特表2021-517634(P2021-517634A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-517634レーザーレーダーシステム及びレーザー測距方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-517634(P2021-517634A)
(43)【公表日】2021年7月26日
(54)【発明の名称】レーザーレーダーシステム及びレーザー測距方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20210625BHJP
【FI】
   G01S7/481 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-564820(P2018-564820)
(86)(22)【出願日】2018年4月24日
(85)【翻訳文提出日】2018年12月5日
(86)【国際出願番号】CN2018084242
(87)【国際公開番号】WO2019192038
(87)【国際公開日】20191010
(31)【優先権主張番号】201810297479.8
(32)【優先日】2018年4月4日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518432919
【氏名又は名称】無錫流深光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】DEEPWATER OPTOELECTRONICS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 偉 偉
(72)【発明者】
【氏名】王 海 瑛
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084BA04
5J084BA05
5J084BA14
5J084BA38
5J084BA48
5J084BB04
5J084BB07
5J084BB31
5J084EA11
5J084EA31
(57)【要約】
本発明の実施例はレーザーレーダーシステム及びレーザー測距方法を提供する。該レーザーレーダーシステムはレーザー走査部材及び回転部材を含み、上記レーザー走査部材は送信アセンブリ、送信レンズ、受信レンズ及び受信アセンブリを含む。上記送信アセンブリは複数の送信機モジュール、複数のマルチコア光ファイバコネクタ及び第1光ファイバアレイを含み、上記受信アセンブリは複数の受信機モジュール、複数のマルチコア光ファイバコネクタ及び第2光ファイバアレイを含む。本発明の実施例によるレーザーレーダーシステムは、光ファイバアレイを送信アセンブリのレーザー送信端及び受信アセンブリの反射光入射端とすることによって、レーザーレーダーの体積を減少して、生産コストを低減させることができる。また、マルチコア光ファイバコネクタによってレーザー送信機及び受信機を光ファイバアレイにグルーピングして接続することによって、レーザーレーダー構造のモジュラーを実現することができ、それによりレーザーレーダーのメンテナンスコストを低減させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザーレーダーシステムであって、レーザー走査部材及び回転部材を含み、
前記回転部材は、前記レーザー走査部材を回転することに用いられ、
前記レーザー走査部材は、
複数の送信機モジュール、複数のマルチコア光ファイバコネクタ及び第1光ファイバアレイを含み、前記複数の送信機モジュールにおける各送信機モジュールは複数のレーザー送信機を含み、各レーザー送信機が1本の光ファイバに対応し、且つ前記光ファイバによって光伝導し、前記複数のレーザー送信機に対応した複数の光ファイバが1つのマルチコア光ファイバコネクタによって前記第1光ファイバアレイに接続される送信アセンブリ、
前記第1光ファイバアレイからのレーザーをコリメーションした後に送信するための送信レンズ、
複数の受信機モジュール、複数のマルチコア光ファイバコネクタ及び第2光ファイバアレイを含み、前記複数の受信機モジュールにおける各受信機モジュールは複数の受信機を含み、各受信機が1本の光ファイバに対応して、且つ前記光ファイバが伝導した反射光を受信し、前記複数の受信機に対応した複数の光ファイバが1つのマルチコア光ファイバコネクタによって前記第2光ファイバアレイに接続される受信アセンブリ、及び、
前記レーザーの反射光を受信して、且つ前記反射光を前記第2光ファイバアレイに収束する受信レンズを更に含むことを特徴とするレーザーレーダーシステム。
【請求項2】
前記各送信機モジュールは複数のビーム整形器を更に含み、前記複数のビーム整形器が前記送信機モジュールにおける複数のレーザー送信機に一々対応し、前記ビーム整形器はレーザー送信機が送信したレーザーを対応した光ファイバにカップリングすることを特徴とする請求項1に記載のレーザーレーダーシステム。
【請求項3】
前記ビーム整形器はビスシリンドリカルレンズであり、前記ビスシリンドリカルレンズの2つのシリンダーの母線は互いに直交することを特徴とする請求項2に記載のレーザーレーダーシステム。
【請求項4】
前記ビーム整形器は光回折に基づくビーム整形器であり、コリメートレンズ、第1回折素子及び第2回折素子を含み、
前記コリメートレンズは、前記レーザー送信機が送信したビームを速軸方向においてコリメーションして、細長いストリップのビームに変えることに用いられ、
前記第1回折素子は、前記細長いストリップのビームを若干のビームに分け、中心ビームを除いて、残りの各ビームがそれぞれ異なる空間的向きに偏向することに用いられ、
前記第2回折素子は、前記残りの各ビームを補正して、前記残りの各ビームと前記中心ビームを重なり合わせ、且つ対応した光ファイバの端面にフォーカスすることに用いられることを特徴とする請求項2に記載のレーザーレーダーシステム。
