特表2021-516213(P2021-516213A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-516213グラム陽性菌表面莢膜多糖構造誘導体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-516213(P2021-516213A)
(43)【公表日】2021年7月1日
(54)【発明の名称】グラム陽性菌表面莢膜多糖構造誘導体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07H 15/04 20060101AFI20210604BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20210604BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20210604BHJP
   A61K 39/08 20060101ALI20210604BHJP
   A61K 31/715 20060101ALI20210604BHJP
   A61K 31/7028 20060101ALI20210604BHJP
   C08B 37/00 20060101ALI20210604BHJP
   C07H 1/00 20060101ALI20210604BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20210604BHJP
【FI】
   C07H15/04 ECSP
   A61P31/04
   A61P37/04
   A61K39/08
   A61K31/715
   A61K31/7028
   C08B37/00 P
   C08B37/00 K
   C07H1/00
   C07B61/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2020-537545(P2020-537545)
(86)(22)【出願日】2019年3月11日
(85)【翻訳文提出日】2020年9月7日
(86)【国際出願番号】CN2019077636
(87)【国際公開番号】WO2019179325
(87)【国際公開日】20190926
(31)【優先権主張番号】201810229446.X
(32)【優先日】2018年3月20日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】514262886
【氏名又は名称】江南大学
【氏名又は名称原語表記】JIANGNAN UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】尹健
(72)【発明者】
【氏名】胡静
(72)【発明者】
【氏名】シーバーガー, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】蔡軍涛
【テーマコード(参考)】
4C057
4C085
4C086
4C090
4H039
【Fターム(参考)】
4C057AA17
4C057AA19
4C057BB03
4C057BB04
4C057DD01
4C057JJ09
4C085AA06
4C085BA12
4C085BB24
4C085CC07
4C085DD51
4C085EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086EA05
4C086EA20
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB35
4C090AA02
4C090AA05
4C090AA09
4C090BA94
4C090BB16
4C090BB32
4C090BB35
4C090BB62
4C090BB72
4C090BB92
4C090BC25
4C090CA35
4C090CA37
4C090DA09
4C090DA23
4H039CA61
(57)【要約】
本発明は、グラム陽性菌表面莢膜多糖構造誘導体の製造方法を開示し、糖化学の分野に属する。本発明は、グルコース糖をグリコシル供与体として、標的β−グリコシド結合を得て、その後、グルコースのC−2位を酸化還元する方法によって二糖ブロックの合成を成功し、次に二糖ブロックを繰り返し単位として、例えばグラム陽性菌細胞壁莢膜多糖構造誘導体[→3]−α−D−Manp−(1→4)−β−D−Rhap−(1→]−Linkerという標的オリゴ糖構造を合成するものである。十糖の還元末端には、タンパク質と結合して免疫学的研究に使用される糖コンジュゲートを形成するための結合手が連結されている。本発明により提供される方法は、簡単で時間と労力を節約し、且つ低コストであり、得られたグラム陽性菌表面莢膜多糖構造誘導体は、自閉症に関連する医薬品として使用されて開発及び製造される可能性がある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式で表される二糖、三糖、四糖、五糖、六糖、七糖、八糖、九糖、及び十糖からなる群より選ばれる一種または複数種を含むことを特徴とする、グラム陽性菌細胞壁莢膜多糖構造誘導体であって、
十糖は式Iに示されたものであり、
[式中、Rは、タンパク質と結合するためのアミノ基結合手[−(CH2)−N−Y、n=1〜10]であり、nは、結合手が異なる炭素鎖長であってもよいことを表し、YとYはアミノ基の保護基であり、Y、YはそれぞれH、ベンジル基(Bn)ベンジルメトキシカルボニル(Cbz)である;R、R、R、R基は水素(H)、またはアセチル基(Ac)、またはベンゾイル基(Bz)、またはピバロイル基(Piv)、またはクロロアセチル(ClAc)、またはレブリニル基(Lev)、またはアリルオキシカルボニル基(Alloc)、またはベンジル基(Bn)、または2−ナフチルメチル基(Nap)、またはアリル基(All)、またはベンジリデンアセタール、またはイソプロピリデンケタールなどである;R、R12基は水素(H)、またはアセチル基(Ac)、またはベンゾイル(Bz)、またはピバロイル基(Piv)、またはクロロアセチル(ClAc)、またはレブリニル基(Lev)、またはアリルオキシカルボニル基(Alloc)などであり、R基はHまたはベンジル基(Bn)、またはアリル基(All)などである;R13、R14基はHまたはベンジル基(Bn)、または2−ナフチルメチル基(Nap)、またはアリル基(All)、またはベンジリデンアセタール、またはイソプロピリデンケタールなどである;]
二糖は式
に示す通りであり、[式中、R、R、R、R、R、R、Rについて式Iを参照する;]
三糖は式
に示す通りであり、[式中、R12、R13、R14、R、R、Rについて式Iを参照する;]
四糖は式
に示す通りであり、[式中、R、R、R、R、R、R、R、R12、R13、R14について式Iを参照する;]
五糖は式
に示す通りであり、[式中、R、R、R、R12、R13、R14について式Iを参照する;]
六糖は式
に示す通りであり、[式中、R、R、R、R、R12、R13、R14、R、R、Rについて式Iを参照する;]
七糖は式
に示す通りであり、[式中、R12、R13、R14、R、R、R、Rについて式Iを参照する;]
八糖は式
に示す通りであり、[式中、R、R、R、R、R12、R13、R14、R、R、Rについて式Iを参照する;]
九糖は式
に示す通りである。[式中、R12、R13、R14、R、R、Rについて式Iを参照する;]。
【請求項2】
合成経路は、
であることを特徴とする、請求項1に記載のグラム陽性菌細胞壁莢膜多糖構造誘導体を合成する方法。
【請求項3】
(1)糖ブロック1をグリコシル供与体とし、糖ブロック2をグリコシル受容体として、無水塩化メチレンにグリコシル供与体とグリコシル受容体を溶解し、モレキュラーシーブを加えて、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて1,4−α−結合の二糖フラグメント3を製造すること;
または、ステップ(1)に加えて、
(2)糖ブロック4をグリコシル供与体とし、糖ブロック5をグリコシル受容体として、無水塩化メチレンにグリコシル供与体とグリコシル受容体を溶解し、モレキュラーシーブを加えて、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて1,3−β−結合の二糖ブロック6を製造すること;
(3)二糖ブロック6をグリコシル供与体とし、糖ブロック2をグリコシル受容体として、グリコシル供与体とグリコシル受容体を塩化メチレンに溶解して、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて三糖フラグメント7を製造すること;
または、ステップ(3)に加えて、
(4)三糖フラグメント7のRを選択的に除去し、4位が遊離ヒドロキシル基である三糖ブロック8を得て、糖ブロック1をグリコシル供与体とし、三糖ブロック8をグリコシル受容体として、無水塩化メチレンにグリコシル供与体とグリコシル受容体を溶解し、モレキュラーシーブを加えて、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて四糖フラグメント9を製造すること;
または、ステップ(4)に加えて、
(5)二糖ブロック6をグリコシル供与体とし、三糖ブロック8をグリコシル受容体として、グリコシル供与体とグリコシル受容体を塩化メチレンに溶解して、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて五糖フラグメント10を製造すること;
または、ステップ(5)に加えて、
(6)五糖フラグメント10のRを選択的に除去し、4位が遊離ヒドロキシル基である五糖ブロック11を得て、糖ブロック1をグリコシル供与体とし、五糖ブロック11をグリコシル受容体として、無水塩化メチレンにグリコシル供与体とグリコシル受容体を溶解し、モレキュラーシーブを加えて、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて六糖フラグメント12を製造すること;
または、ステップ(6)に加えて、
(7)二糖ブロック6をグリコシル供与体とし、五糖ブロック11をグリコシル受容体として、グリコシル供与体とグリコシル受容体を塩化メチレンに溶解して、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて七糖フラグメント13を製造すること;
または、ステップ(7)に加えて、
(8)七糖フラグメント13のRを選択的に除去し、4位が遊離ヒドロキシル基である七糖ブロック14を得て、糖ブロック1をグリコシル供与体とし、七糖ブロック14をグリコシル受容体として、無水塩化メチレンにグリコシル供与体とグリコシル受容体を溶解し、モレキュラーシーブを加えて、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて八糖フラグメント15を製造すること;
または、ステップ(8)に加えて、
(9)二糖ブロック6をグリコシル供与体とし、七糖ブロック14をグリコシル受容体として、グリコシル供与体とグリコシル受容体を塩化メチレンに溶解して、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて九糖フラグメント16を製造すること;
または、ステップ(9)に加えて、
(10)九糖フラグメント16のRを選択的に除去し、4位が遊離ヒドロキシル基である九糖ブロック17を得て、糖ブロック1をグリコシル供与体とし、九糖ブロック17をグリコシル受容体として、無水塩化メチレンにグリコシル供与体とグリコシル受容体を溶解し、モレキュラーシーブを加えて、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて標的十糖フラグメント18を製造することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
グリコシル供与体1と6を製造する場合、グリコシル供与体は、ハロゲン化糖、チオグリコシド、トリクロロアセトイミデートグリコシド、グリコシドリン酸エステル、スルホキシドグリコシド、N−フェニルトリフルオロアセトイミデートグリコシドなどであってもよく、例えば、R基とR11基は水素(H)またはフッ素(F)または塩素(Cl)または臭素(Br)またはヨウ素(I)またはトリクロロアセトイミデート(CClC(=NH)O−)またはN−フェニルトリフルオロアセトイミデートグリコシド(CFC(=NPh)O−)またはエチルチオ基(SEt)またはフェニルチオ基(SPh)またはp−トルエンチオ基(STоl)またはエチルチオ(SEt)またはジブチルホスホン酸基(−P(=O)−(OBu))などであり、R、R、R、R、R12、R13、R14基は、エステル系保護基、エーテル系保護基、アセタール及びケタール保護基などであり、例えば、R、R、R、R基は、水素(H)、またはアセチル基(Ac)、またはベンゾイル(Bz)、またはピバロイル基(Piv)、またはクロロアセチル(ClAc)、またはレブリニル基(Lev)、またはアリルオキシカルボニル基(Alloc)、またはベンジル基(Bn)、または2−ナフチルメチル基(Nap)、またはp−メトキシベンジル基(pMBn)、またはアリル基(All)、またはベンジリデンアセタール、またはイソプロピリデンケタールなどであることを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
糖ブロック2のRは、タンパク質と結合するためのアミノ基結合手[−(CH2)−N−Y、n=1〜10]であり、nは、結合手が異なる炭素鎖長であることを表し、結合手はαまたはβ結合であり、YとYはアミノ基の保護基であり、Y、YはそれぞれH、ベンジル基(Bn)またはベンジルメトキシカルボニル(Cbz)である;R、R、R基は水素(H)、またはアセチル基(Ac)、またはベンゾイル(Bz)、またはピバロイル基(Piv)、またはクロロアセチル(ClAc)、またはレブリニル基(Lev)、またはアリルオキシカルボニル基(Alloc)、またはベンジル基(Bn)、または2−ナフチルメチル基(Nap)、またはp−メトキシベンジル基(pMBn)、またはアリル基(All)、またはベンジリデンアセタール、またはイソプロピリデンケタールなどであることを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
【請求項6】
前記ルイス酸は、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、またはトリフルオロメタンスルホン酸、またはトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、または炭酸銀やトリフルオロメタンスルホン酸銀のような銀塩などであることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記した一定の温度下で撹拌するとは、室温25℃、氷浴で撹拌すること、または−5℃〜−20℃の氷と塩との混合物中で撹拌すること、または−40℃のアセトニトリルとドライアイスとの混合物中で撹拌すること、または−78℃のアセトンとドライアイスとの混合物中で撹拌することであることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載のグラム陽性菌細胞壁莢膜多糖構造誘導体を含む自閉症を臨床診断するためのキット。
【請求項9】
請求項1に記載のグラム陽性菌細胞壁莢膜多糖構造誘導体を含む自閉症児の腸内のC.bolteaeフローラ数を制御するための医薬品。
【請求項10】
まず、6−デオキシ−D−グルコピラノシドを合成し、標的化合物のC−2位をアシル系保護基で保護し、隣接基関与効果によりβ−D−グルコピラノシドを立体選択的に生成し、そして、グルコースのC−2位のアシル系保護基を選択的に除去し、C−2位ではスルホニル基などの保護基を用いてSNメカニズムの求核置換により、C−2位のエクアトリアル結合を転位してアキシアル結合を形成して、β−D−ラムノピラノシドを得ること、または、レドックス法を使用して、まずC−2位をケトンに酸化し、そして水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で還元してC−2位がアキシアル結合である化合物を得て、β−D−ラムノピラノシドを得ることを特徴とする、β−D−ラムノースグリコシド結合を合成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラム陽性菌表面莢膜多糖構造誘導体の製造方法に関し、糖化学分野に属する。
【背景技術】
【0002】
自閉症(autism)は孤独症とも呼ばれ、最も早くアメリカの精神科医カナー(Leo Kanner)によって臨床医学で発見され且つ1930年代末に提案されている概念である。自閉症の主な症状は、子供の社会化障害、言語コミュニケーション障害、及び行為習慣障害である。現在国際的に広く引用されている基準によれば、160名の子供につき1人が自閉症を患う。これによって推算すると、中国の自閉症児の数は2012年に約164万人であり、かつ毎年10%〜17%の割合で増加しており、人口割合の1000分の1になった。世界的には、自閉症はますます広く注目・重視されている。2008年から、国連総会は4月2日を「世界自閉症啓発デー(World Autism Awareness Day)」に指定した。自閉症に対する公衆の意識を高めるために、毎年適切な方法で世界自閉症啓発デーの活動を行うことが奨励され、家庭レベルでの措置をとりつつ社会全体で自閉症児に対する意識を高めることを含む。
【0003】
C.bolteaeは嫌気性グラム陽性菌であり、その生存に最適な環境温度は37℃であり、ちょうど人体の正常な温度である。C.bolteaeは腸内で大量に増殖すると、便秘や下痢などを含む胃腸の不快感が高い割合で発生しまうが、これらの不快感が自閉症患者の行為習慣に及ぼす影響は、糖類物質が細菌により代謝されて生じる短鎖脂肪酸、例えばプロピオン酸(PPA)などに関連している可能性がある。PPA代謝物は、胃運動を低下させ、腸収縮の頻度を増加させることができ、これらはASD患者の胃腸の不快感に直接関係し得る。慢性持続性下痢を伴う重症ASD患児にバンコマイシン(グラム陽性菌による感染を予防と治療するための糖ペプチド系抗生物質)を経口投与する治療において、80%の患児の自閉症の症状が短期間で緩和されたが、薬物投与を止めると効果が消えることを、研究者らは発見した。これは、バンコマイシンが細菌フローラの不均衡を抑制したに過ぎず、その不均衡を解消できなかったことを示しているとともに、対応するグラム陽性菌の成長阻害が、自閉症の症状を確実に緩和できることも示している。しかし、バンコマイシンを長期服用すると、細菌耐性を引き起こすことがあるため、腸内のC.bolteaeのような主要な病原菌の増殖を制御できる他の治療案を研究および開発することが急務である。
【0004】
2013年、カナダのキエフ大学の研究者たちは、C.bolteae細胞壁莢膜多糖(capsular polysaccharide, CPS)の構造を精製して特性決定した。免疫学的研究により、この多糖構造がウサギ体内に免疫を生じさせることができることが明らかになった。この研究はすぐに広範な注目を集め、これは自閉症の症状を制御するワクチンの研究開発のために重要な一歩を踏み出しましたと広く考えられている。
