特表2021-518571(P2021-518571A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-518571(P2021-518571A)
(43)【公表日】2021年8月2日
(54)【発明の名称】生物切片の操作方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/06 20060101AFI20210705BHJP
   G01N 1/30 20060101ALI20210705BHJP
   G01N 1/04 20060101ALI20210705BHJP
【FI】
   G01N1/06 F
   G01N1/30
   G01N1/04 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2021-502720(P2021-502720)
(86)(22)【出願日】2019年3月28日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月11日
(86)【国際出願番号】US2019024658
(87)【国際公開番号】WO2019191479
(87)【国際公開日】20191003
(31)【優先権主張番号】62/649,107
(32)【優先日】2018年3月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/367,141
(32)【優先日】2019年3月27日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520372261
【氏名又は名称】ストラテオス,インク.
【氏名又は名称原語表記】STRATEOS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ローズ,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル,コーディ
(72)【発明者】
【氏名】スプリンガー,ジョーイ
(72)【発明者】
【氏名】パーカー,クリスティ
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA28
2G052AD12
2G052AD32
2G052AD52
2G052BA16
2G052CA03
2G052CA41
2G052DA07
2G052EC03
2G052FA10
2G052GA31
(57)【要約】
組織切片の自動化された薄切、染色、撮像の為の装置及び方法が提供される。装置は、経路上に組織試料を移動させる組織試料担体と、組織試料の一面に接着する連続基材と、組織試料を薄切するナイフと、連続基材に圧力を印加するアプリケータと、撮像装置とを包含する。
【選択図】図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織試料を経路上で移動させることと、
前記組織試料が移動する際に前記組織試料の一面に連続基材を接着することと、
ナイフエッジにおいて前記組織試料を移動させて、前記連続基材により前記組織試料の薄片が前記組織試料から解離されることと、
を包含する方法。
【請求項2】
アプリケータが前記連続基材に圧力を印加して前記組織試料の前記面と接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記連続基材が給送ロールから排出される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記連続基材が給送ロールから排出され、前記給送ロールの回転速度が調整される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ナイフがミクロトームに含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
更に、
前記連続基材に接着された前記薄片の第1面とは反対にある前記薄片の第2面に保護膜を装着すること、
を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
更に、
前記連続基材に接着された前記薄片の第1面とは反対にある前記薄片の第2面に保護膜を装着することと、
前記薄片の染色に先立って前記保護膜を除去することと、
を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
更に、
前記連続基材に接着された前記薄片の第1面とは反対にある前記薄片の第2面に保護膜を装着することと、
前記薄片の染色に先立って前記保護膜を除去することと、
前記薄片が染色された後に前記薄片の前記第2面に前記保護膜を再装着することと、
を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
更に、
前記連続基材に接着された前記薄片を撮像すること、
を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
更に、
前記連続基材に接着された前記薄片の第1面とは反対にある前記薄片の第2面に保護膜を装着することと、
前記薄片の染色に先立って前記保護膜を除去することと、
前記薄片が染色された後に前記薄片の前記第2面に前記保護膜を再装着することと、
前記連続基材上の前記染色薄片を撮像することと、
を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
更に、
前記連続基材に接着された前記薄片の第1面とは反対にある前記薄片の第2面に保護膜を装着することと、
前記薄片の染色に先立って前記保護膜を除去することと、
前記薄片が染色された後に前記薄片の前記第2面に第2保護膜を装着することと、
を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
更に、
前記連続基材に接着された前記薄片の第1面とは反対にある前記薄片の第2面に保護膜を装着することと、
前記薄片の染色に先立って前記保護膜を除去することと、
前記薄片が染色された後に前記薄片の前記第2面に第2保護膜を装着することと、
前記連続基材上の前記染色薄片を撮像することと、
を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
組織試料を経路上で移動させる組織試料担体と、
前記組織試料が移動する際に前記組織試料の一面に接着される連続基材と、
ナイフと、
を包含する装置であって、
前記組織試料担体により前記ナイフエッジにおいて前記組織試料が移動され、
前記連続基材により前記組織試料の薄片が前記組織試料から解離される、
装置。
【請求項14】
アプリケータが前記連続基材に圧力を印加して前記組織試料の前記面と接触させる、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記連続基材が給送ロールから排出される、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記連続基材が給送ロールから排出され、前記給送ロールの回転速度が調整される、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記ナイフがミクロトームに含まれる、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
