(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-519695(P2021-519695A)
(43)【公表日】2021年8月12日
(54)【発明の名称】ストラット及びストラットを製造する方法
(51)【国際特許分類】
B21D 53/88 20060101AFI20210716BHJP
B21D 39/02 20060101ALI20210716BHJP
B21D 19/08 20060101ALI20210716BHJP
B62D 27/02 20060101ALN20210716BHJP
【FI】
B21D53/88 Z
B21D39/02 E
B21D19/08 C
B62D27/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-552413(P2020-552413)
(86)(22)【出願日】2019年4月4日
(85)【翻訳文提出日】2020年9月28日
(86)【国際出願番号】EP2019058518
(87)【国際公開番号】WO2019193099
(87)【国際公開日】20191010
(31)【優先権主張番号】1850381-3
(32)【優先日】2018年4月5日
(33)【優先権主張国】SE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】515228553
【氏名又は名称】ヒドロ・エクストゥルーデッド・ソリューションズ・アーエス
【氏名又は名称原語表記】HYDRO EXTRUDED SOLUTIONS AS
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】クラウセン、エドヴィン・リスト
(72)【発明者】
【氏名】ペデルセン、カルステン
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203CB24
3D203CB33
(57)【要約】
長尺状ビーム部分(2)と少なくとも1つの接続端部分(3)とを含むストラット(1)であって、長尺状ビーム部分(2)は、外側円周(C)を有する管状構造体であり、及び接続端部分(3)は、長尺状ビーム部分(2)と一体であり、且つ管状構造体の折り曲げられ且つ平坦化された端部分から構成され、直径方向に対向する内向きの折曲げ線(5)は、管状構造体の端部分の平坦化部(3a、3b)間でぶつかり、それにより、結果として得られる接続端部分(3)は、4つの材料層を含み、接続端部分は、接続端部分の長手方向中心線(L)に対して横切る方向に幅(w)を有し、ここで、w>C/4である、ストラット、及び外側円周(C)を有する管状要素(10)を提供するステップ(101)と、管状要素(10)の端部に接続端部分(3)を形成するステップ(102、103)とを含む、ストラット(1)を製造する方法(100)であって、接続端部分は、管状要素(10)の部分(3’)を折り曲げ(102)且つ平坦化する(103)ことによって形成され、折曲げ(102)は、内向きの折曲げ線(5)を形成するように前記部分(3’)で材料を変形させ、且つ内向きの折曲げ線(5)を、直径方向に対向する側から、管状要素の中心(X)に向かう方向(p1)において、内向きの折曲げ線(5)がぶつかるまで押すことによって実施され、及び平坦化(103)は、このように折り曲げられた部分(3’)を、押す方向(p1)に対して垂直な反対の方向(p2)から、管状要素の中心(X)に向かってプレスすることによって実施され、それにより、4つの材料層を含む端部分(3)が得られる、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状ビーム部分(2)と少なくとも1つの接続端部分(3)とを含むストラット(1)において、
前記長尺状ビーム部分(2)は、外側円周(C)を有する管状構造体であり、
前記接続端部分(3)は、前記長尺状ビーム部分(2)と一体であり、且つ前記管状構造体の折り曲げられ且つ平坦化された端部分から構成され、
直径方向に対向する内向きの折曲げ線(5)は、前記管状構造体の前記端部分の平坦化部(3a、3b)間でぶつかり、それにより、前記結果として得られる接続端部分(3)は、4つの材料層を含み、
前記管状構造体の前記端部分は、折り曲げられ且つ平坦化される前又は後に冷間成形されていることを特徴とするストラット(1)。
【請求項2】
前記冷間成形は、前記接続端部分が、前記接続端部分の長手方向中心線(L)に対して横切る方向に幅(w)を有するように実施され、ここで、w>C/4である、請求項1に記載のストラット。
【請求項3】
前記直径方向に対向する内向きの折曲げ線(5)は、およそ前記接続端部分の前記長手方向中心線(L)においてぶつかる、請求項1又は2に記載のストラット。
【請求項4】
前記長尺状ビーム部分(2)の前記管状構造体は、平均壁厚さ(t1)を有し、
前記接続端部分(3)は、総厚さ(t2)を有し、
ここで、t2≧3×t1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のストラット。
【請求項5】
前記長尺状ビーム部分(2)の前記管状構造体は、平均壁厚さ(t1)を有し、
前記接続端部分(3)は、総厚さ(t2)を有し、
ここで、t2≒4×t1であり、及びw>C/4である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のストラット。
