特表2021-517938(P2021-517938A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-517938層間騒音を低減し改修及び補修が容易な複層型共同住宅の設計構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-517938(P2021-517938A)
(43)【公表日】2021年7月29日
(54)【発明の名称】層間騒音を低減し改修及び補修が容易な複層型共同住宅の設計構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/98 20060101AFI20210702BHJP
   E04B 1/18 20060101ALI20210702BHJP
   E04B 5/43 20060101ALI20210702BHJP
【FI】
   E04B1/98 U
   E04B1/18 A
   E04B5/43 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-550682(P2020-550682)
(86)(22)【出願日】2019年4月2日
(85)【翻訳文提出日】2020年10月6日
(86)【国際出願番号】KR2019003867
(87)【国際公開番号】WO2019194532
(87)【国際公開日】20191010
(31)【優先権主張番号】10-2018-0038501
(32)【優先日】2018年4月3日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】520357534
【氏名又は名称】パク デユン
(71)【出願人】
【識別番号】520356892
【氏名又は名称】パク ジヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】パク デユン
(72)【発明者】
【氏名】パク ジヨン
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DF02
2E001DF06
2E001FA02
2E001FA11
2E001GA63
2E001HA04
(57)【要約】
本発明は上部層と下部層からなる2層が一つに統合されて複層型で構成される複数個の単位世帯が垂直・水平方向に繰り返し配置される共同住宅の設計構造において、各単位世帯は上部層に居間が配置され、下部層には複数個の寝室が配置され、隣接した単位世帯の側面境界には互いに離隔した二重柱がそれぞれ設置されるものの、前記二重柱は単位世帯の内部に位置する一対の第1柱と単位世帯の外部に位置して隣接した単位世帯の内部に位置する一対の第2柱で構成され、前記第1柱には荷重を伝達させる構造体として役割を遂行する第1梁部材が連結設置され、前記第2柱には荷重を伝達させる構造体として役割を遂行する第2梁部材が連結設置され、前記下部層スラブの側面に前記第1柱と第2柱を連結させる二重柱連結梁がさらに構成されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部層(UF)と下部層(LF)からなる2層が一つに統合されて複層型で構成される複数個の単位世帯(A)が垂直・水平方向に繰り返し配置される共同住宅の設計構造において、
各単位世帯(A)は上部層(UF)に居間(LR)が配置され、下部層(LF)には複数個の寝室(BR)が配置され、隣接した単位世帯(A)の側面境界には互いに離隔した二重柱(10)がそれぞれ設置されるものの、
前記二重柱(10)は単位世帯(A)の内部に位置する一対の第1柱(10a)と単位世帯(A)の外部に位置して隣接した単位世帯(A)の内部に位置する一対の第2柱(10b)で構成され、
前記第1柱(10a)には荷重を伝達させる構造体として役割を遂行する第1梁部材(20a)が連結設置され、前記第2柱(10b)には荷重を伝達させる構造体として役割を遂行する第2梁部材(20b)が連結設置され、
前記下部層(LF)スラブの側面に前記第1柱(10a)と第2柱(10b)を連結させる二重柱連結梁(22)がさらに構成され、
前記第1梁部材(20a)と第2梁部材(20b)の間には前記第1梁部材(20a)にのみ連結支持され、前記第2梁部材(20b)とは離隔したカンチレバースラブ(30)が設置されることを特徴とする、層間騒音を低減し改修及び補修が容易な複層型共同住宅の設計構造。
【請求項2】