更に、
前記連続基材に接着された前記薄片の第1面とは反対にある前記薄片の第2面に装着される保護膜、
を包含する、請求項13に記載の装置。
【請求項19】
更に、
前記連続基材に接着された前記薄片の第1面とは反対にある前記薄片の第2面に装着される保護膜、
を包含し、
前記薄片の染色に先立って前記保護膜が除去される、
請求項13に記載の装置。
【請求項20】
更に、
前記連続基材に接着された前記薄片の第1面とは反対にある前記薄片の第2面に装着される保護膜であって、
前記薄片の染色に先立って除去される保護膜と、
前記薄片が染色された後に前記薄片の前記第2面に装着される第2保護膜と、
前記連続基材上の前記染色薄片を撮像する撮像機器と、
を包含する、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概ね、生物組織の薄切、染色、撮像に関する。
【背景技術】
【0002】
核酸配列、遺伝子転写プロファイリング、タンパク質発現分析、そして超解像顕微鏡における最近の進歩から、単一細胞という前例のない細部における組織及び器官の生物学を理解することが大いに期待される。しかし綿密な制御による生物システムにおいて広く報告されているが、これらの方法論を組織及び器官の全体に適用することは困難である。
【0003】
組織の薄切、染色、撮像は、医学及び生物学研究では日常的な慣行である。しかし多くの単一細胞技術は、組織ボリューム内の各薄片に均一に適用される場合には法外なほど時間と費用が掛かることになる。
【0004】
開業医は一般的に、薄い組織切片を手で生成して個々のガラススライドへ移す。それから個々のスライドを検査して、後続の染色、顕微鏡、分析のステップをどのように進めるかを決定する。これらのプロセスは労働集約的で組織切片を破損させることが多い。これらのステップの多くを個々に自動化するツールは存在する。しかし、人間である開業医とは異なり、自動化ツールでは個々の切片の独自形質に各ステップが適応化されない。
【0005】
この決定プロセスの為、研究者は一般的に、組織のごく少量の標本採取に当たる切片に基づいて重要な診断及び科学的結論を下す。更に、手による取扱いは切片の品質とその空間的相互関係性を損ない、顕微鏡画像の三次元表示を妨げる。そしてまたこれらの組織は、組織病理学における分子及び幾何学的特徴の間の関係の理解を著しく制限する。
【0006】
本節に記載されるアプローチは、追求可能なアプローチであるが、既に認知又は追求されているアプローチでは必ずしもない。それ故、他の指摘がなければ、本節に記載されるアプローチのいずれも本節に含まれるという理由のみで先行技術として認められると推定されるべきではない。同様に、一つ以上のアプローチに関して特定された問題は、他の指摘がなければ、本節に基づいて先行技術として認識されていると推定されるべきではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来の技術における課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る方法は、組織試料を経路上で移動させることと、前記組織試料が移動する際に前記組織試料の一面に連続基材を接着することと、ナイフエッジにおいて前記組織試料を移動させて、前記連続基材により前記組織試料の薄片が前記組織試料から解離されることと、を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、添付図面の図に限定としてではなく例として示されており、同様の参照番号は類似の要素を指す。
図1】本発明の一実施形態による組織切片の染色及び撮像の自動化を説明するフローチャートを示す。
図2】本発明の一実施形態による予備撮像切片を有する組織切片の染色及び撮像の自動化を説明するフローチャートを示す。
図3A】乃至
図3C】本発明の一実施形態による捕捉切片を基材上で整理する為の構成を示す。
図4A】乃至
図4H】本発明の一実施形態による切片を作成及び捕捉する装置を示す。
図5A】乃至
図5D】本発明の一実施形態による切片を染色する為の装置を示す。
図6A】乃至
図6C】本発明の一実施形態による切片を染色する為の装置を示す。
図7A】乃至
図7B】本発明の一実施形態による切片を染色する為の別の装置を示す。
図8A】乃至
図8C】本発明の一実施形態による撮像器具を示す。
図9A】乃至
図9C】本発明の一実施形態による、切片を染色する為のミクロトームを使用する装置を示す。
図10A】乃至
図10B】本発明の一実施形態による基材構成を示す。
図11】捕捉サイクルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の記載では、説明を目的として、本発明の完全な理解を提供する為に数多くの特定の詳細が提示される。しかしながら、本発明がこれらの特定の詳細を含まずに実践され得ることは明白であろう。他の事例では、本発明の不必要な排除、隠蔽、混乱を回避する為に周知の構造及び機器が網羅的な詳細にわたって記載されることはない。
【0011】
本願では以下の概要に従って実施形態例が説明される。
1.0 機能的概略
2.0 シナリオ例
3.0 拡張例及び代替例
【0012】
1.0 機能的概略
一実施形態において、組織切片の薄切、染色、及び撮像の為の装置及び方法が提供される。器具は最初に、組織切片を連続基材に順次接着する。こうしてシステム内の後のステップ、すなわち自動的染色、撮像、及び解釈に非常に適した組織標本として多く又はすべての切片が得られるので、機械制御下においてこれらのステップが高速かつ容易に実行される。この方法の決定点は、これら切片の為の後続の染色、撮像、そして分類手順を指示する為に切片の画像を取り入れることである。
【0013】
定義
「ブロック」は、生物組織、製造された合成組織、又は合成固体物質の領域のように、分析される固体物質の塊体を指す。ブロック全体そのものが分析の為の標本に当たるか、ブロックが包埋剤に標本を含有してもよい。
【0014】
「面」は、ブロックの露出表面、具体的にはナイフによる切断が想定される滑らかな面を指す。
【0015】
「切片」は、切削プロセスにより製作されるブロックの少なくとも一つの薄い小片を指す。
【0016】
「ポジショナ」は、周知の経路上での動作を支持及び案内する機械的要素を指す。ポジショナは自由動作を可能にするか、人間のオペレータ又は電子コントローラからの信号を受けて周知の経路上での動作を引き起こすモータ又はアクチュエータを含み得る。
【0017】
「染色」は、組織学染色剤、免疫組織染色又はハイブリダイゼーションプローブの適用のように切片の画像にコントラストを与えると想定される化学的処理の一つ以上のステップを概ね指す。洗浄、ブロック化、抗原放出、脱染、又は組織保存のように、これらの技術の周辺の関連プロセス、或いは個々の切片が想定される場合にはステップ全体の省略を指す。視覚的コントラスト剤の染色は、発色性、蛍光性、又は質量分析法のプローブを含み得る。
【0018】
「撮像」は、切片、ブロック、又はその集合体についての視覚情報を提供する方法を指す。撮像は、モーションキャプチャ写真撮影、明視野光学顕微鏡検査、蛍光性顕微鏡検査、電子顕微鏡検査、又は集束イオンビーム顕微鏡検査を限定的にではなく含む。
