特表2021-517620(P2021-517620A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-517620別の構造要素に対する相対距離を維持するための並びに別の構造要素に対する位置についての動きを制限するための、構造要素への固定のためのスペーサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-517620(P2021-517620A)
(43)【公表日】2021年7月26日
(54)【発明の名称】別の構造要素に対する相対距離を維持するための並びに別の構造要素に対する位置についての動きを制限するための、構造要素への固定のためのスペーサ
(51)【国際特許分類】
   F16F 1/18 20060101AFI20210625BHJP
   E04B 1/98 20060101ALI20210625BHJP
   E04B 1/24 20060101ALI20210625BHJP
   E04H 9/02 20060101ALI20210625BHJP
【FI】
   F16F1/18 Z
   E04B1/98 L
   E04B1/24 E
   E04H9/02 351
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-570633(P2020-570633)
(86)(22)【出願日】2019年3月5日
(85)【翻訳文提出日】2020年9月4日
(86)【国際出願番号】EP2019055375
(87)【国際公開番号】WO2019170630
(87)【国際公開日】20190912
(31)【優先権主張番号】1042777
(32)【優先日】2018年3月6日
(33)【優先権主張国】NL
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520342389
【氏名又は名称】ピーアール ライセンシング ビー.ヴイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ボショフェ,トワン
(72)【発明者】
【氏名】イエガー,マルセル
【テーマコード(参考)】
2E001
2E139
3J059
【Fターム(参考)】
2E001DF07
2E001DH31
2E001FA51
2E001FA71
2E001GA02
2E001GA12
2E001HB01
2E139AC43
2E139BA22
3J059BA12
3J059BA15
3J059BC02
3J059GA50
(57)【要約】
別の構造要素に対する相対距離を維持するための、並びに別の構造要素に対する位置についての動きを維持される距離で制限するための、構造要素への固定のためのスペーサであって、スペーサは、以下の構造、すなわち、a)弾性を提供し、且つ、その他の構造要素に対する距離が所定の距離まで減少させられるときに、別の付近の構造要素に対する距離を増大させる力を生成する、並びにb)所定の距離の方向とは異なる少なくとも1つの方向における構造の動きの制限を提供する、構造を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
別の構造要素に対する相対距離を維持するための、並びに別の構造要素に対する位置についての動きを前記維持される距離で制限するための、構造要素への固定のためのスペーサであって、
当該スペーサは、以下の構造、すなわち、
a)弾性を提供し、且つ、その他の構造要素に対する距離が所定の距離まで減少させられるときに、別の付近の構造要素に対する距離を増大させる力を生成する、並びに
b)所定の距離の方向とは異なる少なくとも1つの方向における前記構造の動きの制限を提供する
構造を有し、
好ましくは、当該スペーサは、当該スペーサの使用中に、その他の構造要素に対する距離を増大させる前記力が、主に重力の方向を横切って方向付けられるように、構成される、
スペーサ。
【請求項2】
前記構造は、弾性要素を含み、前記男性要素は、好ましくは、コイル形状とは異なる形状を有する、請求項1に記載のスペーサ。
【請求項3】
前記構造は、前記動きを制限する制限器を含む、請求項1及び/又は2に記載のスペーサ。
【請求項4】
前記制限器及び前記弾性要素は、前記構造の空間的に別個の異なる要素であり、或いは、前記制限器及び前記弾性要素は、互いに直接的に接続され、各々は、前記構造の1つの同じ単一の要素として具現される、請求項2及び3に記載のスペーサ。
【請求項5】
前記制限器は、前記弾性部材に設けられる、請求項3又は4に記載のスペーサ。
【請求項6】
前記弾性部材は、別の構造要素の部分に当接する当接面を備え、該当接面は、その他の構造要素に当接する間に前記制限器を別の構造要素に対してしっかりと固定する吸引カップ又は高摩擦面を備える、請求項5に記載のスペーサ。
【請求項7】
前記構造は、それぞれ前記構造の空間的に別個の異なる部分である、少なくとも1つの弾性要素及び少なくとも1つの制限器を備える、請求項2及び3に従属する限りにおいて請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【請求項8】
前記構造は、複数の弾性要素と、複数の制限器とを備える、請求項7に記載のスペーサ。
【請求項9】
前記弾性要素及び前記制限器は、前記構造の寸法に沿って互いに交互に並ぶ前記構造内の位置を有する、請求項8に記載のスペーサ。
【請求項10】
