(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
の化合物を含む修飾ポリマー及び移植可能な要素、並びにその組成物及び使用方法が本明細書に記載されている。特に、この化合物、修飾ポリマー、移植可能な要素及び関連する組成物は、患者の疾患、障害又は状態の予防及び処置のための方法に使用され得る。(II−b)
前記ポリマーが、0.1〜10重量%のNの、(非修飾ポリマーと比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、前記修飾ポリマー中の式(II)の化合物の量に相当する、請求項1〜26のいずれか一項に記載のポリマー。
前記ポリマーが、1〜10重量%のNの、(非修飾ポリマーと比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、前記修飾ポリマー中の式(II)の化合物の量に相当する、請求項1〜27のいずれか一項に記載のポリマー。
前記ポリマーが、2〜8重量%のNの、(非修飾ポリマーと比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、前記修飾ポリマー中の式(II)の化合物の量に相当する、請求項1〜28のいずれか一項に記載のポリマー。
前記アルギン酸塩が、0.1〜10重量%のNの、(非修飾ポリマーと比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、前記修飾アルギン酸塩中の式(II)の化合物の量に相当する、請求項30〜51のいずれか一項に記載のアルギン酸塩。
前記アルギン酸塩が、1〜10重量%のNの、(非修飾ポリマーと比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、前記修飾アルギン酸塩中の式(II)の化合物の量に相当する、請求項30〜52のいずれか一項に記載のアルギン酸塩。
前記アルギン酸塩が、2〜8重量%のNの、(非修飾ポリマーと比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、前記修飾アルギン酸塩中の式(II)の化合物の量に相当する、請求項30〜53のいずれか一項に記載のアルギン酸塩。
前記移植可能な要素(例えば、デバイス又は材料)が、物質、例えば、治療薬を提供する細胞、例えば、組み換え細胞を含む、請求項55〜57のいずれか一項に記載の移植可能な要素。
前記ポリペプチドが、第VIII因子タンパク質又はその変異体、又は第IX因子タンパク質又はその変異体を含む、請求項55〜61のいずれか一項に記載の移植可能な要素。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、化合物、例えば、式(I)の化合物、式(II)の化合物で修飾されたポリマー、及び式(II)の化合物を含む移植可能な要素(例えば、デバイス及び材料)、並びにその関連する組成物及び使用方法を提供する。特に、式(I)の化合物並びに式(II)の化合物を含むポリマー及び移植可能な要素は、患者の疾患、障害又は状態の予防及び処置のための方法に使用され得る。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物、並びに式(II)の化合物、並びにそれらの薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、立体異性体、同位体で標識された誘導体を含むポリマー及び移植可能な要素は、患者の免疫応答を調節する、例えば、患者の免疫応答を上方制御又は下方制御することが可能である。
【0013】
定義
本発明がより容易に理解され得るように、いくつかの専門用語及び科学用語が、以下に具体的に定義される。本明細書の他の箇所に特に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての他の専門用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。
【0014】
添付の特許請求の範囲を含め、本明細書において用いられるところ、「a」、「an」、及び「the」などの単数形の用語は、文脈上特に明記されない限り、それらの対応する複数形の指示対象を含む。
【0015】
「約」は、本明細書において、数値的に定義されるパラメータ(例えば、直径、球形度、粒子中の細胞数、調製物中の粒子の数などの、本明細書に記載のポリマー又は移植可能な要素の物理的な説明)を修飾するのに用いられるとき、パラメータが、そのパラメータについて規定される数値を15%程度上回るか又は下回って変化し得ることを意味する。例えば、約1.5ミリメートル(mm)の直径を有し、約5百万(M)個の細胞を封入すると定義される移植可能な要素は、1.275〜1.725mmの直径を有してもよく、約4.25M〜5.75M個の細胞を封入し得る。いくつかの実施形態において、約は、パラメータが、そのパラメータについて規定される数値を10%程度上回るか又は下回って変化し得ることを意味する。
【0016】
本明細書において用いられるところ、「取得する(Acquire)」又は「取得している(acquiring)」は、値又は物理的エンティティを「直接的に取得する」又は「間接的に取得する」ことによる、値(例えば数値若しくはイメージ)、又は、物理的エンティティ(例えばサンプル)の入手を達成することを指す。「直接的に取得する」とは、プロセスを実施(例えば分析方法又はプロトコルの実施)して、値又は物理的エンティティを得ることを意味する。「間接的に取得する」とは、他の団体又は提供者(例えば、物理的エンティティ又は値を直接的に取得した第三者の実験室)から値又は物理的エンティティを受け取ることを指す。値又は物理的エンティティを直接的に取得するステップは、物理的な物質における物理的な変更、又は、機器若しくはデバイスの使用を含むプロセスの実施を含む。値を直接的に取得するステップの例としては、ヒト患者からのサンプルの入手が挙げられる。値を直接的に取得するステップは、例えば、蛍光顕微鏡データを取得する蛍光顕微鏡といった、機器又はデバイスを使用するプロセスの実施を含む。
【0017】
「投与する(administer)」、「投与している(administering)」、又は「投与(administration)」は、本明細書において用いられるところ、本明細書に記載のエンティティ(例えば、第1の区画、第2の区画、及び式(I)の化合物を含む粒子(細胞、例えば、組み換えRPE細胞を封入する粒子を含む)、又は前記粒子を含む組成物)を、移植、吸収、経口摂取、注入、若しくは他の形で導入すること、又は患者にこれを提供することを指す。
【0018】
「細胞」は、本明細書において用いられるところ、組み換え細胞又は組み換えが行われていない細胞を指す。
【0019】
「有効量」は、本明細書において用いられるところ、例えば、疾病、障害、又は状態を処置するための生物学的応答を誘発するために十分な、細胞、例えば、組み換え細胞、又は細胞、例えば、組み換え細胞によって産生される薬剤、例えば、治療薬を、例えばさらに含む、本明細書に記載の化合物、修飾ポリマー、又は化合物を含む移植可能な要素の量を指す。当業者に認識されるであろうとおり、有効量は、所望される生物学的エンドポイント、治療薬、組成物又は移植可能な要素の薬物動態学的、処置される状態、投与形態、並びに、患者の年齢及び健康状態などの要因に応じて様々であり得る。有効量は、治療的及び予防的処置を包含する。例えば、線維症状態を処置するために、化合物の有効量は、線維症を低減させるか、又は、線維組織の増殖若しくは転移を停止させ得る。
【0020】
本明細書において用いられるところ、「内因性の核酸」とは、患者の細胞内で自然に生じる核酸である。
【0021】
本明細書において用いられるところ、「内因性のポリペプチド」とは、患者の細胞内で自然に生じるポリペプチドである。
【0022】
本明細書において用いられるところ、「組み換え細胞」とは、天然のものではない改変を有する細胞であり、典型的には、同様の条件下で組み換えがなされていない他の同様の細胞中に存在していない(又は、異なるレベルで存在する)核酸配列(例えば、DNA又はRNA)又はポリペプチドを含む(外因性の核酸配列)。実施形態において、組み換え細胞は外因性の核酸を含む(例えば、ベクター又は改変染色体配列)。実施形態において、組み換え細胞は、外因性のポリペプチドを含む。実施形態において、組み換え細胞は、組み換えがなされていない同様の細胞に存在しない外因性の核酸配列、例えば配列、例えばDNA又はRNAを含む。実施形態において、外因性の核酸配列は染色体性であり、例えば、外因性の核酸配列は、内因性の染色体配列中に配置された外因性の配列である。実施形態において、外因性の核酸配列は、染色体性又は染色体外性である、例えば非組み込み型ベクターである。実施形態において、外因性の核酸配列は、RNA配列、例えば、mRNAを含む。実施形態において、外因性の核酸配列は、RNAとして発現される配列、例えばmRNA又は調節RNAを含む染色体性又は染色体外性の外因性の核酸配列を含む。実施形態において、外因性の核酸配列は、ポリペプチドをコードする配列、又は、ポリペプチドとして発現される配列を含む染色体性又は染色体外性の核酸配列を含む。実施形態において、外因性の核酸配列は、第2の核酸配列の立体構造又は発現を調節する第1の染色体性又は染色体外性の外因性の核酸配列を含み、ここで、第2のアミノ酸配列は外因性又は内因性であることが可能である。例えば、組み換え細胞は、内因性の配列の発現を制御する外因性の核酸を含んでいることが可能である。実施形態において、組み換え細胞は、組み換えがなされていない同様の細胞において見出されるレベルとは異なるレベル又は分布で存在するポリペプチドを含み得る。実施形態において、組み換え細胞は、RNA又はポリペプチドを提供するように組み換えられた細胞を含む。例えば、組み換え細胞は、RNAとして発現される配列、例えば、mRNA又は調節RNAを含む染色体性又は染色体外性の外因性の核酸配列を含む、外因性の核酸配列を含み得る。実施形態において、組み換え細胞は、ポリペプチドをコードする配列、又は、ポリペプチドとして発現される配列を含む染色体性又は染色体外性の核酸配列を含む、外因性の核酸配列を含む。実施形態において、組み換え細胞は、内因性の配列の配置又は発現を調節する外因性の核酸配列を含む。
【0023】
本明細書において用いられるところ、「外因性の核酸」は、患者細胞内で天然に存在しない核酸である。
【0024】
本明細書において用いられるところ、「外因性のポリペプチド」は、患者細胞内で天然に存在しないポリペプチドである。
【0025】
「移植可能な要素」は、本明細書において用いられるところ、細胞、例えば、複数の細胞、例えば、細胞のクラスターを含み、ここで、1つ又は複数の細胞は、封入構成要素(この封入構成要素は細胞以外である)中に完全に又は部分的に配置されており、例えば、封入構成要素は非細胞構成要素を含む。「移植可能な要素」という用語は、本明細書に記載のデバイス又は材料を含む。一実施形態において、移植可能な要素は、封入された1つ又は複数の細胞に対する免疫攻撃、又は免疫攻撃の影響を阻害する。一実施形態において、移植可能な要素は、半透膜又は半透性ポリマーマトリックス若しくはコーティングを含む。典型的には、移植可能な要素は、例えば、栄養分及び老廃物といった小分子の流過を許容する。典型的には、移植可能な要素は、封入構成要素中に配置された細胞によって放出される産物(例えば、治療的ポリペプチド)の流過を許容する。一実施形態において、移植可能な要素中に配置することで、移植可能な要素に向けられる、例えば、移植可能な要素中の細胞に対する、宿主応答(例えば、免疫応答、例えば、線維化応答)の影響が、例えば、移植可能な要素中に配置されていない同様の細胞と比して最低限とされる。本明細書に記載の移植可能な要素は、移植可能な要素に向けられる、例えば、封入構成要素又は移植可能な要素中の細胞に対する、患者の免疫応答、例えば、線維化応答の影響を、例えば、化合物を含まない同様の又は化合物を含まない以外は同一の移植可能な要素と比して最低限とする式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素(例えば、デバイス又は材料)は、本明細書に記載の化合物、例えば、式(II)の化合物に付随している(例えば、直接付随している)。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物は、移植可能な要素(例えば、デバイス又は材料)に直接結合される。いくつかの実施形態において、移植可能な要素(例えば、デバイス又は材料)は、式(II)の化合物で修飾されたポリマーを含む。
【0026】
「ポリペプチド」は、本明細書において用いられるところ、ペプチド結合を介して結合されたアミノ酸残基を含み、少なくとも2、実施形態において、少なくとも10、100、又は200のアミノ酸残基を有するポリマーを指す。
【0027】
本明細書において用いられるところ、「予防(prevention)」、「予防する(prevent)」、及び「予防している(preventing)」は、投与又は治療の適用を含む処置であって、例えば、細胞をカプセル化する移植可能な要素の組成物(例えば、本明細書に記載の)を、疾病、障害、又は状態の発症の前に、前記疾病、障害、又は状態に係る物理的徴候を妨げるために投与するステップを含む処置を指す。いくつかの実施形態において、「予防(prevention)」、「予防する(prevent)」及び「予防(preventing)」は、疾病、障害又は状態の兆候又は症状が未だ発生していないか、又は、実測されていないことが必要とされる。いくつかの実施形態において、処置は、予防を含み、他の実施形態においては含まない。
【0028】
「置換治療」又は「置換タンパク質」は、タンパク質の減少、変性又は欠乏に関連する疾病又は状態にある患者において減少している、不十分な量で存在している、変性した(例えば、変異した)、又は、欠乏しているタンパク質を置換又は増大させる治療用タンパク質又はその機能性画分である。例は、一定の血液凝固障害における一定の血液凝固因子、又は、一定のライソゾーム蓄積症における一定のライソゾーム酵素である。実施形態において、置換治療又は置換タンパク質は、内因性のタンパク質の機能が提供される。実施形態において、置換治療又は置換タンパク質は、置換されるタンパク質の、例えば野生型対立遺伝子又は障害に関連していない対立遺伝子といった天然の変異体と同一のアミノ酸配列を有する。実施形態において、又は置換治療若しくは置換タンパク質は、例えば野生型対立遺伝子又は障害に関連していない対立遺伝子であって、例えば患者が有する対立遺伝子といった天然変異体とは、アミノ酸残基の約1、2、3、4、5、10、15又は20%以下でアミノ酸配列が異なる。
【0029】
本明細書において用いられるところ、「患者」は、ヒト又は非ヒト動物を指す。実施形態において、患者はヒト(すなわち、例えば任意の年齢群の男性又は女性、小児科の患者(例えば乳児、小児、青年)又は成人患者(例えば、若年成人、中年成人、又は老人))である。実施形態において、患者は、非ヒト動物、例えば哺乳動物(例えば、霊長類(例えばカニクイザル又はアカゲザル))である。実施形態において、患者は、商業的に関連する哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、又はイヌ)又は鳥類(例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、又はシチメンチョウなどの商業的に関連する鳥類)である。一定の実施形態において、動物は哺乳動物である。動物は、オス又はメスであり得、任意の成長段階であり得る。非ヒト動物は遺伝子組み換え動物であり得る。
【0030】
本明細書において用いられるところ、「処置(treatment)」、「処置する(treat)」、及び「処置している(treating)」は、疾病、障害、若しくは状態の発症の低減、逆転、緩和、遅延の1つ以上、又は疾病、障害、若しくは状態の症状、兆候、若しくは基礎原因の1つ以上の進行の阻害を指す。実施形態において、処置は、疾病、障害若しくは状態の発症の低減、逆転、緩和、遅延、又は、疾病、障害若しくは状態の症状の進行の阻害を含む。実施形態において、処置は、疾病、障害若しくは状態の発症の低減、逆転、緩和、遅延、又は、疾病、障害若しくは状態の兆候の進行の阻害を含む。実施形態において、処置は、疾病、障害又は状態の基礎原因の発症の低減、逆転、緩和、低減又は遅延を含む。いくつかの実施形態において、「処置(treatment)」、「処置する(treat)」及び「処置している(treating)」は、疾病、障害又は状態の兆候又は症状が発生しているか、又は、実測されていることを必要とする。他の実施形態において、処置は、疾病又は状態の兆候又は症状が不在でも、例えば予防的処置で投与されてもよい。例えば、処置は、症状の発症(例えば、症状の履歴を考慮して、及び/又は、遺伝的又は他の感受性要因を鑑みて)の前に感受性の個体に投与され得る。処置はまた、例えば再発を遅延又は予防するために、症状が回復した後も継続してもよい。いくつかの実施形態において、処置は予防を含み、他の実施形態においては含まない。
【0031】
選択される化学的定義
特定の官能基及び化学用語の定義を以下により詳細に記載する。化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics,75
th Ed.の内表紙のPeriodoic Table of the Elements,CAS versionに従って識別し、特定の官能基は、ここに記載されているとおり通常どおり定義している。また、有機化学の一般原則、並びに特定の官能基部分及び反応性は、Thomas Sorrell,Organic Chemistry,University Science Books,Sausalito、1999;Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry,5
th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York、2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York、1989;及びCarruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3
rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されている。
【0032】
本明細書で用いている略語は、化学及び生物学の技術分野におけるその従来の意味を有する。本明細書に記載の化学構造及び式は、化学技術分野において既知である化学原子価に係る標準的な規則に従って構成されている。
【0033】
値の範囲が列挙されている場合、範囲中の各値及び部分範囲が包含されることが意図されている。例えば「C
1〜C
6アルキル」は、C
1、C
2、C
3、C
4、C
5、C
6、C
1〜C
6、C
1〜C
5、C
1〜C
4、C
1〜C
3、C
1〜C
2、C
2〜C
6、C
2〜C
5、C
2〜C
4、C
2〜C
3、C
3〜C
6、C
3〜C
5、C
3〜C
4、C
4〜C
6、C
4〜C
5、及びC
5〜C
6アルキルを包含することが意図されている。
【0034】
本明細書において用いられるところ、「アルキル」は、1〜24個の炭素原子(「C
1〜C
24アルキル」)を有する直鎖又は分岐飽和炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜12個の炭素原子(「C
1〜C
12アルキル」)、1〜8個の炭素原子(「C
1〜C
8アルキル」)、1〜6個の炭素原子(「C
1〜C
6アルキル」)、1〜5個の炭素原子(「C
1〜C
5アルキル」)、1〜4個の炭素原子(「C
1〜C
4アルキル」)、1〜3個の炭素原子(「C
1〜C
3アルキル」)、1〜2個の炭素原子(「C
1〜C
2アルキル」)、又は1個の炭素原子を有する(「C
1アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C
2〜C
6アルキル」)。C
1〜C
6アルキル基の例としては、メチル(C
1)、エチル(C
2)、n−プロピル(C
3)、イソプロピル(C
3)、n−ブチル(C
4)、tert−ブチル(C
4)、sec−ブチル(C
4)、イソ−ブチル(C
4)、n−ペンチル(C
5)、3−ペンタニル(C
5)、アミル(C
5)、ネオペンチル(C
5)、3−メチル−2−ブタニル(C
5)、第三級アミル(C
5)、及びn−ヘキシル(C
6)が挙げられる。アルキル基の追加の例としては、n−ヘプチル(C
7)、n−オクチル(C
8)などが挙げられる。アルキル基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換アルキル」)又は1個以上の置換基(例えば、実例として、1〜5個の置換基、1〜3個の置換基、又は1個の置換基)で置換されている(「置換アルキル」)。
【0035】
本明細書において用いられるところ、「アルケニル」は、2〜24個の炭素原子、1つ以上の炭素−炭素二重結合を有し、及び三重結合を有さない直鎖又は分岐炭化水素基のラジカル(「C
2〜C
24アルケニル」)を指す。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2〜10個の炭素原子(「C
2〜C
10アルケニル」)、2〜8個の炭素原子(「C
2〜C
8アルケニル」)、2〜6個の炭素原子(「C
2〜C
6アルケニル」)、2〜5個の炭素原子(「C
2〜C
5アルケニル」)、2〜4個の炭素原子(「C
2〜C
4アルケニル」)、2〜3個の炭素原子(「C
2〜C
3アルケニル」)、又は2個の炭素原子を有する(「C
2アルケニル」)。1つ以上の炭素−炭素二重結合は、中間(2−ブテニルにおけるものなど)又は末端(1−ブテニルにおけるものなど)であることが可能である。C
2〜C
4アルケニル基の例としては、エテニル(C
2)、1−プロペニル(C
3)、2−プロペニル(C
3)、1−ブテニル(C
4)、2−ブテニル(C
4)、ブタジエニル(C
4)などが挙げられる。C
2〜C
6アルケニル基の例としては、前述のC
2〜4アルケニル基並びにペンテニル(C
5)、ペンタジエニル(C
5)、ヘキセニル(C
6)などが挙げられる。アルケニル基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換アルケニル」)又は1個以上の置換基(例えば、実例として、1〜5個の置換基、1〜3個の置換基、又は1個の置換基)で置換されている(「置換アルケニル」)。
【0036】
本明細書において用いられるところ、「アルキニル」という用語は、2〜24個の炭素原子、1つ以上の炭素−炭素三重結合を有する直鎖又は分岐炭化水素基のラジカル(「C
2〜C
24アルケニル」)を指す。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2〜10個の炭素原子(「C
2〜C
10アルキニル」)、2〜8個の炭素原子(「C
2〜C
8アルキニル」)、2〜6個の炭素原子(「C
2〜C
6アルキニル」)、2〜5個の炭素原子(「C
2〜C
5アルキニル」)、2〜4個の炭素原子(「C
2〜C
4アルキニル」)、2〜3個の炭素原子(「C
2〜C
3アルキニル」)、又は2個の炭素原子を有する(「C
2アルキニル」)。1つ以上の炭素−炭素三重結合は、中間(2−ブチニルにおけるものなど)又は末端(1−ブチニルにおけるものなど)であることが可能である。C
2〜C
4アルキニル基の例としては、エチニル(C
2)、1−プロピニル(C
3)、2−プロピニル(C
3)、1−ブチニル(C
4)、2−ブチニル(C
4)などが挙げられる。アルキニル基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換アルキニル」)又は1個以上の置換基(例えば、実例として、1〜5個の置換基、1〜3個の置換基、又は1個の置換基)で置換されている(「置換アルキニル」)。
【0037】
本明細書において用いられるところ、「ヘテロアルキル」という用語は、非環式の安定な直鎖若しくは分岐鎖、又はこれらの組み合わせであって、少なくとも1個の炭素原子と、O、N、P、Si、及びSからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子とを含むものを指し、ここで、窒素原子及び硫黄原子は任意選択により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は任意選択により四級化されていてもよい。ヘテロ原子O、N、P、S、及びSiは、ヘテロアルキル基の任意の位置に配置されていてもよい。例示的なヘテロアルキル基としては、これらに限定されないが:−CH
2−CH
2−O−CH
3、−CH
2−CH
2−NH−CH
3、−CH
2−CH
2−N(CH
3)−CH
3、−CH
2−S−CH
2−CH
3、−CH
2−CH
2、−S(O)−CH
3、−CH
2−CH
2−S(O)
2−CH
3、−CH=CH−O−CH
3、−Si(CH
3)
3、−CH
2−CH=N−OCH
3、−CH=CH−N(CH
3)−CH
3、−O−CH
3、及び−O−CH
2−CH
3が挙げられる。2個又は3個以下のヘテロ原子が連続していてもよい(例えば−CH
2−NH−OCH
3及び−CH
2−O−Si(CH
3)
3など)。「ヘテロアルキル」が引用され、続いて、特定のヘテロアルキル基が引用されている場合(−CH
2O、−NR
CR
Dなど)、用語ヘテロアルキル及び−CH
2O又は−NR
CR
Dは、重複していないか、又は相互に排他的ではないことが理解されるであろう。むしろ、特定のヘテロアルキル基が追加的な明確さのために引用されている。それ故、「ヘテロアルキル」という用語は、−CH
2O、−NR
CR
Dなどの特定のヘテロアルキル基を排除していると本明細書において解釈されるべきではない。
【0038】
「アルキレン」、「アルケニレン」、「アルキニレン」、又は「ヘテロアルキレン」という用語は、単独で、又は他の置換基の一部として、別段の定めがある場合を除き、それぞれ、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルから誘導される二価ラジカルを意味する。アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、又はヘテロアルキレン基は、例えば、C
1〜C
6員アルキレン、C
2〜C
6員アルケニレン、C
2〜C
6員アルキニレン、又はC
1〜C
6員ヘテロアルキレンと記載され得、ここで、「員」という用語は、部分中の非水素原子を指す。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子は、一方又は両方の鎖終端を占有することも可能である(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。さらに、アルキレン及びヘテロアルキレン連結基について、連結基の式が書かれている方向によって連結基の向きは示唆されていない。例えば、式−C(O)
2R’−は、−C(O)
2R’−及び−R’C(O)
2−の両方を表し得る。
【0039】
本明細書において用いられるところ、「アリール」は、6〜14個の環炭素原子及びゼロ個のヘテロ原子を芳香族環系中に有する(「C
6〜C
14アリール」)、単環式又は多環式(例えば、二環式又は三環式)4n+2芳香族環系(例えば、環式アレイにおいて共有される6、10、又は14個のπ電子を有する)のラジカルを指す。いくつかの実施形態において、アリール基は6個の環炭素原子を有する(「C
6アリール」;例えば、フェニル)。いくつかの実施形態において、アリール基は10個の環炭素原子を有する(「C
10アリール」;例えば、1−ナフチル及び2−ナフチルなどのナフチル)。いくつかの実施形態において、アリール基は14個の環炭素原子を有する(「C
14アリール」;例えば、アントラシル)。アリール基は、例えば、C
6〜C
10員アリールと記載され得、ここで、「員」という用語は、部分中の非水素環原子を指す。アリール基としては、フェニル、ナフチル、インデニル、及びテトラヒドロナフチルが挙げられる。アリール基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換アリール」)又は1個以上の置換基で置換されている(「置換アリール」)。
【0040】
本明細書において用いられるところ、「ヘテロアリール」は、環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を芳香族環系中に有する5〜10員単環式又は二環式4n+2芳香族環系(例えば、環式アレイにおいて共有される6又は10個のπ電子を有する)のラジカルを指し、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される(「5〜10員ヘテロアリール」)。1個以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、結合点は、原子価的に許容されるとおり、炭素又は窒素原子であることが可能である。ヘテロアリール二環系は、1個以上のヘテロ原子を一方又は両方の環中に含んでいることが可能である。「ヘテロアリール」はまた、上記に定義されているヘテロアリール環が、1個以上のアリール基と縮合しており、結合点がアリール又はヘテロアリール環のいずれかにある環系を含み、このような実例において、環員の数は、縮合(アリール/ヘテロアリール)環系中の環員の数を示す。一方の環がヘテロ原子を含有しない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)において、結合点は、いずれかの環にあることが可能であり、すなわち、結合点は、ヘテロ原子を有する環(例えば、2−インドリル)又はヘテロ原子を含有しない環(例えば、5−インドリル)のいずれかにあることが可能である。ヘテロアリール基は、例えば6〜10員ヘテロアリールと記載され得、ここで、「員」という用語は、部分中の非水素環原子を指す。
【0041】
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を芳香族環系中に有する5〜10員芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される(「5〜10員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を芳香族環系中に有する5〜8員芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される(「5〜8員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を芳香族環系中に有する5〜6員芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される(「5〜6員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。ヘテロアリール基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換ヘテロアリール」)又は1個以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール」)。
【0042】
1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピロリル、フラニル及びチオフェニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、及びイソチアゾリルが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、トリアゾリル、オキサジアゾリル、及びチアジアゾリルが挙げられる。4個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、テトラゾリルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリジニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリダジニル、ピリミジニル、及びピラジニルが挙げられる。3又は4個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、それぞれトリアジニル及びテトラジニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロアリール基としては、限定されないが、アゼピニル、オキセピニル、及びチエピニルが挙げられる。例示的な5,6−二環式ヘテロアリール基としては、限定されないが、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、及びプリニルが挙げられる。例示的な6,6−二環式ヘテロアリール基としては、限定されないが、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルが挙げられる。他の例示的なヘテロアリール基としては、ヘム及びヘム誘導体が挙げられる。
【0043】
本明細書において用いられるところ、「アリーレン」及び「ヘテロアリーレン」という用語は、単独で、又は他の置換基の一部として、それぞれ、アリール及びヘテロアリールから誘導される二価ラジカルを意味する。
【0044】
本明細書において用いられるところ、「シクロアルキル」は、3〜10個の環炭素原子(「C
3〜C
10シクロアルキル」)及びゼロ個のヘテロ原子を非芳香族環系中に有する非芳香族環状炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3〜8個の環炭素原子(「C
3〜C
8シクロアルキル」)、3〜6個の環炭素原子(「C
3〜C
6シクロアルキル」)、又は5〜10個の環炭素原子を有する(「C
5〜C
10シクロアルキル」)。シクロアルキル基は、例えば、C
4〜C
7員シクロアルキルと記載され得、ここで、「員」という用語は、部分中の非水素環原子を指す。例示的なC
3〜C
6シクロアルキル基としては、限定されないが、シクロプロピル(C
3)、シクロプロペニル(C
3)、シクロブチル(C
4)、シクロブテニル(C
4)、シクロペンチル(C
5)、シクロペンテニル(C
5)、シクロヘキシル(C
6)、シクロヘキセニル(C
6)、シクロヘキサジエニル(C
6)などが挙げられる。例示的なC
3〜C
8シクロアルキル基としては、限定されないが、前述のC
3〜C
6シクロアルキル基並びにシクロヘプチル(C
7)、シクロヘプテニル(C
7)、シクロヘプタジエニル(C
7)、シクロヘプタトリエニル(C
7)、シクロオクチル(C
8)、シクロオクテニル(C
8)、クバニル(C
8)、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル(C
5)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C
8)、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル(C
6)、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル(C
7)などが挙げられる。例示的なC
3〜C
10シクロアルキル基としては、限定されないが、前述のC
3〜C
8シクロアルキル基並びにシクロノニル(C
9)、シクロノネニル(C
9)、シクロデシル(C
10)、シクロデセニル(C
10)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C
9)、デカヒドロナフタレニル(C
10)、スピロ[4.5]デカニル(C
10)などが挙げられる。前述の例に例示されているとおり、一定の実施形態において、シクロアルキル基は、単環式(「単環式シクロアルキル」)であるか、又は二環系などの縮合、架橋若しくはスピロ環系を含有し(「二環式シクロアルキル」)、また、飽和であることが可能であり、又は部分不飽和であることが可能である。「シクロアルキル」はまた、上記に定義されているシクロアルキル環が、1個以上のアリール基と縮合しており、結合点がシクロアルキル環にある環系を含み、このような実例において、炭素の数は引き続きシクロアルキル環系中の炭素の数を示す。シクロアルキル基の各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換シクロアルキル」)又は1個以上の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。
【0045】
本明細書において用いられるところ、「ヘテロシクリル」は、環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を有する3〜10員非芳香族環系のラジカルを指し、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から独立して選択される(「3〜10員ヘテロシクリル」)。1個以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、結合点は、原子価的に許容されるとおり、炭素又は窒素原子であることが可能である。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)又は二環系などの縮合、架橋若しくはスピロ環系(「二環式ヘテロシクリル」)であることが可能であり、また、飽和であることが可能であり、又は部分不飽和であることが可能である。ヘテロシクリル二環系は、1個以上のヘテロ原子を一方又は両方の環中に含んでいることが可能である。「ヘテロシクリル」はまた、上記に定義されているヘテロシクリル環が、1個以上のシクロアルキル基と縮合しており、結合点がシクロアルキル又はヘテロシクリル環のいずれかにある環系、又は上記に定義されているヘテロシクリル環が、1個以上のアリール又はヘテロアリール基と縮合しており、結合点がヘテロシクリル環にある環系を含み、このような実例において、環員の数は引き続きヘテロシクリル環系中の環員の数を示す。ヘテロシクリル基は、例えば、3〜7員ヘテロシクリルと記載され得、ここで、「員」という用語は、部分中における、非水素環原子、すなわち、炭素、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素を指す。ヘテロシクリルの各実例は独立して任意選択により置換され得、すなわち、非置換であるか(「非置換ヘテロシクリル」)又は1個以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。一定の実施形態において、ヘテロシクリル基は非置換3〜10員ヘテロシクリルである。一定の実施形態において、ヘテロシクリル基は置換3〜10員ヘテロシクリルである。
【0046】
いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜10員非芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から独立して選択される(「5〜10員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜8員非芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される(「5〜8員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜6員非芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される(「5〜6員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
【0047】
1個のヘテロ原子を含有する例示的な3員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アジルジニル(azirdinyl)、オキシラニル、チオレニル(thiorenyl)が挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な4員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゼチジニル、オキセタニル及びチエタニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル及びピロリル−2,5−ジオンが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、及びオキサゾリジン−2−オンが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、及びチアジアゾリニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、及びチアニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、トリアジナニル又はチオモルホリニル−1,1−ジオキシドが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゼパニル、オキセパニル及びチエパニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な8員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゾカニル、オキセカニル及びチオカニルが挙げられる。C
6アリール環に縮合した例示的な5員ヘテロシクリル基(本明細書において、5,6−二環式複素環とも称される)としては、限定されないが、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニルなどが挙げられる。アリール環に縮合した例示的な6員ヘテロシクリル基(本明細書において、6,6−二環式複素環とも称される)としては、限定されないが、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられる。
【0048】
本明細書において用いられるところ、「アミノ」は、ラジカル−NR
CR
Dを指し、ここで、R
C及びR
Dは各々独立して、水素、C
1〜C
12アルキル、C
3〜C
10シクロアルキル、C
3〜C
10ヘテロシクリル、C
6〜C
10アリール、及びC
5〜C
10ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、アミノはNH
2を指す。
【0049】
本明細書において用いられるところ、「シアノ」はラジカル−CNを指す。
【0050】
本明細書において用いられるところ、「ハロ」又は「ハロゲン」は、独立して、又は他の置換基の一部として、別段の定めがある場合を除き、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、又はヨウ素(I)原子を意味する。
【0051】
