特表2021-516193(P2021-516193A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-516193(P2021-516193A)
(43)【公表日】2021年7月1日
(54)【発明の名称】軌間可変車輪セット用のロック機構
(51)【国際特許分類】
   B61F 7/00 20060101AFI20210604BHJP
【FI】
   B61F7/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-570611(P2020-570611)
(86)(22)【出願日】2018年9月21日
(85)【翻訳文提出日】2020年9月9日
(86)【国際出願番号】CN2018106984
(87)【国際公開番号】WO2019196346
(87)【国際公開日】20191017
(31)【優先権主張番号】201810333763.6
(32)【優先日】2018年4月13日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518232342
【氏名又は名称】中車青島四方机車車輛股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 振先
(72)【発明者】
【氏名】王 旭
(72)【発明者】
【氏名】▲喬▼ 青峰
(72)【発明者】
【氏名】彭 国平
(72)【発明者】
【氏名】李 忠文
(57)【要約】
軌間可変車輪セット用のロック機構は、外側スリーブ(1)とロックピン(2)とを備え、外側スリーブ(1)の外側の対向する両側には、それぞれ、外側スリーブ(1)の軸方向に沿って延びるボス(11)が設けられ、ボス(11)の長手方向に沿って間隔を置いて複数の凹溝(12)が設けられ、ロックピン(2)は、凹溝(12)に挿入するためのものであって、軌間を変更させるように、外力の作用下で複数の凹溝(12)の間で切り替えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側スリーブとロックピンとを備え、前記外側スリーブの外側の対向する両側には、それぞれ、前記外側スリーブの軸方向に沿って延びるボスが設けられ、前記ボスの長手方向に沿って間隔を置いて複数の凹溝が設けられ、前記ロックピンは、前記凹溝に挿入するためのものであって、軌間を変更するように、外力の作用下で複数の前記凹溝の間で切り替えることができることを特徴とする軌間可変車輪セット用のロック機構。
【請求項2】
前記ロックピンは、ピン本体を備え、前記ピン本体の一側には開口溝が設けられ、前記開口溝は前記ピン本体の径方向に沿って貫通し、前記開口溝内には、前記ピン本体の軸方向に沿って延びるラグが少なくとも1つ設けられ、前記ラグの上端は前記開口溝の溝頂に接続され、前記ラグの下端と前記開口溝の溝底との間に切り欠きが設けられ、前記ラグは前記凹溝に挿入するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の軌間可変車輪セット用のロック機構。
【請求項3】
前記開口溝内には、前記ピン本体の軸方向に沿って延びる2つの平行な前記ラグが設けられることを特徴とする請求項2に記載の軌間可変車輪セット用のロック機構。
【請求項4】
隣接する2つの前記凹溝の間の距離は必要な変換の軌間の半分に等しく、前記ラグの幅は前記凹溝の幅にマッチングし、前記切り欠きの幅は前記ボスの厚み以上であることを特徴とする請求項2に記載の軌間可変車輪セット用のロック機構。
【請求項5】
前記ピン本体の底面は、その中心軸線の両側においてそれぞれ上方に傾斜した案内斜面として設置されることを特徴とする請求項2に記載の軌間可変車輪セット用のロック機構。
【請求項6】
前記ピン本体の上端はリターンスプリングで接続されていることを特徴とする請求項2に記載の軌間可変車輪セット用のロック機構。
【請求項7】
前記ボスは前記外側スリーブと一体成形され、前記ラグは前記開口溝と一体成形されていることを特徴とする請求項2に記載の軌間可変車輪セット用のロック機構。
【請求項8】
前記ボス、前記凹溝及び前記ロックピンの外側にはそれぞれ耐摩耗性コーティングが設けられ、且つ前記耐摩耗性コーティングの外側に潤滑剤が塗布されていることを特徴とする請求項1−7のいずれかに記載の軌間可変車輪セット用のロック機構。