【0005】
現在、C.bolteae感染を予防する、またはC.bolteaeを治療するためのワクチンは市場にまだない。糖類ワクチンはワクチン開発の新たな標的分子として、ますます科学者に重視されてきており、細菌表面の多糖構造は、細菌の病原性および人体内免疫認識に対して重要な役割を果たしている。化学的に合成されたC.bolteae細胞壁莢膜多糖はこれまで、ワクチンとしては研究されておらず、生物学的方法による多糖構造の抽出と精製には、主に次の欠点がある。1)抽出と精製の過程には時間がかかり、コストが高く、かつ毎回抽出の量が少ない;2)高純度で単一の構造を有する製品を得るのは難しく、製品に存在する不純物は、後のワクチン製造に一連の問題と困難をもたらす可能性がある。化学的合成によりオリゴ/多糖構造を製造すると、生成物の大量製造を実現でき、かつ合成された産物の構造は単一であり、不純物がないため、生物学的方法による精製における主な問題は解決された。そのため、化学的方法によるC.bolteae表面オリゴ多糖の合成は、C.bolteaeワクチンの開発に非常に重要な意味を持っている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、自閉症患者の胃腸に対する細菌の刺激を軽減できるワクチンの製造を主な目的として、遅発性自閉症に関連する腸内グラム陽性菌Clostridium bolteaeに着眼し、その細胞壁表面の細胞壁莢膜多糖構造を研究対象とし、化学的方法を設計および使用してその構造を合成して糖−タンパク質コンジュゲートを製造し、後は合成されたコンジュゲートに対してマウス体内での免疫学的研究を行うようになる。一方、このような細胞壁莢膜多糖(CPS)構造を患者への臨床診断に適用して対応する治療策を確立することが希望される。他方で、この多糖を使用してワクチンを開発し、自閉症患児の腸内C.bolteaeフローラ数を制御することで、自閉症患者の苦痛を軽減し、遅発性自閉症に関連する症状の発現を予防し、患者たちを助けてリハビリテーショントレーニングがより効果的に受けられるようになる。
【0007】
C.bolteae表面莢膜多糖は、一つの繰り返した二糖フラグメントから構成され、この二糖フラグメントは、一つのD−マンノースと一つのD−ラムノースから構成され、その構造は[→3]−α−D−Manp−(1→4)−β−D−Rhap−(1→]として特徴付けることができる。質量分析データの分析によると、この多糖構造は9つの繰り返しフラグメントで構成される(n=9)。
【0008】
本発明は以下のように設計される。二糖フラグメントを合成ユニットとして、二糖ユニットをグリコシル化反応により1つずつ連結し、長さの異なるオリゴ糖構造を合成し、1つの二糖フラグメント〜5つの二糖フラグメント(すなわち、1つの十糖)を含む合成糖抗原ライブラリーを構築する。そして、免疫学的研究については後述するが、合成された長さの異なるオリゴ糖構造を担体タンパク質とさらにコンジュゲートする。そこで、化学的合成の過程で標的のオリゴ糖構造に結合手を導入する必要がある。本発明は、アミノペンチル結合手をオリゴ糖の還元末端修飾として選択して用いる。
【0009】
本発明が解決しようとする一つ目の問題は、C.bolteae莢膜多糖構造におけるβ−D−ラムノースグリコシド結合を合成することである。D−ラムノース、すなわち、6−デオキシ−D−マンノースは、グリコシド結合の合成において、末端基効果でも立体効果でも優勢のあるα−D−ラムノピラノシド結合を形成しやすい。そして、C−2位は隣接基関与効果があるため、1,2−trans−グリコシド結合が立体選択的に生成され、同様にα−D−ラムノピラノシド結合も容易に得られる。β−D−マンノピラノシド結合の合成は、糖合成化学における研究のホットスポットであり、同時に糖化学における主なチャレンジの一つでもある。このグリコシド結合は、最も構築が困難な末端グリコシド結合の一つと考えられる。本発明は、C−2位レドックス法を使用して標的のオリゴ糖構造を合成する。
【0010】
本発明によって提供されるβ−D−ラムノースグリコシド結合を合成する方法は、まず、6−デオキシ−D−グルコピラノシドを合成し、標的化合物のC−2位をアシル系保護基で保護し、隣接基関与効果によりβ−D−グルコピラノシドを立体選択的に生成し、そして、グルコースのC−2位のアシル系保護基を選択的に除去し、C−2位ではスルホニル基などの保護基を用いてSNメカニズムの求核置換により、C−2位のエクアトリアル結合を転位してアキシアル結合を形成して、β−D−ラムノピラノシドを得る、または、レドックス法を使用して、まずC−2位をケトンに酸化し、そして水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で還元してC−2位がアキシアル結合である化合物を得て、β−D−ラムノピラノシドを得るというものである。
【0011】
上記β−D−ラムノースグリコシド結合を合成する方法に基づいて、本発明は、2つの二糖フラグメント(すなわち、四糖)〜5つの二糖フラグメント(すなわち、十糖)を含む合成糖のライブラリーを得る。
【0012】
そのうち、十糖の構造は下記式Iに示す通りである。
式中、Rは、タンパク質と結合するためのアミノ基結合手[−(CH2)−N−Y、n=1〜10]であり、免疫学的研究のために糖タンパク質を製造するものであり、nは、結合手が異なる炭素鎖長であってもよいことを表し、YとYはアミノ基の保護基であり、Y、YはそれぞれH、ベンジル基(Bn)、またはベンジルメトキシカルボニル(Cbz)である;R、R、R、R基は水素(H)、またはアセチル基(Ac)、またはベンゾイル(Bz)、またはピバロイル基(Piv)、またはクロロアセチル(ClAc)、またはレブリニル基(Lev)、またはアリルオキシカルボニル基(Alloc)、またはベンジル基(Bn)、または2−ナフチルメチル基(Nap)、またはアリル基(All)、またはベンジリデンアセタール、またはイソプロピリデンケタールなどである;R、R12基は水素(H)、またはアセチル基(Ac)、またはベンゾイル(Bz)、またはピバロイル基(Piv)、またはクロロアセチル(ClAc)、またはレブリニル基(Lev)、またはアリルオキシカルボニル基(Alloc)などであり、R基はHまたはベンジル基(Bn)、またはアリル基(All)などである;R13、R14基はまたはベンジル基(Bn)、または2−ナフチルメチル基(Nap)、またはアリル基(All)、またはベンジリデンアセタール、またはイソプロピリデンケタールなどである。
二糖の構造は下記式に示す通りである。
式中、R、R、R、R、R、R、Rについては、式Iを参照する。
三糖の構造は下記式に示す通りである。
式中、R12、R13、R14、R、R、Rについては、式Iを参照する。
四糖の構造は下記式に示す通りである。
式中、R、R、R、R、R、R、R、R12、R13、R14については、式Iを参照する。
五糖の構造は下記式に示す通りである。
式中、R、R、R、R12、R13、R14については、式Iを参照する。
六糖の構造は下記式に示す通りである。
式中、R、R、R、R、R12、R13、R14、R、R、Rについては、式Iを参照する。
七糖の構造は下記式に示す通りである。
式中、R12、R13、R14、R、R、R、Rについては、式Iを参照する。
八糖の構造は下記式に示す通りである。
式中、R、R、R、R、R12、R13、R14、R、R、Rについては、式Iを参照する。
九糖の構造は下記式に示す通りである。
式中、R12、R13、R14、R、R、Rについては、式Iを参照する。
【0013】
上記標的分子十糖の合成は具体的には下記のステップを含む。
<ステップ1> マンノース糖ブロック1の合成
糖ブロック1は式IIに示すとおりであり、その末端位Rはグリコシル供与体であり、ハロゲン化糖、チオグリコシド、トリクロロアセトイミデートグリコシド、グリコシドリン酸エステル、スルホキシドグリコシド、N−フェニルトリフルオロアセトイミデートグリコシドなどであってもよく、例えば、R基はフッ素(F)または塩素(Cl)または臭素(Br)またはトリクロロアセトイミデート(CClC(=NH)O−)またはN−フェニルトリフルオロアセトイミデート(CFC(=NPh)O−)またはエチルチオ基(SEt)またはフェニルチオ基(SPh)またはp−トルエンチオ基(STоl)またはエチルチオ(SEt)またはジブチルホスホン酸基(−P(=O)−(OBu))などであり、その末端位はαまたはβ配位であり、残りの置換基Rについては、式Iを参照する。
<ステップ2> ラムノース糖ブロック2の合成
糖ブロック2は式IIIに示すとおりであり、置換基Rについては、式Iを参照する。
<ステップ3> ラムノース糖ブロック4の合成
糖ブロック4は式IVに示すとおりであり、その末端位R10はグリコシル供与体であり、ハロゲン化糖、チオグリコシド、トリクロロアセトイミデートグリコシド、グリコシドリン酸エステル、スルホキシドグリコシド、N−フェニルトリフルオロアセトイミデートグリコシドなどであってもよく、例えば、R10基はフッ素(F)または塩素(Cl)または臭素(Br)またはトリクロロアセトイミデート(CClC(=NH)O−)またはN−フェニルトリフルオロアセトイミデート(CFC(=NPh)O−)またはエチルチオ基(SEt)またはフェニルチオ基(SPh)またはp−トルエンチオ基(STоl)またはエチルチオ(SEt)またはジブチルホスホン酸基(−P(=O)−(OBu))などであり、その末端位はαまたはβ配位であり、R基は2−ナフチルメチル基(Nap)であり、その他の置換基Rについては、式Iを参照する。
<ステップ4> マンノース糖ブロック5の合成
糖ブロック5は式Vに示すとおりであり、その末端位R11はグリコシル供与体であり、ハロゲン化糖、チオグリコシド、トリクロロアセトイミデートグリコシド、グリコシドリン酸エステル、スルホキシドグリコシド、N−フェニルトリフルオロアセトイミデートグリコシドなどであってもよく、例えば、R11基はフッ素(F)または塩素(Cl)または臭素(Br)またはトリクロロアセトイミデート(CClC(=NH)O−)またはN−フェニルトリフルオロアセトイミデート(CFC(=NPh)O−)またはエチルチオ基(SEt)またはフェニルチオ基(SPh)またはp−トルエンチオ基(STоl)またはエチルチオ(SEt)またはジブチルホスホン酸基(−P(=O)−(OBu))などであり、その末端位はαまたはβ配位であり、残りの置換基Rについては、式Iを参照する。
<ステップ5> マンノース糖ブロック6の合成
糖ブロック6は式VIに示すとおりであり、置換基Rについては、式IVと式Vを参照する。
<ステップ6> 式VIIに示すように、自閉症に関連するグラム陽性菌(Clostridium bolteae)表面莢膜多糖オリゴ糖フラグメント、例えば、二糖、三糖、四糖、五糖、六糖、七糖、八糖、九糖、十糖のアセンブリ
糖ブロック1、2、4、5、6、オリゴ多糖を使用したアセンブリの反応ステップは下記の通りである。
(1)3モルの糖ブロック1をグリコシル供与体とし、1モルの糖ブロック2をグリコシル受容体として、無水塩化メチレンにグリコシル供与体とグリコシル受容体を溶解し、4Åのモレキュラーシーブを加えて、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて1,4−α−結合の標的二糖フラグメント3を製造する;
(2)1モルの糖ブロック4をグリコシル供与体とし、1.5モルの糖ブロック5をグリコシル受容体として、無水塩化メチレンにグリコシル供与体とグリコシル受容体を溶解し、活性化された4Åのモレキュラーシーブを加えて、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて1,3−β−結合の二糖ブロック6を製造する;
(3)1.5モルの二糖ブロック6をグリコシル供与体とし、1モルの糖ブロック2をグリコシル受容体として、グリコシル供与体とグリコシル受容体を塩化メチレンに溶解して、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて三糖フラグメント7を製造する;Rを選択的に除去し、4位が遊離ヒドロキシル基である三糖8を得て、3モルの糖ブロック1をグリコシル供与体とし、1モルの三糖ブロック8をグリコシル受容体として、無水塩化メチレンにグリコシル供与体とグリコシル受容体を溶解し、4Åのモレキュラーシーブを加えて、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて標的四糖フラグメント9を製造する;
(4)1.5モルの二糖ブロック6をグリコシル供与体とし、1モルの糖ブロック8をグリコシル受容体として、グリコシル供与体とグリコシル受容体を塩化メチレンに溶解して、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて五糖フラグメント10を製造する;Rを選択的に除去し、4位が遊離ヒドロキシル基である五糖11を得て、3モルの糖ブロック1をグリコシル供与体とし、1モルの五糖ブロック11をグリコシル受容体として、無水塩化メチレンにグリコシル供与体とグリコシル受容体を溶解し、4Åのモレキュラーシーブを加えて、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて標的六糖フラグメント12を製造する;
(5)1.5モルの二糖ブロック6をグリコシル供与体とし、1モルの糖ブロック11をグリコシル受容体として、グリコシル供与体とグリコシル受容体を塩化メチレンに溶解して、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて七糖フラグメント13を製造する;Rを選択的に除去し、4位が遊離ヒドロキシル基である七糖14を得て、3モルの糖ブロック1をグリコシル供与体とし、1モルの七糖ブロック14をグリコシル受容体として、無水塩化メチレンにグリコシル供与体とグリコシル受容体を溶解し、4Åのモレキュラーシーブを加えて、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて標的八糖フラグメント15を製造する;
(6)1.5モルの二糖ブロック6をグリコシル供与体とし、1モルの糖ブロック14をグリコシル受容体として、グリコシル供与体とグリコシル受容体を塩化メチレンに溶解して、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて九糖フラグメント16を製造する;Rを選択的に除去し、4位が遊離ヒドロキシル基である九糖17を得て、3モルの糖ブロック1をグリコシル供与体とし、1モルの七糖ブロック17をグリコシル受容体として、無水塩化メチレンにグリコシル供与体とグリコシル受容体を溶解し、4Åのモレキュラーシーブを加えて、その後、ルイス酸で触媒させ、一定の温度下で撹拌し、2〜10時間反応させて標的十糖フラグメント18を製造する;
(7)上記に類似した方法を使用して、二糖ブロック6を繰り返し単位として、十二糖、十四糖、十六糖、十八糖などのより大きい多糖を合成することもできる。
<ステップ7> 自閉症に関連するグラム陽性菌(Clostridium bolteae)表面莢膜オリゴ糖フラグメント、例えば、二糖、四糖、六糖、八糖、十糖の脱保護。
式中、Rは−(CH−NHであり、保護された十糖は、アルカリ性条件下で脱アシル化し、シリカゲルカラムにより精製された後、Pd/C、Hを用いて脱着反応を3日間行って芳香族基を除去し、芳香族基が完全に脱保護された後、逆相C18カラムで精製して最終的に式VIIIに示すような標的オリゴ糖フラグメントを得る。
【0014】
本発明の目的は、安価で入手しやすい原料を用いて、簡単なステップで時間と労力を節約し、且つ低コストで医薬として使用される可能性がある、自閉症に関連するグラム陽性菌(Clostridium bolteae)表面莢膜オリゴ糖フラグメントの合成方法を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】糖ブロック3の合成を示す図である。反応条件:(a) (1) NaOAc, Ac2O, 90°C, 2h; (2) BF3・Et2O, TMSOTf, EtSH (86%, α : β = 5 : 1), DCM, 0°C to r.t., 48h; (b) MeOH, NaOMe, r.t., 48h; (c) NaH, BnBr (85% over two steps), DMF, 0°C to r.t., 7h。
図2】糖ブロック4の合成を示す図である。反応条件:(a) NaH, BnBr, DMF (99%), 0°C to r.t., 7h; (b) H+ resin, CH3COCH3, H2O, 60°C, 48h ; (c) Py., Ac2O, (85%, over two steps), 0°C to r.t., 10h; (d) TolSH, DCM, BF3・Et2O (59%), 0°C to r.t., 31h; (e) NaOMe, MeOH, r.t., 15h; (f) NPCH[OCH2CH(CH3)2]2, CH3CN, TsOH (87%, over two steps), r.t., 4h; (g) Cu(OTf)2, BH3・THF, BF3・Et2O (95%), 0°C, 6h; (h) TsCl, Py. (86%), r.t., 12h; (i) LiAlH4,THF (55%), r.t., 7h; (j) DCC, LevOH, DMAP, DCM, (98%), r.t., 3h。
図3】糖ブロック5の合成を示す図である。反応条件:(a) PhCH(OMe)2, p-TsOH, 60°C, 36h (59%) ; (b) CH3C(OEt)3, p-TsOH, r.t., 3h; (c) 80% AcOH, r.t., 1h (83%, over two steps)。
図4】糖ブロック6の合成を示す図である。反応条件:(a) HO(CH2)5N(Bn)Cbz, NIS, TMSOTf, DCM 0°C, 5h (96%, β only); (b) H2NNH2/HOAc, DCM/MeOH = 20 : 1, r.t., 3h (95%); (c) (COCl)2, DMSO, Et3N, DCM, -78°C to r.t., 20h (91%); (d) NaBH4, EtOH, 0°C, 7h (88%); (e) Ac2O, Py, r.t., 12h (95%).; (f) DDQ, H2O, DCM, r.t., 10h (86%)。
図5】二糖ブロック30の合成を示す図である。反応条件:(a) (1) NBS, THF/H2O, 7h; (2) Cl3CCN, DBU, 3h (78%, over two steps); (b) TMSOTf, DCM, -40°C, 4h (72%, β only); (c) H2NNH2/HOAc, 5h (88% ); (b) (1) (COCl)2, DMSO, Et3N, DCM, -78°C, 3h; (2) NaBH4, EtOH, 0°C, 5h; (3) Py., AC2O, 12h ( 88%)。