【0019】
「基材」は、切片の移動を制約する一つ以上の面を含む物質を指す。基材は、ポリマー膜等のように可撓性であるか、ガラススライド等のように剛性であり得る。
【0020】
「分子分析」は、質量分析法、分析クロマトグラフィ、ゲル電気泳動法、ウェスタン・ブロッティング、免疫測定法、フローサイトメトリー、核酸配列、核酸ハイブリダイゼーション、そして関連の技術を限定的にではなく含む、切片の生物学的又は化学的組成についてより多くの情報を明らかにする方法を指す。分子分析は、染色等を含めて画像コントラストを与える手段も限定的にではなく含み、当該の特徴は、蛍光性免疫染色及びハイブリダイゼーションのような特定の生物学的又は化学的マーカに対応する。
【0021】
「試薬」は、洗浄、染色、分子分析、又は生体物質の準備に関係する他の手順を実施するのに必要な液体又は気体を指す。試薬は、空気、窒素、水、緩衝剤、染色液、有機溶剤、ブロッキングタンパク質、抗体のようなアフィニティプローブ、酵素、以上の混合物又は懸濁液を限定的にではなく含む。
【0022】
図1を参照すると、一実施形態において組織切片の染色及び撮像を自動化する為のステップシーケンスが示されている。第1ステップ101において、既に準備されたブロックの切片が基材に捕捉される。一連の切片を捕捉した後に、個々の切片が基材に載置され(102)、染色され(103)、そして撮像される(104)。任意であるが、決定プロセス(105)は、各切片が独自に準備されるように、同じか異なる条件での配置、染色、撮像ステップの反復を規定し得る。完了すると、追加の分析ステップの為に切片又は一連の切片が保存され得る。
【0023】
決定プロセス105は、人間のオペレータ、計算アルゴリズム、又はその二つのハイブリッドとの接点であり得る。一つ以上の染料の画像、人間のオペレータにより提供されるような所定の設定、これらのステップを自動化するのに使用される機械類のうちのセンサ及び制御部、又はこれらの組み合わせによりプロセスが指示され得る。プロセスは、これらのステップの収率又は品質を向上させるように染色及び撮像ステップの反復を規定し得る。代替的に、例えば顕微鏡ステップでの特徴識別、コントラスト、又は倍率を変更するように、異なる染色又は撮像ステップを適用し得る。決定プロセスでは付加的に、染色及び撮像ステップを反復する機能から独立して、画像、センサ、又は他の情報を使用して分析用の切片を識別し得る。このようにして、決定プロセスは、分子の分析、破壊、記録を含む一つ以上の後続ステップについての適切性に基づいて切片を分類するフィルタとして機能する。
【0024】
図2は、予備撮像部を有する一実施形態を示す。この方法は、切片捕捉(201)及び予備撮像(202)のステップを包含する反復プロセスで始まる。予備撮像ステップからのデータにより、後続の染色(203)及び撮像(204)ステップが指示される。図1の方法のように、決定プロセス(205)は分子分析の為の切片を識別する。例えば、予備撮像ステップからのデータは異なる切片の異なるタイプの組織形態を識別するのに使用され得る。それから染色ステップは、これらの組織形態タイプに従って異なる染色プロトコルを適用し得る。或いは撮像ステップは、組織形態タイプに応じて異なる倍率レベルで行われ得る。代替的に、薄切速度及び厚さのような切断プロセスのパラメータには、予備撮像ステップからの情報が取り入れられ得る。
【0025】
さらなる実施形態は、例えば、予備撮像と主撮像の両方のステップからの情報に基づいて染色、撮像、及び分析ステップを実行することにより、図1図2の両方法の要素を取り入れ得る。
【0026】
一実施形態において、図1及び図2の方法はコンピュータ制御により実行される。ポジショナは捕捉ステップで部品を移動させ、ステップの間に切片を搬送する。各ポジショナはドライバ及びコントローラからの信号を受信し、これらは中央コンピュータ又はコンピュータクラスタから信号を受信する。同様に、自動化方法の他の態様の為のバルブ及びセンサも、任意でドライバ及びコントローラを介してコンピュータ又はクラスタに接続される。撮像及び予備撮像ステップは、一つ以上のデジタルカメラで具体化される。コンピュータ又はクラスタは、アルゴリズムを適用してこれらのデジタルカメラからのデータを分析し、これらのアルゴリズムの結果を使用して後続の染色、撮像、及び分析ステップを指示する。
【0027】
図3A〜Cは、捕捉切片が基材上で整理される為の構成を示す。これらは各部品の反復ユニットに当たるので、本発明の方法はこのような多くの反復ユニットを連続して使用する。
【0028】
図3Aは、一つ以上の捕捉切片を順に保護する膜集積体を包含する基材を示す。ブロックを切削するプロセスと協調して、捕捉膜(303)が切片(302)に接着される。これに続いて、集積された捕捉膜及び切片に保護膜(301)が接着される。これら2対の膜の間の接着部は更に、捕捉切片への流体の搬送を阻止するか他の形で調整する流体シールを包含する。
【0029】
一実施形態において、基材は一つ以上の層を包含するテープであり、その一面は露出接着剤である。この実施形態で、薄切器具は最初に膜の接着面を露出した組織面に接着し、圧力の印加、熱の印加、紫外線による接着剤の照射、そしてこれらの組み合わせを限定的にではなく含む方法により接着を活性化する。適当なテープは、ポリ塩化ビニル担体膜上のアクリル接着剤(3M Scotch 600等)、ポリエステルテレフタレート担体に積層されたシリコーン又はアクリル転写接着剤、或いはシリコーン接着剤でコーティングされた耐薬品性テープ(デュポン カプトン(DuPont Kapto)テープ及びテフロン(登録商標)(Teflon) FEPテープ)を含むが、これらに限定されるわけではない。
【0030】
代替的実施形態では、従来の接着膜以外の化学的手段により基材が露出組織面に装着される。ワックス、アクリルポリマー樹脂、有機オイル、シリコーンオイル、ヒドロゲルのような液体潤滑膜と共に、界面活性剤と、接着を促進する他の化学薬品を含めて、組織への接着を強化する非接着膜で基材が前処理されてもよい。熱、光、放射線、圧力、又はこれらの組み合わせの印加により組織の包埋剤を局所的に溶融させることによっても接着が達成され得る。
【0031】
例えば、基材は最初に低融点パラフィンワックスでコーティングされてからブロックの露出面との接触状態に置かれる。そして隣接するヒータがワックスコーティングを溶融させ、冷却されると、基材とブロックとの間に接着が設けられる。
【0032】
代替的実施形態では、静電引力又は静電吸着によって接着が達成され得る。基材は、接着を促進する導電性又は誘電性の薄膜を含有し得る。装置は、電極、静電発生器、コロナ放電要素、又は静電引力の為の条件を作り出す他の部品を使用し得る。装置は静電吸着に好ましい環境を作る湿度、粒子、雰囲気ガスを制御する特徴も含み得る。
【0033】
代替的実施形態では、磁気により接着が達成され得る。ブロック、基材、又はその両方は磁性物質を含むので、切片と基材との間の磁気引力がその接着を促進する。装置は、この方法を補助する電磁石、レギュレータ、シールドのような追加部品を含み得る。
【0034】
