(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-517621(P2021-517621A)
(43)【公表日】2021年7月26日
(54)【発明の名称】通常のギアトレインと垂直出力軸とを有するトランスミッションアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16H 57/04 20100101AFI20210625BHJP
F16H 1/06 20060101ALI20210625BHJP
【FI】
F16H57/04 P
F16H57/04 Q
F16H1/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-572606(P2020-572606)
(86)(22)【出願日】2019年3月8日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月6日
(86)【国際出願番号】EP2019055898
(87)【国際公開番号】WO2019175060
(87)【国際公開日】20190919
(31)【優先権主張番号】102018000003467
(32)【優先日】2018年3月13日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520353075
【氏名又は名称】ロッシ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】ROSSI S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザノッティ,ビットリアーノ
【テーマコード(参考)】
3J009
3J063
【Fターム(参考)】
3J009DA15
3J009EA05
3J009EA11
3J009EA21
3J009EA32
3J009EA44
3J009EB23
3J009EC06
3J009FA30
3J063AA40
3J063AB02
3J063AC01
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3J063CD45
3J063XD03
3J063XD23
3J063XD32
3J063XD48
3J063XD72
3J063XD73
3J063XE38
(57)【要約】
通常のギアトレインと垂直出力軸とを有するトランスミッションアセンブリ(1)であって、垂直出力軸とともに通常のギアトレインを収容し回転支持するための略箱状の本体(2)を含み、垂直出力軸は、少なくとも1つの部分(4a;5a;23a)を有する略垂直構成の少なくとも1つのシャフト(4;5;23)を含み、少なくとも1つの部分は、前記本体(2)の内部に収容され、少なくとも1つの部分が少なくとも第1および第2の転動体(6、7;16、17;24、25)によって回転できるように支持され、当該第1および第2の転動体のうち、少なくとも第2の転動体(7;17;25)は、前記本体の内部に収容され、第1の転動体(6;16;24)の上方に配置され、アセンブリは、潤滑液(L)蓄積チャンバ(11)を含み、蓄積チャンバは、前記本体(2)の内部に関連付けられ、その内部の液(L)の浴に少なくとも部分的に浸漬された略垂直構成の少なくとも1つのシャフト(4;5;23)の少なくとも第2の転動体(7;17;25)を収容するように適合され、シャフトは、密閉状に通過するようにチャンバに挿入されることを特徴とする、アセンブリ(1)が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常のギアトレインと垂直出力軸とを有するトランスミッションアセンブリ(1)であって、垂直出力軸とともに通常のギアトレインを収容し回転支持するための略箱状の本体(2)を含み、前記垂直出力軸は、少なくとも1つの部分(4a;5a;23a)を有する略垂直構成の少なくとも1つのシャフト(4;5;23)を含み、前記少なくとも1つの部分は、前記本体(2)の内部に収容され、前記少なくとも1つの部分が少なくとも第1および第2の転動体(6、7;16、17;24、25)によって回転できるように支持され、前記第1および第2の転動体のうち、少なくとも前記第2の転動体(7;17;25)は、前記本体の内部に収容され、前記第1の転動体(6;16;24)の上方に配置され、
前記アセンブリは、潤滑液(L)蓄積チャンバ(11)を含み、前記蓄積チャンバは、前記本体(2)の内部に関連付けられ、その内部の液(L)の浴に少なくとも部分的に浸漬された略垂直構成の前記少なくとも1つのシャフト(4;5;23)の少なくとも前記第2の転動体(7;17;25)を収容するように適合され、前記シャフトは、密閉状に通過するように前記チャンバに挿入されることを特徴とする、アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記本体(2)に関連付けられた液(L)回収槽(14)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記回収槽(14)は、前記蓄積チャンバ(11)よりも下に配置されることを特徴とする、請求項2に記載のアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