本明細書において用いられるところ、「ヒドロキシ」はラジカル−OHを指す。
【0052】
本明細書において定義されるところ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール基は、任意選択により置換されている(例えば、「置換」若しくは「非置換」アルキル、「置換」若しくは「非置換」アルケニル、「置換」若しくは「非置換」アルキニル、「置換」若しくは「非置換」ヘテロアルキル、「置換」若しくは「非置換」シクロアルキル、「置換」若しくは「非置換」ヘテロシクリル、「置換」若しくは「非置換」アリール又は「置換」若しくは「非置換」ヘテロアリール基)。一般に、「置換されている」という用語は、用語「任意選択により」が先行しているか否かに関わらず、ある基(例えば炭素又は窒素原子)に存在する少なくとも1個の水素が許容される置換基で置き換えられることを意味し、この置換基は、例えば、置換により安定な化合物(例えば、再配列、環化、脱離、又は他の反応などによって自発的な変換を起こさない化合物)をもたらすものである。別段の定めがある場合を除き、「置換されている」基は、その基の1つ以上の置換可能な位置に置換基を有し、また、いずれかの所与の構造における2つ以上の位置が置換されている場合、この置換基は各位置において同一であるか又は異なる。「置換されている」という用語は、安定な化合物が形成される本明細書に記載の置換基のいずれかなどの、有機化合物のすべての許容可能な置換基による置換を含むことが想定される。本発明は、安定な化合物を得るためのあらゆるこのような組み合わせを想定する。本発明の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たすと共に、安定な部分の形成をもたらす、水素置換基及び/又は本明細書に記載のいずれかの好適な置換基を有し得る。
【0053】
2個以上の置換基は、任意選択により結合されて、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリル基を形成し得る。このようないわゆる環形成置換基は、典型的には、必須ではないが、環基礎構造に結合して見出される。一実施形態において、環形成置換基は基礎構造の隣接する構成員に結合している。例えば、環基礎構造の隣接する構成員に結合する2個の環形成置換基が、縮合環構造を形成する。他の実施形態において、環形成置換基は、基礎構造の単一の構成員に結合している。例えば、環基礎構造の単一の構成員に結合する2個の環形成置換基が、スピロ環式構造を形成する。さらに他の実施形態において、環形成置換基は、基礎構造の隣接していない構成員に結合している。
【0054】
本明細書に記載の式(I)及び式(II)の化合物は1つ以上の不斉中心を含んでいることが可能であり、それ故、例えば、鏡像異性体及び/又はジアステレオマーといった種々の異性形態で存在することが可能である。例えば、本明細書に記載の化合物は個々の鏡像異性体、ジアステレオマー若しくは幾何異性体の形態であることが可能であり、又はラセミ混合物及び1種以上の立体異性体が富化された混合物を含む立体異性体の混合物の形態であることが可能である。異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)、並びにキラル塩の形成及び結晶化を含む当業者に公知の方法によって混合物から単離可能であり;又は好ましい異性体は、不斉合成により調製可能である。例えば、Jacques et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience,New York,1981);Wilen et al.,Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill,NY,1962);及びWilen,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN 1972)を参照のこと。本発明はさらに、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、及び代わりに、種々の異性体の混合物として、本明細書に記載の化合物を含む。
【0055】
本明細書において用いられるところ、純粋な鏡像異性化合物は、化合物の他の鏡像異性体又は立体異性体を実質的に含まない(すなわち鏡像体過剰量である)。換言すると、「S」形態の化合物は「R」形態の化合物を実質的に含まず、それ故、「R」形態が鏡像体過剰量である。「鏡像異性体的に純粋な」又は「純粋な鏡像異性体」という用語は、化合物が、75重量%超、80重量%超、85重量%超、90重量%超、91重量%超、92重量%超、93重量%超、94重量%超、95重量%超、96重量%超、97重量%超、98重量%超、99重量%超、99.5重量%超、又は99.9重量%超の鏡像異性体を含むことを示す。一定の実施形態において、重量は、化合物のすべての鏡像異性体又は立体異性体の総重量に基づく。
【0056】
本明細書に記載の式(I)及び式(II)の化合物はまた、1つ以上の同位体置換を含んでいてもよい。例えば、Hは、
1H、
2H(D又は重水素)、及び
3H(T又は三重水素)を含むいずれかの同位体形態であり得;Cは、
12C、
13C、及び
14Cを含むいずれかの同位体形態であり得;Oは、
16O及び
18Oなどを含むいずれかの同位体形態であり得る。
【0057】
「薬学的に許容可能な塩」という用語は、本明細書に記載の化合物に見出される特定の置換基に応じて、比較的無毒の酸又は塩基を伴って調製される有効な化合物の塩を含むことを意味する。本開示において使用される化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合、塩基付加塩は、このような中性型の化合物を、十分な量の所望の塩基と、そのまま、又は好適な不活性溶剤中において接触させることにより得ることが可能である。薬学的に許容可能な塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、若しくはマグネシウム塩、又は同様の塩が挙げられる。本開示において使用される化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、酸付加塩は、このような中性型の化合物を、十分な量の所望の酸と、そのまま、又は好適な不活性溶剤中において接触させることにより得ることが可能である。薬学的に許容可能な酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、又は亜リン酸などのような無機酸から誘導されるものが挙げられ、並びに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような有機酸から誘導される塩が挙げられる。また、アルギニン酸塩などのアミノ酸の塩、及びグルクロン酸又はガラクツロン酸などのような有機酸の塩が含まれる(例えば、Berge et al,Journal of Pharmaceutical Science 66:1−19(1977)を参照のこと)。一定の本開示において使用される特定の化合物は、塩基又は酸付加塩への化合物の転換を可能とする塩基性及び酸性官能基の両方を含有する。これらの塩は、当業者に公知の方法によって調製され得る。当業者に公知である他の薬学的に許容可能なキャリアが本開示の使用において好適である。
【0058】
塩形態に追加して、本開示は、プロドラッグ形態の式(I)の化合物を用いてもよい。化合物のプロドラッグは、生理学的状態で化学変化を容易に生起して本発明において有用な化合物を提供する化合物である。さらに、プロドラッグは、エキソビボ環境における化学的又は生化学的方法によって式(I)又は式(II)の有用な化合物に転換されることが可能である。
【0059】
本明細書に記載の式(I)又は式(II)の一定の化合物は、非溶媒和形態、並びに水和物形態を含む溶媒和形態で存在することが可能である。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲内に包含される。本明細書に記載の式(I)又は式(II)の一定の化合物は、多数の結晶性又はアモルファス形態で存在し得る。一般に、すべての物理的形態が本開示によって想定される使用について同等であり、本開示の範囲内であることが意図されている。
【0060】
「溶媒和物」という用語は、通常は加溶剤分解反応による、溶剤に付随する化合物の形態を指す。この物理的な付随は水素結合を含み得る。従来の溶剤としては、水、メタノール、エタノール、酢酸、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテルなどが挙げられる。本明細書に記載の化合物は、例えば結晶形態で調製され得、溶媒和され得る。好適な溶媒和物としては、薬学的に許容可能な溶媒和物が挙げられ、さらに、化学量論的溶媒和物及び非化学量論的溶媒和物の両方が挙げられる。
【0061】
「水和物」という用語は、水に付随している化合物を指す。典型的には、化合物の水和物に含有される水分子の数は、水和物中の化合物分子の数に対する確定された割合である。従って、化合物の水和物は、例えば一般式R・x H
2O(式中、Rは化合物であり、xは0超の数字である)によって表され得る。
【0062】
「互変異性体」という用語は、本明細書において用いられるところ、化合物構造の相互変換可能な形態であって、水素原子及び電子の変位が様々である化合物を指す。それ故、2つの構造が、π電子及び原子(通常はH)の移動を介して平衡状態にあり得る。例えば、酸又は塩基のいずれかを伴う処理によって急速に相互変換されるため、エノール及びケトンは互変異性体である。互変異性体は、対象となる化合物の最適な化学反応性及び生物活性の獲得と関連性があり得る。
【0063】
本明細書において用いられるところ、記号
【化2】
は、エンティティ、例えば、ポリマー(例えば、アルギン酸塩などのヒドロゲル形成ポリマー)又は移植可能な要素(例えば、デバイス若しくは材料)への結合を指す。
【化3】
によって表される結合は、エンティティ、例えば、ポリマー又は移植可能な要素への直接結合を指してもよく、結合基を介したエンティティへの連結を指し得る。本明細書において用いられるところ、「結合基」は、エンティティ(例えば、本明細書に記載のポリマー又は移植可能な要素)への式(II)の化合物の連結のための部分を指し、当該技術分野において公知であるいずれかの結合化学を含み得る。例示的な結合基の列挙は、本明細書において参照によりその全体が援用される、Bioconjugate Techniques(3
rd ed,Greg T.Hermanson,Waltham,MA:Elsevier,Inc,2013)に概説されている。いくつかの実施形態において、結合基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)−、−OC(O)−、−N(R
C)−、−N(R
C)C(O)−、−C(O)N(R
C)−、−N(R
C)N(R
D)−、−NCN−、−C(=N(R
C)(R
D))O−、−S−、−S(O)
x−、−OS(O)
x−、−N(R
C)S(O)
x−、−S(O)
xN(R
C)−、−P(R
F)
y−、−Si(OR
A)
2−、−Si(R
G)(OR
A)−、−B(OR
A)−、又は金属を含み、ここで、R
A、R
C、R
D、R
F、R
G、x及びyの各々は、独立して本明細書に記載されているとおりである。いくつかの実施形態において、結合基は、アミン、ケトン、エステル、アミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はチオールを含む。いくつかの実施形態において、結合基は架橋剤である。いくつかの実施形態において、結合基は−C(O)(C
1〜C
6−アルキレン)−であり、ここで、アルキレンはR
1で置換され、R
1は本明細書に記載されているとおりである。いくつかの実施形態において、結合基は−C(O)(C
1〜C
6−アルキレン)−であり、ここで、アルキレンは、1〜2個のアルキル基(例えば、1〜2個のメチル基)で置換される。いくつかの実施形態において、結合基は−C(O)C(CH
3)
2−である。いくつかの実施形態において、結合基は−C(O)(メチレン)−であり、ここで、アルキレンは、1〜2個のアルキル基(例えば、1〜2個のメチル基)で置換される。いくつかの実施形態において、結合基は−C(O)CH(CH
3)−である。いくつかの実施形態において、結合基は−C(O)C(CH
3)−である。
【0064】
化合物
本発明は、式(I):
A−L
1−M−L
2−P−L
3−Z (I)
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を特徴とし、式中、
Aは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−O−、−C(O)O−、−C(O)−、−OC(O)−、−N(R
C)−、−N(R
C)C(O)−、−C(O)N(R
C)−、−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルキレン)−、−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルケニレン)−、−N(R
C)N(R
D)−、−NCN−、−C(=N(R
C)(R
D))O−、−S−、−S(O)
x−、−OS(O)
x−、−N(R
C)S(O)
x−、−S(O)
xN(R
C)−、−P(R
F)
y−、−Si(OR
A)
2−、−Si(R
G)(OR
A)−、−B(OR
A)−、又は金属であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、結合基(例えば、本明細書に定義される結合基)に結合され、1個以上のR
1で任意選択により置換されており;
L
1及びL
3の各々は独立して、結合、アルキル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、1個以上のR
2で任意選択により置換されており;
L
2は結合であり;
Mは、不在であるか、各々が1個以上のR
3で任意選択により置換されている、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
Pは、不在であるか、各々が1個以上のR
4で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールであり;
Zは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、−OR
A、−C(O)R
A、−C(O)OR
A、−C(O)N(R
C)(R
D)、−N(R
C)C(O)R
A、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR
5で任意選択により置換されており;
R
A、R
B、R
C、R
D、R
E、R
F、及びR
Gの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR
6で任意選択により置換されており;
又はR
C及びR
Dは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、1個以上のR
6で任意選択により置換されている環(例えば5〜7員環)を形成し;
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6の各々は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、−C(O)R
B1、−OC(O)R
B1、−N(R
C1)(R
D1)、−N(R
C1)C(O)R
B1、−C(O)N(R
C1)、SR
E1、S(O)
xR
E1、−OS(O)
xR
E1、−N(R
C1)S(O)
xR
E1、−S(O)
xN(R
C1)(R
D1)、−P(R
F1)
y、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR
7で任意選択により置換されており;
R
A1、R
B1、R
C1、R
D1、R
E1、及びR
F1の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1個以上のR
7で任意選択により置換されており;
各R
7は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
xは1又は2であり;
yは2、3、又は4である。
【0065】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−a):
【化4】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、
Aは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−O−、−C(O)O−、−C(O)−、−OC(O)−、−N(R
C)−、−N(R
C)C(O)−、−C(O)N(R
C)−、−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルキレン)−、−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルケニレン)−、−N(R
C)N(R
D)−、−NCN−、−C(=N(R
C)(R
D))O−、−S−、−S(O)
x−、−OS(O)
x−、−N(R
C)S(O)
x−、−S(O)
xN(R
C)−、−P(R
F)
y−、−Si(OR
A)
2−、−Si(R
G)(OR
A)−、−B(OR
A)−、又は金属であり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、結合基(例えば、本明細書に定義される結合基)に結合され、1個以上のR
1で任意選択により置換されており;
L
1及びL
3の各々は独立して、結合、アルキル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、1個以上のR
2で任意選択により置換されており;
L
2は結合であり;
Mは、不在であるか、各々が1個以上のR
3で任意選択により置換されている、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
Pは、1個以上のR
4で任意選択により置換されているヘテロアリールであり;
Zは、各々が1個以上のR
5で任意選択により置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
R
A、R
B、R
C、R
D、R
E、R
F、及びR
Gの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR
6で任意選択により置換されており;
又はR
C及びR
Dは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、1個以上のR
6で任意選択により置換されている環(例えば5〜7員環)を形成し;
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6の各々は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、−C(O)R
B1、−OC(O)R
B1、−N(R
C1)(R
D1)、−N(R
C1)C(O)R
B1、−C(O)N(R
C1)、SR
E1、S(O)
xR
E1、−OS(O)
xR
E1、−N(R
C1)S(O)
xR
E1、−S(O)
xN(R
C1)(R
D1)、−P(R
F1)
y、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR
7で任意選択により置換されており;
R
A1、R
B1、R
C1、R
D1、R
E1、及びR
F1の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1個以上のR
7で任意選択により置換されており;
各R
7は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
xは1又は2であり;
yは2、3、又は4である。
【0066】
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I−a)について、Aは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−OR
A、−C(O)OR
A、−C(O)R
B、−OC(O)R
B、−N(R
C)(R
D)、−N(R
C)C(O)R
B、−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルキル)、又は−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルケニル)である。いくつかの実施形態において、Aは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−OR
A、−C(O)OR
A、−C(O)R
B、−OC(O)R
B、又はN(R
C)(R
D)である。いくつかの実施形態において、Aは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、−OR
A、−C(O)OR
A、−C(O)R
B、−OC(O)R
B、又はN(R
C)(R
D)である。いくつかの実施形態において、Aは、水素、アルキル、−OR
A、−C(O)OR
A、−C(O)R
B、−OC(O)R
B、又はN(R
C)(R
D)である。いくつかの実施形態において、Aは水素である。いくつかの実施形態において、Aは、−N(R
C)(R
D)、−N(R
C)C(O)R
B、−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルキル)、又は−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルケニル)である。いくつかの実施形態において、Aは−N(R
C)−である。いくつかの実施形態において、Aは−N(R
C)(R
D)であり、各R
C及びR
Dは独立して、水素又はアルキルである。いくつかの実施形態において、Aは−NH
2である。いくつかの実施形態において、Aは、−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルキル)であり、ここで、アルキルは、1個以上のR
1で置換されている。いくつかの実施形態において、Aは、−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルケニル)であり、ここで、アルケニルは、1個以上のR
1で置換されている。いくつかの実施形態において、R
1は、C
1〜C
6アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、Aは、−NHC(O)C(CH
3)(=CH
2)である。いくつかの実施形態において、Aは、−NH
2又はNHC(O)C(CH
3)(=CH
2)である。
【0067】
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I−a)について、L
1は結合、アルキル、又はヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、L
1は結合又はアルキルである。いくつかの実施形態において、L
1は結合である。いくつかの実施形態において、L
1はアルキルである。いくつかの実施形態において、L
1はC
1〜C
6アルキルである。いくつかの実施形態において、L
1は、−CH
2−、−CH(CH
3)−、−CH
2CH
2CH
2、又は−CH
2CH
2−である。いくつかの実施形態において、L
1は、−CH
2−又は−CH
2CH
2−である。
【0068】
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I−a)について、L
3は結合、アルキル、又はヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、L
3は結合である。いくつかの実施形態において、L
3はアルキルである。いくつかの実施形態において、L
3はC
1〜C
12アルキルである。いくつかの実施形態において、L
3はC
1〜C
6アルキルである。いくつかの実施形態において、L
3は−CH
2−である。いくつかの実施形態において、L
3はヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、L
3は、1個以上のR
2(例えば、オキソ)で任意選択により置換されているC
1〜C
12ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、L
3は、1個以上のR
2(例えば、オキソ)で任意選択により置換されているC
1〜C
6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、L
3は、−C(O)OCH
2−、−CH
2(OCH
2CH
2)
2−、−CH
2(OCH
2CH
2)
3−、CH
2CH
2O−、又は−CH
2O−である。いくつかの実施形態において、L
3は−CH
2O−である。
【0069】
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I−a)について、Mは、不在、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Mはヘテロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Mは不在である。いくつかの実施形態において、Mはアルキル(例えば、C
1〜C
6アルキル)である。いくつかの実施形態において、Mは−CH
2−である。いくつかの実施形態において、Mはヘテロアルキル(例えば、C
1〜C
6ヘテロアルキル)である。いくつかの実施形態において、Mは(−OCH
2CH
2−)zであり、ここで、zは、1〜10から選択される整数である。いくつかの実施形態において、zは、1〜5から選択される整数である。いくつかの実施形態において、Mは、−OCH
2CH
2−、(−OCH
2CH
2−)
2、(−OCH
2CH
2−)
3、(−OCH
2CH
2−)
4、又は(−OCH
2CH
2−)
5である。いくつかの実施形態において、Mは、−OCH
2CH
2−、(−OCH
2CH
2−)
2、(−OCH
2CH
2−)
3、又は(−OCH
2CH
2−)
4である。いくつかの実施形態において、Mは(−OCH
2CH
2−)
3である。いくつかの実施形態において、Mはアリールである。いくつかの実施形態において、Mはフェニルである。いくつかの実施形態において、Mは非置換フェニルである。いくつかの実施形態において、Mは
【化5】
である。いくつかの実施形態において、Mは、R
7(例えば、1個のR
7)で置換されているフェニルである。いくつかの実施形態において、Mは
【化6】
である。いくつかの実施形態において、R
7はCF
3である。
【0070】
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I−a)について、Pは、不在、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは不在である。いくつかの実施形態において、式(I)及び(I−a)について、Pは、三環式、二環式、又は単環式ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは単環式ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは、単環式、窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは5員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは5員窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、又はトリアゾリル、ピロリル、オキサゾリル、又はチアゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、又はトリアゾリル、又はピロリルである。いくつかの実施形態において、Pはイミダゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは
【化7】
である。いくつかの実施形態において、Pはトリアゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは1,2,3−トリアゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは
【化8】
である。
【0071】
いくつかの実施形態において、Pはヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Pは、5員ヘテロシクリル又は6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Pはイミダゾリジノニル(imidazolidinonyl)である。いくつかの実施形態において、Pは
【化9】
である。いくつかの実施形態において、Pはチオモルホリニル−1,1−ジオキシジルである。いくつかの実施形態において、Pは
【化10】
である。
【0072】
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I−a)について、Zは、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Zはヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、単環式又は二環式ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、酸素含有ヘテロシクリルである、いくつかの実施形態において、Zは、4員ヘテロシクリル、5員ヘテロシクリル、又は6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは6員酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zはテトラヒドロピラニルである。いくつかの実施形態において、Zは
【化11】
である。いくつかの実施形態において、Zは、4員酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは
【化12】
である。
【0073】
いくつかの実施形態において、Zは、二環式酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは無水フタル酸(phthalic anhydridyl)である。いくつかの実施形態において、Zは、硫黄含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、6員硫黄含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、窒素原子及び硫黄原子を含有する6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zはチオモルホリニル−1,1−ジオキシジルである。いくつかの実施形態において、Zは
【化13】
である。いくつかの実施形態において、Zは、窒素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、6員窒素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは
【化14】
である。
【0074】
いくつかの実施形態において、Zは、二環式ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、1個以上のR
5で任意選択により置換されている二環式窒素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナニルである。いくつかの実施形態において、Zは
【化15】
である。いくつかの実施形態において、Zは1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンである。いくつかの実施形態において、Zは
【化16】
である。
【0075】
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I−a)について、Zはアリールである。いくつかの実施形態において、Zは単環式アリールである。いくつかの実施形態において、Zはフェニルである。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニル(例えば、1個のR
5により)である。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5は窒素含有基である。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5はNH
2である。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5は酸素含有基である。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5は酸素含有ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5はOCH
3である。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5はオルト位にある。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5はメタ位にある。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5はパラ位にある。
【0076】
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I−a)について、Zはアルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC
1〜C
12アルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC
1〜C
10アルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC
1〜C
8アルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、1〜5個のR
5で置換されたC
1〜C
8アルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、1個のR
5で置換されたC
1〜C
8アルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、1個のR
5で置換されたC
1〜C
8アルキルであり、ここで、R
5は、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、−C(O)R
B1、−OC(O)R
B1、又は−N(R
C1)(R
D1)である。いくつかの実施形態において、Zは、1個のR
5で置換されたC
1〜C
8アルキルであり、ここで、R
5は、−OR
A1又は−C(O)OR
A1である。いくつかの実施形態において、Zは、1個のR
5で置換されたC
1〜C
8アルキルであり、ここで、R
5は、−OR
A1又は−C(O)OHである。いくつかの実施形態において、Zは−CH
3である。
【0077】
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I−a)について、Zはヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC
1〜C
12ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC
1〜C
10ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC
1〜C
8ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC
1〜C
6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、1個以上のR
5で任意選択により置換された窒素含有ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、1〜5個のR
5で置換された窒素及び硫黄含有ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、N−メチル−2−(メチルスルホニル)エタン−1−アミニルである。
【0078】
いくつかの実施形態において、Zは、−OR
A又は−C(O)OR
Aである。いくつかの実施形態において、Zは、−OR
A(例えば、−OH又は−OCH
3)である。いくつかの実施形態において、Zは−OCH
3である。いくつかの実施形態において、Zは、−C(O)OR
A(例えば、−C(O)OH)である。
【0079】
いくつかの実施形態において、Zは水素である。
【0080】
いくつかの実施形態において、L
2は結合であり、P及びL
3は独立して、不在である。いくつかの実施形態において、L
2は結合であり、Pはヘテロアリールであり、L
3は結合であり、Zは水素である。いくつかの実施形態において、Pはヘテロアリールであり、L
3はヘテロアルキルであり、Zはアルキルである。
【0081】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−b):
【化17】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環M
1は、各々が1〜5個のR
3で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;環Z
1は、1〜5個のR
5で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、又はR
2a及びR
2b又はR
2c及びR
2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;Xは、不在、N(R
10)(R
11)、O、又はSであり;R
C及びR
Dの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルの各々は、1〜6個のR
6で任意選択により置換されており;R
3、R
5、及びR
6の各々は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、−C(O)R
B1、−OC(O)R
B1、−N(R
C1)(R
D1)、−N(R
C1)C(O)R
B1、−C(O)N(R
C1)、SR
E1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R
10及びR
11の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、−C(O)OR
A1、−C(O)R
B1、−OC(O)R
B1、−C(O)N(R
C1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R
A1、R
B1、R
C1、R
D1、及びR
E1の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1〜6個のR
7で任意選択により置換されており;各R
7は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;各m及びnは独立して、1、2、3、4、5、又は6である。いくつかの実施形態において、各R
3、R
5、及びR
6について、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールの各々は、ハロゲン、オキソ、シアノ、シクロアルキル、又はヘテロシクリルで任意選択により及び独立して置換されている。
【0082】
いくつかの実施形態において、式(I−b)の化合物は、式(I−b−i):
【化18】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環M
2は、1個以上のR
3で任意選択により置換されている、アリール又はヘテロアリールであり;環Z
2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2a及びR
2b又はR
2c及びR
2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;Xは、不在、O、又はSであり;R
Dは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びヘテロアルキルの各々は、1〜6個のR
6で任意選択により置換されており;各R
3、R
5及びR
6は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、ハロゲンで任意選択により置換されており、又は2個のR
5は一緒になって、環Z
2に縮合した5〜6員環を形成し;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、5、又は6である。
【0083】
いくつかの実施形態において、式(I−b−i)の化合物は、式(I−b−ii):
【化19】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z
2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;R
Dは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びヘテロアルキルの各々は、1〜6個のR
6で任意選択により置換されており;R
2c及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2c及びR
2dは一緒になってオキソ基を形成し;各R
3、R
5及びR
6は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、ハロゲンで任意選択により置換されており;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;p及びqは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6である。
【0084】
いくつかの実施形態において、式(I−b−ii)の化合物は、式(I−b−iii):