図3Bは、一つ以上の捕捉切片を保護する代替的な膜集積体を順に示す。ポート層(311)はスペーサ層(312)に密閉される。そしてポート及びスペーサ層の組み合わせが捕捉層(314)に密閉されて、一つ以上の切片(313)を封入する。集積体が密閉されると、捕捉切片への流体の流入はポート(315)のみを介して可能となる。
【0035】
図3Cは、捕捉切片の流体操作を可能にすることを目的とするスペーサ又は他の層のより詳細な特徴を示す。切片(321)は、膜集積体の少なくともスペーサ層(312)により画定される室(322)を占有している。少なくとも一つの相互接続子(324)と一つの通路(325)とを包含する一つ以上の流体特徴ネットワーク(323)は、ポート層(311)のポート(315)と室との間で流体流を案内する。密閉又は取扱いの間に膜集積体の一部を案内する目的の為に、ダボ孔又はプリントマークのような整合特徴(326)が含まれてもよい。
【0036】
図4Aは、切片の生成及び捕捉のプロセスの為の装置を記している。ブロック(401)がポジショナ(402)に装着され、そしてポジショナは剛性ベース(403)に支持されている。第2ポジショナ(407)はアプリケータ(406)を支持し、一方で第3スライド(409)はナイフ(408)を支持している。第1ロール(405)はシャフトに結合されて捕捉膜(404)を送出する。やはりシャフトに結合されている第2ロール(412)には、最終的には結合ローラ(410)を介して捕捉膜に装着される単数又は複数の保護膜(411)が装填される。これらの保護膜は、例えば、図3Aの集積体の集積マイクロ流体ポート層(301)及びスペーサ層(302)で構成され得る。やはりシャフトに装着された第3ロール(413)は、集積膜を回収する巻取りロールである。
【0037】
一実施形態において、薄切器具はブロック(401)に鋭利なナイフ(408)を通過させる。ブロック(401)とナイフ(408)のいずれかが固定されているか、その相対動作が薄切速度を決定するように両方が移動してもよい。
【0038】
本発明の実施形態において、ポジショナ(402,407,409)の各々は、固定ガイドと移動プラットフォームと線形アクチュエータとを包含する。線形アクチュエータは、線形モータ、伝達ねじに結合された回転モータ、ソレノイド、ボイスコイルアクチュエータ、又は空圧ピストンであり得る。代替的に、一つ以上のポジショナの動作は、回転ソレノイドのように非線形であるか、カム又はリンク伝達装置などによりアクチュエータに間接的に連結され得る。例えば、多軸ポジショニングステージによって一つのポジショナを使用して多数の部品を同じ方向又は異なる方向に移動させることにより、二つ以上のポジショナが組み合わされ得る。
【0039】
図4B〜Dは、基材膜への切片の捕捉に関係する動作段階のシーケンスを示す。各段階は幾つかのステップを包含するが、図示を目的として同時に表示されている。しかしながら、図示されているものとは異なる順序でステップが進行してもよい。
【0040】
図4Bは、切片捕捉サイクルの初期段階を示す。アプリケータ(406)とナイフ(408)とがそれぞれのスライド(407,409)での動作を介して組織ブロック(401)の方へ前進する。こうしてアプリケータ、そして捕捉膜(404)が組織ブロック(401)の面の経路に近づくので、組織ブロック(414)の前進動作は捕捉膜を標本面に接着するように機能する。
【0041】
図4Cは、接着及び捕捉の段階を示す。捕捉膜は標本面に接着されているので、ブロックの動作(431)が捕捉膜をアプリケータから引き離す。ナイフがブロックと接触すると、標本膜境界面の下を切削するので、捕捉膜は切片(432)をブロックから解離させる。三つの膜ロール(405,412,413)の回転はこの切片をナイフから最終的には結合ロール(410)に向かって移動させる。
【0042】
図4Dは、切片捕捉プロセスの最終段階を示す。ポジショナ(407,409)はアプリケータ(406)とナイフ(408)とを初期位置へ戻す。これとは別に捕捉及び保護膜(411)が結合ローラ(410)に集積し、その間に捕捉切片(431)を包囲する。
【0043】
一つ以上の電子コントローラは、エンコーダ、速度又は位置センサの補助によりこのステップシーケンスを実行するのに必要なアクチュエータの移動を開ループ方式又は閉ループで調整し得る。回転軸線の間での調整動作を可能にするモータ、クラッチ、ブレーキ、ギヤ、プーリ、又は他の動力伝達部品にローラ(405,412,413)が装着され得る。
【0044】
図4Eは、給送ロールと呼ばれ得る第1ロール(405)を示す。テープを排出する為の一つ以上の給送ロールはロールの交換を可能にするように使用され得る。給送ロール(405)は、ロールの交換を可能にするテープリールホルダ(451)と、テープ又はラミネートの給送を可能にするシャフト及びベアリングと、給送ロール(450)の為に特定のドラッグトルクの設定を可能にすることにより給送ロールの張力を調整するクラッチブレーキ(452,453)とを包含し得る。
【0045】
図4Fは、アプリケータ(406)を示している。アプリケータ(406)は、空気ピストンのような直線力ばね、線形スライド(461)、特定順応性のアプリケータローラ(463)、そしてアプリケータの自由転がりを可能にするベアリング(462)上のシャフトを包含し得る。
【0046】
図4Gは、表面ワインダと呼ばれ得る第3ローラ(413)を示す。表面ワインダ(413)は、回転シャフト上の蓄積スプール(471)と、モータ(474)により駆動される回転シャフト上の表面巻取りローラ(472)と、表面ワインダ上で蓄積スプールの直径を大きくさせる機構(470)と、空気ピストン(473)のような直線力予負荷機構との集積体を包含し得る。この集積体は、スプールの直径変化の影響を無視して、張力及び位置制御のようにテープラインを前進させるのに使用される多様な制御方式を可能にする。更に、慎重な予負荷はスムーズな巻取りと最小の切片破損とを可能にする。
【0047】
図4Hは、試料ブロックホルダと呼ばれ得るポジショナ(402)を示す。試料ブロックホルダ(402)は、病理学カセット(483)又は他の標準的な試料ホルダに取り付けられたブロックを固定できる小型の係止クランプと、簡単な線形スライドと、予負荷ばね(482)と、試料を装填及び装脱するのに使用され得る起動レバー(481)とを包含し得る。
【0048】
切片捕捉制御シーケンス
図11を参照すると、捕捉サイクルは、初期化状態(1101)と薄切状態(1102)と後退状態(1103)と前進状態(1104)とで構成される。各状態はテープの位置及び/又は張力のいずれかを制御し得る。位置制御は、取扱いと収集を便利にする為に一定の切片間距離を達成するのに使用される。張力制御は、ブロック面からのテープの剥離を防止すると共に、捕捉切片の歪曲及び伸張を最小にするのに使用される。制御サイクルのこれらの個別状態での位置及び張力制御モードの間の交代は、高速で一定した切片の回収を可能にする。
【0049】
初期化状態(1101)はテープラインからすべての弛みを取り除いて、ブロック面へのテープの積層を開始するのに適切な閾値張力を確立できる。このような点で、制御はすべての部品を開始点に移動させて全ての位置値をゼロにし、次の状態に進む。
【0050】
