(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
15〜90体積パーセントの気泡を有する発泡石膏スラリーを作製する方法であって、水、および乾燥基準で50〜98重量%の硫酸カルシウム半水和物、1〜50重量%の炭酸カルシウム、および0.1〜10重量%のセルロース増粘剤を含む第1のスラリーを第1のホースを介してY型コネクタ導管の第1の流入開口部に速度Cで通過させ、ミョウバン溶液を第2のホースを介して導管の第2の流入開口部に速度Dで通過させて、時間3の間混合するための、導管から静的ミキサーに通過する合流混合流を作成して、炭酸カルシウムの少なくとも一部分およびミョウバンを活性化させて、CO
を生成し、発泡石膏スラリーを作成することと、スラリーをミキサーから第3のホースを介して2つの壁ボード間の空洞に移送することと、を含む、方法。空洞内の発泡石膏スラリーを、膨張、凝固、および乾燥させる。
速度Aが、約15〜約60ポンド/分であり、速度Bが、約10〜約40ポンド/分であり、速度Cが、約2〜約10gpmであり、速度Dが、約2〜約15ポンド/分であり、時間1が、約20〜約75秒であり、時間2が、約22〜約100秒であり、時間3が、約0.005〜約0.040秒であり、時間4が、約3〜約15秒である、請求項2に記載の方法。
前記アルミニウム化合物が、前記混合工程中に前記スラリー中のシェルに粉末封入された粒子の粒子に適切な剪断力が加えられたときに、前記粉末の制御された放出のために前記シェルに封入された粉末の前記粒子を含む、請求項1に記載の方法。
約6インチ〜約10フィートの空洞内の第1の充填垂直距離まで、前記空洞を第1の発泡石膏スラリーで充填することであって、前記第1の発泡石膏スラリーが、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法によって生産される、充填することと、
前記空洞内の前記第1の発泡石膏スラリーを膨張させ、かなりの湿態強度を得て、凝固させて、湿態発泡石膏製品を生成することと、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法に従って、第2の発泡石膏スラリーを作製することと、
約6インチ〜約10フィートの前記空洞内の第2の充填垂直距離まで、前記湿態発泡石膏製品の上で前記空洞を前記第2の発泡石膏スラリーで充填することと、
前記空洞内の前記第2の発泡石膏スラリーを、膨張、凝固、および乾燥させることと、を含む、方法。
前記空洞が充填されたときに型枠が前記第1または第2の発泡石膏スラリーと接触しないように、前記壁ボードが前記型枠に取り付けられている、請求項9に記載の方法。
【発明の概要】
【0004】
石膏ベースの材料の急速発泡は、炭酸源(炭酸カルシウムなど)と酸性活性剤(硫酸アルミニウムなど)との間の化学反応によって達成される。この化学反応は、発泡剤として使用される副生成物として二酸化炭素ガスを生産し、制御または調整された気泡構造を有する最終材料をもたらす。本発明/概念は、空洞(大または小)または亀裂充填剤として制御可能な急速硬化石膏ベースの発泡材料の適用を実証する。
【0005】
低比重および改善された断熱特性(熱、音など)を有する充填材料は、発泡構造材料を使用することによって達成することができる。特定の物理的特性は、特定の用途に合わせて調整することができる。これらの材料は、スプレーもしくは充填、または他の手段によって、亀裂/空洞/くぼみに塗布することができる。いったん適用されると、化学反応が、ガス(二酸化炭素)の内部発生を引き起こし、間隙または空隙を充填する材料の膨張を引き起こす。あるいは、発泡体として注がれたとき、部分的に大部分が膨張された、最終段階の膨張は、隙間または空隙を充填するであろう。
【0006】
材料の発泡および膨張の量および速度は、スラリーが硬化する前の原材料の濃度および反応速度によって決定される。比重、防音性および断熱性、ならびに湿潤状態もしくは乾燥状態または硬化状態における機械的特性などの特性も、原材料の濃度および反応速度によって決定される。
【0007】
本発明のガス発生発泡特徴は、空洞充填材、亀裂充填剤、断熱材、石膏パネル、石膏プラスター、耐火シーラント、軽量天井タイル、ジョイントコンパウンド、コーティングおよびテクスチャ製品を含む様々な製品に使用することができるであろう。粉末が水と混合されるまで化学反応は開始されず、セル状マトリックス内にガスの発生を引き起こす。初期反応はわずかに遅れ、発泡工程が激しくなる前に湿潤混合物の操作が可能になる。
【0008】
したがって、低比重および改善された断熱特性(熱、音など)を有する充填材料は、発泡構造材料を使用することによって達成することができる。これらの材料は、スプレーもしくは充填、または他の手段によって、亀裂/空洞/くぼみなどの任意の形態で塗布することができる。いったん適用されるか、または材料を塗布する機械デバイスにおける前に、化学反応が、ガス(二酸化炭素)の内部発生を引き起こし、間隙または空隙を充填する材料の膨張を引き起こす。
【0009】
本発明は、15〜90体積パーセントの気泡を有する発泡石膏スラリーを作製する方法を提供し、この方法は、
水、乾燥基準で50〜98重量%の硫酸カルシウム半水和物、乾燥基準で1〜50重量%の炭酸カルシウム、および乾燥基準で0.1〜10重量%のセルロース増粘剤を含む第1のスラリーを、第1のホースを介してY型コネクタ導管に速度Cで通過させ、第1のスラリーが、時間2の第1のホース内での滞留時間を有することと、
アルミニウム化合物を含むミョウバン溶液を、第2のホースを介してY型コネクタ導管に速度Dで通過させることと、
第1のスラリーおよびミョウバン溶液をY型コネクタ導管のそれぞれの流入開口部に通過させて、Y型コネクタ導管内で合流させて、放出開口部を通ってY型コネクタ導管から放出する合流混合流を生成することと、
合流混合流を静的ミキサー内で時間3の間混合して、炭酸カルシウムの一部分をアルミニウム化合物と反応させることによって炭酸カルシウムの少なくとも一部分を活性化させて、発泡石膏スラリーを生成することと、
発泡石膏スラリーを静的ミキサーから第3のホースを介して2つの壁ボード間の空洞に移送し、第3のホースでの滞留時間が、時間4であることと、
空洞内の発泡石膏スラリーを、膨張、凝固、および乾燥させることと、を含む。
【0010】
任意に、当該方法はまた、
硫酸カルシウム半水和物、炭酸カルシウム、およびセルロース増粘剤を含む混合物を混合チャンバーに速度Aで加えることと、
水を混合チャンバーに速度Bで加えることと、
混合物を水と混合チャンバー内で時間1の間混合して、第1のスラリーを形成することと、を含むことができる。
【0011】
好ましくは、硫酸カルシウム半水和物、炭酸カルシウム、およびセルロース増粘剤を含む混合物は、(乾燥無水基準で)100重量部の当該混合物の当該原料に基づいて、
好ましくは、
−ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA、ペンテン酸としても知られる)、
−エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、
−ポリアクリル酸ナトリウム、
−ポリリン酸塩、好ましくはピロリン酸四ナトリウム(TSPP)および/またはトリポリリン酸ナトリウム(STMP)であって、ポリリン酸塩が分散剤およびキレート剤として存在する場合、キレート剤として添加される量は、分散剤として添加される量とは別のものである、ポリリン酸塩、から選択される、0.1〜1重量%のキレート剤であって、
より好ましくは、キレート剤が、ポリアクリル酸ナトリウムまたはピロリン酸四ナトリウムから選択され、最も好ましくは、キレート剤が、ポリアクリル酸ナトリウムである、0.1〜1重量%のキレート剤と、
0.05〜1重量%の殺生物剤と、のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0012】
所望される場合、混合物原料はまた、乾燥(水を含まない)基準で100重量部の当該混合物の当該原料に基づいて、以下の添加剤:
ポリアクリル酸ナトリウムならびにアクリルおよび(メタ)アクリル酸ベースの水溶性コポリマーからなる群の少なくとも1種のメンバーから選択され、好ましくは、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸/アクリルアミドおよび(メタ)アクリル酸/アクリル酸エステルコポリマーからなる群の少なくとも1種のメンバーから選択され、最も好ましくはポリアクリル酸ナトリウムである、0.1〜10重量%のアクリレート増粘剤、
0.1〜10重量%のカゼイン、アラビアゴム、グアーガム、トラガカントガム、デンプン(任意の塩基源から)、アルギン酸ナトリウム、
0.02〜1重量%のクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸、ホウ酸、好ましくはクエン酸、
0.02〜2重量%のpH増加塩、例えば、クエン酸のアルカリ金属塩、重炭酸ナトリウム、および/もしくは水酸化マグネシウム、好ましくは、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、重炭酸ナトリウム、もしくは水酸化マグネシウムのうちの少なくとも1つ、最も好ましくは、クエン酸もしくは水酸化マグネシウム、
0.02〜2重量%の促進剤であって、硫酸カリウム、有機ホスホン化合物、リン酸含有化合物、ならびに硫酸カルシウム二水和物および砂糖を含む促進剤からなる群から選択され、好ましくは、硫酸カルシウム二水和物および糖を含む、0.02〜2重量%の促進剤、
0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%の発泡剤であって、
−好ましくは、発泡剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸塩、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、(C14〜16オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルファ−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、スルホコハク酸塩、アルキルフェノールエーテル硫酸塩、およびイセチオン酸塩からなる群から選択され、
−より好ましくは、アルファ−オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゾフルフォネート、およびアルキルエーテルサルフェートオリゴマーであり、
−さらに、好ましくは、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、C10〜C12アルコールエーテル硫酸アンモニウム、C14〜16オレフィンスルホン酸ナトリウム、およびポリプロポキシ−ポリエトキシ−デシル硫酸ナトリウム(分子式C
10H
22−O(C
3H
6−OC
2H
4−O)
x−H
2SO
4−Na)からなる群の少なくとも1種のメンバーであり、
−最も好ましくは、20〜25%のブチルジグリコール、7〜15%のラウリルエーテル硫酸ナトリウム、および3〜5%のアルコールC10〜C16を含む混合物である、発泡剤、
1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%のラテックスポリマーであって、好ましくは、ラテックスポリマーは、ポリ酢酸ビニルラテックス、ポリアクリル酸ビニルおよびポリ塩化ビニルラテックス、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、アクリル酸エステル、ビニルアクリル、塩化ビニル、塩化ビニルアクリル、スチレンアセテートアクリル、エチレンポリ酢酸ビニル、スチレンブタジエン、ならびにそれらの組み合わせからなる群の少なくとも1種のメンバーから選択され、より好ましくは、ラテックスポリマーは、アクリルポリマーおよびスチレンブタジエンからなる群の少なくとも1種のメンバーから選択される、1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%のラテックスポリマー、
0.01〜1重量%の2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、
0.05〜2重量%、典型的には0.1〜2重量%のポリカルボキシレート分散剤であって、好ましくは、ポリカルボキシレート分散剤が、ポリカルボン酸エーテル分散剤を含む、0.05〜2重量%、典型的には0.1〜2重量%のポリカルボキシレート分散剤、
