(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-516233(P2021-516233A)
(43)【公表日】2021年7月1日
(54)【発明の名称】反復使用のためのアルコールベースのハンドコンディショナー
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20210604BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20210604BHJP
【FI】
A61K8/34
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-545571(P2020-545571)
(86)(22)【出願日】2019年2月28日
(85)【翻訳文提出日】2020年10月28日
(86)【国際出願番号】US2019020043
(87)【国際公開番号】WO2019169127
(87)【国際公開日】20190906
(31)【優先権主張番号】62/636,888
(32)【優先日】2018年3月1日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】506190555
【氏名又は名称】ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コープランド,アマンダ ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】カーター,トッド ジェイ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC131
4C083BB51
4C083CC04
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE12
(57)【要約】
アルコールベースのハンドコンディショナーが提供されている。アルコールベースのハンドコンディショナーは、迅速なワークフロー環境での使用に適した優れた美容を有する。それらは油っぽくなく残存物が少ないので、塗布後、手にねばねば感やべたつき感を残さない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドコンディショナー組成物であって、
前記ハンドコンディショナー組成物の総重量に基づいて最大30重量%の量の1つまたは複数のC1〜C6アルコールと、
2重量%を超える1つまたは複数の湿潤剤と、
水と、を含み、
前記ハンドコンディショナー組成物が25%未満の固形物を含む、ハンドコンディショナー組成物。
【請求項2】
前記ハンドコンディショナー組成物が、前記ハンドコンディショナー組成物の総重量に基づいて10〜25重量%の、1つまたは複数のC1〜C6アルコールを含む、請求項1に記載のハンドコンディショナー。
【請求項3】
前記1つまたは複数のC1〜C6アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、およびそのいずれかの異性体から成る群から選択される、請求項1に記載のハンドコンディショナー組成物。
【請求項4】
前記1つまたは複数のC1〜C6アルコールがエタノールから成る、請求項1に記載のハンドコンディショナー組成物。
【請求項5】
前記1つまたは複数の湿潤剤が、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,4−ジヒドロキシヘキサン、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール、ブチレングリコール、プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ポリエチレンソルビトールから成る群から選択される、請求項1に記載のハンドコンディショナー組成物。
【請求項6】
1つまたは複数の皮膚軟化剤、乳化剤、沈着増強剤、シリコーングリコール、増粘剤、皮膚コンディショナー、およびその組み合わせをさらに含む、請求項1に記載のハンドコンディショナー組成物。
【請求項7】
前記湿潤剤が、前記ハンドコンディショナー組成物の総重量に基づいて3〜10重量%の量のグリセリンを含む、請求項1に記載のハンドコンディショナー組成物。
【請求項8】
前記ハンドコンディショナー組成物がペトロラタムを欠いている、請求項1に記載のハンドコンディショナー組成物。
【請求項9】
前記ハンドコンディショナー組成物が1〜15%の固形物を含む、請求項1に記載のハンドコンディショナー組成物。
【請求項10】
前記ハンドコンディショナー組成物が10%未満の固形物を含む、請求項1に記載のハンドコンディショナー組成物。
【請求項11】
洗浄剤および請求項1に記載のハンドコンディショナー組成物を含むキット。
【請求項12】
皮膚を保湿する方法であって、
前記皮膚を水で洗浄する工程と、
水で洗浄された前記皮膚にハンドコンディショナーを塗布する工程とを含み、前記ハンドコンディショナーが、
前記ハンドコンディショナー組成物の総重量に基づいて最大30重量%の量の1つまたは複数のC1〜C6アルコールと、
2重量%を超える1つまたは複数の湿潤剤と、
水と、を含み、
前記ハンドコンディショナー組成物が25%未満の固形物を含む、方法。
【請求項13】
前記ハンドコンディショナー組成物が、前記ハンドコンディショナー組成物の総重量に基づいて10〜25重量%の、1つまたは複数のC1〜C6アルコールを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ハンドコンディショナー組成物が1〜15%の固形物を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ハンドコンディショナー組成物が10%未満の固形物を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
ローション組成物であって、
前記ローション組成物の総重量に基づいて10〜25重量%のエタノールと、
前記ローション組成物の総重量に基づいて2〜10重量%のグリセリンと、
1つまたは複数の皮膚軟化剤と、
1つまたは複数の沈着増強剤と、
1つまたは複数の乳化剤と、
水と、を含み、
前記ローション組成物が1〜15%の固形物を含む、前記ローション組成物。
【請求項17】
前記1つまたは複数の乳化剤が低温プロセス製剤補助剤を含む、請求項16に記載のローション組成物。
【請求項18】
前記ローション組成物が、20℃で5,000〜50,000cpsの粘度を有する、請求項16に記載のローション組成物。
【請求項19】
前記ローション組成物が10%未満の固形物を含む、請求項16に記載のローション組成物。
【請求項20】
洗浄剤および請求項16に記載のローション組成物を含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アルコールベースのハンドコンディショナーに関する。より具体的には、本開示は、優れた美容を有するように製剤化されたアルコールベースのハンドコンディショナーに関し、これは迅速なワークフロー環境での使用に適している。アルコールベースのハンドコンディショナーは、「洗い流さない」製品として便利な方法で乾いた皮膚に塗布することができる、または別の方法として、濡れた皮膚に塗布してタオルで拭き取ることもできるので、高頻度の手洗い環境で特に有用でありうる。アルコールベースのハンドコンディショナーは、組成物中の固形物を低い割合に維持しながら、適切な水分補給を提供する。
【背景技術】
【0002】
手の衛生は、感染を減少させるための主な手段である。大部分の病院および医療施設は、手指消毒剤および手洗い洗剤の頻繁な使用を必要とする衛生ガイドラインを確立している。従って、局所製品使用によって医療施設以上に影響を受ける環境はあまりない。
【0003】
