特表2021-519189(P2021-519189A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-519189微小循環の改善のための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-519189(P2021-519189A)
(43)【公表日】2021年8月10日
(54)【発明の名称】微小循環の改善のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/02 20060101AFI20210712BHJP
【FI】
   A61N5/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-555761(P2020-555761)
(86)(22)【出願日】2019年1月31日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月20日
(86)【国際出願番号】MY2019050010
(87)【国際公開番号】WO2019199157
(87)【国際公開日】20191017
(31)【優先権主張番号】PI2018701449
(32)【優先日】2018年4月12日
(33)【優先権主張国】MY
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520390014
【氏名又は名称】ラウ, テイク ホック
【氏名又は名称原語表記】LAU, Teik Hock
(71)【出願人】
【識別番号】520390025
【氏名又は名称】チャン, ジュンフェン
【氏名又は名称原語表記】ZHANG, Junfeng
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(72)【発明者】
【氏名】ラウ, テイク ホック
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジュンフェン
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082MA04
4C082MA10
4C082MC03
4C082ME03
4C082MG03
(57)【要約】
本発明は、微小循環に対する携帯電話および無線ネットワークに接続されたコンピュータからの電磁放射の悪影響を抑制および相殺することによって、微小循環を改善するための装置および方法を提供する。本装置は、検出された電磁放射周波数と同期されかつ反対の振幅で周波数を生成することによって、微小循環に対する前記電磁放射周波数の悪影響を抑制および相殺する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の微小循環を改善するための装置であって、前記装置は、
空気中の電磁放射の周波数とそれらに付随する振幅を検出するための検出器(102)、
正弦波形を36MHzで変調しかつそれに付随する高調波を最大2.6GHzに変調するための共振器(103)と減衰回路(104)、
前記検出器(102)からの電磁放射の検出された周波数と振幅、および前記共振器(103)からの変調された正弦波形とそれに付随する高調波を受信するための入力部を有するプロセッサ(105)を備え、前記プロセッサは、空気中の前記電磁放射の検出された前記周波数に従ってかつ検出された前記周波数の振幅と反対の振幅で、前記変調された正弦波形とその高調波を選択的に増幅するように適合され、
増幅された前記正弦波形とその高調波を送信するアンテナ(108)を備える、装置。
【請求項2】
前記装置は携帯可能である、請求項1に記載の人体の微小循環を改善するための装置。
【請求項3】
前記装置はさらに、再充電可能な携帯型電源を備える、請求項2に記載の人体の微小循環を改善するための装置。
【請求項4】
前記装置の最大出力電力は20dBmおよび0.08ワットである、請求項1から3のいずれか一項に記載の人体の微小循環を改善するための装置。
【請求項5】
前記装置の最大送受信可能範囲は8メートルである、請求項1から4のいずれか一項に記載の人体の微小循環を改善するための装置。
【請求項6】
人体の微小循環を改善するための方法であって、前記方法は、
空気中の電磁放射の周波数と振幅を検出するステップ、
正弦波形を36MHzで変調し、合わせてそれに付随する高調波を最大2.6GHzに変調するステップ、
空気中の前記電磁放射の検出された前記周波数に従ってかつ検出された前記周波数の振幅と反対の振幅で、前記正弦波形とその高調波を選択的に増幅するステップ、および
増幅された前記正弦波形とその高調波を送信するステップ、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、循環を改善するための方法および装置に関する。本発明は、特に、人体の微小循環の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
微小循環は、臓器組織内に存在する最小の血管内の血液の循環である。微小循環系は、末端細動脈、毛細血管、および細静脈で構成されている。微小循環は、酸素化された血液を毛細血管に運び、血液は、毛細血管から細静脈内にそして静脈内に流れ込む。前記微小循環の主な機能は、酸素と栄養素の供給および二酸化炭素の除去である。また、前記微小循環は、血流と組織灌流を調節することによって、血圧と炎症への応答に影響を与える。
【0003】
人体における微小循環は、通常、安静(睡眠)時に減少し、最近発見されたように、人体がモバイルデバイスやコンピュータに接触する際も減少する。微小循環不良は、手や足などの四肢で最も一般的である。微小循環の低下の影響には、酸素輸送の低下、頭痛、倦怠感、集中力の低下、しびれ、うずき、四肢の冷え、心臓および血圧の問題につながる老廃物除去の減少が含まれる。
【0004】
