特表2021-519410(P2021-519410A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-519410(P2021-519410A)
(43)【公表日】2021年8月10日
(54)【発明の名称】コンロ用高温表面イグナイタ
(51)【国際特許分類】
   F23Q 7/22 20060101AFI20210712BHJP
   F23D 14/06 20060101ALI20210712BHJP
   F23Q 7/10 20060101ALI20210712BHJP
【FI】
   F23Q7/22 620B
   F23D14/06 G
   F23Q7/10
   F23Q7/22 620A
   F23Q7/22 620D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2021-502714(P2021-502714)
(86)(22)【出願日】2019年3月27日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月19日
(86)【国際出願番号】US2019024301
(87)【国際公開番号】WO2019191244
(87)【国際公開日】20191003
(31)【優先権主張番号】62/781,588
(32)【優先日】2018年12月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/648,574
(32)【優先日】2018年3月27日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520373486
【氏名又は名称】エスシーピー ホールディングス,アン アシュームド ビジネス ネーム オブ ナイトライド イグナイターズ,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100196601
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 祐市
(72)【発明者】
【氏名】ブルース シー.スプロウル
(72)【発明者】
【氏名】ジャック エー.シンドル
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ダビニョン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン シー.ドウアティ
(72)【発明者】
【氏名】スディール ブラフマンダム
【テーマコード(参考)】
3K017
【Fターム(参考)】
3K017AB01
(57)【要約】
コンロで使用される高温表面イグナイタアセンブリが示され、説明される。高温表面イグナイタは窒化ケイ素セラミック体を含み、埋設された抵抗発熱回路を備える。通電された場合、回路は4秒未満で華氏2000度(摂氏約1093度)を超える温度を発生して、天然ガスなどの調理用ガスに点火する。使用中又は清掃中にイグナイタの損傷を防ぐため、絶縁体アセンブリが提供され、この絶縁体アセンブリがイグナイタセラミック体の遠位端を、バーナからの調理用ガスの流れになおも曝しながらも損傷から守る。さらに、イグナイタを電源に接続するための多数の異なる端子接続方式が示され、説明される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向軸線に沿って互いに離間した近位端及び遠位端を有し、かつ幅方向軸線を画定する幅、厚さ方向軸線を画定する厚さ、並びに2つの主面及び2つの小面も有するセラミック体を備える高温表面イグナイタと、
近位端及び遠位端を有し、前記高温表面イグナイタの長さに沿って前記高温表面イグナイタを囲む絶縁体アセンブリであって、前記遠位端に1つ以上の開口を有し、前記セラミック体の前記2つの主面のうちの1つが前記1つ以上の開口のうちの1つと位置合わせされている絶縁体アセンブリと、
を備える高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項2】
前記絶縁体アセンブリは近位端及び遠位端を有し、前記遠位端は、前記長さ方向軸線に沿って前記高温表面イグナイタの前記遠位端を超えて延びる、請求項1に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項3】
前記絶縁体アセンブリは絶縁体及びカラーを備え、前記カラーは前記絶縁体アセンブリの前記遠位端を画定し、前記カラーは前記絶縁体アセンブリの前記遠位端の前記1つ以上の開口を備える、請求項1に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項4】
前記絶縁体は近位端及び開口した遠位端を有し、前記カラーは、開口した遠位端と、前記絶縁体の前記開口した遠位端と係合して前記セラミック体が通って突出するように開口した近位端とを備える、請求項1に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項5】
前記カラーは前記長さ方向軸線に沿って長さを有し、前記カラーの前記開口した遠位端と前記開口した近位端は前記長さ方向軸線に沿って離間し、前記1つ以上の開口は前記カラーの全長に沿って延びる、請求項1から4のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項6】
前記1つ以上の開口は1つの開口である、請求項1から5のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項7】
前記1つ以上の開口は2つの開口である、請求項1から5のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項8】
前記絶縁体アセンブリは開口した上部を画定する遠位端を有する絶縁体を備え、前記1つ以上の開口は2つ以上の開口であり、前記セラミック体の前記2つの主面のうちの1つは前記4つの開口のうちの1つと位置合わせされている、請求項1又は2に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項9】
前記絶縁体アセンブリは絶縁体及びカラーキャップを備え、前記カラーキャップは前記絶縁体アセンブリの前記遠位端を画定し、かつ開口した近位端及び閉じた遠位端を有し、前記カラーキャップは前記絶縁体アセンブリの前記遠位端の前記1つ以上の開口を備える、請求項1又は2に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項10】
前記カラーキャップは前記長さ方向軸線沿いに円筒状遠位部に隣接する円錐台状近位部を備え、前記円錐台状近位部は外周及び前記長さ方向軸線に沿った長さを有し、前記円筒状遠位部は前記長さ方向軸線に沿って長さを有し、前記1つ以上の開口は、前記円錐台状近位部がその外周で分割されるように前記長さ方向軸線沿いの前記円錐台状近位部の全長に沿って、かつ前記長さ方向軸線沿いの前記円筒状遠位部の前記長さの一部に沿って延びる第1開口を含む、請求項9に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項11】
前記1つ以上の開口は、前記第1開口と、前記カラーキャップの前記長さ方向軸線に沿って、かつ前記カラーキャップの前記外周に沿って互いに離間した2つ以上の追加の開口を備える、請求項10に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項12】
前記絶縁体アセンブリは絶縁体及びカラーケージを備え、前記カラーケージは前記絶縁体アセンブリの前記遠位端を画定し、かつ開口した近位端及び開口した遠位端を有し、前記カラーケージは前記絶縁体アセンブリの前記遠位端の前記1つ以上の開口を備える、請求項1又は2に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項13】
前記カラーケージは前記長さ方向軸線沿いに円筒状遠位部に隣接する円錐台状近位部を備え、前記円錐台状近位部は外周及び前記長さ方向軸線に沿った長さを有し、前記円筒状遠位部は外周及び前記長さ方向軸線に沿った長さを有し、前記少なくとも開口した開口は、前記円錐台状近位部がその外周で分割されて前記円筒状遠位部がその外周で分割されるように、前記円錐台状近位部の全長に沿って、かつ前記円筒状遠位部の全長に沿って延びる第1開口を含む、請求項12に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項14】
前記1つ以上の開口は、前記第1開口と、前記円筒状遠位部の前記長さに沿って、かつ前記円筒状遠位部の前記外周に沿って互いに離間した2つ以上の追加の開口とを備える、請求項13に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項15】
前記絶縁体アセンブリは絶縁体及びかご状バネを備え、前記かご状バネは前記絶縁体アセンブリの前記遠位端を画定し、かつ前記長さ方向軸線に沿って離間した開口した近位端及び遠位端を有し、前記バネは前記絶縁体アセンブリの前記遠位端の前記1つ以上の開口を備える、請求項1又は2に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項16】
前記かご状バネは、長さ及び前記長さ沿いに複数の開口を有する、請求項15に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項17】
前記かご状バネは前記かご状バネの前記遠位端に前記かご状バネの前記長さに対して垂直に延びる直線状の棒を有する、請求項16に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項18】
前記絶縁体は遠位部に隣接する近位部を備え、前記遠位部は遠位端を含み、前記遠位部は放射軸線及び前記放射軸線に沿って外側へ延びる複数のノードを有する円筒体を含む、請求項15から17のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項19】
前記絶縁体はフランジを備え、前記かご状バネの前記近位端は前記フランジ上に位置する、請求項15から18のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項20】
前記セラミック体は焼結されている、請求項1から19のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項21】
前記セラミック体は窒化ケイ素を含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項22】
前記セラミック体は酸化イッテルビウム及び二珪化モリブデンをさらに含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項23】
前記セラミック体は2つのセラミックタイルを備え、前記セラミックタイルのうちの1つは抵抗加熱部を備える導電性インクパターンを有し、前記導電性インクパターンは前記2つのセラミックタイルの間にある、請求項1から22のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタ。
【請求項24】
前記2つのセラミックタイルは前記厚さ方向軸線沿いに異なる厚さを持つ、請求項23に記載の高温表面イグナイタ。
【請求項25】
前記セラミック体の前記2つの小面は、前記厚さ方向軸線沿いに約0.04インチ(約1.0mm)未満の厚さを持つ、請求項1から24のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項26】
前記セラミック体の前記2つの主面は、前記幅方向軸線沿いに約0.25インチ(約6.4mm)未満の幅を持つ、請求項25に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項27】