【請求項9】
内側スリーブと軸受とを更に備え、前記内側スリーブ、軸受、及び前記外側スリーブは、内から外に向かって順次にしっかり套接されていることを特徴とする請求項8に記載の軌間可変車輪セット用のロック機構。
【請求項10】
前記軸受は、内輪と外輪とを備え、前記軸受の内輪は、前記内側スリーブの外表面に圧入して嵌合され、前記軸受の外輪は前記外側スリーブの内表面に隙間嵌めされ、且つ前記外側スリーブの両端には止リングが設置されていることを特徴とする請求項9に記載の軌間可変車輪セット用のロック機構。
【請求項11】
前記内側スリーブの一端は前記外側スリーブから外に延びて、車輪接続端を形成することを特徴とする請求項9に記載の軌間可変車輪セット用のロック機構。
【請求項12】
前記軸受は転がり軸受であることを特徴とする請求項9に記載の軌間可変車輪セット用のロック機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本願は、2018年04月13日に提出された、発明の名称が「軌間可変車輪セット用のロック機構」であり、出願番号が2018103337636である中国特許出願を引用し、その全体が参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施例は、鉄道車両の軌間変更技術分野に関し、特に軌間可変車輪セット用のロック機構に関する。
【背景技術】
【0003】
世界的な経済の一体化の急速な発展に伴い、国境を越えた旅客及び貨物の輸送は近年急速に成長しているが、国によって鉄道の軌間が異なることで国境を越えた鉄道輸送に深刻な障害をもたらす。国によって鉄道の軌間が異なることで国境を越えた鉄道輸送を障害するという問題を解決するために、軌間を変更する台車が提案されている。つまり、列車が他国の鉄道を走行するときに、自身の車輪セット上の車輪間の間隔を変更することにより、他の国の鉄道の軌間に適応する。
【0004】
列車の間隔変更中では、同じ車輪セット上の車輪間は相対的に移動する。車輪の異なる軌間の間での変更を実現できるロック機構は非常に重要である。しかしながら、従来の軌間可変列車の構造では、ロック機構は、構造が複雑で操作が煩雑で信頼性が低く、正常にロック・ロック解除できない場合が多く、軌間可変列車の発展を妨げる制限要因となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施例は、従来技術又は関連技術中に存在する技術課題の少なくとの1つを解決することを目的とする。
【0006】
本開示の実施例の目的は、構造が簡単で操作が便利であり、ロック及びロック解除を確実に実現し、列車軌間の変更を便利かつ確実に実現することができる軌間可変車輪セット用のロック機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術課題を解決するために、本開示の実施例は、軌間可変車輪セット用のロック機構を提供する。軌間可変車輪セット用のロック機構は、外側スリーブとロックピンとを備え、前記外側スリーブの外側の対向する両側には、それぞれ、前記外側スリーブの軸方向に沿って延びるボスが設けられ、前記ボスの長手方向に沿って間隔を置いて複数の凹溝が設けられ、前記ロックピンは、前記凹溝に挿入するためのものであって、軌間を変更させるように、外力の作用下で複数の前記凹溝の間で切り替えることができる。
【0008】
本開示の実施例では、前記ロックピンは、ピン本体を備え、前記ピン本体の一側には開口溝が設けられ、前記開口溝は前記ピン本体の径方向に沿って貫通し、前記開口溝内には、前記ピン本体の軸方向に沿って延びるラグが少なくとも1つ設けられ、前記ラグの上端は前記開口溝の溝頂に接続され、前記ラグの下端と前記開口溝の溝底との間に切り欠きが設けられ、前記ラグは前記凹溝に挿入するためのものである。
【0009】
さらに、前記開口溝内には、前記ピン本体の軸方向に沿って延びる2つの平行な前記ラグが設けられる。
【0010】
本開示の実施例では、隣接する2つの前記凹溝の間の距離は必要な変換の軌間の半分に等しく、前記ラグの幅は前記凹溝の幅にマッチングし、前記切り欠きの幅は前記ボスの厚み以上である。
【0011】
本開示の実施例では、前記ピン本体の底面は、その中心軸線の両側においてそれぞれ上方に傾斜した案内斜面として設置される。