前記構造は、2つの主要面と、該2つの主要面の間のリムとを有する、スラブ形状の構造要素に固定され或いは固定可能であり、前記構造は、隣接するスラブ形状の構造要素のリムに対する相対距離を維持するために、並びに隣接するスラブ形状の構造要素のリムに対する位置についての前記リムの動きを前記維持される距離で減少させるために、前記リムで位置付けられ或いは位置付け可能である、請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【請求項11】
前記弾性要素のうちの少なくとも1つは、爪形状であり、好ましくは、各弾性要素は、爪形状である、請求項2乃至10のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【請求項12】
前記弾性要素は、前記構造の使用中に前記主要面のうちの1つにある或いは前記主要面のうちの1つに近い前記リムにある前記構造の一部にある或いは前記構造の一部に近い自由端を有する、
請求項10又は11に記載のスペーサ。
【請求項13】
前記自由端は、前記所定の距離にある、請求項2及び12に記載のスペーサ。
【請求項14】
前記自由端は、前記スラブ形状の構造要素を端に位置付けられた別のスラブ形状の構造要素に隣接して配置するために前記爪形状の要素の後端であることで、該後端は、前記自由端から離れ、且つ前記端に位置付けられた他のスラブ形状の構造要素に隣接する前記配置の始まりに既に時間内にある、前記弾性要素の部分とは対照的に、前記端に位置付けられた他のスラブ形状の構造要素に隣接する前記配置の終わりに向かってのみ時間内にある前記構造の一部である、請求項12に記載のスペーサ。
【請求項15】
前記制限器は、隣接するスラブ形状の構造要素のリムに固定される構造の爪形状の弾性要素の自由端の動きを阻止するように設計される、請求項3乃至14のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【請求項16】
前記阻止要素は、前記スラブ形状の構造要素を別の既に端に位置付けられたスラブ形状の構造要素に隣接して配置するために前記構造の後端であることで、該後端は、前記後端から離れ、且つ前記端に位置付けられた他のスラブ形状の構造要素に隣接する前記配置の始まりに既に時間内にある、前記構造の一部とは対照的に、前記他のスラブ形状の構造要素に隣接する前記配置の終わりに向かってのみ時間内にある前記構造の一部である、請求項15に記載のスペーサ。
【請求項17】
当該スペーサは、少なくとも2つのそのようなスペーサを有するアセンブリの当該スペーサのうちの1つである、請求項1乃至16のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【請求項18】
各スペーサの前記構造は、複数の弾性要素と、前記動きを制限する複数の制限器とを備え、それぞれの構造の前記弾性要素及び前記制限器は、その構造の長手寸法において互いに交互に並ぶ、請求項17に記載のスペーサ。
【請求項19】
各スペーサの前記構造は、それが前記アセンブリの別のスペーサの前記構造との嵌合状態において前記構造を位置付けるのを可能にするような構造である、請求項17又は18に記載のスペーサ。
【請求項20】
前記嵌合状態において、1つのスペーサの前記構造の前記弾性要素は、前記アセンブリの別のスペーサの前記構造の前記制限器と相互作用し、且つ反対側にある、請求項19に記載のスペーサ。
【請求項21】
前記構造は、ガイドトラックを備え、該ガイドトラックと相互作用するカウンタトラックを備えることで、1つのスペーサの構造を別のスペーサの構造との嵌合位置に導いた後に、前記構造は、先ず、前記他の構造に対してある角度の下に置かれることができ、接触状態に置かれることができ、次に、前記嵌合状態に達するために前記カウンタトラックを前記ガイドトラックと相互作用させることができる、請求項20に記載のスペーサ。
【請求項22】
前記構造は、前記嵌合位置において、当該スペーサのうちの1つのスペーサの構造が当該スペーサのうちの別の1つのスペーサの構造との前記嵌合位置にロックされるような構造である、請求項19乃至21のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【請求項23】
前記構造は、前記嵌合状態において、前記構造が機械的に解放可能な状態にある、請求項19乃至22のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【請求項24】
前記構造は、前記嵌合状態において前記構造の後端から延び、且つ前記嵌合状態において前記嵌合構造の間の距離によって形成されるギャップを少なくともある程度は覆う、プレート形状の要素を備える、請求項19乃至23のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【請求項25】
前記プレート形状の要素は外面を有し、前記嵌合状態において、制限された動きが前記外面に平行に可能である、請求項19乃至23のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【請求項26】
前記嵌合状態において、前記嵌合構造の部分としての前記プレート形状の要素の前記外面は、同じ平面内に留まる、請求項25に記載のスペーサ。
【請求項27】
前記構造は、前記スラブ形状の構造要素に固定される、請求項10に記載のスペーサ。
【請求項28】
前記スラブ形状の構造要素は、コンクリートスラブ、壁パネル、浮遊性プラスチック要素、浸潤ユニット、道路デッキ要素のうちの1つである、請求項1乃至27のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、別の構造要素(construction element)に対する相対距離を維持するための、並びに別の構造要素に対する位置についての動きを維持される距離で制限するための、構造要素への固定のためのスペーサ(spacer)に関する。