【請求項5】
前記ビーム整形器は光回折に基づくビーム整形器であり、第1レンズ、第1回折素子、第2回折素子及び第2レンズを含み、
前記第1レンズは、前記レーザー送信機が送信したビームを速軸方向においてコリメーションして、細長いストリップのビームに変えることに用いられ、
前記第1回折素子は、前記細長いストリップのビームを若干のビームに分け、中心ビームを除いて、残りの各ビームがそれぞれ異なる空間的向きに偏向することに用いられ、
前記第2回折素子は、前記残りの各ビームを補正して、前記残りの各ビームと前記中心ビームを平行にさせることに用いられ、
前記第2レンズは、前記第2回折素子からの前記残りの各ビームと前記中心ビームを重なり合わせ且つ対応した光ファイバの端面にフォーカスすることに用いられることを特徴とする請求項2に記載のレーザーレーダーシステム。
【請求項6】
前記各受信機モジュールは複数のマイクロレンズを更に含み、前記複数のマイクロレンズが前記受信機モジュールにおける複数の受信機に一々対応し、光ファイバが伝導した反射光を対応した受信機に収束することに用いられることを特徴とする請求項1に記載のレーザーレーダーシステム。
【請求項7】
前記第1光ファイバアレイの端面は前記送信レンズの焦点面にあり、前記第2光ファイバアレイの端面は前記受信レンズの焦点面にあることを特徴とする請求項1に記載のレーザーレーダーシステム。
【請求項8】
前記第1光ファイバアレイは一次元光ファイバアレイ又は二次元光ファイバアレイであり、前記第2光ファイバアレイは一次元光ファイバアレイ又は二次元光ファイバアレイであることを特徴とする請求項1−7のいずれかに記載のレーザーレーダーシステム。
【請求項9】
前記送信アセンブリの複数の送信機モジュールは1つの回路基板に取り付けられ、或いは各送信機モジュールは1つの回路基板に取り付けられ、或いは前記複数の送信機モジュールは複数の回路基板グルーピングするように取り付けられることを特徴とする請求項1−5のいずれかに記載のレーザーレーダーシステム。
【請求項10】
前記受信アセンブリの複数の受信機モジュールは1つの回路基板に取り付けられ、或いは各受信機モジュールは1つの回路基板に取り付けられ、或いは前記複数の受信機モジュールは複数の回路基板にグルーピングするように取り付けられることを特徴とする請求項1又は6に記載のレーザーレーダーシステム。
【請求項11】
レーザー測距方法であって、レーザーレーダーシステムによってレーザー測距を行い、前記レーザーレーダーシステムはレーザー走査部材及び回転部材を含み、
前記レーザー走査部材は、送信アセンブリ、送信レンズ、受信アセンブリ及び受信レンズを含み、前記送信アセンブリは複数の送信機モジュール、複数のマルチコア光ファイバコネクタ及び第1光ファイバアレイを含み、前記複数の送信機モジュールにおける各送信機モジュールが複数のレーザー送信機を含み、各レーザー送信機が1本の光ファイバに対応し、前記複数のレーザー送信機に対応した複数の光ファイバは1つのマルチコア光ファイバコネクタによって前記第1光ファイバアレイに接続され、前記受信アセンブリは複数の受信機モジュール、複数のマルチコア光ファイバコネクタ及び第2光ファイバアレイを含み、前記複数の受信機モジュールにおける各受信機モジュールは複数の受信機を含み、各受信機が1本の光ファイバに対応し、前記複数の受信機に対応した複数の光ファイバは1つのマルチコア光ファイバコネクタによって前記第2光ファイバアレイに接続され、
前記回転部材は前記レーザー走査部材を回転し、
前記各レーザー送信機はレーザーを送信して、前記レーザーが対応した光ファイバによって光伝導され、且つ前記第1光ファイバアレイから送信され、
前記送信レンズは前記第1光ファイバアレイからのレーザーをコリメーションした後に送信し、
前記受信レンズは前記レーザーの反射光を受信して、且つ前記反射光を前記第2光ファイバアレイに収束し、
前記各受信機は対応した光ファイバが伝導した反射光を受信することを特徴とするレーザー測距方法。
【請求項12】
前記方法は、前記各送信機モジュールは複数のビーム整形器を含み、前記複数のビーム整形器が前記送信機モジュールにおける複数のレーザー送信機に一々対応し、前記ビーム整形器はレーザー送信機が送信したレーザーを対応した光ファイバにカップリングすることを更に含むことを特徴とする請求項11に記載のレーザー測距方法。
【請求項13】
前記ビーム整形器はビスシリンドリカルレンズであり、前記ビスシリンドリカルレンズの2つのシリンダーの母線は互いに直交することを特徴とする請求項12に記載のレーザー測距方法。
【請求項14】
前記ビーム整形器は光回折に基づくビーム整形器であり、コリメートレンズ、第1回折素子及び第2回折素子を含み、
前記ビーム整形器はレーザー送信機が送信したレーザーを対応した光ファイバにカップリングするのは、
前記コリメートレンズは前記レーザー送信機が送信したビームを速軸方向においてコリメーションして、細長いストリップのビームに変えること、
前記第1回折素子は前記細長いストリップのビームを若干ビームに分け、中心ビームを除いて、残りの各ビームがそれぞれ異なる空間的向きに偏向すること、及び
前記第2回折素子は前記残りの各ビームを補正して、前記残りの各ビームと前記中心ビームを重なり合わせ、且つ対応した光ファイバの端面にフォーカスすることを含むことを特徴とする請求項12に記載のレーザー測距方法。
【請求項15】
前記ビーム整形器は光回折に基づくビーム整形器であり、第1レンズ、第1回折素子、第2回折素子及び第2レンズを含み、
前記ビーム整形器はレーザー送信機が送信したレーザーを対応した光ファイバにカップリングするのは、
前記第1レンズは前記レーザー送信機が送信したビームを速軸方向においてコリメーションして、細長いストリップのビームに変えること、
前記第1回折素子は前記細長いストリップのビームを若干ビームに分け、中心ビームを除いて、残りの各ビームがそれぞれ異なる空間的向きに偏向すること、
