(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-516604(P2021-516604A)
(43)【公表日】2021年7月8日
(54)【発明の名称】2部式蓋を有する混合装置
(51)【国際特許分類】
B01F 15/02 20060101AFI20210611BHJP
B01F 15/00 20060101ALI20210611BHJP
B01F 9/12 20060101ALI20210611BHJP
【FI】
B01F15/02 C
B01F15/00 D
B01F9/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2020-542825(P2020-542825)
(86)(22)【出願日】2019年3月8日
(85)【翻訳文提出日】2020年8月7日
(86)【国際出願番号】EP2019055871
(87)【国際公開番号】WO2019175054
(87)【国際公開日】20190919
(31)【優先権主張番号】102018106192.7
(32)【優先日】2018年3月16日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519321948
【氏名又は名称】マシーネンファブリック グスタフ アイリヒ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ジーモン ブラウ
(72)【発明者】
【氏名】クレーメンス シュミット
【テーマコード(参考)】
4G036
4G037
【Fターム(参考)】
4G036AA23
4G037AA12
4G037DA14
4G037EA05
(57)【要約】
本発明は、混合材料を受け入れるための容器(1)と、その底部に配置された排出開口部(5)と、排出開口部(5)を閉じるための閉鎖カバー(6’、6”)とを備える混合装置に関する。混合装置の排出開口部(5)を容易にかつ空間を節約して開閉することができるように、閉鎖カバー(6’、6”)は、2つの閉鎖カバー部分(6’、6”)を備え、2つの閉鎖カバー部分(6’、6”)は、該2つの閉鎖カバー部分(6’、6”)が互いに接触して閉鎖カバー(6’、6”)を一緒に形成する閉鎖位置と、該2つの閉鎖カバー部分(6’、6”)が互いに間隔を置いて配置されて容器(1)から混合材料を取り出すための開口部が2つの閉鎖カバー部分(6’、6”)の間に形成される開放位置との間で、互いに対して往復移動することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合材料を受け入れる容器であって、該容器の底部に排出開口部が配置された容器と、前記排出開口部を閉塞する閉鎖カバーとを備えた、混合装置において、
前記閉鎖カバーが2つの閉鎖カバー部分を備えており、前記2つの閉鎖カバー部分は、該2つの閉鎖カバー部分が互いに接触して前記閉鎖カバーを形成する閉鎖位置と、該2つの閉鎖カバー部分の間に開口部が形成されて前記混合材料を容器から除去する開放位置との間を、互いに対して往復移動することができることを特徴とする、混合装置。
【請求項2】
両方の閉鎖カバー部分は、それらを閉鎖位置と開放位置との間で往復移動させるために、旋回軸を中心に旋回可能であり、好ましくは、両方の閉鎖カバー部分は、同じ旋回軸を中心に旋回可能であることを特徴とする、請求項1に記載の混合装置。
【請求項3】
前記2つの閉鎖カバー部分はそれぞれ接触面を有し、これら2つの接触面は前記閉鎖位置で互いに接触しており、少なくとも1つの接触面は、好ましくは両方の接触面は、弾性封止要素が配置された凹部を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の混合装置。
【請求項4】
前記弾性封止要素は、前記閉鎖位置で弾性変形するように前記接触面を越えて突出するような寸法であることを特徴とする、請求項3に記載の混合装置。
【請求項5】
前記凹部は、前記接触面全体にわたって延在する溝の形状であり、好ましくは前記凹部は、前記溝の端部において、より深くかつ/またはより広く、前記弾性封止要素は、その端部領域において、これら2つの端部領域を連結する中央領域よりも、より厚くかつ/またはより深くなるように、前記凹部に対応するように形成されることを特徴とする、請求項3または4に記載の混合装置。