記回収槽(14)および前記蓄積チャンバ(11)とそれぞれ流体連通する取入口および流出口を有する汲上げ手段(15)を含むことを特徴とする、請求項2または3に記載のアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記汲上げ手段(15)の前記取入口は、前記回収槽(14)に浸漬されることを特徴とする、請求項4に記載のアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記蓄積チャンバ(11)は、その内部の液(L)の浴に少なくとも部分的に浸漬された前記第2の転動体(7;17;25)を収容するための少なくとも1つの台座(29)を内部に含むことを特徴とする、請求項1に記載のアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの台座(29)には、内部に収容された前記第2の転動体(7;17;25)への液(L)の通過のための少なくとも1つのスリット(30)が設けられることを特徴とする、請求項6に記載のアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記蓄積チャンバ(11)は、周囲画定リム(28)を含むことを特徴とする、請求項1または6に記載のアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記画定リム(28)は、前記少なくとも1つの台座(29)よりも高いことを特徴とする、請求項6および8に記載のアセンブリ(1)。
【請求項10】
少なくとも1つの液(L)通過チャンバ(31)を含み、前記通過チャンバは、前記蓄積チャンバ(11)と流体連通して関連付けられ、前記ギアトレインの可動要素の方へ液(L)を送るための少なくとも1つの出口(32)を有することを特徴とする、請求項1、2、および4に記載のアセンブリ(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの通過チャンバ(31)は、前記画定リム(28)の外側に関連付けられ、前記リムには、前記蓄積チャンバ(11)から前記少なくとも1つの通過チャンバ(31)への前記液(L)のオーバーフローのための少なくとも1つの溢出路開口(33)が設けられることを特徴とする、請求項8および10に記載のアセンブリ(1)。
【請求項12】
前記通過チャンバ(31)は、前記少なくとも1つの出口(32)でより深くなっており、前記出口は、前記通過チャンバ(31)の底に配置されることを特徴とする、請求項10に記載のアセンブリ(1)。
【請求項13】
前記蓄積チャンバ(11)と流体連通する前記回収槽(14)へ戻る際の前記液の冷却のために、前記液(L)が前記本体(2)の側面(2c)の内側にあたって流れ落ちるように、少なくとも1つの液(L)オーバーフローポケット(36)を含むことを特徴とする、請求項1および4に記載のアセンブリ(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つのポケット(36)は、前記少なくとも1つの通過チャンバ(31)を通して、前記蓄積チャンバ(11)と流体連通することを特徴とする、請求項10および13に記載のアセンブリ(1)。
【請求項15】
前記ギアトレインは、入力シャフト(4)と、略垂直構成の出力シャフト(5)と、少なくとも1つの減速段(8;8’)とを含み、前記入力シャフト(4)は、少なくとも1つの部分(4a)を有し、前記少なくとも1つの部分(4a)は、前記少なくとも1つの部分(4a)が前記本体(2)の内部で回転できるように支持され、前記出力シャフト(5)は、少なくとも1つの部分(5a)を有し、前記少なくとも1つの部分(5a)は、前記本体(2)の内部に収容され、前記少なくとも1つの部分(5a)が少なくとも第1および第2の転動体(6、7)によって回転できるように支持され、前記第1および第2の転動体のうち、少なくとも前記第2の転動体(7)は、前記本体の内部に収容され、前記第2の転動体(7)は、前記第1の転動体(6)の上方に配置され、前記蓄積チャンバ(11)の内部の液(L)の浴に少なくとも部分的に浸漬され、前記出力シャフト(5)は、密閉状に通過するように前記チャンバに挿入され、前記少なくとも1つの減速段(8;8’)は、相互にかみ合う駆動ギア(9;9’)と伝達ギア(10;10’)とが設けられたギアセットを含み、前記ギアセットは、前記入力シャフト(4)と前記出力シャフト(5)との間に介在されることを特徴とする、請求項1に記載のアセンブリ(1)。
【請求項16】
前記入力シャフト(4)は略垂直構成を有し、前記本体(2)の内部に収容された対応する前記部分(4a)は、前記部分(4a)が少なくとも第1および第2の転動体(16、17)によって回転できるように支持され、前記第1および第2の転動体のうち、少なくとも前記第2の転動体(17)は、前記本体の内部に収容され、前記第2の転動体(17)は、前記第1の転動体(16)の上方に配置され、前記蓄積チャンバ(11)の内部に含有される液(L)の浴に少なくとも部分的に浸漬され、前記入力シャフト(4)は、密閉状に通過するように前記チャンバに挿入されることを特徴とする、請求項15に記載のアセンブリ(1)。
【請求項17】