薄切状態(1102)は、テープラインが試料ブロックと共に確実に前進する張力制御モードに切り替わり、弛みが切断を妨害すること、又は過度の張力がブロック面へのテープの接着を不安定にすることを防止する。そして薄切状態は、テープアプリケータ又は後続のミクロトーム(ナイフ)を通るようにブロックに命令して、テープ上に切片を設ける。ナイフエッジを越えると、制御は次の状態に進む。
【0051】
後退状態(1103)は、張力制御を使用して弛みがテープラインに蓄積するのを防ぎ、一方でナイフ及びラミネータはブロック表面から後退し、ブロックは初期位置へ退却する。ブロックが初期位置になると、制御は次の状態へ進む。
【0052】
前進状態(1104)は、位置制御を使用して、テープライン上での次の周期的な切片間隔までテープラインを前進させる。テープライン特定の点に設定されると、制御は次の状態へ進む。
【0053】
この制御方式は、ミクロトームによるテープの予定外の切削、テープの伸張、或いはテープ全長での切片の誤配置を軽減する。
【0054】
テープ集積体
透明性、化学的適合性、機械的安定性、そしてパラフィンへの接着は、捕捉膜(404)の重大な特性である。機械的順応性の高過ぎるテープ、例えばFEPテープは、切断プロセス中に伸張して位置フィードバックの為のエンコーダの使用を困難にする。Kaptonポリイミドテープのように高い化学的安定性を特徴とするシリコーン接着剤を含む幾つかのテープは、パラフィンに良好に接着するが高着色性であり、後のステップでの撮像能力を損なう。ポリエステル基材は良好に機能するが、概ねシリコーン接着剤にきれいに積層されず、接着範囲が不均一となるか、CS Hyde透明ポリエステルテープ製品のようなパラフィンに対する接着が全体として低くなる。しかしながら、幾つかのポリエステルテープは、3M 8911のようなパラフィンに強力に接合するシリコーン接着剤の被覆範囲の均一性を達成する。
【0055】
捕捉切片が巻取りローラに回収される際に、露出した接着剤が隣接する巻きテープに互いに付着する。これはテープの取扱いを困難にして、捕捉切片とテープ自体とを損傷させる危険がある。これを防止する為、3M 5932のように非シリコーンのフルオロポリマーコーティングが一面に処理された透明の剥離ライナを包含する保護膜(411)が選択される。ライナのコーティング面は捕捉膜の接着面と共に巻き取られ、これは後続のステップの為にテープの自己接着を防止して捕捉切片を保護する。それから軽い機械的張力を使用するか専用の離脱ローラ機械により、染色に先立ってライナが除去される。同じ長さの保護膜又は新しい長さで同じタイプの膜が、組織を保護又は保存する処理が行われる下流のいずれかの点で捕捉膜と共に再度巻き取られる。
【0056】
テープのルート決定及び能動的弛み制御
積層ブロック面の両側でのテープの方向及び張力を精密に制御することは重要である。張力が高過ぎるかブロック面に対する角度が大き過ぎる場合には、ブロック面へのテープ接着が不安定になり得る。これは、皺、切片の垂下、又は切片のスキップという結果を生じ得る。張力が低過ぎるかブロック面に対する角度が小さ過ぎる場合には、テープの過度の弛みが蓄積してテープ自体かテープ捕捉装置の部品に付着し得る。過度の弛みはナイフに近づく直前でもテープに蓄積し、そしてナイフに絡みついてテープがせん断される可能性がある。切削サイクル中に積層ブロック面が並進する際に、理想的なテープ張力及び角度は概ねサイクル全体で動的に変化する。
【0057】
一つの制御戦略は、一つ以上の非従動ローラをナイフエッジの近くに置いて規定経路上でテープを誘導することである。こうして、捕捉膜の先頭エッジが薄切直後に移動する角度を小さくして、ブロックの先頭エッジのテープが切削されないようにするのに充分であるが接着を不安定にするほど大きくはない張力が得られる。ローラは、固定シャフト上の黄銅若しくはプラスチックのブシュ、又はベアリングに支持されるシャフト上の円筒形ハブを包含する。シャフトは、ナイフを支持する同じ集積体に装着される機械加工又は3Dプリンティングによる取付け部に支持されるので、ナイフ全体の位置が変化する際にもナイフに対して同じテープ経路が保たれる。
【0058】
別の戦略は、巻取りテープ経路、例えば切削後の切片を回収するテープ長に少量の弛みを設けることである。これは、他のテープ回転軸線に対する巻取りローラの回転とブロック自体の並進との間の意図的な遅延又は速度不整合を包含する。例えば、ベッコフ(Beckhoff)のTwinCAT、数値制御インタフェース等のようなコンピュータ動作制御環境においてこれらの軸線の組み合わせの間に仮想ギヤ比を設定することにより、これが達成される。例えば、巻取り軸線がブロック移動軸線よりも若干ゆっくりと移動してブロック面の先頭エッジに5mm以下のテープ弛みを維持するように、巻取りスプール軸線と切削とが一緒に連動する。巻取りスプール軸線と薄切軸線の両方のエンコーダが位置フィードバックの提供に使用されて、薄切サイクル毎にギヤ比の更新を可能にする。
【0059】
受動的弛み張力制御
張力、方向、弛みは切削サイクル中に動的に変化するので、張力が一定であるとブロック面からテープが早く剥離してしまう。コンピュータ数値制御のような能動的戦略は適切に調整されると効果的であるが、頻繁な再校正を必要とし得る。故に、非一定のテープ張力を達成する受動的機構が持続的作業には望ましい。
【0060】
薄切の軸線を垂直に配向することは、テープ方向及び張力を受動的に制御する一つの手法である。パラフィン薄片を垂直動作で積層及び捕捉することにより、先頭エッジの弛みを管理するのに張力の印加の代わりにテープ自体への重力が使用される。この方式では、下向きの薄切動作はブロックの巻取り端部に若干量の弛みをもたらし、張力により誘発される接着の不安定化を防止する。
【0061】
旋回軸線と自由回転するテープローラとを包含する非従動のダンサーアームにより、重力補助による受動的弛み制御が一層効果的になる。ダンサーアームはテープの巻取り部に緩く当接してテープに力を印加するのに自重のみを使用し、常にシステムに若干の張力を保つ。これは、捕捉膜が装置の部品に付着しないことを保証する。またモータ仕様を更に簡単にするので、回転可能なインラインクラッチがテープ張力を設定する間に一定速度で回転するモータを巻取りリールが簡単に使用できる。クラッチは通常、切削ストロークにより弛みが生じる時を除いて滑動して、切片間隔の制御を行うと共に接着剤とブロック面との境界面での過度の張力を防止する。
【0062】
更に、この方式はテープ経路の始点でのテープの制御を簡単にする。テープ供給リールは回転可能なブレーキ又はクラッチのみで具体化されて、テープのスプールを一定に逆駆動するのにモータを必要とせずにウェブの張力を保つ。適切に調整されると、積層ブロック面の動作は巻出し及び巻取り経路の間での若干の張力差を克服し、巻取りクラッチが嵌合している間に巻出しブレーキが滑動するが、結果的に生じる弛みが巻取りリールで回収されるまでに過ぎない。
【0063】
アプリケータ及びナイフ集積体の設計
アプリケータ集積体は、ブロック面にテープを付着させてブロックをその開始位置へ戻すことができるように各サイクルで前後に移動する。アプリケータは、コンピュータコントローラからのコマンドにより前進及び後退し、モータエンコーダから任意のフィードバックを受ける。テープ捕捉装置が独立ミクロトームと係合する際には、ミクロトームのフライホイールの回転位置に基づいてアプリケータの起動もタイミング調整され得る。これは、フライホイールに結合された回転エンコーダフィードバックを含む数値動作コントローラで、又はフライホイールの経路上の正確な箇所に配置されたスイッチにより具体化され得る。
