(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-516517(P2021-516517A)
(43)【公表日】2021年7月1日
(54)【発明の名称】オフアングル分離が強化されたスーパーステレオスコピックディスプレイ
(51)【国際特許分類】
H04N 13/305 20180101AFI20210604BHJP
H04N 13/125 20180101ALI20210604BHJP
H04N 13/122 20180101ALI20210604BHJP
H04N 13/366 20180101ALI20210604BHJP
G02B 30/20 20200101ALI20210604BHJP
【FI】
H04N13/305
H04N13/125
H04N13/122
H04N13/366
G02B30/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-567739(P2020-567739)
(86)(22)【出願日】2019年1月25日
(85)【翻訳文提出日】2020年10月14日
(86)【国際出願番号】US2019015235
(87)【国際公開番号】WO2019168617
(87)【国際公開日】20190906
(31)【優先権主張番号】62/661,605
(32)【優先日】2018年4月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/635,728
(32)【優先日】2018年2月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/044,355
(32)【優先日】2018年7月24日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520319152
【氏名又は名称】ルッキング グラス ファクトリー,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LOOKING GLASS FACTORY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】フライン,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ホック,タン,イウ
(72)【発明者】
【氏名】リー,シユ,パン
【テーマコード(参考)】
2H199
5C061
【Fターム(参考)】
2H199BA08
2H199BA09
2H199BA42
2H199BA43
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2H199BB62
5C061AA07
5C061AB14
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(57)【要約】
オフアングル分離が強化されたスーパーステレオスコピックディスプレイにおいて、第1の光源と、第1の光源に光学的に結合され、第1の光源と共に、視野角依存性を有する第1の光出力を生成するレンチキュラーレンズと、レンチキュラーレンズに光学的に結合された高屈折率光学ボリュームとを具える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オフアングル分離が強化されたスーパーステレオスコピックディスプレイであって、
第1の光源と、
前記第1の光源に光学的に結合され、前記第1の光源と共に、視野角依存性を有する第1の光出力を生成するレンチキュラーレンズと、
前記レンチキュラーレンズに光学的に結合され、1より大きい屈折率を有する高屈折率光学ボリュームとを具え、
前記第1の光源は前記第1の光出力を前記高屈折率光学ボリュームに送出し、前記高屈折率光学ボリュームは前記第1の光出力を自由空間に送出し、この高屈折率光学ボリュームによる送出後に、前記第1の光出力は、第1の視野角における第1の可視画像と、前記第1の視野角から第1の非ゼロ角度だけ隔てられた第2の視野角における、前記第1の可視画像と同一ではない第2の可視画像と、前記第2の視野角から第2の非ゼロ角度だけ隔てられた第3の視野角における、前記第1および第2の可視画像と同一ではない第3の可視画像とを含み、前記第1、第2、および第3の可視画像は第1の三次元画像のビューに対応し、当該第1の三次元画像の超立体視を可能にする、スーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項2】
前記高屈折率光学ボリュームが、前記第1、第2、および第3の可視画像が前記高屈折率光学ボリューム内に位置するように見えるように、前記第1、第2、および第3の可視画像の知覚される視距離を減少させる、請求項1に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項3】
前記高屈折率光学ボリュームが、1.4より大きい屈折率を有する透明なポリマーからなる長方形のプリズムである、請求項2に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項4】
前記高屈折率光学ボリュームの第1の表面に配置された一組の光学ボリュームガイドをさらに具え、当該一組の光学ボリュームガイドは、ディスプレイによって表示される画像の奥行きの知覚を増強する、請求項2に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項5】
前記光学ボリュームガイドは前記高屈折率光学ボリュームの表面にエッチングされている、請求項4に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項6】
前記高屈折率光学ボリュームの第1の表面の反対側にある第2の表面に配置された反射器をさらに具え、当該反射器は前記光学ボリュームガイドの虚像を生成し、前記高屈折率光学ボリュームが他の方法で表示されるよりも大きいという知覚を生成する、請求項4に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項7】
