【実施例】
【0107】
下記の実施例は、本開示の特定の実施形態を明らかにするために含まれる。下記の実施例において開示される技術は、本開示の実施において十分に機能することが本発明者によって見出された技術を表しており、したがって、その実施のための特定の態様を構成するとみなされ得ることが、当業者によって理解されなければならない。しかしながら、当業者は本開示に照らして、多くの変化を、開示される具体的な実施形態において行うことができ、また、多くの変化が依然として、同じ結果または類似する結果を、本開示の精神および範囲から逸脱することなくもたらし得ることを理解しなければならない。
【0108】
(実施例1)
化学放射線療法誘発の組織炎症および瘢痕形成におけるプロトンポンプ阻害剤および使用方法
PPIは、ERK1のリン酸化、Nrf2自体のリン酸化、および/またはKeap1におけるスルフヒドリル基を攻撃し、Keap1−Nrf2複合体を解離させることを介してどちらでもNrf2の核移行を誘導することによってHO1を活性化する(
図1)。単なる一例として、エソメプラゾールのクリームを調製し、デルマプラゾールと名づけた。
図2は、配合し、貯蔵した30日後におけるデルマプラゾールの安定性を示す代表的なクロマトグラフィー(LC−MS)データを示す。ただ1つのピークは、デルマプラゾールが無傷であること(すなわち、分解していないこと)を示す。Nrf2のレベルを示すために、
図3は、ベースライン(「RTなし」)時および14グレイ放射線照射後でのヒト3D皮膚モデルからの細胞抽出物の核画分におけるデルマプラゾール(1〜2%)によるNrf2の誘導を示すタンパク質発現データを提供する。ヒストンH3のタンパク質レベルが負荷対照として示され、抗Nrf2ウサギモノクローナル抗体(Abcam;ab62352、1:250)と、ヒストンH3に対するウサギポリクローナル(Abcam;ab1791;1:3000)とが使用される。
図4は、ベースライン(「RTなし」)時および14グレイ放射線照射後でのヒト3D皮膚モデルからの全細胞抽出物におけるデルマプラゾール(1〜5%)によるHO1の誘導を示すタンパク質発現データを明らかにする。GAPDHのタンパク質レベルを負荷対照として使用した。
【0109】
放射線照射(14グレイ)を受けたヒト3D皮膚組織におけるデルマプラゾールによるERK1/2の活性化/リン酸化(pERK1/2)を明らかにするタンパク質発現データが、負荷対照としてのGAPDHのタンパク質レベルとともに
図5に示される。14グレイ放射線照射後でのヒト3D皮膚モデル(EpiDermFT;MatTekCorporation)におけるデルマプラゾールによるNrf2およびHO1の誘導を明らかにする遺伝子発現データが
図6において提供される。
【0110】
(実施例2)
外用エソメプラゾールは放射線誘発の皮膚炎症および線維症を緩和する
デルマプラゾールは、外観、色および臭気において一貫している均質な製造物である:デルマプラゾールのざらつき、色および臭気の経時的な発明者らの研究は、この製造物が、比較的安定した臭気と、濃度、温度および時間とともに暗い茶色に向かって強度を増大させる低い薬物濃度(0.01%〜2%)での薄茶色とを伴う均質な外観を有することを示す。貯蔵条件を室温から4℃に弱めること、容器をきつく閉じて保つこと、または酸化防止剤(0.1%のメタ重亜硫酸ナトリウム)を加えることが、製造物の当初の色を維持することを助けたので(データは示されず)、製造物の色における増大した強度は、部分的には酸化のためである。しかしながら、より高い薬物濃度(5%w/w超)を含有するデルマプラゾールは、より低い濃度の活性な薬物(0.01%〜4%w/w)を含有するデルマプラゾールよりも比較的それほど安定でないことが一貫して認められ、最大濃度(5%〜20%)では、暗い茶色または紫色に向かう急速な色変化が、室温で貯蔵したとき、または室内空気にさらされたときに示された。化学的安定性のこの明らかな欠如は、標的遺伝子の発現を調節できないことを含む生物学的活性の欠如と一致していた。デルマプラゾールのこれらの化学的特性および生物学的特性により、本発明者らの下流側の研究のほとんどが、関わる生物学的標的における安定性および再現性がより大きいことが見出されるより低い薬物濃度(1〜2%)に集中するようにさせられた。
【0111】
デルマプラゾールの物理化学的安定性:LC−MS研究は、クリームから回収されるエソメプラゾール分子の濃度がデルマプラゾール配合物の濃度に比例していることを示し、デルマプラゾールの最低濃度(すなわち、0.01%)は、エソメプラゾール分子の回収が最低であることと相関した(表1)。
【0112】
【表1】
【0113】
表1:LC−MSによるデルマプラゾールクリームからのエソメプラゾール濃度の測定。デルマプラゾールクリームから回収される平均エソメプラゾール濃度を、エソメプラゾール粉末を使用して作成される標準曲線から計算した。示されるデータは、二連の実験からのものである(平均±STD)。
【0114】
予想されるように、ビヒクル対照はエソメプラゾール分子の存在を示さなかった。加えて、クロマトグラムデータは、1か月の貯蔵の後(32日目)でのクリームにおけるエソメプラゾールについてのピーク強度および取得時間のシグナチャーが、新しく調製されたデルマプラゾールクリーム(0日目)のシグナチャー、およびクリームに配合されなかったエソメプラゾール粉末のシグナチャーとよく相関することを示した(
図21)。一方、原子間力顕微鏡法での走査データからは、担体として使用されるクリーム基剤に十分に混和されるデルマプラゾールは、クリーム基剤単独と比較して、より硬く、それでいて、それほど接着性がないミセル様製造物を形成することが示された(
図22)。
【0115】
デルマプラゾールの保持および透過性:本発明者らの薬物透過性研究は、デルマプラゾールの様々な濃度が、変わりやすい皮膚保持特性、同様にまた、真皮膜を介した透過性を時間の経過にわたって維持することを示した。より具体的には、Franz拡散セルの受容側区画における薬物濃度の測定から、非常に低いデルマプラゾール濃度(0.01%〜1%)は、ベースラインと比較して、経時的な受容側チャンバー内の薬物の濃度における感知できる増大を示さず、一方、非常に高いデルマプラゾール濃度(10%〜20%)は、時間とともに放出される薬物の量における著しい増大を示したことが明らかにされた(
図15)。
【0116】
3Dヒト皮膚モデルにおけるデルマプラゾールによるNrf2−HO1経路の誘導:電離放射線にさらされた3D全層ヒト皮膚に対する24時間にわたるデルマプラゾールの外用塗布は、組織の真皮層におけるNrf2およびHO1の遺伝子発現(
図8)およびタンパク質発現(
図9)の堅固な誘導をもたらした。本発明者らの細胞内分画研究はまた、細胞の細胞質に生理学的に区画化されるNrf2が核内に移行することを示す(
図9;上段パネル)。Nrf2の核移行についての可能な機構の1つがデルマプラゾールによるKeap1の阻害であるが、Keap1発現における検出可能な変化がデルマプラゾール処理時に認められなかった(
図23)。興味深いことに、HO1の発現が放射線非照射のヒト皮膚において有意に誘導され(
図10)、このことは、主要な抗酸化酵素HO1が、放射線および酸化ストレス応答にさらされたにもかかわらず、デルマプラゾールによってアップレギュレーションされ得ることを示唆した。
【0117】
放射線誘発皮膚炎を抑制することにおけるデルマプラゾールの効力:放射線誘発皮膚炎のマウスモデルからのデジタル写真データは、デルマプラゾールによる動物の処置が、放射線照射皮膚の肉眼的外観を16日目までに改善することにおける実質的効果を有しており、放射線照射部位での創傷の完全またはほぼ完全な治癒を30日目での研究の終了までに予防的デルマプラゾール群のどちらにおいても動物の60%超でもたらしたことを明らかにした(
図11)。興味深いことに、総量の電離放射線にさらされた後でのデルマプラゾールの治療的投与もまた、創傷部の有意な閉鎖と、予防的経過でデルマプラゾールにより処置される動物の皮膚外観に匹敵する皮膚外観とをもたらした(