【請求項6】
w≧C/3である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のストラット。
【請求項7】
t2>4×t1である、請求項4又は6に記載のストラット。
【請求項8】
前記管状構造体は、円形、扁平楕円形又は楕円形の断面を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のストラット。
【請求項9】
前記管状構造体は、押出アルミニウム管状形材である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のストラット。
【請求項10】
前記少なくとも1つの接続端部分(3)は、締結具を受け入れるように構成された開口部(4)を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のストラット。
【請求項11】
外側円周(C)を有する管状要素(10)を提供するステップ(101)と、前記管状要素(10)の端部に接続端部分(3)を形成するステップ(102、103)とを含む、ストラット(1)を製造する方法(100)において、
前記接続端部分は、前記管状要素(10)の部分(3’)を折り曲げ(102)且つ平坦化する(103)ことによって形成され、
前記折曲げ(102)は、内向きの折曲げ線(5)を形成するように前記部分(3’)で材料を変形させ、且つ前記内向きの折曲げ線(5)を、直径方向に対向する側から、前記管状要素の中心(X)に向かう方向(p1)において、前記内向きの折曲げ線(5)がぶつかるまで押すことによって実施され、及び
前記平坦化(103)は、前記このように折り曲げられた部分(3’)を、前記押す方向(p1)に対して垂直な反対の方向(p2)から、前記管状要素の前記中心(X)に向かってプレスすることによって実施され、それにより、4つの材料層を含む端部分(3)が得られ、
前記方法は、前記折曲げ(102)及び前記平坦化(103)前又は後に前記端部分の冷間形成をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記折曲げ(102)は、前記内向きの折曲げ線(5)が、およそ前記結果として得られる端部分の長手方向中心線(L)においてぶつかるように、前記部分(3’)で前記材料を変形させることによって実施される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記折曲げ(102)及び前記平坦化(103)前又は後の前記端部分の前記冷間成形は、前記端部分が、前記管状要素の前記外側円周(C)の1/4より大きい、前記端部分の前記長手方向中心線(L)に対して横切る方向における幅(w)を達成するように実施される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記冷間成形は、前記端部分の円周を増大させるための、折曲げ(102)及び平坦化(103)前の前記管状要素の前記端部分の予備拡管(106)を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記予備拡管(106)は、前記円周を20〜40%だけ増大させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記冷間成形は、前記管状要素の前記端部分の前記円周の前記予備拡管(106)前又はそれと同時の前記管状要素の前記端部分の軸方向圧縮(105)を含む、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記端部分において締結具を受け入れるように構成された開口部(4)を形成するステップ(104)をさらに含む、請求項11〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記開口部(4)は、折曲げ(102)及び平坦化(103)後に冷間成形される(104)、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記折り曲げられ(102)且つ平坦化された(103)端部分は、前記長手方向中心線(L)に対して横切る方向に幅(w1)を有し、且つ前記幅を幅(w2)まで増大させるように冷間成形され(107)、ここで、w1<w2であり、好ましくはw2>C/3である、請求項11〜18のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動車のためのストラットと、そうしたストラットを製造する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に対するNVH(騒音、振動、ハーシュネス)要件には、畝状の車体が必要である。管状ストラットの使用は、車体剛性を調整する非常に効率的な方法である。こうした構成要素の使用は、過去何年にもわたって大きく増加してきた。ストラットは、アルミニウム押出丸チューブ又は楕円チューブから製造されることが多い。ストラットは、通常、本体において最大限の効果を得るように直線状であり、プッシュプルモードで負荷がかけられ、接続領域においてのみ成形されるべきである。接続領域の剛性は、当然ながら、ストラットの機能に対して重要である。ストラットにおける接続領域の剛性を増大させるために端部に局部補剛材を挿入することができる。特許文献1は、フレーム構造体のためのチューブアセンブリを示している。そこでは、平坦化された端部の強度がインサートを用いて高められる。例えば、特許文献2に示されているように接続領域も形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】英国特許出願公開第287023号明細書