【背景技術】
【0002】
構造要素の間のスペーサはよく知られている。2つの構造要素の間の距離を維持することが、まさにスペーサの機能である。特に、構造要素は、互いからの相対距離で維持される必要があるのみならず、互いの間の特定の相対的な動きが可能にされる必要がある場合、これらの2つの機能を組み合わせる単一のスペーサ構造内で組み合わせることは、しばしば困難である。
【0003】
この脈絡において、構造要素は、荷重支承構造の点から見て、例えば、鋼で作られ、重い風の間に建造物の僅かな曲げを可能にする必要がある、高層建造物のファサードに対して配置されることがある、パネルであってよい。代替的に、本開示の脈絡における構造要素は、河川又は水路の一方の側からその河川又は水路の他方の側に走る浮動道路を提供するために接続される必要がある、浮動要素であってよい。例えば、地中に、例えば、舗装又は道路の下に配置され、異なって適用される荷重の故に、例えば、交通の故に、互いに対して移動する、浸潤ユニット(filtration units)も考えられてよい。これまでは、構造要素の曲げに起因して形状が少し変化する要素を言及してきた。曲げに代えて或いは曲げに加えて、均等に又は不均等に加熱されて熱的に膨張する、構造要素も考えられることができる。これらの構造要素は、共通して、これらが一緒になって、構造要素の僅かな変形及び/又は相対的な変位にも拘わらず、単一の構造要素の寸法の上に架かり(overspans)、大きな平坦な表面を維持する、進行中の比較的平坦な表面を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、上記目的のうちの少なくとも1つに適したスペーサを提供することに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
別の構造要素に対する相対距離を維持するための、並びに別の構造要素に対する位置についての動きを維持される距離で制限するための、構造要素への固定のためのスペーサが提供される。提案されるスペーサは、以下の構造、すなわち、
a)弾性を提供し、且つ、その他の構造要素に対する距離が所定の距離まで減少させられるときに、別の付近の構造要素に対する距離を増大させる力を生成する、並びに
b)所定の距離の方向とは異なる少なくとも1つの方向における構造の動きの制限を提供する
構造を有する。
【0006】
言及される構造要素の各々は、互いに隣接して置かれるときに、構造要素が単一の構造要素の寸法の上に架かる(overspans)比較的大きな平坦な表面を提供することがあり、比較的大きな表面は、構造要素の僅かな変形及び/又は相対的な変位にも拘わらず、スペーサの役割の故に平坦に維持されることができる、他の構造要素のいずれかと共通して有してよい。
【0007】
有利には、距離を維持しながら、制限された程度ではあるが、少なくとも1つの他の方向における多少の動きが依然として可能にされる。従って、2つの構造要素の間のそのような構造の使用中、構造要素間の多少の相対的な動きにも拘わらず、多数の構造要素によって提供されるような複数の表面部品によってもたらされる大きな平坦な表面の全体的な外観及び機能性を維持することが可能なことがある。
【0008】
「固定のためのスペーサ(spacer for fixation)」という語句は、機械的接続、溶接接続、又は接着接続によって、固定に適した個々の実体であるスペーサを包摂する。しかしながら、この語句は、スペーサが構造要素の一体的に固定された部分に関係する状況も含む。
【0009】
幾つかの実施形態において、スペーサは、スペーサの使用中に、他の構造要素に対する距離を増大させる力が、主として重力の方向を横切って方向付けられるように構成される。
【0010】
ある実施形態において、構造は、弾性要素を含み、且つ/或いは、構造は、動きを制限するための制限器を含む。多数の実施形態において、弾性要素は、コイル形状とは異なる形状を有する。これはより容易に製造され且つ維持されることができるスペーサを可能にする。ある実施形態において、制限器及び弾性要素は、構造の空間的に別個の異なる部分である。以下により詳細に議論するように、これは構造要素に固定されるスペーサを有することを可能にし、異なる構造要素のスペーサの相互作用を可能にする。
【0011】
別の実施形態において、制限器及び弾性要素は、互いに直接的に接続され、各々は、構造の1つの同じ単一の要素において具現される。これは、例えば、構造要素の少なくとも1つに固定される、2つの構造要素間の単一のスペーサを可能にする。例えば、制限器は、弾性要素に設けられてよく、よって、単一の要素を一緒に形成してよい。そのような実施形態では、制限器が別の構造要素の一部に当接するための当接面を備えることが可能であり、当接面は、他の構造要素に当接する間に制限器を別の構造要素にしっかりと固定するための吸引カップ又は高摩擦面を備える。
【0012】
代替的に、ある実施形態において、構造は、構造の空間的に分離された異なる部分である、すなわち、直接的に接続されていない、少なくとも1つの弾性要素及び少なくとも1つの制限器を備える。これは、構造要素間で2つのスペーサを使用する場合に、例えば、1つのスペーサの弾性要素と他のスペーサの制限器との間で相互作用することを可能にする。
【0013】
一般的に、構造は、複数の弾性要素と、複数の制限器を備えてよい。弾性要素及び制限器は、構造の寸法に沿って、例えば、スペーサの長手方向に沿って互いに交互に並ぶ、構造内の位置を有してよい。これは機能性及びコンパクト性を促進し、2つのスペーサについての上述したような相互作用をもたらす。