【化20】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z
2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;R
Dは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びヘテロアルキルの各々は、1〜6個のR
6で任意選択により置換されており;R
2c及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2c及びR
2dは一緒になってオキソ基を形成し;各R
3、R
5及びR
6は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、ハロゲンで任意選択により置換されており;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;mは、1、2、3、4、5、又は6であり;p及びqは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6である。
【0085】
いくつかの実施形態において、式(I−a)の化合物は、式(I−c):
【化21】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z
2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;Xは、不在、O、又はSであり;R
Dは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びヘテロアルキルの各々は、1〜6個のR
6で任意選択により置換されており;R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2a及びR
2b又はR
2c及びR
2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;各R
5及びR
6は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、5、又は6である。
【0086】
いくつかの実施形態において、式(I−a)の化合物は、式(I−d):
【化22】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z
2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;Xは、不在、O、又はSであり;R
Dは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びヘテロアルキルの各々は、1〜6個のR
6で任意選択により置換されており;R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2a及びR
2b又はR
2c及びR
2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;各R
5及びR
6は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、5、又は6である。
【0087】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−e):
【化23】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Mは、結合、各々が1個以上のR
3で任意選択により置換されている、アルキル又はアリールであり;L
3は、結合、1個以上のR
2で任意選択により置換されている、アルキル又はヘテロアルキルであり;Zは、各々が1個以上のR
5で任意選択により置換されている、水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、又は−OR
Aであり;R
Aは水素であり;R
Dは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びヘテロアルキルの各々は、1〜6個のR
6で任意選択により置換されており;R
2a及びR
2bの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2a及びR
2bは一緒になってオキソ基を形成し;R
2、R
3、R
5、及びR
6の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;nは独立して、1、2、3、4、5、又は6である。
【0088】
いくつかの実施形態において、式(I−e)の化合物は、式(I−e−i):
【化24】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、L
3は、結合、各々が1個以上のR
2で任意選択により置換されている、アルキル又はヘテロアルキルであり;Zは、各々が1個以上のR
5で任意選択により置換されている、水素、アルキル、ヘテロアルキル、又は−OR
Aであり;R
Aは水素であり;R
Dは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びヘテロアルキルの各々は、1〜6個のR
6で任意選択により置換されており;R
2a及びR
2bの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2a及びR
2bは一緒になってオキソ基を形成し;R
2、R
3、R
6、及びR
6の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;nは独立して、1、2、3、4、5、又は6である。
【0089】
いくつかの実施形態において、式(I−a)の化合物は、式(I−f):
【化25】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Mは、1個以上のR
3で任意選択により置換されているアルキルであり;環Pは、1個以上のR
4で任意選択により置換されているヘテロアリールであり;L
3は、1個以上のR
2で任意選択により置換されている、アルキル又はヘテロアルキルであり;Zは、各々が1個以上のR
5で任意選択により置換されている、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R
Dは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びヘテロアルキルの各々は、1〜6個のR
6で任意選択により置換されており;R
2a及びR
2bの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2a及びR
2bは一緒になってオキソ基を形成し;R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;nは独立して、1、2、3、4、5、又は6である。
【0090】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I−g):
【化26】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Z
1は、各々が1〜5個のR
5で任意選択により置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R
C及びR
Dの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルの各々は、1〜6個のR
6で任意選択により置換されており;R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;又はR
2a及びR
2b又はR
2c及びR
2dは一緒になってオキソ基を形成し;R
3、R
5、及びR
6の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;qは、0〜25の整数である。
【0091】
いくつかの実施形態において、式(I−g)の化合物は、式(I−g−i):
【化27】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z
2は、各々が1〜5個のR
5で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R
C及びR
Dの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルの各々は、1〜6個のR
6で任意選択により置換されており;R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであり;又はR
2a及びR
2b又はR
2c及びR
2dは一緒になってオキソ基を形成し;R
3、R
5、及びR
6の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0〜25の整数である。
【0092】
いくつかの実施形態において、式(I−g−i)の化合物は、式(I−g−ii):
【化28】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Xは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)
xであり;R’及びR”の各々は独立して、水素、アルキル、ハロゲン、又はシクロアルキルであり;R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、又はハロであり;又はR
2a及びR
2b又はR
2c及びR
2dは一緒になってオキソ基を形成し;R
Dは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びヘテロアルキルの各々は、1〜6個のR
6で任意選択により置換されており;R
3 R
5、及びR
6の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0〜25の整数であり;xは、0、1、又は2である。
【0093】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I)の化合物である。式(I)のいくつかの実施形態において、L
2は結合であり、P及びL
3は独立して、不在である。
【0094】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I)の化合物であり、Pは不在であり、L
1は−NHCH
2であり、L
2は結合であり、Mはアリール(例えば、フェニル)であり、L
3は−CH
2Oであり、Zはヘテロシクリル(例えば、窒素含有ヘテロシクリル、例えば、チオモルホリニル−1,1−ジオキシド)である。いくつかの実施形態において、Aは、水素又はC(O)C(=CH
2)CH
3である。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、化合物213又は232である。
【0095】
式(I)のいくつかの実施形態において、Pは不在であり、L
1は−NHCH
2であり、L
2は結合であり、Mは不在であり、L
3は結合であり、Zはヘテロシクリル(例えば、酸素含有ヘテロシクリル、例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、オキセタニル、又はオキシラニル)である。いくつかの実施形態において、Aは、水素又はC(O)C(=CH
2)CH
3である。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、化合物202又は221である。
【0096】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I−a)の化合物である。式(I−a)のいくつかの実施形態において、L
2は結合であり、Pはヘテロアリールであり、L
3は結合であり、Zは水素である。いくつかの実施形態において、Pはヘテロアリールであり、L
3はヘテロアルキルであり、Zはアルキルである。いくつかの実施形態において、L
2は結合であり、Pはヘテロアリールであり、L
3は結合であり、Zは水素である。いくつかの実施形態において、Pはヘテロアリールであり、L
3はヘテロアルキルであり、Zはアルキルである。
【0097】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I−b−i)の化合物である。式(I−b−i)のいくつかの実施形態において、R
2a及びR
2bの各々は独立して、水素又はCH
3であり、R
2c及びR
2dの各々は独立して、水素であり、mは1又は2であり、nは1であり、XはOであり、pは0であり、M
2は、1個以上のR
3で任意選択により置換されているフェニルであり、R
3は−CF
3であり、Z
2は、ヘテロシクリル(例えば、酸素含有ヘテロシクリル、例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、オキセタニル、又はオキシラニル)である。いくつかの実施形態において、R
Dは、水素又はC(O)C(=CH
2)CH
3である。いくつかの実施形態において、式(I−b−i)の化合物は、化合物203、化合物204、化合物205、化合物206、又は化合物208である。いくつかの実施形態において、式(I−b−i)の化合物は、化合物222、化合物223、化合物224、化合物225又は化合物227である。
【0098】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I−b−iii)の化合物である。式(I−b−iii)のいくつかの実施形態において、R
2c及びR
2dの各々は独立して、水素であり、mは1であり、pは1であり、qは0であり、R
5は−CH
3であり、Z
2は、ヘテロシクリル(例えば、窒素含有ヘテロシクリル、例えば、ピペラジニル)である。いくつかの実施形態において、R
Dは、水素又はC(O)C(=CH
2)CH
3である。いくつかの実施形態において、式(I−b−iii)の化合物は、化合物210である。いくつかの実施形態において、式(I−b−iii)の化合物は、化合物229である。
【0099】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I−c)の化合物である。式(I−c)のいくつかの実施形態において、R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素であり、mは1であり、nは3であり、XはOであり、pは0であり、Z
2は、ヘテロシクリル(例えば、酸素含有ヘテロシクリル、例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、オキセタニル、又はオキシラニル)である。いくつかの実施形態において、R
Dは、水素又はC(O)C(=CH
2)CH
3である。いくつかの実施形態において、式(I−c)の化合物は、化合物207又は化合物211である。いくつかの実施形態において、式(I−c)の化合物は、化合物226又は化合物230である。
【0100】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I−e−i)の化合物である。式(I−e−i)のいくつかの実施形態において、R
2a及びR
2bの各々は独立して、水素であり、nは1であり、qは0であり、L
3は、−CH
2(OCH
2CH
2)
2であり、Zは−OCH
3である。いくつかの実施形態において、R
Dは、水素又はC(O)C(=CH
2)CH
3である。いくつかの実施形態において、式(I−e−i)の化合物は、化合物209である。いくつかの実施形態において、式(I−e−i)の化合物は、化合物228である。
【0101】
式(I−e−i)のいくつかの実施形態において、R
2a及びR
2bの各々は独立して、水素であり、nは1であり、L
3は結合又は−CH
2であり、Zは、水素又は−OHである。いくつかの実施形態において、R
Dは、水素又はC(O)C(=CH
2)CH
3である。いくつかの実施形態において、式(I−e−i)の化合物は、化合物200又は201である。いくつかの実施形態において、式(I−e−i)の化合物は、化合物219又は220である。
【0102】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I−g)の化合物である。式(I−g)のいくつかの実施形態において、R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素であり、mは1であり、nは2であり、qは3であり、pは0であり、R
Cは水素であり、Z
1は、R
5(例えば、−N(CH
3)(CH
2CH
2)S(O)
2CH
3)で任意選択により置換されているヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、R
Dは、水素又はC(O)C(=CH
2)CH
3である。いくつかの実施形態において、式(I−g)の化合物は、化合物217である。いくつかの実施形態において、式(I−g)の化合物は、化合物236である。
【0103】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I−g−i)の化合物である。式(I−g−i)のいくつかの実施形態において、R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素であり、mは1であり、nは2であり、qは3であり、pは0であり、R
Cは水素であり、Z
2は、ヘテロシクリル(例えば、窒素含有ヘテロシクリル、例えば、窒素含有スピロヘテロシクリル、例えば、2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナニル)である。いくつかの実施形態において、R
Dは、水素又はC(O)C(=CH
2)CH
3である。いくつかの実施形態において、式(I−g−i)の化合物は、化合物218である。いくつかの実施形態において、式(I−g−i)の化合物は、化合物237である。
【0104】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I−g−ii)の化合物である。式(I−g−ii)のいくつかの実施形態において、R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素であり、mは1であり、nは2であり、qは、1、2、3、又は4であり、pは0であり、XはS(O)
2である。式(I−g−ii)のいくつかの実施形態において、R
2a及びR
2bの各々は独立して、水素であり、mは1であり、nは2であり、qは、1、2、又は4であり、pは0であり、XはS(O)
2である。いくつかの実施形態において、R
Dは、水素又はC(O)C(=CH
2)CH
3である。いくつかの実施形態において、式(I−g−ii)の化合物は、化合物214、化合物215、又は化合物216である。いくつかの実施形態において、式(I−g−ii)の化合物は、化合物233、化合物234、又は化合物235である。
【0105】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I−b)、(I−c)、又は(I−d)の化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、式(I−b)、(I−c)、又は(I−e)の化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、式(I−b)、(I−c)、又は(I−f)の化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、式(I−b)、(I−c)、又は(I−g)の化合物である。
【0106】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、国際公開第2012/112982号パンフレット、国際公開第2012/167223号パンフレット、国際公開第2014/153126号パンフレット、国際公開第2016/019391号パンフレット、国際公開第2017/075630号パンフレット、米国特許出願公開第2012−0213708号明細書、米国特許出願公開第2016−0030359号明細書又は米国特許出願公開第2016−0030360号明細書に開示されている化合物でない。
【0107】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、表1に示される化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0113】
ポリマー
本開示は、式(II):
【化29】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩で修飾されたポリマーを特徴とし、式中、
Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−O−、−C(O)O−、−C(O)−、−OC(O)−、−N(R
C)−、−N(R
C)C(O)−、−C(O)N(R
C)−、−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルキレン)−、−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルケニレン)−、−N(R
C)N(R
D)−、−NCN−、−C(=N(R
C)(R
D))O−、−S−、−S(O)
x−、−OS(O)
x−、−N(R
C)S(O)
x−、−S(O)
xN(R
C)−、−P(R
F)
y−、−Si(OR
A)
2−、−Si(R
G)(OR
A)−、−B(OR
A)−、又は金属であり、これらの各々は、結合基(例えば、本明細書に記載の結合基)に任意選択により結合され、1個以上のR
1で任意選択により置換されており;
L
1及びL
3の各々は独立して、結合、アルキル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、1個以上のR
2で任意選択により置換されており;
L
2は結合であり;
Mは、不在であるか、各々が1個以上のR
3で任意選択により置換されている、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
Pは、不在であるか、各々が1個以上のR
4で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールであり;
Zは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、−OR
A、−C(O)R
A、−C(O)OR
A、−C(O)N(R
C)(R
D)、−N(R
C)C(O)R
A、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR
5で任意選択により置換されており;
R
A、R
B、R
C、R
D、R
E、R
F、及びR
Gの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR
6で任意選択により置換されており;
又はR
C及びR
Dは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、1個以上のR
6で任意選択により置換されている環(例えば5〜7員環)を形成し;
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6の各々は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、−C(O)R
B1、−OC(O)R
B1、−N(R
C1)(R
D1)、−N(R
C1)C(O)R
B1、−C(O)N(R
C1)、SR
E1、S(O)
xR
E1、−OS(O)
xR
E1、−N(R
C1)S(O)
xR
E1、−S(O)
xN(R
C1)(R
D1)、−P(R
F1)
y、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR
7で任意選択により置換されており;
R
A1、R
B1、R
C1、R
D1、R
E1、及びR
F1の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1個以上のR
7で任意選択により置換されており;
各R
7は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
xは1又は2であり;
yは2、3、又は4である。
【0114】
いくつかの実施形態において、式(II)の化合物は、式(II−a):
【化30】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、
Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−O−、−C(O)O−、−C(O)−、−OC(O)−、−N(R
C)−、−N(R
C)C(O)−、−C(O)N(R
C)−、−N(R
C)N(R
D)−、−NCN−、−C(=N(R
C)(R
D))O−、−S−、−S(O)
x−、−OS(O)
x−、−N(R
C)S(O)
x−、−S(O)
xN(R
C)−、−P(R
F)
y−、−Si(OR
A)
2−、−Si(R
G)(OR
A)−、−B(OR
A)−、又は金属であり、これらの各々は、結合基(例えば、本明細書に記載の結合基)に任意選択により結合され、1個以上のR
1で任意選択により置換されており;
L
1及びL
3の各々は独立して、結合、アルキル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、1個以上のR
2で任意選択により置換されており;
L
2は結合であり;
Mは、不在であるか、各々が1個以上のR
3で任意選択により置換されている、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
Pは、1個以上のR
4で任意選択により置換されているヘテロアリールであり;
Zは、各々が1個以上のR
5で任意選択により置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;
R
A、R
B、R
C、R
D、R
E、R
F、及びR
Gの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR
6で任意選択により置換されており;
又はR
C及びR
Dは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、1個以上のR
6で任意選択により置換されている環(例えば5〜7員環)を形成し;
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6の各々は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、−C(O)R
B1、−OC(O)R
B1、−N(R
C1)(R
D1)、−N(R
C1)C(O)R
B1、−C(O)N(R
C1)、SR
E1、S(O)
xR
E1、−OS(O)
xR
E1、−N(R
C1)S(O)
xR
E1、−S(O)
xN(R
C1)(R
D1)、−P(R
F1)
y、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの各々は、1個以上のR
7で任意選択により置換されており;
R
A1、R
B1、R
C1、R
D1、R
E1、及びR
F1の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1個以上のR
7で任意選択により置換されており;
各R
7は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;
xは1又は2であり;
yは2、3、又は4である。
【0115】
いくつかの実施形態において、式(II)及び(II−a)について、Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−O−、−C(O)O−、−C(O)−、−OC(O)−、−N(R
C)C(O)−、−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルキレン)−、−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルケニレン)−、又は−N(R
C)−である。いくつかの実施形態において、Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−O−、−C(O)O−、−C(O)−、−OC(O)−、又は−N(R
C)−である。いくつかの実施形態において、Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、−O−、−C(O)O−、−C(O)−、−OC(O)−、又は−N(R
C)−である。いくつかの実施形態において、Aは、アルキル、−O−、−C(O)O−、−C(O)−、−OC(O)、又は−N(R
C)−である。いくつかの実施形態において、Aは、−N(R
C)C(O)−、−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルキレン)−、又は−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルケニレン)−である。いくつかの実施形態において、Aは−N(R
C)−である。いくつかの実施形態において、Aは−N(R
C)−であり、R
C及びR
Dは独立して、水素又はアルキルである。いくつかの実施形態において、Aは−NH−である。いくつかの実施形態において、Aは、−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルキレン)−であり、ここで、アルキレンは、R
1で置換されている。いくつかの実施形態において、Aは、−N(R
C)C(O)(C
1〜C
6−アルキレン)−であり、R
1はアルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、Aは、−NHC(O)C(CH
3)
2−である。いくつかの実施形態において、Aは、−N(R
C)C(O)(メチレン)−であり、R
4はアルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、Aは、−NHC(O)CH(CH
3)−である。いくつかの実施形態において、Aは、−NHC(O)C(CH
3)−である。
【0116】
いくつかの実施形態において、式(II)及び(II−a)について、L
1は結合、アルキル、又はヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、L
1は結合又はアルキルである。いくつかの実施形態において、L
1は結合である。いくつかの実施形態において、L
1はアルキルである。いくつかの実施形態において、L
1はC
1〜C
6アルキルである。いくつかの実施形態において、L
1は、−CH
2−、−CH(CH
3)−、−CH
2CH
2CH
2、又は−CH
2CH
2−である。いくつかの実施形態において、L
1は、−CH
2−又は−CH
2CH
2−である。
【0117】
いくつかの実施形態において、式(II)及び(II−a)について、L
3は結合、アルキル、又はヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、L
3は結合である。いくつかの実施形態において、L
3はアルキルである。いくつかの実施形態において、L
3はC
1〜C
12アルキルである。いくつかの実施形態において、L
3はC
1〜C
6アルキルである。いくつかの実施形態において、L
3は−CH
2−である。いくつかの実施形態において、L
3はヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、L
3は、1個以上のR
2(例えば、オキソ)で任意選択により置換されているC
1〜C
12ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、L
3は、1個以上のR
2(例えば、オキソ)で任意選択により置換されているC
1〜C
6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、L
3は、−C(O)OCH
2−、−CH
2(OCH
2CH
2)
2−、−CH
2(OCH
2CH
2)
3−、CH
2CH
2O−、又は−CH
2O−である。いくつかの実施形態において、L
3は−CH
2O−である。
【0118】
いくつかの実施形態において、式(II)及び(II−a)について、Mは、不在、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Mはヘテロアルキル、アリール、又はヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Mは不在である。いくつかの実施形態において、Mはアルキル(例えば、C
1〜C
6アルキル)である。いくつかの実施形態において、Mは−CH
2−である。いくつかの実施形態において、Mはヘテロアルキル(例えば、C
1〜C
6ヘテロアルキル)である。いくつかの実施形態において、Mは(−OCH
2CH
2−)zであり、ここで、zは、1〜10から選択される整数である。いくつかの実施形態において、zは、1〜5から選択される整数である。いくつかの実施形態において、Mは、−OCH
2CH
2−、(−OCH
2CH
2−)
2、(−OCH
2CH
2−)
3、(−OCH
2CH
2−)
4、又は(−OCH
2CH
2−)
5である。いくつかの実施形態において、Mは、−OCH
2CH
2−、(−OCH
2CH
2−)
2、(−OCH
2CH
2−)
3、又は(−OCH
2CH
2−)
4である。いくつかの実施形態において、Mは(−OCH
2CH
2−)
3である。いくつかの実施形態において、Mはアリールである。いくつかの実施形態において、Mはフェニルである。いくつかの実施形態において、Mは非置換フェニルである。いくつかの実施形態において、Mは
【化31】
である。いくつかの実施形態において、Mは、R
7(例えば、1個のR
7)で置換されているフェニルである。いくつかの実施形態において、Mは
【化32】
である。いくつかの実施形態において、R
7はCF
3である。
【0119】
いくつかの実施形態において、式(II)及び(II−a)について、Pは、不在、ヘテロシクリル、又はヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは不在である。いくつかの実施形態において、式(I)及び(I−a)について、Pは、三環式、二環式、又は単環式ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは単環式ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは、単環式、窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは5員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは5員窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Pは、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、又はトリアゾリル、ピロリル、オキサゾリル、又はチアゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、又はトリアゾリル、又はピロリルである。いくつかの実施形態において、Pはイミダゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは
【化33】
である。いくつかの実施形態において、Pはトリアゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは1,2,3−トリアゾリルである。いくつかの実施形態において、Pは
【化34】
である。
【0120】
いくつかの実施形態において、Pはヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Pは、5員ヘテロシクリル又は6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Pはイミダゾリジノニルである。いくつかの実施形態において、Pは
【化35】
である。いくつかの実施形態において、Pはチオモルホリニル−1,1−ジオキシジルである。いくつかの実施形態において、Pは
【化36】
である。
【0121】
いくつかの実施形態において、式(I)及び(I−a)について、Zは、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Zはヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、単環式又は二環式ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、4員ヘテロシクリル、5員ヘテロシクリル、又は6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、6員酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zはテトラヒドロピラニルである。いくつかの実施形態において、Zは
【化37】
である。いくつかの実施形態において、Zは、4員酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは
【化38】
である。
【0122】
いくつかの実施形態において、Zは、二環式酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは無水フタル酸である。いくつかの実施形態において、Zは、硫黄含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、6員硫黄含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、窒素原子及び硫黄原子を含有する6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zはチオモルホリニル−1,1−ジオキシジルである。いくつかの実施形態において、Zは
【化39】
である。いくつかの実施形態において、Zは、窒素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、6員窒素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは
【化40】
である。
【0123】
いくつかの実施形態において、Zは、二環式ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは、1個以上のR
5で任意選択により置換されている二環式窒素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Zは2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナニルである。いくつかの実施形態において、Zは
【化41】
である。いくつかの実施形態において、Zは1−オキサ−3,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オンである。いくつかの実施形態において、Zは
【化42】
である。
【0124】
いくつかの実施形態において、式(II)及び(II−a)について、Zはアリールである。いくつかの実施形態において、Zは単環式アリールである。いくつかの実施形態において、Zはフェニルである。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニル(例えば、1個のR
5により)である。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5は窒素含有基である。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5はNH
2である。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5は酸素含有基である。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5は酸素含有ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5はOCH
3である。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5はオルト位にある。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5はメタ位にある。いくつかの実施形態において、Zは単置換フェニルであり、ここで、1個のR
5はパラ位にある。
【0125】
いくつかの実施形態において、式(II)及び(II−a)について、Zはアルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC
1〜C
12アルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC
1〜C
10アルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC
1〜C
8アルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、1〜5個のR
5で置換されたC
1〜C
8アルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、1個のR
5で置換されたC
1〜C
8アルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、1個のR
5で置換されたC
1〜C
8アルキルであり、ここで、R
5は、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、−C(O)R
B1、−OC(O)R
B1、又は−N(R
C1)(R
D1)である。いくつかの実施形態において、Zは、1個のR
5で置換されたC
1〜C
8アルキルであり、ここで、R
5は、−OR
A1又は−C(O)OR
A1である。いくつかの実施形態において、Zは、1個のR
5で置換されたC
1〜C
8アルキルであり、ここで、R
5は、−OR
A1又は−C(O)OHである。いくつかの実施形態において、Zは−CH
3である。