前記セラミック体の長さは約1インチ(約2.5cm)から約1.5インチ(約3.8cm)である、請求項1から26のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項28】
AC120Vの電位差を与えられた場合、前記イグナイタは4秒以内に華氏2130度(摂氏約1166度)以上の温度に達する、請求項1から27のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項29】
前記イグナイタは2秒以内に華氏2138度(摂氏1170度)以上の温度に達する、請求項28に記載の高温表面イグナイタ。
【請求項30】
請求項1から29のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタアセンブリ及びクラウンを備えるバーナアセンブリであって、前記クラウンは半径方向内側の壁及び半径方向外側の壁を備え、前記外側の壁はガス源と選択的に流体連結されるイグナイタ用ガスポートを有する凹みを含み、前記セラミック体は、前記2つの主面のうちの1つが前記ガスポートと位置合わせされるように前記凹みへと延びる、バーナアセンブリ。
【請求項31】
前記絶縁体が配置される穴を有するオリフィスホルダをさらに備え、前記穴は前記クラウンの前記凹みの中に位置する、請求項30に記載のバーナアセンブリ。
【請求項32】
前記バーナの前記オリフィスホルダの下面の対応する溝に係合する2つの離間した面を有する保持クリップをさらに備え、前記絶縁体は、前記保持クリップの前記2つの離間した面と協調的に係合して前記絶縁体の前記ガスポートに対して固定された向きを維持するよう設計された表面特徴を有する、請求項30から31のいずれか一項に記載のバーナアセンブリ。
【請求項33】
a.放射軸線を画定する半径を有するクラウンであって、半径方向内側の壁及び半径方向外側の外壁を備え、前記半径方向外側の壁はガス源と流体連結するイグナイタ用ガスポートを有する凹みを備える、クラウンと、
b.高温表面イグナイタを備える高温表面イグナイタアセンブリであって、前記高温表面イグナイタは前記クラウンの前記凹みへと延びるセラミック体を含む、高温表面イグナイタアセンブリと、
c.前記凹みの一部を覆うシールドであって、前記高温表面イグナイタの前記シールドと前記ガスポートの間の部分を部分的に囲むシールドと、
を備えるバーナアセンブリ。
【請求項34】
前記高温表面イグナイタの前記セラミック体は長さ方向軸線沿いに離間した近位端及び遠位端を有し、前記高温表面イグナイタアセンブリは、前記長さ方向軸線に沿って長さを持つ絶縁体及び前記長さ方向軸線に沿って遠位部に隣接する近位部をさらに備え、前記絶縁体は前記セラミック体の前記長さに沿って前記セラミック体の一部を囲み、前記セラミック体の前記遠位端は前記絶縁体の前記遠位端を超えて前記クラウンの前記凹みへと延びる、請求項33に記載のバーナアセンブリ。
【請求項35】
セラミック体及び1つ以上の端子部材を備える高温表面イグナイタと、
前記1つ以上の端子部材及び前記セラミック体の一部が配置される空洞を有する絶縁体と、
前記絶縁体に接続される1つ以上の電気コネクタと、
を備え、
前記イグナイタは前記1つ以上の電気コネクタに選択的に接続可能であり、前記イグナイタが前記ハウジング内に設置された場合、前記1つ以上の端子部材は前記1つ以上の電気コネクタに接触する、
バーナアセンブリ。
【請求項36】
前記イグナイタは、前記絶縁体に選択的に挿入して前記1つ以上の端子部材及び前記1つ以上のコネクタに選択的に接触させることができる、請求項35に記載のバーナアセンブリ。
【請求項37】
前記1つ以上の端子部材及び前記1つ以上の電気コネクタは互いに対して固定されていない、請求項35又は36に記載のバーナアセンブリ。
【請求項38】
オリフィスホルダをさらに備え、前記絶縁体は前記オリフィスホルダへ取り付けられ、前記イグナイタの前記セラミック体は前記イグナイタの長さ方向軸線に沿って離間した近位端及び遠位端を有し、前記1つ以上の端子部材は前記セラミック体の前記近位端上に位置し、前記セラミック体の前記遠位端は前記オリフィスホルダの開口を通って突出する、請求項35から37のいずれか一項に記載のバーナアセンブリ。
【請求項39】
前記オリフィスホルダは上面及び下面を有し、前記1つ以上のコネクタは前記下面の下に位置し、前記バーナアセンブリは、前記セラミック体の一部が前記キャップを通って突出するように前記オリフィスホルダの前記上面上にキャップをさらに備え、前記キャップは前記オリフィスホルダの前記上面の上に突出する前記絶縁体の遠位端を覆う、請求項38に記載のバーナアセンブリ。
【請求項40】
セラミック体及び1つ以上の端子を備える高温表面イグナイタであって、前記セラミック体は長さ方向軸線に沿って離間した近位端及び遠位端を有する、高温表面イグナイタと、
空洞及び前記長さ方向軸線に沿って離間した近位端及び遠位端と、放射軸線を画定する半径とを有する細長い胴体部を備え、その長さに沿って1つ以上の開口をさらに備える絶縁体と、
前記長さ方向軸線に沿って互いに隣接する近位部及び遠位部を有する1つ以上の電気コネクタであって、前記遠位部は弾性タブを備える開口を有し、前記1つ以上の電気コネクタは、前記1つ以上の電気コネクタの前記開口が前記絶縁体の前記1つ以上の開口と位置合わせされるように、かつ前記弾性タブが前記放射軸線に沿って内側に前記空洞へと突出するように前記絶縁体へ取り付けられ、前記高温表面イグナイタは前記絶縁体の前記空洞へ挿入され、前記1つ以上のイグナイタの前記1つ以上の端子は前記弾性タブと係合して前記弾性タブを前記放射軸線に沿って外側へ撓ませる、1つ以上の電気コネクタと、
を備える、バーナアセンブリ。
【請求項41】
前記絶縁体の前記近位端は、前記絶縁体の前記放射軸線に沿って内側へ突出し前記高温表面イグナイタの前記近位端と係合して前記高温表面イグナイタが前記長さ方向軸線に沿って前記近位方向へさらに挿入されるのを防ぐフランジをさらに備える、請求項40に記載のバーナアセンブリ。
【請求項42】
イグナイタアセンブリ用開口を備えるオリフィスホルダであって、前記高温表面イグナイタの前記セラミック体は前記イグナイタアセンブリ用開口を通って突出する、オリフィスホルダと、
開口を備えるキャップであって、前記キャップの前記開口が前記イグナイタアセンブリ用開口と位置合わせされて前記高温表面イグナイタの前記遠位端に隣接する前記高温表面イグナイタの一部を囲むように前記オリフィスホルダに取り付けられる、キャップと、
をさらに備える、請求項40に記載のバーナアセンブリ。
【請求項43】
前記キャップは前記キャップの前記開口が画定される頂面を有し、前記キャップの周囲に離間した複数のフィンを備え、前記複数のフィンは、前記長さ方向軸線沿いに、前記イグナイタの前記セラミック体が前記長さ方向軸線に沿って前記キャップの前記頂面から突出する距離よりも大きい高さを持つ、請求項42に記載のバーナアセンブリ。
【請求項44】
セラミック体及び1つ以上の端子部材を備える高温表面イグナイタであって、前記セラミック体は長さ方向軸線、幅方向軸線、及び厚さ方向軸線に沿って離間した近位端及び遠位端を有し、前記1つ以上の端子部材は前記幅方向軸線に沿って前記セラミック体から突出する突出部を有する、高温表面イグナイタと、
キャップ凹み及び絶縁体係合面を備えるオリフィスホルダと、
空洞、近位端、遠位端、及び前記遠位端にバネ係合面を有する絶縁体であって、前記オリフィスホルダに取り付けられ、その長さに沿って1つ以上の開口を有する絶縁体と、
前記絶縁体に取り付けられる1つ以上のコネクタであって、凹みを画定する電気的接触面を備える腕部を有し、かつ前記凹みに隣接する下側に突出する肩部を有し、前記凹みは前記絶縁体の前記1つ以上の開口と位置合わせされている、1つ以上のコネクタと、
前記長さ方向軸線に沿って離間した近位端及び遠位端を有し、前記イグナイタの前記セラミック体を受け入れる形状をしたイグナイタセラミック体用凹み、バネ、及びバネ用凹みを備えるキャップであって、前記バネは、前記バネ用凹みに配置されて前記長さ方向軸線に沿って前記キャップの前記近位端から突出して、前記バネと前記バネ係合面の係合が前記キャップを前記絶縁体から離すように付勢するように、前記長さ方向軸線に沿って前記絶縁体の前記バネ係合面と突き合わされた状態で係合し、前記1つ以上の端子部材の前記突出部が前記肩部の下にあって前記1つ以上の端子部材の前記突出部が前記コネクタの前記腕部の凹みと位置合わせされた場合に、前記バネが前記1つ以上の端子部材の前記突出部を付勢して前記電気的接触面と係合させるように、前記キャップを押し下げて、前記肩部の下の前記1つ以上の端子部材の前記突出部を押して回転させることができる、キャップと、
を備える、バーナアセンブリ。
【請求項45】
前記1つ以上の絶縁体開口は2つの絶縁体開口であり、前記1つ以上のコネクタは2つのコネクタであり、前記1つ以上の端子部材は2つの端子部材であり、前記2つの端子部材の前記突出部は前記2つの絶縁体開口のそれぞれを通って互いから突出している、請求項44に記載のバーナアセンブリ。
【請求項46】
前記1つ以上のコネクタは導電性であり、電力源に接続される、請求項44又は45に記載のバーナアセンブリ。
【請求項47】
前記キャップは、頂面と、前記頂面の周囲に互いから離間し、かつ前記高温表面イグナイタの前記セラミック体の前記遠位部を部分的に囲む複数のフィンとを有する、請求項44又は45に記載のバーナアセンブリ。
【請求項48】
高温表面イグナイタを電源に電気的に接続する方法であって、
前記高温表面イグナイタをオリフィスホルダに対する付勢力に逆らって挿入方向軸線に沿って下側へ押すことと、
前記高温表面イグナイタを前記挿入方向軸線の周りに回転させることと、
前記高温表面イグナイタを開放すること、
とを含み、前記付勢力は、前記高温表面イグナイタを押して電源に動作可能に接続された電気コネクタと電気的に接触させる、
方法。
【請求項49】
高温表面イグナイタを電源に電気的に接続する方法であって、前記高温表面イグナイタはセラミック体及び1つ以上の端子部材を有し、前記セラミック体は、前記1つ以上の端子部材に接続される近位端及びキャップを通って突出する遠位端を有し、前記1つ以上の端子部材は絶縁体の中に配置され、前記高温表面イグナイタはコンロからのガスに点火するよう作動し、
前記キャップを付勢力に逆らって前記絶縁体へ向けて押すことと、
前記付勢力により前記1つ以上の端子部材が付勢されて前記電気コネクタと接触するように、前記キャップを回転させて、前記高温表面イグナイタの1つ以上の端子を前記絶縁体に取り付けられる電気コネクタと係合させることと、
を含む、方法。
【請求項50】
長さ方向軸線沿いに離間した近位端及び遠位端を有するセラミック体を備え、前記近位端に1つ以上の端子を備える高温表面イグナイタと、
長さ方向軸線沿いに離間した近位端及び遠位端を有し、かつ内部空洞及びその長さに沿って1つ以上の開口を備える絶縁体であって、前記高温表面イグナイタが、前記高温表面イグナイタの前記1つ以上の端子が前記1つ以上の開口を通って突出するように前記空洞内に配置される絶縁体と、
前記イグナイタを前記絶縁体の前記近位端から離れるように付勢するバネと、
前記絶縁体に接続され、かつ電気的接触面に隣接する肩部を備えるコネクタアームを有する1つ以上のコネクタと、を備え、前記イグナイタは前記1つ以上の端子を前記電気的接触面と係合させるように押し下げて回転させることが可能な、
バーナアセンブリ。
【請求項51】
前記1つ以上の絶縁体開口は2つの絶縁体開口であり、前記1つ以上のコネクタは2つのコネクタであり、前記1つ以上の端子部材は2つの端子部材である、請求項50に記載のバーナアセンブリ。
【請求項52】
前記イグナイタの前記遠位端が前記キャップを通って突出するように前記絶縁体の前記遠位端の上に配置されるキャップをさらに備え、前記キャップは、頂面及び前記長さ方向軸線に沿って前記頂面から突出する複数のフィンとをさらに備える、請求項50又は51に記載のバーナアセンブリ。
【請求項53】
