【実施例】
【0230】
実験手順
以下は、様々な本発明の化合物の合成を例示している。本発明の範囲内の追加の化合物は、これらの実施例に例示された方法を、単独でまたは当技術分野で一般的に公知の技術と組み合わせて使用して調製され得る。
【0231】
実験は一般的に、特に酸素感受性または水分感受性試薬または中間体が利用される場合、不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)下で行われた。市販の溶媒および試薬は一般的にさらに精製せずに使用した。無水溶媒は、適切な場合には、一般的にAcros Organics製のAcroSeal(登録商標)製品、Sigma−Aldrich製のAldrich(登録商標)Sure/Seal(商標)、またはEMD Chemicals製のDriSolv(登録商標)製品を利用した。他の場合には、市販の溶媒は、水に対する以下の品質管理標準:a)ジクロロメタン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフランに対して<100ppm;b)メタノール、エタノール、1,4−ジオキサンおよびジイソプロピルアミンに対して<180ppmが達成されるまで4Åモレキュラーシーブを充填したカラムに通した。非常に感受性の高い反応に対して、溶媒は金属のナトリウム、水素化カルシウム、またはモレキュラーシーブでさらに処理し、使用直前に蒸留した。生成物は一般的に、さらなる反応に使用される前に真空下で乾燥するか、または生物学的試験を受けた。質量分析法データは、液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)、大気圧化学イオン化(APCI)またはガスクロマトグラフィー質量分析法(GCMS)装置のいずれかにより報告される。核磁気共鳴(NMR)データに対する化学シフトは、利用した重水素化溶媒からの残留ピークを参照して百万分率(ppm、δ)で表現される。いくつかの実施例では、キラル分離を行って本発明のある化合物のエナンチオマーを分離した(いくつかの実施例では、分離したエナンチオマーは、これらの溶出順序に従いENT−1およびENT−2と指定)。いくつかの実施例では、旋光計を使用してエナンチオマーの旋光度を測定した。その観察された回転データ(またはその比旋光度データ)に従い、時計回りの回転を持つエナンチオマーは(+)−エナンチオマーと指定し、反時計回り回転を持つエナンチオマーは(−)−エナンチオマーと指定した。ラセミ化合物は構造に隣接する(+/−)の存在により示される;これらの場合、示された立体配置は化合物の置換基の(絶対的ではなく)むしろ相対的立体配置を表す。
【0232】
検出可能な中間体を介した反応手順の後には一般的にLCMSが続き、その後の試薬の添加前に完全な変換まで進行させることが可能である。他の実施例または方法における合成参照手順に対して、反応条件(反応時間および温度)は異なっても良い。一般的に、反応の後には薄層クロマトグラフィーまたは質量分析法が続き、適当な場合、ワークアップの対象下におかれた。精製は実験により異なり得る:一般的に、溶出液/勾配に対して使用される溶媒および溶媒比は、適当なR
fsまたは保持時間が得られるように選択される。これらの調製および実施例におけるすべての出発材料は、市販のものであるか、または当技術分野で公知の方法もしくは本明細書に記載されているような方法で調製することができる。
【0233】
以下に記載されている化合物および中間体は、ACD/ChemSketch 2012、ファイルバージョンC10H41、Build 69045(Advanced Chemistry Development、Inc.、Toronto、Ontario、Canada)で提供される命名規則を使用して命名された。ACD/ChemSketch 2012で提供される命名規則は当業者には周知であり、ACD/ChemSketch 2012で提供される命名規則は一般的に、有機化学の命名法およびCAS指数ルールに対するIUPAC(国際純正および応用化学連合(International Union for Pure and Applied Chemistry)推奨に適合していると考えられている。
【0234】
調製物P1
エチル6−オキソ−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(P1)
【0235】
【化18】
【0236】
塩化アセチル(88mL、1.24モル)を0℃でメタノール(500mL)に加え、生成した溶液を密閉容器内で1時間撹拌した。この塩化水素のメタノール中溶液に、tert−ブチル6−オキソ−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(20.0g、88.8mmol)および硫酸マグネシウム(20g)を加えた。反応混合物を55℃で2時間撹拌し、この時点でこれを室温に冷却し、真空下で濃縮した。残渣(18.4g)をジクロロメタン(700mL)と混合し、激しい撹拌下で0℃に冷却した。クロロギ酸エチル(30mL、310mmol)の滴下添加後、反応混合物をトリエチルアミン(60mL、430mmol)で滴下処理し、0℃で1.5時間撹拌した。次いでこれを室温に温め、終夜撹拌した。塩酸(1M;200mL、200mmol)を加え、撹拌を室温で10分間継続した。有機層を飽和水性塩化ナトリウム溶液(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜100%酢酸エチル)により、琥珀色の油状物質として生成物を生成した。収量:13.2g、66.9mmol、75%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.13 (q, J=7.2 Hz, 2H), 3.92 (AB四重線, J
AB=8.6 Hz, Δ
νAB=9.1 Hz, 4H), 2.46 (s, 2H), 2.33-2.27 (m, 2H), 2.23-2.17 (m, 2H), 1.25 (t, J=7.2 Hz, 3H).
調製物P2
tert−ブチル(6S)−6−[(メチルスルホニル)オキシ]−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(P2)
【0237】
【化19】
【0238】
ステップ1.tert−ブチル(6S)−6−ヒドロキシ−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(C1)の合成。
本実験は2バッチで行った。tert−ブチル6−オキソ−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(40.0g、178mmol)の2−プロパノール(64mL、840mmol)中混合物を、溶液が形成されるまで50℃で加熱した。30℃で、および600rpmで撹拌しながら、Mettler EasyMax反応器に、緩衝液[水性リン酸カリウム、pH7.5(0.1M、2mM塩化マグネシウムを含有)](280mL)を投入した。Codex(登録商標)ケト還元酵素KRED−P3−G09(800mg)およびNADP
+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)(80mg)を加え、生成した混合物を10分間撹拌した。高温の基質溶液をゆっくりと加え、この間反応温度は33℃未満に維持した。追加の2−プロパノール(10mLおよび6mL)を使用して基質フラスコをすすいだ。反応物の撹拌速度を600rpmまで上げ、窒素スパージ針を流速100cc/分で適用した。アリコートを定期的に採取した。およそ80μLの反応混合物を重水素化クロロホルム(920μL)と混合し、試料をボルテックスし、遠心分離し、
1H NMRを介して有機層を分析した。23時間後、追加のCodex(登録商標)ケト還元酵素KRED−P3−G09(200mg)およびNADP
+(20mg)を、pH7.5緩衝液(4mL)中溶液として加え、これに続いて2−プロパノール(20mL)を加えた。追加の22時間後、反応混合物を酢酸エチル(400mL)で希釈し、50分間撹拌し、この時点で珪藻土(25g)を加え、混合物を追加の10分間の間撹拌した。次いで、珪藻土(25g)を介してこれを濾過し、フィルターパッドを酢酸エチル(200mL)ですすいだ。この200mL濾液を使用して、最初の濾過から水層を抽出し、合わせた有機層を飽和水性塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、褐色の油状物質(39.6g)を生成した。次いで、2つのバッチをジクロロメタン(600mL)中で合わせ、シリカゲル(150g)で処理し、クロマトグラフィー用に真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜100%酢酸エチル;生成物はおよそ50%酢酸エチルにおいて溶出を開始した)は生成物を固体として生成した。合わせた収量:63.4g、279mmol、78%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ4.39-4.33 (m, 1H), 3.87 (AB四重線, J
AB=8.4 Hz, Δ
νAB=41.1 Hz, 2H), 3.80-3.74 (m, 2H), 2.12-2.01 (m, 2H), 1.97-1.77 (m, 3H), 1.69-1.59 (m, 1H), 1.44 (s, 9H).分析により、ee(エナンチオ過剰率)>99%が得られた[超臨界流体クロマトグラフィー]。カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−3、100×3.0mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:[0.2%(メタノール中7Mアンモニア)を含有するメタノール];勾配:5%B、1.0分間、次いで7.0分間にわたり5%〜15%B;流速:2.0mL/分;逆圧:1800psi]。
【0239】
C1の示された絶対立体配置については以下の[tert−ブチル(6S)−6−ヒドロキシ−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(C1)とエチル(6S)−6−ヒドロキシ−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(C2)との立体化学的相関関係]を参照されたい。
【0240】
ステップ2.tert−ブチル(6S)−6−[(メチルスルホニル)オキシ]−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(P2)の合成。
トリエチルアミン(13.5mL、96.9mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(295mg、2.41mmol)をC1(11.0g、48.4mmol)のジクロロメタン(400mL)中溶液に加えた。次いで、塩化メタンスルホニル(8.40mL、108mmol)を加え{発熱に注意}、反応混合物を終夜撹拌させておいた。真空下で溶媒を除去した後、残渣をジクロロメタンと混合し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜100%酢酸エチル)を介して精製して、生成物を油状物質として得た。収量:14.6g、47.8mmol、99%。LCMS m/z328.2[M+Na
+]
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ5.19-5.14 (m, 1H), 3.93 (d, AB四重線の半分, J=8.2 Hz, 1H), 3.85-3.78 (m, 3H), 3.00 (s, 3H), 2.26 (br d, AB四重線の半分, J=14.4 Hz, 1H), 2.16 (dd, ABXパターンの成分, J=14.6, 6.0 Hz, 1H), 2.13-1.99 (m, 3H), 1.92-1.83 (m, 1H), 1.44 (s, 9H).
調製物P3
エチル(6S)−6−[(メチルスルホニル)オキシ]−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(P3)
【0241】
【化20】
【0242】
P2(14.6g、47.8mmol)のジクロロメタン(250mL)およびトリフルオロ酢酸(55mL、710mmol)中混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をジクロロメタン(250mL)で希釈し、クロロギ酸エチル(9.10mL、95.2mmol)およびトリエチルアミン(26.7mL、192mmol)で順次処理した。この反応混合物を室温で2時間撹拌した後、これを減圧下で濃縮し、シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜100%酢酸エチル)を使用して精製した。生成物を黄色の油状物質として得られたが、これは
1H NMR分析により完全に純粋ではなかった。収量:13.1g、47.2mmol、99%。LCMS m/z278.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3), 生成物のピークのみ: δ5.20-5.15 (m, 1H), 4.12 (q, J=7.1 Hz, 2H), 4.00 (d, AB四重線の半分, J=8.6 Hz, 1H), 3.91-3.85 (m, 3H), 3.00 (s, 3H), 2.29 (br d, AB四重線の半分, J=14.8 Hz, 1H), 2.20-2.02 (m, 4H), 1.93-1.85 (m, 1H), 1.25 (t, J=7.0 Hz, 3H).