【0126】
いくつかの実施形態において、式(II)及び(II−a)について、Zはヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC
1〜C
12ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC
1〜C
10ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC
1〜C
8ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、ZはC
1〜C
6ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、1個以上のR
5で任意選択により置換された窒素含有ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、1〜5個のR
5で置換された窒素及び硫黄含有ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、Zは、N−メチル−2−(メチルスルホニル)エタン−1−アミニルである。
【0127】
いくつかの実施形態において、Zは、−OR
A又は−C(O)OR
Aである。いくつかの実施形態において、Zは、−OR
A(例えば、−OH又は−OCH
3)である。いくつかの実施形態において、Zは−OCH
3である。いくつかの実施形態において、Zは、−C(O)OR
A(例えば、−C(O)OH)である。
【0128】
いくつかの実施形態において、Zは水素である。
【0129】
いくつかの実施形態において、L
2は結合であり、P及びL
3は独立して、不在である。いくつかの実施形態において、L
2は結合であり、Pはヘテロアリールであり、L
3は結合であり、Zは水素である。いくつかの実施形態において、Pはヘテロアリールであり、L
3はヘテロアルキルであり、Zはアルキルである。
【0130】
いくつかの実施形態において、式(II−a)の化合物は、式(II−b):
【化43】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環M
1は、各々が1〜5個のR
3で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;環Z
1は、1〜5個のR
5で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、又はR
2a及びR
2b又はR
2c及びR
2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;Xは、不在、N(R
10)(R
11)、O、又はSであり;R
Cは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールの各々は、1〜6個のR
6で任意選択により置換されており;R
3、R
5、及びR
6の各々は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、−C(O)R
B1、−OC(O)R
B1、−N(R
C1)(R
D1)、−N(R
C1)C(O)R
B1、−C(O)N(R
C1)、SR
E1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R
10及びR
11の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、−C(O)OR
A1、−C(O)R
B1、−OC(O)R
B1、−C(O)N(R
C1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R
A1、R
B1、R
C1、R
D1、及びR
E1の各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1〜6個のR
7で任意選択により置換されており;各R
7は独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり;各m及びnは独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
【化44】
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。いくつかの実施形態において、各R
3及びR
5について、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールの各々は、ハロゲン、オキソ、シアノ、シクロアルキル、又はヘテロシクリルで任意選択により及び独立して置換されている。
【0131】
いくつかの実施形態において、式(II−b)の化合物は、式(II−b−i):
【化45】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環M
2は、1個以上のR
3で任意選択により置換されている、アリール又はヘテロアリールであり;環Z
2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2a及びR
2b又はR
2c及びR
2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;Xは、不在、O、又はSであり;R
3及びR
5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、ハロゲンで任意選択により置換されており、又は2個のR
5は一緒になって、環Z
2に縮合した5〜6員環を形成し;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
【化46】
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
【0132】
いくつかの実施形態において、式(II−b−i)の化合物は、式(II−b−ii):
【化47】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z
2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;R
2c及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2c及びR
2dは一緒になってオキソ基を形成し;R
3及びR
5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、ハロゲンで任意選択により置換されており;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;p及びqは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
【化48】
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
【0133】
いくつかの実施形態において、式(II−b−ii)の化合物は、式(II−b−iii):
【化49】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z
2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;R
2c及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2c及びR
2dは一緒になってオキソ基を形成し;R
3及びR
5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルの各々は、ハロゲンで任意選択により置換されており;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;mは、1、2、3、4、5、又は6であり;p及びqは各々独立して、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
【化50】
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
【0134】
いくつかの実施形態において、式(II−a)の化合物は、式(II−c):
【化51】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z
2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;Xは、不在、O、又はSであり;R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2a及びR
2b又はR
2c及びR
2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;各R
5は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
【化52】
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
【0135】
いくつかの実施形態において、式(II−a)の化合物は、式(II−d):
【化53】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z
2は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;Xは、不在、O、又はSであり;R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2a及びR
2b又はR
2c及びR
2dの各々は一緒になってオキソ基を形成し;各R
5は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、5、又は6であり;
【化54】
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
【0136】
いくつかの実施形態において、式(II)の化合物は、式(II−e):
【化55】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Mは、結合、各々が1個以上のR
3で任意選択により置換されている、アルキル又はアリールであり;L
3は、1個以上のR
2で任意選択により置換されている、アルキル又はヘテロアルキルであり;Zは、水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、又は−OR
Aであり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルは、1個以上のR
5で任意選択により置換されており;R
Aは水素であり;R
2a及びR
2bの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2a及びR
2bは一緒になってオキソ基を形成し;R
2、R
3、及びR
5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;nは独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
【化56】
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
【0137】
いくつかの実施形態において、式(II−e)の化合物は、式(II−e−i):
【化57】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、L
3は、各々が1個以上のR
2で任意選択により置換されている、アルキル又はヘテロアルキルであり;Zは、水素、アルキル、ヘテロアルキル、又は−OR
Aであり、ここで、アルキル及びヘテロアルキルは、1個以上のR
5で任意選択により置換されており;R
2a及びR
2bの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2a及びR
2bは一緒になってオキソ基を形成し;R
2、R
3、及びR
5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;nは独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
【化58】
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
【0138】
いくつかの実施形態において、式(II)の化合物は、式(II−f):
【化59】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Mは、1個以上のR
3で任意選択により置換されているアルキルであり;環Pは、1個以上のR
4で任意選択により置換されているヘテロアリールであり;L
3は、1個以上のR
2で任意選択により置換されている、アルキル又はヘテロアルキルであり;Zは、各々が1個以上のR
5で任意選択により置換されている、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R
2a及びR
2bの各々は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり、又はR
2a及びR
2bは一緒になってオキソ基を形成し;R
2、R
3、R
4、及びR
5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;nは独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;
【化60】
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
【0139】
いくつかの実施形態において、式(II)の化合物は、式(II−g):
【化61】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Z
1は、各々が1〜5個のR
5で任意選択により置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R
Cは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はヘテロアルキルの各々は、1〜6個のR
6で任意選択により置換されており;R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;又はR
2a及びR
2b又はR
2c及びR
2dは一緒になってオキソ基を形成し;R
3、R
5、及びR
6の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;qは、0〜25の整数であり;
【化62】
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
【0140】
いくつかの実施形態において、式(II−g)の化合物は、式(II−g−i):
【化63】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Z
2は、各々が1〜5個のR
5で任意選択により置換されている、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリールであり;R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであり;又はR
2a及びR
2b又はR
2c及びR
2dは一緒になってオキソ基を形成し;R
3及びR
5の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;o及びpは各々独立して、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0〜25の整数であり;
【化64】
は、本明細書に記載の結合基又はポリマーに対する結合を指す。
【0141】
いくつかの実施形態において、式(I−g−i)の化合物は、式(I−g−ii):
【化65】
の化合物又はその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Xは、C(R’)(R”)、N(R’)、又はS(O)
xであり;R’及びR”の各々は独立して、水素、アルキル、ハロゲン、又はシクロアルキルであり;R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、又はハロであり;又はR
2a及びR
2b又はR
2c及びR
2dは一緒になってオキソ基を形成し;R
3及びR
6の各々は独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、−OR
A1、−C(O)OR
A1、又は−C(O)R
B1であり;各R
A1及びR
B1は独立して、水素、アルキル、又はヘテロアルキルであり;m及びnは各々独立して、1、2、3、4、5、又は6であり;pは、0、1、2、3、4、又は5であり;qは、0〜25の整数であり;xは、0、1、又は2である。
【0142】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(II)の化合物である。式(I)のいくつかの実施形態において、L
2は結合であり、P及びL
3は独立して、不在である。
【0143】
式(II)のいくつかの実施形態において、Pは不在であり、L
1は−NHCH
2であり、L
2は結合であり、Mはアリール(例えば、フェニル)であり、L
3は−CH
2Oであり、Zはヘテロシクリル(例えば、窒素含有ヘテロシクリル、例えば、チオモルホリニル−1,1−ジオキシド)である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物は、化合物113である。
【0144】
式(II)のいくつかの実施形態において、Pは不在であり、L
1は−NHCH
2であり、L
2は結合であり、Mは不在であり、L
3は結合であり、Zはヘテロシクリル(例えば、酸素含有ヘテロシクリル、例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、オキセタニル、又はオキシラニル)である。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物は、化合物102である。
【0145】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(II−a)の化合物である。式(II−a)のいくつかの実施形態において、L
2は結合であり、Pはヘテロアリールであり、L
3は結合であり、Zは水素である。いくつかの実施形態において、Pはヘテロアリールであり、L
3はヘテロアルキルであり、Zはアルキルである。いくつかの実施形態において、L
2は結合であり、P及びL
3は独立して、不在である。いくつかの実施形態において、L
2は結合であり、Pはヘテロアリールであり、L
3は結合であり、Zは水素である。いくつかの実施形態において、Pはヘテロアリールであり、L
3はヘテロアルキルであり、Zはアルキルである。
【0146】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(II−b−i)の化合物である。式(II−b−i)のいくつかの実施形態において、R
2a及びR
2bの各々は独立して、水素又はCH
3であり、R
2c及びR
2dの各々は独立して、水素であり、mは1又は2であり、nは1であり、XはOであり、pは0であり、M
2は、1個以上のR
3で任意選択により置換されているフェニルであり、R
3は−CF
3であり、Z
2は、ヘテロシクリル(例えば、酸素含有ヘテロシクリル、例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、オキセタニル、又はオキシラニル)である。いくつかの実施形態において、式(II−b−i)の化合物は、化合物103、化合物104、化合物105、化合物106、又は化合物108である。
【0147】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(II−b−iii)の化合物である。式(II−b−iii)のいくつかの実施形態において、R
2c及びR
2dの各々は独立して、水素であり、mは1であり、pは1であり、qは0であり、R
5は−CH
3であり、Zはヘテロシクリル(例えば、窒素含有ヘテロシクリル、例えば、ピペラジニル)である。いくつかの実施形態において、式(II−b−iii)の化合物は、化合物110である。
【0148】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(II−c)の化合物である。式(II−c)のいくつかの実施形態において、R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素であり、mは1であり、nは3であり、XはOであり、pは0であり、Zはヘテロシクリル(例えば、酸素含有ヘテロシクリル、例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、オキセタニル、又はオキシラニル)である。いくつかの実施形態において、式(II−c)の化合物は、化合物107又は化合物111である。
【0149】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(II−e)の化合物である。式(II−e)のいくつかの実施形態において、R
2a及びR
2bの各々は独立して、水素であり、nは1であり、qは0であり、L
3は、−CH
2(OCH
2CH
2)
2−であり、Zは−OCH
3である。
【0150】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(II−e−i)の化合物である。式(II−e−i)のいくつかの実施形態において、R
2a及びR
2bの各々は独立して、水素であり、nは1であり、qは0であり、L
3は、−CH
2(OCH
2CH
2)
2であり、Zは−OCH
3である。いくつかの実施形態において、式(II−e−i)の化合物は、化合物109である。
【0151】
式(II−e−i)のいくつかの実施形態において、R
2a及びR
2bの各々は独立して、水素であり、nは1であり、L
3は結合又は−CH
2であり、Zは、水素又は−OHである。いくつかの実施形態において、式(II−e−i)の化合物は、化合物100である。
【0152】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(II−g)の化合物である。式(II−g)のいくつかの実施形態において、R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素であり、mは1であり、nは2であり、qは3であり、pは0であり、R
Cは水素であり、Z
1は、R
5(例えば、−N(CH
3)(CH
2CH
2)S(O)
2CH
3)で任意選択により置換されているヘテロアルキルである。いくつかの実施形態において、式(II−g)の化合物は、化合物117である。
【0153】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(II−g−i)の化合物である。式(II−g−i)のいくつかの実施形態において、R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素であり、mは1であり、nは2であり、qは3であり、pは0であり、R
Cは水素であり、Z
2は、ヘテロシクリル(例えば、窒素含有ヘテロシクリル、例えば、窒素含有スピロヘテロシクリル、例えば、2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナニル)である。いくつかの実施形態において、式(II−g−i)の化合物は、化合物118である。
【0154】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(II−g−ii)の化合物である。式(II−g−ii)のいくつかの実施形態において、R
2a、R
2b、R
2c、及びR
2dの各々は独立して、水素であり、mは1であり、nは2であり、qは、1、2、3、又は4であり、pは0であり、XはS(O)
2である。式(II−g−ii)のいくつかの実施形態において、R
2a及びR
2bの各々は独立して、水素であり、mは1であり、nは2であり、qは、1、2、又は4であり、pは0であり、XはS(O)
2である。いくつかの実施形態において、式(II−g−ii)の化合物は、化合物114、化合物115、又は化合物116である。
【0155】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(II−b)、(II−c)、又は(II−d)の化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、式(II−b)、(II−c)、又は(II−e)の化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、式(II−b)、(II−c)、又は(II−f)の化合物である。いくつかの実施形態において、化合物は、式(II−b)、(II−c)、又は(II−g)の化合物である。
【0156】
いくつかの実施形態において、式(II)の化合物は、国際公開第2012/112982号パンフレット、国際公開第2012/167223号パンフレット、国際公開第2014/153126号パンフレット、国際公開第2016/019391号パンフレット、国際公開第2017/075630号パンフレット、米国特許出願公開第2012−0213708号明細書、米国特許出願公開第2016−0030359号明細書又は米国特許出願公開第2016−0030360号明細書に開示されている化合物でない。
【0157】
いくつかの実施形態において、式(II)の化合物は、表2に示される化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0161】
式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩で修飾されたポリマーは、直鎖、分岐、若しくは架橋ポリマー、又は選択された分子量範囲、重合度、粘度若しくはメルトフローレートのポリマーであり得る。分岐ポリマーは、以下のタイプ:星型ポリマー、櫛型ポリマー、ブラシ型ポリマー、デンドロン化ポリマー、グラフト−コ(ポリマー)、ラダー、及びデンドリマーの1つ以上を含み得る。ポリマーは、熱応答性ポリマー、例えば、ゲル(例えば、熱若しくは特定の温度への曝露により固体若しくは液体になる)又は光架橋性ポリマーであり得る。例示的なポリマーとしては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセチレン、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、ポリオレフィンコポリマー、ポリ(ウレタン)、ポリアクリレート及びポリメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリメタクリルアミド、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリエーテル、ポリ(オルトエステル)、ポリ(カーボネート)、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)、ポリフルオロカーボン、PEEK(登録商標)、Teflon(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン、PTFE)、PEEK、シリコーン、エポキシ樹脂、Kevlar(登録商標)、Dacron(登録商標)(エチレングリコール及びテレフタル酸から得られる縮合ポリマー)、ポリエチレングリコール、ナイロン、ポリアルケン、フェノール樹脂、天然及び合成エラストマー、接着剤及びシーラント、ポリオレフィン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、多糖類及び天然ラテックスなどのバイオポリマー、コラーゲン、セルロースポリマー(例えば、アルキルセルロースなど)、ポリエチレングリコール及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、多糖類、ポリ(グリコール酸)、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリ(乳酸グリコール酸)(PLGA)、ポリジオキサノン(PDA)、又はラセミポリ(乳酸)、ポリカーボネート、(例えば、ポリアミド(例えば、ナイロン))、フッ素樹脂、炭素繊維、アガロース、アルギン酸塩、キトサン、並びにこれらのブレンド又はコポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)を含む。いくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)を含む。いくつかの実施形態において、ポリマーは、単一のタイプの繰り返しモノマー単位から構成される。他の実施形態において、ポリマーは、異なるタイプの繰り返しモノマー単位(例えば、2つのタイプの繰り返しモノマー単位、3つのタイプの繰り返しモノマー単位、例えば、ポリマーブレンド)から構成される。
【0162】
いくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリエチレンである。例示的なポリエチレンとしては、超低密度ポリエチレン(ULDPE)(例えば、コモノマーを含む、0.890〜0.905g/cm
3の範囲の密度を有するポリマーを含む);超低密度ポリエチレン(VLDPE)(例えば、コモノマーを含む、0.905〜0.915g/cm
3の範囲の密度を有するポリマーを含む);直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)(例えば、コモノマーを含む、0.915〜0.935g/cm
3の範囲の密度を有するポリマーを含む);低密度ポリエチレン(LDPE)(例えば、約0.915〜0.935g/m
3の範囲の密度を有するポリマーを含む);中密度ポリエチレン(MDPE)(例えば、0.926〜0.940g/cm
3の範囲の密度を有するポリマーを含み、コモノマーを含有していてもいなくてもよい);高密度ポリエチレン(HDPE)(例えば、0.940〜0.970g/cm
3の範囲の密度を有するポリマーを含み、コモノマーを含有していてもいなくてもよい)が挙げられる。
【0163】
いくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリプロピレンである。例示的なポリプロピレンとしては、例えば、本明細書において参照によりその全体が援用される、McKeen,Handbook of Polymer Applications in Medicine and Medical Devices,3−Plastics Used in Medical Devices,(2014):21−53に記載されている、ホモポリマー、ランダムコポリマー(ホモ相コポリマー)、及びインパクトコポリマー(ヘテロ相コポリマー)が挙げられる。
【0164】
いくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリスチレンである。例示的なポリスチレンとしては、汎用性又は結晶(PS又はGPPS)、ハイインパクト(HIPS)、及びシンジオタクチック(SPS)ポリスチレンが挙げられる。
【0165】
いくつかの実施形態において、ポリマーは、熱可塑性エラストマー(TPE)である。例示的なTPEとしては、(i)TPA−ポリアミドTPE、交互するハード及びソフトセグメントのブロックコポリマーを含み、ハードブロック中にアミド化学結合、並びに、ソフトブロック中にエーテル及び/又はエステル結合を有するもの;(ii)TPC−コポリエステルTPE、交互するハードセグメント及びソフトセグメントのブロックコポリマーからなり、主鎖中の化学結合はエステル及び/又はエーテルであるもの;(iii)TPO−オレフィン系TPE、ポリオレフィン及び従来のゴムのブレンドからなり、ブレンド中のゴム相は架橋をほとんど又はまったく有さないもの;(iv)TPS−スチレン系TPE、スチレン及び特定のジエンの少なくともトリブロックコポリマーからなり、ここで、2つの末端ブロック(ハードブロック)はポリスチレンであり、内部ブロック(1つ又は複数のソフトブロック)はポリジエン又は水素化ポリジエンであるもの;(v)TPU−ウレタンTPE、交互するハード及びソフトセグメントのブロックコポリマーからなり、ハードブロック中にウレタン化学結合、及び、ソフトブロック中にエーテル、エステル又は炭酸結合又はこれらの混合物を有するもの;(vi)TPV−熱可塑性ゴム加硫物、熱可塑性材料及び従来のゴムのブレンドからなり、ここで、ゴムは、ブレンド及び混合ステップ中の動的加硫プロセスにより架橋されているもの;並びに、(vii)TPA、TPC、TPO、TPS、TPU、及びTPVに分類されるもの以外のいずれかの組成物又は構造を含むTPZ−未分類TPEが挙げられる。
【0166】
いくつかの実施形態において、ポリマーは、ヒドロゲル形成ポリマーである。ヒドロゲル形成ポリマーは、3次元網目構造中に大量の水を保持することを可能にする親水性構造を含む。ヒドロゲル形成ポリマーは、ホモポリマーヒドロゲル、コポリマーヒドロゲル、又はマルチポリマー相互侵入高分子ヒドロゲルを形成するポリマーを含んでもよく、例えば、Ahmed(2015)J Adv Res 6:105−121に記載されているように、非晶質、半結晶性、又は結晶性の性質であり得る。例示的なヒドロゲル形成ポリマーとしては、タンパク質(例えば、コラーゲン)、ゼラチン、多糖類(例えば、デンプン、アルギン酸塩、ヒアルロン酸塩、アガロース)、及び合成ポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態において、ヒドロゲル形成ポリマーは、多糖(例えば、アルギン酸塩)である。
【0167】
いくつかの実施形態において、ポリマーは、多糖である。例示的な多糖類としては、例えば、Laurienzo(2010),Mar Drugs 9:2435−65に記載されているように、アルギン酸塩、寒天、アガロース、カラギーナン、ヒアルロン酸塩、アミロペクチン、グリコーゲン、ゼラチン、セルロース、アミロース、キチン、キトサン、又はこれらの誘導体若しくは変異体が挙げられる。ポリマーは、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、デルマタン、デキストラン、又はカルボキシメチルセルロースを含み得る。いくつかの実施形態において、多糖は、架橋ポリマーである。いくつかの実施形態において、多糖は、細胞表面多糖である。
【0168】
いくつかの実施形態において、ポリマーは、多糖であり、多糖は、アルギン酸塩である。アルギン酸塩は、β−D−マンヌロン酸(M)及びα−L−グルロン酸(G)から構成される多糖である。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、高グルロン酸(G)アルギン酸塩であり、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%超、又はそれ以上のグルロン酸(G)を含む。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、高マンヌロン酸(M)アルギン酸塩であり、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%超、又はそれ以上のマンヌロン酸(M)を含む。いくつかの実施形態において、M:Gの比率は約1である。いくつかの実施形態において、M:Gの比率は1未満である。いくつかの実施形態において、M:Gの比率は1超である。
【0169】
式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩で修飾されたポリマーは、1つ以上のモノマー単位において修飾される。いくつかの実施形態において、ポリマーの少なくとも0.5%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される(例えば、ポリマーの少なくとも1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又はそれ以上のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、ポリマーの0.5%〜50%、10%〜90%、10%〜50%、又は25〜75%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、ポリマーの1%〜20%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、ポリマーの1%〜10%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。
【0170】
いくつかの実施形態において、ポリマー(式IIの化合物で修飾される場合)は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1.0、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、又は10重量%のNの、(非修飾ポリマーと比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、修飾ポリマー中の式IIの化合物の量に相当する。
【0171】
いくつかの実施形態において、ポリマー(式IIの化合物で修飾される場合)は、0.1〜10重量%のNの、(非修飾ポリマーと比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、修飾ポリマー中の式IIの化合物の量に相当する。
【0172】
いくつかの実施形態において、ポリマー(式IIの化合物で修飾される場合)は、0.1〜2重量%のNの、(非修飾ポリマーと比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、修飾ポリマー中の式IIの化合物の量に相当する。
【0173】
いくつかの実施形態において、ポリマー(式IIの化合物で修飾される場合)は、2〜4重量%のNの、(非修飾ポリマーと比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、修飾ポリマー中の式IIの化合物の量に相当する。
【0174】
いくつかの実施形態において、ポリマー(式IIの化合物で修飾される場合)は、4〜8重量%のNの、(非修飾ポリマーと比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、修飾ポリマー中の式IIの化合物の量に相当する。
【0175】
式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩で修飾されたアルギン酸塩は、1つ以上のモノマー単位において修飾され得る。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩中の少なくとも0.5%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される(例えば、アルギン酸塩の少なくとも1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又はそれ以上のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩の0.5%〜50%、10%〜90%、10%〜50%、又は25〜75%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩の1%〜20%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩の1%〜10%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。
【0176】
いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、式(II)の化合物(例えば、式(II−a)、(II−b)、(II−b−i)、(II−b−ii)、(II−b−iii)、(II−c)、(II−d)、(II−e)、(II−e−i)、(II−f)、(II−g)、(II−g−i)、又は(II−g−ii)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩)で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、式(II−a)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、式(II−b)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、式(II−b−i)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、式(II−b−ii)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、式(II−b−iii)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、式(II−c)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、式(II−d)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、式(II−e)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、式(II−e−i)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、式(II−f)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、式(II−g)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、式(II−g−i)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、式(II−g−ii)の化合物で修飾される。
【0177】
いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、表2に示される化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物100で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物101で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物102で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物103で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物104で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物105で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物106で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物107で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物108で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物109で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物110で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物111で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物112で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物113で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物114で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物115で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物116で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物117で修飾される。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物118で修飾される。
【0178】
移植可能な要素
本開示は、本明細書に記載の式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む移植可能な要素(例えば、デバイス又は材料)も特徴とする。式(II)の化合物の修飾は、修飾された移植可能な要素とそれ以外は同一の非修飾の移植可能な要素と比して、患者に投与されるとき、移植可能な要素に改善された特性、例えば、患者における免疫応答の調節を与え得る。
【0179】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、細胞を含む。いくつかの実施形態において、細胞は、組み換え細胞である。いくつかの実施形態において、細胞は、移植可能な要素と共に完全に又は部分的に配置される。移植可能な要素は、細胞の一部又は全体をカプセル化又はコーティングする封入要素を含み得る。一実施形態において、移植可能な要素は、細胞、例えば、複数の細胞、例えば、細胞のクラスター、又はマイクロキャリア、例えば、1つ若しくは複数の細胞を含むビーズ又はマトリックス又はその周囲にインサイツで形成される、又は、形成可能である封入構成要素を含む。
【0180】
移植可能な要素は、本明細書に記載の材料などの任意の材料を含み得る。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、1つの材料又は多くのタイプの材料から構成される。移植可能な要素は、非有機又は金属構成要素又は材料、例えば、鋼(例えば、ステンレス鋼)、チタン、他の金属又は合金を含み得る。移植可能な要素は、非金属構成要素又は材料、例えば、セラミック、又はヒドロキシアパタイト要素を含み得る。
【0181】
移植可能な要素は、導電性材料(例えば、金、白金、パラジウム、チタン、銅、アルミニウム、銀、金属、これらのいずれかの組み合わせなど)から構成される構成要素又は材料を含み得る。
【0182】
移植可能な要素は、2種以上の構成要素、例えば、2種以上の本明細書に開示の構成要素、例えば、2種以上の金属、プラスチック、セラミック、複合体、又はハイブリッド材料を含み得る。
【0183】
例示的な移植可能な要素は、金属、金属合金、セラミック、ポリマー、繊維、不活性材料、及びこれらの組み合わせなどの材料を含む。移植可能な要素は、1つのタイプの材料から完全に構成されてもよく、又は単に表面又は移植可能な要素の表面(例えば、外表面若しくは内表面)を指し得る。
【0184】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素(例えば、デバイス又は材料)は、金属又は金属合金を含む。例示的な金属又は金属合金としては、チタン及びチタン族合金(例えば、ニチノール、ニッケルチタン合金、熱記憶合金材料)、白金、白金族合金、ステンレス鋼、タンタル、パラジウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ニッケル−クロム、クロムモリブデン合金、又は特定のコバルト合金(例えば、コバルト−クロム及びコバルト−クロム−ニッケル合金、例えば、ELGILOY(登録商標)及びPHYNOX(登録商標))が挙げられる。例えば、金属材料は、ステンレス鋼グレード316(SS 316L)(Fe、<0.3%のC、16〜18.5%のCr、10〜14%のNi、2〜3%のMo、<2%のMn、<1%のSi、<0.45%のP、及び<0.03%のSから構成される)であり得る。金属を含有する移植可能な要素において、金属の量(例えば、重量%、実際の重量)は、少なくとも5%、例えば、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又はそれ以上(例えば、w/w);20%未満、例えば、20%、15%、10%、5%、1%、0.5%、0.1%未満、又はそれ以下であり得る。
【0185】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素(例えば、デバイス又は材料)は、セラミックである。例示的なセラミック材料としては、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化イリジウム、酸化クロム、酸化アルミニウム、及び酸化ジルコニウムなどの、遷移元素の酸化物、炭化物、又は窒化物が挙げられる。シリカなどのケイ素系材料も使用され得る。セラミックを含有する移植可能な要素において、セラミックの量(例えば、重量%、実際の重量)は、少なくとも5%、例えば、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又はそれ以上(例えば、w/w);20%未満、例えば、20%、15%、10%、5%、1%、0.5%、0.1%未満、又はそれ以下であり得る。
【0186】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、ポリマー(例えば、ヒドロゲル、プラスチック)構成要素を含む。例示的なポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル(例えば、PLA、PLG、又はPGA、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又は他の生体吸収性プラスチック)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアクリレート(例えば、アクリル又はPMMA)、ヒドロゲル(例えば、アクリルポリマー又はアクリル及びシリコーンポリマーのブレンド)、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性エラストマー(TPE又はTPU)、熱硬化性エラストマー(例えば、シリコーン(例えば、シリコーンエラストマー))、ポリ−p−キシリレン(Parylene)、フルオロポリマー(例えば、PTFE)、並びにポリ(アクリル酸)及び/又はポリ(アクリルアミド)などのポリアクリレート、又はこれらの混合物が挙げられる。ポリマーを含有する移植可能な要素において、ポリマーの量(例えば、重量%、実際の重量)は、少なくとも5%、例えば、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又はそれ以上(例えば、w/w);20%未満、例えば、20%、15%、10%、5%、1%、0.5%、0.1%未満、又はそれ以下であり得る。
【0187】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素(例えば、デバイス又は材料)は、移植可能な要素(例えば、移植可能な要素の表面)に共有結合的に又は非共有結合的に付随しているポリマーを含む。いくつかの実施形態において、ポリマーは、移植可能な要素(例えば、移植可能な要素の内表面又は外表面)に共有結合的に付随している。いくつかの実施形態において、ポリマーは、移植可能な要素(例えば、移植可能な要素の内表面又は外表面)に非共有結合的に付随している。ポリマーは、限定されないが、移植可能な要素の表面への疎水性ポリマーの噴霧、湿潤、含浸、浸漬、例えば浸漬コーティング(例えば、術中浸漬コーティング)、塗布、又は他の形での適用を含む、当該技術分野における様々な技術によって、移植可能な要素に適用され得る。
【0188】
一実施形態において、移植可能な要素は、可撓性ポリマー、例えば、アルギン酸塩(例えば、化学修飾アルギン酸塩)、PLA、PLG、PEG、CMC、又はこれらの混合物を含む(本明細書において、「ポリマーカプセル化移植可能デバイス」と称される)。
【0189】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、ヒドロゲル形成ポリマーを含む。ヒドロゲル形成ポリマーは、3次元網目構造中に大量の水を保持することを可能にする親水性構造を含む。ヒドロゲル形成ポリマーは、ホモポリマーヒドロゲル、コポリマーヒドロゲル、又はマルチポリマー相互侵入高分子ヒドロゲルを形成するポリマーを含んでもよく、例えば、Ahmed(2015)J Adv Res 6:105−121に記載されているように、非晶質、半結晶性、又は結晶性の性質であり得る。例示的なヒドロゲル形成ポリマーとしては、タンパク質(例えば、コラーゲン)、ゼラチン、多糖類(例えば、デンプン、アルギン酸塩、ヒアルロン酸塩、アガロース)、及び合成ポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態において、ヒドロゲル形成ポリマーは、多糖(例えば、アルギン酸塩)である。
【0190】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、多糖を含む。例示的な多糖類としては、例えば、Laurienzo(2010),Mar Drugs 9:2435−65に記載されているように、アルギン酸塩、寒天、アガロース、カラギーナン、ヒアルロン酸塩、アミロペクチン、グリコーゲン、ゼラチン、セルロース、アミロース、キチン、キトサン、又はこれらの誘導体若しくは変異体が挙げられる。移植可能な要素は、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、デルマタン、デキストラン、又はカルボキシメチルセルロースを含む多糖を含み得る。いくつかの実施形態において、多糖は、架橋ポリマーである。いくつかの実施形態において、多糖は、細胞表面多糖である。
【0191】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、多糖を含み、多糖は、アルギン酸塩である。アルギン酸塩は、β−D−マンヌロン酸(M)及びα−L−グルロン酸(G)から構成される多糖である。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、高グルロン酸(G)アルギン酸塩であり、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%超、又はそれ以上のグルロン酸(G)を含む。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、高マンヌロン酸(M)アルギン酸塩であり、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%超、又はそれ以上のマンヌロン酸(M)を含む。いくつかの実施形態において、M:Gの比率は約1である。いくつかの実施形態において、M:Gの比率は1未満である。いくつかの実施形態において、M:Gの比率は1超である。
【0192】
一実施形態において、移植可能な要素は、細胞、例えば、複数の細胞、例えば、細胞のクラスター、又はマイクロキャリア、例えば、1つ若しくは複数の細胞を含むビーズ又はマトリックス又はその周囲にインサイツで形成される、又は、形成可能である封入構成要素を含む。
【0193】
一実施形態において、移植可能な要素は、封入される細胞、例えば、複数の細胞、例えば、細胞のクラスター、又はマイクロキャリア、例えば、1つ若しくは複数の細胞を含むビーズ又はマトリックスとの組み合わせ前に予め形成される封入構成要素を含む。移植可能な要素は、タンパク質又はポリペプチド、例えば、抗体、タンパク質、酵素、又は増殖因子を含み得る。移植可能な要素は、グルコースオキシダーゼ(例えば、グルコースセンサ用)、キナーゼ、ホスファターゼ、オキシゲナーゼ、ヒドロゲナーゼ、レダクターゼなどの、タンパク質又はポリペプチドの活性又は不活性画分を含み得る。
【0194】
本明細書に包含される移植可能な要素としては、内腔、例えば、1つ、2つ以上の開口を有する内腔を伴って構成された、例えば、管状デバイスといった移植可能な要素が挙げられる。典型的なステントが、内腔を伴い、2つの開口を有して構成されたデバイスの一例である。他の例としては、シャントが挙げられる。
【0195】
本明細書に包含される移植可能な要素としては、例えば、身体の形状に合致するよう構成される可撓性の移植可能な要素が挙げられる。
【0196】
本明細書に包含される移植可能な要素としては、例えば、接着剤又は締結具、例えば、トルク系又は摩擦系締結具、例えば、スクリュー又はピンといった、移植可能な要素の位置を安定化させる構成要素が挙げられる。
【0197】
本明細書に包含される移植可能な要素としては、物質、例えば、外因性の物質(例えば、治療薬若しくは毒素)、又は内因性の体内産生物(例えば、ポリペプチド、例えば、インスリン)を監視するよう構成され得る。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は診断用である。
【0198】
本明細書に包含される移植可能な要素としては、物質、例えば、外因性の物質、例えば、本明細書に記載の治療薬を放出するように構成され得る。いくつかの実施形態において、治療薬は、式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態において、治療薬は生体材料である。いくつかの実施形態において、治療薬は、核酸(例えば、RNA若しくはDNA)、タンパク質(例えば、ホルモン、酵素、抗体、抗体画分、抗原、又はエピトープ)、小分子、脂質、薬物、ワクチン、又はそのいずれかの誘導体である。
【0199】
本明細書における移植可能な要素は、例えば、人工関節(例えば、膝、股関節、又は他の人工関節)といった、身体のシグナル又は動きに応答して立体構造が変化するよう構成され得る。
【0200】
例示的な移植可能な要素としては、ステント、シャント、ドレッシング、眼用デバイス、ポート、センサ、整形外科固定具、インプラント(例えば、歯科インプラント、眼内インプラント、シリコンインプラント、角膜インプラント、皮膚インプラント、胃内インプラント、顔面インプラント、股関節インプラント、骨インプラント、人工内耳、陰茎インプラント、失禁の制御用インプラント)、皮膚被覆デバイス、透析媒体、薬物送達デバイス、人工又は操作された臓器(例えば、脾臓、腎臓、肝臓、又は心臓)、ドレナージデバイス(例えば、膀胱ドレナージデバイス)、細胞選択系、接着剤(例えば、セメント、クランプ、クリップ)、避妊具、子宮内デバイス、除細動器、線量計、電極、ポンプ(例えば、点滴ポンプ)フィルタ、塞栓形成デバイス、締結具、充填材、固定剤、グラフト、補聴器、心臓(cardio)若しくは心臓(heart)−関連デバイス(例えば、ペースメーカー、心臓弁)、バッテリー若しくは電源、止血薬、失禁デバイス、椎体間固定デバイス、口腔内デバイス、レンズ、メッシュ、針、神経系刺激装置、パッチ、腹膜アクセス用デバイス、プレート、プラグ、圧力監視デバイス、リング、トランスポンダ、及びバルブが挙げられる。また、麻酔学、心臓病学、臨床化学、耳鼻咽喉学、歯学、胃腸病学、泌尿器科学、血液学、免疫学、微生物学、神経内科学、産科学/婦人科学、眼科学、整形外科学、病理学、物理療法学、放射線学、一般的若しくは形成手術、獣医学、精神医学、手術、及び/又は臨床中毒学の1つ以上において用いられるデバイスが含まれる。
【0201】
本明細書に包含される移植可能な要素としては、FDAクラス1、2、又は3デバイス、例えば、無分類であるか、又は人道機器(HUD)として分類されていない、若しくは分類されているデバイスが挙げられる。
【0202】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素としては、カプセル化された又は取り込まれた細胞又は組織が挙げられる。細胞又は組織は、ポリマー中にカプセル化され、又は取り込まれ得る。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、MSFC、例えば、ポリマー封入構成要素(例えば、アルギン酸塩)中に配置されたMSFCを含む。
【0203】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、例えば神経系(例えば、末梢神経系(PNS)又は中枢神経系(CNS))、脈管系、骨格系、呼吸器系、内分泌系、リンパ系、生殖器系、又は胃腸管といった身体の特定の系を標的にするか又はそのような身体の特定の系に向けて設計される。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、CNSに標的化される。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、例えば、血液、眼、脳、皮膚、肺、胃、口、耳、脚、足、手、肝臓、心臓、腎臓、骨、膵臓、脾臓、大腸、小腸、脊髄、筋肉、卵巣、子宮、膣、又は陰茎といった身体の特定の部分を標的にするか又はそのような身体の特定の部分に向けて設計される。
【0204】
移植可能な要素(又は移植可能な要素全体)において用いられる構成要素又は材料は、以下の1つ以上に対して最適化され得る:生体適合性(例えば、免疫拒絶又は線維症を最小限とするもの;耐熱性;弾性;引張強度;耐薬品性(例えば、油、グリース、消毒剤、漂白剤、加工助剤、又は、デバイスの生産、使用、クリーニング、殺菌及び消毒において用いられる他の薬品に対する耐性);電気特性;表面及び体積導電性又は抵抗性、絶縁耐力;比較トラッキング指数;機械的特性;保管寿命、長期耐久性滅菌能(例えばデバイスの意図される使用に係る特性を維持しつつも、例えば、水蒸気、乾熱、エチレンオキシド(EtO)、電子ビーム、及び/又はガンマ線などの滅菌プロセスに耐える能力)、例えば、オートクレーブ/水蒸気条件に対する耐熱性、水蒸気滅菌に対する加水分解安定性、EtOに対する耐化学薬品性、高エネルギー放射線(例えば、電子ビーム、UV、及びγ)に対する耐性;又は結晶構造。
【0205】
移植可能な要素は、インビボ(例えば、インビボで構造化形状を形成する注射物質(例えば体温で))又はエキソビボでアセンブルされ得る。
【0206】
移植可能な要素は、ナノ次元の寸法を有していることが可能であり、例えば、ナノ粒子、例えば、本明細書に記載のポリマー、例えば、PLAから構成されるナノ粒子を含み得る。ナノ粒子は、例えば、マクロファージ及びクッパー細胞による取り込み(例えば、オプソニン作用と呼ばれるプロセス)を防止するよう;又はナノ粒子の循環半減期を変更するよう変性されている化学変性ナナノ粒子であり得る。ナノ粒子は、鉄ナノ粒子(注射液)(例えば、Advanced Magnetics製の鉄ナノ粒子)を含み得る。例示的なナノ粒子は、本明細書において参照によりその全体が援用される、Veiseh et al(2010)Adv Drug Deliv Rev 62:284−304に記載されている。
【0207】
移植可能な要素は、身体の任意の部位内又は部位上へのインプラント、又は移植又は配置のために構成され得る。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、患者の網、患者の皮下脂肪、又は患者の筋肉組織内へのインプラント、移植、又は配置のために構成される。移植可能な要素は、皮膚上又は中;粘膜表面、体腔、腹膜腔(例えば、網嚢);中枢神経系、例えば、脳又は脊髄;臓器、例えば、心臓、肝臓、腎臓、脾臓、肺、リンパ系、血管系、口腔、鼻腔、歯、歯茎、胃腸管;骨;股関節;脂肪組織;筋肉組織;循環血液;眼(例えば、眼内);乳房、膣;子宮、関節、例えば、膝関節若しくは股関節、又は脊椎へのインプラント、又は移植、又は配置のために構成され得る。
【0208】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、腹膜腔(例えば、網)内へのインプラント又は移植又は配置のために構成される。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、網嚢(lesser sac)(網嚢(omental bursa)又は網嚢(bursalis omentum)としても知られている)内又は上へのインプラント又は移植又は配置のために構成される。網嚢は、網によって形成される、腹部に位置する空間を指し、例えば、大網、小網、胃、小腸、大腸、肝臓、脾臓、胃脾間膜、副腎、及び膵臓にごく近接している。典型的には、網嚢は、網嚢孔(すなわち、ウィンズロー孔)を介して大嚢に結合されている。いくつかの実施形態において、網嚢は、高濃度の脂肪組織を含む。移植可能な要素は、腹膜腔(例えば、網、例えば、網嚢)内に移植されるか、又は注入若しくはカテーテルによって腹膜腔(例えば、網、例えば、網嚢)内の表面に配置され得る。網(例えば、網嚢)内への移植可能な要素のインプラント又は配置についてのさらなる検討が、本明細書において参照によりその全体が援用される、M.Pellicciaro et al.(2017)CellR4 5(3):e2410に示されている。
【0209】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、中枢神経系(CNS)、例えば、脳又は脊髄及びそれらの対応する組織及び体腔内へのインプラント又は移植又は配置のために構成される。脊椎動物において、CNSは、頭蓋腔及び脊柱管を含む背測腔内に含まれる。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、脳内腔、例えば、実質内腔、脳室内腔、又は硬膜下腔内へのインプラント又は移植又は配置のために構成される。移植可能な要素は、CNS内に移植されるか、又は頭蓋骨内に形成された孔を通してCNS内の表面に配置され、注入若しくはカテーテルによって送達され得る。
【0210】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、眼内へのインプラント又は移植又は配置のために構成される。移植可能な要素のインプラント又は配置に好適な例示的な領域としては、網膜、角膜、上皮、房水、又は硝子体腔(vitreal space)などの、眼内の任意の表面又は空間が挙げられる。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、硝子体腔内へのインプラント又は移植又は配置のために構成される。移植可能な要素は、眼内に移植されるか、又は切開及び/又は注入によって、眼内の表面に配置され得る。
【0211】
移植可能な要素は、例えば、作用電極及び基準電極を含む電気化学センサといった電気化学センサを含み得る。例えば、電気化学センサは、分析物と反応して、眼装用デバイスが露出される体液中の分析物の濃度に関連するセンサ計測値を生成する、作用電極及び基準電極を含む。移植可能な要素は、例えば透明高分子材料中に少なくとも部分的に埋め込まれている凹面及び凸面の基材を有する、例えば透明高分子材料製の窓を含み得る。移植可能な要素はまた、アンテナ;並びに、電気化学センサ及びアンテナと電気的に接続されたコントローラの1つ以上を含む電子モジュールを備えていることが可能であり、ここで、コントローラは、電気化学センサを制御して、例えば装着できる移植可能な要素といった移植可能な要素が露出される体液中の分析物の濃度に関連するセンサ計測値を入手し、アンテナを用いてセンサ計測値を表示するよう構成されている。
【0212】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、1mm超、好ましくは、1.5mm又はそれ以上である平均直径又はサイズを有する。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、直径又はサイズが8mm程度であり得る。例えば、本明細書に記載の移植可能な要素は、1mm〜8mm、1mm〜6mm、1mm〜5mm、1mm〜4mm、1mm〜3mm、1mm〜2mm、1mm〜1.5mm、1.5mm〜8mm、1.5mm〜6mm、1.5mm〜5mm、1.5mm〜4mm、1.5mm〜3mm、1.5mm〜2mm、2mm〜8mm、2mm〜7mm、2mm〜6mm、2mm〜5mm、2mm〜4mm、2mm〜3mm、2.5mm〜8mm、2.5mm〜7mm、2.5mm〜6mm、2.5mm〜5mm、2.5mm〜4mm、2.5mm〜3mm、3mm〜8mm、3mm〜7mm、3mm〜6mm、3mm〜5mm、3mm〜4mm、3.5mm〜8mm、3.5mm〜7mm、3.5mm〜6mm、3.5mm〜5mm、3.5mm〜4mm、4mm〜8mm、4mm〜7mm、4mm〜6mm、4mm〜5mm、4.5mm〜8mm、4.5mm〜7mm、4.5mm〜6mm、4.5mm〜5mm、5mm〜8mm、5mm〜7mm、5mm〜6mm、5.5mm〜8mm、5.5mm〜7mm、5.5mm〜6mm、6mm〜8mm、6mm〜7mm、6.5mm〜8mm、6.5mm〜7mm、7mm〜8mm、又は7.5mm〜8mmのサイズ範囲内である。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、1mm〜8mmの平均直径又はサイズを有する。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、1mm〜4mmの平均直径又はサイズを有する。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、1mm〜2mmの平均直径又はサイズを有する。
【0213】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、例えば、材料の自由な流動を可能にするために、少なくとも1つの孔又は開口を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素の平均孔径は、約0.1μm〜約10μmである。例えば、平均孔径は、0.1μm〜10μm、0.1μm〜5μm、0.1μm〜2μm、0.15μm〜10μm、0.15μm〜5μm、0.15μm〜2μm、0.2μm〜10μm、0.2μm〜5μm、0.25μm〜10μm、0.25μm〜5μm、0.5μm〜10μm、0.75μm〜10μm、1μm〜10μm、1μm〜5μm、1μm〜2μm、2μm〜10μm、2μm〜5μm、又は5μm〜10μmであり得る。いくつかの実施形態において、移植可能な要素の平均孔径は、約0.1μm〜10μmである。いくつかの実施形態において、移植可能な要素の平均孔径は、約0.1μm〜5μmである。いくつかの実施形態において、移植可能な要素の平均孔径は、約0.1μm〜1μmである。
【0214】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、特定のサイズを超える材料が孔又は開口を通過するのを防ぐことが可能である。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、50kD、75kD、100kD、125kD、150kD、175kD、200kD、250kD、300kD、400kD、500kD、750kD、1,000kD超の材料が通過するのを防ぐことが可能である。
【0215】
移植可能な要素(例えば、本明細書に記載の移植可能な要素)は、患者への移植又は投与のための調製物又は組成物として提供され得る。いくつかの実施形態において、調製物又は組成物中の移植可能な要素の少なくとも20%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%が、例えば平均孔径といった本明細書に記載の特徴を有する。
【0216】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、数分間から数年間の範囲の様々な期間にわたって使用され得る。例えば、移植可能な要素は、約1時間から約10年間にわたって使用され得る。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、約1時間、2時間、4時間、8時間、16時間、1日、48時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、8ヶ月間、10ヶ月間、1年間、18ヶ月間、2年間、3年間、4年間、5年間、6年間、7年間、8年間、9年間、10年間より長く、又はそれ以上にわたって使用される。移植可能な要素は、移植の期間のために構成され、例えば、予期される期間のすべて又は一部について線維症による線維形成不活性化に耐性であるよう構成され得る。
【0217】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、例えば、患者の損傷を生じずに、又は周囲組織の崩壊をあまり生じずに、患者から容易に取り外し可能である。一実施形態において、移植可能な要素は、例えば、低侵襲手術による挿入、摘出、又は切除によって、周囲組織からの移植可能な要素の最小限の分離を伴って又は手術による分離を伴わずに取り外し可能である。
【0218】
移植可能な要素は、限定的に露出されるよう構成され得る(例えば、2日間未満、例えば、2日間、1日、24時間、20時間、16時間、12時間、10時間、8時間、6時間、5時間、4時間、3時間、2時間、1時間未満又はそれ以下)。移植可能な要素は、持続的に露出されるよう構成され得る(例えば、少なくとも2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、13ヶ月間、14ヶ月間、15ヶ月間、16ヶ月間、17ヶ月間、18ヶ月間、19ヶ月間、20ヶ月間、21ヶ月間、22ヶ月間、23ヶ月間、24ヶ月間、1年間、1.5年間、2年間、2.5年間、3年間、3.5年間、4年間又はそれ以上)。移植可能な要素は、永続的に露出されるよう構成され得る(例えば、少なくとも6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、12ヶ月間、13ヶ月間、14ヶ月間、15ヶ月間、16ヶ月間、17ヶ月間、18ヶ月間、19ヶ月間、20ヶ月間、21ヶ月間、22ヶ月間、23ヶ月間、24ヶ月間、1年間、1.5年間、2年間、2.5年間、3年間、3.5年間、4年間又はそれ以上)。
【0219】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、国際公開第2012/112982号パンフレット、国際公開第2012/167223号パンフレット、国際公開第2014/153126号パンフレット、国際公開第2016/019391号パンフレット、米国特許出願公開第2012−0213708号明細書、米国特許出願公開第2016−0030359号明細書、及び米国特許出願公開第2016−0030360号明細書のいずれかに開示されている移植可能な要素でない。
【0220】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II)の化合物に付随している。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II)の化合物で共有結合的に修飾される。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II)の化合物で修飾されたポリマーを含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II)の化合物で修飾されたポリマー及び移植可能な要素内に完全に又は部分的に配置される細胞を含む。
【0221】
いくつかの実施形態において、細胞(例えば、組み換え細胞)を含む移植可能な要素の表面が、式(II)の化合物で化学修飾される。いくつかの実施形態において、表面は、移植可能な要素の外表面又は内表面を含む。いくつかの実施形態において、細胞(例えば、組み換え細胞)を含む移植可能な要素の表面(例えば、外表面)は、式(II)の化合物で化学修飾される。いくつかの実施形態において、表面(例えば、外表面)は、式(II)の化合物に共有結合される。
【0222】
移植可能な要素は、式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩を含むポリマーでコーティングされ得る。一実施形態において、式(II)の化合物は、移植可能な要素の例えば内表面又は外表面といった表面に配置される。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物は、移植可能な要素に付随している封入構成要素の例えば内表面又は外表面といった表面に配置される。一実施形態において、式(II)の化合物は、表面全体に均等に分布させられる。一実施形態において、式(II)の化合物は、表面全体に不均等に分布させられる。
【0223】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素(例えば、又はその封入構成要素)は、式(II)の化合物、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩で修飾されたポリマーでコーティングされている(例えば、部分的又は全体が被覆されている)。いくつかの実施形態において、移植可能な要素(例えば、又はその封入構成要素)は、式(II)の化合物の単一層でコーティングされている。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II)の化合物の多層(例えば、少なくとも2層、3層、4層、5層、10層、20層、50層又はそれ以上)でコーティングされている。
【0224】
一実施形態において、移植可能な要素の表面の第1の部分は、生物学的機能を調節(例えば下方制御又は上方制御)する式(II)の化合物を含み、移植可能な要素の第2の部分は化合物を含まないか、又は、化合物の密度が実質的に低い。
【0225】
一実施形態において、移植可能な要素の表面の第1の部分は、免疫応答を調節(例えば下方制御)する式(II)の化合物を含み、表面の第2の部分は、例えば免疫応答を上方制御する式(II)の第2の化合物を含み、移植可能な要素の第2の部分は化合物を含まないか、又は、化合物の密度が実質的に低い。
【0226】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II)の化合物、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩を含む材料で対称的にコーティングされているか、又は化学的に誘導体化されている。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II)の化合物、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩で修飾されたポリマーで非対称的にコーティングされているか、又は化学的に誘導体化されている。例えば、例示的な移植可能な要素は、式(I)の化合物、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩で修飾されたポリマーで、部分的にコーティングされていてもよい(例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又は99.9%コーティング)。
【0227】
式(II)の化合物、又は式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩で修飾されたポリマーでコーティングされているか、又は化学的に誘導体化されている例示的な移植可能な要素は、自己組織化(例えば、ブロックコポリマー、吸着(例えば、競合的吸着)、相分離、微細化、又はマスキングを介して)によるなどの当該技術分野において公知の任意の方法を用いて調製され得る。
【0228】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、2つ以上の異なる物理化学的特性(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の異なる物理化学的特性)を示す表面を含む。
【0229】
いくつかの実施形態において、式(II)の化合物、式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩で修飾されたポリマーによる例示的な移植可能な要素の表面のコーティング又は化学的誘導体化は、所与の面積当たりの結合している化合物の平均数、例えば密度として記載されている。例えば、例示的な移植可能な要素のコーティング又は化学的誘導体化の密度は、例えば、前記移植可能な要素の表面又は内部において、0.01、0.1、0.5、1、5、10、15、20、50、75、100、200、400、500、750、1,000、2,500、又は5,000化合物/平方μm又は平方mmであり得る。
【0230】
式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む移植可能な要素は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含まない以外は同一の移植可能な要素と比して低減された免疫応答(例えば、免疫応答のマーカー)を有し得る。免疫応答のマーカーは、以下の1つ以上である:カテプシンレベル、又は、例えばELISAにより計測される、例えば、TNF−α、IL−13、IL−6、G−CSF、GM−CSF、IL−4、CCL2、若しくはCCL4といった免疫応答のマーカーのレベル。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む移植可能な要素では、式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含まない移植可能な要素と比して、免疫応答(例えば、免疫応答のマーカー)が、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は約100%低減されている。いくつかの実施形態において、低減された免疫応答(例えば、免疫応答のマーカー)は、約30分間、約1時間、約6時間、約12時間、約1日、約2日間、約3日間、約4日間、約1週間、約2週間、約1ヶ月間、約2ヶ月間、約3ヶ月間、約6ヶ月間、又はそれ以上の期間後に計測される。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物を含む移植可能な要素は、式(II)の化合物又はカプセル化された式(II)の化合物でコーティングされている。
【0231】
式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む移植可能な要素は、式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含まない移植可能な要素と比して高い免疫応答(例えば、免疫応答のマーカー)を有し得る。免疫応答のマーカーは、以下の1つ以上である:カテプシン活性、又は、例えばELISAにより計測される、例えば、TNF−α、IL−13、IL−6、G−CSF、GM−CSF、IL−4、CCL2、若しくはCCL4といった免疫応答のマーカーのレベル。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含むデバイスでは、式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含まない移植可能な要素と比して、免疫応答(例えば、免疫応答のマーカー)が、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、若しくは約100%、又は約1000%増加される。いくつかの実施形態において、増加された免疫応答(例えば、免疫応答のマーカー)は、約30分間、約1時間、約6時間、約12時間、約1日、約2日間、約3日間、約4日間、約1週間、約2週間、約1ヶ月間、約2ヶ月間、約3ヶ月間、約6ヶ月間、又はそれ以上の期間後に計測される。いくつかの実施形態において、式(II)の化合物を含む移植可能な要素は、式(I)の化合物又はカプセル化された式(II)の化合物でコーティングされている。
【0232】
移植可能な要素は、滑らかな表面を有し得、又は隆起、くぼみ、穴、スリット、若しくは孔、又はこれらのいずれかの組み合わせを含み得る。前記隆起、くぼみ、穴、スリット又は孔は、任意のサイズ、例えば、10μm〜約1nm、約5μm〜約1nm、約2.5μm〜約1nm、1μm〜約1nm、500nm〜約1nm、又は約100nm〜約1nmであり得る。滑らかな表面又は隆起、くぼみ、穴、スリット、若しくは孔、又はこれらのいずれかの組み合わせは、式(II)の化合物、式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩で修飾されたポリマーでコーティングされているか、又は化学的に誘導体化されていてもよい。
【0233】
移植可能な要素は、球状、回転楕円体、楕円体、ディスク、円柱体、円環体、立方体、スタジウム形状(stadiumoid)、円錐体、角錐体、三角、矩形、正方形、若しくはロッド状などの任意の好適な形状であり得、又は湾曲した若しくは平坦な部分を含み得る。任意の形状の、湾曲した、又は平坦な移植可能な要素は、式(II)の化合物、式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩で修飾されたポリマーでコーティングされているか、又は化学的に誘導体化されていてもよい。