【特許文献2】国際公開第2004/090369A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、インサートを使用することなく、接続領域において増大した曲げ剛性を有する改善されたストラット設計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
こうした改善された設計によるストラットは、長尺状ビーム部分と少なくとも1つの接続端部分とを含み、長尺状ビーム部分は、外側円周Cを有する管状構造体であり、及び接続端部分は、長尺状ビーム部分と一体である。接続端部分は、管状構造体の折り曲げられ且つ平坦化された端部分から構成され、直径方向に対向する内向きの折曲げ線は、管状構造体の端部分の平坦化部間でぶつかり、それにより、結果として得られる接続端部分は、4つの材料層を含み、管状構造体の端部分は、折り曲げられ且つ平坦化される前又は後に冷間成形されており、好ましくは、接続端部分は、接続端部分の長手方向中心線Lに対して横切る方向に幅wを有し、ここで、w>C/4である。直径方向に対向する内向きの折曲げ線は、好適には、およそ接続端部分の長手方向中心線Lにおいてぶつかることができる。
【0006】
長尺状ビーム部分の管状構造体は、平均壁厚さt1を有することができ、接続端部分は、総厚さt2を有することができ、ここで、t2≧3×t1である。1つの代替形態では、長尺状ビーム部分の管状構造体は、平均壁厚さt1を有し、及び接続端部分は、総厚さt2を有し、ここで、t2≒4×t1であり、及びw>C/4である。1つの代替形態では、w≧C/3であり、望ましい場合、t2>4×t1である。
【0007】
ストラットの管状構造体は、円形、扁平楕円形又は楕円形の断面を有することができ、且つ好適には押出アルミニウム管状形材であり得る。さらに、ストラットの少なくとも1つの接続端部分は、好適には、締結具を受け入れるように構成された開口部を有することができる。
【0008】
本開示は、外側円周Cを有する管状要素を提供するステップと、管状要素の端部に接続端部分を形成するステップとを含む、上述した改善された設計のストラットを製造する方法を提供することも目的とする。接続端部分は、管状要素の部分を折り曲げ且つ平坦化することによって形成され、折曲げは、内向きの折曲げ線を形成するように前記部分で材料を変形させ、且つ内向きの折曲げ線を、直径方向に対向する側から、管状要素の中心に向かう方向において、内向きの折曲げ線がぶつかるまで押すことによって実施され、及び平坦化は、このように折り曲げられた部分を、押す方向に対して垂直な反対の方向から、管状要素の中心に向かってプレスすることによって実施され、それにより、4つの材料層を含む端部分が得られ、本方法は、折曲げ及び平坦化前又は後に端部分の冷間形成をさらに含む。
【0009】
折曲げは、内向きの折曲げ線が、およそ結果として得られる端部分の長手方向中心線Lにおいてぶつかるように、前記部分で材料を変形させることによって実施され得る。
【0010】
折曲げ及び平坦化前又は後の端部分の冷間成形は、端部分が、管状要素の外側円周Cの1/4より大きい、端部分の長手方向中心線Lに対して横切る方向における幅wを達成するように実施され得る。冷間成形は、端部分の円周を増大させるための、折曲げ及び平坦化前の管状要素の端部分の予備拡管を含むことができる。予備拡管は、円周を20〜40%だけ増大させることを含み得る。冷間成形は、管状要素の端部分の円周の予備拡管前又はそれと同時の管状要素の端部分の軸方向圧縮も含み得る。
【0011】
本方法は、端部分において締結具を受け入れるように構成された開口部(4)を形成するステップをさらに含むことができ、開口部は、好ましくは、折曲げ及び平坦化後に冷間成形される。折り曲げられ且つ平坦化された端部分は、長手方向中心線Lに対して横切る方向に幅w1を有することができ、且つ幅を幅w2まで増大させるように冷間成形され得、ここで、w1<w2であり、好ましくはw2>C/3である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示のストラットの概略斜視側面図である。
【
図2】本開示のストラットの概略斜視上面図である。
【
図3】ストラットを形成することができる管状構造体又は要素の一例の断面図を概略的に示す。ストラットの拡大ビーム部分の一例の断面も示す。
【
図4】接続端部分の断面をより詳細に示すストラットの概略斜視側面図である。
【
図5】管状要素の端部分の折曲げ及び平坦化をどのように実施することができるかを概略的に示す。
【
図6a】ストラットを形成することができる管状構造体又は要素の代替的な好適な断面の例を概略的に示す。
【
図6b】ストラットを形成することができる管状構造体又は要素の代替的な好適な断面の例を概略的に示す。
【
図7】本開示のストラットの概略斜視上面図である。
【
図8】管状要素の端部分の予備拡管を概略的に示す。
【
図9】管状要素の端部分の軸方向圧縮と、それに続く予備拡管とを概略的に示す。
【
図10】管状要素の端部分の結合された軸方向圧縮及び予備拡管を概略的に示す。