前記入力シャフトは、前記出力シャフト(5)に対して実質的に直交する構成を有することを特徴とする、請求項15に記載のアセンブリ(1)。
【請求項18】
前記減速段(8、8’)のうちの少なくとも2つを含み、前記少なくとも2つの減速段は、前記入力シャフト(4)と前記出力シャフト(5)との間に介在されたそれぞれのギアセットを含み、前記ギアセットの各々には、相互にかみ合う駆動ギア(9、9’)と伝達ギア(10、10’)とが設けられ、少なくとも1つの中間シャフト(23)が設けられ、前記少なくとも1つの中間シャフト(23)は、前記入力シャフト(4)と前記出力シャフト(5)との間に介在され、一方の段(8)の前記伝達ギア(10)と次の段(8’)の前記駆動ギア(9’)とに関連付けられることを特徴とする、請求項15に記載のアセンブリ(1)。
【請求項19】
前記少なくとも1つの中間シャフト(23)は、略垂直構成で配置され、少なくとも1つの部分(23a)を有し、前記少なくとも1つの部分(23a)は、前記本体(2)の内部に収容され、前記少なくとも1つの部分(23a)が少なくとも第1および第2の転動体(24、25)によって回転できるように支持され、前記第1および第2の転動体のうち、少なくとも前記第2の転動体(25)は、前記本体の内部に収容され、前記第2の転動体(25)は、前記第1の転動体(24)の上方に配置され、前記蓄積チャンバ(11)の内部に含有される液(L)の浴に少なくとも部分的に浸漬され、前記中間シャフト(23)は、密閉状に通過するように前記チャンバに挿入されることを特徴とする、請求項18に記載のアセンブリ(1)。
【請求項20】
前記汲上げ手段(15)は回転タイプのものであり、回転作動のために前記シャフト(4;5;23)のうちの1つに機能的に関連付けられることを特徴とする、請求項4および15または18に記載のアセンブリ(1)。
【請求項21】
前記汲上げ手段(15)は、前記入力シャフト(4)に関連付けられることを特徴とする、請求項20に記載のアセンブリ(1)。
【請求項22】
前記少なくとも1つの出口(32)は、前記液(L)を前記少なくとも1つのギアセット(8;8’)の方へ向けるための少なくとも1つのダクト(35)に関連付けられることを特徴とする、請求項10および15に記載のアセンブリ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常のギアトレインと垂直出力軸とを有するトランスミッションアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
駆動エンジンと従動要素との間の回転運動の伝達のために、出力シャフトが垂直構成で位置付けられて上方または下方に突出する、通常のギアトレインを有するトランスミッションアセンブリが使用される用途が知られている。
【0003】
そのような用途は、たとえば、コンデンサ、ミキサ、撹拌機の分野において、または冷却塔において広く普及している。
【0004】
従来のトランスミッションアセンブリは、入力シャフトと垂直出力シャフトとの間に介在されたギアセットを含む少なくとも1つの減速段を収容し回転支持するための箱状の本体または筐体を実質的に含み、入力シャフトも、垂直構成または異なる構成を有し得る。
【0005】
それぞれのギアセットを有する少なくとも2つの減速段がある場合、少なくとも1つの中間シャフトが設けられ、それは、それぞれのギアセットに1つずつ属する2つのピニオンを支持する。
【0006】
各垂直シャフトは、それが、箱状の本体の内部に規定されたそれぞれの台座に収容される上部ベアリングおよび下部ベアリングによって回転できるように支持される。
【0007】
さらに、潤滑油回収槽が箱状の本体の下方部分に規定され、そこに、垂直シャフトを支持するための下部ベアリングと、トランスミッションアセンブリの下部ギアセットのうちの1つ以上とが、少なくとも部分的に浸漬され得る。
【0008】
ギアセットの、および上部ベアリングの潤滑のために、いくつかの解決策が知られている。
【0009】
第1の従来の解決策は、回収槽に浸漬された回転ポンプと複数のダクトとを介して、ギアセットおよび垂直シャフトの上部ベアリングの方へ分配される油の強制循環のシステムを必要とする。ポンプは概して入力シャフト上に楔止され、したがって、シャフトの回転によって作動される。そのようなダクトは、箱状の本体の外部に少なくとも部分的に収容可能であり、または、本体の内部に完全に収容可能である。
【0010】
それに代えて、箱状の本体の上部蓋における複数の通路がポンプによって供給され、これらの通路が、ベアリングおよびギアセットに配置された複数の開口部の方へ油を分配し、そこから油が降下して、そのような要素を潤滑するという解決策が知られている。
【0011】
これらの従来の解決策はすべて、欠点がないわけではなく、中でも、トランスミッションアセンブリに結合されたモータが停止すると、油循環ポンプが作動停止し、分配ダクト/通路は空になるため、点火過渡現象中、回路が再度充満するまで、ギアセットの、および垂直シャフトの上部ベアリングの潤滑が実質的になく、その結果、非効率性および部品への損傷のリスクが生じる、ということがある。
【0012】