図11)。一方、放射線照射部位をビヒクルクリームにより保湿することによってもまた、皮膚の外観が改善された。しかしながら、1%ヒドロコルチゾンによる処置は、創傷の治癒に対する効果がこのモデルにおける動物の90%において何らなく、結果として、コルチコステロイド群における動物は放射線照射後の16日および30日の両方で重度の皮膚壊死を有した(
図11)。処置群を知らなかった委員会認定の皮膚科医により、皮膚炎の程度が、CTCAE規準(バージョン4.0)を使用して評価され、スコアづけされている。評価は、予防的または治療的に投与されたかにかかわらず、デルマプラゾールによる処置が皮膚炎の程度を16日目までに有意に低下させ、皮膚の外観を30日目までに正常化していることを示す(
図24)。強皮症モデルにより、類似する結果が示される(
図25)。
【0118】
デルマプラゾールは皮膚炎症を軽減する:組織学的証拠および遺伝子的証拠:デルマプラゾール処置時の皮膚外観における肉眼的改善と一致して、放射線照射部位から得られる皮膚組織のH&E染色により、デルマプラゾールによる予防的処置または治療的処置が表皮肥厚を16日目および30日目において軽減することが確認された(
図12)。加えて、潰瘍形成、壊死、不全角化/痂皮および全体的炎症の組織学的スコアが、デルマプラゾール処置によって有意に低下した。これらのパラメーターのそれぞれについての計算された平均スコアは、予防的経過で投与される1%デルマプラゾールがステロイド対照との比較で16日目において潰瘍形成を15%低下させ、壊死を18%低下させ、不全角化症/痂皮を2分の1に低下させ、炎症を2分の1に低下させ、表皮肥厚を約6分の1に低下させたことを示した。勇気づけるように、この傾向が処置期間を通して継続し、30日目においてこれらをそれぞれ、2分の1に低下させ、5分の1に低下させ、88%低下させ、86%低下させ、86%低下させた(
図S2)。同様に、2%の予防的デルマプラゾールはこれらのスコアをそれぞれ、30日目におけるステロイド対照との比較で、1.5分の1に低下させ、6.5分の1に低下させ、88%低下させ、1.3分の1に低下させ、100%低下させ、一方、2%の治療的デルマプラゾールはこれらの組織学的スコアをそれぞれ、1.3分の1に低下させ、4分の1に低下させ、70%低下させ、100%低下させ、80%低下させた。加えて、汎白血球マーカーCD11bおよびマクロファージ特異的マーカーF4/80についてのパラフィン包埋皮膚組織の免疫組織化学染色では、デルマプラゾールが傷害部位内へのこれらの細胞の動員を低下させることが示された(
図26)。興味深いことに、デルマプラゾールは、類似する効力を強皮症モデルにおいて示した(
図14Aおよび
図14B)。
【0119】
加えて、炎症のマーカーをプローブ探査する遺伝子発現研究では、デルマプラゾール処置が、TNFα、IL1β、NFkB、TLR4、IL6、ICAM1、VCAM1およびiNOSを含む古典的な炎症促進性サイトカインの多くのmRNA発現を有意にダウンレギュレーションすることが確認された(
図17A〜
図17H)。
【0120】
デルマプラゾールは皮膚線維症を軽減する:免疫組織化学的証拠&遺伝子的証拠:放射線皮膚炎モデルから外植された皮膚組織におけるコラーゲンのマッソントリクローム染色は、デルマプラゾールによる処置が16日目および30日目でのコラーゲン蓄積をビヒクル対照またはコルチコステロイド対照との比較で顕著に低下させることを示し(
図13)、このことは、線維化変化の阻害がデルマプラゾール処置のときにはより大きいことを示していた。トリクローム染色スコアは、線維化変化の程度がデルマプラゾール処置群では有意により低いことを示していた(
図18)。同様に、皮膚線維症の程度が強皮症モデルにおいて低下した(
図14B)。
【0121】
線維化促進マーカーについての遺伝子発現研究でもまた、デルマプラゾールが、TGFβ、DDAH1、コラーゲン1、コラーゲン3、コラーゲン5およびフィブロネクチンの発現を有意にダウンレギュレーションすることが確認された(
図19A〜
図19F)。
【0122】
デルマプラゾールはHO1の発現を皮膚炎モデルにおいて一時的にアップレギュレーションする:予想されるように、予防的過程または治療的過程での低用量または高用量のデルマプラゾールによるマウスの処置は、HO1の遺伝子発現を疾患ピーク(すなわち、16日目)において有意にアップレギュレーションした。このことが、主要な酸化促進酵素のNOX2およびNOX4の比較的低い発現によって反映された(
図20A〜
図20F)。しかしながら、抗酸化防御機構のこのアップレギュレーションは一時的であり、動物が電離放射線の影響から回復した後(すなわち、30日目)では鎮静化した。しかしながら、興味深いことに、放射線皮膚炎を30日目までに依然として表す動物(例えば、ステロイド群)は、HO1、すなわち、細胞ストレスによって誘発されることが知られている細胞保護分子(Choi、1996)の上昇したレベルをこの時点で有した(
図20A〜
図20F)。増大した細胞ストレスの表現型と一致しているのが、30日目まででのステロイド処置群におけるNOX2およびNOX4の非常に高いレベルである(
図20A〜
図20F)。まとめると、これらのデータセットにより、ステロイド群における動物はそれでもなお、部分的には高まった抗酸化防御機構を介して放射線誘発の酸化的負荷に対処し続けたことが示唆される。
【0123】
ある特定の実施形態の意義
【0124】
本開示は、PPIを放射線誘発合併症または化学放射線療法誘発合併症のために転用することを包含する。それに従って、エソメプラゾールを、真皮内に浸透し、皮膚を、潰瘍形成、壊死、炎症および線維症を含めて化学療法(ブレオマイシン)または電離放射線の有害な影響から保護することができ(
図11、
図12、
図14、
図16、
図13、
図14、
図18、
図25および
図26)、その結果、創傷部のほぼ完全な閉鎖をデルマプラゾール処置動物のほとんどにおいてもたらすことができる外用製造物に再配合した。予想外のことに、体毛もまた、皮膚の放射線非照射かつ未処置の領域と比較して、外観が灰色がかったにもかかわらず、デルマプラゾール処置動物では再び生長した(
図11)。特筆すべきことに、デルマプラゾールの比較的低い濃度(1〜5%)は、配合されたより高い濃度(10〜20%)よりも安定であり、かつ、生物学的に活性であることが見出された。この現象はおそらくは、配合物におけるより高いエソメプラゾール含有量が空気酸化にさらされたためである。このことは、この化合物の化学構造におけるスルホキシド部分の存在と相まって、周囲温度での化合物の長期安定性についての問題となり得る。
【0125】
デルマプラゾールはエソメプラゾールの生物学的活性を保持する:エソメプラゾール粉末をLipoderm(登録商標)系クリームに配合することにより、エソメプラゾールの生物学的活性を保持する外用製造物、すなわち、デルマプラゾールを製造した。エソメプラゾール、すなわち、オメプラゾールのS−エナンチオマーは、胃食道逆流の処置のために広く使用されるPPIである。PPIの抗酸化作用は、ROSの直接的な除去および枯渇した内因性抗酸化物質の回復のためである(Biswas他、2003;Simon他、2006)。PPIの抗炎症作用は部分的には、古典的な炎症促進性分子のダウンレギュレーションおよび好中球の損なわれた遊走に起因している(Ghebremariam他、2015;Yoshida他、2000;Handa他、2006)。より近年では、PPIの抗線維化作用が、HO1のアップレギュレーション、細胞外マトリックス成分のダウンレギュレーション、および線維芽細胞増殖の直接的な阻害に起因していることが示される(Ghebremariam他、2015)。興味深いことに、PPIのこれらの胃外作用のすべてが、他の制酸剤(例えば、ヒスタミンH2受容体アンタゴニストなど)により再現できなかった(Ghebremariam他、2015;Yoshida他、2000;Ghebre他、2016)。したがって、胃外標的に対するPPIの作用はおそらくは、ベンゾイミダゾール部分がその構造において存在することに起因している。ベンゾイミダゾール骨格は特権的足場であると見なされ、様々なベンゾイミダゾール骨格が、100種類の最も売れている薬物の約25%についての基礎を形成している(Khokra他、2011)。本研究では、デルマプラゾールは、その配合されなかったアナログであるエソメプラゾールにも備わっている抗酸化作用、抗炎症作用および抗線維化作用を維持した。加えて、デルマプラゾールは耐容性が良好であり、体重、または心臓、肺、腎臓および肝臓の重量に対する有害な影響を何ら有していなかった(