前記第2回折素子は前記残りの各ビームを補正して、前記残りの各ビームと前記中心ビームを平行にさせること、及び
前記第2レンズは前記第2回折素子からの前記残りの各ビーム及び前記中心ビームを重なり合わせ且つ対応した光ファイバの端面にフォーカスすることを含むことを特徴とする請求項12に記載のレーザー測距方法。
【請求項16】
前記各受信機モジュールは複数のマイクロレンズを更に含み、前記複数のマイクロレンズが前記受信機モジュールにおける複数の受信機に一々対応し、前記マイクロレンズは光ファイバが伝導した反射光を対応した受信機に収束することを特徴とする請求項11に記載のレーザー測距方法。
【請求項17】
前記第1光ファイバアレイの端面は前記送信レンズの焦点面にあり、前記第2光ファイバアレイの端面は前記受信レンズの焦点面にあることを特徴とする請求項11に記載のレーザー測距方法。
【請求項18】
前記第1光ファイバアレイは一次元光ファイバアレイ又は二次元光ファイバアレイであり、前記第2光ファイバアレイは一次元光ファイバアレイ又は二次元光ファイバアレイであることを特徴とする請求項11−17のいずれかに記載のレーザー測距方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2018年04月04日に中国特許庁に提出し、出願番号が201810297479.8で、発明の名称が「レーザーレーダーシステム及びレーザー測距方法」の中国特許出願の優先権を主張し、全ての内容を引用によって本出願に組み合わせる。
【0002】
本発明はレーザー検出及び測距技術分野に関し、特にレーザーレーダーシステム及びレーザー測距方法に関する。
【背景技術】
【0003】
レーザー検出及び測距(Light Detection And Ranging、LiDAR)システムは一般的にレーザーレーダーシステムと呼ばれる。レーザーレーダーの基本的な作業原理は、レーザー送信機はレーザーをターゲットオブジェクトに発射し、受信機はターゲットオブジェクトの発射光を受け、レーザーレーダーはレーザー測距原理に基づきレーザーレーダーからターゲットオブジェクトまでの距離を計算する。なかには、1つのレーザー送信機と1つの受信機を1つのレーザー測距チャネルに組成する。レーザーはターゲットオブジェクトを持続的に走査することによって、該ターゲットオブジェクトにおける全ての目標点のデータを取得することができ、該データをイメージング処理した後で該ターゲットオブジェクトの3次元立体画像することができる。
【0004】
よく見られた3次元レーザーレーダーは機械式回転レーザーレーダーであり、多くのペアのレーザー送信機及び受信機を含み、各ペアのレーザー送信機及び受信機は異なる空間的な角度位置に向かって、セクターカバレッジを形成し、次に、一軸回転機構を利用し、上記の多くのペアのレーザー送信機及び受信機の全体の回転を駆動し、3次元レーザー走査を実現する。
【0005】
上記の機械式回転レーザーレーダーのレーザー送信機及び受信機の数が多く、サイズが大きいため、隣接するレーザー測距チャネルの間に大きな物理的間隔が存在し、それによりレーザーレーダー全体のサイズが大きくなり、角度解像度が低い。同時に、正確なフォーカス、送信及び受信光軸の正確な平行を確保するように、各レーザー測距チャネルのレーザー送信機及び受信機を正確に較正する必要があり、且つ隣接するレーザー測距チャネルの間の微小で正確な角度間隔を確保する必要があり、このようなレーザーレーダーの組立及び調整較正の作業負荷が大きくなり、生産効率が低くなり、それにより非常に高い生産コストをもたらす。また、各レーザー測距チャネルの調整較正作業が完成した後に、全てのレーザー送信機及び受信機を接着して固定する必要があるため、一旦ある又はいくつかのレーザー測距チャネルが損壊される際に、全てのレーザー測距チャネルを改めて行組立及び調整較正する必要があり、修理コストが非常に高い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
これに対して、本発明の実施例はレーザーレーダーシステムを提供し、レーザースキャン部材及び回転部材を備え、上記回転部材は上記レーザー走査部材を回転することに用いられ、上記レーザー走査部材は、送信アセンブリ、送信レンズ、受信アセンブリ及び受信レンズを含み、上記送信アセンブリは複数の送信機モジュール、複数のマルチコア光ファイバコネクタ及び第1光ファイバアレイを含み、上記複数の送信機モジュールにおける各送信機モジュールは複数のレーザー送信機を含み、各レーザー送信機は1本の光ファイバに対応して、且つ、この光ファイバによって光伝導を行い、上記複数のレーザー送信機に対応した複数の光ファイバは1つのマルチコア光ファイバコネクタによって上記第1光ファイバアレイに接続され、上記送信レンズは上記第1光ファイバアレイからのレーザーをコリメーションした後に送信することに用いられ、上記受信アセンブリは複数の受信機モジュール、複数のマルチコア光ファイバコネクタ及び第2光ファイバアレイを含み、上記複数の受信機モジュールにおけるそれぞれ受信機モジュールは複数の受信機を含み、各受信機は1本の光ファイバに対応して、且つ該光ファイバが伝導した反射光を受信し、上記複数の受信機に対応した複数の光ファイバは1つのマルチコア光ファイバコネクタによって上記第2光ファイバアレイに接続され、受信レンズは、上記レーザーの反射光を受信して、且つ該反射光を上記第2光ファイバアレイに収束することに用いられる。
【0007】
更に、上記各送信機モジュールは複数のビーム整形器を更に含み、上記複数のビーム整形器が上記送信機モジュールにおける複数のレーザー送信機に一々対応し、上記ビーム整形器はレーザー送信機が送信したレーザーを対応した光ファイバ内にカップリングすることに用いられる。選択可能に、上記ビーム整形器はビスシリンドリカルレンズであってよく、該ビスシリンドリカルレンズの2つのシリンダーの母線は互いに直交する。
【0008】