長さ方向軸線に沿って離間した近位端及び遠位端を有するセラミック体を備え、前記近位端に2つの端子部材をさらに備える高温表面イグナイタであって、前記2つの端子部材は幅方向軸線に沿って離間し、前記幅方向軸線に平行な方向に断面を見た場合に、前記端子部材は前記長さ方向軸線沿いに非直線状の外側形状を有する、高温表面イグナイタと、
前記長さ方向軸線に沿って離間した近位端及び遠位端と、前記2つの端子部材を受け入れる大きさのチャンバを有する絶縁体と、
を備える、高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項54】
前記チャンバは円筒形である、請求項53に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項55】
前記絶縁体の前記幅方向軸線に沿った方向から断面を見た場合に、前記チャンバは、前記イグナイタの前記幅方向軸線に沿って前記端子部材を見た場合の前記2つの端子部材の形状に対応する形状を有する、請求項53に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項56】
前記絶縁体の前記遠位端は矩形状開口を有し、前記絶縁体は前記開口において弾性があって前記イグナイタの前記2つの端子部材を受け入れる、請求項53から55のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項57】
前記2つの端子部材はそれぞれ、前記イグナイタの厚さ方向軸線に沿って互いに対して撓むよう構成されている2つの可撓性部材を備える、請求項53から56のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタアセンブリ。
【請求項58】
長さ方向軸線を画定する長さ、幅方向軸線を画定する幅、及び厚さ方向軸線を画定する厚さを持つセラミック体を有する高温表面イグナイタであって、
第1セラミックタイル及び第2セラミックタイルと、
前記第1セラミックタイルと前記第2セラミックタイルの間に配置される導電性インクパターンであって、前記導電性インクパターンは一対の端子、一対のリード部、及び抵抗加熱部を備え、前記抵抗加熱部は、前記高温表面イグナイタの前記長さ方向軸線沿いの長さを有する隣接する複数の脚部と前記隣接する複数の脚部の間の接続部とを備え、前記抵抗加熱部において前記導電性インクパターンは、前記接続部において前記イグナイタの前記長さ方向軸線に沿った幅と、前記脚部において前記イグナイタの前記幅方向軸線に沿った幅とを有し、前記接続部における前記幅は前記脚部における前記幅より大きい、導電性インクパターンと、
を備える、高温表面イグナイタ。
【請求項59】
前記導電性インクパターンの前記接続部における前記幅は、前記導電性インクパターンの前記脚部における前記幅の2倍である、請求項58に記載の高温表面イグナイタ。
【請求項60】
前記セラミックタイルは窒化ケイ素を含む、請求項58又は59に記載の高温表面イグナイタ。
【請求項61】
前記第1セラミックタイル及び第2セラミックタイルは、酸化イッテルビウム及び二珪化モリブデンをさらに含む、請求項60に記載の高温表面イグナイタ。
【請求項62】
前記導電性インクパターンは炭化タングステンを含む、請求項58から61のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタ。
【請求項63】
前記イグナイタは前記厚さ方向軸線沿いに0.04インチ(約1.0mm)未満の厚さを持つ、請求項58から62のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタ。
【請求項64】
前記イグナイタは前記厚さ方向軸線沿いに約1インチ(約2.5cm)から約1.5インチ(約3.8cm)の長さを持つ、請求項58から63のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタ。
【請求項65】
AC120Vの電位差を与えられた場合、前記イグナイタは4秒以内に華氏2130度(摂氏約1166度)以上の温度に達する、請求項58から64のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタ。
【請求項66】
前記イグナイタは2秒以内に華氏2138度(摂氏1170度)以上の温度に達する、請求項65に記載の高温表面イグナイタ。
【請求項67】
前記リード部は前記イグナイタの前記長さ方向軸線に沿って長さを有し、前記イグナイタの前記幅方向軸線沿いの前記リード部の前記幅は、前記リード部の前記長さの10パーセントも変動しない、請求項58から66のいずれか一項に記載の高温表面イグナイタ。
【請求項68】
電源と導通している選択的に通電可能な高温表面イグナイタを備えるバーナと、
前記高温表面イグナイタに選択的に通電するよう作動可能なユーザ用制御装置であって、ユーザが前記ユーザ用制御装置に対して点火作動操作を行っている間に前記高温表面イグナイタが通電され、前記ユーザが前記ユーザ用制御装置に対して前記点火作動操作を行っていない場合に前記高温表面イグナイタは通電が停止される、ユーザ用制御装置と、
を備える、コンロ用バーナシステム。
【請求項69】
前記ユーザ用制御装置は、前記点火作動操作中に前記高温表面イグナイタを選択的に前記電源と導通させるスイッチに動作可能に接続される、請求項68に記載のコンロ用バーナシステム。
【請求項70】
前記ユーザ用制御装置はまた、調理用ガスを選択的に前記バーナへ供給するようにも作動可能である、請求項68又は69に記載のコンロ用バーナシステム。
【請求項71】
前記ユーザ用制御装置は、前記高温表面イグナイタが通電を停止される位置へ付勢される、請求項68から70のいずれか一項に記載のコンロ用バーナシステム。
【請求項72】
高温表面イグナイタに通電することと、
調理用ガスを前記高温表面イグナイタへ供給して、前記バーナへのガスの流量をパルス幅変調制御することで前記ガスに点火することと、
を含む、コンロ用バーナの操作方法。
【請求項73】
調理用ガスを前記高温表面イグナイタへ供給して、前記バーナへのガスの流量をパルス幅変調制御することで前記ガスに点火する前記ステップは、調理用ガスを前記バーナへ第1期間にわたって供給することと、前記バーナへの前記ガスの流れを第2期間にわたって停止することを交互の順番で行うことを含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記高温表面イグナイタに通電する前記ステップは、前記第1期間の間のみ行われる、請求項72又は73に記載の方法。
【請求項75】
前記高温表面イグナイタに通電する前記ステップは、前記第1期間の間及び前記第2期間の間に行われる、請求項72又は73に記載の方法。
【請求項76】
コンロ用バーナ内にガスの火炎が存在するかを検出する方法であって、
抵抗加熱回路を備える高温表面イグナイタを提供することこと、
抵抗温度検出回路を提供することと、
前記抵抗温度検出回路の抵抗と前記抵抗温度検出回路の抵抗の変化の中から選択される少なくとも1つを判定することと、
調理用ガスの火炎が前記コンロ用バーナに存在するかどうかを、前記抵抗と前記抵抗の変化のうちの選択された一つに基づいて判定すること、
とを含む、方法。
【請求項77】
前記高温表面イグナイタは前記温度検出回路をさらに備える、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記高温表面イグナイタは窒化ケイ素を含むセラミック体を備え、前記抵抗加熱回路は前記セラミック体に埋設されている、請求項76から77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記高温表面イグナイタは第1セラミック体を備え、前記抵抗加熱回路は前記第1セラミック体に埋設され、前記抵抗温度回路は第2セラミック体に埋設されている、請求項76に記載の方法。
【請求項80】
前記高温表面イグナイタ及び前記第2セラミック体は絶縁体の中に配置される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
調理用ガスの火炎が存在しないと判定される場合に前記コンロ用バーナへの調理用ガスの流れを停止すること、をさらに含む、請求項76に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年3月27日に出願された米国仮特許出願第62/648,574号明細書及び2018年12月18日に出願された米国仮特許出願第62/781,588号明細書の利益を主張し、それぞれの全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は高温表面イグナイタアセンブリを含む、バーナを備えるガスコンロに関する。
【背景技術】
【0003】
ガスコンロは一組のバーナを含み、バーナのそれぞれは調理用ガスを受け入れて調理用ガスに点火する。バーナは、典型的には、ガスがバーナへ入る際に通るオリフィスを保持するオリフィスホルダと、クラウン(crown)と、クラウンキャップ(crown cap)とを含む。クラウンは、典型的にはその外周に配列される複数のフルート(flute、溝)を含み、このフルートを通って燃焼ガスが半径方向外側方向へ向けられる。ガスはクラウンの中央ガスポートを介してクラウンへ入る。クラウンキャップはポートの頂点に位置し、ガスポートを通って上向きに流れるガスの方向を、フルートを通して半径方向外側方向へと変える。
【0004】
また、典型的なバーナは、調理用ガスへ点火するためにスパークイグナイタも含む。あるスパークイグナイタは小さなバネ仕掛けのハンマで構成され、このハンマは作動すると圧電性結晶を叩く。ハンマと結晶の接触により、変形と大きな電位差が生じる。電位差により放電が起こり、ガスに点火する火花が作られる。もっと最近では、点火回路に小型の変圧器が提供され、120V入力電圧を最大で10桁以上の大きさまで増大させて、放電を発生する大きな電位差を作り出す。
【発明の概要】
【0005】
スパークイグナイタは、典型的にはそれぞれが10000〜12000ボルトの電位差で火花を発する。コンロの各バーナ用のイグナイタはすべて、ガスがどのバーナへ向けられているかに関わらず、同時に点火する。その結果、それぞれの火花点火事象には、合計で、バーナの数にイグナイタ当たり10〜12kVの電位をかけたものに等しい電位差のパルスが伴う。この大きな電位差のパルスにより、電子部品に損傷を与えて制御盤の故障を引き起こしうる起電力が発生する。さらに、顧客はしばしば、スパークイグナイタのカチッと聞こえる音が耳障りでガス点火の遅れが恐ろしいと不平を言う。
【0006】
高温表面イグナイタは、スパークイグナイタに対する代替手段になりうる。高温表面イグナイタは、かまどや衣類用乾燥機を含む、様々な電化製品で燃焼ガスに点火するのに使用される。炭化ケイ素イグナイタなどの一部の高温表面イグナイタは、電位差が印加される端子端部を有する半導体セラミック体を含む。セラミック体を流れる電流によりセラミック体が熱くなり、温度が上昇して、燃焼ガスに対する点火源が提供される。
【0007】
窒化ケイ素イグナイタなどの他の種類の高温表面イグナイタは、電位差が印加される埋設された回路を有するセラミック体を含む。埋設された回路を流れる電流によりセラミック体が熱くなり、温度が上昇して、燃焼ガスに対する点火源が提供される。しかし、従来のスパークイグナイタの場所に設置される場合、高温表面イグナイタは、製造組立、清掃、又は他のバーナ保守活動の最中に破損しやすくなることがある。さらに、適切に短い時間で望ましい点火温度を得ることができる高温表面イグナイタを提供するのは困難であることが証明されてきた。また、高温表面イグナイタがその耐用年数の終わりを迎えたら、高温表面イグナイタを容易に交換する手段を提供することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】高温表面イグナイタを備えるバーナアセンブリであって、単一スリットのカラーアセンブリを使ってイグナイタを保護するバーナアセンブリの第1例の組立形態の斜視図である。