【0014】
ある実施形態によれば、構造は、2つの主要面と、2つの主要面の間のリムとを有する、スラブ形状の構造要素(slab-shaped construction element)に固定され、或いは固定可能であってよい。構造は、隣接するスラブ形状の構造要素のリムに対する相対的な距離を維持するために、並びに隣接するスラブ形状の構造要素のリムに対する位置についてのリムの動きを維持された距離で減少させるために、リムで位置付けられてよく、或いは位置付け可能であってよい。構造がスラブ形状の構造要素に固定されるとき、構造は、例えば、単一の製品を製造するための単一の成形プロセスの結果として、構造要素の一体的な部分であってよい。構造が機械的な固定によって、或いは、例えば、溶接プロセスによって、スラブ形状の構造要素に固定されることも想定される。溶接後、構造は、構造要素の一体的な部分であると考えられてもよい。
【0015】
ある実施形態によれば、弾性素子のうちの少なくとも1つは、爪形状(pawl-shaped)である。好ましくは、各弾性要素は、爪形状である。弾性要素は、構造の使用中にリムにある或いは主要面の1つに近い構造の一部に又はその近くに自由端を有してよい。そのような実施形態において、自由端は、所定の距離にあってよい、すなわち、自由端の位置は、弾性要素の非拘束状態において、所定の距離を共に画定する。そのような実施形態において、自由端は、好ましくは、スラブ形状の構造要素を、端に位置付けられた他のスラブ形状の構造要素に隣接して配置するために、爪形状の要素の後端(trailing end)にある。後端は、自由端から離れ且つ端に位置付けられた他のスラブ形状の構造要素に隣接する配置の始まりに既に時間内にある弾性要素の一部とは対照的に、端に位置付けられた他のスラブ形状の構造要素に隣接する配置の終わりに向かってのみ時間内にある構造の一部である。これは、単一の並進運動によって、リムに固定されたスラブ形状の構造要素をスペーサに配置することを可能にする。例えば、スラブ形状の構造要素は、その端位置に既に達した別のスラブ形状の構造要素に平行に保持されてオフセットされることができる。平行な位置から、端に位置付けられたスラブ形状の構造要素に隣接して依然として配置されるべきスラブ形状の構造要素は、爪形状の弾性要素が僅かにオーバーラップし或いは端に位置付けられたスラブ形状の構造要素と僅かにオーバーラップしようとして、次に、既に端に位置付けられたスラブ形状の構造要素に隣接する位置に「嵌まる(slotting)」ために横方向に「シフトされる(shifted)」ように、位置付けられる必要があるだけである。次に、爪形状の弾性要素は、必要であるならば、その向き及び弾性の故に容易に折れ(解放され)(give way)、構造要素の配置を妨害せず或いは配置に抗しない。
【0016】
ある実施形態によれば、制限器は、隣接するスラブ形状の構造要素のリムに固定される構造の爪形状の弾性要素の自由端の動きを阻止するように設計される。すなわち、阻止要素(blocking element)は、爪形状の弾性要素が既に端に位置付けられたスラブ形状の構造要素のリムに隣接する位置を得た後に、爪形状の弾性要素、よって、それが属する構造が、既に端に位置付けられたスラブ形状の構造要素に隣接する「嵌められた(slotted)」位置から後方に動くことを防止するように、自由端をブロックする(block)。
【0017】
ある実施形態によれば、阻止要素は、後端から離れ且つ端に位置付けられた他のスラブ形状の構造要素に隣接する配置の始まりに既に時間内にある構造の一部とは対照的に、後端が他のスラブ形状の構造要素に隣接する配置の終わりに向かってのみ時間内にある構造の一部であるように、スラブ形状の構造要素を別の端に位置付けられたスラブ形状の構造要素に隣接して配置するための構造の後端である。これは爪形状の弾性要素の最適な使用を可能にし、その場合、「嵌込み(slotting-in)」は、比較的少ない抵抗を受ける。これは、例えば、比較的長い爪形状の弾性要素によって達成されることができる。それはスラブ形状の構造要素の配置及び結果として得られる隣接する2つのスラブ形状の構造要素間の比較的小さなギャップの形成を可能にする。
【0018】
ある実施形態において、スペーサは、そのようなスペーサのうちの少なくとも2つを有するアセンブリのスペーサのうちの1つである。これを置く別の方法。すなわち、本開示は、少なくとも2つのスペーサのアセンブリにも向けられている。よって、本開示のある態様によれば、少なくとも2つのスペーサを含むアセンブリが提供される。スペーサは、各スラブ形状の構造用を別のスラブ形状の構造要素に固定可能であってよい。また、スペーサは、各々、スラブ形状の構造要素に固定されてよい。ある実施形態によれば、各スペーサの構造は、複数の弾性要素と、動きを制限するための複数の制限器とを備える。それぞれの構造の弾性要素及び制限器は、好ましくは、その構造の長手方向に互いに交互に並ぶ。有利には、これは、各スペーサの構造がアセンブリの別のスペーサの構造と嵌合状態において構造を位置決めすることを可能にするような構造である、実施形態を可能にする。好ましくは、嵌合状態において、1つのスペーサの構造の弾性要素は反対側にあり、アセンブリの別のスペーサの構造の制限器と相互作用する。
【0019】
一人の作業者が既に端に位置付けられた構造要素の隣に構造要素を配置することができ、他の同僚又は機器による更なるガイダンスなしに容易に、より大きな表面を共に形成するように構造要素を正しく整列させることができる。このようにして、一人の作業者が、少しの時間に亘って、単一の構造要素の寸法の数倍に及ぶ大きな比較的平坦な表面を構築することができる。