或いは、上記ビーム整形器は光回折に基づくビーム整形器であってよく、レーザー送信機が送信したビームを速軸方向においてコリメーションし、細長いストリップのビームになるためのコリメートレンズ、上記細長いストリップのビームを若干のビームに分け、中心ビームを除いて、残りの各ビームをそれぞれ異なる空間的向きへ偏向するための第1回折素子、及び上記残りの各ビームを補正して、上記残りの各ビームと上記中心ビームを重なり合わせ、且つ対応した光ファイバの端面にフォーカスするための第2回折素子を含む。
【0009】
選択可能に、上記ビーム整形器は他の光回折に基づくビーム整形器であってもよく、レーザー送信機が送信したビームを速軸方向においてコリメーションし、細長いストリップのビームに変えるための第1レンズ、上記細長いストリップのビームを若干のビームに分け、中心ビームを除いて、残りの各ビームをそれぞれ異なる空間的向きへ偏向するための第1回折素子、上記残りの各ビームを補正して、上記残りの各ビームと上記中心ビームを平行にさせるための第2回折素子、及び上記第2回折素子からの上記残りの各ビームと上記中心ビームを重なり合わせ、対応した光ファイバの端面にフォーカスするための第2レンズを含む。
【0010】
更に、上記それぞれ受信機モジュールは複数のマイクロレンズを更に含み、上記複数のマイクロレンズが該受信機モジュールにおける複数の受信機に一々対応し、光ファイバが伝導した反射光を対応した受信機に収束することに用いられる。
【0011】
更に、上記第1光ファイバアレイの端面は上記送信レンズの焦点面にあり、上記第2光ファイバアレイの端面は上記受信レンズの焦点面にある。上記第1光ファイバアレイ及び上記第2光ファイバアレイは一次元光ファイバアレイ又は二次元光ファイバアレイである。
【0012】
選択可能に、上記送信アセンブリの複数の送信機モジュールは1つの回路基板に取り付けられ、或いは各送信機モジュールは1つの回路基板に取り付けられ、或いは上記複数の送信機モジュールはグルーピングするように複数の回路基板に取り付けられる。
【0013】
選択可能に、上記受信アセンブリの複数の受信機モジュールは1つの回路基板に取り付けられ、或いは各受信機モジュールは1つの回路基板に取り付けられ、或いは上記複数の受信機モジュールはグルーピングするように複数の回路基板に取り付けられる。
【0014】
本発明の実施例はレーザー測距方法を更に提供し、レーザーレーダーシステムによってレーザー測距を行い、該レーザーレーダーシステムの構造は上記レーザーレーダーシステムと同様である。
【0015】
上記レーザーレーダーシステムの回転部材は上記レーザーレーダーシステムのレーザー走査部材を回転し、上記レーザーレーダーシステムの各レーザー送信機はレーザーを送信し、上記レーザーが対応した光ファイバによって光伝導され、且つ上記第1光ファイバアレイから送信され、上記レーザーレーダーシステムの送信レンズは上記第1光ファイバアレイからレーザーをコリメーションした後に送信し、上記レーザーレーダーシステムの受信レンズは上記レーザーの反射光を受信し、且つ該反射光を上記第2光ファイバアレイに収束し、上記レーザーレーダーシステムの各受信機は対応した光ファイバが伝導した反射光を受信する。
【0016】
更に、上記レーザー測距方法は、上記レーザーレーダーシステムの各送信機モジュールは複数のビーム整形器を含み、上記複数のビーム整形器が該送信機モジュールにおける複数のレーザー送信機に一々対応し、上記ビーム整形器がレーザー送信機が送信したレーザーを対応した光ファイバ内にカップリングするステップを更に含む。
【0017】
選択可能に、上記ビーム整形器はビスシリンドリカルレンズであり、該ビスシリンドリカルレンズの2つのシリンダーの母線は互いに直交する。
【0018】
選択可能に、上記ビーム整形器は光回折に基づくビーム整形器であり、コリメートレンズ、第1回折素子及び第2回折素子を含み、上記ビーム整形器はレーザー送信機が送信したレーザーを対応した光ファイバ内にカップリングするのは、上記コリメートレンズは上記レーザー送信機が送信したビームを速軸方向においてコリメーションし、細長いストリップのビームに変えること、上記第1回折素子は上記細長いストリップのビームを若干のビームに分け、中心ビームを除いて、残りの各ビームをそれぞれ異なる空間的向きへ偏向すること、及び上記第2回折素子は上記残りの各ビームを補正して、上記残りの各ビームと上記中心ビームを重なり合わせ、且つ対応した光ファイバの端面にフォーカスすることを含む。
【0019】
選択可能に、上記ビーム整形器は他の光回折に基づくビーム整形器であり、第1レンズ、第1回折素子、第2回折素子及び第2レンズを含み、上記ビーム整形器はレーザー送信機が送信したレーザーを対応した光ファイバ内にカップリングするのは、上記第1レンズは上記レーザー送信機が送信したビームを速軸方向においてコリメーションし、細長いストリップのビームに変えること、上記第1回折素子は上記細長いストリップのビームを若干のビームに分け、中心ビームを除いて、残りの各ビームをそれぞれ異なる空間的向きへ偏向すること、上記第2回折素子は上記残りの各ビームを補正して、上記残りの各ビームと上記中心ビームを平行にさせること、及び上記第2レンズは上記第2回折素子からの上記残りの各ビームと上記中心ビームを重なり合わせ、且つ対応した光ファイバの端面にフォーカスすることを含む。
【0020】
更に、上記レーザーレーダーシステムの各受信機モジュールは複数のマイクロレンズを更に含み、上記複数のマイクロレンズが該受信機モジュールにおける複数の受信機に一々対応し、上記マイクロレンズは光ファイバが伝導した反射光を対応した受信機に収束する。
【0021】
更に、上記第1光ファイバアレイの端面は上記送信レンズの焦点面にあり、上記第2光ファイバアレイの端面は上記受信レンズの焦点面にある。
【0022】
