(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-518531(P2021-518531A)
(43)【公表日】2021年8月2日
(54)【発明の名称】車両の到達可能範囲を表示する方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20210705BHJP
G08G 1/137 20060101ALI20210705BHJP
【FI】
G01C21/26 B
G08G1/137
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-549589(P2020-549589)
(86)(22)【出願日】2019年3月15日
(85)【翻訳文提出日】2020年10月15日
(86)【国際出願番号】CN2019078299
(87)【国際公開番号】WO2019174636
(87)【国際公開日】20190919
(31)【優先権主張番号】201810220509.5
(32)【優先日】2018年3月16日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】513271313
【氏名又は名称】ボッシュ オートモーティヴ プロダクツ(スジョウ) カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSCH AUTOMOTIVE PRODUCTS(SUZHOU)CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク ヴィンクラー
(72)【発明者】
【氏名】マーク モレラ アグスティ
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ パン
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジオ ガランティ
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129CC19
2F129DD09
2F129DD13
2F129DD38
2F129DD39
2F129DD49
2F129EE02
2F129EE29
2F129FF11
2F129FF18
2F129FF20
2F129HH02
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB08
5H181FF22
(57)【要約】
車両の到達可能範囲を表示する方法は、車両の走行可能距離を取得すること(S10)と、走行可能距離に基づいて、現在の位置に関連付けられた到達可能範囲を地図アプリケーション上に動的に表示すること(S20)と、を含む。本方法により、ユーザは、現在の電力量が電動車両を目的地まで走行させるのに十分であるか否かを非常に便利に特定することができ、また、走行可能距離の推計は、より正確になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の到達可能範囲を表示する方法であって、
車両の走行可能距離を取得することと、
車両の現在位置を取得することと、
前記走行可能距離に基づいて、前記現在位置に関連付けられた到達可能範囲を地図アプリケーション上に動的に表示することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記到達可能範囲は、道路情報に基づいて生成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記到達可能範囲は、第1の領域及び第2の領域を含み、前記第1の領域は、車両のエネルギーレベルが前記車両の第1の動作条件での走行を支持する領域であり、前記第2の領域は、前記車両のエネルギーレベルが前記車両の第2の動作条件での走行を支持する領域であり、前記第1の動作条件は、前記第2の動作条件とは異なることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記現在位置に関連付けられた到達可能範囲を動的に表示することは、