前記レンチキュラーレンズは、前記第1の光源のアドレス可能な列に平行な一次元レンチキュラーレンズであり、この一次元レンチキュラーレンズは、前記第1の光源のアドレス可能な列に垂直である、請求項1に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項8】
前記レンチキュラーレンズは、前記第1の光源のアドレス可能な列に対して0度より大きく90度未満の角度に向けられた一次元レンチキュラーレンズであり、これにより、前記第1の光源のアドレス可能な列とアドレス可能な行の両方に解像度の損失が配分される、請求項7に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項9】
前記レンチキュラーレンズは、2つの一次元レンチキュラーレンズを積み重ねて得られる二次元レンチキュラーレンズである、請求項7に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項10】
さらにトラッキングセンサを具えるとともに、前記第1の光源は、前記トラッキングセンサによってキャプチャされた第1の視聴者に対応する頭または目のトラッキングデータに基づいて、この視聴者用の前記第1の3次元画像の超立体視を可能にするように前記第1の光出力を修正する、請求項7に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項11】
前記第1の光源は、前記第1の視聴者がディスプレイに近づくことに応答して、前記ビューのゴーストを低減するように前記第1の光出力をさらに修正する、請求項10に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項12】
前記第1の光源は、前記第1の視聴者がディスプレイに近づくことに応答して、アスペクト比の歪みを補正するように前記第1の光出力をさらに修正する、請求項10に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項13】
前記第1の光源は、前記第1の視聴者がディスプレイに近づくことに応答して、前記奥行き知覚の変化を補正するように前記第1の光出力をさらに修正する、請求項10に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項14】
前記第1の光源は、前記頭または目のトラッキングデータの変化に応答して、前記第1の光出力の修正を減衰させる、請求項10に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項15】
前記第1の光源は、前記トラッキングセンサによってキャプチャされた前記視聴者に対応する頭または目のトラッキングデータに基づいて、第1の視聴者および第2の視聴者の超立体視を実現するように前記第1の光出力を修正する、請求項7に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項16】
前記第1の光源は、前記第1の視聴者のために前記第1の三次元画像の超立体視を可能にするように前記第1の光出力を修正するとともに、前記第1の光源は、前記第2の視聴者のために第2の3次元画像の超立体視を可能にするように前記第1の光出力を修正する、請求項15に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項17】
前記第1および第2の三次元画像が同一である、請求項16に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項18】
前記第1の光源は、前記第1の視聴者の視野角、視距離、および視線高さに基づいて、前記第1の三次元画像の第1のパースペクティブを提供するように前記第1の光出力を修正する、請求項17に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項19】
前記第1の光源は、前記第2の視聴者の視野角、視距離、および視線高さに基づいて、前記第1の3次元画像の第2のパースペクティブを提供するように前記第1の光出力を修正し、ここで、前記第1と第2のパースペクティブは同一でない、請求項17に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項20】
前記第1の光源は、前記第1のパースペクティブが前記第1の視聴者の第1の視線高さを反映するように修正されるとともに、前記第2のパースペクティブが前記第2の視聴者の第2の視線高さを反映するように修正されるように、前記第1の光出力を最初に修正し、ここで前記第1および第2の視線高さは同一ではない、請求項19に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【請求項21】
前記第1の光源は、後に、前記第2の視聴者が前記第1の視聴者の方へ移動することに応答して、前記第1および第2のパースペクティブの両方が前記第1の視聴者の第1の視聴高さを反映するように前記第1の光出力を修正する、請求項20に記載のスーパーステレオスコピックディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001]本発明は、2018年7月24日に出願された米国特許出願第16/044,355号、2018年2月27日に出願された米国仮出願第62/635,728号、および2018年4月23日に出願された米国仮出願第62/661,605号の利益を主張するものであり、これらはすべてこの参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
技術分野