選択可能に、上記第1光ファイバアレイは一次元光ファイバアレイ又は二次元光ファイバアレイであり、上記第2光ファイバアレイは一次元光ファイバアレイ又は二次元光ファイバアレイである。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施例によるレーザーレーダーシステムは、光ファイバアレイを送信アセンブリのレーザー送信端及び受信アセンブリの反射光入射端として使用することによって、レーザーレーダーの体積を減少して、生産コストを低減させることができ、また、マルチコア光ファイバコネクタによってレーザー送信機及び受信機をグルーピングするように光ファイバアレイに接続することによって、レーザーレーダー構造のモジュラーを実現することができ、それによりレーザーレーダーのメンテナンスコストを低減させる。
【0024】
本発明の実施例の技術的解決手段をより明確的に説明するために、以下、実施例の叙述に使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかで、以下で叙述した図面はただ本発明のある実施例だけであり、当業者にとって、創造的な作業なしに更にこれらの図面に基づいてその他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は本発明の実施例によるレーザーレーダーシステムを示す構造模式図である。
図2図2は本発明の実施例によるレーザーレーダーシステムにおける送信アセンブリを示す構造模式図である。
図3図3は本発明の実施例によるレーザーレーダーシステムにおけるビスシリンドリカルレンズを示す構造模式図である。
図4図4は本発明の実施例によるレーザーレーダーシステムにおける1種の光回折に基づくビーム整形器を示す構造模式図である。
図5図5は本発明の実施例によるレーザーレーダーシステムにおける多種の光回折に基づくビーム整形器を示す構造模式図である。
図6図6は本発明の実施例によるレーザーレーダーシステムにおける受信アセンブリを示す構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を詳細的に説明し、無論、以下で説明された実施例は全部の実施例ではなく、本発明の一部の実施例だけである。以下の実施例に基づいて、当業者は創造的な労働なしに得られたすべての他の実施例は、いずれも本発明が保護する範囲に属する。
【0027】
図1に示すように、本実施例はレーザーレーダーシステムを提供し、回転部材11及びレーザー走査部材12を備える。上記回転部材11は上記レーザー走査部材12を回転することに用いられる。具体的に、該回転部材11によって上記レーザー走査部材12に360度の高速連続回転を実現させる。上記レーザー走査部材12は送信アセンブリ21、送信レンズ22、受信レンズ23及び受信アセンブリ24を含む。
【0028】
更に、上記レーザー走査部材12の送信アセンブリ21は複数の送信機モジュール、複数のマルチコア光ファイバコネクタ及び第1光ファイバアレイを含み、受信アセンブリ24は複数の受信機モジュール、複数のマルチコア光ファイバコネクタ及び第2光ファイバアレイを含む。
【0029】
図2に示すように、一選択可能な実施例として、本実施例における送信アセンブリ21はM個の送信機モジュール、M個のマルチコア光ファイバコネクタ及び第1光ファイバアレイ230を含む。Mは2より大きい又は等しい自然数である。
【0030】
例えば、上記M個の送信機モジュールは送信機モジュール211、送信機モジュール212、……送信機モジュール21Mを含み、上記M個のマルチコア光ファイバコネクタはマルチコア光ファイバコネクタ221、マルチコア光ファイバコネクタ222、……マルチコア光ファイバコネクタ22Mを含む。
【0031】
具体的に、上記送信アセンブリ21における各送信機モジュールは複数のレーザー送信機を含み、各レーザー送信機が1本の光ファイバに対応し、且つ該光ファイバによって光伝導を行い、各送信機モジュールの複数のレーザー送信機に対応した複数の光ファイバは1つのマルチコア光ファイバコネクタによって上記第1光ファイバアレイ230に接続される。図2に示すように、
送信機モジュール211にN個のレーザー送信機、例えばレーザー送信機211−1、レーザー送信機211−2、……レーザー送信機211−Nが含まれ、且つ上記N個のレーザー送信機はN本の光ファイバに一々対応し、該N本の光ファイバはマルチコア光ファイバコネクタ221によって第1光ファイバアレイ230に接続され、N個のレーザー送信機から第1光ファイバアレイ230までのN本の光路を形成し、
送信機モジュール212にN個のレーザー送信機、例えばレーザー送信機212−1、レーザー送信機212−2、……レーザー送信機212−Nが含まれ、且つ上記N个レーザー送信機はN本の光ファイバに一々対応し、該N本の光ファイバがマルチコア光ファイバコネクタ222によって第1光ファイバアレイ230に接続され、N個のレーザー送信機から第1光ファイバアレイ230までのN本の光路を形成し、
送信機モジュール21MにN個のレーザー送信機、例えばレーザー送信機21M−1、レーザー送信機21M−2、……レーザー送信機21M−Nが含まれ、且つ上記N個のレーザー送信機はN本の光ファイバに一々対応し、該N本の光ファイバがマルチコア光ファイバコネクタ22Mによって第1光ファイバアレイ230に接続され、N個のレーザー送信機から第1光ファイバアレイ230までのN本の光路を形成する。
【0032】
上記実施例によるレーザーレーダーシステムにおいて、送信アセンブリ21は合計N+N+…+N個のレーザー送信機が含まれ、該N+N+…+N個のレーザー送信機が送信したN+N+…+N本のレーザーを、N+N+…+N本の光路を介して第1光ファイバアレイ230に到達し、且つ第1光ファイバアレイ230の端面から送信され、即ち第1光ファイバアレイ230の端面が送信アセンブリ21のレーザー出射端となる。
【0033】
本実施例における上記N、N、…、Nは2より大きい又は等しい自然数である。