【0064】
包埋剤及び組織は一般的に軟質であるので、過度の印加力が硬質アプリケータと組み合わされると組織を破損させるか、機械類の振動をブロックに伝搬させる。35Aデュロメータのシリコーンゴムのような軟質シースを備えるアプリケータローラが望ましいが、ある設計ではネオプレンのような他の物質と60Aデュロメータまでの硬度とが有益であり得る。空圧ピストンは15〜130Nの調整可能な印加力を印加する。
【0065】
ナイフエッジの15mm以内にアプリケーションローラを配置すると、捕捉スライドの間の距離を短縮し、テープ長に捕捉され得る試料の数を最大化し、故にプロセス処理能力を上昇させる。
【0066】
ある実施形態において、図4Aの薄切器具はミクロトームである。この実施形態で、オペレータは本発明の装置を内含又は除外するようにミクロトームを容易に構成し得る。このような装置は図9A〜Bに図示されている。装置は、ミクロトームの試料ホルダ(901)と整合される装着点を含む。図4Aに記されている器具の特徴に加えて、器具は、テープ経路を案内する一つ以上のローラ(911)と、一つ以上の張力制御部品(912)とを含む。代替的に、剥離器具はナイフエッジ走査顕微鏡(KESM)、又は切断と撮像の両方の機能を実施する類似の器具に装着されてもよい。
【0067】
図9Cは、基材とブロックとの間に接着が設けられる、図4Aの切片捕捉システムの重要な部品についての追加詳細を提示する。基材膜はローラ(922)の周りに巻かれ、これがブロックと接触する。ポジショナ(922)は一つ以上の取付け部品(923)を介してローラに力を印加するので、印加力が制御され得る。印加力は、ポジショナの精密設計に応じて、電気アクチュエータへの電圧、電流、パルスサイクルによって、或いは空圧アクチュエータの圧力により、変化し得る。印加力は多くの切断サイクルについて一定に保たれるか、センサ信号を受けて調整され得る。アプリケータはサイクルごとに1回後退され得るので、アクチュエータの方向の逆転によって、又は戻りばねが存在する際にはアクチュエータを嵌脱させることによって、ブロックの後方動作を妨害しない。
【0068】
切片染色
図5Aは、切片を染色する為の装置を示す。膜集積体(503)である基材と捕捉切片(504)とで構成されるロール(501)は、図4Aに記されているような切片捕捉装置から移送される。第2ロール(502)は、処理が進行する際に同じ集積体を回収する。少なくとも一つの流体マニホルド(507)は固定ベース(505)に対して移動する。各流体マニホルドは少なくとも一つの密閉領域(506)と、別の流体取扱い部品(不図示)への接続部とを含有する。
【0069】
図5B〜Dは、図3A〜Bで既に記した膜集積体の状況において、図5Aの装置を使用して切片を染色するシーケンスを示す。ポジショナ(不図示)は固定ベース(511)に対してマニホルドを移動させるので、密閉領域(506)は、第1切片と一致する膜集積体のポート層(301)との密閉境界面を形成する。流体は、密閉境界面を介してマニホルドと膜集積体との間を一つ以上のステップで流れる。完了すると、ポジショナはマニホルドを分離して密閉境界面を無くす。そしてロール(531,532)が、第1切片にすぐ隣接しているか集積体膜の長さに沿った別の箇所にある次の捕捉切片まで前進する(533)。
【0070】
図6A〜Cは、切片を染色する為の装置を示しており、図5B〜Dの密閉境界面と流体流シーケンスの追加詳細を含む。図3B〜Cのように、膜集積体は、ポート層(604)と、スペーサ層(605)と、捕捉膜(606)と、室(607)に捕捉された切片(608)とを包含する。マニホルド(601)は流入通路(602)と流出通路(603)のうち少なくとも一つを含み、これらはポート層の対応のポート(609)と整合している。染色プロセスのステップを実施するには、マニホルドが前進(611)してポート層を密閉する。ポンプ又は他の流量コントローラが単数又は複数の流入通路(612)へ試薬を流入させる。そして、類似のステップで除去されるまで試薬が室(614)に所在する。過剰な試薬、先行ステップからの試薬、又は空気のような流体は、単数又は複数の流出通路(613)から出る。マニホルドと膜集積体(621)とを分離することにより、任意の時間長にわたって各捕捉切片を個別に試薬との接触状態に置くのに装置が使用され得る。
【0071】
図7Aは、切片を染色する代替的な手段を示す。膜集積体(702)である基材と捕捉切片(705)とで構成される第1ロール(701)が最終的に第2ロール(708)へ誘導される。膜集積体の層は第1ローラ(703)の近くで分離し、最終的には第2ローラ(707)で再集積する。試薬(706)を含有する槽(704)に一つの層又は一組の層が含侵されるので、薄片が含侵されている間に染色ステップが実施される。
【0072】
図7Bは、槽の使用によりノズル(711)が試薬(712)を塗布することを除いて、類似のステップを示す。ノズルはピペット、スプレーノズル、インクジェットヘッド、又は他の機器であり得る。
【0073】
切片撮像
図8Aは、図1に記された方法の撮像ステップを実施する為の器具を示す。二つのロール(802,803)は、一つ以上の切片(801)を含む膜集積体(803)を撮像エリア(804)へ配置する。一つ以上の照射源(805)と、一つ以上のレンズ(806)と、デジタルカメラ(807)と、顕微鏡の視野(不図示)に対して切片を出入させるポジショナとを包含する専用の顕微鏡において、撮像が行われる。顕微鏡カメラの出力データに少なくとも部分的に基づいて決定が行われるように、決定プロセス(105)を実行するコンピュータにデジタルカメラが直接的又は間接的に接続される。
【0074】
図8Bは、染色と撮像の両方のステップを実行する為の共通装置を示す。流体マニホルド(811)とベース(812)とは、図5B〜D及び図6A〜Cに記されているような一つの切片(813)に対する染色ステップを実行する。図8Aのものに似ている顕微鏡(814)は、第2切片(815)に対して撮像ステップを実行する。代替的に、両方の装置が、同じ切片に対して染色と撮像の両方のステップを実施してもよい。
【0075】
図8Cは、図2に記されているような代替的実施形態において、予備撮像が基材の取扱いと同期化される。顕微鏡(821)は切片捕捉器具(823)に装着され、基材(822)の領域が通過する際にこれを撮像するように配向されている。
【0076】
図8A〜Cに記されている顕微鏡の実施形態では、切片全体又は切片の一部分を包含する二次元フレームのシーケンスをカメラが捕捉する。代替的実施形態において、カメラは、膜集積体の移動方向に垂直なラインを走査する。他の実施形態において、顕微鏡は、代替的な撮像様式、照射方式、倍率、走査幾何学形状を利用し得る。例えば、カメラは、明視野と蛍光照射との間の切り替えを可能にする光源とフィルタとを含み得る。
【0077】