二重柱(10)の間には機械および設備施設を設置するためのダクトスペース(40)が形成され、外側には乾式壁体(50)が前記二重柱(10)の間に設置されて外面が仕上げられることを特徴とする、請求項1に記載の層間騒音を低減し改修及び補修が容易な複層型共同住宅の設計構造。
【請求項3】
前記第1柱(10a)とダクトスペース(40)が単位世帯(A)の内部に面する部分は断熱吸音板(60)で遮蔽されるように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の層間騒音を低減し改修及び補修が容易な複層型共同住宅の設計構造。
【請求項4】
前記第2梁部材(20b)の下部に非耐力世帯境界壁(70)が設置され、前記単位世帯(A)が外部と廊下に面する壁はせん断壁(80)で構成されることを特徴とする、請求項3に記載の層間騒音を低減し改修及び補修が容易な複層型共同住宅の設計構造。
【請求項5】
前記二重柱(10)の内側に居間スラブ(LS)が形成され、外側に廊下スラブ(CS)が形成され、
前記廊下スラブ(CS)は前記二重柱(10)の外側の下部に連結されるカンチレバー梁(32)に支持されてその上に形成されるものの、前記居間スラブ(LS)と離隔したまま構成されることを特徴とする、請求項3に記載の層間騒音を低減し改修及び補修が容易な複層型共同住宅の設計構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は単位世帯が複層型からなり、二重柱および二重梁を利用する共同住宅の設計構造に関し、より詳細には単位世帯間の側面境界の端部に互いに離隔した二重柱が設置され、このような二重柱に互いに分離された二重梁がそれぞれ連結されることによって層間騒音を低減し、二重柱の間にダクトスペースが設けられ、このようなダクトスペースを外部に施工された軽量壁体を通じて容易に改修及び補修できる複層型共同住宅の設計構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の人たちの生活が次第に潤沢になるにつれて、住宅は単純に住居用としての役割だけでなくさらに快適な住居環境が備えられることが要求されているが、日増しに増加趨勢にあるアパートや多世帯住宅などの共同住宅の居住者たちは、上の階から伝えられる各種の騒音による被害を甘受しなければならず、本人も自由に声を出したい欲求を解消できる適合な方策がないのが実情である。
【0003】
したがって、層間に発生する騒音の防止が快適な住居環境の第1の要件として認識されており、施工業者もこのような実需要者の欲求を満たすために層間騒音防止材の開発に多角的に努力している。
【0004】
特に共同住宅の構造は、施工がはやく、便利であり、工事費を節減できる壁式構造が利用されているのが普通である。しかし、すべての構造が一体化された壁式構造では床と壁を通じて世帯間の騒音の振動がそのまま伝えられる問題点がある。
【0005】
従来はスラブ床層に吸音材を厚く敷くさえすれば層間騒音が遮断されると知られてきたが、スラブ床層の吸音材を厚く施工しても上の階での振動および衝撃による騒音は壁を通じて下の階にそのまま伝えられる。通常吸音層上に配管施設をした後に仕上げコンクリートで仕上げをすることになるが、騒音が下の階に伝えられるこのような現象はスラブの固定荷重および移動荷重を受けてくれる梁があれば、その荷重はスラブから梁を通じて柱に伝えられ、鉄筋コンクリート壁式構造は床層に吸音材をいくら厚く施工してもスラブの固定荷重および移動荷重がスラブ構造体を通じて直接下部壁体に伝えられるため、上の階の人が跳んだり移動する時に発生する衝撃音がそっくりスラブおよびこれと連結された下部壁体を通じて下部の世帯に伝えられる。したがって、上の階での振動および衝撃は床の仕上げおよび吸音材を厚く設置しても、主な騒音伝達媒介体である一体化されたスラブと下部壁体によって相当な部分がそのまま下部の世帯に伝えられて下の階に住んでいる家の空間に拡散するため、共同住宅の居住者たちが不快な騒音に苦しめられるのである。
【0006】
このような従来の問題点を解決するために、本出願人は韓国登録特許第10−1679672号(「層間騒音が低減され、火災時に安全な避難経路が備えられた複層型共同住宅の設計構造」)を開発した。
【0007】
しかし、単位住居が2階で構成される場合、上下の世帯に伝えられる衝撃音は低減するが、世帯間の水平距離が短くなるため、水平方向に伝えられる衝撃音は変わらない。このように単位住居が2階で構成される時に発生する水平衝撃音を低減するためには、世帯のスラブを隣世帯と共有する側壁から分離させて衝撃音が水平方向に伝えられないようにしなければならない。しかし、側壁からスラブを分離させる構造は中・低層の構造ではさほど問題なく多様な設計が可能であるが、高層構造では構造的な剛性と耐震などの問題のため構造的な欠陥を引き起こし得るという限界がある。
