特表2021-518325(P2021-518325A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-518325炉を備えるデバイスおよびそれを使用するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-518325(P2021-518325A)
(43)【公表日】2021年8月2日
(54)【発明の名称】炉を備えるデバイスおよびそれを使用するための方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 23/023 20060101AFI20210705BHJP
【FI】
   C03B23/023
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2020-550601(P2020-550601)
(86)(22)【出願日】2019年3月13日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月17日
(86)【国際出願番号】EP2019056237
(87)【国際公開番号】WO2019179842
(87)【国際公開日】20190926
(31)【優先権主張番号】102018204476.7
(32)【優先日】2018年3月23日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】500242786
【氏名又は名称】フラウンホファー ゲセルシャフト ツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・グレメルシュパッヒャー
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・リスト
(72)【発明者】
【氏名】ライナー・キューブラー
(72)【発明者】
【氏名】ブリッタ・ラング
【テーマコード(参考)】
4G015
【Fターム(参考)】
4G015AA01
(57)【要約】
本発明は、壁(25)によって区切られ、ガラス半製品(4)が導入され得る、少なくとも1つの炉室(20)を有する炉(2)を備えるデバイス(1)に関するものであり、少なくとも1つの開口部(5)が壁(25)内に設けられ、前記開口部には少なくとも1つのノズル(50)が設けられ、それを用いて封止空気流が生成され得る。本発明は、半仕上げガラス製品(4)を再形成するための方法にさらに関係する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁(25)によって区切られ、半仕上げガラス製品(4)を受け入れるように適合されている、少なくとも1つの炉室(20)を有する炉(2)を備えるデバイス(1)であって、
前記壁(25)は少なくとも1つの開口部(5)を有し、前記開口部は少なくとも1つのノズル(50)を設けられており、前記ノズルは封止空気流を生成するように適合されているデバイス(1)。
【請求項2】
前記ノズル(50)は、リングノズルとして設計される請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記炉(2)は、複数の炉室(20、21、22、23)を有し、前記炉室は、前記半仕上げガラス製品(4)を順次通過させるように構成され、異なる温度にされ得る、請求項1または2のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項4】
前記半仕上げガラス製品(4)の温度分布を決定するために使用され得る少なくとも1つの温度カメラをさらに備える請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記半仕上げガラス製品(4)を再整形するために使用され得る少なくとも1つのエンボス加工型(6)をさらに備える請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記エンボス加工型は、前記炉室(20)の部分容積(250)内に配置構成され、これは前記炉室(20)の残りの部分容積の温度と異なる温度にされ得る、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
相補的な形状のエンボス加工陰型(60)が、少なくとも1つのエンボス加工型(6)に対向して配置構成される請求項5または6に記載のデバイス。
【請求項8】
レーザービーム(30)を生成し、それを前記半仕上げガラス製品(4)の事前決定可能な部分領域(40)上に向けるように構成されている少なくとも1つのレーザー(3)をさらに備える請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記レーザービーム(30)を前記半仕上げガラス製品(4)の事前決定可能な部分領域(40)上に向ける際に使用され得る少なくとも1つの可動ミラー(35)をさらに備える請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記炉室(20)の関連付けられている受入デバイス(8)内に連動する形で受け入れられ得る、搬送パレット(7)および/または3つの接点(71、72、73)を有する曲げ型をさらに備える請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記搬送パレットおよび/または前記曲げ型の重心は、前記接点によって定められる三角形内に配置される請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記接点はV字形の支持体を有し、前記受入デバイスは丸い外側断面を有する請求項10または11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの受入デバイスは、複数の接点を受け入れる請求項10から12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記炉は、少なくとも1つの空気循環システムを有し、これにより前記炉室内の空気は循環される