図2に示されている方法の一つの利点は、予備撮像ステップからのデジタル画像を後続のプロセスの為に使用できることである。図8Cのインライン構成は、基材上を通過する際に顕微鏡が捕捉切片を撮像するものであるが、この予備撮像ステップについての一つの可能なアプローチである。このケースで、顕微鏡は低解像度(0.25〜1.0X)と(10mmを超える)広い視野とを備えるので、単一のインライン画像で完全な切片が表現され得る。顕微鏡のカメラは、通過の際に基材全体の連続ストリームを、又は各切片について一つ以上の個別フレームを捕捉し得る。後者のケースでは、光学センサ、位置エンコーダ、アクチュエータ駆動ループからの信号、又は前に捕捉されたフレームの画像コンテンツにより、フレーム捕捉が起動され得る。
【0078】
ローカルコンピュータ又はネットワーク接続された記憶ボリュームに保存されたこれらのインライン画像は、図2の方法の残りのステップについて個々の切片を選択する為に呼び出され得る。代替的に、例えばスティッチの為の最初の推測と三次元見当合わせアルゴリズムとして機能する後の高倍率撮像ステップの解釈を指示し得る。
【0079】
インライン画像は、図4の切断装置又は図5及び7の染色装置の為の品質制御機能にも役立ち得る。コンピュータアルゴリズムであれば、次の切片を処理する信号を発する前に一つの切片のインライン画像のコンテンツを分析するだろう。この品質制御機能ルーチンは例えば、基材が破損しているか不整合であることが画像情報から明らかになった場合に故障を発出する。切断装置が特定の状況にあれば、インライン画像の切断品質についてのフィードバックを受けて切削の速度及び加速度を微調整するのに使用され得るだろう。同様に、染色自動化の状況では、インライン画像フィードバックはインキュベーション時間、混合比、圧力、個々の捕捉切片と相互作用を行う試薬の温度を調節するのに使用され得るだろう。
【0080】
図10A〜Bは、代替的な基材構成を示し、基材はベース(1001)、スペーサ(1002)、そしてポート(1003)の層を包含する。スペーサ層の特徴は、ポート層(1005)の開口部によりアクセス可能である流体通路(1004)を画定する。通路は、端部ポート(1006)を介して外部環境に部分的にアクセス可能である。通路が切削装置(1011)のナイフの近くに置かれる場合には、その対応のポート孔(1014)で吸引が行われる。ナイフが切片(1012)を切削する時には、吸引によりこの薄片(1013)が流体通路へ吸入される。基材は、薄片が通路へ入るプロセスを促進する突出特徴(1015)も含み得る。
【0081】
ガラススライドのようにベースは剛性であるか、或いはプラスチック膜による可撓性集積体であり得る。図10A〜Bの基材の代替的実施形態は、静電引力を促進する完全又は部分的に露出した材料表面である接着面、或いは隣接する気体又は液体ストリームにより促進された時に切片を捕捉するドラッグ特徴を含み得る。
【0082】
多くの切断用途では、切断に先立ってブロックを凍結することが望ましい。このようなケースで、装置は低温で作動し、室温接着機構は自動的には適応しない。これを克服する為に、装置は、相互接続の直前にブロックの表面を予熱するか化学的に処理し得る。代替的に、装置、基材、及び標本のうち二つ以上の間の温度差は、それ自体が、標本ブロックと基材との間の接着を促進し得る。
【0083】
例えば、装置は、積層の直前に基材と標本ブロックとの氷点下表面の間に、それ自体が氷点を上回る液体を噴射し得るので、接触直後に液体が凍結する。代替的に、装置は、凝結して液体になり、これらの低温表面との接触時に任意で凍結して固体となる気体を噴射し得る。そして凝縮又は凍結した膜は基材と標本ブロックとの間に一時的又は永久的な接着を設け得る。
【0084】
ある実施形態では、捕捉直後に凍結切片への付加的な科学的処理を適用すると有利である。本発明の方法は、基材の捕捉及び被覆層の集積の直前又は後に液相の封入剤の適用を含み得る。
【0085】
ある実施形態において、装置は、冷却通路、冷凍筐体、ペルティエ低温プレート、温度センサ、サーモスタット、温度レギュレータ、及び絶縁材料を限定的にではなく含む、ブロック及び基材の温度を調整する部品及びサブシステムを含み得る。
【0086】
パラフィン溶融
幾つかの包埋剤すなわちパラフィンは、42℃の低い温度で軟化して最終的に溶融する。捕捉組織と基材との間の接合は概ね永久的なままであるが、切片取扱いプロセス中にこれらの温度作用を緩和することが望ましい。図4〜9の装置のうち一つ以上を冷却室に格納することによりこれが達成され得る。代替的に、例えば固体冷却装置との熱的接触状態にロールを置くことにより、又は冷却流体を近くで循環させることにより、ロールのうち一つ以上が直接的に冷却されてもよい。
【0087】
更に、パラフィン切断品質は室温より若干上では低下することが分かっている。この装置の機械類は局所的に室温を超過し得る。故に、品質を向上させるようにブロックと基材とを予備冷却するのにもこれらの技術が使用され得る。
【0088】
2.0 シナリオ例
切削により誘発される切片歪曲
切断された組織を分析する時には、互いに相互整合された多数の切片を視覚化することがたいてい有益である。こうして病理学者及び研究者は、組織学的特徴の間の空間的関係をより良く理解することが可能になる。
【0089】
一般的な例は免疫組織化学(IHC)パネルであり、これにより各切片は特定のマーカの表出の為に染色される。整合したIHC切片からの情報は、個々の切片独自のものよりたいてい価値が高い。例えば、二つの個別IHCマーカは単一の細胞クラスタに存在し、こうして不整合切片からの情報に基づくと可能ではないであろう診断を病理学者が下すことになる。
【0090】
一般的に、組織学者はミクロトームを手で操作することにより切片を切削し、これを水槽に浮かべ、そしてガラススライドへ移す。この技術は広範囲において信頼性があるが、それにも関わらず断裂及び伸張のような多くの細かい機械的歪曲が入り込む。これらの歪曲の蓄積は、マイクロメータのスケールで特徴をランダムに動かして隣接の切片の整合を妨害する。ソフトウェア補正ツールが存在するが、各切片がこのようなランダムな歪曲を多く受け得るので、その性能は制限される。
【0091】
組織学的プロセスを自動化する様々な戦略もやはり最終的には水槽を利用し、その為、これらの歪曲も同様に整合を妨害する。同様に、流体通路を利用する図10に図示の実施形態は、高解像度整合を困難にし得る歪曲をもたらす可能性を有している。
【0092】
図4Aに示されている実施形態は、切断に先立って組織ブロックの露出面に基材を積層する。基材は切片より10〜100倍厚く、はるかに剛性である。これは切削プロセス中に組織を機械的に安定させ、断裂をかなり防止する。同様に、伸張歪曲は規模が小さく基材での弾性変形に限定されると予想される。この利点は、マイラー(Mylar)の二軸配向ポリエステルテレフタレートのような比較的非弾性の基材物質においてより顕著であろう。
【0093】
三次元表現
多数の切片を相互に整合することが有益である別のケースは、3D形態モデルの生成である。これは一般的に100〜10,000の薄片を必要とするので、切削により誘発される歪曲は、手による切断についてこれをほぼ不可能にする。連続的な組織学切片の3Dモデルを生成する為に確立された技術は、ナイフエッジ切断顕微鏡法(KESM)である。これは、大部分の歪曲の発現に先立って、切片がブロックから薄切される間にウルトラミクロトームブレードの切削エッジでのデジタル画像を迅速に捕捉する。
【0094】