選択的な実施形態として、送信アセンブリの複数の送信機モジュールは1つの回路基板に取り付けられてもよいし、各送信機モジュールは1つの回路基板に取り付けられてもよく、例えば送信アセンブリは8つの送信機モジュールを含み、それぞれ8つの回路基板に取り付けられ、或いは複数の送信機モジュールはグルーピングするように複数の回路基板に取り付けられ、例えば送信アセンブリは8つの送信機モジュールを含み、各2つの送信機モジュールは1グループであり、4つの回路基板に取り付けられる。
【0034】
一好ましい実施例として、上記各送信機モジュールは複数のビーム整形器を更に含み、上記複数のビーム整形器が該送信機モジュールにおける複数のレーザー送信機に一々対応し、レーザー送信機が送信したレーザーを対応した光ファイバにカップリングすることに用いられる。図2に示すように、
送信機モジュール211にN個のビーム整形器、例えばビーム整形器201−1、ビーム整形器201−2、……ビーム整形器201−Nが含まれ、且つ上記N個のビーム整形器はそれぞれレーザー送信機211−1、レーザー送信機211−2、……レーザー送信機211−Nに一々対応し、上記N個のレーザー送信機が送信したレーザーを対応したN本の光ファイバにそれぞれカップリングすることに用いられ、
送信機モジュール212にN個のビーム整形器、例えばビーム整形器202−1、ビーム整形器202−2、……ビーム整形器202−Nが含まれ、且つ上記N個のビーム整形器はそれぞれレーザー送信機212−1、レーザー送信機212−2、……レーザー送信機212−Nに一々対応し、上記N個のレーザー送信機が送信したレーザーを対応したN本の光ファイバにそれぞれカップリングすることに用いられ、
送信機モジュール21MにN個のビーム整形器、例えばビーム整形器20M−1、ビーム整形器20M−2、……ビーム整形器20M−Nが含まれ、且つ上記N個のビーム整形器はレーザー送信機21M−1、レーザー送信機21M−2、……レーザー送信機21M−Nに一々対応し、上記N個のレーザー送信機が送信したレーザーを対応したN本の光ファイバにそれぞれカップリングすることにもちいられる。
【0035】
本実施例において上記N、N、…、Nは2以上の自然数である。
具体的な実施形態として、上記ビーム整形器は図3に示すようなビスシリンドリカルレンズであってよく、該ビスシリンドリカルレンズの2つのシリンダーの母線は互いに直交し、即ちビスシリンドリカルレンズのシリンダーAの母線L1とシリンダーBの母線L2とは互いに直交する。
【0036】
マルチラインレーザーレーダーによく使用された高出力パルスレーザーダイオードはエッジ発光半導体レーザーダイオード(Edge Emitting Laser Diode)であり、発光源はチップP/N接合(P−N Junction)の端面であり、即ちP/N接合の2つの平面が接するスロットである。このようなレーザー送信機の特徴は、P/N接合平面に平行である方向において、ビームの線形サイズが大きく(例えば50um〜数百um)、発散角が小さく(例えば10度)、P/N接合平面に垂直である方向において、ビームの線形サイズが小さく(例えば1 um −10um)、発散角が大きい(例えば45度)。線形サイズが大きく、発散角が小さい方向は、スロー軸(Slow Axis)と呼ばれ、線形サイズが小さく、発散角が大きい方向は、高速軸(Fast Axis)と呼ばれる。
【0037】
本実施例に用いられる図3に示すようなビスシリンドリカルレンズはレーザービームの高速軸及びスロー軸に対して2つの独立した光学システムをそれぞれ構成する。レーザー送信機が送信したレーザーが上記ビスシリンドリカルレンズを通過して、高速軸の発散角が減少し、スロー軸の発散角が増加し、それによりビームが高速軸及びスロー軸での発散角のバランス、接近を実現する。このため、本実施例に用いられるビスシリンドリカルレンズは高速軸及びスロー軸の2つの方向の違いが大きい楕円形のスポットを、高速軸及びスロー軸の2つの方向の違いが小さい円形又は方形スポットに整形することができ、ビームを光ファイバに効率よくカップリングさせる。
【0038】
選択可能に、上記ビーム整形器は光回折に基づくビーム整形器であってもよい。一つの実現手段として、図4に示すように、光回折に基づくビーム整形器であって、コリメートレンズ41、第1回折素子42及び第2回折素子43を含む。コリメートレンズ41はレーザー送信機が送信したビームを速軸方向においてコリメーションし、ビームを細長いストリップのビームに変えることに用いられる。一つの選択可能な実施手段として、該コリメートレンズはマイクロシリンドリカルミラーであってよい。第1回折素子42は上記細長いストリップのビームを若干のビームに分け、中心ビームを除いて、残りの各ビームをそれぞれ異なる空間的向きへ偏向することに用いられ、第2回折素子43は上記残りの各ビームを補正して、上記残りの各ビームと中心ビームを重なり合わせ、且つ対応した光ファイバの端面にフォーカスすることに用いられる。
【0039】
具体的に、図4に示すように、レーザービームがコリメートレンズ41を通過した後に細長いストリップのビームになる、該細長いストリップのビームが第1回折素子42によって3つのビーム、ビーム1、ビーム2(中心ビーム)及びビーム3に分けられ、ビーム1が下、右に向かって偏向し、ビーム2は中心ビームであり、システム光軸に平行である伝播方向を保持し、ビーム3が上、左に向かって偏向する。第2回折素子43はビーム1及びビーム3を補正し、上記ビーム1及びビーム3と中心ビーム2を重なり合わせ、高速軸及びスロー軸の2つの方向の線形サイズ及び発散角の両方が相対的に平衡した方形スポットを形成し、且つ対応した光ファイバの端面にフォーカスする。上記光回折に基づくビーム整形器はビームを光ファイバに効率よくカップリングさせることができる。
【0040】