医療従事者の皮膚状態は、2つの理由によって悪化する。第一に、医療従事者は一日に何回も手を洗うが、これは皮膚の完全性を損なう。皮膚を水に頻繁に曝すことおよび典型的な洗浄剤は、角質層の構造および機能に大きな影響を及ぼす。作用には、脂質二重層構造が破損してバリアに欠陥または穴を作り出すことが含まれる。結果として、バリアはより浸透性になり、刺激物および微生物が皮膚の最上層の中に入り貫通することを許容してしまう。重度の手の炎症の場合、(出血を伴うまたは伴わない)ひびまたは亀裂を発症する場合があり、真皮への損傷を示す。これらの損傷作用に対する皮膚の反応は即時であるが、バリアを修復し新しい角質層を生成するための加速的努力は、正常な角質層の交換過程の間に形成される角質層と比べて不完全な構造をもたらす。急速に生成された角質層は、不良な水分結合特性を持ち、不十分な皮膚水分および不十分な落屑につながる。
【0004】
いくつかの研究では、最大85パーセントの看護師は皮膚の問題の病歴があり、25パーセントは皮膚炎の症状を報告した。入院担当看護師の50パーセント以上および集中治療室看護師の65パーセントは、観察できる手の皮膚炎を有していた。
【0005】
医療従事者の皮膚が悪化する第二の理由は、病院および医療施設でハンドローションが利用可能でないか、または利用可能であってもそれらがワークフローに適合しないからである。例えば、新しくローションを塗った手に医療手袋をするのは非常に困難でありうる。従来のハンドローションは、油っぽいおよび/または残留物が残ることがよくあり、これは医療従事者が職務を実行する能力を妨げる。ワークフローとの不適合性により、医療従事者は一般的なシフトの間にハンドローションを使用しないで済ませてしまう。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一般的概念は、迅速なワークフロー環境での使用に適した優れた美容を有するように製剤化されたアルコールベースのハンドコンディショナーを対象としている。アルコールベースのハンドコンディショナーは油っぽくなく残存物が少ないので、塗布後、手にねばねば感やべたつき感を残さない。アルコールベースのハンドコンディショナーは、乾いた皮膚に塗布することができ、または別の方法として、濡れた皮膚に塗布してタオルで拭くこともできる。本開示の実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、25%未満の固形物を含む。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書では、アルコールベースのハンドコンディショナーが開示されている。本開示は、アルコールベースのハンドコンディショナーの特定の実施形態を詳細に説明するが、本開示は例示的なものとみなされるべきであり、開示された実施形態に限定されることを意図しない。
【0008】
本明細書に記載される用語は、実施形態の説明のためのみであり、全体として本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。本開示の単数の特徴または制限へのすべての参照は、そうでないことが別途指定されるか、または参照が行われる文脈によって明らかに暗示されていない限り、対応する複数の特徴または制限を含むものとする。別途指定されない限り、「a」、「an」、「the」、および「少なくとも一つ」は互換的に使用される。さらに、本明細書の記載および添付の特許請求で使用される際に、単数形「a」、「an」、および「the」は、そうでないことを文脈が明らかに示さない限り、その複数形を含む。
【0009】
「includes(含む)」または「including」という用語が説明または特許請求で使用される範囲において、この用語が請求項で転換語として用いられる時は、「comprising(含む、備える)」という用語が解釈されるのと同様に包括的であることが意図される。さらに、「または」という用語が用いられる範囲において(例えば、AまたはB)、これは「AまたはBまたは両方」を意味することが意図されている。出願人が「AまたはBのみであり、両方ではない」ことを示す場合は、「AまたはBのみであり、両方ではない」という用語が使用される。従って、本明細書の「または」という用語の使用は包括的であり、排他的使用ではない。
【0010】
本開示のアルコールベースのハンドコンディショナーは、本明細書に記載される本開示の本質的要素、ならびに本明細書に記載されるまたは別の方法でハンドコンディショナーの用途に有用な任意の追加的または随意の要素を含む、それらから成る、または本質的にそれらから成りうる。
【0011】
別段の指定がない限り、本明細書で使用される全てのパーセント、部分、および比率は、総製剤の重量を基にする。
【0012】
本明細書に開示されるパーセント、部分、および比率を含むがこれらに限定されないすべての範囲およびパラメータは、その中に仮定および包摂されるあらゆるすべてのサブ範囲、ならびに終点の間のすべての数を包含することが理解される。例えば、「1〜10」の範囲は、1以上の最小値で始まり10以下の最大値で終わるあらゆるすべてのサブ範囲を含み(例えば、1〜6.1、または2.3〜9.4)、各整数(1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10)が範囲内に含まれると見なされるべきである。
【0013】
本明細書で使用される方法またはプロセスの任意の組み合わせは、別段指定されていない限り、または参照の組み合わせが行われた文脈によって別段明らかに暗示されていない限り、任意の順序で実施されうる。
【0014】
本発明の一般的概念は、アルコールベースのハンドコンディショナーに関する。より具体的には、本発明の概念は、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールの最大30重量%の量を含むアルコールベースのハンドコンディショナーに関連し、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は25%未満の固形物を含む。アルコールベースのハンドコンディショナーは、乾いた皮膚に塗布することができ、または別の方法として、濡れた皮膚に塗布してタオルで拭くこともできる。
【0015】
本開示によれば、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、1つまたは複数のアルコールを含む。本明細書で使用される「アルコール」という用語は、少なくとも1つのヒドロキシル基に結合された少なくとも1つの炭素を含む任意の化合物、すなわち、直鎖または分岐化合物を含む構造R
1R
2R
3C_OHを有する任意の分子を構成する。「R」基、すなわち、R
1、R
2およびR
3基の同一性は特に限定されない。
【0016】
本開示によれば、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコール、すなわち、1〜6個の炭素原子を含むアルコールを含む。こうしたアルコールは、低級アルカノールと呼ばれうる。低級アルカノールの例には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、およびそれらの異性体ならびにそれらの混合物が含まれるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアルコールは、エタノール、プロパノール、もしくはブタノール、またはそれらの異性体もしくは混合物を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアルコールはイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアルコールはエタノールを含む。いくつかの実施形態では、組成物はアルコールの混合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、エタノールとイソプロパノールとの混合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、イソプロパノールとn−プロパノールとの混合物を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアルコールはエタノールから成る。
【0017】