図1B図1Aのバーナアセンブリの分解組立図である。
図1C図1Aのバーナアセンブリの側面図である。
図1D図1Aの高温表面イグナイタアセンブリの上面斜視図である。
図1E図1Aの高温表面イグナイタアセンブリの側面斜視図である。
図1F】単一スリットのカラーが取り外された、図1Aの高温表面イグナイタアセンブリの側面斜視図である。
図2A】高温表面イグナイタを備えるバーナアセンブリであって、2つのスリットのカラーアセンブリを使ってイグナイタを保護するバーナアセンブリの第2例の組立形態の斜視図である。
図2B図2Aのバーナアセンブリの分解組立図である。
図2C図2Aのバーナアセンブリの側面図である。
図2D図2Aの高温表面イグナイタアセンブリの上面斜視図である。
図2E図2Aの高温表面イグナイタアセンブリの側面斜視図である。
図2F】2つのスリットのカラーが取り外された、図2Aの高温表面イグナイタアセンブリの側面斜視図である。
図3A】高温表面イグナイタを備えるバーナアセンブリであって、カラーキャップを使ってイグナイタを保護するバーナアセンブリの第3例の組立形態の斜視図である。
図3B図3Aのバーナアセンブリの分解組立図である。
図3C図3Aのバーナアセンブリの側面図である。
図3D図3Aの高温表面イグナイタアセンブリの側面斜視図である。
図4A】高温表面イグナイタを備えるバーナアセンブリであって、カラーケージを使ってイグナイタを保護するバーナアセンブリの第4例の組立形態の斜視図である。
図4B図4Aのバーナアセンブリの分解組立図である。
図4C図4Aのバーナアセンブリの側面図である。
図4D図4Aの高温表面イグナイタアセンブリの上面斜視図である。
図4E図4Aの高温表面イグナイタアセンブリの側面斜視図である。
図4F】カラーケージが取り外された、図4Aの高温表面イグナイタアセンブリの側面斜視図である。
図5A】高温表面イグナイタを備えるバーナアセンブリであって、かご状バネを使ってイグナイタを保護するバーナアセンブリの第5例の組立形態の斜視図である。
図5B図5Aのバーナアセンブリの分解組立図である。
図5C図5Aのバーナアセンブリの側面図である。
図5D図5Aの高温表面イグナイタアセンブリの側面斜視図である。
図5E図5Aの絶縁体の側面斜視図である。
図5F図5Aのバーナアセンブリのクラウンの底面斜視図である。
図6A】絶縁体がチェス盤上の4本柱のルーク像のように構成されてイグナイタを保護するバーナアセンブリの第6例の組立形態の斜視図である。
図6B図6Aのバーナアセンブリの分解組立図である。
図6C図6Aのバーナアセンブリの側面図である。
図6D図6Aの高温表面イグナイタアセンブリの上面斜視図である。
図7A】高温表面イグナイタを備えるバーナアセンブリであって、クラウンがイグナイタを保護するためにシールドを含むバーナアセンブリの第7例の組立形態の斜視図である。
図7B】高温表面イグナイタを備えるバーナアセンブリであって、クラウンがイグナイタを保護するためにシールドを含むバーナアセンブリの第8例の組立形態の斜視図である。
図7C図7Bのバーナアセンブリの分解組立図である。
図7D図7Bのバーナアセンブリの側面図である。
図7E図7A及び図7Bの高温表面イグナイタアセンブリの側面斜視図である。
図7F】高温表面イグナイタを備えるバーナアセンブリであって、イグナイタを保護するために高温表面イグナイタアセンブリがバーナクラウンの凹みに位置するバーナアセンブリの第9例の組立形態の側面図である。
図7G図7Fのバーナアセンブリの分解組立図である。
図8A図8Eのバーナアセンブリで使用される絶縁体の側面図である。
図8B図8Eのバーナアセンブリの絶縁体及び取付け板の側面図である。
図8C図8Eのバーナアセンブリの高温表面イグナイタ及びキャップである。
図8D図8Eのバーナアセンブリの高温表面イグナイタの電気コネクタの全体像である。
図8E】保護キャップを有する高温表面イグナイタを備えるバーナアセンブリであって、イグナイタが電線のない電気コネクタに着脱可能に接続されるバーナアセンブリの第10例の組立形態の斜視図である。
図8F】イグナイタの厚さ方向軸線tに沿って見た、図8Eのバーナアセンブリの断面斜視図である。
図8G】イグナイタの幅方向軸線wに沿って見た、図8Eのバーナアセンブリの断面斜視図である。
図8H】高温表面イグナイタを備えるバーナアセンブリであって、図8A〜8Gのバーナアセンブリがキャップ上に保護フィンを含むよう変更されたバーナアセンブリの第11例のイグナイタの厚さ方向軸線tに沿って見た断面図である。
図8I図8Hのバーナアセンブリの分斜視図である。
図9A】高温表面イグナイタを備えるバーナアセンブリであって、イグナイタが絶縁体に挿入及び回転されて選択的に電源と電気的に接触をするバーナアセンブリの第12例の側面図である。
図9B】イグナイタの幅方向軸線wに沿って見た、図9Aのバーナアセンブリの断面図である。
図9C】バーナアセンブリであって、イグナイタが絶縁体に選択された距離だけ挿入されて選択的に電源と導通するバーナアセンブリの第13例の側面図であって、オリフィスプレート内に設置される高温表面イグナイタアセンブリを示す。
図9D図9Cのイグナイタを保護するために使用されるキャップである。
図9E図9Cのバーナアセンブリと共に使用される電気コネクタである。
図9F図9Gのバーナアセンブリの高温表面イグナイタの分解組立図であって、イグナイタ、保持プレート、及びキャップの間の関係を示す。
図9G図9Cのバーナアセンブリの斜視図であって、イグナイタの厚さ方向軸線に沿った断面図における高温表面イグナイタを示す。
図10A】高温表面イグナイタを備えるバーナアセンブリであって、図9C〜9Gのバーナアセンブリが保護フィンを有するキャップを含むよう変更されたバーナアセンブリの第14例であり、イグナイタアセンブリがイグナイタの厚さ方向軸線tに沿って見た断面内に示されている。
図10B図10Aのバーナアセンブリの斜視図である。
図11A】高温表面イグナイタを備えるバーナアセンブリであって、イグナイタが挿入及び回転されて選択的に電源と電気的に接触をするバーナアセンブリの第15例であって、イグナイタアセンブリがイグナイタの厚さ方向軸線tに沿って見られている。
図11B図11Aのバーナアセンブリの斜視図である。
図12A】高温表面イグナイタアセンブリの斜視図であり、イグナイタが絶縁体にスナップフィットされている。
図12B】イグナイタの厚さ方向軸線tに沿って見た、図12Aのイグナイタアセンブリの断面図である。
図12C】高温表面イグナイタアセンブリであって、イグナイタが絶縁体にスナップフィットされており、イグナイタ端子は、イグナイタの幅方向軸線wに沿って見た場合に、イグナイタの長さ方向軸線lに沿って形状輪郭を有する高温表面イグナイタアセンブリの斜視図である。
図12D図12Cのイグナイタアセンブリの分解組立図である。
図12E】イグナイタの長さ方向軸線lに沿って曲線形状の端子を有する高温表面イグナイタの斜視図である。
図12F】端子が近位側に延びて丸みのある突出部を含むように変更された図12Fの高温表面イグナイタの近位端の拡大図である。
図12G図12Gのイグナイタを使用する高温表面イグナイタアセンブリの分解組立図である。
図12H】イグナイタの厚さ方向軸線tに沿って撓む弾性係合面を有する端子を備える高温表面イグナイタアセンブリの斜視図である。
図13A】本明細書に記載のバーナアセンブリで使用する好ましい高温表面イグナイタアセンブリの側面図である。
図13B】タイルが異なる厚さを有する図13Aの高温表面イグナイタアセンブリの変更例である。
図13C】イグナイタの厚さ方向軸線tに沿って見た、本開示に係る高温表面イグナイタの断面の上面図である。
図13D】コネクタ部分の導電性インクの厚さを示すのに用いられる、図13Cの高温表面イグナイタの遠位端の上面図である。
図14】本開示に係る高温表面イグナイタ及びより厚さのある比較用イグナイタに対する、イグナイタ温度と時間の図表である。
図15】本開示に係るイグナイタに対する、電圧と電流の図表である。様々な実施形態において、類似の数字は類似の構成要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、高温表面イグナイタを備えるコンロ用バーナアセンブリの例を記述する。高温表面イグナイタは、埋設された導電性インク回路を有するセラミック体を備える。導電性インク回路の一部は、電源に接続された場合に熱を発生する抵抗発熱部を備える。
【0010】
特定の例では、高温表面イグナイタアセンブリは、長さ方向軸線に沿って互いに離間した近位端及び遠位端を有し、かつ幅方向軸線を画定する幅及び厚さ方向軸線を画定する厚さも有するセラミック体を備える高温表面イグナイタを備える。イグナイタは略直方体形状であり、2つの主面、2つの小面、上面、及び底面を含む。主面は、セラミックイグナイタ主部の一番長い寸法(長さ)及び二番目に長い寸法(幅)により画定される。小面は、イグナイタ主部の一番長い寸法(長さ)及び三番目に長い寸法(厚さ)により画定される。イグナイタ主部は、イグナイタ主部の二番目に長い寸法(幅)及び三番目に長い寸法(厚さ)により画定される、頂面及び底面も含む。
【0011】
イグナイタ主部は、好ましくは窒化ケイ素を含む第1セラミックタイル及び第2セラミックタイルを備える。導電性インク回路はこれらタイルの間に配置され、通電された場合に熱を発生する。セラミックタイルは電気的に絶縁性であるが、天然ガスやプロパンガスなどの調理用ガスの点火に必要な温度へ達するのに充分な熱伝導性がある。特定の例では、セラミックタイルは、窒化ケイ素、酸化イッテルビウム、及び二珪化モリブデンを含む。同一の、又は他の例では、導電性インク回路は炭化タングステンを含み、特定の具体的な実装では、導電性インクは追加で酸化イッテルビウム、窒化ケイ素、及び炭化ケイ素を含む。
【0012】
コンロ用途の特定の例では、AC120Vの電位差を与えられた場合、本明細書に記載の高温表面イグナイタは、電位差が印加されてから4秒以内に華氏2050度(摂氏約1121度)以上、好ましくは華氏2080度(摂氏約1138度)以上、より好ましくは華氏2100度(摂氏約1149度)以上の表面温度に達する。より好ましくは、高温表面イグナイタは、電位差が印加されてから約3秒以内に華氏2050度(摂氏約1121度)以上、好ましくは華氏2080度(摂氏約1138度)以上、より好ましくは華氏2100度(摂氏約1149度)以上の表面温度に達する。さらに好ましくは、本明細書に記載の高温表面イグナイタは、電位差が印加されてから約2秒以上の期間に華氏2050度(摂氏約1121度)以上、好ましくは華氏2080度(摂氏約1138度)以上、より好ましくは華氏2100度(摂氏約1149度)以上の表面温度に達する。一つの具体例では、本明細書に記載の高温表面イグナイタは、AC120Vの電位差が印加されてから2秒で華氏約2138度(摂氏約1170度)の表面温度に達する。同一の、又は追加の例では、イグナイタ主部の厚さは約0.04インチ(約1.0mm)未満、好ましくは約0.03インチ(約0.76mm)未満、より一層好ましくは0.02インチ(約0.51mm)未満である。薄い形状であるため、この後のいくつかの例では、イグナイタ主部の遠位部を部分的に囲み、その上でさらに、好ましくはイグナイタ主部と同じ広さの開口を提供して調理用ガスがイグナイタへ容易に流れることができるようにする絶縁体アセンブリが提供される。そのような例に基づき、イグナイタアセンブリのエンクロージャの一部は、好ましくはイグナイタの長さ方向軸線lに沿ってイグナイタの遠位端の上に延びる。特定の例では、イグナイタを部分的に収納する絶縁体は、それ自体が部分的なエンクロージャを提供するよう構成される。他の例では、別々の保護装置が絶縁体の遠位端に取り付けられて、イグナイタ主部の遠位端を部分的に囲む。他の例では、イグナイタアセンブリはイグナイタの遠位端を部分的に囲むようには構成されない。その代わりに、バーナクラウンは、高温表面イグナイタが位置するクラウンの凹みへのアクセスを部分的に妨げる保護シールドを含む。さらなる例では、高温表面イグナイタアセンブリはイグナイタの遠位部を部分的に囲むようには構成されず、イグナイタはバーナクラウンの凹みに位置して、イグナイタをユーザによる損傷から守る。