調製物P4
エチル(6S)−6−{[(4−メチルフェニル)スルホニル]オキシ}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(P4)
【0243】
【化21】
【0244】
ステップ1.エチル(6S)−6−ヒドロキシ−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(C2)の合成。
Mettler EasyMax反応器に、Codex(登録商標)ケト還元酵素KRED−P3−G09(60mg)およびNADP
+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)(6mg)を含有する緩衝液[水性リン酸カリウム、pH7.0(0.1M、2mM塩化マグネシウムを含有)](8.0mL)を投入した。追加の緩衝液(2.5mL)を使用してガラス器具をすすぎ、反応混合物に加えた。次いで、P1(1.5g、7.6mmol)の2−プロパノール(1.5mL)中溶液を、2−プロパノールすすぎ液(1.5mL)と共に加えた。反応混合物を、300rpmおよび30℃で、10SCCM(毎分立方センチメートル)の窒素流と共に撹拌した。アリコートを定期的に採取し、およそ50μLの反応混合物を重水素化クロロホルム(0.75mL)と混合し、試料をボルテックスし、遠心分離し、
1H NMRを介して有機層を分析した。反応がおよそ80%変換に到達した時点で、窒素流速度を25SCCMに上げ、反応を終夜進行させた。酢酸エチル(15mL)を加え、生成した混合物を10分間激しく撹拌し、その時点でこれを珪藻土(1.5g)で処理し、珪藻土(1.5g)の湿ったパッドを介して濾過した。フィルターパッドを酢酸エチル(5mL)で洗浄した後、合わせた濾液の水層を酢酸エチル(15mL)と混合し、5分間激しく撹拌し、フィルターパッドを介して注入した。酢酸エチル(5mL)を再度使用して、フィルターパッドを洗浄し、これらの濾液から水層を同じように抽出した。これらの操作から合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中20%〜80%酢酸エチル)により、生成物を浅黄色の油状物質として生成した。分析により、ee(エナンチオ過剰率)>99%を得た{超臨界流体クロマトグラフィー。カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、250×4.6mm、5μm;移動相:85:15二酸化炭素/[0.2%(メタノール中7Mアンモニア)を含有するメタノール];流速3.0mL/分;逆圧:120バール}。収量:1.20g、6.02mmol、79%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ4.41-4.33 (m, 1H), 4.10 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.93 (AB四重線, J
AB=8.4 Hz, Δ
νAB=42.3 Hz, 2H), 3.86-3.80 (m, 2H), 2.13-2.02 (m, 2H), 1.98-1.78 (m, 3H), 1.70-1.6 (m, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 1.42 (d, J=3.1 Hz, 1H), 1.24 (t, J=7.0 Hz, 3H).示された絶対立体配置は、C2のP4への、次いで6への変換に基づき指定された(以下の実施例6の代替合成を参照されたい)。
【0245】
ステップ2.エチル(6S)−6−{[(4−メチルフェニル)スルホニル]オキシ}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(P4)の合成。
4−メチルベンゼンスルホン酸無水物(6.29g、19.3mmol)を0℃でC2(P1の生体内還元を介して合成、以前のステップを参照されたい;3.20g、16.1mmol)のピリジン(80mL)中混合物に加えた。4−(ジメチルアミノ)ピリジン(196mg、1.60mmol)の添加後、氷浴が溶融する間、反応混合物を終夜撹拌させておいた。LCMS分析はこの時点で、生成物:LCMS m/z354.3[M+H]
+の存在を示した。反応混合物を真空下で濃縮した後、これを硫酸水素ナトリウム水溶液(10%;100mL)で希釈した。次いで水層をジエチルエーテル(150mL)およびジクロロメタン(150mL)で順次抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜100%酢酸エチル)を介して精製して、生成物を油状物質として生成した。収量:4.54g、12.8mmol、80%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ7.78 (d, J=8.2 Hz, 2H), 7.35 (d, J=7.8 Hz, 2H), 5.01-4.92 (br m, 1H), 4.09 (q, J=7.2 Hz, 2H), 3.87 (AB四重線, J
AB=8.6 Hz, Δ
νAB=32.4 Hz, 2H), 3.82-3.76 (m, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.12 (br d, AB四重線の半分, J=14.8 Hz, 1H), 2.09-1.96 (m, 2H), 1.94-1.86 (m, 2H), 1.85-1.76 (m, 1H), 1.24 (t, J=7.2 Hz, 3H).この材料の示された絶対配置は、実施例6の代替合成においてそれを以下のように使用することによって確立された。6のその試料は、以下に記載されているX線結晶構造判定に使用された材料と同一であることが示された。
【0246】
tert−ブチル(6S)−6−ヒドロキシ−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(C1)とエチル(6S)−6−ヒドロキシ−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(C2)との立体化学的相関関係
【0247】
【化22】
【0248】
エチル6−ヒドロキシ−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(C3)の合成。
水素化ホウ素ナトリウム(95mg、2.5mmol)を、P1(280mg、1.42mmol)のメタノール(10mL)中溶液に一度に加えた{発熱に注意}。反応混合物を2時間撹拌した後、これを塩酸(1M;5mL)で希釈し、室温で5分間撹拌した。次いで、水(5mL)を加え、水層をジクロロメタン(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、生成物を油状物質として生成した。収量:233mg、1.17mmol、82%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ4.41-4.34 (m, 1H), 4.10 (q, J=7.2 Hz, 2H), 3.93 (AB四重線, J
AB=8.4 Hz, Δ
νAB=41.9 Hz, 2H), 3.86-3.80 (m, 2H), 2.14-2.02 (m, 2H), 1.98-1.78 (m, 3H), 1.70-1.6 (m, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 1.45-1.32 (br s, 1H), 1.24 (t, J=7.2 Hz, 3H).
ステップ1.(6S)−2−アザスピロ[3.4]オクタン−6−オール、塩酸塩(C4)の合成。
【0249】
塩化水素の1,4−ジオキサン(4M;8mL、32mmol)中溶液を、C1(512mg、2.25mmol)の酢酸エチル(12mL)中混合物に加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。真空下での溶媒の除去により、生成物を生成し、これを精製することなく以下の反応に使用した。
【0250】
ステップ2.エチル(6S)−6−ヒドロキシ−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレートの合成(C1からC2へ)。
クロロギ酸エチル(0.258mL、2.70mmol)を、C4(以前のステップからのもの、≦2.25mmol)およびトリエチルアミン(0.943mL、6.76mmol)のジクロロメタン(10mL)中混合物に滴下添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、これを塩酸(1M;10mL)で希釈し、室温で5分間撹拌した。水層をジクロロメタン(15mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜100%酢酸エチル)により、生成物を油状物質として得た。
1H NMR分析によると、この材料は完全に純粋ではなかった。収量:100mg、0.502mmol、2ステップにわたり22%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3), 生成物のピークのみ: δ4.34-4.26 (br m, 1H), 4.06 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.89 (AB四重線, J
AB=8.6 Hz, Δ
νAB=44.8 Hz, 2H), 3.81-3.75 (m, 2H), 2.09-1.96 (m, 2H), 1.93-1.82 (m, 2H), 1.82-1.73 (m, 1H), 1.66-1.56 (m, 1H), 1.20 (t, J=7.2 Hz, 3H).
KRED−P3−G09還元からのC1およびC2の絶対立体化学(調製物P4)は、以下の方式において同じことが示されている。化合物C1を、C1から試料C2へと変換した(上記ステップ1および2)。C2(C3)のラセミ体を、超臨界流体クロマトグラフィーを介して試験した[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−H、250×4.6mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.2%(メタノール中7Mアンモニア)を含有するメタノール;勾配:5%B、1.0分間、次いで8.0分間にわたり5%〜40%B;流速:3.0mL/分;逆圧:1800psi]。2種のエナンチオマーを保持時間4.57分および4.94分で溶出した。KRED−P3−G09(調製物P4)を用いたP1の還元から得たC2試料により、C1からC2試料を得た場合と同じクロマトグラフィー条件下で保持時間4.9分が得られた。
【0251】
実施例1、実施例2および実施例3
エチル6−{4−[3−(5−メトキシピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(1)、エチル6−{4−[3−(5−メトキシピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート、ENT−1(2)、およびエチル6−{4−[3−(5−メトキシピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート、ENT−2(3)
【0252】
【化23】
【0253】
ステップ1.tert−ブチル4−[3−(5−メトキシピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(C5)の合成。
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(89mg、77μmol)のトルエン(5mL)およびエタノール(2mL)中溶液を、tert−ブチル4−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(300mg、0.771mmol)、2−ブロモ−5−メトキシピラジン(146mg、0.772mmol)、および炭酸ナトリウム水溶液(2M、10mL)の混合物に加えた。反応混合物を100℃で、マイクロ波照射下で3時間撹拌し、この時点でこれを真空下で濃縮した。[この方法を参考にした実験は、多くの場合60℃以上での標準的加熱を使用した。]シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜40%酢酸エチル)を使用した残渣の精製により、生成物を黄色の固体として得た。収量:260mg、0.700mmol、91%。LCMS m/z372.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ8.80-8.72 (br s, 1H), 8.33 (d, J=1.5 Hz, 1H), 8.33-8.28 (m, 1H), 7.86 (br d, J=6.8 Hz, 1H), 7.08-7.01 (m, 1H), 4.03 (s, 3H), 3.50-3.41 (br m, 4H), 3.21-3.05 (br m, 4H), 1.46 (s, 9H).
ステップ2.2−メトキシ−5−[2−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]ピラジン、テトラヒドロクロリド塩(C6)の合成。塩化水素の1,4−ジオキサン(4M;3mL、12mmol)中溶液を、C5(260mg、0.700mmol)のアセトニトリル(6mL)中溶液に加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。真空下での溶媒の除去により、生成物を黄色の油状物質として生成し、これを次のステップでそのまま使用した。
1H NMR分析によると、この材料は完全に純粋ではなかった。収量:290mg、0.695mmol、99%。LCMS m/z272.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6), 生成物のピークのみ: δ9.57-9.42 (br m, 2H), 8.77 (d, J=1.2 Hz, 1H), 8.45 (d, J=1.5 Hz, 1H), 8.30 (dd, J=5.1, 1.7 Hz, 1H), 7.98 (dd, J=7.3, 1.5 Hz, 1H), 7.22 (dd, J=7.5, 5.3 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.36-3.28 (br m, 4H), 3.12-3.04 (br m, 4H).