0.05〜2重量%、典型的には0.1〜2重量%のポリリン酸塩分散剤であって、好ましくは、ポリリン酸塩分散剤は、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、トリポリリン酸カリウム(KTPP)、ポリリン酸四ナトリウム(TSPP)、およびピロリン酸四カリウム(TKPP)からなる群の少なくとも1種のメンバーから選択され、より好ましくは、ポリリン酸分散剤は、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)またはポリリン酸四ナトリウム(TSPP)であり、最も好ましくは、ポリリン酸分散剤は、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)であり、ポリリン酸塩が分散剤およびキレート剤として存在する場合(本明細書の他の箇所で考察されるように)、キレート剤として添加される量は、分散剤として添加される量とは別のものであり、例えば、0.05〜2重量%、典型的には0.1〜2重量%のポリリン酸塩が、分散剤として存在し、0.1〜1重量%のポリリン酸塩が、キレート剤として添加され、次に、組成物が、0.15〜3重量%、典型的には0.2〜3重量%の全ポリリン酸塩を有する、0.05〜2重量%、典型的には0.1〜2重量%のポリリン酸塩分散剤、
0.01〜2重量%、典型的には0.1〜2重量%のナフタレン分散剤またはリグノスルホン酸塩分散剤であって、好ましくは、ナフタレン分散剤が、ベータ−ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド縮合物、およびナフタレン硫酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物のうちの少なくとも1つから選択され、好ましくはリグノスルホン酸塩である、0.01〜2重量%、典型的には0.1〜2重量%のナフタレン分散剤またはリグノスルホン酸塩分散剤、
0.01〜0.5重量%のケイ素ベースの消泡剤、
粘土、顔料粒子、およびそれらの組み合わせから選択される、1〜5重量%の無機粒子であって、好ましくは、顔料粒子が、二酸化チタンを含む、1〜5重量%の無機粒子、
0.05〜1%のポリエチレンオキシド(PEO)、のうちの1つ以上を含み得る。
【0013】
例えば、混合物は、0.05〜1%のポリエチレンオキシド(PEO)を含み得るが、他の添加剤を含まない。あるいは、例えば混合物は、0.05〜1%のポリエチレンオキシド(PEO)および他の添加剤のうちの1つ以上を含み得る。
【0014】
ラテックスポリマーは、乾燥再分散性粉末として、または界面活性剤を含むラテックスの一部として添加することができ、ラテックスポリマーは、水性媒体中に固体として分散される。典型的なラテックスは、40〜60重量%のラテックスポリマーである。
【0015】
好ましくは、石膏ベースの組成物は、100重量部の当該原料に基づいて、
50〜98重量%の硫酸カルシウム半水和物、
1.5〜50重量%、より好ましくは3〜40重量%の炭酸カルシウム、
0.5〜30重量%、より好ましくは1.5〜30重量%、最も好ましくは3〜20重量%の硫酸アルミニウム、
0〜1重量%のクエン酸、
0〜2重量%のクエン酸ナトリウム、
硫酸カルシウム二水和物および砂糖を含む、0〜2重量%の促進剤、
ヒドロキシメチルプロピルセルロースまたはヒドロキシメチルエチルセルロースを含む、0.2〜3重量%のセルロース増粘剤、
0〜3重量%の当該発泡剤であって、当該発泡剤が、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸塩、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、C14〜16オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルファ−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、スルホコハク酸塩、アルキルフェノールエーテル硫酸塩、およびイセチオン酸塩からなる群から選択される、0〜3重量%の発泡剤、
水性媒体中に固体として分散された表面活性剤およびラテックスポリマーを含む、0〜20重量%のラテックスであって、ラテックスポリマーが、アクリルポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーからなる群の少なくとも1種のメンバーから選択される、0〜20重量%のラテックス、
0〜1重量%の2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、
水酸化カルシウムを含む、0〜1重量%の改変剤、
ポリカルボキシレート分散剤、ポリリン酸塩分散剤、およびナフタレン分散剤からなる群の少なくとも1種のメンバーから選択される、0.1〜2重量%の分散剤であって、
ポリカルボキシレート分散剤が、ポリカルボン酸エーテル分散剤を含み、
ナフタレン分散剤が、ベータ−ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド縮合物、およびナフタレン硫酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物のうちの少なくとも1つから選択され、
ポリリン酸分散剤は、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、カリウム、トリポリリン(KTPP)、ピロリン酸四ナトリウム、およびピロリン酸四カリウム(TKPP)からなる群の少なくとも1種のメンバーから選択され、より好ましくはポリリン酸分散剤は、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)またはピロリン酸四ナトリウム(TSPP)であり、最も好ましくはポリリン酸分散剤はトリメタリン酸ナトリウム(STMP)を含み、
ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸/アクリルアミド、および(メタ)アクリル酸/アクリル酸エステルコポリマーからなる群の少なくとも1種のメンバーから選択され、最も好ましくはポリアクリル酸ナトリウムである、0〜2重量%のアクリレート増粘剤、
0〜1重量%のキレート剤であって、
−ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA、ペンテン酸としても知られる)、
−エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、
−ポリアクリル酸ナトリウム、
−ポリリン酸塩、好ましくはピロリン酸四ナトリウム(TSPP)であって、ポリリン酸塩が分散剤およびキレート剤として存在する場合、キレート剤として添加されるポリリン酸塩の量は、分散剤として添加されるポリリン酸塩の量とは別のものであり、したがって、0.1〜2重量%のポリリン酸塩が分散剤として存在し、0〜1重量%のポリリン酸塩がキレート剤として存在する場合、組成物は、0.1〜3重量%の全ポリリン酸塩を有し、より好ましくは、キレート剤が、ポリアクリル酸ナトリウムまたはピロリン酸四ナトリウムから選択され、最も好ましくは、ポリアクリル酸ナトリウムである、ポリリン酸塩、のうちの1つ以上を含む、0〜1重量%のキレート剤、
0〜1重量%の殺生物剤、典型的には0.05〜1重量%の殺生物剤、
0〜0.5重量%のケイ素ベースの消泡剤、
粘土、顔料粒子、およびそれらの組み合わせから選択される、0〜5重量%の無機粒子であって、好ましくは、顔料粒子が、二酸化チタンを含む、0〜5重量%の無機粒子、
パーライト(コーティングおよび非コーティング)またはポリスチレンなどの、0〜10重量%の軽量骨材、を含む、原料を含む。
【0016】
本発明はまた、発泡石膏製品を作製する方法であって、
水と、
上記に列挙される発泡石膏スラリーを形成するための本発明の上記に列挙される石膏ベースの組成物原料と、を混合することを含み、
水と硫酸カルシウム半水和物との重量比が0.2〜2:1であり、
発泡石膏製品を形成するために、発泡石膏スラリー中の硫酸カルシウム半水和物が、硫酸カルシウム二水和物に変換、硬化および乾燥し、
硬化および乾燥した発泡石膏スラリーから得られた発泡石膏製品が、10〜55ポンド/立方フィート(pcf)の密度を有し、
発泡石膏製品が、30〜90体積パーセントの全空隙体積を有する、方法を提供する。
【0017】
例えば、発泡石膏スラリーおよび発泡製品について、本発明の石膏ベースの組成物原料は、無水基準で100重量部の当該原料に基づいて、
50〜98重量%の硫酸カルシウム半水和物と、
ガスを発生させるための化合物の組み合わせであって、
−CO2ガスを発生させるための、1.5〜50重量%の炭酸カルシウム、ならびに硫酸アルミニウムおよび硫酸アルミニウムカリウムから選択される、1.5〜30重量%の少なくとも1つのアルミニウム化合物と、を含む、組み合わせと/または、
0.1〜10重量%のセルロース増粘剤と、を含む、原料の混合物を含む。
【0018】
典型的な空洞は、スタッドと乾式壁との間のオープンスペースと見なされる。ただし、特例の空洞は、その中に、配管、サポートスタッド、導管、電気ボックス、HVACなどが配置される。特例の空洞は、材料が障害物の周りを流れるのに十分流れないため、軽量発泡体を上からポンプで送ることができない。
【0019】
材料がそのような特別な空洞にポンプで送られる場合、流れを障害物の周りで移動することを可能にするために、少ない発泡スラリーが望ましい場合がある。発泡石膏スラリーおよび発泡製品に関するそのような場合、本発明の石膏ベースの組成物原料は、無水基準で100重量部の原料に基づいて、
50〜98重量%の硫酸カルシウム半水和物、
ガスを発生させるための化合物の組み合わせであって、
−CO
2ガスを発生させるための、1.5〜50重量%の炭酸カルシウムと、硫酸アルミニウムおよび硫酸アルミニウムカリウムから選択される、0.5〜30重量%、典型的には1.0〜30重量%の少なくとも1つのアルミニウム化合物と、を含む、組み合わせ、ならびに/または、
0.1〜10重量%のセルロース増粘剤、を含む、原料の混合物を含む。
【0020】
本発明はまた、空洞壁システムであって、
スタッドを含むフレームに取り付けられ、対向するパネル間に空洞を画定する、対向するボードパネル、好ましくは石膏ボードパネルまたはセメントボードパネルなどの壁ボードパネル、最も好ましくは石膏ボードパネルであって、典型的には、パネルが、垂直ボードパネルである、対向するボードパネルと、
空洞内に配置された硬化および乾燥された発泡石膏スラリーから得られる発泡石膏製品であって、10〜55ポンド/立方フィートの比重を有し、30〜90体積パーセントの全空隙体積を有する、発泡石膏製品と、備える、空洞壁システムを含む。
【0021】
本発明はまた、空洞壁システムを本発明の発泡石膏スラリーで充填する方法を提供し、この方法は、
約6インチ〜約10フィート、典型的には約6インチ〜約6フィートの空洞内の第1の充填垂直距離まで、空洞を第1の発泡石膏スラリーで充填することと、
空洞内の第1の発泡石膏スラリーを膨張させ、かなりの湿態強度を得て、凝固させて、湿態発泡石膏製品を生成することと、
第2の発泡石膏スラリーを作製することと、
約6インチ〜約10フィート、典型的には約6インチ〜約6フィートの空洞内の第2の充填垂直距離まで、湿態発泡石膏製品の上で空洞を第2の発泡石膏スラリーで充填することと、
空洞内の第2の発泡石膏スラリーを、膨張、凝固、および乾燥させることと、を含む。
【0022】
本明細書で使用される場合、「焼き石膏」という用語は、アルファ硫酸カルシウム半水和物、ベータ硫酸カルシウム半水和物、水溶性硫酸カルシウム無水物、またはそれらの任意のもしくは全ての混合物を意味することを意図し、「硬化石膏」および「水和石膏」という用語は、硫酸カルシウム二水和物を意味することを意図している。混合物中の水は焼き石膏と自然に反応して硬化石膏を形成する。
【0023】
本明細書において、全ての百分率および比率は、他に指示がない限り、重量により、全ての分子量は、他に指示がない限り、重量平均分子量である。
【0024】
本明細書では、空洞、充填材、充填剤、または任意の同様の表現のいかなる言及も、意図的に限定されず、いかなる形状のいかなる材料から作製されたいかなる空洞を意味することができ、最終結果は、複合体(任意の数の材料の)または単一の材料であり得る。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、制御可能な急速発泡/急速硬化石膏ベースの材料を実証する。急速に膨張する発泡石膏材料は、スプレー塗布またはポンプ注入することができる。
【0027】
本技術の用途には、部分的または集合的に、以下の概念および/または製品の用途が含まれる。
1)フレーム構造、金属製ドアフレーム/商業構築用壁アセンブリ用途、シャフト壁アセンブリ用の充填材料。
2)適所での現場キャストの構築ブロックおよび/または押し出しブロック、部分壁、全壁アセンブリ。
3)改善された防火仕切り用途。
4)高VOCコーキング材、シーラント、化合物、発泡ウレタン発泡用の0−VOC材料としての置換。
5)断熱材用途。
【0028】
本発明は、構造中に埋め込まれた空隙を有する、石膏スラリーおよび硬化石膏製品を生成するための新規な方法を提供する。これは、内部発生ガスを閉じ込めて含有することができ、バルク材料を膨張させる。硫酸アルミニウム(酸)および炭酸カルシウム(塩基)を用いる、本発明の型では、膨張に使用される内部発生ガスは、硫酸アルミニウム(酸)と炭酸カルシウム(塩基)との間の酸−塩基化学反応から得られ、これが、二酸化炭素(CO
2)ガスを発生させる。硫酸アルミニウムおよび炭酸カルシウムが反応して二酸化炭素ガスを生成する方法を記載する、典型的な化学反応は、式(I)として示される。