【請求項6】
前記閉鎖カバー部分は、前記開放位置と前記閉鎖位置との間にある洗浄位置に移動可能であり、少なくとも1つの洗浄ノズルであって、該洗浄ノズルを介して供給される洗浄剤を、前記洗浄位置における前記閉鎖カバー部分の接触面に吹き付けることができるように配向された、少なくとも1つの洗浄ノズルが設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項7】
各閉鎖カバー部分は、旋回アームを有し、該旋回アームによって旋回軸上に配置された駆動要素に前記閉鎖カバー部分が接続され、各閉鎖カバー部分は、好ましくは、支持アームを有し、該支持アームによって前記閉鎖カバー部分は別の閉鎖カバー部分の駆動要素上に支持されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項8】
各閉鎖カバー部分は断面略半円形であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項9】
前記閉鎖カバー部分は、前記排出開口部が前記容器の内側で閉鎖されて配置される内面と、前記排出開口部が前記容器の外側で閉鎖されて配置される外面と、前記排出開口部が前記排出開口部の端面の反対側で閉鎖されて配置される端面とを有し、
前記閉鎖カバー部分と、前記排出開口部と、前記旋回軸とは、前記閉鎖カバー部分の前記内面又は前記端面上で、前記旋回軸から最も離れた位置に配置された点が、旋回運動において円を描くように構成されており、前記閉鎖カバー部分は、前記円の内部に構成され、前記排出開口部の端面は、前記円の外側に構成されることを特徴とする、請求項2〜8のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項10】
前記排出開口部と前記閉鎖カバー部分とは、前記閉鎖カバー部分が閉鎖位置にあるときに互いに接触する互いに対応する端面を有することを特徴とする、請求項2〜9のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項11】
前記閉鎖カバー部分の端面は、仮想球上に存在するような湾曲した構成であり、前記仮想球の中心点は前記旋回軸上にあることを特徴とする、請求項10のうちの1項に記載の混合装置。
【請求項12】
前記閉鎖カバーが前記排出開口部に位置するときに平坦な底面が得られるように、前記閉鎖カバー端部が前記底部と同一面上にあることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項13】
前記閉鎖位置の方向への前記閉鎖カバー部分の移動を制限する少なくとも1つの当接要素が設けられ、両方の閉鎖カバー部分が前記閉鎖位置で前記当接要素に当接することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項14】
前記排出開口部の端面には少なくとも1つの当接要素が配置されていることを特徴とする、請求項13に記載の混合装置。
【請求項15】
前記混合材料を受け入れる前記容器は、容器の軸を中心に回転自在であり、回転自在な混合具が前記容器の内部に配置され、前記混合具は、前記容器の回転軸に平行に配置されかつ好ましくは前記容器の軸から離間して配置されるミキサーシャフトを有することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の混合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合材料を受け入れる容器と、その底部に排出開口部が配置されるとともに、排出開口部を閉塞する閉鎖カバーとを備えた混合装置に関する。このような混合装置は公知である。それらは、しばしば、容器軸を中心に回転可能な容器を有する。さらに、回転可能な混合具が、容器の内部に配置されることが多い。その配置では、混合具は、容器の回転軸に平行に配置されたミキサーシャフトの周りを回転可能であり、例えば、混合ブレードがミキサーシャフトに固定される。
【背景技術】
【0002】
このような混合装置は、例えば、特許文献1(国際公開第2011/128435号)から知られている。
