特表2021-516162(P2021-516162A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-516162(P2021-516162A)
(43)【公表日】2021年7月1日
(54)【発明の名称】改良型レーザーマーキング装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/00 20140101AFI20210604BHJP
   B23K 26/70 20140101ALI20210604BHJP
【FI】
   B23K26/00 B
   B23K26/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-545626(P2020-545626)
(86)(22)【出願日】2019年2月26日
(85)【翻訳文提出日】2020年10月1日
(86)【国際出願番号】IB2019051530
(87)【国際公開番号】WO2019166942
(87)【国際公開日】20190906
(31)【優先権主張番号】102018000003131
(32)【優先日】2018年2月28日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520328992
【氏名又は名称】テクノメック エスエー
【氏名又は名称原語表記】TECNOMEC SA
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100211395
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ モッシ
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AA00
4E168KA16
(57)【要約】
作業デッキ(2)の支持フレーム(T)を備え、前記作業デッキの周囲に、前記レーザマーキングヘッド(4)の作業領域を完全に囲み、かつ前記作業デッキに対して少なくとも部分的に周囲に直立して配置されたパネルを備える保護シールドが配置されている、レーザーマーキング装置であって、前記パネル(P1―P8)は、前記シールドが前記作業デッキ(2)の上面より完全に下または同一の高さまで前記支持フレーム(T)を囲む、下部位置から、前記シールドが前記レーザーマーキングヘッド(4)の作業高さまで前記作業デッキ(2)よりも上の領域を囲む、上部伸長位置まで、移動可能に取り付けられている、レーザーマーキング装置が開示される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業デッキ(2)の支持フレーム(T)および、前記作業デッキ(2)の上で動作するレーザーマーキングヘッド(4)を備えており、かつ
前記作業デッキの周囲に、前記レーザーマーキングヘッド(4)の作業領域を完全に囲み、かつ前記作業デッキに対して少なくとも部分的に周囲に直立して配置されたパネルを備える、保護シールドが配置されている、レーザーマーキング装置であって、
前記パネル(P1―P8)は、前記シールドが前記作業デッキ(2)の上面より完全に下または同一の高さまで前記支持フレーム(T)を囲む、下部位置から、前記シールドが前記レーザーマーキングヘッド(4)の作業高さまで前記作業デッキ(2)よりも上の領域を囲む、上部伸長位置まで、移動可能に取り付けられていることを特徴とする、レーザーマーキング装置。
【請求項2】
前記パネル(P1―P4)が、剛性変位して垂直にスライド可能に取り付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記パネル(P5―P8)の各々が、並んで配置され、伸縮機構によって少なくとも部分的に相互に移動可能な複数のサブパネルからなる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記サブパネルの少なくとも一部が、巻き上げフレキシブルシールドの形状である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つのフロントパネル(P4)が、他のパネルから自律的に移動可能に取り付けられる、請求項1、2、3または4に記載の装置。
【請求項6】