[0002]本発明は、一般に、画像ディスプレイ分野、より具体的には、オフアングル分離を強化した新規で有用なスーパーステレオスコピックディスプレイに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]画像ディスプレイは現代生活の不可欠な部分である。テレビからモニター、スマートフォンやタブレットの画面に至るまで、画像ディスプレイは、さまざまな形式で提示された情報を表示および操作する機能をユーザに提供する。
【0004】
[0004]3次元ディスプレイの登場により、ユーザは2次元ディスプレイよりもリアルな画像を体験できるようになった。しかしながら、3Dディスプレイの大部分では、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)またはその他の面倒な周辺機器を使用する必要がある。
【0005】
[0005]フリースペース3Dディスプレイにより、HMDが不要になり、複数のユーザが共有体験でコンテンツを表示および操作できるようになった。残念ながら、いくつかの既存のフリースペース3Dディスプレイは、サイズ、制限された視野角、低解像度と明るさ、シーンの歪み、高コストなど、多くの問題によって妨げられている。したがって、画像ディスプレイ分野では、オフアングル分離が強化された新規で有用なスーパーステレオスコピックディスプレイを作成する必要がある。本発明は、そのような新規で有用なディスプレイを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】[0006]
図1は、本発明の実施形態のディスプレイの上面図である。
【
図2】[0007]
図2Aおよび2Bは、3次元画像の立体視図である。
【
図3】[0008]
図3Aおよび3Bは、本発明の実施形態のディスプレイの断面図である。
【
図4】[0009]
図4は、本発明の実施形態のディスプレイの視差発生器の断面図である。
【
図5A】[0010]
図5Aは、本発明の実施形態のディスプレイの拡大構成におけるレンチキュラーレンズの断面図である。
【
図5B】[0011]
図5Bは、本発明の実施形態のディスプレイの圧縮構成におけるレンチキュラーレンズの断面図である。
【
図6A】[0012]
図6Aは、本発明の実施形態のディスプレイの光源から投影された画像の光路図である。
【
図6B】[0013]
図6Bは、光源から投影され、本発明の実施形態のディスプレイの高屈折率光学ボリュームを通過する画像の光路図である。
【
図7】[0014]
図7は、本発明の実施形態のディスプレイの上面図である。
【
図8】[0015]
図8は、本発明の実施形態の高屈折率光学ボリュームおよび知覚された追加ボリュームの斜視図である。
【
図9】[0016]
図9A、9B、および9Cは、本発明の実施形態のディスプレイの様々な斜視図である。
【
図10】[0017]
図10Aおよび10Bは、本発明の実施形態のディスプレイの視距離に対する画像ビューの依存性の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0018]本発明の本発明の実施形態の以下の説明は、本発明をこれらの本発明の実施形態に限定することを意図するのではなく、むしろ当業者が本発明を作成および使用できるようにすることを意図する。
【0008】
1.オフアングル分離が強化されたスーパーステレオスコピックディスプレイ
[0019]
図1に示すように、オフアングル分離が強化されたスーパーステレオスコピックディスプレイ100は、光源110と、視差発生器120と、高屈折率光学ボリューム140とを具える。このディスプレイ100は、追加的または代替的に、ポラライザ130、四分の一波長板131、光学ボリュームガイド141、オンボードコンピュータ150、および/またはコンテクスト照明システム160を具え得る。
【0009】
[0020]
図1に示すように、ディスプレイ100は、複数の視聴者が2次元および/または3次元の画像データを複数の視点から同時に見ることを可能にするように機能する。ディスプレイ100は、角度に依存した視聴体験を生成し、これを用いて(立体視を介して)3次元視聴体験を提供し、および/または(必ずしも奥行きの知覚を引き起こすことなく)異なる角度の視聴者に視聴角度に応じて異なる画像を提供することができる。一例は、
図2Aおよび2Bに示す通りである。ディスプレイ100は、複数の角度で同じ3D画像を生成することもできるが(例えば、視聴者1が0度および5度の視点でそれぞれ画像1および2を見て、視聴者2が20度および25度の視点でそれぞれ画像1および2を見る)、ディスプレイ100は、好ましくは、連続的な途切れのないシーン(例えば、0度で画像1、5度で画像2、・・・5(N−1)度で画像N、ここでNは整数)を生成して、没入感の高い視聴体験を提供する。代替的に、ディスプレイ100は、任意の目的のために任意の画像のセットを用いてもよい。
【0010】
[0021]オフアングル分離の強化は、好ましくは、高屈折率光学ボリューム140によって実現される。その高い屈折率および形状の性質により、光学ボリューム140は、特定の視野角における視聴者に向けられた一次画像を、そうでない場合(光学ボリューム140がない場合)よりも視聴者の近くに見えるようにして、光源110によって生成された画像が画面から「浮き上がる」という知覚を増大させる。この効果をさらに増強すると、特定の視野角の視聴者に対して軸外の画像の場合、この画像は軸上の画像ほど近くに表示されず、視聴者にとって空間内の軸上画像と軸外画像が分離しているように見える。この現象は、高屈折率光学ボリューム140に関する章でより詳細に議論される。
【0011】
[0022]光源110は、ディスプレイ100に表示するための画像(すなわち、画像データから生成された光)を生成するように機能する。光源110は、好ましくは、個別にアドレス指定可能なピクセルのセットを含む平面2次元ディスプレイであるが、追加的または代替的に、任意の適切なディスプレイであり得る。例えば、光源110は、1つまたは複数の可動光源;例えば、複数の光源の外観をシミュレート(つまり、ディスプレイの多重化)するために一連の位置にわたりスキャンされるレーザーを具え得る。
【0012】
