特表2021-516158(P2021-516158A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-516158有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-516158(P2021-516158A)
(43)【公表日】2021年7月1日
(54)【発明の名称】有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/34 20060101AFI20210604BHJP
   E04H 14/00 20060101ALI20210604BHJP
   A01G 9/02 20180101ALI20210604BHJP
   A01K 63/00 20170101ALI20210604BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20210604BHJP
   A01G 9/14 20060101ALI20210604BHJP
   C02F 3/32 20060101ALI20210604BHJP
【FI】
   C02F3/34 101D
   E04H14/00
   A01G9/02 103
   A01K63/00 Z
   A01G7/00 601A
   A01G9/14 Z
   C02F3/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-572589(P2020-572589)
(86)(22)【出願日】2018年6月6日
(85)【翻訳文提出日】2020年9月11日
(86)【国際出願番号】CN2018090171
(87)【国際公開番号】WO2019184087
(87)【国際公開日】20191003
(31)【優先権主張番号】201810264064.0
(32)【優先日】2018年3月28日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520353020
【氏名又は名称】宋 志遠
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宋 志遠
【テーマコード(参考)】
2B022
2B029
2B104
2B327
4D040
【Fターム(参考)】
2B022DA01
2B029AA10
2B029KB03
2B104CA01
2B104EG03
2B327ND01
4D040BB07
4D040BB42
4D040BB63
4D040BB82
4D040CC02
4D040CC05
4D040CC07
(57)【要約】
本出願は有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築を開示している。
有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築であって、建物に設けられているとともに、各階の外壁立面に位置する生産維持通路(20)を有し、建物の外壁には交換可能な栽培箱(3)が設けられ、建物の各台所にはいずれもごみシュレッダーが設けられ、建物の各トイレにはいずれも真空式トイレシステムが設けられ、バイオガス発生池(7)は真空基地局(8)に連通し、真空基地局(8)は真空管路(10)を介して真空式トイレシステムに接続され、バイオガス発生池(7)はバイオガススラリー管路(11)を介してバイオガススラリー貯蔵池(9)に連通し、バイオガス発生池(7)の入口端は汚水輸送管路(12)を介してごみシュレッダーの排出口に接続される。該エコ建築は環境へのやさしさ、家庭ゴミのゼロ排出を実現し、有機農業生産機能と内部循環処理機能を備える。