図6】オリゴ糖フラグメントの合成を示す図である。反応条件:(a) NIS, TMSOTf, DCM, Et2O, 0°C, 8h (53-80%); (b) (1) MeONa, THF/MeOH = 1:1, r.t., 12h; (2) 80% AcOH, 70°C, 8h; (3) H2, Pd/C, DCM, t-Butanol, H2O, r.t., 48h (72% over three steps); (c) NIS, TMSOTf, DCM, 0°C, 8h (50-72%); (d) DDQ, H2O, DCM, r.t., 5h (50-70%)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
一般的な実験方法
実験に使用した乾燥溶媒は、独国ブラウン社製の有機溶媒浄化システムを用いて乾燥精製して得られたものである。
H NMR、13C NMR、1H−1H COSY、H−13C HSQCはいずれもBruker AVANCE III 400タイプ、AVANCE 700 MHzタイプ、核磁気共鳴装置で測定され、TMSは内部標準であり、25℃で測定され、シングレット(s)、ダブレット(d)、トリプレット(t)、ダブレットのダブレット(dd)、マルチプレット(m)などを用いて異なるピークタイプを表し、化学シフト(δ)の単位はppmとして記し、カップリング定数(J)の単位はHzとして記す。
高分解能質量分析はMALDI SYNAPT MSタイプの質量分析計により正イオンモードで測定され、質量分析はThermo Scientific TSQ Quantum Ultra質量分析計により正負イオン全スキャンモードで測定された。赤外スペクトルは、NICOLET IS5タイプ赤外分光計により、KBrタブレット法で測定された。カラムクロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィー(TLC)は、山東省青島海洋化学工場によって製造された200〜300メッシュのカラムクロマトグラフィーシリカゲルおよび薄層クロマトグラフィーシリカゲルGF254タイプシリカゲルプレートであり、実験検出で使用した発色法では、5%(v/v)硫酸−エタノール溶液と紫外線ランプを採用して発色した。
【0017】
実施例1 糖ブロック3の合成は図1に示す。
具体的な試験操作とステップは下記の通りである。
化合物8:アルゴンガスの保護下で、市販のD−マンノース(40g、222mmоl)を無水酢酸(228mL)に溶解し、酢酸ナトリウム(24g、288.6mmоl)を加え、80℃で2時間撹拌し、原料の完全反応をTLCでモニターした後、ジクロロメタンで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去して茶色のシロップを得て、直接次の反応に仕込んだ。全アセチル化されたマンノースを無水ジクロロメタン(1000mL)に溶解し、4Åのモレキュラーシーブを加え、エタンチオール(25mL)を加えて0℃に冷却し、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル溶液(55mL)を滴加し、氷浴で30分間撹拌反応し、室温に昇温して32時間撹拌反応してから、0.5当量のトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf)を追加し、原料の完全反応をTLCでモニターした後、トリエチルアミンを加えて反応をクエンチし、一層の珪藻土をサンドコア漏斗に加え、ろ過してモレキュラーシーブを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、ジクロロメタンで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→5:1)、白い固体8(74.9g、191mmоl、86%(2ステップ反応の総収率)、α:β=5:1)を得た。Rf = 0.57 (PE : EA = 1 : 1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 5.35 (dd, J=3.2, 1.5 Hz, 1H, 2-H), 5.32~5.35 (m, 1H, 4-H), 5.30 (d, J=1.6 Hz, 1H, 1-H), 5.26 (dd, J=9.9, 3.3 Hz, 1H, 3-H), 4.41 (ddd, J=9.4, 5.3, 2.2 Hz, 1H, 5-H), 4.33 (dd, J=12.2, 5.3 Hz, 1H, 6-H), 4.10 (dd, J=12.2, 2.3 Hz, 1H, 6'-H), 2.65 (m, 2H, -CH2), 2.00, 2.06, 2.10, 2.18 (4s, 3H each, 4 OAc), 1.31 (t, J=7.4 Hz, 3H, Me); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 171.1, 170.4, 170.2, 170.2 82.7, 71.6, 69.9, 69.3, 66.7, 62.8, 25.9, 21.4, 21.2, 21.2, 21.1, 15.2; IR (KBr) ν: 2980, 1744, 1374, 1251, 712 cm-1; HRMS ESI-TOF: [M + Na]+ calcd for C16H24O9SNa 415.1039; found 415.1052。
化合物3:アルゴンガスの保護下で、化合物8(14g、35.6mmоl)をメタノール(90mL)に溶解し、触媒量のナトリウムメトキシドを加え、室温で2時間反応させ、原料の完全反応をTLCでモニターした後、水素イオン交換樹脂を加えてpHを5〜6に調整し、ろ紙でろ過して樹脂を除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去して茶色のシロップを得て、直接次の反応に仕込んだ。得られたシロップをジメチルホルムアミド(120mL)に溶解して0℃に冷却し、水素化ナトリウム(11.4g、284.8mmоl)を加え、臭化ベンジル(26mL)を滴加し、氷浴で30分間反応させ、室温に昇温して7時間反応させ、原料の完全反応をTLCでモニターした後、氷水を加えて反応を停止させ、ジクロロメタンで抽出し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=100:1→10:1)、白い固体3(17.7g、30.3mmоl、85%(2ステップ反応の総収率))を得た。Rf = 0.63 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.63 ~ 7.01 (m, 20H, 4 Ph ), 5.40 (d, J = 1.3 Hz, 1H, 1-H), 5.03 ~ 4.45 (m, 8H, 4 PhCH2), 4.13 (ddd, J = 9.9, 4.8, 1.9 Hz, 1H, 5-H), 4.03 (td, J = 10.1, 1.3 Hz, 1H, 3-H), 3.86 ~ 3.78 (m, 3H, 2, 6, 6'-H), 3.71 (dd, J = 10.9, 1.9 Hz, 1H, 4-H), 2.70 ~ 2.47 (m, 2H, SEt-CH2), 1.24 (t, J = 7.4 Hz, 3H, SEt-CH3); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 138.7, 138.5, 138.4, 138.3, 128.5, 128.5, 128.4, 128.4, 128.0, 128.0, 127.9, 127.8, 127.8, 127.7, 127.6, 82.0, 80.5, 76.5, 75.2, 75.2, 73.4, 72.2, 72.1, 72.1, 69.3, 25.4, 15.1。
【0018】
実施例2 糖ブロック4の合成は図2に示す。
具体的な試験操作とステップは下記の通りである。
化合物11:アルゴンガスの保護下で、市販のジアセトングルコース10(50g、191mmоl)をジメチルホルムアミド(490mL)に溶解し、0℃に冷却し、水素化ナトリウム(15.4g、382mmоl)を数回に分けて加え、臭化ベンジル(35mL)を滴加し、氷浴で30分間反応させ、室温に昇温して5時間反応させ、原料の完全反応をTLCでモニターした後、氷水を加えて反応を停止させ、ジクロロメタン(3×250mL)で抽出し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去して、シロップ11(66.2g、189.1mmоl、99%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.61 ~ 7.08 (m, 5H, Ph ), 5.90 (d, J = 3.7 Hz, 1H, 1-H), 4.68 (d, J = 11.8 Hz, 1H, PhCH), 4.63 (d, J = 11.8 Hz, 1H, PhCH), 4.58 (d, J = 3.7 Hz, 1H, 2-H), 4.37 (dt, J = 7.7, 6.1 Hz, 1H, 5-H), 4.15 (dd, J = 7.8, 3.2 Hz, 1H, 6-H), 4.11 (dd, J = 9.1, 6.7 Hz, 1H, 6'-H), 4.01 (dd, J = 8.1, 2.7 Hz, 1H, 4-H), 3.99 (m, 1H, 3-H), 1.49 (s, 3H, CH3), 1.43 (s, 3H, CH3), 1.37 (s, 3H, CH3), 1.31 (s, 3H, CH3); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 137.8, 128.5, 128.0, 127.8, 111.9, 109.1, 105.4, 82.8, 81.8, 81.5, 72.7, 72.5, 67.5, 27.0, 26.9, 26.4, 25.6。
化合物13:アルゴンガスの保護下で、化合物11(66.2g、189.1mmоl)をアセトン(45mL)と脱イオン水(425mL)、Amberlite IR120水素イオン交換樹脂(85g)に溶解し、60℃に加熱して2日間凝縮還流させ、原料の完全反応をTLCでモニターした後、室温に冷却し、ろ紙でろ過して樹脂を除去し、メタノールで樹脂を洗い流し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えて溶液のpHを中性に調整し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去して茶色のシロップを得て、トルエンに溶解して、ロータリーエバポレーションにより共沸して除水し、オイルポンプ上に置いて一晩真空引きして、直接次の反応に仕込んだ。得られたシロップを無水ピリジン(425mL)に溶解して0℃に冷却し、無水酢酸(80mL)を滴加し、氷浴で30分間反応させ、室温に昇温して10時間反応させ、原料の完全反応をTLCでモニターした後、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、ジクロロメタン(3×200mL)で抽出し、順に1mmоl L−1塩酸と飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=100:1→2:1)、茶色のシロップ13(70.5g、160.7mmоl、85%(2ステップ反応の総収率、α:β=1:3))を得た。Rf = 0.32 (PE : EA = 7 : 3). α型:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.36 ~ 7.19 (m, 5H, Ph), 6.31 (d, J = 3.6 Hz, 1H, 1-H), 5.16 (t, J = 9.8 Hz, 1H, 4-H), 5.05 (dd, J = 10.0, 3.7 Hz, 1H, 2-H), 4.71 (d, J= 11.8 Hz, 1H, Ph-CH), 4.63 (d, J = 11.8 Hz, 1H, Ph-CH), 4.24 ~ 4.16 (m, 1H, 6-H), 4.09 ~ 3.92 (m, 3H, 3, 5, 6'-H), 2.16 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 1.99 (s, 3H, OAc), 1.97 (s, 3H, OAc); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 170.6, 170.5, 169.5, 169.2, 168.7, 137.9, 128.4, 127.7, 127.4, 89.4, 76.9, 74.8, 71.5, 70.2, 69.1, 69.1, 61.8, 20.8, 20.7, 20.6, 20.5。
化合物14:アルゴンガスの保護下で、化合物13(70.5g、161mmоl)と予め活性化された4Åのモレキュラーシーブとを混合し、無水ジクロロメタン(610mL)を加えてp−トルエンチオール(30g、242mmоl)を加え、0℃に冷却して1時間撹拌し、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(70mL、484.6mmоl)を滴加し、室温に昇温して30時間撹拌反応し、原料の完全反応をTLCでモニターした後、0℃に冷却し、トリエチルアミンを加えて反応をクエンチし、珪藻土でろ過してモレキュラーシーブを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=100:1→10:1)、白い固体14(52.6g、104.7mmоl、65%)を得た。Rf = 0.42 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.45 ~ 6.91 (m, 9H, Ph), 5.03 (dt, J = 15.0, 9.6 Hz, 2H, 2, 4-H), 4.64 ~ 4.51 (m, 3H, 4-H, Ph-CH2), 4.16 (t, J = 3.4 Hz, 2H, 6, 6'-H), 3.71 (t, J = 9.2 Hz, 1H, 3-H), 3.60 (ddd, J = 9.9, 5.0, 3.1 Hz, 1H, 5-H), 2.33 (d, J = 1.8 Hz, 3H, STol-CH3), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc), 1.95 (s, 3H, OAc); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 170.8, 170.7, 169.4, 169.3, 138.5, 138.5, 137.9, 137.8, 133.4, 133.4, 129.7, 128.7, 128.7, 128.6, 128.5, 128.0, 127.9, 86.5, 81.7, 77.6, 77.3, 76.9, 76.2, 74.4, 74.3, 71.5, 71.5, 69.8, 69.8, 62.7, 21.3, 21.1, 20.9, 20.9, 20.8。
化合物16:アルゴンガスの保護下で、化合物14(40.7g、81mmоl)をメタノール(300mL)に溶解し、触媒量のナトリウムメトキシドを加え、室温で15時間反応させ、不溶物が完全に溶解して清澄な溶液になった後、原料が反応し終わったことをTLCでモニタリングしてから、カチオン交換樹脂を加えてpHを5〜6に調整し、ろ紙でろ過して樹脂を除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去して化合物15を得て、精製をせずに次の反応に直接に用いた。化合物15を無水アセトニトリル(450mL)に溶解し、2−(イソブチルメトキシ)−メチルナフタレン(46g、162mmоl)とp−トルエンスルホン酸(769mg、4mmоl)を加え、室温で撹拌し、溶液が徐々に清澄になった後、すぐに白色の固体に凝固した。室温で4時間撹拌し、原料の完全反応をTLCでモニターした後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、ジクロロメタンで抽出し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=100:1→10:1)、白い固体16(37.3g、70.5mmоl、87%(2ステップ反応の総収率))を得た。Rf = 0.39 (PE : EA = 4 : 1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.17 ~ 6.86 (m, 16H, Ph), 5.72 (s, 1H, Np-CH), 4.97 (d, J = 11.6 Hz, 1H, Ph-CH), 4.83 (d, J = 11.6 Hz, 1H, Ph-CH), 4.59 (d, J = 9.7 Hz, 1H, 1-H), 4.44 (dd, J = 10.5, 5.0 Hz, 1H, 6-H), 3.85 (t, J = 10.3 Hz, 1H, 6'-H), 3.71 (dd, J = 7.1, 4.5 Hz, 2H, 3, 4-H), 3.53 (ddt, J= 14.9, 5.5, 3.7 Hz, 2H, 2, 5-H), 2.59 (d, J = 2.2 Hz, 1H, 2-OH), 2.36 (s, 3H, STol-CH3); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 138.9, 138.4, 134.7, 1340, 133.8, 133.0, 130.0, 128.6, 128.5, 128.2, 128.2, 128.0, 127.8, 127.4, 126.6, 126.3, 125.6, 123.8, 101.6, 88.8, 81.8, 81.4, 77.4, 75.0, 72.4, 70.9, 68.9, 21.3。
化合物17:アルゴンガスの保護下で、化合物16(20.3g、38.4mmоl)をボランテトラヒドロフラン溶液(425mL)に溶解し、0℃に冷却して30分間撹拌し、トリフルオロメタンスルホン酸銅(4.1g、11.5mmоl)と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(0.5mL)を加え、氷浴で6時間撹拌反応し、原料が反応し終わったことをTLCでモニタリングしてから、氷水を滴加して過剰のボランを除去した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、ジクロロメタンで抽出し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=50:1→5:1)、白い固体17(18.8g、36.5mmоl、95%)を得た。Rf = 0.27 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.13 ~ 7.05 (m, 16H, Ph), 5.17 ~ 4.66 (m, 4H, Ph-CH2), 4.51 (d, J= 9.7 Hz, 1H, 1-H), 3.93 (ddd, J = 12.0, 5.9, 2.5 Hz, 1H, 6-H), 3.74 (ddd, J = 12.1, 7.6, 4.7 Hz, 1H, 6'-H), 3.65 (t, J = 8.7 Hz, 1H, 3-H), 3.58 (t, J = 9.2 Hz, 1H, 4-H), 3.47 (ddd, J = 10.1, 8.1, 2.3 Hz, 2H, 2, 5-H), 2.50 (d, J = 2.2 Hz, 1H, 2-OH), 2.35 (s, 3H, STol-CH3), 1.99 (dd, J = 7.5, 6.0 Hz, 1H, 6-OH); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 138.8, 138.6, 135.5, 133.7, 133.4, 133.2, 130.0, 128.6, 128.4, 128.1, 128.1, 127.9, 127.8, 127.7, 126.9, 126.3, 126.1, 126.0, 88.5, 85.9, 79.8, 77.5, 75.5, 75.3, 73.0, 62.4, 21.3。