本開示によると、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて、30重量パーセント(wt.%)以下の1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて30重量%未満の、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて25重量%以下の、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて25重量%未満の、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて20重量%以下の、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールを含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて1〜30重量%の、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールを含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて5〜30重量%の、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールを含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて5〜25重量%の、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールを含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて10〜25重量%の、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールを含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて10〜23重量%の、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールを含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて15〜23重量%の、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールを含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて18〜22重量%の、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールを含む。
【0018】
本開示によれば、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、1つまたは複数の湿潤剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の湿潤剤は、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,4−ジヒドロキシヘキサン、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール、ブチレングリコール、プロパンジオール(メチルプロパンジオールなど)、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン(グリセロール)、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ポリエチレンソルビトール、グリコール酸、グリコール酸塩、乳酸塩、尿素、ヒドロキシエチル尿素、α−ヒドロキシ酸(乳酸など)、ピロリドンカルボン酸ナトリウム塩、ヒアルロン酸、キチンおよびその組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の湿潤剤は、ポリエチレングリコール、グリセリン、およびそれらの組み合わせを含む。ポリエチレングリコール湿潤剤の例には、PEG−4、PEG−6、PEG−7、PEG−8、PEG−9、PEG−10、PEG−12、PEG−14、PEG−16、PEG−18、PEG−20、PEG−32、PEG−33、PEG−40、PEG−45、PEG−55、PEG−60、PEG−75、PEG−80、PEG−90、PEG−100、PEG−135、PEG−150、PEG−180、PEG−200、PEG−220、PEG−240、およびPEG−800が含まれる。その他の例示的湿潤剤には、ジオール、C
6-10アルカンジオール、およびカプリル酸グリセリル/カプリン酸が含まれうる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の湿潤剤は、グリセリン、プロパンジオール、PCAナトリウム、乳酸ナトリウム、ベタイン、ヒドロキシエチル尿素、PEG−150、プロピレングリコール、ブチレングリコール、尿素、ソルビトール、ヒアルロン酸、ペンチレングリコール、トレハロース、キシリトール、PCA、PEG−14、およびPEG−33のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の湿潤剤はグリセリンから成る。
【0019】
本開示によると、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて15重量%以下の、1つまたは複数の湿潤剤を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて12重量%以下の、1つまたは複数の湿潤剤を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて8重量%以下の、1つまたは複数の湿潤剤を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて7.5重量%以下の、1つまたは複数の湿潤剤を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて2重量%を超える、1つまたは複数の湿潤剤を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて3重量%を超える、1つまたは複数の湿潤剤を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて5重量%を超える、1つまたは複数の湿潤剤を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.01〜15重量%の、1つまたは複数の湿潤剤を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.1〜10重量%の、1つまたは複数の湿潤剤を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて1〜10重量%の、1つまたは複数の湿潤剤を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて2〜10重量%の、1つまたは複数の湿潤剤を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて3〜10重量%の、1つまたは複数の湿潤剤を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて5〜10重量%の、1つまたは複数の湿潤剤を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて5〜8重量%の、1つまたは複数の湿潤剤を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて5.5〜7.5重量%の、1つまたは複数の湿潤剤を含む。
【0020】