Al
2(SO
4)
3+3CaCO
3+3H
2O>>2Al(OH)
3+3CO
2+3CaSO
4(I)
【0029】
CO
2は、不安定な化合物である炭酸アルミニウムの形成、および炭酸アルミニウムの分解によって、システム内に副生成物としてCO
2を発生させることによって発生される。材料内の特定の特性(熱抵抗、音響特性など)を向上させるために、媒体内に空隙を組み込むことは、長年にわたって知られている。媒体に空隙を組み込むことは、様々な方法を使用して行われ得る。
1.圧力下でガスを圧縮する(炭酸水など)
2.媒体にガスを注入する(従来の石膏パネルの生成など)
3.媒体中で内部にガスを発生させる(本発明)
【0030】
本発明は、上で考察された化学反応を通して媒体内に内部にガスを発生させる。本発明は、様々な用途に利用することができる。得られた発泡石膏スラリーを用いて、空洞壁構造の空洞を充填することができる。例えば、空洞壁構築システムは、2つの石膏パネル、スタッド、およびガラス繊維断熱材を含む(場合によっては、断熱材は使用されない)。しかしながら、本発明は、空洞壁構造用の空洞充填材料として新規の自己発泡石膏ベースのスラリーを利用する壁システムを提供する。
【0031】
したがって、本発明は、音響および熱伝達(R値)を含む、向上された機械的特性および断熱特性を有する低比重空洞壁システムを提供する。例えば、最終的な軽量石膏組成物は、約10pcf(ポンド/立方フィート)〜約80pcfの密度を有することができる。所望の密度は、(I)発泡の量を増加または減少させること、(II)スラリー中の水の量を増加または減少させること、およびそれらの組み合わせによって達成することができる。
【0032】
ガス発生に関する考察
通常、ガスが流体の内部で発生されると、その一部は、それを囲む液体に溶解され、その一部は、媒体中に拡散し、一部は、媒体から漏れる。改善された防音性、耐火性、および断熱性を有する低比重発泡材料を作製するためには、ガスを流体の内部に閉じ込めて、気泡構造を保持するためにスラリー中でのその拡散、溶解、および流動性を防止する必要がある。発生されたガスがスラリーの内部に閉じ込められると、スラリーが適切なレオロジー特性を有する場合にのみ材料の膨張が生じる。膨張速度は、化学反応の反応速度および気泡成長の動力学に依存する。潜在的膨張レベルは、反応物である炭酸カルシウムおよび硫酸アルミニウムの量ならびにそれらの化学量論比に依存する。
【0033】
反応物の数に基づいて、流体がその最大の可能性まで膨張する能力は、レオロジー特性によって左右される。
【0034】
重要な要因は、流体のレオロジー特性の改変である。本発明は、様々なレオロジー改変剤を使用して、これを達成する。
●以下のような有機物:
−セルロース系増粘剤
−分散剤
−アルコール
●以下のような無機物:
−粘土
【0035】
セルロース系増粘剤は、粘度および弾性を提供し、石膏結晶の水和および強度にほとんどまたは全く影響を及ぼさない。これは、界面活性剤、分散剤、およびアルコールなどの他の気泡安定化材料には当てはまらない。これらが、セルロース系増粘剤がこの発泡石膏材料において特別であるだけでなく、配合物を非自明かつ特有にする主な理由である。
【0036】
本発明では、CO2を内部で発生させるために水中で混合されるときに、硫酸アルミニウムと炭酸カルシウムとが、反応し、プラスター(スタッコ)スラリーがある程度膨張する。しかしながら、石膏ベースのスラリーにレオロジー改変剤を使用しないと、材料は、その最大の膨張可能性に到達することができないか、またはその可能性に到達した後に崩壊するであろう。
【0037】
本発明によって生産された材料の用途のうちの1つは、断熱材として使用されることであり、これに関連する特性には、以下のものが含まれる。
1.機械的特性:接着、衝撃、圧縮、引張
2.熱的特性:R値、耐火性
3.音響的特性:STC
4.比重:用途に応じて、低、中、高
【0038】
封入による反応制御
本発明は、反応物の混合時に急速に起こり、ミョウバン(硫酸アルミニウムおよび/または硫酸アルミニウムカリウムとしても知られる)が炭酸カルシウム粒子に遭遇したときに、ガスの発生が一般に10秒以内、好ましくは5秒以内に始まる、酸−塩基反応に基づく。しかしながら、酸/塩基反応の急速な反応速度は、スラリーの機械的/手動の混合中にスラリー中にガスを閉じ込め、それを壁空洞に注ぐことを困難にする。機械的/手動のミキサーを使用して、ミョウバンをスラリー中に完全に分散させるのに必要な時間を考慮すると、ユーザーが現場でそれをカスタム混合することもまた困難である。ミョウバン粉末粒子をシェルに封入すると、混合工程中にスラリー中に封入された粒子に適切な剪断力が加えられたときに、粉末の制御された放出をもたらす。スラリーの混合中に剪断応力を加えると、シェルが破裂し、ミョウバンがスラリーに曝される。いったんミョウバン粒子がスラリー中に均一に分散されると、化学反応が始まり、その結果、石膏ベースの材料の膨張をもたらす。粉末を制御放出する方法は、混合および注入工程中にガスがシステムから漏れないようにすることを確実にするであろう。
【0039】
活性原料、例えばアルミニウム化合物(ミョウバン)の封入された制御放出は、2つのカテゴリーに分類される。
【0040】
1)放出が、カプセルのポリマーもしくはコポリマー膜を通る水の浸透速度によって、および各コーティング粒子から周囲のスラリーへのミョウバンの拡散速度によって左右される、第1の群。
【0041】
2)主にカプセルが圧力または剪断力によって破壊されたときに活性原料の放出が左右される、比較的厚い封入コートを有する、第2の群。
【0042】
反応して発泡を引き起こす、活性原料、すなわち、アルミニウム化合物または炭酸カルシウムのうちのいずれかを封入して、放出を制御することができる。
【0043】
封入(コーティング)は、様々な方法によって達成され得る。
1)アルギン酸塩封入
2)ポリオキシメチレン尿素マイクロ封入
3)複合コアセルベーション(ゼラチン)マイクロ封入
4)ゲルビーズ
コーティングに一般的に使用されるコーティング材料は、以下の通りである。
【0044】
1)エチルセルロース
2)ポリビニルアルコール
3)ゼラチン
4)砂糖
5)アルギン酸ナトリウム
したがって、アルミニウム化合物は、シェルに封入されたミョウバン粉末粒子として混合物に供給することができ、混合中にスラリー中の封入されたミョウバン粉末粒子に十分な剪断力が加えられると、ミョウバン粉末の放出が制御される。あるいは、炭酸カルシウムは、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ゼラチン、砂糖、およびアルギン酸ナトリウムからなる群のメンバーを含む、コーティングで封入されてもよい。あるいは、炭酸カルシウムは、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ゼラチン、砂糖、およびアルギン酸ナトリウムからなる群のメンバーを含む、コーティングで封入されてもよい。
【0045】
システムの原料とそれらの目的
本発明のスラリーは、以下のものを含む。
●水:粉末が反応、水和、溶解、流動性を持つなどするための媒体を提供するために使用される。
●以下の理由のために使用される、スタッコ(硫酸カルシウム半水和物):
−硬化特性、したがって、強度および乾燥密度を提供する
−その硬化特性(時間および最終的な微細構造)を制御/操作する能力、したがって、所望の結晶構造を制御する。
−火災特性、したがって、安全性を提供する
●以下の理由のために使用される、硫酸アルミニウム(ミョウバン):
−ガス発生源
●以下の理由のために使用される、炭酸カルシウム:
−充填剤
−ガス発生源
【0046】
典型的には、スラリーは、以下の添加剤のうちの1つ以上を含む。
●石膏の硬化特性を制御するための、クエン酸ナトリウムなどの遅延剤、およびWGA、HRA、またはCSAなどの促進剤。
●キレート剤:より長い作業時間(作業可能性)が所望される用途で、石膏の硬化を中断させるために使用される。無期限に硬化を中断させることができる。
●抗菌性:製品の性能に影響を与えるであろう微生物の成長に対する耐性を確実にする。
●pH改変剤:レオロジー改変剤の急速な水和を可能にし、レオロジーに影響を及ぼす。それらは、コーティングセルロース系増粘剤を標的とする。
●PVOHおよび砂糖などのコーティング反応物
●以下のために使用される、レオロジー改変剤:
−気泡構造の安定化を助ける
−スラリー中にガスを含有し、膨張を引き起こす
−ガスの拡散およびガス漏れを制御する
−気泡合体を制御する
−気泡の上向きの流動性を制御する
−気泡壁からの排水を防止する
−固形物の沈降を防止する(水/固体分離)
−相分離を防止する
−特有のレオロジー特性は、混合中、非常に流動的に作用することができ、容易な分散を可能にするが、静止時に粘度が上がり、これが気泡の流動性を遅らせる
【0047】
特定の配合成分の例:
以下は、スラリーを作製するための様々な必須の原料および任意選択的な原料の列挙される例である。
●水
●スタッコ(硫酸カルシウム半水和物)
●炭酸カルシウム
●クエン酸ナトリウム
●トリメタリン酸ナトリウム
●レオロジー改変剤
−PEO(ポリエチレンオキシド)
−PVOH(ポリビニルアルコール)
−ラテックス
−石鹸
−分散剤
−超可塑剤、例えばポリナフタレンスルホン酸塩、ポリアクリレート、ポリカルボキシレートエーテルベースの(PCE)超可塑剤など)。
−デンプン
−PCM(相変化材料)PCMは、潜熱が高い材料である。これらは、部屋内の温度を維持するために、温度がより高いときには熱を収集するために、温度がより低いときには熱を放出するために加えられる。
−HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
−HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)
−HEC(ヒドロキシエチルセルロース)
−MC(メチルセルロース)
−MEC(メチルエチルセルロース)
−EC(エチルセルロース)
−CMC(カルボキシメチルセルロース)
−粘土
−ゼオライト
−CSA(気候安定化促進剤)
−HRA(耐熱促進剤)
−WGA(湿式石膏促進剤)
●2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール
●キレート剤
−ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)
−エチレンジアミン四酢酸(EDTA)
−ポリアクリル酸ナトリウム
−ポリリン酸塩、好ましくは、ピロリン酸四ナトリウム(TSPP)
●抗菌剤
●増粘剤または乾燥同等品
●クエン酸遅延剤
●スマタンパク質遅延剤
●ガラス繊維
●ミネラルウール
●ワックス
●ポリエチレングリコール(PEG)
【0048】
壁空洞を充填するための材料の調製/材料の工程
方法1:バッチまたは半連続バッチ混合
スラリー作製
典型的には、乾燥成分は、予め混合されている。例えば、空洞壁用充填剤として使用するための発泡スラリーを作製する場合、乾燥(無水)成分は、現場に到着する前にすでに混合されている。乾燥成分の添加順序は、重要ではない。したがって、ミキサーに入れる前に、全ての乾燥添加剤を、粉末石膏に添加する。
【0049】
次に、乾燥成分を、水と混合し(湿式混合)、キレート石膏スラリーを生成する。これは、バッチサイズ、ブレード設計、ならびに速度および配向、水比などに依存するであろう、様々なバッチ混合技術を使用して行うことができる。
【0050】
発泡石膏製品が作製される石膏スラリーは、水と硫酸カルシウム半水和物との重量比が0.2〜2:1である。
また、生産段階中に材料をスラリーにして、使用準備が整った状態で現場に到着することもできる。
【0051】
スラリー配合物の湿式混合は、高剪断ミキサーおよび低剪断ミキサー(例えば、>10,000rpmで操作することができるミキサー、または30rpmで操作することができるミキサー)中で行うことができる。本発明のスラリーの有意な利点は、いかなる混合環境においてもそれを塊状にすることができないことである。水の需要は、特定のレオロジー特性を維持し、特定の気泡構造をレンダリングするための配合によって異なる。粉末を予め混成し、続いて水と混合すると、均一で塊のないスラリーが得られ、それは以下のことをしない。
●硬化
●沈殿(固体/液体の相分離)
●腐敗
【0052】
スラリーは、石膏(硫酸カルシウム半水和物)、水、硫酸アルミニウム、および炭酸カルシウム、典型的には分散剤から作製される。操作中、スラリーを作製するために、石膏は、スラリーミキサーに供給される。水も添加される。いくつかの添加剤は、ミキサーに直接添加される。他の添加剤を、水に添加してもよい。
【0053】
スラリー水硬性成分は、水硬性成分の乾燥重量に基づいて、少なくとも70重量%の硫酸カルシウム半水和物、好ましくは少なくとも90重量%の硫酸カルシウム半水和物、より好ましくは少なくとも95重量%の硫酸カルシウム半水和物を含み、典型的には、それは、100%の硫酸カルシウム半水和物である。
【0054】
水を除く全ての成分が、乾燥状態で予め混合されている。
【0055】