化合物18:アルゴンガスの保護下で、化合物17(3.9g、7.7mmоl)を無水ピリジン(40mL)に溶解し、p−トルエンスルホニルクロリド(2.9g、15.4mmоl)を数回に分けて加え、室温で12時間撹拌反応し、原料の完全反応をTLCでモニターした後、氷水を滴加して反応を停止させた。ジクロロメタンで抽出し、順に1mmоl L−1塩酸と飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、有機相を収集し、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=50:1→8:1)、シロップ18(4.5g、6.6mmоl、85%)を得た。Rf = 0.33 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.10 ~ 6.84 (m, 20H, Ph), 5.05 ~ 4.55 (m, 4H, Ph-CH2), 4.35 (d, J = 9.6 Hz, 1H, 1-H), 4.29 (dd, J = 10.6, 1.9 Hz, 1H, 6-H), 4.14 (dd, J = 10.6, 4.6 Hz, 1H, 6'-H), 3.58 (t, J = 8.6 Hz, 1H, 3-H), 3.53 (ddd, J = 9.8, 4.6, 1.9 Hz, 1H, 5-H), 3.46 (dd, J = 9.8, 8.5 Hz, 1H, 4-H), 3.37 (dd, J = 9.7, 8.6 Hz, 1H, 2'-H), 2.33 (d, J = 2.2 Hz, 6H, STol-CH3, Ts-CH3); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 145.0, 138.8, 138.4, 135.1, 133.9, 133.4, 133.2, 132.9, 130.0, 129.9, 128.7, 128.4, 128.1, 128.1, 128.0, 127.8, 127.1, 127.0, 126.3, 126.2, 126.0, 88.1, 85.7, 77.4, 76.9, 76.5, 75.5, 75.3, 72.4, 68.6, 21.7, 21.3。
化合物19:アルゴンガスの保護下で、化合物18(2.9g、4.5mmоl)を無水テトラヒドロフラン(33mL)に溶解し、水素化アルミニウムリチウム(837mg、22.5mmоl)を数回に分けて加え、室温で7時間撹拌反応し、原料の完全反応をTLCでモニターした後、氷水を滴加して反応を停止させた。過剰な水素化アルミニウムリチウムを除去し、ジクロロメタンで抽出し、順に1mmоl L−1塩酸と飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=50:1→10:1)、白い固体19(1.3g、2.5mmоl、55%)を得た。Rf = 0.53 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.04 ~ 6.83 (m, 16H, Ph), 5.10 ~ 4.69 (m, 4H, Ph-CH2), 4.43 (d, J= 9.7 H・z, 1H, 1-H), 3.59 (t, J = 8.8 Hz, 1H, 3-H), 3.51 ~ 3.40 (m, 2H, 2, 5-H), 3.20 (t, J = 9.1 Hz, 1H, 4-H), 2.33 (s, 3H, STol-CH3), 1.36 (d,J = 6.1 Hz, 3H, 6-H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 138.7, 138.5, 135.7, 133.6, 133.4, 133.1, 129.9, 128.6, 128.3, 128.1, 128.0, 128.0, 127.9, 127.8, 126.8, 126.2, 126.1, 88.4, 85.9, 83.0, 76.0, 75.5, 75.4, 73.1, 21.3, 18.5。
化合物4:アルゴンガスの保護下で、化合物19(1.6g、3.3mmоl)を無水ジクロロメタン(17mL)に溶解し、ジシクロヘキシルカルボジイミド(867mg、4.2mmоl)、レブリン酸(488mg、4.2mоl)、ジメチルアミノピリジン(475mg、3.9mmоl)を加え、室温で3時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、ろ過して不溶の白い固体を除去し、ジクロロメタンで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=50:1→10:1)、白い固体4(1.9g、3.2mmоl、96%)を得た。Rf = 0.53 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ: 7.77 ~ 6.79 (m, 16H, Ph), 5.00 ~ 4.94 (m, 2H, 2-H, Ph-CH2), 4.83 ~ 4.68 (m, 3H, Ph-CH2), 4.54 (d, J = 10.1 Hz, 1H, 1-H), 3.68 (t, J = 9.0 Hz, 1H, 3-H), 3.45 (dq, J = 9.4, 6.1 Hz, 1H, 5-H), 3.29 (t, J= 9.2 Hz, 1H, 4-H), 2.73 (td, J = 6.7, 6.3, 3.0 Hz, 2H, Lev-CH2), 2.54 (qt, J = 17.2, 6.7 Hz, 2H, Lev-CH2), 2.32 (s, 3H, STol-CH3), 2.16 (s, 3H, Lev-CH3), 1.35 (d, J = 6.1 Hz, 3H, 6-H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 206.2, 171.5, 138.3, 138.2, 135.5, 133.3, 133.1, 129.7, 129.2, 128.5, 128.3, 128.0, 128.0, 127.8, 127.8, 126.9, 126.2, 126.1, 126.1, 86.4, 84.3, 83.2, 75.9, 75.5, 75.3, 72.7, 38.0, 30.0, 28.3, 21.3, 18.3。
【0019】
実施例3 糖ブロック5の合成は図3に示す。
化合物20:アルゴンガスの保護下で、化合物8(11.3g、28.7mmоl)をメタノール(250mL)に溶解し、触媒量のナトリウムメトキシドを加え、室温で12時間反応させ、原料の完全反応をTLCでモニターした後、カチオン交換樹脂を加えてpHを5〜6に調整し、ろ紙でろ過して樹脂を除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去して茶色のシロップを得て、直接次の反応に仕込んだ。得られたシロップをジメチルホルムアミド(90mL)に溶解し、室温で撹拌し、p−トルエンスルホン酸(735mg、3.9mmоl)とベンズアルデヒドジメチルアセタール(5mL、32.8mmоl)を加え、60℃に昇温して7時間反応させた。原料の完全反応をTLCでモニターした後、トリエチルアミン(5mL)を加えて反応を停止させ、ジクロロメタン(3×150mL)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(3×150mL)で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=10:1→1:1)、白い固体20(5.3g、16.9mmоl、59%(2ステップ反応の総収率))を得た。Rf = 0.21 (PE : EA = 1 : 1). 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ: 7.35 ~ 7.54 (m, 5H, Ph), 5.32 (s, 1H, Ph-CH), 5.32 (d, J=1.3 Hz, 1H, 1-H), 4.15 (m, 1H), 4.18 (m, 1H), 4.02 (dd, J=3.4, 1.3 Hz, 1H, 2-H), 3.90 (m, 1H), 3.99 (m, 1H), 3.87 (m, 1H), 2.68 (m, 2H, SEt-CH2), 1.33 (s, 3H, SEt-CH3); 13C NMR (101MHz, CD3OD) δ: 139.3, 129.9, 129.0 127.5, 103.4, 87.3, 80.4, 74.3, 70.0, 69.6, 65.7, 26.0, 15.4; IR (KBr) ν: 3434, 2937, 1750, 1224, 1045 cm-1; HRMS ESI-TOF: [M + Na]+ calcd for C15H20O5SNa 335.0929; found 335.1031。
化合物5:アルゴンガスの保護下で、化合物20(1.03g、3.3mmоl)を無水ジクロロメタン(22mL)に溶解し、オルト酢酸トリエチル(6mL、32.9mmоl)とp−トルエンスルホン酸(113mg、0.6mmоl)を加え、室温で20分間反応させ、原料の完全反応をTLCでモニターした後、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(3×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去した。得られた粗生成物を精製せずに直接次の反応に仕込んだ。80%酢酸溶液(11mL)を加え、室温で30分間反応させ、原料の完全反応をTLCでモニターした後、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(3×50mL)で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=10:1→4:1)、シロップ5(971mg、2.7mmоl、83%(2ステップ反応の総収率))を得た。Rf = 0.61 (PE : EA = 1 : 1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.56 ~ 7.34 (m, 5H, Ph), 5.60 (s, 1H, Ph-CH), 5.30 (dd, J = 3.7, 1.3 Hz, 1H, 2-H), 5.27 (d, J = 1.3 Hz, 1H, 1-H), 4.29 ~ 4.23 (m, 2H, 5, 6-H), 4.20 ~ 4.16 (m, 1H, 3-H), 3.94 (t, J = 9.5 Hz, 1H, 4-H), 3.89 ~ 3.81 (m, 1H, 6'-H), 2.65 (qq, J = 12.9, 7.4 Hz, 2H, SEt-CH2), 2.43 (d, J = 4.0 Hz, 1H, 3-OH), 2.18 (s, 3H, OAc), 1.30 (t, J = 7.4 Hz, 3H, SEt-CH3); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 170.6, 170.6, 137.2, 129.4, 129.4, 128.5, 128.5, 126.4, 102.4, 83.5, 83.4, 79.4, 77.4, 74.0, 74.0, 68.7, 67.9, 64.2, 64.2, 25.8, 21.2, 21.2, 15.0; IR (KBr) ν: 3451, 1739, 1229, 902 cm-1; HRMS ESI-TOF: [M + Na]+ calcd for C17H22O6SNa 337.1035; found 337.1039。
【0020】
実施例4 糖ブロック6の合成は図4に示す。
具体的な試験操作とステップは下記の通りである。
化合物22:アルゴンガスの保護下で、化合物4(557mg、0.93mmоl)およびN−(ベンジル)−ベンジルオキシカルボニル−5−アミノ−1−ペンタノール(700mg、2.14mmоl)をトルエンに溶解し、ロータリーエバポレーションにより3回除水し、オイルポンプ上に置いて一晩真空引きした。予め活性化された4Åのモレキュラーシーブを加え、無水ジクロロメタン(2mL)を加え、ヨードスクシンイミド(252mg、1.2mmоl)を加え、0℃に冷却し、30分間撹拌し、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(20μL)を滴加し、氷浴で5時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、トリエチルアミンを加えて反応をクエンチし、珪藻土をサンドコア漏斗に加え、ろ過してモレキュラーシーブを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、ジクロロメタンで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→4:1)、シロップ22(716g、0.89mmоl、96%)を得た。Rf = 0.28 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.18 ~ 6.82 (m, 22H, Ph), 5.17 (d, J = 3.6 Hz, 2H, Ph-CH2), 4.99 (d, J = 3.6 Hz, 1H, Ph-CH2), 4.97 (d, J = 1.9 Hz, 1H, 2-H), 4.86 ~ 4.67 (m, 3H, Ph-CH2), 4.49 (d, J = 6.1 Hz, 2H, Ph-CH2), 4.31 (d, J = 7.4 Hz, 1H, 1-H), 3.78 (d, J= 12.3 Hz, 1H, linker-OCH2), 3.66 (t, J = 9.2 Hz, 1H, 3-H), 3.47 ~ 3.35 (m, 2H, 5-H), 3.31 (t, J = 9.1 Hz, 1H, 4-H), 3.27 ~ 3.12 (m, 2H, linker-NCH2), 2.77 ~ 2.57 (m, 2H, Lev-CH2), 2.47 (q, J= 7.0 Hz, 2H, Lev-CH2), 2.11 (s, 3H, Lev-CH3), 1.60 ~ 1.46 (m, 4H, linker-CH2), 1.32 (d, J = 6.1 Hz, 3H, 6-H), 1.28 ~ 1.10 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 206.2, 171.5, 156.8, 156.3, 138.4, 138.1, 136.9, 135.5, 133.4, 133.1, 128.6, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.3, 128.0, 128.0, 127.9, 127.9, 127.8, 127.4, 127.3, 126.9, 126.2, 126.1, 100.8, 83.5, 82.9, 77.4, 75.5, 75.1, 74.0, 71.5, 69.5, 67.2, 50.6, 50.3, 47.2, 46.3, 37.9, 30.0, 29.3, 28.1, 27.5, 23.2, 18.0。
化合物23:アルゴンガスの保護下で、化合物22(716mg、0.89mmоl)をジクロロメタン(4.8mL)に溶解し、メタノール(0.3mL)と酢酸ヒドラジン(140mg、1.5mmоl)を加え、室温で4時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→4:1)、シロップ23(595mg、0.85mmоl、95%)を得た。Rf = 0.37 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.67 ~ 7.04 (m, 22H, Ph), 5.20 (d, J = 9.3 Hz, 2H, Ph-CH2), 5.10 ~ 4.80 (m, 2H, Ph-CH2), 4.86 (dd, J = 25.0, 11.2 Hz, 2H, Ph-CH2), 4.51 (d, J = 8.9 Hz, 2H, Ph-CH2), 4.23 (d, J = 8.4 Hz, 1H, 1-H), 4.00 ~ 3.75 (m, 1H, linker-OCH2), 3.66 ~ 3.50 (m, 2H, 2, 3-H), 3.50 ~ 3.35 (m, 2H, 4-H, linker-OCH2), 3.35 ~ 3.15 (m, 3H, 5-H, linker-NCH2), 1.67 ~ 1.18 (m, 9H, 6-H, linker-CH2); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 156.9, 156.4, 138.9, 138.0, 136.9, 135.8, 133.4, 133.1, 128.6, 128.6, 128.3, 128.1, 128.0, 128.0, 127.9, 127.8, 127.4, 126.8, 126.2, 126.1, 126.0, 102.8, 84.5, 83.3, 77.4, 75.5, 75.2, 71.6, 70.0, 69.8, 67.3, 50.6, 50.4, 47.2, 46.2, 34.1, 29.3, 28.0, 27.5, 25.1, 23.4, 18.2, 0.1。