図1および
図2は、特許文献1に実質的に対応する混合装置を示す。
図1は混合容器の平面図を示し、
図2は混合装置の断面図を示す。
【0003】
円筒状混合容器101は、混合容器内に偏心して配置された混合具102であってオーバーハングして取り付けられた混合具102を、中央シャフト103上に有し、さらに、横方向に配置された混合ブレード104と、上から垂直にオーバーハングして取り付けられた固定壁/底部スクレーパ105とを有する。混合具102の最下部のブレード面には、垂直下方に突出する底部ブレード106が固定されている。底部ブレード106は、容器底部の表面に対して小さな間隔で作動する垂直下方に突出する。
【0004】
排出開口部107は混合容器101の中央に配置されている。排出開口部107は、閉鎖カバー108の形態の閉鎖要素で閉鎖することができる。図示の実施形態では、閉鎖カバー108は、装着フォークおよび装着トラニオン109を介して支持アーム110に接続されており、装着トラニオン109の旋回軸を中心として旋回可能である。支持アーム110は、旋回シャフト111を介して旋回自在に取り付けられている。戻り要素(図示せず)は、閉鎖カバー108が、それに作用する外力がない場合に、支持アーム110に対して所定の位置を仮定することを提供する。
【0005】
排出開口部107が閉じられると、すなわち、閉鎖カバー108が排出開口部107内に位置決めされると、閉鎖カバー108は、容器の底部と同一平面になる。すなわち、平坦な底面を形成し、その上で混合材料が移動される。これにより、閉鎖カバーの上方には底部ブレード106によって到達されないデッドスペースがないので、混合されるすべての材料の効率的な完全混合が保証される。
【0006】
閉鎖カバーが容器底部と一直線になるようにするための要件は、閉鎖カバーの構成およびガイダンスに関して困難をもたらす。
【0007】
基本的に、閉鎖カバーは、排出開口部を開くために、直線的に下方に動かされなければならないであろう。しかし、容器の底部の排出開口部の配置によって、混合材料は、閉鎖カバーの全端面上を流れ、場合によっては閉鎖カバーの駆動部を汚すことさえある。しかしながら、閉鎖カバーの実質的に円筒状又は切頭円錐状の接触面及び排出開口部によって、閉鎖カバーを排出開口部から横方向に旋回させることは不可能である。
【0008】
そのため、
図2に示されている閉鎖カバーの駆動は、軸111の周りおよび軸109の周りの両方の旋回を可能にする。公知の閉鎖カバーは、製造が複雑で高価であり、容易に洗浄することができない。閉鎖カバーの回転運動によって、閉鎖カバーは、排出開口部から旋回できるように、排出開口部内に一定のクリアランスを有していなければならない。その結果形成される間隙は、排出開口部が閉じていても、混合材料成分が容器から逃げることができることを意味する。また、再び開口部に位置決めし、確実に密閉できるようにするために、排出するたびに閉鎖カバーを非常に徹底的に清掃する必要がある。さらに、混合材料は、閉鎖カバーの下にある旋回軸109の領域に集まり、旋回動作を妨げることがある。混合容器の回転運動に関連して閉鎖カバーの旋回運動によって、開口部から流出する混合材料は、放物線状の経路で混合容器から流出することになる。その結果、閉鎖カバーの下に配置される移送ボックス112が比較的大きなサイズであることが必要となり、その後の洗浄が困難になる。さらに、十分に急峻な吐出角度を許容するために、移送ボックスの下側吐出断面積を比較的大きくしなければならない。排出断面積が大きいため、下流側に接続された容器で混合材料を受け入れることが困難になる。これは、入口断面積を大きくしなければならないためである。
【0009】
最後に、閉鎖カバーは、できるだけ排出開口部から流出する混合材料を妨げることがないように、排出ボックス内に、開放位置にある閉鎖カバーのための空間を提供する必要がある。つまり、閉鎖カバーに対応する量の空間を設ける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2011/128435号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記の従来技術を基本的な出発点として、排出開口部の開閉が容易かつ省スペースで行える混合装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、前記閉鎖カバーは、前記2つの閉鎖カバー部分が互いに接触する閉鎖位置と、前記2つの閉鎖カバー部分が互いに離間する開放位置との間を相対的に往復移動可能な2つの閉鎖カバー部分を有し、前記2つの閉鎖カバー部分が互いに離間することにより、前記容器から前記混合材料を除去する開放位置が形成されることによって達成される。