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築であって、前記エコ建築の壁体(1)の内側には多層の住民ユニット(2)が設けられ、壁体(1)の外壁には交換可能な栽培箱(3)が配置され、交換可能な栽培箱(3)の間には複数行の水・肥料灌漑配管綱(5)が設けられ、壁体(1)の外壁にはさらに水・肥料灌漑管路(4)が設けられ、水・肥料灌漑管路(4)は水・肥料灌漑配管綱(5)に連通し、前記住民ユニット(2)は栽培養殖層(17)と住み層(18)とを有し、栽培養殖層(17)の外縁は廊下の外に延伸し、環状のU字状フレーム(19)を構成し、住み層(18)の外縁は壁体(1)の外に延伸し、環状の生産維持通路(20)を構成し、生産維持通路(20)の左側及び右側にはそれぞれ左引出・引戻手段(21)と右引出・引戻手段(22)とが設けられ、栽培養殖層(17)には左アクアポニックス養殖装置(23)と右アクアポニックス養殖装置(24)とが設けられ、前記住み層(18)は並列された複数本の横梁(25)を有し、隣接する2つの横梁(25)の間には、一端が横梁(25)にヒンジ接続され、他端が他の横梁(25)にかかるフリップカバー(26)が設けられ、前記フリップカバー(26)の底部にはLED光源(53)が設けられ、前記栽培養殖層(17)と住み層(18)との間の壁体には通路が開けられ、
前記右アクアポニックス養殖装置(24)は栽培養殖箱(27)と、栽培養殖箱(27)に設けられる循環ポンプ(28)と、U字状フレーム(19)の右側に固定配置される右リミット板(29)と、栽培養殖層(17)の天井部に固定配置されるラック(30)と、左リミット板(31)とを有し、ラック(30)は左リミット板(31)と右リミット板(29)との間に位置し、前記栽培養殖箱(27)の底部には回転するように複数の歯車(32)が装着され、歯車(32)とラック(30)とが噛合し、栽培養殖箱(27)内には、下へ向いて左に傾斜する仕切板(33)が固定配置され、仕切板(33)の低位箇所には入水孔(34)が開けられ、仕切板(33)の上方にはセラミックス粒子層(35)が敷設され、前記栽培養殖箱(27)の底部は下へ向いて右に傾斜するように配置され、栽培養殖箱(27)の底部には排水孔(36)が設けられ、排水孔(36)は栽培養殖箱(27)の底部の傾斜面の低位箇所に位置し、排水孔(36)は管路を介して循環ポンプ(28)の入口端に接続され、循環ポンプ(28)の出口端には、セラミックス粒子層(35)の上方にある排水管(50)が接続され、排水管(50)の下方には複数の排水継手が設けられ、
前記右引出・引戻手段(22)は左アクアポニックス養殖装置(23)と右アクアポニックス養殖装置(24)との間に設けられる中間ガイドプーリ(37)と、ハンドル(38)と、生産維持通路(20)の右側に固定配置されるホルダ(39)及びダブルスロットシーブ(40)と、右リミット板(29)の右側に設けられるガイドプーリA(41)と、横梁(25)の底部に設けられるガイドプーリB(42)と、ホルダ(39)に設けられるL板と、回転するようにホルダ(39)に装着される第1リール(43)と、回転するようにL板に装着される第2リール(44)とを有し、前記第1リール(43)と第2リール(44)にはいずれもキー溝(45)が開けられ、ハンドル(38)にはキー溝(45)と係合するキー(46)が設けられ、前記第1リール(43)には第1スチールロープ(47)が巻かれており、第1スチールロープ(47)の先端は順にダブルスロットシーブ(40)の一方のスロット、ガイドプーリA(41)のスロットを通過し、右アクアポニックス養殖装置(24)の栽培養殖箱(27)の右側に固定され、前記第2リール(44)には第2スチールロープ(48)が巻かれており、第2スチールロープ(48)の先端は順にダブルスロットシーブ(40)の他方のスロット、ガイドプーリB(42)のスロット、中間ガイドプーリ(37)のスロットを通過し、右アクアポニックス養殖装置(24)の栽培養殖箱(27)の左側に固定され、前記中間ガイドプーリ(37)はダブルスロットガイドプーリであり、
該エコ建築はさらに、地面の下に設けられる人工湿地システム(6)と、バイオガス発生池(7)と、ガスタンク(49)と、真空基地局(8)とバイオガススラリー貯蔵池(9)とを有し、前記バイオガス発生池(7)は真空基地局(8)に連通し、真空基地局(8)は真空管路(10)を介して真空式トイレシステムに接続され、バイオガス発生池(7)はバイオガススラリー管路(11)を介してバイオガススラリー貯蔵池(9)に連通し、バイオガス発生池(7)の入口端は汚水輸送管路(12)を介してごみシュレッダーの排出口に接続され、バイオガス発生池(7)のバイオガス出口はガスタンク(49)の入口に接続され、ガスタンク(49)の出口はバイオガス管路(13)を介して台所のガス管路に接続され、前記バイオガススラリー貯蔵池(9)の出口端にはリフトポンプ(14)が接続され、リフトポンプ(14)の出口端は、水・肥料灌漑管路(4)の下端部に接続され、前記人工湿地システム(6)の入口端には回収水収集管路(15)が接続され、回収水収集管路(15)は建物(1)内の回収水排出口に連通し、人工湿地システム(6)の出口端には水ポンプ(16)が接続され、水ポンプ(16)の排水口は、水・肥料灌漑管路(4)の下端部に接続されることを特徴とする有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築。
【請求項2】
前記左アクアポニックス養殖装置(23)と右アクアポニックス養殖装置(24)とは対称配置されることを特徴とする請求項1に記載の有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築。
【請求項3】
前記左引出・引戻手段(21)と右引出・引戻手段(22)とは対称配置されることを特徴とする請求項1に記載の有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築。
【請求項4】
前記ホルダ(39)には交換可能な栽培箱(3)が配置されることを特徴とする請求項1に記載の有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築。
【請求項5】
前記生産維持通路(20)には操作通路(51)が開けられ、操作通路(51)の天井部には蓋板(52)がヒンジ接続されることを特徴とする請求項1に記載の有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築。
【請求項6】
前記生産維持通路(20)の幅は60~80CMであることを特徴とする請求項1に記載の有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築。
【請求項7】
前記生産維持通路(20)の縁には安全ネットが設けられることを特徴とする請求項1に記載の有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築。
【請求項8】
前記バイオガススラリー貯蔵池(9)内には液位センサが設けられることを特徴とする請求項1に記載の有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築。
【請求項9】
該エコ建築はさらにバイオガススラリードリップ制御システムを有し、前記バイオガススラリードリップ制御システムはリフトポンプ(14)、水ポンプ(16)、循環ポンプ(28)及び液位センサに電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築。
【請求項10】
前記キー溝(45)はスプライン溝であり、前記キー(46)はスプライン溝と係合するスプラインであることを特徴とする請求項1に記載の有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農業、水産、養殖、建築、環境マネジメントが総合された技術分野に関わり、特に有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築に関わる。
【背景技術】
【0002】
出願番号が200620035295.7であり、名称が「節約型エコ建築の構造モード」である中国特許は、建築の屋上、ベランダ、庭での農作物の栽培を実現したが、用地面積の制限のため、栽植面積が小さく、生産量が低く、大規模の有機農業の生産を形成できない。かかる技術を欠如するから、屋上、ベランダ、庭の総体的な面積の数十、数百倍の建築の外壁立面は効果的に利用されていない。