化合物24:アルゴンガスの保護下で、塩化オキサリル(4.3mL、50mmоl)を無水ジクロロメタン(15mL)に溶解し、−78℃で撹拌した。アルゴンガスの保護下で、ジメチルスルホキシド(8.6mL、100mmоl)を無水ジクロロメタン(15mL)に滴加して溶解し、滴加終了後、−78℃で1時間撹拌反応した。糖ブロック23(3.5g、5mmоl)を無水ジクロロメタン(14mL)に溶解し、アルゴンガスの保護下で反応系に滴加し、滴加終了後、−78℃で0.5時間撹拌反応した。そして、アルゴンガスの保護下でトリエチルアミン(14mL、100mmоl)を滴加し、白い固体が徐々に現れた。滴加終了後、−78℃から室温までゆっくりと昇温し、12時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、10%(w/w)チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで除水して乾燥させ、ろ過してスピンドライして溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→3:1)、生成物24(3.2g、4.6mmоl、91%)を得た。Rf = 0.37 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.85 ~ 7.07 (m, 22H, Ph), 5.20 ~ 5.07 (m, Ph-CH2), 5.05 ~ 4.97 (m, 2H, Ph-CH2), 4.76 (d, J = 11.2 Hz, 2H, Ph-CH2), 4.57 (m, 2H, Ph-CH2), 4.17 (d, J= 9.0 Hz, 1H, 1-H), 3.87 ~ 3.65 (m, 2H, linker-OCH2, 5-H), 3.56 ~ 3.45 (m, 2H, 3, 4-H), 3.45 ~ 3.35 (m, 1H, linker-OCH2), 3.28 ~ 3.10 (m, 2H, linker-NCH2), 1.65 ~ 1.15 (m, 9H, 6-H, linker-CH2).13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 200.2, 197.5, 156.8, 156.3, 138.0, 137.5, 137.2, 136.9, 135.3, 135.1, 133.3, 133.3, 133.2, 128.6, 128.6, 128.6, 128.6, 128.4, 128.3, 128.3, 128.2, 128.2, 128.1, 128.0, 128.0, 127.9, 127.9, 127.8, 127.4, 127.3, 127.1, 126.9, 126.3, 126.3, 126.2, 126.2, 126.1, 125.9, 99.3, 85.9, 85.4, 82.0, 77.4, 76.8, 75.4, 73.6, 72.7, 72.5, 72.3, 72.1, 69.5, 67.3, 50.6, 50.3, 47.2, 46.2, 29.3, 28.0, 27.5, 23.3, 19.1, 18.2。
化合物25:化合物24とトルエンを共沸して3回除水し、アルゴンガスの保護下で、この化合物24を無水エタノール(40mL)に溶解し、温度を0℃に下げて撹拌し、水素化ホウ素ナトリウム(253mg、6.7mmоl)を加え、0℃で30時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、ろ過して不溶物を除去し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集して無水硫酸ナトリウムで除水して乾燥させ、ろ過してスピンドライして溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=10:1→4:1)、シロップ25(2.8g、4.0mmоl、88%)を得た。Rf = 0.61 (PE : EA = 1 : 1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.85 ~ 7.12 (m, 22H, Ph), 5.17 (m, 2H, Ph-CH2), 5.09 (d, J= 11.1 Hz, 1H, Ph-CH2), 4.82 ~ 4.65 (m, 3H, Ph-CH2), 4.49 (d, J = 5.8 Hz, 2H, Ph-CH2), 4.34 (d, J = 11.2 Hz, 1H, 1-H), 4.09 (s, 1H, 2-H), 3.83 (d, J = 15 Hz, 1H, linker-OCH2), 3.63 ~ 3.53 (m, 2H, 3-H, 4-H), 3.43 (d, J = 15 Hz, 1H, linker-OCH2), 3.34 (m, 1H, 5-H), 3.30 ~ 3.15 (m, 2H, linker-NCH2), 2.42 (d, J= 26.4 Hz, 1H, 2-OH), 1.65 ~ 1.65 (m, 4H, linker-CH2), 1.35 (d, J= 6.2 Hz, 3H, 6-H), 1.32 ~ 1.29 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 156.8, 156.3, 152.6, 138.0, 138.0, 137.0, 136.0, 133.4, 133.1, 128.6, 128.6, 128.5, 128.5, 128.4, 128.2, 128.0, 128.0, 127.9, 127.8, 127.8, 127.5, 127.4, 126.9, 126.8, 126.4, 126.3, 126.2, 126.0, 125.9, 102.3, 101.0, 99.7, 99.3, 81.6, 81.3, 79.8, 77.4, 75.6, 71.6, 71.4, 69.6, 69.4, 69.2, 68.9, 68.6, 67.3, 66.7, 50.6, 50.4, 47.2, 46.3, 29.5, 29.3, 28.0, 27.6, 23.4, 22.4, 18.1。
化合物26:アルゴンガスの保護下で、化合物25(2.8g、4mmоl)を乾燥下ピリジン(20mL)に溶解して0℃に冷却し、無水酢酸(1mL)を滴加し、ジメチルホルムアミド(DMAP)(96.8mg、0.8mmоl)を加え、氷浴で30分間反応させ、室温に昇温して10時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、ジクロロメタン(3×200mL)で抽出し、順に1mmоl L−1塩酸と飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→3:1)、茶色のシロップ26(2.8g、3.8mmоl、95%)を得た。Rf = 0.52 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.85 ~ 7.05 (m, 22H, Ph), 5.60 (s, 1H, 2-H), 5.17 (d, J = 11.8 Hz, 2H, Ph-CH2), 5.07 (d, J = 11.0 Hz, 1H, Ph-CH2), 4.77 (d, J = 11.1 Hz, 2H, Ph-CH2), 4.52 (s, 1H, 1-H), 4.51 ~ 4.40 (m, 3H, Ph-CH2), 4.20 ~ 4.04 (m, 1H, linker-OCH2), 3.79 (ddd, J = 6.9, 5.7, 3.2 Hz, 1H, linker-OCH2), 3.64 (dd, J= 9.1, 3.3 Hz, 1H, 3-H), 3.47 (t, J = 9.2 Hz, 1H, 4-H), 3.39 (dd, J= 9.4, 5.9 Hz, 1H, 5-H), 3.30 ~ 3.08 (m, 2H, linker-NCH2), 2.18 (s, 3H, OAc), 1.54 ~ 1.42 (m, 4H, linker-CH2), 1.39 (d, J = 6.0 Hz, 3H, 6-H), 1.33 ~ 1.18 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (176 MHz, CDCl3) δ:207.1, 170.8, 170.4, 156.9, 156.3, 138.1, 138.0, 137.8, 137.0, 136.9, 135.9, 135.1, 133.4, 133.3, 133.2, 133.2, 133.1, 129.8, 128.7, 128.7, 128.6, 128.4, 128.4, 128.4, 128.3, 128.3, 128.3, 128.1, 128.1, 128.0, 128.0, 128.0, 127.9, 127.8, 127.8, 127.1, 126.9, 126.7, 126.4, 126.2, 126.2, 126.1, 126.0, 125.8, 98.9, 98.4, 97.1, 81.1, 80.3, 79.9, 75.6, 74.9, 73.9, 73.0, 72.9, 72.4, 72.2, 71.9, 71.8, 71.6, 69.6, 69.3, 69.0, 68.4, 67.3, 50.6, 50.3, 47.3, 46.3, 37.2, 32.1, 31.1, 30.2, 29.9, 29.6, 29.5, 29.3, 28.0, 27.6, 23.3, 22.8, 21.3, 21.1, 18.3, 18.2, 18.1, 14.3。
化合物6:アルゴンガスの保護下で、化合物26(2.7g、3.7mmоl)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、順に脱イオン水(10mL)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)(1.2g、5.5mmоl)を加え、室温で10時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、ジクロロメタンで抽出し、10%(w/w)チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→7:3)、茶色のシロップ6(1.9g、3.2mmоl、86%)を得た。Rf = 0.18 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.42 ~ 7.12 (m, 15H, Ph), 5.59 (s, 1H, 2-H), 5.18 (d, J = 11.5 Hz, 2H, Ph-CH2), 4.78 (d, J = 11.1 Hz, 1H, Ph-CH2), 4.52 ~ 4.42 (m, 3H, 1-H, Ph-CH2), 4.39 (d, J = 11.1 Hz, 1H, Ph-CH2), 3.91 ~ 3.70 (m, 1H, linker-OCH2), 3.52 (td, J= 9.3, 2.2 Hz, 1H, 4-H), 3.48 ~ 3.40 (m, 1H, linker-OCH), 3.38 (dd, J = 9.2, 3.1 Hz, 1H, 3-H), 3.33 (dd, J = 9.2, 6.1 Hz, 1H, 5-H), 3.30 ~ 3.15 (m, 2H, linker-NCH2), 2.32 (d, J = 2.2 Hz, 1H, 2-OH), 2.15 (s, 3H, OAc), 1.62 ~ 1.45 (m, 4H, linker-CH2), 1.38 (d, J = 6.1 Hz, 3H, 6-H), 1.34 ~ 1.20 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 170.7, 170.5, 156.8, 156.3, 138.1, 137.4, 136.9, 128.8, 128.7, 128.6, 128.5, 128.4, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.4, 98.9, 97.1, 79.9, 77.5, 77.4, 77.2, 76.8, 76.3, 73.1, 72.1, 71.7, 71.6, 71.3, 71.0, 70.1, 69.8, 68.7, 67.6, 67.3, 50.6, 50.3, 47.2, 46.3, 31.0, 29.3, 29.2, 28.0, 27.6, 23.3, 23.3, 21.2, 21.1, 18.1, 17.8。
【0021】
実施例5 二糖ブロック30の合成は図5に示す。
具体的な試験操作とステップは下記の通りである。
化合物28:化合物4(100mg、0.17mmоl)をテトラヒドロフラン(1mL)に溶解し、脱イオン水(1mL)を加え、ブロモスクシンイミド(72.6mg、0.41mmоl)を加え、室温で7時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、ジクロロメタンで抽出し、1mmоl L−1飽和炭酸水素ナトリウム溶液と10%(w/w)チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去して、C−1位がヒドロキシルである中間体を得て、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(PE:EA=10:1→1:1)。得られた化合物をジクロロメタン(1.5mL)に溶解し、トリクロロアセトニトリル(300μL)を加え、氷浴に1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン(DBU)(15μL)を加えてから、室温で3時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=100:1→10:1(1%トリエチルアミンを加えた))、化合物27(84mg、0.13mmоl、78%(2ステップ反応の総収率))を得た。アルゴンガスの保護下で、化合物27(84mg、0.13mmоl)および5(92mg、0.26mmоl)をトルエンに溶解し、ロータリーエバポレーションにより3回除水し、オイルポンプ上に置いて一晩真空引きした。予め活性化された4Åのモレキュラーシーブを加え、無水ジクロロメタン(1.5mL)に溶解し、−40℃で15分間撹拌した。トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(3μL)を加え、引き続き−40℃で4時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、トリエチルアミン(1mL)を加えて反応をクエンチし、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→3:1)、標的二糖化合物28(77mg、0.09mmоl、72%)を得た。Rf = 0.39 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.16 ~ 6.87 (m, 17H, Ph), 5.60 (s, 1H, Ph-CH), 5.17 (d, J= 1.5 Hz, 1H, Man1-H), 5.17 ~ 5.15 (m, 1H, Man2-H), 4.97 (dd, J = 9.2, 7.6 Hz, 1H, Rha2-H), 4.92 ~ 4.60 (m, 4H, Ph-CH2), 4.47 (d, J = 7.7 Hz, 1H, Rha1-H), 4.20 ~ 4.14 (m, 2H, Man4-H, Man6-H), 4.10 ~4.03 (m, 2H, Man3-H, Man4-H), 3.87 ~ 3.79 (m, 1H, Man6'-H), 3.58 (t, J = 9.0 Hz, 1H, Rha3-H), 3.41 ~ 3.33 (m, 1H, Rha5-H), 3.29 (t, J = 9.1 Hz, 1H, Rha4-H), 2.74 ~2.43 (m, 6H, Lev-CH2, SEt-CH2), 2.11 (m, 6H, Lev-CH3, OAc), 1.29 ~ 1.22 (m, 3H, SEt-CH3)1.21 (t, J= 6.4 Hz, 3H, Rha6-H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 206.5, 171.4, 171.4, 170.4, 138.3, 138.2, 138.1, 137.5, 137.5, 137.3, 135.7, 135.5, 134.3, 134.1, 133.4, 133.1, 132.2, 132.0, 130.3, 129.0, 129.0, 128.8, 128.5, 128.5, 128.4, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.1, 128.1, 128.0, 127.8, 127.8, 127.8, 127.7, 127.6, 127.4, 127.3, 127.0, 126.9, 126.8, 126.7, 126.6, 126.5, 126.4, 126.3, 126.3, 126.2, 126.1, 125.8, 122.9, 122.7, 101.7, 101.6, 101.5, 83.6, 83.5, 83.4, 83.2, 82.9, 82.9, 82.9, 77.8, 77.4, 76.1, 76.0, 75.5, 75.3, 75.2, 75.0, 75.0, 74.9, 74.1, 72.8, 72.8, 71.8, 71.7, 71.7, 68.5, 64.9, 38.0, 30.0, 28.2, 25.7, 21.1, 18.0, 18.0, 18.0, 17.9, 15.1。
化合物29:アルゴンガスの保護下で、化合物29(3.5g、4.2mmоl)をジクロロメタン(30mL)に溶解し、メタノール(6mL)と酢酸ヒドラジン(581mg、6.3mmоl)を加え、室温で7時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→4:1)、シロップ29(2.8g、3.9mmоl、95%)を得た。Rf = 0.38 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.90 ~ 7.20 (m, 17H, Ph), 5.67 (s, 1H, Ph-CH), 5.46 (dd, J = 3.2, 1.5 Hz, 1H, Man2-H), 5.27 (d, J = 1.3 Hz, 1H, Man1-H), 5.14 ~4.92 (m, 2H, Ph-CH2), 4.85 ~ 4.73 (m, 2H, Ph-CH2), 4.40 (td, J= 6.2, 2.6 Hz, 1H, Rha1-H), 4.34 ~ 4.21 (m, 3H, Man3-H, Man5-H, Man6-H), 4.09 (td, J= 9.6, 3.0 Hz, 1H, Man4-H), 3.90 (m, 1H, Man6'-H), 3.66 (d, J= 2.2 Hz, 1H, Rha2-OH), 3.64 ~ 3.56 (m, 2H, Rha2-H, Rha3-H), 3.47 (dt, J = 9.1, 6.1 Hz, 1H, Rha5-H), 3.33 ~ 3.18 (m, 1H, Rha4-H), 2.65 (m, 3H, SEt-CH2), 2.21 (s, 3H, OAc), 1.37 ~ 1.25 (m, 6H, SEt-CH3, Rha6-H); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 171.4, 138.9, 138.8, 137.7, 137.2, 137.2, 136.2, 134.4, 134.1, 132.3, 132.0, 130.3, 129.2, 128.7, 128.5, 128.5, 128.4, 128.2, 128.2, 128.2, 128.2, 128.1, 127.8, 127.8, 127.7, 127.7, 127.7, 127.6, 127.5, 127.4, 127.3, 126.9, 126.8, 126.6, 126.5, 126.3, 126.3, 126.2, 126.2, 126.0, 125.9, 123.0, 122.5, 104.8, 104.7, 101.8, 84.2, 84.2, 84.1, 83.6, 83.3, 83.2, 82.9, 77.6, 77.4, 75.8, 75.7, 75.5, 75.4, 75.3, 75.3, 75.2, 75.2, 74.4, 73.9, 73.9, 72.0, 72.0, 68.6, 65.0, 25.6, 21.4, 18.3, 18.3, 18.2, 18.2, 15.0。