ステップ3.エチル6−{4−[3−(5−メトキシピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(1)の合成。
【0254】
C6(220mg、0.527mmol)およびトリエチルアミン(1.0mL、7.2mmol)のジクロロメタン(40mL)中混合物を室温で30分間撹拌し、この時点でP1(156mg、0.791mmol)を加え、これに続いてチタニウム(IV)エトキシド(1.5mL、7.2mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(490mg、7.80mmol)を加え、これに続いてメタノール(6mL)を加え、撹拌を室温でもう4時間継続した。次いで、水(4mL)を加え、生成した混合物を真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%メタノール)を使用して、これに続いて逆相クロマトグラフィー(カラム:Agela Technologies C18;移動相A:0.05%水酸化アンモニウムを含有する水;移動相B:アセトニトリル;勾配:45%〜60%B)精製を行った。生成物を淡黄色の固体として単離した。収量:170mg、0.376mmol、71%。LCMS m/z453.3[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ8.76 (br s, 1H), 8.32 (d, J=1.2 Hz, 1H), 8.28 (dd, J=4.9, 1.7 Hz, 1H), 7.81 (dd, J=7.5, 1.8 Hz, 1H), 6.99 (dd, J=7.5, 5.0 Hz, 1H), 4.10 (q, J=7.1 Hz, 2H), 4.04 (s, 3H), 3.86 (AB四重線, 低磁場二重線が広がっている, J
AB=8.3 Hz, Δ
νAB=22.5 Hz, 2H), 3.81-3.74 (m, 2H), 3.29-3.10 (br m, 4H), 2.67-2.40 (br m, 5H), 2.11 (dd, J=12, 7 Hz, 1H), 2.02-1.45 (m, 5H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 1.24 (t, J=7.1 Hz, 3H).
ステップ4.エチル6−{4−[3−(5−メトキシピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート、ENT−1(2)およびエチル6−{4−[3−(5−メトキシピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート、ENT−2(3)の単離。
【0255】
1(150mg、0.331mmol)の、その構成成分エナンチオマーへの分離を逆相HPLC[カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD、10μm;移動相:4:1ヘキサン/エタノール]を介して行った。次いで、単離したエナンチオマーを個々に逆相クロマトグラフィー(カラム:Agela Technologies C18;移動相A:0.1%水酸化アンモニウムを含有する水;移動相B:アセトニトリル;勾配:0%〜60%B)の対象下において、生成物を黄色の固体として生成した。第1溶出エナンチオマーを2と指定し、第2溶出エナンチオマーを3と指定した。
【0256】
2−収量:40mg、88μmol、27%。LCMS m/z453.3[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ8.76 (br s, 1H), 8.32 (d, J=1.2 Hz, 1H), 8.28 (dd, J=4.8, 1.8 Hz, 1H), 7.81 (dd, J=7.5, 1.8 Hz, 1H), 6.99 (dd, J=7.3, 4.9 Hz, 1H), 4.10 (q, J=7.1 Hz, 2H), 4.03 (s, 3H), 3.86 (AB四重線, 低磁場二重線が広がっている, J
AB=8.3 Hz, Δ
νAB=22.5 Hz, 2H), 3.80-3.74 (m, 2H), 3.30-3.10 (br m, 4H), 2.69-2.41 (br m, 5H), 2.11 (dd, J=12.5, 6.8 Hz, 1H), 2.00-1.48 (m, 5H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 1.24 (t, J=7.1 Hz, 3H).保持時間:3.52分(分析用条件。カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD−H、150×4.6mm、5μm;移動相:80:20:0.1ヘキサン/エタノール/ジエチルアミン;流速:1.0mL/分)。
【0257】
3−収量:43mg、95μmol、29%。LCMS m/z453.3[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ8.75 (br s, 1H), 8.32 (d, J=1.2 Hz, 1H), 8.28 (dd, J=4.9, 2.0 Hz, 1H), 7.81 (dd, J=7.5, 1.8 Hz, 1H), 6.99 (dd, J=7.3, 4.9 Hz, 1H), 4.10 (q, J=7.1 Hz, 2H), 4.04 (s, 3H), 3.93-3.86 (br m, 1H), 3.84 (d, AB四重線の半分, J=8.3 Hz, 1H), 3.80-3.75 (m, 2H), 3.33-3.06 (br m, 4H), 2.71-2.35 (br m, 5H), 2.18-2.06 (m, 1H), 2.04-1.45 (m, 5H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 1.24 (t, J=7.1 Hz, 3H).保持時間:4.53分(2に対して使用したものと同一の分析用条件)。
【0258】
実施例4
エチル(6R)−6−{4−[3−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(4)
【0259】
【化24】
【0260】
ステップ1.tert−ブチル4−[3−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(C7)の合成。
エタノール(30mL)および炭酸ナトリウム(8.85g、83.5mmol)の水(33mL)中溶液を、tert−ブチル4−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(13.0g、33.4mmol)と4−ブロモ−1,3−チアゾール(6.57g、40.1mmol)のトルエン(180mL)中混合物に加えた。次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.69g、2.33mmol)を加え、反応混合物を90℃で12時間撹拌した。真空下で溶媒を除去した後、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜60%、石油エーテル中酢酸エチル)を使用して残渣を精製して、生成物を淡黄色の固体として生成した。収量:7.00g、20.2mmol、60%。LCMS m/z347.1[M+H]
+。
【0261】
ステップ2.1−[3−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン(C8)の合成。塩化水素の1,4−ジオキサン(4M;50mL、200mmol)中溶液を0℃でC7(11.0g、31.8mmol)のアセトニトリル(100mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、この時点でこれを濾過した。収集した固体を酢酸エチルで洗浄し、次いで、ジクロロメタン(150mL)とメタノール(25mL)の混合物に懸濁させた。炭酸カリウム(20g、145mmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌し、次いで濾過した。フィルターケーキをジクロロメタンとメタノールの混合物(10:1、60mL)で洗浄し、合わせた濾液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、生成物を黄色の油状物質として得た。
1H NMR分析によると、この材料は完全に純粋ではなかった。収量:7.5g、30mmol、94%。LCMS m/z247.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6), 生成物のピークのみ: δ9.19 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.24 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.22 (dd, J=4.8, 1.8 Hz, 1H), 8.10 (dd, J=7.5, 1.8 Hz, 1H), 7.04 (dd, J=7.5, 4.8 Hz, 1H), 2.97-2.91 (m, 4H), 2.80-2.73 (m, 4H).
ステップ3.tert−ブチル(6R)−6−{4−[3−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(C9)の合成。
【0262】
この実験は2つの同一のバッチで行った。C8(1.10g、4.47mmol)、P2(1.91g、6.25mmol)、および炭酸カリウム(1.54g、11.1mmol)のアセトニトリル(20mL)中混合物を密閉容器内に配置し、95℃で16時間加熱し、この時点でこれを真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%メタノール)により、生成物を淡黄色の油状物質として生成した。合わせた収量:1.70g、3.73mmol、42%。LCMS m/z456.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ9.20 (d, J=1.5 Hz, 1H), 8.23 (dd, J=4.6, 1.5 Hz, 1H), 8.20 (br s, 1H), 8.10 (br d, J=7.6 Hz, 1H), 7.06 (dd, J=7.3, 4.6 Hz, 1H), 3.76-3.58 (br m, 4H), 3.07-2.96 (br m, 4H), 2.64-2.39 (m, 5H, 推定; 溶媒ピークにより著しく不明確), 2.07-1.96 (m, 1H), 1.87-1.69 (m, 3H), 1.69-1.57 (m, 1H), 1.50-1.4 (m, 1H), 1.36 (s, 9H).
ステップ4.(6R)−6−{4−[3−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン(C10)の合成。
【0263】
トリフルオロ酢酸(15mL)を、C9(6.00g、13.2mmol)のジクロロメタン(120mL)中溶液に加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、これを真空下で濃縮し、残渣をジクロロメタンとメタノール(9:1、150mL)の混合物に溶解した。炭酸ナトリウム(15g)を加え、生成した混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、生成物を黄色の油状物質として得た。収量:4.50g、12.7mmol、96%。LCMS m/z356.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ9.15-9.13 (m, 1H), 8.31-8.27 (m, 1H), 8.16-8.13 (m, 1H), 8.07 (br d, J=7.6 Hz, 1H), 7.18-7.12 (m, 1H), 3.69 (br d, AB四重線の半分, J=12 Hz, 1H), 3.65-3.49 (m, 5H), [3.40-3.24 (m)および3.16-3.07 (m), 合計7H, 推定; 溶媒ピークにより一部不明確], 2.41-2.28 (m, 2H), 2.02-1.81 (m, 3H), 1.72-1.63 (br m, 1H).
ステップ5.エチル(6R)−6−{4−[3−(1,3−チアゾール−4−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(4)の合成。クロロギ酸エチル(3.66g、33.7mmol)を、0℃でC10(4.00g、11.2mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(8.73g、67.5mmol)の混合物に加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水の中に注ぎ入れた後、これをジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を濃縮し、シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%メタノール)を介して精製して、淡黄色のガム状物質(2.1g)を生成した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜20%メタノール)を使用して、この材料を再精製して、生成物を黄褐色泡状物質として得た。収量:1.77g、4.14mmol、37%。LCMS m/z428.4[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ8.88 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.26 (dd, J=4.7, 2.0 Hz, 1H), 8.11 (dd, J=7.4, 2.0 Hz, 1H), 8.02 (d, J=2.0 Hz, 1H), 6.98 (dd, J=7.6, 4.9 Hz, 1H), 4.10 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.86 (AB四重線, J
AB=8.4 Hz, Δ
νAB=20.8 Hz, 2H), 3.79 (AB四重線, J
AB=8.4 Hz, Δ
νAB=6.0 Hz, 2H), 3.21-3.15 (m, 4H), 2.62-2.48 (br m, 5H), 2.12 (dd, J=12.7, 6.8 Hz, 1H), 1.98-1.78 (m, 3H), 1.72 (dd, J=12.7, 9.6 Hz, 1H), 1.61-1.50 (m, 1H), 1.24 (t, J=7.2 Hz, 3H).