【0008】
また、壁式構造の共同住宅の場合、今後改修及び補修などにおいて空間の変更を自由にできないだけでなく、ダクト・スペースのパイプなどの改修及び補修も難しい。このように改修及び補修が難しい理由は、共同住宅は集合住宅であって、多数の世帯が共同で居住しているため、全世帯が統合的にともに改修及び補修をしなければならないためである。特に、共用で使用する垂直主管、垂直ダクトなどの設備が共用の空間で改修及び補修できない構造であるため、大方共同住宅の寿命は構造体の寿命より短い設備寿命に、より大きな影響を受けることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記の問題点を解決するために創作された本発明の目的は次の通りである。
【0010】
第1、単位世帯別に複層で構成された共同住宅において、上部層には居間が配置され、下部層には寝室が配置されることによって、基本的に上・下の世帯間の層間騒音を低減させるとともに、単位世帯が左右に隣接した境界には二重梁と二重柱が離隔するように設置されることによって、上部層から伝えられる層間騒音が構造体を通じて側面方向に伝えられることが低減する複層型共同住宅の設計構造を提供することを本発明の目的とする。
【0011】
第2、二重柱は単位世帯が上下に隣接する下部層の骨組みごとに連結梁で連結されることによって構造的安全性が向上し、層間騒音が低減する複層型共同住宅の設計構造を提供することを本発明のさらに他の目的とする。
【0012】
第3、二重梁のうち一側にのみ支持されるカンチレバー形態のスラブで構造が形成されることによって、上部層での衝撃音が隣接した左右の単位世帯に伝えられない複層型共同住宅の設計構造を提供することを本発明のさらに他の目的とする。
【0013】
第4、二重柱の間に設備施設などのためのダクトスペースが設けられ、その外側に乾式壁体が形成されることによって、改修及び補修が容易な複層型共同住宅の設計構造を提供することを本発明のさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために創作された本発明の技術的な構成は次の通りである。
【0015】
上部層UFと下部層LFからなる2層が一つに統合されて複層型で構成される複数個の単位世帯Aが垂直・水平方向に繰り返し配置される共同住宅の設計構造において、各単位世帯Aは上部層UFに居間LRが配置され、下部層LFには複数個の寝室BRが配置され、隣接した単位世帯Aの側面境界には互いに離隔した二重柱10がそれぞれ設置されるものの、前記二重柱10は単位世帯Aの内部に位置する一対の第1柱10aと単位世帯Aの外部に位置して隣接した単位世帯Aの内部に位置する一対の第2柱10bで構成され、前記第1柱10aには荷重を伝達させる構造体として役割を遂行する第1梁部材20aが連結設置され、前記第2柱10bには荷重を伝達させる構造体として役割を遂行する第2梁部材20bが連結設置され、前記下部層LFスラブの側面に前記第1柱10aと第2柱10bを連結させる二重柱連結梁22がさらに構成され、前記第1梁部材20aと第2梁部材20bの間には前記第1梁部材20aにのみ連結支持されて前記第2梁部材20bとは離隔したカンチレバースラブ30が設置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の構成による技術的効果は次の通りである。
【0017】
第1、各単位世帯が上部層に居間が配置され、下部層に寝室が配置されることによって重量衝撃音が最も多く発生する居間の騒音が下部の世帯に直接伝えられないため、層間騒音による上下の世帯間の葛藤を未然に防止することができる。
【0018】
第2、単位世帯の左右の境界に二重柱が離隔したまま設置され、二重柱それぞれに連結される二重梁も離隔するように設置されることによって、上部層の衝撃音が左右の世帯に直接伝えられることを防止することができる。
【0019】
また、このような二重柱のうち単位世帯が上下に隣接する下部層の骨組み(スラブの部分)には、離隔した二重柱の間を連結させる連結梁がさらに設置されて居間が配置される上部層の衝撃音が左右の世帯に伝えられることが最小化されるとともに、構造的安定性も向上させることができる。
【0020】
第3、二重柱にそれぞれ連結される二重梁のうち一側にのみカンチレバー形態のスラブが形成されることによって、左右の単位世帯間の居間スラブから発生する騒音の伝達も遮断することができる。
【0021】