通常のバッチ工程中、次に、ポンプを使用して、スラリーを容器/ホッパー/ペール/ドラムにポンプ注入する。次に、ミョウバン(粉末または溶液)を、湿った石膏ベースのスラリーに添加する。ミョウバン粉末は、取り扱いの容易さのために有益であるが、所望の分散のためにスラリーへの特別な導入を必要とする。ミョウバン溶液は、スラリー中により良好に分散するために有益である。
【0056】
半連続バッチ工程中に、材料は、スラリー化され、それをミョウバンと混合するために、次にポンプ注入される保持領域に送られる。スラリーが保持領域に移動している間、または全ての混合スラリーが保持領域内にあるとき、新しいバッチを開始することができ、したがってそれは、半連続的である。
【0057】
方法2:連続混合
予め混合された乾式石膏ベースの材料を、フィーダードライブに添加し、連続ミキサーに供給することができる。計量供給される水の量は、ミキサー構成要素に供給されている乾燥粉末の量と、水、乾燥粉末、および/またはスラリーがシステムを通して連続的に送られていることと、に直接関係するため、連続的である。
【0058】
方法3:使用する準備が整った石膏スラリー
石膏スラリーはまた、以前の2つの方法を含むがこれらに限定されない、製造工程を通して調製することができ、次に、使用準備が整った状態で現場に送達することができる。
【0059】
石膏スラリーとミョウバンとが合流されるとき、ミョウバンが粉末である場合、例えばスクリュードライブを使用するなどして、ミョウバンがスラリーのホースに導入される間に、石膏スラリーが容器からポンプ注入される。ミョウバンが溶液である場合、ミョウバンがミョウバン溶液容器からポンプ注入される間に、石膏スラリーが容器からポンプ注入される。2つの混合は、Y(「Y」)チャネルもしくはTチャネル接続、および/または連続混合を提供するための静的ミキサーもしくは動的ミキサーなどの混合デバイスを含むことができるであろう。次に、硫酸アルミニウムと炭酸カルシウムとを合流させて、スラリー内に炭酸ガスを内部に発生させる。動的ミキサーは、可動部を有するものであり、静的ミキサーは、流体が混合を起こすためにそれを越えて移動することに依存する。動的ミキサーは、一列に位置付けられる。したがって、本発明は、ミョウバン溶液を連続ミキサー、より具体的には、それがスラリーと混合される動的ミキサーに添加することを企図する。
【0060】
具体的には、これは、発泡石膏製品を作製する方法であって、作業現場でのバッチ、半連続バッチ、もしくは連続処理を介して、または製造工程の一部として行われ、
硫酸カルシウム半水和物および炭酸カルシウムを水と混合して、第1のスラリーを形成することと、
水と混合されたアルミニウム化合物のミョウバン溶液を提供することと、
第1のスラリーおよびミョウバン溶液をコネクタ導管のそれぞれの流入開口部に通過させて、コネクタ導管内で合流させて、コネクタ導管の放出開口部を通ってコネクタ導管から放出する合流混合発泡流を生成することと、
合流混合発泡流を、静的ミキサーまたは動的ミキサーから選択される合流ミキサー内で混合して、炭酸カルシウムの一部分をアルミニウム化合物と反応させることによって炭酸カルシウムの少なくとも一部分を活性化させて、CO2を発生させ、発泡石膏スラリーを生成することと、
合流混合発泡流を合流ミキサーから2枚の壁ボード間の空洞に移送することと、
空洞内の発泡石膏スラリーを、発泡石膏製品に膨張、凝固、および乾燥させることと、を含む、方法を提供する。
【0061】
好ましくは、コネクタ導管は、Y型コネクタまたはT型コネクタである。
【0062】
図1は、Y型コネクタ導管40を示す。Y型コネクタ導管40は、第1の当該流入開口部43を画定する第1の側部流入管42と、第2の当該流入開口部45を画定する第2の側部流入管44と、放出開口部47を画定する排出管46と、を有する。Y型コネクタ導管の第1の側部流入管42および第2の側部流入管44は、鋭角「A」を画定する。Y型コネクタ導管40の第1の側部流入管42および排出管46は、第1の鈍角「B」を画定する。Y型コネクタ導管の第2の側部流入管44および排出管46は、第2の鈍角「C」を画定する。
【0063】
図2は、T型コネクタ導管60を示し、T型コネクタ導管60は、第2の開口端65に対向する第1の開口端63を有する第1の管62と、第1の管62と連通し、第3の開口端67を画定する第2の管66と、を有する。第1の管62は、第2の管66に対して垂直である。第1の開口端63、第2の開口端65、および第3の開口端67のうちの1つが、第1の流入開口部である。第1の流入開口部ではない、第1の開口端63、第2の開口端65、および第3の開口端67のうちの1つが、第2の流入開口部である。第1の流入開口部または第2の流入開口部ではない、第1の開口端63、第2の開口端65、および第3の開口端67が、放出開口部である。例えば、第1の開口端63は第1の流入開口部であり、第2の開口端65は第2の流入開口部であり、そして第3の開口端67は放出開口部である。
【0064】
図3は、コネクタ導管を使用する方法のフローチャートを示す。硫酸カルシウム半水和物72ならびに炭酸カルシウム74および水76を、ミキサー70内で混合して、第1のスラリー78を形成する。第1のスラリー78およびミョウバン溶液79は、好ましくはY型コネクタ導管およびT型コネクタ導管から選択される、コネクタ導管80に供給され、コネクタ導管80内で合流されて、コネクタ導管から放出開口部を通って放出される、合流混合発泡流82を生成する。合流混合発泡流82を、静的ミキサーまたは動的ミキサーから選択される合流ミキサー90内で混合して、炭酸カルシウムの一部分をアルミニウム化合物と反応させることによって炭酸カルシウムの少なくとも一部分を活性化させて、CO2を発生させ、発泡石膏スラリーを生成する。合流混合発泡流は、流れ92として放出し、合流ミキサー90から2つの壁ボード間の空洞(
図6の空洞8など)に移送される。空洞内の発泡石膏スラリーを、膨張、凝固、および乾燥させる。
【0065】
図4は、Y型コネクタまたはT型コネクタの代替物が、原料を2つ以上の流入開口部を通してコネクタ導管に供給することを示す。例えば、第1のスラリーを、第1の導管の1つの流入開口部を通して供給することができ、ミョウバン溶液を、第1の導管の周りに間隔を置いて配置された導管の多数の流入開口部に供給して、第1の導管に供給することができる。これは、
図4に示されており、第2の開口放出端105に対向する第1の流入開口端103を有する第1の管102と、流入開口部107を有し、第1の管102と連通する第2の管106と、を有するコネクタ導管を呈示する。第2の管106は、(示されるように)垂直であるか、または90度未満である、角度「E」で第1の管102と交差してもよい。第1の開口端103は、第1の流入開口部であり、第2の開口端107は、第2の流入開口部であり、第3の開口端105は、放出開口部である。
【0066】
図5は、例えば
図5によって示されるように、Y型コネクタまたはT型コネクタの別の代替物が、同軸放出を有するコネクタ導管に原料を供給することを示す。
図5は、第2の開口放出端105に対向する第1の流入開口端113を有する第1の管102と、流入開口部117、および第1の管102と連通する放出開口部119を有する第2の管116と、を有するコネクタ導管を示す。第1のスラリーは、第1の開口端113に供給される。第1のスラリーの流れ方向は、方向「T」として示される。コネクタ導管は、ミョウバン溶液を、第1の管内の第1のスラリーの流れと同軸の方向「T1」に放出するための放出開口部119を有する。第2の管116は、(図示されるように)垂直であるか、または90度未満である、角度「F」で第1の管112と交差してもよい。第1の開口端113は、第1の流入開口部であり、第2の開口端117は、第2の流入開口部であり、第3の開口端115は、合流された第1のスラリーおよびミョウバン溶液のための放出開口部である。
【0067】
水、および場合により酸性活性剤物質(硫酸アルミニウムなど)との接触後、石膏(硫酸カルシウム半水和物)は、硬化して、発泡石膏製品の生産中に、硫酸カルシウム二水和物に変換される。したがって、いったんミョウバンと石膏スラリーとが混合されて、二酸化炭素を発生させると、壁空洞への発砲材料の分注が、完全に活性化された発泡体として、または分注の間に発泡している、もしくは任意の状態である部分的に活性化された液体として生じ得る。現場の状況および利用可能な機器に応じて、異なる適用方法が使用されるであろう。空洞充填剤を有する、スタッドおよび壁パネル、例えば乾式壁パネルを含む、壁システムは、空洞充填剤を含まない、スタッドおよび壁パネルを含む壁システムよりも高い機械的特性、音響特性、および熱抵抗特性を有するであろう。壁空洞充填材は、空洞を有する任意の壁、例えば、壁パネル(例えば、石膏ボードまたはセメントボード)とスチールスタッドとの組み合わせであり得る。したがって、例えば、石膏ボードまたはセメントボードのいずれも、この発明と共に用いることができる。しかしながら、空洞充填材は、壁パネルとの使用に限定されない。本発明はまた、発泡セル状コンクリートブロックの中空コアを充填することを企図する。
【0068】
図6は、スタッド6、12、14、および石膏乾式壁パネル2、4を備え、石膏乾式壁パネル2、4の間に空洞8、および空洞8内に本発明の発泡石膏の空洞充填剤10を有する、空洞壁システム1を示す。
【0069】
次に、石膏コアスラリー用のスラリーミキサーからのスラリーは、スラリーミキサーから、必要に応じてスラリーを堆積させる、スラリー分配器に送られる。例えば、それは、壁空洞内に堆積されてもよい。空洞自体は、作業中または生産現場で、一時的もしくは恒久的な、複合システムもしくは単一の材料であり得る。この広い定義の下では、いかなる空間も、この材料で充填することができるか、または材料を自由に注いでから形成することができるであろう。
【0070】
本発明の改善は、空洞の一部分を充填し、発泡石膏製品の最後に加えられた部分が、空洞の別の部分を充填する前に膨張するための十分な時間を与えられることである。空洞内の発泡石膏製品の膨張は、空洞壁に圧力を加える。空洞壁への圧力を最小限に抑えるために制御され得る充填方法の2つの主要なパラメーターが存在し、それらは、(1)空洞に加えられる発泡石膏製品の各部分の量、および(2)空洞に発泡石膏の部分を加える間の時間、である。
【0071】
まず、一度に空洞の一部のみを充填することにより、膨張する材料の量は、より少ない圧力上昇を発生させ、垂直方向のその圧力を軽減するように材料にスペースを与える。好ましくは、約4フィートの垂直距離まで充填することにより、壁を無傷に保ちながら、最小回数の充填が可能になる。しかしながら、充填される垂直距離は、現在のブレースシステムを使用して、約6インチ〜約10フィート、好ましくは約6インチ〜約6フィート、好ましくは約1フィート〜約5フィート、より好ましくは約3フィート〜約4.5フィートの範囲であり得る。より堅牢なブレースシステムが使用される場合、壁の全高さを1回の注入で充填することができる。
【0072】
次に、後続の注入間の時間(つまり、第1の充填の終了から第2の充填の開始までの時間)が完了することが重要である。この時間は、発泡石膏製品が完全に膨張する時間、および湿態強度を構築するために必要な時間によって導かれる。第2の充填が第1の充填の膨張中に行われる場合、第2の発泡石膏製品は、第2の発泡石膏製品の密度が少なくとも部分的に膨張した第1の発泡石膏製品よりも大きいため、第1の発泡石膏製品の下に沈む。さらに、第1の発泡石膏製品は、最初に混合され、注入されたため、より早く少なくとも部分的に硬化する(すなわち、湿態強度が得られる)。したがって、少なくとも部分的に硬化した第1の発泡石膏製品は、第2の注入された発泡石膏製品の垂直膨張に対する障壁となり、第2の発泡石膏製品の膨張中に圧力上昇を引き起こし、それは、少なくとも部分的に硬化した第1の発泡石膏製品を破壊する可能性がある。第1の材料の膨張後、かつ第1の材料がかなりの湿態強度を有する前に第2の注入が行われる場合、第2の材料は、(i)第2の発泡石膏製品が第1の発泡石膏の上に注入されるときに、または(ii)第2の発泡石膏製品の膨張中に、第1の材料を破壊するであろう。ただし、第1の発泡石膏製品が完全に膨張し、かなりの湿態強度を有した後に第2の発泡石膏製品が注入される場合、第2の発泡石膏製品は、第1の発泡石膏製品の上で膨張し始め、第1の発泡石膏製品に対するいかなる下向きの圧力も、2つの別々の注入を補助し、1つのユニットとして結合するであろう。
【0073】
例えば、方法は、
−約6インチ〜約10フィートの空洞内の第1の充填垂直距離まで、空洞を第1の発泡石膏スラリーで充填することと、
−空洞内の第1の発泡石膏スラリーを膨張させ、かなりの湿態強度を得て、硬化させて、湿態発泡石膏製品を生成することと、
−第2の発泡石膏スラリーを作製することと、
−約6インチ〜約10フィートの空洞内の第2の充填垂直距離まで、湿態発泡石膏製品の上で空洞を第2の発泡石膏スラリーで充填することと、
−空洞内の第2の発泡石膏スラリーを、膨張、凝固、および乾燥させることと、を含み得る。
【0074】
本明細書で使用される場合、充填垂直距離は、膨張後の加えられた体積および空洞の寸法に基づいて、充填の下部から充填の上部までの垂直距離として定義される。それは、空洞の下部から充填の上部までの距離ではない。したがって、第1の充填は、空洞の底部から完全に膨張した発泡スラリーの上部まで測定され、第2の充填は、第1の膨張した発泡スラリー表面の上部から空洞の上部まで測定される。