また、その技術は汚物排出管路システムを介して汚染された廃水(例えば洗濯廃水、排泄物)を建物の外に排出し処理した後、排出するから、建物の家庭ゴミ(台所ゴミ、台所廃水、排泄物、洗濯水、風呂水)の建築内部の循環処理及び利用を実現していなく、家庭ゴミのゼロ排出を実現できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術の欠陥を克服するために、有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は以下の技術案によって実現され、有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築であって、前記エコ建築の壁体の内側には、多層の住民ユニットが設けられ、壁体の外壁には交換可能な栽培箱が配置され、交換可能な栽培箱の間には複数行の水・肥料灌漑配管綱が設けられ、壁体の外壁にはさらに水・肥料灌漑管路が設けられ、水・肥料灌漑管路は水・肥料灌漑配管綱に連通し、前記住民ユニットは栽培養殖層と住み層とを有し、栽培養殖層の外縁が廊下の外に延伸し、環状のU字状フレームを構成し、住み層の外縁が壁体の外に延伸し、環状の生産維持通路を構成し、生産維持通路の左側及び右側にはそれぞれ左引出・引戻手段と右引出・引戻手段とが設けられ、栽培養殖層には左アクアポニックス養殖装置と右アクアポニックス養殖装置とが設けられ、前記住み層は並列された複数本の横梁を有し、隣接する2つの横梁の間には、一端が横梁にヒンジ接続され、他端が他の横梁にかかるフリップカバーが設けられ、前記フリップカバーの底部にはLED光源が設けられ、前記栽培養殖層と住み層との間の壁体には通路が開けられ、
前記右アクアポニックス養殖装置が栽培養殖箱と、栽培養殖箱に設けられる循環ポンプと、U字状フレームの右側に固定配置される右リミット板と、栽培養殖層の天井部に固定配置されるラックと、左リミット板とを有し、ラックが左リミット板と右リミット板との間にあり、前記栽培養殖箱の底部には回転するように複数の歯車が装着され、歯車とラックとが噛合し、栽培養殖箱内には、下へ向いて左に傾斜する仕切板が固定配置され、仕切板の低位箇所には入水孔が開けられ、仕切板の上方にはセラミックス粒子層が敷設され、前記栽培養殖箱の底部が下へ向いて右に傾斜するように配置され、栽培養殖箱の底部には排水孔が設けられ、排水孔が栽培養殖箱の底部の傾斜面の低位箇所にあり、排水孔が管路を介して循環ポンプの入口端に接続され、循環ポンプの出口端には、セラミックス粒子層の上方にある排水管が接続され、排水管の下方には複数の排水継手が設けられ、
前記右引出・引戻手段は、左アクアポニックス養殖装置と右クアポニックス養殖装置との間に設けられる中間ガイドプーリと、ハンドルと、生産維持通路の右側に固定配置されるホルダ及びダブルスロットシーブと、右リミット板の右側に設けられるガイドプーリAと、横梁の底部に設けられるガイドプーリBと、ホルダに設けられるL板と、回転するようにホルダに装着される第1リールと、回転するようにL板に装着される第2リールと、を有し、前記第1リールと第2リールにはいずれもキー溝が開けられ、ハンドルには、キー溝と係合するキーが設けられ、前記第1リールには第1スチールロープが巻かれており、第1スチールロープの先端が順にダブルスロットシーブの一方のスロット、ガイドプーリAのスロットを通過し、右アクアポニックス養殖装置の栽培養殖箱の右側に固定され、前記第2リールには第2スチールロープが巻かれており、第2スチールロープの先端が順にダブルスロットシーブの他方のスロット、ガイドプーリBのスロット、中間ガイドプーリのスロットを通過し、右アクアポニックス養殖装置の栽培養殖箱の左側に固定され、前記中間ガイドプーリはダブルスロットガイドプーリであり、
該エコ建築はさらに、地面の下に設けられる人工湿地システムと、バイオガス発生池と、ガスタンクと、真空基地局と、バイオガススラリー貯蔵池とを有し、前記バイオガス発生池は真空基地局に連通し、真空基地局は真空管路を介して真空式トイレシステムに接続され、バイオガス発生池はバイオガススラリー管路を介してバイオガススラリー貯蔵池に連通し、バイオガス発生池の入口端は汚水輸送管路を介してごみシュレッダーの排出口に接続され、バイオガス発生池のバイオガス出口はガスタンクの入口に接続され、ガスタンクの出口はバイオガス管路を介して台所におけるガス管路に接続され、前記バイオガススラリー貯蔵池の出口端にはリフトポンプが接続され、リフトポンプの出口端は水・肥料灌漑管路の下端部に接続され、前記人工湿地システムの入口端には回収水収集管路が接続され、回収水収集管路は建物内の回収水排出口に連通し、人工湿地システムの出口端には水ポンプが接続され、水ポンプの排水口は水・肥料灌漑管路の下端部に接続される。