【
図11】締結具を受け入れるように構成されている開口部の冷間成形を概略的に示す。
【
図12】折曲げ及び平坦化後の端部分の冷間成形を概略的に示す。
【
図13】本開示によるストラットを製造する方法を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
自動車構造体に取り付けられたストラットにおいて、接続領域は、最も高い局部応力を受ける。これは、接続領域の軸が負荷の軸と一致しない場合に特に顕著である。
【0014】
従来のストラットは、通常、自動車構造体に取り付けるための接続領域を有する。この接続領域は、ストラットの平坦化された端部分である。接続領域における剛性を向上させるためにインサートが使用されるか、又は運動力をより十分に吸収するために接続領域に例えば曲げられた側縁部が形成される。これらの方法は、コストがかかりすぎるか又は十分に効率的でないことが多い。
【0015】
したがって、本開示は、接続領域において増大した曲げ剛性を有する改善されたストラット設計を提供することを目的とする。本開示のストラットは、長尺状ビーム部分と少なくとも1つの接続端部分とを含む。少なくとも1つの接続端部分は、締結具を受け入れるように構成された開口部を有することができる。ストラットは、使用中、両端が車体に接続される。一方又は両方の接続端部分は、本明細書に記載する設計を有し、且つ本明細書に記載する方法で製造され得る。長尺状ビーム部分は、外側円周(C)を有する管状構造体である。接続端部分は、長尺状ビーム部分と一体であり、且つ管状構造体の折り曲げられ且つ平坦化された端部分から構成される。ここで、直径方向に対向する内向きの折曲げ線は、管状構造体の端部分の平坦化部間でぶつかる。それにより、結果として得られる接続端部分は、4つの材料層を含む。管状構造体の端部分は、ある一定の所望の幅及び/又は厚さを得るために、折り曲げられ且つ平坦化される前又は後に冷間成形されている。有利には、接続端部分は、接続端部分の長手方向中心線に対して横切る方向に幅(w)を有する。この幅(w)は、管状構造体の外側円周の1/4より大きく、すなわちw>C/4である。これは、例えば、折り曲げ且つ平坦化する前の端部分の予備拡管によって得ることができる。これに関連して、「ぶつかる」という用語は、完全4層の端部分を得るために、直径方向に対向する内向きの折曲げ線が互いに近づくが、必ずしも接する必要がないことを意味するように意図される。端部分は、対称にも非対称にも折り曲げることができる。しかしながら、直径方向に対向する内向きの折曲げ線は、およそ接続端部分の長手方向中心線(L)においてぶつかって、折曲げ領域に所望の対称剛性を与えることが好ましい。
【0016】
ストラット及びストラットを製造する方法の本説明では、接続端部分は、全長を通して同じ形状、寸法及び平均壁厚さを有する管状要素又は管状構造体から形成されると想定する。しかしながら、管状要素又は管状構造体の形状、寸法及び平均壁厚さは、接続端部分を形成することになる部分で異なることが企図され得る。そのように異なる場合、結果として得られる端接続部分に関連する管状構造体又は要素の外側円周及び平均壁厚さ並びに他の任意の細部は、その端接続部分が形成される管状構造体又は要素の部分に当てはまる。
【0017】
折曲げ及び平坦化を除き、接続端部分のいかなる成形も実施されない場合、端部分の厚さt2は、接続端部分が形成される管状構造体の平均壁厚さt1の約4倍となる。幅は、そうした管状構造体の外側円周Cの1/4未満となる。これは、円周の幾分かが端部分にその厚さを与えることになるためである。厚さt1=0の場合、幅は、w=C/4となるが、厚さは、常にt1>0であるため、幅は、w<C/4となる。(折曲げ及び平坦化を除くいかなる成形もなしでの)幅は、折目がおよそ半円形断面を有するという想定に基づいて、w=(C−0.6×t1)/4として表すことができる。しかしながら、本開示の管状構造体の接続端部分は、折曲げ及び平坦化前又は後に冷間成形される。それにより、接続端部分は、接続端部分の長手方向中心線(L)に対して横切る方向に幅(w)を有し、ここで、w>C/4である。したがって、折曲げ及び平坦化に加えていかなる冷間成形もない場合、幅は、w=(C−0.6×t1)/4となる。冷間成形がある場合、幅は、より大きくなる。接続端部分の強度を向上させるために、端部分は、その幅及び/又は厚さを増大させるようにさまざまな方法で冷間成形することができる。接続端部分内の断面領域に加えることができる材料が多いほど、より高い局部剛性を達成することができる。以下では、本方法の説明と関連して、これをどのように達成することができるかについてより詳細に考察する。
【0018】
したがって、長尺状ビーム部分の管状構造体は、有利には、平均壁厚さt1を有する。接続端部分は、総厚さt2を有する。接続端部分の総厚さt2は、冷間成形によって得ることができる平均壁厚さt1の3倍と等しいか又はそれより大きい(すなわちt2≧3×t1)。これにより、接続端部分は、管状構造体の外側円周の1/4より大きい幅を有することができる。これは、折り曲げられる材料の幾分かが幅に寄与することができるためである。接続端部分の厚さt2は、その幅方向に対して垂直な方向において測定される。「平均厚さ」という用語は、長尺状ビーム部分の管状構造体が周縁部において異なる壁ゲージを有する場合があるが、接続端部分に折り曲げられると、チューブに含まれるすべての材料が接続端部分の幅及び厚さに寄与することになるという事実を指す。