トランスミッションアセンブリが低温環境に設置され、油のより大きい密度が回路の充填を遅くし、したがって点火過渡現象を長くするような状況では、そのような欠点は、さらにより大きい影響を与える。そのような動作状態では、油を加熱するために補助システムを設けてもよいが、それは、トランスミッションアセンブリの構造を複雑にし、その重量、かさ、および生産コストを増加させる。
【0013】
さらに、油循環ポンプが停止した場合、そのような従来の解決策は、回収槽に浸漬されない要素の潤滑がまったくないことを伴う。
【0014】
また、ポンプがさまざまなダクトに連続的に供給するような油の流れを連続的に分配しなければならないということは、流れの増加とともに増加する、パワーの吸収、騒音のレベル、および油の加熱を伴う。
【0015】
大事なことを言い残していたが、回収チャンバのほぼ一定の充填レベルを考慮すると、下部ギアセットのうちの1つ以上に油が接触した場合、跳ね散り現象が生じ、それは、トランスミッションアセンブリの全体的動作のための油の加熱に寄与する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目標は、アセンブリの部品の性能を最適化し、その完全性を保つために、点火過渡現象中でも、筐体の底に存在する油浴に浸漬されない要素の少なくとも部分的な潤滑を保証することを可能にする、通常のギアトレインと垂直出力軸とを有するトランスミッションアセンブリを提供することによって、背景技術における上述の欠点をなくすことである。
【0017】
この目標の範囲内で、本発明の目的は、油を加熱するための補助システムを提供する必要なく、および、ポンプが停止した場合でさえ、動作状態(周囲温度)とは独立して、そのような少なくとも部分的な潤滑を保証すること可能にするトランスミッションアセンブリを提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、ポンプの動作に起因する油圧回路のパワーの損失をもたらさないこと、その動作中の雑音レベルを抑えること、および、油の加熱を減少させることである。
【0019】
本発明のさらに別の目的は、正常走行状態下で油の跳ね散り現象を防止し、よってその加熱をさらに減少させるトランスミッションアセンブリを提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、油の潤滑力を最適化し、交換前のその寿命を増加させつつ、その冷却を促進するために、トランスミッションアセンブリの内部で循環する油と外部環境との間の熱交換に有利に働くことである。
【0021】
大事なことを言い残していたが、本発明の別の目的は、実現するのが簡単かつ実用的で、使用が安全で、動作が効果的で、かつ低コストである、単純な構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この目標およびこれらの目的は、通常のギアトレインと垂直出力軸とを有する本発明のトランスミッションアセンブリであって、垂直出力軸とともに通常のギアトレインを収容し回転支持するための略箱状の本体を含み、垂直出力軸は、少なくとも1つの部分を有する略垂直構成の少なくとも1つのシャフトを含み、少なくとも1つの部分は、前記本体の内部に収容され、少なくとも1つの部分が少なくとも第1および第2の転動体によって回転できるように支持され、当該第1および第2の転動体のうち、少なくとも第2の転動体は、前記本体の内部に収容され、第1の転動体の上方に配置され、アセンブリは、潤滑液蓄積チャンバを含み、蓄積チャンバは、前記本体の内部に関連付けられ、その内部の液の浴に少なくとも部分的に浸漬された略垂直構成の前記少なくとも1つのシャフトの少なくとも第2の転動体を収容するように適合され、前記シャフトは、密閉状に通過するように前記チャンバに挿入されることを特徴とする、アセンブリによって達成される。
【0023】
本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的な例のために添付図面に図示された、通常のギアトレインと垂直出力軸とを有するトランスミッションアセンブリの好ましいものの排他的ではない実施形態の詳細な説明から、より良好に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】上部蓋と潤滑油とがない、この発明に従った、通常のギアトレインと垂直出力軸とを有するトランスミッションアセンブリの斜視図である。
【
図2】非稼働状態での、すなわち、潤滑液が蓄積チャンバおよび回収槽にのみ存在する状態での、
図1のトランスミッションアセンブリの斜視図である。
【
図4】稼働状態での、すなわち、潤滑液が回収槽、蓄積チャンバ、通過チャンバ、およびオーバーフローポケット間を循環する状態での、
図1のトランスミッションアセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面を特に参照して、参照符号1は概して、通常のギアトレインと垂直出力軸とを有するトランスミッションアセンブリを示す。
【0026】
アセンブリ1は、垂直出力軸とともに通常のギアトレインを収容し回転支持するための略箱状の本体2を含み、垂直出力軸は、少なくとも1つの部分を有する略垂直構成の少なくとも1つのシャフトを含み、少なくとも1つの部分は、本体の内部に収容され、それが少なくとも第1および第2の転動体によって回転できるように支持され、当該第1および第2の転動体のうち、少なくとも第2の転動体は、本体の内部に収容され、第1の転動体の上方に配置される。