[0023]光源110は、好ましくはRGBカラー光源(例えば、各ピクセルが、赤、緑、および青のサブピクセルを含む)であるが、追加的または代替的に、実質的に単色の光源または任意の他の光源(例えば、白色光源)であってもよい。
【0013】
[0024]光源110は、好ましくは、プロジェクタまたはプロジェクタライトエンジン(例えば、DLP、レーザー、LCoS、および/またはLCDプロジェクタ)であるが、追加的または代替的に、任意の適切なディスプレイ(例えば、LCDモニタ/TVディスプレイ、OLEDディスプレイ、e−inkディスプレイ、LEDアレイ、回転LEDディスプレイ、e−inkディスプレイ、エレクトロルミネセントディスプレイ、ネオンディスプレイなど)であってよい。好ましい実施形態の1つの変形例では、光源110は、コリメートされたバックライトを備えた液晶パネルを具える。
【0014】
[0025]ディスプレイ100は、好ましくは単一の光源110を有するが、追加的または代替的に複数の光源110を有してもよい。例えば、
図3Aおよび
図3Bにそれぞれ示すように、複数の光源を直列および/または並列に配置することができる。光源110、ポラライザ130、4分の1波長板311、および/または追加の光学系(例えば、ミラー、レンズなど)の任意の組み合わせが、ディスプレイ100で使用され得ることに留意されたい。複数の光源110を利用する構成では、光源110は、オフセットされ、角度付けられ、回転され、湾曲され、または他の方法で任意の方法で構成することができる。
【0015】
[0026]光源110は、光を視差発生器120および/または高屈折率光学ボリューム140に結合するように機能する光学要素(例えば、レンズ、ミラー、導波路、フィルタ)を具え得る。例えば、光源110は、光源110出力のコリメートを増加させるように設計されたコリメートレンズを含み得る。第2の例として、光源110は、光源110の出力をスケーリングする(またはさもなければ歪める)ように設計されたレンズを含み得る(例えば、サイズ縮小またはサイズ増大)。そのようなレンズは、光源110の出力を均一に(例えば、両方の画像寸法を1/2にする)または不均一に(例えば、第1の画像寸法を減少させず、他方の画像寸法を1/4にする)スケーリングすることができる。第3の例として、光源110は、観察された画像の焦点面を操作するレンズを含んでもよく、そのようなレンズは調整可能であり得る(被写界深度を掃引できる)。そのようなレンズが高速で調整可能である場合、視聴者に拡大された知覚被写界深度を提供することができる。
【0016】
[0027]光源110は、他の目的のためにディスプレイ100によって使用される光を用意するために、任意の受動的または能動的光学要素を追加的または代替的に具えることができる。例えば、光源110は、フィルタまたはスプリッタを具え得る。より具体的な例として、光源110の本来の出力が偏光されていない場合、光源110は偏光フィルタを具えてもよい。別の例として、光源110は、マイクロレンズアレイおよび/またはフレネルレンズを具え得る。
【0017】
[0028]視差発生器120は、光源110の出力から角度依存ビューを生成するように機能する。視差発生器120は、そのような角度依存ビューを生成することができる任意の構造(例えば、レンチキュラーレンズ、マイクロ球形レンズ、視差バリアなど)であり得る。
【0018】
[0029]第1の例では、視差発生器120はレンチキュラーレンズである。レンチキュラーレンズは、光源110上のレンチキュラーレンズの位置に基づいて異なるピクセル(または画像セグメント)を表示する光源110と組み合わせて角度依存ビューを生成する。例えば、
図4に示すように、3つの角度で視聴者に表示される画像は、それぞれ1、2、および3のラベルが付いたピクセルで構成される。
【0019】
[0030]レンチキュラーレンズの特性(例えば、ピッチ、材料、構造、光源110に対する向きおよび位置)および所望の視聴特性(例えば、視聴者の数、視距離、所望の視聴数、視聴モードなど)に基づき、ディスプレイ100は、所望の結果を生成するために光源110の出力を変更することができる。
【0020】
[0031]一実施例では、ディスプレイ100によって提供される異なるビューの数は、ある視距離での超立体視に十分である。すなわち、視聴者の両方の目がそれぞれ、ディスプレイ100から異なる画像を受け取り、視聴者がディスプレイ100の周りを移動すると、ビューは(視野角とともに)変化する。例えば、角度1の視聴者は、シーン1を右目で、シーン2を左目で見て、ここでシーン1とシーン2は1つまたは複数のオブジェクトの立体3次元ビューを作成する。視聴者が角度1から角度2に移動したら、視聴者は今度はシーン2を右目で、シーン3を左目で見て、これが1つまたは複数のオブジェクトの2番目の立体3次元ビューを生成する。このようにして、(立体効果のおかげで)視聴者は特定の視野角で3次元画像を知覚し、
図2A(第1のビューに対応)および
図2B(第2のビューに対応)に示すように、視聴者がディスプレイ100の周りを移動するときもその知覚は維持される(1つまたは複数のオブジェクトの回転ビューに対応するビューの変化のおかげで)。このようにして複数の立体三次元ビューを生成するディスプレイは、スーパーステレオスコピックディスプレイと呼ばれる。
【0021】
[0032]レンチキュラーレンズは、任意の適切な構成および構造を有し、任意の適切な材料で作製され得る。レンチキュラーレンズは、好ましくは一次元(例えば、列配置された円筒レンズ)であるが、追加的または代替的に、二次元レンチキュラーレンズ、フライアイレンズアレイ、または一体型イメージングレンズアレイであり得る。好ましくは、光源110のアドレス可能なセグメント(例えば、ピクセル)とレンチキュラーレンズとの間に相関関係があるが、レンチキュラーレンズのレンズ柱は、光源110に対して特定の向きである必要はないことに留意されたい。例えば、レンチキュラーレンズの列をピクセルの列に揃えてもよいが、角度を付けてオフセットさせてもよい(これにより、画像スライスによる解像度の低下を、画像のピクセルの列と行の一方だけではなく、両方に配分することができる)。この技術は、米国特許第6,064,424号にさらに記載されている。(光源110出力の)画像のスライスまたは分割は、所望の表示結果を達成するために任意の方法で実行することができる。画像の処理は、好ましくは、オンボードコンピュータ150によって実行されるが、追加的または代替的に、任意のコンピュータシステムによって制御してもよい。