【0013】
閉鎖カバーの2部構成は、開放位置における閉鎖カバーの位置決めのために必要な空間がより良好に分散されることを提供し、その結果、混合装置全体をよりコンパクトな構造とすることができる。さらに、休止期または運動期の間、どの時点においても、閉鎖カバー部分は、混合容器底部の平面から上方に向かって通過しないため、どの時点においても混合具またはそれに固定された底部ブレードと閉鎖カバーとの衝突が起こり得ない。
【0014】
好ましい実施形態では、両方の閉鎖カバー部分は、それらを閉鎖位置と開位置との間で往復移動させるために旋回軸を中心に旋回可能であり、好ましくは、両方の閉鎖カバー部分は、同じ旋回軸を中心に旋回可能である。
【0015】
旋回軸を中心とする旋回運動は、閉鎖カバー部分の運動誘導を容易にする。
【0016】
さらに好ましい実施形態では、2つの閉鎖カバー部分は、それぞれが接触面を有し、これら2つの接触面は、閉鎖位置で互いに接触しており、少なくとも1つの接触面に、好ましくは両方の接触面に、弾性封止要素が配置された凹部が設けられる。
【0017】
これにより、閉鎖カバー部分間に形成された隙間を介して混合材料の排出や閉鎖位置で確実に閉鎖されることが可能となる。
【0018】
さらに好ましい実施形態は、弾性封止要素が、閉鎖位置で弾性変形されるように、接触面を越えて突出するような寸法であることを提供する。その手段は、閉鎖カバーの封止完全性を強化する。すなわち、混合作業中に混合容器内で減圧を維持しようとする場合に特に有利である。
【0019】
さらに好ましい実施形態は、凹部が、接触面全体にわたって延在する溝の形態であることを提供する。その場合、好ましくは、凹部は、溝の端部において、より深くかつ/またはより広く、そして/または、ここで、弾性封止要素は、2つの端部領域を連結する中央領域におけるよりも、その端部領域において、より厚くかつ/またはより深くなるように、凹部に対応するように設計される。接触面全体にわたって延在する封止要素は、封止の完全性を改善する。閉鎖カバー部分の接触面が封止要素を排出開口部の端面と合致する領域がより大きな体積であるという事実により、これらの領域における封止の完全性が正確に改善される。この凹部は、これに対応する構成のものであることにより、前記封止要素と前記封止カバー部分との間に積極的に係止接続が設けられる。さらに、例えば、運転中に外れてしまうことを完全に防止するために、封止要素を凹部内に接着することもできる。
【0020】
さらに好ましい実施形態は、閉鎖カバー部分を、開放位置と閉鎖位置との間にある洗浄位置に移動させることができることを提供し、洗浄ノズルによって供給される洗浄剤が、洗浄位置において閉鎖カバー部分の接触面に噴霧されることができるように配向された少なくとも1つの洗浄ノズルが設けられている。閉鎖カバーの二部式構造により、混合材料が閉鎖カバー部分の接触面に通過する。そのため、接触面を定期的に清掃する必要がある。それは、閉鎖カバー部分が、2つの接触面が互いに離間されている位置にある場合であって、開放位置に配置されていない場合に、最良に達成される。その中間位置を洗浄位置と呼ぶ。
【0021】
さらに好ましい実施形態は、各閉鎖カバー部分が旋回アームを有することを提供し、それにより、閉鎖カバー部分は旋回軸上に配置された駆動要素に接続され、好ましくは、各閉鎖カバー部分は支持アームを有し、それにより、閉鎖カバー部分は、他方の閉鎖カバー部分の駆動要素上に支持される。
【0022】
この実施形態は、旋回軸を混合材料の排出開口部領域内に移動させることができるという利点を有する。その場合、旋回軸は、排出開口部の領域に配置する必要はない。したがって、支持アームは、閉鎖カバー部分を十分に安定させるのに役立つ。
【0023】