図27)。
【0126】
デルマプラゾールはDDAH−iNOS経路をエクスビボおよびインビボで真皮組織においてダウンレギュレーションする:最近の研究では、DDAH(あらゆる有核哺乳動物細胞によって発現される酵素)が炎症促進活性および線維化促進活性を支援していることが示されている。例えば、Pullamsetti他(Pullamsetti他、2011)は、ヒトDDAHを遺伝的に過剰発現するマウスモデルを使用し、このトランスジェニックマウスを化学療法薬物のブレオマイシンにさらすと、コラーゲンがより多く蓄積することを含めて、線維化応答が悪化し、一方、小分子によるDDAH阻害は線維化変化を抑制することを示した。同様に、他の研究では、線維芽細胞の増大した増殖および線維化組織の増強された再構築に関連するNOS経路の病理生物学的役割が指摘されている(Dooley他、2012)。最近発表されたデータは、PPIがDDAHおよびiNOSの両方を調節することを明らかにし(Ghebremariam他、2013;Ghebremariam他、2015)、ブレオマイシン誘発肺傷害のマウスモデルにおけるエソメプラゾールの全身投与は肺炎症および線維症を抑制することを明らかにする(Ghebremariam他、2015)。同様に、本データは、DDAHおよびiNOSの両方の発現が電離放射線によってアップレギュレーションされ、デルマプラゾールが真皮組織におけるそれらの発現を有意にダウンレギュレーションすることを示す(
図17A〜
図17Hおよび
図19A〜
図19F)。その一方で、電離放射線にさらされた後で血管内皮細胞によって典型的に発現される重要な生物学的分子(例えば、VCAM1、ICAM1)、ならびに免疫細胞によって典型的に発現される重要な生物学的分子(例えば、TLR4)の大幅なアップレギュレーションは、このモデルにおける放射線皮膚炎は血管障害および免疫機能障害を伴い得ることを示している。注目すべきことに、デルマプラゾールはこれらの分子の発現を都合良く調節した(
図17A〜
図17H)。
【0127】
エソメプラゾールおよび他のプロトンポンプ阻害剤は腫瘍細胞を化学感作する:皮膚炎に罹患したがん患者におけるデルマプラゾールの使用では、PPIの同時使用が、部分的には腫瘍を抗がん処置から保護することによってではあるが、化学放射線療法の抗腫瘍作用を損なうかどうかという問題が提起される。この懸念の一部が、文献において入手可能な既存のインビトロデータおよびインビボデータから対処され得る。例えば、Luciani他(2004)は、PPIのオメプラゾールおよびエソメプラゾールによる前処理が行われたときの28種の化学療法抵抗性ヒトがん細胞株の感受性を評価した。Luciani他は、メラノーマ、結腸がん、乳がんおよび卵巣がんに由来する細胞株をこれらのPPIにより前処理すると、PPI前処理がない対照と比較した場合、シスプラチン、ビンブラスチンおよび5−フルオロウラシルの化学療法剤についての半最大阻害濃度(IC50)値が何桁か低下することを見出した。加えて、彼らのインビボ研究では、移植腫瘍のPPIによる前処理がシスプラチンに対する腫瘍細胞の感受性を増大させ、その結果、腫瘍重量における有意な減少をもたらすことが明らかにされた。同様に、マウス、ネコおよびイヌにおけるいくつかの他の研究では、PPIによる前処理を行ったときの抗がん薬物に対する腫瘍細胞の感受性が大きくなることが明らかにされている(Ouar他、2003;Spugnini他、2011;Patel他、2013;Huang他、2013;Ferrari他、2013;Lindner他、2014;Goh他、2014)。しかしながら、本開示の方法の具体的な実施形態において、PPIはがん細胞の化学感作のためには利用されない。代替となる実施形態において、外用形態でのPPIががん細胞の化学感作のために利用される。
【0128】
したがって、特にメラノーマ細胞株および乳がん細胞株(これらは例としてのみである)に対するエソメプラゾールの作用は、これらの腫瘍を有する患者におけるデルマプラゾールによる皮膚炎の処置が、腫瘍細胞の増殖を阻害すること、および、根底にある腫瘍に対する抗がん治療の効力を増大させることを同時にもたらし得ること、このことは最終的には、デルマプラゾールを服用しているこれらの患者に処方される総化学放射線量を減らすことにつながり得ることを示している。この可能性に対するさらなる裏付けが、一部のメラノーマ細胞が、血管系に付着するために(Eibl他、2004)、VCAM1、すなわち、デルマプラゾールによって有意にダウンレギュレーションされる分子に依存し得るという観察結果(
図17A〜
図17H)からもたらされる。
【0129】
プロトンポンプ阻害剤はがん患者における生存を延長させる:前臨床モデルにおけるPPI処置時の化学療法薬物に対する固形腫瘍由来がん細胞の増大した感受性と一致して、臨床研究でもまた、PPIが、生存の延長を含む有益な成果に関連することが報告される。頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)の596名の患者の後向きコホートにおいて、Papagerakis他(2014)は、PPIを服用する患者は、従来の処置を受けている患者と比較して、有意により長い全生存期間を有することを見出した。同様に、他の研究でもまた、標準的ながん治療をPPIにより補うことが、増大した無増悪生存期間および全生存期間と関連することが見出された(Wang他、2017)。現在、PPIをがんにおける補助剤として評価する臨床試験が完了しているか、または進行中である(例えば、NCT01069081)。HNSCC処置の主要な課題の1つが標準治療に対して抵抗性であり、かつ、不良な全生存期間であることを考えると、容易に入手可能であり、かつ、耐容性が良好である薬物、例えば、PPIなどは、ある特定の実施形態においては有用である。加えて、デルマプラゾールなどの外用PPIは、具体的な実施形態においては、粘膜炎を含む化学放射線療法の一般的な有害作用を軽減し、生活の質および量をもしかすると改善するように、臨床的有用性をHNSCCにおいて有する。
【0130】
結論として、デルマプラゾール、すなわち、外用配合されたPPIのエソメプラゾールは、化学療法または電離放射線によって誘発される炎症および瘢痕形成を皮膚炎症および線維症の前臨床モデルにおいて肉眼的および微視的に軽減することができる。具体的な実施形態における放射線皮膚炎モデルでのデルマプラゾールの抗炎症作用および抗線維化作用は、内因性の抗酸化防御機構の早期誘導、ならびに炎症促進性機構および線維化促進機構のダウンレギュレーションのためである。デルマプラゾールにより調節される重要な分子経路のいくつかは、HO1−Nrf2、DDAH−iNOS、およびコラーゲンを含む。デルマプラゾールによるHO1分子およびNrf2分子の早期誘導が、化学療法または電離放射線によって引き起こされる酸化ストレスにおける初期急増に対処するように皮膚組織を準備するために予想される。続いて、炎症促進性サイトカインおよび線維化促進サイトカインを含めて、ROS、スーパーオキシドおよびヒドロキシルラジカルの下流側標的が厳しく調節される。皮膚組織の炎症および線維症に対するデルマプラゾールの顕著な効力、同様にまた、PPIの抗腫瘍活性は、ある特定の実施形態においては、がん治療誘発の炎症を軽減するために、一方で、根底にある腫瘍を化学/放射線感作するためにデルマプラゾールを有用にしている。他の実施形態において、デルマプラゾールは、炎症性および/または線維化の様々な様相によって特徴づけられる他の皮膚状態において、例えば、強皮症、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎およびリウマチ性疾患などにおいて有用である。特に、古典的な炎症促進性分子(例えば、TNFαなど)、自然免疫シグナル伝達(例えば、TLR4など)、および細胞外マトリックス(ECM)の成分(例えば、コラーゲンおよびフィブロネクチンなど)に対するデルマプラゾールの大きな作用(
