攪拌し、ジエチルアミン(1 mL)を加えて3時間攪拌し、反応液にメチルtert−ブチルエーテル(50 mL)を加え、沈殿物を吸引ろ過で回収し、残留物を逆相ポリマーフィラーで精製し、メタノール−0.04%TFA水溶液(1:4、v/v)で溶出し、濃縮、乾燥して化合物18(白色の固体0.24g、収率44%)を得た。
C
88H
103Cl
2N
11O
26分子量計算値:1799.65、実際の測定値:m/z=1800.65[M+H]
+。
実施例十二、化合物20の調製
【0038】
化合物20の調製方法は化合物18の調製方法と同じであり、使用するアルデヒドを4−(N−Fmoc−フェネチルアミノ)ベンズアルデヒドに置き換えて、化合物20(白色の固体0.35 g、収率65%)を得た。
C
88H
103Cl
2N
11O
26分子量計算値:1799.65、実際の測定値:m/z=1800.65[M+H]
+。
実施例十三、化合物21の調製
【0039】
化合物II(0.5 g、0.3 mmol)を10 mLDMF−メタノール(1:1、v/v)と攪拌し、DIEA(0.1 mL、0.6 mmol)および4−(4’−クロロ−N−Fmoc−フェネチルアミノ)ベンズアルデヒド(0.19g、0.4 mmol)を加え、65 ℃で2時間攪拌した後、室温に冷却し、TFA(0.07 mL、0.9 mmol)およびボランtert−ブチルアミン(0.05 g、0.6 mmol)を加え、引き続き室温で2時間攪拌し、ジエチルアミン(1 mL)を加えて3時間攪拌し、反応液にメチルtert−ブチルエーテル(50 mL)を加え、沈殿物を吸引ろ過で回収し、残留物を逆相ポリマーフィラーで精製し、メタノール−0.04%TFA水溶液(1:4、v/v)で溶出し、濃縮、乾燥して化合物21(白色の固体0.2 g、収率36%)を得た。
C
88H
102Cl
3N
11O
26分子量計算値:1833.61、実際の測定値:m/z=1834.60[M+H]
+。
実施例十四、化合物23の調製
【0040】
化合物23の調製方法は化合物21の調製方法と同じであり、使用するアルデヒドを4−(4’−メトキシ−N−Fmoc−フェネチルアミノ)ベンズアルデヒドに置き換えて、化合物23(白色の固体0.3g、収率55%)を得た。
C
89H
105Cl
2N
11O
27分子量計算値:1829.66、実際の測定値:m/z=1830.65[M+H]
+。
実施例十五、化合物25の調製
【0041】
化合物II(0.5 g、0.3 mmol)を10 mLのDMF−メタノール(1:1、v/v)と攪拌し、DIEA(0.1 mL、0.6 mmol)および4−(4’−クロロ−N−Fmoc−アンフェタミン)ベンズアルデヒド(0.2 g、0.4 mmol)を加え、65 ℃で2時間攪拌した後、室温に冷却し、TFA(0.07 mL、0.9 mmol)およびボランtert−ブチルアミン(0.05 g、0.6 mmol)を加え、引き続き室温で2時間攪拌し、ジエチルアミン(1 mL)を加えて3時間攪拌し、反応液にメチルtert−ブチルエーテル(50 mL)を加え、沈殿物を吸引ろ過で回収し、残留物を逆相ポリマーフィラーで精製し、メタノール−0.04%TFA水溶液(1:4、v/v)で溶出し、濃縮、乾燥して化合物25(白色の固体0.36g、収率65%)を得た。
C
89H
104Cl
3N
11O
26分子量計算値:1847.62、実際の測定値:m/z=1848.63[M+H]
+。
実施例十六、塩形成実施例
【0042】
50 mg化合物8を1 mLの飽和塩化水素メタノール溶液に加え、室温で撹拌し、凍結乾燥して、化合物8の塩酸塩である白色の固体50 mgを得た。
さらに、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、アスパラギン酸またはグルタミン酸を使用して、上記飽和塩化水素メタノール溶液中の塩化水素を置き換え、対応する塩を得た。
実施例十七、製剤実施例
【0043】
本実施例は、説明のみのためであり、本発明の範囲を限定することを意図しないことに留意されたい。用語「有効成分」は、本発明の化合物、溶媒和物、互変異性体、光学異性体、プロドラッグ、薬学的に許容される塩などを指す。
【0044】
静脈内製剤は次のようにして調製できる:
有効成分 100 mg
等張食塩水 1000 mL
上記の成分の溶液は、通常、患者に1 mL/分の速度で静脈内投与する。
実施例十八、化合物の抗菌活性の測定
【0045】
表1の化合物のインビトロ抗菌活性を測定し、最小発育阻止濃度値(MIC)を読み取り、測定方法は「中華人民共和国の薬局方」(2015年版)に提供されている方法を参照する。MRSA検出株はATCCから購入し、VRE検出株は上海華山病院から臨床的に分離された薬剤耐性株07−W3−45に由来し、既知の抗生物質オリタバンシン(リン酸塩)を参照薬として使用し、比較テストの結果は表2に示したとおりである。
【0046】
同時に表1の化合物のゼブラフィッシュ毒性試験を行った。6ウェルプレートに野生型AB型ゼブラフィッシュをランダムに選択し、各試験サンプルをそれぞれ50、100、150、200、および250 ng/尾の用量に静脈内注入し、同時に、正常対照群と溶媒対照群(リン酸水溶液)を設定し、実験中、ゼブラフィッシュの死亡状況を毎日観察および記録し、死んだ魚を取り除き、72時間後、ゼブラフィッシュの死亡状況をカウントした。ゼブラフィッシュに対する各テスト製品のLD
50を計算し、結果を表2にまとめた。
【0047】
表2、MRSA、VREのMIC(μg/mL)ゼブラフィッシュに対する表1の各化合物LD
50
【表2】
【0048】
すべてのサンプルは、リン酸塩の形でゼブラフィッシュの毒性テストを行った。
【0049】
表2から、第2世代の糖ペプチド薬物であるオリタバンシンと比較して、本発明の糖ペプチド抗生物質化合物は、薬物耐性菌、特にMRSAまたはVREに対してより高い阻害活性またはより少ない毒性、より高い安全性を有することがわかる。
【0050】
以上、本発明の具体的な実施例について詳細に説明したが、これらは一例であり、本発明は上記の具体的な実施例に限定されるものではない。当業者にとって、本発明になされた同等の修正および置換も本発明の範囲内である。したがって、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われるすべての同等の変更および修正は、本発明の範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】