【0013】
図1A〜1Fを参照すると、高温表面イグナイタ90を備えるバーナアセンブリ50の第1例が示され、説明される。バーナアセンブリ50は、外壁62及び内壁64を有するクラウン52を備える。内壁64は中央開口66を含み、この中央開口を通って調理用ガスがクラウン52へ入る。バーナキャップ(図示されず)が中央開口55の上に載って、フルート(図示されないが、外壁62に形成される)を通してガスの方向を変える。バーナクラウンのフルートの例は図7F及び図7Gに示される。イグナイタ用ガスポート104(図1C)は、ガスを高温表面イグナイタアセンブリ51(参照番号は図に含まれない)へ供給するために設けられる。高温表面イグナイタアセンブリ51は、高温表面イグナイタ90及び絶縁体アセンブリ53(参照番号は図に示されず)を備える。絶縁体アセンブリ53は、絶縁体56及び単一スリットのカラー58を備える。
【0014】
クラウン52は図5Fでより詳細に示される。クラウン52の下面は、調理用ガス源と流体連結するポート67を備える、円筒形で軸線方向へ延びるフランジ63を含む。クラウン52は、オリフィスホルダ54上に設置される(図1B)。
【0015】
クラウン52の外壁62は、オリフィスホルダのイグナイタ取付けブラケット81の上に延びる高温表面イグナイタアセンブリの一部が入る大きさの凹み61を画定する凹部60を含む。
【0016】
高温表面イグナイタ90は、イグナイタの長さ方向軸線lに沿って離間した近位端94及び遠位端96を有するセラミック体92(図1B)を備える。セラミック体92は、幅方向軸線w及び厚さ方向軸線tも有する。長さ方向l軸線は、セラミック体92の最も長い寸法に対応する。幅方向w軸線はセラミック体92の二番目に長い寸法に対応し、厚さ方向t軸線はセラミック体92の三番目に長い(又は最も短い)寸法に対応する。図には描かれていないが、セラミック体92は、前述した種類の埋設された導電性インク回路を備える2つのセラミックタイルを備える。セラミックタイルは、好ましくは窒化ケイ素を含み、より好ましくは窒化ケイ素、酸化イッテルビウム、及び二珪化モリブデンを含む。イグナイタ90は、イグナイタの長さ方向軸線lに沿ってセラミック体92から近位方向へ突出するコネクタ74a及び74bも含む。外部リード98a及び98bはセラミック体92に取り付けられ、導電性インク回路(図示されず)及びコネクタ74a、74bにそれぞれが接続される。好ましいイグナイタ90及び導電性インクパターンのさらなる詳細については、図13C及び図13Dを参照して説明される。ただし、バーナアセンブリの特定の例では、イグナイタの時間−温度要件を満足させるために、イグナイタ主部92は厚さ方向軸線tに沿って多くの従来のイグナイタより薄い必要がある。より薄い形状とすると、イグナイタはより壊れやすく、より破損しやすくなる。したがって、以下で説明するバーナアセンブリのいくつかでは、イグナイタ主部の長さに沿ってイグナイタを囲み、その上でさらに調理用ガスがイグナイタの主面にアクセスするための開口を提供する絶縁体アセンブリが提供される。
【0017】
絶縁体56は、絶縁体56の長さ及び(設置される場合は)イグナイタの長さ方向軸線lに沿って離間した近位端111a及び遠位端111b(図1E)を有する、内部空洞(図1B)を備える略円筒体である。絶縁体56は、好ましくは熱的及び電気的に絶縁性の材料を含む。好ましい材料には、アルミナ、ステアタイト、コージライトなどのセラミックスが含まれる。イグナイタ90は、コネクタ74a及び74bが適切な電源との接続のために絶縁体56の底部で開口(図示されず)を通って突出するように、一部が内部空洞57に配置される。絶縁体56は、長さ方向軸線lに沿ってセラミック体92の一部を囲む。セラミック体(好ましくは導電性インク回路の抵抗加熱部分を備える)の遠位部は、空気及び調理用ガスと自由に流体連結するように、絶縁体の遠位端111bから遠位側へ延びる。
【0018】
オリフィスホルダ54は適切な金属で出来た剛性構造物であり、クラウン係合面89及び、ガスオリフィス(図示されず)と位置合わせされている中央開口82を含み、調理用ガスがクラウン52の中央開口66に入れるようにする。軸線方向上側へ延びるフランジ85は中央開口82を画定し、クラウン52の下向きの面91と突き合わされた状態で係合する上面87を含む。軸線方向上側へ延びるオリフィスホルダ54のフランジ85は、イグナイタの長さ方向軸線に沿ってそれぞれ長さを有する半径方向突出部72a及び72bを含む。突出部72a及び72bは、クラウン52の軸線方向下側へ延びるフランジ63に形成される溝75a及び75bへ滑り込んで係合する。クラウン52の中央開口66は、オリフィスホルダの中央開口82の上に位置するとともに同軸線上にあることで、調理用ガスの流れがクラウン52の内部へ入る経路を画定する。絶縁体用の穴80(図1B)がオリフィスホルダ54の絶縁体取付けブラケット81に設けられ、絶縁体56をオリフィスホルダ54へ固定する方法で絶縁体56を受け入れる。高温表面イグナイタ90が既存のバーナアセンブリ50のスパークイグナイタを置き換えるのに使用されている特定の用途では、取付けブラケット81の下の最大クリアランスC1は約2インチ(約5.1cm)未満、好ましくは約1.8インチ(約4.6cm)未満、より一層好ましくは約1.5インチ(約3.8cm)未満である。
【0019】
図1A及び図1Cに示されるように、特定の例では、オリフィスホルダ54は保持クリップ68を受け入れてオリフィスホルダ54へ着脱可能に固定する、平行溝70a及び70bを含む。保持クリップ68は、略「U」字形状の構造を画定する第1面69a及び第2面69bを含む。面69a及び69bは絶縁体56の対応する「平坦部」59a及び59b(59aのみが図1Fでは見える)と係合し、絶縁体56をオリフィスホルダ54へ保持する。また、止め部67a及び67bも保持クリップ68に設けられ、保持クリップ68がイグナイタの幅方向w軸線に沿って溝70a、70bへ挿入されるのを制限する。
【0020】
図1D及び1Eで最もよくわかるように、絶縁体アセンブリ53は、イグナイタセラミック体92の遠位端を保護しながらもさらにイグナイタ主部92が空気及び調理用ガスを点火するために受け入れられるようにする保護エンクロージャも含む。図1A〜1Eの例では、保護エンクロージャは単一スリットのカラー58である。単一スリットのカラー58は、イグナイタセラミック体92の遠位端をイグナイタの長さ方向軸線lに沿って部分的に囲み、清掃、保守などによる損傷を受けないようにするとともに、ガス及び空気がイグナイタ主部92の抵抗加熱部へ到達するように通路を提供する。単一スリットのカラー58は、イグナイタの長さ方向軸線lに沿って離間した近位端65a及び遠位端65bを含む。単一スリットのカラー58は、部分的に円筒形の遠位部78と、隣接する円錐台状近位部76を備える。開口113は単一スリットのカラー58の長さに沿って延び、ガス及び空気がイグナイタセラミック体92の主面に容易にアクセスできるようにする。以下で説明される、単一スリットのカラー58及び他の好ましい遠位端エンクロージャは、好ましくはステンレス鋼やインコネルなどの耐火材料から作られる。金属製の遠位端エンクロージャを使うことの一つの恩恵は、イグナイタガスを非金属製エンクロージャよりも熱いイグナイタ90へ近づけたままとすることでガスに再点火するのを容易にしうることである。
【0021】
図1E及び図1Fに示されるように、本明細書におけるコンロ用バーナアセンブリの特定の例では、イグナイタ主部92はイグナイタ主部92の遠位端96が絶縁体56の遠位端111bの上に延びる距離である、「障害物の外の長さ」(L1)を有する。特定の例では、L1は約0.5インチ(約1.3mm)未満、好ましくは約0.4インチ(約1.0mm)未満、より一層好ましくは約0.3インチ(約0.76mm)未満である。そのような例に基づき、イグナイタ主部92は、長さ方向軸線lに沿った長さが好ましくは約1インチ(約2.5cm)から約1.5インチ(約3.8cm)、より好ましくは約1.2インチ(約3.0cm)から約1.4インチ(約3.6cm)、より一層好ましくは約1.3インチ(約3.3cm)である。同一の、又は他の例では、イグナイタ主部92は、好ましくは約0.1インチ(約2.5mm)から約0.24インチ(約6.1mm)、より好ましくは約0.12インチ(約3.0mm)から約0.2インチ(約5.1mm)、より一層好ましくは約0.18インチ(約4.6mm)から約0.19インチ(約4.8mm)の幅を有する。
【0022】
平坦部59a及び59bは、絶縁体56の内面及び外面で平坦である。保持クリップの面69a及び69bは、その長さが絶縁体56の長さに沿った平坦部59a及び59bの場所で絶縁体56の直径に対して垂直であるような向きに置かれる。その結果、イグナイタ90は、イグナイタ主部92の主面がイグナイタ用ガスポート104を向くようにのみ挿入することができて、これにより、ポート104から流れるガスがイグナイタ主部92の最大表面積を確実に利用することができる。平坦部59a及び59bは絶縁体56の直径がイグナイタ主部92の幅未満である領域を作り、これによりイグナイタ主部92の主面がクラウン52のイグナイタ用ガスポート104を向く向き以外の任意の他の向きへ設置されるのを防ぐことができる。
【0023】
図1Dを参照すると、絶縁体56は、絶縁体56の外周に配列されて空洞57から半径方向外側へ突出する複数のノード(node、突起)102a〜102dを含む。ノード102a〜102dは、単一スリットのカラー58の円筒部78と圧入により係合する大きさであり、機械的留め具は必要ない。図1Eに示されるように、単一スリットのカラー58は、イグナイタ90の主面が開口113と位置合わせされてポート104から流れる調理用ガスが容易に主面にアクセスできるように、好ましくはノード102a〜102cへ圧入される。図6A〜6Dに示されるように、特定の例では、絶縁体56は、エンクロージャを別に形成して絶縁体56に取り付けるのではなく、保護エンクロージャと一体に形成していてもよい。
【0024】
特定の例では、イグナイタ90は、例えばセラミックポッティング接着剤を使うことで、絶縁体56の空洞57の中に固く固定される。しかし、絶縁体56/イグナイタ90の組み合わせは、保持クリップ68を引き出してコネクタ74a及び74bと電源との接続を外して、代わりの絶縁体56/イグナイタ90の組み合わせを挿入することで、バーナアセンブリ50から取り外して交換することができる。
【0025】
図2A〜2Fを参照すると、高温表面イグナイタ90を備えるバーナアセンブリ50の別の例が描かれている。イグナイタ90、クラウン52、及びオリフィスホルダ54は、図1A〜1Fにおけるものと同じである。しかし、この例では、単一スリットのカラー58が2つのスリットのカラー105で置き換えられている。2つのスリットのカラー105は、円錐台状近位部106及び円筒状遠位部108を含む(図2E)。円筒状遠位部108は、2つの直径方向で対向する部分109a及び109bで切り離されて、対向する開口110a及び110bが作られている。2つのスリットのカラー105は、図1A〜1Fの例の場合のように、イグナイタ主部92の主面が開口110a、110bのそれぞれ1つを向いた状態で、ノード102a〜102cの上へ圧入される。ここでも、イグナイタ主部92の向き、絶縁体の平坦部59a及び59b、並びに保持クリップ68とにより、イグナイタ主部92の主面のうちの1つが確実にイグナイタ用ガスポート104の方を向いているようにしている。
【0026】