トレント大学の環境資源研究教授でトロント大学から博士号を取得したマグダ・ハバス博士(Dr. Magda Havas)は、コーネル大学で、コンピュータおよびモバイルデバイスからの電磁放射に曝された後の被験者の微小循環の質を調査するポスドク研究を完了した。博士の報告により、これらのデバイスがそれらのユーザの微小循環の質を癌に冒された患者と同様のレベルまで低下させたことが明らかとなった。したがって、モバイルデバイスおよびコンピュータの悪影響に対抗することによって微小循環を改善する方法および/または装置が必要とされる。モバイルデバイスおよびコンピュータの使用は、絶えず増加しているため、そのような方法と装置の必要性は、ますます増えていくことになる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の主な目的は、微小循環の減少を引き起こしているパーソナルコンピュータおよびモバイルデバイスからの電磁放射の影響を抑制する方法および装置を提供することである。本発明のさらなる目的は、電磁放射の影響を抑制するために人体との物理的接触を必要としない装置を提供することである。
【0006】
本発明の一態様によれば、人体の微小循環を改善するための装置が提供され、前記装置は、
空気中の電磁放射の周波数とそれらに付随する振幅を検出するための検出器、
正弦波形を36MHzで変調しかつそれに付随する高調波を最大2.6GHzに変調するための共振器と減衰回路、
前記検出器からの電磁放射の検出された周波数と振幅、および前記共振器からの変調された正弦波形とそれに付随する高調波を受信するための入力部を有するプロセッサを備え、前記プロセッサは、空気中の前記電磁放射の検出された前記周波数に従ってかつ検出された前記周波数の振幅と反対の振幅で、前記変調された正弦波形とその高調波を選択的に増幅するように適合され、
増幅された前記正弦波形とその高調波を送信するアンテナを備える。
【0007】
前記装置は、空気中の電磁放射を拾い上げ、その周波数、位相、および振幅を分析し、36MHz発振器と減衰回路によって生成されるいずれかの正弦波形とそれに付随する高調波を選んで、空気中の検出された周波数とそれらの振幅に基づいて増幅する。前記プロセッサはさらに、36MHz発振器によって生成された選択された前記周波数を、検出された前記周波数とそれらの振幅とは反対の振幅で増幅する。
【0008】
前記装置は、機能するためにユーザとのいかなる物理的接触も必要としないという点で、現在の既存の循環増強技術に照らして有利である。現在の既存の技術では、通常、循環を強化するために、ユーザはデバイスまたはその拡張機能部のいずれかを装着する必要がある。このようにデバイスを装着するか、デバイスと常に接触するかのいずれかを必要とすることにより、ユーザの動きが厳しく制限される。デバイスを長期間使用すると、ユーザは非常に不快になる。したがって、本出願の一実施形態による装置は、ユーザが支障なく日常の活動を継続することができるため、非常に好都合である。
【0009】
一実施形態によれば、前記装置は携帯可能である。
前記装置は、手のひらサイズからコンピュータタブレットのサイズまでの範囲で測定できるため、持ち運び可能である。
【0010】
別の実施形態によれば、前記装置はさらに、再充電可能な携帯型電源を含む。
前記装置は、リチウムイオン電池などの再充電可能で携帯可能な電源で動作することができる。
【0011】
別の実施形態では、前記装置の最大出力電力は、20dBmおよび0.08ワットである。
1つの機能によると、前記装置の最大送受信可能範囲は8メートルである。
【0012】
別の態様によれば、人体の微小循環を改善するための方法が提供され、前記方法は、
空気中の電磁放射の周波数と振幅を検出するステップ、
正弦波形を36MHzで変調し、合わせてそれに付随する高調波を最大2.6GHzに変調するステップ、
空気中の前記電磁放射の検出された前記周波数に従ってかつ検出された前記周波数の振幅と反対の振幅で、前記正弦波形とその高調波を選択的に増幅するステップ、および
増幅された前記正弦波形とその高調波を送信するステップ、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、本発明の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを目的としていない、以下の図面と併せて説明する。
【0014】
図1図1は、本発明の実施形態による、電磁放射を生成するデバイスによって引き起こされる微小循環への悪影響を抑制するための装置のブロック図を示す。
【0015】
図2図2は、本発明の実施形態による装置の周波数出力を示す図である。
【0016】
図3図3は、本発明の実施形態による、被験者の血流に対する装置の効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を、以下の実施例を参照して詳細に説明する。
図1による本発明の実施形態による装置は、整流回路/DC供給回路101および干渉検出回路102からなる。前記装置内の主要構成部品は5V DCで動作するため、前記装置の少なくとも3つのバリエーションが可能である:
1) ACのみで電力を供給される装置、
2) ACまたはDCのいずれかで電力を供給される装置、および
3) DCのみで電力を供給される装置。
【0018】
前記装置のACまたはAC/DC変形は、100V〜240V AC(60Hzまたは50Hz)の範囲で壁のコンセントからAC入力を受け取ることができる。降圧トランス(図示せず)を使用して、AC入力を100V〜240V ACの範囲で5V ACに変換する。整流回路/DC供給回路101は、5V ACを脈動5V DCに変換し、次に、前記脈動5V DCは、適切なコンデンサを使用して整流回路/DC供給回路101内でフィルタリングされ、すべてのリップルが除去され、純粋な5V DCが得られる。
【0019】