実施例5
エチル(6R)−6−{4−[3−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(5)
【0264】
【化25】
【0265】
ステップ1.tert−ブチル4−[3−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(C11)の合成。この実験は、8つの同一バッチで行った。
【0266】
tert−ブチル4−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(400mg、1.03mmol)のアセトニトリル(20mL)中混合物に、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(XPhos;147mg、0.308mmol)を加え、これに続いて2−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール(203mg、1.23mmol)、炭酸ナトリウム(163mg、1.54mmol)、水(4mL)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(94.0mg、0.103mmol)を加えた。反応混合物を密閉容器内で、100℃で7時間撹拌し、この時点でこれを真空下で濃縮し、シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜80%酢酸エチル)を介して精製して、淡黄色の油状物質(550mg)を得た。すべての8つの反応からの生成物を合わせ、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜70%酢酸エチル)の対象下におき、生成物を淡黄色の固体として生成した。合わせた収量:1.20g、3.45mmol、42%。LCMS m/z348.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ9.20 (s, 1H), 8.50 (dd, J=7.7, 1.8 Hz, 1H), 8.47 (dd, J=4.8, 1.8 Hz, 1H), 7.19 (dd, J=7.7, 4.8 Hz, 1H), 3.61 (dd, J=5, 5 Hz, 4H), 3.10 (dd, J=5, 5 Hz, 4H), 1.48 (s, 9H).
ステップ2.1−[3−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン(C12)の合成。塩化水素の1,4−ジオキサン(4M;15mL、60mmol)中溶液を、C11(1.10g、3.17mmol)のアセトニトリル(30mL)中混合物に加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。真空下で溶媒を除去した後、残渣を酢酸エチルで粉砕して、白色の固体(1.0g)を得た。この材料をジクロロメタンとメタノールの混合物(10:1、150mL)中に溶解させ、炭酸カリウム(5.0g、36.2mmol)で処理した。この混合物を室温で16時間撹拌した後、これを濾過した。濾液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、生成物を淡黄色の固体として生成した。収量:700mg、2.83mmol、89%。LCMS m/z248.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ9.20 (s, 1H), 8.52-8.45 (m, 2H), 7.17 (dd, J=7.6, 4.9 Hz, 1H), 3.14-3.04 (m, 8H).
ステップ3.エチル(6R)−6−{4−[3−(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(5)の合成。
【0267】
C12(700mg、2.83mmol)、P3(1.23g、4.43mmol)、および炭酸カリウム(511mg、3.70mmol)のアセトニトリル(20mL)中混合物を、密閉容器内に配置し、100℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%メタノール)を使用して精製して、生成物を白色の固体として得た。収量:400mg、0.933mmol、33%。LCMS m/z429.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ9.20 (s, 1H), 8.47-8.41 (m, 2H), 7.14 (dd, J=7.6, 4.9 Hz, 1H), 4.10 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.88 (AB四重線, J
AB=8.3 Hz, Δ
νAB=21.7 Hz, 2H), 3.83-3.76 (m, 2H), 3.25-3.12 (br m, 4H), 2.73-2.55 (br m, 5H), 2.13 (dd, J=12.6, 7.0 Hz, 1H), 2.02-1.51 (m, 5H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 1.24 (t, J=7.1 Hz, 3H).
実施例6および実施例7
エチル(6R)−6−[4−(3−メトキシピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(6)およびエチル(6S)−6−[4−(3−メトキシピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(7)
【0268】
【化26】
【0269】
ステップ1.tert−ブチル6−[4−(3−メトキシピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(C13)の合成。tert−ブチル6−オキソ−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(2.00g、8.88mmol)、1−(3−メトキシピリジン−2−イル)ピペラジン、三塩酸塩(2.71g、8.96mmol)、トリエチルアミン(7.38mL、52.9mmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(3.35g、53.3mmol)および硫酸マグネシウム(3.21g、26.7mmol)のエタノール(50mL)中懸濁液を、45℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を真空下で濃縮乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:1:10メタノール/ジクロロメタン)により、生成物を淡黄色の油状物質として生成し、これを次のステップで精製することなく使用した。LCMS m/z403.1[M+H]
+。
【0270】
ステップ2.6−[4−(3−メトキシピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]−2−アザスピロ[3.4]オクタン、トリフルオロ酢酸塩(C14)の合成。
トリフルオロ酢酸(20mL)をC13(以前のステップからのもの;≦8.88mmol)のジクロロメタン(80mL)中溶液に滴下方式で加えた。反応混合物を10℃で2時間撹拌し、この時点で、これを減圧下で濃縮乾燥させて、生成物を淡黄色の油状物質として得、これをそのまま以下のステップで使用した。LCMS m/z302.9[M+H]
+。
【0271】
ステップ3.エチル6−[4−(3−メトキシピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(C15)の合成。C14(以前のステップからのもの、≦8.88mmol)およびトリエチルアミン(12.3mL、88.2mmol)のジクロロメタン(100mL)中溶液に、クロロギ酸エチル(2.89g、26.6mmol)を加えた。反応混合物を10℃で16時間撹拌し、この時点でこれを真空下で濃縮乾燥させた。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜9%メタノール)を介して精製を行い、これに続いて逆相HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18、10μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:25%〜44%B)を介して精製を行った。次いで、生成した材料をもう1度シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル溶出液、これに続いて、ジクロロメタン中0%〜9%メタノールの勾配)の対象下において、生成物を白色の固体として得た。収量:1.68g、4.49mmol、3ステップにわたり51%。LCMS m/z375.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ7.80 (dd, J=5.0, 1.5 Hz, 1H), 7.29 (dd, J=8.0, 1.0 Hz, 1H), 6.98 (dd, J=8.0, 5.0 Hz, 1H), 4.08 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.99-3.78 (m, 4H), 3.87 (s, 3H), 3.68-3.44 (br m, 4H), 3.41-3.3 (m, 1H, 推定; 溶媒ピークにより一部不明確), 3.28-3.11 (br m, 4H), 2.40 (dd, J=13.0, 8.0 Hz, 1H), 2.22-2.11 (m, 1H), 2.10-2.00 (m, 1H), 2.00-1.90 (m, 2H), 1.83-1.70 (m, 1H), 1.23 (t, J=7.0 Hz, 3H).
ステップ4.エチル(6R)−6−[4−(3−メトキシピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(6)およびエチル(6S)−6−[4−(3−メトキシピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(7)の単離。
【0272】
C15(1.67g、4.46mmol)の、その構成成分エナンチオマーへの分離は、超臨界流体クロマトグラフィー{カラム:Phenomenex Lux Amylose−1、5μm;移動相:4:1二酸化炭素/[0.2%(エタノール中7Mアンモニア)を含有するエタノール];逆圧:120バール}を介して行った。第1溶出エナンチオマーを6と指定し、第2溶出エナンチオマーを7と指定した。示された絶対配置は6の塩酸塩に対して行ったX線構造判定に基づいて指定された(以下を参照されたい)。
【0273】
6−収量:394mg、1.05mmol、24%。保持時間:5.80分{分析用条件。カラム:Phenomenex Lux Amylose−1、250×4.6mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:[0.2%(エタノール中7Mアンモニア)を含有するエタノール];勾配:5%で1分間、次いで8.0分間にわたり5%〜60%B;流速:3.0mL/分;逆圧:120バール}。
【0274】
7−収量:453mg、1.21mmol、27%。LCMS m/z375.3[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ7.87 (br d, J=4.7 Hz, 1H), 7.03 (br d, J=7.8 Hz, 1H), 6.83 (dd, J=8.0, 4.9 Hz, 1H), 4.10 (q, J=7.2 Hz, 2H), 3.90 (d, AB四重線の半分, J=8.6 Hz, 1H), 3.86-3.82 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.79 (AB四重線, J
AB=8.4 Hz, Δ
νAB=8.4 Hz, 2H), 3.47-3.39 (br m, 4H), 2.71-2.57 (br m, 5H), 2.14 (dd, J=12.9, 7.0 Hz, 1H), 1.99-1.81 (m, 3H), 1.77 (dd, J=12.5, 9.8 Hz, 1H), 1.67-1.55 (m, 1H), 1.24 (t, J=7.0 Hz, 3H).保持時間:6.68分(分析用条件は6に対して使用したものと同一)。
【0275】
単結晶X線構造判定のための6のその塩酸塩(6・HCl)への変換
塩化水素の1,4−ジオキサン(4M;6.3μL、25μmol)中溶液を、1.77g(1ドラム)バイアル中の6(9.5mg、25μmol)のエタノール(254μL)中溶液に加えた。バイアルを手動で30秒間振盪させた後、蓋をあけたまま、これを18時間静置させた。その時点で、エタノールは蒸発し、6・HClの小さな針状結晶が残り、そのうちの1つを以下に概説されているように、単結晶X線構造判定を介して分析した。
【0276】
6・HClの単結晶X線構造判定
単結晶X線分析
データ収集をBruker APEX回折計で、−150℃で実施した。データ収集物はオメガおよびファイスキャンからなった。
【0277】
構造は、斜方晶クラス空間群P2
12
12
1においてSHELXソフトウェアスイートを使用する直接的方法で解明した。続いて、フルマトリックス最小二乗法により構造を精密化した。すべての非水素原子を発見し、異方性変位パラメーターを使用して精密化した。
【0278】
窒素上にプロトン受容体として位置する水素原子をフーリエ示差マップから発見し、制限された距離を用いて精密化した。水素原子を計算した位置に配置し、これらの担体原子上に乗せた。最終の精密化は、すべての水素原子に対する等方性変位パラメーターを含んだ。
【0279】
Platonを介したスクイーズアルゴリズムを適用して、対称の中心に位置する恐らく無秩序の酢酸エチル溶媒の観察された残留電子密度を排除した。一致因子は1.7%改善された。
【0280】
可能性のある方法(Hooft、2008年)を使用した絶対構造の分析を、PLATON(Spek)を使用して実施した。結果は、絶対構造が正しく指定されていることを示している。方法は、構造が正しいという確率は1.000であることを計算している。Hooftパラメーターは、0.011のesdで0.035と報告されている。
【0281】
非対称的単位は、プロトン化された6の2個の分子(2
+)、2個の塩素イオン(2
−)、および1個の水分子(半分占有)を含んだ。最終のR指数は5.3%であった。最終の示差フーリエは、欠損も、間違った電子密度もないことを明らかにした。
【0282】
関連のある結晶、データ収物、および精密化情報は表Aに要約されている。原子座標、結合の長さ、結合角度、および置換パラメーターは表B〜Dに列挙されている。
ソフトウエアおよび参考文献
SHELXTL、Version5.1、Bruker AXS、1997年。
PLATON、A.L.Spek、J.Appl.Cryst.2003年、36巻、7〜13頁。
MERCURY、C.F.Macrae、P.R.Edington、P.McCabe、E.Pidcock、G.P.Shields、R.Taylor、M.TowlerおよびJ.van de Streek、J.Appl.Cryst.2006年、39巻、453〜457頁。
OLEX2、O.V.Dolomanov、L.J.Bourhis、R.J.Gildea、J.A.K.Howard、およびH.Puschmann、J.Appl.Cryst.、2009年、42巻、339〜341頁。
R.W.W.Hooft、L.H.StraverおよびA.L.Spek、J.Appl.Cryst.、2008年、41巻、96〜103頁。
H.D.Flack、ActaCryst.、1983年。A39巻、867〜881頁。
【0283】
【表1】
【0284】
【表2-1】
【0285】
【表2-2】
【0286】
【表2-3】
【0287】
【表2-4】
【0288】
【表2-5】
【0289】
【表2-6】
【0290】
【表2-7】
【0291】
【表3-1】
【0292】
【表3-2】
【0293】
【表3-3】
【0294】
実施例6の代替合成
エチル(6R)−6−[4−(3−メトキシピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(6)
【0295】
【化27】
【0296】
1−(3−メトキシピリジン−2−イル)ピペラジン、塩酸塩(130mg、0.566mmol)、P4(240mg、0.679mmol)、炭酸カリウム(313mg、2.26mmol)、およびアセトニトリル(2.3mL)を密閉容器内に配置し、90℃で終夜加熱した。反応混合物を室温に冷却した後、これをシリカゲル上に吸着させ、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜20%メタノール)を介して精製して、生成物を淡褐色の油状物質として得た。収量:80mg、0.21mmol、37%。LCMS m/z375.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ7.88 (dd, J=4.9, 1.4 Hz, 1H), 7.03 (dd, J=7.8, 1.2 Hz, 1H), 6.84 (dd, J=8.0, 4.9 Hz, 1H), 4.10 (q, J=7.2 Hz, 2H), 3.91 (d, AB四重線の半分, J=8.2 Hz, 1H), 3.87-3.83 (m, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.80 (AB四重線, J
AB=8.2 Hz, Δ
νAB=8.4 Hz, 2H), 3.48-3.39 (br m, 4H), 2.69-2.56 (br m, 5H), 2.15 (dd, J=12.9, 7.0 Hz, 1H), 2.00-1.80 (m, 3H), 1.76 (dd, J=12.7, 9.6 Hz, 1H), 1.65-1.53 (m, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 1.24 (t, J=7.0 Hz, 3H).