【0019】
1つの有利な代替形態では、接続端部分は、長尺状ビーム部分の管状構造体の平均壁厚さt1の4倍におよそ等しい、総厚さt2を有することができる。同時に、接続端部分の幅は、管状構造体の外側円周の1/4より大きい。すなわち、t2≒4×t1であり、及びw>C/4である。
【0020】
代替形態では、接続端部分の幅は、管状構造体の円周の1/3に等しいか又はそれより大きい。すなわち、w≧C/3である。接続端部分の厚さt2が同時に管状構造体の平均壁厚さの4倍より大きい場合、すなわちt2>4×t1である場合、さらに有利である。
【0021】
管状構造ストラットは、好ましくは、円形、扁平楕円形又は楕円形の断面を有することができる。これは、優れた負荷支持特性を提供することが示された。管状構造体は、圧延溶接シートから製造することができるが、好ましくは押出アルミニウム管状形材である。これにより、管状構造体の効率的な製造が可能になり、且つ管状構造体が周縁部にわたって可変のゲージを有するものであるという可能性が許容される。
【0022】
上述したように、ストラットを製造する方法も提供される。本方法は、外側円周Cを有する管状要素を提供するステップと、その管状要素の端部に接続端部分を形成するステップとを含む。接続端部分は、管状要素の端部に形成することができる。又は、接続端部分は、管状要素に沿った中間位置に形成することができ、次いで、管状要素は、接続端部分を形成した後に2つの部分に分割される。これにより、1回のステップで2つのストラットが得られる。以下の説明において接続端部分について言及する場合には常に、接続端部分を形成するためのこれらの2つの代替的な選択肢のいずれもが包含されるように意図される。
【0023】
本方法では、接続端部分は、管状要素の部分を折り曲げ且つ平坦化することによって形成される。ここで、折曲げは、内向きの折曲げ線を形成するように前記部分で材料を変形させ、且つそれらの折曲げ線を、直径方向に対向する側から、管状要素の中心Xに向かう方向において、内向きの折曲げ線がぶつかるまで押すことによって実施される。平坦化103は、このように折り曲げられた部分を、押す方向に対して垂直な反対の方向から、管状要素の中心Xに向かってプレスすることによって実施される。それにより、4つの材料の層を含む端部分が得られる。任意選択的に、端部分において、締結具を受け入れるように構成された開口部が形成される(104)。
【0024】
折曲げは、端部分における材料を変形させることによって実施される。それにより、内向きの折曲げ線は、管状構造体の端部分の平坦化部間において、好ましくはおよそ端部分の長手方向中心線(L)でぶつかる。上述したように、ぶつかる(meet)という用語は、完全4層の端部分を得るために、直径方向に対向する内向きの折曲げ線が互いに近づくが、必ずしも接する必要がないことを意味する。それらの折曲げ線は、折曲げ領域において対称剛性を与えるように互いに接触することが望ましい。
【0025】
一方の折目が他方の折目より大きいように端部分を非対称に折り曲げることができる。1つの代替形態では、管状構造体の一方の側のみが、直径方向に対向する側に向かって押されるように端部分を折り曲げることができる。しかしながら、直径方向に対向する内向きの折曲げ線は、およそ接続端部分の長手方向中心線Lにおいてぶつかって、折曲げ領域に所望の対称剛性を与えることが好ましい。
【0026】
上述したように、折曲げ及び平坦化を除き、接続端部分のいかなる成形も実施されなかった場合でなければ、長手方向中心線Lに対して横切る方向における接続端部分の幅は、接続端部分が形成される管状要素の外側円周の1/4をわずかに上回る。端部分の厚さt2は、平均壁厚さt1の約4倍となる。これにより、平坦化した2層の端部接続と比較して曲げ荷重に関して剛性が増大する。
【0027】
曲げ剛性を向上させるために、ストラットを製造する方法は、端部分の冷間成形の1つ又は複数のステップを含む。このステップは、端部分の折曲げ及び平坦化前又は後に実施することができる。冷間成形は、200℃未満、典型的には、≦100℃の温度で実施される。冷間変形によって材料特性を改善し、剛性の向上をもたらす。冷間成形により、接続端部分における材料が再分配される。それにより、後により詳細に説明するように、接続端部分は、ある一定の所望の形状、幅及び厚さを達成する。接続端部分の厚さt2は、端部分を形成するときに使用された冷間成形の組合せに応じて、接続端部分からの管状要素の平均壁厚さt1の約4倍より小さいか、それに等しいか又はそれより大きいことができる。
【0028】
接続端部分の幅は、有利には、管状要素の外側円周Cの1/4より大きいか又は外側円周Cの1/3より大きく、それにより自動車構造体にストラットを取り付けるために接続締結具に対して十分な空間を使用することができる。増大した幅を得る1つの方法は、折曲げ及び平坦化後、長手方向中心線Lに対して横切る方向における初期幅w1を有する、折り曲げられ且つ平坦化された端部分が幅w2を達成するまで、端部分を冷間成形することによる。上記幅w2は、初期幅w1より大きく(すなわちw1<w2)、例えば管状要素の外側円周Cの1/3より大きい(w2>C/3)。冷間成形された端接続部分の幅w2は、最大C/2.5であり得る。
【0029】