図17A〜
図17H、
図18、
図19A〜
図19F)は、特定の実施形態においては、放射線誘発の不都合を超えて、結合組織の疾患に至る配合物の効力を示している。
【0131】
材料および方法の例
【0132】
エソメプラゾールの配合:エソメプラゾールを放射線誘発の炎症および線維症の皮膚状態における潜在的適用のための外用製造物に開発するために、本発明者らはエソメプラゾール粉末をクリームに調合した。簡単に記載すると、エソメプラゾール粉末(98.5%超の純度)を重量測定し、乳鉢に入れた。表皮浸透を可能にするために、粉末をプロピレングリコールにより湿らせ、Lipoderm(60%)/バニシングクリーム(40%)経皮基剤と混合した。最後に、製造物(すなわち、デルマプラゾール)を、ざらつきを最小限に抑えるために軟膏ミルに通し、小さい容器に分配した。このプロトコルを使用して、本発明者らは、ビヒクルクリーム(クリーム基剤のみ)を含む配合物、ならびに、デルマプラゾールを0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、10%および20%で含む種々の配合物を作製した。配合物の臭気、外観および色を、1日目、15日目および30日目に評価した。臭気を、欧州薬局方に記載されるように、すなわち、1.5グラムのクリームを60mmの時計皿に広げ、クリームのにおいを15分後にかぐことによって測定した。外観および色はどのような変化についてであっても1日目を参照した。薬物含有量を、下記で記載されるように液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS)を使用して定量化した。
【0133】
デルマプラゾールの物理化学的安定性を特徴づけること:LC−MSおよび原子間力顕微鏡法(AFM)を使用して、デルマプラゾールを特徴づけた。LC−MS研究のために、エソメプラゾール含有量をクリームのみの対照の存在下でクリームにおいて測定した。簡単に記載すると、200μlの水/メタノール(v/v、1:1)を10mgのクリームに加えた。10%および20%のデルマプラゾールについては、250μlの水/メタノール(v/v、1:4)を10mgのクリームに加えた。得られた混合物を5分間ボルテックスした。内部標準(IS)を含む氷冷メタノール(150μl)を、プラセボ、0.01%クリームおよび0.1%クリームからの得られた混合物の50μlに加え、また、1%クリームからの混合物の25μlに加え、続いて遠心分離を15000gで15分間行った。上記から得られる10%クリームおよび20%クリームからの混合物をメタノールにより16倍および32倍それぞれさらに希釈した。ISを含む氷冷メタノール(150μl)を、10%クリームおよび20%クリームからの希釈された混合物の50μlに加え、続いて遠心分離を15000gで15分間行った。プラセボ、0.01%クリーム、0.1%クリームからの上清を直接、分析のためにサンプルバイアルに移した。1%クリーム、10%クリームおよび20%クリームからの上清を、ISを含むメタノールで100倍さらに希釈した。5分の遠心分離の後、上清を分析のためにサンプルバイアルに移した。
【0134】
調製されたサンプル(それぞれ5μl)を分析のためにHPLC−MS/MS(Agilent Technologies、6490 QQQ Santa Clara、CA)に注入した。エソメプラゾールの分離を、50×2.1mm(Agilent ZORBAX SB−Aq)カラムを備える1290 Infinity LC System(Agilent Technologies、Santa Clara、CA)を使用して達成した。カラム温度を40℃で維持した。流速は0.3mL/分であり、8分でのグラジエントを実施した。グラジエントを、90%の緩衝液A(0.1%のギ酸を含むH2O)から始めて50%の緩衝液B(0.1%のギ酸を含むCH3CN)までを0分から6分まで実施し、50%の緩衝液Bを0.5分間保ち、50%の緩衝液Bから90%の緩衝液Aまでを6.5分から7分まで実施し、90%の緩衝液Aを7分から8分まで保って、カラムを再平衡化した。LC−MS/MSを多重反応モニタリング(MRM)モードとともにエレクトロスプレーイオン化(ESI)によるポジティブモードで操作した。超高純度窒素を乾燥用ガスおよび衝突ガスとして加えた。デルマプラゾールおよびエソメプラゾールIS対照についてのプリカーサ−・トウ・プロダクション・トランジション(precursor to production transition)は下記の通りであった:EL20については、m/z 346.1>198.1;ISについては、m/z 244.1>185.3。質量クロマトグラムおよび質量スペクトルをMassHunter Workstationデータ取得ソフトウェア(Agilent、Santa Clara、CA)によって取得し、データを三連四重極(QQQ)によって分析した。
【0135】
定量分析ソフトウェア(Agilent、Santa Clara、CA)。抽出イオンクロマトグラムピーク積分を、定量分析ソフトウェアに含まれるagile2インテグレーターによって行った。その一方で、デルマプラゾールのトポグラフィー、硬さおよび接着を、クリームを顕微鏡用スライドに広げ、超高解像度材料科学顕微鏡のMultiMode Atomic Force Microscope(Bruker Corporation、Billerica、MA)を使用する検査を行うことによって調べた。
【0136】
薬物透過研究:デルマプラゾール配合物からのエソメプラゾールのエクスビボ放出を、腹部領域から切除されるマウス皮膚を使用して調べた。簡単に記載すると、C57マウスをCO2吸入および胸郭の両側開口によって安楽死させ、その後、体毛を腹部領域から除いた。続いて、一片の腹部皮膚を切除し、下にある筋膜を、外科用はさみを使用して分離した。皮膚の完全性が維持されていること、および残存の脂肪組織および皮下組織がすべて除かれていることを目視により確認した。調製された皮をアルミホイルで包み、使用まで−80℃で貯蔵した。エクスビボ皮膚浸透研究を、Franz拡散セル(PermeGear、Hellertown、PA)を使用して実施した(Ng他、2010)。簡単に記載すると、切除した皮膚をセルの供与側区画と受容側区画との間に取り付け、これにより、0.64cm
2の面積を5mLのシンク体積にさらした。受容側区画は、シンク状態を維持するための拡散媒体としてのリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)を含有し、その温度を37±0.5℃で維持した。調製された配合物(それぞれ40mg)を、綿棒を使用して供与側区画における皮膚に塗布し、均一に広げた。1時間毎に、20μLのサンプルを拡散セルのサンプル採取ポートから取り出し、等量のPBSを加えて、一定の総容量を維持した。エソメプラゾールの受容側チャンバー内への放出を、分光光度計を使用して経時的に測定した。
【0137】
エクスビボ研究:3Dヒト皮膚モデル:本研究のために、3次元(3D)ヒト皮膚モデル(EpiDermFT、MatTek Corporation、Ashland、MA)を供給者の推奨法に従って組織培養システムで培養した。簡単に記載すると、EpiDermFTは、表面積が1.0cm