図3A〜3Dを参照すると、高温表面イグナイタ90を備えるバーナアセンブリ50の別の例が描かれている。この例は、単一又は割れ目の入ったカラーの代わりに絶縁体アセンブリがイグナイタ主部92の遠位端を囲むカラーキャップを含むということを除き、先の例と同じである。単一スリットのカラー58、2つのスリットのカラー105とは異なり、カラーキャップ116は上端123で閉じられている。カラーキャップ116は、長さ方向軸線lに沿って離間した近位端121a及び遠位端121bを含む(図31)。カラーキャップ116は、円錐台状近位部120と、隣接する部分的円筒部118を備える。離間した複数の窓122a、122bなどがカラーキャップ116の円周方向に二つ一組で設けられ、各対の要素(122a、122bなど)はイグナイタの長さ方向軸線lに沿って離間している。割れ目の入った円錐台状部分120及び遠位部118は、イグナイタ主部92の主面のうちの1つの幅と位置合わせされている開口126を画定する。先の例と同じように、開口126は、調理用ガスがイグナイタ主部92に容易に到達できるように、好ましくは少なくともイグナイタ主部92と同程度に広い。カラーキャップ116は、先の例と同様に、絶縁体56のノード102a〜102cへ圧入される。
【0027】
図4A〜4Eは、図1A〜3Dのものに類似したバーナアセンブリ50の別の例を描いている。しかし、先の装置の代わりに、カラーケージ130がイグナイタ主部92の遠位端を部分的に囲むために使用される。カラーケージ130は、上端で開口していることを除き、先の例のカラーキャップ116と類似している。図4Eで最もよくわかるように、カラーケージ130は、円錐台状近位部132と、隣接する円筒部134を含む。円錐台状部分132及び円筒部134はそれぞれ分割されて、カラーケージ130の近位端131aから遠位端131bへ延びる開口138を画定する。複数の窓136a〜136hが円筒状遠位部134の円周方向に二つ一組で配列されて設けられ、(136b、136e、136f、及び136hのみが)示されている。カラーケージ130は、先の例で説明したように開口138がイグナイタ主部92の主面と位置合わせされるように、ノード102a〜102cへ圧入される。
【0028】
図5A〜5Fを参照すると、高温表面イグナイタ90を備えるバーナアセンブリ50の別の例が描かれている。この例は、単一スリットのカラー58、2つのスリットのカラー105、カラーキャップ116、又はカラーケージ130の代わりに絶縁体アセンブリがイグナイタ主部92の遠位端96を保護するためにかご状バネ140を含むということを除き、先の例に類似している。絶縁体56は、かご状バネ140の近位端143aが置かれているフランジ147(図5E)を含むようにわずかに変更されている。かご状バネ140は螺旋形であり、イグナイタの長さ方向軸線lに沿って配列される、複数の隣接した開口142(図5D)を画定する。かご状バネの遠位端143bは、イグナイタ主部92の遠位端96から遠位側へ延びる。さらに、半径方向の棒部148(図5D)、又は平坦なキャップ(図示されず)が、イグナイタの頂面96を損傷から守るために、バネの直径と交わるように頂面96から遠位側へ延びる。かご状バネ140に割れ目は入っていないが、長さ方向軸線l沿いのバネの渦巻きの間の開口した領域により、調理用ガスがクラウンのイグナイタ用ガスポート104に面するイグナイタ主部92の主面に到達できる。
【0029】
図6A〜6Dを参照すると、高温表面イグナイタ90を備えるバーナアセンブリ50の別の例が描かれている。先の例とは異なり、この場合は、絶縁体56自体がイグナイタ主部92の遠位端96を保護しながらさらに調理用ガスへのアクセスを提供するよう構成されている。図6Dで最もよくわかるように、絶縁体56は、チェスの試合でのルーク駒のように見え、複数の軸線方向へ延びる突出部160a〜160dが円周方向に配列されて互いに離間していることで、同様に配列された複数の開口162a〜162dが作られている。絶縁体56の遠位部は、オリフィスホルダ54のイグナイタ取付けブラケット81の座ぐり穴80内の段部に置かれる底面161(図6D)を作る近位部よりも半径方向で大きい。平坦部59a及び59bは保持クリップ68と係合して、イグナイタ主部92の主面のうちの1つが確実に開口162b又は162d(図6D)のいずれかと、かつクラウン52のイグナイタ用ガスポート104と位置合わせされるようにする。
【0030】
図7A及び図7Bを参照すると、クラウン52がイグナイタ主部92の遠位端96を保護するよう構成されているバーナアセンブリが示されている。図7Aを参照すると、クラウン52は、イグナイタの遠位端96がその後ろに置かれる、クラウンの凹み61(図5E)の部分を塞ぐシールド77を含む。図7Aでは、シールド77は、イグナイタの長さ方向軸線l沿いに凹み61の全長に沿って延びる。図7Bでは、シールド79が設けられ、凹み61の円周長さ全体に沿って延びるが、イグナイタの長さ方向軸線沿いに凹み61の遠位部に沿って開口している。図7C〜7Eは、クラウンのシールド79及び絶縁体56の遠位部を除き先の実施形態に類似した、図7Bのバーナアセンブリ50のさらなる詳細を示す。図7Eで最もよくわかるように、独立した保護エンクロージャがないため、そのようなエンクロージャを圧入により係合するのに必要な絶縁体のノード102a〜102dは必要ない。その代わりに、遠位端のフランジ170(図7E)が半径方向外側へ延び、オリフィスホルダ54の座ぐり穴80内の段部に置かれる底面171を提供する。
【0031】
特定の例では、シールドはクラウンの凹み61へのアクセスを遮る必要はない。図7F及び図7Gを参照すると、バーナアセンブリ50は、複数の円周方向のフルート73(一つだけが参照番号で特定されている)を有するクラウン52を備える。フルートはオリフィスの役割を果たし、調理用ガスはこのフルートを通って空気と混合し、燃焼する。クラウン52は、半径方向外側の壁62及び半径方向内側の壁64を含む。キャップ71はクラウン52の頂部に置かれ、フルート73を通して半径方向外側へ調理用ガスの方向を変える。
【0032】
半径方向外側の壁62は、凹み61を画定する凹部60を含む。絶縁体56及びイグナイタ90を備えるイグナイタアセンブリは、ユーザがうっかりイグナイタセラミック体92に触らないようイグナイタセラミック体92がクラウンの半径方向外側の壁62の半径方向内側にあるように、好ましくは一部が凹み61内に位置する。高温表面イグナイタ90及び絶縁体56は、図7A〜7Eと同様にオリフィスホルダ54の座ぐり穴80内に位置する。
【0033】
特定の例では、クラウンの凹み61、及びイグナイタの遠位端の周りの保護エンクロージャ(例えば、絶縁体56と一体に形成された4本柱160a〜160E、単一スリットのカラー58、2つのスリットのカラー105、カラーキャップ116、カラーケージ130、かご状バネ140、シールド77)が、イグナイタ用ガスポート104から凹み61へ入る燃焼ガスがたまり、可燃性の混合物、すなわち、選択されたガスに対する爆発上限と爆発下限の間にある調理用ガスと空気の混合物をより早く形成するのに寄与する。また、好ましい例では、イグナイタ用ガスポート104は、ポート104からベクトルを引いてイグナイタ90と交わらせることができるように、イグナイタへ直行する妨げられることのない経路を有する。特定の例では、イグナイタ90の表面に対して垂直なベクトルはイグナイタ用ガスポート104と交わる。
【0034】
本明細書におけるバーナアセンブリの特定の例に従い、バーナアセンブリ50は、イグナイタ90を絶縁体へ挿入することで高温表面イグナイタアセンブリが電源に選択的に、電線なしで接続することができるように構成される。図8A〜8Gを参照すると、そのようなバーナアセンブリ50の第1例が描かれている。バーナアセンブリ50の組立形態が図8Eに示されている。イグナイタ90は、近位側へ延びるコネクタ74a及び74bが設けられていないことを除き、先のものと同じように描かれている。絶縁体180が提供され、絶縁体180はイグナイタ90が入る大きさの空洞187(図8B)を備える略円筒形構造物である。絶縁体180は、イグナイタ主部92の遠位部がイグナイタの長さ方向軸線lに沿って絶縁体180の遠位端182bの遠位側へ延びるように、イグナイタの長さ方向軸線lに沿って離間した近位端182a及び遠位端182bを有する。絶縁体180の近位部は、互いに直径方向に離間した、開口184a及び184b(図示されず)を含む。開口184a及び184は、絶縁体180の内部空洞187へのアクセスを提供する。2つのコネクタ188a及び188b(図8E)は、導電性材料から作られ、絶縁体180に直径方向で反対方向に取り付けられる。コネクタ188aは、部分的に円筒形で開口194aを含む遠位部を含む。可撓性タブ196aが開口194aの中へ延び、絶縁体180の半径方向内側の方向へ(かつ、イグナイタの幅方向軸線wに沿って)突出する。コネクタ188aの近位部は、イグナイタの長さ方向軸線lに沿って絶縁体の近位端182aの近位側へ延びる端子190aである。コネクタ188bは、コネクタ188aの鏡像である。イグナイタ90を空洞187へ挿入する前に、タブ196a及び196bは空洞187の中へ半径方向へ延びる。図8Fで最もよくわかるように、イグナイタの長さ方向軸線lに沿ってイグナイタ90を近位方向へ挿入することで、外部イグナイタリード98a及び98b(図8C)が、端子190a及び190bが電力源と導通している場合にイグナイタ90が電力を供給されるように、タブ196a及び196bと係合して電気的に接触する。この構造により、イグナイタ主部92から延びる独立したコネクタ74a及び74bは必要ない。
【0035】
図8C及び図8Eに示されるように、絶縁体180は、オリフィスホルダ54の下面に取り付けられる接続板186へ圧入される(図8E)。キャップ198が提供され、イグナイタ主部92の遠位端及び絶縁体180の上に置かれることで、イグナイタ主部92の遠位端96の近くの小さな遠位部がキャップ198の頂面200から遠位側へ延びることができる。また、キャップ198は、キャップ198をオリフィスホルダ54の上面へ取り付けるのを容易にするフランジ202も含む(図8E)。図8H及び図8Iのバーナアセンブリ50は、キャップ210がイグナイタの長さ方向軸線lに沿って頂面212から遠位側へ延びる複数の保護フィン206a〜206cを含むことを除き、図8A〜8Gのものに類似している。フィンはイグナイタ主部92の遠位端96を超えて遠位側へ延び、互いに円周方向に離間している。フィン206a及び206cは、互いに直径方向に離間している。フィン206bは直径方向に対応するものを持たず、開口がイグナイタ主部92の主面及びクラウン52のイグナイタ用ガスポート104と位置合わせされたままになる。
【0036】
本明細書における特定の例に従い、イグナイタ90がその長さ方向軸線lに沿って近位方向へ押され、回転されることでイグナイタ90を電源に選択的に電気的に接続されるバーナアセンブリ50が提供される。図9A及び図9Bを参照すると、イグナイタ90はコネクタ74a及び74bが設けられていないことを除いて前述したとおりであり、外部リード98a及び98bは半径方向へ延びる突出部99a及び99b(図示されず)と共に構成される。絶縁体220は略円筒形であるが、直径方向で対向する一対の開口223a及び223b(図示されず)を含む。コネクタ222aは、円周方向に延びて凹んだ電気的接合面231aに隣接する肩部230aを含む遠位腕部228aを有する遠位部226aを含む。また、近位側端子224aも電源への接続のために提供される。コネクタ226bは対応する特徴を含む。絶縁体220は、遠位腕部228aが絶縁体220の外面の半径方向内側にあるように遠位部226aが絶縁体220と係合する場所で凹んでいる。イグナイタ主部92がぴったり入るキャップ232が提供される。
【0037】
キャップ232は保護フィン238a〜238cを含み、この保護フィンはキャップ上面239からイグナイタ主部92の遠位端96を超えて遠位側へ延び、かつキャップ232の円周方向に離間している。また、フィンはイグナイタの主面及びクラウン52のイグナイタ用ガスポート104と位置合わせされている開口241も画定する。
【0038】