【0234】
式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩で修飾されたポリマーを含む移植可能な要素は、ポリマーのモノマー単位の1つ以上において修飾され得る。いくつかの実施形態において、ポリマーの少なくとも0.5%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される(例えば、ポリマーの少なくとも1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又はそれ以上のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、ポリマーの0.5%〜50%、10%〜90%、10%〜50%、又は25〜75%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、ポリマーの1%〜20%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、ポリマーの1%〜10%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。
【0235】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素(式IIの化合物を含む場合)は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1.0、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、又は10重量%のNの、(式IIの化合物を含まない移植可能な要素と比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、移植可能な要素中の式IIの化合物の量に相当する。
【0236】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素(式IIの化合物を含む場合)は、0.1〜10重量%のNの、(式IIの化合物を含まない移植可能な要素と比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、移植可能な要素中の式IIの化合物の量に相当する。
【0237】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素(式IIの化合物を含む場合)は、0.1〜2重量%のNの、(式IIの化合物を含まない移植可能な要素と比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、移植可能な要素中の式IIの化合物の量に相当する。
【0238】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素(式IIの化合物で修飾される場合)は、2〜4重量%のNの、(式IIの化合物を含まない移植可能な要素と比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、移植可能な要素中の式IIの化合物の量に相当する。
【0239】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素(式IIの化合物を含む場合)は、4〜8重量%のNの、(式IIの化合物を含まない移植可能な要素と比した)% Nの増加を含み、ここで、% Nは、元素分析によって決定され、移植可能な要素中の式IIの化合物の量に相当する。
【0240】
式(II)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩で修飾されたアルギン酸塩を含む移植可能な要素は、アルギン酸塩のモノマー単位の1つ以上において修飾され得る。いくつかの実施形態において、移植可能な要素のアルギン酸塩の少なくとも0.5%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される(例えば、移植可能な要素のアルギン酸塩の少なくとも1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又はそれ以上のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、移植可能な要素のアルギン酸塩の0.5%〜50%、10%〜90%、10%〜50%、又は25〜75%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、移植可能な要素のアルギン酸塩の1%〜20%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態において、移植可能な要素のアルギン酸塩の1%〜10%のモノマーが、式(II)の化合物で修飾される。
【0241】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II)の化合物(例えば、式(II−a)、(II−b)、(II−b−i)、(II−b−ii)、(II−b−iii)、(II−c)、(II−c−i)、(II−d)、(II−e)、(II−e−i)、(II−f)、(II−g)、(II−g−i)、又は(II−g−ii)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩)で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II−a)の化合物で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II−b)の化合物で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II−b−i)の化合物で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II−b−ii)の化合物で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II−c)の化合物で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II−d)の化合物で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II−e)の化合物で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II−e−i)の化合物で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II−f)の化合物で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II−g)の化合物で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II−g−i)の化合物で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、式(II−g−ii)の化合物で修飾されたアルギン酸塩を含む。
【0242】
いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、表2に示される化合物で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物100で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物101で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物102で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物103で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物104で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物105で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物106で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物107で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物108で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物109で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物110で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、アルギン酸塩は、化合物111で修飾される。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物112で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物113で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物114で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物115で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物116で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物117で修飾されたアルギン酸塩を含む。いくつかの実施形態において、移植可能な要素は、化合物118で修飾されたアルギン酸塩を含む。
【0243】
細胞及び治療薬
本開示の移植可能な要素は、上皮細胞、内皮細胞、線維芽細胞、間葉系幹細胞、及びケラチン生成細胞を含む、多種多様な様々な細胞型(例えば、ヒト細胞)を含み得る。例示的な細胞型としては、国際公開第2017/075631号パンフレットに記載されている細胞型が挙げられる。一実施形態において、本明細書に記載の移植可能な要素は、複数の細胞を含む。一実施形態において、複数の細胞は、本明細書に記載の移植可能な要素内にカプセル化される前に、細胞懸濁液の形態である。懸濁液中の細胞は、(例えば、単層細胞培養物からの)単一の細胞の形態であり得、又は例えば、マイクロキャリア(例えば、ビーズ若しくはマトリックス)上に配置された、又は細胞の3次元凝集体(例えば、細胞クラスター若しくはスフェロイド)としての別の形態で提供され得る。細胞懸濁液は、複数の細胞クラスター(例えば、スフェロイドとして)又はマイクロキャリアを含み得る。
【0244】
本発明は、本明細書に記載の疾患、障害、又は状態の予防又は処置のための治療薬を産生する又は産生することが可能な細胞を特徴とする。一実施形態において、細胞は、組み換え細胞である。治療薬は、核酸(例えば、ヌクレオチド、DNA、若しくはRNA)、ポリペプチド、脂質、糖(例えば、単糖、二糖、オリゴ糖、若しくは多糖)、又は小分子(これらはそれぞれ、以下にさらに説明される)などの任意の生物学的物質であり得る。例示的な治療薬としては、国際公開第2017/075631号パンフレットに列挙されている薬剤が挙げられる。
【0245】
いくつかの実施形態において、細胞(例えば、組み換え細胞)は、核酸を産生する。本明細書に記載の細胞によって産生される核酸は、サイズが様々であり得、1つ以上のヌクレオシド又はヌクレオチド、例えば、2、3、4、5、10、25、50超、又はそれ以上のヌクレオシド又はヌクレオチドを含有する。いくつかの実施形態において、核酸は、RNA又はDNAの短い断片であり、例えば、レポーターとして又は診断目的のために使用され得る。例示的な核酸としては、単一のヌクレオシド又はヌクレオチド(例えば、アデノシン、チミジン、シチジン、グアノシン、ウリジン一リン酸、イノシン一リン酸)、RNA(例えば、mRNA、siRNA、miRNA、RNAi)、及びDNA(例えば、ベクター、染色体DNA)が挙げられる。いくつかの実施形態において、核酸は、約0.25kD、0.5kD、1kD、1.5kD、2kD、2.5kD、5kD、10kD、25kD、50kD、100kD、150kD、200kD、又はそれ以上の平均分子量を有する。
【0246】
いくつかの実施形態において、治療薬は、ペプチド又はポリペプチド(例えば、タンパク質)、例えば、ホルモン、酵素、サイトカイン(例えば、炎症性サイトカイン又は抗炎症性サイトカイン)、増殖因子、凝固因子、又はリポタンパク質である。MSFCによって産生される、ペプチド又はポリペプチド(例えば、タンパク質、例えば、ホルモン、増殖因子、凝固因子(clotting factor)又は凝固因子(coagulation factor)、抗体分子、酵素、サイトカイン、サイトカイン受容体、又はサイトカイン若しくはサイトカイン受容体を含むキメラタンパク質)は、天然のアミノ酸配列を有することができ、又は天然の配列の変異体を含み得る。変異体は、基準の天然の配列に対する、天然又は非天然のアミノ酸置換、突然変異、欠失又は付加であり得る。天然のアミノ酸配列は、多型変異体であり得る。天然アミノ酸配列は、ヒト又は非ヒトアミノ酸配列であり得る。いくつかの実施形態において、天然のアミノ酸配列又はその天然の変異体は、ヒト配列である。さらに、本発明と共に使用するためのペプチド又はポリペプチド(例えば、タンパク質)は、何らかの方法で、例えば、化学又は酵素修飾(例えば、グリコシル化、リン酸化)によって修飾され得る。いくつかの実施形態において、ペプチドは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、又は50のアミノ酸を有する。いくつかの実施形態において、タンパク質は、5kD、10kD、25kD、50kD、100kD、150kD、200kD、250kD、500kD、又はそれ以上の平均分子量を有する。
【0247】
いくつかの実施形態において、タンパク質はホルモンである。例示的なホルモンとしては、抗利尿ホルモン(ADH)、オキシトシン、成長ホルモン(GH)、プロラクチン、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、サイロトロピン放出ホルモン(TRH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、チロキシン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、アルドステロン、コルチゾール、エピネフリン、グルカゴン、インスリン、エストロゲン、プロゲステロン、及びテストステロンが挙げられる。いくつかの実施形態において、タンパク質は、インスリン(例えば、インスリンA鎖、インスリンB鎖、又はプロインスリン)である。いくつかの実施形態において、タンパク質は、成長ホルモン、例えば、ヒト成長ホルモン(hGH)、組み換えヒト成長ホルモン(rhGH)、ウシ成長ホルモン、メチオン(methione)−ヒト成長ホルモン、des−フェニルアラニンヒト成長ホルモン、及びブタ成長ホルモンである。いくつかの実施形態において、タンパク質は、インスリン(例えば、インスリンA鎖、インスリンB鎖、又はプロインスリン)でない。
【0248】
いくつかの実施形態において、タンパク質は、増殖因子、例えば、血管内皮増殖因子(VEGF)、神経増殖因子(NGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、上皮増殖因子(EGF)、形質転換増殖因子(TGF)、及びインスリン様増殖因子−I及び−II(IGF−I及びIGF−II)である。
【0249】
いくつかの実施形態において、タンパク質は、凝固因子(clotting factor)又は凝固因子(coagulation factor)、例えば、血液凝固因子(blood clotting factor)又は血液凝固因子(blood coagulation factor)である。いくつかの実施形態において、タンパク質は、凝固、すなわち、血液が液体から固体又はゲルへと変換される過程に関与するタンパク質である。例示的な凝固因子(clotting factor)及び凝固因子(coagulation factor)としては、第I因子(例えば、フィブリノゲン)、第II因子(例えば、プロトロンビン)、第III因子(例えば、組織因子)、第V因子(例えば、プロアクセレリン、不安定因子)、第VI因子、第VII因子(例えば、安定因子、プロコンバーチン)、第VIII因子(例えば、抗血友病因子A)、第VIIIC因子、第IX因子(例えば、抗血友病因子B)、第X因子(例えば、スチュアート・プロワー因子)、第XI因子(例えば、血漿トロンボプラスチン前駆物質)、第XII因子(例えば、ハーゲマン因子)、第XIII因子(例えば、フィブリン安定化因子)、フォン・ヴィレブランド因子、プレカリクレイン、ヘパリン補因子II、高分子量キニノーゲン(例えば、フィッツジェラルド因子)、抗トロンビンIII、及びフィブロネクチンが挙げられる。いくつかの実施形態において、タンパク質は、プロテインCなどの抗凝固因子である。
【0250】
いくつかの実施形態において、タンパク質は抗体分子である。本明細書において用いられるところ、「抗体分子」という用語は、少なくとも1つの免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む、タンパク質、例えば、免疫グロブリン鎖又はその断片を指す。「抗体分子」という用語は、例えば、モノクローナル抗体(免疫グロブリンFc領域を有する完全長抗体を含む)を含む。実施形態において、抗体分子は、完全長抗体、又は完全長免疫グロブリン鎖を含む。実施形態において、抗体分子は、完全長抗体、又は完全長免疫グロブリン鎖の抗原結合若しくは機能的断片を含む。実施形態において、抗体分子は、単一特異性抗体分子であり、単一のエピトープに結合し、例えば、それぞれが同じエピトープに結合する複数の免疫グロブリン可変ドメイン配列を有する単一特異性抗体分子である。実施形態において、抗体分子は、多特異性抗体分子であり、例えば、それは、複数の免疫グロブリン可変ドメイン配列を含み、ここで、複数のうちの第1の免疫グロブリン可変ドメイン配列は、第1のエピトープに対する結合特異性を有し、複数のうちの第2の免疫グロブリン可変ドメイン配列は、第2のエピトープに対する結合特異性を有する。実施形態において、第1及び第2のエピトープは、同じ抗原、例えば、同じタンパク質(又は多量体タンパク質のサブユニット)上にある。実施形態において、多特異性抗体分子は、第3、第4又は第5の免疫グロブリン可変ドメインを含む。実施形態において、多特異性抗体分子は、二重特異性抗体分子、三重特異性抗体分子、又は四重特異性抗体分子である。
【0251】
任意のクラスの全免疫グロブリン、その断片、及び抗体の抗原結合可変ドメインを少なくとも含む合成タンパク質を含む様々なタイプの抗体分子が、本明細書に記載の活性細胞によって産生され得る。抗体分子は、抗体、例えば、IgG
1、IgG
2、IgG
3、又はIgG
4などのIgG抗体であり得る。抗体分子は、Fab断片、F(ab’)2断片、一本鎖可変領域などを含む抗原結合断片の形態であり得る。抗体は、ポリクローナル又はモノクローナル(mAb)であり得る。モノクローナル抗体は、それらが標的抗原に特異的に結合し、及び/又は所望の生物活性を示す限り、重鎖及び/又は軽鎖の一部が、特定の種に由来するか又は特定の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一又は同種である一方、鎖の残りの部分が、別の種に由来するか又は別の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一又は同種である「キメラ」抗体、並びにこのような抗体の断片を含み得る。いくつかの実施形態において、抗体分子は、単一ドメイン抗体(例えば、ナノボディ)である。記載される抗体はまた、所望の機能を仲介する際の抗体の有効性を高めるために、組み換え手段、例えばアミノ酸の欠失、付加又は置換によって修飾され得る。例示的な抗体としては、抗β−ガラクトシダーゼ、抗コラーゲン、抗CD14、抗CD20、抗CD40、抗HER2、抗IL−1、抗IL−4、抗IL6、抗IL−13、抗IL17、抗IL18、抗IL−23、抗IL−28、抗IL−29、抗IL−33、抗EGFR、抗VEGF、抗CDF、抗フラジェリン、抗IFN−α、抗IFN−β、抗IFN−γ、抗マンノース受容体、抗VEGF、抗TLR1、抗TLR2、抗TLR3、抗TLR4、抗TLR5、抗TLR6、抗TLR9、抗PDF、抗PD1、抗PDL−1、又は抗神経成長因子抗体が挙げられる。いくつかの実施形態において、抗体は、抗神経成長因子抗体(例えば、フルラヌマブ、ファシヌマブ、タネズマブ)である。
【0252】
いくつかの実施形態において、タンパク質は、例えば腫瘍壊死因子α及びβ、それらの受容体及びそれらの誘導体、レニンを含む、サイトカイン若しくはサイトカイン受容体、又はサイトカイン若しくはそれらの受容体を含むキメラタンパク質;リポタンパク質;コルヒチン;コルチコトロピン;バソプレシン;ソマトスタチン;リプレシン;パンクレオザイミン;ロイプロリド;α−1−アンチトリプシン;心房性ナトリウム利尿因子;肺表面活性剤;組織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)以外のプラスミノーゲン活性化因子、例えばウロキナーゼ;ボンベシン;トロンビン;エンケファリナーゼ;RANTES(活性化正常T細胞における発現及び分泌調節性(regulated on activation normally T−cell expressed and secreted));ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP−1−α);ヒト血清アルブミンなどの血清アルブミン;ミュラー管抑制因子;レラキシンA−鎖;レラキシンB−鎖;プロリラキシン(prorelaxin);マウスゴナドトロピン関連ペプチド;絨毛性ゴナドトロピン;β−ラクタマーゼなどの微生物タンパク質;DNase;インヒビン;アクチビン;ホルモン又は増殖因子の受容体;インテグリン;プロテインA又はD;リウマチ因子;血小板由来増殖因子(PDGF);上皮増殖因子(EGF);TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4、又はTGF−β5を含むTGF−α及びTGF−βなどの形質転換増殖因子(TGF);インスリン様増殖因子−I及び−II(IGF−I及びIGF−II);des(1−3)−IGF−I(脳IGF−I)、インスリン様増殖因子結合タンパク質;CD−3、CD−4、CD−8、及びCD−19などのCDタンパク質;エリスロポエチン;骨誘導因子;免疫毒素;インターフェロン−α(例えば、インターフェロン.α.2A)、−β、−γ、−λ及びコンセンサスインターフェロンなどのインターフェロン;コロニー刺激因子(CSF)、例えば、M−CSF、GM−CSF、及びG−CSF;インターロイキン(IL)、例えば、IL−1〜IL−10;スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞受容体;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレシン;プロスタグランジンなどの生殖阻害剤;生殖促進剤;調節タンパク質;イムノアドヘシンなどの、抗体(その断片を含む)及びキメラタンパク質;これらの化合物の前駆体、誘導体、プロドラッグ及び類似体、並びにこれらの化合物、又はそれらの前駆体、誘導体、プロドラッグ及び類似体の薬学的に許容可能な塩である。好適なタンパク質又はペプチドは、天然又は組み換えであってもよく、例えば、融合タンパク質が挙げられる。
【0253】
本明細書に記載のMSFCによって産生されるポリペプチド(例えば、タンパク質)の例としては、CCL1、CCL2(MCP−1)、CCL3(MIP−1α)、CCL4(MIP−1β)、CCL5(RANTES)、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9(CCL10)、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL21、CCL22、CCL23、CCL24、CCL25、CCL26、CCL27、CCL28、CXCL1(KC)、CXCL2(SDF1a)、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8(IL8)、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCL17、CX3CL1、XCL1、XCL2、TNFA、TNFB(LTA)、TNFC(LTB)、TNFSF4、TNFSF5(CD40LG)、TNFSF6、TNFSF7、TNFSF8、TNFSF9、TNFSF10、TNFSF11、TNFSF13B、EDA、IL2、IL15、IL4、IL13、IL7、IL9、IL21、IL3、IL5、IL6、IL11、IL27、IL30、IL31、OSM、LIF、CNTF、CTF1、IL12a、IL12b、IL23、IL27、IL35、IL14、IL16、IL32、IL34、IL10、IL22、IL19、IL20、IL24、IL26、IL29、IFNL1、IFNL2、IFNL3、IL28、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17、IFNA21、IFNB1、IFNK、IFNW1、IFNG、IL1A(IL1F1)、IL1B(IL1F2)、IL1Ra(IL1F3)、IL1F5(IL36RN)、IL1F6(IL36A)、IL1F7(IL37)、IL1F8(IL36B)、IL1F9(IL36G)、IL1F10(IL38)、IL33(IL1F11)、IL18(IL1G)、IL17、KITLG、IL25(IL17E)、CSF1(M−CSF)、CSF2(GM−CSF)、CSF3(G−CSF)、SPP1、TGFB1、TGFB2、TGFB3、CCL3L1、CCL3L2、CCL3L3、CCL4L1、CCL4L2、IL17B、IL17C、IL17D、IL17F、AIMP1(SCYE1)、MIF、Areg、BC096441、Bmp1、Bmp10、Bmp15、Bmp2、Bmp3、Bmp4、Bmp5、Bmp6、Bmp7、Bmp8a、Bmp8b、C1qtnf4、Ccl21a、Ccl27a、Cd70、Cer1、Cklf、Clcf1、Cmtm2a、Cmtm2b、Cmtm3、Cmtm4、Cmtm5、Cmtm6、Cmtm7、Cmtm8、Crlf1、Ctf2、Ebi3、Edn1、Fam3b、Fasl、Fgf2、Flt3l、Gdf10、Gdf11、Gdf15、Gdf2、Gdf3、Gdf5、Gdf6、Gdf7、Gdf9、Gm12597、Gm13271、Gm13275、Gm13276、Gm13280、Gm13283、Gm2564、Gpi1、Grem1、Grem2、Grn、Hmgb1、Ifna11、Ifna12、Ifna9、Ifnab、Ifne、Il17a、Il23a、Il25、Il31、Iltifb、Inhba、Lefty1、Lefty2、Mstn、Nampt、Ndp、Nodal、Pf4、Pglyrp1、Prl7d1、Scg2、Scgb3a1、Slurp1、Spp1、Thpo、Tnfsf10、Tnfsf11、Tnfsf12、Tnfsf13、Tnfsf13b、Tnfsf14、Tnfsf15、Tnfsf18、Tnfsf4、Tnfsf8、Tnfsf9、Tslp、Vegfa、Wnt1、Wnt2、Wnt5a、Wnt7a、Xcl1、エピネフリン、メラトニン、トリヨードチロニン、プロスタグランジン、ロイコトリエン、プロスタサイクリン、トロンボキサン、膵島アミロイドポリペプチド、ミュラー管抑制因子又はホルモン、アディポネクチン、コルチコトロピン、アンジオテンシン、バソプレシン、アルギニンバソプレシン、アトリオペプチン、脳性ナトリウム利尿ペプチド、カルシトニン、コレシストキニン、コルチスタチン、エンケファリン、エンドセリン、エリスロポエチン、卵胞刺激ホルモン、ガラニン、消化管抑制ポリペプチド、ガストリン、グレリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド−1、ゴナドトロピン放出ホルモン、ヘプシジン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎盤性ラクトーゲン、インヒビン、ソマトメジン、レプチン、リポトロピン、メラノサイト刺激ホルモン、モチリン、オレキシン、オキシトシン、膵臓ポリペプチド、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド、レラキシン、レニン、セクレチン、ソマトスタチン、トロンボポエチン、サイロトロピン、サイロトロピン放出ホルモン、血管作動性腸管ペプチド、アンドロゲン、α−グルコシダーゼ(酸性マルターゼとしても知られている)、グリコーゲンホスホリラーゼ、グリコーゲン脱分枝酵素、ホスホフルクトキナーゼ、ホスホグリセリン酸キナーゼ、ホスホグリセリン酸ムターゼ、乳酸脱水素酵素、カルニチンパルミチルトランスフェラーゼ、カルニチン、及びミオアデニル酸デアミナーゼが挙げられる。
【0254】
いくつかの実施形態において、タンパク質は、補充療法又は補充タンパク質である。いくつかの実施形態において、補充療法又は補充タンパク質は、凝固因子(clotting factor)又は凝固因子(coagulation factor)、例えば、第VIII因子(例えば、天然のヒト第VIII因子アミノ酸配列若しくはその変異体を含む)又は第IX因子(例えば、天然のヒト第IX因子アミノ酸配列若しくはその変異体を含む)である。
【0255】
いくつかの実施形態において、細胞は、第VIII因子、例えば、組み換え第VIII因子を発現するように組み換えられる。いくつかの実施形態において、MSFCは、ヒト組織に由来し、第VIII因子、例えば、組み換え第VIII因子を発現するように組み換えられる。いくつかの実施形態において、組み換え第VIII因子は、Bドメイン欠失組み換え第VIII因子(FVIII−BDD)である。
【0256】
いくつかの実施形態において、細胞は、ヒト組織に由来し、第IX因子、例えば、組み換え第IX因子を発現するように組み換えられる。いくつかの実施形態において、MSFCは、第IX因子、例えば、野生型ヒト第IX因子(FIX)、又はその多型変異体を発現するように組み換えられる。いくつかの実施形態において、細胞は、野生型FIXタンパク質(FIX−GIF)の機能獲得(GIF)変異体を発現するように組み換えられ、ここで、GIF変異体は、対応する野生型FIXより高い比活性度を有する。
【0257】
いくつかの実施形態において、補充療法又は補充タンパク質は、酵素、例えば、α−ガラクトシダーゼ、α−L−イズロニダーゼ(IDUA)、又はN−スルホグルコサミンスルホヒドロラーゼ(SGSH)である。いくつかの実施形態において、補充療法又は補充タンパク質は、酵素、例えば、α−ガラクトシダーゼAである(例えば、天然のヒトα−ガラクトシダーゼAアミノ酸配列又はその変異体を含む)。いくつかの実施形態において、補充療法又は補充タンパク質は、サイトカイン又は抗体である。
【0258】
いくつかの実施形態において、治療薬は、糖、例えば、単糖、二糖、オリゴ糖、又は多糖である。いくつかの実施形態において、糖は、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、又はヘプトース部分を含む。いくつかの実施形態において、糖は、直鎖単糖又は環化単糖を含む。いくつかの実施形態において、糖は、グルコース、ガラクトース、フルクトース、ラムノース、マンノース、アラビノース、グルコサミン、ガラクトサミン、シアル酸、マンノサミン、グルクロン酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸、又はグルロン酸部分を含む。いくつかの実施形態において、糖は、タンパク質に結合される(例えば、N−結合型グリカン又はO−結合型グリカン)。例示的な糖としては、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、ラムノース、スクロース、リボース、キシロース、シアル酸、マルトース、アミロース、イヌリン、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナン、レクチン、ペクチン、デンプン、セルロース、ヘパリン、ヒアルロン酸、キチン、アミロペクチン、又はグリコーゲンが挙げられる。いくつかの実施形態において、治療薬は、糖アルコールである。
【0259】
いくつかの実施形態において、治療薬は脂質である。脂質は、疎水性又は両親媒性であってもよく、リポソーム、小胞、若しくは膜などの三次構造を形成するか、又はリポソーム、小胞、若しくは膜に挿入され得る。脂質は、脂肪酸、グリセロ脂質、グリセロリン脂質、ステロール脂質、プレノール脂質、スフィンゴ脂質、糖脂質、ポリケチド、又はスフィンゴ脂質を含み得る。本明細書に記載のMSFCによって産生される脂質の例としては、アナンダミド、ドコサヘキサエン酸、プロスタグランジン、ロイコトリエン、トロンボキサン、エイコサノイド、トリグリセリド、カンナビノイド、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、セラミド、スフィンゴミエリン、セレブロシド、ガングリオシド、エストロゲン、アンドロステロン、テストステロン、コレステロール、カロテノイド、キノン、ヒドロキノン、又はユビキノンが挙げられる。
【0260】
いくつかの実施形態において、治療薬は小分子である。小分子は、細胞によって産生される天然産物を含み得る。いくつかの実施形態において、小分子は、利用可能性が不十分であり、又はリピンスキーのルールオブファイブと適合しない(小分子がヒトにおける経口で有効な薬物である見込みがあるかどうかを推定するのに使用される一連の指針;例えば、Lipinski,C.A.et al(2001)Adv Drug Deliv 46:2−36を参照のこと)。例示的な小分子天然産物としては、抗菌薬(例えば、カルモナム、ダプトマイシン、フィダキソマイシン、ホスホマイシン、イセパマイシン、ミクロノマイシン硫酸塩、ミオカマイシン、ムピロシン、ネチルマイシン硫酸塩、テイコプラニン、チエナマイシン、リファマイシン、エリスロマイシン、バンコマイシン)、抗寄生虫薬(例えば、アルテミシニン、イベルメクチン)、抗癌剤(例えば、ドキソルビシン、アクラルビシン、アミノレブリン酸、アルグラビン、オマセタキシンメペスクシナート、パクリタキセル、ペントスタチン、ペプロマイシン、ロミデプシン、トラベクテジン、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、クロモマイシンA、ダウノルビシン、ロイコボリン、ネオカルジノスタチン、ストレプトゾシン、トラベクテジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン)、抗糖尿病薬(例えば、ボグリボース)、中枢神経系薬剤(例えば、L−ドパ、ガランタミン、ジコノチド)、スタチン(例えば、メバスタチン)、抗真菌薬(例えば、フマギリン、シクロスポリン)、1−デオキシノジリマイシン、及びテオフィリン、ステロール(コレステロール、エストロゲン、テストステロン)が挙げられる。さらなる小分子天然産物が、本明細書において参照によりその全体が援用される、Newman,D.J.and Cragg,M.(2016)J Nat Prod 79:629−661及びButler,M.S.et al(2014)Nat Prod Rep 31:1612−1661に記載されている。
【0261】
いくつかの実施形態において、細胞は、非タンパク質又は非ペプチド小分子を合成するように組み換えられる。例えば、実施形態において、細胞は、スタチン(例えば、タウロスタチン(taurostatin)、プラバスタチン、フルバスタチン、又はアトルバスタチン)を産生し得る。
【0262】
いくつかの実施形態において、治療薬は、抗原(例えば、ウイルス抗原、細菌抗原、真菌抗原、植物抗原、環境抗原、又は腫瘍抗原)である。抗原は、免疫賦活性である、すなわち、免疫応答を刺激するか又はそれが由来する生物又は分子に対して有効な免疫を提供することが可能であると当業者によって認識される。抗原は、核酸、ペプチド、タンパク質、糖、脂質、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0263】
本明細書に記載の細胞、例えば、組み換え細胞、例えば、組み換えRPE細胞は、単一の治療薬又は複数の治療薬を産生し得る。いくつかの実施形態において、細胞は、単一の治療薬を産生する。いくつかの実施形態において、細胞のクラスターは、単一の治療薬を産生する細胞を含む。いくつかの実施形態において、クラスター中の細胞の少なくとも約1%、5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%が、単一の治療薬(例えば、本明細書に記載の治療薬)を産生する。いくつかの実施形態において、MSFCは、複数の治療薬、例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の治療薬を産生する。いくつかの実施形態において、細胞のクラスターは、複数の治療薬を産生する細胞を含む。いくつかの実施形態において、クラスター中の細胞の少なくとも約1%、5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%が、複数の治療薬(例えば、本明細書に記載の治療薬)を産生する。
【0264】
治療薬は、関連し得るか又は複合体を形成し得る。いくつかの実施形態において、治療薬は、活性形態で細胞から分泌又は放出される。いくつかの実施形態において、治療薬は、不活性形態で、例えば、プロドラッグとして、細胞から分泌又は放出される。後者の場合、治療薬は、酵素などの下流の薬剤によって活性化され得る。いくつかの実施形態において、治療薬は、細胞から分泌又は放出されず、細胞内に維持される。例えば、治療薬は、好ましくない物質の解毒又は代謝に関与する酵素に含まれていてもよく、好ましくない物質の解毒又は代謝が、細胞内で起こる。
【0265】
処置方法
式(II)の化合物若しくはその薬学的に許容可能な塩を含む移植可能な要素又はポリマーの投与又は移植によって、患者における疾病、障害、又は状態を予防又は処置するための方法が本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、疾病、障害、又は状態の少なくとも1つの症状を直接又は間接的に低減又は軽減する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、疾病、障害、又は状態の発症を予防するか又は遅らせる。いくつかの実施形態において、患者はヒトである。
【0266】
いくつかの実施形態において、疾病、障害又は状態は、例えば神経系(例えば、末梢神経系(PNS)又は中枢神経系(CNS))、脈管系、骨格系、呼吸器系、内分泌系、リンパ系、生殖器系又は胃腸管といった身体の系に影響を及ぼす。いくつかの実施形態において、疾病、障害又は状態は、例えば、血液、眼、脳、皮膚、肺、胃、口、耳、脚、足、手、肝臓、心臓、腎臓、骨、膵臓、脾臓、大腸、小腸、脊髄、筋肉、卵巣、子宮、膣又はペニスといった身体の一部に影響を及ぼす。
【0267】
いくつかの実施形態において、疾病、障害又は状態は、神経変性疾患、糖尿病、心臓病、自己免疫疾患、癌、肝疾患、ライソゾーム蓄積症、血液凝固障害又は凝固障害、整形外科状態、アミノ酸代謝障害である。
【0268】
いくつかの実施形態において、疾病、障害又は状態は神経変性疾患である。例示的な神経変性疾患としては、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病(PD)筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)及び脳性麻痺(CP)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、神経核内封入体病(NIHID)、レビー小体型認知症、ダウン症候群、ハラーフォルデン・シュパッツ症候群、プリオン病、嗜銀顆粒性認知症、大脳皮質基底核変性症、パンチドランカー、びまん性神経原線維変化病、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、クロイツフェルト・ヤコブ病、ニーマン・ピック病3型、進行性核上性麻痺、亜急性硬化性全脳炎、脊髄小脳失調症、ピック病及び歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症が挙げられる。
【0269】
いくつかの実施形態において、疾病、障害又は状態は、例えば、強皮症、多発性硬化症、狼瘡又は過敏症といった自己免疫疾患である。
【0270】
いくつかの実施形態において、疾病は、例えば、B型肝炎、C型肝炎、肝硬変、NASHといった肝臓病である。
【0271】
いくつかの実施形態において、疾病、障害又は状態は癌である。例示的な癌としては、白血病、リンパ腫、メラノーマ、肺癌、脳癌(例えば、グリア芽細胞腫)、肉腫、膵癌、腎臓癌、肝臓癌、精巣癌、前立腺癌又は子宮癌が挙げられる。
【0272】
いくつかの実施形態において、疾病、障害又は状態は整形外科状態である。例示的な整形外科状態としては、骨粗鬆症、骨壊死、パジェット病又は骨折が挙げられる。
【0273】
いくつかの実施形態において、疾病、障害又は状態はライソゾーム蓄積症である。例示的なライソゾーム蓄積症としては、ゴーシェ病(例えば、タイプI、タイプII、タイプIII)、テイザックス病、ファブリー病、ファーバー病、ハーラー症候群(ムコ多糖症I型(MPS I)としても知られる)、ハンター症候群、ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症、ニーマン・ピック病、サラ病、サンフィリポ症候群(ムコ多糖症IIIA型(MPS3A)としても知られる)、多発性スルファターゼ欠損症、マロトー・ラミー症候群、異染性白質萎縮症、クラッベ病、シャイエ症候群、ハーラー・シャイエ症候群、スライ症候群、ヒアルロニダーゼ欠損症、ポンペ病、ダノン病、ガングリオシド蓄積症又はモルキオ症候群が挙げられる。
【0274】
いくつかの実施形態において、疾病、障害又は状態は、血液凝固障害又は凝固障害である。例示的な血液凝固障害又は凝固障害としては、血友病(例えば、血友病A又は血友病B)、ヴォン・ヴィレブランド病、血小板減少症、尿毒症、ベルナール・スーリエ症候群、第XII因子欠乏症、ビタミンK欠乏症又は先天性無フィブリノゲン血症が挙げられる。
【0275】
いくつかの実施形態において、疾病、障害又は状態は、例えば、フェニルケトン尿症、チロシン血症(例えば、タイプ1又はタイプ2)、アルカプトン尿症、ホモシスチン尿症、高ホモシステイン血症、カエデ糖症といったアミノ酸代謝障害である。
【0276】
いくつかの実施形態において、疾病、障害又は状態は、例えば、高脂血症、高コレステロール血症、ガラクトース血症といった脂肪酸代謝疾患である。