本開示によれば、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、1つまたは複数の乳化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の乳化剤はカチオン性乳化剤である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の乳化剤は、天然ろうおよび合成ろうからなる群から選択される少なくとも1つのろう、および少なくとも1つのカチオン性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の乳化剤は、1つまたは複数のC12〜C18脂肪酸−C2〜C5ポリオールエステル(モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸エチレングリコールおよびジステアリン酸ポリエチレングリコールなど)を含む。ジステアリン酸ポリエチレングリコールの例には、PEG−150ジステアリン酸塩が含まれる。カチオン性ポリマーの例には、ポリクオタニウム−37などのポリクオタニウムポリマーが含まれる。1つまたは複数の乳化剤は、1つまたは複数の脂肪アルコールをさらに含んでもよい。脂肪アルコールの例には、セテアリルアルコールが含まれる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の乳化剤は、低温プロセス製剤補助剤を含む。特定の低温プロセス製剤補助剤は、JEEN International Corporation(ニュージャージー州フェアフィールド)製のJeesperse(登録商標)ICE−T(登録商標)CIS−2の商品名で販売されている。Jeesperse(登録商標)ICE−T(登録商標)CIS−2は、PEG−150ジステアリン酸塩、セテアリルアルコール、およびポリクオタニウム−37を含む。低温プロセス製剤補助剤はさらに、米国特許出願公開第 2016/0206543号に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0021】
本開示によると、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて10重量%以下の、1つまたは複数の乳化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて8重量%以下の、1つまたは複数の乳化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて5重量%以下の、1つまたは複数の乳化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて3.5重量%以下の、1つまたは複数の乳化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.01〜10重量%の、1つまたは複数の乳化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.1〜8重量%の、1つまたは複数の乳化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.5〜5重量%の、1つまたは複数の乳化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて1〜4.5重量%の、1つまたは複数の乳化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて2〜4重量%の、1つまたは複数の乳化剤を含んでもよい。
【0022】
本開示によれば、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、1つまたは複数の皮膚軟化剤を含んでもよい。皮膚の水分保持レベルおよび皮膚脂質バリアに対して測定可能な影響を与えることなく、皮膚に滑らかで柔らかい感触を与えるために、皮膚軟化剤が使用されることがよくある。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の皮膚軟化剤は、コンディショニングエステルまたは保湿エステルを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の皮膚軟化剤は、C12−15安息香酸アルキル、C16−17安息香酸アルキル、安息香酸ステアリル、安息香酸イソステアリル、安息香酸エチルヘキシルおよび安息香酸オクチルドデシルを含むがこれに限定されない長鎖安息香酸アルキルを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の皮膚軟化剤は、C12−15安息香酸アルキルから成る。
【0023】
本開示によると、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて10重量%以下の、1つまたは複数の皮膚軟化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて5重量%以下の、1つまたは複数の皮膚軟化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて2.5重量%以下の、1つまたは複数の皮膚軟化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.01〜10重量%の、1つまたは複数の皮膚軟化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.1〜5重量%の、1つまたは複数の皮膚軟化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.5〜3重量%の、1つまたは複数の皮膚軟化剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて1〜2.5重量%の、1つまたは複数の皮膚軟化剤を含んでもよい。
【0024】
本開示によれば、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、1つまたは複数のシリコーングリコールを含んでもよい。シリコーングリコールは、ポリマー骨格中に1つまたは複数のSi−O−Si結合を含むことによって一般的に特徴付けられる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のシリコーングリコールは、オルガノポリシロキサンジメチコンポリオール、シリコーンカルビノール液、シリコーンポリエーテル、アルキルメチルシロキサン、アモジメチコン、トリシロキサンエトキシレート、ジメチコノール、四級化シリコーングリコール、ポリシリコーン、シリコーンクロスポリマー、およびシリコーンワックスを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のシリコーングリコールはジメチコンから成る。
【0025】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のシリコーングリコールは、ジメチコンPEG−7ウンデシレネート、PEG−10ジメチコン、PEG−8ジメチコン、PEG−12ジメチコン、ペルフルオロノニルエチルカルボキシデカルPEG10、PEG−20/PPG−23ジメチコン、PEG−11メチルエーテルジメチコン、ビス‐PEG/PPG−20/20ジメチコン、シリコーンクアット、PEG−9ジメチコン、PEG−12ジメチコン、フルオロPEG−8ジメチコン、PEG 23/PPG 6ジメチコン、PEG20/PPG23ジメチコン、PEG17ジメチコン、PEG5/PPG3メチコン、ビスPEG20ジメチコン、PEG/PPG20/15ジメチコンコポリオール、およびスルホコハク酸塩ブレンド、PEG−8ジメチコン/ダイマー酸ブレンド、PEG−8ジメチコン/脂肪酸ブレンド、PEG−8ジメチコン/冷却圧縮植物油\ポリクオタニウムブレンド、ランダムブロックポリマー、およびその混合物を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のシリコーングリコールは、PEG−12ジメチコン、PEG−10ジメチコン、PEG−8ジメチコン、およびその組み合わせから成る。
【0026】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のシリコーングリコールは、以下の式によって表わされうる化合物を含む:
【化1】
【0027】
式中
2 およびR
3 が独立して、以下の式により表され得るメチル基または部分を含む:
【化2】
【0028】
ただし、
2およびR
3両方はCH
3ではなく、aは3〜21の整数であり、bは1〜7の整数であり、cは0〜40の整数であり、dは0〜40の整数であり、eは0〜40の整数であり、a≧3×bおよびc+d+e≧5という条件である。
【0029】