DCのみのバージョンの前記装置、すなわち、マンガン電池、アルカリ電池、リチウム電池、または充電式リチウムイオン電池パックのいずれかによってのみ電力が供給されるものは、上記のすべてのAC要件を単に迂回することによって完全に可能であることを理解されたい。ACトランス、整流回路などがないため、DCのみのバージョンの前記装置は、携帯性に優れている。
【0020】
整流回路/DC供給回路101は、5V DCをプロセッサ105、表示回路106、およびLCD表示およびバックライトモジュール107に供給する。プロセッサ105は、干渉検出回路102に接続される。
【0021】
前記デバイスのスイッチがオンになると、干渉検出回路102は、空気中の電磁放射を検出し、検出された放射の詳細をプロセッサ105に提供する。プロセッサ105に提供される値は、少なくとも前記放射の周波数、各周波数の位相、および各検出された周波数の振幅を含む。
【0022】
正弦波の基本的な特性により、36MHz共振器103は、減衰回路104によって減衰されると、36MHzの高調波を自然に生成することになる。したがって、36MHz共振器は、第2、第3、第4、第5などの36MHzの高調波をnのオーダーで出力することになり、ここで、nは1、2、3、4、5などである。
【0023】
本発明の実施形態に基づく装置では、36MHz共振器103は、減衰回路104と連動して、その高調波と共に36MHzで正弦波形を生成する。
【0024】
干渉検出回路102によって検出された電磁放射の周波数に基づいて、前記プロセッサは、36MHzを超える高調波(36MHzの基本正弦波形も含む)のいずれかを選択し増幅する。結果として、増幅された正弦波とその高調波の振幅は空気中で検出された周波数の振幅と一致するが、反対の振幅である。
【0025】
2.6GHzを超える放射周波数は微小循環に有害作用を及ぼさないように思われるため、前記装置は、36MHzの倍数から2.6GHzまでのキャンセル周波数を出力することのみを必要とする。空気中で同じ周波数の電磁放射が検出されると、前記装置は、以下のキャンセル周波数を出力する:36MHz、72MHz、108MHz、144MHz、180MHz、216MHz、252MHz、288MHz、324MHz、360MHz、396MHz、432MHz...最大2.6GHz。
【0026】
次に、前記増幅された波形および高調波(まとめてキャンセル周波数と呼ぶ)は、その装置内の内蔵アンテナ109に適用される。前記キャンセル周波数の交流によって励起されると、内蔵アンテナ109は、これらの周波数(36MHz、72MHz、108MHzなど)を空気中に放射する。これらのキャンセル周波数は、空気中のそれらの対応する放射周波数と反対の振幅を有するため、互いに抑制するかまたは、互いに完全に相殺する。抑制およびキャンセル効果を機能させるために、プロセッサ105が、前記キャンセル周波数を空気中で検出されたそれらの放射周波数に同期させることが重要である。
【0027】
前記キャンセル周波数の出力電力が確実にCE EMC規格内にあるように、バンドパスフィルタリング回路108と組み合わせた減衰回路104が必要とされる。本発明の本実施形態では、前記装置の送信電力は、前記装置が8メートルの有効範囲を有するように、20dBmおよび0.08Wに設定される。これにより、本発明の実施形態による2つの隣接する装置が互いに干渉し、それらの出力の有益な効果を相殺することが防がれる。
【0028】
設計に応じて、LCD表示およびブラックライトモジュール107と組み合わせた表示回路106は、クリアランスパーセンテージに期待される放射周波数の情報を提供することができる。前記LCD表示の主な目的は、前記装置が動作中であることをユーザに通知することである。
【0029】
図2は、一般的な実験用オシロスコープで読み取った、前記装置の出力正弦波パターンを示す。前記装置の出力には、検出された電磁放射の周波数に応じてさまざまなレベルで増幅された高調波が含まれているため、周波数パターンは前記装置の環境に応じて変化することになる。たとえば、900MHzの強い電磁放射周波数がある領域では、前記装置は、900MHz(36MHzx25)のキャンセル周波数を増幅して、この放射が微小循環に及ぼす悪影響を抑制することになる。
【0030】
本発明の一実施形態による前記装置の有益な効果は、血流測定デバイスによって記録される。図3は、時間に対する測定デバイスの出力グラフを示す(時間は前記グラフに表示されず)。前記デバイスは、被験者が最初に携帯電話を介して電磁放射を受け、次に本発明の実施形態による前記装置を使用して前記携帯電話の電磁放射効果が抑制されるときに、前記被験者の指の微小循環を測定する。前記グラフからわかるように、前記被験者の指の初期微小循環速度は、時間マーカー1、301で6.13cm/sである。前記被験者が時間マーカー2、302で携帯電話と接触すると、前記被験者の微小循環は、2.55cm/sに低下する。前記装置が時間マーカー3、303でオンにされた後、前記測定デバイスは、時間マーカー4、304で20.1cm/sまでの微小循環のスパイクを検出する。流量は、時間マーカー5、305で29.9cm/sまで増加し続け、次に時間マーカー6、306で35.5cm/sに増加し、最終的に前記グラフの時間マーカー7、307で26.6cm/sで安定する。
【0031】
したがって、本発明は、ハンドヘルドセルラーデバイスまたはワイヤレスネットワークに接続されたコンピュータのいずれかからの微小循環に対する電磁放射の悪影響を効果的に抑制できると推測することができる。
【0032】
上記の例は、独自の実施形態で本発明を詳述しているが、それは決して網羅的ではない。したがって、本発明は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の多くの方法で具体化され得ることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
【国際調査報告】