【0020】
ある実施形態において、構造は、ガイドトラックを備え、ガイドトラックと相互作用するためのカウンタトラックを備えることで、1つのスペーサの構造を別のスペーサの構造との嵌合位置に導いた後に、構造は、先ず、他の構造に対するある角度の下に置かれることができ、接触状態に置かれることができ、次に、嵌合状態に達するためにカウンタトラックをガイドトラックと相互作用させることができる。有利には、嵌合状態に入る前にそれぞれのスペーサの構造をある角度の下に置くことができる可能性の故に、他の構造に対して構造を位置付けること及び他の構造に対する構造の位置付けを見ることはより一層容易なことがある。従って、複数のスラブ形状の構造要素から大きな表面を構築するときのスペーサアセンブリの使用中の利便性が強化される。
【0021】
ある実施形態によれば、構造は、嵌合位置において、スペーサのうちの1つのスペーサの構造がスペーサのうちの別の1つのスペーサの構造と嵌合状態においてロックされるような構造である。従って、スペーサは、別の構造要素との相対距離を維持するのに適するのみならず、(隣接するスラブ形状の構造要素間のギャップにおいて機能を実行するためにスペーサが固定された)隣接するスラブ形状の構造要素間の接続を形成するのにも適している。
【0022】
ある実施形態によれば、構造は、嵌合状態において、構造が機械的に解放可能な状態にあるような構造である。従って、ロックされる状態は、可逆的であってよく、スペーサは、一時的な使用だけのために大きな表面が隣接するスラブ形状の構造要素によって構築される必要がある機能を果たすこともできる。例えば、一時的な道路又は台壁は、迅速に構築されることができるが、その一部を破壊することなく、すなわち、部分を鋸引きすること又は燃焼させることを必要とせずに、速やかに分解することができる。
【0023】
ある実施形態によれば、構造は、嵌合状態において構造の後端から延び、嵌合状態において嵌合構造間の距離によって形成されるギャップを少なくともある程度カバーする、プレート形状の要素を備える。有利には、プレート形状の要素は、複数の隣接するスラブ形状の構造要素を一緒に置くことによって構築されることが意図されるより大きな表面の延長部を形成することができる。プレート形状の要素は、その大きな表面の断続のサイズ、すなわち、幅を減少させる。更に、各スペーサの構造の他の要素は保護される。多くの汚れ又はゴミの大きな要素がギャップに入る機会も低減される。プレート形状の要素及び制限器が全く同じ要素において具現されることが想定されないことはない。
【0024】
ある実施形態によれば、プレート形状の要素は、外面を有し、嵌合状態では、制限された動きが、外面に平行に可能である。ある実施形態によれば、嵌合状態において、嵌合構造に属するプレート形状の要素の外面は、同じ平面内に留まる。有利には、段形成は生じない。
【0025】
本開示は、非限定的な例を用いて、図面を参照して、より詳細に更に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】(a)及び(b)は、使用中の本開示に従ったスペーサの第1の実施形態を示している。
図2】(a)及び(b)は、使用中の本開示に従ったスペーサの第2の実施形態を示している。
図3】使用中の本開示に従ったスペーサの第3の実施形態を示している。
図4】使用中の本開示に従ったスペーサの第4の実施形態を示している。
図5】(a)、(b)及び(c)は、使用中の本開示に従ったスペーサの第5の実施形態を示している。
図6】(a)及び(b)は、使用中の本開示に従ったスペーサの第6の実施形態を示している。
図7】(a)及び(b)は、使用中の本開示に従ったスペーサの第7の実施形態を示している。
図8】(a)及び図8(b)は、使用中の本開示に従ったスペーサの第8の実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面において、同等の部品は、同等の参照番号を備える。
【0028】
図1は、(そのリム2のみが示されている)構造要素への固定のためのスペーサ1の第1の実施形態を示している。図1(a)及び図1(b)において、スペーサ1は、斜視図で示されている。スペーサ1は、同一ではないとしても、構造要素のリム2と類似すると考えられる部品を有する。スペーサ1が別の構造要素に対する相対距離を維持し得ることは図1(b)から明らかである。この構造は、弾性(resiliency)を提供し、他の構造要素に対する距離が所定の距離3まで減少させられるときに、別の付近の構造要素に対する距離を増大させ力を生成する。この構造は、弾性要素5を含む。図1(a)及び図1(b)の各々に明らかに見られるように、スペーサ1は、この例では、弾性要素5の端に、自由端4を有する。よって、所定の距離3は、(弾性要素が図1(a)に示すような非拘束状態(unconstrained condition)にあるときに)自由端4の位置によって共定義される(co-defined)ように見られることができる。当然のことながら、所定の距離3は、更に、構造要素のリムの位置によって共定義される。多くの例において、所定の距離を共定義することは、同一ではないとしても、構造要素(図示せず)のリム2に類似すると考えられ得るスペーサ1の部分2に基づくことができる。図1(b)に示すように、別の構造要素のリム2が、所定の距離3未満である距離内で、スペーサを固定する構造要素に達すると、弾性要素5は、他の付近の構造要素への距離を増大させる力を生成する。完全性のために、スペーサ1は、よって、スラブ形状の構造要素(slab-shaped construction element)のリム(rim)に対応するか或いはスラブ形状の構造要素のリムに固定されることができる部分2を含み、その部分2は、自由端と共に、所定の距離を共定義する。