好ましい実施態様は、各閉鎖カバー部分が実質的に半円形の断面であることを提供し、その結果、閉鎖位置において、円形の断面の閉鎖カバーを与える。原理的には、正確に半円形の断面を含む構成が可能である。しかしながら、実際には、閉鎖カバー部分の端面は、密閉カバー部分が正確に半円形の断面形状を有しないように、接触面への移行の領域において有利に丸められることが分かっている。
【0024】
閉鎖カバー部分は、好ましくは、排出開口部が容器の内側で閉鎖されて配置される内面と、排出開口部が容器の外側で閉鎖されて配置される外面と、排出開口部が排出開口部の端面の反対側で閉鎖されて配置される端面とを有する。
【0025】
さらに好ましい実施形態では、前記閉鎖カバー部分は、前記排出開口部および前記旋回軸が、前記閉鎖カバー部分の前記内面または前記端面上で前記旋回軸から最も離れて配置される点が、該旋回移動における円を描くような構成および配置であり、前記閉鎖カバー部分は、前記円内に配置され、前記排出開口部の端面は、前記円の外側に配置される。
【0026】
この測定によって、閉鎖カバー部分は、排出開口部を閉じるために、旋回軸を中心として回転されなければならない。排出開口部は、排出開口部の端面が旋回運動中に閉鎖カバーと衝突することができないような構成および配置である。
【0027】
原則として、間隙は、間隙開口部内の閉鎖要素の閉鎖位置においてさえも閉鎖要素の端面と間隙開口部の端面との間に残ることができるが、しかしながら、間隙幅は、処理される混合材料の最小粒度未満であるべきであり、混合材料が閉鎖要素の閉鎖位置で混合容器から流出するのを防止する。
【0028】
好ましい実施形態は、排出開口部と閉鎖カバー部分とが、閉鎖要素が排出開口部内に配置されたときに互いに接触する互いに対応する端面を有することを提供する。
【0029】
この措置により、閉鎖カバーの閉じた位置に排出開口部と閉鎖カバーの間に隙間が残らないようにする。
【0030】
さらに好ましい実施形態は、閉鎖カバーの端面が、仮想球上に存在し、仮想球の中心点が旋回軸上に存在するように、湾曲した構成であることを提供する。
【0031】
特に好ましくは、閉鎖カバーの端部は底部と同一平面上にあり、その結果、閉鎖カバーが排出開口部内に配置されたときに、平坦な底面が与えられる。
【0032】
端面のこのような構成は、球形セグメント弁部材の構造に類似している。球形セグメント弁部材は、供給ラインおよび供給ライン内の遮断部材として機能する。しかしながら、球状セグメント弁部材の場合には、可動弁部材は、球状セグメント形状であること、すなわち、対応する弁座に接触する接触面は、曲線形状であるだけでなく、弁部材全体は、球状キャップの形状であることに留意されたい。このようなバルブ部材は、閉鎖カバーとして見るべきではないという事実とは別に、キャップ形状によって容器底部に平坦な配置を許容するものではない。
【0033】
本発明による構成は、閉鎖カバーが、排出開口部を開閉するために、旋回軸を中心として容易に旋回され得るという利点を有する。
【0034】
さらに好ましい実施形態は、排出開口部および閉鎖カバー部分が、閉鎖カバー部分が閉鎖位置にあるときに互いに接触する互いに対応する端面を有し、閉鎖カバー部分の端面は、仮想上の球面上(仮想球面上)に位置するように湾曲した構成であり、仮想上の球面の中心点は、旋回軸上に位置することを提供する。この実施形態は、互いに対応する表面が概念的な球の表面上に存在するときに、閉鎖カバー部分を旋回軸の周りに容易に回転させることができるという利点を有する。また、閉鎖カバーの2部構成は、閉鎖カバーの開放時に、閉鎖カバーが容器の内部に通過しないことを確実にする。
【0035】
さらに好ましい実施形態では、閉鎖位置の方向への閉鎖カバー部分の移動を制限する少なくとも1つの当接要素が設けられ、これにより、両方の閉鎖カバー部分が閉鎖位置で当接要素に当接する。
【0036】
本発明のさらなる利点、特徴および可能な使用は、以下に示す好ましい実施形態の説明および付随する図から明らかであろう:
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、従来技術の混合容器の平面図を示す。
【
図2】
図2は、
図1に示すように混合装置およびその内部に嵌め込まれた混合容器を通る横断面を示す。
【
図3】