2である機能的かつ代謝的に活性な再構成された皮膚をそれぞれのインサートが含有する単ウエル組織培養プレート用のインサートとして供給された(von Neubeck他、2012)。受け取ると、EpiDermFTを、37℃、5%CO
2で24時間、EFT培地において平衡化した。実験を通して、EpiDermFTは、組織の真皮側が組織培養培地と接触し、表皮角質層側が空気にさらされる気液界面で6ウエル培養プレートにおいて維持された。24時間のインキュベーションの後、培養物には新鮮な培地を補充し、続いて、皮膚を、RS−2000 Biological Systemを使用して14グレイ(Gy)の電離(X線)放射線に、30cmの線源・皮膚距離で、かつ、1.2Gy/分(160kV)の割合でさらした。次に、組織を同じ培養培地においてさらに1時間インキュベーションし、その後、ビヒクルクリーム(陰性対照)、デルマプラゾール(1%〜20%)、または1%ヒドロコルチゾン(陽性対照)を先端表面に塗布した。24時間の外用処置の後、組織をホモジネートし、総RNAを、Direct−zol RNA Miniprep Kit(Zymo Research、Irvine、CA)を使用して単離した。続いて、RNAの濃度および品質を確認し、1μgの総RNAを、High Capacity RNA−to−cDNAキット(Applied Biosystems、Foster City、CA)を使用して逆転写した。得られたcDNAを定量的RT−PCRによる遺伝子発現研究のために使用した。定量的RT−PCR(qRT−PCR)を、下記で記載されるように、在庫の“best coverage”プライマー/プローブセット(ThermoFisher Scientific、Waltham、MA)を使用する標準的なTaqMan遺伝子発現アッセイを使用して行った。
【0138】
インビボ研究:放射線誘発皮膚炎のマウスモデル:30日間の試験を、放射線誘発皮膚炎を軽減することにおけるデルマプラゾールの効力を評価するためにC57BL/6Jマウス(Jackson Laboratories、Bar Harbor、ME)を使用して実施した。実験は、放射線を受けない1つの群(第1群)と、X線源からの放射線を受ける5つの群(第2群〜第6群)とからなった(表2)。
【0139】
【表2】
【0140】
表2:30日マウスモデルにおける電離放射線(IR)誘発皮膚炎の実験設計。群は脇腹が対照またはIRにさらされ、ビヒクルクリーム、低濃度(1%)または高濃度(2%)のデルマプラゾール(DERM)クリームを予防的経過または治療的経過で受けた。コルチコステロイドのヒドロコルチゾン(1%)が処置対照として含められた。N=動物数。Gy=グレイ単位での放射線量
【0141】
最初に、すべての動物を、電気シェーバーと脱毛クリームとを使用して脇腹領域から脱毛することによって実験のために準備した。剃毛手順からの皮膚刺激がないことを無作為化前に目視により確認した。24時間後、放射線を第2群〜第6群において動物の脇腹における事前に定められた領域(2×2cm)に送達した。皮膚炎を誘発するために、動物を、深い麻酔が達成されるまで、酸素中の4%イソフルランを使用して麻酔した。続いて、動物を、身体の残り部分を保護し、かつ、脇腹を、上記で記載される同じ設定を使用して研究の0日目および7日目に2回の15Gyとして分割される30Gyの総放射線量にさらすために鉛シールド(Braintree Scientific、Braintree、MA)のもとに置いた。デルマプラゾールを予防的経過(1日目から30日目までの処置スケジュール)および治療的経過(10日目から30日目までの処置スケジュール)で評価した。予防的経過については、デルマプラゾールの低用量(1%、第2群)および高用量(2%、第3群)を評価した。治療的経過(第4群)については、高用量のみを評価した。同様に、偽処置群(第1群)およびビヒクル群(第5群)を研究の0日目から開始して、活性薬物を含有しないプラセボクリームにより処置した。陽性の治療対照として、1%ヒドロコルチゾン(第6群)を0日目から開始して塗布した。放射線照射の日に、外用処置を1時間後に施した。すべての動物を安楽死まで1日に1回、処置した。
【0142】
皮膚炎の重症度をモニターするために、デジタル写真を、ベースライン、16日目(傷害のピークに達する予想された時間)および30日目(研究完了)において同じ設定で取り込んだ(Canon PowerShot ELPH 180)。写真は、下記の有害事象共通用語規準(CTCAE;バージョン4.0)(79)を使用して委員会認定の皮膚科医によって盲検法により評価され、スコア化された:0=正常な皮膚外観;1=軽度の紅斑;2=中等度から重度の紅斑;3=放射線照射領域の25%〜50%の落屑;4=50%を超える放射線照射領域の落屑;5=臨床的に明白な潰瘍。16日目において、外用処置した約3時間後に、群あたり5匹の動物(偽処置群を除く)を安楽死させ、皮膚サンプルを下にある筋肉組織と一緒に、遺伝子発現研究および組織病理学的研究のために放射線照射領域から採取した。同様に、すべての残る動物を研究の30日目に安楽死させた。一貫性については、動物の放射線照射皮膚を垂直切開によって2つの部分に分け、右側を組織病理学的研究のために使用し、左側を遺伝子発現研究およびタンパク質発現研究のために使用した。後者の研究のために、RNAと、タンパク質とを、NucleoSpin RNA/タンパク質キット(Macherey−Nagel、Bethlehem、PA)を製造者の推奨法に従って使用して同じサンプルから単離した。
【0143】
遺伝子発現研究:遺伝子発現研究のために、cDNAを上記で記載されるように作製し、qRT−PCRのために使用して、下記の遺伝子を含む、酸化ストレス、炎症および/または線維症において著しい役割を果たしていることが報告される遺伝子のmRNA発現に対するデルマプラゾールの影響を比較した:Nrf2、HO1、NADPHオキシダーゼ2(NOX2)、NOX4、iNOS、DDAH1、TNFα、NFκB、TGFβ、toll様受容体4(TLR4)、インターロイキン1ベータ(IL1β)、インターロイキン6(IL6)、細胞間接着分子1(ICAM1)、血管細胞接着分子1(VCAM1)、コラーゲン(1、3、5)およびフィブロネクチン。リボソームRNA 18S(18S rRNA)をこのアッセイのための内部対照として使用した。定量的RT−PCRを、10μLのTaqManユニバーサルPCRマスターミックス(2X)、プライマーおよびMGBプローブミックスを含有する1μLのTaqManアッセイ(20X)、3μLのcDNA、ならびに6μLの水を含有する20μLの最終体積で96ウエルプレートにおいて行った。反応を以下の条件のもとで行った:50℃で2分間のインキュベーション;95℃で10分間の変性、続いて95℃で15秒間の変性、そして、60℃で1分間のアニーリングおよび伸長を合計で40サイクルにわたって。操作を、CFXリアルタイムPCRシステム(Bio−Rad)を使用して行い、データを、CFX Maestroソフトウェアを使用して分析した。データが、18Sに対して正規化した後の偽処置対照に対する相対的遺伝子発現として示される。
【0144】
タンパク質発現研究:細胞質タンパク質と、核タンパク質とを、NE−PER核・細胞質抽出試薬キット(ThermoFisher Scientific)を使用して3Dヒト皮膚から分離した。タンパク質濃度を、Pierce(商標)BCAタンパク質アッセイキット(ThermoFisher Scientific)を使用して定量化し、30μgのそれぞれのタンパク質をウエスタンブロット分析のために負荷した。核タンパク質Nrf2(ウサギ抗Nrf2;Abcam ab62352;1:250)および細胞質タンパク質HO1(ウサギ抗HO1;Enzo Life Sciences BML−HC3001;1:500)の発現に対するデルマプラゾールの影響を、ビヒクル対照およびコルチコステロイド対照との比較で評価した。ヒストンH3(ウサギ抗H3;Abcam ab1791;1:3000)を核タンパク質発現についての内部対照として使用し、GAPDH(マウス抗GAPDH;ThermoFisher MA5−157381:5000)を細胞質タンパク質発現についての対照として使用した。動物組織サンプルについては、総タンパク質を上記で記載されるようにNucleoSpin RNA/タンパク質キットを使用して単離した。