【0027】
この発明によれば、アセンブリ1は、潤滑液L蓄積チャンバ11を含み、潤滑液Lは油タイプのものであり、蓄積チャンバ11は、本体2の内部に関連付けられ、その内部の液Lの浴に少なくとも部分的に浸漬された略垂直構成の少なくとも1つのシャフトの少なくとも第2の転動体を収容するように適合され、シャフトは、密閉状に通過するようにチャンバに挿入される。
【0028】
略垂直構成の少なくとも1つのシャフトが密閉状に通過するように蓄積チャンバに挿入されるということは、潤滑液Lをその内部に常に存在したままにすることを可能にし、そのため、対応する第2の転動体は、その内部で常に部分的に浸漬される。
【0029】
より詳細には、略垂直構成の少なくとも1つのシャフトは、蓄積チャンバの底壁に規定された対応する開口部を通過するように挿入され、封止要素の介在を介して、開口部を通る液Lの流出が防止される。
【0030】
略垂直構成の少なくとも1つのシャフトの第1の転動体も、本体2の内部に収容されることが好ましいものの、必ずしも必要ではない。
【0031】
以下により良好に説明されるように、蓄積チャンバ11に設けられた液Lの浴に少なくとも部分的に浸漬された第2の転動体を有する、略垂直構成のそのようなシャフトは、ギアトレインの垂直出力シャフト、および/または、入力シャフト(垂直である場合)、および/または、中間シャフトのうちの1つ以上(ギアトレインの減速段が少なくとも2つあり、対応する中間シャフトが垂直である場合)であり得る。
【0032】
このように、ギアトレインの略垂直構成の少なくとも1つのシャフトの第2の転動体は、アセンブリ1の動作状態に関わらず、常に潤滑される。
【0033】
好ましくは、蓄積チャンバ11の内部に含有される液Lの浴のレベルは、ギアトレインの略垂直構成の少なくとも1つのシャフトの第2の転動体を完全に浸漬されたままにするようになっている。
【0034】
図示された実施形態では、蓄積チャンバ11は単一の区画として設けられているが、それが相互に連通するいくつかの空間から構成され得る可能性は除外されない。
【0035】
より詳細には、本体2は略角柱形の構造を有し、下部ベース2aと、上部蓋2bと、それらを接続するためにそれらの間に介在される側面2cとから構成される。
【0036】
本体2の形状および寸法は、アセンブリ1が使用されることが意図される特定の用途の機能として、およびその構成の機能として変わり得る。
【0037】
本体2は概して、相互に接続される2つ以上の部品から構成される。
特に、図示された実施形態では、蓋2bを、側面2cの上に取外し可能に関連付けることができ、側面の外側には、熱交換を容易にするためにリブ3が設けられているが、本体2の代替的な実施形態は除外されない。
【0038】
さらに、アセンブリ1の通常のギアトレインは、入力シャフト4と、略垂直構成の出力シャフト5と、少なくとも1つの減速段とを含む。入力シャフト4は、少なくとも1つの部分4aを有し、少なくとも1つの部分4aは、それが本体2の内部で回転できるように支持される。出力シャフト5は、少なくとも1つの部分5aを有し、少なくとも1つの部分5aは、本体2の内部に収容され、それが少なくとも第1の転動体6および第2の転動体7によって回転できるように支持される。当該第1および第2の転動体のうち、少なくとも第2の転動体7は、本体2の内部に収容され、第1の転動体6の上方に配置される。少なくとも1つの減速段は、駆動ギア9と伝達ギア10とが設けられたギアセット8を含み、ギアセット8は、入力シャフト4と出力シャフト5との間に介在される。
【0039】
使用時、入力シャフト4は、モータなどのタイプの回転作動用手段と嵌まり合うように適合され、出力シャフト5は、回転作動用アセンブリと嵌まり合うように適合される。
【0040】
出力シャフト5の第1の転動体6および第2の転動体7は典型的には、それぞれの従来の転動ベアリングによって構成される。
【0041】
アセンブリ1のギアトレインに設けられた最後のまたは唯一の減速段8の伝達ギア10は、出力シャフト5上に、転動体6、7間の長手方向中間位置で楔止される。
【0042】
好ましくは、出力シャフト5の第2の転動体7は、蓄積チャンバ11の内部の液Lの浴に少なくとも部分的に浸漬される。
【0043】
しかしながら、異なる潤滑システムを提供することによって、出力シャフト5の第2の転動体7がグリースで潤滑され得る可能性、または、いずれにせよ蓄積チャンバ11の外部に配置され得る可能性は除外されない。
【0044】
出力シャフト5は、一方端5bが蓄積チャンバ11の内部に突出し、第2の転動体7に結合された状態で、本体2の内部に収容された端部分5aを有する。反対側では、シャフトは本体2のベース2aから突出している。
【0045】
蓄積チャンバ11の底には、出力シャフト5の端5bを挿入するための穴12があり、液Lの漏れを防止するために、ゴムガスケットタイプの封止手段13が介在される。
【0046】
アセンブリ1はまた、本体2に関連付けられた潤滑液L回収槽14を、概して蓄積チャンバ11よりも低い位置で含む。
【0047】
好ましくは、回収槽14は、ベース2aで本体2と一体化され、その内部にある。
回収槽14が本体2の内部にある場合、それは、その内部の液Lの浴に少なくとも部分的に浸漬された、アセンブリ1のギアトレインの少なくとも1つの略垂直シャフトの第1の転動体を収容することができる。