前記フロントパネル(P4、P8)は、自由に垂直にスライドするように取り付けられ、前記パネルの重量を支持し、重力による下降を抑制するように調整された空気圧ダンパー(GF1)によって拘束される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記パネルが、後部閉鎖位置から前部伸長位置まで伸長可能な上部閉鎖パネル(TP、P9)を更に備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記上部閉鎖パネルが、ローラーシャッター(TP)または複数の伸縮自在に伸長可能なサブパネル(P9)の形状である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記周囲に直立して配置されたパネルの少なくとも1つが、前記レーザーマーキングヘッド(4)が移動可能に収納される垂直な区画(3)を画定するように、前記作業デッキ(2)から間隔を置いて配置されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記区画(3)の上部開口部が、前記周囲に直立して配置されたパネルが前記下部位置にあるとき、請求項6に記載の上部閉鎖パネル(TP、P9)の少なくとも一部によって閉鎖可能である、請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良型レーザーマーキング装置に関するものであり、特に保護シールドが設けられたレーザーマーキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、レーザーマーカーは、適切に焦点を合わせて駆動されるレーザー光源を使用して、典型的には金属であるが、プラスチックおよび有機素材であるワークピース上に、消えないようにマーク(ブランド、ロット番号、シリアル番号など)を付する装置である。このような機能のために、レーザーマーカーには、典型的には中出力および/または高出力のレーザー光源を使用するモバイルユニットが装着されている。これが、(リスククラスIIを超える規制を必要とする稼働状態の下で)、作業者の健康リスクの潜在的な原因となる理由である。したがって、これらの装置は、操作員が誤って直接レーザー光にさらされるのを防ぐための適切な保護が不可欠である。
【0003】
現在、その保護は、アクセス制御を備え、隔離されたブースとして装置を配置することにより行われる。そのブース内部に、レーザー光源および各々の光学機構を備えたレーザーマーカーが置かれる。このアクセス制御は、保護システムが適切な位置にあるときにのみレーザーマーカーを操作できることを意味する。これにより、操作員がレーザーマーカーの運転領域に近接するのを防ぐ。たとえば、米国特許出願公開第2007/23406号を参照されたい。
【0004】
レーザーマーカーのシールドブースは、レーザー光源の運転領域へのアクセス境界を囲む一種の安定した保護を決定する。ブースには、ワークピースを搬入するために開かれた後、操作中に再び閉じられるアクセスドアが設けられている。保護ブースはまた、工作機械の他の分野でも広く使用されており、工作機械が作動していないときに全体の体積を減少させるためのいくつかの解決策を提供することもできる。例えば、欧州特許第3257638号は、下向きに折り畳み可能なキャビネットを開示している。このキャビネットでは、工作機械が使用されていないときには、工作機械も下降する。同様の折りたたみ式ブースという解決策がドイツ特許出願公開第202010007645号および米国特許第5129611号に記載されている。
【0005】
このような解決策には、マークを付することができるワークピースの寸法に関する操作限界が含まれることは明らかである。実際、ブースが占有するスペース、及びそれに伴うアクセスドアのサイズは、マーカーが正常に操作されているときに、著しく大きな寸法のワークピースを搬入することを許容しない。これらの解決策の制限は、アクセスドアの寸法によって決まるが、垂直方向からアクセスする区画によってワークピースを搬入する必要があるため、典型的には、手またはロボットアームで配置しなければならないという事実によっても決まる。このことは、たとえばフォークリフトまたは天井クレーンで運搬する必要がある、重い部品へのアクセスを制限するため、レーザーマーカーの作業デッキより上または横からアクセスする必要が生ずる。
【0006】
あるいは、反対の方法で操作することもできる。つまり、広い作業領域がレーザーマーカー(装置)に定められており、いかなる手段によっても快適かつ自由に装置にアクセスできる。その後、装置を起動させる前に、操作員のアクセスを制限することができる。典型的には、これは制御されたアクセスドアを有する部屋にレーザーマーカーを設置することで実現される。この解決策は、レーザーマーカーの操作中に操作員が使用できなくなる大きな所要距離を含め、作業領域全体をレーザーマーカー専用にすることを余儀なくさせるため、望ましくない。
【0007】