【0005】
前記左アクアポニックス養殖装置と右アクアポニックス養殖装置とは対称配置される。
【0006】
前記左引出・引戻手段と右引出・引戻手段とは対称配置される。
【0007】
前記ホルダには交換可能な栽培箱が配置される。
【0008】
前記生産維持通路には操作通路が開けられ、操作通路の天井部には蓋板がヒンジ接続される。
【0009】
前記生産維持通路の幅は60~80CMである。
【0010】
前記生産維持通路の縁には安全ネットが設けられる。
【0011】
前記バイオガススラリー貯蔵池内には液位センサが設けられる。
【0012】
該エコ建築はさらにバイオガススラリードリップ制御システムを有し、前記バイオガススラリードリップ制御システムはリフトポンプ、水ポンプ、循環ポンプ及び液位センサに電気的に接続される。
【発明の効果】
【0013】
本発明は以下の利点を備え:(1)本発明は国家のために、数億畝の栽植可能な土地を改めて作り出し、ほとんどの耕地の輪作または休閑を実現でき、都市汚水処理機器施設への数兆の投資及び維持費用を節約できる。(2)本発明は化学肥料のマイナス成長を実現するとともに、毎年、国家に数億トンの有機肥料及び数百億立方メートルのバイオガスを創造できる。(3)本発明は都市空気を浄化し、安全、生態、有機の野菜及び果物を大規模に生産し、都市住民の健康と長生を促進できる。(4)本発明は団地の人工湿地システムの応用によって、団地の廃水の回収利用浄化及び雨水の収集という作用を果たし、国家がスポンジシティを普及させることによる数兆の非効率的、或いは効きが悪い建設投資を解決する。(5)本発明は古い家の改修、及び団地、オフィスビル、学校、ホテルなどに適用され、応用範囲が広いという特点を備える。(6)本発明は建物の外壁立面を十分に利用し、大規模な有機作物の栽培を行って、大量の耕地を節約し、有機作物の吸収及び分解機能によって、都市の大気汚染という問題を緩和することで、巨大な経済的利益及び社会的利益が発生する。(7)本発明はバイオガス発生池、人工湿地システムによって、全ての家庭ゴミに対してリサイクル処理を行って、バイオガススラリー管路、バイオガス管路、バイオガススラリー貯蔵池、水・肥料灌漑配管綱を介して、家庭ゴミのリサイクル後の再利用を実現し、これによって、本当の意味で家庭ゴミのゼロ排出に達する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明的の構成模式図である。
図2】住民ユニットの構成模式図である。
図3】右アクアポニックス養殖装置の構成模式図である。
図4】ホルダとリールとの装着模式図である。
図5】ハンドルの構成模式図である。
図6】第1リールの構成模式図である。
図7】U字状フレームの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下は図面を結合し、本発明をさらに説明し、本発明の保護範囲は以下の記載に限定されていなく、
図1または7に示すように、有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を有するエコ建築であって、前記エコ建築の壁体1の内側には多層の住民ユニット2が設けられ、壁体1の外壁には交換可能な栽培箱3が配置され、季節と必要に応じて、交換可能な栽培箱3には異なる種類の有機作物が栽培される。前記交換可能な栽培箱3の間には複数行の水・肥料灌漑配管綱5が設けられ、壁体1の外壁にはさらに水・肥料灌漑管路4が設けられ、水・肥料灌漑管路4が水・肥料灌漑配管綱5に連通し、前記住民ユニット2は栽培養殖層17と住み層18とを有し、栽培養殖層17の外縁が廊下の外に延伸し、環状のU字状フレーム19を構成し、住み層18の外縁が壁体1の外に延伸し、環状の生産維持通路20を構成し、生産維持通路20の左側及び右側にはそれぞれ対称するように左引出・引戻手段21と右引出・引戻手段22とが設けられ、栽培養殖層17には対称するように左アクアポニックス養殖装置23と右アクアポニックス養殖装置24とが設けられ、前記住み層18は並列された複数本の横梁25を有し、隣接する2つの横梁25の間には、一端が横梁25にヒンジ接続され、他端が他の横梁25にかかるフリップカバー26が設けられ、フリップカバー26には家具が置かれてもよく、フリップカバー26を開けると、セラミックス粒子層35における作物に対して栽植または摘み取りを行うとともに、セラミックス粒子を引き離して魚を捕まえる。前記フリップカバー26の底部にはLED光源53が設けられ、LED光源53によってセラミックス粒子層35における作物に対して補光を行えるから、冬の作物の生産に適用される。