請求項1から13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記炉は、前記炉室の内側に配置構成され、前記半仕上げガラス製品の視軸上にある前記壁の少なくとも一部を覆う、少なくとも1つの板金熱偏向器を備える請求項1から14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記半仕上げガラス製品は、前記少なくとも1つの板金熱偏向器を事前決定可能な温度にするために使用され得る、少なくとも1つの加熱ユニットを備える炉内に導入される請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記半仕上げガラス製品は、前記空気循環システムが、板金熱偏向器の少なくとも一部および/または前記壁の一部の背後を流れる空気流を生成するように構成されている炉内に導入される請求項14および15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記半仕上げガラス製品は、少なくとも1つの位置決めシステムを用いて少なくとも1つの軸の周りに前記炉室内で移動される請求項1から17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記半仕上げガラス製品は、少なくとも1つの位置決めシステムを用いて少なくとも1つの軸の周りに前記炉室内で回転される請求項1から18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
半仕上げガラス製品(4)を再整形するための方法であって、前記半仕上げガラス製品(4)は、壁(25)によって区切られる少なくとも1つの炉室を有する炉(2)内に導入され、
前記壁(25)は少なくとも1つのノズル(50)を設けられている少なくとも1つの開口部(5)を有し、これにより封止空気流が生成される方法。
【請求項21】
前記炉は、前記半仕上げガラス製品が順次通過し、異なる温度に置かれている、複数の炉室を有する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記半仕上げガラス製品の温度分布は、少なくとも1つの温度カメラにより決定される請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記半仕上げガラス製品は、エンボス加工型により再整形される請求項20または22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記エンボス加工型は、前記炉室の部分容積内に配置構成され、これは前記炉室の残りの部分容積の温度と異なる温度にされ得る、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
相補的な形状のエンボス加工陰型は、前記少なくとも1つのエンボス加工型に対向して配置構成される請求項23または24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記半仕上げガラス製品の事前決定可能な部分領域は、レーザービームを生成する少なくとも1つのレーザーにより加熱される請求項20から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記レーザービームは、少なくとも1つの可動ミラーによって前記半仕上げガラス製品の事前決定可能な部分領域上に向けられる請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記半仕上げガラス製品は、前記半仕上げガラス製品から離れる方向を向いている側では、前記炉室の関連付けられている受入デバイスにおいて連動して受け入れられる3つの接点を有する、搬送パレットおよび/または曲げ型上に配置構成される請求項20から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記搬送パレットおよび/または前記曲げ型の重心は、前記接点によって定められる三角形内に配置される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記接点はV字形の支持体を有し、前記受入デバイスは丸い外側断面を有する請求項28または29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1つの受入デバイスは、複数の接点を受け入れる請求項28から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記半仕上げガラス製品は、少なくとも1つの空気循環システムを有し、これにより前記炉室内の空気は循環される炉内に導入される請求項20から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記半仕上げガラス製品は、前記炉室の内側に配置構成され、前記半仕上げガラス製品の視軸上にある前記壁の少なくとも一部を覆う、少なくとも1つの板金熱偏向器を備える炉内に導入される請求項20から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記半仕上げガラス製品は、前記少なくとも1つの板金熱偏向器を事前決定可能な温度にするために使用され得る、少なくとも1つの加熱ユニットを備える炉内に導入される請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記半仕上げガラス製品は、前記空気循環システムが、板金熱偏向器の少なくとも一部および/または前記壁の一部の背後を流れる空気流を生成するように構成されている炉内に導入される請求項32および33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記半仕上げガラス製品は、少なくとも1つの位置決めシステムによって少なくとも1つの軸の周りに前記炉室内で移動される請求項20から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記半仕上げガラス製品は、少なくとも1つの位置決めシステムを用いて少なくとも1つの軸の周りに前記炉室内で回転される請求項20から36のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁によって区切られた、半仕上げガラス製品が導入され得る少なくとも1つの炉室を有する炉を備えるデバイスに関するものである。本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法にも関係する。