【0012】
本開示の実施例では、前記ピン本体の上端はリターンスプリングで接続されている。
【0013】
本開示の実施例では、前記ボスは前記外側スリーブと一体成形され、前記ラグは前記開口溝と一体成形されている。
【0014】
本開示の実施例では、前記ボス、凹溝及びロックピンの外側にはそれぞれ耐摩耗性コーティングが設けられ、且つ前記耐摩耗性コーティングの外側に潤滑剤が塗布されている。
【0015】
本開示の実施例では、ロック機構は、内側スリーブと軸受とを更に備え、前記内側スリーブ、軸受、及び外側スリーブは、内から外に向かって順次にしっかり套接されている。
【0016】
本開示の実施例では、前記軸受は、内輪と外輪とを備え、前記軸受の内輪は、前記内側スリーブの外表面に圧入して嵌合され、前記軸受の外輪は前記外側スリーブの内表面に隙間嵌めされ、且つ前記外側スリーブの両端には止リングが設置されている。
【0017】
本開示の実施例では、前記内側スリーブの一端は前記外側スリーブから外側に延びて、車輪接続端を形成する。
【0018】
本開示の実施例では、前記軸受は転がり軸受である。
【発明の効果】
【0019】
従来技術に比べて、本公開の上記技術案は以下の利点を有する。
【0020】
本開示の実施例は、軌間可変車輪セット用のロック機構を提供し、軌間可変車輪セット用のロック機構は、外側スリーブとロックピンとを備え、外側スリーブの外側の対向する両側には、それぞれ、前記外側スリーブの軸方向に沿って延びるボスが設けられ、前記ボスの長手方向に沿って間隔を置いて複数の凹溝が設けられ、前記ロックピンは、前記凹溝に挿入するためのものであって、外力の作用下で複数の前記凹溝の間で切り替えることができ、軌間を変更する時、ロックピンは外力の作用下で上に移動して凹溝から外し、ロック解除が実現され、この時、軌間可変車輪セットの車輪を押して、必要な軌間まで外側又は内側へ移動させ、ロックピンを下に移動させて対応する凹溝に挿入することで、ロックが実現され、これにより、列車軌間の変更が実現される。当該ロック機構は、構造が簡単であり、列車軌間の変更を簡単かつ確実に実現でき、列車の異なる軌間の軌道上での連続走行の問題を解決した。
【0021】
さらに、開口溝内にはピン本体の軸方向に沿って延びる2つの平行なラグを設けることにより、単一のラグによる力受けの状況を改善し、ロック及びロック解除の信頼性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の実施例に係る軌間可変車輪セット用のロック機構のロック状態の模式図である。
図2図1の軸方向断面図である
図3】本開示の実施例に係る軌間可変車輪セット用のロック機構のロック解除状態の模式図である。
図4図3の軸方向の断面図である。
図5】本開示の実施例に係る軌間可変車輪セット用のロック機構における外側スリーブの斜視模式図である。
図6】本開示の実施例に係る軌間可変車輪セット用のロック機構におけるロックピンの斜視模式図である。
図7】本開示の実施例に係る軌間可変車輪セット用のロック機構の全体が取り付けられた後の斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本公開の具体的な実施形態を詳細に説明する。以下の実施例は、本公開を説明するためのものに過ぎず、本公開の範囲を制限するためのものではない。
【0024】
本開示の実施例の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づく方位又は位置関係であり、本開示の実施を便利に又は簡単に説明するためのものに過ぎず、示された装置又は素子が必ず特定の方位にあり、特定の方位において構成されて操作されると明示又は暗示するものではないので、本開示の実施例に対する限定であると理解されるべきではない。
【0025】
本発明の説明において、明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」の用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体的な接続でも可能であり、機械的な接続や、電気的な接続でも可能であり、直接接続することや、中間媒体を介して互いに間接接続することや、2つの素子の内部の連通でも可能である。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本開示の実施例での具体的な意味を理解することができる。