【0075】
必須ではないが、空洞壁を合板のような型枠で補強して、空洞の壁の強度を高めることができる。例えば、
図7は、スタッド302に取り付けられた6つの壁ボード301を有する壁の図解である。壁ボードは、接合部303に隣接している。1枚の合板が、いくつかの壁ボードを覆って支持し、壁ボード301を介してスタッド302にねじ込まれるであろう。合板は、充填が硬化した後に取り除くことができる。
【0076】
図8は、必要に応じて、合板または他の型枠を壁ボードに取り付けるのに好適なオフセットねじ込みの例の図解である。
図8は、鋼製スタッド156および鋼製トラック158を含むフレームに取り付けられた石膏ボード152および合板ボード154を含む壁構造150を示す。壁構造150では、石膏ボード152のねじ162は、合板ボード154合板ボードのねじ164および鋼スタッド256のねじ166からオフセットされている。
【0077】
生産パラメーター
本発明に対する1つの改善は、特定の生産パラメーター、およびこれらのパラメーターが、発泡石膏製品が十分に混合し、適切な時間に硬化することを確実にするためにどのように関連するかである。
【0078】
図9は、発泡石膏製品を生産する例示的な方法に関する、生産パラメーターおよびそれらの関係を説明する。図示の例では、方法は、現場でのバッチ、半連続バッチ、もしくは連続処理を介して、または製造工程の一部として行うことができる。例示的な方法は、
−硫酸カルシウム半水和物および炭酸カルシウム混合物201を混合チャンバー202に速度Aで加えるステップと、
−水203を混合チャンバー202に加えるステップと、
−硫酸カルシウム半水和物と炭酸カルシウムとの混合物201を水202と混合チャンバー202内で時間1の間混合して、第1のスラリー204を形成するステップと、
−第1のスラリー204を第1のホース205を介してY型コネクタ導管206に速度Cで通過させ、第1のスラリー204が、時間2の第1のホース205内での滞留時間を有するステップと、
−ミョウバン溶液207を第2のホース208を介してY型コネクタ導管206に速度Dで通過させるステップと、
−第1のスラリー204およびミョウバン溶液207をY型コネクタ導管206のそれぞれの流入開口部を介して通過させて、Y型コネクタ導管206内で合流させて、放出開口部を通ってY型コネクタ導管206から放出する合流混合流209を生成するステップと、
−合流混合流209を静的ミキサー210内で時間3の間混合して、炭酸カルシウムの一部をミョウバン溶液207中のアルミニウム化合物と反応させることによって炭酸カルシウムの少なくとも一部分を活性化させて、発泡石膏スラリー211を生成するステップと、
−発泡石膏スラリー211を静的ミキサー210から第3のホース212を介して2つの壁ボード間の空洞に移送し、第3のホースでの滞留時間が、時間4であるステップと、
−空洞内の発泡石膏スラリーを、膨張、凝固、および乾燥させるステップと、を含む。
【0079】
あるいは、第1のスラリーは、別々に生産することができ、静的ミキサー内でミョウバン溶液と混合される長期(例えば、数日から数ヶ月)の非硬化性の第1のスラリーを達成するために、促進剤、遅延剤、キレート剤、およびそれらの組み合わせを含む。
【0080】
生産/機器パラメーター(例えば、速度および時間)は、相互に依存している。表Aは、生産/機器パラメーター、およびそれらが依存するその他の生産/機器パラメーターの説明である。表Aで説明が提供されていないのは、パラメーターが説明を要しないからである。表Aで関数が指定されていないところは、パラメーターは、関数ではなく値である。例えば、速度A(例えば、15ポンド(pound)/分としても知られている15ポンド(lbs)/分)は、オペレーターが選択する値であり、速度Bは、そこから依存する関数である。
【表1-1】
【表1-2】
【0081】
本明細書で使用される場合、反応運動学は、材料が反応して、生成物を形成する速度を指し、これは、とりわけ、平均粒子サイズ、粒子サイズ分布、および濃度に関連している。本開示では、反応運動学は、反応が完了する時間として報告される。
【0082】
生産/機器パラメーターは、石膏スラリーの混合および硬化時間に大きく影響する。例えば、速度Aが速すぎる場合、時間2および時間3の各々が速度Aに依存するため(速度Cを介して直接的または間接的に)、混合チャンバーおよび静的ミキサー内での滞留時間が短くなる。これにより、硫酸カルシウム半水和物の水和が不十分になり、最終製品の強度が低下する。速度Aが遅くなる場合、硫酸カルシウム半水和物が通常より早く硬化し、これは、空洞に配置される前に第3のホース内でなる可能性がある。別の例では、速度Bが速すぎると、発泡体が薄くなり、発泡体が空洞内でその形状を保持できなくなり、硬化した製品が弱くなる。速度Bが遅すぎると、発泡体が厚くなり、乾燥した混合物は、水と効果的に混合しない。さらに、発泡体は、伸びたり壊れたりする可能性があり、それは、発泡体の崩壊につながる。別の例では、ミキサー(例えば、混合チャンバーおよび/または静的ミキサー)内の滞留時間が短すぎる、ならびに/または第1および第2のホースの一方もしくは両方が短すぎる場合、対応するスラリーの粘度が低くなりすぎ、発泡時のより低い膨張を引き起こし、発泡体が空洞内でその形状を保持できなくなる。別の例では、スラリーがミョウバン溶液を同軸に取り囲むのではなく、流体が並んで合流するようにY型コネクタ導管が成形されている場合、流体が異なるレオロジー特性のために適切に混合しないため、発泡体は、より低い膨張を有し、炭酸カルシウムは、部分的にしか活性化されない。したがって、スタッコの部分しか硬化しない。別の例では、静的ミキサー内での滞留時間が長すぎる場合、ミキサー内でガスが生成され、それは、蓄積して上流の成分への背圧を引き起こし、最終的にミキサーを詰まらせる。別の例では、静的ミキサーの後の第3のホースが短すぎる場合、スラリーは、空洞に配置される前に十分に膨張する時間を有さない。したがって、空洞内で大幅な膨張が生じ、それは、空洞の壁への圧力を発生させ、場合によっては壁を破損または亀裂させる可能性がある。第3のホースが長すぎる場合、スラリーによってホース内に大量のガスが発生し、それは、第3のホースからの出口速度を増加させる。さらに、ガスがまだホース内にある間に流体マトリックスから漏れて固化し、スラリーの断続的な破裂を引き起こし、次にガスがホースから排出される可能性があるため、スラリーは、完全に膨張しない場合がある。
【0083】
表Bは、生産/機器パラメーターの実行可能な範囲の例を提供する。表CおよびDは、適切な時間に十分に混合および硬化する発泡石膏製品の、それぞれ、スローフロー生産およびファストフロー生産に好適な生産/機器パラメーター範囲の例を提供する。
【0087】
上で考察されたように、生産/機器パラメーターを調整することは、スラリーがいつどこで発泡し、硬化するかを制御するのに有用であり得る。さらに、促進剤、遅延剤、キレート剤、およびそれらの組み合わせの、硫酸カルシウム半水和物と炭酸カルシウムとの混合物との組み合わせを含めることによって、スラリーがいつどこで発泡し、硬化するかを制御することができる。例えば、生産/機器パラメーターおよび/または追加の化学成分を使用して、数分、数日、数ヶ月の設定時間を達成することができる。
【0088】
スラリーがいつどこで発泡し、硬化するかを制御することにより、本発明を使用することが、いくつかの状況および用途で可能になる。例えば、ホースを出た後に膨張するように配合された発泡石膏スラリーは、(I)固体材料またはアセンブリを破壊または破砕するため、(II)型枠の強度が大きい場合、(III)空洞が、空洞の充填に対して、幅広の下部および狭い開口部を有する場合、(IV)空洞の開口部が側面上にある場合、(V)流動発泡石膏スラリーが普通ではない空洞形状に必要な場合、(VI)流動発泡石膏スラリーがタイトな空洞に必要な場合、およびそれらの組み合わせの場合、に有用であり得る。別の例では、ホース内で膨張するように配合された発泡石膏スラリーは、(I)噴霧用途、(II)テクスチャ用途、(III)広範囲の表面、(IV)包み込み用途、(V)体積追加用途、およびそれらの組み合わせ、に有用であり得る。
【0089】
焼き石膏
本明細書で使用される場合、「焼き石膏」は、アルファ硫酸カルシウム半水和物、ベータ硫酸カルシウム半水和物、水溶性硫酸カルシウム無水物、またはそれらの任意のもしくは全ての混合物を意味することを意図している。焼き石膏は、スタッコとしても知られる。「石膏」、「硬化石膏」および「水和石膏」という用語は、硫酸カルシウム二水和物を意味することを意図している。混合物中の水は焼き石膏と自然に反応して硬化石膏を形成する。
【0090】
本発明に用いられる焼き石膏は、先行技術の対応する実施形態において典型的に有用であると見出される形態および濃度であり得る。それは、天然または合成供給源からのものであり得る。いくつかの実施形態では、焼き石膏は、繊維質であり得、他の実施形態では、非繊維質であり得る。アルファまたはベータスタッコを含むがこれらに限定されない、任意の形態の焼き石膏を使用してもよい。しかしながら、アルファ硫酸カルシウム半水和物は、好ましくは、比較的高い強度を有する硬化石膏のその収率のために用いられる。所望される場合、ベータ硫酸カルシウム半水和物またはベータ硫酸カルシウム半水和物と水溶性硫酸カルシウム無水物との混合物が用いられる。焼き石膏は、少なくとも約50%のベータ硫酸カルシウム半水和物を含むことができる。他の実施形態では、焼き石膏は、少なくとも約86%のベータ硫酸カルシウム半水和物を含むことができる。好ましくは20%未満の少量ではあるが、硫酸カルシウム無水物、合成石膏、または粉末石膏の使用も企図される。
【0091】
炭酸カルシウム
炭酸カルシウムは、式CaCO
3を有する化合物である。
【0092】
アルミニウム化合物
アルミニウム化合物は、式Al
2(SO
4)
3を有する硫酸アルミニウムおよび硫酸アルミニウムカリウムからなる群から選択され、好ましくは、それは、硫酸アルミニウムである。
【0093】
水
水は、流動性スラリーを作製する任意の量でスラリーに添加される。使用される水の量は、それを使用する用途、使用される正確な分散剤、スタッコの特性、および使用される添加剤によって大きく変化する。水と硫酸カルシウム半水和物との重量比は、0.2〜2:1である。
【0094】
スラリーを作製するために使用される水は、スラリーおよび硬化プラスターの両方の特性の最良な制御のために実用的な純度であるべきである。塩および有機化合物は、スラリーの硬化時間を改変することでよく知られており、促進剤から硬化阻害剤まで幅広く変化する。いくつかの不純物は、二水和物結晶のインターロッキングマトリクスが形成されるときに構造の不規則性をもたらし、硬化製品の強度を低下させる。したがって、製品の強度および一貫性は、実用的に汚染物のない水、好ましくは飲料用水の使用によって増強される。
【0095】
ラテックス
本発明の石膏スラリーは、結合剤としてラテックスポリマーを含んでもよい。具体的には、ポリマーは、合成ラテックス(すなわち、1種以上のモノマーの乳化重合によって調製されるポリマー粒子の水性分散液)である。ラテックスは、水、ラテックスポリマー、界面活性剤、および本明細書の他の箇所に記載されるような他の原料を含む、水性乳化剤または分散液を含む。代替的に、ラテックスポリマーを、乾燥再分散性粉末として添加してもよい。
【0096】
ラテックスポリマーは、ポリ酢酸ビニルラテックス、ポリアクリル酸ビニルおよびポリ塩化ビニルラテックス、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、アクリル酸エステル、ビニルアクリル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニルアクリル樹脂、スチレンアセテートアクリル樹脂、エチレンポリ酢酸ビニル、スチレンブタジエン、ならびにそれらの組み合わせ、ならびに界面活性剤からなる群の少なくとも1種のメンバーから選択され、好ましくは、ラテックスポリマーは、ポリ酢酸ビニルラテックス、ポリアクリル酸ビニルおよびポリ塩化ビニルラテックスからなる群の少なくとも1種のメンバーから選択され、より好ましくは、ラテックスポリマーは、ポリ酢酸ビニルラテックスを含む。
【0097】
合成ラテックスを調製するための方法は当該技術分野において周知であり、これらの手順のいずれかが使用され得る。
【0098】
ラテックスの最終粒子サイズは、典型的に、30nm〜1500nmで変化する。
【0099】
石膏スラリー用分散剤
分散剤は、石膏スラリー中で石膏と共に使用して、水と硫酸カルシウム半水和物との混合物を流動化する助けになることで知られており、そのため、流動性スラリーの作製に必要な水が削減される。
【0100】
石膏スラリーは、典型的には、ポリナフタレンスルホン酸塩などの分散剤を含有する。ポリナフタレンスルホン酸塩分散剤は、よく知られており、比較的安価であるが、有効性が限られている。ポリナフタレンスルホン酸塩は、デンプン、発泡剤、および粘土との良好な相溶性を有する。ポリナフタレンスルホン酸塩の生産工程は、以下の反応ステップ:ナフタレンを硫酸でスルホン化して、b−ナフタレンスルホン酸を生産すること、b−ナフタレンスルホン酸をホルムアルデヒドと縮合させて、ポリメチレンナフタレンスルホン酸を生産すること、およびポリメチレンナフタレンスルホン酸を水酸化ナトリウムまたは別の水酸化物で中和すること、を含む。