【0145】
組織病理学的研究:この研究のために、放射線照射皮膚の右側からの生検物を10%中性緩衝ホルマリンにおいて固定処理し、免疫組織化学のためのスライドに処理した。固定処理された組織をパラフィン包埋し、4μmの厚さで切片化した。一組のスライドを、炎症および全体的な組織構造を評価するためにH&Eにより染色し、別の一組を、コラーゲン沈着の程度および線維化変化を調べるためにマッソントリクロームにより染色した。さらに二組のスライドを、炎症性細胞マーカーのCD11b(骨髄性白血球;Abcam ab133357;1:1000)およびF4/80(マクロファージ;Cell Signaling 70076S;1:250)について染色するために使用した。H&E染色スライドおよびトリクローム染色スライドを顕微鏡で調べ、炎症および線維症の程度についてそれぞれ段階づけた。委員会認定の皮膚病理学者が、表皮肥厚、ろ胞萎縮/肥大、炎症、コラーゲン肥厚、潰瘍、壊死、および不全角化/痂皮についての5段階スケールに基づいて盲検法様式で組織をスコア化した。これらのパラメーターのそれぞれについて、スコアは次のように定義された:0=正常な皮膚;1=最小限に検出可能;2=軽度;3=中程度;4=顕著;5=重度。
【0146】
強皮症のマウスモデル:上記の研究を補足するために、デルマプラゾールの効力を強皮症(コラーゲン蓄積によって特徴づけられる疾患)のマウスモデルにおいて評価した。このために、ブレオマイシン誘発の皮膚線維症の確立されたマウスモデル(54、55)を使用し、この場合、B.10.A.マウス(Jackson Laboratories)(n=4/群)が硫酸ブレオマイシン(3.3mg/kg/日)の皮下注射を研究の最初の4週間にわたって受けた。研究の21日目から開始して、動物には、アクアフォー、コルチコステロイド(0.1%モメタゾンフロエート)またはデルマプラゾール(1%または2%)による外用処置(1回/日)が剖検まで行われた。創傷部位の写真画像を比較のために撮った。加えて、皮膚組織を顕微鏡スライドに載せ、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)、ならびにマッソントリクロームについて染色した。
【0147】
統計学的分析:
【0148】
研究群あたりの動物の数を、power and sample size calculation(PS、バンダービルト大学)を使用して計算した。パラメトリックデータおよびノンパラメトリックデータの両方を、別途示される場合を除き、一元配置ANOVA(GraphPadプリズム;La Jolla、CA)によって分析した。多数のグループを、ANOVA、続いてボンフェローニ事後検定を使用して比較し、2つの群の間における差を、対応のないt検定を使用して比較した。すべてのデータが、別途示される場合を除き、平均±SEMとして表される。差は、pの値が0.05未満(p<0.05)であるとき、統計学的に有意であると見なされる。
【0149】
文献
Biswas, K., U. Bandyopadhyay, I. Chattopadhyay, A. Varadaraj, E. Ali, R. K. Banerjee, A novel antioxidant and antiapoptotic role of omeprazole to block gastric ulcer through scavenging of hydroxyl radical. J Biol Chem. 278, 10993-1001 (2003).
Bostrom, A., H. Lindman, C. Swartling, B. Berne, J. Bergh, Potent corticosteroid cream (mometasone furoate) significantly reduces acute radiation dermatitis: results from a double-blind, randomized study. Radiother Oncol. 59, 257-65 (2001).
Brach, M. A., H. J. Gruss, T. Kaisho, Y. Asano, T. Hirano, F. Herrmann, Ionizing radiation induces expression of interleukin 6 by human fibroblasts involving activation of nuclear factor-kappa B. J Biol Chem. 268, 8466-72 (1993).
Brown K. R., E. Rzucidlo, Acute and chronic radiation injury. J Vasc Surg. 53, 15S-21S (2011).
Campbell, I. R., M. H. Illingworth, Can patients wash during radiotherapy to the breast or chest wall? A randomized controlled trial. Clin Oncol (R Coll Radiol). 4, 78-82 (1992).
Chan, R. J., J. Webster, B. Chung, L. Marquart, M. Ahmed, S. Garantziotis, Prevention and treatment of acute radiation-induced skin reactions: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. BMC Cancer. 14, 53 (2014).
Chen, A. P., A. Setser, M. J. Anadkat, J. Cotliar, E. A. Olsen, B. C. Garden, M. E. Lacouture, Grading dermatologic adverse events of cancer treatments: the Common Terminology Criteria for Adverse Events Version 4.0. J Am Acad Dermatol. 67, 1025-39 (2012).
Chen, Y. P., N. M. Tsang, C. K. Tseng, S. Y. Lin, Causes of interruption of radiotherapy in nasopharyngeal carcinoma patients in Taiwan. Jpn J Clin Oncol. 30, 230-4 (2000).
Coondoo, A., M. Phiske, S. Verma, K. Lahiri, Side-effects of topical steroids: A long overdue revisit. Indian Dermatol Online J. 5, 416-25 (2014).
Cox, J. D., J. Stetz, T. F. Pajak, Toxicity criteria of the Radiation Therapy Oncology Group (RTOG) and the European Organization for Research and Treatment of Cancer (EORTC). Int J Radiat Oncol Biol Phys. 31, 1341-6 (1995).