前記現在位置のマークの周囲に前記走行可能距離を半径とする円により、前記到達可能範囲を示すことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記現在位置のマークと前記円の外周との間にガイド線を延伸させることをさらに含み、前記走行可能距離の値及び/又はエネルギーレベルを前記ガイド線上に注記することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記到達可能範囲は、ユーザのタッチジェスチャに応じてズームされて、地図の詳細及び/又は地図の概要を表示することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記車両は、電動車両であり、前記走行可能距離は、前記電動車両の現在の電力量、負荷情報、及び、運転者の運転行動データに基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記運転行動データは、運転者の好みの速度情報、加速度情報及び/又は制動頻度情報を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記速度情報、加速度情報及び制動頻度情報は、異なる道路区間情報にそれぞれ関連付けられていることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ナビゲーション装置であって、
車両の走行可能距離を取得するための第1の算出部と、
前記走行可能距離に基づいて、前記車両の現在位置に関連付けられた到達可能範囲を地図アプリケーション上に動的に表示する第2の表示部と、
を備えるナビゲーション装置。
【請求項11】
前記車両は、電動車両であり、前記第1の算出部は、前記電動車両の現在の電力量、負荷情報、及び、運転者の運転行動データに基づいて、前記走行可能距離を算出し、前記第2の表示部は、道路情報及び前記走行可能距離に基づいて、前記到達可能範囲を動的に表示することを特徴とする請求項10に記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
前記ナビゲーション装置は、クラウドサーバから前記運転行動データを取得して前記第1の算出部に提供するための情報取得部をさらに備え、前記運転行動データは、運転者の好みの速度情報、加速度情報及び/又は制動頻度情報を含むことを特徴とする請求項11に記載のナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図表示技術分野に関し、より具体的には、車両の到達可能範囲を表示する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
現在、電動車両(電動自動車、電動アシスト自転車、電動キックボードなどを含む)の普及が進んでいる。電動自動車を運転して移動すると、ユーザは、二酸化炭素排出量を大幅に削減して環境保護に貢献しながら、快適に駐車することができる。
【0003】
従来技術によれば、電動車両は、通常、残存電力量をパーセント形式により表示するとともに、現在位置も表示している。しかし、残存電力量と目的地の位置との間に相関関係を形成することができないので、電動車両を最終目的地まで走行させるのに残存電力量が十分であるか否かを判断することは、運転者にとって困難であった。いくつかの改良策には、電動車両の平均速度に基づいて電動車両の走行可能距離を推定するものがあるが、電動車両の実際の負荷及び運転者の運転行動の習慣が考慮されておらず、このため、推定された走行可能距離は、不正確であると運転者に感じさせるものが多かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の概要
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服することが可能な技術的解決手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を実現するために、本発明は、以下の技術的解決手段、即ち、車両の到達可能範囲を表示する方法であって、車両の走行可能距離を取得することと、車両の現在位置を取得することと、走行可能距離に基づいて、現在位置に関連付けられた到達可能範囲を地図アプリケーション上に動的に表示することと、を含む方法を提供する。
【0006】
好ましくは、到達可能範囲は、道路情報に基づいて生成される。
【0007】
好ましくは、到達可能範囲は、第1の領域及び第2の領域を含み、第1の領域は、車両のエネルギーレベルが車両の第1の動作条件での走行を支持する領域であり、第2の領域は、車両のエネルギーレベルが車両の第2の動作条件での走行を支持する領域であり、第1の動作条件は、第2の動作条件とは異なる。
【0008】
好ましくは、現在位置に関連付けられた到達可能範囲を動的に表示することは、現在位置のマークの周囲に走行可能距離を半径とする円により到達可能範囲を示すことを含む。
【0009】
好ましくは、到達可能範囲は、ユーザのタッチジェスチャに応じてズームされて、地図の概要及び/又は地図の詳細を表示する。