この合成した材料(6−代替合成)の示された絶対配置を、上記に記載のX線結晶構造試料の調製に使用した材料(6−X線調製物)との比較を介して、以下の通り確立した。超臨界流体クロマトグラフィー{カラム:Phenomenex Lux Amylose−1、250×4.6mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:[0.2%(メタノール中7Mアンモニア)を含有するメタノール;勾配:5%Bで1.0分間、次いで8.0分間にわたり5%〜60%B;流速:3.0mL/分;逆圧:120バール}を使用してラセミ体C15を試験した。2つのエナンチオマーに対して2つのピークが観察された:1つは5.82分で、および1つは6.54分で観察された。同一条件下で、6−代替合成により保持時間5.83分を得た。6−X線調製物により、保持時間5.83分を得た。これは2つの試料が同じ絶対立体配置を保有することを確証している。
【0297】
実施例8
エチル(6R)−6−{4−[3−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(8)
【0298】
【化28】
【0299】
ステップ1.tert−ブチル4−[3−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(C16)の合成。tert−ブチル4−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(6.00g、15.4mmol)、2−ブロモピラジン(2.7g、17mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.78g、1.54mmol)、および炭酸カリウム(6.39g、46.2mmol)のトルエン(80mL)、エタノール(30mL)、および水(3mL)の混合物中混合物を100℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をシリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜50%酢酸エチル)を介して精製して、生成物を黄色のガム状物質として生成した。収量:5.00g、14.6mmol、95%。LCMS m/z342.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ9.22 (br s, 1H), 8.68 (dd, J=2.4, 1.5 Hz, 1H), 8.51 (d, J=2.4 Hz, 1H), 8.35 (dd, J=4.9, 1.7 Hz, 1H), 7.90 (dd, J=7.6, 1.7 Hz, 1H), 7.06 (dd, J=7.6, 4.9 Hz, 1H), 3.46-3.39 (m, 4H), 3.16-3.07 (br m, 4H), 1.45 (s, 9H).
ステップ2.2−[2−(ピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]ピラジン(C17)の合成。C16(5.30g、15.5mmol)と、塩化水素の1,4−ジオキサン(4M;15.5mL、62mmol)中溶液とのジクロロメタン(60mL)およびメタノール(20mL)中混合物を室温で2時間を撹拌し、続いて40℃で1時間加熱した。真空下で溶媒を除去した後、残渣をメタノール(100mL)に溶解し、炭酸カリウム(12.0g、86.8mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%メタノール)を使用して精製して、生成物を生成した。収量:2.90g、12.0mmol、77%。LCMS m/z242.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ9.18 (d, J=1.7 Hz, 1H), 8.74 (dd, J=2.6, 1.6 Hz, 1H), 8.57 (d, J=2.7 Hz, 1H), 8.30 (dd, J=4.9, 2.0 Hz, 1H), 7.85 (dd, J=7.6, 2.0 Hz, 1H), 7.07 (dd, J=7.5, 4.8 Hz, 1H), 2.95-2.90 (m, 4H), 2.67-2.62 (m, 4H).
ステップ3.エチル(6R)−6−{4−[3−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(8)の合成。
【0300】
C17(2.50g、10.4mmol)、P4(5.13g、14.5mmol)、および炭酸カリウム(4.3g、31.1mmol)のアセトニトリル(25mL)中混合物を密閉容器内に配置し、100℃で48時間撹拌した。真空下で溶媒を除去した後、残渣を水(150mL)で希釈し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%メタノール)を介して精製して、生成物を黄色のガム状物質として生成した。収量:2.90g、6.86mmol、66%。LCMS m/z423.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ9.23 (br s, 1H), 8.66 (dd, J=2.4, 1.5 Hz, 1H), 8.48 (d, J=2.7 Hz, 1H), 8.33 (dd, J=4.8, 1.8 Hz, 1H), 7.88 (dd, J=7.5, 1.8 Hz, 1H), 7.03 (dd, J=7.3, 4.9 Hz, 1H), 4.10 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.85 (AB四重線, 低磁場二重線が広がっている, J
AB=8.3 Hz, Δ
νAB=22.7 Hz, 2H), 3.79-3.74 (m, 2H), 3.32-3.09 (br m, 4H), 2.69-2.38 (br m, 5H), 2.10 (dd, J=12.5, 6.8 Hz, 1H), 2.01-1.46 (m, 5H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 1.24 (t, J=7.1 Hz, 3H).
実施例9
エチル(6R)−6−{4−[3−(4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(9)
【0301】
【化29】
【0302】
ステップ1.tert−ブチル4−[3−(4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(C18)の合成。
tert−ブチル4−(3−ブロモピリジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(400mg、1.17mmol)、4−メチル−1H−ピラゾール(144mg、1.75mmol)、ヨウ化銅(I)(22mg、0.12mmol)、(1R,2R)−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(34mg、0.24mmol)、およびリン酸カリウム(746mg、3.51mmol)の1−メチルピロリジン−2−オン(4mL)中混合物を、密閉容器内に配置し、140℃で16時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜100%酢酸エチル)の対象下におき、生成物を淡黄色の固体(160mg)として生成し、これを以下のステップでそのまま使用した。
1H NMR分析によると、この材料は完全に純粋ではなかった。LCMS m/z344.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3), 生成物のピークのみ: δ8.24 (dd, J=4.9, 1.7 Hz, 1H), 7.78-7.76 (m, 1H), 7.71 (dd, J=7.8, 1.7 Hz, 1H), 7.54 (br s, 1H), 6.97 (dd, J=7.7, 4.8 Hz, 1H), 3.46-3.38 (m, 4H), 2.97-2.89 (m, 4H), 2.16 (s, 3H), 1.46 (s, 9H).
ステップ2.1−[3−(4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン(C19)の合成。C18(以前のステップからのもの;160mg、≦0.466mmol)と、塩化水素の1,4−ジオキサン(4M;0.5mL、2mmol)中溶液とのジクロロメタン(10mL)中混合物を室温で3時間撹拌し、この時点でこれを真空下で濃縮した。残渣をメタノール(20mL)に溶解し、炭酸カリウム(200mg、1.45mmol)で処理し、室温で20分間撹拌し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜70%メタノール)を介して精製して、生成物を淡黄色の固体として得た。収量:60mg、0.25mmol、2つのステップにわたり21%。LCMS m/z244.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ8.24 (dd, J=4.8, 1.6 Hz, 1H), 7.70 (dd, J=7.6, 1.7 Hz, 1H), 7.66 (br s, 1H), 7.54 (br s, 1H), 7.01 (dd, J=7.6, 4.9 Hz, 1H), 3.27-3.20 (m, 4H), 3.16-3.08 (m, 4H), 2.17 (s, 3H).
ステップ3.エチル(6R)−6−{4−[3−(4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(9)の合成。
【0303】
C19(60mg、0.25mmol)、P4(131mg、0.371mmol)、および炭酸カリウム(102mg、0.738mmol)のアセトニトリル(3mL)中混合物を密閉容器内に配置し、100℃で48時間撹拌した。溶媒を真空下で除去した後、残渣をシリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜20%メタノール)を介して、これに続いて逆相HPLC(カラム:Waters XBridge C18、5μm;移動相A:0.05%水酸化アンモニウムを含有する水;移動相B:アセトニトリル;勾配:40%〜50%B)を介して精製した。生成物を淡黄色の固体として単離した。収量:25mg、59μmol、24%。LCMS m/z425.3[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ8.23 (dd, J=4.8, 1.8 Hz, 1H), 7.73 (br s, 1H), 7.68 (dd, J=7.8, 1.7 Hz, 1H), 7.52 (br s, 1H), 6.93 (dd, J=7.7, 4.8 Hz, 1H), 4.10 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.86 (AB四重線, 低磁場二重線が広がっている, J
AB=8.3 Hz, Δ
νAB=21.4 Hz, 2H), 3.78 (AB四重線, J
AB=8.3 Hz, Δ
νAB=6.0 Hz, 2H), 3.09-2.94 (br m, 4H), 2.62-2.39 (br m, 5H), 2.17 (s, 3H), 2.11 (dd, J=12.7, 6.8 Hz, 1H), 1.99-1.48 (m, 5H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 1.24 (t, J=7.1 Hz, 3H).