【0048】
しかしながら、相互に連通する複数の空間から構成され得る、または本体2の外部にあり得る回収槽14のさらに別の実施形態は、除外されない。
【0049】
好都合なことに、アセンブリ1は、回収槽14および蓄積チャンバ11とそれぞれ流体連通する取入口および流出口を有する従来の汲上げ手段15を含む。
【0050】
汲上げ手段15の取入口は、回収槽14に直接浸漬され得る。
この場合、回転作動のためにギアトレインのシャフトのうちの1つに直接結合される、回転タイプの汲上げ手段15を使用することができる。
【0051】
汲上げ手段15の流出口は、ダクト22を介して蓄積チャンバ11と連通する。
好都合なことに、ダクト22は、汲上げ手段15が動作していないときに液がそれを通って漏れることを防止するように、蓄積チャンバ11の内部で延在し、その内部に含有される液Lのレベルと少なくとも等しい高さで終わる。それに代えて、非稼働状態での蓄積チャンバ11からの液Lの漏れを防止し、その内部の液Lのレベルを一定に保つために、ダクト22に沿って一方向弁または他の保持要素を設けてもよい。
【0052】
図示された実施形態では、入力シャフト4も略垂直構成を有し、したがって、出力シャフト5と平行である。
【0053】
本体2の内部に収容された部分4aは、それが少なくとも第1の転動体16および第2の転動体17によって回転できるように支持され、当該第1および第2の転動体のうち、少なくとも第2の転動体は、本体の内部に収容される。
【0054】
第2の転動体17は、第1の転動体16の上方に配置され、蓄積チャンバ11の内部に含有される液Lの浴に少なくとも部分的に浸漬され、入力シャフト4は、密閉状に通過するようにチャンバの内部に挿入される。
【0055】
第1の転動体16および第2の転動体17は典型的には、それぞれの従来の転動ベアリングによって構成される。
【0056】
アセンブリ1のギアトレインに設けられた第1のまたは唯一の減速段8の駆動ギア9は、入力シャフト4上に、転動体16、17間の長手方向中間位置で楔止される。
【0057】
より詳細には、入力シャフト4は蓋2bの上方に突出しており、本体2の内部に収容された部分4aを有し、この部分は、一方端4bが下部領域に配置され、中間部分4cが蓄積チャンバ11に配置された状態で、蓋2bおよび蓄積チャンバ11を通過するように挿入され、中間部分4cは、第2の転動体17に結合されている。
【0058】
蓄積チャンバ11の底には、入力シャフト4を挿入するための穴18があり、液Lの漏れを防止するために、ゴムガスケットタイプの封止手段19が、シャフトと穴18の内壁との間に介在される。
【0059】
同様に、蓋2bには、入力シャフト4を挿入するための穴20が設けられ、ゴムガスケットタイプの封止手段21が、シャフトと穴20の内壁との間に介在される。
【0060】
しかしながら、異なる潤滑システムを提供することによって、入力シャフト4の第2の転動体17がグリースで潤滑され得る可能性、または、いずれにせよ蓄積チャンバ11の外部に配置され得る可能性は除外されない。
【0061】
図示された実施形態では、出力シャフト5の第1の転動体6は本体2の内部に収容され、グリースで潤滑される。これは、第1の転動体6が回収槽14の外部に配置されるためである。
【0062】
入力シャフト4の第1の転動体16も本体2の内部に収容され、回収槽14の内部の液Lの浴に浸漬されるが、第1の転動体16が異なる潤滑方法に従って、オプションで同様にグリースで潤滑され得る可能性は除外されない。
【0063】
汲上げ手段15は好ましくは、入力シャフト4に結合される。なぜなら、それはより高速で回転するためである。しかしながら、汲上げ手段15がアセンブリ1のギアトレインの異なるシャフトに結合され得る可能性、または、それら自体の駆動部を有し得る可能性は除外されない。
【0064】
加えて、入力シャフト4が、出力シャフト5に対して実質的に直交する、入射する、または斜めになった構成を有することが可能である。この場合、入力シャフト4をそれが回転できるように支持する転動体は、当業者には公知である技術を使用して潤滑され得る。
【0065】
さらに、アセンブリ1は、少なくとも2つの減速段を有していてもよく、少なくとも2つの減速段は、入力シャフト4と出力シャフト5との間に介在されたそれぞれのギアセット8を含む。ギアセット8の各々は、相互にかみ合う駆動ギア9と伝達ギア10とを含む。この場合、少なくとも1つの中間シャフト23がある。それは、入力シャフト4と出力シャフト5との間に介在され、一方の段8の伝達ギア10と次の段8の駆動ギア9とに関連付けられ、少なくとも1つの部分23aを有する。部分23aは、それが本体2の内部で回転できるように支持される。
【0066】
図示された実施形態では、第1のギアセット8および第2のギアセット8’をそれぞれ含む、連続する2つの減速段と、中間シャフト23とがある。
【0067】
第1のギアセット8は、入力シャフト4に結合された駆動ギア9と、中間シャフト23に結合された伝達ギア10とを含む。第2のギアセット8’は、中間シャフト23に結合された駆動ギア9’と、出力シャフト5に結合された伝達ギア10とを含む。
【0068】
中間シャフト23も略垂直構成を有し、したがって、入力シャフト4および出力シャフト5と平行である。