当然のことながら、それゆえ、これらの技法はどれも完全に満足できるものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上述の従来技術の課題を克服することである。特に、本発明は、アクセス領域全体を専用にすることを強いることなく、既知の保護装置の制限なしに、保護された状態で機能できるマーキング装置を提供することを目的とする。
【0009】
この目的は、請求項1に記載されている機能によって達成される。従属請求項は、本発明の好ましい特徴を説明している。
【0010】
特に、本発明の第1の態様によれば、レーザーマーキング装置がここに提供される。この装置は作業デッキの支持フレーム、および前記作業デッキの上で動作するレーザーマーキングヘッドを備えている。かつこの装置には、前記作業デッキの周囲に、前記レーザーマーキングヘッドの作業領域を完全に囲み、かつ前記作業デッキに対して少なくとも部分的に周囲に直立して配置されたパネルを備える、保護シールドが配置されている。前記パネルは、前記シールドが前記作業デッキの上面より完全に下または同一の高さまで前記支持フレームを囲む、下部位置から、前記シールドが前記レーザーマーキングヘッドの作業高さまで前記作業デッキよりも上の領域を囲む、上部伸長位置まで、移動可能に取り付けられている。
【0011】
別の態様によれば、垂直に直立したパネルは、剛性変位して垂直にスライド可能に取り付けられている。あるいは、パネルの各々は、並んで配置され、伸縮機構によって少なくとも部分的に相互に移動可能な複数のサブパネルからなる。好適には、前記サブパネルの少なくとも一部が、巻き上げフレキシブルシールドの形状である。
【0012】
好ましい態様によれば、少なくとも1つのフロントパネルは、他のパネルから自律的に移動可能に取り付けられている。特に、フロントパネルは、自由に垂直にスライドするように取り付けられ、前記パネルの重量を支持し、重力による降下を抑制するように調整された空気圧ダンパーによって拘束される。
【0013】
変形例によれば、シールドパネルは、後部閉鎖位置から前部伸長位置まで伸長可能な上部閉鎖パネルを更に備える。特に、上部閉鎖パネルは、ローラーシャッターまたは伸縮自在に伸長可能な複数のサブパネルの形状である。
【0014】
別の態様によれば、周囲に直立して配置されたパネルの少なくとも1つは、レーザーマーキングヘッドが移動可能に収納される垂直に延びる区画を画定するように、作業デッキからオフセットされている。この場合、この区画の上部開口部は、周囲に直立して配置されたパネルが下部位置にあるときには、上部閉鎖パネルの少なくとも一部によって閉鎖可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的な例として与えられ、かつ添付の図面に示されている、好ましい実施形態の以下の詳細な説明から、より明らかになるであろう。
【0016】
図1A図1Aは、シールドをホーム位置に下げた状態における、本発明による装置の第1の実施形態の上面斜視図である。
図1B図1Bは、レーザーマーカーの収納区画が開いた状態にある図1Aの装置の斜視図である。
図2図2は、図1Aの装置のセットアップ状態における斜視図である。
図3図3は、図2の装置の正面図である。
図4図4は、保護シールドが最初に閉じられた状態における、図3と同じ装置の斜視図である。
図5図5は、部分的に部品を取り外した状態における、図4の装置の側面図である。
図6図6は、保護シールドが完全に閉じられ、マーカーが稼働状態にある、図4と同じ装置の上面斜視図である。
図7図7は、図6の稼働状態における第1の実施形態の部品を部分的に取り外した状態における、片側および正面からの斜視図である。
図8図8は、図7のものと同様の片側および後部からの斜視図である。
図9図9は、マーカーが稼働状態にある、図7のものと同様の別の斜視図である。
図10図10図1Aの装置の部品を取り外した状態の斜視図である。
図11図11はシールドをホーム位置に下げた状態にある、本発明の別の実施形態による装置の、部品を取り外した斜視図である。
図12図12は、セットアップ状態にある、図11の装置の斜視図である。
図13図13は、保護シールドが部分的に閉じた状態にある、図11の装置の、部品を取り外した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1Aは、非稼働状態における、本発明の第1の実施形態による装置を示す。
【0018】
周囲シールド1が、作業デッキ2を支持する支持フレームTの下部領域を取り囲むことに留意されたい。
【0019】
より正確には、フレームTは、周囲シールド1(以下で説明)および作業デッキ2の安定した拘束のための可動支持構造を定義する格子要素T1およびT2からなる。
【0020】