実施例10
エチル6−{4−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(10)
【0304】
【化30】
【0305】
ステップ1.tert−ブチル4−(2−フルオロピリジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(C20)の合成。3−ブロモ−2−フルオロピリジン(10.0g、56.8mmol)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(12.7g、68。2mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.60g、2.84mmol)、[2’,6’−ビス(プロパン−2−イルオキシ)ビフェニル−2−イル](ジシクロヘキシル)ホスファン(RuPhos;2.67g、5.72mmol)、およびTert−ブトキシドナトリウム(11.0g、114mmol)の1,4−ジオキサン(150mL)中混合物を110℃で16時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮した後、残渣を酢酸エチル(300mL)で希釈し、水(2x150mL)および塩化ナトリウム飽和水溶液(150mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中50%〜100%酢酸エチル)により、生成物を褐色のガム状物質として生成した。収量:5.20g、18.5mmol、33%。LCMS m/z282.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ7.79 (ddd, J=4.9, 1.7, 1.5 Hz, 1H), 7.30-7.23 (m, 1H), 7.12 (ddd, J=7.8, 4.8, 1.4 Hz, 1H), 3.61 (br dd, J=5.1, 5.1 Hz, 4H), 3.06 (br dd, J=5.1, 4.9 Hz, 4H), 1.50 (s, 9H).
ステップ2.1−(2−フルオロピリジン−3−イル)ピペラジン、塩酸塩(C21)の合成。C20(5.20g、18.5mmol)のジクロロメタン(20mL)中溶液に塩化水素の1,4−ジオキサン(4.0M;18.5mL、74.0mmol)中溶液を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌し、この時点でこれを真空下で濃縮して、粗生成物を淡褐色固体として得、これを精製することなく次のステップで使用した。
1H NMR分析によると、この材料は完全に純粋ではなかった。LCMS m/z182.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6), 生成物のピークのみ: δ9.7-9.4 (br m, 2H), 7.80 (br d, J=4.9 Hz, 1H), 7.58 (ddd, J=10.9, 7.9, 1.5 Hz, 1H), 7.29 (ddd, J=7.7, 4.9, 1.2 Hz, 1H), 3.33-3.15 (m, 8H).
ステップ3.エチル6−[4−(2−フルオロピリジン−3−イル)ピペラジン−1−イル]−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(C22)の合成。C21(以前のステップからのもの;≦18.5mmol)、P1(4.00g、18.4mmol)、チタニウム(IV)エトキシド(16.8g、73.6mmol)、およびトリエチルアミン(9.3g、92mmol)のジクロロメタン(80mL)およびメタノール(80mL)中混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(19.5g、92.0mmol)を加え、反応混合物を室温でもう3時間撹拌した。反応を水(10mL)でクエンチし、これにより白色の沈殿物が生成された。次いで、混合物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。フィルターパッドを酢酸エチル(100mL)で洗浄し、合わせた濾液を真空下で濃縮した。シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中50%〜100%酢酸エチル)により、生成物を白色のガム状物質として生成した。収量:2.4g、6.6mmol、2ステップにわたり36%。LCMS m/z363.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ7.81 (ddd, J=4.9, 1.7, 1.5 Hz, 1H), 7.29 (ddd, J=10.3, 7.8, 1.7 Hz, 1H), 7.13 (ddd, J=7.8, 4.8, 1.3 Hz, 1H), 4.10 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.90 (AB四重線, J
AB=8.6 Hz, Δ
νAB=30.4 Hz, 2H), 3.80 (AB四重線, J
AB=8.3 Hz, Δ
νAB=7.6 Hz, 2H), 3.31 (br dd, J=4.9, 4.6 Hz, 4H), 3.11-2.98 (br m, 5H), 2.24 (dd, ABXパターンの半分, J=13.1, 7.7 Hz, 1H), 2.18-2.09 (m, 1H), 2.08-1.82 (m, 4H), 1.24 (t, J=7.1 Hz, 3H).
ステップ4.エチル6−{4−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(10)の合成。テトラヒドロフラン(1mL)中の水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液;32mg、0.80mmol)を0℃で2,2,2−トリフルオロエタノール(75mg、0.75mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中溶液に加え、生成した混合物を0℃で30分間撹拌した。C22(90mg、0.25mmol)のテトラヒドロフラン(1mL)中溶液を加え、反応混合物を50℃で16時間撹拌し、この時点でこれを酢酸エチル(30mL)で希釈し、水(2×10mL)および塩化ナトリウム飽和水溶液(10mL)で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。逆相HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:0%〜100%B)により、生成物を淡黄色のガム状物質として生成した。収量:29.5mg、66.7μmol、27%。LCMS m/z443.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ7.76 (dd, J=4.9, 1.5 Hz, 1H), 7.14 (dd, J=7.7, 1.6 Hz, 1H), 6.94 (dd, J=7.6, 4.9 Hz, 1H), 4.81 (q, J
HF=8.6 Hz, 2H), 4.11 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.89 (AB四重線, 低磁場二重線が広がっている, J
AB=8.4 Hz, Δ
νAB=23.3 Hz, 2H), 3.81 (AB四重線, J
AB=8.2 Hz, Δ
νAB=9.6 Hz, 2H), 3.25-3.07 (br m, 4H), 2.79-2.57 (br m, 5H), 2.18 (br dd, J=12, 7 Hz, 1H), 2.04-1.52 (m, 5H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 1.25 (t, J=7.1 Hz, 3H).
実施例11
エチル(6R)−6−{4−[3−(1,3−チアゾール−5−イル)ピラジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(11)
【0306】
【化31】
【0307】
ステップ1.tert−ブチル4−[3−(1,3−チアゾール−5−イル)ピラジン−2−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(C23)の合成。5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,3−チアゾール(848mg、4.02mmol)およびtert−ブチル4−(3−クロロピラジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(1.00g、3.35mmol)のトルエン(35mL)中混合物に、水(5mL)および炭酸ナトリウム(1.06g、10.0mmol)を加え、これに続いて[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(245mg、0.335mmol)を加えた。次いで、反応容器を密閉し、100℃で16時間加熱した。真空下で溶媒を除去した後、残渣を、シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜90%酢酸エチル)を介して精製して、生成物を黄色の油状物質として生成した。収量:500mg、1.44mmol、43%。LCMS m/z348.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ9.0-8.8 (br s, 1H), 8.8-8.6 (br s, 1H), 8.23 (d, J=2.4 Hz, 1H), 8.17 (d, J=2.4 Hz, 1H), 3.68-3.57 (br m, 4H), 3.24-3.14 (br m, 4H), 1.48 (s, 9H).
ステップ2.2−(ピペラジン−1−イル)−3−(1,3−チアゾール−5−イル)ピラジン、塩酸塩(C24)の合成。
【0308】
塩化水素の1,4−ジオキサン(4M;3mL、12mmol)中溶液をC23(500mg、1.44mmol)のアセトニトリル(9mL)中溶液に加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、これを真空下で濃縮し、残渣を酢酸エチルで粉砕して、生成物を黄色の固体として得た。収量:330mg、1.16mmol、81%。LCMS m/z248.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6), 特徴的ピーク: δ8.36 (d, J=2.4 Hz, 1H), 8.32 (d, J=2.4 Hz, 1H), 3.40-3.33 (br m, 4H), 3.32-3.23 (br m, 4H).
ステップ3.エチル(6R)−6−{4−[3−(1,3−チアゾール−5−イル)ピラジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−2−アザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(11)の合成。C24(遊離塩基;120mg、0.485mmol)、P3(242mg、0.873mmol)、および炭酸カリウム(67mg、0.48mmol)のアセトニトリル(4mL)中混合物を密閉容器内、95℃で16時間撹拌した。真空下で濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%メタノール)を使用して、これに続いて逆相HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18、5μm;移動相A:水中0.1%ギ酸;移動相B:アセトニトリル;勾配:12%〜20%B)を使用して精製した。生成物を淡黄色のガム状物質として単離した。収量:30mg、70μmol、14%。LCMS m/z429.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ8.88 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.22 (d, J=2.4 Hz, 1H), 8.16 (d, J=2.4 Hz, 1H), 4.11 (q, J=7.2 Hz, 2H), 3.89 (AB四重線, J
AB=8.4 Hz, Δ
νAB=27.7 Hz, 2H), 3.83-3.77 (m, 2H), 3.44-3.29 (br m, 4H), 2.90-2.77 (br m, 5H), 2.18 (dd, J=13.0, 7.3 Hz, 1H), 2.05-1.70 (m, 5H), 1.24 (t, J=7.1 Hz, 3H).
実施例1〜11に対して上記に記載の方法、および表に記述されているような類似の出発材料を使用して、実施例12〜53を合成した。利用した具体的な方法、ならびにこれらの実施例に対する特徴付けデータについては表1を参照されたい。
【0309】
【表4-1】
【0310】
【表4-2】
【0311】
【表4-3】
【0312】
【表4-4】
【0313】
【表4-5】
【0314】
【表4-6】
【0315】
【表4-7】
【0316】
【表4-8】
【0317】
【表4-9】
【0318】
【表4-10】
【0319】
【表4-11】
【0320】
【表4-12】
【0321】
【表4-13】
【0322】
【表4-14】
【0323】
【表4-15】
【0324】
【表4-16】
【0325】
【表4-17】
【0326】
【表4-18】
【0327】
【表4-19】
【0328】
1. tert-ブチル2-オキソ-6-アザスピロ[3.4]オクタン-6-カルボキシレートを、1,4-ジオキサン中塩化水素での処理の対象下におき、保護基を除去した。その後のクロロギ酸エチルとの反応により必要なエチル2-オキソ-6-アザスピロ[3.4]オクタン-6-カルボキシレートを生成した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ4.15 (q, J=7.2 Hz, 2H), 3.63-3.43 (br m, 4H), 3.05 (br AB四重線, J
AB=17 Hz, Δ
νAB=38 Hz, 4H), 2.08 (dd, J=6.8, 6.8 Hz, 2H), 1.27 (t, J=7.1 Hz, 3H).