【0029】
スペーサ1の構造は、制限器6(restrictor)も含む。図1に示す実施形態において、制限器6及び弾性要素5は、互いに直接的に接続されており、構造の1つの同じ単一の要素においてそれぞれ具現されている。実際には、図1において、制限器6は、弾性要素5に設けられている。制限器5には、別の構造要素2の一部に当接するための当接面7を備える。当接面7は、図1(b)に示すように、別の構造要素2と当接しながら、制限器5を別の構造要素2に対してしっかりと固定するために(概略的にのみ示す)吸引カップを備えてよい。一般的には、明らかに、スペーサ1は、所定の距離3の方向とは異なる少なくとも1つの方向における構造の動きの制限をもたらす構造を有する。従って、構造は、所定の距離の方向とは異なる少なくとも1つの方向における構造の動きの制限をもたらす。
【0030】
図2は、図1に示す実施形態と殆ど同一のスペーサ1の第2の実施形態を示している。主な相違は、吸着カップの代わりに高摩擦面が当接面7として使用されることである。
【0031】
図3は、構造要素への固定のためのスペーサ1の第3の実施形態を示している。この実施形態は、多くの点において、図1及び図2に示すような、第1及び第2の実施形態とそれぞれ異なる。スペーサ1は、プレート形状の構造要素のリムからスペーサ1の所定の距離3の方向に対応する方向に延びるプレート形状の要素8を備えるような構造要素と共に作用するのに適している。この実施形態において、制限器6は、当接面7を備えず、むしろ(そのリム2のみを示す)主にスラブ形状の構造要素のプレート形状の要素8を収容するための溝9を備える。
【0032】
図3(a)は、図3(b)に示すような位置をとるために、スペーサ1を図示のような位置に置き、次に、矢印10の方向にスライドさせることができることを示す矢印10を示している。そのリム2のみを示すスラブ形状の構造要素は、それがその位置にしっかりとくっついて離れないように、その「端位置」に到達したと仮定されなければならない。スペーサ1が矢印10の方向に滑り落ちると、弾性要素5は、端に位置付けられたスラブ形状の制限要素のリム2に沿って進むのを可能にするために、それが接続される部分2に向かって折れ(解放され)(give way)、基本的に撓む(flexes)。ひとたび溝9がプレート形状の要素8のレベルになると、弾性要素5は、図2(b)に示すように、端に位置付けられたスラブ形状の構造要素に向かって撓んで戻り、プレート形状の要素8を収容する。よって、所定の距離の方向とは異なる方向における構造物の動きが制限される。実際には、この状況において、動きは、プレート形状の要素8のプレート面に対して垂直な方向において制限される。
【0033】
図4(a)及び図4(b)は、構造がそれぞれ空間的に分離された構造の異なる部分である弾性要素5及び制限器6を備えるという点において第3の実施形態と異なる、第4の実施形態を示している。再び、既に端位置を取ったスラブ形状の構造要素のリム2に設けられたプレート形状の要素8との相互作用がある。
【0034】
図5は、本開示に従ったスペーサの第5の実施形態を示している。この実施形態においても、制限器6及び弾性要素5は、空間的に別個の構造の要素であることが当て嵌まる。明瞭性のために、図5(a)及び図5(b)では、1つの制限器6と1つの弾性要素5とを有するスペーサが示されているが、図5(c)に示すように、構造が複数の弾性要素5と複数の制限器6とを備えることが想定される。図5(c)では明瞭に見られないがが、図6及び図7においてより明瞭に見られるように、弾性要素5の位置及び制限器6の位置は、構造の長手方向寸法に沿って互いに交互する。
【0035】
上記で簡単に概説したように、スペーサの構造は、2つの主要面と、2つの主要面の間のリム2とを有する、スラブ形状の構造要素に固定されるか、或いは固定可能である(全範囲で図示しない)。構造は、隣接するスラブ形状の構造要素のリム2に対する相対距離を維持するために、リムに位置付けられるか、或いは位置付け可能である。全ての前述の実施形態に関して、構造は、隣接するスラブ形状の構造要素のリムに対する相対的な位置についてのリムの動きを維持される距離で制限するのに適している。前記で議論した実施形態にも示されるように、弾性要素は、爪形状であってよい。複数の弾性要素5がある場合、これは弾性素子5のうちの1つに当て嵌まってよいが、好ましくは、弾性要素5の各々に当て嵌まってよい。弾性要素5は、自由端4を有する。自由端4は、所定の距離3を共画定し、注目すべきことには、爪形状要素は、構造のヒンジ端5aで接続される。これは枢動ポイントではなく、むしろ使用中に曲げに曝される剛性のヒンジポイントである。ヒンジ端5aは、スラブ形状の構造要素のリムに境界を接する構造の一部と一致するか、或いはスラブ形状の構造要素のリムに配置可能であるか或いは配置される。
【0036】
図3及び図4に示す実施形態を議論したときに触れたように、自由端4は、後端(trailing end)が、端に位置付けられた別のスラブ形状の構造要素に隣接する配置の終わりに向かってのみ時間内にある構造の一部であるように、スラブ形状の構造要素を端に位置付けられた他のスラブ形状の構造要素に隣接して配置するための、ポール形状の要素5(pole-shaped element)の後端であってよい。これは、自由端4から離れており且つ端に位置付けられた他のスラブ形状の構造要素に隣接する配置の始まりに既に時間内にある弾性要素5の一部とは対照的である。この例において、自由端4から離れる弾性要素5の部分は、ヒンジ端5aである。