化合物30:アルゴンガスの保護下で、塩化オキサリル(1mL、11mmоl)を無水ジクロロメタン(13mL)に溶解し、−78℃で撹拌した。アルゴンガスの保護下で、ジメチルスルホキシド(1.7mL、22mmоl)を無水ジクロロメタン(4.5mL)に滴加して溶解し、滴加終了後、−78℃で1時間撹拌反応した。糖ブロック30(1.6g、2.2mmоl)を無水ジクロロメタン(14mL)に溶解し、アルゴンガスの保護下で反応系に滴加し、滴加終了後、−78℃で0.5時間撹拌反応した。そして、アルゴンガスの保護下でトリエチルアミン(3.1mL、22mmоl)を滴加し、白い固体が徐々に現れた。滴加終了後、−78℃で3時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、ジクロロメタンで抽出し、10%(w/w)チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで除水して乾燥させ、ろ過してスピンドライして溶媒を除去し、分離精製せずに直接次の反応に仕込んだ。粗生成物とトルエンを共沸して3回除水し、アルゴンガスの保護下で無水エタノール(16mL)に溶解し、温度を0℃に下げて水素化ホウ素ナトリウム(125mg、3.3mmоl)を加え、0℃で30時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、ろ過して不溶物を除去し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集して無水硫酸ナトリウムで除水して乾燥させ、ろ過してスピンドライして溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=10:1→4:1)シロップを得た。生成物を無水ピリジン(11mL)に溶解して0℃に冷却し、無水酢酸(1mL)を滴加し、ジメチルホルムアミド(DMAP)(54mg、0.44mmоl)を加え、氷浴で30分間反応させ、室温に昇温して10時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、ジクロロメタンで抽出し、順に1mmоl L−1塩酸と飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→3:1)、茶色のシロップ31(1.5g、1.9mmоl、88%)を得た。Rf = 0.38 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.35 ~ 7.20 (m, 17H, Ph), 5.59 (d, J = 1.8 Hz, 1H, Ph-CH), 5.52 (d, J= 2.8 Hz, 1H, Rha2-H), 5.39 (dt, J = 3.7, 2.0 Hz, 1H, Man2-H), 5.24 (d, J= 1.5 Hz, 1H, Man1-H), 5.23 ~ 4.68 (m, 4H, Rha1-H, Ph-CH2), 4.47 (dd, J = 13.7, 11.1 Hz, 1H, Ph-CH2), 4.33 ~ 4.18 (m, 3H, Man3-H, Man5-H, Man6-H), 4.04 (t, J= 9.7 Hz, 1H, Man4-H), 3.92 ~ 3.83 (m, 1H, Man6'-H), 3.63 (ddd, J = 8.9, 5.3, 3.3 Hz, 1H, Rha3-H), 3.53 ~ 3.42 (m, 1H, Rha4-H), 3.37 (m, 1H, Rha5-H), 2.74 ~ 2.50 (m, 2H, SEt-CH2), 2.19 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 1.39 ~ 1.36 (m, 3H, Rha6-H), 1.30 (td, J = 7.4, 0.9 Hz, 3H, SEt-CH3); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ:170.8, 170.4, 170.4, 137.9, 137.8, 137.8, 137.7, 137.6, 136.3, 136.0, 134.3, 134.1, 133.4, 133.1, 132.3, 132.0, 130.3, 130.0, 129.1, 128.7, 128.6, 128.5, 128.5, 128.4, 128.3, 128.3, 128.3, 128.2, 128.2, 128.0, 127.9, 127.9, 127.8, 127.8, 127.7, 127.5, 127.4, 127.3, 127.1, 127.0, 126.8, 126.8, 126.6, 126.6, 126.5, 126.3, 126.2, 126.0, 125.9, 123.0, 122.6, 101.8, 96.7, 96.7, 96.7, 83.6, 80.2, 80.2, 80.1, 80.0, 79.9, 79.8, 79.7, 78.1, 78.0, 77.4, 75.5, 75.3, 75.2, 74.9, 72.2, 72.2, 72.1, 71.6, 71.6, 71.5, 71.3, 71.2, 68.7, 68.0, 67.9, 67.9, 64.7, 31.0, 25.7, 21.2, 21.1, 21.1, 18.2, 18.1, 18.1, 15.0。
【0022】
実施例6 オリゴ糖フラグメントの合成は図6に示す。
具体的な試験操作とステップは下記の通りである。
化合物31:アルゴンガスの保護下で、化合物3(86.6mg、0.15mmоl)および化合物6(59.8mg、0.1mmоl)をトルエンに溶解し、ロータリーエバポレーションにより3回除水し、オイルポンプ上に置いて一晩真空引きした。予め活性化された4Åのモレキュラーシーブを加え、無水ジクロロメタン(1mL)と無水ジエチルエーテル(1mL)を加え、ヨードスクシンイミド(26.7mg、0.12mmоl)を加え、0℃に冷却し、30分間撹拌し、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(3.6μL)を滴加し、氷浴で5時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、トリエチルアミンを加えて反応をクエンチし、珪藻土をサンドコア漏斗に加え、ろ過してモレキュラーシーブを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→4:1)、シロップ31(89.5mg、0.08mmоl、80%)を得た。Rf = 0.44 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.40 ~ 7.10 (m, 35H, Ph), 5.58 (s, 1H, Rha2-H), 5.31 (d, J = 2.0 Hz, 1H, Man1-H), 5.20 ~ 5.11 (m, 2H, Ph-CH2), 4.87 ~ 4.35 (m, 10H, R1-H, Ph-CH2), 4.30 ~ 4.16 (m, 3H, Ph-CH2), 4.01 (t, J = 9.5 Hz, 1H, Man5-H), 3.90 ~ 3.73 (m, 4H, Man3-H, Man4-H, Man6-H), 3.71 ~ 3.62 (m, 3H, Man2-H, Rha4-H, linker-OCH), 3.47 (dd, J = 9.3, 2.9 Hz, 1H, Rha3-H), 3.40 (d, J = 18.3 Hz, 1H, linker-OCH), 3.31 (dd, J = 9.2, 6.1 Hz, 1H, Rha4-H), 3.22 (d, J = 23.8 Hz, 2H, linker-NCH2), 2.15 (s, 3H, OAc), 1.53 (s, 4H, linker-CH2), 1.39 (d, J = 6.1 Hz, 3H, Rha6-H), 1.32 ~ 1.19 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 170.6, 156.8, 156.3, 138.9, 138.8, 138.5, 138.5, 138.1, 137.5, 137.0, 128.6, 128.5, 128.5, 128.4, 128.4, 128.3, 128.2, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.9, 127.9, 127.8, 127.8, 127.7, 127.6, 127.6, 127.5, 127.4, 127.2, 100.3, 100.0, 98.7, 98.4, 95.4, 80.7, 80.2, 79.9, 78.7, 77.4, 76.4, 76.1, 75.2, 74.9, 74.6, 74.5, 74.2, 73.5, 72.9, 72.5, 72.1, 72.0, 71.5, 71.4, 71.1, 69.8, 69.3, 69.1, 67.6, 67.3, 65.1, 50.6, 50.3, 47.2, 46.3, 29.8, 29.2, 28.0, 27.6, 23.3, 21.1, 21.0, 18.6。
化合物32:アルゴンガスの保護下で、化合物30(286.6mg、0.37mmоl)および化合物6(187.2mg、0.31mmоl)をトルエンに溶解し、ロータリーエバポレーションにより3回除水し、オイルポンプ上に置いて一晩真空引きした。予め活性化された4Åのモレキュラーシーブを加え、無水ジクロロメタン(5mL)を加え、ヨードスクシンイミド(104.6mg、0.47mmоl)を加え、0℃に冷却し、30分間撹拌し、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(12μL)を滴加し、氷浴で6時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、トリエチルアミンを加えて反応をクエンチし、珪藻土をサンドコア漏斗に加え、ろ過してモレキュラーシーブを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→3:1)、シロップ32(257.1mg、0.20mmоl、63%)を得た。Rf = 0.21 (PE : EA = 7 : 3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.35 ~ 7.12 (m, 32H, Ph), 5.60 (s, 1H, Rha2c-H), 5.57 (s, 1H, Ph-CH), 5.52 (d, J = 2.9 Hz, 1H, Rha2a-H), 5.42 (td, J = 3.2, 1.5 Hz, 1H, Man2-H), 5.30 (d, J = 1.5 Hz, 1H, Man1-H), 5.25 ~ 4.65 (m, 8H, Rha1a-H, Ph-CH2), 4.55 ~ 4.35 (m, 4H, Rha1c-H, Ph-CH2), 4.24 ~ 4.15 (m, 2H, Man3-H, Man6-H), 3.99 ~ 3.88 (m, 2H, Man4-H, linker-OCH), 3.80 (t, J = 9.7 Hz, 2H, Man5-H, Man6'-H), 3.70 ~ 3.55 (m, 3H, Rha3a-H, Rha3c-H, linker-OCH), 3.53 ~ 3.30 (m, 4H, Rha4a-H, Rha4c-H, Rha5a-H, Rha5c-H,), 3.30 ~ 3.13(m, 2H, linker-NCH2), 2.12 (s, 3H, OAc), 2.09 (s, 3H, OAc), 1.63 ~ 1.45 (m, 4H, linker-CH2), 1.43 ~ 1.37 (m, 6H, Rha6a-H, Rha6c-H), 1.36 ~ 1.17 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 170.9, 170.8, 170.6, 170.5, 170.0, 170.0, 156.8, 156.3, 138.1, 137.9, 137.8, 137.7, 137.6, 137.5, 137.0, 136.2, 136.0, 134.3, 134.1, 133.4, 133.1, 132.3, 130.3, 130.0, 129.0, 129.0, 128.8, 128.8, 128.7, 128.7, 128.6, 128.5, 128.5, 128.5, 128.4, 128.3, 128.3, 128.2, 128.2, 128.1, 128.1, 128.0, 128.0, 127.9, 127.9, 127.8, 127.8, 127.7, 127.5, 127.5, 127.4, 127.3, 127.0, 126.8, 126.8, 126.7, 126.6, 126.3, 126.2, 126.0, 125.9, 122.9, 122.7, 101.5, 100.2, 98.8, 98.4, 96.6, 96.5, 80.2, 80.1, 80.0, 79.8, 79.7, 78.3, 77.4, 75.7, 75.5, 75.2, 73.2, 72.1, 72.0, 72.0, 71.9, 71.4, 71.3, 71.2, 70.9, 70.9, 69.8, 69.1, 69.1, 68.6, 68.0, 67.9, 67.6, 67.3, 64.8, 50.6, 50.4, 47.2, 46.3, 29.4, 29.2, 28.0, 27.6, 23.3, 21.1, 21.1, 21.1, 21.0, 20.9, 18.7, 18.2, 18.2, 18.2, 17.8。
化合物33:アルゴンガスの保護下で、化合物32(61.7mg、0.047mmоl)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、順に脱イオン水(0.5mL)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)(15.7mg、0.07mmоl)を加え、室温で5時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、ジクロロメタンで抽出し、10%(w/w)チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→1:1)、茶色のシロップ33(38.5mg、0.033mmоl、70%)を得た。Rf = 0.21 (PE : EA = 3 : 2). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.58 ~ 7.12 (m, 25H, Ph), 5.61 (d, J = 3.1 Hz, 1H, Rha2c-H), 5.58 (s, 1H, Ph-CH), 5.49 (d, J = 3.1 Hz, 1H, Rha2a-H), 5.42 (dd, J = 3.6, 1.2 Hz, 1H, Man2-H), 5.31 (d, J = 1.5 Hz, 1H, Man1-H), 5.25 ~ 4.65 (m, 5H, Rha1a-H, Ph-CH2), 4.55 ~ 4.35 (m, 5H, Rha1c-H, Ph-CH2), 4.24 ~ 4.10 (m, 2H, Man3-H, Man6-H), 3.99 ~ 3.88 (m, 2H, Man4-H, linker-OCH), 3.85 ~ 3.77 (m, 2H, Man5-H, Man6'-H), 3.68 ~ 3.55 (m, 2H, Rha3c-H, linker-OCH), 3.55 ~ 3.30 (m, 4H, , Rha3c-H, Rha4a-H, Rha4c-H, Rha5a-H), 3.30 ~ 3.13(m, 3H, Rha5c-H, linker-NCH2), 2.25 (d, J = 2.2 Hz, 1H, Rha4a-OH), 2.13 (s, 3H, OAc), 2.09 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 1.63 ~ 1.45 (m, 4H, linker-CH2), 1.41 (d, J = 6.1 Hz, 1H, Rha6a-H), 1.35 (d, J = 6.1 Hz, 1H, Rha6c-H) , 1.33 ~ 1.20 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 170.8, 170.6, 170.0, 156.3, 138.1, 137.6, 137.5, 137.0, 129.0, 128.9, 128.7, 128.7, 128.6, 128.5, 128.4, 128.2, 128.1, 128.0, 128.0, 127.4, 126.2, 101.5, 100.2, 98.8, 96.6, 80.1, 79.7, 77.6, 77.4, 72.3, 72.0, 71.5, 71.2, 71.1, 70.9, 69.8, 69.1, 68.6, 67.7, 67.3, 67.2, 64.8, 50.6, 50.4, 47.3, 46.3, 29.3, 28.0, 27.6, 23.3, 21.1, 21.0, 21.0, 18.7, 17.8。