【背景技術】
【0002】
半仕上げガラス製品を、これらの半仕上げガラス製品が加熱され、それによって再整形される、炉に導入することは、当技術分野で知られている。たとえば、自動車の窓または湾曲した建築用ガラスは、このようにして製造され得る。整形プロセスに対する制御を高めるために、炉内の半仕上げガラス製品を放射線源で局所的に付加的に加熱することも知られている。
【0003】
これらの知られているデバイスおよび方法の不利点は、半仕上げガラス製品の加熱および冷却が遅いことに起因する整形プロセスの長いサイクルタイムである。したがって、いくつかの実施形態において、再整形プロセスに対するサイクルタイムの短縮および/または制御の改善を可能にする、半仕上げガラス製品を再整形するためのデバイスおよび方法を提供することが本発明の目的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載のデバイスおよび請求項20に記載の方法によって解決される。本発明の有利な改良は、従属請求項において説明されている。
【0005】
本発明により、壁によって区切られた少なくとも1つの炉室を備える炉を有するデバイスが開示される。方法を実行している間に、半仕上げガラス製品がこの炉室内に導入され、加熱される。本発明のいくつかの実施形態において、加熱は、半仕上げガラス製品が十分に低い粘度を有し、重力の影響下で自由にまたは鋳型内に再整形されるまで、対流および輻射によって行われ得る。本発明の他の実施形態において、半仕上げガラス製品の滞留時間および/または炉室の内側の温度は、半仕上げガラス製品がより高温になるが、最初は再成形を妨げる十分な機械的強度を保持するような仕方で選択され得る。次いで、追加の熱が、半仕上げガラス製品の事前決定可能な部分領域に供給され得る。この熱は、半仕上げガラス製品をガラス転移温度より高い温度に加熱し、したがって、局所的再整形を引き起こす。
【0006】
上述の部分領域は、たとえば、レーザーデバイスからの赤外線レーザー照射により加熱され得る。照射されるべき部分領域は、たとえば、レンズ系および/またはマスクを用いて選択されてもよい。本発明の他の実施形態において、レーザーデバイスは、半仕上げガラス製品の事前決定可能な部分領域にビームを向けるために回転または旋回され得る。本発明のさらに他の実施形態において、レーザー照射は、半仕上げガラス製品の事前決定可能な部分領域上に可動ミラーを備えるスキャナを用いて向けられ得る。このようにして、比較的大きく重いレーザーまたは別の放射線源の代わりに比較的小さく軽いミラーだけが機械的に移動されればよいので、レーザービームはより高速に制御され得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明により、炉壁の開口部を通してレーザービームを炉室内に結合することが提案されている。これは、放射線源および/または可動ミラーもしくはアクチュエータを備えるスキャナを炉室の内側で高温により作動させなくて済むという利点を有し得る。
【0008】
炉室の壁にレーザー放射線が強く吸収されるのを回避するために、開口部を、材料を含まない単純な穴の形態で設計することが提案されている。本発明により、前記開口部を覆うために、光沢または別の窓を使用しないことが提案されている。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも1つの仕切り弁が開口部を一時的に閉じるように適合されている炉壁内の開口部が設けられ得る。この特徴は、半仕上げガラス製品を加熱するために、電磁放射線が開口部を通過しないときに熱損失を低減することを可能にし得る。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも1つのノズルが封止空気流を生成するように適合されている壁内の開口部が設けられ得る。特に、開口部が炉室の天井に配置構成されている場合、炉室内の加熱された空気が上昇し、煙突を通るようにして漏れ得るので、暖かい空気の放出が他の何らかの形で発生する。封止空気流はこの対流に対して反対に作用することができるので、炉室の熱損失を減らすことができる。こうして、炉を取り囲む空間の望ましくない加熱が回避され得る。それに加えて、開口部より上の温度が低下するので、レーザーおよび/またはスキャナの破壊の危険性が回避されるか、または低減される。最後に、炉室を加熱するためのエネルギー消費量が低減され得る。さらに、本発明のいくつかの実施形態において、炉室内の温度分布がより均一であり、したがって本発明によるデバイス内で再整形された半仕上げガラス製品の品質が改善され得る。
【0011】
いくつかの実施形態において、本発明は、封止空気流を生成するように適合されているノズルがリングノズル(ring nozzle)として設計されているデバイスに関する。本発明のいくつかの実施形態において、封止空気流は不活性ガスを含み得る。
【0012】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を順次通過させるように構成されている複数の炉室を炉が有するデバイスに関するものであり、各炉室は、異なる温度を有し得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、本発明は、実質的に説明されているようなデバイスであって、半仕上げガラス製品の温度分布を決定するように構成されている少なくとも1つの赤外線カメラをさらに備えるデバイスに関する。赤外線カメラは、第2の封止空気流を生成するための第2のノズルを装備し得る第2の開口部と並んで一列に配置され得る。この特徴は、測定精度を改善し得る。
【0014】