【0010】
好ましくは、車両は、電動車両であり、走行可能距離は、電動車両の現在の電力量、負荷情報、及び、運転者の運転行動データに基づいて算出される。
【0011】
好ましくは、運転行動データは、運転者の好みの速度情報、加速度情報及び/又は制動頻度情報を含む。
【0012】
好ましくは、速度情報、加速度情報及び制動頻度情報は、異なる道路区間情報にそれぞれ関連付けられている。
【0013】
本発明は、ナビゲーション装置であって、車両の走行可能距離を取得するための第1の算出部と、走行可能距離に基づいて、車両の現在位置に関連付けられた到達可能範囲を地図アプリケーション上に動的に表示する第2の表示部と、を備えるナビゲーション装置もさらに開示する。
【0014】
本発明の実施例によって提供される、到達可能範囲を地図アプリケーション上に表示する方法によれば、ユーザは、車両を目的地まで走行させるのに車両の現在のエネルギーレベルが十分であるか否かを非常に便利に特定することができるようになり、また、走行可能距離の推計がより正確になり、さらに、運転者にカスタマイズされたパラメータにより推計を行うことができ、その結果、ユーザ体験及びユーザ満足度は、著しく向上する。ナビゲーション装置がさらに開示され、ナビゲーション装置は、車両と一体に又は通信可能に結合され、これにより、ユーザは、その到達可能範囲を正確に推定することができるようになり、ユーザの移動に多くの利便性がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施例によって提供される、到達可能範囲を地図アプリケーション上に表示する方法の流れを示す図である。
【
図2】異なる現在の電力量に対応する到達可能範囲を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明を実施するための形態
本発明の十分な理解を提供するために、以下の説明に具体的な詳細を示す。しかしながら、そのような具体的な詳細がなくても、本発明の実施例を実施することができることは、当業者には明らかであろう。本発明においては、「第1の要素」、「第2の装置」などの特定の数値参照がなされ得る。しかしながら、特定の数値参照は、文字通りの連続的な順序として解釈されるべきではなく、「第1の要素」は「第2の要素」とは異なると解釈されるべきである。
【0017】
本明細書に記載された特定の詳細は例示的なものに過ぎず、特定の詳細は変更される可能性があるが、なおも本発明の趣旨及び範囲内である。「結合」という用語は、構成要素に直接連結され、又は、他の構成要素を介して構成要素に間接的に連結されることを表すように定義される。
【0018】
本発明の実施に適した方法、システム及び装置の好ましい実施例を、添付図面を参照することにより以下に説明する。実施例は、要素(ステップ)の個々の組合せについて記載されているが、本発明は、開示された要素(ステップ)の総ての考えられる組合せを含むことを理解されたい。従って、1つの実施例が要素A、B及びCを含み、第2の実施例が要素B及びDを含む場合、本発明は、明示的に開示されていなくても、A、B、C又はDの他の残余の組合せを含むことも考慮されるべきである。
【0019】
以下の実施例においては、電動車両を例示して説明するが、本出願は、電動車両に限定されるものではなく、化学エネルギー源又はハイブリッドエネルギー源などを動力源とする車両にも適用し得ることが理解されるべきである。
【0020】
図1に示すように、本発明の第1の実施例によって提供される、到達可能範囲を地図アプリケーション上に表示する方法は、以下のステップS10及びステップS20を含む。
【0021】
ステップS10:電動車両の走行可能距離を取得する。
【0022】
具体的には、電動車両の走行可能距離を取得するために、現在の電力量情報と、積載している貨物、運転者の体重並びに乗員の人数及び体重などを含む電動車両の負荷情報とを組み合わせて算出するものとするとよい。具体的な実装にあたり、算出実行ユニットは、現在の電力量情報を取得するために、電動車両のバッテリ管理モジュールと結合されるものとしてもよく、乗員体重及び/又は貨物重量情報を取得するために、電動車両に配置された1つ以上の電子秤量装置と結合されるものとしてもよい。
【0023】