キャップ232は、バネ242が入るよう構成されている環状空間であるバネ用凹部240(図9B)を含む。バネ242は、緩んだ状態ではキャップ232の近位端から近位側へと延びる。絶縁体220はオリフィスホルダ54へ固く取り付けられる。イグナイタ90を設置するため、イグナイタを挿入して取り付けたキャップ232が、バネ242が遠位側で向かい合う絶縁体220の遠位端の表面246と突き合せた状態で係合するように、オリフィスホルダの開口237に挿入される。イグナイタ90は、イグナイタの外部リード98a及び98bの突出部99a及び99bが(それぞれ)コネクタの肩部230a及び230bから円周方向で離れているように挿入される。そして、キャップ232は、突出部99a(図9A)及び99b(図示されず)が(それぞれ)コネクタの肩部230a及び230bの近位に位置するまでイグナイタの長さ方向軸線lに沿って近位方向へ押し下げられる。次に、キャップ232は、突出部99a及び99bが電気的係合面231a及び231bにより画定される凹みの下に位置するまでイグナイタ90の厚さ及び幅に平行な平面内で回転される。そして、キャップ232が解放されて、バネ242の付勢力により突出部99a及び99bがイグナイタの長さ方向軸線lに沿って上方へ押し出され、(それぞれ)電気的係合面231a、231bと突き合わされて係合(及び電気的に接触)する。キャップ232は、円筒体234と、フランジ236上に突出タブを含み、この突出タブはオリフィスホルダの237の上に延びている部分と突き合わされた状態で係合し、キャップ232がイグナイタ主部92の露出した主面と正しい位置関係にある場合にはキャップ232の遠位側への動きを抑制する。
【0039】
図9C〜9Gのバーナアセンブリ50は、図9A〜9Bのものと類似している。しかし、絶縁体250は、イグナイタ主部92がぴったりと入るようには構成されていない。絶縁体250は、イグナイタの長さ方向軸線lに沿って離間した近位端252及び遠位端254を有する。また、絶縁体250は、イグナイタ90が入る空洞251(図9G)も含む。絶縁体250は直径方向で対向する開口256a(図9C)及び256b(図示されず)を含み、イグナイタの外部リードの突出部97a及び97bはこれらの開口の中へと延びてコネクタ262a及び262b(図示されず)と係合する。
【0040】
イグナイタ90は、イグナイタの幅方向軸線wに沿ってイグナイタ主部92から離れる方向へ延びる突出部97a及び97b(図9F)を有する外部リード98a及び98bを含む。コネクタ262a(図9E)及び262b(図示されず)は、イグナイタの長さ方向軸線lに沿って離間した近位端268a及び遠位端270aを含み、近位側端子266a及び遠位部264aを備える。遠位部264aは、肩部274aと、凹みを画定する電気的係合面276aを有する遠位腕部272aを含む。コネクタ262aは、電気的係合面276a及び肩部274aが絶縁体の開口256と位置合わせされているように絶縁体250に取り付けられる。
【0041】
イグナイタ主部92の近位端94はダボ278(図9F)に取り付けられる。ダボ259は、絶縁体250の近位端にあるバネ用凹部に位置するバネ280(図9G)と突き合わされた状態で係合する。イグナイタを電源に電気的に接続するため、イグナイタはイグナイタの長さ方向軸線lに沿って、バネ280の付勢力に逆らって近位方向へ挿入される。イグナイタ90は、外部リード突出部97a及び97bの最も遠位側の表面がそれぞれコネクタ262a及び262b(図示されず)の肩部274a及び274bを通過するまで挿入される。次に、イグナイタは、突出部97a及び97bが電気的係合面276a及び276bと位置合わせされるまで、イグナイタの幅方向軸線及び厚さ方向軸線(wとt)により画定される平面内で回転されて、開放される。そして、バネ280の付勢力により外部リード突出部97a及び97bが押し出されて、対応する電気的係合面272a、272bと係合する。接続板258が絶縁体250をオリフィスホルダ54へ固定し、キャップ260は、イグナイタ端部96がキャップ260から遠位側へ突出するように、イグナイタ90の遠位端の上にはめ込まれる。図10A及び図10Bのバーナアセンブリ50は、キャップがキャップ232のフィン238a〜238cのように構成される遠位側へ延びる突出フィン273a〜273cを含むことを除き、図9C〜9Gのものに類似している。
【0042】
図11A〜11Bを参照すると、高温表面イグナイタ90を備えるバーナアセンブリ50の別の例が描かれている。イグナイタ90は外部リード98a及び98bを含むが、コネクタ74a及び74bは含まない。イグナイタ主部92の近位端94は浮遊しているダボ284の上に載り、ダボ284は付勢バネ296に取り付けられている。描かれていないが、図9A〜10Bの例における挿入/回転による電気接続の種類に適したコネクタが提供されるであろう。絶縁体281は、近位側キャップ283及び遠位側キャップ285により結合される2つのシェル288及び286から成る。金属リング294がハウジングをオリフィスホルダ54へ固定し、保護キャップ292は、イグナイタ主部92の遠位端96がキャップ292の頂面293から遠位側へ延びるように、イグナイタ主部92の遠位端96の上にはめ込まれる。
【0043】
図12A〜12Hを参照すると、高温表面イグナイタアセンブリの追加の例が示されている。図12A及び図12Bを参照すると、イグナイタアセンブリ309は、前述した種類のセラミック体92及び遠位端96を備えるイグナイタ90を含む。外部リード300a及び300bが提供され、絶縁体310へスナップフィット挿入するよう構成される。絶縁体310は、好ましくは電気的及び熱的に絶縁性であり、アルミナ、ステアタイト、コージライトなどのセラミック材料を含む、耐火材料で作ることができる。絶縁体310は、終端キャップ316及び317により係合、結合される第1シェル312及び第2シェル314を備える。シェル312は、イグナイタ90の絶縁体310への挿入を制限する止め面318を含む。図示されないが、外部リード300a及び300bを電力源へ電気的に接続する手段が好ましくは提供される。
【0044】
2つの別のバージョンのリード300a及び300bが図12E及び図12Gに示されている。各リード300a、300bは、対応する折り畳み形状の耳部304a及び304bにより画定される曲線形状を有する。イグナイタの幅寸法に沿って見た場合、上面302a及び下面306aの形状は長さ方向軸線lに沿って非直線であり、イグナイタ主部92から離れる方向に膨らんでいる。外部リード300bの上面302b及び下面306bは、同様に構成される。図12Eの例では、外部リード300a及び300bの最も近位側の端部は平坦である。しかし、図12Bでは、湾曲した突起308a及び308bが提供される。図12Gは、絶縁体310へ挿入される前の、変更された図12Fの外部リード300a及び300bを有するイグナイタ90を示す。図12Fで最もよくわかるように、外部リード300a及び300bは、以下でさらに説明されるように、イグナイタ主部92に埋設された導電性インク端子へ電気的に接続される接続部305a及び305bも含む。
【0045】
図12C及び図12Dは、図12A及び図12Bの変更されたバージョンを示し、延伸されたキャップ部材320が、絶縁体310とよりぴったりと合うように外部リード300a及び300bの形状に適合する形状となっている曲線状主部326の上にはめ込まれる。耳部304a及び304bの表面輪郭により、イグナイタの挿入中は開口324がより良く屈曲するように撓む。
【0046】
図12Hは変更された外部リード330a及び330bの組を示し、バネ部材334a/334b及び336a/334bが絶縁体のハウジングへの挿入中にイグナイタの厚さ方向軸線tに沿って撓む。
【0047】
図13A及び図13Bを参照すると、2つの別の焼結された高温表面イグナイタの形状が提供される。図13Aの対称な例では、2つのセラミックタイル362及び364は同じ厚さであり、導電性インク回路はタイル363及び364の対向する2つの面のうちの1つにスクリーン印刷されている。
【0048】
図13Bの非対称な例では、セラミックタイル368及び366は異なる厚さである。厚い方のタイル366は、イグナイタ90により大きな構造的完全性をもたらす。薄い方のタイル368は、セラミック体92の露出した主面に熱伝導用のより短い経路を与え、イグナイタがバーナ内に設置される場合に、好ましくはイグナイタ用ガスポート104に面する「熱い」表面を提供する。いずれの場合も、セラミック体は、好ましくは窒化ケイ素及び希土類酸化物焼結助剤を含み、希土類元素はイッテルビウム、イットリウム、スカンジウム、及びランタンのうちの1つ又は複数である。焼結助剤は前記の希土類酸化物から選択されるコドーパントとして提供してもよく、ケイ素、アルミナ、二酸化ケイ素及び酸化マグネシウムから選択される1つ又は複数を提供してもよい。また、好ましくは焼結助剤保護剤も含まれ、これにより緻密化も向上する。好ましい焼結助剤保護剤は二珪化モリブデンである。希土類酸化物焼結助剤(コドーパントを有する/有しないに関わらず)は、好ましくはセラミック体の約2重量パーセントから約15重量パーセント、より好ましくは約8重量パーセントから約14重量パーセント、より一層好ましくは約約12重量パーセントから約14重量パーセントの範囲の量が存在する。二珪化モリブデンは、好ましくはセラミック体の約3重量パーセントから約7重量パーセント、より好ましくは約4重量パーセントから約7重量パーセント、より一層好ましくは約約5.5重量パーセントから約6.5重量パーセントの範囲の量が存在する。残りは窒化ケイ素である。
【0049】
イグナイタ90の導電性回路部品340を形成するのに適したインク組成は、インクの約20重量パーセントから約80重量パーセント、好ましくは約30重量パーセントから約80重量パーセント、より好ましくは約約70重量パーセントから約75重量パーセントの範囲の量の炭化タングステンを含む。窒化ケイ素は、インクの約15重量パーセントから約40重量パーセント、好ましくは約15重量パーセントから約30重量パーセント、より好ましくは約約18重量パーセントから約25重量パーセントの範囲の量が好ましくは提供される。また、セラミック体に対して前述したのと同じ焼結助剤又はコドーパントも、インクの約0.02重量パーセントから約6重量パーセント、好ましくは約1重量パーセントから約5重量パーセント、より好ましくは約約2重量パーセントから約4重量パーセントの範囲の量が好ましくは含まれる。また、炭化ケイ素もインクのゼロ重量パーセントから約6重量パーセントの範囲の量が提供されうる。焼結助剤の役割は、「H.Kelmm, “Silicon Nitride for High-Temperature Applications,” Journal of the American Ceramic Society, vol.93 [6] at 1501-1522 (2010)」に記載されており、その内容の全体は、参照により本明細書に援用される。
【0050】
図13Bにおいて、特定の例における両方のタイル362と364の厚さ方向軸線沿いの合計の厚さは、好ましくは約0.04インチ(約1.0mm)未満、より一層好ましくは約0.03インチ(約0.76mm)未満、より一層好ましくは0.02インチ(約0.51mm)未満である。
【0051】
図13Bの非対称な例の場合、薄い方のタイル368は、好ましくは約0.02インチ(約0.51mm)未満、より好ましくは約0.018インチ(約0.46mm)未満、より一層好ましくは0.016インチ(約0.41mm)未満の厚さを有する。同一の、又は追加の例では、厚い方のタイル366の厚さは、好ましくは約0.06インチ(約1.5mm)未満、より好ましくは約0.05インチ(約1.3mm)未満、より一層好ましくは0.045インチ(約1.1mm)未満である。
【0052】