Dooley, A., K. R. Bruckdorfer, D. J. Abraham, Modulation of fibrosis in systemic sclerosis by nitric oxide and antioxidants. Cardiol Res Pract. 2012, 521958 (2012).
Eibl, R. H., M. Benoit, Molecular resolution of cell adhesion forces. IEE Proc Nanobiotechnol. 151, 128-32 (2004).
Elliott, E. A., J. R. Wright, R. S. Swann, F. Nguyen-Tan, C. Takita, M. K. Bucci, A. S. Garden, H. Kim, E. B. Hug, J. Ryu, M. Greenberg, J. P. Saxton, K. Ang, L. Berk, T. Radiation Therapy Oncology Group, Phase III Trial of an emulsion containing trolamine for the prevention of radiation dermatitis in patients with advanced squamous cell carcinoma of the head and neck: results of Radiation Therapy Oncology Group Trial 99-13. J Clin Oncol. 24, 2092-7 (2006).
Ferrari, S., F. Perut, F. Fagioli, A. Brach Del Prever, C. Meazza, A. Parafioriti, P. Picci, M. Gambarotti, S. Avnet, N. Baldini, S. Fais, Proton pump inhibitor chemosensitization in human osteosarcoma: from the bench to the patients' bed. J Transl Med. 11, 268 (2013).
Gamulin, M., V. Garaj-Vrhovac, N. Kopjar, Evaluation of DNA damage in radiotherapy-treated cancer patients using the alkaline comet assay. Coll Antropol. 31, 837-45 (2007).
Ghebre Y. T., G. Raghu, Idiopathic Pulmonary Fibrosis: Novel Concepts of Proton Pump Inhibitors as Antifibrotic Drugs. Am J Respir Crit Care Med. 193, 1345-52 (2016).
Ghebremariam, Y. T., J. P. Cooke, W. Gerhart, C. Griego, J. B. Brower, M. Doyle-Eisele, B. C. Moeller, Q. Zhou, L. Ho, J. de Andrade, G. Raghu, L. Peterson, A. Rivera, G. D. Rosen, Pleiotropic effect of the proton pump inhibitor esomeprazole leading to suppression of lung inflammation and fibrosis. J Transl Med. 13, 249 (2015).
Ghebremariam, Y. T., P. LePendu, J. C. Lee, D. A. Erlanson, A. Slaviero, N. H. Shah, J. Leiper, J. P. Cooke, Unexpected effect of proton pump inhibitors: elevation of the cardiovascular risk factor asymmetric dimethylarginine. Circulation. 128, 845-53 (2013).
Glees, J. P., H. Mameghan-Zadeh, C. G. Sparkes, Effectiveness of topical steroids in the control of radiation dermatitis: a randomised trial using 1% hydrocortisone cream and 0.05% clobetasone butyrate (Eumovate). Clin Radiol. 30, 397-403 (1979).
Goh, W., I. Sleptsova-Freidrich, N. Petrovic, Use of proton pump inhibitors as adjunct treatment for triple-negative breast cancers. An introductory study. J Pharm Sci. 17, 439-46 (2014).
Halnan, K. E., The effect of corticosteroids on the radiation skin reaction. A random trial to assess the value of local application of prednisolone and neomycin ointment after x-ray treatment of basal cell carcinoma. Br J Radiol. 35, 403-8 (1962).
Handa, O., N. Yoshida, N. Fujita, Y. Tanaka, M. Ueda, T. Takagi, S. Kokura, Y. Naito, T. Okanoue, T. Yoshikawa, Molecular mechanisms involved in anti-inflammatory effects of proton pump inhibitors. Inflamm Res. 55, 476-80 (2006).
Ho, A. Y., M. Olm-Shipman, Z. Zhang, C. T. Siu, M. Wilgucki, A. Phung, B. B. Arnold, M. Porinchak, M. Lacouture, B. McCormick, S. N. Powell, D. Y. Gelblum, A Randomized Trial of Mometasone Furoate 0.1% to Reduce High-Grade Acute Radiation Dermatitis in Breast Cancer Patients Receiving Postmastectomy Radiation. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 101, 325-333 (2018).
Huang, S., M. Chen, X. Ding, X. Zhang, X. Zou, Proton pump inhibitor selectively suppresses proliferation and restores the chemosensitivity of gastric cancer cells by inhibiting STAT3 signaling pathway. Int Immunopharmacol. 17, 585-92 (2013).
Khokra SL, Choudhary D, Benzimidazole An Important Scaffold In Drug Discovery. Asian Journal of Biochemical and Pharmaceutical Research. 1, 476-486 (2011).
Lindner, K., C. Borchardt, M. Schopp, A. Burgers, C. Stock, D. J. Hussey, J. Haier, R. Hummel, Proton pump inhibitors (PPIs) impact on tumour cell survival, metastatic potential and chemotherapy resistance, and affect expression of resistance-relevant miRNAs in esophageal cancer. J Exp Clin Cancer Res. 33, 73 (2014).
Lomax, M. E., L. K. Folkes, P. O'Neill, Biological consequences of radiation-induced DNA damage: relevance to radiotherapy. Clin Oncol (R Coll Radiol). 25, 578-85 (2013).
Lopez, E., R. Guerrero, M. I. Nunez, R. del Moral, M. Villalobos, J. Martinez-Galan, M. T. Valenzuela, J. A. Munoz-Gamez, F. J. Oliver, D. Martin-Oliva, J. M. Ruiz de Almodovar, Early and late skin reactions to radiotherapy for breast cancer and their correlation with radiation-induced DNA damage in lymphocytes. Breast Cancer Res. 7, R690-8 (2005).
Luciani, F., M. Spada, A. De Milito, A. Molinari, L. Rivoltini, A. Montinaro, M. Marra, L. Lugini, M. Logozzi, F. Lozupone, C. Federici, E. Iessi, G. Parmiani, G. Arancia, F. Belardelli, S. Fais, Effect of proton pump inhibitor pretreatment on resistance of solid tumors to cytotoxic drugs. J Natl Cancer Inst. 96, 1702-13 (2004).
Macmillan, M. S., M. Wells, S. MacBride, G. M. Raab, A. Munro, H. MacDougall, Randomized comparison of dry dressings versus hydrogel in management of radiation-induced moist desquamation. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 68, 864-72 (2007).
Mendelsohn, F. A., C. M. Divino, E. D. Reis, M. D. Kerstein, Wound care after radiation therapy. Adv Skin Wound Care. 15, 216-24 (2002).
McCloskey, S. A., W. Jaggernauth, N. R. Rigual, W. L. Hicks, Jr., S. R. Popat, M. Sullivan, T. L. Mashtare, Jr., M. K. Khan, T. R. Loree, A. K. Singh, Radiation treatment interruptions greater than one week and low hemoglobin levels (12 g/dL) are predictors of local regional failure after definitive concurrent chemotherapy and intensity-modulated radiation therapy for squamous cell carcinoma of the head and neck. Am J Clin Oncol. 32, 587-91 (2009).
Miller, R. C., D. J. Schwartz, J. A. Sloan, P. C. Griffin, R. L. Deming, J. C. Anders, T. J. Stoffel, R. E. Haselow, P. L. Schaefer, J. D. Bearden, 3rd, P. J. Atherton, C. L. Loprinzi, J. A. Martenson, Mometasone furoate effect on acute skin toxicity in breast cancer patients receiving radiotherapy: a phase III double-blind, randomized trial from the North Central Cancer Treatment Group N06C4. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 79, 1460-6 (2011).