走行可能距離をより正確に推定するためには、運転者の運転行動データを考慮する。具体的には、運転行動データには、運転者の好みの速度情報、加速度情報及び制動頻度情報が含まれるものとするとよく、これらのデータ又は情報は、パーソナライズされているべきである。換言すれば、運転者によって好みの速度情報、加速度情報及び制動頻度情報が異なるため、パーソナライズされたデータも異なるものとなる。特定の速度情報、加速度情報及び制動頻度情報を使用して、それぞれの運転者の習慣的な運転行動を測定し、電動車両の走行可能距離を推定することにより、推定された走行可能距離は、運転者にとってより正確なものとなり、その結果、ユーザ体験及びユーザ満足度の著しい向上が可能になる。
【0024】
運転行動データは、電動車両に長期間にわたる統計分析を行うことによって生成するものとしてもよく、電動車両の走行情報をクラウドサーバにおいて定期的に取得して統計分析を行うものとしてもよい。
【0025】
好ましくは、速度情報、加速度情報及び制動頻度情報は、異なる道路区間情報にそれぞれ関連付けられている。即ち、異なる道路区間においては、各運転者は、異なる又はさらには非常に異なる速度、加速度及び制動頻度を好む可能性がある。登板道路区間、降坂道路区間、学校付近の道路区間、又は、広々とした道路区間においては、運転者は、必然的に異なる走行速度、加速度及び制動回数(頻度)を選択することになり、電動車両は、異なる電力量を消費することになることも理解される。これらの運転行動データと異なる道路区間情報とを相関させることにより、走行可能距離の推定精度をさらに向上させることができる。
【0026】
ステップS20:走行可能距離に基づいて、電動車両の現在位置に関連付けられた到達可能範囲を地図アプリケーション上に動的に表示する。
【0027】
到達可能距離は、走行可能距離に基づいて特定され、また、走行可能距離は、電動車両の現在の電力量に部分的に基づいて算出される。従って、到達可能範囲と現在の電力量との間の対応関係を確立することができる。
図2は、負荷情報及び運転者の運転行動データを考慮しない理想的な状況において、異なる電力量状態A、B、C(現在の電力量はそれぞれ、100%、50%、5%である)に対する到達可能範囲を示した図を示している。
【0028】
具体的には、現在位置のマークの周囲に、走行可能距離を半径とする円により到達可能範囲を示すことができる。
図2に示すように、到達可能範囲は、地図と重ね合わせられた円により表示される。電力量状態がAのときに円面積が最大となり(最大の到達可能範囲に対応する)、電力状態がBのときに円面積は減少し、電力状態がCのときに円面積は最小となる(最少の到達可能範囲に対応する)。電動車両の現在の電力量が変化に伴い、到達可能範囲が動的に更新される。好ましくは、現在位置のマークと示された円の外周との間に1つ以上のガイド線が延伸しており、到達可能範囲の値及び/又は車両のエネルギーレベルがガイド線上に注記される。例えば、
図2に示すように、走行可能距離の具体的な値を地図上に表示するものとしてもよい。
【0029】
また、地図上に電動車両の目的地も表示し、目的地と現在位置(
図2の黒点により示すように)との間の距離、及び、到達可能範囲を目視で観察することにより、ユーザは、電動車両を目的地に到達させるのに現在の電力量が十分であるか否かを直接知ることができる。例えば、例として、目的地が到達可能範囲内であるときに目的地を緑色のマークにより示し、目的地が到達可能範囲外であるときに赤色のマークにより示す。
【0030】
より具体的には、ユーザのタッチスクリーンへのタッチジェスチャに応じて到達可能範囲をズームして、地図の概要又は地図の詳細をそれぞれ表示することができる。到達可能範囲のズームと地図のズームとは、同等のズーム比で同期して行われる。
【0031】
さらなる改良として、道路情報に基づいて到達可能範囲が生成される。都市道路は、固定されており、現在位置を起点としたいかなる半径方向にも沿っていないので、同一の電力量により、異なる方向に異なる直線距離(現在位置からの距離、即ち、起点位置からの距離)を走行することになる。従って、到達可能範囲は、もはや
図2に示された円を示さないが、楕円、ひし形、及び、考えられる他の任意の不規則な形状であるものとしてもよいことが理解される。
【0032】
他の改良として、到達可能範囲は、異なる色(又は異なる線、異なるコントラストなど)で示される複数の領域、例えば、緑色の第1の領域及びオレンジ色の第2の領域を含む。第1の領域は、車両のエネルギーレベルが車両の第1の動作条件での走行を支持する領域として表示され、第2の領域は、車両のエネルギーレベルが車両の第2の動作条件での走行を支持する領域として表示され、第1の動作条件は、第2の動作条件とは異なる。
【0033】
一例として、第1の動作条件は、楽観的な動作条件(例えば、負荷が最小で、路面状況が最良で、制動回数がゼロである)を表示するものとしてもよく、第2の動作条件は、厳しい動作条件(例えば、負荷が最大で、路面状況が最悪で、制動回数が1キロ当たり5回の制動である)を表示するものとしてもよい。