【0022】
[0033]レンチキュラーレンズは、レンズの光学特性を変更するために再構成できることに留意されたい。例えば、レンチキュラーレンズは、
図5A(拡大)および5B(圧縮)に示すように、レンズを物理的に圧縮または応力をかけてレンズのピッチを変更し、それに応じてピクセルからレンズへのマッピングを変更できるように、可撓性または半可撓性材料で製造してもよい。追加的または代替的に、レンズの光学特性は、別のメカニズムによって(例えば、レンチキュラーレンズの屈折率を変更することによって)変更することができる。別の例として、レンチキュラーレンズは、層状液晶アレイを使用して(レンズ全体として、または固定屈折レンズと組み合わせて)実装し、レンチキュラーレンズの動的設定を可能にするようにしてもよい。
【0023】
[0034]ディスプレイ100は、所望の光学効果を生み出すために、複数のレンチキュラーレンズおよび/または他のレンズを含み得る。例えば、1Dレンチキュラーレンズをさまざまな方向に積み重ねて、2D角度ビュー依存性を作成することができる。
【0024】
[0035]第2実施例では、視差発生器120は、ピンホールアレイまたは視差バリアである。第3実施例では、視差の生成は、複数の光源110によって提供され得る。例えば、異なる角度のプロジェクタのセットと、視野角依存フィルムまたは表面(視差発生器120と光源110の両方のように一緒に機能する)を使用して、単一の光源110およびオーバーレイされた視差発生器120と同様の視野効果を生成することができる。
【0025】
[0036]ポラライザ130および四分の一波長板131を使用して、ディスプレイ100の画像出力の品質を高めることができる。例えば、
図1に示されるような構成では、ポラライザ130および四分の一波長板131は、(誤った反射を抑制することによって)知覚される画像のコントラストまたは明るさを増加させることができる。これと同じ効果を使用して、例えば、視差発生器120によって引き起こされる画像ゴーストを低減することができる(この場合、「ゴースト」画像は、意図された/軸上の画像とは異なる偏光であり得る)。
【0026】
[0037]ポラライザ130および四分の一波長板131は光学ボリューム140に積層してもよいが、ポラライザ130/四分の一波長板131は、光学ボリューム140と周囲空気との間の屈折率を有する場合があるため、これらの(および他の)光学部品は、FTIR(frustrated total internal reflection)から生じる光学ボリューム140からの光損失を防ぐために、ある材料(または空気/真空)によって分離されることが望ましい場合がある。
【0027】
[0038]高屈折率光学ボリューム140は、オンアングルビュー(すなわち、プライマリビュー)とオフアングルビューとの間の知覚される分離を強化することによって、ディスプレイ100の表示を強化するように機能する。
【0028】
[0039]高屈折率光学ボリューム140は、好ましくは、光学的に透明な材料(例えば、アクリル、ガラス、ポリカーボネート)の固体矩形プリズムであるが、追加的または代替的に、光を透過し屈折率が1より大きい任意の三次元ボリューム(任意の構造の任意の材料でなる)であってよい。例えば、高屈折率光学ボリュームは、アクリルであり、そして1.49の相対屈折率を有し得る。
【0029】
[0040]
図6Aに示すように、それ自体で、光源110は、視聴者の目に画像を作成することができる。高屈折率光学ボリューム140を組み込んだ後、視聴者の目に形成される画像はより小さくなり、光学ボリューム140が適所にある知覚画像は、光学ボリュームがない場合よりも、近く(例えば、画像の知覚位置で示すように)またはより大きくなることを示唆する。
図6Bに示すように、適切な相対的サイズの手がかり(例えば、ディスプレイの物理的境界)が与えられると、視聴者は、画像をより近くに(例えば、光学ボリューム140内で「浮いている」ように)知覚しがちである。光学ボリューム140は、(光を軸上視の方へ曲げることによって)ディスプレイ100の視野角を増大させるという追加の利点を有し得る。
【0030】
[0041]光学ボリューム140のいくつかの構成(例えば、屈折率が均一な長方形プリズム)では、この効果は、
図7に示すように、視角の軸外(例えば、光源110および光学ボリューム140に垂直ではない)ではあまり目立たない。これにより、オンアングルビューとオフアングルビューが分離され、立体画像によって可能になる奥行き効果がさらに向上し得る。
【0031】
[0042]ディスプレイ100は、光学ボリューム140内の画像の「浮き上がる」効果を強化するように機能する光学ボリュームガイド141をさらに具えることができる。光学ボリュームガイド141は、好ましくは、ディスプレイ100の画像に奥行き感を提供するのを助けるために視聴者の目を引く、光学ボリューム140上に(またはそうでなければ光源110の光路内に)見えるマーキングである。
【0032】
[0043]光学ボリュームガイド141は、視聴者によって見られるプライマリ/軸上画像を配置する知覚面とは異なる(そして好ましくは平行な)面に存在する任意の可視の2次元または3次元構造であり得る。例えば、光学ボリュームガイド141は、光学ボリューム140の表面にエッチング、塗装、接着、または印刷することができる。追加的または代替的に、光学ボリュームガイド141は、別個の光ガイド、基板、または任意の他の構成要素上に配置され得る。
【0033】
[0044]本発明の実施形態の一実施例では、光学ボリュームガイド141は、少なくとも1つの表面で反射する。この実施例では、システム100は、反射偏光器130(または他の反射面または部分反射面)を組み込んで、光学ボリュームガイド141の虚像を作成し、