接続端部分の幅は、円周を増大させるための管状要素の端部分の予備拡管を含む、折曲げ及び平坦化前の冷間成形を実施することにより、折り曲げられ且つ平坦化されただけの端部分の幅と比較して有利に増大させることもできる。このステップにより、冷間成形が折曲げ及び平坦化後に実施された場合と同じ程度まで幅を増大させることができる。さらに、増大した幅までの冷間成形前の折曲げ及び平坦化の結果であり得る、長尺状ビーム部分と接続端部分との間の遷移部において、幅の狭いのど状通路が形成されることを回避することができる。それにより、曲げ剛性を向上させることができる。予備拡管は、管状要素内に拡管マンドレルを挿入することによって実施することができる。それにより、管状要素の壁が引き伸ばされて薄くなる。マンドレルは、好ましくは、管状要素の初期内側に対応する断面形状及びサイズを有する幅狭セクションと、予備拡管された管状要素の内側に対応する断面形状及びサイズを有する幅広セクションと、幅狭セクションと幅広セクションとの間の遷移セクションとを有する。遷移セクションでは、形状及びサイズは、幅狭セクションから幅広セクションまで徐々に変化する。予備拡管は、好ましくは、円周を20〜40%だけ増大させることを含む。
【0030】
接続端部分となる管状部分に対して、管状要素の端部分の円周の予備拡管前又はそれと同時の管状要素の端部分の軸方向圧縮を含む冷間成形ステップを施すことにより、剛性をさらに向上させることができる。軸方向圧縮は、管状要素の初期内側に対応する断面形状及びサイズを有する前方セクションと、管状要素の外側に対応する断面形状及びサイズを有する圧縮セクションとを有するマンドレルを使用することにより、実施することができる。前方セクションと圧縮セクションとの間の遷移は、急である。それにより、圧縮セクションは、マンドレルの長手方向軸に対して実質的に垂直である接触面を含む。管状要素内に挿入されると、この接触面は、管状要素の端面と当接する。端部セクションは、マンドレルによって管状要素に加えられる力により軸方向に圧縮される。その結果、壁厚さが増大する。上述したように、軸方向圧縮及び予備拡管も、有利には、1回のステップで実施することができる。これは、予備拡管及び軸方向圧縮について上述したマンドレルの組合せである、ある形状及びサイズを有する、すなわち幅狭セクション、幅広セクション、遷移セクション及び接触面を有する圧縮セクションのすべてを含むマンドレルによって実施することができる。この場合、圧縮セクションは、幅広セクションに対して円周方向に配置された別個の構成要素である。そのため、管状要素の端部セクションを予備拡管するために、管状要素内に最初に幅狭セクション、遷移セクション及び幅広セクションを挿入することができる。次いで、このように予備拡管された端部は、同じステップで圧縮セクションによって軸方向に圧縮される。管状要素は、予備拡管及び軸方向圧縮中に適宜締め付けられる。
【0031】
接続端部分は、自動車構造体へのストラットの取付を容易にするために、締結具を受け入れるように構成されている開口部を含むことができる。本方法では、形成された端接続部分に穴をあけることにより、開口部を得ることができる。しかしながら、場合により、開口部は、好ましくは、折曲げ及び平坦化前に冷間成形によって形成することができる。このように、端接続部分が形成される管状要素に最初に存在したすべての材料が端接続領域において維持され、端接続部分の幅及び/又は厚さを増大させるために使用することができる。
【0032】
ここで、ストラット及びストラットを製造する方法の実施形態について図面に関連して説明する。
【0033】
図1及び
図2は、長尺状ビーム部分2と、締結具を受け入れるように構成された開口部4を有する接続端部分3とを備える、本開示の一実施形態によるストラット1の一部を示す。長尺状ビーム部分2は、
図3に示すように、外側円周Cと平均壁厚さt1とを有する管状構造体10である。接続端部分3は、長尺状ビーム部分2と一体であり、且つ管状構造体の折り曲げられ且つ平坦化された端部分から構成される。
図4に示すように、折り曲げられ且つ平坦化された端部分3において、直径方向に対向する内向きの折曲げ線5が端部分3の平坦化部3a、3b間でぶつかる。それにより、結果として得られる接続端部分3は、4つの材料層を含む。管状構造体の端部分は、折り曲げられ且つ平坦化される前又は後に冷間成形されている。それにより、接続端部分は、接続端部分の長手方向中心線Lに対して横切る方向に幅wを有し、ここで、w>C/4である。
図4に示すように、直径方向に対向する内向きの折曲げ線5は、好ましくは、およそ接続端部分の長手方向中心線Lにおいてぶつかる。接続端部分は、総厚さt2を有し、ここで、好ましくはt2≧3×t1である。有利には、接続端部分3は、総厚さt2を有し、ここで、t2≒4×t1であり、及びw>C/4である。場合により、幅は、好ましくは、w≧C/3である。厚さt2は、好ましくは、t2>4×t1である。
【0034】
長尺状ビームと、端接続部分が作製される管状要素との管状構造体は、
図3、
図6a及び
図6bに示すように、円形、扁平楕円形又は楕円形の断面を有することができ、且つ好ましくは押出アルミニウム管状形材である。
【0035】
図13に、ストラット1を製造する方法100を概略的に示す。本方法は、外側円周Cを有する管状要素10を提供するステップ101と、