作業デッキ2は、フレームTと一体であり、レーザーマーカーの稼働中における、ワークピースに対する支持面を構成する。したがって、デッキ2は、著しく重い重量の部品であっても支持するために、平らで安定した、十分に硬くて耐性のある表面を定義する。この目的のために、デッキ2は、工作機械または精密走査プローブに使用されるタイプの剛性のある安定した材料(例えば花崗岩)のプレートの形態であることが好ましい。
【0021】
フレームTは、操作員OUが快適にアクセスできるよう、作業デッキ2を適切な高さで支持する。さらに、周囲シールド1は、図1A図2に示される非稼働状態において、その下降位置にあるときに、作業デッキ2の上面と同じ高さにあるか、またはとにかく、完全にその下にあるような高さを有する。このようにして、完全に低いレベルにとどまっている周囲シールドと干渉することなく、上から両横方向に、作業デッキに快適にアクセスすることが可能である。
【0022】
図において、少なくとも作業デッキ2の一方の側には、(デッキ2が、4つ以上の側面、又は他の形状を有する規則的な又は不規則な多角形の形状を有し得る場合であっても)一般に長方形の平面形状の裏側が配置されている。周囲シールド1は、作業デッキ2の縁からある程度の距離だけ離れて配置されており(図1B参照)、平面2と周囲シールド1の対応する側面との間で垂直にアクセス可能な区画3を画定する。この区画3には移動手段Mが収納されており、この手段は、以下でより詳細に説明する、レーザーマーキングヘッド4を作業デッキ2の高さの上下にそれぞれ上昇又は下降させるのに適している。
【0023】
図示の好ましい実施形態によれば、周囲シールドの他の3つの側面は、作業デッキ2のプラント設置面積に対して最小サイズの面積を占めるように、作業デッキ2の側面縁部および前面縁部に隣接して配置されている。
【0024】
好適には、図1Aおよび図1Bの比較によって明らかにされるように、マーキングヘッドを収納するための区画3は、以下でより詳細に説明されるように、可動カバー、例えば、伸長可能なシャッターTPの一部を上部に備えている。
【0025】
図2は、セットアップされた状態の装置を示し、ここでは、マーキングされるワークピース5が作業デッキ2上に置かれ、マーキングヘッド4が区画3から引き出され、稼働状態に配置される。
【0026】
図2からわかるように、移動手段Mは、レーザーマーキングヘッド4のために、それ自体の駆動装置を備えた、単純なまたは伸縮自在の垂直ガイド4a、関節式アーム4bおよび結合式関節4cを備える。レーザーマーカー4の構成部品については、Datalogic(商標)社のUNIQ(商標)モデルなどの、マークにより入手可能な市販品であるため、詳しくは説明しない。
【0027】
上記の要素は、図3の正面図にも表示されている。図3は、中背の操作員OUの身長に関連して、これらの要素の上方への展開を示している。この図において、マーキングされるワークピース5を含むこれらの要素の全体は、周囲シールド1の高さよりも低い作業デッキ2からの高さ、したがって、地上からの作業デッキ2の高さを有することを、さらに留意されたい。
【0028】
周囲シールド1は、下降した姿勢からずれるように、垂直方向に伸長可能な方法により、フレームTに、取り付けられている。周囲シールド1は、その下がった姿勢では、フレームTを取り囲み、作業デッキ2の高さよりも完全に低い高さにとどまっているが(図1A図3)、上昇した姿勢では、マーキングヘッド4の高さで少なくとも作業デッキの側面を区切る。
【0029】
図4図10に示す第1の実施形態によれば、周囲シールドは、垂直方向にスライドする取り付けパネルの形をしている。周囲シールド1の側面全体は一体的に上方及び下方に移動することができる。好適には、そのフロント部分の少なくとも1つのシールドは、残りのシールド1の部分とは独立して垂直に移動可能に取り付けられている。これにより、後で説明するように、小片のワークピースを頻繁なバッチ処理でマーキングすべく装置を使用する必要がある場合に、操作員OUによるアクセスが容易になる。
【0030】
図4は、完全に垂直に上昇した位置における周囲シールド1の構造を示す。この場合の周囲シールド1は、両側サイドおよびリアサイドの3つの一体型パネルP1、P2およびP3よりなることに留意されたい。これに対し、第4のフロントパネルP4は、フレームT上を垂直に独立してスライドしている(図4では下降位置にある)。
【0031】
この規定は、周囲シールドの壁が異なる方法で垂直に移動する他の配置が提供される可能性があるという意味で、拘束力がない。
【0032】
上部も閉じることができてもよい。この場合、上部に、シャッターTPが、後部区画3に収納されている収集折り目TP’によって水平方向にスライドおよび伸長することができるように設けられている(図5−7−10を参照)。
【0033】