図8に示すような光学ボリューム140の最初に認識されるサイズよりも大きい(例えば、2倍大きい)ボリュームの知覚を作成する(光学ボリューム140の最初に認識されたサイズは、高屈折率材料を使用しているため、実際のサイズよりも小さくなり得る)。
【0034】
[0045]また、光学ボリュームガイド141を用いると、ディスプレイ100の三次元効果が他のディスプレイよりも(二次元)映像録画においてよりよく知覚され、フィルム全体でディスプレイ100の全体インパクトがよりよく伝わることを可能にし得ることに留意されたい。
【0035】
[0046]
図9Aに示すように、ディスプレイ100は、追加的または代替的に、不透明要素(例えば、不透明ハウジングの複数部分)を使用して、光学ボリューム140の側面を取り囲むか、または部分的に取り囲み、深さの知覚をさらに高める(および潜在的に望ましくない光の存在を減らす)ようにしてもよい。この実装例の追加の図は、
図9Bおよび
図9Cに示す通りである(オプションの光学ボリュームガイド141を具える)。
【0036】
[0047]同様に、ディスプレイ100は、他のディスプレイ100と共に任意の方法で使用することができる(例えば、2×2または3×3アレイで、背中合わせに)。
【0037】
[0048]オンボードコンピュータ150は、光源110による表示の前に、ディスプレイ100によって受信された画像データの画像処理を実行するように機能する。例えば、オンボードコンピュータは、3Dモデル情報を、光源110によって投影されるスライスに分離することができる。このオンボードコンピュータ150は、追加的または代替的に、任意の方法でボクセル表現のための3D画像データを準備するように機能し得る。例えば、オンボードコンピュータ150は、視差発生器120の構造/構成に基づいて2D立体視ビューを生成することができる。別の例として、光の折り畳みがディスプレイ100によって実行される場合(すなわち、画像がスライスされ、異方性スケーリングされる)、オンボードコンピュータ150は、ピクセル値間の補間を実行して、新しい変換されたピクセル値を決定することができる。別の例として、オンボードコンピュータ150は、画像エッジでのぼけをシミュレートするためにディザリングを実行してもよい。第3の例として、オンボードコンピュータは、制御コマンドを(例えば、コンテクスト照明システム160に)送信してもよい。
【0038】
[0049]オンボードコンピュータ150は、追加的または代替的に、光源110またはディスプレイ100の他の態様の一般的な特性を制御するように機能することができる。例えば、オンボードコンピュータ150は、表示された画像の不透明度の変化をシミュレートするために、光源110ピクセルの明るさを制御することができる。
【0039】
[0050]オンボードコンピュータ150によって実行されると説明される機能は、追加的または代替的に、別のコンピュータシステム(例えば、クラウド内の分散コンピューティングシステム)によって実行され得ることに留意されたい。
【0040】
[0051]本発明の実施形態の一実施形態では、オンボードコンピュータ150は、有線および/または無線通信接続を介して別の電子デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなど)と通信する。この実装例では、データは、オンボードコンピュータ150と他の電子デバイスとの間でストリーミングまたは他の方法で通信され得る。例えば、スマートフォンがビデオ情報をオンボードコンピュータに送信し、そこで、それはオンボードコンピュータ150によって深度スライスにスライスされる。追加的または代替的に、深度スライスは、他の電子デバイスによって実行されてもよい。一般に、画像処理のタスクは、オンボードコンピュータ150と通信する任意の数の電子デバイス間で実行および/または分割することができる。
【0041】
[0052]コンテクスト照明システム160は、ディスプレイ100によって表示されるデジタル画像にプログラムされた照明条件に一致または類似することを意図した光で、ディスプレイ100の周辺(または近くの領域)を照明するように機能する。そうすることにより、コンテクスト照明システム160は、一部のユーザのために現実世界の画像を「ロック」することができる。例えば、ユーザの手を、ユーザの手の近くのデジタルシーンの特定の部分の照明と一致するように照明することができる。これにより、没入感が大幅に向上することができる。
【0042】
[0053]コンテクスト照明システム160は、デジタル画像内の明示的な指示に基づいて、照明特性(例えば、色、持続時間、強度、方向、焦点の程度、コリメーションなど)を制御することができる。追加的または代替的に、コンテクスト照明システム160は、任意の方法で照明特性を制御してもよい。例えば、コンテクスト照明システム160は、(明示的なコンテクスト照明指示のないデジタル画像の場合)画像のサブセット全体の色を平均し、この光でディスプレイ100を照らすことができる。
【0043】
[0054]コンテクスト照明システム160は、例えば、色制御可能なLEDなど任意の数および/またはタイプの照明装置を具えることができる。コンテクスト照明システム160は、好ましくは、オンボードコンピュータ150によって制御されるが、追加的または代替的に、任意のコントローラまたはコンピュータシステムによって制御されてもよい。
【0044】
[0056]ディスプレイ100はまた、相互作用トラッキングのための手段を含み得る。例えば、ディスプレイ100は、ディスプレイ100とのユーザ相互作用をトラッキングする奥行きカメラを具え、当該奥行きカメラで測定された通りにハンドジェスチャおよび/または視聴者とディスプレイ100との間の他の相互作用に基づいて、表示される画像の制御および/または操作を実現することができる。別の例として、ディスプレイ100は、ディスプレイ100の表面での視聴者のタッチインタラクションをトラッキングする透明なタッチセンサを具え得る。