いくつかの実施形態において、本発明は、実質的に説明されているようなデバイスであって、半仕上げガラス製品を再整形するように構成されている少なくとも1つのエンボス加工型をさらに備えるデバイスに関する。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態において、前記エンボス加工型は、炉室の残りの部分の温度とは異なる温度に加熱されるように構成されている炉室の一部に配置構成される。
【0016】
いくつかの実施形態において、本発明は、実質的に説明されているようなデバイスであって、少なくとも1つのエンボス加工型に対向して配置構成されている相補的形状のエンボス加工陰型をさらに備えるデバイスに関する。
【0017】
いくつかの実施形態において、本発明は、実質的に説明されているようなデバイスであって、レーザービームを生成してそれを半仕上げガラス製品の事前決定可能な部分領域上に向けるように構成されている少なくとも1つのレーザーをさらに備えるデバイスに関する。
【0018】
いくつかの実施形態において、本発明は、実質的に説明されているようなデバイスであって、レーザービームを半仕上げガラス製品の事前決定可能な部分領域上に誘導するように構成されている少なくとも1つの可動ミラーをさらに備えるデバイスに関する。
【0019】
いくつかの実施形態において、本発明は、実質的に説明されているようなデバイスであって、搬送パレットおよび/または3つの接点を有する鋳型をさらに備えるデバイスに関するものであり、前記接点は連動して炉室の対応する受入デバイス上に位置決めされるように構成される。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態において、搬送パレットおよび/または鋳型の重心は、これらの接点によって定められる三角形内に配置される。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態において、これらの接点は、V字形の支持体を有し、受入デバイスは丸い外側断面を有する。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも1つの受入デバイスは、複数の接点を受け入れるように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態において、本発明は、実質的に説明されているようなデバイスであって、炉室内の空気を循環させるように構成されている少なくとも1つの空気循環システムをさらに備えるデバイスに関する。
【0024】
いくつかの実施形態において、本発明は、実質的に説明されているようなデバイスであって、炉室の内側に配置構成され、半仕上げガラス製品の視線上に配置される炉壁の少なくとも一部を覆う少なくとも1つの板金熱偏向器をさらに備えるデバイスに関する。
【0025】
いくつかの実施形態において、本発明は、実質的に説明されているようなデバイスであって、少なくとも1つの板金熱偏向器を事前決定可能な温度にするように構成された加熱ユニットをさらに備えるデバイスに関する。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態において、空気循環システムは、板金熱偏向器の少なくとも一部および/または壁の一部の背後を流れる空気流を生成するように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態において、本発明は、実質的に説明されているようなデバイスであって、少なくとも1つの軸に沿って炉室内の半仕上げガラス製品を移動させるように構成されている位置決めシステムをさらに備えるデバイスに関する。
【0028】
いくつかの実施形態において、本発明は、実質的に説明されているようなデバイスであって、少なくとも1つの軸の周りで炉室内の半仕上げガラス製品を回転させるように構成されている位置決めシステムをさらに備えるデバイスに関する。
【0029】
いくつかの実施形態において、本発明は、壁によって区切られている少なくとも1つの炉室を有する炉内に半仕上げガラス製品を導入することによって、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関する。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態において、壁は、少なくとも1つの開口部と、封止空気流を生成するように適合されている少なくとも1つのノズルとを有し得る。
【0031】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、炉は、異なる温度を有する複数の炉室を有し、半仕上げガラス製品は、前記炉室を順次通過する。
【0032】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、半仕上げガラス製品の温度分布は、少なくとも1つの赤外線カメラによって測定される。
【0033】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、半仕上げガラス製品は、少なくとも1つのエンボス加工型を用いて再整形される。
【0034】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、少なくとも1つのエンボス加工型は、炉室の他の部分の温度と異なる温度を有する炉室の一部の中に配置構成される。
【0035】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、相補的な形状のエンボス加工陰型は、少なくとも1つのエンボス加工型に対向して配置構成される。
【0036】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、半仕上げガラス製品の事前決定可能な部分領域は、少なくとも1つのレーザーによって生成されるレーザービームを用いて加熱される。
【0037】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、レーザービームは、少なくとも1つの可動ミラーによって半仕上げガラス製品の表面の事前決定可能な部分上に向けられる。