【0037】
制限器6は、隣接するスラブ形状の構造要素のリムに固定される構造の爪形状の弾性要素5の自由端4の動きを阻止すること(blocking)のために設計されてよい。そのような阻止要素は、同様に、スラブ形状の構造要素を別の既に端に位置付けられたスラブ形状の構造要素に隣接して配置するために構造の後端であってよいことで、後端は、他の端に位置付けられたスラブ形状の構造要素に隣接する配置の終わりに向かってのみ時間内にある構造の一部である。これは、後端から離れ且つ端に位置付けられた他のスラブ形状の構造要素に隣接した配置の始まりに既に時間内にある構造の一部とは対照的な後端である。
【0038】
図5(a)、図6及び図7から容易に見ることができるように、そして、図8から導き出されることができるように、各スペーサ1の構造は、複数の弾性要素5と、動きを制限するための複数の制限器6とを備えてよい。それぞれの構造の弾性要素5及び制限器6は、その構造の長手方向において互いに交互に並んでよい。図5乃至図8に見ることができるように、各スペーサ1の構造は、それがアセンブリ11の別のスペーサの構造との嵌合状態において構造を位置決めすることを可能にするような構造である。嵌合状態において、1つのスペーサの構造の弾性要素は反対であり、アセンブリの別のスペーサの構造の制限器と相互作用する。
【0039】
図5及び図6に示すように、この構造は、ガイドトラック(guiding track)を備え、ガイドトラックと相互作用するカウンタトラック(counter track)を備えてよい。1つのスペーサの構造を別のスペーサの構造との嵌合位置に導いたのちに、この構造は、先ず、他の構造に対してある角度の下に置かれてよく、接触状態に置かれることができ、次に、嵌合状態に達するためにカウンタトラックをガイドトラックと相互作用させてよい。
【0040】
図6に示すように、この構造は、嵌合位置において、スペーサ1のうちの1つのスペーサの構造が、スペーサのうちの別のスペーサの構造との嵌合位置にロックされるように構成されてよい。これらの構造は、ロックされたような嵌合位置が外されることができるように、これらを押すための爪形状の弾性要素5へのアクセスのために使用されることができるアクセス穴13を備える。図8に更に詳細に示すように、よって、この構造は、嵌合位置において、この構造が機械的に解放可能な状態にあるように構成されてよい。プッシュバック要素19が各アクセス穴13に嵌入するように、ツールを挿入するために「プッシュバック(push-back)」要素19を有する解放ツール18が使用されることができる。矢印20によって示すようにツールを回転させた後に、爪形状の要素5が押し戻され、スペーサは互いにロック解除されることができる。
【0041】
図3乃至図8に見ることができるように、構造は、嵌合状態において構造の後端から延び、嵌合状態において嵌合構造の間の距離によって形成されるギャップ21を少なくともある程度は覆う、プレート形状の要素8を備えてよい。プレート形状の要素8は、外面を有する。嵌合状態では、スペーサ1の制限された相対動作が、外面8に平行に可能である。更に、嵌合状態において、嵌合構造の一部としてのプレート形状の要素8の外面は、同じ平面内に留まって、隣接して位置付けられたスラブ形状の構造要素によって提供される大きな表面での段形成(step-formation)を防止する。
【0042】
図7は、各爪形状の弾性要素5が2つの空間的に分離されたビームによって形成され、別のスペーサ1にあるスロット12と相互作用するためのピン17をビームの間に有する、実施形態を示している。このピン及びスロット構造は、嵌合状態にあるときのスペーサの相対的な動きに対する更なる制限を課す。
【0043】
図には示されていないが、スペーサの構造は、スラブ形状の構造要素に固定されてよい。すなわち、スラブ形状の構造要素は、図面にその全体が示されていない。しかしながら、スペーサの一部、すなわち、部分2が、スラブ形状の構造要素の一部であってよいことが明らかである。しかしながら、スペーサ1が、スラブ形状の構造要素に別々に追加される必要のある「アドオン」要素であることも可能である。この場合、部分2は、構造要素のリムに対して配置されてよい。
【0044】
完全性のために、スラブ形状の構造要素は、コンクリートスラブ、壁パネル、浮遊性プラスチック要素、浸潤ユニットであってよく、道路デッキ要素であってさえよいことが指摘される。
【0045】
本開示は、上述の実施形態に限定されるものでなく、多くの修正が従属項の枠組内で可能である。
図1(a)】
図1(b)】
図2(a)】
図2(b)】
図3(a)】
図3(b)】
図4(a)】
図4(b)】
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図6(a)】
図6(b)】
図7(a)】
図7(b)】
図8(a)】
図8(b)】
【手続補正書】
【提出日】2019年12月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
別の構造要素に対する相対距離を維持するための、並びに別の構造要素に対する位置についての動きを前記維持される距離で制限するための、構造要素への固定のためのスペーサであって、
当該スペーサは、以下の構造、すなわち、
a)弾性を提供し、且つ、その他の構造要素に対する距離が所定の距離まで減少させられるときに、別の付近の構造要素に対する距離を増大させる力を生成する、並びに
b)所定の距離の方向とは異なる少なくとも1つの方向における前記構造の動きの制限を提供する