2. この場合、[1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd-118)および炭酸セシウムまたは炭酸カリウムを使用してSuzukiカップリングを行った。
3. この場合、還元的アミノ化は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、および硫酸マグネシウムで行った。
4. 分析HPLCに対する条件。カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、5μm;移動相A:水中0.0375%トリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル中0.01875%トリフルオロ酢酸;勾配:0.6分間にわたり1%〜5%B;3.4分間にわたり5%〜100%B;流速:0.8mL/分。
5. この場合、P1の代わりにtert-ブチル6-オキソ-2-アザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレートを使用した。生成したtert-ブチル6-{4-[3-(ピリミジン-5-イル)ピリジン-2-イル]ピペラジン-1-イル}-2-アザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレートをトリフルオロ酢酸で脱保護し、次いで1-クロロエチル炭酸エチルと反応させて、実施例14を生成した。
6. この場合、Suzukiカップリングは、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)および炭酸カリウムを使用して行った。
7. 必要な1-[2-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル]ピペラジンは、3-ブロモ-2-フルオロピリジンのC21への変換に対して実施例10に記載の方法を使用して、3-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)ピリジンから合成した。
8. 逆相HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralpak IG;移動相:7:3ヘキサン/エタノール)を介して、ラセミ生成物をそのエナンチオマーへと分離し、第1溶出エナンチオマーを実施例19として指定した。次いで、両方のエナンチオマーを個々に逆相クロマトグラフィー(カラム:Agela Technologies C18;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:0%〜100%B)の対象下においた。分析用HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralpak IG、4.6×150mm、5μm;移動相:7:3ヘキサン/エタノール;流速:1.0mL/分)上で、実施例19は、保持時間5.25分を示した。実施例19のエナンチオマー、エチル6-{4-[2-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル]ピペラジン-1-イル}-2-アザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート、ENT-2は、同じ条件下で保持時間6.08分を有した。実施例19のエナンチオマー、LCMS m/z411.2[M+H]
+は、以下の生物学的データを示した:M4 EC
50、201nM(3回の判定);M4 E
max74%(3回の判定)。
9. 必要な1-[2-(トリフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル]ピペラジンは、3-ブロモ-2-フルオロピリジンのC21への変換に対して実施例10に記載されている方法を使用して、3-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)ピリジンから合成した。
10. 逆相HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralcel OD、10μm;移動相:90:10ヘキサン/エタノール)を介して、ラセミ生成物をそのエナンチオマーへと分離した。第1溶出エナンチオマーを実施例20と指定した。次いで、両方のエナンチオマーを個々に逆相クロマトグラフィー(カラム:Agela Technologies C18;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:0%to100%B)の対象下においた。分析HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralcel OD-H、4.6×150mm、5μm;移動相:90:10ヘキサン/エタノール;流速:1.0mL/分)上で、実施例20は保持時間4.31分を示した。実施例20のエナンチオマー、エチル6-{4-[2-(トリフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル]ピペラジン-1-イル}-2-アザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート、ENT-2は保持時間4.93分を同じ条件下で有した。実施例20エナンチオマー、LCMS m/z429.2[M+H]
+は、以下の生物学的データを示した:M4 EC
50、3600nM(2回の判定);M4 E
max95.3%(2回の判定)。
11. この場合、出発材料1-(3-メチルピリジン-2-イル)ピペラジンは市販のものであった。
12. 逆相HPLC(カラム:Chiral Technologies ChiralcelOZ-H、5μm;移動相:80:20:0.1ヘキサン/エタノール/ジエチルアミン)を介して、ラセミ生成物をそのエナンチオマーへと分離した。第1溶出エナンチオマーを実施例21と指定した。次いで、両方のエナンチオマーを個々に、逆相HPLC(カラム:C18;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:70%〜75%B)の対象下においた。分析HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralcel OZ-H、4.6×150mm、5μm;移動相:80:20:0.1ヘキサン/エタノール/ジエチルアミン;流速:1.0mL/分)上で、実施例21は保持時間5.29分を示した。実施例21のエナンチオマー、エチル6-[4-(3-メチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル]-2-アザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート、ENT-2は、保持時間6.04分を同じ条件下で有した。実施例21のエナンチオマー、LCMS m/z359.3[M+H]
+は、以下の生物学的なデータを示した:M4 EC
50、>241nM(4回の判定);M4 E
max76.2%(3回の判定)。
13. ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)およびリン酸三カリウムの存在下での、tert-ブチル4-(3-ブロモピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートおよびシクロプロピルボロン酸のSuzuki反応により、必要なtert-ブチル4-(3-シクロプロピルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートを生成した。
14. 逆相HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD-H、5μm;移動相:100:0.1エタノール/ジエチルアミン)を介してラセミ生成物をそのエナンチオマーへと分離した。第1溶出エナンチオマーを実施例22と指定した。次いで、両方のエナンチオマーを個々に逆相クロマトグラフィー(カラム:Agela Technologies C18;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:メタノール;勾配:5%〜80%B)の対象下においた。分析HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD-H、4.6×250mm、5μm;移動相:100:0.1エタノール/ジエチルアミン;流速:1.0mL/分)上で、実施例22は保持時間12.00分を示した。実施例22のエナンチオマー、エチル6-[4-(3-シクロプロピルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル]-2-アザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート、ENT-2は、同じ条件下で保持時間14.94分を有した。実施例22のエナンチオマー、LCMS m/z385.2[M+H]
+は、以下の生物学的データを示した:M4 EC
50、11.6nM(6回の判定);M4 E
max103%(6回の判定。
15. この場合、還元的アミノ化はトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを用いて行った。
16. 超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralpak IG、5μm;移動相7:3二酸化炭素/(0.2%1-アミノプロパン-2-オールを含有する2-プロパノール)]を介してラセミ生成物をそのエナンチオマーへと分離した。第2溶出エナンチオマーを実施例23と指定した。分析HPLC[カラム:Phenomenex Lux Cellulose-4、4.6×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.2%(メタノール中7Mアンモニア)を含有するエタノール;勾配:5%B、1.00分間、次いで8.00分間にわたり5%〜60%B;流速:3.0mL/分;逆圧:120バール]上で、実施例23は保持時間7.31分を示した。実施例23のエナンチオマー、エチル2-[4-(5-シアノ-2,3'-ビピリジン-2'-イル)ピペラジン-1-イル]-6-アザスピロ[3.4]オクタン-6-カルボキシレート、ENT-1は保持時間7.01分を同じ条件下で有した。実施例23のエナンチオマー、LCMS m/z447.3[M+H]
+は、以下の生物学的なデータを示した:M4 EC
50、>10,000nM(1回の判定);M4 E
max、未確定。
17. この場合、P1の代わりにtert-ブチル6-オキソ-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートを使用した。生成したtert-ブチル6-[4-(5-シアノ-2,3'-ビピリジン-2'-イル)ピペラジン-1-イル]-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートをトリフルオロ酢酸で脱保護し、次いでクロロギ酸エチルと反応させて、実施例24を生成した。
18. tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレートの2,3-ジブロモ-5-フルオロピリジンおよび炭酸カリウムとの反応により、tert-ブチル4-(3-ブロモ-5-フルオロピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートを得た。この材料を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)およびフッ化セシウムの存在下で4-(トリブチルスタンナニル)-1,3-チアゾールとのスティルカップリングの対象下におくことにより、必要なtert-ブチル4-[5-フルオロ-3-(1,3-チアゾール-4-イル)ピリジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレートを生成した。
19. 逆相HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD-H、5μm;移動相:1:1ヘキサン/エタノール)を介してラセミ生成物をそのエナンチオマーへと分離した。第1溶出エナンチオマーを実施例26と指定した。分析HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD-H、4.6x250mm、5μm;移動相:1:1ヘキサン/エタノール;流速:1.0mL/分)上で、実施例26は保持時間7.81分間を示した。実施例26、エチル6-{4-[5-フルオロ-3-(1,3-チアゾール-4-イル)ピリジン-2-イル]ピペラジン-1-イル}-2-アザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート、ENT-2のエナンチオマーは、保持時間16.42分を同じ条件下で有した。実施例26のエナンチオマー、LCMS m/z446.2[M+H]
+は、以下の生物学的データを示した:M4 EC
50、152nM(4回の判定);M4 E
max67.1%(4回の判定)。
20. 必要な4置換tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレートは、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレートの適当なクロロ置換ヘテロ芳香族反応物質との反応を介して合成した。
21. 逆相HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralcel OJ、10μm;移動相:90:10:0.1ヘキサン/エタノール/ジエチルアミン)を介してラセミ生成物をそのエナンチオマーへと分離した。第2溶出エナンチオマーを実施例27と指定した。次いで、両方のエナンチオマーを個々に逆相クロマトグラフィー(カラム:Agela Technologies C18;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:メタノール;勾配:0%〜100%B)の対象下においた。分析HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralcel OJ-H、4.6×150mm、5μm;移動相:90:10:0.1ヘキサン/エタノール/ジエチルアミン;流速:1.0mL/分)、実施例27は保持時間5.19分間を示した。実施例27のエナンチオマー、エチル6-[4-(3-メトキシピラジン-2-イル)ピペラジン-1-イル]-2-アザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート、ENT-1は同じ条件下で保持時間4.42分間を有した。実施例27のエナンチオマー、LCMS m/z376.2[M+H]
+は、以下の生物学的データを示した:M4 EC
50、>10,000nM(1回の判定);M4 E
max、未確定。
22. tert-ブチル4-(3-ブロモピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの適当なアミン、Tert-ブトキシドナトリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、および4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(キサントホス)との反応は、カップリングした生成物をもたらし、トリフルオロ酢酸を使用してこれを脱保護した。生成した第2級アミンを、P1、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミンでの還元的アミノ化の対象下において、実施例を生成した。
23. 分析HPLCに対する条件。カラム:Waters Atlantis dC18、4.6×50mm、5μm;移動相A:水中0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);移動相B:アセトニトリル中0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);勾配:5.0%〜95%B、4.0分間にわたり直線的;流速:2mL/分。
24. tert-ブチル6-オキソ-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートの、メタノール中塩化アセチルとの反応により、6,6-ジメトキシ-2-アザスピロ[3.3]ヘプタンを生成した。クロロギ酸エチルおよびトリエチルアミンで処理し、これに続いて塩酸を用いてケタール脱保護を行うことにより、必要なエチル6-オキソ-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ4.19 (s, 4H), 4.14 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.31 (s, 4H), 1.26 (t, J=7.0 Hz, 3H).