【0069】
この場合、中間シャフト23は、少なくとも1つの部分23aを有し、少なくとも1つの部分23aは、本体2の内部に収容され、それが少なくとも第1の転動体24および第2の転動体25によって回転できるように支持される。当該第1および第2の転動体のうち、少なくとも第2の転動体25は、本体の内部に収容される。第2の転動体25は、第1の転動体24の上方に配置され、蓄積チャンバ11の内部に含有される液Lの浴に少なくとも部分的に浸漬される。中間シャフト23は、密閉状に通過するようにそのチャンバに挿入される。
【0070】
第1の転動体24および第2の転動体25は典型的には、それぞれの従来の転動ベアリングによって構成される。
【0071】
第1のギアセット8の伝達ギア10および第2のギアセット8’の駆動ギア9’は、中間シャフト23上に、転動体24、25間の長手方向中間位置で楔止される。
【0072】
より詳細には、中間シャフトは、上端23bが穴26を通って蓄積チャンバ11の内部に突出し、穴を通る液Lの漏れを防止するためにゴムガスケットタイプの対応する封止手段27がシャフトと穴26の内壁との間に介在される状態で、本体2の内部に完全に収容される。
【0073】
しかしながら、異なる潤滑システムを提供することによって、中間シャフト23の第2の転動体25がグリースで潤滑され得る可能性、または、いずれにせよ蓄積チャンバ11の外部に配置され得る可能性は除外されない。
【0074】
さらに、中間シャフト23の第1の転動体24は、本体2の内部に収容され、回収槽14の内部に含有される液Lの浴に浸漬されるが、第1の転動体24が、グリースを用いることを含む異なる潤滑方法を有する可能性は除外されない。
【0075】
第1のギアセット8は、第2のギアセット8’よりも低い高さにある。
なお、入力シャフト4が出力シャフト5に対して直交する場合、ギアトレイン1の少なくとも1つの中間シャフトは、入力シャフト4と平行であってもよい。
【0076】
加えて、アセンブリ1のギアトレインは、特定の用途の要件に従って、異なる数の段を有し得る。
【0077】
蓄積チャンバ11は、周囲画定リム28と、その内部にある、蓄積チャンバ11の内部の液Lの浴に少なくとも部分的に浸漬された第2の転動体を収容するための少なくとも1つの台座29とを有し、台座29は、蓄積チャンバ11の底から突出する略環状の壁によって画定される。
【0078】
台座29を規定する壁はまた、非連続的であり、2つ以上の隣接する部分を有していてもよい。
【0079】
垂直構成の3つのシャフト4、5、および23があり、それらはすべて、蓄積チャンバ11の内部の液Lの浴に少なくとも部分的に浸漬された対応する第2の転動体7、17、および25を有する、図示された実施形態では、3つの別々の台座29がある。
【0080】
さらに、各台座29には、対応する第2の転動体7、17、25への液Lの通過のための少なくとも1つのスリット30が設けられる。
【0081】
加えて、第2の転動体7、17、25を濡れたままにするために液Lが台座へオーバーフローするように、台座29の高さは、画定リム28の高さよりも低くなっており、蓄積チャンバ11の内部で保たれる液Lのレベルは常に、台座29の高さよりも高い。
【0082】
加えて、アセンブリ1は、少なくとも1つの液L通過チャンバ31を含み、それは、蓄積チャンバ11と流体連通して関連付けられ、ギアトレインのギアセットのうちの少なくとも1つの方へ液を送るための少なくとも1つの出口32を有する。
【0083】
好ましくは、通過チャンバ31は蓄積チャンバ11に隣接しており、画定リム28の外側に関連付けられ、画定リム28には、蓄積チャンバ11から通過チャンバ31への液Lのオーバーフローのための少なくとも1つの溢出路開口33が設けられる。
【0084】
図示された実施形態では、蓄積チャンバ11の周囲の一部に沿って延在する単一の通過チャンバ31があるが、必ずしも相互接続される必要はないものの各々蓄積チャンバ11に接続されるいくつかの通過チャンバを有する可能性は除外されない。
【0085】
通過チャンバ31は平面視でU字型であり、減速段8および8’の両側の2つの細長い翼状部分と、開口33が位置する中間接続部分とを有する。
【0086】
通過チャンバ31の底の開口33には、チャンバの翼状部分への液Lの分配のための敷居(sill)34がある。
【0087】
通過チャンバ31は、2つの出口32を、通過チャンバの対応する翼状部分に1つずつ有し、出口32は、液をギアセット8および8’へ通すためのそれぞれのダクト35に関連付けられる。
【0088】
ギアトレインの回転方向が各ギアセット8および8’について双方向性である場合、回転方向に従って、ギアの異なるアプローチゾーンに2つのダクト35を有することが好ましい。
【0089】
出口32で、通過チャンバ31は、その内部の液Lの水頭がそれらの開口部から対応するダクト35を通って出る液に加える推力を増加させるために、より深くなっている。
【0090】
最後に、通過チャンバ31は、回収槽14へ戻る際の液Lの冷却を促進するために液が本体2の側面2cの内側にあたって流れ落ちるように、少なくとも1つの液Lオーバーフローポケット36と連通する。
【0091】
図示された実施形態では、通過チャンバ31の細長い長さの端に、2つのポケット36がある。
【0092】