【0034】
他の例として、第1の領域は、現在の電力量が電動車両の第1の(高い)速度での走行を支持する領域であり、通常は略円形であり、第2の領域は、現在の電力量が電動車両の第2の(低い)速度での走行を支持する領域であり、通常は略環状である。異なる色で領域を表示することにより、第1の領域においては、バッテリの電力量が十分であり、電動車両は高速で走行することができ、第2の領域においては、電力量を適当に節約して電動車両を低速で走行させると目的地に確実に到達することができることを、運転者に理解させることができる。
【0035】
本発明のいくつかの実施例においては、地図アプリケーションは、ユーザが保持するスマート端末(例えば、スマートフォン)にインストールされる。他のいくつかの実施例においては、地図アプリケーションは、電動車両側に搭載され、電動車両に装備されたタッチスクリーンに表示される。
【0036】
本発明の第2の実施例は、ナビゲーション装置を提供し、当該ナビゲーション装置は、少なくとも第1の算出部と、第2の表示部と、任意選択的に情報取得部と、を備える。
【0037】
第1の算出部は、車両の走行可能距離を取得するために使用され、第2の表示部は、走行可能距離に基づいて、車両の現在位置に関連付けられた到達可能範囲を地図アプリケーション上に動的に表示する。
【0038】
情報取得部を含む改良された実施例によれば、情報取得部は、運転者の運転行動データを取得するためにクラウドサーバに通信可能に結合される。より具体的な例として、車両は、電動車両であり、第1の算出部は、現在の電力量、負荷情報及び運転行動データに基づいて電動車両の走行可能距離を算出するために、情報取得部と通信可能に結合されている。第2の表示部は、走行可能距離に基づいて車両の現在位置に関連付けられた到達可能範囲を地図アプリケーション上に動的に表示するために、第1の算出部と通信可能に結合されている。
【0039】
さらなる改良として、第2の表示部は、道路情報及び走行可能距離に基づいて、到達可能範囲を動的に表示する。また、到達可能範囲は、楕円形、ひし形、及び、その他の任意の考えられる不規則な形状であるものとしてもよい。
【0040】
例として、運転行動データは、運転者の好みの速度情報、加速度情報及び/又は制動頻度情報を含む。好ましくは、これらの運転行動データを異なる道路区間情報と相関させることは、走行可能距離の推定精度を向上させるのに有用である。
【0041】
上記の機能に加えて、ナビゲーション装置はさらに、到達可能範囲に基づいて運転者に経路を推奨し、この経路は、電力量の節約又は走行最短距離を主な目的としてもよい。当該ナビゲーション装置は、電動車両に組み込まれるものとしてもよい。代替形態として、ナビゲーション装置は、運転者によって携帯され、電動車両側から現在の電力量情報を取得するために電動車両と通信可能に結合される。
【0042】
上述のナビゲーション装置は、電動車両と一体的に又は通信可能に結合されるものとしてもよく、ユーザの移動に多くの利点をもたらす。
【0043】
本発明のいくつかの実施例においては、装置の少なくとも一部分は、通信ネットワークによって接続された一組の分散型算出部を使用して実装され、又は、「クラウド」に基づいて実装されるものとしてもよい。このようなシステムにおいては、複数の算出部が連携して動作し、共有リソースを使用することによりサービスを提供する。
【0044】
「クラウド」に基づく実装は、オープン性、柔軟性及び拡張性、一元管理、信頼性、スケーラビリティ、コンピューティングリソースの最適化、複数のユーザ間において情報を集約及び分析する能力、複数の地域にまたがる接続性、並びに、ネットワーク接続性のために複数のモバイル又はデータネットワーク事業者を確保する能力を含む、1つ以上の利点を提供することができる。
【0045】
本発明の第3の実施例は、コンピュータ実行可能命令を内部に記憶したコンピュータ可読記憶媒体を提供し、これらのコンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されるときに、上記の第1の実施例又はその任意の改良形態によって提供される方法を実施する。
【0046】
上述の説明は、本発明の好ましい実施例のみを対象としており、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。当業者であれば、本発明の要旨及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変形設計を行うことができる。
【国際調査報告】