【0016】
図2~3に示すように、前記右アクアポニックス養殖装置24は栽培養殖箱27と、栽培養殖箱27に設けられる循環ポンプ28と、U字状フレーム19の右側に固定配置される右リミット板29と、栽培養殖層17の天井部に固定配置されるラック30と左リミット板31とを有し、ラック30が左リミット板31と右リミット板29との間に位置し、前記栽培養殖箱27の底部には回転するように複数の歯車32が装着され、歯車32とラック30とが噛合し、栽培養殖箱27内には、下へ向いて左に傾斜する仕切板33が固定配置され、仕切板33の低位箇所には入水孔34が開けられ、仕切板33の上方にはセラミックス粒子層35が敷設され、前記栽培養殖箱27の底部が下へ向いて右に傾斜するように配置され、栽培養殖箱27の底部には排水孔36が設けられ、排水孔36が栽培養殖箱27の底部の傾斜面の低位箇所に位置し、排水孔36が管路を介して循環ポンプ28の入口端に接続され、循環ポンプ28の出口端にはセラミックス粒子層35の上方にある排水管50が接続され、排水管50の下方には複数の排水継手が設けられる。前記仕切板33と栽培養殖箱27の底面との間には水が盛られて、その水には魚が養殖されている。前記セラミックス粒子層35におけるセラミックス粒子は汚泥から焼結されることで形成され、焼結後、複数の細孔が配置され、これらの細孔は水におけるエサの残渣及び魚糞を遮断するとともに、硝化細菌の繁殖に寄与し、また、積み上げられたセラミックス粒子は作物を固定でき、作物の無土壌栽培を実現する。前記循環ポンプ28は水、底部に沈積したエサの残渣及び魚糞を排水孔36から抽出し、抽出した後、排水管50の下方にある排水継手を介して流出し、流出した後、セラミックス粒子層35に入って、セラミックス粒子の細孔がエサの残渣及び魚糞を遮断し、硝化細菌がエサの残渣及び魚糞を分解することで、硝酸塩になって、硝酸塩がセラミックス粒子層35に栽植される作物に対する施肥のために用いられ、濾過された除濁水が仕切板33の斜面に沿って入水孔34を介して池に流入するから、魚のいる池における水を浄化するとともに、作物に水と肥料を与えることを実現し、アクアポニックスに達して、さらに、有機農業水産物養殖機能及び内部循環処理機能を実現し、家にいても魚及び新鮮な野菜を食べられることを実現する。また、循環ポンプ28、排水孔36及び入水孔34は、水循環システムを形成し、魚のいる池に新たな酸素を補充し、魚群の健康な成長に寄与する。
【0017】
図1、2、5、6に示すように、前記右引出・引戻手段22は左アクアポニックス養殖装置23と右アクアポニックス養殖装置24との間に設けられる中間ガイドプーリ37と、ハンドル38と、生産維持通路20の右側に固定配置されるホルダ39とダブルスロットシーブ40と、右リミット板29の右側に設けられるガイドプーリA41と、横梁25の底部に設けられるガイドプーリB42と、ホルダ39に設けられるL板と、回転するようにホルダ39に装着される第1リール43と、回転するようにL板に装着される第2リール44とを有し、前記第1リール43と第2リール44にはいずれもキー溝45が開けられ、ハンドル38にはキー溝45と係合するキー46が設けられ、前記第1リール43には第1スチールロープ47が巻かれており、第1スチールロープ47の先端が順にダブルスロットシーブ40の一方のスロット、ガイドプーリA41のスロットを通過し、右アクアポニックス養殖装置24の栽培養殖箱27の右側に固定され、前記第2リール44には第2スチールロープ48が巻かれており、第2スチールロープ48の先端が順にダブルスロットシーブ40の他方のスロット、ガイドプーリB42のスロット、中間ガイドプーリ37のスロットを通過し、右アクアポニックス養殖装置24の栽培養殖箱27の左側に固定され、前記中間ガイドプーリ37がダブルスロットガイドプーリである。