【0045】
[0057]好ましい実施形態の一実施例では、ディスプレイ100は、超音波触覚フィードバックモジュールおよびヘッドトラッカー(例えば、頭の位置、向き、および/または動きを追跡するカメラまたは他のデバイス)を具える。この実施例では、触覚フィードバックモジュールを介した触覚フィードバックは、頭部追跡データ(または他のデータ、例えば、手追跡データ、身体追跡データ、ビデオ/オーディオキャプチャデータなど)に従って変更され得る。触覚フィードバックはまた、システムの視覚的フィードバックと一致する触覚フィードバックを提供するために、オンボードコンピュータ150を介して調整される触覚手袋によって提供され得る。
【0046】
[0058]好ましい実施形態の別の実施例では、ディスプレイ100は、空中ディスプレイと相互作用するための赤外線不透過ワンドを具える(例えば、ワンドは、エアギャップまたは水を含むか、またはIR遮断性であるが可視光透過性のプラスチックまたはガラスである)。このワンドは、(ユーザの素手に加えて)奥行きカメラで読み取ることができるインタラクション機器として機能するが、空中画像の面を超える相互作用の場合に可視光インタラクション機器や手のように空中画像の光を遮らない。追加的または代替的に、ワンドは、よりよいトラッキングのために、赤外線反射器および/または発光体を具え得る。いくつかの例では、ワンドは、6自由度のトラッキングを提供するために内部ジャイロおよび加速度計を具え得る。
【0047】
[0059]ディスプレイ100は、追加的または代替的に、(例えば、AmazonのAlexaなどの自動化されたアシスタントを介した)音声制御を含み得る。
【0048】
[0060]トラッキングと相互作用は、好ましくはオンボードコンピュータ150によって制御されるが、追加的または代替的に、任意のコントローラまたはコンピュータシステムによって制御することができる。
【0049】
[0061]ディスプレイ100の構成要素を特定の構成で示しているが、ディスプレイ100の構成要素は、本出願に記載されるような効果を生み出すために任意の方法で結合/順序付けされ得ることを理解されたい。
【0050】
2.スーパーステレオスコピックディスプレイ画像処理
[0062]従来のステレオスコピックディスプレイでは、ディスプレイは通常、設定された距離にいる一定数の視聴者向けに最適化されている。例えば、レンチキュラーレンズを具える従来のステレオスコピックディスプレイでは、視聴者は制限された範囲内に留まる必要がある(視聴軸に沿った視聴距離、および視聴軸に垂直な距離の両方の観点から)。これは、これらのシステムにとって大きな不都合である。ヘッドトラッキング(またはユーザが空間内を移動するときにユーザの目の位置を推測するその他のメカニズム)の出現により、一部のステレオスコピックディスプレイは、投影された画像を変更して視聴範囲を拡大する。
【0051】
[0063]ディスプレイ100は、かなりロバストな方法でこの問題に対処することができる。例えば、ディスプレイ100は、オンボードコンピュータ150(または他の方法)で視差発生器120に投影された画像を修正することによって(および/または視差発生器120自体の光学特性を変更することによって)、視聴距離(ヘッドトラッカーまたはカメラなどのディスプレイ100からの視聴者の距離を特定するための他のメカニズムによって決定される)を補償することができる。レンチキュラーレンズによって投影される光は一定の角度に従う(したがって、光線間の横方向スペースが視距離とともに増加する)ため、視距離は重要である。この例が、
図10Aおよび10Bに示されている。第1の視距離で、ユーザは、一方の目で第1の画像を知覚し(例えば、ピクセル列0、10、20などに対応)、他方の目で第2の画像を知覚することができる(例えば、ピクセル列1、11、21などに対応)。これは、従来のレンチキュラーレンズベースのステレオスコピックディスプレイを最適な視距離で表示するのと似ている。第2の、より近い距離で、ユーザはそれぞれの目で複数の画像を知覚し得る(視野間の横方向の距離が近いため)。例えば、ユーザは、第1の目で3つの画像(例えば、0、10、20...;1、11、21...;2、12、22に対応)を知覚し、第2の目で3つの画像(例えば、2、12、22...;3、13、23...;4、14、22に対応)を知覚し、ここで画像は近い距離で重なる可能性があることに留意されたい。ディスプレイ100は、1つまたは複数の方法でこの視野角の変化に適応することができる。例えば、ディスプレイ100は、個々の視聴者の両目に明るく見えるであろうピクセル列を暗くするか、またはオフにすることができる。視野が重なっていない場合でも、近い視聴距離では、それぞれの目がより多くのピクセルを見ることができることに留意されたい。ディスプレイ100は、いくつかの方法のいずれかでこれに適応することができる。例えば、ディスプレイ100は、補間によって、より高解像度のソースを選択することによって、または画像がリアルタイムで生成される場合、生成された画像の解像度を変更することによって、画像シーンを変更することなく、表示された画像の解像度を上げることができる。視距離の変更に関する別の問題は、レンチキュラーレンズが視距離に依存する方法で画像を著しく歪ませることである(例えば、画像を水平方向に引き伸ばす、またはアスペクト比を変更する)。ディスプレイ100は、表示された画像を垂直方向または水平方向に再スケーリングして、設定された距離にいる視聴者によって知覚されるアスペクト比を修正することによって、この問題に適応することができる。
【0052】
[0064]また、視距離は知覚される奥行きに影響を与えることにも留意されたい(ステレオスコピック画像の分離の違いによる)。ディスプレイ100は、所与の深度知覚を維持するために、画像出力を追加的または代替的に変更することができる。
【0053】