【0101】
ポリカルボキシレート分散剤は、石膏スラリーに好適な分散剤である。石膏スラリー用の好ましいポリカルボキシレート分散剤は、ポリカルボン酸エーテル分散剤、例えば、オキシアルキレン−アルキルエーテルと不飽和ジカルボン酸とのコポリマーを含む分散剤を含む。好ましくは、ポリカルボキシレート分散剤は、オキシアルキレン−アルキルエーテルと不飽和ジカルボン酸とのコポリマーを含む。
【0102】
参照により組み込まれる、LiuらのUS7,767,019は、本発明の石膏スラリー用の分散剤として使用するのに好適な分岐ポリカルボキシレートの実施形態を開示する。これらも、アニオン性界面活性剤である。Liuらは、本質的に第1および第2の繰り返し単位からなるポリカルボキシレート分散剤を開示しており、第1の繰り返し単位は、オレフィン性不飽和モノカルボン酸繰り返し単位またはそのエステルもしくは塩、あるいはオレフィン性不飽和硫酸繰り返し単位またはその塩であり、第2の繰り返し単位は、式(I)のものである。
【化1】
式中、R
1は式(II)によって表され、
【化2】
式中、R
2は、水素もしくは脂肪族C
1〜C
5炭化水素基であり、R
3は、非置換もしくは置換アリール基であり、R
4は、水素もしくは脂肪族C
1〜C
20炭化水素基、脂環式C
5〜C
8炭化水素基、置換C
6〜C
14アリール基、または式(III)のうちの1つに適合する基であり、
【化3】
式中、R
5およびR
7は、互いに独立して、アルキル、アリール、アラルキル、またはアルキルアリール基を表し、R
6は、二価のアルキル、アリール、アラルキル、またはアルカリール基であり、pは、0〜3(両端を含む)であり、mおよびnは、独立して、2〜4(両端を含む)の整数であり、xおよびyは、独立して、55〜350(両端を含む)の整数であり、zは、0〜200(両端を含む)である。
【0103】
参照により組み込まれる、BlackburnらのUS8,142,915もまた、本発明の石膏スラリー用の分散剤としての使用に好適なポリカルボキシレートの実施形態を開示する。
【0104】
好ましくは、ナフタレン分散剤は、ベータ−ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド縮合物およびナフタレン硫酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物のうちの少なくとも1つから選択される。
【0105】
好ましくは、ポリリン酸分散剤は、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、トリポリリン酸カリウム(KTPP)、ピロリン酸四ナトリウム(TSPP)、およびピロリン酸四カリウム(TKPP)からなる群の少なくとも1種のメンバーから選択され、より好ましくは、ポリリン酸分散剤は、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)またはピロリン酸四ナトリウム(TSPP)であり、最も好ましくは、ポリリン酸分散剤は、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)を含む。
【0106】
加えて、例えば、2−アミノ−2−メチルプロパノールなどの好適なアミノアルコールを、分散剤として使用することができる。
【0107】
石膏スラリー用添加剤
硬化促進剤、硬化遅延剤、再石灰化阻害剤、結合剤、接着剤、分散剤、レベリングまたは非レベリング剤、増粘剤、殺菌剤、防カビ剤、pH調節剤、着色剤、補強材、難燃剤、撥水剤、充填剤、およびそれらの混合物などの添加剤が、望ましい特性を付与するため、かつ製造を容易にするために、石膏スラリー中に用いられ得る。
【0108】
石膏スラリーはまた、任意選択的に、スラリーを流動化するための分散剤の能力を向上させ、よってその有効性を改善する、1つ以上の改変剤も含む。好ましい改変剤には、生石灰または水酸化カルシウムとしても知られている石灰、水酸化カルシウムとしても知られている消石灰、炭酸ナトリウムとしても知られているソーダ灰、ならびに他のカルボネート、シリケート、ホスホネート、ホスフェートが含まれる。改変剤の用量は、使用される改変剤およびそれを使用する用途に応じて、0.05%〜約1%である。改変剤およびそれらの使用に関する追加の情報は、参照により組み込まれ、「Modifiers for Gypsum Slurries and Method of Using Them」と題される、米国特許出願公開第US2006/0280898A1号に見られる。
【0109】
好ましくは、改変剤および分散剤の両方が乾燥形態であり、それらを互いに予め混成し、スタッコに添加することができる。スタッコ組成物に分散剤および改変剤を添加するための方法は、参照により組み込まれ、「Modifiers for Gypsum Slurries and Method of Using Them」と題される、US2006/0280898A1により詳細に開示されている。
【0110】
石膏スラリーを入れる用途に典型的な追加の添加剤も、スラリーに添加される。硬化遅延剤または乾燥促進剤を添加して、水和反応が起こる速度を変える。気候安定化促進剤(「CSA」)は、5%の糖と共粉砕した95%の硫酸カルシウム二水和物を含む凝固促進剤であり、250°F(121℃)まで加熱されて、砂糖をカラメル化する。CSAは、USG Corporation,Southard,Okla.の工場から入手可能であり、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第3,573,947号に従って作製される。硫酸カリウムは、別の好ましい促進剤である。耐熱促進剤(HRA)は、硫酸カルシウム二水和物100ポンド当たり、砂糖約5〜25ポンドの比率で、砂糖と共に粉砕された直後の硫酸カルシウム二水和物である。これは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第2,078,199号にさらに記載されている。どちらも好ましい促進剤である。
【0111】
湿式石膏促進剤(WGA)として知られている別の促進剤も、好ましい促進剤である。湿式石膏促進剤の使用およびそれを作製するための方法の説明は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,409,825号に開示されている。WGAは、硫酸カルシウム二水和物、水、および(i)有機ホスホン化合物、(ii)リン酸含有化合物、または(iii)(i)と(ii)との混合物からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤の粒子を含む。この促進剤は、実質的な長寿命を呈し、かつ経時的にその有効性を維持するため、使用前に湿式石膏促進剤を作製、保管、さらには長距離輸送することができる。湿式石膏促進剤は、ボード製品の1000平方フィート(24.3〜390g/m
2)当たり、約5〜約80ポンドの範囲の量で使用される。
【0112】
本発明への他の潜在的添加剤としては、カビ、白カビ、もしくは真菌の増殖を減少させるための殺生物剤および/もしくは防カビ剤がある。選択される殺生物剤および空洞充填の意図される使用に応じて、殺生物剤は、被覆、石膏コア、またはそれらの両方に添加され得る。殺生物剤の例としては、ホウ酸、ピリチオン塩、および銅塩が挙げられる。殺生物剤を、石膏スラリーに添加することができる。
【0113】
ガラス繊維が、任意選択的に、スラリーに添加される。紙繊維が、任意選択的に、スラリーに添加される。最終的な石膏製品の耐水性を改善させるために、ワックス乳化剤またはポリシロキサンが、任意選択的に、石膏スラリーに添加される。堅さが必要な場合は、一般に、ホウ酸が添加される。難燃性は、バーミキュライトの添加によって改善され得る。これらおよび他の既知の添加剤は、本発明のスラリー配合物中において有用である。
【0114】
石膏スラリーは、製品を強化するためにデンプンを含み得る。典型的なデンプンは、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、およびジャガイモデンプンである。デンプンは、アルファ化デンプンまたは酸変性デンプンであり得る。当業者は、生デンプンをアルファ化する方法、例えば、生デンプンを少なくとも約185°F(85℃)の温度で水中加熱すること、または他の方法などを理解する。アルファ化デンプンを含める場合、アルファ化デンプンは、任意の適切な量で存在する。例えば、アルファ化デンプンを含める場合、アルファ化デンプンは、硬化石膏組成物の約0.5重量%〜約10重量%の量で存在するように、硬化石膏組成物の形成に使用する混合物に添加され得る。USG95(United States Gypsum Company,Chicago,IL)等のデンプンも、コア強度のために任意選択で添加される。
【0115】
発泡剤
発泡剤を石膏スラリーに用いて、内部化学反応によって発生された内部発生発泡体を補うための追加の発泡体を生産することができる。これらの発泡剤は、発泡硬化石膏製品を調製するのに有用であることが知られている従来の発泡剤のうちのいずれでもよい。多くのこのような発泡剤は、よく知られており、商業的に容易に入手可能、例えば、石鹸である。
【0116】
好ましくは、発泡剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸塩、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、(C14〜16オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルファ−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、スルホコハク酸塩、アルキルフェノールエーテル硫酸塩、およびイセチオン酸塩からなる群から選択される。より好ましくは、アルファ−オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゾフルフォネート、およびアルキルエーテルサルフェートオリゴマーである。さらに、好ましくは、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、C10〜C12アルコールエーテル硫酸アンモニウム、C14〜16オレフィンスルホン酸ナトリウム、およびポリプロポキシ−ポリエトキシ−デシル硫酸ナトリウム(分子式C
10H
22−O(C
3H
6−OC
2H
4−O)
x−H
2SO
4−Na)からなる群の少なくとも1種のメンバー。最も好ましくは、20〜25%のブチルジグリコール、7〜15%のラウリルエーテル硫酸ナトリウム、および3〜5%のアルコールC10〜C16を含む混合物。
【0117】
発泡剤の1種類の例は、式ROSO
3−M
+を有し、式中、Rは、2〜20個の炭素原子を含有するアルキル基であり、Mは、陽イオンである。好ましくは、Rは、8〜12個の炭素原子を含有するアルキル基である。発泡剤の1種類の例は、式CH
3(CH
2)
xCH
2(OCH
2CH
2)yOSO
3−M
+を有し、式中、Xは、2〜20の数であり、Yは、0〜10の数であり、かつ発泡剤の少なくとも50重量パーセントにおいて0より大きく、Mは、陽イオンである。これらの発泡剤の混成物も、用いてもよい。
【0118】
ポリビニルアルコール(PVOH)は、発泡体がセメント系スラリー中に発生される前に、発泡安定剤としてスラリーに添加されてもよい。
【0119】
添加剤
本発明の実施においてスラリー中に用いられて望ましい特性を付与し、製造を容易にすることができる添加剤は、ケイ素ベースの消泡剤、アクリレート増粘剤、セルロース増粘剤、無機充填剤粉末、pH改変剤、好ましくはアルカノールアミン、および顔料、ならびに上述の分散剤の群の1種以上のメンバーから選択される。
【0120】
本発明の組成物は、粘土および/または硫酸カルシウム二水和物などの無機充填剤粉末を含む。
【0121】
粘土は、か焼してもしなくてもよい。「焼き粘土」という用語は、粘土が、揮発性化合物を追い出すために、熱処理、例えば、加熱を受けたと理解されるべきである。代表的な粘土としては、アタパルジャイト、モンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、フォルコンスコイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、バーミキュライト、ハロイサイト、セリサイト、またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0122】
増粘剤は、セルロース増粘剤およびアクリレート増粘剤からなる群の少なくとも1種のメンバーから選択される。好ましいセルロース増粘剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチルエチルセルロース、エチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースを含み、最も好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。最も好ましいセルロース増粘剤は、ヒドロキシメチルプロピルセルロースである。