上部シャッターTPは、完全に折りたたまれた位置(図1B)では、後部区画3内に収納されたTP’にあるのに対し、完全に伸長された位置(図6)では、作業デッキ2の上方で、レーザーマーカー4の様々な構成要素よりも高い高さで、適切な横方向ガイドでスライドさせることによって、水平に伸長する。
【0034】
周囲シールド1が完全に下降すると(図1A)、シールドの一部であるシャッターTPは、デッキ2と干渉しないように必然的に折りたたまれる。ヘッド4を収納する区画3が設けられている場合には、ヘッドが非稼働位置にあるときに、シャッターTPは、作業デッキ2の後端に当接するまで、上記の区画3を閉じるために、少し伸長することができる。
【0035】
装置の稼働状態、すなわち、レーザーマーキングヘッド4を起動するための同意を生成する状態は、図4および5に示されたものではなく、図6に示されたものであることに留意されたい。ここでも、フロントパネルP4が順に完全に上昇し、シャッターTPが、パネルP4の上端に達するまで、水平に前方に移動して、レーザーマーキングヘッド4の周囲のシールドを完全に閉鎖する。
【0036】
フロントパネルP4が、残りの周囲シールド部分とは無関係に垂直方向に移動するという事実は、操作上の利点を伴う。実際、本発明の装置を従来の方法で使用しなければならない場合、すなわち、小さくて手軽なワークピースにマークを付する場合、図5に示すように、周囲シールド1は、上昇した/伸長した配置に残しておくことができる一方で、マーキングするワークピースを導入および抽出する必要があるたびに、パネルP4のみを操作してパネルP4を下げたり持ち上げたりすることができる。フロントパネルP4のみを開閉することにより、明らかに、部品交換作業が速くなり、したがって機械の生産性を向上させる。反対に、本発明による装置の特色を利用して、作業デッキ2にかさばる、または重いワークピースを装填することが望まれる場合、全周シールドを昇降させることができる。
【0037】
図7−10において、第1の実施形態による装置は、透明で示されている。すなわち、シールドパネルを取り外して、シールドを開閉するための移動要素を規定する内部要素を表示している。
【0038】
3つのリアパネルおよびサイドパネルP1−P3は、互いに一体的に取り付けられ、フレームTに取り付けられたガイドG内で垂直にスライド可能なトラックBに固定されることに留意されたい。また、垂直方向の動きは、周囲シールドと一体のそれぞれの歯付きラックR3に噛み合う2つの対向する歯付き歯車R2を回転制御する電気モーターR1によって確保されることに留意されたい。
【0039】
フロントパネルP4が可動で、残りのシールド部分から独立して取り付けられている場合、専用のガイドとトラックのシステムが提供される。この場合、軽量化の観点から、パネルのみの手動リフティング(持ち上げ)システムで十分である。たとえば、操作員が手動で設定したパネルP4の位置を維持する空気圧ダンパーGF1を備えた関節式パンタグラフメカニズムGFがある。あるいは、自動制御または手動制御により、フロントパネルを能動的に昇降させることができる、空気圧式または電気式アクチュエーターを提供することができる。
【0040】
シャッターTPの展開および巻き上げ動作は、例えば、2つの上部ガイドTP1およびTP2内においてループ取り付け伝動ベルトによってシャッターTPの2つの側縁部がそれらに沿ってスライドするような、公知のシステムによって、電動化することもできる。
【0041】
またレーザーマーカー4の直立する4aを昇降させるために、産業自動化により適切に制御される電動モーターRRが好適に設けられている。
【0042】
図11−13は、本発明の第2の実施形態を概略的に示している。
【0043】
ここで、レーザーマーキングヘッド4は、等価的に図2の関節システムに取って代わるロボットアームの端部に取り付けられている。しかし、それは本発明の教示の目的にとって決定的ではない。
【0044】
この実施形態では、周囲シールドは、並んで配置され少なくとも部分的に伸縮機構により相互にスライドする、隣接するサブパネルのシステムにより構成される、複合パネルP5、P6、P7(サイドパネルP6およびリアパネルP7は図に表示なし)を備える。これは、単一の剛体変位によってではなく、一方が他方に隣り合うサブパネルの相互スライドによって規定されるサイドパネルの垂直伸長のモードを決定する。
【0045】
この目的のために、サブパネルは、それぞれの側縁に沿って設けられたスライドガイドPG1−PG3により互いにかみ合わされる。支持フレーム下部に同一パネルのサブパネルを重ね合わせた場合(図11のパネルP5参照)、全体の高さは小さくなる。一方、サブパネルが互いにスライドし、最大移動可能な行程を上方へ伸長すると、パネルの高さが最大になる(図13の同じパネルP5を参照)。したがって、周囲シールドの完全に下降した構成では、伸縮運動システムの各々の外側のパネルのみが視認されるが、同じパネルの他のサブパネルは、互い違いに配置され、内側に並んで配置されている。