【0277】
いくつかの実施形態において、疾病、障害又は状態は、例えば、レッシュ・ナイハン症候群といったプリン又はピリミジン代謝障害である。
【0278】
いくつかの実施形態において、疾患、障害、又は状態は、糖尿病(例えば、1型又は2型糖尿病)でない。
【0279】
本発明は、本明細書に記載の疾病、障害、又は状態に罹患しているか又は罹患している疑いのある患者を同定するための方法をさらに含み、このような同定の後、例えば、封入構成要素によって任意選択によりカプセル化され、及び本明細書に記載の式(II)の化合物で任意選択により修飾された細胞を含む移植可能な要素、又はその組成物を患者に投与する。一実施形態において、患者はヒトである。
【実施例】
【0280】
本明細書に記載の本発明がより完全に理解され得るよう、以下の実施例が記載されている。本出願に記載されている合成及び生物学的実施例は、本明細書において提供されている化合物、組成物、デバイス、及び方法を例示するために提供されており、その範囲を限定すると決して解釈されるべきではない。
【0281】
本明細書において提供されている化合物、ポリマー、移植可能な要素、及びその組成物は、当業者に周知であり得る以下に記載される特定の合成プロトコルに対する変更を用いて、容易に入手可能な出発材料から調製され得る。典型的な又は好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応剤のモル比、溶媒、圧力など)が示される場合、特に記載されない限り、他のプロセス条件も使用され得ることが理解されるであろう。最適な反応条件が、使用される特定の反応剤又は溶媒に関して変化し得るが、このような条件は、日常的な最適化手順によって、当業者によって決定され得る。
【0282】
さらに、当業者に明らかであろうように、特定の官能基が望ましくない反応を起こすのを防ぐために、従来の保護基が必要であることがある。特定の官能基のための好適な保護基並びに保護及び脱保護のための好適な条件の選択は、当該技術分野において周知である。例えば、多くの保護基、並びにそれらの導入及び除去が、Greene et al.,Protecting Groups in Organic Synthesis,Second Edition,Wiley,New York,1991、及びその中に引用される参考文献に記載されている。
【0283】
本発明の例示的な化合物、ポリマー、移植可能な要素、及び組成物が、以下に記載される手法のいずれかを用いて調製され得る。
【0284】
実施例1:例示的な化合物の合成
一般的なプロトコル
以下の手順は、化学修飾された移植可能な要素の調製のための例示的な化合物を調製する方法を説明するものである。本明細書において提供されている化合物は、容易に入手可能である出発材料から、当業者に周知であろう以下に記載の特定の合成プロトコルに対する修正をしながら調製可能である。典型的又は好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応体のモル比、溶剤、圧力等)が提示されている場合、別段の定めがある場合を除き、他のプロセス条件もまた用いることが可能であることが認識されるであろう。最適な反応条件は用いられる特定の反応体又は溶剤によって様々であり得るが、このような条件は、ルーチン的な最適化手法で当業者によって判定可能である。
【0285】
さらに、当業者には明らかであろうとおり、一定の官能基が望ましくない反応に供されることを防止するために従来の保護基が必要であり得る。保護及び脱保護に関する、特定の官能基に係る好適な保護基の選択、並びに、好適な条件は、技術分野において周知である。例えば、数多くの保護基、並びに、その導入及び除去が、Greene et al.,Protecting Groups in Organic Synthesis,Second Edition,Wiley,New York,1991、及び、その中で引用されている文献において記載されている。
【0286】
1,4−置換トリアゾールを得るためのヒュスゲン環化付加
銅触媒ヒュスゲン[3+2]環化付加を用いて、トリアゾール系化合物、並びに、その組成物、デバイス及び材料を調製した。範囲及び典型的なプロトコルは多くのレビューの主題となっている(例えば、Meldal,M.and Tornoe,C.W.Chem.Rev.(2008)108:2952−3015;Hein,J.E.and Fokin,V.V.Chem.Soc.Rev.(2010)39(4):1302−1315;この両方は、本明細書において参照により援用されている)。
【化66】
【0287】
上記の実施例において、アジドは、結合要素Aを含有する画分における反応性部分であるが、一方で、アルキンは、側基Zの反応性構成要素である。以下に示されているとおり、これらの官能性のハンドルを交換して、構造的に関連しているトリアゾール生成物を生成することが可能である。これらの代替物の調製は同様であり、特別な考察を必要とはしない。
【化67】
【0288】
ヨウ化物から開始される典型的なヒュスゲン環化付加手法の概要を以下に記載する。いくつかの事例において、ヨウ化物は、安全性のために反応の経過中にアジドに変換される。
【化68】
【0289】
アジ化ナトリウム(1.1当量)、アスコルビン酸ナトリウム、(0.1当量)t−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.25当量)、ヨウ化銅(I)のメタノール(1.0M、制限試薬)中の溶液を窒素を通気させて脱気し、アセチレン(1当量)及びヨウ化アリール(1.2当量)で処理した。この混合物を室温で5分間撹拌し、次いで、55℃で16時間温めた。次いで、反応を室温に冷却し、漏斗を通してろ過し、フィルタケーキをメタノールで洗浄した。組み合わせたろ液を濃縮し、シリカゲルにおけるフラッシュクロマトグラフィ(120gシリカ、ジクロロメタン中に0〜40%の勾配(3%水性水酸化アンモニウム、22%メタノール、残量ジクロロメタン)を介して精製して、所望の目標材料を得た。
【0290】
アジドから開始される典型的なヒュスゲン環化付加手法の概要を以下に記載する。
【化69】
【0291】
トリス[(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]アミン(0.2当量)、トリエチルアミン(0.5当量)、ヨウ化銅(I)(0.06当量)のメタノール(0.4M、制限試薬)中の溶液を、アセチレン(1.0当量)で処理し、0℃に冷却した。反応を30分間かけて室温に温め、次いで、55℃で16時間加熱した。反応を室温に冷却し、濃縮し、HPLC(C18カラム、ジクロロメタン中に0〜100%の勾配(3%水性水酸化アンモニウム、22%メタノール、残量ジクロロメタン)で精製して、所望の目標材料を得た。
【0292】
1,5−置換トリアゾールを得るためのヒュスゲン環化付加
ヒュスゲン[3+2]環化付加をまた、ルテニウム触媒を伴って行い、選択的に1,5−二置換生成物を得た(例えば、Zhang et al,J.Am.Chem.Soc.,2005,127,15998−15999;Boren et al,J.Am.Chem.Soc.,2008,130,8923−8930に記載されているとおり。これらの各々は、本明細書において参照によりその全体が援用される)。
【化70】
【0293】
既述のとおり、以下に示されているとおり、アジド及びアルキン基を交換して、同様のトリアゾールを形成し得る。
【化71】
【0294】
典型的な手法を以下に記載する:アルキン(1当量)及びアジド(1当量)のジオキサン(0.8M)中の溶液を、ペンタメチルシクロ−ペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)クロリド(0.02当量)のジオキサン(0.16M)中の溶液に滴下した。バイアルを窒素でパージし、シールし、混合物を60℃で12時間加熱した。得られた混合物を濃縮し、シリカゲルにおけるフラッシュクロマトグラフィを介して精製して、必要とされた化合物を得た。
【0295】
(4−(4−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(3)のための実験手順
【化72】
メタノール(9mL)及び水(1mL)中の(4−ヨードフェニル)メタンアミン(1、843mg、3.62mmol、1.0当量)、(1S,2S)−N1,N2−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(74μL、0.47mmol、0.13当量)、アスコルビン酸ナトリウム(72mg、0.36mmol、0.1当量)、ヨウ化銅(69mg、0.36mmol、0.1当量)、アジ化ナトリウム(470mg、7.24mmol、2.0当量)、及び1−メチル−4−(プロパ−2−イン−1−イル)ピペラジン(2、0.5g、3.62mmol、1.0当量)の混合物を窒素で5分間パージし、55℃に一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、褐色がかったスラリーをジクロロメタンで抽出した。セライトを、組み合わせたジクロロメタン相に添加し、溶剤を減圧下で除去した。粗生成物を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(80g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から7.5%へと徐々に増加させて、(4−(4−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(3、0.45g、43%)を得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
15H
22N
6についての計算値287.2;実測値287.1。
【0296】
N−(4−(4−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ベンジル)メタクリルアミド(4)のための実験手順
【化73】
CH
2Cl
2(50mL)中の(4−(4−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(3、1.2g、4.19mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.70mL、5.03mmol、1.2当量)の溶液を、氷浴で0℃に冷却し、塩化メタクリロイル(0.43mL、4.40mmol、5mLのCH
2Cl
2中の1.05当量)を添加した。反応を、氷浴で冷却しながら1日撹拌した。10グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(80g)によって精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から7.5%へと徐々に増加させた。溶剤を減圧下で除去し、得られた固体をジエチルエーテルで研和し、ろ過し、ジエチルエーテルで複数回洗浄して、N−(4−(4−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ベンジル)メタクリルアミド(4、0.41g、28%の収率)を白色の固体として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
19H
26N
6Oについての計算値355.2;実測値355.2。
【0297】
(4−(4−((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(6)のための実験手順
【化74】
メタノール(40mL)及び水(4mL)中の(4−ヨードフェニル)メタンアミン(1、2.95g、12.64mmol、1.0当量)、(1S,2S)−N1,N2−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(259μL、1.64mmol、0.13当量)、アスコルビン酸ナトリウム(250mg、1.26mmol、0.1当量)、ヨウ化銅(241mg、1.26mmol、0.1当量)、アジ化ナトリウム(1.64g、25.29mmol、2.0当量)、及び1−メチル−4−(プロパ−2−イン−1−イル)ピペラジン(5、2.0g、12.64mmol、1.0当量)の混合物を窒素で5分間パージし、55℃に一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解させ、ろ過し、セライト(10g)を用いて濃縮した。粗生成物を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(220g)によって精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から6.25%へと徐々に増加させて、(4−(4−((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(6、1.37g、35%)を得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
15H
22N
4O
3についての計算値307.2;実測値307.0。
【0298】
N−(4−(4−((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ベンジル)メタクリルアミド(7)のための実験手順
【化75】
CH
2Cl
2(50mL)中の4−(4−((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(6、1.69g、5.52mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.92mL、6.62mmol、1.2当量)の溶液を、氷浴で0℃に冷却し、塩化メタクリロイル(0.57mL、5.79mmol、1.05当量)を滴下して添加した。反応を室温で4時間撹拌した。10グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(80g)クロマトグラフィによって精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から1.25%へと徐々に増加させて、N−(4−(4−((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ベンジル)メタクリルアミド(7、1.76g、85%の収率)を白色の固体として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
19H
26N
4O
4についての計算値375.2;実測値375.0。
【0299】
3−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)オキセタン(9)のための実験手順
【化76】
THF(200mL)中の水素化ナトリウム(27.0g、675mmol、60%の純度)の懸濁液を氷浴で冷却した。オキセタン−3−オール(8、25g、337mmol)を滴下して添加し、0℃で30分間撹拌した。次いで、3−ブロモプロパ1−イン(9、41.2mL、371mmol、80%の純度)を滴下して添加した。混合物を、室温に温めながら一晩撹拌した。混合物をセライトでろ過し、THFで洗浄し、減圧下でセライトを用いて濃縮した。粗生成物を、シリカゲル(220g)で精製し、ヘキサン/EtOAcで溶離した。移動相中のEtOAcの濃度を0から25%へと増加させて、(9、18.25g 48%)の黄色の油を得た。
【0300】
3−(4−((オキセタン−3−イルオキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロパン−1−アミン(11)のための実験手順
【化77】
メタノール(80mL)中の3−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)オキセタン(9、7.96g、71mmol、1.0当量)、3−アジドプロパン−1−アミン(10、7.82g、78mmol、1.1当量)、トリス[(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]−アミン(8.29g、15.6mmol、0.22当量)、ヨウ化銅(1.35g、7.1mmol、0.1当量)、及びトリエチルアミン(2.47mL、17.8mmol、0.25当量)の混合物を55℃に温め、窒素雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、セライト(20g)を添加し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(220g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から15%へと徐々に増加させて、3−(4−((オキセタン−3−イルオキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロパン−1−アミン(11、11.85g、79%)を黄色の油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
9H
16N
4O
2についての計算値213.1;実測値213.0。
【0301】
N−(3−(4−((オキセタン−3−イルオキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロピル)メタクリルアミド(12)のための実験手順
【化78】
CH
2Cl
2(100mL)中の3−(4−((オキセタン−3−イルオキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロパン−1−アミン(11、3.94g、18.56mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(3.1mL、22.28mmol、1.2当量)の溶液を、氷浴で0℃に冷却し、塩化メタクリロイル(1.99mL、20.42mmol、1.1当量)を滴下して添加した。反応を、室温に温めながら一晩撹拌した。20グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/メタノールを用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(220g)によって精製した。メタノールの濃度を、0%から5%へと徐々に増加させて、N−(3−(4−((オキセタン−3−イルオキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロピル)メタクリルアミド(12、3.22g、62%の収率)を固体として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
13H
20N
4O
3についての計算値281.2;実測値281.0。
【0302】
N−(4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ベンジル)メタクリルアミド(14)のための実験手順
【化79】
CH
2Cl
2(100mL)中の(4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(13、WuXiから入手される、1.2g、5.70mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(15mL、107.55mmol、18.9当量)の溶液に、塩化メタクリロイル(893mg、8.54mmol、1.5当量)をゆっくりと滴下して添加した。反応を一晩撹拌した。20グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィによって精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から1.25%へと徐々に増加させて、N−(4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ベンジル)メタクリルアミド(14、1.38g、40%の収率)を得た。
【0303】
(4−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(15)のための実験手順
【化80】
メタノール(50mL)及び水(12mL)中の(4−ヨードフェニル)メタンアミン塩酸塩(5.0g、18.55mmol、1.0当量)、(1S,2S)−N1,N2−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.59mL 3.71mmol、0.2当量)、アスコルビン酸ナトリウム(368mg、1.86mmol、0.1当量)、ヨウ化銅(530mg、2.78mmol、0.15当量)、アジ化ナトリウム(2.41g、37.1mmol、2.0当量)、Et
3N(3.11mL、22.26mmol、1.2当量)及び2−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(2.6g、18.55mmol、1.0当量)の混合物を窒素で5分間パージし、55℃に一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、413ろ紙に通してろ過した。セライトを添加し、溶剤を減圧下で除去し、残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(120g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から6.25%へと徐々に増加させて、(4−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(15、3.54g、66%)を白色の固体として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
15H
20N
4O
2についての計算値289.2;実測値289.2。
【0304】
N−(4−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ベンジル)メタクリルアミド(16)のための実験手順
【化81】
CH
2Cl
2(40mL)中の(4−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(15、3.46g、12.00mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(2.01mL、14.40mmol、1.2当量)の溶液を、氷浴で0℃に冷却し、塩化メタクリロイル(1.23mL、12.60mmol、1.05当量、5mLのCH
2Cl
2に希釈される)を滴下して添加した。冷却浴を外し、反応を4時間撹拌した。20グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(80g)によって精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から3.75%へと徐々に増加させて、N−(4−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ベンジル)メタクリルアミド(16、2.74g、64%の収率)を白色の固体として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
19H
24N
4O
3についての計算値357.2;実測値357.3。
【0305】
N−(4−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ベンジル)メタクリルアミド(17)のための実験手順
【化82】
N−(4−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ベンジル)メタクリルアミド(16、1.2g、3.37mmol、1.0当量)の溶液を、室温で一晩、メタノール(6mL)及びHCl(1N、水溶液、9mL)に溶解させた。セライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。粗生成物を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(24g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から12.5%へと徐々に増加させて、N−(4−(4−(ヒドロキシメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ベンジル)メタクリルアミド(17、0.85g、92%の収率)を白色の固体として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
14H
16N
4O
2についての計算値273.1;実測値273.1。
【0306】
(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)ベンジル)カルバメート(19)のための実験手順
【化83】
ジクロロメタン(100mL)中のベンジル(4−(ヒドロキシメチル)ベンジル)カルバメート(2.71g、10mmol、1当量)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(1.81mL、20mmol、2当量)、p−トルエンスルホン酸一水和物(285mg、1.5mmol、0.15当量)を室温で一晩撹拌した。セライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。100%のヘキサンから開始し、EtOAcの濃度を100%へと増加させる溶離剤としてヘキサン/EtOAcを用いて、シリカゲル(24g)で粗生成物を精製して、ベンジル(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)ベンジル)−カルバメート(19、2.4g、68%)を無色の油として得た。LCMS m/z:[M+Na]
+ C
21H
25NO
4についての計算値378.17、実測値378.17。
【0307】
(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−フェニル)メタンアミン(20)のための実験手順
【化84】
EtOH中の(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)ベンジル)カルバメート(19、1.5g、4.2mmol、1当量)、パラジウム炭素(160mg、10重量%)を、短時間の間排気し、次いで、水素を、バルーンを介して添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。セライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。粗生成物を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(12g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から25%へと徐々に増加させて、(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)フェニル)メタンアミン(20、890mg、95%)を無色の油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
13H
19NO
2についての計算値222.15、実測値222.14。
【0308】
N−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)ベンジル)−メタクリルアミド(21)のための実験手順
【化85】
CH
2Cl
2(10mL)中の(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)フェニル)メタンアミン(20、0.5g、2.26mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.47mL、3.39mmol、1.5当量)の溶液を、短時間の間排気し、窒素でフラッシュした。塩化メタクリロイル(0.33mL、3.39mmol、1.5当量)を滴下して添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。10グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。100%のヘキサンから開始して、EtOAcの濃度を徐々に100%へと増加させる溶離剤としてヘキサン/EtOAcを用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(12g)によって、残渣を精製して、N−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)ベンジル)メタクリルアミド(21、0.47g、72%の収率)を無色の固体として得た。LCMS m/z:[M+Na]
+ C
17H
23NO
3についての計算値312.16;実測値312.17。
【0309】
実験手順(4−(4−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(22)
【化86】
メタノール(20mL)及び水(5mL)中の(4−ヨードフェニル)メタンアミン(5.0g、21.45mmol、1.0当量)、(1S,2S)−N1,N2−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.44mL 2.79mmol、0.13当量)、アスコルビン酸ナトリウム(425mg、2.15mmol、0.1当量)、ヨウ化銅(409mg、2.15mmol、0.1当量)、アジ化ナトリウム(2.79g、42.91mmol、2.0当量)、及び2−(ブタ−3−イン−1−イルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(3.36mL、21.45mmol、1.0当量)の混合物を窒素で5分間パージし、55℃に一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、413ろ紙に通してろ過した。セライト(10g)を添加し、溶剤を減圧下で除去し、残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(220g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から5%へと徐々に増加させて、(4−(4−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(22、3.15g、49%)を固体として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
16H
22N
4O
2についての計算値303.18;実測値303.18。
【0310】
N−(4−(4−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ベンジル)メタクリルアミド(23)のための実験手順
【化87】
CH
2Cl
2(55mL)中の(4−(4−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(22、3.10g、10.25mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(1.71mL、12.30mmol、1.2当量)の溶液を、氷浴で0℃に冷却し、塩化メタクリロイル(1.05mL、12.30mmol、1.2当量、5mLのCH
2Cl
2に希釈される)を滴下して添加した。冷却浴を外し、反応を4時間撹拌した。8グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(80g)によって精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から2.5%へと徐々に増加させて、N−(4−(4−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ベンジル)メタクリルアミド(23、2.06g、54%の収率)を白色の固体として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
20H
26N
4O
3についての計算値371.2078;実測値371.2085。
【0311】
実験手順(4−(1−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)フェニル)メタンアミン(24)
【化88】
メタノール(24mL)及び水(6mL)中の(4−エチニルフェニル)メタンアミン(2.36g、18.00mmol、1.0当量)、(1S,2S)−N1,N2−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.56mL、3.60mmol、0.2当量)、アスコルビン酸ナトリウム(357mg、1.80mmol、0.1当量)、ヨウ化銅(514mg、2.70mmol、0.15当量)、及び2−(2−アジドエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(3.08、18.00mmol、1.0当量)の混合物を窒素で5分間パージし、55℃に一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、セライトでろ過し、MeOH(3×50mL)ですすいだ。溶剤を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタンに再溶解させ、セライト(20g)を添加し、溶剤を減圧下で除去し、残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(120g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から25%へと徐々に増加させて、(4−(1−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)フェニル)メタンアミン(24、3.51g、64%)を黄色がかった油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
16H
22N
4O
2についての計算値303.1816;実測値303.1814。
【0312】
N−(4−(1−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)ベンジル)メタクリルアミド(25)のための実験手順
【化89】
CH
2Cl
2(30mL)中の(4−(1−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)フェニル)メタンアミン(24、1.5g、4.96mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(1.04mL、7.44mmol、1.5当量)の溶液を、短時間の間排気し、窒素でフラッシュした。塩化メタクリロイル(0.72mL、7.44mmol、1.5当量)を滴下して添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。10グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。100%のヘキサンから開始し、EtOAcの濃度を徐々に100%へと増加させる溶離剤としてヘキサン/EtOAcを用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(40g)によって残渣を精製して、N−(4−(1−(2−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)ベンジル)メタクリルアミド(25、0.9g、49%の収率)を無色の固体として得た。LCMS m/z:[M+Na]
+ C
20H
26N
4O
3についての計算値371.2078;実測値371.2076。
【0313】
1−(4−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)エタン−1−アミン(26)のための実験手順
【化90】
メタノール(9mL)及び水(1mL)中の1−(4−ヨードフェニル)エタン−1−アミン塩酸塩(1.0g、4.05mmol、1.0当量)、(1S,2S)−N1,N2−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.08mL 0.53mmol、0.13当量)、アスコルビン酸ナトリウム(80mg、0.40mmol、0.1当量)、ヨウ化銅(77mg、0.40mmol、0.1当量)、アジ化ナトリウム(526g、8.09mmol、2.0当量)、及び2−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(0.57g、4.05mmol、1.0当量)の混合物を窒素で5分間パージし、55℃に一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、溶剤を減圧下で除去した。残渣をジクロロメタンに再溶解させ、セライトのプラグでろ過した。セライトをろ液に添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(40g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から5%へと徐々に増加させて、1−(4−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)エタン−1−アミン(26、0.62g、51%)を黄色がかった固体として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
16H
22N
4O
2についての計算値303.2;実測値303.2。
【0314】
N−(1−(4−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)エチル)メタクリルアミド(27)のための実験手順
【化91】
CH
2Cl
2(11mL)中の1−(4−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)エタン−1−アミン(26、0.52g、1.7mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.29mL、2.1mmol、1.2当量)の溶液を、氷浴で0℃に冷却し、塩化メタクリロイル(0.18mL、1.8mmol、1.05当量、11mLのCH
2Cl
2で希釈される)を滴下して添加した。冷却浴を外し、反応を4時間撹拌した。5グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(40g)によって精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から2.5%へと徐々に増加させて、N−(1−(4−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)エチル)メタクリルアミド(27、0.49g、76%の収率)を白色の固体として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
20H
26N
4O
3についての計算値371.2078;実測値371.2087。
【0315】
(4−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)メタンアミン(28)のための実験手順
【化92】
メタノール(24mL)及び水(6mL)中の(4−ヨード−2−(トリフルオロメチル)フェニル)メタンアミン(3.0g、9.97mmol、1.0当量)、(1S,2S)−N1,N2−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.31mL 1.99mmol、0.2当量)、アスコルビン酸ナトリウム(197mg、1.00mmol、0.1当量)、ヨウ化銅(285mg、1.49mmol、0.15当量)、アジ化ナトリウム(1.30g、19.93mmol、2.0当量)、Et
3N(1.67mL、11.96mmol、1.2当量)及び2−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(1.40g、9.97mmol、1.0当量)の混合物を窒素で5分間パージし、55℃に一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、セライトプラグに通してろ過し、メタノール(3×50mL)ですすいだ。セライトをろ液に添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(120g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から25%へと徐々に増加させて、(4−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)メタンアミン(28、2.53g、71%)を緑色の油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
16H
19N
4O
2F
3についての計算値357.2;実測値357.1。
【0316】
N−(4−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−2(トリフルオロメチル)ベンジル)メタクリルアミド(29)のための実験手順
【化93】
CH
2Cl
2(25mL)中の(4−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル)メタンアミン(28、1.0g、2.81mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.59mL、4.21mmol、1.5当量)の溶液を、短時間の間排気し、窒素でフラッシュした。塩化メタクリロイル(0.41mL、4.21mmol、1.5当量)を滴下して添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌した。10グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。100%のヘキサンから開始し、EtOAcの濃度を徐々に100%へと増加させる溶離剤としてヘキサン/EtOAcを用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(40g)によって残渣を精製して、N−(4−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−2(トリフルオロメチル)ベンジル)メタクリルアミド(29、0.65g、55%の収率)を無色の固体として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