Mukherjee, D., P. J. Coates, S. A. Lorimore, E. G. Wright, Responses to ionizing radiation mediated by inflammatory mechanisms. J Pathol. 232, 289-99 (2014).
Muller K., V. Meineke, Radiation-induced alterations in cytokine production by skin cells. Exp Hematol. 35, 96-104 (2007).
Ng, S. F., J. J. Rouse, F. D. Sanderson, V. Meidan, G. M. Eccleston, Validation of a static Franz diffusion cell system for in vitro permeation studies. AAPS PharmSciTech. 11, 1432-41 (2010).
Okunieff, P., J. Xu, D. Hu, W. Liu, L. Zhang, G. Morrow, A. Pentland, J. L. Ryan, I. Ding, Curcumin protects against radiation-induced acute and chronic cutaneous toxicity in mice and decreases mRNA expression of inflammatory and fibrogenic cytokines. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 65, 890-8 (2006).
Omidvari, S., H. Saboori, M. Mohammadianpanah, A. Mosalaei, N. Ahmadloo, M. A. Mosleh-Shirazi, F. Jowkar, S. Namaz, Topical betamethasone for prevention of radiation dermatitis. Indian J Dermatol Venereol Leprol. 73, 209 (2007).
Ouar, Z., M. Bens, C. Vignes, M. Paulais, C. Pringel, J. Fleury, F. Cluzeaud, R. Lacave, A. Vandewalle, Inhibitors of vacuolar H+-ATPase impair the preferential accumulation of daunomycin in lysosomes and reverse the resistance to anthracyclines in drug-resistant renal epithelial cells. Biochem J. 370, 185-93 (2003).
Papagerakis, S., E. Bellile, L. A. Peterson, M. Pliakas, K. Balaskas, S. Selman, D. Hanauer, J. M. Taylor, S. Duffy, G. Wolf, Proton pump inhibitors and histamine 2 blockers are associated with improved overall survival in patients with head and neck squamous carcinoma. Cancer Prev Res (Phila). 7, 1258-69 (2014).
Patel, K. J., C. Lee, Q. Tan, I. F. Tannock, Use of the proton pump inhibitor pantoprazole to modify the distribution and activity of doxorubicin: a potential strategy to improve the therapy of solid tumors. Clin Cancer Res. 19, 6766-76 (2013).
Pullamsetti, S. S., R. Savai, R. Dumitrascu, B. K. Dahal, J. Wilhelm, M. Konigshoff, D. Zakrzewicz, H. A. Ghofrani, N. Weissmann, O. Eickelberg, A. Guenther, J. Leiper, W. Seeger, F. Grimminger, R. T. Schermuly, The role of dimethylarginine dimethylaminohydrolase in idiopathic pulmonary fibrosis. Sci Transl Med. 3, 87ra53 (2011).
Putora, P.M., M. Schmuecking, D. Aebersold, L. Plasswilm, Compensability index for compensation radiotherapy after treatment interruptions. Radiat Oncol. 7, 208 (2012).
Richardson, J., J. E. Smith, M. McIntyre, R. Thomas, K. Pilkington, Aloe vera for preventing radiation-induced skin reactions: a systematic literature review. Clin Oncol (R Coll Radiol). 17, 478-84 (2005).
Roy, I., A. Fortin, M. Larochelle, The impact of skin washing with water and soap during breast irradiation: a randomized study. Radiother Oncol. 58, 333-9 (2001).
Schmuth, M., M. A. Wimmer, S. Hofer, A. Sztankay, G. Weinlich, D. M. Linder, P. M. Elias, P. O. Fritsch, E. Fritsch, Topical corticosteroid therapy for acute radiation dermatitis: a prospective, randomized, double-blind study. Br J Dermatol. 146, 983-91 (2002).
Simon, W. A., E. Sturm, H. J. Hartmann, U. Weser, Hydroxyl radical scavenging reactivity of proton pump inhibitors. Biochem Pharmacol. 71, 1337-41 (2006).
Sitton, E., Early and late radiation-induced skin alterations. Part II: Nursing care of irradiated skin. Oncol Nurs Forum. 19, 907-12 (1992).
Spugnini, E. P., A. Baldi, S. Buglioni, F. Carocci, G. M. de Bazzichini, G. Betti, I. Pantaleo, F. Menicagli, G. Citro, S. Fais, Lansoprazole as a rescue agent in chemoresistant tumors: a phase I/II study in companion animals with spontaneously occurring tumors. J Transl Med. 9, 221 (2011).
Trotti, A., R. Byhardt, J. Stetz, C. Gwede, B. Corn, K. Fu, L. Gunderson, B. McCormick, M. Morrisintegral, T. Rich, W. Shipley, W. Curran, Common toxicity criteria: version 2.0. an improved reference for grading the acute effects of cancer treatment: impact on radiotherapy. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 47, 13-47 (2000).
Ulff, E., M. Maroti, J. Serup, U. Falkmer, A potent steroid cream is superior to emollients in reducing acute radiation dermatitis in breast cancer patients treated with adjuvant radiotherapy. A randomised study of betamethasone versus two moisturizing creams. Radiother Oncol. 108, 287-92 (2013).
U.S. DEPARTMENT OF HEALTH AND HUMAN SERVICES. Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) Version 4.0. National Cancer Institute, (2009).
von Neubeck, C., H. Shankaran, N. J. Karin, P. M. Kauer, W. B. Chrisler, X. Wang, R. J. Robinson, K. M. Waters, S. C. Tilton, M. B. Sowa, Cell type-dependent gene transcription profile in a three-dimensional human skin tissue model exposed to low doses of ionizing radiation: implications for medical exposures. Environ Mol Mutagen. 53, 247-59 (2012).
Wells, M., M. Macmillan, G. Raab, S. MacBride, N. Bell, K. MacKinnon, H. MacDougall, L. Samuel, A. Munro, Does aqueous or sucralfate cream affect the severity of erythematous radiation skin reactions? A randomised controlled trial. Radiother Oncol. 73, 153-62 (2004).
Yoshida, N., T. Yoshikawa, Y. Tanaka, N. Fujita, K. Kassai, Y. Naito, M. Kondo, A new mechanism for anti-inflammatory actions of proton pump inhibitors--inhibitory effects on neutrophil-endothelial cell interactions. Aliment Pharmacol Ther. 14 Suppl 1, 74-81 (2000).
Wang, X., C. Liu, J. Wang, Y. Fan, Z. Wang, Y. Wang, Proton pump inhibitors increase the chemosensitivity of patients with advanced colorectal cancer. Oncotarget. 8, 58801-58808 (2017).
【0150】
本開示およびその利点が詳しく説明されているが、様々な変化、置換および変更が、添付された請求項によって規定されるような設計の精神および範囲から逸脱することなく本明細書中において行われ得ることを理解しなければならない。そのうえ、本出願の範囲は、本明細書に記載されるプロセス、装置、製造、組成物、手段、方法および工程の特定の実施形態に限定されることは意図されない。当業者は本開示から容易に理解するであろうように、本明細書中に記載される対応する実施形態と実質的に同じ機能を果たす、または本明細書中に記載される対応する実施形態と実質的に同じ結果を達成するプロセス、装置、製造、組成物、手段、方法または工程は、現在存在するものであろうと、または後に開発されることなるものであろうと、本開示に従って利用される場合がある。したがって、添付された請求項は、そのようなプロセス、装置、製造、組成物、手段、方法または工程をその範囲内に含むことが意図される。