構造を有し、
該スペーサは、当該スペーサの使用中に、その他の構造要素に対する距離を増大させる前記力が、主に重力の方向を横切って方向付けられるように、構成され、前記構造は、複数の弾性要素と、前記動きを制限する複数の制限器とを備え、前記弾性要素及び前記制限器は、それぞれ前記構造の空間的に別個の異なる部分であり、前記構造の寸法に沿って互いに交互に並ぶ構造中の位置を有する
スペーサ。
【請求項2】
前記構造は、2つの主要面と、該2つの主要面の間のリムとを有する、スラブ形状の構造要素に固定され或いは固定可能であり、前記構造は、隣接するスラブ形状の構造要素のリムに対する相対距離を維持するために、並びに隣接するスラブ形状の構造要素のリムに対する位置についての前記リムの動きを前記維持される距離で減少させるために、前記リムで位置付けられ或いは位置付け可能である、請求項に記載のスペーサ。
【請求項3】
前記弾性要素のうちの少なくとも1つは、爪形状であり、好ましくは、各弾性要素は、爪形状である、請求項1又は2に記載のスペーサ。
【請求項4】
前記弾性要素は、前記構造の使用中に前記主要面のうちの1つにある或いは前記主要面のうちの1つに近い前記リムにある前記構造の一部にある或いは前記構造の一部に近い自由端を有する、請求項2及び3に記載のスペーサ。
【請求項5】
前記自由端は、前記所定の距離にある、請求項に記載のスペーサ。
【請求項6】
前記自由端は、前記スラブ形状の構造要素を端に位置付けられた別のスラブ形状の構造要素に隣接して配置するために前記爪形状の要素の後端であることで、該後端は、前記自由端から離れ、且つ前記端に位置付けられた他のスラブ形状の構造要素に隣接する前記配置の始まりに既に時間内にある、前記弾性要素の部分とは対照的に、前記端に位置付けられた他のスラブ形状の構造要素に隣接する前記配置の終わりに向かってのみ時間内にある前記構造の一部である、請求項に記載のスペーサ。
【請求項7】
前記制限器は、隣接するスラブ形状の構造要素のリムに固定される構造の爪形状の弾性要素の自由端の動きを阻止するように設計される、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の並びに請求項2に記載のスペーサ。
【請求項8】
前記阻止要素は、前記スラブ形状の構造要素を別の既に端に位置付けられたスラブ形状の構造要素に隣接して配置するために前記構造の後端であることで、該後端は、前記後端から離れ、且つ前記端に位置付けられた他のスラブ形状の構造要素に隣接する前記配置の始まりに既に時間内にある、前記構造の一部とは対照的に、前記他のスラブ形状の構造要素に隣接する前記配置の終わりに向かってのみ時間内にある前記構造の一部である、請求項に記載のスペーサ。
【請求項9】
当該スペーサは、少なくとも2つのそのようなスペーサを有するアセンブリの当該スペーサのうちの1つである、請求項1乃至のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【請求項10】
各スペーサの前記構造は、それが前記アセンブリの別のスペーサの前記構造との嵌合状態において前記構造を位置付けるのを可能にするような構造である、請求項9に記載のスペーサ。
【請求項11】
前記嵌合状態において、1つのスペーサの前記構造の前記弾性要素は、前記アセンブリの別のスペーサの前記構造の前記制限器と相互作用し、且つ反対側にある、請求項10に記載のスペーサ。
【請求項12】
前記構造は、ガイドトラックを備え、該ガイドトラックと相互作用するカウンタトラックを備えることで、1つのスペーサの構造を別のスペーサの構造との嵌合位置に導いた後に、前記構造は、先ず、前記他の構造に対してある角度の下に置かれることができ、接触状態に置かれることができ、次に、前記嵌合状態に達するために前記カウンタトラックを前記ガイドトラックと相互作用させることができる、請求項11に記載のスペーサ。
【請求項13】
前記構造は、前記嵌合位置において、当該スペーサのうちの1つのスペーサの構造が当該スペーサのうちの別の1つのスペーサの構造との前記嵌合位置にロックされるような構造である、請求項10乃至12のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【請求項14】
前記構造は、前記嵌合状態において、前記構造が機械的に解放可能な状態にある、請求項10乃至13のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【請求項15】
前記構造は、前記嵌合状態において前記構造の後端から延び、且つ前記嵌合状態において前記嵌合構造の間の距離によって形成されるギャップを少なくともある程度は覆う、プレート形状の要素を備える、請求項10乃至14のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【請求項16】
前記プレート形状の要素は外面を有し、前記嵌合状態において、制限された動きが前記外面に平行に可能である、請求項10乃至14のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【請求項17】
前記嵌合状態において、前記嵌合構造の部分としての前記プレート形状の要素の前記外面は、同じ平面内に留まる、請求項16に記載のスペーサ。
【請求項18】
前記構造は、前記スラブ形状の構造要素に固定される、請求項に記載のスペーサ。
【請求項19】
前記スラブ形状の構造要素は、コンクリートスラブ、壁パネル、浮遊性プラスチック要素、浸潤ユニット、道路デッキ要素のうちの1つである、請求項10乃至18のうちのいずれか1項に記載のスペーサ。
【国際調査報告】