汲上げ手段15によって蓄積チャンバ11に供給された液Lは、液の再生および冷却を可能にするように、部分的に開口33を通って通過チャンバ31内へ流れ、ここからポケット36内へ流れ、回収槽14に向かう。
【0093】
それに代えて、通過チャンバ31がない場合、依然として、蓄積チャンバ11と直接流体連通する少なくとも1つのオーバーフローポケットがあってもよく、そのため、汲上げ手段15によってチャンバに供給された液Lは、部分的にポケットを通って回収槽14に向かって流れ、その再生および冷却を可能にする。
【0094】
なお、蓄積チャンバ11内への減少した量の液の流出は、上述の循環および再生、ならびにギアセット8、8’のみの十分な潤滑を得るのに十分であるという点、第2の転動体7、17、25は蓄積チャンバ11の液L含有物に浸漬されるという点で、汲上げ手段15によって分配される必要がある液の流量はむしろ抑えられる。
【0095】
本発明の動作は、以下の通りである。
アセンブリ1が非稼働状態(
図2〜3)にある場合、すなわち、入力シャフト4が回転作動されず、汲上げ手段15が停止された場合、液Lは蓄積チャンバ11に、チャンバの底より上のレベルL1まで含有される。レベルL1は、画定リム28の高さよりも低いものの、少なくとも台座29の高さと等しい。
【0096】
このように、垂直シャフト4、5、および23の第2の転動体7、17、および25は、ギアトレインの作動および汲上げ手段15の動作とは独立して、蓄積チャンバ11内に存在する液Lの浴に常に少なくとも部分的に浸漬され、より好ましくは完全に浸漬される。
【0097】
なお、封止手段13、19、21と、蓄積チャンバ11の内部でのダクト22の延在とのおかげで、アセンブリ1が稼働していない場合にチャンバからの液Lの漏れが回避され、そのため、レベルL1は、時間がたっても一定に保たれる。
【0098】
この状態では、好都合なことに、本体2の底の回収槽14に含有される液LのレベルL3は、少なくとも第1のギアセット8に達するように、かつ、第1の転動体16および24を浸漬されたままにするようになっている。
【0099】
点火過渡現象中、入力シャフト4に付与された回転は汲上げ手段15の動作を起動し、汲上げ手段15は回収槽14からの液Lを蓄積チャンバ11の方へ供給し始め、その内部の液Lのレベルの漸進的増加と、回収槽14内に存在する液Lのレベルの漸進的減少とを引き起こす。さらに、第1のギアセット8のホイール9および10の回転は、回収槽14に含有される液Lの跳ね散りを引き起こして第2のギアセット8’も潤滑し、一方、液Lは、出口32から、対応するダクト35を通って、ギアセット8および8’の方へ流れ始める。
【0100】
正常走行動作状態(
図4〜6)中、上述の過渡現象がいったん終わると、蓄積チャンバ11内に存在する液Lは、その再生および冷却を可能にするために、通過チャンバ31も充填するように、かつ、ここからポケット36の方へ流れ続けるように、少なくとも開口33の高さと等しいレベルL2で安定する。
【0101】
さらに、出口32における、通過チャンバ31内に存在する液Lの水頭は、回収槽14における液Lの跳ね散りがない場合でも、ギアセット8および8’を潤滑するのに十分な量の液Lが対応するダクト35から流出することを可能にする。
【0102】
実際、回収槽14では、液Lは、跳ね散り現象が持続しないように、第1のギアセット8よりも下に位置するレベルL4で安定し、その結果、液Lの望ましくない加熱が生じる。
【0103】
なお、開口33の高さは、蓄積チャンバ11に含有される液Lの表面が蓋の内側にひたひたと打ち寄せるように、蓋2bの内面とほぼ等しくなっており、液Lの冷却に有利に働く。
【0104】
実際には、上述のようなこの発明が意図された目標および目的を達成することが分かっており、特に、この発明に従ったアセンブリは、モータがオフにスイッチされていても、油循環ポンプの動作および環境状態とは独立して、ギアトレインの1つ以上の垂直シャフトの少なくとも上部ベアリングを十分に潤滑されたままにすることができるということが、注目を集めている。
【0105】
さらに、この発明に従ったアセンブリは、跳ね散り、ひいては、潤滑油の望ましくない加熱という現象を減少させることを可能にする。
【0106】
大事なことを言い残していたが、この発明に従ったアセンブリは、潤滑油の効力および寿命を増加させるように潤滑油の冷却を最適化することを可能にする。
【0107】
このように考案されたこの発明は、多くの変更および変形の余地があり、それらはすべて、添付された特許請求の範囲内にある。
【0108】
また、詳細はすべて、技術的に均等の他の要素によって置き換えられてもよい。
実際には、採用された材料、ならびに、付随する寸法および形状は、ここに請求される保護の範囲からこの理由のために逸脱することなく、要件に従ったあらゆるものであってもよい。
【0109】
本願が優先権を主張するイタリア特許出願第102018000003467号における開示が、ここに引用により援用される。
【0110】
任意の請求項で述べられる技術的特徴に参照符号が続く場合、当該参照符号は、請求項の理解度を高めるという唯一の目的のために含まれたものであり、したがって、そのような参照符号は、そのような参照符号によって例として識別される各要素の解釈に対して限定的影響を何ら与えない。
【国際調査報告】