化合物34:アルゴンガスの保護下で、化合物33(238.5mg、0.033mmоl)および化合物3(28.7mg、0.049mmоl)をトルエンに溶解し、ロータリーエバポレーションにより3回除水し、オイルポンプ上に置いて一晩真空引きした。予め活性化された4Åのモレキュラーシーブを加え、無水ジクロロメタン(1mL)と無水ジエチルエーテル(1mL)を加え、ヨードスクシンイミド(8.9mg、0.04mmоl)を加え、0℃に冷却し、30分間撹拌し、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(1.2μL)を滴加し、氷浴で5時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、トリエチルアミンを加えて反応をクエンチし、珪藻土をサンドコア漏斗に加え、ろ過してモレキュラーシーブを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→7:3)、シロップ34(29.5mg、0.017mmоl、53%)を得た。Rf = 0.43 (PE : EA = 3 : 2). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.58 ~ 7.05 (m, 45H, Ph), 5.62 (s, 1H, Rha2d-H), 5.58 (s, 1H, Ph-CH), 5.49 (d, J = 3.1 Hz, 1H, Rha2b-H), 5.42 (dd, J = 3.6, 1.2 Hz, 1H, Man2c-H), 5.31 (d, J = 1.5 Hz, 1H, Man1a-H, Man1c-H), 5.25 ~ 4.10 (m, 20H, Rha1b-H, Rha1d-H, Ph-CH2), 4.30 ~ 4.10 (m, 6H, Man3c-H, Man6c-H), 4.05 ~ 3.76 (m, 10H), 3.75 ~ 3.58 (m, 7H), 3.52 ~ 3.35 (m, 3H, Rha5b-H), 3.32 ~ 3.15 (m, 4H, Rha5d-H, linker-NCH2), 2.14 (s, 3H, OAc), 2.09 (s, 3H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 1.63 ~ 1.45 (m, 4H, linker-CH2), 1.42 (d, J = 6.1 Hz, 3H, Rha6b-H), 1.37 (d, J = 6.1 Hz, 3H, Rha6d-H), 1.34 ~ 1.20 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (151 MHz, CDCl3) δ: 207.0, 192.5, 170.8, 170.6, 170.6, 170.2, 170.1, 170.0, 156.3, 138.9, 138.8, 138.8, 138.8, 138.6, 138.5, 138.5, 138.4, 138.1, 137.5, 137.3, 137.0, 134.6, 129.9, 129.1, 129.0, 128.7, 128.7, 128.6, 128.5, 128.5, 128.4, 128.4, 128.3, 128.3, 128.2, 128.1, 128.1, 128.0, 127.9, 127.9, 127.8, 127.8, 127.8, 127.7, 127.7, 127.6, 127.5, 127.3, 127.2, 126.3, 126.1, 101.4, 100.2, 100.1, 100.0, 99.5, 98.7, 96.9, 96.2, 80.4, 80.2, 80.2, 80.1, 79.9, 78.7, 78.4, 77.9, 77.6, 77.4, 77.2, 77.2, 76.9, 76.0, 75.3, 75.0, 73.5, 73.0, 72.9, 72.6, 72.1, 72.1, 72.0, 71.8, 71.6, 71.5, 71.2, 71.1, 71.0, 70.9, 70.8, 69.8, 69.4, 69.4, 68.9, 68.6, 68.6, 67.6, 67.3, 67.2, 67.2, 66.2, 64.8, 62.6, 50.6, 50.3, 47.2, 46.3, 31.1, 29.2, 28.1, 28.0, 27.6, 23.3, 21.1, 21.0, 21.0, 20.7, 18.9, 18.7, 18.6, 18.5。
化合物35:アルゴンガスの保護下で、化合物30(488.6mg、0.63mmоl)および化合物33(619.7mg、0.53mmоl)をトルエンに溶解し、ロータリーエバポレーションにより3回除水し、オイルポンプ上に置いて一晩真空引きした。予め活性化された4Åのモレキュラーシーブを加え、無水ジクロロメタン(10mL)を加え、ヨードスクシンイミド(179mg、0.8mmоl)を加え、0℃に冷却し、30分間撹拌し、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(23.6μL)を滴加し、氷浴で5時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、トリエチルアミンを加えて反応をクエンチし、珪藻土をサンドコア漏斗に加え、ろ過してモレキュラーシーブを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→7:3)、シロップ35(720.2mg、0.38mmоl、72%)を得た。Rf = 0.44 (PE : EA = 3 : 2). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.35 ~ 7.05 (m, 42H, Ph), 5.60 (s, 1H, Rha2e-H), 5.58 (s, 1H, Ph-CH), 5.56 (s, 1H, Ph-CH), 5.52 (d, J = 2.2 Hz, 1H, Rha2a-H), 5.48 (d, J = 2.6 Hz, 1H, Rha2c-H), 5.41 (dd, J = 3.8, 1.9 Hz, 2H, Man2b-H, Man2d-H), 5.28 (d, J = 2.0 Hz, 2H, Man1b-H, Man1d-H), 5.25 ~ 4.62 (m, 9H, Rha1a-H, Rha1c-H, Ph-CH2), 4.56 ~ 4.34 (m, 6H, , Rha1e-H, Ph-CH2), 4.26 ~ 4.12 (m, 4H, Man3b-H, Man3d-H, Man6b-H, Man6d-H), 3.99 ~ 3.85 (m, 4H, Man4b-H, Man4d-H, linker-OCH2), 3.84 ~ 3.72 (m, 3H), 3.70 ~ 3.34 (m, 9H), 3.31 (dd, J = 7.9, 6.2 Hz), 3.28 ~ 3.12 (m, 2H, linker-NCH2), 2.12 (s, 3H, OAc), 2.10 (s, 3H, OAc), 2.09 (s, 3H, OAc), 2.09 (s, 3H, OAc), 2.03 (s, 3H, OAc), 1.63 ~ 1.45 (m, 4H, linker-CH2), 1.43 ~ 1.33 (m, 9H, Rha6-H), 1.34 ~ 1.20 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 177.1, 170.9, 170.7, 170.6, 170.1, 170.0, 138.1, 137.9, 137.7, 137.5, 137.5, 137.0, 137.0, 136.2, 136.0, 134.1, 133.4, 133.1, 132.3, 132.0, 130.3, 129.1, 129.0, 128.9, 128.7, 128.6, 128.6, 128.5, 128.3, 128.3, 128.3, 128.2, 128.2, 128.1, 128.0, 128.0, 127.9, 127.8, 127.8, 127.7, 127.5, 127.4, 127.3, 126.9, 126.8, 126.7, 126.6, 126.2, 126.2, 126.0, 125.8, 122.9, 122.6, 101.6, 101.5, 100.3, 100.2, 100.1, 98.8, 96.4, 96.3, 96.1, 80.2, 80.2, 80.0, 79.7, 79.5, 77.7, 77.4, 77.3, 75.5, 75.3, 75.2, 72.1, 72.0, 71.9, 71.5, 71.4, 71.2, 71.0, 70.9, 70.9, 69.8, 69.1, 68.8, 68.6, 68.0, 67.9, 67.6, 67.3, 64.8, 50.6, 50.4, 47.2, 46.3, 29.7, 29.2, 28.0, 27.6, 23.3, 21.1, 21.1, 21.0, 21.0, 20.9, 18.7, 18.7, 18.2, 18.2, 18.2。
化合物36:アルゴンガスの保護下で、化合物35(45.4mg、0.024mmоl)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、順に脱イオン水(0.5mL)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)(8mg、0.036mmоl)を加え、室温で10時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、ジクロロメタンで抽出し、10%(w/w)チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→1:1)、茶色のシロップ33(20.2mg、0.012mmоl、50%)を得た。Rf = 0.22 (PE : EA = 3 : 2). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.53 ~ 7.10 (m, 35H, Ph), 5.61 (s, 1H, Rha2e-H), 5.57 (s, 1H, Ph-CH), 5.56 (s, 1H, Ph-CH), 5.49 (d, J = 3.6 Hz, 2H, Rha2a-H, Rha2c-H), 5.40 (dd, J= 3.6, 1.6 Hz, 2H, Man2b-H, Man2d-H), 5.29 (d, J = 1.6 Hz, 1H, Man1d-H), 5.28 (d, J = 1.6 Hz, 1H, Man1b-H), 5.17 (d, J = 10.8 Hz, 2H, Ph-CH2), 4.78 ~ 4.62 (m, 5H, Rha1a-H, Rha1c-H, Ph-CH2), 4.53 ~ 4.33 (m, 7H, Rha1e-H, Ph-CH2), 4.26 ~ 4.12 (m, 4H, Man3b-H, Man3d-H, Man6b-H, Man6d-H), 3.99 ~ 3.85 (m, 4H, Man4b-H, Man4d-H, linker-OCH2), 3.84 ~ 3.72 (m, 3H), 3.70 ~ 3.34 (m, 12H), 3.35 ~ 3.12 (m, 4H, , Rha5-H, linker-NCH2), 2.12 (s, 3H, OAc), 2.10 (s, 3H, OAc), 2.09 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.03 (s, 3H, OAc), 1.63 ~ 1.45 (m, 4H, linker-CH2), 1.41 (d, J = 6.1 Hz, 3H, Rha6e-H), 1.36 (d, J = 6.1 Hz, 6H, Rha6a-H, Rha6c-H), 1.34 ~ 1.20 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 170.8, 170.7, 170.7, 170.6, 170.6, 170.2, 170.1, 170.1, 138.1, 137.5, 137.4, 137.0, 137.0, 129.1, 129.0, 128.9, 128.9, 128.7, 128.7, 128.6, 128.6, 128.4, 128.4, 128.3, 128.1, 128.0, 128.0, 127.4, 126.2, 126.2, 101.6, 101.5, 100.3, 100.2, 98.8, 96.4, 96.1, 80.2, 79.7, 79.5, 77.7, 77.6, 77.4, 72.4, 71.9, 71.5, 71.2, 71.0, 70.9, 70.9, 69.8, 69.0, 68.8, 68.6, 67.6, 67.3, 67.3, 67.2, 64.8, 50.6, 50.4, 47.2, 46.3, 29.3, 28.0, 27.6, 23.3, 21.1, 21.0, 21.0, 21.0, 20.9, 18.7, 18.7, 17.8。
化合物37:アルゴンガスの保護下で、化合物36(20.2mg、0.012mmоl)および化合物3(33.8mg、0.058mmоl)をトルエンに溶解し、ロータリーエバポレーションにより3回除水し、オイルポンプ上に置いて一晩真空引きした。予め活性化された4Åのモレキュラーシーブを加え、無水ジクロロメタン(1mL)と無水ジエチルエーテル(1mL)を加え、ヨードスクシンイミド(13.5mg、0.06mmоl)を加え、0℃に冷却し、30分間撹拌し、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.5μL)を滴加し、氷浴で8時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、トリエチルアミンを加えて反応をクエンチし、珪藻土をサンドコア漏斗に加え、ろ過してモレキュラーシーブを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→2:1)、シロップ37(21.1mg、0.009mmоl、78%)を得た。Rf = 0.32 (PE : EA = 3 : 2). 1H NMR (700 MHz, CDCl3) δ: 7.53 ~ 7.10 (m, 55H, Ph), 5.60 (s, 1H, Rha2f-H), 5.57 (s, 1H, Ph-CH), 5.56 (s, 1H, Ph-CH), 5.48 (d, J = 3.2 Hz, 2H, Rha2b-H, Rha2d-H), 5.40 (d, J = 3.8 Hz, 2H, Man2c-H, Man2e-H), 5.30 (d, J = 2.1 Hz, 1H, Man1e-H), 5.29 (d, J = 1.4 Hz, 1H, Man1c-H), 5.27 (d, J = 1.5 Hz, 1H, Man1a-H), 5.17 (d, J = 11.2 Hz, 2H, Ph-CH2), 4.84 (d, J = 10.6 Hz, 1H, Ph-CH2), 4.75 ~ 4.58 (m, 10H), 4.55 ~ 4.35 (m, 8H), 4.30 ~ 4.10 (m, 9H), 4.00 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 3.95 ~ 3.75 (m, 12H), 3.73 ~ 3.55 (m, 9H), 3.51 ~ 3.35 (m, 4H), 3.32 ~ 3.20 (m, 4H),3.19 (s, 1H, linker-NCH2), 2.12 (s, 3H, OAc), 2.09 (s, 3H, OAc), 2.08 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.03 (s, 3H, OAc), 1.63 ~ 1.45 (m, 4H, linker-CH2), 1.45 ~ 1.33 (m, 9H, Rha6-H), 1.34 ~ 1.20 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (176 MHz, CDCl3) δ: 170.6, 170.5, 170.0, 138.7, 138.4, 137.4, 136.9, 128.9, 128.7, 128.6, 128.5, 128.5, 128.4, 128.4, 128.3, 128.2, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.8, 127.7, 127.7, 127.6, 127.4, 127.1, 126.1, 126.0, 101.5, 101.3, 100.1, 99.8, 98.6, 95.9, 80.1, 79.8, 78.5, 77.2, 77.0, 76.8, 75.9, 75.2, 74.8, 73.4, 72.8, 72.0, 71.8, 71.6, 71.3, 71.1, 70.9, 70.8, 70.7, 69.3, 68.8, 68.7, 68.4, 67.5, 67.1, 64.6, 53.4, 31.6, 29.1, 29.1, 23.2, 22.7, 21.0, 20.9, 20.9, 20.8, 18.6, 18.5, 18.5, 14.2, 14.1, 11.4。
化合物38:アルゴンガスの保護下で、化合物30(119.1mg、0.15mmоl)および化合物36(134.6mg、0.077mmоl)をトルエンに溶解し、ロータリーエバポレーションにより3回除水し、オイルポンプ上に置いて一晩真空引きした。予め活性化された4Åのモレキュラーシーブを加え、無水ジクロロメタン(5mL)を加え、ヨードスクシンイミド(39.8mg、0.18mmоl)を加え、0℃に冷却し、30分間撹拌し、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(5μL)を滴加し、氷浴で10時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、トリエチルアミンを加えて反応をクエンチし、珪藻土をサンドコア漏斗に加え、ろ過してモレキュラーシーブを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、ジクロロメタンで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→2:1)、シロップ38(127.6mg、0.052mmоl、67%)を得た。Rf = 0.58 (PE : EA = 1 : 1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.35 ~ 7.10 (m, 52H, Ph), 5.60 (s, 1H, Rha2g-H), 5.58 (s, 1H, Ph-CH), 5.56 (s, 2H, Ph-CH), 5.53 (d, J = 2.9 Hz, 1H, Rha2a-H), 5.49 (d, J = 2.4 Hz, 2H, Rha2c-H, Rha2e-H), 5.40 (m, 3H, Man2-H), 5.29 (d, J = 1.5 Hz, 2H, Man1d-H, Man1f-H), 5.27 (d, J = 1.5 Hz, 1H, Man1b-H), 5.18 (m, 2H, Ph-CH2), 4.80 ~ 4.62 (m, 7H, Rha1a-H, Rha1c-H, Rha1e-H, Ph-CH2), 4.55 ~ 4.33 (m, 7H, Rha1g-H, Ph-CH2), 4.28 ~ 4.18 (m, 6H, Man3-H, Man6-H), 4.05 ~ 3.85 (m, 6H, Man4-H, linker-OCH2), 3.84 ~ 3.73 (m, 6H), 3.70 ~ 3.55 (m, 8H), 3.55 ~ 3.12 (m, 10H, , Rha5-H, linker-NCH2), 2.13 ~ 2.00 (m, 21H, 7OAc), 1.63 ~ 1.45 (m, 4H, linker-CH2), 1.43 ~ 1.33 (m, 12H, Rha6-H), 1.33 ~ 1.18 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 177.2, 170.9, 170.7, 170.6, 170.1, 170.1, 170.1, 138.1, 137.9, 137.8, 137.7, 137.5, 137.5, 137.1, 137.0, 136.2, 136.0, 134.3, 134.1, 133.4, 133.1, 132.3, 131.0, 130.3, 129.1, 129.0, 129.0, 128.9, 128.8, 128.6, 128.6, 128.5, 128.5, 128.3, 128.3, 128.3, 128.3, 128.2, 128.2, 128.1, 128.0, 127.9, 127.9, 127.8, 127.7, 127.5, 127.4, 127.3, 126.9, 126.8, 126.6, 126.6, 126.2, 126.2, 126.0, 125.8, 122.9, 122.6, 101.6, 101.6, 100.2, 98.8, 96.4, 96.3, 96.0, 95.9, 93.7, 80.2, 80.2, 80.1, 80.0, 79.7, 79.7, 79.5, 77.8, 77.6, 77.4, 75.5, 75.2, 72.1, 72.0, 71.9, 71.8, 71.4, 71.3, 71.2, 71.0, 70.9, 69.8, 69.0, 68.8, 68.7, 68.6, 68.0, 67.9, 67.6, 67.3, 65.7, 64.7, 50.4, 47.2, 46.3, 30.7, 29.7, 29.3, 28.0, 23.3, 21.1, 21.0, 20.9, 19.3, 18.7, 18.7, 18.6, 18.2, 18.1, 13.8。