【0038】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、半仕上げガラス製品は、搬送パレットおよび/または鋳型上に配置構成され、前記鋳型および/または前記搬送パレットは、半仕上げガラス製品から離れる方向を向いている側に3つの接点を有する。前記接点は連動して炉室の対応する受入デバイス上に位置決めされる。
【0039】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、搬送パレットおよび/または鋳型の重心は、これらの接点によって定められる三角形内に配置される。
【0040】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、これらの接点は、V字形の支持体を有し、受入デバイスは丸い外側断面を有する。
【0041】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、少なくとも1つの受入デバイスは、複数の接点を受け入れる。
【0042】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、半仕上げガラス製品は、炉室内の空気を循環させるように構成されている少なくとも1つの空気循環システムを有する炉内に導入される。
【0043】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、半仕上げガラス製品は、炉室の内側に配置構成され、半仕上げガラス製品の視線上に配置されている壁の少なくとも一部を覆う少なくとも1つの板金熱偏向器を有する炉内に導入される。
【0044】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、半仕上げガラス製品は、少なくとも1つの板金熱偏向器を事前決定可能な温度にする少なくとも1つの加熱ユニットを備える炉内に導入される。
【0045】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、半仕上げガラス製品は、炉内に導入され、空気循環システムは、板金熱偏向器の少なくとも一部および/または壁の一部の背後を流れる空気流を生成する。
【0046】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、半仕上げガラス製品は、少なくとも1つの位置決めシステムを用いて少なくとも1つの軸に沿って炉室内で移動される。
【0047】
いくつかの実施形態において、本発明は、半仕上げガラス製品を再整形するための方法に関するものであり、半仕上げガラス製品は、少なくとも1つの位置決めシステムを用いて少なくとも1つの軸の周りに炉室内で回転される。
【0048】
本発明は、本発明の一般的な概念を限定することなく、添付図面を参照しつつ以下でより詳細に説明されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明によるデバイスの第1の実施形態を示す図である。
図2】本発明によるデバイスの第2の実施形態を示す概略図である。
図3】第1の実施形態における半仕上げガラス製品の位置決めを説明する図である。
図4】第2の実施形態における半仕上げガラス製品の位置決めを説明する図である。
図5】第3の実施形態における半仕上げガラス製品の位置決めを説明する図である。
図6】搬送パレットの位置決め補助装置を示す図である。
図7】本発明によるデバイスの第3の実施形態を示す上面図である。
図8】本発明によるデバイスの第3の実施形態を示すさらなる図面である。
図9】本発明によるデバイスの第4の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、本発明によるデバイスの第1の実施形態を示している。デバイスは炉2を備える。炉2は、壁25によって囲まれている、炉室20を備える。壁は、周囲への熱損失を低減するために断熱材を有することができる。壁の材料は、金属もしくは合金、または耐火粘土もしくはセラミックスなどの鉱物材料を含むか、またはそれらからなるものとしてよい。金属または合金は、たとえば、酸化物もしくは窒化物を含む断熱コーティングを施され得る。それに加えて、炉2は、炉室20を加熱するように構成されている加熱ユニット(図示せず)を備える。本発明のいくつかの実施形態において、炉室20の内側の温度は、約400℃から約800℃の間、または約500℃から約700℃の間、のうちから選択され得る。
【0051】
図1は、半仕上げガラス製品4をさらに例示している。半仕上げガラス製品は、たとえば、板ガラスであってもよい。本発明の他の実施形態において、半仕上げガラス製品4は、異なる形状を有していてもよく、たとえば、円筒形、球体であるか、または他の任意の幾何学的形状を有していてもよい。
【0052】
炉室20の天井に開口部5が配置構成されている。開口部5は、炉室20から漏出する熱風に起因する熱損失を低減または防止するために、可動仕切り弁を用いて閉鎖され得る。この目的のために、可動仕切り弁は、金属もしくは合金または鉱物材料で作られるか、または含むものとしてよい。仕切り弁は、同様に、コーティングを施され得る。
【0053】
デバイスが作動すると、半仕上げガラス製品4は、ガラス転移温度以下の事前決定可能な温度に加熱される。その後の方法ステップにおいて、追加の熱が、半仕上げガラス製品4の事前決定可能な部分領域40に供給され得る。これは、所望の部分領域40に向けられる、赤外線によって行われる。
【0054】
いくつかの実施形態において、赤外線を生成するためにレーザー3が使用され得る。本発明のいくつかの実施形態において、レーザーは、COレーザーであってよい。レーザー3は、レーザービーム30を生成する。レーザービーム30は、約100Wから約5000W、または約1000Wから約2500Wの出力を有し得る。
【0055】