図3は、本発明による閉鎖カバーを操作するための分割された閉鎖カバーおよび装置を備えたミキサーを通る横断面を示す。
【
図6】
図6は、閉鎖状態にある多部品式閉鎖カバーを備えた
図4の閉鎖領域の横断面図を示す。
【
図7】
図7は、開放状態にある多部品式閉鎖カバーを備えた
図5の閉鎖領域の横断面図を示す。
【
図8】
図8は、拡張された洗浄ノズルを備えた洗浄位置に開放された閉鎖カバーを備えた
図7の変形例を示す。
【
図10】
図10は、2つの閉鎖カバー部分を備える閉鎖カバーの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1および
図2に示される従来技術の構成は、上述のとおりである。
【0039】
図3は、本発明による混合装置の分割された閉鎖カバーを有するミキサーの横断面である。円筒状の混合容器1は、混合容器内に偏心して配置され、中央のミキサーシャフト3上にオーバーハングして支持される混合具2と、上方からオーバーハングして垂直に取り付けられた静止壁/底部スクレーパ(図示せず)とを有する。混合具2の最下面に固定されているのは、容器底部の表面に対して小さな間隔で作動する垂直下方に突出する底部ブレード4である。
【0040】
排出開口部5は混合容器1の中央にある。排出開口部は、閉鎖蓋6’、6”の形態で閉鎖要素により閉鎖することができる。ここでは、混合容器底部7が分かる。特に
図6及び
図7に示されるように、容器底部7に、2部式閉鎖蓋6’、6”により閉鎖可能な排出開口部5が配置されている。
図5および
図7は、閉鎖カバーが完全に開いた状態を示している。
図4および
図6は、閉鎖カバーが閉鎖される状況を示す。
図8は、閉鎖カバーが部分的に開放されている洗浄位置の閉鎖カバーを示す。
【0041】
容器底部7は、回転軸8を中心として容器と一緒に回転する。2つの閉鎖カバー部分6’、6”は、閉鎖カバー6’、6”を開閉するために旋回軸9を中心として回転される。これが可能になるように、排出開口部および閉鎖カバー部分は、好ましくは、排出開口部を開閉するために、閉鎖カバー部分が、仮想球の中心点が存在する旋回軸を中心に旋回できるように、仮想球上に存在するように湾曲した互いに対応する端面を有する。
【0042】
一般に、混合容器底部7の上方に配置された混合容器内に配置された混合材料は、閉鎖カバー6’、6”が開放されると、
図5及び
図7に示すように、排出開口部を通って混合材料排出部10に落下する。混合材料排出部10は容器底部に接続されており、容器と共に同じ回転をするようになっている。混合材料排出部10上に配置されているのは、静止システムに接続されたスカート11である。混合材料排出部10およびスカート11は、回転軸受によって互いに対して回転可能である。
【0043】
リフト装置12、13もまた、静止システムに接続されて配置されており、例えば、ミキサーベース内には、対応するミキサーが配置されている。図示の例では、4つのリフトストロークピストン13がピストンハウジング12内の対応するチャンバ内に配置されている。それ自体公知の方法で、リフトピストン13によって形成された流体チャンバは、例えば
図4及び
図5並びに
図6及び
図7にそれぞれ示されている2つの極限位置の間でハウジング12内でリフトピストン13を往復移動させるために、ピストンハウジング12内で圧力流体を作用させることができる。
【0044】
リフトピストン13は、第1リフト要素部分14に連結されている。リフト装置12、13が作動すると、リフト要素部分14はリストピストン13とともに上方および下方に移動することができる。リフト要素は、第1リフト要素14及び第2リフト要素15を含む。2つのリフト要素部分14、15は、回転軸受16を介して互いに対して回転可能である。第1リフト要素14がリフトピストン13に固定されるので、すなわち静止系に配置され、混合容器と一緒に回転しない。第2リフト要素部分15は、容器駆動時に同一及び混合容器と共に回転するように混合材料排出部10に順番に連結されている。第1リフト要素部分と第2リフト要素部分とが、リフト装置12,13の直線移動の方向に確実にに係止する関係で互いに連結されるように配置されており、これは、第1リフト要素14が
図4に示す下方位置から
図5に示す上方位置に移動されると、第2リフト要素部分15も持ち上げられることを意味する。