本開示によると、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて10重量%以下の、1つまたは複数のシリコーングリコールを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて8重量%以下の、1つまたは複数のシリコーングリコールを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて5重量%以下の、1つまたは複数のシリコーングリコールを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて2重量%以下の、1つまたは複数のシリコーングリコールを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.01〜5重量%の、1つまたは複数のシリコーングリコールを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.1〜2重量%の、1つまたは複数のシリコーングリコールを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.5〜1.5重量%の、1つまたは複数のシリコーングリコールを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.75〜1.25重量%の、1つまたは複数のシリコーングリコールを含んでもよい。
【0030】
本開示によれば、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、1つまたは複数の沈着増強剤を含んでもよい。有利なことに、沈着増強剤は、非毒性、非刺激性および非アレルギー性である。適切な沈着増強剤は、予測可能かつ再現可能な活性および持続時間で迅速に作用する。好適には、沈着増強剤は、体内で有意な薬理学的活性を有しておらず、皮膚から取り除かれた時、バリア特性は迅速かつ完全に通常に戻る。沈着増強剤は主に一方向に作用する、すなわち、体内からの内因性物質の損失を防止しながら、治療薬が体内に入るのを許容する。
【0031】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の沈着増強剤は、胆汁酸塩およびその誘導体、脂肪酸およびその誘導体、キレート剤、スルホキシドならびにその組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の沈着増強剤は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、DMA、DMF、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン(アゾン)、ピロリドン、例えば2−ピロリドン(2P)およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、長鎖脂肪酸、例えばオレイン酸および約C
10〜C
12の飽和アルキル鎖長を有する脂肪酸、精油、テルペン、テルペノイド、オキサゾリジノン、例えば4−デシロキサゾリジン−2−オン、ポリソルベート、グリコール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、カプリル酸、EDTA、リン脂質、ペンチレングリコール、エトキシジグリコール、ポリソルベート−ポリエチレンソルビタン−モノラウレート、レクチンを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の沈着増強剤は、ポリオールプレポリマー−2、ポリオールプレポリマー−14、およびポリオールプレポリマー−15から選択されるヒドロキシ末端ポリウレタン化合物を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の沈着増強剤はポリオールプレポリマー−2から成る。ポリオールプレポリマー−2は、時おりPPG−12/SMDIコポリマーと呼ばれる。
【0032】
本開示によると、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて10重量%以下の、1つまたは複数の沈着増強剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて8重量%以下の、1つまたは複数の沈着増強剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて5重量%以下の、1つまたは複数の沈着増強剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて1重量%以下の、1つまたは複数の沈着増強剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.75重量%以下の、1つまたは複数の沈着増強剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.5重量%以下の、1つまたは複数の沈着増強剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.01〜5重量%の、1つまたは複数の沈着増強剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.1〜2重量%の、1つまたは複数の沈着増強剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.3〜0.75重量%の、1つまたは複数の沈着増強剤を含んでもよい。
【0033】
本開示によれば、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、1つまたは複数の皮膚コンディショナー、増粘剤または両方を含んでもよい。様々な成分が皮膚コンディショニングおよび増粘機能の両方を行いうるため、「皮膚コンディショナー」および「増粘剤」という用語は制限的であるとは意図されていない。
【0034】
適切な皮膚コンディショナーの非限定的な例としては、アロエ、ビタミンE、ビタミンE酢酸塩(酢酸トコフェロール)、ビタミンB3(ナイアシンアミド)、C
6〜10アルカンジオール、カプリル酸グリセリル/カプリン酸塩、ピログルタミン酸のナトリウム塩(ナトリウムPCA)、PEG−7グリセリルココエート、ココグルコシドおよび/またはオレイン酸グリセリル(Lamisoft(登録商標)PO)、ならびにポリクオタニウム10および39などのポリクオタニウムが挙げられる。これらの皮膚コンディショナーはいずれも、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物中の増粘剤と同様に機能する場合も機能しない場合もある。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の皮膚コンディショナーおよび増粘剤は、ポリクオタニウム−39を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の皮膚コンディショナーおよび増粘剤は、1つまたは複数のジオールを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の皮膚コンディショナーおよび増粘剤は、1つまたは複数の
6〜10アルカンジオール、すなわち、6〜10の炭素鎖長を有するジオールを含む。いくつかの実施形態では、ジオールは直鎖ジオールを含む。いくつかの実施形態では、ジオールは1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、またはその混合物としうる。1,2−オクタンジオールは時にカプリルグリコールと呼ばれる。
【0035】
適切な増粘剤の非限定的な例には、澱粉、植物性ガム、ペクチン、およびグアーなどの多糖類増粘剤が含まれる。適切な増粘剤のその他の非限定的な例には、従来的に利用可能なものおよび/または当技術分野で公知のものなどのポリアクリレート増粘剤が含まれる。ポリアクリレート増粘剤の例としては、カルボマー、アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリル酸とアルキル(C5〜C10)アクリレートのコポリマー、アクリル酸と無水マレイン酸のコポリマー、およびその混合物が挙げられる。ポリアクリレート増粘剤はさらに、米国特許出願公開第2010/0317743 A1号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の皮膚コンディショナーおよび増粘剤は澱粉を含む。