25. 逆相HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralpak IG、5μm;移動相:50/50/0.1ヘキサン/エタノール/ジエチルアミン)を介してラセミ実施例33をそのエナンチオマーへと分離した。第1溶出エナンチオマーを実施例34と指定した。次いで、両エナンチオマーを個々にシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%メタノール)の対象下においた。分析HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralpak IG、4.6×150mm、5μm;移動相:1:1ヘキサン/エタノール;流速:1.0mL/分)上で、実施例34は保持時間9.66分を示した。実施例34のエナンチオマー、エチル6-{4-[3-(1,2,5-チアジアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]ピペラジン-1-イル}-2-アザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート、ENT-2は保持時間15.53分を同じ条件下で有した。実施例34のエナンチオマー、LCMS m/z429.2[M+H]
+は以下の生物学的データを示した:M4 EC
50、347nM(3回の判定);M4 E
max72.3%(3回の判定)。
26. 分析HPLCに対する条件。カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、5μm;移動相A:水中0.0375%トリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル中0.01875%トリフルオロ酢酸;勾配:4.0分間にわたり;流速10%〜100%B:0.8mL/分。
27. 逆相HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralcel OD、10μm;移動相:3:2ヘキサン/エタノール)を介してラセミ生成物をそのエナンチオマーへと分離した。第2溶出エナンチオマーを実施例41と指定した。次いで、両エナンチオマーを個々に逆相クロマトグラフィー(カラム:Agela Technologies C18;移動相A:水中0.1%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:10%〜60%B)の対象下においた。分析HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralcel OD-H、4.6×150mm、5μm;移動相:7:3ヘキサン/エタノール;流速:1.0mL/分)上で、実施例41は保持時間6.02分間を示した。実施例41のエナンチオマー、エチル6-{4-[3-(5-シアノピラジン-2-イル)ピリジン-2-イル]ピペラジン-1-イル}-2-アザスピロ[3.4]オクタン-2-カルボキシレート、ENT-1は、保持時間4.96分を同じ条件下で有した。実施例41のエナンチオマー、LCMS m/z448.3[M+H]
+は、以下の生物学的データを示した:M4 EC
50、268nM(3回の判定);M4 E
max52.7%(3回の判定)。
28. tert-ブチル4-(3-クロロピラジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートのモルホリンおよび炭酸カリウムとの反応により、必要なtert-ブチル4-[3-(モルホリン-4-イル)ピラジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレートを得た。
29. tert-ブチル4-(3-クロロピラジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの4-メトキシピペリジンおよび炭酸カリウムとの反応により、必要なtert-ブチル4-[3-(4-メトキシピペリジン-1-イル)ピラジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレートを得た。
30. rac-BINAP-Pd-G3(Aldrich、カタログ番号804967)、1,1'-ビナフタレン-2,2'-ジイルビス(ジフェニルホスファン)、およびTert-ブトキシドナトリウムを使用して、tert-ブチル4-(3-ブロモピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートと2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタンとのカップリングを行った。生成物をトリフルオロ酢酸で脱保護して、必要な6-[2-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イル]-2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタンを生成した。
31. この場合、Suzukiカップリングは、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)および炭酸水素ナトリウムを使用して行った。
32. この場合、ヒドロキシピラジンを(4-メトキシベンジル)オキシ誘導体として導入した。5-ブロモピラジン-2-オールを1-(クロロメチル)-4-メトキシベンゼンおよび炭酸銀と反応させて、2-ブロモ-5-[(4-メトキシベンジル)オキシ]ピラジンを得、これをカップリング反応に使用した。トリフルオロ酢酸媒介性脱保護を利用して、tert-ブトキシカルボニル基を除去した。これはまた4-メトキシベンジル部分も除去した。
33. 炭酸セシウムおよびヨウ化カリウムの存在下での4-ヨード-1H-ピラゾールの適当なハロアルキル反応物質との反応により、必要な1-置換されている4-ヨード-1H-ピラゾールを得た。
34. [1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd-118)およびリン酸三カリウムを使用してSuzuki反応を行った。
35. 分析HPLCに対する条件。カラム:Waters Atlantis dC18、4.6×50mm、5μm;移動相A:水中0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);移動相B:アセトニトリル中0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);勾配:5.0%〜80%B、3.75分間にわたり直線的、次いで0.25分間にわたり80%〜95%B、次いで95%B、1.0分間;流速:2mL/分。
36. tert-ブチル4-[3-(エトキシカルボニル)ピリジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレートをヒドラジンと反応させ、これに続いて塩化アセチルおよびN,N-ジイソプロピルエチルアミンでアセチル化することにより、tert-ブチル4-{3-[(2-アセチルヒドラジニル)カルボニル]ピリジン-2-イル}ピペラジン-1-カルボキシレートを得た。この材料を塩化p-トルエンスルホニルおよびトリエチルアミンで処理することにより、必要なtert-ブチル4-[3-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレートを生成した。
37. 必要な1-[2-(メトキシ)ピリジン-3-イル]ピペラジンは、3-ブロモ-2-フルオロピリジンのC21への変換に対して実施例10で記載されている方法を使用して、3-ブロモ-2-(メトキシ)ピリジンから合成した。
38. 炭化水素/エタノール溶媒混合物を移動相として使用する逆相HPLC(カラム:Chiral Technologies Chiralcel OD、10μm)を介して、ラセミ生成物をそのエナンチオマーへと分離した。さらなる精製が必要とされる場合には、エナンチオマーを個々に逆相クロマトグラフィーの対象下におく。
【0329】
以下の生物学的アッセイ(複数可)を利用して、本発明の化合物に対するM4アゴニスト結合親和性を決定した:
生物学的アッセイ
ムスカリンhM4アゴニストGloSensor cAMPアッセイ法
アッセイの前に化合物を調製した。試験化合物を100%ジメチルスルホキシド(DMSO、SIGMA D8418)中に濃度30mMまで可溶化した。半対数希釈率を使用して、最高濃度4mMで、10ポイント中間体希釈系列を100%DMSO中に作った。連続希釈された化合物を384−ウェルプレート(マトリックスカタログ番号4325)中に200nL/ウェルで配置した。アッセイにおける最終化合物濃度範囲は10μM〜0.3nMであり、最終DMSO濃度は0.25%であった。
【0330】
GloSensor構造体(Promega Sor−L9 HEK293ヒト/M4/GloSensor 細胞クローン番号40)を発現する親HEK細胞を使用して、安定した細胞株を発現するヒトM4 mAChRを生成した。90%ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM、Gibco11960)、10%ウシ胎児血清(FBS、Hyclone CH.30160−03)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco 15070−063)、500μg/mLジェネテシン(Gibco 10131−027)、200μg/mLハイグロマイシンB(Invitrogen 10687−010)および1%Glutamax(Thermo Fisher 35050061)中で細胞を成長させた。
【0331】
アッセイの1日前、解離緩衝液(Gibco13151−014)を使用して細胞をリフトし、遠心機内で、重力250倍で、室温で5分間回転させた。上清を取り除き、細胞ペレットを成長培地内で濃度6.25×10
6細胞/mLに再懸濁させた。次いで、細胞を白色のポリ−d−リシンコーティングプレート(Becton Dickinson 356661)に、1ウェル当たり40μL(25,000細胞)で加え、5%二酸化炭素(CO2)を有する37℃の加湿インキュベーター内で終夜(20〜24時間)インキュベートした。
【0332】
翌日、培地を細胞板から取り除き、37℃に温めておいた88%CO2非依存性培地(Invitrogen 18045088)、10%FBSおよび2%GloSensor cAMP試薬(Promega E1291)を含有する40μLの平衡化培地と置き換えた。次いで、プレートに蓋をして、光を遮断した状態で、室温で2時間インキュベートした。
【0333】
以前に調製した連続希釈した化合物プレートに、200nLの4mM ACh(SIGMA A2661、最終10μM)または200nLの100%DMSO(最終0.25%)をそれぞれ陽性対照ウェルおよび陰性対照ウェルに加えた。次いで、10%FBSおよびEC
80濃度のイソプロテレノール(SIGMA16504)を含有する16μLのCO2非依存性培地を加えることにより、化合物プレートを希釈した。化合物の試験前、濃度応答曲線をイソプロテレノールに対して実行して、EC
80濃度を決定した。2時間の平衡化の終わりに、10μLを化合物プレートから細胞プレートに移した。細胞プレートを室温で追加の7分間インキュベートし、次いでMulti−label EnVisionプレートリーダー(Perkin Elmer)を使用して、発光について読み取った。
【0334】
相対的光単位として表現される生データを、Activity Base(IDBS)を使用して分析した。各アッセイプレート上に含有された陽性対照ウェルおよび陰性対照ウェルにより生成されたcAMPの量に基づき、およびこれと比べて、各化合物濃度におけるパーセント作用を計算した。陽性対照ウェルはEC
100濃度のAChを含有し、陰性対照ウェルはDMSOのみを含有した。4パラメーターロジスティック用量反応方程式を使用して、濃度および作用値%をフィットし、50%作用(EC
50)に必要とされる濃度、ならび濃度応答曲線の最大漸近線を決定して、効力を定義した。
【0335】
【表5-1】
【0336】
【表5-2】
【0337】
【表5-3】
【0338】
【表5-4】
【0339】
【表5-5】
【0340】
【表5-6】
【0341】
【表5-7】
【0342】
本出願全体にわたり、様々な刊行物が参照されている。これら刊行物の開示は、すべての目的のため、これら全体において、本出願への参照により本明細書に組み込まれている。
【0343】
本発明において、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく様々な修正および変化形が作製され得ることは当業者には明らかである。本発明の他の実施形態は、本明細書に開示されている明細書および本発明の実施を考慮して、当業者には明らかである。明細書および実施例は単なる例示に過ぎないと考えられ、本発明の真の範囲および趣旨は以下の特許請求の範囲に示されることが意図される。