【0046】
各パネルの最も内側または最も外側のサブパネルは、昇降の動きにしたがって制御される。この動きでは、所定のストロークに達すると、各パネルは隣接するサブパネルを引き寄せるので、徐々に外部または内部のサブパネルが引き寄せられる。典型的には、各々の周囲シールドパネルには、3つのサブパネルで十分であると考えられる。制御されるサブパネルは、好適には、適切なリフティング部材によって動かされ、機械的パンタグラフGFにより構成され、電動モーターRGにより駆動され、自動制御される空気圧ダンパーによって支持され得る。
【0047】
好適には、少なくとも下部のサブパネルは(すなわち、パネルが上向きに伸ばされたときに下部部分に残るもの)、剛性ではなく、ばね巻き上げを伴う巻き上げフレキシブルシールドの形態である。フレキシブルシールドは、垂直方向の上方への移動中には展開され、垂直方向の下方への移動(シールドを閉じる段階)中には、戻しばねによって巻き上げられる。
【0048】
サイドパネルP5−P7およびフロントパネルP8の両方には、同じ構造が使用されている。
【0049】
フロントパネルP8が移動可能に、残りのシールド部分から独立して取り付けられている好ましい場合には、第1の実施形態で提供されたものと同様の自動式または手動式のリフティングシステムが提供される。
【0050】
周囲シールドの上面には、伸縮機構を備えた閉鎖システムP9を設けられてもよい。この場合、レーザーマーカー4の取り出し区画のカバー寸法を最小にするために、相互にスライドするサブパネルの数を、3つ以上、たとえば4つ、にすることができる。
【0051】
他の構成要素および操作方法は、第1の実施形態のものと完全に同等である。
【0052】
下部のホーム位置に並んで配置されるサブパネル(そのうちの一部は巻き上げ可能であってもよい)を熟考すると、この実施形態は、作業デッキ2の高さにより課される制限よりもはるかに高い高さの周囲シールドを有することができる。
【0053】
本発明による装置の操作は、(オーバーヘッドクレーンによる上方からの、またはフォークリフトによる側面からのアクセスを必要とする)かさばるまたは重いワークピースのデッキ2へのアクセスが必要とされる場合に、シールドが作業デッキ2を完全に下回る下限までシールドを下げる操作を伴う。稼働中、シールドは、いかなる場合においても上げられ、作業デッキ2の領域の少なくとも横方向を取り囲み、閉じる。このようにして、シールドは、作業領域の外側へレーザビームが偶発的に反射することを防ぐ。レーザー光源が必要とする場合、レーザー光線が反射しにくく、または反射を減らすのに特に適した材料でシールドパネルを作ることが可能である。
【0054】
容易に理解できるように、本発明による装置を通じて、レーザーマーキングヘッドに利用可能な、高いコンパクト性および柔軟性を有するシールドが実現される。したがって、従来技術と比較してはるかに小さい作業スペースでありながら、大型で重いワークピースについても作業デッキに非常に容易にアクセスができる。
【0055】
実用試験により、この保護装置の完全な機能性が実証された。この保護装置は、レーザーマーキングマシンだけでなく、縮小サイズのワークピース上において高出力レーザーを使用して動作する他のいかなるマシンにも使用することができる。
【0056】
本発明の装置は、レーザーマーカーの使用の柔軟性を高める。そして本発明の装置は、アクセス制御のない領域に設置することができる。
【0057】
しかしながら、本発明は、上述した特定の実施形態によって制限されるものとみなされるものではない。これらの実施形態は、同一の例示的な実施形態のみを示すものである。しかし、特にシールドブース壁の開閉モードに関しては、以下の請求項によって定義されるように、発明自体の範囲から逸脱することなく、すべて、当業者の手の届く範囲内で、様々なバリエーションが可能であることは理解されよう。
【0058】
例えば、レーザーマーキングヘッドは、作業面の上方の領域を占める、ワークピースを移動させるための部材とのいかなる干渉からも保護された状態になるように、作業デッキの下方の区画に再び入れられることが好ましいが、これは厳密には必須ではない。レーザーヘッドは、作業デッキの上方に永続的に配置されることもできる。
図1A
図1B
図2
図3
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図8
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図12
図13
【国際調査報告】