【0036】
皮膚コンディショナーと同様に作用するまたは作用しない可能性がある適切な増粘剤のその他の非限定的例には、ステアリルアルコール、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キトサンピロリドンカルボキシレート、ベヘニルアルコール、ステアリン酸亜鉛、および乳化蝋(IncroquatおよびPolawaxを含むがこれらに限定されない)、アクリル酸のポリマー、Carbopol(登録商標))ETD 2020などの樹脂、グアーガム、アカシア、アクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー、寒天、アルギン、アルギン酸、アクリル酸アンモニウムコポリマー、アルギン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、アミロペクチン、アタパルガイト、ベントナイト、C9〜15アルコール、酢酸カルシウム、アルギン酸カルシウム、カルシウムカラギーナン、塩化カルシウム、カプリル酸アルコール、カルボマー910、カルボマー934、カルボマー934P、カルボマー940、カルボマー941、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアー、カラギーナン、セルロース、セルロースガム、セテアリルアルコール、セチルアルコール、コーンスターチ、ダマール、デキストリン、ジベンズリジンソルビトール、エチレン二水素化タロワミド、エチレンジオールアミド、エチレンジステアラミド、ゼラチン、グアーガム、グアー塩化ヒドロキシプロピルトリモニウム、ヘクトライト、ヒアルロン酸、水和シリカ、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルステアラミド−MIPA、イソセチルアルコール、イソステアリルアルコール、カラヤゴム、ケルプ、ラウリルアルコール、ローカストビーンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、メトキシPEG−22/ドデシルグリコールコポリマー、メチルセルロース、微結晶セルロース、モントモリロナイト、ミリスチルアルコール、オート麦粉、オレイルアルコール、パーム核アルコール、ペクチン、PEG−2M、PEG−5M、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、アルギン酸カリウム、アルミニウムポリアクリル酸カリウム、カラギーナンカリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、ジャガイモ澱粉、アルギン酸プロピレングリコール、アクリル酸ナトリウム/ビニルアルコールコポリマー、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カラギーナンナトリウム、硫酸セルロースナトリウム、塩化ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ステアラルコニウムベントナイト、ステアラルコニウムヘクトライト、ステアリルアルコール、獣脂アルコール、TEA−塩化水素、トラガントガム、トリデシルアルコール、トロメタミンケイ酸マグネシウムアルミニウム、小麦粉、小麦澱粉、キサンタンガム、アビエチルアルコール、アクリリノレイン酸、ベヘン酸アルミニウム、カプリル酸アルミニウム、ジリノール酸アルミニウム、アルミニウム塩(ジステアリル酸塩およびイソステアリル酸アルミニウムなど)、蜜?、ベヘマミド、ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、C29−70酸、ベヘン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、カンデリラろう、カルナバ、セレシン、コレステロール、ヒドロキシステアリン酸コレステロール、ココナッツアルコール、コーパル、ジグリセリルステアリン酸リンゴ酸塩、ジヒドロアビエチルアルコール、ジメチルローラミンオレイン酸塩、ドデカノール酸/セテアリルアルコール/グリコールコポリマー、エルカミド、エチルセルロース、グリセリルトリアセチルヒドロキシステアリン酸塩、グリセリルトリアセチルリシノール酸塩、ジベヘン酸グリコール、ジオクタン酸グリコール、ジステアリン酸グリコール、ジステアリン酸ヘキサンジオール、水素化C6〜14オレフィンポリマー、水素化ひまし油、水素化綿実油、水素化ラード、水素化メンハーデン油、水素化パーム核グリセリド、水素化パーム核油、水素化パーム油、水素化ポリイソブテン、水素化大豆油、水素化獣脂アミド、 水素化獣脂グリセリド、水素化植物グリセリド、水素化植物油、木蝋、ホホバ蝋、ラノリンアルコール、シェーバター、ラウラミド、メチルデヒドロアビエテート、メチル水素化ロジン酸塩、ロジン酸メチル、メチルスチレン/ビニルトルエンコポリマー、微結晶蝋、モンタン酸蝋、 モンタン蝋、ミリスチルエイコサノール、ミリスチルオクタデカノール、オクタデカン/無水マレイン酸コポリマー、オクチルドデシルステアロイルステアリン酸塩、オレアミド、オレオステアリン、オウリキュリーワックス、酸化ポリエチレン、オゾケライト、パラフィン、水素化ロジン酸ペンタエリスリチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、ロジン酸ペンタエリスリチル、ペンタエリスリチルテトラアビエテート、テトラベヘン酸ペンタエリスリチル、テトラオレイン酸ペンタエリスリチル、テトラステアリン酸ペンタエリスリチル、オフタルミン無水物/グリセリン/デカン酸グリシジルコポリマー、オフタルミン/トリメット/グリコールコポリマー、ポリブテン、ポリブテンテレフタレート、ポリエチレン、ポリソブテン、ポリソプレン、ポリビニルブチラール、ラウリン酸ポリビニル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジヤシ油プロピレングリコール、ジイソノナン酸プロピレングリコール、ジラウリン酸プロピレングリコール、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸プロピレングリコール、ジウンデカン酸プロピレングリコール、PVP/エイコセンコポリマー、PVP/ヘキサデセンコポリマー、ライスワックス、ステアルコニウムベントナイト、ステアラルコニウムヘクトライト、ステアラミド、ステアラミドDEA−ジステアリン酸塩、ステアラミドDIBA−ステアリン酸塩、ステアラミドMEA−ステアリン酸塩、ステアロン、ステアリルエルカミド、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリルステアロイル、合成蜜?、合成ワックス、トリヒドロキシステアリン、トリイソノナノイン、トリイソステアリン、トリリノール酸トリイソステアリル、トリラウリン、トリイノール酸、トリリノレイン、トリミリスチン、トリオレイン、トリパルミチン、トリステアリン、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、ロジン酸亜鉛、およびその混合物が含まれる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の皮膚コンディショナーおよび増粘剤は、シェーバターを含む。
【0037】