他の実現手段として、図5に示すように、他の光回折に基づくビーム整形器は、第1レンズ51、第1回折素子52、第2回折素子53及び第2レンズ54を含む。第1レンズ51はレーザー送信機が送信したビームを速軸方向においてコリメーションし、細長いストリップのビームに変えることに用いられ、第1回折素子52は上記細長いストリップのビームを若干のビームに分け、中心ビームを除いて、残りの各ビームをそれぞれ異なる空間的向きへ偏向することに用いられ、第2回折素子53は上記残りの各ビームを補正して、上記残りの各ビームと上記中心ビームを平行にさせることに用いられ、第2レンズ54は上記第2回折素子53からの上記残りの各ビームと上記中心ビームを重なり合わせ、且つ対応した光ファイバの端面にフォーカスすることに用いられる。上記光回折に基づくビーム整形器はビームを光ファイバに効率よくカップリングさせることができる。
【0041】
具体的に、図5に示すように、レーザービームはコリメートレンズ51を通過した後に細長いストリップのビームに変え、該細長いストリップのビームが第1回折素子52によって3つのビーム、ビーム1、ビーム2(中心ビーム)及びビーム3に分けられ、ビーム1が下、右に向かって偏向し、ビーム2は中心ビームであり、システム光軸に平行である伝播方向を保持し、ビーム3が上、左に向かって偏向する。第2回折素子53はビーム1及びビーム3を補正して、上記ビーム1及びビーム3と中心ビーム2を平行にさせる。第2レンズ54は平行したビーム1、ビーム2及びビーム3を重なり合わせ、高速軸及びスロー軸の2つの方向の線形サイズ及び発散角の両方が相対的に平衡した方形スポットを形成し、且つ対応した光ファイバの端面にフォーカスする。上記光回折に基づくビーム整形器はビームを光ファイバに効率よくカップリングさせることができる。
【0042】
本実施例によるレーザーレーダーシステムの送信レンズ22は上記第1光ファイバアレイ230からのレーザーをコリメーションした後に送信することに用いられる。例えば、上記送信レンズ22は上記第1光ファイバアレイ230から上記複数の送信機モジュールからのレーザーを受信して、コリメーションした後、1つの扇形に分布されたレーザービームアレイを形成し、ターゲットオブジェクトに照射される。
【0043】
一つの具体的な実施形態として、上記第1光ファイバアレイ230は一次元光ファイバアレイ又は二次元光ファイバアレイであり、上記第1光ファイバアレイ230の端面は上記送信レンズ22の焦点面にある。
【0044】
図6に示すように、一選択可能な実施例として、本実施例における受信アセンブリ24は、M個の受信機モジュール、M個のマルチコア光ファイバコネクタ及び第2光ファイバアレイ260を含む。Mは2より大きい又は等しい自然数である。
【0045】
例えば、上記M個の受信機モジュールは受信機モジュール241、受信機モジュール242、……受信機モジュール24Mを含み、
上記M個のマルチコア光ファイバコネクタはマルチコア光ファイバコネクタ251、マルチコア光ファイバコネクタ252、……マルチコア光ファイバコネクタ25Mを含む。
【0046】
本実施例による受信アセンブリにおける各受信機モジュールは複数の受信機を含み、各受信機が1本の光ファイバに対応し、且つ該光ファイバが伝導した反射光を受信し、各受信機モジュールの複数の受信機に対応した複数の光ファイバは1つのマルチコア光ファイバコネクタによって上記第2光ファイバアレイ260に接続される。図6に示すように、
受信機モジュール241はN個の受信機、例えば受信機241−1、受信機241−2、…受信機241−Nを含み、且つ上記N個の受信機がN本の光ファイバに一々対応し、該N本の光ファイバがマルチコア光ファイバコネクタ251によって上記第2光ファイバアレイ260に接続され、N個の受信機から第2光ファイバアレイ260までのN本の光路を形成し、
受信機モジュール242はN個の受信機、例えば受信機242−1、受信機242−2、……受信機242−Nを含み、且つ上記N個の受信機がN本の光ファイバに一々対応し、該N本の光ファイバはマルチコア光ファイバコネクタ252によって上記第2光ファイバアレイ260に接続され、N個の受信機から第2光ファイバアレイ260までのN本の光路を形成し、
受信機モジュール24MはN個の受信機、例えば受信機24M−1、受信機24M−2、……受信機24M−Nを含み、且つ上記N個の受信機がN本の光ファイバに一々対応し、該N本の光ファイバがマルチコア光ファイバコネクタ25Mによって上記第2光ファイバアレイ260に接続され、N個の受信機から第2光ファイバアレイ260までのN本の光路を形成する。
【0047】
本実施例において上記N、N、…、Nは2以上の自然数である。
本発明の実施例における1つのレーザー送信機と対応した1つの受信機とは1つのレーザー測距チャネルを組成するため、上記実施例において合計N+N+…+N個のレーザー測距チャネルがある。
【0048】
選択的な実施形態として、受信アセンブリ24の複数の受信機モジュールは1つの回路基板に取り付けられてもよいし、各受信機モジュールは1つの回路基板に取り付けられてもよく、例えば受信アセンブリ24は8つの受信機モジュールを含み、それぞれ8つの回路基板に取り付けられ、或いは複数の受信機モジュールが複数の回路基板にグルーピングするように取り付けられ、例えば受信アセンブリ24は8つの受信機モジュールを含み、各2つの受信機モジュールは1グループであり、4つの回路基板に取り付けられる。
【0049】
一つの好ましい実施例として、上記各受信機モジュールは複数のマイクロレンズを更に含み、上記複数のマイクロレンズが該受信機モジュールにおける複数の受信機に一々対応し、光ファイバが伝導した反射光を対応した受信機に収束することに用いられる。図5に示すように、
受信機モジュール241にN個のマイクロレンズ、例えばマイクロレンズ271−1、マイクロレンズ271−2、……マイクロレンズ271−Nが含まれ、且つ上記N個のマイクロレンズがそれぞれ受信機241−1、受信機241−2、……受信機241−Nに一々対応し、