図5に示すように、管状要素10の部分3’を折り曲げ且つ平坦化することにより、管状要素10の端部に接続端部分3を形成するステップ102、103とを含む。折曲げ102は、内向き折曲げ線5を形成するように前記部分3’で材料を変形させ、且つ内向きの折曲げ線5を、直径方向に対向する側から、管状要素の中心Xに向かう方向p1において、内向きの折曲げ線5がぶつかるまで押すことによって実施される。平坦化103は、このように折り曲げられた部分3’を、押す方向p1に対して垂直な反対の方向p2から、管状要素の中心Xに向かってプレスすることによって実施される。それにより、4つの材料の層を含む端部分3が得られる。好ましくは、折曲げ102は、内向きの折曲げ線5が、およそ結果として得られる端部分の長手方向中心線Lにおいてぶつかるように、前記部分3’における材料を変形させることによって実施される。本方法は、端部分に開口部4を形成するステップ104も含むことができる。開口部4は、締結具を受け入れるように構成される。本方法は、有利には、折曲げ102及び平坦化103前又は後に端部分の冷間成形をさらに含むことができる。それにより、端部分は、管状要素の外側円周Cの1/4より大きい、端部分の長手方向中心線Lを横切る方向における幅wを達成する。特に、本方法は、管状要素の端部分の円周を増大させるための、折曲げ102及び平坦化103前の管状要素の端部分の予備拡管106の形態の冷間成形を含むことができる。これは、好ましくは、管状要素の端部分の円周の予備拡管106前又はそれと同時の管状要素の端部分の軸方向圧縮105の形態の冷間成形と組み合わせることができる。
【0036】
図7は、端部分3が折り曲げられ(102)、平坦化され(103)、その後、より幅広の端部セクションを得るように増大した幅まで冷間成形された107、ストラットの一実施形態を示す。この端接続部分を成形する方法により、長尺状ビーム部分3と接続端部分3との間の遷移部にのど状通路2aが与えられる。
【0037】
図8に示すように、管状要素内に予備拡管マンドレル6を挿入して、管状要素10の壁を引き伸ばして薄くすることにより、予備拡管106を実施することができる。この場合、マンドレルは、管状要素10の初期内側に対応する断面形状及びサイズを有する幅狭セクション7と、予備拡管された管状要素11の内側に対応する断面形状及びサイズを有する幅広セクション8と、幅狭セクションと幅広セクションとの間の遷移セクション9とを有する。予備拡管マンドレル6は、好ましくは、管状要素10の円周を20〜40%だけ増大させるような寸法である。
【0038】
図9は、管状要素10の初期内側に対応する断面形状及びサイズを有する前方セクション13と、管状要素の外側に対応する断面形状及びサイズを有する圧縮セクション14とを有する圧縮マンドレル12を使用することにより、軸方向圧縮105をどのように実施することができるかを示す。ここで、前方セクション13と圧縮セクション14との間の遷移は、急である。それにより、圧縮セクション14は、圧縮マンドレルの長手方向軸に対して実質的に垂直である接触面15を含む。管状要素内に挿入されると、接触面15は、管状要素の端面16と当接する。端部セクション17は、圧縮マンドレル12によって管状要素10に加えられる力により軸方向に圧縮される。その結果、端部セクション17壁厚さが増大する。
【0039】
図10は、軸方向圧縮105及び予備拡管106を1回のステップでどのように実施することができるかを示す。これは、幅狭セクション7’、幅広セクション8’、遷移セクション9’及び接触面15’を含むように、上述した予備拡管マンドレル6及び圧縮マンドレル12の組合せである、ある形状及びサイズを有する結合された予備拡管及び圧縮マンドレル18を使用することによって実施することができる。圧縮セクション14’は、幅広セクション8’に対して円周方向に配置された別個の構成要素であり、予備拡管後であるが、同じステップにおいて管状要素の端部を軸方向に圧縮する。
【0040】
図11は、折曲げ(102)及び平坦化(103)後に開口部4の冷間成形(104)がされるとき、端部分の材料がどのように再分配されるかを示す。このように、最初に開口部の位置に位置していた材料は、必要に応じて最終的な接続端部分のより大きい幅及び/又は厚さに寄与することができる。
【0041】
図12は、長手方向中心線Lに対して横切る方向に幅を増大させるように、折曲げ102及び平坦化103後に端部分の冷間成形(107)がされる一例を示す。折曲げ及び平坦化の直後、端部分は、初期幅w1及び厚さt2’を有し、最終的な幅w2及び厚さt2’’まで冷間成形(107)される。最終的な幅w2は、好ましいバージョンでは、管状要素の初期外側円周の1/3より大きいことができる。最終厚さt2’’は、図示する例では初期厚さt2’より小さいが、端接続部分を形成するときに使用された冷間成形の組合せに応じて、初期厚さt2’に等しいか又はそれより大きいことができる。
【手続補正書】
【提出日】2020年5月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状ビーム部分(2)と少なくとも1つの接続端部分(3)とを含むストラット(1)において、
前記長尺状ビーム部分(2)は、外側円周(C)を有する管状構造体であり、
前記接続端部分(3)は、前記長尺状ビーム部分(2)と一体であり、且つ前記管状構造体の折り曲げられ且つ平坦化された端部分から構成され、
直径方向に対向する内向きの折曲げ線(5)は、前記管状構造体の前記端部分の平坦化部(3a、3b)間でぶつかり、それにより、前記結果として得られる接続端部分(3)は、4つの材料層を含み、
前記管状構造体の前記端部分は、折り曲げられ且つ平坦化される前又は後に冷間成形されていることを特徴とするストラット(1)。