【0045】
特に
図4及び
図5から分かるように、カムプレート17が第2リフト要素部分15に接続されている。レバー18がカムプレート上を走行し、次に混合容器または混合材料排出部10に接続される。ここで、リフト装置を作動させて、リフト要素を
図4の位置から
図5の位置に移動させると、レバー18はカムプレート17に沿って走行し、旋回軸9を中心として時計回りに回転する。旋回軸9が閉鎖カバー部分に連結されるにつれて、後者も旋回軸9を中心に回転する。
図3から分かるように、反対側に設けられたものは、同時に動くが反対の関係にある別のカムプレートと、別のレバーであり、他方の閉鎖カバー部分が上方レバーに接続されている。
【0046】
図6及び
図7は、
図4及び
図5の平面図の断面図を示す。2つの閉鎖カバー部分6’、6”の他に、スカート部分11内に引っ込められた洗浄ノズル24も示されている。
図7は、閉鎖カバー部分6’、6”がその端位置にある完全に開放された閉鎖を示している。洗浄ノズル24は、スカート11の壁内に退避される。
【0047】
図8は、洗浄ノズルを延長した状態で、洗浄位置で開かれた閉鎖カバーを有する
図7の変形例を示す。閉鎖カバー部分6’、6”は、対応する端面と接触面との間に隙間ができるように部分的に伸長されたリフト装置12、13によって部分的に開放位置に移動され、端面と接触面の洗浄を行うためには、
図7に示すように閉鎖カバーを完全に開放して混合容器から混合材料を完全に取り除くことが前工程となり、次いで閉鎖カバー部分6’、6”が洗浄位置となるように旋回される。閉鎖カバー部分が洗浄位置に旋回されている間に、固定スカート部分11内に配置された洗浄ノズル24をスカート領域11内に延長することができ、又は混合材料が流れる混合材料排出部10内に延長することができ、その上に洗浄液を噴霧することによって閉鎖カバー部分6’及び6”の表面及び端面及び接触面を洗浄除去することができる。
【0048】
閉鎖カバー部分を
図9〜
図11に示す。
図9は、閉鎖カバー部分6’の斜視図を示す。閉鎖カバー部分6’は、実質的に半円形状であり、旋回シャフト21によって駆動される旋回アーム19に連結されている。反対側に設けられた支持アーム20は、反対側に配置された旋回軸に支持されている。
【0049】
図10は、2つの閉鎖カバー部分6’、6”からなる閉鎖カバーを示している。図示の構造では、両閉鎖カバー部分6’、6”は凹部を有しており、凹部内において、例として、好適な封止要素22が閉鎖カバー部分6′に配置されている。2つの閉鎖カバー部分が閉鎖位置に移動されると、2つの封止要素は互いに押し合い、2つの閉鎖カバー部分6’、6”の間の間隙を閉鎖する。封止要素22は弾性を有し、その端部領域23に厚肉化された部分を有している。閉鎖カバー部分6’、6”内の凹部は、封止要素22に対応する構成となっている。密閉カバー要素のコーナー領域において正確に、容器から混合材料が漏れるのを密閉構造によって防止する必要がある。
【0050】
図示の実施形態では、排出開口部は、円形であり、その結果、2つの閉鎖カバー部分が実質的に半円形であり、一緒に排出開口部の円形に対応する円を形成する。
【0051】
あるいは、2つの閉鎖カバー部分6’、6”が排出開口部と出会う領域では、円形形状とは異なり、対応する内方に突出する当接要素を有することができる。その場合、閉鎖カバー部分6’、6”の形状も、当接要素の領域では円形形状と異なるはずである。
【符号の説明】
【0052】
1 混合容器
2 混合具
3 ミキサーシャフト
4 底部ブレード
5 排出開口部
6’,6” 閉鎖カバー
7 混合容器底部
8 回転軸
9 旋回軸
10 混合材料排出部
11 スカート
12 ピストン筐体
13 リフト装置
14 第1リフト要素
15 第2リフト要素
16 回転軸受
17 カムプレート
18 レバー
19 旋回アーム
20 支持アーム
21 旋回シャフト
22 封止要素
23 末端領域
24 洗浄ノズル
101 混合容器
102 混合具
103 中央シャフト
104 混合ブレード
105 壁/底部スクレーパ
106 底部ブレード
107 排出開口部
108 閉鎖カバー
109 取付トラニオン
110 キャリアアーム
111 旋回シャフト
112 移送ボックス
【国際調査報告】