本開示によれば、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて、15重量%以下の1つまたは複数の皮膚コンディショナーおよび増粘剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて8重量%以下の、1つまたは複数の皮膚コンディショナーおよび増粘剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて5重量%以下の、1つまたは複数の皮膚コンディショナーおよび増粘剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.01〜7重量%の、1つまたは複数の皮膚コンディショナーおよび増粘剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.1〜5重量%の、1つまたは複数の皮膚コンディショナーおよび増粘剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.5〜4重量%の、1つまたは複数の皮膚コンディショナーおよび増粘剤を含んでもよい。
【0038】
本開示によれば、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は適量の水を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、少なくとも30重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、少なくとも40重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、少なくとも50重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、少なくとも60重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、30〜80重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、40〜75重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、50〜75重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、55〜65重量%の水を含む。特に他の成分および/またはその使用される量に応じて、特定の場合にはより多いまたは少ない水が必要とされうる。
【0039】
本発明のアルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、それらが組成物の美容に悪影響を与えないことを条件に、幅広い随意の添加剤をさらに含むことができる。そのどちらもその全体が参照により本明細書に組み込まれるCTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、Eleventh Edition 2005、および2004 CTFA International Buyer’s Guideは、通例スキンケア産業で用いられる多種多様な非限定的な美容および薬学的な成分を記載しており、それらの成分は、本発明の組成物中での使用に適している。成分の機能的クラスの非限定的な例は、この参考文献の537ページに記載されている。これらの機能的クラスの例としては、研磨剤、抗にきび剤、固化防止剤、抗酸化剤、鎮痒薬、結合剤、生物学的添加剤、充填剤、キレート剤、化学添加剤;着色剤、美容収れん剤、美容殺生物剤、変性剤、薬物収れん剤、乳化剤、外部鎮痛剤、フィルム形成体、香料成分、湿潤剤、乳白剤、可塑剤、保存剤(時々抗菌剤と呼ばれる)、噴霧薬、還元剤、美白剤、皮膚コンディショニング剤(皮膚軟化剤、ミセル形成剤、および閉塞剤)、皮膚保護剤、溶剤、起泡力増進剤、ハイドロトロープ、可溶化剤、懸濁剤(非界面活性剤)、日焼け止め剤、紫外線吸収剤、塩およびポリマーを含むレオロジー改質剤、粘着防止剤、および増粘剤(水性および非水性)が挙げられる。本明細書で有用でありうる他の機能的クラスの材料の例としては、可溶化剤、捕捉剤、角質溶解薬、局所有効成分などが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は抗酸化剤を含み、これにはアベナントラミドを含むがこれに限定されない。アベナントラミドは参考文献の米国特許 出願 公開 第2015/0258003号に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0040】
本開示によると、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて5重量%以下の、1つまたは複数の添加剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて2重量%以下の、1つまたは複数の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて1重量%以下の、1つまたは複数の添加剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.001〜2重量%の、1つまたは複数の添加剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.01〜1重量%の、1つまたは複数の添加剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて0.05〜0.5重量%の、1つまたは複数の添加剤を含んでもよい。
【0041】
本開示によれば、本発明のアルコールベースのハンドコンディショナーは、界面活性剤を除外してもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナーは、5重量%未満、または3重量%未満、または0.5重量%未満、または0.1重量%未満の界面活性剤を含有する。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナーは、界面活性剤を欠いている。具体的には、アルコールベースのハンドコンディショナーは、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性イオン性、脂肪酸界面活性剤、またはその他一般的に理解されている界面活性剤および洗浄組成物に使用される界面活性剤系を欠いている場合がある。
【0042】
本開示によれば、本発明のアルコールベースのハンドコンディショナーは、ローションとして製剤化されうる。当該技術分野で知られるように、ローションは、水中油型エマルジョンならびに油中水型エマルジョン、油水油型、および水油水型を含む。
【0043】
アルコールベースのハンドコンディショナーは、20℃で5,000〜50,000cpsの粘度を有してもよい。いくつかの実施形態では、アルコールベースのハンドコンディショナーは、20℃で10,000〜40,000cpsの粘度を持ちうる。いくつかの実施形態では、20℃で15,000〜30,000cpsの粘度を有し得る。本開示による試料の粘度は、Brookfield LVDV−I+粘度計、およびヘリオピスアダプター付きのTスピンドルなどの非常に低い剪断粘度計を使用して測定した。別段明記しない限り、測定された粘度は最終組成物のものである。
【0044】
開示されたアルコールベースのハンドコンディショナーは、組成物中の固形物の低い割合を維持しながら、適切な水分保持を提供する。本開示によれば、組成物中の固形物の割合は25%未満である。いくつかの実施形態では、組成物中の固形物の割合は20%未満である。いくつかの実施形態では、組成物中の固形物の割合は18%未満である。いくつかの実施形態では、組成物中の固形物の割合は15%未満である。いくつかの実施形態では、組成物中の固形物の割合は10%未満である。いくつかの実施形態では、組成物中の固形物の割合は1〜25%である。いくつかの実施形態では、組成物中の固形物の割合は1〜20%である。いくつかの実施形態では、組成物中の固形物の割合は1〜18%である。いくつかの実施形態では、組成物中の固形物の割合は1〜15%である。いくつかの実施形態では、組成物中の固形物の割合は1〜10%である。いくつかの実施形態では、組成物中の固形物の割合は5〜25%である。いくつかの実施形態では、組成物中の固形物の割合は5〜20%である。いくつかの実施形態では、組成物中の固形物の割合は5〜18%である。いくつかの実施形態では、組成物中の固形物の割合は5〜15%である。いくつかの実施形態では、組成物中の固形物の割合は5〜10%である。
【0045】