例示されている実施形態では、レーザービーム30は、スキャナ350を用いて炉室20の内部に向けられる。スキャナ350は、可動ミラー35を有し、これは当業者に知られているようなアクチュエータによって移動および/または回転され得る。いくつかの実施形態において、圧電アクチュエータおよび/または電気モータが、ミラー35を移動および/または回転させるために使用され得る。いくつかの実施形態において、スキャナ350のミラー35は、ミラー35で偏向されたレーザービーム31の位置に影響を及ぼすように構成され、半仕上げガラス製品4の事前決定可能な部分領域40を選択するコンピュータプログラムが中に記憶されている、コンピュータシステム36によって制御され得る。
【0056】
レーザービーム30が炉室20の内部に到達することを可能にするために、開口部5から任意の仕切り弁が取り外される。これは、熱風が炉室20から開口部5を通して抜けることを引き起こし得る。本発明により、封止空気流を生成するように構成されている少なくとも1つのノズル50を備えることが提案される。ノズル50は、例示的な実施形態においてリングノズルとして設計されていてもよい。ノズル50によって生成される封止空気流は、対流によって上昇する空気流に反対の作用を及ぼすので、炉室20からの熱風の抜けが少なくとも低減されるか、または完全に防止され得る。この特徴には、スキャナ350がより低い熱負荷にさらされるという利点があり得る。それに加えて、炉2を加熱するためのエネルギー消費量が低減され、および/または半仕上げガラス製品4の温度分布がより均一になり得る。
【0057】
図1は、単一のスキャナ350を備える単一の開口部5のみを示しているけれども、本発明のいくつかの実施形態は、複数の開口部5を備える炉2を有するものとしてよく、各開口部5は関連するレーザーおよびスキャナ350を有する。この特徴は、複数の偏向されたレーザービーム31によって覆われている半仕上げガラス製品4の面積が拡大され、それにより大型の半仕上げガラス製品、たとえば、トラックの窓または建築用ガラスであっても再整形され得る、という技術的効果を有し得る。
【0058】
図2は、本発明の第2の実施形態を示している。同様の特徴は、同様の参照番号で示され、したがって、次の説明は、主要な相違点に制限され得る。図2は、炉2を備えるデバイス1を示している。炉2は、複数の炉室20、21、22、および23を有する。炉室は、第1の炉室2から出発した半仕上げガラス製品4が、他の炉室20、22、および23を連続して順次通過することができるように、互いに関して配置構成される。炉室は、半仕上げガラス製品4が各炉室内で異なる処理を受けるように異なる温度に保たれ得る。個々の炉室は、すべての実施形態において、構造的に分離していなくてもよい。本発明のいくつかの実施形態において、単一の炉室が異なる温度を有する異なる機能ゾーンに分割され、各ゾーンは炉室20、21、22、および23のうちの1つを形成する。
【0059】
第1の炉室21では、半仕上げガラス製品4は予熱され得る。この目的のために、炉室は、250℃から約550℃、または約400℃から約500℃の間の温度を有し得る。
【0060】
次いで、半仕上げガラス製品4は、第2の炉室20に移送される。この炉室は、約400°から約600°の間の温度であり得る。再整形は、図1に関連して上で説明されているように、赤外線を使用する局部加熱によって行われ得る。特に、レーザー放射線30が使用され得る。
【0061】
代替的に、またはそれに加えて、エンボス加工型6が使用されてもよく、これは表面の事前決定可能な部分で半仕上げガラス製品4をエンボス加工し、それによって再整形する。この目的のために、エンボス加工型6は、アクチュエータ65、たとえば、プッシュロッド、空気圧式アクチュエータ、圧電アクチュエータ、または当技術分野で知られている他のアクチュエータによって移動され得る。エンボス加工型6は、半仕上げガラス製品4の温度より高いおよび/または炉室20の温度より高い作業温度に予熱され得る。この目的のために、エンボス加工型6は、半仕上げガラス製品4を収容する炉室20の残りの部分とは異なる温度を有する炉室20の部分250内に配置構成され得る。たとえば、部分容積250は、赤外線ラジエーターまたは抵抗ヒーターから選択され得る追加の加熱ユニットを備えることができる。本発明の他の実施形態では、エンボス加工型6は、電気加熱ユニットを装備し得る。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態において、相補的な形状のエンボス加工陰型60がエンボス加工型5に対向して配設され得る。このようにして、エンボス加工型5の作用の下での半仕上げガラス製品4の望ましくない変形は、エンボス加工陰型6を用いて反対の力を加えることによって回避され得る。代替的に、エンボス加工陰型6は、エンボス加工型5に対向する半仕上げガラス製品4の側面に所望の相補的な形状を付けるように構成され得る。
【0063】
再整形が行われた後、半仕上げガラス製品4は、第3の炉室22内に送り込まれ、次いで、これは、先行する第2の炉室20の温度とは異なる温度を有し得る。たとえば、第3の炉室22の温度は、第1の炉室21の温度と第2の炉室20の温度との間であり得る。本発明のいくつかの実施形態において、第2の炉室20の温度は、約200℃から約500℃、または約300℃から約400℃の間であってよい。
【0064】
第3の炉室22内に半仕上げガラス製品4を格納することによって、半仕上げガラス製品4は、半仕上げガラス製品4内の機械的応力が低減されるように制御しつつ冷却され得る。半仕上げガラス製品4が第3の炉室22内で冷却を制御されつつ受ける間、別の半仕上げガラス製品が第2の炉室20内で再整形され、第3の半仕上げガラス製品4が第1の炉室21内で予熱され得る。半仕上げガラス製品4が炉室21、20、および22を連続的に通過するので、サイクルタイムが短縮され、デバイス1のスループットが向上し得る。
【0065】