20H
23N
4O
3F
3についての計算値425.2;実測値425.1。
【0317】
3−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロパン−1−アミン(30)のための実験手順
【化94】
メタノール(50mL)及び水(6mL)中の3−アジドプロパン−1−アミン塩酸塩(1.5g、14.98mmol、1.0当量)、トリス[(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]−アミン(1.99g、3.75mmol、0.25当量)、ヨウ化銅(0.29g、1.50mmol、0.1当量)、及びトリエチルアミン(0.52mL、3.75mmol、0.25当量)の混合物を窒素で5分間パージし、0Cに冷却した。2−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(2.10g、14.98mmol、1.0当量)を添加し、反応混合物を55℃に温め、窒素雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、セライトプラグでろ過し、メタノール(3×50mL)ですすいだ。セライト(20g)をろ液に添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(120g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から20%へと徐々に増加させて、3−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロパン−1−アミン(30、2.36g、66%)を得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
11H
20N
4O
2についての計算値241.2;実測値241.2。
【0318】
N−(3−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロピル)メタクリルアミド(31)のための実験手順
【化95】
CH
2Cl
2(20mL)中の3−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロパン−1−アミン(30、1.0g、4.16mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.58mL、4.16mmol、1.0当量)の溶液を、短時間の間排気し、窒素でフラッシュした。塩化メタクリロイル(0.40mL、4.16mmol、1.0当量)を滴下して添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。10グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(40g)によって精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から20%へと徐々に増加させて、N−(3−(4−(((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロピル)メタクリルアミド(31、0.96g、75%の収率)を無色の油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
15H
24N
4O
3についての計算値309.2;実測値309.4。
【0319】
(4−(4−((オキセタン−3−イルオキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(32)のための実験手順
【化96】
メタノール(24mL)及び水(6mL)中の(4−ヨードフェニル)メタンアミン塩酸塩(2.64g、9.80mmol、1.0当量)、(1S,2S)−N1,N2−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.31mL 1.96mmol、0.2当量)、アスコルビン酸ナトリウム(198mg、0.98mmol、0.1当量)、ヨウ化銅(279mg、1.47mmol、0.15当量)、アジ化ナトリウム(1.27g、19.59mmol、2.0当量)、Et
3N(1.64mL、11.75mmol、1.2当量)及び3−(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)オキセタン(9、1.10g、9.80mmol、1.0当量)の混合物を窒素で5分間パージし、55℃に一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、セライトプラグに通してろ過し、メタノール(3×50mL)ですすいだ。セライトをろ液に添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(120g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から25%へと徐々に増加させて、(4−(4−((オキセタン−3−イルオキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(32、1.43g、56%)を油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
13H
16N
4O
2についての計算値261.1346;実測値261.1342。
【0320】
N−(4−(4−((オキセタン−3−イルオキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ベンジル)メタクリルアミド(33)のための実験手順
【化97】
CH
2Cl
2(20mL)中の(4−(4−((オキセタン−3−イルオキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)メタンアミン(32、0.58g、2.23mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.47mL、3.34mmol、1.5当量)の溶液を、短時間の間排気し、窒素でフラッシュした。塩化メタクリロイル(0.32mL、3.34mmol、1.5当量)を滴下して添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌した。10グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。100%のヘキサンから開始し、EtOAcの濃度を徐々に100%へと増加させる溶離剤としてヘキサン/EtOAcを用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(24g)によって残渣を精製して、N−(4−(4−((オキセタン−3−イルオキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ベンジル)メタクリルアミド(33、0.48g、66%の収率)を無色の固体として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
17H
20N
4O
3についての計算値329.1608;実測値329.1611。
【0321】
エチル1−(2−メタクリルアミドエチル)−1H−イミダゾール−4−カルボキシレート(35)のための実験手順
【化98】
CH
2Cl
2(20mL)中のエチル1−(2−アミノエチル)−1H−イミダゾール−4−カルボキシレート(34、2.0g、10.91mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(3.80mL、27.29mmol、2.5当量)の溶液を、短時間の間排気し、窒素でフラッシュした。塩化メタクリロイル(1.60mL、16.37mmol、1.5当量)を滴下して添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。15グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(40g)によって精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から25%へと徐々に増加させて、エチル1−(2−メタクリルアミドエチル)−1H−イミダゾール−4−カルボキシレート(35、1.28g、47%の収率)を無色の固体として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
12H
17N
3O
3についての計算値252.1;実測値252.1。
【0322】
N−(4−(1,1−ジオキシドチオモルホリノ)ベンジル)メタクリルアミド(37)のための実験手順
【化99】
CH
2Cl
2(80mL)中の4−(4−(アミノメチル)フェニル)チオモルホリン1,1−ジオキシド塩酸塩(36、1.15g、4.15mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(1.39mL、9.97mmol、2.4当量)の溶液に、塩化メタクリロイルの溶液(0.43mL、4.36mmol、1.05当量、CH
2Cl
2中、5mL)を滴下して添加した。反応混合物を室温で22時間撹拌した。8グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(80g)によって精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から3.75%へと徐々に増加させて、N−(4−(1,1−ジオキシドチオモルホリノ)ベンジル)メタクリルアミド(37、0.32g、25%の収率)を固体として得た。
【0323】
N−メチル−N−(2−(メチルスルホニル)エチル)プロパ−2−イン−1−アミン(38)のための実験手順
【化100】
1−メチルスルホニルエチレン(4.99g、47.03mmol、4.13mL)及びAmberlyst−15((30% w/w))の混合物に、N−メチルプロパ−2−イン−1−アミン(2.6g、37.62mmol)を滴下して添加した。混合物を室温で12時間撹拌した。触媒をろ過によって除去し、ろ液を減圧下で濃縮して、N−メチル−N−(2−(メチルスルホニル)エチル)プロパ−2−イン−1−アミン(38、6.43g、98%)を油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
7H
13NSO
2についての計算値176.11;実測値176.1。
【0324】
N−((1−(2−(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−N−メチル−2−(メチルスルホニル)エタン−1−アミン(40)のための実験手順
【化101】
メタノール(50mL)及び水(6mL)中のN−メチル−N−(2−(メチルスルホニル)エチル)プロパ−2−イン−1−アミン(38、5.02g、28.64mmol、1.25当量)、トリス[(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]−アミン(3.04g、5.73mmol、0.25当量)、ヨウ化銅(436mg、2.29mmol、0.1当量)、及びトリエチルアミン(0.8mL、5.7mmol、0.25当量)の混合物を排気し、窒素で(3回)フラッシュし、氷浴で冷却した。2−(2−(2−(2−アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エタン−1−アミン(39、5.02g、22.91mmol、1.0当量)を滴下して添加し、冷却浴を外し、混合物を5分間撹拌した。反応を55℃に温め、窒素雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、セライト(20g)を添加し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(220g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から25%へと徐々に増加させて、N−((1−(2−(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−N−メチル−2−(メチルスルホニル)エタン−1−アミン(40、4.98g、55%)を油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
15H
31N
5O
5Sについての計算値394.2;実測値394.2。
【0325】
実験手順N−(2−(2−(2−(2−(4−((メチル(2−(メチルスルホニル)エチル)アミノ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)メタクリルアミド(41)
【化102】
CH
2Cl
2(15mL)中のN−((1−(2−(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)−N−メチル−2−(メチルスルホニル)エタン−1−アミン(40、1.0g、2.54mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.43mL、3.05mmol、1.2当量)の溶液に、塩化メタクリロイル(0.30mL、3.05mmol、1.5当量)の溶液を滴下して添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌した。セライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(40g)によって精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から12.5%へと徐々に増加させて、N−(2−(2−(2−(2−(4−((メチル(2−(メチルスルホニル)エチル)アミノ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)メタクリルアミド(41、0.86g、73%の収率)を油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
19H
35N
5O
6Sについての計算値462.2;実測値462.2。
【0326】
7−(プロパ−2−イン−1−イル)−2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナン(42)のための実験手順
【化103】
3−ブロモプロパ−1−イン(4.4mL、39.32mmol 1.0当量)を、メタノール(200mL)中の2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナン(8.54g、39.32mmol、1.0当量)、炭酸カリウム(17.9g、129.7mmol、3.3当量)の混合物に添加し、室温で一晩撹拌した。混合物をろ過し、セライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/メタノールを用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(220g)によって精製した。メタノールの濃度を、0%から5%へと徐々に増加させて、7−(プロパ−2−イン−1−イル)−2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナン(42、4.44g、68%)を油として得た。
【0327】
2−(2−(2−(2−(4−((2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタン−1−アミン(43)のための実験手順
【化104】
メタノール(50mL)中の7−(プロパ−2−イン−1−イル)−2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナン(42、2.5g、15.13mmol、1.0当量)、トリス[(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]−アミン(1.77g、3.33mmol、0.22当量)、ヨウ化銅(288mg、1.51mmol、0.1当量)、及びトリエチルアミン(0.53mL、3.8mmol、0.25当量)の混合物を氷浴で冷却した。2−(2−(2−(2−アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)エタン−1−アミン(39、3.86g、17.70mmol、1.17当量)を滴下して添加し、冷却浴を外し、混合物を5分間撹拌した。反応を55℃に温め、窒素雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、セライト(10g)を添加し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(220g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から10%へと徐々に増加させて、2−(2−(2−(2−(4−((2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタン−1−アミン(43、4.76g、82%)を油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
18H
33N
5O
4についての計算値384.3;実測値384.2。
【0328】
N−(2−(2−(2−(2−(4−((2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)メタクリルアミド(44)のための実験手順
【化105】
CH
2Cl
2(100mL)中の2−(2−(2−(2−(4−((2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エタン−1−アミン(43、2.65g、6.91mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(1.16mL、8.29mmol、1.2当量)の溶液を、窒素雰囲気下で、氷浴で冷却した。塩化メタクリロイル(0.74mL、7.6mmol、1.1当量)を滴下して添加した。冷却浴を外し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。10グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/メタノールを用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(120g)によって精製した。メタノールの濃度を、0%から10%へと徐々に増加させて、N−(2−(2−(2−(2−(4−((2−オキサ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−イル)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)メタクリルアミド(44、1.50g、48%の収率)を無色の油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
22H
37N
5O
5についての計算値452.29;実測値452.25。
【0329】
4−((1−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオモルホリン1,1−ジオキシド(45)のための実験手順
【化106】
メタノール(20mL)中の4−(プロパ−2−イン−1−イル)チオモルホリン1,1−ジオキシド(1.14g、6.58mmol、1.0当量)、トリス[(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]−アミン(768mg、1.45mmol、0.22当量)、ヨウ化銅(125mg、0.66mmol、0.1当量)、及びトリエチルアミン(0.23mL、1.65mmol、0.25当量)の混合物を氷浴で冷却した。2−(2−アジドエトキシ)エタン−1−アミン(1.00g、7.70mmol、1.17当量)を滴下して添加し、冷却浴を外し、混合物を5分間撹拌した。反応を55℃に温め、窒素雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、セライト(10g)を添加し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(40g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から9.5%へと徐々に増加させて、4−((1−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオモルホリン1,1−ジオキシド(45、1.86g、93%)を白色の固体として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
11H
21N
5O
4Sについての計算値304.1438;実測値304.1445。
【0330】
N−(2−(2−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エチル)メタクリルアミド(46)のための実験手順
【化107】
CH
2Cl
2(100mL)中の4−((1−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオモルホリン1,1−ジオキシド(45、1.32g、4.35mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.73mL、5.22mmol、1.2当量)の溶液を、窒素雰囲気下で、氷浴で冷却した。塩化メタクリロイル(0.47mL、4.8mmol、1.1当量)を滴下して添加した。冷却浴を外し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。10グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(120g)によって精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から1.25%へと徐々に増加させて、N−(2−(2−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エチル)−メタクリルアミド(46、0.90g、56%の収率)を無色の油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
15H
25N
5O
4Sについての計算値372.17;実測値372.15。
【0331】
4−((1−(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオモルホリン1,1−ジオキシド(47)のための実験手順
【化108】
メタノール(80mL)中の4−(プロパ−2−イン−1−イル)チオモルホリン1,1−ジオキシド(4.6g、26.55mmol、1.0当量)、トリス[(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]−アミン(3.1g、5.84mmol、0.22当量)、ヨウ化銅(506mg、2.66mmol、0.1当量)、及びトリエチルアミン(0.93mL、6.64mmol、0.25当量)の混合物を氷浴で冷却した。2−(2−(2−アジドエトキシ)エトキシ)エタン−1−アミン(5.00g、28.68mmol、1.08当量)を滴下して添加し、冷却浴を外し、混合物を5分間撹拌した。反応を55℃に温め、窒素雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、セライトを添加し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(220g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から10%へと徐々に増加させて、4−((1−(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオモルホリン1,1−ジオキシド(47、5.26g、57%)を黄色がかった油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
13H
25N
5O
4Sについての計算値348.1700;実測値348.1700。
【0332】
実験手順N−(2−(2−(2−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エトキシ)エチル)メタクリルアミド(48)
【化109】
CH
2Cl
2(50mL)中の4−((1−(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオモルホリン1,1−ジオキシド(47、1.49g、4.29mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.72mL、5.15mmol、1.2当量)の溶液を、窒素雰囲気下で、氷浴で冷却した。塩化メタクリロイル(0.46mL、4.7mmol、1.1当量)を滴下して添加した。冷却浴を外し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。10グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/メタノールを用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(80g)によって精製した。メタノールの濃度を、0%から5%へと徐々に増加させて、N−(2−(2−(2−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エトキシ)エチル)−メタクリルアミド(48、0.67g、38%の収率)を無色の油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
17H
29N
5O
5Sについての計算値416.20;実測値416.20。
【0333】
4−((1−(14−アミノ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデシル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオモルホリン1,1−ジオキシド(49)のための実験手順
【化110】
メタノール(90mL)中の4−(プロパ−2−イン−1−イル)チオモルホリン1,1−ジオキシド(5.0g、28.86mmol、1.0当量)、トリス[(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]−アミン(3.37g、6.35mmol、0.22当量)、ヨウ化銅(550mg、2.89mmol、0.1当量)、及びトリエチルアミン(1.01mL、7.22mmol、0.25当量)の混合物を、氷浴で冷却した。14−アジド−3,6,9,12−テトラオキサテトラデカン−1−アミン(8.86g、33.77mmol、1.17当量)を滴下して添加し、冷却浴を外し、混合物を5分間撹拌した。反応を55℃に温め、窒素雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、セライト(15g)を添加し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、移動相としてジクロロメタン/(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)を用いて、シリカゲル(220g)で精製した。(12%(v/v)の水性水酸化アンモニウムを含有するメタノール)の濃度を、0%から10%へと徐々に増加させて、4−((1−(14−アミノ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデシル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオモルホリン1,1−ジオキシド(49、7.56g、60%)を油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
17H
33N
5O
6Sについての計算値436.2224;実測値436.2228。
【0334】
実験手順N−(14−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−3,6,9,12−テトラオキサテトラデシル)メタクリルアミド(50)
【化111】
CH
2Cl
2(50mL)中の4−((1−(14−アミノ−3,6,9,12−テトラオキサテトラデシル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)チオモルホリン1,1−ジオキシド(49、1.95g、4.79mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(0.80mL、5.74mmol、1.2当量)の溶液を、窒素雰囲気下で、氷浴で冷却した。塩化メタクリロイル(0.51mL、5.26mmol、1.1当量)を滴下して添加した。冷却浴を外し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。10グラムのセライトを添加し、溶剤を減圧下で除去した。残渣を、移動相としてジクロロメタン/メタノールを用いて、シリカゲルクロマトグラフィ(80g)によって精製した。メタノールの濃度を、0%から5%へと徐々に増加させて、N−(14−(4−((1,1−ジオキシドチオモルホリノ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−3,6,9,12−テトラオキサテトラデシル)メタクリルアミド(50、0.76g、32%の収率)を無色の油として得た。LCMS m/z:[M+H]
+ C
21H
37N
5O
7Sについての計算値504.25;実測値504.20。
【0335】
実施例2:ポリマーへの例示的な化合物のコンジュゲーション
例示的な化合物は、ポリマーに結合され得る。この実施例において、本開示の化合物を、アルギン酸塩、反応性カルボン酸基を含むポリマーにコンジュゲートした。本明細書に記載のアミンなどの、カルボン酸にカップリングすることが可能な構成要素のいずれも、このカップリング反応のための適切なパートナーであり得る。
【0336】
化合物200〜218を、本明細書に概説される方法を用いてアルギン酸塩にコンジュゲートした。アルギン酸塩ポリマーを、水(30mL/グラムのアルギン酸塩)に溶解させ、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(0.5当量)及びN−メチルモルホリン(1当量)で処理した。次に、対象とする化合物(化合物200〜218のうちの1つ)を、アセトニトリル(0.3M)に溶解させ、アルギン酸塩溶液に加えた。次に、反応物を16時間にわたって55℃に温め、室温に冷まし、回転蒸発によって濃縮し、次に、水に溶解させた。次に、混合物を、シアノ修飾シリカゲル(Silicycle)の床に通してろ過し、ろ過ケーキを水で洗浄した。次に、得られた溶液を、水を2回交換しながら、24時間にわたって水に対して透析した(10,000MWCO膜)。得られた溶液を、凍結乾燥によって濃縮して、官能化アルギン酸塩を得た。
【0337】
実施例3:NHS修飾プレートへの例示的な化合物のコンジュゲーション
本発明の例示的な化合物を、25% v/vのジメチルスルホキシド(DMSO)を含有する0.1Mの重炭酸塩緩衝液(pH8.2)中0.1Mの濃度で調製した。0.1MのPEG750−アミン及び0.01%のフィブロネクチンの対照溶液を、0.1Mの重炭酸塩緩衝液(pH8.2)中で調製した。
【0338】
各小分子アミン溶液(100μL)を、NHS活性化96ウェルプレートの8つのウェルにピペッティングし、室温で2時間インキュベートした。各プレートは、2つの対照溶液を含む2つのレーン及び試験分子溶液を含む10のレーンからなっていた。試験ウェルを、25% v/vのDMSOを含有する200μLの0.1Mの重炭酸塩緩衝液(pH8.2)で1回すすいだ後、200μLのHyclone(商標)水で3回洗浄した。対照ウェルを、0.1Mの重炭酸塩緩衝液(pH8.2)ですすいだ後、200μLのHyclone(商標)水で3回洗浄した。プレートを、滅菌フード中で、室温で乾燥させ、使用までに4〜8℃で貯蔵した。
【0339】
実施例4:シリコーンディスクへの例示的な化合物のコンジュゲーション
ディスク(5mm)を、生検パンチを用いて、医療グレードシリコーンシート(厚さ1mm)から切断した。ディスクを、HyClone水で数回すすいで、微粒子を除去し、次に、超音波処理によって清浄化した:200プルーフエタノール、アセトン、及びヘキサン中でそれぞれ10分間。清浄化されたディスクを、減圧下で一晩乾燥させた。小分子メタクリルアミド(例えば、本明細書に記載の式(I)の化合物)を、DMSO及びトルエンのブレンド中0.2Mでのそれらの溶解度についてスクリーニングした。適切なDMSO/トルエンブレンド(典型的には、5〜15v/v%のDMSO)の新鮮な溶液を、反応の当日に調製し、使用の前に窒素で脱気した。メタクリルアミドを加え、ボルテックスし、超音波処理して、透明な0.2Mの標準溶液(working solution)を得た。透明なPDMSディスクの表面を、空気プラズマ処理(<300mtorr、30W、一面につき1分間)によって活性化した。第2の処理の後、ディスクを、直ぐに反応器から取り出し、穏やかな撹拌を伴う1時間の反応のために標準溶液に移した。反応後、ディスクを、メタノール中で3×10分間、200プルーフエタノール中で3×10分間洗浄し、次に、減圧下で一晩乾燥させた。ディスクを、70%のエタノール中に浸漬し、滅菌フード中の滅菌バイアル中で乾燥させることによって滅菌した。ディスクを、使用の前に室温で貯蔵した。
【0340】
実施例5:プラズマ処理による表面への例示的な化合物のコンジュゲーション
本開示に記載の化合物は、様々な方法によって表面に結合され得る。この実施例において、アクリレート誘導体が、プラズマ処理によってポリマー表面に結合される。ポリマー材料又はデバイスは、一定期間(例えば、一面につき1分間(Harrick Plasma Cleaner))にわたってプラズマで処理され、トルエン中5%のDMSO中の化合物(例えば、式(I)の化合物)の溶液(全体で0.2M)中に直ぐに入れられ得る。反応物は、1時間にわたって撹拌又は振とうされ得る(必要に応じて)。材料は、溶液からろ過して取り出され、メタノール(3回)、エタノール(3回)で洗浄され、減圧下で乾燥される。
【0341】
実施例6.例示的な化合物のインビトロアッセイ:カテプシン活性
本明細書に開示される化合物、材料、及びデバイスの有効性及び/又は毒性が、Vegas et al(2016)Nat Biotechnol 34(3):666に記載されているように、インビトロカテプシン活性アッセイを用いて調べられ得る。簡潔に述べると、組み換えマウスカテプシンB(rmCathepsin B,R&D System)が、活性化緩衝液(25mMのMES、5mMのDTT、pH5.0)中で10uMに希釈され、室温で15分間インキュベートされて、活性化され、次に、さらにアッセイ緩衝液(25mMのMES、pH5.0)中で希釈され、0.1uMの最終濃度になるまで96ウェルプレートのウェルに移され得る。基質(例えば、Prosense 750 Fast(PerkinElmer)及び塩化バリウム)が、アッセイ緩衝液中で希釈され、基質の最終濃度が0.5uM及び塩化バリウム20mMになり得るように、カテプシンBを含むプレートのウェルに移され得る。次に、蛍光測定が、基質の適切な励起及び発光波長を用いて、室温で2時間のインキュベーションの後に記録され得る。カテプシンLなどの他のカテプシンが、このアッセイに使用され得る。
【0342】
実施例7:例示的な化合物のインビトロアッセイ:マクロファージ付着
本明細書に開示される化合物、材料、及びデバイスの有効性が、インビトロマクロファージ付着アッセイを用いてさらに調べられ得る。マクロファージ細胞株を、96ウェルプレート上で、50000個の細胞/ウェルで平板培養し、37℃で1時間インキュベートした。次に、プレートを45度の角度に配置し、流体せん断を5回加えることによって洗浄した。次に、非付着細胞及び付着細胞を分離させ、Cell titer−gloキットで処理して、生細胞の数を定量した。生細胞を、発光に基づくプレートリーダー測定を用いて検出した。各小分子アミンについての得られた細胞付着値を、8つのウェルで平均し、標準偏差を算出した。各小分子についての平均細胞付着値を、各プレートにおける2つの対照の平均に対して正規化した:PEG750=0、フィブロネクチン(FN)=100。小分子正規化値=(SM−PEG750)/(FN−PEG750)。結果が、プレートに付着された細胞のパーセンテージとして表される。付着細胞パーセント%=(付着細胞の発光)/(付着細胞+非付着細胞の発光)。データは、平均+/−標準誤差を表し、示されていない。
【0343】
実施例8.例示的な化合物のインビボアッセイ:カテプシン活性
本明細書に開示される化合物、材料、及びデバイスの有効性及び/又は毒性を決定するために、インビボ蛍光アッセイが、Vegas et al(2016)Nat Biotechnol 34(3):666に記載されているように使用され得る。一般に、幼若マウス(例えば、8〜12週齢の雌SKH1マウス)に、対象とする化合物、材料、又はデバイスが投与、注入、又は移植される。投与、注入、又は移植後の蛍光バックグラウンドを最小限に抑えるために、マウスに、AIN−93G精製げっ歯類飼料が供給され得る。6日後、ProSense−680(VisEn Medical、2〜5nm)が、滅菌PBSに溶解され、各マウスの尾静脈に注入される。7日目に、マウスを、蛍光イメージングによって分析して、カテプシン活性のレベルを決定し、これは、対象とする部位における炎症反応の調節に相当する。炎症反応はまた、異物反応及び線維症の公知のメディエーターである、TNF−α、IL−13、IL−6、G−CSF、GM−CSF、IL−4、CCL2、及びCCL4などの一連のサイトカインを検出及び測定することによって評価され得る。
【0344】
実施例9.例示的な化合物のインビボアッセイ:ディスク移植
実施例4に記載されているように化学修飾された5mmのシリコーンディスクを、以下の手順に従って、C57BL/6Jマウスの腹腔内(IP)空間に移植した。
【0345】
準備:1〜4%イソフルオラン+酸素の連続流(0.5L/min)により麻酔下とすることにより、手術のためのマウスの準備を行った。手術前に、すべてのマウスに、前外科的鎮痛薬として0.05〜0.1mg/kg(体重)の投与量のブプレノルフィンを皮下投与し、一緒に、脱水を防ぐために0.5mlの0.9%生理食塩水を皮下に与えた。サイズ#40のバリカン刃のシェーバを用いて毛を除去して、動物の腹部における腹側正中線上において、約2cm×2cmの領域を露わにした。ポビドンヨードで最低でも3回拭き(可能である場合には切開部位の中心から遠心方向外側に向けて)、続いて、70%アルコールですすぐことにより、剃毛した領域全体の前無菌処理をした。最後に皮膚へのポビドンヨードの塗布も行った。テーブルの上面を70%エタノールで消毒した後、手術部位を使い捨ての無菌紙でドレープをかけて、手術部位に周囲の毛が接触することを防止した。術者は、適切なPPE、更衣、サージカルマスク、及びサージカルグローブを用いた。
【0346】
外科手技:鋭利な手術用ブレード又はハサミを用いて、被検体であるマウスの皮膚及び腹白線から、腹部に、0.5〜0.75mmの正中切開で切開した。外科医は、切開を可能な限り小さく維持するよう試みた。平坦な滅菌した鉗子を用いて、1つのシリコーンディスクを、各マウスの腹膜腔内に移した。腹筋を、5−0 Ethicon black silk又はPDS吸収性5.0−6.0モノフィラメント吸収性縫合糸で縫合して閉じ、外表皮膚層を、創傷クリップを用いて閉じた。手技間に手術用器具から血液及び組織片を取り除き、機器も、ホットビーズ滅菌器を用いて動物ごとに再滅菌した。手術後に、動物を、加熱パッド上又は加熱ランプ下のケージに戻し、麻酔から回復するまで監視した。
【0347】
手術中の看護:Deltaphase保温パッドを用いて動物を保温した。手術時間中、動物の両眼に無菌眼軟膏で水分を補給した。低体温症を防ぐために、手術部位を過剰に濡らさないよう注意をした。呼吸数及び特性を連続的に監視した。バイタルサインが極度な疼痛及び苦痛を示す場合、動物を、二酸化炭素室に入れた後、頸椎脱臼により安楽死させた。
【0348】
移植の14日後、ディスクを取り出し、付着した組織を含むディスクの数を計数した。このアッセイの結果が、以下の表3にまとめられている。この表中、「A」は、付着した組織を含む0〜1個のディスクの値に相当し;「B」は、付着した組織を含む2〜3個のディスクの値に相当し;「C」は、付着した組織を含む4〜5個のディスクの値に相当する。
【0349】
【表9】
【0350】
均等物及び範囲
本出願は、すべてが参照により本明細書において援用されている、種々の発行された特許、公開された特許出願、学術記事、書籍、マニュアル及び他の刊行物を参照する。援用された文献のいずれかと、本明細書との間に齟齬が存在する場合、本明細書が優先されるべきである。加えて、従来技術に属する本発明の特定の実施形態のいずれかは、いずれかの1つ以上の請求項からは明示的に除外され得る。このような実施形態は技術分野における当業者に公知であるとみなされるため、これらは、本明細書において明示的に除外されていない場合においても除外され得る。本発明の特定の実施形態のいずれかは、従来技術の存在に関連しているかに関係なく、いかなる理由によってもいずれかの請求項から除外可能である。
【0351】
当業者は、多くのルーチン的な実験を行うことなく、本明細書に記載の特定の実施形態の均等物を認識又は確認可能である。本明細書に記載の本実施形態の範囲が上記の明細書、図面又は実施例に限定されることは意図されておらず、添付の特許請求の範囲に記載されているとおりであることが意図されている。当業者は、以下の特許請求の範囲において定義されているとおり、本発明の趣旨又は範囲を逸脱することなく、本記載に対する種々の変更及び修正が可能であり得ることを認めるであろう。