【0026】
本開示の実施例の説明において、特に明記しない限り、「複数」、「複数本」、「複数組」とは、2つ又は2つ以上を意味する。
【0027】
図1−7に示すように、本開示の実施例に係る軌間可変車輪セット用のロック機構は、具体的には、内側スリーブ4、軸受3、外側スリーブ1、及びロックピン2を備えてもよく、前記内側スリーブ4、軸受3、及び外側スリーブ1は、内から外に向かって順次にしっかり套接されて、全体として形成され、取り付ける時、内側スリーブ4の一端は車輪6に固定接続され、本実施例では、軸受3は転がり軸受であり、回転を容易に伝達し、横方向の位置決めの役割を果たし、具体的には、前記軸受3は、内輪と外輪とを備え、前記軸受3の内輪は、前記内側スリーブ4の外表面に圧入されて嵌合接続され、なお、内側スリーブ4の構造強度を確保するために、内側スリーブ4は、一方の端が支持軸で、他方の端が筒状である構造として設計されてもよく、軸受3の内輪は支持軸に外嵌され、筒状である端は車軸に外嵌されて車輪6に接続され、前記軸受3の外輪は、外側スリーブ1の着脱を容易にするように、外側スリーブ1の内表面に隙間嵌めされて接続され、外側スリーブ1と軸受3が相対的にスライドしないように、外側スリーブ1の両端には止リングが設置され、これにより、外側スリーブ1、軸受3及び内側スリーブ4は全体的な構造として形成され、列車が正常に動作している時、内側スリーブ4及び軸受3の内輪は、車輪6とともに回転し、軸受3の外輪及び外側スリーブ1は相対的固定に維持される。図5に示すように、前記外側スリーブ1の外側の対向する両側には、それぞれ、前記外側スリーブ1の軸方向に沿って延びるボス11が設けられ、且つボス11は外側へ水平に延び、前記ボス11の長手方向に沿って間隔を置いて複数の凹溝12が設けられ、前記ロックピン2は、前記凹溝12に挿入してロックを実現するためのものであって、外力の作用下で複数の凹溝12の間で切り替えることができ、具体的には、列車は軌間を変更する必要がある場合、ロックピン2は、鉛直の上向きの外力の作用下で下から上へ凹溝12から外し、ロック解除が実現され、この時、車輪6を押して車軸方向に沿って外側又は内側へ移動させ、それと伴い、外側スリーブ1、軸受3、及び内側スリーブ4は連動されて全体としてロックピン2に対して移動し、対応する凹溝12がロックピン2の真下まで移動したとき、ロックピン2は、それ自体の重力及び下向きの作用力下で当該凹溝12に挿入され、車輪6の軌間の変更が完了する。具体的には、隣接する2つの前記凹溝12間の距離は必要な変更の軌間の半分に等しく、軌間を変更する時、車軸の両端の車輪6は同時に移動し、2つの車輪6は、それぞれ必要な変更の軌間の距離の半分だけ移動し、このように、総移動距離は必要な変更の軌間の距離であり、例えば、標準軌間から狭軌間又は広軌間に変更し、あるいは狭軌間又は広軌間から標準軌間に変更する場合、必要に応じて変更の軌間を選択することができる。本開示の実施例の当該ロック機構は、構造が簡単であり、ロック及びロック解除を便利かつ確実に実現することができ、列車軌間の変更を容易にし、列車の異なる軌間の軌道上での連続走行の問題を解決した。
【0028】
図7に示すように、正常に動作している時、ロック機構は、車輪6の外側の軸ボックス7中に取り付けられ、ロック機構は軸ボックス7に隙間嵌めされている。
【0029】
本開示の実施例では、図6に示すように、前記ロックピン2は、ピン本体21を備え、ピン本体21は柱状であり、前記ピン本体21の一側(外周面の一側)には開口溝22が設けられ、開口溝22はピン本体21の長手方向の中部に位置し、且つピン本体21の両端の直径は中部の直径より小さく、前記ピン本体21の上端は、リターンスプリング5により接続され、リターンスプリング5の一方の端はピン本体21の上端に外嵌され上端と中部との間の階段面に当接され、リターンスプリング5の他方の端は凹溝12の上方の支持座に固定接続され、リターンスプリング5は、ピン本体21がロック後、常にロック状態を維持するためのロック力を有し、且つロック解除後、再びロックする時、ピン本体21に反対の作用力を与えて、迅速なロックを助けるためのものである。