しかしKESMでは幾つかの問題が生じる。組織ブロックは予備染色される必要があるので、異なるマーカ固有の染色による切片の整合は可能でない。撮像前にパラフィン又は包埋剤を除去するのは不可能であるので、これらの材料により光学的欠陥が画像に入り込み得る。切削及び撮像速度は同期化されなければならないので、蛍光と高解像度撮像に必要である露光が画像で不足することが多い。切片組織は撮像の直後に廃棄される。そしてナイフ及び顕微鏡部品の製造についての実際的な制限は、切片の幅が制限されることを意味する。
【0095】
本発明に記載されるような基材の予備積層は、これらの問題のすべてを回避する。これはこの方法の薄切及び撮像ステップを分断して、その間の染色及び他の準備ステップの自動化を可能にする。捕捉切片の撮像は、手で準備されたスライドに利用可能なものと同じ広い露出範囲及び倍率で行われるが、労働需要及び切片変形を伴わない。この技術を使用すると、多くの切片の画像を整合させて、KESMより高い明瞭性、解像度、そして染色特殊性を有する3Dモデルを得ることが可能である。
【0096】
基材明瞭性
図8に図示されているような顕微鏡は概ね、その試料の背面からの照射が有益である。故に、切片が接着されたところでは図3の基材の全ての層が光透過性であることが望ましい。DuPontテフロンFEP、透過性PET,3M Scotch 600テープのように光透過性になるようにブロック面に直接的に積層される捕捉膜が好ましい。他の層の透過性は、それ自体が透過性である接着性及び非接着性の膜を層状にすることにより達成される。接着剤は、それぞれ3M 91022及び9474LEのようなシリコーン及びアクリル転写接着剤を含む。非接着性で光学的に透明な膜は、マイラー(Mylar)(PET)と他のポリエステル、ポリカーボネート、アクリル、テフロンFEP及びPTFE、そしてシクロオレフィンポリマー及びコポリマーを含む。
【0097】
高価値染色
IHC及び分子分析を含む多くの分析技術は、極めて高価な試薬を必要とする。基材の切片全体を、手で準備されたスライドと共にこれらの試薬の槽に浸漬させると、多様な用途について法外な費用がかかり得る。流動室及び仕切り、例えばスライドにクリップ留めされるプラスチック機器は、このような組織学の用途については商業的に有用である。しかしこれらの適用は労働集約的であって、かさばるものであり、数百又は数千の切片を分析する時にその独自の材料コストが問題となる。
【0098】
図3B〜Cの基材設計は、あらゆる捕捉切片の為の流動室を画定することによりこれを解消する。室の幾何学形状はダイカット又は類似の低コスト大量生産技術により切削されて基材自体となるので、材料コストはスライドに基づく機器よりも実質的に低い。そして図5〜6の装置は、容積の無駄を最小にしてこれらの室に高コストの試薬を流す。これは、高コスト分析の為に当該の切片のみを自動的に選択するという利点と組み合わされて、このような組織に基づく技術の有用性を大いに向上させる。それでも、基材の切片全体の浸漬に依存する染色自動化アプローチは、幾つかの用途、特に試薬コストが問題ではない一般的な染色については、賢明であり得る。
【0099】
一実施形態において、装置はプロセッサを包含し、前出の方法のいずれかを実施するように構成される。
【0100】
一実施形態において、ソフトウェア命令を記憶する一つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、一つ以上のプロセッサによる実行時に前出の方法のいずれかを実施させる。
【0101】
本願では別々の実施形態が論じられたが、ここで論じられた実施形態及び/又は部分的実施形態のいかなる組み合わせも、別の実施形態を形成するように組み合わされ得ることに注意していただきたい。
【0102】
本発明の前述の記載により、当業者は、その最良の態様であると現時点で考えられるものを製作及び使用することが可能であるが、本願の特定の実施形態、方法、及び例の変形、組み合わせ、そして同等物が存在することを当業者は理解及び認識するだろう。それ故本発明は上記の実施形態、方法、及び例によってではなく、請求される本発明の範囲及び趣旨に含まれる全ての実施形態及び方法により限定されるべきである。
【0103】
2.0 同等物、拡張例、代替例、雑記
上記の明細書では、具体例ごとに変化し得る多数の特定詳細への言及により本発明の実施形態が記載されている。故に何が発明であるかと出願人により発明であると意図されているものについての唯一の排他的な指標は、本出願に由来する一組の請求項と、後続の補正を含めてこのような請求項が提示される特定の形である。このような請求項に含まれる語についてここに明示される定義は、請求項に使用されるこのような語の意味を決定するものとする。故に、請求項に明記されていない限定、要素、特性、特徴、利点、又は属性はいかなる点でもこのような請求項の範囲を限定すべきではない。従って明細書及び図面は、限定的ではなく例示的な意味で検討されるものとする。
【符号の説明】
【0104】
105,205 決定プロセス
301 保護膜
302 切片
303 捕捉膜
311 ポート層
312 スペーサ層
313 切片
314 捕捉層
315 ポート
321 切片
322 室
323 流体特徴ネットワーク
324 相互接続子
325 通路
326 整合特徴
401 ブロック
402 ポジショナ
403 剛性ベース
404 捕捉膜
405 第1ロール
406 アプリケータ
407 第2ポジショナ
408 ナイフ
409 第3スライド
410 結合ロール
411 保護膜
412 第2ロール
413 第3ロール
414 組織ブロック
431 動作
432 切片
451 テープリールホルダ
452 クラッチ
453 ブレーキ
461 線形スライド
462 ベアリング
463 アプリケータローラ
470 蓄積機構
471 蓄積スプール
472 表面巻取りローラ
473 空気ピストン
474 モータ
481 レバー
482 予負荷ばね
483 病理学カセット
501 ロール
502 第2ロール
503 膜集積体
504 捕捉切片
505 固定ベース
506 密閉領域
507 流体マニホルド
511 ベース
531,532 ロール
533 前進
601 マニホルド
602 流入通路
603 流出通路
604 ポート層
605 スペーサ層
606 捕捉膜
607 室
608 切片
609 ポート
611 前進
612 流入通路
613 流出通路
614 室
621 分離
701 第1ロール
702 膜集積体
703 第1ローラ
704 槽
705 捕捉切片
706 試薬
707 第2ローラ
708 第2ロール
711 ノズル
712 試薬
801 切片
802,803 ロール
804 撮像エリア
805 照射源
806 レンズ
807 デジタルカメラ
811 流体マニホルド
812 ベース
813,815 切片
814 顕微鏡
821 顕微鏡
822 基材
823 切片捕捉器具
901 標本ホルダ
911 ローラ
912 張力制御部品
922 ローラ/ポジショナ
923 取付け部品
1001 ベース
1002 スペーサ
1003 ポート
1004 流体通路
1005 ポート層
1006 端部ポート
1011 切削装置
1012 切片
1013 薄片
1014 ポート孔
1015 突出特徴
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
【国際調査報告】