本発明のハンドコンディショナーにアルコールを含めることによって優れた美容を達成できるということは、特に驚くべきことであった。アルコールを含む組成物は、ユーザーがローションに期待する魅力および美容を失うと予測されるので、ローション形式にアルコールを含めることは直感的ではない。さらに、特に洗い流さない形式で皮膚に塗布されると、アルコールは乾燥すると考えられることがよくある。しかし、開示されたアルコールベースのハンドコンディショナーは、延展性および素早い乾燥時間を含む、美容の向上に加えて、最大30重量%のアルコールを含めることにより、顕著なコンディショニング利益を達成する。
【0046】
開示されたアルコールベースのハンドコンディショナーのさらなる利点は、従来の防腐剤の代わりにアルコールを使用することである。いくつかの実施形態では、開示されたアルコールベースのハンドコンディショナーは、パラベンを欠いている。パラベンを含む従来の防腐剤は、皮膚を刺激することがよくある。皮膚刺激を引き起こしうる従来の防腐剤が洗い流されないため、洗い流さない製剤では特にこの刺激が顕著である。さらに、手袋の使用が多い施設または職業では、手に残されたパラベンなど従来の防腐剤の刺激性は、手袋の閉塞下で悪化する。対照的に、開示されたアルコールベースのハンドコンディショナーのアルコール成分は急速に蒸発し、これは美容を改善し、刺激性を最小化する。
【0047】
開示されたアルコールベースのハンドコンディショナーの別の驚くべき特長は、組成物中の固形物の低い割合を維持しながら、適切な水分保持を提供する能力である。低い割合の固形物は、本発明のハンドコンディショナーの優れた美容に寄与し、迅速なワークフロー環境での使用に適している。アルコールベースのハンドコンディショナーは油っぽくなく残存物が少ないので、塗布後、手にねばねば感やべたつき感を残さない。表1に示すように、その他の市販のローションは、適切な水分保持を提供するために高い割合の固形物を必要とする:
【表1】
【0048】
加えて、開示されたアルコールベースのハンドコンディショナーは、「洗い流さない」製品として便利な方法で乾いた皮膚に塗布することができる、または別の方法として、濡れた皮膚に塗布してタオルで拭き取ることもできるので、高頻度の手洗い環境で特に有用である。例えば、二工程のスキンケアレジメンは、手の洗浄、拭き取り、または消毒の第一の工程、および開示されたアルコールベースのハンドコンディショナーを直後に乾燥した手または濡れた手に塗布する第二の工程を含みうる。高頻度の手洗い環境における一つの特定用途は、手の洗浄、拭き取り、または消毒した後に、まだ濡れている間に開示されたアルコールベースのハンドコンディショナーを手に塗布し、その後手を軽く押さえて水気を拭きとる。洗浄剤または消毒剤は、開示されたアルコールベースのハンドコンディショナーと共に、キット内にパッケージ化されるかまたはその他の方法で配布されて、二工程のスキンケアレジメンを容易にしうることが想定されている。
【0049】
開示されたアルコールベースのハンドコンディショナーの別の利点は、従来の保湿成分のペトロラタムがない場合に適切な水分保持を提供する能力である。開示されたアルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、炭化水素油およびペトロラタムを含む炭化水素皮膚軟化剤を欠いている場合がある。炭化水素皮膚軟化剤を除外している組成物は、ペトロラタムベースの製品のようなベース臭を有さず、従って組成物は香料なしであってもよく、または心地よい香料とより簡単に製剤化されうる。さらに、ペトロラタムは明らかな油っぽい感じを有する。このように、開示されたアルコールベースのハンドコンディショナー組成物は、油っぽくなく、手袋を着用することの簡単さ、機器の操作、および医療従事者のシフト全体にわたる製品使用の増加を可能にする。
【0050】
本明細書には、組成物の総重量に基づいて最大30重量%の量の1つまたは複数のC
1〜C
6アルコール、2重量%を超える1つまたは複数の湿潤剤、および水を含むハンドコンディショナー組成物が開示されており、ハンドコンディショナー組成物は25%未満の固形物を含む。いくつかの実施形態では、ハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて10〜25重量%の、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、およびそれらの異性体から成る群から選択されるか、またはエタノールから成りうる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の湿潤剤は、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,4−ジヒドロキシヘキサン、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール、ブチレングリコール、プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、ポリエチレンソルビトールから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、湿潤剤は、ハンドコンディショナー組成物の総重量に基づいて3〜10重量%の量のグリセリンを含む。いくつかの実施形態では、ハンドコンディショナー組成物は、1つまたは複数の皮膚軟化剤、乳化剤、沈着増強剤、シリコーングリコール、増粘剤、皮膚コンディショナー、およびその組み合わせをさらに含む。いくつかの実施形態では、ハンドコンディショナー組成物はペトロラタムを欠いている。いくつかの実施形態では、ハンドコンディショナー組成物は、1〜15%の固形物、または10%未満の固形物を含む。
【0051】
本明細書には、洗浄剤およびハンドコンディショナー組成物を含むキットが開示されており、ハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて最大30重量%量の1つまたは複数のC
1〜C
6アルコール、2重量%を超える1つまたは複数の湿潤剤、および水を含み、ハンドコンディショナー組成物は25%未満の固形物を含む。
【0052】
本明細書には、皮膚を保湿する方法が開示されており、方法は、皮膚を水で洗浄する工程と、水で洗浄した手にハンドコンディショナーを塗布皮膚に洗する工程とを含み、ハンドコンディショナーは、ハンドコンディショナー組成物の総重量に基づいて最大30重量%の量の1つまたは複数のC
1〜C
6アルコール、2重量%を超える1つまたは複数の湿潤剤、および水を含み、ハンドコンディショナー組成物は25%未満の固形物を含む。いくつかの実施形態では、ハンドコンディショナー組成物は、組成物の総重量に基づいて10〜25重量%の、1つまたは複数のC
1〜C
6アルコールを含む。いくつかの実施形態では、ハンドコンディショナー組成物は、1〜15%の固形物、または10%未満の固形物を含む。
【0053】
本明細書では、ローション組成物の総重量に基づいて10〜25重量%のエタノール、ローション組成物の総重量に基づいて2〜10重量%のグリセリン、1つまたは複数の皮膚軟化剤、1つまたは複数の沈着増強剤、1つまたは複数の乳化剤、および水を含み、ローション組成物は1〜15%の固形物を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の乳化剤は、低温プロセス製剤補助剤を含む。いくつかの実施形態では、ローション組成物は、20℃で5,000〜50,000cpsの粘度を有する。いくつかの実施形態では、ローション組成物は10%未満の固形物を含む。
【0054】
本明細書では、洗浄剤およびローション組成物を含むキットが開示されており、ローション組成物は、ローション組成物の総重量に基づいて10〜25重量%のエタノール、ローション組成物の総重量に基づいて2〜10重量%のグリセリン、1つまたは複数の皮膚軟化剤、1つまたは複数の沈着増強剤、1つまたは複数の乳化剤、および水を含み、ローション組成物は1〜15%の固形物を含む。
【0055】
本発明の一般的な概念は、一般的にまた様々な特定の例示的実施形態に関して上記で説明されてきた。本発明の一般的概念は、例示的実施形態であると考えられるものに示されているが、当業者にとっては、本開示を読むと幅広い代替策が明らかになるであろう。本発明の一般的概念は、特定の請求項に提示される場合を除き、それ以外の方法で限定されない。
【国際調査報告】