図13Cを参照すると、本明細書に記載の高温表面イグナイタと共に使用する印刷インク回路340の例が描かれている。インクは、好ましくは焼結前にスクリーン印刷によりセラミックタイルのうちの1つの主面に塗布される。また、インクジェット技術を使用してセラミックタイルのうちの1つに導電性インク回路340を印刷してもよい。導電性インク回路は、前述した外部リード98a及び98bなどの外部リードに接続される端子342a及び342bを備える。リード部344a及び344bは、それぞれ端子342a、342bに接続される。次に、リード部344a及び344bは、電位差が端子342aと342bの間に印加された場合に抵抗加熱を生じるよう構成されている導電性インクパターンを備える抵抗加熱回路345に接続される。抵抗加熱回路345は図13Dでより詳細に示される。図に示されるように、抵抗加熱回路は、それぞれがイグナイタの長さ方向軸線l沿いの長さとイグナイタの幅方向軸線w沿いの幅を持つ脚部348a、348b、354a、及び354bを備える。脚部348a、348b、354a、及び354bは、イグナイタの幅方向軸線wに沿って離間している。抵抗加熱回路345全体は、好ましくはイグナイタの厚さ方向軸線tに沿って略一定の厚さを有する。また、抵抗加熱回路は加熱区間の長さlhzにより規定され、この長さは接続部352の近位側の端部から接続部350a及び350bの遠位側の端部までで測定される。加熱区間は、熱発生が最大の領域である。加熱区間の長さlhzは、導電性回路340の全長の10%〜40%、好ましくは15%〜35%、より好ましくは19%〜31%である。
【0053】
脚部は、接続部350a、350b、及び352により接続される。接続部において、インクパターンはイグナイタの長さ方向軸線lに平行に走る方向からイグナイタの幅方向軸線wに平行に走る方向へ変わる。特定のコンロ用途では、脚部348a、348b、354a、及び354bでの(幅方向軸線wに沿った)導電性インクパターン幅よりも(長さ方向軸線lに沿って)広い導電性インク幅を接続部350a、350b、及び352で利用することにより、有益なことに接続部350a、350b、及び352における抵抗を減少させて、脚部354a及び354bにおける温度を低くすることで、抵抗加熱回路345の熱劣化傾向を低減する。好ましい例では、接続部350a、350b、及び352は、脚部348a、348b、354a、及び354bでの幅の2倍のインク幅を含む。
【0054】
多くの従来の導電性インクパターンと比較して、リード部344a及び344bは、より急激に抵抗加熱回路345へ移行している。図13Cを参照すると、移行領域346a及び346bは、リード部344a及び344bから脚部348a及び348bへ移行する際にイグナイタの幅方向軸線wに沿ったインク幅を減少させる領域である。図13Cの例では、イグナイタの長さ方向軸線lに沿ったイグナイタのリード部344a及び344bの幅は、凹んだ領域である端子移行部分341a及び341bの端部を始めとした、長さ方向軸線l沿いのリード部344a及び344bの長さの10%未満しか変動しない。
【0055】
接続部350a、350b、及び352におけるインク幅が大きくなるのに加えて、接続部は、好ましくは略直角である角部349a及び349bを含む。多くの従来のインクパターンでは、インクパターンは、脚部348a及び348bからそれぞれの接続部350a及び350bへ移行する際に丸められている。しかし、特定の好ましい例では、図13Dに示されるように、移行部は尖っており、インクパターンの外側輪郭における角部349a及び349bでの直角により画定される。
【0056】
ここで、高温表面イグナイタ90を作成する好ましい方法について説明する。第1の粉末加工ステップでは、イグナイタ主部92を形成するのに化合物から成るセラミック粉末が使用されて、脱イオン化された水が所望の重量パーセントに従って検量され、アルミナ媒体と共にジャーミル(jar mill)へ加えられる。ジャーミルは密閉され、粉末は回転されて均質な混合物が作られる。そして混合物は細目スクリーンにかけられて、大きく硬い凝集体は取り除かれる。結合剤乳濁液がさらに加えられて、最終的なスラリーが作られる。スラリーはその後テープキャスティングにかけられる、又は凝集されて、石こう亀板へ注がれ、ロールスケジュール決めに備えて含水率を18〜20%へ低下させる。
【0057】
次に、平坦なテープからスラリーを形成するのに成型方法が使用される。テープキャスティング、ローラー圧縮、押し出しを含む、いくつかの方法を使用することができる。そして、タイルは小さな正方形にカットされ、スクリーン印刷及びダイシングで位置合わせを容易にするためにレーザー刻印される。タイルはその後、導電性インク組成物でスクリーン印刷されて、乾燥させられる。そしてスクリーン印刷されたタイルには、結合剤が燃え尽きるのに備えて、無地のカバータイル(すなわち、スクリーン印刷された回路を持たない図13Aのセラミックタイル362又は364)が積層される。タイル362及び364は、この時点では「グリーン」(非焼結)タイルと呼ばれる。
【0058】
グリーンタイルは、粉末調合工程で使用される有機粉末に基づいて規定される温度で、空気中で燃え尽くされる。結合剤の約60〜85%が取り除かれる。残存する結合剤は、取り扱い時の強度を与えるために必要である。
【0059】
その後、ホットプレス焼結ステップが行われ、タイルがホットプレス金型へ投入されて、金型が制御雰囲気の加熱炉に装填される。加熱炉内の空気は抜かれて窒素と入れ替えられ、酸素のない不活性環境がもたらされる。加熱炉は、典型的には真空にして窒素を充填する、というのを3回行う。加熱炉は真空のままとされて、電力が加熱炉へ供給される。加熱炉は、温度が摂氏1100度に達して残存する有機物の除去を助けるまで連続的に真空に引く。この時点で、加熱炉には再度窒素が充填され、水撃ポンプにより部品に圧力が加えられる。圧力は、所望の圧力に達するまで時間をかけてゆっくりと高められる。圧力は、摂氏1780度で80分間の焼結の均熱が完了するまで保たれる。温度は規定の時間まで制御されて、その時点で水撃ポンプの圧力が開放されて加熱炉への電力が取り除かれる。部品は、冷却されると加熱炉から取り出され、ダイシング作業に備えて浄化される。ダイシング中は、ダイヤモンドダイシングソーを使って個々の要素がタイルからさいころ上に切られる。積層工程でのレーザー刻印が、ダイシングソーにより切断が行われるべき場所を規定するために使われる。ホットプレス焼結ステップの後に、イグナイタ112は90%以上が緻密化され、好ましくは95%以上が緻密化され、より一層好ましくは98%以上が緻密化される。
【0060】
合金42がTi−Cu−Agのペーストろうを使って要素へろう付けされて、外部リード98a及び98bが形成される(図1B)。ろう付けされたイグナイタの要素を組み付けて、アルミナ、ステアタイト、コージライトなどの適切なセラミックから作られるセラミック絶縁体56が作られる。要素は、セラミックポッティング接着剤を使って絶縁体へ接続される。電線又はコネクタ74a及び74bは、設計に応じて取り付けても取り付けなくてもよい。
【0061】
本開示の別の態様によれば、本明細書におけるバーナアセンブリは、イグナイタ90の通電が長引くのを防ぐ点火制御方式を用いて使用されうる。この態様によれば、前述した種類のバーナアセンブリ50が提供される。イグナイタ90は、望む場合にイグナイタ90を加熱するため、選択的に電力源に接続される。ユーザ用制御装置(例えば、コンロのつまみ)が提供され、ユーザがユーザ用制御装置に対して点火作動操作を行う場合に高温表面イグナイタ90が通電され、ユーザがユーザ用制御装置に対して点火作動操作を行っていない場合に高温表面イグナイタ90は通電が停止される。特定の例では、ユーザ用制御装置は、点火作動操作中に高温表面イグナイタ90を選択的に電源と導通させるスイッチに動作可能に接続される。点火作動操作には、コンロのつまみを「点火」設定へ回す、又はつまみを押し込んで保持することを含みうる。特定の例では、ユーザ用制御装置はイグナイタ90へ点火すること、及び調理用ガスをバーナアセンブリ50へ供給すること、のいずれも動作可能である。
【0062】
本開示の別の態様によれば、本明細書に記載されるバーナアセンブリはとろ火制御方式を用いて使用されうる。そのような例では、バーナアセンブリ50へ供給される調理用ガスはパルス幅変調制御される。例えば、調理用ガスを第1期間にわたってバーナへ供給し、別の期間にわたって停止する、ということを交互の順番で行ってもよい。そのような例では、イグナイタ90は、好ましくは第1期間の間のみ通電される。
【0063】
高温表面イグナイタの別の恩恵は、導電性インク回路の抵抗率は温度依存であることである。この温度依存性を使って、火炎が存在するかどうかを判定することができる。火炎が存在しない場合、イグナイタの温度は導電性インク回路の抵抗により示される程度まで下落する。例えば、抵抗加熱部分を備える別々の導電性インク回路がイグナイタ90で提供されてもよく、この導電性インク回路を使用して回路の抵抗、及び/又は回路の抵抗の変化を測定することで火炎が存在するかを判定してもよい。あるいは、別々のイグナイタ主部が同一の絶縁体内で、又は隣接する絶縁体で提供されてもよく、これらのイグナイタ主部を使用して火炎の存在を検出してもよい。追加の例では、抵抗加熱回路345を使用して、この回路が熱を発生するために通電がされていない場合の抵抗及び/又は抵抗の変化を測定及び/又は検出することで火炎が存在するかを判定してもよい。特定の例では、火炎が検出されない場合に調理用ガスの流れを遮断する制御システムが提供されてもよい。
【実施例】
【0064】
図13Aの対称形状の高温表面イグナイタが提供される。イグナイタは、窒化ケイ素、酸化イッテルビウム、及び二珪化モリブデンから作られる2つのセラミックタイル362及び364を備える。酸化イッテルビウムの量はイグナイタ主部の約2重量パーセント〜15重量パーセントであり、二珪化モリブデンの量は約3重量パーセント〜7重量パーセントである。タイルの含有物の残りは窒化ケイ素から成る。イグナイタは、前述した好ましい成形方法(例えば、粉末加工、粉末成形体の形成、積層、結合剤の焼き尽くし、ホットプレス焼結、ダイシング、ろう付け、及び組立)を使って形成される。
【0065】
図13Cに描かれているパターン340のような導電性インクパターンがタイル362及び364のうちの1つにスクリーン印刷され、これらタイルの間に挟まれる。導電性インクは、約20パーセントから約30パーセントの炭化タングステン、約15パーセントから約40パーセントの窒化ケイ素、約0.02パーセントから約5パーセントの酸化イッテルビウムから成る。また、炭化ケイ素もゼロ重量パーセントから約6重量パーセントの範囲の量が提供されうる。イグナイタ主部の厚さ方向軸線t沿いの全厚さは、約0.016インチ(約0.41mm)である。
【0066】
比較用イグナイタは、イグナイタ主部の全厚さが0.053インチ(1.3mm)であることを除いて同様に製造される。AC120Vのエネルギー源が各イグナイタへ接続されて通電される。図14を参照すると、厚い方のイグナイタ(上の線)は、薄い方のイグナイタのピーク電流よりもほぼ40パーセント高い、より大きな「突入」電流を示す。薄い方のイグナイタは約2.5秒で定常状態に達するが、厚い方のイグナイタは定常状態を実現するのに約10秒かかる。このように、本明細書で記載する厚さ形状を有する窒化ケイ素イグナイタは、より厚いイグナイタよりも素早く、かつより安定的に定常状態を実現する。特定のコンロ用途では、イグナイタは、通電されている間は5000秒の目標寿命(約1.4時間)を有する。図15を参照すると、薄い方のイグナイタに対する電圧及び電流のデータが示されている。図で示されるように、AC120Vの安定した電位差がイグナイタへ印加される。故障時は、電流はイグナイタを通って流れなくなる。しかし、図15は、薄い方のイグナイタは24時間の連続動作後であっても故障しないことを示す。
【0067】
したがって、本明細書に記載された本発明の実施形態は、本発明の原理の適用を例示するに過ぎないことを理解されたい。本明細書における示される実施形態の詳細の言及は、特許請求の範囲を制限することは意図しておらず、請求項自体が本発明に必須であるとみなされる特徴を記載している。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図12H
図13A
図13B
図13C
図13D
図14
図15
【国際調査報告】