[0065]視差発生器120がビューを水平方向に変化させる範囲で(例えば、柱状レンチキュラーレンズの場合のように)、垂直方向の動きを反映するようにディスプレイ100によって表示されるビューを変更することが望ましい場合がある(例えば、ユーザがビューの高さを変更する)。ディスプレイ100は、y軸の視差(例えば、ある基準に対する視線高さ)を検出し、それに応じて表示された画像のパースペクティブを変更することによってこれを行うことができる。例えば、基準より上の視線高さのユーザはわずかに高い角度からシーンを見るが、そのユーザがしゃがむと、ユーザはこのシーンを等しいまたは下がった角度から見る。ディスプレイ100が3D光源からリアルタイムでビューを生成している場合、これは、角度の変化を反映するように光源110の2D出力を変更するのと同じくらい簡単であり得る。光源に可能なパースペクティブが制限されている場合、ディスプレイ100は、追加的または代替的に、光源110の2D出力を歪ませて、ユーザの視線高さに基づいて高さの変化をシミュレートしてもよい。
【0054】
[0066]これらは、ディスプレイ100がユーザの頭をトラッキングするときにできる調節の例である。ディスプレイ100は、さらに、同時に複数の視聴者をトラッキングしてもよい。ある意味では、これは単一ユーザの場合と似ており、「ビュー」(さまざまな角度で投影された個別の画像)が、見る距離に応じて単一ユーザの目に割り当てられるのと同じように、一般に複数のユーザに割り当てることができる。単一ユーザの場合、一般的に知覚外にあるビューの主な懸念事項はクロストークであり、つまり、ユーザが自分の目に届くことを意図していない画像を見る可能性がある(角度がずれているため)。ゴースト画像は通常、プライマリ画像(ユーザの目に届くように意図されたもの)よりも暗いが、それでもぼやけが生じる可能性がある。単一ユーザの場合、ゴーストが生じるビューを単にオフにする(または視聴者の目に届くビューを時間多重する)ことができる。これは複数ユーザの場合でも可能かもしれないが、ある人にとって「ゴースト」のビューが別の人のプライマリビューである場合があるため、これはより複雑な問題となる。ビューに関するもう1つの主な懸念事項は、「自然な」ビューと「人工的な」ビューの違いである。個人が頭を横方向に動かすと、このユーザは順番に異なるビューを見ることができる(これらのビューは同じでもよい)−これはレンチキュラーレンズの機能である−しかし、ディスプレイ100の光出力が変化しない限り、最終的にユーザに表示されるビューは繰り返される(レイクロスオーバーと呼ばれる効果による)。これらのビュー(ディスプレイ100の光出力を変更せずに存在するビュー)は、「自然な」ビューである。さらに、ディスプレイ100は、ディスプレイ100の光出力を変更して、「自然なビュー」ゾーンの境界を越えても連続ビューを提供することができる。言い換えれば、ディスプレイ100は、(ユーザの視聴位置に基づいて)どのビューがユーザに表示されるかをトラッキングし、ユーザがビューの境界に近づくとディスプレイ出力を更新することができる。例えば、10ピクセル列の周期を有するレンチキュラーレンズでは、ユーザが10番目のピクセル列に近づくと、ディスプレイ100は、ピクセル列1の出力を「ピクセル列11」として表示するように変更する(目標はシーン周りの継続的なビューを維持することとする)。
【0055】
[0067]この原則は複数ユーザのシナリオにも当てはまるが、ビューがユーザ間で分割される点で異なる(例えば、異なる視距離、視線高さ、または異なる内容を見るためなど、異なる画像が異なるユーザに表示される必要がある場合)。ディスプレイ100は、任意の方法で複数のユーザ間でビューを分割することができ、任意の方法でこれらのユーザに提示されるビューに上記説明した様々な画像改良技術を適用することができる。
【0056】
[0068]ディスプレイ100は、追加的または代替的に、これらの画像改良の適用間の移行をスムーズにすることができる。これは、前に違う方法で画像を表示した(例えば、第1の視線高さの知覚を提供するために投影された)1人のユーザが、この画像を異なるパースペクティブで表示している別のユーザの自然なビュー領域(例えば、第2の異なる視線高さの知覚を提供するために投影された)へと移動する場合の「ビュークラッシュ」の場合に特に重要になる。このようなシナリオにおいて、ディスプレイ100は、ビュークラッシュが発生する可能性があることを検出し、1またはそれ以上のユーザに表示される出力を(理想的に)変更して、異なるユーザに表示されるビューをユーザのビューに「クラッシュ」する(つまり、交わり始める)ように1つにすることができる。
【0057】
[0069]移行スムージングの別の例として、ディスプレイ100が遷移を減衰させることができる。これは、ヘッドトラッキングで誤った値が生成されるシナリオで特に役立つ場合がある。遷移の減衰により、誤った値が発生した場合にビューが急激に変化するのを防ぐことができる。また、ディスプレイ100が視聴者のヘッドトラッキングロックを失った場合、ディスプレイ100は、ロックが回復するまでデッドレコニングを実行しようと試みてもよい。
【0058】
[0070]追加的または代替的に、表示される画像の態様は、環境要因(例えば、温度、湿度、高度など)に基づいて変更され得る。表示された画像の態様はまた、(例えば、ディスプレイ100のアレイのように)複数の光源を具えるディスプレイ100の実装例における画像間の互換性を維持するように変更され得る。
【0059】
[0071]
図7に示すように、高屈折率ボリュームの軸外ビューは、異なる知覚深度で見える場合があり(少なくとも非放射対称ボリュームの場合、高屈折率ボリューム内で光が角度を持って移動する距離が異なるため)、したがって、上記の画像改良技術(一般にはディスプレイ)は、高屈折率光学ボリューム140の形状および光学特性(特に、屈折率)を考慮してさらに修正され得る。
【0060】
[0072]当業者が、前述の詳細な説明および図および特許請求の範囲から理解するように、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の好ましい実施形態に修正および変更を加えることができる。
【国際調査報告】