受信機モジュール242にN個のマイクロレンズ、例えばマイクロレンズ272−1、マイクロレンズ272−2、……マイクロレンズ272−Nが含まれ、且つ上記N個のマイクロレンズがそれぞれ受信機242−1、受信機242−2、……受信機242−Nに一々対応し、
受信機モジュール24MにN個のマイクロレンズ、例えばマイクロレンズ27M−1、マイクロレンズ27M−2、……マイクロレンズ27M−Nが含まれ、上記N個のマイクロレンズが受信機24M−1、受信機24M−2、……受信機24M−Nに一々対応する。
【0050】
受信レンズ23はレーザーの反射光を受信して、且つ反射光を第2光ファイバアレイ260に収束し、即ち第2光ファイバアレイ260の端面が受信アセンブリ24のレーザー入射端となる。具体的に、受信レンズ23はターゲットオブジェクトによって反射された光、即ち反射光を受信し、該反射光は上記一番目の光ファイバアレイ230が送信したN+N+…+N本のレーザーの反射光である。上記反射光は受信レンズによって収束された後に、上記第2光ファイバアレイ260の端面に到達し、且つN+N+…+N本の光路を通過してN+N+…+N個の受信機に到達する。例えば、光路可逆性に基づき、送信レンズ21により送信出した扇形に分布されたレーザービームアレイを、ターゲットオブジェクトにより反射した後に、反射光が依然として扇形アレイに受信レンズ23に入って且つフォーカスされ、第2光ファイバアレイ260に入る。
【0051】
本実施例において上記N、N、…、Nは2以上の自然数である。
具体的な実施形態として、上記第2光ファイバアレイ260は一次元光ファイバアレイ又は二次元光ファイバアレイであり、上記第2光ファイバアレイ260の端面は上記受信レンズ23の焦点面にある。
【0052】
本発明の実施例はレーザー測距方法を更に提供し、該レーザー測距方法は前記の実施例によるレーザーレーダーシステムによってレーザー測距を行い、該レーザーレーダーシステムの具体的な構造及び作業過程は上記実施例のようなものであり、ここで説明しない。
【0053】
本発明の実施例によるレーザーレーダーシステムは、全てのレーザー送信機から送信レンズまで、受信レンズから受信機までの光路はいずれも細い、柔らかい光ファイバによって接続され、且つレーザーの出射端及び反射光の入射端はいずれも光ファイバアレイの端面であるため、送信アセンブリの光ファイバアレイを送信レンズの焦点面に取り付け、受信アセンブリの光ファイバアレイを受信レンズの焦点面に取り付けるだけで、レーザー送信機及び受信機の配列は送信及び受信角度の制限を受けなく、レーザー走査部材の任意の位置にレイアウトすることができる。同時に、光ファイバアレイのサイズが小さく、光ファイバの集積度が高いため、光ファイバアレイを送信アセンブリにおけるレーザーの出射端及び入射アセンブリにおけるレーザーの入射端とする場合に、送信端及び受信端はただそれぞれ1つの小口径のレンズ窓だけで、数十のチャネルのマルチラインレーザーレーダーを実現することができる。以上のように、本実施例による技術的解決手段によって、機械式回転レーザーレーダーの体積を減少することができる。
【0054】
他方で、光ファイバアレイを送信アセンブリのレーザー出射端及び受信アセンブリのレーザー入射端として、複数のレーザー測距チャネルの相対角度位置を正確に固定することを実現する。このため、本実施例によるレーザーレーダーシステムはレーザー測距チャネルがどのぐらいあるにも関わらず、ただ勝手に2つのレーザー測距チャネルを選択してフォーカス及び光軸アライメント作業を行うだけで、残りの全てのレーザー測距チャネルの正確なフォーカス及び光軸アライメントを実現することができ、全てのレーザー測距チャネルを逐一に調整較正する必要がなく、隣接するチャネルの角度間隔を逐一に調整する必要もなく、マルチラインレーザーレーダーの組立及び調整較正効率を大幅に向上させ、生産コストを低減させる。
【0055】
なお、本発明の実施例によるレーザーレーダーシステムは、レーザー送信機と第1光ファイバアレイとの間の光ファイバは複数のマルチコア光ファイバコネクタによってグルーピングして接続され、受信機と第2光ファイバアレイとの間の光ファイバも複数のマルチコア光ファイバコネクタによってグルーピングして接続されるため、あるレーザー送信機又は受信機に故障が発生する場合に、該レーザー送信機又は受信機を接続するそのマルチコア光ファイバコネクタを分離して、対応した送信機モジュール又は受信機モジュールを取り外して修理又は交換すればよく、全てのレーザー送信機又は受信機を分解する必要がない。それと同時に、マルチコア光ファイバコネクタの接続によって、レーザー送信機と送信アセンブリの光ファイバアレイとは相対的に独立したモジュールになり、受信機と受信アセンブリの光ファイバアレイも相対的に独立したモジュールになるため、レーザー送信機又は受信機の分解、修理は光ファイバアレイのレイアウト及び位置に影響を与えなく、修正作業が完成した後にレーザー測距チャネルのフォーカス及び光軸アライメント作業を改めて行う必要がなく、レーザーレーダーの修理コストを低減させる。以上のように、本実施例によるレーザーレーダーシステムは、複数のマルチコア光ファイバコネクタによって複数のレーザー送信機を送信アセンブリの光ファイバアレイにグルーピングして接続し、複数のマルチコア光ファイバコネクタによって複数の受信機グルーピングを受信アセンブリの光ファイバアレイに接続することによって、レーザーレーダーの送信アセンブリ及び受信アセンブリはモジュラー構造を実現させ、それにより送信アセンブリと受信アセンブリのグルーピング分解及びプラグアンドプレイを実現し、レーザーレーダーのメンテナンスコストを低減させる。
【0056】
以上の実施例及び図面は本発明の技術的解決手段の例示的な説明だけであり、本発明の保護範囲を限定するためのものではない。本発明の精神及び原則を逸脱しない限り、行った任意の修正、等価置換、改善等は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】