作物の成長を促進するために、日に当たるように右アクアポニックス養殖装置24の栽培養殖箱27を引き出す場合、まず、ハンドル38のキー46を第1リール43のキー溝45に挿入し、そして、ハンドル38を回動させ、ハンドル38が第1リール43を回動させ、第1リール43が第1スチールロープ47を巻き取り、第1スチールロープ47が、右アクアポニックス養殖装置24の栽培養殖箱27を右に移動するように引いて、栽培養殖箱27が右リミット板29に触ると、続いて引くことができなくなり、箱子が落ちることを防止し、この場合、セラミックス粒子層35における作物は光合成を受けることができる。右アクアポニックス養殖装置24の栽培養殖箱27を元に引き戻すと、ハンドル38のキー46を第2リール44のキー溝45に挿入し、そして、ハンドル38を回動させ、ハンドル38が第2リール44を回動させ、第2リール44が右アクアポニックス養殖装置24の栽培養殖箱27を左に移動するように引いて、栽培養殖箱27が左リミット板31に触ると、続いて引くことができなくなり、栽培養殖箱の復帰を実現する。左引出・引戻手段21を操作することで、左アクアポニックス養殖装置23の栽培養殖箱27に対する引き出しまたは引き戻し操作を実現でき、その操作方式は右引出・引戻手段22と同様である。
【0018】
図1に示すように、該エコ建築はさらに地面の下に設けられる人工湿地システム6と、バイオガス発生池7と、ガスタンク49と、真空基地局8と、バイオガススラリー貯蔵池9とを有し、前記バイオガス発生池7は真空基地局8に連通し、真空基地局8は真空管路10を介して真空式トイレシステムに接続され、バイオガス発生池7はバイオガススラリー管路11を介してバイオガススラリー貯蔵池9に連通し、バイオガス発生池7の入口端は汚水輸送管路12を介してごみシュレッダーの排出口に接続され、バイオガス発生池7のバイオガス出口はガスタンク49の入口に接続され、ガスタンク49の出口はバイオガス管路13を介して台所のガス管路に接続され、前記バイオガススラリー貯蔵池9の出口端にはリフトポンプ14が接続され、リフトポンプ14の出口端は、水・肥料灌漑管路4の下端部に接続され、前記人工湿地システム6の入口端には回収水収集管路15が接続され、回収水収集管路15は建物1内の回収水排出口に連通し、回収水排出口は台所廃水排出口と、洗濯廃水排出口と、風呂廃水排出口と床ドレン廃水排出口とを有し、人工湿地システム6の出口端には水ポンプ16が接続され、水ポンプ16の排水口は、水・肥料灌漑管路4の下端部に接続される。前記人工湿地システム6はスポンジシティという機能を実現できる。
【0019】
前記ホルダ39には交換可能な栽培箱3が配置される。前記生産維持通路20には操作通路51が開けられ、操作通路51の天井部には蓋板52がヒンジ接続される。前記生産維持通路20の幅が60~80CMである。生産維持通路20の縁には安全ネットが設けられ、安全ネットは高所落下物という事故の発生、及び作業員の墜落を避けて、安全ネットは耐候で、高難燃で、高強度の材料から製造され、生産維持通路20を歩くことで、交換栽培箱3における有機作物の果実を便利に摘み取ることができる。
【0020】
前記バイオガススラリー貯蔵池9内には液位センサが設けられ、前記液位センサはリアルタイムにバイオガス発生池7内のバイオガススラリーの液位状況を監視でき、液位情報を電気信号に変換し、バイオガススラリードリップ制御システムに伝達する。該エコ建築はさらにバイオガススラリードリップ制御システムを有し、前記バイオガススラリードリップ制御システムはリフトポンプ14、水ポンプ16、循環ポンプ28及び液位センサに電気的に接続され、バイオガススラリードリップ制御システムはPLCコントローラであり、バイオガススラリードリップ制御システムを介してリフトポンプ14と水ポンプ16とのオンまたはオフを制御でき、水ポンプ16が起動すると、人工湿地システム6における水を水・肥料灌漑管路4に流し、リフトポンプ14が起動した後、バイオガススラリー貯蔵池9におけるバイオガススラリー及び有機肥料を水・肥料灌漑管路4に流し、有機肥料と水とが混合した後、水・肥料灌漑配管綱5に入って、水と肥料が、水・肥料灌漑配管綱5の出口から流出し、交換栽培箱3における有機作物に対して施肥及び水やりを行って、有機作物の正常成長を保証する。