化合物39:アルゴンガスの保護下で、化合物38(127.6mg、0.052mmоl)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、順に脱イオン水(0.5mL)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)(17.4mg、0.078mmоl)を加え、室温で9時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、ジクロロメタンで抽出し、10%(w/w)チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→3:2)、茶色のシロップ39(78.5mg、0.034mmоl、65%)を得た。Rf = 0.42 (PE : EA = 1 : 1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.53 ~ 7.12 (m, 45H, Ph), 5.60 (s, 1H, Rha2g-H), 5.58 (s, 1H, Ph-CH), 5.57 (s, 1H, Ph-CH), 5.56 (s, 1H, Ph-CH), 5.49 (m, 3H, Rha2-H), 5.43 ~ 5.38 (m, 3H, Man2-H), 5.31 ~ 5.25 (m, 3H, Man1-H), 5.21 ~ 5.12 (m, 2H, Ph-CH2), 4.78 ~ 4.62 (m, 7H, Rha1-H, Ph-CH2), 4.53 ~ 4.34 (m, 7H, Rha1g-H, Ph-CH2), 4.26 ~ 4.13 (m, 6H, Man3-H, Man6-H), 4.05 ~ 3.86 (m, 6H, Man4-H, linker-OCH2), 3.85 ~ 3.73 (m, 5H, Man5-H), 3.68 ~ 3.55 (m, 6H, Rha3-H), 3.55 ~ 3.12 (m, 10H, Rha5-H, linker-NCH2), 2.27 (d, J = 2.1 Hz, 1H, Rha4a-OH), 2.12 (s, 3H, OAc), 2.10 (s, 6H, OAc), 2.09 (s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.04 (s, 3H, OAc), 2.03 (s, 3H, OAc), 1.63 ~ 1.45 (m, 4H, linker-CH2), 1.43 ~ 1.33 (m, 12H, Rha6-H), 1.33 ~ 1.18 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ:。
化合物40:アルゴンガスの保護下で、化合物39(16.1mg、0.007mmоl)および化合物3(20.3mg、0.035mmоl)をトルエンに溶解し、ロータリーエバポレーションにより3回除水し、オイルポンプ上に置いて一晩真空引きした。予め活性化された4Åのモレキュラーシーブを加え、無水ジクロロメタン(1mL)と無水ジエチルエーテル(1mL)を加え、ヨードスクシンイミド(7.9mg、0.035mmоl)を加え、0℃に冷却し、30分間撹拌し、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.3μL)を滴加し、氷浴で8時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、トリエチルアミンを加えて反応をクエンチし、珪藻土をサンドコア漏斗に加え、ろ過してモレキュラーシーブを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→3:2)、シロップ40(13.8mg、0.005mmоl、69%)を得た。Rf = 0.65 (PE : EA = 1 : 1). 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ: 8.35 ~ 7.10 (m, 65H, Ph), 5.60 (s, 1H, Rha2h-H), 5.57 (s, 1H, Ph-CH), 5.57 (s, 1H, Ph-CH), 5.56 (s, 1H, Ph-CH), 5.48 (m, 3H, Rha2-H), 5.43 ~ 5.37 (m, 3H, Man2-H), 5.30 (d, J = 1.9 Hz, 1H, Man1-H), 5.29 (d, J = 1.4 Hz, 1H, Man1-H), 5.26 (d, J = 1.5 Hz, 1H, Man1-H), 5.17 (d, J = 20.03 Hz, 3H, Ph-CH2), 4.90 ~ 4.10 (m, 33H, Rha1-H, Ph-CH2), 4.05 ~ 3.57 (m, 26H), 3.50 ~ 3.10 (m, 10H, Rha5-H, linker-NCH2), 2.12 (s, 3H, OAc), 2.10 (s, 6H, OAc), 2.09 (s, 6H, OAc), 2.07 (s, 3H, OAc), 2.03 (s, 3H, OAc), 2.03 (s, 3H, OAc), 1.63 ~ 1.45 (m, 4H, linker-CH2), 1.43 ~ 1.33 (m, 12H, Rha6-H), 1.33 ~ 1.18 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (151 MHz, CDCl3) δ: 192.5, 170.8, 170.7, 170.6, 170.1, 170.1, 170.1, 138.9, 138.9, 138.6, 138.6, 138.1, 137.5, 137.5, 137.1, 137.0, 134.6, 129.9, 129.1, 129.1, 129.0, 129.0, 128.9, 128.8, 128.8, 128.7, 128.7, 128.6, 128.6, 128.5, 128.5, 128.4, 128.4, 128.3, 128.3, 128.2, 128.1, 128.1, 128.1, 128.0, 128.0, 127.8, 127.8, 127.7, 127.7, 127.5, 127.5, 127.3, 127.2, 126.2, 126.2, 126.1, 101.6, 101.5, 101.4, 100.4, 100.3, 100.2, 100.0, 98.8, 96.1, 96.0, 95.9, 80.3, 80.2, 79.9, 79.7, 79.6, 78.7, 77.8, 77.7, 76.1, 75.3, 75.0, 73.6, 73.0, 72.1, 72.0, 71.8, 71.7, 71.5, 71.2, 71.0, 70.9, 70.9, 70.9, 69.4, 69.0, 68.8, 68.8, 68.6, 68.6, 67.6, 67.3, 64.7, 64.7, 64.7, 50.7, 50.3, 47.2, 46.3, 29.3, 28.0, 27.6, 23.3, 21.1, 21.1, 21.0, 21.0, 21.0, 18.9, 18.7, 18.7, 18.7, 18.7。
化合物41:アルゴンガスの保護下で、化合物30(52.4mg、0.068mmоl)および化合物39(78.5mg、0.034mmоl)をトルエンに溶解し、ロータリーエバポレーションにより3回除水し、オイルポンプ上に置いて一晩真空引きした。予め活性化された4Åのモレキュラーシーブを加え、無水ジクロロメタン(2mL)を加え、ヨードスクシンイミド(17.6mg、0.078mmоl)を加え、0℃に冷却し、30分間撹拌し、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(1.2μL)を滴加し、氷浴で10時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、トリエチルアミンを加えて反応をクエンチし、珪藻土をサンドコア漏斗に加え、ろ過してモレキュラーシーブを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→3:2)、シロップ41(56.5mg、0.019mmоl、55%)を得た。Rf = 0.36 (PE : EA = 1 : 1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.35 ~ 7.05 (m, 62H, Ph), 5.60 (s, 1H, Rha2i-H), 5.58 ~ 5.54 (m, 4H, Ph-CH), 5.51 (d, J = 2.7 Hz, 1H, Rha2-H), 5.48 (d, J = 2.4 Hz, 3H, Rha2-H), 5.43 ~ 5.37 (m, 4H, Man2-H), 5.31 ~ 5.24 (m, 4H, Man1-H), 5.22 ~ 4.28 (m, 21H, Rha1-H, Ph-CH2), 4.26 ~ 4.13 (m, 8H, Man3-H, Man6-H ), 3.98 ~ 3.86 (m, 9H), 3.85 ~ 3.70 (m, 6H), 3.69 ~ 3.54 (m, 10H, Rha3-H), 3.53 ~ 3.11 (m, 11H, Rha5-H, linker-NCH2), 2.13 ~ 2.00 (m, 27H, 9OAc), 1.63 ~ 1.45 (m, 4H, linker-CH2), 1.43 ~ 1.33 (m, 15H, Rha6-H), 1.33 ~ 1.18 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ:。
化合物42:アルゴンガスの保護下で、化合物41(56.5mg、0.019mmоl)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、順に脱イオン水(0.5mL)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)(6.3mg、0.028mmоl)を加え、室温で9時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、ジクロロメタンで抽出し、10%(w/w)チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を収集し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ紙でろ過して硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→3:2)、茶色のシロップ42(27.7mg、0.01mmоl、53%)を得た。Rf = 0.36 (PE : EA = 1 : 1). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.55 ~ 7.10 (m, 55H, Ph), 5.60 (s, 1H, Rha2i-H), 5.58 ~ 5.54 (m, 4H, Ph-CH), 5.49 (d, J = 2.6 Hz, 4H, Rha2-H), 5.40 (dq, J = 3.8, 1.8 Hz, 4H, Man2-H), 5.28 (t, J = 2.0 Hz, 2H, Man1-H), 5.26 (d, J = 1.6 Hz, 2H, Man1-H), 5.17 (d, J = 10.3 Hz, 2H, Ph-CH2), 4.78 ~ 4.61 (m, 9H, Rha1-H, Ph-CH2), 4.54 ~ 4.27 (m, 9H, Rha1-H, Ph-CH2), 4.26 ~ 4.11 (m, 8H, Man3-H, Man6-H), 3.96 ~ 3.86 (m, 8H), 3.85 ~ 3.70 (m, 6H), 3.69 ~ 3.54 (m, 8H, Rha3-H), 3.53 ~ 3.11 (m, 11H, Rha5-H, linker-NCH2), 2.13 ~ 2.00 (m, 27H, 9OAc), 1.63 ~ 1.45 (m, 4H, linker-CH2), 1.43 ~ 1.33 (m, 15H, Rha6-H), 1.33 ~ 1.18 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ:。
化合物2:アルゴンガスの保護下で、化合物42(27.7mg、0.009mmоl)および化合物3(26.3mg、0.045mmоl)をトルエンに溶解し、ロータリーエバポレーションにより3回除水し、オイルポンプ上に置いて一晩真空引きした。予め活性化された4Åのモレキュラーシーブを加え、無水ジクロロメタン(1mL)と無水ジエチルエーテル(1mL)を加え、ヨードスクシンイミド(10.1mg、0.045mmоl)を加え、0℃に冷却し、30分間撹拌し、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.5μL)を滴加し、氷浴で8時間撹拌反応した。原料の完全反応をTLCでモニターした後、トリエチルアミンを加えて反応をクエンチし、珪藻土をサンドコア漏斗に加え、ろ過してモレキュラーシーブを除去し、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(PE:EA=20:1→3:2)、シロップ2(21.1mg、0.006mmоl、69%)を得た。Rf = 0.55 (PE : EA = 1 : 1). 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ: 7.55 ~ 7.10 (m, 75H, Ph), 5.60 (s, 1H, Rha2-H), 5.58 ~ 5.54 (m, 4H, Ph-CH), 5.48 (d, J = 2.9 Hz, 4H, Rha2-H), 5.40 (m, 4H, Man2-H), 5.29 (t, J= 1.8 Hz, 2H, Man1-H), 5.26 (d, J = 1.5 Hz, 3H, Man1-H), 5.17 (d, J= 12.4 Hz, 2H, Ph-CH2), 4.88 ~ 4.58 (m, 14H, Rha1-H, Ph-CH2), 4.55 ~ 4.25 (m, 12H, Rha1-H, Ph-CH2), 4.24 ~ 4.13 (m, 10H, Man3-H, Man6-H), 4.01 (t, J = 9.5 Hz, 1H), 3.96 ~ 3.86 (m, 8H), 3.85 ~ 3.70 (m, 8H), 3.72 ~ 3.53 (m, 12H, Rha3-H), 3.53 ~ 3.11 (m, 10H, Rha5-H, linker-NCH2), 2.15 ~ 1.98 (m, 27H, 9OAc), 1.63 ~ 1.45 (m, 4H, linker-CH2), 1.43 ~ 1.32 (m, 15H, Rha6-H), 1.33 ~ 1.18 (m, 2H, linker-CH2); 13C NMR (151 MHz, CDCl3) δ: 192.5, 176.9, 170.7, 170.7, 170.6, 170.1, 170.1, 138.9, 138.9, 138.8, 138.6, 138.5, 138.1, 137.5, 137.1, 137.1, 136.9, 136.6, 134.6, 129.9, 129.1, 129.1, 128.9, 128.9, 128.8, 128.8, 128.7, 128.7, 128.7, 128.6, 128.6, 128.6, 128.5, 128.5, 128.5, 128.4, 128.4, 128.4, 128.3, 128.3, 128.2, 128.2, 128.1, 128.1, 128.1, 128.0, 128.0, 127.8, 127.7, 127.7, 127.7, 127.6, 127.5, 127.4, 127.2, 126.2, 126.2, 126.1, 101.6, 101.6, 101.4, 100.3, 100.2, 100.0, 98.8, 96.1, 96.0, 95.8, 80.3, 80.2, 79.9, 79.6, 77.9, 77.4, 77.2, 76.9, 76.1, 75.3, 74.9, 73.5, 72.9, 72.6, 72.1, 72.1, 72.1, 72.0, 71.8, 71.6, 71.5, 71.2, 71.0, 70.9, 70.9, 69.8, 69.4, 68.9, 68.8, 68.7, 68.6, 67.6, 67.3, 67.2, 64.7, 50.6, 50.3, 47.2, 29.7, 29.3, 23.3, 21.1, 21.1, 21.0, 21.0, 21.0, 20.7, 18.9, 18.8, 18.8, 18.7, 18.7, 18.6, 18.6, 18.6。
【0023】
以上、本発明を好ましい実施例により開示したが、これらは本発明を限定するものではなく、この技術に精通した者であれば、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなく、さまざまな変更と修正が可能であるため、本発明の権利範囲は、特許請求の範囲によって定義されたものに準ずる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】