任意選択の第4の炉室23内では、比較的低い温度で半仕上げガラス製品4の任意選択の衝撃冷却が行われ得る。このようにして、たとえば、ガラス製品は、一方では硬化表面を有し、したがって高い耐性を有し、他方では、異なる破壊挙動を有する強化ガラスから生産されるものとしてよく、それにより、大きく鋭利な破片の発生が回避される。この目的のために、第4の炉室23は、約−50℃から100℃の間の温度を有するものとしてよく、したがって半仕上げガラス製品は350℃より低い温度まで急速冷却され得る。しかしながら、第4の炉室23は任意選択であり、本発明の他の実施形態では省略されてもよいことに留意されたい。第4の炉室23が使用される場合、上で説明されている第3の炉室22は、熱強化の準備のため約650℃から約750℃の間の温度を有することができる。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明によるデバイスは、半仕上げガラス製品を炉室20の内側および/または複数の炉室間で移動させるように構成されている搬送パレットおよび/または鋳型を有し得る。本発明のいくつかの実施形態において、この搬送パレットまたは鋳型は、3つの接点を有し、前記接点は炉室の対応する受入デバイス内に連動して位置決めされるように構成される。これは、半仕上げガラス製品4がスキャナ350および/またはエンボス加工型6に対して同じ相対的位置に常に位置決めされるように再現性のある位置決めを可能にする。したがって、半仕上げガラス製品4の同じ部分表面は、高精度で加熱および/または再整形される。
【0067】
図3は、搬送パレットの接点71、72、および73の第1の実施形態を示している。以下の図6に詳述されているように、接点71、72、および73は、2つの方向に正確に位置決めされ、第3の方向に移動可能であり得るように設計される。
【0068】
一例として、炉室の対応する受入デバイス8は、多角形または丸いチューブもしくはロッドから作られてもよい。したがって、接点71および73を収容するための細長受入デバイスが設けられている。これらは、接点71および73を装備した搬送パレットをX方向に位置決めし、Y方向に移動可能にすることができる。
【0069】
接点72に対するさらなる受入デバイス82は、第1の受入デバイスに平行に配置構成されていない。本発明のいくつかの実施形態において、受入デバイス8および82は、約60°から約120°または約90°の角度を囲むことができる。受入デバイスは、第2の接点72をX方向に移動し、Y方向に明確な位置決めを行うことを可能にする。したがって、搬送パレットは、3つの接点の相互作用によって炉内で受け入れられ、明確に位置決めされ得る。しかしながら、サイズの異なる搬送パレットは、第1の接点71と第3の接点72との間の異なる距離と、これらの第1の接点と第3の接点との接続線からの第2の接点72の異なる距離とを有することができる。これは、異なる搬送パレットおよび/または鋳型の位置決めを可能にし、したがって、炉室内での変換作業を行うことなく異なる製品が製造され得る。したがって、生産切り替えのための炉の冷却は回避され得る。
【0070】
搬送パレットは、接点にしっかりと固定されず、X方向およびY方向に移動可能であるので、低温の搬送パレット上の低温の半仕上げガラス製品が加熱された炉内に置かれるときに避けられない温度変化であっても、ガラスコンポーネントの寸法精度を損ない、および/または搬送パレットおよび/または炉の機械的損傷につながるおそれのある機械的応力の発生を引き起こし得ない。
【0071】
搬送パレットまたは鋳型は、重力により炉室内の受入デバイス上に静止することができ、したがって、例示されているX方向およびY方向に直交する空間方向Zに明確に定義された仕方で位置決めすることもできる。本発明の一実施形態において、搬送パレットおよび/または鋳型の重心は、接点71、72、および73によって定められる三角形内に配置され得る。これは、炉内の搬送パレットの安定した位置を確実にする。
【0072】
図4は、本発明による位置決めユニットの第2の実施形態を示している。本発明の同様の部品は、同様の参照番号で示され、したがって、次の説明は、主要な相違点に限定され得る。
【0073】
図4に示されているように、第2の接点72に対する受入デバイス82は、受入デバイス8に対して平行に移動可能であり、したがって接点71および73の第1の受入デバイスに対する角度関係が変化しないように設計される。しかしながら、受入デバイスは、第1の受入デバイス8に対して平行な方向に移動可能であるものとしてよく、したがって異なる搬送パレットへの適応が行われ、および/または搬送パレットが受入デバイス82を移動することによって炉内に位置決めされ、および/または搬送され得る。この特徴を例示することを目的として、第2の受入デバイス82の4つの可能な位置が図示されている。
【0074】
図5は、本発明による位置決めユニットの第3の実施形態を示している。本発明の同様の部品は、同様の参照番号で示され、したがって、次の説明は、主要な相違点に限定され得る。
【0075】
第3の実施形態では、炉室20内に配置構成されている3つの受入デバイス81、82、および83を使用し、各々対応する接点71、72、および73に係合している。3つの受入デバイスは、ここでもまた細長要素として設計されており、これはたとえば多角形または丸い断面を有していてもよい。
【0076】
受入デバイスの長手方向の軸は、互いに関して120°の角度を囲む。長手方向の延長により、サイズが異なる、または受入デバイス間の距離が異なる搬送パレットおよび/または鋳型は、変換作業を必要とすることなく受け入れられ得る。それにもかかわらず、位置決めユニットは、それを装備している搬送パレットの、炉の他のユニット、たとえば、スキャナ350との再現可能な位置関係を可能にする。この一定の位置関係は、角度と配置の両方を含む。
【0077】
図6は、接点71と受入デバイス8とを備える搬送パレット7のセグメントの断面図を示している。図示されている高度に単純化された例示的な実施形態において、搬送パレット7は、たとえば、金属または合金またはセラミック材料を含む平行平面板である。任意選択で、搬送パレット7は、半仕上げガラス製品4の固着を防止し、および/または耐温度性を高めるコーティング(図示せず)を施され得る。
【0078】
半仕上げガラス製品4に対向する搬送パレット7の側面には、多角形の断面を有する接点71が示されている。例示されている断面は、立方体の底面本体部にほぼV字型の溝を挿入することによって得られる。溝は、底面が平坦になっていてもよい。
【0079】