第4、二重柱の間に機械設備のためのダクトスペースが形成され、外側に容易に保守できる構造の軽量壁体が備えられることによって、プライバシーを侵害することなく改修及び補修が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る具体的な実施例の斜視図である。
図2】同上。
図3】本発明に係る具体的な実施例の平面図である。
図4】同上。
図5】本発明に係る具体的な実施例の部分断面図である。
図6】同上。
【符号の説明】
【0023】
UF:上部層
LF:下部層
A:単位世帯
LR:居間
LS:居間スラブ
BR:寝室
CS:廊下スラブ
10:二重柱
10a:第1柱
10b:第2柱
20a:第1梁部材
20b:第2梁部材
22:二重柱連結梁
30:カンチレバースラブ
32:カンチレバー梁
40:ダクトスペース
50:乾式壁体
60:断熱吸音板
70:非耐力世帯境界壁
80:せん断壁
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では本発明の具体的な実施例を添付図面を参照してより詳細に説明する。
【0025】
本発明は各単位世帯Aが複層型で構成された共同住宅の設計構造に関し、二重柱10および二重梁が利用されて上下または左右の世帯間に発生する層間騒音を最小化するとともに、構造的性能および耐震性能が向上し二重柱10の間にダクトスペース40が形成されることによって改修及び補修が容易なことを特徴とする。
【0026】
本発明は共同住宅内の単位世帯Aが上部層UFと下部層LFで構成される複層型からなる構造に適用される。
【0027】
このような本発明は従来の複層型構造とは異なり、上部層UFに居間LRが配置され、下部層LFに寝室BR空間が形成されることが主要な特徴である。一般的に下部世帯に不快感を与え得る重量衝撃音は主に子供たちが跳んだり世帯員が集まって活動する居間LRで発生する。このように居間LRは共同住宅の主な騒音源となるが、単位世帯Aを複層型で構成して上部層UFを居間LRとして配置することによって、下部世帯に重量衝撃音などの騒音と振動が直接的に伝えられなくなる。換言すると、下部層LFの寝室BR空間が上部層UFの居間LRで発生する騒音と振動を緩衝させる空間として活用されることによって、下部世帯に直接的に騒音と振動が伝えられないのである。
【0028】
また、夜間の就寝時には上部層UFの居間LRが上部世帯の騒音と振動に対する緩衝空間として活用され得る。すなわち、単位世帯Aの上部層UFの上には上部世帯の下部層LFに配置された寝室BR空間が形成されるが、このような寝室BR空間は相対的に居間LRよりは小さい騒音が発生し、たとえ就寝中に上部世帯の寝室BRで騒音が発生しても該当単位世帯Aの上部層UFの居間LRが緩衝空間として役割をするため、下部層LFの寝室BRでは騒音をほとんど感じることができなくなる。
【0029】
一方、下部層LFの寝室BRの騒音について下部の単位世帯Aから注意を受ける場合には騒音源を上部層UFの居間LRに移動させることができ、上部世帯の寝室BRから騒音が発生する場合にはそのような騒音を避けて下部層LFの寝室BR空間に移動することによって、層間騒音による隣人との間の葛藤を未然に防止することもできる。
【0030】
本発明は図1に図示された通り、各単位世帯A間の側面境界の端部に二重柱10が互いに離隔したままそれぞれ設置される。
【0031】
二重柱10は軸空間を形成する基本骨組みの一つであって、屋根、床、梁などの上部の荷重を支える垂直材である。二重柱10は複層型で構成された各単位世帯Aの角の端部に設置されるが、互いに離隔した形態で設置される。このような二重柱10は単位世帯Aのうち単位世帯Aの内部に位置する第1柱10aと世帯間の境界に位置する第2柱10bで構成される。
【0032】
第1柱10aは平面と断面上、世帯の内部に設置される垂直部材であって、隣接した単位世帯Aの境界面より一側の世帯の内部に設置される。このような第1柱10aには単位世帯Aの左右の境界の上の向かい合う位置に設置された他の第1柱10aの間を連結する第1梁部材20aが各層ごとに設置される。
【0033】
第2柱10bは平面と断面上、世帯間の境界に設置される垂直部材であって、第1柱10aと計画された距離だけ離隔するように設置される。この時、計画された距離は機能的、構造的、美観的な要素などを検討しなければならない。併せて第2柱10bには単位世帯Aの左右の境界の上の向かい合う位置に設置された他の第2柱10bの間を連結する第2梁部材20bが各層ごとに設置される。
【0034】