前記開口溝22は、ピン本体21の径方向の往復(左右)の動きを容易にするように、前記ピン本体21の径方向に沿って貫通し、前記開口溝22内には、前記ピン本体21の軸方向に沿って延びるラグ23が少なくとも1つ設けられ、本開示の実施例では、前記ピン本体21軸方向に沿う平行な2つのラグ23が設けられてもよく、2つのラグ23の間の間隔は隣接する2つの凹溝12の間の間隔と一致し、2つのラグ23を設けることにより、単一のラグ23が力受けの状況の改善に役立ち、ロック、ロック解除の信頼性を向上させることができ、ラグ23の外表面は、ピン本体21の外表面と面一し、前記ラグ23の上端は前記開口溝22の溝頂に接続され、前記ラグ23の下端と前記開口溝22の溝底との間に切り欠き24が設けられ、前記ラグ23はその下端が前記凹溝12に挿入される。軌間を変更する時、ロックピン2は、鉛直の上向きの外力の作用下で下から上へ凹溝12から外す時、まず、ラグ23が下から上へ凹溝12から外し、凹溝12の上方に移動し、この時、ラグ23の下方の切り欠き24は2つの凹溝12の間のボス11の位置に対向し、左又は右への外力が加わると、外側スリーブ1は車輪6とともに移動し、ボス11は、切り欠き24に係入されて切り欠き24に沿って移動し、ラグ23の下端はボス11の台面に支持され、別の凹溝12の位置まで移動すると、ピン本体21は、それ自体の重力及びリターンスプリング5の反対の作用力下で下へ移動し、ラグ23は、当該凹溝12に挿入され、ロックが実現され、軌間の変更が完了する。
【0030】
本開示の実施例では、前記ラグ23の幅は前記凹溝12の幅にマッチングすることで、ラグ23が容易に凹溝12に挿入され又は凹溝12から外し、かつラグ23が凹溝12に挿入された後、ロック機構全体の位置が安定して、揺れを避けるのを確保することができ、前記切り欠き24の幅は前記ボス11の厚み以上であるため、ボス11が切り欠き24に係入可能で、更に切り欠き24において摺動可能となる。
【0031】
本開示の実施例では、前記ピン本体21の底面は、その中心軸線の両側においてそれぞれ上方に傾斜した案内斜面25として設置され、ピン本体21に上向きの作用力を与えるために、地面に当該案内斜面25と同じ傾きを有するガイドレールを設けることができ、ロックピン2の案内斜面25が当該ガイドレールに沿って傾斜上向きに移動する時、ロックピン2に上向きの作用力を与える。
【0032】
コンパクトな構造全体、及び接続の信頼性を確保するために、本開示の実施例では、前記ボス11は前記外側スリーブ1と一体成形され、前記ラグ23は前記開口溝22と一体成形され、本開示の実施例では、外側スリーブ1の外表面の断面は、例えば正八角形などの多角形であり、その両側のボス11は正八角形の2つの縦辺に設けられて、構造の最適化を実現することができる。
【0033】
本開示の実施例では、構造の耐摩耗性を向上させるために、前記ボス11、凹溝12、及びロックピン2の外側には、それぞれ耐摩耗性コーティングが設けられ、且つ、摩擦力を減らし、潤滑効果を高めるために、前記耐摩耗性コーティングの外側に潤滑剤が塗布されている。
【0034】
本開示の実施例では、ロック機構と車輪との接続を容易にするために、前記内側スリーブの一端は、前記外側スリーブから外に延びて、車輪接続端41を形成し、車輪接続端41は、締結具によって車輪6に接続され、内側スリーブ4を介してロック機構を車輪6に締結する。
【0035】
上記実施例から、本開示の実施例のロック機構は、構造が簡単で操作が便利であり、ロック及びロック解除を確実に実現することができるので、列車軌間の変更を便利かつ確実に実現し、列車の異なる軌間の軌道上での連続走行の問題を解決したことが分かる。
【0036】
以上に説明した内容は、本開示の好適な実施例に過ぎず、本開示を制限するものではない。本開示の精神及び原則の範囲内で実施した変更、同等の交換、改善などは、本開示の保護の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1 外側スリーブ
11 ボス
12 凹溝
2 ロックピン
21 ピン本体
22 開口溝
23 ラグ
24 切り欠き
25 案内斜面
3 軸受
4 内側スリーブ
41 車輪接続端
5 リターンスプリング
6 車輪
7 軸箱部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】