【0123】
他の潜在的増粘剤は、カゼイン、アラビアゴム、グアーガム、トラガカントガム、デンプン、アルギン酸ナトリウムである。
【0124】
好ましいアクリレート増粘剤は、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸/アクリルアミドおよび(メタ)アクリル酸/アクリル酸エステルコポリマーなどのアクリル酸および(メタ)アクリル酸をベースとする水溶性コポリマーのうちの1つ以上から選択される。
【0125】
また、コーティング組成物は、ポリビニルアルコール、スチレン/無水マレイン酸ポリマーまたは好ましくは当業者に知られている疎水性変性ポリエーテルウレタン(HEUR)などの会合性増粘剤、疎水性変性アクリル酸コポリマー(HASE)、およびポリエーテルポリオールから選択される増粘剤を含み得る。
【0126】
アルカリ有機化合物および/またはアルカリ無機化合物は、中和剤として好適である。アンモニア水溶液に加えて、エチルアミン、ジメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ピペリジン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−N,N−ジメチルアミノ−2−メチル−プロパノール、およびこれらの化合物の混合物などの揮発性第1級、第2級、および第3級アミンも好ましい。
【0127】
スラリーは、シリコーンベースの消泡剤を含有してもよい。消泡剤または発泡防止剤は、工業用処理液中の発泡体の形成を減少させ、かつ妨げる、化学的添加剤である。発泡防止剤および消泡剤という用語は、互換的に使用されることが多い。一般的に使用される薬剤は、ポリジメチルシロキサンおよび他のシリコーンである。添加剤は、発泡体の形成を防止するために使用されるか、またはすでに形成された発泡体を破壊するために添加される。シリコーンベースの消泡剤は、シリコーン骨格を有するポリマーである。シリコーン化合物は、シリコーン油中に分散された疎水性シリカからなる。乳化剤は、シリコーンが発泡媒体中で急速によく広がることを確実にするために添加される。シリコーン化合物はまた、シリコーングリコールおよび他の変性シリコーン流体を含有し得るであろう。ポリジメチルシロキサンが、好ましい消泡剤である。
【0128】
スラリーは、顔料を含有してもよい。使用され得る顔料は、意図される用途について当業者に知られている全ての顔料である。本発明による水性配合物に好ましい顔料は、例えば、好ましくは、ルチル、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、塩基性炭酸鉛、三酸化アンチモン、およびリトポン(硫化亜鉛および硫酸バリウム)の形態の二酸化チタンである。しかしながら、水性配合物はまた、着色顔料、例えば、酸化鉄、カーボンブラック、グラファイト、発光顔料、亜鉛黄色、亜鉛緑色、群青、マンガンブラック、アンチモンブラック、マンガンバイオレット、パリスブルー、またはシュワインフルートグリーンを含有することもできる。無機顔料に加えて、本発明による配合物は、有機着色顔料、例えば、セピア、ガンボージ、カセットブラウン、トルイジンレッド、パラレッド、ハンザイエロー、インジゴ、アゾ染料、アントラキノイド、およびインジゴイド染料、ならびにジオキサジン、キナクリドン、フタロシアニン、イソインドリノン、および金属錯体顔料を含有することもできる。二酸化チタンが、好ましい顔料である。
【0129】
スラリーは、パーライトまたはポリスチレンなどの軽量の充填剤も含有し得る。
【0130】
スラリーは、水酸化マグネシウムなどのpH改変剤を含有し得る。
【0131】
以下の実施例は、本発明のいくつかの好ましい実施形態をさらに例証し、それらを本発明の範囲外の方法および組成物と比較するために提示される。他に指示がない限り、組成物および混合物中の材料の濃度は、存在する焼き石膏の重量に基づいて、重量パーセントで与えられる。
【0132】
実施例1−壁生成の具体例
発泡石膏壁を生成するために使用された、スラリー生成、ミョウバン溶液生成、ポンプ注入、および混合のシステムの1つの具体的な工程は、表Eに列挙される原料の配合物を使用する、以下のものである。全てのパーセンテージは、乾燥(無水)基準での重量パーセンテージである。材料を、石膏ボード、石膏繊維ボード、ガラスマットシース、およびセメントボードなどの異なる基材に接着するように配合した。
【0134】
壁ボード間の空洞を本明細書に記載される発泡スラリーで充填するために、以下のように3つの異なる工程を行うことができる。以下の例では、工程2を使用した。
【0135】
工程1:
●乾燥材料をバッチ工程で混成、包装、およびスラリー化した
●乾燥ミョウバンと水とを混合することによって、ミョウバン溶液を生成した
●2つの溶液をY型コネクタを介してポンプ注入および合流させた
●2つの溶液を静的ミキサーを使用して混合した
●次に、得られた混合発泡溶液を空洞に移送した
●空洞に入る材料は、膨張していない状態から完全に膨張された状態まで変化した
●空洞内の材料は凝固および乾燥した
【0136】
工程2:
●乾燥材料を混成、包装した
●包装材を連続工程でスラリー化した
●ミョウバン溶液を調達した
●2つの溶液をY型コネクタを介してポンプ注入および合流させた
●2つの溶液を静的ミキサーを使用して混合した
●次に、得られた混合発泡溶液を空洞に移送した
●空洞に入る材料は、膨張していない状態から完全に膨張された状態まで変化した
●空洞内の材料を凝固および乾燥した
【0137】
工程3:
●乾燥材料を混成、包装した
●包装材を連続工程でスラリー化した
●ミョウバン溶液を調達した
●2つの溶液を動的ミキサーに供給した
●次に、得られた混合発泡溶液を空洞に移送した
●空洞に入る材料は、膨張していない状態から完全に膨張された状態まで変化した
●空洞内の材料を凝固および乾燥した
【0138】
工程1、2、および3において本発明の組成物を用いると、空洞を充填するように膨張した。
【0139】
発泡スラリー組成物の例を表Fに提供する。特に明記しない限り、全ての値は、乾燥(無水)原料の重量パーセントである。
【0141】
表Fは、水の量、セルロース系増粘剤の量、および反応物の量に基づいて、広範囲の密度を生成できることを示す。
【0142】
スラリー組成物(非活性化)の比較例の配合物およびそれらの硬化時間を表F1に提供する。特に明記しない限り、全ての値は、乾燥(無水)原料の重量パーセントである。
【0144】
表F1は、18時間〜142日以内に硬化した、活性化のための硫酸アルミニウムなしで作製されたスラリーを示す。このスラリー硬化時間は、必要に応じてさらに延長できる。全てのサンプルは、1:10のミョウバン対乾燥粉末の重量比で活性化され、14〜17pcf(ポンド/立方フィート)の最終密度に到達した。これは、配合物が様々な用途に合わせて変更できることを示す。乾燥材料を混合し、すぐに使用する場合は、少量のポリアクリル酸ナトリウムが必要である。乾燥材料を作製し、湿った状態で保管する場合は、より多い量のポリアクリル酸ナトリウムが必要である。テスト範囲内のポリアクリル酸ナトリウムの量は、最終製品に影響を与えない。CSAおよびクエン酸ナトリウムのわずかな変化により、活性化材料の硬化時間が5〜7.5分で変化する。
【0145】
実施例2
この実施例は、
図9の速度A、速度B、および第1のホースのパラメーターの相互関係を説明する。サンプルS1〜S8は、表Eの組成物に含まれる配合物であった。S1、S2、S3、およびS4は、配合物に推奨されるよりも高い水対粉末の比率で作製した。S1とS2の比較は、速度Aおよび速度Bを遅くすると、ホース内での滞留時間が長くなり、レオロジー調整剤が水和する時間が与えられることを示す。S1とS3の比較は、ホースを長くすると、滞留時間がさらに長くなり、レオロジー調整剤が水和する時間が長くなることを示す。S3とS4の比較は、調整剤が完全に水和しているため、より長い滞留時間を必要としないことを示す。さらに、S4は、ホースから出ている混合されていない粉末の塊が見られたが、S3は、ホースから出ている滑らかなスラリーを有したため、スラリーの混合結果が不十分であったことを示した。S1とS5の比較は、より低い水対粉末の比率を使用する場合、滞留時間が短くても、より高い粘度を達成できることを示す。S5とS6の再比較は、AおよびBの供給速度を遅くすると、ホース内の滞留時間が短くなり、レオロジー調整剤が水和する時間が与えられることを示す。S5とS7の再比較は、ホースを長くすると、滞留時間がさらに長くなり、レオロジー調整剤が水和する時間が長くなることを示す。S5とS8の再比較は、水を減らすと、粘度が高くなりすぎて発泡材料として使用できないことを示す。
【0147】
実施例3
この実施例は、粘度と混合がどのように発泡に影響するかを説明する。サンプルS9〜S14は、表Eの組成物に含まれる配合物であった。S9は、使用可能範囲チャートの例と同じであり、対照サンプルである。S10は、粘度が高すぎ、材料を正しく膨張させることができず、表面フィルムは、高粘度で割れやすいため、ガスが表面に放出された。より少ない水は、反応運動学をより速く生じさせ、結果として硬化時間が速くなった。S11の粘度は、低く、気泡を表面に浮き上がらせ、表面に膜が形成されていないため、ガスを放出させた。より多い水は、反応運動学をより遅く生じさせ、硬化時間が遅くなった。S12は、混合が不十分なスラリーを使用して作成した。材料の粘度および膨張は、レオロジー調整剤が同じ濃度であったため、対照と一致したが、スタッコが適切に分散されず、不十分な反応運動学をもたらし、それは、より長い硬化時間によって示される。S13は、スラリーの混合が不十分で、活性剤の混合が非効率的な状態で作成した。混合が不十分なスラリーは、わずかに低い粘度をもたらし、活性剤の非効率的な混合は、予想よりもはるかに低い膨張をもたらし、混合が不十分なスラリーと活性剤の非効率的な混合との組み合わせは、はるかに長い硬化時間をもたらした。S14は、スラリーが正しく混合され、活性剤の混合が非効率的な状態で作成した。粘度はわずかに低かったが、非効率的な活性剤の混合により、予想よりも粘度が低くなり、硬化時間が長くなった。
【0149】
*ASTM C191−13−ビカーニードルによる水硬性セメントの硬化時間の標準試験方法に従って測定した場合の本発明の最終硬化時間の組成物。
【0150】
実施例4
この実施例は、静的ミキサーがスラリーと活性剤との混合の効率にどのように影響するかを説明する。要素の数は、フィンの数を指し、材料が静的ミキサー内のフィンの周りを流れる。ミキサーには、12および6の2つのサイズしかないため、組み合わせを使用して、異なる長さの混合を作成した。表Iは、12+6の組み合わせが、最低密度の製品または最も膨張した製品を提供することにより、最も効率的な混合を生み出すことを示す。
【0152】
実施例5
図9の第3のホースの長さがホースから出る材料をどのように変えることができるかを示すために、次の設定を使用し、ホースから出る材料の画像を撮影した。
図10は、静的ミキサーの後に長さ15フィート、直径1インチのホースから出る材料を示す。材料は、部分的に膨張したスラリーであるが、まだ滑らかで一貫した外観である。反応による体積の増加が現れ始めているが、流れの主な要因ではない。
図11は、静的ミキサーの後に長さ25フィート、直径1インチのホースから出る材料を示す。材料は、ホース内で膨張し、ガスがスラリーを多くの材料の塊に分解した。材料はまた、膨張によって引き起こされるガス圧のために、はるかに速い速度でホースから出ている。
【0153】
本発明は、上に提供された実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0154】
発明の条項
下記の条項は、本発明の様々な態様を説明する。
【0155】
条項1.15〜90体積パーセントの気泡を有する発泡石膏スラリーを作製する方法であって、この方法は、
水、乾燥基準で50〜98重量%の硫酸カルシウム半水和物、乾燥基準で1〜50重量%の炭酸カルシウム、および乾燥基準で0.1〜10重量%のセルロース増粘剤を含む第1のスラリーを、第1のホースを介してY型コネクタ導管に速度Cで通過させ、第1のスラリーが、時間2の第1のホース内での滞留時間を有することと、
アルミニウム化合物を含むミョウバン溶液を、第2のホースを介してY型コネクタ導管に速度Dで通過させることと、
第1のスラリーおよびミョウバン溶液をY型コネクタ導管のそれぞれの流入開口部に通過させて、Y型コネクタ導管内で合流させて、放出開口部を通ってY型コネクタ導管から放出する合流混合流を生成することと、
合流混合流を静的ミキサー内で時間3の間混合して、炭酸カルシウムの一部分をアルミニウム化合物と反応させることによって炭酸カルシウムの少なくとも一部分を活性化させて、CO2を発生させ、発泡石膏スラリーを生成することと、
発泡石膏スラリーを静的ミキサーから第3のホースを介して2つの壁ボード間の空洞に移送し、第3のホースでの滞留時間が、時間4であることと、
空洞内の発泡石膏スラリーを、膨張、凝固、および乾燥させることと、を含む、方法。
【0156】
条項2.