前記のように単位世帯Aが左右に境界の終端に二重柱10がそれぞれ設置され、二重柱10を互いに連結する第1梁部材20aと第2梁部材20bが設置される。すなわち、本発明は荷重を伝達させるとともに振動による騒音も伝達させる柱と梁を単位世帯A間に構造的に分離させることによって、層間騒音を効率的に遮断することができる。
【0035】
また、本発明は2層ごとに二重柱10の第1柱10aと第2柱10bを連結する二重柱連結梁22が構成される。
【0036】
二重柱連結梁22は単位世帯Aが上下に隣接する単位世帯Aの下部層LFスラブの部分に設置される梁である。
【0037】
本発明は図1図2に図示された通り、第1梁部材20aと第2梁部材20bの間には第1梁部材20aにのみ連結支持され、第2梁部材20bとは離隔したカンチレバースラブ30が設置され得る。
【0038】
カンチレバースラブ30は世帯の内部に設置される第1柱10aと連結される第1梁部材20aに支持されて設置される。これは単位世帯A間に発生する衝撃騒音がスラブを通じて隣接した単位世帯Aに伝えられることを遮断する。たとえばいずれか一世帯の居間スラブLSで発生する衝撃音が側面に隣接した単位世帯Aの寝室BRに直接伝えられることを遮断することができる。
【0039】
本発明は図3図4に図示された通り、二重柱10の間に機械および設備施設を設置するためのダクトスペース40が形成され、外側には乾式壁体50が二重柱10の間に設置されて外面が仕上げられ得る。すなわち、二重柱10の間にダクトスペース40が形成され、ダクトスペース40の外部方向に二重柱10の間に非耐力軽量壁体の一種である乾式壁体50が設置され得る。
【0040】
このような構造によって、建物の改修及び補修時に単位世帯Aの内部を侵すことなく、建物の外側面の乾式壁体50を通じて建物の機械・設備を統合的に改修及び補修することができる。
【0041】
また、本発明は第1柱10aとダクトスペース40が単位世帯Aの内部に面する部分は断熱吸音板60で遮蔽される構造となり得る。
【0042】
断熱吸音板60は、隣接した単位世帯Aから二重柱10に伝えられる騒音とダクトスペース40の内部の配管を通じて伝えられる騒音を低減させる。すなわち、上部層UFの衝撃音が柱を通じて伝えられるのを断熱吸音板60が吸音するのである。
【0043】
また、本発明は図5図6に図示された通り、第2梁部材20bの下部に非耐力世帯境界壁70が設置され、単位世帯Aが外部と廊下に面する壁はせん断壁80で構成され得る。
【0044】
非耐力世帯境界壁70は二重梁のうち世帯間の境界に設置される第2柱10bに連結される第2梁部材20bの下部に形成される。すなわち、非耐力世帯境界壁70は二重梁のうち第2梁部材20bの下部に形成されることによって、既存の壁式構造で壁を通じて伝えられる衝撃音が壁を通じて伝えられないようにする。また、構造的な満足のために第1梁部材20aと第2梁部材20bで構成される二重梁を梁せいが大きく計画することができる。これは相対的に二重梁に比べて世帯の中央に設置される梁またはスラブのせいが小さく形成されることによって、単位世帯Aの内部に天井空間をゆとりがあるように確保して層高を高くしなくても設備などの施設を容易に設置できるようにする。
【0045】
併せて、せん断壁80は単位世帯Aの居間LRと廊下の境界と居間LRと外部の境界に設置されるが、構造的な強度を高め耐震性能を向上させる。そして、せん断壁80の構造的な強度を向上させるために、単位世帯Aの上部層UFと下部層LFの開口部の位置を同じ位置に形成させてもよい。
【0046】
本発明は二重柱10の内側に居間スラブLSが形成され、外側に廊下スラブCSが形成され、廊下スラブCSは二重柱10の外側の下部に連結されるカンチレバー梁32に支持されてその上に形成されるものの、居間スラブLSと離隔したまま構成され得る。
【0047】
換言すると、上部側の一側面の二重柱10から内側には居間LRが形成され、外側には廊下が形成されるが、廊下スラブCSは二重柱10から延長設置されたカンチレバー梁32の上に支持されるものである。このように廊下スラブCSと居間スラブLSが分離されて形成されることによって、廊下と接した壁を通じて単位世帯Aの内部に伝えられる騒音を遮断することができる。
【0048】
以上、本発明の技術的要旨を添付図面を参照して説明したが、本発明の保護範囲は必ずしもこのような実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の技術的要旨を変更しない範囲内で多様な設計変更、公知技術の付加や削除、単純な数値限定などの場合にも本発明の保護範囲に属するものであることを明らかにしておく。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】