【請求項2】
前記冷間成形は、前記接続端部分が、前記接続端部分の長手方向中心線(L)に対して横切る方向に幅(w)を有するように実施され、ここで、w>C/4である、請求項1に記載のストラット。
【請求項3】
前記直径方向に対向する内向きの折曲げ線(5)は、およそ前記接続端部分の前記長手方向中心線(L)においてぶつかる、請求項1又は2に記載のストラット。
【請求項4】
前記長尺状ビーム部分(2)の前記管状構造体は、平均壁厚さ(t1)を有し、
前記接続端部分(3)は、総厚さ(t2)を有し、
ここで、t2≧3×t1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のストラット。
【請求項5】
前記長尺状ビーム部分(2)の前記管状構造体は、平均壁厚さ(t1)を有し、
前記接続端部分(3)は、総厚さ(t2)を有し、
ここで、t2≒4×t1であり、及びw>C/4である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のストラット。
【請求項6】
w≧C/3である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のストラット。
【請求項7】
t2>4×t1である、請求項4又は6に記載のストラット。
【請求項8】
前記管状構造体は、円形、扁平楕円形又は楕円形の断面を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のストラット。
【請求項9】
前記管状構造体は、押出アルミニウム管状形材である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のストラット。
【請求項10】
前記少なくとも1つの接続端部分(3)は、締結具を受け入れるように構成された開口部(4)を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のストラット。
【請求項11】
外側円周(C)を有する管状要素(10)を提供するステップ(101)と、前記管状要素(10)の端部に接続端部分(3)を形成するステップ(102、103)とを含む、ストラット(1)を製造する方法(100)において、
前記接続端部分は、前記管状要素(10)の部分(3’)を折り曲げ(102)且つ平坦化する(103)ことによって形成され、
前記折曲げ(102)は、内向きの折曲げ線(5)を形成するように前記部分(3’)で材料を変形させ、且つ前記内向きの折曲げ線(5)を、直径方向に対向する側から、前記管状要素の中心(X)に向かう方向(p1)において、前記内向きの折曲げ線(5)がぶつかるまで押すことによって実施され、及び
前記平坦化(103)は、前記このように折り曲げられた部分(3’)を、前記押す方向(p1)に対して垂直な反対の方向(p2)から、前記管状要素の前記中心(X)に向かってプレスすることによって実施され、それにより、4つの材料層を含む端部分(3)が得られ、
前記方法は、前記折曲げ(102)及び前記平坦化(103)前に前記端部分の冷間形成をさらに含み、
前記冷間形成は、前記管状要素の前記端部分の予備拡管(106)を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記折曲げ(102)は、前記内向きの折曲げ線(5)が、およそ前記結果として得られる端部分の長手方向中心線(L)においてぶつかるように、前記部分(3’)で前記材料を変形させることによって実施される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記折曲げ(102)及び前記平坦化(103)前又は後の前記端部分の前記冷間成形は、前記端部分が、前記管状要素の前記外側円周(C)の1/4より大きい、前記端部分の前記長手方向中心線(L)に対して横切る方向における幅(w)を達成するように実施される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記予備拡管(106)は、前記円周を20〜40%だけ増大させることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記冷間成形は、前記管状要素の前記端部分の前記円周の前記予備拡管(106)前又はそれと同時の前記管状要素の前記端部分の軸方向圧縮(105)を含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記端部分において締結具を受け入れるように構成された開口部(4)を形成するステップ(104)をさらに含む、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記開口部(4)は、折曲げ(102)及び平坦化(103)後に冷間成形される(104)、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記折り曲げられ(102)且つ平坦化された(103)端部分は、前記長手方向中心線(L)に対して横切る方向に幅(w1)を有し、且つ前記幅を幅(w2)まで増大させるように冷間成形され(107)、ここで、w1<w2であり、好ましくはw2>C/3である、請求項11〜17のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】