硫酸カルシウム半水和物、炭酸カルシウム、およびセルロース増粘剤を含む混合物を混合チャンバーに速度Aで加えることと、
水を混合チャンバーに速度Bで加えることと、
混合物を水と混合チャンバー内で時間1の間混合して、第1のスラリーを形成することと、をさらに含む、条項1に記載の方法。
【0157】
条項3.混合物が、促進剤、遅延剤、および/またはキレート剤をさらに含む、条項2に記載の方法。
【0158】
条項4.速度Aが、約15〜約60ポンド/分であり、速度Bが、約10〜約40ポンド/分であり、速度Cが、約2〜約10gpmであり、速度Dが、約2〜約15ポンド/分であり、時間1が、約20〜約75秒であり、時間2が、約22〜約100秒であり、時間3が、約0.005〜約0.040秒であり、時間4が、約3〜約15秒である、条項2に記載の方法。
【0159】
条項5.速度Aが、約15〜約25ポンド/分であり、速度Bが、約10〜約20ポンド/分であり、速度Cが、約2〜約4gpmであり、速度Dが、約2〜約5ポンド/分であり、時間1が、約45〜約75秒であり、時間2が、約50〜約100秒であり、時間3が、約0.020〜約0.040秒であり、時間4が、約5〜約15秒である、条項2に記載の方法。
【0160】
条項6.速度Aが、約35〜約60ポンド/分であり、速度Bが、約25〜約40ポンド/分であり、速度Cが、約5〜約10gpmであり、速度Dが、約5〜約15ポンド/分であり、時間1が、約20〜約35秒であり、時間2が、約22〜約38秒であり、時間3が、約0.005〜約0.025秒であり、時間4が、約3〜約10秒である、条項2に記載の方法。
【0161】
条項7.いかなる任意に加えられたラテックス水性媒体の水に加えて、水対硫酸カルシウム半水和物の重量比が、0.2〜2:1である、条項2に記載の方法。
【0162】
条項8.混合物が、100重量部の当該混合物の当該原料に基づいて、
−0.1〜1重量%のキレート剤と、
0.05〜1重量%の殺生物剤と、のうちの少なくとも1つをさらに含む、条項2に記載の方法。
【0163】
条項9.混合物が、100重量部の当該混合物の当該成分に基づいて、
ポリアクリル酸ナトリウムならびにアクリルおよび(メタ)アクリル酸ベースの水溶性コポリマーからなる群の少なくとも1種のメンバーから選択される、0.1〜10重量%のアクリレート増粘剤、
0.1〜10重量%のカゼイン、アラビアゴム、グアーガム、トラガカントガム、デンプン、アルギン酸ナトリウム、
0.02〜1重量%のクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸、ホウ酸、
0.02〜2重量%のクエン酸のアルカリ金属塩、
硫酸カリウム、有機ホスホン化合物、リン酸含有化合物、ならびに硫酸カルシウム二水和物および糖含有促進剤からなる群から選択される、0.02〜2重量%の促進剤、
0.1〜5重量%の発泡剤、
1〜20重量%のラテックスポリマー、
0.01〜1重量%の2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、
0.05〜2重量%のポリカルボン酸エーテル分散剤、
0.05〜2重量%のポリリン酸塩、
0.01〜2重量%のナフタレン分散剤またはリグノスルホン酸塩分散剤、
0.05〜1重量%の殺生物剤、
0.01〜0.5重量%のケイ素ベースの消泡剤、
粘土、顔料粒子、およびそれらの組み合わせから選択される、1〜5重量%の無機粒子、
0.05〜1%のポリエチレンオキシド(PEO)、からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、条項2に記載の方法。
【0164】
条項10.セルロース増粘剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチルエチルセルロース、エチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースからなる群の少なくとも1種のメンバーから選択され、条項1〜9のいずれかに記載の方法。
【0165】
条項11.原料が、100重量部の当該原料に基づいて、
50〜98重量%の硫酸カルシウム半水和物と、
1.5〜50重量%の炭酸カルシウムと、
1.5〜30重量%の硫酸アルミニウムと、
0〜2重量%のクエン酸ナトリウムと、
硫酸カルシウム二水和物および砂糖を含む、0〜2重量%の促進剤と、
ヒドロキシメチルプロピルセルロースを含む、0.2〜3重量%のセルロース増粘剤と、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸塩、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、(C14〜16オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルファ−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、スルホコハク酸塩、アルキルフェノールエーテル硫酸塩、およびイセチオン酸塩からなる群から選択される、0〜3重量%の当該発泡剤と、
水性媒体中に固体として分散された表面活性剤およびラテックスポリマーを含む、0〜20重量%のラテックスであって、ラテックスポリマーが、アクリルポリマーおよびスチレンブタジエンポリマーからなる群の少なくとも1種のメンバーから選択される、0〜20重量%のラテックスと、
0〜1重量%の2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールと、
水酸化カルシウムを含む、0〜1重量%の改変剤と、
ポリカルボキシレート分散剤、ポリリン酸塩分散剤、およびナフタレン分散剤からなる群の少なくとも1種のメンバーから選択される、0.1〜2重量%の分散剤であって、
ポリカルボキシレート分散剤が、ポリカルボン酸エーテル分散剤を含み、
ナフタレン分散剤が、ベータ−ナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド縮合物、およびナフタレン硫酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物のうちの少なくとも1つから選択され、
ポリリン酸分散剤が、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、トリポリリン酸カリウム(KTPP)、ピロリン酸四ナトリウム(TSPP)、ピロリン酸四カリウム、およびピロリン酸四カリウム(TKPP)の群の少なくとも1つから選択される、0.1〜2重量%の分散剤と、
ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸/アクリルアミドおよび(メタ)アクリル酸/アクリル酸エステルコポリマーからなる群の少なくとも1種のメンバーから選択される、0〜2重量%のアクリレート増粘剤と、
−ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)
−エチレンジアミン四酢酸(EDTA)
−ポリアクリル酸ナトリウム
−ポリリン酸塩であって、ポリリン酸塩が分散剤としても存在する場合、キレート剤として存在するポリリン酸塩は、分散剤として存在するポリリン酸塩とは別のものである、ポリリン酸塩、から選択される、0〜1重量%のキレート剤と、
0〜0.5重量%のケイ素ベースの消泡剤と、
粘土、顔料粒子、およびそれらの組み合わせから選択される、0〜5重量%の無機粒子と、
0〜10重量%の軽量骨材と、を含む、条項2に記載の方法。
【0166】
条項12.アルミニウム化合物が、硫酸アルミニウムおよび硫酸アルミニウムカリウムから選択される、条項1に記載の方法。
【0167】
条項13.アルミニウム化合物が、混合工程中にスラリー中のシェルに粉末封入された粒子の粒子に適切な剪断力が加えられたときに、粉末の制御された放出のためにシェルに封入された粉末の粒子を含む、条項1に記載の方法。
【0168】
条項14.アルミニウム化合物が、水溶性コーティングでコーティングされた粒子を含む、条項1に記載の方法。
【0169】
条項15.混合物が、パーライトおよびポリスチレンのうちの少なくとも1つから選択される軽量骨材をさらに含む、条項2に記載の方法。
【0170】
条項16.発泡石膏スラリーが、約10pcf〜約80pcfの密度を有する、条項1〜15のいずれか1つに記載の方法。
【0171】
条項17.
約6インチ〜約10フィートの空洞内の第1の充填垂直距離まで、空洞を第1の発泡石膏スラリーで充填し、第1の発泡石膏スラリーが、条項1〜16のいずれか1つに記載の方法によって生産されることと、
空洞内の第1の発泡石膏スラリーを膨張させ、かなりの湿態強度を得て、凝固させて、湿態発泡石膏製品を生成することと、
条項1〜16のいずれか1つに記載の方法に従って、第2の発泡石膏スラリーを作製することと、
約6インチ〜約10フィートの空洞内の第2の充填垂直距離まで、湿態発泡石膏製品の上で空洞を第2の発泡石膏スラリーで充填することと、
空洞内の第2の発泡石膏スラリーを、膨張、凝固、および乾燥させることと、を含む、方法。
【0172】
条項18.
約6インチ〜約10フィートの空洞内の第1の充填垂直距離まで、空洞を第1の発泡石膏スラリーで充填することと、
空洞内の第1の発泡石膏スラリーを膨張させ、かなりの湿態強度を得て、凝固させて、湿態発泡石膏製品を生成することと、
第2の発泡石膏スラリーを作製することと、
約6インチ〜約10フィートの空洞内の第2の充填垂直距離まで、湿態発泡石膏製品の上で空洞を第2の発泡石膏スラリーで充填することであって、
第1および第2の発泡石膏スラリーが、独立して、水、乾燥基準で50〜98重量%の硫酸カルシウム半水和物、乾燥基準で1〜50重量%の炭酸カルシウム、および0.1〜10重量%のセルロース増粘剤を含み、乾燥基準で15〜90体積パーセントの気泡を有する、充填することと、
空洞内の第2の発泡石膏スラリーを、膨張、凝固、および乾燥させることと、を含む、方法。
【0173】
条項19.空洞が、壁ボードによって少なくとも部分的に形成された壁を含む、条項18に記載の方法。
【0174】
条項20.空洞が充填されたときに、型枠が第1または第2の発泡石膏スラリーと接触しないように、壁ボードが、型枠に取り付けられている、条項19に記載の方法。