対応する受入デバイス8は、ほぼ円形の外側断面を有するロッドまたはチューブを備える。搬送パレット7の重量により、接点71のV字形の溝は、2つの専用の接点または接触線711および712上に載るような仕方で受入デバイス上にある。この結果、それに直交するX方向とZ方向の両方において規定された位置決めが行われる。
【0080】
したがって、他の受入デバイスおよび接点との連携により、図3図5を参照しつつ上で説明されているように、3つの方向すべておよび3つの回転方向すべてにおいて、正確な位置決めを行うことができる。
【0081】
図7は、壁25によって区切られている、炉室20上の上面図を示している。炉室20の内側に4つのエンボス加工型6が配置され、これらはレーザービーム30の目標点を中心として同心円状に長方形配列で配置構成される。
【0082】
図7は、ほぼ長方形の形状を有する半仕上げガラス製品4をさらに例示している。半仕上げガラス製品4は、炉室20内で移動され得る。5つの可能な位置が図7に示されている。理解されるように、半仕上げガラス製品4は、たとえば、4つのエンボス加工型6すべてが同時にまたは順次半仕上げガラス製品4上に作用し、それによって半仕上げガラス製品の任意の点に到達することを可能にする位置に置かれ得る。本発明の他の実施形態において、半仕上げガラス製品4は、ガラス製品を再整形するために事前決定可能な部分表面がレーザービーム30によって順次加熱されるようにレーザービーム30の下で移動され得る。炉2内での半仕上げガラス製品4の移動により、スキャナ350の使用は回避され得るが、それにもかかわらず、レーザービーム30と半仕上げガラス製品4との間の相対的移動を実現できる。
【0083】
図8は、本発明によるデバイス1の一部としての炉2のさらなる図を示している。
【0084】
図8は、壁25によって区切られている、炉2の炉室20の底部の上面図を示している。図8は、半製品のガラス製品4を炉室20内で移動させるように構成されたメカニズムを示している。これは、互いにほぼ平行に配置構成されている2つの受入デバイス85からなる。これらの受入デバイスは、半仕上げガラス製品4が炉室20内に位置決めされ得るように、2つの軸において移動され得る。この特徴は、半仕上げガラス製品4は、エンボス加工型6および/またはレーザービーム(図8には示されていない)の動作範囲内に移動することができる。半仕上げガラス製品は、異なる温度ゾーンに移動されるものとしてよく、これにより、たとえば、予熱、再整形または焼き戻しの任意選択の方法ステップを実行することができる。
【0085】
図9は、本発明の第4の実施形態による炉2を通る断面図である。本発明の同様の部品は、同様の参照番号で示され、したがって、次の説明は、主要な相違点に限定され得る。
【0086】
ここでもまた、炉室20が示されており、ここに半仕上げガラス製品4が収容される。炉2は、循環反射炉として設計されている、すなわち、加熱ユニット(図示せず)が炉内の空気を加熱し、その空気を送風機ユニットを用いて空気流265として炉室20に送り込む。空気流265は、半仕上げガラス製品4をより均質および一様に加熱することを可能にし得る。
【0087】
それに加えて、半仕上げガラス製品4の個々の部分領域と炉壁25との間に視線45が存在する。この結果、半仕上げガラス製品4と炉室20の壁25との間の輻射熱の付加的交換が生じる。もちろん、図示されている2つの視線45は、例示的なものとしてのみ理解されるべきである。実際、半仕上げガラス製品4の個々の部分領域と炉室20の壁24のそれぞれ関連する部分領域との間に複数のそのような視線がある。
【0088】
壁25の温度が炉室20内の半仕上げガラス製品の温度よりも低い場合、輻射熱の交換は、半仕上げガラス製品4の冷却を引き起こす。これは、半仕上げガラス製品4の均一加熱を妨げ得る。
【0089】
本発明により、少なくとも1つの板金熱偏向器255を炉室20の内側に置くことが提案されており、これは、壁よりも高い温度にされ得る。板金熱偏向器255は、たとえば、追加の電気またはガス作動式加熱ユニットによって加熱され得る。本発明の他の実施形態において、熱風空気流265は、熱風空気流265から熱を吸収できるように板金熱偏向器の背面換気に使用されてもよい。このようにして、半仕上げガラス製品4を囲む半空間が半仕上げガラス製品と均等に輻射熱を交換し、半仕上げガラス製品4の不均一な冷却または加熱が回避されることを確実にし得る。したがって、半仕上げガラス製品と炉室の内壁との間の輻射熱が制御されつつ交換されるので、半仕上げガラス製品4の温度分布をより適切に制御することが可能である。本発明のいくつかの実施形態において、炉室20の内側のすべての板金熱偏向器255は同じ温度であり得る。本発明のいくつかの実施形態において、この温度は、炉室20内の空気の温度に等しいものとしてよい。
【0090】
本発明は、例示されている実施形態に限定されないことに留意されたい。上記の説明は、制限ではなく、解説するものとみなされるべきである。次の請求項は、引用された特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に存在するように理解されるべきである。これは、さらなる特徴の存在を排除するものではない。請求項および上記の説明が「第1の」および「第2の」実施形態を定義する限り、この指定は、順序を決定することなく、2つの類似する実施形態を区別する働きをする。
【符号の説明】
【0091】
1 デバイス
2 炉
3 レーザー
4 半仕上げガラス製品
5 開口部
6 エンボス加工型
7 搬送パレット
8 受入デバイス
20、21、22、および23 炉室
24 壁
25 壁
30 レーザービーム
31 レーザービーム
35 可動ミラー
36 コンピュータシステム
40 事前決定可能な部分領域
45 視線
50 ノズル
60 相補的な形状のエンボス加工陰型
65 アクチュエータ
71、72、および73 接点
81、82、および83 受入デバイス
85 受入デバイス
250 部分
255 板金熱偏向器
265 空気流
350 スキャナ
711、712 接触線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】