【0021】
前記回収水収集管路15は台所廃水、洗濯廃水、風呂廃水、床ドレン廃水を収集するとともに、人工湿地システム6にまとめるために用いられ、人工湿地システム6における植生は廃水における有害物質を分解し、処理された水が人工湿地システム6に沈積し、前記真空式トイレシステムは人間の排泄物を収集し、排泄物は真空管路10を介して真空基地局8に輸送され、排泄物はオーバーフローしバイオガス発生池7に入って、前記ごみシュレッダーは固体廃棄物を砕いて、砕かれたごみが汚水輸送管路12を介してバイオガス発生池7内に送られ、前記バイオガス発生池7は粉末状の固体廃棄物と人間の排泄物に対してリサイクル処理を行って、処理後、有機肥料、バイオガススラリー及びバイオガスになり、バイオガススラリー及び有機肥料はバイオガススラリー管路11を介してバイオガススラリー貯蔵池9に入る一方、バイオガスは順にバイオガス出口、バイオガス管路13を経てガス管路に入って、バイオガスは住戸の台所内にあるストーブに対して燃料を提供し、天然ガスの代わりになって、自給自足を実現する。
【0022】
交換可能な栽培箱3における有機作物に水と肥料を与える場合、有機作物のタイプに応じて有機肥料と水との流量の配合比率を選択し、バイオガススラリードリップ制御システムによって、リフトポンプ14と水ポンプ16を起動させるように制御し、リフトポンプ14は有機肥料を水・肥料灌漑管路4に流し、水ポンプ16は人工湿地システム6における処理後の水を、水・肥料灌漑管路4に流し、有機肥料と水とが、水・肥料灌漑管路4内で混合した後、水・肥料灌漑配管綱5に入り、水・肥料灌漑配管綱5を介して有機作物に対して施肥を行うことで、汚染物質が外部に排出することによる環境の汚染を避け、ごみを宝物に変えることを実現するから、該エコ建築は自己内部循環という機能を有し、有機作物が果実をつけた後、摘み取ることができるため、該エコ建築は有機農業水産物養殖機能を備える。
【0023】
以上は本発明の好適な実施形態のみであり、理解すべきのは、本発明は本明細書に開示された形態に限定されず、他の実施例に対する排除とみなされるわけではなく、他のいろんな組み合わせ、補正及び環境に適用されるとともに、本明細書に記載の構想範囲に、前記教示または関する分野の技術或いは知識によって改良できる。当業者が行った改良及び変更は本発明の精神及び範囲から逸脱しなければ、いずれも本発明の請求項の保護範囲に属している。
【符号の説明】
【0024】
1 ・・・壁体;
2 ・・・住民ユニット;
3 ・・・交換可能な栽培箱;
4 ・・・水・肥料灌漑管路;
5 ・・・水・肥料灌漑配管綱;
6 ・・・人工湿地システム;
7 ・・・バイオガス発生池;
8 ・・・真空基地局;
9 ・・・バイオガススラリー貯蔵池;
10 ・・・真空管路;
11 ・・・バイオガススラリー管路;
12 ・・・汚水輸送管路;
13 ・・・バイオガス管路;
14 ・・・リフトポンプ;
15 ・・・回収水収集管路;
16 ・・・水ポンプ;
17 ・・・栽培養殖層;
18 ・・・住み層;
19 ・・・U字状フレーム;
20 ・・・生産維持通路;
21 ・・・左引出・引戻手段;
22 ・・・右引出・引戻手段;
23 ・・・左アクアポニックス養殖装置;
24 ・・・右アクアポニックス養殖装置;
25 ・・・横梁;
26 ・・・フリップカバー;
27 ・・・栽培養殖箱;
28 ・・・循環ポンプ;
29 ・・・右リミット板;
30 ・・・ラック;
31 ・・・左リミット板;
32 ・・・歯車;
33 ・・・仕切板;
34 ・・・入水孔;
35 ・・・セラミックス粒子層;
36 ・・・排水孔;
37 ・・・中間ガイドプーリ;
38 ・・・ハンドル;
39 ・・・ホルダ;
40 ・・・ダブルスロットシーブ;
41 ・・・ガイドプーリA;
42 ・・・ガイドプーリB;
43 ・・・第1リール;
44 ・・・第2リール;
45 ・・・キー溝;
46 ・・・キー;
47 ・・・第1スチールロープ;
48 ・・・第2スチールロープ;
49 ・・・ガスタンク;
50 ・・・排水管;
51 ・・・操作通路;
52 ・・・蓋板;
53 ・・・LED光源。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】